(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】検知素子、検知素子の製造方法及びガス濃度測定ユニット
(51)【国際特許分類】
G01N 21/78 20060101AFI20240328BHJP
G01N 31/00 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
G01N21/78 Z
G01N31/00 B
(21)【出願番号】P 2020176162
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】320011650
【氏名又は名称】大陽日酸株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 仁晃
(72)【発明者】
【氏名】岩永 奈央
【審査官】吉田 将志
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153732(JP,A)
【文献】特開2011-095153(JP,A)
【文献】特開2016-065827(JP,A)
【文献】特開2012-253177(JP,A)
【文献】特開2017-223593(JP,A)
【文献】国際公開第2013/115033(WO,A1)
【文献】特開2020-016609(JP,A)
【文献】特開2017-074590(JP,A)
【文献】特開2015-202470(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00 - G01N 21/958
G01N 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有するフィルタと、前記フィルタに固定化された多孔性金属錯体と、を含む検知素子であって、
前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、
前記多孔性金属錯体の個数基準による算術平均粒子径が0.1~7μmであり、
前記多孔性金属錯体を、前記検知素子の全質量に対して、1~20質量%含む、
検知素子。
【請求項2】
前記多孔性金属錯体を、前記検知素子の全質量に対して、8~12質量%含む、請求項1に記載の検知素子。
【請求項3】
前記金属イオンが銅イオンであり、前記有機配位子がベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートである、請求項1又は2に記載の検知素子。
【請求項4】
前記フィルタが、セルロース繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維及びガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1種で形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の検知素子。
【請求項5】
光透過性を有するフィルタと、前記フィルタに固定化された多孔性金属錯体と、を含む検知素子の製造方法であって、
有機配位子と、極性有機溶媒と、水と、金属イオンと塩を形成する硝酸塩及び酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩とを、前記金属塩と前記有機配位子のモル比(金属塩のモル数/有機配位子のモル数)が0.1~10であり、かつ、前記水と前記極性有機溶媒の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0~0.5となるように混合して多孔性金属錯体前駆体溶液を調製し、
前記光透過性を有するフィルタを、前記多孔性金属錯体前駆体溶液に、前記多孔性金属錯体が前記検知素子の1~20質量%となるように含浸させて多孔性金属錯体前駆体を作製し、
前記多孔性金属錯体前駆体を70℃以上で静置加熱し、90℃以上で真空加熱し、その後、洗浄溶媒で洗浄後、80℃以上で24時間以上乾燥する、検知素子の製造方法。
【請求項6】
前記極性有機溶媒が、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項5に記載の検知素子の製造方法。
【請求項7】
前記金属イオンが銅イオンであり、前記有機配位子がベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートである、請求項5又は6に記載の検知素子の製造方法。
【請求項8】
ガス中の測定対象不純物の濃度を検出するガス濃度測定ユニットであって、
前記測定対象不純物の濃度に相関して特定波長の光の吸光度が変化する感応剤と、前記感応剤が固定化された光透過性及びガス透過性を有する基材と、からなる検知素子と、
前記検知素子を保持する検知素子保持部と、
前記検知素子保持部の一方の面に位置し、かつ、前記検知素子と接触した状態で位置する平型透光部材と、
特定波長の光を照射する光源と、
前記光源と対向するように位置し、前記検知素子を透過した透過光を受光し、前記透過光の強度を電圧に変換する受光部と、
