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特許7462639システム応答のリアルタイム検出及び補正
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-28
(45)【発行日】2024-04-05
(54)【発明の名称】システム応答のリアルタイム検出及び補正
(51)【国際特許分類】
   H01J 37/28 20060101AFI20240329BHJP
   H01J 37/244 20060101ALI20240329BHJP
   H01J 37/22 20060101ALI20240329BHJP
   H01J 37/05 20060101ALI20240329BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20240329BHJP
【FI】
H01J37/28 B
H01J37/244
H01J37/22 502H
H01J37/05
H01L21/66 J
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021533475
(86)(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-02
(86)【国際出願番号】 US2019065829
(87)【国際公開番号】W WO2020123729
(87)【国際公開日】2020-06-18
【審査請求日】2022-12-05
(31)【優先権主張番号】62/779,485
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/781,412
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/785,164
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/691,847
(32)【優先日】2019-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュトシュス ヘニング
(72)【発明者】
【氏名】アイリング シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】シアーズ クリストファー
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0272900(US,A1)
【文献】特開2005-071775(JP,A)
【文献】特開2014-143096(JP,A)
【文献】特開2018-137160(JP,A)
【文献】特開2000-338068(JP,A)
【文献】特開平11-297264(JP,A)
【文献】特開2000-156189(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数を有する電子ビームパラメータを変調し、
源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述される電子ビームを、前記電子ビームパラメータに基づき試料の方へと放射してそこで電子を散乱させ、
前記散乱電子のうち一部分を電子検出器にて検出し、それによって電子データであり電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含むものを生成し、
プロセッサを用い前記源泉位相・前記電子位相間の位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、且つ
前記プロセッサを用い、また前記ラテンシと前記源泉波動関数・前記電子波動関数間の差異とを用い、電子ビームツールの応答関数を補正することによって、
電子ビームツールの応答関数を補正する方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であり、前記散乱電子に後方散乱電子が含まれる方法であって、前記電子ビームツールで以て、
前記後方散乱電子のうち一部分を後方散乱電子検出器にて検出し、それによって後方散乱電子データを生成する方法。
【請求項3】
請求項2に記載の方法であって、前記応答関数を補正する際に、前記電子データから前記後方散乱電子データを減ずる方法。
【請求項4】
請求項2に記載の方法であって、前記応答関数を補正する際に、
前記プロセッサを用い前記後方散乱電子データのスペクトル分布を低エネルギ側に向かい外挿し、それによって外挿後方散乱電子データを生成し、且つ
前記プロセッサを用い前記電子データから前記外挿後方散乱電子データを減ずる方法。
【請求項5】
請求項2に記載の方法であって、前記応答関数を補正する際に、
前記プロセッサを用い前記後方散乱電子データのエネルギ分布関数をモデル化し、それによってモデル化エネルギ分布関数を生成し、且つ
前記プロセッサを用い、また前記電子ビームツールを用い採取した一通り又は複数通りの計測結果を用い、前記モデル化エネルギ分布関数を校正する方法。
【請求項6】
請求項2に記載の方法であって、前記応答関数を補正する際に、計測パラメータ及び試料特性であり前記後方散乱電子データに基づくものが、その後方散乱電子データと前記電子データとの総和に対し占める、相対的割合を判別する方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、更に、前記相対的割合を電子データ格納ユニット上に格納する方法。
【請求項8】
請求項7に記載の方法であり、前記電子ビームツールの前記応答関数を補正する際に機械学習モデルを用いる方法であって、その機械学習モデルが、前記電子データ格納ユニット上に格納されている格納済相対的割合を用い訓練されたものである方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、更に、前記電子ビームツールで以て、
前記後方散乱電子のうち第2部分を対照電子検出器にて検出し、それによって対照電子データを生成し、
前記プロセッサを用い前記電子データと前記対照電子データとを比較することで傾斜データを生成し、且つ
前記傾斜データを用い前記電子ビームの傾斜を変化させる方法。
【請求項10】
電子ビームツールを備え、その電子ビームツールが、
源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述される電子ビームの態で電子を放出するよう構成された電子ビームエミッタ、
