(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-27
(45)【発行日】2024-04-04
(54)【発明の名称】ダイアタッチのための硬化性接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
C09J 201/00 20060101AFI20240328BHJP
C09J 11/04 20060101ALI20240328BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20240328BHJP
H01B 1/22 20060101ALI20240328BHJP
H01B 5/16 20060101ALI20240328BHJP
【FI】
C09J201/00
C09J11/04
H01L21/52 E
H01B1/22 D
H01B5/16
(21)【出願番号】P 2020564073
(86)(22)【出願日】2018-05-16
(86)【国際出願番号】 CN2018087085
(87)【国際公開番号】W WO2019218268
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-14
(73)【特許権者】
【識別番号】391008825
【氏名又は名称】ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Henkel AG & Co. KGaA
【住所又は居所原語表記】Henkelstrasse 67,D-40589 Duesseldorf,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100104592
【氏名又は名称】森住 憲一
(72)【発明者】
【氏名】ティ・ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チーリー
(72)【発明者】
【氏名】ヤオ・ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ・ジアウェン
【審査官】仁科 努
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-222894(JP,A)
【文献】特開2002-265920(JP,A)
【文献】特開2019-052237(JP,A)
【文献】特開2014-229877(JP,A)
【文献】特開2019-099610(JP,A)
【文献】特開2019-054105(JP,A)
【文献】国際公開第2008/026517(WO,A1)
【文献】特開平11-269443(JP,A)
【文献】特表2006-523760(JP,A)
【文献】特開2018-016722(JP,A)
【文献】特表2005-530887(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0276645(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 201/00
C09J 11/04
H01L 21/52
H01B 1/22
H01B 5/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)熱硬化性または熱可塑性樹脂成分、
(2)硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて0.1~5重量%の量の、300℃以下の融点および
27μm以上、100μm以下のD
50粒度を有する第一の金属または合金の複数の粒子、並びに
(3)300℃より高い融点および0.1μm以上、6μm未満のD
50粒度を有する第二の金属または合金の複数の粒子
を含んでなる硬化性接着剤組成物。
【請求項2】
熱硬化性または熱可塑性樹脂成分は、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシポリマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリル系オリゴマー、(メタ)アクリル系ポリマー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、シアネートエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレア、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、マレイミド、ビスマレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリイミド、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項3】
第一の金属または合金の粒子は、50℃~300℃の融点を有する、請求項1または2に記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項4】
第一の金属または合金の粒子は、インジウム(In)、ゲルマニウム(Ga)、ビスマス(Bi)またはスズ(Sn)の少なくとも1つを含んでなる、請求項1~3のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項5】
第一の金属または合金の粒子は、鉛(Pb)およびカドミウム(Cd)を本質的に含まない、請求項1~4のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項6】
第一の金属または合金の粒子のD
50粒度は
27μm~50μmである、請求項1~5のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項7】
第二の金属または合金の粒子は、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)の少なくとも1つを含んでなる、請求項1~6のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項8】
第二の金属または合金の粒子のD
50粒度は0.5μm~6μmである、請求項1~7のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項9】
窒素雰囲気中、200℃で硬化することができる、請求項1~8のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項10】
50μm未満のボンドライン厚を有する、請求項1~9のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物を熱硬化することにより形成される硬化物。
【請求項12】
50μm未満のボンドライン厚を有する、請求項11に記載の硬化物。
【請求項13】
請求項11または12に記載の硬化物により基材に接着されたダイを含んでなるアセンブリ。
【請求項14】
5mm以下の幅および5mm以下の長さを有するダイである、請求項13に記載のアセンブリ。
【請求項15】
(a)請求項1~10のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物を基材に適用し、
(b)基材とダイを密接に接触させてアセンブリを形成し、
(c)アセンブリを、硬化性接着剤組成物の硬化に適した条件に付す
ことを含む、ダイアタッチの方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化性接着剤組成物に関する。特に、本発明は、硬化時に、ボイドの問題が解決され、フィレットが最小となり、より小さいボンドライン厚および傾斜傾向を有する、ダイアタッチのための硬化性接着剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
予め適用された接着剤組成物は、半導体パッケージおよびマイクロ電子デバイスの製造および組み立てにおいて様々な目的に使用されている。より代表的な用途には、集積回路チップのような電子要素のリードフレームまたは他の基材との接合、および回路パッケージまたはアセンブリの印刷ワイヤボードとの接合が含まれる。電子パッケージング用途に有用な接着剤は、典型的には、優れた力学的強度、部品またはキャリアに悪影響を与えない硬化特性、マイクロ電子部品および半導体部品への適用に適合するレオロジー特性のような特性を示す。
【0003】
半導体パッケージの寸法を小さくする圧力がますます高まっているため、0.2mm×0.2mmから10.0mm×10.0mmの寸法を有するダイのような薄いダイに最近関心が集まっている。小型化の傾向は、クワッド-フラット-リードなしパッケージ(QFN)、デュアル-フラット-リードなしパッケージ(DFN)、スモールアウトライン集積回路(SOIC)、デュアル-インラインパッケージ(DIP)、スモールアウトライントランジスター(SOT)、スモールプラスチック-クワッド-フラットパッケージ(QFP)デバイスのような複数のパッケージタイプにまで及ぶ。
【0004】
従来のダイアタッチペースト接着剤を使用した半導体パッケージングには、ダイの縁の周りにフィレットが形成されるまで、ダイアタッチペーストの計量分配されたパターン上にダイを引き下げることが含まれる。標準のダイアタッチ技術では時々、基材上のフィレットとボンドパッドの間の距離が最小であるタイトトレランスパッケージにおけるペーストの使用が制限される場合がある。最小のフィレットは、ボンドライン厚(BLT)、即ちダイの底と基材の表面の間の接着剤の厚さの、正確な制御に依存する。BLTが薄すぎると、高い内力或いはダイ表面および/または基材との乏しい接着性能の故に、ダイは基材から容易に剥離する。BLTがダイ表面で不均一であると、ペースト接着剤は、ダイの上部に溢れる嵩高いフィレットを形成し、それによってダイの上部が汚染され、信頼性の低いワイヤボンディングを招く傾向がある。結果的に、より薄いダイのパッケージ組立者は、ダイボンディングフィルムを使用する必要があり、これにより材料コストが増加し、設備投資が発生する。
【0005】
