(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-26
(45)【発行日】2024-04-03
(54)【発明の名称】荷電粒子ビーム検査における多層構造のための画像向上
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20240327BHJP
H01J 37/21 20060101ALI20240327BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/21 Z
(21)【出願番号】P 2022563226
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 EP2021062087
(87)【国際公開番号】W WO2021224435
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-12-01
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】フェイ,ローチョン
(72)【発明者】
【氏名】プ,リンリン
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ウェンティアン
(72)【発明者】
【氏名】ユ,リャンジャン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ボー
【審査官】鳥居 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-084944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/22
H01J 37/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷電粒子ビーム検査システムにおいて検査画像を向上させる方法であって、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
前記第1の画像の第1のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第1の層
の露出された部分に関連付け、及び前記第2の画像の第2のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第2の層
の露出された部分に関連付けることと、
前記第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて前記第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて前記第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
前記第1のボケ度合いに応じて前記第1のセグメントを更新し、及び前記第2のボケ度合いに応じて前記第2のセグメントを更新することと、
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントとを合成して、前記第1の層と前記第2の層とを含む合成画像を生成することと
を含む方法。
【請求項2】
画像向上装置であって、
命令セットを格納するメモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
前記第1の画像の第1のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第1の層
の露出された部分に関連付け、及び前記第2の画像の第2のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第2の層
の露出された部分に関連付けることと、
前記第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて前記第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて前記第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
前記第1のボケ度合いに応じて前記第1のセグメントを更新し、及び前記第2のボケ度合いに応じて前記第2のセグメントを更新することと、
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントとを合成して、前記第1の層と前記第2の層とを含む合成画像を生成することと
を前記装置に実施させるために前記命令セットを実行する少なくとも1つのプロセッサと
含む画像向上装置。
【請求項3】
前記第1の画像の前記第1のセグメントを前記複数の積層された層のうちの前記第1の層
の露出された部分に関連付け、及び前記第2の画像の前記第2のセグメントを前記複数の積層された層のうちの前記第2の層
の露出された部分に関連付けることは、前記第1の画像及び前記第2の画像上のフィーチャを前記第1の基準画像及び前記第2の基準画像上のフィーチャと比較することを含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のボケ度合いは、前記第1のセグメントと前記第1の基準画像との間の点像分布関数として推定される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記第1の画像の第3のセグメントを前記第2の層
の露出された部分に関連付けることと、
前記第2の基準画像に基づいて前記第3のセグメントの第3のボケ度合いを推定することと、
前記第3のボケ度合いに応じて前記第3のセグメントを更新することであって、前記第3のボケ度合いは、前記第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を前記装置に更に実施させるために前記命令セットを実行する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントとを合成することは、
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとを合成して、前記第1の層と前記第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
前記第2の層に対応する前記合成画像の一部分は、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の層と前記第1の焦点との間の第1の高低差と、前記第2の層と前記第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の基準画像及び前記第2の基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、請求項2に記載の装置。
【請求項9】
画像を向上させる方法を実施するために、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記方法は、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
前記第1の画像の第1のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第1の層
の露出された部分に関連付け、及び前記第2の画像の第2のセグメントを前記複数の積層された層のうちの第2の層
の露出された部分に関連付けることと、
前記第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて前記第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて前記第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
前記第1のボケ度合いに応じて前記第1のセグメントを更新し、及び前記第2のボケ度合いに応じて前記第2のセグメントを更新することと、
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントとを合成して、前記第1の層と前記第2の層とを含む合成画像を生成することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1の画像の前記第1のセグメントを前記複数の積層された層のうちの前記第1の層
の露出された部分に関連付け、及び前記第2の画像の前記第2のセグメントを前記複数の積層された層のうちの前記第2の層
の露出された部分に関連付けることは、前記第1の画像及び前記第2の画像上のフィーチャを前記第1の基準画像及び前記第2の基準画像上のフィーチャと比較することを含む、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第1のボケ度合いは、前記第1のセグメントと前記第1の基準画像との間の点像分布関数として推定される、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記命令セットは、
前記第1の画像の第3のセグメントを前記第2の層
の露出された部分に関連付けることと、
前記第2の基準画像に基づいて前記第3のセグメントの第3のボケ度合いを推定することと、
前記第3のボケ度合いに応じて前記第3のセグメントを更新することであって、前記第3のボケ度合いは、前記第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を更に実施するために、前記コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントとを合成することは、
前記更新された第1のセグメントと、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとを合成して、前記第1の層と前記第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
前記第2の層に対応する前記合成画像の一部分は、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記第2の層と前記第1の焦点との間の第1の高低差と、前記第2の層と前記第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、前記更新された第2のセグメントと、前記更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、請求項12に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記第1の基準画像及び前記第2の基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、請求項9に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年5月8日に出願された米国特許出願第63/022,170号の優先権を主張し、この出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書で提供される実施形態は、画像向上技術に関し、より詳細には、荷電粒子ビーム検査におけるウェーハ上の多層構造のための検査画像向上に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成又は完成回路コンポーネントは、それらが設計に従って製造され、欠陥がないことを保証するために検査が行われる。走査電子顕微鏡(SEM)など、光学顕微鏡又は荷電粒子(例えば、電子)ビーム顕微鏡を利用する検査システムを採用することができる。ICコンポーネントの物理的なサイズが縮小し続けるにつれて、欠陥検出における精度及び歩留まりがより重要になる。
【0004】
[0004] 設計からのパターン/構造変位及び寸法偏差は、サブナノメートル(nm)の精度でSEM画像から測定され得る。これらの測定値は、製造されたICの欠陥を特定すること及び製造プロセスを制御することにおいて役立ち得る。階段構造などの3次元構造が広く使用されており、3次元構造の高さは、チップの密度又は記憶容量を増加させるために一層高くなっている。そのため、3次元構造についてのロバストな検査又は正確なメトロロジー測定が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本明細書で提供される実施形態は、粒子ビーム検査装置、より詳細には荷電粒子ビームを使用する検査装置を開示する。
【0006】