前記電子ビームの経路上で試料を保持するよう構成されたステージ、
前記電子ビームを前記試料に衝突させることで散乱された電子のうち一部分を検出することで、電子データであり電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含むものを生成するよう、構成された電子検出器、
を有し、
前記電子ビームツールと電子通信するコントローラを備え、そのコントローラがプロセッサを有し、
前記コントローラが、
前記電子ビームの電子ビームパラメータであり周波数を有するものを変調せよと前記電子ビームエミッタに命令し、
前記源泉位相・前記電子位相間の位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、且つ
前記ラテンシと前記源泉波動関数・前記電子波動関数間の差異とを用い前記電子ビームツールの応答関数を補正するよう、
構成されているシステム。
【請求項11】
請求項10に記載のシステムであり、前記散乱電子が後方散乱電子を含むシステムであって、更に、
後方散乱電子のうち一部分を検出することで後方散乱電子データを生成するよう構成された後方散乱電子検出器を備えるシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記コントローラが、前記電子データから前記後方散乱電子データを減ずることで前記応答関数を補正するよう構成されているシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のシステムであって、前記コントローラが、
前記後方散乱電子データのスペクトル分布を低エネルギ側に向かい外挿し、それによって外挿後方散乱電子データを生成し、且つ
前記電子データから前記外挿後方散乱電子データを減ずることによって、
前記応答関数を補正するよう構成されているシステム。
【請求項14】
請求項11に記載のシステムであって、前記コントローラが、
前記後方散乱電子データのエネルギ分布関数をモデル化し、それによってモデル化エネルギ分布関数を生成し、且つ
前記電子ビームツールを用い採取した一通り又は複数通りの計測結果を用い前記モデル化エネルギ分布関数を校正することによって、
前記応答関数を補正するよう構成されているシステム。
【請求項15】
請求項11に記載のシステムであって、前記コントローラが、
計測パラメータ及び試料特性であり前記後方散乱電子データに基づくものが、その後方散乱電子データと前記電子データとの総和に対し占める、相対的割合を判別することによって、前記応答関数を補正するよう構成されているシステム。
【請求項16】
請求項15に記載のシステムであって、更に、前記相対的割合を格納するよう構成された電子データ格納ユニットを備えるシステム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、前記コントローラが、機械学習モデルを用い前記応答関数を補正するよう構成されており、その機械学習モデルが、前記電子データ格納ユニット上に格納されている格納済相対的割合を用い訓練されているシステム。
【請求項18】
請求項10に記載のシステムであって、更に、
前記後方散乱電子のうち第2部分を検出することで対照電子データを生成するよう構成された対照電子検出器を備え、
前記コントローラが、更に、
前記電子データと前記対照電子データとを比較することで傾斜データを生成し、且つ
前記傾斜データを用い前記電子ビームエミッタの角度を変化させ、それによって前記電子ビームの傾斜を変化させるよう、
構成されているシステム。
【請求項19】
1個又は複数個のプログラムを備える非一時的コンピュータ可読格納媒体であって、そのプログラムに従い1個又は複数個の情報処理デバイス上で実行されるステップが、
電子ビームツールの応答関数を補正するステップを含み、そのステップが、
周波数を有する電子ビームパラメータを変調し、
源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述される電子ビームを電子ビームパラメータに基づき試料の方へと放射させることで電子を散乱させよと、電子ビームツールに命令し、
前記散乱電子のうち一部分を検出する電子検出器から、電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含む電子データを受け取り、
前記源泉位相・前記電子位相間の位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、且つ
前記ラテンシと前記源泉波動関数・前記電子波動関数間の差異とを用い、前記電子ビームツールの応答関数を補正することによって、
実行される非一時的コンピュータ可読格納媒体。
【請求項20】
請求項19に記載の非一時的コンピュータ可読格納媒体であって、前記1個又は複数個のプログラムが、更に、1個又は複数個の情報処理デバイス上で、
前記電子ビームパラメータ、前記電子データ及び前記応答関数を用いた機械学習アルゴリズムの訓練を実行するよう、構成されている非一時的コンピュータ可読格納媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は総じて半導体ウェハ計量の改良に関する。より具体的には、本件開示は総じて、電子ビーム計測における系統誤差を低減する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願では、2018年12月14日付米国仮特許出願第62/779485号、2018年12月18日付米国仮特許出願第62/781412号及び2018年12月26日付米国仮特許出願第62/785164号に基づき優先権を主張するので、参照によりそれらの開示内容を本願に繰り入れることにする。
【0003】
半導体製造業界の発展につれ歩留まり管理に対する要請、とりわけ計量及び検査システムに対する要請が強まっている。限界寸法が縮まり続けているだけでなく、業界では高歩留まり高付加価値生産達成所要時間の短縮が求められている。歩留まり問題を察知してからそれを正すまでの合計時間を縮めることが、半導体製造業者にとり投資収益率の決め手となっている。
【0004】
個別半導体層間オーバレイを計測することは、集積回路(IC)の機能を確保する上で重要である。構造サイズがスケールダウンするにつれ、走査型電子顕微鏡の原理に基づく電子ビーム(EB)システム、例えばEB式の検査、レビュー及び計量システムが、その分解能力が高いことからますます魅力的となってきている。しかしながら、EBシステムでは、難儀なことに、理論的に実現可能な正確さが系統誤差の影響で削がれ、計測結果が摂動することがある。