更に、従来の半導体パッケージング技術を使用する場合、ダイアタッチペーストの計量分配されたパターン上にダイを引き下げた後、典型的には、基材への適当な接合を確実にするためにペーストにダイを押圧する。ダイアタッチプロセスにおけるこの工程は、半導体ダイがますます薄くなるにつれて問題となってくる。即ち、薄いダイに印加された圧力によりダイに亀裂、傾斜または埋没が生じ得る。亀裂の入ったダイを含むパッケージは廃棄しなければならず、スタックダイパッケージを組み立てるときに、パッケージが不合格になるリスクが高まる。
【0006】
より薄いダイの用途において硬化性接着剤を使用するための別の課題は、基材とダイを接合する硬化物において形成されるボイドである。接着剤組成物が完全な溶媒揮発またはスペーサー変形よりも速く硬化する場合、揮発性溶媒またはスペーサーを含有する接着剤組成物の硬化中にボイドが形成される。
【0007】
WO 2017/066563 Aには、有機マトリックス、フィラーとしての粒子状ニッケルまたは粒子状ニッケル合金、および他の金属フィラーを含んでなる導電性接着剤組成物が開示されている。この接着剤組成物は、ダイアタッチペースト接着剤として使用され得る。
【0008】
WO 2003/072673 Aには、少なくとも1つのマレイミド含有モノマー、任意に少なくとも1つの硬化開始剤、および1つ以上の有機ポリマーから構成された複数のスペーサーを含んでなる接着剤組成物が開示されている。
【0009】
US 6022616 Bには、少なくとも1つの有機ポリマー樹脂、無機フィラー、および一時的な液体から調製された改良接着剤組成物であって、液体および有機ポリマー樹脂は各々それ以外に実質的に不溶性であり、改良には、少なくとも1つの有機ポリマー樹脂が25mu以下の粒度の粒子形態で存在することが含まれる、改良接着剤組成物が教示されている。このように調製された接着剤組成物は、有意な剥離を伴わずに金属基材上の400mil×400mil以上のダイに使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】WO 2017/066563 A
【文献】WO 2003/072673 A
【文献】US 6022616 B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかし、これらの試みでは、上記問題を完全には解決できない。従って、当技術分野では、薄いダイの接合用途において硬化時に優れた接着強度を維持すると同時に、優れたBLT制御をもたらし、ボイド無し、最小フィレット、より小さい傾斜傾向を達成する硬化性接着剤組成物が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、従来の組成物の上記欠点が解消された硬化性接着剤組成物を提供する。本発明の硬化性接着剤組成物は、適用時および硬化時に優れたBLTを実現することができた。本発明の硬化性接着剤組成物は、硬化時のボイドを排除する。本発明の硬化性接着剤組成物は、硬化時の、より小さい傾斜傾向および最小のフィレットをもたらす。その上、硬化性接着剤組成物の適用は簡便であり、工業生産に適している。
【0013】
本発明は概して、
(1)熱硬化性または熱可塑性樹脂成分、
(2)300℃以下の融点および10μm以上、100μm以下のD50粒度を有する第一の金属または合金の複数の粒子、
(3)300℃より高い融点および0.1μm以上、10μm未満のD50粒度を有する第二の金属または合金の複数の粒子、および
(4)任意に硬化剤
を含んでなる硬化性接着剤組成物を提供する。
【0014】
本発明はまた、ダイアタッチのための硬化性接着剤組成物の硬化物により基材に接着されたダイを含んでなるアセンブリも提供する。
【0015】
本発明は更に、
(a)硬化性接着剤組成物を基材に適用し、
(b)基材とダイを密接に接触させてアセンブリを形成し、
(c)アセンブリを、硬化性接着剤組成物の硬化に適した条件に付す
ことを含む、ダイアタッチの方法も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、硬化前の、本発明の接着剤組成物によってアタッチされたダイと基材を含むダイアセンブリの概略図である。
【
図2】
図2は、硬化後の、本発明の接着剤組成物によってアタッチされたダイと基材を含むダイアセンブリの概略図である。
【
図3】
図3は、実施例1の硬化接着剤ペーストの表面を示すX線顕微鏡画像である。
【
図4】
図4は、比較例1の硬化接着剤ペーストの表面を示すX線顕微鏡画像である。
【
図5】
図5は、比較例2の硬化接着剤ペーストの表面を示すX線顕微鏡画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下において、本発明をより詳しく説明する。そのような説明された各態様は、逆であることが明記されていない限り、他の任意の1つ以上の態様と組み合わせることができる。特に、好ましいまたは有利であると記載されている任意の特徴は、好ましいまたは有利であると記載されている別の任意の特徴と組み合わせることができる。
【0018】
本明細書の記載において、使用されている用語は、特に記載されていない限り、以下の定義に従って解釈されるべきである。
【0019】
本明細書において、単数形の「a」、「an」および「the」は、特に明記されていない限り、単数の指示対象および複数の指示対象の両方を包含する。
【0020】
本明細書で使用される「含んでなり」、「含んでなる」および「で構成される」という用語は、「包含し」、「包含する」または「含有し」、「含有する」と同義であり、包括的またはオープンエンドであり、追加の特定されていない成分、要素または方法工程を除外しない。
【0021】
用語「合金」は、2以上の金属および任意に付加的な非金属を含有する混合物を意味しており、合金の元素は、溶融すると互いに融合または溶解する。本明細書において合金組成物に用いる表記法では、スラッシュ(/)で区切られたIUPAC記号を用いて2以上の元素を記載している。記載されている場合、合金中の元素の比率は、合金中の元素の重量パーセントに対応する、元素の後の数字により示されている。例えば、Sn/Biはスズ(Sn)およびビスマス(Bi)の合金を表しており、これは、これら2つの元素のいかなる比率も有し得る。Sn60/Bi40は、60重量%のスズおよび40重量%のビスマスを含有するスズとビスマスの合金を表す。合金中の元素の重量パーセントが範囲で示されている場合、この範囲は、その範囲内のいかなる量でも元素が存在し得ることを示す。例えば、Sn(70~90)/Bi(10~30)は、70重量%~90重量%のスズおよび10重量%~30重量%のビスマスを含有する合金を意味する。従って、「Sn(70~90)/Bi(10~30)」に含まれる合金は、下記に限定されるわけではないが、下記を包含する:Sn70/Bi30、Sn71/Bi29、Sn72/Bi28、Sn73/Bi27、Sn74/Bi26、Sn75/Bi25、Sn76/Bi24、Sn77/Bi23、Sn78/Bi22、Sn79/Bi21、Sn80/Bi20、Sn81/Bi19、Sn82/Bi18、Sn83/Bi17、Sn84/Bi16、Sn85/Bi15、Sn76/Bi14、Sn87/Bi13、Sn88/Bi12、Sn89/Bi11およびSn90/Bi10。更に、Sn(70~90)/Bi(10~30)は、Snが70から90重量%まで増加し、逆にBiが30から10重量%まで減少する比率を含む、元素SnおよびBiの特定の比率がSn70/Bi30からSn90/Bi10の範囲で変化し得る合金を表す。
【0022】
本明細書で使用する用語「融解温度」または「融点」は、大気圧下で固体が液体になる温度(点)を意味する。
【0023】
数値の終点の記載には、それぞれの範囲に含まれる全ての数および分数、並びに記載されている終点が含まれる。
【0024】
本明細書で引用されている全ての参考文献は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
特に定義されていない限り、技術用語および科学用語を含む、本明細書に使用されている全ての用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解される意味を有する。本発明の教示をよりよく理解するために、用語の定義は更なるガイダンスにより含まれる。
【0026】
本発明では、硬化性接着剤組成物は、熱硬化性または熱可塑性樹脂成分、300℃以下の融点および10μm以上、100μm以下のD50粒度を有する第一の金属または合金の複数の粒子、300℃より高い融点および0.1μm以上、10μm未満のD50粒度を有する第二の金属または合金の複数の粒子、および任意に硬化剤を含んでなる。
【0027】
一態様では、第一の金属または合金の粒子のD50粒度は、第二の金属または合金の粒子のD50粒度より5%、好ましくは50%、より好ましくは100%大きい。
【0028】
熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成分は、本明細書に記載の組成物において、1以上の性能特性、例えば、粘着性、濡れ性、可撓性、可使時間、高温接着性、および/または本発明の組成物から調製される樹脂-フィラーの適合性を向上させるために供給される。また、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成分は、本明細書に記載の組成物において、1以上の性能特性、例えば、本発明の組成物から調製される計量分配性、レオロジーを向上させるために供給される。
【0029】
熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成分は、上記特性の1以上を組成物に付与することができるあらゆる樹脂であってよく、以下を包含するがこれらに限定されない:アセタール、(メタ)アクリル系モノマー、オリゴマーまたはポリマー、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)ポリマーまたはコポリマーまたはポリカーボネート/ABSアロイ、アルキッド、ブタジエン、スチレン-ブタジエン、セルロース系、クマロン-インデン、シアネートエステル、フタル酸ジアリル(DAP)、エポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマー、エポキシ官能基を有する可撓性エポキシまたはポリマー、フルオロポリマー、メラミン-ホルムアルデヒド、ネオプレン、ニトリル樹脂、ノボラック、ナイロン、石油樹脂、フェノール、ポリアミド-イミド、ポリアリレートおよびポリアリレートエーテルスルホンまたはケトン、ポリブチレン、ポリカーボネート、ポリエステルおよびコポリエステルカーボネート、ポリエーテルエステル、ポリエチレン、ポリイミド、マレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリケトン、ポリオレフィン、ポリフェニレンオキシド、硫化物、エーテル、ポリプロピレンおよびポリプロピレン-EPDMブレンド、ポリスチレン、ポリウレア、ポリウレタン、ビニルポリマー、ゴム、シリコーンポリマー、シロキサンポリマー、スチレンアクリロニトリル、スチレンブタジエンラテックスおよびその他のスチレンコポリマー、スルホンポリマー、熱可塑性ポリエステル(飽和)、フタレート、不飽和ポリエステル、尿素-ホルムアルデヒド、ポリアクリルアミド、ポリグリコール、ポリアクリル酸、ポリ(エチレングリコール)、本質的に導電性のポリマー、フルオロポリマー、およびそれらの2以上の組み合わせ。
【0030】
本明細書における使用が考えられるマレイミド、ナジイミドまたはイタコンアミドは、下記構造を有する。
【化1】
【0031】
各式において、
mは1~15であり、
pは0~15であり、
各々のR2は、独立して、水素または低級アルキル(例えばC1~5)から選択され、
Jは、有機基またはオルガノシロキサン基およびそれらの2以上の組み合わせを含む一価または多価の基である。
【0032】
ある態様では、Jは、下記から選択される一価または多価の基である:
・約6~約500の範囲の炭素原子を典型的には有するヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビル類、ここで、ヒドロカルビル類は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルケニルアリール、アリールアルキニルまたはアルキニルアリールから選択されるが、ただし、Xが2以上の異なった類の組み合わせを含む場合に限りXはアリールであり得る;
・約6~約500の範囲の炭素原子を典型的には有するヒドロカルビレンまたは置換ヒドロカルビレン類、ここで、ヒドロカルビレン類は、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、シクロアルケニレン、アリーレン、アルキルアリレン、アリールアルキレン、アリールアルケニレン、アルケニルアリーレン、アリールアルキニレンまたはアルキニルアリーレンから選択される;
・約6~約500の範囲の炭素原子を典型的には有する複素環式類または置換複素環式類;
・ポリシロキサン;または
・ポリシロキサン-ポリウレタンブロックコポリマー、および
・共有結合、-O-、-S-、-NR-、-NR-C(O)-、-NR-C(O)-O-、-NR-C(O)-NR-、-S-C(O)-、-S-C(O)-O-、-S-C(O)-NR-、-O-S(O)2-、-O-S(O)2-O-、-O-S(O)2-NR-、-O-S(O)-、-O-S(O)-O-、-O-S(O)-NR-、-O-NR-C(O)-、-O-NR-C(O)-O-、-O-NR-C(O)-NR-、-NR-O-C(O)-、-NR-O-C(O)-O-、-NR-O-C(O)-NR-、-O-NR-C(S)-、-O-NR-C(S)-O-、-O-NR-C(S)-NR-、-NR-O-C(S)-、-NR-O-C(S)-O-、-NR-O-C(S)-NR-、-O-C(S)-、-O-C(S)-O-、-O-C(S)-NR-、-NR-C(S)-、-NR-C(S)-O-、-NR-C(S)-NR-、-S-S(O)2-、-S-S(O)2-O-、-S-S(O)2-NR-、-NR-O-S(O)-、-NR-O-S(O)-O-、-NR-O-S(O)-NR-、-NR-O-S(O)2-、-NR-O-S(O)2-O-、-NR-O-S(O)2-NR-、-O-NR-S(O)-、-O-NR-S(O)-O-、-O-NR-S(O)-NR-、-O-NR-S(O)2-O-、-O-NR-S(O)2-NR-、-O-NR-S(O)2-、-O-P(O)R2-、-S-P(O)R2-、または-NR-P(O)R2-から選択されるリンカーを有する上記の1または2以上の組み合わせ;ここで、各Rは独立して、水素、アルキルまたは置換アルキルである。
【0033】
本明細書における使用が考えられる例示的なマレイミド、ナジイミドまたはイタコンアミドは、4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4,4’-ジイフェニルエーテルビスマレイミド、4,4’-ジイフェニルスルホンビスマレイミド、フェニルメタンマレイミド、m-フェニレンビスマレイミド、2,2’-ビス[4-(4-マレイミドフェノキシ)フェニル]プロパン、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビスマレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビスマレイミド、1,6’-ビスマレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、1,3-ビス(3-マレイミドフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-マレイミドフェノキシ)-ベンゼン等を包含する。
【0034】
マレイミドの他の例は、下記式によって表される化合物である。これらの化合物は、例えばHenkel Corporationにより市販されている。
【化2】
【0035】
他の例は、無水マレイン酸グラフト化ポリブタジエンおよびそれに由来するアルコール縮合物、例えば、Ricon Resins, Inc.社製のRICON 130MA8、RICON MA13、RICON 130MA20、RICON 131MAS、RICON 131MA10、RICON MA17、RICON MA20、RICON 184MA6およびRICON 156MA17である。
【0036】
本明細書における使用が考えられる1以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、脂肪族主鎖、芳香族主鎖を有するエポキシ、変性エポキシ樹脂、またはそれらの混合物を包含し、これらは本明細書においてエポキシ樹脂とも称される。ある態様では、1以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、官能化エポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーを包含する。エポキシ樹脂におけるエポキシ官能価は少なくとも1である。いくつかの態様では、エポキシ樹脂は1である(即ち、エポキシ樹脂は一官能性エポキシ樹脂である)。別の態様では、エポキシ樹脂は少なくとも2またはそれ以上(例えば、2、3、4、5またはそれ以上)のエポキシ官能基を含む。
【0037】
本発明の実施における使用が考えられるエポキシ樹脂は、特定の分子量を有する樹脂に限定されない。例示的なエポキシ樹脂は、約50以下から約1,000,000までの範囲の分子量を有し得る。ある態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂は、約200,000~約900,000の範囲の分子量を有する。別の態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂は、約10,000~約200,000の範囲の分子量を有する。更に別の態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂は、約1,000~約10,000の範囲の分子量を有する。更に別の態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂は、約50~約10,000の範囲の分子量を有する。
【0038】
いくつかの態様では、エポキシ樹脂は、芳香族および/または脂肪族主鎖を有する液体エポキシ樹脂または固体エポキシ樹脂、例えば、ビスフェノールFのジグリシジルエーテルまたはビスフェノールAのジグリシジルエーテルであってよい。場合により、エポキシ樹脂は可撓性エポキシである。可撓性エポキシは、短鎖または長鎖ポリグリコールジエポキシド液体樹脂のように様々な長さの鎖長(例えば短鎖または長鎖)を有し得る。例示的な短鎖ポリグリコールジエポキシド液体樹脂はD.E.R. 736を包含し、例示的な長鎖ポリグリコールジエポキシド液体樹脂はD.E.R. 732を包含し、これらは共にDow Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から市販されている。
【0039】
本明細書における使用が考えられる例示的なエポキシは、ビスフェノールAに基づく液体型エポキシ樹脂、ビスフェノールAに基づく固体型エポキシ樹脂、ビスフェノールFに基づく液体型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon EXA-835LV)、フェノール-ノボラック樹脂に基づく多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon HP-7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、およびそれらの任意の2以上の混合物を包含する。他の例は、Epon Resin 862、Epiclon N-730A(大日本インキ化学工業株式会社製エピクロロヒドリン-フェノールホルムアルデヒド);Epiclon 830S;Araldite GY285(Chemica Inc.);RSL-1739(Resolution Performance Products社製PビスフェノールF/エピクロロヒドリンエポキシ樹脂);NSC Epoxy 5320(Henkel Corporation社製1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル);およびEX-201-IM(ナガセケムテックス株式会社製レゾルシノールジグリシジルエーテル)である。
【0040】