[0006] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム検査システムにおいて検査画像を向上させる方法が提供される。本方法は、第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することとを含む。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態では、画像向上装置は、命令セットを格納するメモリと、少なくとも1つのプロセッサであって、第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することとを装置に実施させるために命令セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態では、画像を向上させる方法を実施するために、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。本方法は、第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することとを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態では、荷電粒子ビーム検査システムにおいて検査画像を向上させる方法が提供される。本方法は、第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントを更新し、及び第2の層に対応する第2の基準画像に基づいて第2のセグメントを更新することと、更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することとを含む。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態では、サンプルの画像を生成する方法が提供される。本方法は、サンプル上の位置の複数の画像を得ることであって、複数の画像の各々は、異なる焦点において得られる、得ることと、複数の画像のフィーチャと、関連する基準画像のフィーチャとの間の相関を決定することと、関連する基準画像の相関及び層情報に基づいて複数の画像のフィーチャの各々の深さを決定することと、複数の画像上のフィーチャの各々について、選択された画像を得る対象となる、複数の画像のうちの1つの画像を選択することと、選択された画像の各々を合成することにより、位置の画像を作成することとを含む。
【0011】
[0011] 本開示の実施形態の他の利点は、添付の図面と併せて取り入れられる以下の説明から明らかになるであろう。以下の説明では、例示及び例として、本発明の特定の実施形態を記載する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】[0012]本開示のいくつかの実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0013]本開示のいくつかの実施形態と一致する、
図1の電子ビーム検査システムの一部であり得る例示的な電子ビームツールを示す概略図である。
【
図3A】[0014]本開示のいくつかの実施形態と一致する、例示的な多層構造の断面図である。
【
図3B】[0015]
図3Aの例示的な多層構造の上面図である。
【
図4】[0016]本開示のいくつかの実施形態と一致する、例示的な画像向上装置のブロック図である。
【
図5】[0017]本開示のいくつかの実施形態と一致する、検査画像の例示的なセットである。
【
図6】[0018]本開示のいくつかの実施形態と一致する、検査画像を分離する例を示す。
【
図7】[0019]本開示のいくつかの実施形態と一致する、検査画像を合成する例を示す。
【
図8】[0020]本開示のいくつかの実施形態と一致する、画像を向上させる例示的な方法を表すプロセスフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021] ここで、例示的な実施形態を詳細に参照し、その例は、添付の図面に示されている。以下の説明は、添付の図面を参照し、別段の表現がない限り、異なる図面における同じ番号は、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明において記載される実装形態は、全ての実装形態を表すわけではない。代わりに、それらの実装形態は、添付の請求項において記述されるように、開示される実施形態に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例である。例えば、いくつかの実施形態は、電子ビームの利用に関連して説明されるが、本開示は、そのように限定されない。他のタイプの荷電粒子ビームを同様に適用することができる。その上、光学撮像、写真検出、X線検出など、他の撮像システムを使用することができる。
【0014】
[0022] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路で構築される。多くの回路は、同じシリコン片上にまとめて形成することができ、集積回路又はICと呼ばれる。これらの回路のサイズは、劇的に減少しており、その結果、更に多くの回路を基板に適合させることができる。例えば、スマートフォンのICチップは、親指の爪ほどの大きさであるが、それにもかかわらず、20億を超えるトランジスタを含むことができ、各トランジスタのサイズは、人間の毛髪のサイズの1/1000未満である。
【0015】
[0023] これらの極めて小さいICの作成は、多大な時間を要する複雑及び高価なプロセスであり、数百もの個々のステップを伴う場合が多い。1つのステップにおける誤差でさえ、完成ICに欠陥をもたらす可能性があり、完成ICが無用なものとなる。従って、製造プロセスの目標の1つは、プロセスで作成される機能可能なICの数を最大化するため、すなわちプロセスの総歩留まりを向上させるために、そのような欠陥を回避することである。
【0016】
[0024] 歩留まりを向上させる要素の1つは、十分な数の機能可能な集積回路を生産することを保証するために、チップ作成プロセスをモニタすることである。プロセスをモニタする方法の1つは、それらの形成の様々な段階でチップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して行うことができる。SEMは、これらの極めて小さい構造を撮像するために使用することができ、実際には構造の「ピクチャ」を撮影する。画像は、構造が正しく形成されたかどうか、また構造が正しい場所に形成されたかどうかを判断するために使用することができる。構造に欠陥がある場合、欠陥が再発する可能性が低くなるようにプロセスを調整することができる。
【0017】
[0025] 設計からのパターン/構造変位及び寸法偏差は、サブナノメートル(nm)の精度でSEM画像から測定することができる。これらの測定値は、製造されたICの欠陥を特定すること及び製造プロセスを制御することにおいて役立ち得る。検査ツールの焦点深度は、限られているため、3次元構造についての合焦した検査画像を得ることは、困難である。しかしながら、階段構造などの3次元構造の高さは、チップの密度又は記憶容量を増加させるために一層高くなっており、これにより3次元構造についてのロバストな検査又はメトロロジー測定が妨げられる。
【0018】
[0026] 本開示のいくつかの実施形態は、検査システムの焦点深度よりも深さが大きい多層構造について、合焦した検査画像を得るための技術を提供する。いくつかの実施形態では、多層構造について異なる焦点で撮影された複数の検査画像は、対応するGraphic Database System(GDS)情報に基づいて層ごとに補償することができ、視野内の多層構造についてより鮮明な検査画像を生成するために合成することができる。本開示は、より正確なSEM画像を提供するのに役立つことができ、したがってサンプルの欠陥をより高い精度及び効率で検出することを可能にする。
【0019】
[0027] 図面では、コンポーネントの相対寸法は、明確にするために拡大され得る。以下の図面の説明内では、同じ又は同様の参照番号は、同じ又は同様のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に対する違いのみを説明する。本明細書で使用される場合、別段の具体的な記述がない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除いて、考えられる全ての組合せを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得ることが記述される場合、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A若しくはB又はA及びBを含み得る。第2の例として、コンポーネントがA、B又はCを含み得ることが記述される場合、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A、又はB、又はC、又はA及びB、又はA及びC、又はB及びC、又はA、B及びCを含み得る。
【0020】
[0028] ここで、
図1を参照すると、
図1は、本開示の実施形態と一致する、例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示す。
図1に示されるように、荷電粒子ビーム検査システム100は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20、電子ビームツール40及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)30を含む。電子ビームツール40は、メインチャンバ10内に位置する。説明及び図面は、電子ビームを対象とするが、実施形態は、本開示を特定の荷電粒子に限定するために使用されないことが理解される。
【0021】
[0029] EFEM 30は、第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bを含む。EFEM 30は、追加の装填ポートを含み得る。第1の装填ポート30a及び第2の装填ポート30bは、検査予定のウェーハ(例えば、半導体ウェーハ若しくは他の材料で作られたウェーハ)又はサンプルを含むウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取る(以下では、ウェーハ及びサンプルは、集合的に「ウェーハ」と呼ばれる)。EFEM 30の1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20にウェーハを移送する。
【0022】
[0030] 装填・ロックチャンバ20は、装填/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、装填/ロック真空ポンプシステムは、大気圧を下回る第1の圧力に達するように装填・ロックチャンバ20内の気体分子を取り除く。第1の圧力に達した後、1つ又は複数のロボットアーム(図示せず)は、装填・ロックチャンバ20からメインチャンバ10にウェーハを移送する。メインチャンバ10は、メインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続され、メインチャンバ真空ポンプシステムは、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するようにメインチャンバ10内の気体分子を取り除く。第2の圧力に達した後、ウェーハに対して、電子ビームツール40による検査が行われる。いくつかの実施形態では、電子ビームツール40は、シングルビーム検査ツールを含み得る。他の実施形態では、電子ビームツール40は、マルチビーム検査ツールを含み得る。
【0023】
[0031] コントローラ50は、電子ビームツール40に電子的に接続することができ、また他のコンポーネントにも電子的に接続することができる。コントローラ50は、荷電粒子ビーム検査システム100の様々な制御を実行するように構成されたコンピュータであり得る。コントローラ50は、様々な信号及び画像処理機能を実行するように構成された処理回路も含み得る。
図1では、コントローラ50は、メインチャンバ10、装填・ロックチャンバ20及びEFEM 30を含む構造の外部のものとして示されているが、コントローラ50は、構造の一部でもあり得ることが理解される。
【0024】
[0032] 本開示は、電子ビーム検査システムを収納するメインチャンバ10の例を提供するが、本開示の態様は、広い意味において、電子ビーム検査システムを収納するチャンバに限定されないことに留意すべきである。むしろ、前述の原理は、他のチャンバにも適用できることが理解される。
【0025】
[0033] ここで、
図2を参照すると、