前記光源の
投光部側に位置する凸型透光部材と、
前記電圧を計測する電圧計測部と、
前記電圧計測部で計測した電圧から前記測定対象不純物の濃度を算出する演算部と、を有し、
前記検知素子が、請求項1~4のいずれか1項に記載の検知素子であることを特徴とする、ガス濃度測定ユニット。
【請求項9】
前記光源における前記特定波長が200~800nmである、請求項8に記載のガス濃度測定ユニット。
【請求項10】
前記測定対象不純物が水である、請求項8又は9に記載のガス濃度測定ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知素子、検知素子の製造方法及びガス濃度測定ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
窒素、酸素及びアルゴン等の工業用ガス製造プロセスでは、製造プラントの運転管理及び製品ガスの品質保証等の観点から、ガスの純度を測定することが重要である。工業用ガスは大気を原料として、吸着精製及び精留分離等のプロセスを経て製造される。そのため、各プロセスが正常に機能することを監視する目的で、工業用ガス中に含まれる不純物濃度を測定している。
また、工業用ガスを貯蔵及び使用する際にも、環境大気から容易に不純物が混入しうるため、工業用ガスを用いて製造される製品の歩留まりや性能を維持する目的でも、工業用ガス中の不純物濃度をモニタリングする必要がある。
【0003】
特許文献1には、ガス中に含まれる水分の濃度を検出する水分濃度検出ユニット及び水分濃度検出方法が開示されている。
特許文献1に開示された水分濃度検出ユニットに使用される検知素子は、多孔性金属錯体を感応剤として、ポリテトラフルオロエチレン製フィルタを多孔性金属錯体の保持基材として用いている。前記検知素子では、市販の多孔性金属錯体をアセトンに分散させ、この分散液をポリテトラフルオロエチレン製フィルタに流通させ、フィルタの一面上に保持される多孔性金属錯体粒子が感応剤として利用される。測定原理は多孔性金属錯体に測定対象成分が吸着・脱離する際の吸光度変化を光学的に測定することによる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、測定対象成分の吸着・脱離の速度は、多孔性金属錯体の粒子径に依存するため、多孔性金属錯体の粒子径を一定に保つことができない場合、感応剤としての能力にばらつきが生じてしまう。
また、多孔性金属錯体の粒子径が大きい場合、吸着平衡に達するまで長時間を要するため、応答速度及び感度の低下を引き起こす。
さらに、多孔性金属錯体の孔の深部まで到達し吸着した分子の脱離を浅部に吸着した分子が阻害し、可逆性が付与できずに再現性の悪化を引き起こす。
特許文献1に開示された方法により検知素子を製造する場合、市販の多孔性金属錯体の粒子径が購入毎に変化するため、感応剤としての性能も大幅に変化してしまう。そのため、前記検知素子を使用した分析計の性能が大幅に変化し、歩留まりの悪化を引き起こすことになる。また、市販品に含まれる粗大な粒子により、測定対象成分の吸着・脱離における可逆性の阻害及び性能の悪化を招くことがあった。
【0006】
本発明は、粒子径が制御された多孔性金属錯体を感応剤とする検知素子、検知素子の製造方法、及び、応答速度及び感度が安定的に優れたガス濃度測定ユニットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1] 光透過性を有するフィルタと、前記フィルタに固定化された多孔性金属錯体と、を含む検知素子であって、
前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、
前記多孔性金属錯体の個数基準による算術平均粒子径が0.1~7μmであり、
前記多孔性金属錯体を、前記検知素子の全質量に対して、1~20質量%含む、
検知素子。
[2] 前記多孔性金属錯体を、前記検知素子の全質量に対して、8~12質量%含む、[1]に記載の検知素子。
[3] 前記金属イオンが銅イオンであり、前記有機配位子がベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートである、[1]又は[2]に記載の検知素子。
[4] 前記フィルタが、セルロース繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維及びガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1種で形成される、[1]~[3]のいずれかに記載の検知素子。
[5] 光透過性を有するフィルタと、前記フィルタに固定化された多孔性金属錯体と、を含む検知素子の製造方法であって、
有機配位子と、極性有機溶媒と、水と、金属イオンと塩を形成する硝酸塩及び酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩とを、前記金属塩と前記有機配位子のモル比(金属塩のモル数/有機配位子のモル数)が0.1~10であり、かつ、前記水と前記極性有機溶媒の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0~0.5となるように混合して多孔性金属錯体前駆体溶液を調製し、