ある態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシは、ビスフェノールAエポキシ樹脂のジグリシジルエーテル、ビスフェノールFエポキシ樹脂のジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、エポキシクレゾール樹脂等を包含する。
【0041】
いくつかの態様では、エポキシ樹脂は、強化エポキシ樹脂、例えば、エポキシ化カルボキシル末端ブタジエン-アクリロニトリル(CTBN)オリゴマーまたはポリマー、エポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマーまたはポリマー、複素環式エポキシ樹脂(例えば、イソシアネート変性エポキシ樹脂)等であってよい。
【0042】
ある態様では、エポキシ化CTBNオリゴマーまたはポリマーは、下記構造:
HOOC[(Bu)x(ACN)y]mCOOH
[式中、
各Buはブチレン基(例えば、1,2-ブタジエニルまたは1,4-ブタジエニル)であり、
各ACNはアクリロニトリル基であり、
Bu単位およびACN単位は、ランダムまたはブロックで配置され得、
xおよびyの各々は0より大きく、x+y=1であり、
x:yの比は約10:1~1:10の範囲であり、
mは約20~約100の範囲である]
を有するオリゴマーまたはポリマー前駆体のエポキシ含有誘導体である。
【0043】
当業者に容易に理解されるように、エポキシ化CTBNオリゴマーまたはポリマーは、様々な方法で、例えば、(連鎖延長反応による)CTBNのカルボン酸基とエポキシとの反応等により、(1)カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、(2)エポキシ樹脂および(3)ビスフェノールAから調製することができる。
【化3】
【0044】
いくつかの態様では、エポキシ樹脂は、上述した(1)カルボキシル末端ブタジエン/アクリロニトリルコポリマー、(2)エポキシ樹脂、および(3)ビスフェノールA;HyproTMエポキシ官能性ブタジエン-アクリロニトリルポリマー(以前のHycar(登録商標)ETBN)等から調製されるエポキシ化CTBNオリゴマーまたはポリマーを包含し得る。
【0045】
ある態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂は、ゴムまたはエラストマー変性エポキシを包含する。ゴムまたはエラストマー変性エポキシは、下記物質のエポキシ化誘導体を包含する:
(a)米国特許第4,020,036(その全内容を参照してここに組み込む)に記載されている30,000~400,000以上の重量平均分子量(Mw)を有する共役ジエンのホモポリマーまたはコポリマー〔ここで、共役ジエンは一分子当たり4~11個の炭素原子を含む(例えば1,3-ブタジエン、イソプレン等)〕;
(b)エピハロヒドリンホモポリマー、2以上のエピハロヒドリンモノマーのコポリマー、または米国特許第4,101,604(その全内容を参照してここに組み込む)に記載されているような約800~約50,000で変動する数平均分子量(Mn)を有するオキシドモノマーとエピハロヒドリンモノマーとのコポリマー;
(c)米国特許第4,161,471に記載されているようなエチレン/プロピレン/ヘキサジエン/ノルボルナジエンのようなエチレン/プロピレンと少なくとも1つの非共役ジエンとのコポリマーおよびエチレン/プロピレンコポリマーを包含する炭化水素ポリマー;或いは
(d)共役ジエンブチルエラストマー、例えば、約0.5~約15重量%のC4~C14共役マルチオレフィンと組み合わせた85~99.5重量%のC4~C5オレフィンからなるコポリマー、その中に組み込まれたイソプレン単位のほとんどが共役ジエン不飽和を有するイソブチレンとイソプレンとのコポリマー〔例えば米国特許第4,160,759を参照(その全内容を参照してここに組み込む)〕。
【0046】
ある態様では、エポキシ樹脂は、エポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマーまたはポリマーである。
【0047】
ある態様では、本明細書における使用が考えられるエポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマーは、下記構造:
【化4】
[式中、
R
1およびR
2は、各々独立して、Hまたは低級アルキルであり、
R
3は、H、飽和若しくは不飽和ヒドロカルビル、またはエポキシであり、
上記エポキシ含有反復単位の少なくとも1、および上記オレフィン反復単位の少なくとも1は、各オリゴマーに存在し、存在する場合、各反復単位の1~10の範囲で存在し、かつ
nは2~150の範囲である]
を有する。
【0048】
ある態様では、本発明の実施における使用が考えられるエポキシ化ポリブタジエンジグリシジルエーテルオリゴマーまたはポリマーは、下記構造:
【化5】
[式中、Rは、H、OH、低級アルキル、エポキシ、オキシラン置換低級アルキル、アリール、アルカリール等である]
を有する。本明細書における使用が考えられるエポキシ樹脂の更なる例は、可撓性主鎖を有するエポキシを包含する。例えば、エポキシ樹脂は、下記物質等を包含する。
【化6】
【0049】
いくつかの態様では、付加的なエポキシ物質が本発明の組成物に含まれてよい。本発明の組成物に含まれる場合、多種多様なエポキシ官能化樹脂が本明細書における使用に考えられ、その例は、ビスフェノールAに基づくエポキシ樹脂(例えば、Epon Resin 834)、ビスフェノールFに基づくエポキシ樹脂(例えば、RSL-1739またはJER YL980)、フェノール-ノボラック樹脂に基づく多官能性エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(例えば、Epiclon HP-7200L)、ナフタレン型エポキシ樹脂等、およびそれらの任意の2以上の混合物である。
【0050】
本明細書における使用が考えられる例示的なエポキシ官能化樹脂は、脂環式アルコールのジエポキシド、水素化ビスフェノールA(Epalloy 5000として市販)、ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として市販)、Epiclon EXA-835LV、Epiclon HP-7200L等、およびそれらの任意の2以上の混合物を包含する。
【0051】
本発明の組成物の任意の付加的な成分としての使用に適した常套のエポキシ物質の更なる例は、下記物質等を包含する。
【化7】
【0052】
本明細書における使用が考えられる例示的なエポキシ官能化樹脂は、エポキシ化CTBNゴム561A、24-440B、およびEP-7〔Henkel Corporation(ノースカロライナ州ソールズベリーおよびカリフォルニア州ランチョドミンゲス)から入手可能〕;脂環式アルコール水素化ビスフェノールAのジエポキシド(Epalloy 5000として入手可能);ヘキサヒドロフタル酸無水物の二官能性脂環式グリシジルエステル(Epalloy 5200として入手可能);ERL 4299;CY-179;CY-184;等、およびそれらの任意の2以上の混合物を包含する。
【0053】
場合により、エポキシ樹脂は、モノマー単位の混合物である主鎖(即ち、ハイブリッド主鎖)を有するコポリマーであり得る。エポキシ樹脂は、直鎖または分岐鎖セグメントを含み得る。ある態様では、エポキシ樹脂は、エポキシ化シリコーンモノマーまたはオリゴマーであり得る。場合により、エポキシ樹脂は、可撓性エポキシシリコーンコポリマーであり得る。本明細書における使用が考えられる例示的な可撓性エポキシシリコーンコポリマーはALBIFLEX 296およびALBIFLEX 348を包含し、これらはいずれもEvonik Industries(ドイツ国)から市販されている。
【0054】
いくつかの態様では、1つのエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーが組成物中に存在する。ある態様では、エポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーの組み合わせが組成物中に存在する。例えば、2以上、3以上、4以上、5以上または6以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーが組成物中に存在する。エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されたフィルムまたはペーストにおいて所望の特性を達成するために選択および使用することができる。例えば、エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されたフィルムが向上した下記特性の1以上を示すように選択することができる:フィルム品質、粘着性、濡れ性、可撓性、可使時間、高温接着性、樹脂-フィラー適合性、焼結能等。エポキシ樹脂の組み合わせは、組成物から調製されたペーストが向上した下記特性の1以上を示すように選択することができる:レオロジー、計量分配性、可使時間、焼結能等。
【0055】
1以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、組成物の総固形分(即ち、希釈剤を除く組成物)の約50重量%までの量で組成物中に存在できる。例えば、1以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、約3重量%~約50重量%、約10重量%~約50重量%または約10重量%~約35重量%の量で組成物中に存在できる。いくつかの態様では、1以上のエポキシモノマー、オリゴマーまたはポリマーは、組成物の総固形分の重量に基づいて、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下または約5重量%以下の量で組成物中に存在できる。
【0056】
本明細書に記載されている組成物は、アクリル系モノマー、ポリマーまたはオリゴマーを更に含み得る。本発明の実施における使用が考えられるアクリレートは、当技術分野で知られている。例えば米国特許第5,717,034を参照できる(その全内容を参照してここに組み込む)。
【0057】