図2は、本開示の実施形態と一致する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システム100の一部であり得る例示的な電子ビームツール40の概略図を示す。電子ビームツール40(本明細書では装置40とも称される)は、電子源101、ガンアパーチャ103を有するガンアパーチャプレート171、プレビームレット形成機構172、コンデンサーレンズ110、供給源変換ユニット120、一次投影光学系130、サンプルステージ(
図2に図示せず)、二次結像系150及び電子検出デバイス140を含む。一次投影光学系130は、対物レンズ131を含むことができる。電子検出デバイス140は、複数の検出要素140_1、140_2及び140_3を含むことができる。ビームセパレータ160及び偏向走査ユニット132は、一次投影光学系130内に配置することができる。装置40の一般的に知られている他の構成要素を必要に応じて追加/省略できることが理解され得る。
【0026】
[0034] 電子源101、ガンアパーチャプレート171、コンデンサーレンズ110、供給源変換ユニット120、ビームセパレータ160、偏向走査ユニット132及び一次投影光学系130は、装置100の主光軸100_1と位置合わせすることができる。二次結像系150及び電子検出デバイス140は、装置40の副光軸150_1と位置合わせすることができる。
【0027】
[0035] 電子源101は、カソード、抽出器又はアノードを含み得、一次電子は、カソードから放出され、次いで抽出又は加速され、一次ビームクロスオーバー(虚像又は実像)101sを形成する一次電子ビーム102を形成することができる。一次電子ビーム102は、クロスオーバー101sから放出されると視覚化することができる。
【0028】
[0036] 供給源変換ユニット120は、画像形成要素アレイ(
図2に図示せず)、収差補償器アレイ(図示せず)、ビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)及び事前曲げマイクロ偏向器アレイ(図示せず)を含み得る。画像形成要素アレイは、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを含んで、一次電子ビーム102の複数のビームレットを用いてクロスオーバー101sの複数の平行画像(虚像又は実像)を形成することができる。
図2は、一例として3つのビームレット102_1、102_2及び102_3を示し、供給源変換ユニット120は、いかなる数のビームレットも処理できることが理解される。コントローラ50は、電子検出デバイス140、一次投影光学系130など、
図1の荷電粒子ビーム検査システム100の様々な部分に接続され得る。いくつかの実施形態では、以下に更に詳細に説明するように、コントローラ50は、様々な画像及び信号処理機能を果たし得る。コントローラ50は、様々な制御信号を生成して、荷電粒子ビーム検査システム100の動作も管理し得る。
【0029】
[0037] いくつかの実施形態では、供給源変換ユニット120は、ビーム制限アパーチャアレイ及び画像形成要素アレイ(両方とも図示せず)を備え得る。ビーム制限アパーチャアレイは、ビーム制限アパーチャを含み得る。必要に応じて、いかなる数のアパーチャも使用できることが理解される。ビーム制限アパーチャは、一次電子ビーム102のビームレット102_1、102_2及び102_3のサイズを制限するように構成され得る。画像形成要素アレイは、主光軸100_1に向けて角度を変化させることにより、ビームレット102_1、102_2及び102_3を偏向させるように構成された画像形成偏向器(図示せず)を含み得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、主光軸100_1から離れるほど、より大きくビームレットを偏向させることができる。更に、画像形成要素アレイは、複数の層(図示せず)を含み得、偏向器は、別個の層に設けられ得る。偏向器は、互いに独立して個別に制御されるように構成され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、サンプル1の表面上に形成されるプローブスポット(例えば、102_1S、102_2S及び102_3S)のピッチを調整するように制御され得る。本明細書で言及される場合、プローブスポットのピッチは、サンプル1の表面上の2つの直接隣接するプローブスポット間の距離として定義することができる。
【0030】
[0038] 画像形成要素アレイの中央に位置する偏向器は、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。従って、いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、ビームレット102_1の軌跡を直線に維持するように構成され得る。いくつかの実施形態では、中央の偏向器は、省略され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、一次電子源101は、必ずしも供給源変換ユニット120の中心と位置合わせされなくてもよい。更に、
図2は、ビームレット102_1が主光軸100_1上にある装置40の側面図を示すが、ビームレット102_1は、異なる側から見ると、主光軸100_1から外れ得ることが理解される。すなわち、いくつかの実施形態では、ビームレット102_1、102_2及び102_3の全てがオフアクシスであり得る。オフアクシス構成要素は、主光軸100_1に対してオフセットされ得る。
【0031】
[0039] 偏向されたビームレットの偏向角度は、1つ以上の判断基準に基づいて設定され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、オフアクシスビームレットを、半径方向外向きに又は主光軸100_1から離れるように(例示せず)偏向させることができる。いくつかの実施形態では、偏向器は、オフアクシスビームレットを、半径方向内向きに又は主光軸100_1に向かって偏向させるように構成され得る。ビームレットの偏向角度は、ビームレット102_1、102_2及び102_3がサンプル1上に垂直に着地するように設定され得る。対物レンズ131などのレンズに起因する画像のオフアクシス収差は、レンズを通過するビームレットの経路を調整することにより減らすことができる。従って、オフアクシスビームレット102_2及び102_3の偏向角度は、プローブスポット102_2S及び102_3Sが小さい収差を有するように設定され得る。オフアクシスプローブスポット102_2S及び102_3Sの収差を減らすために、ビームレットは、対物レンズ131の正面焦点又はその近くを通過するように偏向され得る。いくつかの実施形態では、偏向器は、プローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sが小さい収差を有しながら、ビームレット102_1、102_2及び102_3がサンプル1上に垂直に着地するように設定され得る。
【0032】
[0040] コンデンサーレンズ110は、一次電子ビーム102を集束するように構成される。供給源変換ユニット120の下流のビームレット102_1、102_2及び102_3の電流は、コンデンサーレンズ110の集束力を調整するか、又はビーム制限アパーチャアレイ内の対応するビーム制限アパーチャの径方向サイズを変えることにより変化させることができる。電流は、ビーム制限アパーチャの径方向サイズ及びコンデンサーレンズ110の集束力を変更することの両方により変えることができる。コンデンサーレンズ110は、その第1の原理的平面が移動可能となるように構成され得る調整可能コンデンサーレンズであり得る。調整可能コンデンサーレンズは、磁性を有するように構成することができ、その結果、オフアクシスビームレット102_2及び102_3は、回転角度を有して供給源変換ユニット120を照射することができる。回転角度は、集束力又は調整可能コンデンサーレンズの第1の主平面の位置に応じて変わる場合がある。それに応じて、コンデンサーレンズ110は、コンデンサーレンズ110の集束力が変えられながら、回転角度を不変に保つように構成され得る抗回転コンデンサーレンズであり得る。いくつかの実施形態では、コンデンサーレンズ110は、コンデンサーレンズ110の集束力及び第1の主平面の位置が変化した場合に回転角度が変わらない、調整可能な抗回転コンデンサーレンズであり得る。
【0033】
[0041] 電子ビームツール40は、プレビームレット形成機構172を含み得る。いくつかの実施形態では、電子源101は、一次電子を放出し、一次電子ビーム102を形成するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ガンアパーチャプレート171は、一次電子ビーム102の周辺の電子を遮断して、クーロン効果を減らすように構成され得る。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172は、一次電子ビーム102の周辺の電子を更に切断して、クーロン効果を更に減らし得る。一次電子ビーム102は、プレビームレット形成機構172を通過した後、3つの一次電子ビームレット102_1、102_2及び102_3(又はビームレットの任意の他の番号)にトリミングされ得る。電子源101、ガンアパーチャプレート171、プレビームレット形成機構172及びコンデンサーレンズ110は、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。
【0034】
[0042] プレビームレット形成機構172は、クーロンアパーチャアレイを含み得る。プレビームレット形成機構172の、本明細書ではオンアクシスアパーチャとも称される中央アパーチャと、供給源変換ユニット120の中央偏向器とは、電子ビームツール40の主光軸100_1と位置合わせされ得る。プレビームレット形成機構172は、複数のプリトリミングアパーチャ(例えば、クーロンアパーチャアレイ)を備え得る。
図2では、3つのビームレット102_1、102_2及び102_3は、一次電子ビーム102が3つのプリトリミングアパーチャを通過し、一次電子ビーム102の残りの大部分が遮断されているときに生成される。すなわち、プレビームレット形成機構172は、3つのビームレット102_1、102_2及び102_3を形成しない、一次電子ビーム102からの電子の多く又は大部分をトリミングすることができる。プレビームレット形成機構172は、一次電子ビーム102が供給源変換ユニット120に入る前に、プローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sを形成するために最後的に使用されない電子を遮断することができる。いくつかの実施形態では、ガンアパーチャプレート171が電子源101の近くに設けられて、電子を早期に遮断することができる一方、プレビームレット形成機構172も設けられて、複数のビームレットの近傍の電子を更に遮断することができる。
図2は、プレビームレット形成機構172の3つのアパーチャを示すが、必要に応じて任意の数のアパーチャがあり得ることが理解される。
【0035】
[0043] いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172は、コンデンサーレンズ110の下方に配置され得る。プレビームレット形成機構172を電子源101のより近くに配置することにより、クーロン効果をより効果的に減らすことができる。いくつかの実施形態では、プレビームレット形成機構172を電子源101の十分近くに配置することができ、しかも依然として製造可能な場合、ガンアパーチャプレート171を省略することができる。
【0036】
[0044] 対物レンズ131は、検査のために、ビームレット102_1、102_2及び102_3をサンプル1上に集束させるように構成され得、サンプル1の表面上に3つのプローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sを形成することができる。クーロン交互作用効果を減らすために、ガンアパーチャプレート171は、使用されない一次電子ビーム102の周辺電子を遮断することができる。クーロン交互作用効果は、プローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sの各々のサイズを拡大させ、従って検査解像度を劣化させる可能性がある。
【0037】
[0045] ビームセパレータ160は、静電双極子場E1及び磁気双極子場B1(
図2には両方とも図示せず)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタタイプのビームセパレータであり得る。それらの場が印加された場合、静電双極子場E1によってビームレット102_1、102_2及び102_3の電子にかかる力は、磁気双極子場B1によって電子にかかる力に対して、大きさが等しく、方向が反対方向である。従って、ビームレット102_1、102_2及び102_3は、ビームセパレータ160をゼロ偏向角度で直線に通過することができる。