前記光透過性を有するフィルタを、前記多孔性金属錯体前駆体溶液に、前記多孔性金属錯体が前記検知素子の1~20質量%となるように含浸させて多孔性金属錯体前駆体を作製し、
前記多孔性金属錯体前駆体を70℃以上で静置加熱し、90℃以上で真空加熱し、その後、洗浄溶媒で洗浄後、80℃以上で24時間以上乾燥する、検知素子の製造方法。
[6] 前記極性有機溶媒が、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びエタノールからなる群から選択される少なくとも1種である、[5]に記載の検知素子の製造方法。
[7] 前記金属イオンが銅イオンであり、前記有機配位子がベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートである、[5]又は[6]に記載の検知素子の製造方法。
[8] ガス中の測定対象不純物の濃度を検出するガス濃度測定ユニットであって、
前記測定対象不純物の濃度に相関して特定波長の光の吸光度が変化する感応剤と、前記感応剤が固定化された光透過性及びガス透過性を有する基材と、からなる検知素子と、
前記検知素子を保持する検知素子保持部と、
前記検知素子保持部の一方の面に位置し、かつ、前記検知素子と接触した状態で位置する平型透光部材と、
特定波長の光を照射する光源と、
前記光源と対向するように位置し、前記検知素子を透過した透過光を受光し、前記透過光の強度を電圧に変換する受光部と、
前記光源の受光部側に位置する凸型透光部材と、
前記電圧を計測する電圧計測部と、
前記電圧計測部で計測した電圧から前記測定対象不純物の濃度を算出する演算部と、
を有し、
前記検知素子が、[1]~[4]のいずれかに記載の検知素子であることを特徴とする、ガス濃度測定ユニット。
[9] 前記光源における前記特定波長が200~800nmである、[8]に記載のガス濃度測定ユニット。
[10] 前記測定対象不純物が水である、[8]又は[9]に記載のガス濃度測定ユニット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、粒子径が制御された多孔性金属錯体を感応剤とする検知素子、検知素子の製造方法、及び、応答速度及び感度が安定的に優れたガス濃度測定ユニットを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の検知素子の製造方法の概要を示す説明図である。
【
図2】本発明の検知素子の製造方法における、前駆体溶液の調製方法の別の例の概要を示す説明図である。
【
図3】本発明の検知素子の製造方法における、前駆体溶液の調製方法の更に別の例の概要を示す説明図である。
【
図4】
図4は、本発明のガス濃度測定ユニットの一実施形態を示す断面図である。
【
図5】
図5は、実施例1における水分不純物に対する応答を示すグラフである。
【
図6】
図6は、実施例2における水分不純物に対する応答を示すグラフである。
【
図7】
図7は、実施例3における水分不純物に対する応答を示すグラフである。
【
図8】
図8は、比較例2における水分不純物に対する応答を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において、「~」を用いて数値範囲を表す場合、その数値範囲には「~」の両側の数値を含む。
以下では本発明の実施形態について詳細に説明するが、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。
【0011】
[検知素子]
本発明の検知素子の一実施形態は、光透過性を有するフィルタと、前記フィルタに固定化された多孔性金属錯体と、を含む検知素子であって、前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含み、前記多孔性金属錯体の個数基準による算術平均粒子径が0.1~7μmであり、前記多孔性金属錯体を、前記検知素子の全質量に対して、1~20質量%含む、検知素子である。
【0012】
〈フィルタ〉
前記フィルタは光透過性を有する材料で形成されるものであれば特に限定されない。
前記光透過性を有する材料としては、例えば、セルロース繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維及びガラス繊維が挙げられる。
前記光透過性を有する材料としては、セルロース繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維及びガラス繊維からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、機械的強度及び化学的安定性がより優れることから、ポリテトラフルオロエチレン繊維が特に好ましい。
前記光透過性は、200~800nmの波長の光の透過率が60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることがさらに好ましい。光透過性が高いほど、本発明の検知素子を用いたガス濃度測定ユニットの感度が向上する。