本発明の実施における使用が考えられる(メタ)アクリル系モノマー、ポリマーまたはオリゴマーは、特定の分子量に限定されない。例示的な(メタ)アクリル樹脂は、約50以下から約1,000,000までの範囲の分子量を有し得る。いくつかの態様では、本明細書における使用が考えられる(メタ)アクリル系ポリマーは、約100~約10,000の範囲の分子量および約-40℃~約20℃の範囲のTgを有し得る。ある態様では、本明細書における使用が考えられる(メタ)アクリル系ポリマーは、約10,000~約900,000(例えば、約100,000~約900,000または約200,000~約900,000)の範囲の分子量および約-40℃~約20℃の範囲のTgを有する。本明細書に記載されている組成物において使用するための(メタ)アクリル系コポリマーの例は、Teisan Resin SG-P3およびTeisan Resin SG-80H〔いずれもナガセケムテックス株式会社(日本)製〕、SR423A(Sartomer Company Inc.製)を包含する。場合により、本明細書に記載されている組成物において使用するための(メタ)アクリル系ポリマーまたはオリゴマーは、分解可能な(メタ)アクリル系ポリマー若しくはオリゴマーまたはエポキシ変性アクリル樹脂であり得る。
【0058】
(メタ)アクリル系モノマー、ポリマーおよび/またはオリゴマーは、組成物の総固形分の約50重量%までの量で組成物中に存在できる。例えば(メタ)アクリル系モノマー、コポリマーおよび/またはオリゴマーは、約5重量%~約50重量%、または約10重量%~約50重量%、または約10重量%~約35重量%、または約5重量%~約30重量%、または約5重量%~約20重量%の量で組成物中に存在できる。いくつかの態様では、(メタ)アクリル系モノマー、コポリマーおよび/またはオリゴマーは、組成物の総固形分の重量に基づいて、約50重量%以下、約45重量%以下、約40重量%以下、約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、または約5重量%以下の量で組成物中に存在する。
【0059】
本明細書における使用が考えられる例示的な(メタ)アクリレートは、単官能性(メタ)アクリレート、二官能性(メタ)アクリレート、三官能性(メタ)アクリレート、多官能性(メタ)アクリレート等、およびそれらの任意の2以上の混合物を包含する。
【0060】
本明細書に記載されている組成物における使用が考えられる更なる熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成分は、ポリウレタン、シアネートエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレア、ポリビニルアセタール樹脂およびフェノキシ樹脂を包含し得る。いくつかの態様では、組成物は、イミド含有モノマー、オリゴマーまたはポリマー、例えば、マレイミド、ナジイミド、イタコンイミド、ビスマレイミドまたはポリイミドを含み得る。
【0061】
1以上のエポキシモノマー、ポリマーまたはオリゴマー;アクリル系モノマー、ポリマーまたはオリゴマー、フェノール;ノボラック;ポリウレタン;シアネートエステル;ポリビニルアルコール;ポリエステル;ポリウレア;ポリビニルアセタール樹脂;フェノキシ樹脂;および/またはイミド含有モノマー、ポリマーまたはオリゴマー(例えば、マレイミド、ビスマレイミドおよびポリイミド)を包含する熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂成分を組み合わせてバインダーを生成することができる。バインダーは、固体、半固体または液体であり得る。場合により、バインダーは、350℃未満の分解温度を有する。
【0062】
本明細書における使用が考えられるシアネートエステルモノマーは、加熱するとシクロトリマー化して置換トリアジン環を形成する環形成シアネート(-O-C≡N)基を2以上有する。
【0063】
特定の一態様において、熱硬化性または熱可塑性樹脂成分は、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシポリマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリル系オリゴマー、(メタ)アクリル系ポリマー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、シアネートエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレア、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、マレイミド、ビスマレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリイミド、およびそれらの混合物から選択される。好ましくは、熱硬化性または熱可塑性樹脂成分は、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシポリマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリル系オリゴマー、(メタ)アクリル系ポリマー、マレイミド、ビスマレイミド、およびそれらの混合物から選択される。
【0064】
本発明において、熱硬化性または熱可塑性樹脂成分は、ダイアタッチ用硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて、0.5重量%~30重量%、好ましくは1重量%~25重量%、より好ましくは3重量%~20重量%の量で存在する。
【0065】
ダイアタッチ用硬化性接着剤組成物はまた、10μm~100μmのD50粒度を有し、300℃以下の融点を有する第一の金属または合金(即ち、低融点金属または合金)の複数の粒子も含有する。低融点金属または合金は、組成物において、基材とダイの間の接合領域を支持するためのスペーサーとして使用される。ここで、第一の金属または合金の粒子の「D50粒度」は、レーザー回折粒度分析装置で測定して得た体積ベースの粒度分布曲線における中位径を表す。
【0066】
本発明者らは、意外なことに、低融点金属および/または合金のスペーサー粒子が他の成分と一緒に組成物中に含まれると、より小さいダイのアタッチ(取り付け)のための適用および硬化の際に、硬化性接着剤組成物が、ボイドの排除、より薄いBLTおよびより小さい傾斜傾向の達成を可能にすることを見出した。
【0067】
第一の金属または合金の粒子は、300℃以下、好ましくは50℃~300℃、より好ましくは70℃~200℃、特に100℃~200℃の融点を有する。これらの金属および合金は、本明細書において、まとめて低融点合金(LMA)と称する。
【0068】
LMAの適当な粒子は、インジウム(In)、ゲルマニウム(Ga)、ビスマス(Bi)またはスズ(Sn)の少なくとも1つを含んでなる。好ましくは、LMAの粒子は、In、Ga、BiまたはSnの少なくとも1つを30質量%超の量で含む。合金の融点を低下させるため、微量のカドミウムおよび鉛をLMAに配合できる。しかし、RoHS規制のような環境保護に関する地域の規制の要件を満たすために、LMAの粒子は特に、鉛(Pb)およびカドミウム(Cd)を、例えば0.1重量%未満または0.05重量%未満の量のように本質的に含まず、好ましくはPbおよびCdを含まない。好ましい低融点金属は、InおよびSnである。好ましい低融点合金は、Ga、In、Bi、Sn、Ag、Zn、Sb、AuおよびCuの混合物、例えば、In/Sn合金、In/Bi合金、Sn/Bi合金、In/Sn/Bi合金、Sn/Bi/Ag合金、Sn/Ag/Cu合金、Sn/Cu合金、In/Sn/Zn合金、Sn/Ag/Cu/Sb合金、およびSn/Au合金である。例示的な低融点合金は、50℃~300℃の融点(液相温度)を有する、In(51)/Bi(32.5)/Sn(16.5)、In(66.3)/Bi(33.7)、In(26)/Bi(57)/Sn(17)、Bi(54)/In(29.7)/Sn(16.3)、In(52.2)/Sn(46)/Zn(1.8)、Bi(67.0)/In(33.0)、In(52)/Sn(48)、In(50)/Sn(50)、Sn(52)/In(48)、Bi(58)/Sn(42)、Bi(57)/Sn(42)/Ag(1)、In(97)/Ag(3)、Sn(58)/In(42)、In(95)/Bi(5)、In(99.3)/Ga(0.7)、In(90)/Sn(10)、In(99.4)/Ga(0.6)、In(99.6)/Ga(0.4)、In(99.5)/Ga(0.5)、Sn(60)/Bi(40)、Sn(86.5)/Zn(5.5)/In(4.5)/Bi(3.5)、Sn(77.2)/In(20.0)/Ag(2.8)、Sn(83.6)/In(8.8)/Zn(7.6)、Sn(91)/Zn(9)、Sn(86.9)/In(10)/Ag(3.1)、Sn(91.8)/Bi(4.8)/Ag(3.4)、Sn(90)/Au(10)、Sn(95.5)/Ag(3.8)/Cu(0.7)、Sn(95.5)/Ag(3.9)/Cu(0.6)、Sn(96.5)/Ag(3.5)、Sn(97)/Ag(3)、Sn(95.5)/Ag(4.0)/Cu(0.5)、Sn(96.2)/Ag(2.5)/Cu(0.8)/Sb(0.5)、Sn(98.5)/Ag(1.0)/Cu(0.5)、Sn(97.5)/Ag(2.5)、Sn(98.5)/Ag(1.0)/Cu(0.5)、Sn(98.5)/Ag(0.5)/Cu(1.0)、Sn(99)/Ag(1)、Sn(99)/Cu(1)、Sn(99.3)/Cu(0.7)、Sn(99.2)/Cu(0.5)/Bi(0.3)、Sn(99.5)/Cu(0.5)、Sn(65)/Ag(25)/Sb(10)、Sn(99)/Sb(1)、In(99)/Ag(10)、Sn(97)/Sb(3)、Sn(95.0)/Ag(5)、Sn(95)/Sb(5)、Bi(95)/Sn(5)である。これらの低融点金属または合金は、例えば、Heraeus Co. Ltd.、Sigma Aldrich Co. Ltd.、5N Plus Co. Ltd.〔MCPシリーズの商品名、例えば、MCP 137(Bi/Sn合金)、MCP 150(Bi/Sn合金)、MCP 61(Bi/Sn/In合金)、MCP 79(Bi/Sn/In合金)等〕およびMerck Millipore GmbHから市販されている。