【0038】
[0046] 偏向走査ユニット132は、ビームレット102_1、102_2及び102_3を偏向させて、サンプル1の表面のあるセクションの3つの小さい走査エリアにわたってプローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sを走査させることができる。プローブスポット102_1s、102_2s及び102_3sにおけるビームレット102_1、102_2及び102_3の入射に応答して、3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seがサンプル1から放出され得る。二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seの各々は、二次電子(エネルギー≦50eV)及び後方散乱電子(50eVと、ビームレット102_1、102_2及び102_3の着地エネルギーとの間のエネルギー)を含むエネルギー分布を有する電子を含むことができる。ビームセパレータ160は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを二次結像系150に向かって導くことができる。二次結像系150は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを電子検出デバイス140の検出要素140_1、140_2及び140_3上に集束させることができる。検出要素140_1、140_2及び140_3は、対応する二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seを検出し、例えばサンプル1の対応する走査エリアの画像を構築するために、コントローラ50又は信号処理システム(図示せず)に送信される対応する信号を生成することができる。
【0039】
[0047]
図2では、3つのプローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sによってそれぞれ発生した3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seは、主光軸100_1に沿って電子源101に向けて上方に移動し、対物レンズ131及び偏向走査ユニット132を相次いで通過する。3つの二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seは、副光軸150_1に沿って二次結像系150に入るように、ビームセパレータ160(ウィーンフィルタなど)によって方向転換される。二次結像系150は、3つの検出要素140_1、140_2及び140_3を含む電子検出デバイス140上に3つの二次電子ビーム102_1se~102_3seを集束させる。従って、電子検出デバイス140は、3つのプローブスポット102_1S、102_2S及び102_3Sによってそれぞれ走査された3つの走査領域の画像を同時に生成することができる。いくつかの実施形態では、電子検出デバイス140及び二次結像系150は、1つの検出ユニット(図示せず)を形成する。いくつかの実施形態では、対物レンズ131、偏向走査ユニット132、ビームセパレータ160、二次結像系150及び電子検出デバイス140など(ただし、これらに限定されない)の、二次電子ビームの経路上の電子光学要素は、1つの検出システムを形成することができる。
【0040】
[0048] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、画像処理システムを含み得、画像処理システムは、画像取得器(図示せず)及びストレージ(図示せず)を含む。画像取得器は、1つ又は複数のプロセッサを含み得る。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイス及び同様のもの又はそれらの組合せを含み得る。画像取得器は、中でもとりわけ、導電体、光ファイバケーブル、ポータブル記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、ワイヤレスネットワーク、ワイヤレス無線機又はそれらの組合せなどの媒体を通して装置40の電子検出デバイス140に通信可能に結合することができる。いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から信号を受信し、画像を構築することができる。従って、画像取得器は、サンプル1の画像を取得することができる。画像取得器は、輪郭の生成、取得画像へのインジケータの重畳及び同様のものなどの様々な後処理機能を実行することもできる。画像取得器は、取得画像の明度及びコントラストなどの調整を実行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他のタイプのコンピュータ可読メモリ及び同様のものなどの記憶媒体であり得る。ストレージは、画像取得器と結合し、走査された生の画像データをオリジナルの画像として保存し、及び後処理された画像を保存するために使用することができる。
【0041】
[0049] いくつかの実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス140から受信された1つ又は複数の撮像信号に基づいてサンプルの1つ又は複数の画像を取得することができる。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するための走査動作に対応し得る。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像であり得るか、又は複数の画像を伴い得る。単一の画像は、ストレージに格納することができる。単一の画像は、複数の領域に分割され得るオリジナルの画像であり得る。領域の各々は、サンプル1の特徴を含む撮像エリアを1つずつ含み得る。取得画像は、時系列にわたって複数回サンプリングされたサンプル1の単一の撮像エリアの複数の画像を含み得るか、又はサンプル1の異なる撮像エリアの複数の画像を含み得る。複数の画像は、ストレージに格納することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、サンプル1の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成することができる。
【0042】
[0050] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検出された二次電子の分布を得るために、測定回路(例えば、アナログ/デジタル変換器)を含み得る。検出時間窓中に収集された電子分布データは、ウェーハ表面に入射した一次ビームレット102_1、102_2及び102_3の各々の対応する走査経路データと組み合わせて、検査中のウェーハ構造の画像を再構築するために使用することができる。再構築された画像は、サンプル1の内部又は外部の構造の様々な特徴を明らかにするために使用することができ、従ってウェーハに存在し得るいかなる欠陥も明らかにするために使用することができる。
【0043】
[0051] いくつかの実施形態では、コントローラ50は、検査中にサンプル1を動かすように電動ステージ(図示せず)を制御することができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、ある方向に一定の速さで継続的にサンプル1を動かせるようにすることができる。他の実施形態では、コントローラ50は、電動ステージが、走査プロセスのステップに応じて、サンプル1が動く速さを経時的に変更できるようにすることができる。いくつかの実施形態では、コントローラ50は、二次電子ビーム102_1se、102_2se及び102_3seの画像に基づいて、一次投影光学系130又は二次結像系150の構成を調整することができる。
【0044】
[0052]
図2は、電子ビームツール40が3つの一次電子ビームを使用することを示すが、電子ビームツール40が2つ以上の一次電子ビームを使用し得ることが理解される。本開示は、装置40で使用される一次電子ビームの数を限定しない。
【0045】
[0053] ここで、
図3Aを参照すると、
図3Aは、本開示の実施形態と一致する、サンプルにおける例示的な多層構造の断面図である。
図3Aは、複数の積層された層Lを有する多層構造300の側面図を示す。本開示では、多層構造は、例えば、検査画像を撮影するための平面(例えば、X-Y平面)と交差するZ方向に複数の積層された層を含む階段構造を含むことができ、上から見たときに最上層以外の少なくとも1つの層が露出されている。例えば、
図3Aの多層構造300は、上から下に階段状に積層された10個の層L1~L10を含む。第1の層L1は、露出された第1の露出面S1であって、その長さがl1として示されている、第1の露出面S1を有し、第2の層L2は、第1の層L1によって覆われていない第2の露出面S2であって、その長さがl2として示されている、第2の露出面S2を有する。同様に、第3の層L3~第10の層L10の各々は、各層の上に積層された層によって覆われていない各層自体の露出面を有する。
図3Aに示すように、各層L1~L10は、厚さTを有する。例えば、第1の層L1の厚さは、T1として示されており、第2の層L2の厚さは、T2として示されている。この例では、多層構造300は、第1の層L1~第10の層L10の各厚さTの合計に対応する深さDを有し得る。いくつかの実施形態では、積層された層L1~L10は、互いに対して異なる厚さを有し得る。
【0046】
[0054]
図3Bは、
図3Aの例示的な多層構造300の上面図である。いくつかの実施形態では、
図3Bに示すように、多層構造300は、多層構造300において長さ方向(例えば、
図3Bの左から右方向)に形成されたスリットトレンチSTを含み得る。
図3Bに示すように、上から見ると、最上層(例えば、L1)に加えて、層の少なくとも一部分(例えば、露出面S2~S10)が見える。したがって、多層構造300全体のより鮮明な画像を得るために、検査ツールの焦点深度は、最上層(例えば、L1)のみならず、最下層(例えば、L10)もカバーするのに十分に深くなければならない。しかしながら、多層構造の場合、検査ツールの焦点深度が限られているため、合焦した検査画像を得ることは、困難である。いくつかの実施形態では、
図3Bに示す多層構造300を検査ツールの視野(FOV)に含めることができる。検査ツールの焦点深度が多層構造300の深さDよりも小さい場合、検査ツールは、多層構造300全体の鮮明で合焦した検査画像を撮影できない場合がある。これにより、多層構造300についてのロバストな検査又はメトロロジー測定が妨げられる。
【0047】
[0055] 単なる例示の目的で、検査ツールの焦点深度は、焦点から-2.5マイクロメートル(μm)~+2.5μmの範囲であり、多層構造300の深さDは、10μmであり、層L1~L10の各々は、厚さが1μmであると想定される。この想定下において、一例として、検査ツールの焦点が第1の層L1の上面に配置されるように設定することにより、多層構造300についての検査画像が撮影される場合、検査画像は、焦点深度から外れた領域について焦点がぼける可能性がある。例えば、検査画像は、それぞれ焦点深度内にある第1の層L1、第2の層L2及び第3の層L3についての鮮明な画像を有し得る。しかしながら、検査画像は、第4の層L4~第10の層L10が検査ツールの焦点深度から外れているため、第4の層L4~第10の層L10について焦点のぼけた画像を有し得る。別の例として、検査ツールの焦点が第5の層L5の上面に配置されるように設定することにより、多層構造300についての検査画像が撮影される場合、検査画像は、焦点深度から外れた領域について焦点がぼける可能性がある。例えば、検査画像は、それぞれ焦点深度内にある第3の層L3~第7の層L7についての鮮明な画像を有し得る。しかしながら、検査画像は、第1の層L1、第2の層L2及び第8の層L8~第10の層L10が検査ツールの焦点深度から外れているため、第1の層L1、第2の層L2及び第8の層L8~第10の層L10について焦点のぼけた画像を有し得る。
【0048】
[0056] 上記の問題は、技術が進歩するにつれて悪化し得る。例えば、複数の積層された層は、垂直型NANDフラッシュメモリに使用され、一部の製造業者は、32個もの層を積層しており、また記憶容量及び密度を向上させるために、積層される層の数が多くなり、一部の製造業者は、64個、128個及び更に多くの層を積層できるように取り組んでいる。しかしながら、
図3A及び
図3Bに関して説明したように、多層構造の深さがより深くなるにつれて、焦点外の検査画像は、多層構造を検査する能力に深刻な影響を及ぼす。結果的に、検査画像から正確な測定を行うことは言うまでもなく、視野内の多層構造について合焦した検査画像を撮影することも困難である。本開示の実施形態は、検査画像に基づいて正確なメトロロジーを実施できるように、深さが検査ツールの焦点深度よりも深い多層構造の全てのパターンについての合焦画像を得るための技術を提供することができる。