前記フィルタは、さらにガス透過性を有することが好ましい。前記ガス透過性は、流速1L/minの窒素ガス圧力損失で、15kPa以下が好ましく、10kPa以下がより好ましく、5kPa以下がさらに好ましい。圧力損失が小さいほど、本発明の検知素子を用いたガス濃度測定ユニットの応答速度が向上する。
前記フィルタの形態は特に限定されないが、不織布、織物、メッシュ、多孔質膜等の形態であってよく、不織布の形態が好ましい。
前記フィルタのサイズ及び形状は特に限定されないが、例えば、厚さが0.5~5mm、直径が3~300mmの円盤状としてもよい。従来の検知素子とサイズ及び形状に互換性を持たせることによって、従来のガス濃度測定ユニットの検知素子を本発明の検知素子に置き換えることが容易となる。
【0013】
〈多孔性金属錯体〉
前記多孔性金属錯体は、金属イオン及び前記金属イオンと配位結合する有機配位子を含む。
前記金属イオンとしては、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、銅イオン、コバルトイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、銀イオン又は白金イオン等が挙げられるが、銅イオンが好ましい。
前記有機配位子としては、ベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート、テレフタル酸、イミダゾール、1,3,5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン又は2-ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられるが、ベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートが好ましい。
【0014】
前記多孔性金属錯体の個数基準による算術平均粒子径は0.1~7μmであり、0.10~7μmが好ましく、0.1~3μmがより好ましく、0.1~1μmがさらに好ましい。
前記算術平均粒子径が上記範囲内であると、測定対象成分が多孔性金属錯体に吸着し、短時間で平衡に達するので、本実施形態の検知素子を用いたガス濃度測定ユニットの応答速度及び感度が優れたものとなる。
前記算術平均粒子径は、後述する実施例に記載の方法によって算出したものである。
【0015】
前記検知素子における前記多孔性金属錯体の含有量は、前記検知素子の全質量に対して、1~20質量%であり、5~15質量%が好ましく、8~12質量%がより好ましい。
多孔性金属錯体の含有量が上記範囲内であると、後述する実施例によって示されるとおり、検知素子の応答速度及び感度が安定的に優れたものとなる。
【0016】
[検知素子の製造方法]
図1は、本発明の検知素子の製造方法の一実施形態を示す図である。
本実施形態の検知素子の製造方法は、以下の工程1~5を含む。
・工程1(S1)
有機配位子と、極性有機溶媒と、を混合して、前記有機配位子を前記極性有機溶媒に溶解することにより、溶質を調製する。
前記有機配位子としては、ベンゼン1,3,5-トリカルボキシレート、テレフタル酸、イミダゾール、1,3,5-トリス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン、1,2,4,5-テトラキス(4-カルボキシフェニル)ベンゼン又は2-ヒドロキシテレフタル酸等が挙げられるが、ベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートが好ましい。
前記極性有機溶媒としては、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又はエタノール等が挙げられる。前記極性有機溶媒は、有機配位子及び金属イオンの前駆体を溶解させることができ、多孔性金属錯体結晶化の際に鋳型として作用する。
前記金属イオンとしては、亜鉛イオン、ニッケルイオン、マグネシウムイオン、銅イオン、コバルトイオン、アルミニウムイオン、鉄イオン、銀イオン又は白金イオンが挙げられるが、銅イオンが好ましい。
【0017】
・工程2(S2)
水と、金属イオンと塩を形成する硝酸塩及び酢酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の金属塩(以下、単に「金属塩」ともいう。)と、を混合し、前記金属塩を前記水に溶解することにより、溶媒を調製する。
【0018】
・工程3(S3)
前記金属塩と前記有機配位子のモル比(金属塩のモル数/有機配位子のモル数)が0.1~10となるように、かつ、前記水と前記極性有機溶媒の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0~0.5となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合して、前記溶質を前記溶媒に溶解することにより、多孔性金属錯体前駆体溶液(以下、単に「前駆体溶液」ともいう。)を調製する。