【0005】
従来方法の一つに、内部ラテンシの個別オフライン計測及びそれらに関する補正に依拠するものがある。それらラテンシの変化は計測結果によりカバーされない。内部ラテンシがもととなり検出画像にシフトや非対称性が生じ、距離計測結果に誤差の影響が生じることとなりうる。短い時間スケールでのラテンシの変化は付加的ノイズ源として作用しうる。長い時間スケールでのラテンシの変化はドリフト様効果として現れうる。
【0006】
二次電子(SE)を検出することは有益であり、何故なら、標本内でそれらが生じる個所が表面付近の小さな作用体積内であるため、高い空間分解能で以て精密計測が行われるからである。しかしながら、SE信号は他の電子源による摂動、主として広帯域エネルギ分布を有する後方散乱電子(BSE)によるそれを受ける。現行のバンドパスエネルギフィルタでも、高エネルギなBSEを弁別することができる。低エネルギ又は中庸エネルギのBSEは、通常、そのバンドパスフィルタを通過するので、SE信号に付加的な背景信号が加算されることになる。従って、計測で得られる検出器信号は、SE信号と寄生的な低~中庸エネルギ後方散乱電子信号との組合せを、表すものとなる。こうした従来技術ソリューションでは、その寄生的BSEの影響がもとで画像がぼやけることがあり、それにより顕著な系統誤差がもたらされる。
【0007】
従来方法のなかには、図1及び図2A図2Cに描かれている通り、特殊なターゲット構造又は特殊なセンサの画像対称性を整列させることで、光軸に対しビーム軸を静的に事前整列させることによるものがある。しかし、このビーム整列は、高さ違いの試料における距離又は位置の計測に直に影響する。加えて、試料の向きが負荷毎に僅かに変化するかもしれないので、ビームの再整列が必要になる。古い向きのままにすると傾斜誘起性誤差につながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2013-251212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、EB計測における系統誤差を低減する方法及びシステムの改善が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本件開示の諸実施形態には以下の働きがある:(1)ツール内応答を判別、追跡及び補正することで高分解能EB計測における系統誤差を減らすこと、(2)二次電子(SE)検出方法を改善することで高分解能EB計測における系統誤差を減らすこと…諸実施形態はオーバレイ計測に限定されるものではなく、半導体の計量及び検査双方に用いることができる、並びに(3)試料の表面法線を基準としてビームの向きを計測し整列させることでEB計測における系統誤差を減らすことである。
【0011】
諸実施形態によれば、ビームパラメータ、検出器又はフィルタパラメータを変調すること、或いは非対称性検出を利用しビーム傾斜を補正することで、応答関数を補正することができる。
【0012】
諸実施形態の方法及びシステムによれば、システムの応答のうちそのシステムの摂動によるものを検出し、その応答に対する補正指標を決定し、その補正指標を適用することができる。システム応答の検出に用いる計測デバイスは、計量、検査及びレビュー用の電子ビームツールとすることができる。摂動によるシステム応答は、そのシステムにより生来的に与えられるものとして定義し指標により検出すること、ビームパラメータの故意摂動により誘起すること、或いは外部源泉により誘起することができる。ビームパラメータの摂動には、所与特定周波数を有する周期的なものがある。摂動には生来的なもの、例えばビーム傾斜によるものがある。摂動には外的なもの、例えば磁界によるものがある。
【0013】
諸実施形態のなかには、電子ビームツールの応答関数を補正する方法が含まれうる。本方法は、周波数を有する電子ビームパラメータを変調し、源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述される電子ビームをその電子ビームパラメータに基づき試料の方に放射してそこで電子を散乱させ、それら散乱電子のうち一部分を電子検出器にて検出し、それによって電子データであり電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含むものを生成し、プロセッサを用い源泉位相・電子位相間位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、同プロセッサを用いまたそのラテンシと源泉波動関数・電子波動関数間差異とを用い、その電子ビームツールの応答関数を補正するものと、することができる。
【0014】
前記散乱電子には後方散乱電子が含まれうる;本方法を、更に、その電子ビームツールで以て後方散乱電子のうち一部分を後方散乱電子検出器にて検出し、それによって後方散乱電子データを生成するものと、してもよい。
【0015】
前記応答関数の補正に際し、前記電子データから前記後方散乱電子データを減じてもよい。
【0016】
前記応答関数の補正に際し、前記プロセッサを用い前記後方散乱電子データのスペクトル分布を低エネルギ側に向かい外挿し、それによって外挿後方散乱電子データを生成し、同プロセッサを用い前記電子データからその外挿後方散乱電子データを減じてもよい。
【0017】
前記応答関数の補正に際し、前記プロセッサを用い前記後方散乱電子データのエネルギ分布関数をモデル化し、それによってモデル化エネルギ分布関数を生成し、同プロセッサを用い、またその電子ビームツールを用い採取した一通り又は複数通りの計測結果を用い、そのモデル化エネルギ分布関数を校正してもよい。
【0018】
前記応答関数の補正に際し、計測パラメータ及び試料特性であり前記後方散乱電子データに基づくものが、その後方散乱電子データと前記電子データとの総和に対し占める、相対的割合を判別してもよい。
【0019】
前記相対的割合を電子データ格納ユニット上に格納してもよい。
【0020】
前記応答関数の補正に際し機械学習モデルを用いてもよく、前記電子データ格納ユニット上に格納されている格納済相対的割合を用いその機械学習モデルを訓練してもよい。
【0021】
本方法を、更に、前記電子ビームツールで以て後方散乱電子のうち第2部分を対照電子検出器にて検出し、それによって対照電子データを生成し、前記プロセッサを用い前記電子データとその対照電子データとを比較することで傾斜データを生成し、その傾斜データを用い前記電子ビームの傾斜を変化させるものとしてもよい。