【0069】
本発明において、低融点合金または金属のスペーサーは、10μm~100μm、好ましくは10μm~50μm、好ましくは12.5μm~35μmのD50粒度を有する。スペーサーのD50粒度が100μmより大きいと、より小さい寸法のダイの取り付けにおいて、フィレットが容易に形成され得る。スペーサーのD50粒度が10μm未満であると、スペーサーはダイおよび基材を支持できない可能性がある。
【0070】
本発明において、低融点合金のスペーサーは、3~12g/cm3、好ましくは5~10g/cm3のタップ密度を有する。この密度が低すぎるかまたは高すぎると、特に接着剤組成物を加熱して硬化させる際に、スペーサーは、他の成分と混和しなかったり、接着剤組成物中に良好に分散されなかったりし得る。スペーサーの不均一性により、ダイおよびスペーサーが載荷力を受ける際の取り付け不良のリスクを高める深刻な傾斜傾向が発生し得る。
【0071】
低融点合金または金属の形状は特に限定されず、その例は、球状、略球状、楕円状、紡錘状、立方体状、略立方体状、フレーク状、無形状を包含する。これらのうち、保存安定性の観点から、好ましくは、球状、略球状およびフレーク状のフィラーが使用される。
【0072】
本発明において、第一の金属または合金の粒子は、ダイアタッチ用硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて、0.1重量%~5重量%、好ましくは0.3重量%~3重量%、より好ましくは0.5重量%~2重量%の量で存在する。
【0073】
硬化性接着剤組成物はまた、導電性フィラーとして、第二の金属または合金の複数の粒子も含む。導電性フィラー粒子は、300℃より高い融点、好ましくは350℃~2000℃、より好ましくは400℃~1500℃、更により好ましくは500℃~1200℃の融点を有する。第二の金属または合金の粒子は、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)の少なくとも1つを含んでなり、Au、AgまたはCuの少なくとも1つを50質量%超の量で含んでなる。一態様では、第二の金属または合金の粒子は、銀を含んでなり、50質量%超、好ましくは70質量%超、更には90質量%超の銀を含んでなる。
【0074】
導電性フィラー粒子は、0.1μm以上、10μm未満、好ましくは0.5μm~8μm、より好ましくは2μm~6μmのD50粒度を有する。導電性フィラーの粒度が上記範囲内であると、フィラーは硬化性接着剤組成物中で良好に分散し、これにより、硬化性接着剤組成物の保存安定性を向上させることができ、均一な接合強度をもたらすことができる。ここで、導電性フィラーの「D50粒度」は、レーザー回折粒度分析装置で測定して得た体積ベースの粒度分布曲線における中位径を表す。
【0075】
導電性フィラー粒子は、1~10g/cm3、好ましくは2~8g/cm3のタップ密度を有する。
【0076】
導電性フィラーの形状は特に限定されず、その例は、球状、略球状、楕円状、紡錘状、立方体状、略立方体状、フレーク状、無形状を包含する。これらのうち、保存安定性の観点から、好ましくは、球状、略球状およびフレーク状のフィラーが使用される。
【0077】
フレーク状フィラーの例は、板状、層状および鱗片状のフィラーを包含してよい。フレーク状フィラーの好ましい例は、側面方向に薄板形状を有し、正面方向に円形状、楕円形状、多角形状または無形状を有する粒子を包含する。そのような形状を有するフィラーはフィラー間の大きい接触領域を有し、これにより、硬化物におけるボイドが低減され得る。
【0078】
一態様では、導電性フィラーは、フレーク状銀フィラー、球状銀フィラーおよびそれらの混合物から選択される。銀フィラーは、例えば、Metalor Technologies、Ferro Corp.、Technic Inc.、Eckart GmbH、Ames Goldsmith Corp.、Potters Industries Inc.、DOWAホールディングス株式会社、三井物産株式会社、福田金属箔粉工業株式会社から市販されている。フレーク状銀フィラーの例は、銀フレークEAの商品名でMetalor Technologies社により販売されている。球状または略球状銀フィラーの例は、銀粉FA SABの商品名でTechnic社により販売されている。
【0079】
本発明に使用できる導電性フィラーは、還元法、粉砕法、電解法、噴霧法、または熱処理法のような既知の方法により製造できる。
【0080】
一態様では、導電性フィラーの表面は、有機物質で被覆されていてよい。
【0081】
有機物質の量は、導電性フィラーの好ましくは0.01~10重量%、より好ましくは0.1~2重量%である。また、導電性フィラーの形状等に応じて、有機物質の量を調整することが好ましい。有機物質の量は、例えば、加熱により有機物質を揮発または熱分解し、重量減少を測定することにより測定できる。
【0082】
本明細書において、導電性フィラーが「有機物質で被覆されている」状態とは、有機溶媒中に導電性フィラーを分散させることにより、導電性フィラーの表面に有機溶媒が付着している状態を包含する。
【0083】
導電性フィラーを被覆する有機物質の例は、親水性有機化合物、例えば、1~5個の炭素原子を有するアルキルアルコール、1~5個の炭素原子を有するアルカンチオール、1~5個の炭素原子を有するアルカンポリオール、または1~5個の炭素原子を有する低級脂肪酸;疎水性有機化合物、例えば、15個以上の炭素原子を有する高級脂肪酸およびその誘導体、6~14個の炭素原子を有する中級脂肪酸およびその誘導体、6個以上の炭素原子を有するアルキルアルコール、16個以上の炭素原子を有するアルキルアミン、または6個以上の炭素原子を有するアルカンチオールを包含し得る。
【0084】
これらのうち、高級脂肪酸、中級脂肪酸、およびそれらの金属塩、アミド、アミンまたはエステル化合物が好ましい。撥水性(疎水性)有機化合物は、より好ましくは、高級若しくは中級脂肪酸、またはその撥水性誘導体である。被覆効果の観点から、高級または中級脂肪酸が特に好ましい。
【0085】
高級脂肪酸の例は、直鎖飽和脂肪酸、例えば、ペンタデカン酸、ヘキサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、12-ヒドロキシオクタデカン酸、エイコサン酸、ドコサン酸、テトラコサン酸、ヘキサコサン酸(セロチン酸)、またはオクタコサン酸;分岐飽和脂肪酸、例えば、2-ペンチルノナン酸、2-ヘキシルデカン酸、2-ヘプチルトデカン酸、またはイソステアリン酸;および不飽和脂肪酸、例えば、パルミトレイン酸、オレイン酸、イソオレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、レシノール酸、ガドレイン酸、エルカ酸、およびセラコレイン酸を包含する。
【0086】
中級脂肪酸の例は、直鎖飽和脂肪酸、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、トリデカン酸、またはテトラデカン酸;分岐飽和脂肪酸、例えば、イソヘキサン酸、イソヘプタン酸、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、イソノナン酸、2-プロピルヘプタン酸、イソデカン酸、イソウンデカン酸、2-ブチルオクタン酸、イソドデカン酸、イソトリデカン酸;および不飽和脂肪酸、例えば10-ウンデセン酸を包含する。
【0087】
有機物質で被覆された表面を有する導電性フィラーの製造方法の例は、有機溶媒の存在下で還元法により導電性フィラーを製造する方法を包含するが、これに限定されない。具体的には、導電性フィラーは、一級アミンとカルボン酸銀塩とを混合し、有機溶媒の存在下で還元剤を使用して導電性フィラーを沈殿させることによって得ることができる。
【0088】
また、導電性フィラーの製造に使用した溶媒中に得られたフィラーを分散させ、本発明の硬化性接着剤組成物に分散体を直接添加することも好ましい。
【0089】
また、導電性フィラーの表面は、2以上の有機物質層で被覆されていてよい。そのようなフィラーは、例えば、上記の製造された、有機物質の被覆を有する導電性フィラーを他の有機溶媒に分散させることによって得ることができる。本発明の硬化性接着剤組成物に添加される溶媒は、好ましくは、そのような「他の溶媒」として使用され得る。
【0090】
導電性フィラーの表面を有機物質で被覆すると、硬化性接着剤組成物における導電性フィラーの凝集がより防止または低減され得る。
【0091】
導電性フィラーは、単独で、または2以上の組み合わせとして使用してよい。異なる形状または異なる寸法のフィラーの組み合わせは、硬化物の多孔性を低減し得る。組み合わせの例は、フレーク状フィラーと、フレーク状フィラーよりも中心粒径が小さい略球状フィラーとの混合物を包含するが、これに限定されない。フレーク状フィラーおよび略球状フィラーの質量比は、0.3~5、好ましくは0.4~3の範囲である。
【0092】
本発明において、第二の金属または合金の粒子は、ダイアタッチ用硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて、60重量%~95重量%、好ましくは70重量%~90重量%、より好ましくは75重量%~85重量%の量で存在する。
【0093】
本明細書に記載の硬化性接着剤組成物は、任意に、1以上の硬化剤を含み得る。硬化剤は組成物において、場合により、開始剤、促進剤および/または還元剤として機能し得る。本発明の実施における使用が考えられる硬化剤は、尿素、脂肪族および芳香族アミン、ポリアミド、イミダゾール、ジシアンジアミド、ヒドラジド、尿素-アミンハイブリッド硬化系、フリーラジカル開始剤、有機塩基、遷移金属触媒、フェノール、酸無水物、ルイス酸、ルイス塩基、過酸化物等を包含する。例えば米国特許第5,397,618を参照できる(その全内容を参照してここに組み込む)。硬化剤の添加は、熱硬化性または熱可塑性樹脂成分の選択に依存する。樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤の例は、脂肪族および芳香族アミン、酸無水物、イミダゾールおよびそれらの混合物であり得る。樹脂成分として(メタ)アクリレートを使用する場合、硬化剤の例は、過酸化物、例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、t-ブチルペルベンゾエート、ベンゾイルペルオキシド、クメンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、および当技術分野で知られている他の過酸化物であり得る。