【0019】
・工程4(S4)
光透過性を有するフィルタを、前記多孔性金属錯体前駆体溶液に、前記多孔性金属錯体が前記検知素子の1~20質量%となるように含浸させて多孔性金属錯体前駆体を作製する。
前記フィルタは、アセトンに含侵させた後、前記多孔性金属錯体前駆体溶液に含侵させる。
【0020】
・工程5(S5)
前記多孔性金属錯体前駆体を70℃以上で静置加熱し、90℃以上で真空加熱し、その後、乾燥する。
前記フィルタを前記多孔性金属錯体前駆体溶液に含侵させて作製した多孔性金属錯体前駆体を、70℃以上で、好ましくは2時間以上、恒温槽内で静置加熱した後、気密性を有する容器に移し、容器内を真空ポンプにて減圧しながら、90℃以上で、好ましくは6時間以上、真空加熱する。その後、フィルタをエタノール、メタノール又はアセトン等の洗浄溶媒中で洗浄し、80℃以上で、24時間以上、恒温槽内で加熱乾燥した後、所定の形状、サイズに打ち出して検知素子が得られる。
【0021】
前駆体溶液の調製方法は、上述したものに限定されない。
例えば、
図2に示すように、極性有機溶媒に、有機配位子と、金属塩とを混合し、撹拌して溶解させた溶液に、水を混合することでも調製可能である。
また、例えば、
図3に示すように、極性有機溶媒と、水と、有機配位子と、金属塩とを混合し、撹拌して、溶解させることでも調製可能である。
【0022】
[ガス濃度測定ユニット]
本発明のガス濃度測定ユニットについて説明する。
図4は、本発明のガス濃度測定ユニットの一実施形態を示す断面図である。
本実施形態のガス濃度測定ユニット1は、試料ガス経路Cを形成する中央ブロック7と、試料ガス経路Cの一方に配置された光源側ブロック5と、試料ガス経路Cの他方に配置された受光側ブロック6と、の3個の金属製ブロックによって本体部分が構成されている。
中央ブロック7には、試料ガスGを導入する試料ガス流入経路C
inと、試料ガスを導出する試料ガス流出経路C
outと、検知素子2を保持するための検知素子保持部10とが設けられている。
光源側ブロック5は、開口端に光源3を設けた測定光通路Pを有している。
受光側ブロック6は、開口端に受光部である受光素子4を設けた受光通路Lを有しており、受光通路Lは、測定光通路Pに対して軸上に配置されている。
光源側ブロック5と中央ブロック7との間には、凸型透光部材9が環状パッキン9Aとともにそれぞれ挟持されている。
受光側ブロック6と中央ブロック7との間には、平型透光部材8が環状パッキン8Aとともに挟持されている。
凸型透光部材9及び平型透光部材8は、光透過性及びガス不透過性を有しており、中央ブロック7との間に環状パッキン9A(8A)を配することで、試料ガス経路Cから外部への試料ガス漏洩や、試料ガス経路Cへの外部のガスの侵入を防止できる気密性を得ている。
【0023】
検知素子2は、あらかじめ設定した波長の測定光の吸収状態が特定ガスとの接触によって変化する感応剤を光透過性及びガス透過性を有する基材に固定化したものである。
前記感応剤の材料としては各種材料を使用可能であるが、例えば、試料ガスG中に含まれるガス状不純物成分として水分を検出する場合には、金属イオン及びその金属イオンに配位結合する有機配位子からなる多孔性金属錯体を用いることができる。このような多孔性金属錯体としては、例えば、銅ベンゼン-1,3,5-トリカルボキシレートを用いることができる。このとき、測定光の波長は、200~800nmの範囲内に設定することができる。また、前記光透過性及びガス透過性を有する基材としては、例えば、セルロース製フィルタ、ガラス製フィルタ又はポリテトラフルオロエチレン製フィルタを用いることができる。前記基材の厚さは、例えば、0.1~5mmの範囲内で適宜設定することができる。
【0024】
光源3は、200~800nmの波長の測定光を照射できるものを採用することができ、例えば、LED光源を用いることができる。
受光素子4は、検知素子2を透過して試料ガス経路Cから受光通路Lに至った測定光の強度を測定し、電圧信号に変換して出力するものである。受光素子4としては、測定光の強度を測定可能な任意の受光素子を採用することができ、例えば、フォトダイオード又は光電子増倍管を用いることができる。
【0025】
受光素子4には、受光素子4から出力された電圧信号を計測する電圧計測部11が接続されている。さらに、電圧計測部11には、計測した電圧信号に基づいて各種演算処理を行うための演算部12が接続されている。演算部12は、検知素子2を透過して受光通路Lに至った測定光の強度の変化量に基づいて、検知素子2の光学的性質の経時変化量を算出するとともに、ガス状不純物成分の濃度を前記経時変化量を使用して、正確なガス状不純物成分濃度を算出することができる。
このように構成したガス濃度測定ユニット1を使用して試料ガスG中のガス状不純物成分の濃度を検出する際には、試料ガスGが流れる試料ガス経路Cの上流側に試料ガス流入経路Cinを接続するとともに、試料ガス経路Cの下流側に試料ガス流出経路Coutを接続する。これにより、上流側ガス経路から試料ガス流入経路Cinに流入した試料ガスGが試料ガス経路C内に導入され、検知素子2を通過した試料ガスGが試料ガス流出経路Coutから下流側ガス経路に導出されることで、試料ガス経路C内を試料ガスGが常時流れる状態になる。