【0022】
諸実施形態には、電子ビームツールと、その電子ビームツールと電子通信するコントローラと、を備えるシステムが含まれうる。
【0023】
前記電子ビームツールを、電子ビームエミッタ、ステージ及び電子検出器を有するものとすることができる。その電子ビームエミッタを、電子ビームの態で電子を放出するよう構成することができる。その電子ビームを、源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述することができる。前記ステージを、その電子ビームの経路上で試料を保持するよう構成することができる。前記電子検出器を、その電子ビームがその試料に衝突することで散乱された電子のうち一部分を検出し、それによって電子データであり電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含むものを生成するよう、構成することができる。
【0024】
前記コントローラを、プロセッサを有するものとしてもよい。そのコントローラを、前記電子ビームの電子ビームパラメータであり周波数を有する電子ビームパラメータを変調せよと前記電子ビームエミッタに命令し、源泉位相・電子位相間位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、そのラテンシと源泉波動関数・電子波動関数間差異とを用い前記電子ビームツールの応答関数を補正するよう、構成してもよい。
【0025】
前記散乱電子には後方散乱電子が含まれうる;本システムを、更に、後方散乱電子のうち一部分を検出することで後方散乱電子データを生成するよう構成された後方散乱電子検出器を、備えるものとしてもよい。
【0026】
前記コントローラを、前記電子データから前記後方散乱電子データを減ずることで前記応答関数を補正するよう、構成してもよい。
【0027】
前記コントローラを、前記後方散乱電子データのスペクトル分布を低エネルギ側に向かい外挿し、それによって外挿後方散乱電子データを生成し、前記電子データからその外挿後方散乱電子データを減ずることによって、前記応答関数を補正するよう、構成してもよい。
【0028】
前記コントローラを、前記後方散乱電子データのエネルギ分布関数をモデル化し、それによりモデル化エネルギ分布関数を生成し、前記電子ビームツールを用い採取した一通り又は複数通りの計測結果を用いそのモデル化エネルギ分布関数を校正することによって、前記応答関数を補正するよう、構成してもよい。
【0029】
前記コントローラを、計測パラメータ及び試料特性であり前記後方散乱電子データに基づくものが、その後方散乱電子データと前記電子データとの総和に対し占める相対的割合を判別することによって、前記応答関数を補正するよう、構成してもよい。
【0030】
本システムを、更に、前記相対的割合を格納するよう構成された電子データ格納ユニットを備えるものとしてもよい。
【0031】
前記コントローラを、機械学習モデルを用い応答関数を補正するよう構成してもよい。その機械学習モデル訓練する際、前記電子データ格納ユニット上に格納されている格納済相対的割合を用いてもよい。
【0032】
本システムを、更に、前記後方散乱電子のうち第2部分を検出することで対照電子データを生成するよう構成された対照電子検出器を備えるものとしてもよい。前記コントローラを、前記電子データとその対照電子データとを比較することで傾斜データを生成し、その傾斜データを用い前記電子ビームエミッタの角度を変化させ、それによって前記電子ビームの傾斜を変化させるよう、構成してもよい。
【0033】
諸実施形態には、1個又は複数個のプログラムを備える非一時的コンピュータ可読格納媒体であり、そのプログラムにより電子ビームツールの応答関数の補正を初めとする諸ステップを1個又は複数個の情報処理デバイス上で実行させるものが、含まれうる。前記応答関数の補正に際しては、周波数を有する電子ビームパラメータを変調し、源泉位相を有する源泉波動関数とランディング角とにより記述される電子ビームをその電子ビームパラメータに基づき試料の方に放射してそこで電子を散乱させるよう前記電子ビームツールに命令し、それら散乱電子のうち一部分を検出する電子検出器から、電子データであり電子位相を有する電子波動関数と電子ランディング角とを含むものを受け取り、源泉位相・電子位相間位相遅延を判別し、それによってラテンシを求め、そのラテンシと源泉波動関数・電子波動関数間差異とを用いその電子ビームツールの応答関数を補正することができる。
【0034】
諸ステップには、前記電子ビームパラメータ、前記電子データ及び前記応答関数を用いた機械学習アルゴリズムの訓練を含めることができる。
【0035】
本件開示の性質及び目的についてのより漏れなき理解のためには、後掲の詳細記述と併せ、以下の添付図面を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来技術に係るビーム補正方法を描いた図である。
図2A】本件開示の実施形態に係る計量補正方法を描いた図である。
図2B】本件開示の実施形態に係る計量補正方法を描いた図である。
図2C】本件開示の実施形態に係る計量補正方法を描いた図である。
図3】本件開示の実施形態に係る計量補正方法を描いた図である。
図4】本件開示の実施形態に係る計量補正方法を描いた図である。
図5】本件開示の実施形態に係る計量補正システムを描いた図である。
図6】本件開示の実施形態に係る計量補正システムを描いた図である。
図7A】実施形態での暗視野計量補正を描いた図である。
図7B】実施形態での暗視野計量補正を描いた図である。
図7C】実施形態での暗視野計量補正を描いた図である。
図8】本件開示のシステム実施形態を描いた図である。
図9】本件開示の別のシステム実施形態を描いた図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
特定の諸実施形態により特許請求の範囲記載の主題を記述するが、本件開示の技術的範囲内には、本願中で説明される諸利益及び諸特徴が全ては提供されない諸実施形態を含め、他の諸実施形態も入っている。本件開示の技術的範囲から離隔することなく様々な構造的、論理的、処理ステップ的及び電子的変更を施すことができる。従って、本件開示の技術的範囲は専ら別項の特許請求の範囲への参照によって定まる。
【0038】