【0049】
[0057]
図4は、本開示の実施形態と一致する、例示的な画像向上装置のブロック図である。様々な実施形態では、画像向上装置400は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、
図1の電子ビーム検査システム100)の一部であり得るか又はそれとは別個であり得ることが理解される。いくつかの実施形態では、画像向上装置400は、コントローラ50の一部であり得、画像取得器、測定回路又はストレージなどを含み得る。いくつかの実施形態では、画像向上装置400は、画像処理システムを含み得、画像取得器、ストレージなどを含み得る。
【0050】
[0058]
図4に示すように、画像向上装置400は、画像取得器410と、画像分離器420と、画像補償器430と、画像合成器440と、情報ファイル450とを含み得る。
【0051】
[0059] 本開示の実施形態によれば、画像取得器410は、検査されるサンプルの複数の検査画像を取得することができる。例示の目的で、検査されるサンプルの例として、
図3A及び
図3Bに示す多層構造300を含むサンプルを使用する。いくつかの実施形態では、検査画像取得器410は、電子ビームツール40の電子検出デバイス140からの検出信号に基づいて検査画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、検査画像取得器410は、コントローラ50に含まれる画像取得器の一部であり得るか又は画像取得器とは別個であり得る。いくつかの実施形態では、検査画像取得器410は、コントローラ50に含まれる画像取得器により生成された検査画像を得ることができる。いくつかの実施形態では、検査画像取得器410は、検査画像を格納するストレージデバイス又はシステムから検査画像を得ることができる。
【0052】
[0060] いくつかの実施形態では、複数の検査画像をサンプルの同じ領域について撮影することができる。例えば、複数の検査画像を、
図3Bに示す多層構造300を有する領域について撮影することができる。いくつかの実施形態では、複数の検査画像を深さ方向(例えば、Z方向)における異なる焦点で撮影することができる。
図5は、本開示の実施形態と一致する、異なる焦点で撮影された検査画像500の例示的なセットである。
図5に示すように、第2の検査画像502は、画像502の焦点がZ次元における多層構造の中心に近接しているため、第1の検査画像501に比べて中間層のより鮮明な画像を有する一方、第1の検査画像501は、画像501の焦点が多層構造の最上部に近接しているため、第2の検査画像に比べて上層のより鮮明な画像を有する。例えば、第1の検査画像501は、多層構造の最上部により近接する第1の焦点に検査ツールの焦点を設定することにより撮影することができ、第2の検査画像502は、深さ(すなわちZ)方向において第1の焦点と異なる第2の焦点に検査ツールの焦点を設定することにより撮影することができる。同様に、複数の検査画像は、前回の検査画像の焦点から所定量だけ焦点を変化させることにより撮影することができる。
【0053】
[0061] 焦点を変化させることによる複数の検査画像の取得を
図5に関して説明する。単なる例示の目的で、
図3Bに関して述べたものと同じ想定を使用することができる。例えば、検査ツールの焦点深度は、焦点から-2.5μm~+2.5μmの範囲であり、多層構造300の深さDは、10μmであり、層L1~L10の各々は、厚さが1μmであると想定される。この想定下において、一例として、第1の検査画像501は、検査ツールの第1の焦点が第1の層L1の上面に配置されるように設定することにより撮影することができる。第2の検査画像502は、第1の焦点から所定量だけ検査ツールの焦点を増加させることにより撮影することができる。この例では、第2の検査画像502は、第1の焦点を4μmだけ増加させ、これにより第2の焦点が第5の層L5の上面に配置されるようにして第2の焦点を設定することにより撮影することができる。同様に、第3の検査画像(図示せず)は、第2の焦点から所定量だけ検査ツールの焦点を増加させることにより撮影することができる。いくつかの実施形態では、第1の点と第2の焦点との間の同じ所定量を、第2の焦点と第3の焦点との間の所定量のために使用することができる。例えば、第3の検査画像は、第2の焦点を4μmだけ増加させ、これにより第3の焦点が第9の層L9の上面に配置されるようにして第3の焦点を設定することにより撮影することができる。この例では、最下層L10についての合焦画像は、第3の検査画像により撮影することができ、したがって第4の検査画像を撮影しなくてもよい。
【0054】
[0062] いくつかの実施形態では、2つの連続する検査画像間の焦点間隔の所定量は、積層された層L1~L10の各々について、少なくとも1つの合焦画像を撮影するために、検査ツールの焦点深度以下となるように決定することができる。いくつかの実施形態では、焦点深度の範囲内でも検査画像が僅かにぼける可能性あるため、隣り合う検査画像の合焦領域の少なくとも一部分が重なり合うことができるように所定量を設定することができる。上記の例では、焦点間隔の所定量(例えば、4μm)が焦点深度(例えば、5μm)よりも小さいため、隣り合う検査画像の合焦領域の一部分が重なり合う。例えば、第1の検査画像501は、第1の層L1~第3の層L3についての合焦画像を有し得、第2の検査画像502は、第3の層L3~第7の層L7についての合焦画像を有し得、同様に、第3の検査画像は、第7の層L7~第10の層L10についての合焦画像を有し得る。いくつかの実施形態では、所定量は、各層が1つの検査画像のみに合焦画像を有するように、焦点深度に等しくなるように設定することができる。例えば、上記の例において、所定量が5μmに設定された場合、第1の検査画像501は、第1の焦点が第1の層L1の上面に位置決めされる点において、第1の層L1~第3の層L3についての合焦画像を有し得、第2の検査画像502は、第2の焦点が第6の層L6などの上面に位置決めされる点において、第4の層L4~第8の層L8についての合焦画像を有し得る。そのように、全ての層は、本開示のいくつかの実施形態による、3つの検査画像からの少なくとも1つの合焦画像を有し得る。画像取得プロセスを3つの検査画像に関して説明したが、検査システムの焦点深度、3次元構造の深さ、解像度要件などに応じて、任意の数の検査画像を使用できることが理解されるであろう。
【0055】
[0063]
図5において、複数の検査画像500は、荷電粒子ビーム検査システム(例えば、
図1の電子ビーム検査システム100)により得ることができる。例えば、複数の検査画像500は、電子検出要素140からの電子検出信号に基づいて生成された電子ビーム画像であり得る。いくつかの実施形態では、検査ツールの焦点は、荷電粒子ビームの焦点であり得る。いくつかの実施形態では、焦点は、荷電粒子システムの対物レンズ(例えば、
図2の対物レンズ131)を制御することによって調整することができる。いくつかの実施形態では、焦点は、荷電粒子システム(例えば、荷電粒子源のアノード)の対物レンズの集束コンポーネントの上流に位置するコンポーネントを用いて調整することができる。いくつかの実施形態では、焦点は、荷電粒子ビームの着地エネルギーを変化させることによっても調整され得る。例えば、焦点は、対物レンズの下流及びウェーハの近傍に位置するプレートに印加される電圧を変化させることによって調整することができる。焦点は、Z軸におけるステージの位置を調整することによっても調整され得る。
【0056】
[0064]
図4を再び参照すると、画像分離器420は、画像取得器410から取得した検査画像上の層を分離するように構成される。いくつかの実施形態では、画像分離器420は、複数の検査画像上の層を分離することができる。いくつかの実施形態では、画像分離器420は、層に対応する基準画像を参照することにより、検査画像上の層を分離することができる。検査画像500は、様々な大きさのビア、接点、スロープなど、サンプル上のフィーチャ/パターンを捕捉することができる。
図5に示すように、第1の検査画像501及び第2の検査画像520は、対応するサンプル上に存在するフィーチャ/パターンを表すフィーチャ/パターンを含む。本開示のいくつかの実施形態によれば、画像分離器420は、検査画像上のパターン/フィーチャ及びそれらの位置と、対応する基準画像上のパターン/フィーチャ及びそれらの位置とに基づいて、検査画像上の層を分離することができる。
【0057】
[0065] 本開示の実施形態によれば、画像分離器420は、情報ファイル450からの情報を使用して層を分離することができる。情報ファイル450は、層(例えば、第1の層L1~第10の層L10)に対応する基準画像を含むことができる。情報ファイル450は、情報を格納する任意の手段、例えばファイル、ファイルのセット、データベース、データベースのセットなどであり得る。情報ファイル450は、例えば、検査画像のための層の基準画像を含むことができる。いくつかの実施形態では、情報ファイル450に含まれる基準画像は、対応するテスト領域のグラウンドトゥルース画像であり得る。グラウンドトゥルース画像は、中でもとりわけ、対応するパターンを含むウェーハ若しくはダイの生画像を含むことができるか、又は対応するパターンを含むウェーハ若しくはダイから測定されたグラウンドトゥルースウェハーマップを含むことができる。いくつかの実施形態では、基準画像は、サンプルの対応する層のウェーハ設計レイアウトを例えばGraphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式、Caltech Intermediate Format(CIF)などの形式で含むことができる。ウェーハ設計レイアウトは、ウェーハを構築するためのパターンレイアウトに基づき得る。いくつかの実施形態では、中でもとりわけ、基準画像は、関連する平面幾何学的形状、テキスト及びウェーハ設計レイアウトに関する他の情報を表す、バイナリファイル形式において格納されたフィーチャ情報を含み得る。ウェーハ設計レイアウトは、フォトリソグラフィマスク又はレチクルからウェーハにフィーチャを転写するために使用される1つ以上のフォトリソグラフィマスク又はレチクルに対応し得る。
【0058】
[0066] 検査画像を分離するプロセスについて、本開示の実施形態と一致する、第1の検査画像501を分離する例を示す
図6を参照して説明する。
図6に示すように、検査画像501は、対応する基準画像を参照して層ごとに分離される。
図6は、第1の検査画像501から分離された3つのセグメント510、520及び530であって、
図3A及び
図3Bの第1の層L1、第2の層L2及び第3の層L3に対応する3つのセグメント510、520及び530を示す。いくつかの実施形態では、検査画像の分離は、層(例えば、L1~L10)の基準画像の情報に基づいて実施され得る。例えば、検査画像501上のパターン又はフィーチャと、各画像が層L1~L10の何れか又は全てを含み得る1つ以上の基準画像(例えば、GDSデータベースを介して表されるものなど)とを比較することにより、検査画像501の何れの部分が基準画像内の何れのパターン又はフィーチャに対応するかを判断することができる。
【0059】
[0067] いくつかの実施形態では、検査画像と、対応する基準画像とのフィーチャ位置の比較に基づいて、特定の層に対応するセグメントを決定することができる。例えば、第1のセグメント510は、第1の層L1に対応すると判定することができ、第2のセグメント520は、第2の層L2に対応すると判定することができ、第3のセグメントは、第3の層L3に対応すると判定することができる。別の例として、ウェーハのSEM画像と、ウェーハの製造に用いられるマスクデータを表す基準画像データを含むGDSデータとの比較により、特定の層(例えば、第1の層L1)の特定の部分を表すGDSデータ内の特定の多角形をSEM画像内の特定のフィーチャと一致させることができ、結果として、SEM画像内の特定のフィーチャは、層の特定の部分であると判定することができる。更に、多層スタックにおける層の全てのフィーチャの深さは、製造プロセスの結果として同じであり、既知であるため、SEM画像内のフィーチャのZ次元における位置を決定することができる。SEM画像とGDSデータとの間の比較の結果として、SEM画像内のフィーチャの各々をGDSデータ内の対応するフィーチャと一致させることができ、SEM画像内のフィーチャの各々の深さは、対応するフィーチャのGDSデータの特性に基づいて決定することができる。
【0060】
[0068] いくつかの実施形態では、検査画像があまりにもぼけている場合、検査画像と基準画像との比較に基づいて対応する層を見つけることが困難であるため、検査画像の分離は、一定レベルの鮮明度を有する領域について実施することができる。一例では、画像分離は、合焦画像領域についてのみ実施され得る。