試料ガスGが流れている状態で、光源3を作動させ、測定光通路Pから凸型透光部材を介して試料ガス経路C内にあらかじめ設定された強度の測定光を照射するとともに、検知素子2及び平型透光部材8を通過した測定光の強度を受光素子4で受光して計測電圧に変換して電圧計測部11に出力し、電圧計測部11から演算部12に出力する。
【0026】
[作用効果]
本発明の検知素子は、個数基準による算術平均粒子径が0.1~7μmの多孔性金属錯体を感応剤として用いることにより、感応剤の性能にばらつきが生じにくい。しかも、前記算術平均粒子径が小さく、多孔性金属錯体に測定対象成分を吸着・脱離させる際に短時間で吸着平衡に達することができるので、本発明の検知素子を用いたガス濃度測定ユニットは、応答速度及び感度が安定的に優れている。
【実施例】
【0027】
以下では実施例によって本発明をより具体的に説明する。しかし、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
【0028】
[実施例1]
〈工程1〉極性有機溶媒(ジメチルスルホキシド,東京化成社製)を25mL容器(パーフルオロアルコキシアルカン製)に秤量し、有機配位子(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸,関東化学社製)を加え、撹拌し、溶解させて、溶質を調製した。
〈工程2〉水(超純水)を25mL容器(パーフルオロアルコキシアルカン製)に秤量し、金属塩(硝酸銅3水和物,関東化学社製)を加え、撹拌し、溶解させて、溶媒を調製した。
〈工程3〉前記溶質と前記溶媒とを、前記金属塩(硝酸銅3水和物)と前記有機配位子(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸)のモル比(金属塩のモル数/有機配位子モル数)が1.81に、前記水(超純水)と前記極性有機溶媒(ジメチルスルホキシド)の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0となるように、25mL容器(パーフルオロアルコキシアルカン製)に秤量し、混合して、多孔性金属錯体前駆体溶液を調製した。
〈工程4〉シャーレ(パーフルオロアルコキシアルカン製)に静置したフィルタ(厚さ1mm、直径70mmの円形のポリテトラフルオロエチレン製フィルタ;PF100,ADVANTEC社製)にアセトンを染み込ませて、フィルタをアセトンに含侵させた後、調製した多孔性金属錯体前駆体溶液を染み込ませて、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液含浸させて、多孔性金属錯体前駆体を作製した。フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含侵させる時の多孔性金属錯体前駆体溶液の量に応じて、検知素子に固定化させる多孔性金属錯体の質量を制御可能である。実施例1では、多孔性金属錯体が検知素子の全質量に対して10質量%となるように、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させた。
〈工程5〉作製した多孔性金属錯体前駆体(多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させたフィルタ)をシャーレ(パーフルオロアルコキシアルカン製)に静置したまま、80℃で2時間の加熱(静置加熱)をした。静置加熱の後、多孔性金属錯体前駆体を100mLナスフラスコ(ガラス製)に移し、真空チューブを接続したシリコン栓でナスフラスコの口を閉じ、真空チューブを真空ポンプに接続した。真空ポンプにはロータリーポンプを用いた。ナスフラスコをオイルバスにて100℃に加熱しながら、真空ポンプにて前記100mLナスフラスコ内を真空にして、8.5時間の加熱(真空加熱)をした。真空加熱の後、多孔性金属錯体前駆体を取り出し、300mLナスフラスコに移し、150mLのエタノール(関東化学社製)を加えた。前記300mLナスフラスコをオイルバスにて88℃に加熱しながら還流することで多孔性金属錯体前駆体を洗浄した。この洗浄操作は、エタノールを交換して3回繰り返した。洗浄後の多孔性金属錯体前駆体を80℃に設定された恒温槽にて24時間乾燥した後、7mmの直径の抜き打ちポンチで打ち出すことで、検知素子を製造した。
【0029】
[実施例2]
工程3において、前記水(超純水)と前記極性有機溶媒(ジメチルスルホキシド)の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0.25となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合した点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0030】
[実施例3]