本願開示の実施形態には電子ビーム式検査ツールの応答関数を補正する方法、システム及び装置が含まれる。これら実施形態では、潜在的ラテンシのリアルタイム検出及び補正を行い、計測結果の系統誤差を減らすことができる。即ち、計測結果をより高正確度なものとすることができる。
【0039】
一例として、図3に、電子ビーム式検査ツールの応答関数例えば有歪正弦波を補正する第1の方法を示す。方法1では、一通り又は複数通りの特定周波数を有する源泉特性を特定振幅にて変調することにより、生来的な静的又は動的応答例えばラテンシを、判別及び補正することができる。方法1では、まず周波数2を生成し、それを変調することができる。周波数2は、周波数発生器を用い発生させればよい。2にて発生した周波数を入力としビームパラメータ3、例えば電子ビーム流を求めることができる。そのビームパラメータ3を以て一次ビーム4のパラメータとすることができる。ビームパラメータ3を変調することができる。一次ビーム4を試料5、例えばウェハやウェハ上のダイへと差し向けることができる。一次ビーム4のうち一部分をウェハ5に衝突させ、ウェハ5の表面付近にある電子のうち一部分を散乱させることで電子、例えば二次電子及び後方散乱電子を含むそれを得ることができる。それら電子のうち一部分を検出器6によって検出し、修正生データ7を生成することができる。それら電子の変調はビームパラメータ3の変調によるものである。この変調をその励振変調に関し分析すること、例えばそのラテンシを表す位相遅延を利用し分析することができる。その変調はフィルタリングにより検出画像から除去することができ、計測結果を摂動させないものである。修正生データ7、例えば検出器6にて受け取った信号を表しているそれを、ビームパラメータ(群)3と併用することで、位相遅延を判別してラテンシ9を求めることができる。フィルタ10を、ラテンシ9を用いた修正生データ7のフィルタリングに用いることで、補正された応答関数11を得ることができる。
【0040】
一次ビーム4をスイッチオン及びオフさせてもよいし、ダンプ様構造に移してそのビーム偏向を変調してもよい。例えば、そのダンプ様構造をビームダンプとしてもよいし、或いは遮蔽パネル又は金属シートを有するものとしてもよい。
【0041】
修正生データ7を分析する際に、ビームパラメータ3を制御する正弦波を、計測された有歪正弦波と比較してもよい。
【0042】
別例に係るシステムは、電子ビーム式検査ツールを備えるものとすることができる。その電子ビーム式検査ツールを、電子ビームの態で電子を放射するよう構成された電子ビームエミッタを備えるものと、することができる。その電子ビームを、ある源泉電子位相を有する源泉電子波動関数により記述することができる。
【0043】
その電子ビーム式検査ツールを、更に、ステージを備えるものとすることができる。そのステージを、試料を保持するよう構成することができる。その試料を例えばウェハとしてもよい。そのウェハを、1個又は複数個のダイを包含するものとしてもよい。その試料を、そのステージにより電子ビームの経路上で保持することができる。
【0044】
その電子ビーム式検査ツールを、更に二次電子検出器例えばエバーハート・ソーンリー検出器や固体型検出器を備えるものとしてもよいし、ローパスフィルタ(群)が組み込まれたものとしてもよい。その二次電子検出器を、電子ビームが試料に衝突する結果として生じる二次電子のうち一部分を検出するよう構成すればよい。そして、その二次電子検出器により電子データ、即ち検出器6が受け取った(一次、二次又は後方散乱)電子の信号を表すデータを、電子検出後の出力として得ることができる。その電子波動関数は電子位相を有するものとなりうる。
【0045】
その検査ツールとコントローラが電子通信を行うことができる。そのコントローラを、例えば、電子ビームの電子ビームパラメータの周波数を変調せよと電子ビームエミッタに命令するよう、構成することができる。そのコントローラにて源泉電子位相・電子位相間位相遅延を求めることができる。それによりラテンシを得ることができる。このラテンシを源泉波動関数・電子波動関数間差異と併用することで、そのコントローラにて、その電子ビーム式検査ツールの応答関数を補正することができる。応答関数を補正する手法は、その応答関数のどの側面に補正の必要があるかに左右されうる。応答関数を補正するのにビーム傾斜変調が必要な場合は、ビーム位置補正を実行すればよい。応答関数を補正するのにビーム流変調が必要な場合は、画像強度補正を実行すればよい。
【0046】
もう一つの実施形態は非一時的コンピュータ可読格納媒体であり、これは、方法1のそれらを初め諸ステップを実行するためのプログラムを、1個又は複数個備えるものとすることができる。
【0047】
他の諸実施形態に従い、様々な検査ツール内の電子検出器を改善してもよい。電子ビームを試料の方に放射することで、付加的に、その試料内の電子のうち一部分を後方散乱させて後方散乱電子を得ることができる。本方法では、更に、それら後方散乱電子のうち一部分を後方散乱電子検出器にて検出し、後方散乱電子データ、例えば後方散乱電子から受け取った信号を表すそれを、得ることができる。
【0048】
図4に示す実施形態によれば、方法100を用い様々な検査ツール内の電子検出器を改善することができる。寄生後方散乱電子の影響がもとで画像のボケが生じ、顕著な系統誤差をもたらすことがある。方法100によれば、寄生後方散乱電子の影響に抗し電子データ101を清浄化することができる。高周波変調103を用い既存のハイパスフィルタ102のバイアス電圧を0付近の値(ハイパスオフ)から数十又は数百ボルト(ハイパスオン)へと掃引し又は周期変化させることで、寄生後方散乱電子データに関し判別及び補正することができる。ハイパスフィルタ102がハイパスオフモードになるかそれともハイパスオンモードになるかは、フィルタ電圧の強度に依存する。検出されるデータは、ハイパスオフモードでは後方散乱電子及び二次電子のデータ106に対応するものとなる一方、ハイパスオンでは残留している後方散乱電子成分104を表すものとなる。オプション的なスペクトル外挿105を実行してもよい。後方散乱電子及び二次電子のデータを後方散乱電子データにより補正107することによって、後方散乱電子が補正された純粋な二次電子データ108にすることができる。
【0049】
こうしたやり方により、二次電子検出器を改善することができる。二次電子検出器を用いることで、主に、オーバレイアプリケーションにてその上層からデータを受け取ることができる。別の検出器、例えば後方散乱電子検出器を用い、埋込層からのデータを受け取ってもよい。
【0050】