図6は、検査画像501から3つのセグメントが分離され、検査画像501の残りについて分離が実施されないことを示す。同様に、第2の検査画像502は、一定レベルの鮮明度を有する領域について分離することができる。例えば、合焦範囲内にある第3の層L3~第7の層L7に対応するセグメントは、第2の検査画像502から分離することができる。同様に、そのような分離は、検査画像取得器410から取得した各検査画像について実施することができる。いくつかの実施形態では、画像分離は、一定レベルの鮮明度がある限り、合焦範囲よりも広い領域について実施することができる。
【0061】
[0069]
図4を再び参照すると、画像補償器430は、セグメントごとに検査画像を更新するように構成される。例えば、検査画像分離器420により検査画像から分離されたセグメントは、対応する基準画像に基づいて更新又は修正することができる。いくつかの実施形態では、セグメントは、合焦範囲内で撮影されるが、十分に鮮明でない場合があるか、又は依然として非常にぼけている場合があるため、対応する基準画像を参照してセグメントを更新又は修正することができる。例えば、第1の層L1に対応する第1のセグメント510は、対応する第1の基準画像に基づいて更新することができ、第2の層L2に対応する第2のセグメント520は、対応する第2の基準画像に基づいて更新することができる。いくつかの実施形態では、セグメントは、セグメント画像のボケ度合いに基づいて更新することができる。いくつかの実施形態では、層ごとのボケ度合いは、対応する基準画像に基づいて決定することができる。例えば、対応する基準画像に基づいてセグメントのボケ度合いを推定するために、点像分布関数(PSF)を使用することができる。例示の目的で、セグメントについて点像分布関数を推定することを第1の層L1の第1のセグメント510に関して以下に説明する。
【0062】
[0070] ボケ画像bと、ボケ画像bに対応する鮮明な画像(又は元の物体平面)xとの間の関係は、畳み込み積分式として以下のように表すことができる。
b(u,v)=∫∫a(u,s,v,t)×(s,t)ds dt+e(u,v) (式1)
ここで、関数aは、鮮明な画像x内の点物体がボケ画像b内でどの程度ぼけているかを記述する点像分布関数を表す。点像分布関数aは、集束光学系、例えば検査ツールのインパルス応答と見なすことができる。関数eは、例えば、光学系、操作誤差、低信号対ノイズ比などにより生成された画像ノイズを表す。概して、ノイズeは、未知であるが、過去の検査履歴からいくつかの統計情報が分かり得る。いくつかの実施形態では、ノイズeは、重要でない場合があるが、無視することはできない。変数s及びtは、鮮明な画像xの座標を表す一方、変数u及びvは、ボケ画像bの座標を表す。式1に示すように、鮮明な画像xと点像分布関数aとの間の畳み込み積分演算を行うことにより、またノイズeを加えることにより、ボケ画像bを得ることができる。
【0063】
[0071] 畳み込み演算を含む式1は、行列ベクトル式として以下のように定式化することができる。
B=AX+E (式2)
ここで、Aは、式1の点像分布関数aから作成された点像分布関数を行列形式で表す。Eは、ノイズを行列形式で表す。X及びBは、それぞれ鮮明な画像(又は元の物体平面)及びボケ画像を行列形式で表す。これにより、式1の畳み込み演算が式2の行列積演算になる。
【0064】
[0072] いくつかの実施形態では、画像補償器430は、第1のセグメント510に対応する第1の基準画像に基づいて、第1のセグメント510についての点像分布関数Aを推定することができる。第1のセグメント510についての点像分布関数を推定するとき、検査画像501の第1のセグメント510は、ボケ画像Bとして使用することができ、第1のセグメント510についての第1の基準画像は、鮮明な画像Xとして使用することができる。しかしながら、式2には、ノイズE係数が含まれるため、点像分布関数Aは、線形代数問題で解くことができない。いくつかの実施形態では、点像分布関数Aは、機械学習ネットワークを用いて点像分布関数Aの要素を推測することにより得ることができる。
【0065】
[0073] いくつかの実施形態では、機械学習ネットワークは、式2に基づく教師あり学習により、点像分布関数Aの要素を推測するように構成することができる。例えば、機械学習ネットワークは、ボケ画像Bの要素が機械学習ネットワークに知られているという条件下において、点像分布関数Aの要素を学習するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械学習ネットワークは、第1の基準画像を(例えば、鮮明な画像Xのための)入力データとして使用することにより、点像分布関数Aの要素を学習するように構成することができる。例えば、第1の基準画像のフィーチャ形状及び位置情報は、点像分布関数Aの要素を推測するために(例えば、鮮明な画像Xのための)入力データとして使用することができる。いくつかの実施形態では、ノイズEも、点像分布関数Aを推測する間に推測することができる。ノイズEが既知である場合、点像分布関数Aを推測するために、機械学習ネットワークにノイズEを与えることもできる。
【0066】
[0074] いくつかの実施形態では、点像分布関数Aは、物体平面(例えば、元の物体平面X)内の位置とは無関係であり得るため、点像分布関数Aは、層全体について使用することができる。例えば、第1の層L1の一部分について得られた点像分布関数Aは、第1の層L1が層L1全体について同じ高さを有する限り、第1の層L1全体について使用することができる。いくつかの実施形態では、点像分布関数Aは、平面に固有のものであり、したがって、点像分布関数Aは、各層について得ることができる。例えば、第1の層L1に対応する第1のセグメント510について第1の点像分布関数A1を得ることができ、第2の層L2に対応する第2のセグメント520について第2の点像分布関数A2を得ることができ、第3の層L3に対応する第3のセグメント530について第3の点像分布関数A3を得ることができる。同様に、他の検査画像、例えば第2の検査画像502からの各セグメントについて点像分布関数Aを推定することができる。第1の検査画像501及び第2の検査画像502を撮影するときの焦点は、異なるため、第1の検査画像501内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aは、第2の検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aと等しくない場合がある。例えば、第1の検査画像501内の第3のセグメント530についての点像分布関数Aは、第2の検査画像502内のセグメントについての点像分布関数Aと異なり得る。そのため、1つの検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aは、既に得られているが、別の検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aを得ることができる。
【0067】
[0075] 画像補償器430は、推定された点像分布関数Aに基づいて検査画像を更新することができる。いくつかの実施形態では、画像補償器430は、検査画像を更新して、点像分布関数Aに基づいて鮮明な画像を生成することができる。いくつかの実施形態では、画像補償は、以下のように変形させることができる式2に基づいて実施することができる。
X=A-1(B-E) (式3)
上述したように、ボケ画像Bは、既知であり、ノイズEの要素は、点像分布関数Aを推測するときに既知であるか又は推測されている。そのため、式3に示すように、ボケ画像BとノイズEとの間の差に点像分布関数Aの逆行列A-1を乗じることにより、鮮明な画像Xを得ることができる。
【0068】
[0076] いくつかの実施形態では、検査画像の更新は、層ごとに実施することができる。
図6を再び参照すると、例えば、第1の検査画像501の第1のセグメント510は、第1の層L1について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができ、第1の検査画像501の第2のセグメント520は、第2の層L2について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができ、第1の検査画像501の第3のセグメント530は、第3の層L3について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができる。第1の検査画像501の第1の更新された検査画像701が
図7に示されている。第1の更新された検査画像701は、例えば、
図7に示すように、第1の層L1~第3の層L3に対応する更新されたセグメントを含み得る。同様に、第2の検査画像502及び他の検査画像から分離されたセグメントを更新することができる。第2の検査画像502の第2の更新された検査画像702が
図7に示されている。第2の更新された検査画像702は、例えば、
図7に示すように、第3の層L3~第7の層L7に対応する更新されたセグメントを含み得る。同様に、他の更新された検査画像(図示せず)を生成することができる。
【0069】
[0077] 上述したように、点像分布関数Aは、例えば、層高さと、層の対応する検査画像が撮影される焦点高さとの間の差、用いられる検査ツールなどを含む特定の条件に固有に決定することができる。いくつかの実施形態では、スループットを向上させることができる同じ条件で検査画像が撮影される場合、検査画像を向上させるために点像分布関数Aを読み込んで使用することができるように、点像分布関数Aを対応する条件と共に格納することができる。
【0070】
[0078]
図4を再び参照すると、画像合成器440は、更新された画像を合成して、画像取得器410により撮影された画像に対応する合成画像700を生成するように構成される。
図7は、本開示の実施形態と一致する、検査画像を合成する例を示す。
図7に示すように、画像補償器430により更新された複数の検査画像701及び702は、視野全体のより鮮明な画像を生成するために合成される。複数の更新された検査画像701、702の画像合成は、以下のように表現することができる。
I
f=I
1*W
1+I
2*W
2+・・・+I
n*W
n (式4)
ここで、I
1~I
nは、合成される複数の更新された検査画像を表す。例えば、I
1は、第1の更新された検査画像701を表し、I
2は、第2の更新された検査画像702を表すことができ、同様に、I
nは、第nの更新された検査画像を表す。本開示の実施形態によれば、複数の更新された検査画像は、サンプルの同じ領域(例えば、多層構造300)に関連付けられる。I
fは、更新された検査画像I
1~I
nの合成画像を表す。W
1~W
nは、対応する更新された検査画像I
1~I
nの重みを表し、更新された検査画像の各画素の融合率を反映するように決定することができる。
【0071】
[0079]
図7では、複数の更新された検査画像701及び702のうち、第1の更新された検査画像701のみが第1の層L1及び第2の層L2のセグメントを含むため、第1の重みW
1は、第1の層L1に対応する要素について値1を有し得、他の重みW
2~W
nは、第1の層L1及び第2の層L2に対応する要素について値0を有し得る。
【0072】
[0080]
図7では、2つの検査画像701及び702のみが第3の層L3のセグメントを含むため、第3の層L3のより鮮明な画像の生成を促進するか又は可能にする、第1の更新された検査画像701と、第2の更新された検査画像702との融合率を決定することができる。いくつかの実施形態では、合成画像I
f内の第3の層L3の画素は、第1の更新された検査画像701と、第2の更新された検査画像702との間の平均値を有し得る。例えば、第1の重みW
1及び第2の重みW
2は、第3の層L3に対応する要素について値1/2を有し得、他の重みW
3~W
nは、第3の層L3に対応する要素について値0を有し得る。いくつかの実施形態では、第1の更新された検査画像I1と、第2の更新された検査画像I2との間の異なる融合率を、第3の層L3に対応する画素について使用することができる。複数の更新された検査画像間の融合率は、例えば、特定の層の高さと、対応する検査画像が撮影される焦点の高さとの間の差を含む様々な因子に基づいて決定することができる。例えば、第1の検査画像501の焦点から第3の層L3までの深さ方向における第1の距離を決定することができ、第2の検査画像502の焦点から第3の層L3までの深さ方向における第2の距離を決定することができる。第1の距離が第2の距離よりも大きい場合、第1の重みW
1は、第3の層L3に対応する要素について第2の重みW
2の値よりも大きい値を有し得るか、又は第1の距離が第2の距離より小さい場合、第1の重みW