工程3において、前記水(超純水)と前記極性有機溶媒(ジメチルスルホキシド)の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0.5となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合した点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0031】
[比較例1]
工程3において、前記水(超純水)と前記極性有機溶媒(ジメチルスルホキシド)の体積比(水の体積/極性有機溶媒の体積)が0.6となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合した点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0032】
[比較例2]
工程5において、静置加熱の温度を60℃、加熱時間を3時間に、真空加熱の温度を80℃にした点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0033】
[実施例4]
工程4において、多孔性金属錯体が検知素子の全質量に対して1質量%となるように、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させた点を除いて、実施例3と同様にして、検知素子を製造した。
【0034】
[実施例5]
工程4において、多孔性金属錯体が検知素子の全質量に対して20質量%となるように、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させた点を除いて、実施例3と同様にして、検知素子を製造した。
【0035】
[比較例3]
工程4において、多孔性金属錯体が検知素子の全質量に対して0.05質量%となるように、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させた点を除いて、実施例3と同様にして、検知素子を製造した。
【0036】
[比較例4]
工程4において、多孔性金属錯体が検知素子の全質量に対して21質量%となるように、フィルタを多孔性金属錯体前駆体溶液に含浸させた点を除いて、実施例3と同様にして、検知素子を製造した。
【0037】
[比較例5]
工程3において、前記金属塩(硝酸銅3水和物)と前記有機配位子(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸)のモル比(金属塩のモル数/有機配位子のモル数)が0.05となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合した点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0038】
[比較例6]
工程3において、前記金属塩(硝酸銅3水和物)と前記有機配位子(ベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸)のモル比(金属塩のモル数/有機配位子のモル数)が11となるように、前記溶質と前記溶媒とを混合した点を除いて、実施例1と同様にして、検知素子を製造した。
【0039】
[評価方法]
〈粒子径〉
製造した検知素子を走査型電子顕微鏡により観察し、100個の多孔性金属錯体の粒子径を測定し、多孔性金属錯体粒子の多孔性金属錯体の個数基準による算術平均粒子径を算出した。実施例及び比較例の検知素子に含まれる多孔性金属錯体の算術平均粒子径(単位:μm)を表1の「算術平均粒子径」欄に示す。
【0040】
〈多孔性金属錯体の含有量〉
製造した検知素子に含まれる多孔性金属錯体を硫酸により溶出させ、原子吸光により硫酸中Cuイオンの濃度を測定した。硫酸中Cuイオン濃度から検知素子の全質量に対する多孔性金属錯体の含有量を算出した。実施例及び比較例の検知素子に含まれる多孔性金属錯体の含有量(単位:質量%)の理論値及び実測値を表1の「多孔性金属錯体の含有量」欄に示す。
【0041】
〈応答性〉
図4に示す構成のガス濃度測定ユニットを用いて、試料ガス中の微量水分濃度を検出する評価を行った。
光源3には、LEDランプ(OSB5XNE1C1E,OptoSupply社製)を用い、受光素子4にはフォトセンサ(TSL-257,AMS-TAOS USA社製)を用いた。
試料ガスGには、高純度窒素ガス(純度99.9999%以上(製品規格);大陽日酸社製)と、標準ガス(ベースガスが窒素で水分濃度500ppb(製品規格);大陽日酸社製)とを用いた。
検出実験では、高純度窒素ガスと標準ガスとを一定時間毎に切り替えてガス濃度測定ユニットに供給し、水分濃度の検出結果を観察した。
標準ガスを供給した時に、ガス中の水分濃度に応じて感応剤の吸光度が変化し、水分濃度に対応したピークを観察することができた場合には、高純度窒素ガスから標準ガスに切り替えた際に上昇する電圧強度とノイズとの比より算出した検出下限値(単位:体積ppb)を表1の「検出下限値」欄に示す。
また、実施例1~3及び比較例2における応答例を、それぞれ、