こうした実施形態の稼働によりデータをリアルタイム又はオフライン補正することができる。
【0051】
応答関数を補正する際に、二次電子データから後方散乱電子データを減じてもよい。
【0052】
応答関数を補正する際に、後方散乱電子データのスペクトル分布(光スペクトルに類するそれ)を低エネルギ側に外挿してもよい。この外挿を実行するには、例えば、そのスペクトルに関数を当て嵌め、その関数を用い他の計測データ欠落スペクトル位置に外挿すればよい。これによって外挿後方散乱電子データが得られる。その外挿後方散乱電子データを二次電子データから減ずることで、補正された応答関数を得ることができる。
【0053】
応答関数を補正する際に、後方散乱電子データのエネルギ分布関数をモデル化することで、モデル化エネルギ分布関数を得てもよい。モデル化エネルギ分布関数は、その電子ビーム式検査ツールを用い採取された一通り又は複数通りの計測結果を用い、校正することができる。
【0054】
応答関数を補正する際に相対的割合を求めてもよい。その相対的割合により、後方散乱電子データに基づく試料特性及び計測パラメータを、その後方散乱電子データと二次電子データの総和に、関連付けることができる。
【0055】
その相対的割合を電子データ格納ユニット上に格納してもよい。求まった一通り又は複数通りの相対的割合をルックアップテーブル内に格納し、後刻使用に備えることができる。
【0056】
応答関数を補正する際に機械学習モデルを用いてもよい。その機械学習モジュールの訓練を、電子データ格納ユニット上に格納されている格納済相対的割合を用い行ってもよい。その機械学習モデルを、例えば、畳込みニューラルネットワーク等の人工ニューラルネットワークとし、その人工ニューラルネットワークを新規計測結果に適用してもよい。
【0057】
こうした諸実施形態では、後方散乱電子データと、後方散乱電子及び二次電子のデータとを、画素毎に計測することによって、検出が行われる。別のある種の実施形態では、後方散乱電子データと、後方散乱電子データ及び二次電子データとを、一群の画素毎(例.ライン毎又はフレーム毎)に計測することによって、検出が行われる。後方散乱電子に関しても、後方散乱電子及び二次電子のデータに関しても、同じ位置で計測を行えばよい。個別検出器間の校正を不要とすることができる。
【0058】
諸実施形態のなかには、フィルタバイアス電圧の掃引又は周期変化を制御し他のシステムタイムスケール(例.画素クロック又はフレームレート)に同期させるハードウェアが含まれうる。
【0059】
本方法にて、更に、二次電子のうち第2部分を対照二次電子検出器にて検出してもよい。この検出により対照二次電子データを得ることができる。二次電子データをこの対照二次電子データと比較することで傾斜データ、即ち光軸に対するビーム軸の整列具合を示すそれを、生成することができる。その傾斜データを用い電子ビームの傾斜を変化させることができる。電子ビームの傾斜を変化させるには、電子ビームエミッタを変化させればよい。
【0060】
二次電子データを、暗視野像を利用し対照二次電子データと比較してもよい。暗視野像は、コントラスト拡張及び/又はトポグラフィック計測に用いられうる。こうした像を用いることで、ビーム傾斜を計測し制御することができる。
【0061】
ある実施形態によれば、電子ビーム式検査システムのビーム傾斜を判別し補正することができる。多チャネル検出器を用い対照チャネル同士を比較することで、傾斜関連値を計測すればよい。データ、例えば差分データの比較結果を、フィードバックループによるビーム傾斜のリアルタイム制御に用いてもよい。そうしたフィードバックループを、多チャネル検出器に備わる対照チャネル群とビーム傾斜校正ターゲットとを用い傾斜関連値を求めることによって、ビーム傾斜のリアルタイム判別及び補正に用いてもよい。
【0062】
ある実施形態によれば、高Z基板及びアパーチャアレイを用いた特殊ターゲットを実現することができる。その高Z基板を、それによって後方散乱電子が生成されるよう選択すればよい。例えば、それをPelco(商標)窒化シリコン支持膜としてもよい。
【0063】
本件開示に係るシステム又は非一時的コンピュータ可読格納媒体により、本件開示のそうした諸実施形態を実施することができる。
【0064】
ある実施形態のシステム12が図5に描かれている。システム12では、一次ビーム成分41~43を偏向ユニット13により適切に偏向させ、試料5に向かわせることができる。一次ビーム成分41~43が試料5に衝突することで生じた二次電子及び後方散乱電子の諸部分44~46を、検出器6にて検出することができる。検出器6は、1個又は複数個の部分例えば部分61~65であり、表面の平坦度又は斜度を踏まえ様々な角度にて二次電子又は後方散乱電子を検出するよう構成されたものを、有するものとすることができる。注記すべきことに、実施形態に備わる諸部分の個数は、部分61~65に限らず様々な個数とすることができる。検出器6は、1個又は複数個の暗視野像14を分析ユニット15に供給するよう構成することができる。暗視野像14の例としては、像201及び202を初め図7A図7Cに示すそれがある。
【0065】
図6に、更に別の実施形態のシステム16であり、試料5・検出器66~68間に有孔膜が配置されているものを示す。注記すべきことに、実施形態に備わる検出器の個数は、検出器66~68に限らず様々な個数とすることができる。有孔膜は、例えば200nm厚及び/又はシリコン製とすればよい。とはいえ、プロセス上の必要性に応じ、これとは別の厚み又は素材を用いてもよい。有孔膜17は1個又は複数個の孔を有するものとすることができ、またその孔を円形その他の形状とすることができる。例えば、有孔膜17に備わる孔を、例えば2500nm~5000nmの範囲内の直径を有する円形孔としてもよい。試料5を、強い後方散乱データが生じる高Zターゲットとしてもよい。有孔膜17は、試料5の上方、距離hのところに配置すればよい。例えば、距離hを2~10μmの範囲内とすることができるが、プロセス上の必要性を踏まえ別の距離hを用いてもよい。後方散乱電子の諸部分47及び48は、一次ビーム4が試料5に衝突することでもたらされうる。
【0066】
翻って図5では、分析ユニット15にて、例えば画像処理技術を用い変換することにより(例.数個のサイドチャネルを比較することにより)暗視野像を分析し、その試料の傾斜を判別することができる。例えば、図7Aに示す暗視野像201からは、散乱電子発出面が平坦であることを、読み取ることができる。更に例えば、図7Bに示す暗視野像群202からは、散乱電子発出面が傾斜していることを、読み取ることができる。こうして、その面の傾斜、即ち試料の傾斜に対応付けうる傾斜を計測し、システム内へと補正用にフィードバックすることができる。