【0094】
硬化剤は、任意に、ダイアタッチ用硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて、0重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~8重量%、より好ましくは0.3重量%~5重量%の量で組成物中に存在し得る。
【0095】
本明細書に記載の硬化性接着剤組成物は、例えば有機希釈剤を包含する、希釈剤を更に含み得る。有機希釈剤は、反応性有機希釈剤、非反応性有機希釈剤、またはそれらの混合物であり得る。例示的な希釈剤は、例えば、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等);脂肪族炭化水素(例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、テトラデカン等);塩素化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン等);エーテル(例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、グリコールエーテル、エチレングリコールのモノアルキルまたはジアルキルエーテル等);エステル(例えば、エチルアセテート、ブチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、ブトキシエトキシエチルアセテート等);ポリオール(例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン等);アミド(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);ヘテロ芳香族化合物(例えば、N-メチルピロリドン等);およびヘテロ脂肪族化合物を包含する。
【0096】
本発明における使用が考えられる非反応性希釈剤の量は、十分な量を使用して本発明の組成物の成分を溶解および/または分散できる限り、広く変化し得る。存在する場合は、使用される非反応性希釈剤の量は、典型的には、組成物の約2~約30重量%の範囲である。
【0097】
当業者に容易に理解されるように、ある態様では、本発明の組成物はその中に、非反応性希釈剤を実質的に含まない。非反応性希釈剤が一時存在するとしても、硬化中に除去され得る。
【0098】
本発明の組成物は、1以上の流動添加剤、接着促進剤、レオロジー調整剤、強化剤、フラックス剤、および/またはラジカル重合調節剤、およびそれらの任意の2以上の混合物を更に含んでよい。
【0099】
本発明の硬化性接着剤組成物は、全成分を一緒に混合し、均一な混合物を得ることにより調製できる。混合は室温で実施される。混合デバイスは、例えば、軌道(プラネタリー)ミキサーまたは強制ミキサーであってよい。
【0100】
本発明の硬化性接着剤組成物は液体状であり、組成物のブルックフィールド粘度は好ましくは、25℃、5rpmで約1,000cPs~約40,000cPsである。そのような範囲の粘度を有する液体接着剤組成物は、基材に対する適用または注入を容易にする、良好な流動特性を有する。硬化性接着剤組成物のボンドライン厚は、適用時に、50μm未満、好ましくは5~30μm、より好ましくは10~30μmに制御され得る。硬化性接着剤組成物は、窒素雰囲気下200℃で硬化され得る。
【0101】
本発明の別の態様は、特に窒素雰囲気下200℃で、硬化性接着剤組成物を熱硬化することにより形成された硬化物に関する。硬化物は、50μm未満、好ましくは5~30μm、より好ましくは10~30μmのボンドライン厚を示し得る。
【0102】
このダイアタッチプロセスでは、接着剤が広がってダイの下の基材を完全に覆うよう、十分な圧力および/または熱を伴ってダイをダイアタッチ接着剤と接触させる。
図1に示すように、接着剤は、ダイの周縁にフィレット、即ち隆起した縁またはリッジを更に形成することが好ましい。薄いダイを使用する場合およびダイを重ねて配置する場合のダイアタッチ接着剤の計量分配において、従来のペーストダイアタッチ材料は、所望の境界にフィレットを容易に形成せず、半導体パッケージの密集領域へと容易に溢れて隣接するダイおよび電気的相互接続またはダイ上部を汚染する(これは、後続のワイヤ接合プロセスに悪影響を及ぼす)可能性があるので、この用途に適さない。また、適切な程度の接着剤の流動および接合を、圧力を印加せずに達成することも困難である。薄いダイに圧力を印加すると、ダイはひび割れたり、傾斜したり、ひずんだりし得る。
【0103】
意外なことに、本発明の硬化性接着剤組成物および硬化物は、幅5mm未満かつ長さ5mm未満の寸法を有するより薄い/より小さいダイに適しており、上記欠点を伴わない。
【0104】
本発明の別の態様は、硬化物により基材に接着されたダイを含んでなるアセンブリを提供する。
【0105】
本発明の更に別の態様は、
(a)硬化性接着剤組成物を基材に適用し、
(b)基材とダイを密接に接触させてアセンブリを形成し、
(c)アセンブリを、硬化性接着剤組成物の硬化に適した条件に付す
ことを含む、ダイアタッチの方法を提供する。
【0106】
具体的には、本発明の硬化性接着剤組成物は、自動計量分配システムのニードルシリンダーを用いて、所定のルートをたどってプリント基板のような基材の表面に圧力/載荷力下で塗布され得る。次いで、ダイを接着剤組成物上に積層し、基材とダイの高さの差をスペーサーにより調整する。接合領域全体で接着剤がセルフレベリングした後、空気または窒素の雰囲気下で硬化のために上部から下部まで加熱する。硬化時間は、一般に約0.5時間~約5時間であってよい。載荷力は一般に約50g~1,000gであってよい。
【0107】
組成物の硬化物は、50μm未満、好ましくは5~30μm、より好ましくは10~30μmのボンドライン厚を有する。硬化物はまた、30μm未満、好ましくは20μm未満、より好ましくは15μm未満の傾斜を有する。
【0108】
本明細書に記載の組成物は、エレクトロニクス産業およびその他の産業用途で使用できる。例えば、本明細書に記載の組成物は、パワーディスクリートのリードフレームのダイアタッチ用途、高性能ディスクリートのワイヤ接合代替品としてのクリップアタッチ用途、エクスポーズドパッドを備えたパワーディスクリートの冷却用のヒートスラグアタッチ用途、シングルダイおよびマルチダイデバイス、およびダイとフレームの間に高い電気伝導率および/または熱伝導率を必要とするその他のデバイスに使用できる。
【0109】
以下の実施例は、当業者が本発明をよりよく理解し、実施するのを支援することを目的としている。本発明の範囲は、実施例によって限定されないが、添付の特許請求の範囲で定義される。特に明記されていない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づく。
【実施例】
【0110】
材料
EX-201-IMは、ナガセケムテックス株式会社製のレゾルシノールジグリシジルエーテルである。
DPMは、Lyondell Chemical社製のジプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
Epiclon B-570は、DIC社製の4-メチルテトラヒドロフタル酸無水物である。
銀フレークEA 0295-004は、Metalor Technologies社製の、4.4g/cm
3のタップ密度および5.3μmのD
50粒度を有する銀フィラーである。
銀粉FA SAB 499は、Technic Inc.製の、5.6g/cm
3のタップ密度および3.9μmのD
50粒度を有する銀フィラーである。
MCP 137は、5N Plus Inc.製の、8.58g/cm
3のタップ密度および27μmのD
50粒度を有するBi58/Sn42合金である。
CM1016は、
【化8】
で示される構造を有する、Henkel社製のX-ビスマレイミドである。
【0111】
Ricon130MA20は、Sartomer Company. Inc.製の無水マレイン酸により付加されたポリブタジエンオリゴマーである。
SR423Aは、Sartomer Company. Inc.製のイソボルニルメタクリレートである。
BEEAは、Sigma-Aldrich社製の、99%の純度を有するブトキシエトキシエチルアセテートである。
A6153は、Sigma-Aldrich社製のジクミルパーオキサイドである。
SA0201は、Metalor Technologies社製の、5.3μmのD50粒度を有する銀フィラーである。
Epiclon N-730は、大日本インキ化学工業株式会社製のエピクロロヒドリン-フェノールホルムアルデヒドである。
Seikacure-Sは、住友化学株式会社製の4,4’-ジアミノジフェノールスルホンである。
1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテルは、National Starch & Chemical社から78-4603として入手可能である。
カルボン酸アミン触媒は、Chemica社製のN,N’-(4-メチル-1,3-フェニレン)-ビス-1-ピロリジン-カルボキシアミドである。
GS-230は、積水化学工業株式会社製の、30μmのD50粒度を有するジビニルベンゼンポリマースペーサーである。
Silpowder 81-637は、Technic Inc.製の、30μmのD50粒度を有する銀スペーサーである。
【0112】
実施例1
5gのエポキシ樹脂(EX-201-IM)、5gの溶媒(DPM)および5gの硬化剤(Epiclon B-570)を容器に添加し、シンキーミキサー(株式会社シンキー、ARV-310)を用いて2000rpmで2分間撹拌し、均一な溶液を得た。次いで、24.5gのフレーク状銀フィラー(銀フレークEA 0295-004)および59.2gの球状銀フィラー(銀粉FA SAB 499)を添加し、1500rpmで2分間撹拌した。最後に、1.3gのスペーサー(MCP 137)を添加し、真空条件下、1500rpmで2分間撹拌し、均一な硬化性接着剤ペーストを得た。調製したペーストの密度は、約5.5g/cm3であった。ペースト組成物を下記条件下、ダイにロードした。スペーサーの適用量は1.3重量%(20/mm2)であった。硬化プロセスは、N2雰囲気中、140℃まで5℃/分で30分間維持し、次いで、200℃まで5℃/分で60分間維持した。ダイの寸法は1mm×1mmであった。載荷力は100gであった。