1は、第3の層L3に対応する要素について第2の重みW
2の値よりも小さい値を有し得る。
【0073】
[0081] 最適な融合率の決定は、複雑であり得るため、いくつかの実施形態では、画素の融合率は、様々な要因を考慮に入れることにより、機械学習ネットワークを用いて決定することができる。同様に、サンプルの視野全体についての合成画像を生成するために、全ての層について融合率を決定して組み合わせることができる。特定の層についてのより鮮明な画像を生成するために、2つの検査画像間の融合率を決定する方法について説明してきたが、特定の層についてのより鮮明な画像を生成するために、3つ以上の検査画像について融合率を決定することに本開示を適用できることが理解されるであろう。
【0074】
[0082] 本開示の実施形態によれば、検査システムの焦点深度よりも深さが大きい多層構造について、合焦した検査画像を得るための技術を提供することができる。いくつかの実施形態では、多層構造について異なる焦点で撮影された複数の検査画像は、対応するGDS情報に基づいて層ごとに補償することができ、視野内の多層構造についての鮮明な検査画像を生成するために合成することができる。本開示は、より正確なSEM画像を提供するのに役立つことができ、したがってサンプルの欠陥をより高い精度及び効率で検出することを可能にする。
【0075】
[0083]
図8は、本開示の実施形態と一致する、画像を向上させる例示的な方法を表すプロセスフローチャートである。例示の目的で、画像を向上させる方法について、
図4の画像向上装置400を参照して説明する。いくつかの実施形態では、画像を向上させる方法は、コントローラ50内において又はコントローラ50により直接若しくは間接的に実施できることが理解される。
【0076】
[0084] ステップS810では、サンプルの複数の検査画像(例えば、
図5の501、502)を取得することができる。ステップS810は、例えば、中でもとりわけ、画像取得器410によって実施することができる。いくつかの実施形態では、複数の検査画像をサンプルの同じ領域について撮影することができる。例えば、複数の検査画像を、
図3Bに示す多層構造300を有する領域について撮影することができる。いくつかの実施形態では、複数の検査画像を深さ方向(例えば、Z方向)における異なる焦点で撮影することができる。
図5は、本開示の実施形態と一致する、異なる焦点で撮影された検査画像500の例示的なセットである。例えば、第1の検査画像501は、第1の焦点に検査ツールの焦点を設定することにより撮影することができ、第2の検査画像501は、深さ方向において第1の焦点と異なる第2の焦点に検査ツールの焦点を設定することにより撮影することができる。同様に、複数の検査画像は、前回の検査画像の焦点から所定量だけ焦点を変化させることにより撮影することができる。
【0077】
[0085] いくつかの実施形態では、2つの連続する検査画像間の焦点間隔の所定量は、積層された層L1~L10の各々について、少なくとも1つの合焦画像を撮影するために、検査ツールの焦点深度以下となるように決定することができる。いくつかの実施形態では、焦点深度の範囲内でも検査画像が僅かにぼける可能性あるため、隣り合う検査画像の合焦領域の少なくとも一部分が重なり合うことができるように所定量を設定することができる。
【0078】
[0086] ステップS820では、ステップS810において撮影された検査画像を層ごとに分離することができる。ステップS820は、例えば、中でもとりわけ、画像分離器420によって実施することができる。いくつかの実施形態では、検査画像上の層は、層に対応する基準画像を参照することにより分離することができる。本開示のいくつかの実施形態によれば、検査画像上の層は、検査画像上のパターン/フィーチャ及びそれらの位置と、対応する基準画像上のパターン/フィーチャ及びそれらの位置とに基づいて分離することができる。いくつかの実施形態では、検査画像を分離することは、層(例えば、L1~L10)の基準画像の情報に基づいて実施することができる。例えば、層L1~L10の各々について検査画像501及び基準画像上のパターン又はフィーチャを比較することにより、検査画像501の何れの部分が基準画像の何れの部分に対応するかを判断することができる。いくつかの実施形態では、検査画像と、対応する基準画像とのフィーチャ位置の比較に基づいて、特定の層に対応するセグメントを決定することができる。いくつかの実施形態では、検査画像があまりにもぼけている場合、検査画像と基準画像との比較に基づいて対応する層を見つけることが困難であるため、検査画像の分離は、一定レベルの鮮明度を有する領域について実施することができる。例えば、画像分離は、焦点外の画像領域について実施することが困難であり得る。検査画像を分離するプロセスを
図6に関して説明してきたため、検査画像を分離するプロセスの説明は、ここでは省略する。
【0079】
[0087] ステップS830では、検査画像をセグメントごとに更新することができる。ステップS830は、例えば、中でもとりわけ、画像補償器430によって実施することができる。例えば、ステップS820において検査画像から分離されたセグメントは、対応する基準画像に基づいて更新又は修正することができる。いくつかの実施形態では、セグメントは、合焦範囲内で撮影されるが、十分に鮮明でない場合があるか、又は依然としてぼけている場合があるため、対応する基準画像を参照してセグメントを更新又は修正することができる。例えば、第1の層L1に対応する第1のセグメント510は、対応する第1の基準画像に基づいて更新することができ、第2の層L2に対応する第2のセグメント520は、対応する第2の基準画像に基づいて更新することができる。いくつかの実施形態では、セグメントは、セグメント画像のボケ度合いに基づいて更新することができる。いくつかの実施形態では、層ごとのボケ度合いは、対応する基準画像に基づいて決定することができる。例えば、対応する基準画像に基づいてセグメントのボケ度合いを推定するために、点像分布関数(PSF)を使用することができる。
【0080】
[0088] いくつかの実施形態では、セグメントについての点像分布関数Aは、セグメントに対応する基準画像と式2とに基づいて推定することができる。いくつかの実施形態では、機械学習ネットワークは、式2に基づく教師あり学習により、点像分布関数Aの要素を推測するように構成することができる。例えば、機械学習ネットワークは、ボケ画像Bの要素が機械学習ネットワークに知られているという条件下において、点像分布関数Aの要素を学習するように構成することができる。いくつかの実施形態では、機械学習ネットワークは、基準画像を(例えば、鮮明な画像Xのための)入力データとして使用することにより、点像分布関数Aの要素を学習するように構成することができる。例えば、第1の基準画像のフィーチャ形状及び位置情報は、点像分布関数Aの要素を推測するために(例えば、鮮明な画像Xのための)入力データとして使用することができる。いくつかの実施形態では、ノイズEも、点像分布関数Aを推測する間に推測することができる。ノイズEが既知である場合、点像分布関数Aを推測するために、機械学習ネットワークにノイズEを与えることもできる。
【0081】
[0089] いくつかの実施形態では、点像分布関数Aは、物体平面(例えば、元の物体平面X)内の位置とは無関係であり得るため、点像分布関数Aは、層全体について使用することができる。例えば、第1の層L1の一部分について得られた点像分布関数Aは、第1の層L1が層L1全体について同じ高さを有する限り、第1の層L1全体について使用することができる。いくつかの実施形態では、点像分布関数Aは、平面に固有のものであり、したがって、点像分布関数Aは、各層について得ることができる。例えば、第1の層L1に対応する第1のセグメント510について第1の点像分布関数A1を得ることができ、第2の層L2に対応する第2のセグメント520について第2の点像分布関数A2を得ることができ、第3の層L3に対応する第3のセグメント530について第3の点像分布関数A3を得ることができる。同様に、他の検査画像、例えば第2の検査画像502からの各セグメントについて点像分布関数Aを推定することができる。第1の検査画像501及び第2の検査画像502を撮影するときの焦点は、異なるため、第1の検査画像501内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aは、第2の検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aと等しくない場合がある。例えば、第1の検査画像501内の第3のセグメント530についての点像分布関数Aは、第2の検査画像502内のセグメントについての点像分布関数Aと異なり得る。そのため、1つの検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aは、既に得られているが、別の検査画像内の特定の層に対応するセグメントについての点像分布関数Aを得ることができる。
【0082】
[0090] ステップS830では、検査画像は、推定した点像分布関数Aと式3とに基づいて鮮明な画像を生成するために更新することができる。いくつかの実施形態では、検査画像を更新することは、層ごとに実施することができる。
図6を再び参照すると、例えば、第1の検査画像501の第1のセグメント510は、第1の層L1について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができ、第1の検査画像501の第2のセグメント520は、第2の層L2について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができ、第1の検査画像501の第3のセグメント530は、第3の層L3について得られた点像分布関数Aに基づいて更新することができる。同様に、他の更新された検査画像(図示せず)を生成することができる。
【0083】
[0091] 上述したように、点像分布関数Aは、例えば、層高さと、層の対応する検査画像が撮影される焦点高さとの間の差、用いられる検査ツールなどを含む特定の条件に固有に決定することができる。いくつかの実施形態では、スループットを向上させることができる同じ条件で検査画像が撮影される場合、検査画像を向上させるために点像分布関数Aを読み込んで使用することができるように、点像分布関数Aを対応する条件と共に格納することができる。
【0084】
[0092] ステップS840では、ステップS810において取得した画像に対応する合成画像700を生成するために、更新された画像を合成することができる。ステップS840は、例えば、中でもとりわけ、画像合成器440によって実施することができる。
図7は、本開示の実施形態と一致する、検査画像を合成する例を示す。
図7に示すように、複数の更新された検査画像701及び702は、多層構造の視野全体の鮮明な画像を生成するために合成される。いくつかの実施形態では、1つの更新された画像のみが、特定の層に対応するセグメントを含む場合、1つの更新された画像は、画像700内の特定の層のために使用することができる。いくつかの実施形態では、2つ以上の更新された検査画像が、特定の層に対応するセグメントを含む場合、特定の層についてのより鮮明な画像を生成するために、2つ以上の更新された検査画像を合成することができる。いくつかの実施形態では、特定の層についてのより鮮明な画像は、2つ以上の更新された検査画像の平均画素値を用いて生成することができる。いくつかの実施形態では、特定の層についてのより鮮明な画像は、2つ以上の更新された検査画像間の特定の融合率に従って生成することができる。いくつかの実施形態では、複数の更新された検査画像間の融合率は、例えば、特定の層の高さと、対応する検査画像が撮影される焦点の高さとの間の差を含む様々な因子に基づいて決定することができる。例えば、融合率は、第1の検査画像の焦点から特定の層までの深さ方向における第1の距離と、第2の検査画像の焦点から特定の層までの深さ方向における第2の距離とに基づいて決定することができる。最適な融合率の決定は、複雑であり得るため、いくつかの実施形態では、画素の融合率は、様々な要因を考慮に入れることにより、機械学習ネットワークを用いて決定することができる。同様に、視野全体又はサンプルについての合成画像を生成するために、全ての層について融合率を決定して組み合わせることができる。
【0085】
[0093] 本開示の態様は、以下の番号付けされた条項に記載される。
1.荷電粒子ビーム検査システムにおいて検査画像を向上させる方法であって、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、
第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することと
を含む方法。