【0067】
一実施形態に係るシステム800を図8に示す。本システム800は光学ベースサブシステム801を有している。大略、光学ベースサブシステム801は、試料802に光を差し向け(或いはその上を光で走査し)その試料802からの光を検出することで、試料802に関し光学ベース出力を生成するよう、構成されている。一実施形態に係る試料802はウェハである。そのウェハには、本件技術分野で既知なあらゆるウェハが含まれうる。別の実施形態に係る試料はレティクルである。そのレティクルには、本件技術分野で既知なあらゆるレティクルが含まれうる。
【0068】
図8に示す実施形態のシステム800では、光学ベースサブシステム801が、試料802に光を差し向けるよう構成された照明サブシステムを有している。この照明サブシステムには少なくとも1個の光源を設ける。例えば図8に示す照明サブシステムは光源803を有している。一実施形態に係る照明サブシステムは一通り又は複数通りの入射角、例えば一通り又は複数通りの斜め角及び/又は一通り又は複数通りの直交角を含むそれにて試料802に光を差し向けるよう、構成されている。例えば図8に示す通り、光源803からの光が光学素子804、次いでレンズ805を介し、ある斜め入射角にて試料802に差し向けられている。この斜め入射角は、好適であればどのような斜め入射角でもよく、例えばその試料802の特性により変更してもよい。
【0069】
光源803即ちビーム源は、広帯域プラズマ光源、ランプ又はレーザを有するものとすることができる。ある種の実施形態によれば、そのビーム源により放射される光又は光子を、赤外光、可視光、紫外光又はX線の形態とすることもできる。
【0070】
光学ベースサブシステム801を、別々の時点では別々の入射角にて試料802に光を差し向けるよう、構成してもよい。例えば、光学ベースサブシステム801を、照明サブシステムに備わる1個又は複数個の素子の一通り又は複数通りの特性を変化させうるよう、ひいては図8に示すそれとは異なる入射角にて試料802に光を差し向けうるよう、構成してもよい。そうした例のうちあるものでは、光学ベースサブシステム801が、光源803、光学素子804及びレンズ805を動かしうるよう、ひいては別の斜め入射角又は直交(又は近直交)入射角にて試料802に光を差し向けうるよう、構成されよう。
【0071】
幾つかの例によれば、光学ベースサブシステム801を、同時に複数通りの入射角にて試料802に光を差し向けるよう構成することができる。例えば照明サブシステムに複数個の照明チャネルを設け、それら照明チャネルのうち1個には図8に示す如く光源803、光学素子804及びレンズ805を設け、別の照明チャネル(図示せず)には別様又は同様に構成された類種素子群、即ち本願詳述のそれの如く少なくとも1個の光源及び恐らくは1個又は複数個の他部材を設ければよい。その光と他方の光とを同時に試料に差し向ける場合、別々の入射角にて試料802に差し向けられる光に備わる一通り又は複数通りの特性(例.波長、偏波等々)に違いを付けることで、それら別々の入射角での試料802の照明によりもたらされる光を、その又はそれらの検出器にて互いに弁別することが可能となる。
【0072】
別のある例によれば、照明サブシステムに設ける光源を1個(例.図8に示した光源803)のみとすること、並びにその照明サブシステムに備わる1個又は複数個の光学素子(図示せず)により(例.波長、偏波等々に基づき)その光源からの光を別々の光路へと振り分けることができる。その後はそれら別々の光路上の光をそれぞれ試料802へと差し向ければよい。複数個の照明チャネルを、光を試料802に同時に差し向けるよう構成してもよいし、別々の時点で差し向けるよう構成してもよい(例.別々の照明チャネルを用い試料を順次照明する際)。別のある例によれば、別々の時点にて別々の特性で以て試料802に光を差し向けるよう、同一の照明チャネルを構成することができる。例えばある種の例によれば、光学素子804を分光フィルタとして構成し、その分光フィルタの特性を様々なやり方にて(例.その分光フィルタを交換することにより)変化させることで、別々の時点にて別々の波長の光が試料802に向かうようにすることができる。照明サブシステムは、別々又は同一の特性を有する光を別々又は同一の入射角にて順次又は同時に試料802に差し向けるのに適し本件技術分野で既知な、他の何れの構成を有するものともすることができる。
【0073】
ある実施形態によれば、光源803を、広帯域プラズマ(BBP)光源を有するものとすることができる。こうすることで、光源803により生成され試料802に差し向けられる光を、広帯域光を含むものとすることができる。とはいえ、光源には他のあらゆる好適な光源例えばレーザやランプが含まれうる。そのレーザには本件技術分野にて既知であり好適なあらゆるレーザが含まれうるし、本件技術分野にて既知であり好適な何れの波長又は波長群にて光を生成するようにもそのレーザを構成することができる。加えて、単色又は近単色の光を生成するようそのレーザを構成してもよい。こうすることでそのレーザを狭帯域レーザとすることができる。光源803を、複数通りのとびとびな波長又は波帯にて光を生成する多色光源を有するものとすることもできる。
【0074】
光学素子804からの光をレンズ805により試料802上に集束させてもよい。図8ではレンズ805が単一の屈折性光学素子として示されているが、ご理解頂けるように、実際には、レンズ805を、複数個の屈折性及び/又は反射性光学素子を備えそれらの協働でその光学素子から試料へと光が集束されるものとしてもよい。図8に示され本願にて記述されている照明サブシステムには、この他にもあらゆる好適な光学素子(図示せず)を設けることができる。そうした光学素子の例としては、これに限られるものではないが偏向部材(群)、分光フィルタ(群)、空間フィルタ(群)、反射性光学素子(群)、アポダイザ(群)、ビームスプリッタ(群)(例えばビームスプリッタ813)、アパーチャ(群)等があり、本件技術分野にて既知であり好適なあらゆる類種光学素子がこれに含まれうる。加えて、照明サブシステムに備わる素子のうち1個又は複数個を、光学ベース出力の生成に用いられる照明の種類に基づき改変しうるよう、光学ベースサブシステム801を構成してもよい。
【0075】