図5~8に示す。
【0042】
〈長期安定性〉
高純度窒素ガスと標準ガスとを切り替える操作を連続的に実施することで長期評価を実施した。高純度窒素ガスから標準ガスに切り替えた際に上昇する電圧強度の1月あたりの変動率(単位:%/月)を表1の「長期安定性」欄に示す。
【0043】
【0044】
[結果の説明]
〈実施例1~3〉
表1の実施例1~3より、水を含まない前駆体溶液にて作製した検知素子は、水を含む前駆体溶液にて作製した検知素子に比べて、多孔性金属錯体の粒子径が大きくなっていることがわかる。
また、水の割合が多い前駆体溶液で作製した場合の方が、多孔性金属錯体の粒子径が小さくなっていることがわかり、多孔性金属錯体形成時の水の割合により粒子径を制御することが可能であることを確認できた。
また、検知素子の質量に対する多孔性金属錯体の質量比の理論値と実測値が一致しており、実施例1~3の条件では多孔性金属錯体の質量比も制御可能であることがわかった。
ガス中水分に対する応答性はいずれも検出下限値が一桁ppbを示し、非常に高感度であった。
また、長期安定性評価についても感度低下が小さく、特に粒子径が小さい実施例3が優れていることがわかった。
また、
図5~7より、高純度窒素ガスと標準ガスとを切り替えた際の応答の速度も実施例1~3は優れており、特に粒子径が小さい実施例3が優れていることが確認された。
【0045】
〈比較例1〉
一方、多孔性金属錯体の前駆体溶液に含まれる水の割合を実施例3よりも多い0.6とした比較例1では、粒子径がさらに小さい検知素子を得ることができたが、多孔性金属錯体の質量比が理論値に比べて大幅に低くなった。多孔性金属錯体の含有量が少ないためガス中水分の検出下限値も小さく、また、長期安定性も実施例1~3に比べて劣る結果となった。多孔性金属錯体の結晶に欠陥が多く、経時的に劣化しやすくなっていることが予想される。多孔性金属錯体の前駆体溶液に含まれる水の割合が過剰な場合、本発明の目的が達成できないことが示された。
【0046】
〈比較例2〉
比較例2では、実施例1から検知素子作製時の加熱条件を一部変更することでより大きな粒子の形成が可能であることが示された。一方、検出下限値及び長期安定性は大きく劣る結果となった。また、
図8に示すように応答速度の低下も確認できた。大粒子になると測定対象分子の吸着・脱離が困難になり、応答速度の低下を招くと考えられる。また、細孔の深部に吸着した測定対象分子の脱離が阻害されることで長期安定性が保てないと考えられる。
【0047】
〈実施例4、5〉
実施例4、5では、平均粒子径を0.1μmに制御しつつ1~20質量%の範囲で、検知素子に含まれる多孔性金属錯体の質量比を制御可能であることがわかった。検出感度は実施例1~3に比して劣るものの高感度であり、長期安定性も優れていることがわかった。
【0048】
〈比較例3〉
比較例3では、検知素子に含まれる多孔性金属錯体の質量比を0.05とした際に、水分不純物に対する感度が大幅に低下してしまうことがわかった。検知素子に含まれる多孔性金属錯体が希薄すぎるために感度低下を招いたと考えられる。
【0049】
〈比較例4〉
比較例4は検知素子に含まれる多孔性金属錯体の質量比が21質量%となるように仕込んだが、検知素子の内部に多孔性金属錯体が定着せず一部剥離してしまい、評価系の汚染が懸念されたため、水分不純物に対する応答性評価は実施できなかった。
【0050】
〈比較例5、6〉
比較例5、6では、多孔性金属錯体の結晶がほとんど得られず水分不純物に対する応答性評価は実施できなかった。本比較例より、硝酸銅3水和物とベンゼン-1,3,5-トリカルボン酸の比が最適化されていないと多孔性金属錯体が生成しないことがわかった。
【0051】
〈粒子径と性能について〉
上述のように、多孔性金属錯体の粒子径を制御することで、応答速度及び感度をも制御することが可能になり、粒子径が小さい多孔性金属錯体は測定対象分子の吸着・脱離が高速になるため優れた性能を示すことがいえる。また、大粒子になると吸着した測定対象分子の脱離が阻害され、再現性の悪化が引き起こされ、長期安定性が保てないことが分かった。
すなわち、本発明が提供する方法にて多孔性金属錯体を感応剤とした検知素子を作製することで、多孔性金属錯体の粒子径を制御することが可能になり、適切な粒子径に制御された多孔性金属錯体を含む検知素子を使用することで、感度、応答速度、長期安定性に優れたガス状不純物成分の濃度測定が可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明の検知素子は、各種工業用ガス中に含まれるガス状不純物の濃度を測定する際に使用するガス濃度測定ユニットに用いることができる。
【符号の説明】
【0053】
1…ガス濃度測定ユニット、2…検知素子、3…光源、4…受光素子、5…光源側ブロック、6…受光側ブロック、7…中央ブロック、8…平型透光部材、8A…環状パッキン、9…凸型透光部材、9A…環状パッキン、10…検知素子保持部、11…電圧計測部、12…演算部、G…試料ガス、C…試料ガス経路、Cin…試料ガス流入経路、Cout…試料ガス流出経路、P…測定光通路、L…受光通路