2.第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることは、第1の画像及び第2の画像上のフィーチャを第1の基準画像及び第2の基準画像上のフィーチャと比較することを含む、条項1に記載の方法。
3.第1のボケ度合いは、第1のセグメントと第1の基準画像との間の点像分布関数として推定される、条項1又は2に記載の方法。
4.第1の画像の第3のセグメントを第2の層に関連付けることと、
第2の基準画像に基づいて第3のセグメントの第3のボケ度合いを推定することと、
第3のボケ度合いに応じて第3のセグメントを更新することであって、第3のボケ度合いは、第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を更に含む、条項1~3の何れか一項に記載の方法。
5.更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成することは、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
第2の層に対応する合成画像の一部分は、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、条項4に記載の方法。
6.第2の層と第1の焦点との間の第1の高低差と、第2の層と第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、条項4に記載の方法。
7.第1の基準画像及び第2の基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、条項1~6の何れか一項に記載の方法。
8.第1の基準画像及び第2の基準画像の各々は、サンプルに対応する基準画像の一部分である、条項7に記載の方法。
9.画像向上装置であって、
命令セットを格納するメモリと、
少なくとも1つのプロセッサであって、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、
第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することと
を装置に実施させるために命令セットを実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと
を含む画像向上装置。
10.第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることは、第1の画像及び第2の画像上のフィーチャを第1の基準画像及び第2の基準画像上のフィーチャと比較することを含む、条項9に記載の装置。
11.第1のボケ度合いは、第1のセグメントと第1の基準画像との間の点像分布関数として推定される、条項9又は10に記載の装置。
12.少なくとも1つのプロセッサは、
第1の画像の第3のセグメントを第2の層に関連付けることと、
第2の基準画像に基づいて第3のセグメントの第3のボケ度合いを推定することと、
第3のボケ度合いに応じて第3のセグメントを更新することであって、第3のボケ度合いは、第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を装置に更に実施させるために命令セットを実行するように構成される、条項9~11の何れか一項に記載の装置。
13.更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成することは、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
第2の層に対応する合成画像の一部分は、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、条項12に記載の装置。
14.第2の層と第1の焦点との間の第1の高低差と、第2の層と第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、条項12に記載の装置。
15.第1の基準画像及び第2の基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、条項9~14の何れか一項に記載の装置。
16.画像を向上させる方法を実施するために、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能な命令セットを格納する非一時的コンピュータ可読媒体であって、方法は、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、
第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントの第1のボケ度合いを推定し、及び第2の基準画像に基づいて第2のセグメントの第2のボケ度合いを推定することと、
第1のボケ度合いに応じて第1のセグメントを更新し、及び第2のボケ度合いに応じて第2のセグメントを更新することと、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することと
を含む、非一時的コンピュータ可読媒体。
17.第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることは、第1の画像及び第2の画像上のフィーチャを第1の基準画像及び第2の基準画像上のフィーチャと比較することを含む、条項16に記載のコンピュータ可読媒体。
18.第1のボケ度合いは、第1のセグメントと第1の基準画像との間の点像分布関数として推定される、条項16又は17に記載のコンピュータ可読媒体。
19.命令セットは、
第1の画像の第3のセグメントを第2の層に関連付けることと、
第2の基準画像に基づいて第3のセグメントの第3のボケ度合いを推定することと、
第3のボケ度合いに応じて第3のセグメントを更新することであって、第3のボケ度合いは、第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を更に実施するために、コンピューティングデバイスの少なくとも1つのプロセッサによって実行可能である、条項16~18の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
20.更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成することは、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
第2の層に対応する合成画像の一部分は、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、条項19に記載のコンピュータ可読媒体。
21.第2の層と第1の焦点との間の第1の高低差と、第2の層と第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、条項19に記載のコンピュータ可読媒体。
22.第1の基準画像及び第2の基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、条項16~21の何れか一項に記載のコンピュータ可読媒体。
23.荷電粒子ビーム検査システムにおいて検査画像を向上させる方法であって、
第1の焦点及び第2の焦点でそれぞれ撮影される、サンプルの複数の積層された層の第1の画像及び第2の画像を取得することと、
第1の画像の第1のセグメントを複数の積層された層のうちの第1の層に関連付け、及び第2の画像の第2のセグメントを複数の積層された層のうちの第2の層に関連付けることと、
第1の層に対応する第1の基準画像に基づいて第1のセグメントを更新し、及び第2の層に対応する第2の基準画像に基づいて第2のセグメントを更新することと、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成することと
を含む方法。
24.第1のセグメントを更新することは、第1の基準画像に基づいて、第1の層に対応する第1の点像分布関数を推定することと、推定した第1の点像分布関数に基づいて第1のセグメントを更新することとを含む、条項23に記載の方法。
25.第1の画像の第3のセグメントを第2の層に関連付けることと、
第2の基準画像に基づいて第3のセグメントを更新することであって、第3のボケ度合いは、第1のボケ度合いと異なる、更新することと
を更に含む、条項23又は24に記載の方法。
26.更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントとを合成することは、
更新された第1のセグメントと、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとを合成して、第1の層と第2の層とを含む合成画像を生成すること
を含み、
第2の層に対応する合成画像の一部分は、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとに基づいて生成される、条項25に記載の方法。
27.第2の層と第1の焦点との間の第1の高低差と、第2の層と第2の焦点との間の第2の高低差とに基づいて、更新された第2のセグメントと、更新された第3のセグメントとの間の合成率を決定することを更に含む、条項26に記載の方法。
28.サンプルの画像を生成する方法であって、
サンプル上の位置の複数の画像を得ることであって、複数の画像の各々は、異なる焦点において得られる、得ることと、
複数の画像のフィーチャと、関連する基準画像のフィーチャとの間の相関を決定することと、
関連する基準画像の相関及び層情報に基づいて複数の画像のフィーチャの各々の深さを決定することと、
複数の画像上のフィーチャの各々について、選択された画像を得る対象となる、複数の画像のうちの1つの画像を選択することと、
選択された画像の各々を合成することにより、位置の画像を作成することと
を含む方法。
29.選択された画像を、関連する基準画像に基づいて更新することを更に含む、条項28に記載の方法。
30.選択された画像を更新することは、対応するフィーチャの深さと、選択された画像が得られる焦点と、関連する基準画像とに基づいて、対応するフィーチャに対応する点像分布関数を推定することを含む、条項29に記載の方法。
31.関連する基準画像は、Graphic Database System(GDS)形式、Graphic Database System II(GDS II)形式、Open Artwork System Interchange Standard(OASIS)形式又はCaltech Intermediate Format(CIF)におけるものである、条項28~30の何れか一項に記載の方法。
【0086】
[0094] コントローラ(例えば、
図1のコントローラ50)のプロセッサが、中でもとりわけ、画像検査、画像取得、ステージ位置決め、ビーム集束、電界調整、ビーム曲げ、コンデンサーレンズ調整、荷電粒子源の活性化、ビーム偏向及び方法800を実施するための命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され得る。非一時的な媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ又は他の任意の磁気データ記憶媒体、コンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、他の任意の光データ記憶媒体、ホールのパターンを有する任意の物理的な媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プログラム可能読み取り専用メモリ(PROM)、消去型プログラム可能読み取り専用メモリ(EPROM)、フラッシュEPROM又は他の任意のフラッシュメモリ、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM)、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップ又はカートリッジ及びそれらのネットワーク接続バージョンを含む。
【0087】
[0095] 本開示の実施形態は、上記で説明し、添付の図面で示した通りの構造に限定されないことと、その範囲から逸脱することなく、様々な修正形態及び変更形態がなされ得ることとが理解されるであろう。本開示は、様々な実施形態と関連付けて説明されており、本明細書で開示される本発明の仕様及び実践を考慮することから、本発明の他の実施形態が当業者に明らかになるであろう。仕様及び例は、単なる例示と見なされ、本発明の真の範囲及び趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【0088】
[0096] 上記の説明は、限定ではなく、例示を意図する。従って、以下に記載される特許請求の範囲から逸脱することなく、説明されるように修正形態がなされ得ることが当業者に明らかであろう。