【0113】
実施例2
5gのBMI樹脂(CM1016)、1.5gのBMIオリゴマー(Ricon130MA20)、4gの(メタ)アクリレートモノマー(SR423A)、5gの希釈剤(BEEA)および0.5gの硬化剤(A6153)を容器に添加し、シンキーミキサー(株式会社シンキー、ARV-310)を用いて2000rpmで2分間撹拌し、均一な溶液を得た。次いで、82.5gの球状銀フィラー(SA 0201)を添加し、1500rpmで2分間撹拌した。最後に、1.5gのスペーサー(MCP 137)を添加し、真空条件下、1500rpmで2分間撹拌し、均一な硬化性接着剤ペーストを得た。調製したペーストの密度は、約4.9g/cm3であった。ペースト組成物を下記条件下、ダイにロードした。スペーサーの適用量は1.5重量%(20/mm2)であった。硬化プロセスは、N2雰囲気中、200℃まで5℃/分で30分間維持した。ダイの寸法は1mm×1mmであった。載荷力は100gであった。
【0114】
実施例3
15gのエポキシ樹脂(Epiclon N-730)、2gの硬化剤(Sekiacure-S)、7gの希釈剤(1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル)および1gの触媒(カルボン酸アミン)を容器に添加し、シンキーミキサー(株式会社シンキー、ARV-310)を用いて2000rpmで2分間撹拌し、均一な溶液を得た。次いで、73.1gのフレーク状銀フィラー(銀フレークEA 0295-004)を添加し、1500rpmで2分間撹拌した。最後に、1.9gのスペーサー(MCP 137)を添加し、真空条件下、1500rpmで2分間撹拌し、均一な硬化性接着剤ペーストを得た。調製したペーストの密度は、約4.0g/cm3であった。ペースト組成物を下記条件下、ダイにロードした。スペーサーの適用量は1.9重量%(20/mm2)であった。硬化プロセスは、N2雰囲気中、175℃まで5℃/分で60分間維持した。ダイの寸法は1mm×1mmであった。載荷力は100gであった。
【0115】
比較例1
5gのエポキシ樹脂(EX-201-IM)、5gの溶媒(DPM)および5gの硬化剤(Epiclon B-570)を容器に添加し、シンキーミキサー(株式会社シンキー、ARV-310)を用いて2000rpmで2分間撹拌し、均一な溶液を得た。25gのフレーク状銀フィラー(銀フレークEA 0295-004)および59.8gの球状銀フィラー(銀粉FA SAB 499)を添加し、1500rpmで2分間撹拌した。最後に、0.2gのスペーサー(GS-230)を添加し、真空条件下、1500rpmで2分間撹拌し、均一な硬化性接着剤ペーストを得た。調製したペーストの密度は、約5.5g/cm3であった。ペースト組成物を下記条件下、ダイにロードした。スペーサーの適用量は0.2重量%(20/mm2)であった。硬化プロセスは、N2雰囲気中、140℃まで5℃/分で30分間維持し、200℃まで5℃/分で60分間維持した。ダイの寸法は1mm×1mmであった。載荷力は100gであった。
【0116】
比較例2
5gのBMI樹脂(CM1016)、1.5gのBMIオリゴマー(Ricon130MA20)、4gの(メタ)アクリレートモノマー(SR423A)、5gの希釈剤(BEEA)および0.5gの硬化剤(A6153)を容器に添加し、シンキーミキサー(株式会社シンキー、ARV-310)を用いて2000rpmで2分間撹拌し、均一な溶液を得た。次いで、81.8gの球状銀フィラー(SA 0201)を添加し、1500rpmで2分間撹拌した。最後に、2.2gのスペーサー(Silpowder 81-637)を添加し、真空条件下、1500rpmで2分間撹拌し、均一な硬化性接着剤ペーストを得た。調製したペーストの密度は、約4.9g/cm3であった。ペースト組成物を下記条件下、ダイにロードした。スペーサーの適用量は2.2重量%(20/mm2)であった。硬化プロセスは、N2雰囲気中、200℃まで5℃/分で30分間維持した。ダイの寸法は1mm×1mmであった。載荷力は100gであった。
【0117】
性能評価
硬化前および硬化後の実施例を評価するために、下記方法を用いた。
【0118】
BLT
Leica DMS1000顕微鏡(Leica Microsystems社製)を用いてBLTを測定した。硬化前および硬化後、ペーストが適用されたダイおよび適用されていないダイの四隅の高さを測定し、各々の平均値を求めた。基材をゼロ高さ基準線とした。硬化前および硬化後のBLTを下記の通り計算した。
硬化前BLT=(硬化前のペーストが適用されたダイの平均高さ)-(硬化前のペーストが適用されていないダイの平均高さ)
硬化後BLT=(硬化後のペーストが適用されたダイの平均高さ)-(硬化後のペーストが適用されていないダイの平均高さ)
【0119】
傾斜傾向
Leica DMS1000顕微鏡(Leica Microsystems社製)を用いて傾斜傾向を測定した。硬化前および硬化後の傾斜を下記の通り計算した。
硬化前の傾斜=(硬化前のペーストが適用されたダイの最大高さ)-(硬化前のペーストが適用されたダイの最小高さ)
硬化後の傾斜=(硬化後のペーストが適用されたダイの最大高さ)-(硬化後のペーストが適用されたダイの最小高さ)
【0120】
ボイド
PhoenixX線装置(Phoenix X-Ray Systems & Services GmbH製)を用いて硬化接着剤付きダイを観察することにより、硬化接着剤のボイドを測定した。ボイドは、得られたX線画像から直接目視により観察することができる。画像にボイドが見られない場合は「無し」と評価し、画像にボイドが明確にみられた場合は「有り」と評価した。
【0121】
試験結果を表1に示す。本発明の実施例の全てにおいて、より小さい寸法のダイの適用におけるBLT、フィレット、傾斜傾向およびボイド(
図3に示されている)の優れた制御がなされた一方で、有機ポリマーまたは高融点金属である常套のスペーサーを含有する比較例の全てにおいて、傾斜傾向およびボイド(
図4および5に示されている)について劣った性質を示したことが明らかである。
【0122】
【表1】
本明細書の好ましい態様は、少なくとも下記を包含する。
[1](1)熱硬化性または熱可塑性樹脂成分、
(2)硬化性接着剤組成物の総重量に基づいて0.1~5重量%の量の、300℃以下の融点および10μm以上、100μm以下のD
50
粒度を有する第一の金属または合金の複数の粒子、並びに
(3)300℃より高い融点および0.1μm以上、10μm未満のD
50
粒度を有する第二の金属または合金の複数の粒子
を含んでなる硬化性接着剤組成物。
[2]熱硬化性または熱可塑性樹脂成分は、エポキシモノマー、エポキシオリゴマー、エポキシポリマー、(メタ)アクリル系モノマー、(メタ)アクリル系オリゴマー、(メタ)アクリル系ポリマー、フェノール-ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン、シアネートエステル、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレア、ポリビニルアセタール樹脂、フェノキシ樹脂、マレイミド、ビスマレイミド、ナジイミド、イタコンアミド、ポリイミド、およびそれらの混合物から選択される、[1]に記載の硬化性接着剤組成物。
[3]第一の金属または合金の粒子は、50℃~300℃の融点を有する、[1]または[2]に記載の硬化性接着剤組成物。
[4]第一の金属または合金の粒子は、インジウム(In)、ゲルマニウム(Ga)、ビスマス(Bi)またはスズ(Sn)の少なくとも1つを含んでなる、[1]~[3]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[5]第一の金属または合金の粒子は、鉛(Pb)およびカドミウム(Cd)を本質的に含まない、[1]~[4]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[6]第一の金属または合金の粒子のD
50
粒度は10μm~50μmである、[1]~[5]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[7]第二の金属または合金の粒子は、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)または銅(Cu)の少なくとも1つを含んでなる、[1]~[6]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[8]第二の金属または合金の粒子のD
50
粒度は0.5μm~8μmである、[1]~[7]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[9]窒素雰囲気中、200℃で硬化することができる、[1]~[8]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[10]50μm未満のボンドライン厚を有する、[1]~[9]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物。
[11][1]~[10]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物を熱硬化することにより形成される硬化物。
[12]50μm未満のボンドライン厚を有する、[11]に記載の硬化物。
[13][11]または[12]に記載の硬化物により基材に接着されたダイを含んでなるアセンブリ。
[14]5mm以下の幅および5mm以下の長さを有するダイである、[13]に記載のアセンブリ。
[15](a)[1]~[10]のいずれかに記載の硬化性接着剤組成物を基材に適用し、
(b)基材とダイを密接に接触させてアセンブリを形成し、
(c)アセンブリを、硬化性接着剤組成物の硬化に適した条件に付す
ことを含む、ダイアタッチの方法。