光学ベースサブシステム801に、試料802上を光で走査するよう構成された走査サブシステムを設けてもよい。例えば、光学ベース出力生成中に試料802が載置されるステージ806を、光学ベースサブシステム801に設けてもよい。走査サブシステムに何らかの好適な機械及び/又はロボットアセンブリ(ステージ806を有するもの)を設け、試料802を動かせるよう、ひいてはその試料802上を光で走査しうるよう、そのアセンブリを構成してもよい。これに加え又は代え、その光学ベースサブシステム801に備わる1個又は複数個の光学素子により試料802上にて幾ばくかの光走査を実行しうるよう、光学ベースサブシステム801を構成してもよい。光による試料802上の走査は、例えば蛇状路沿い或いは螺旋路沿い等、何らかの好適な様式で行えばよい。
【0076】
光学ベースサブシステム801は、更に、1個又は複数個の検出チャネルを有している。当該1個又は複数個の検出チャネルのうち少なくとも1個が検出器を有しており、そのサブシステムによる試料802の照明に起因しその試料802からもたらされる光を検出するよう、且つその検出光に応じ出力を生成するよう、その検出器が構成されている。例えば、図8に示す光学ベースサブシステム801は2個の検出チャネルを有しており、そのうち1個が集光器807、素子808及び検出器809により、もう1個が集光器810、素子811及び検出器812により形成されている。図8に示す通り、それら2個の検出チャネルは、別々の集光角にて光を集め検出するよう構成されている。ある種の例では、散乱光を検出するよう両検出チャネルが構成され、また試料802から別々の角度で散乱されてきた光を検出するようそれら検出チャネルが構成される。とはいえ、試料802から別種の光(例.反射光)を検出するよう検出チャネルのうち1個又は複数個を構成してもよい。
【0077】
同じく図8に示す通り、両検出チャネルは紙面内に位置する態で示されており、照明サブシステムも紙面内に位置する態で示されている。即ち、本実施形態では、どちらの検出チャネルも入射面内に配置(例.芯決め)されている。しかしながら、検出チャネルのうち1個又は複数個を入射面外に配置してもよい。例えば、集光器810、素子811及び検出器812により形成される検出チャネルを、入射面外に散乱された光を集め検出するよう構成してもよい。こうした検出チャネルは従って「サイド」チャネルと通称されうるものであり、そうしたサイドチャネルを入射面に対し略垂直な平面内に芯決めしてもよい。
【0078】
図8に示す実施形態の光学ベースサブシステム801は2個の検出チャネルを有しているが、光学ベースサブシステム801が別の個数の検出チャネル(例.単一の検出チャネル又は3個以上の検出チャネル)を有していてもよい。この種の例によれば、集光器810、素子811及び検出器812で形成される検出チャネルにより上述の如く1個のサイドチャネルを形成する一方で、その光学ベースサブシステム801に更なる検出チャネル(図示せず)を設け、それを入射面の逆側に位置する別のサイドチャネルとして形成することができる。即ち、集光器807、素子808及び検出器809を有する検出チャネルを光学ベースサブシステム801に設け、それを入射面内で芯決めすると共に、試料802の表面法線又はそれに近い(複数の)散乱角にて光を集め検出するようそれを構成することができる。この検出チャネルは従って「トップ」チャネルと通称されうるものであり、またその光学ベースサブシステム801に上述の如く構成された2個以上のサイドチャネルを設けることもできる。即ち、光学ベースサブシステム801を、少なくとも3個のチャネル(即ち1個のトップチャネル及び2個のサイドチャネル)を有するものとし、それら少なくとも3個のチャネルそれぞれに備わる集光器それぞれを、他の集光器の何れとも異なる散乱角の光を集めるよう構成してもよい。
【0079】
同じく上述の通り、光学ベースサブシステム801内の各検出チャネルを、散乱光を検出するよう構成することができる。従って、図8に示した光学ベースサブシステム801を、試料802に係る暗視野(DF)出力の生成用に構成することもできる。反面、光学ベースサブシステム801に、それに加え又は代え、試料802に係る明視野(BF)出力の生成用に構成された検出チャネル(群)を設けてもよい。言い換えれば、光学ベースサブシステム801に、試料802から鏡面反射されてきた光を検出するよう構成された少なくとも1個の検出チャネルを、設けてもよい。従って、本願記載の光学ベースサブシステム801は、DF専用にも、BF専用にも、或いはDF及びBF撮像両用にも構成することができる。図8では各集光器を単一の屈折性光学素子として示したが、ご理解頂けるように、各集光器が、1個又は複数個の屈折性光学ダイ及び/又は1個又は複数個の反射性光学素子を有していてもよい。
【0080】
前記1個又は複数個の検出チャネルに備わる検出器を、本件技術分野にて既知であり好適な何れの検出器としてもよい。例えば、それら検出器には、光電子増倍管(PMT)、電荷結合デバイス(CCD)、時間遅延積分(TDI)カメラその他、本件技術分野にて既知であり好適なあらゆる検出器が含まれうる。それら検出器には非撮像型検出器も撮像型検出器も含まれうる。この要領にて検出器を非撮像型検出器にする際には、ある種の散乱光特性例えば強度を検出するよう各検出器を構成しうるけれども、その特性を撮像面内位置の関数として検出するようには構成しえない。即ち、その光学ベースサブシステムの各検出チャネル内に組み込まれている検出器それぞれにより生成される出力が、信号やデータではあれ、画像信号や画像データとはなりえない。この種の例では、プロセッサ例えばプロセッサ814を、それら検出器の非撮像出力から試料802の画像を生成するよう構成すればよい。他方、別の例にあっては、検出器が撮像型検出器、即ち撮像信号又は画像データを生成する構成の検出器とされることもある。このように、光学ベースサブシステムは、光学画像その他、本願記載の光学ベース出力を生成するよう、様々なやり方で構成することができる。
【0081】
なお、本願に図8を設けたのは、本願記載の諸システム実施形態に組み込むことができ或いは本願記載の諸システム実施形態にて用いられる光学ベース出力を生成することができる、光学ベースサブシステム801の構成を、大まかに描出するためである。商用の出力獲得システムを設計する際に通常行われている通り、本願記載の構成を有する光学ベースサブシステム801を、その光学ベースサブシステム801の性能が最適化されるよう改変してもよい。加えて、本願記載の諸システムを、既存システムを用い(例.既存システムに本願記載の機能を付加することで)実施してもよい。そうした類のシステムにて、本願記載の諸方法を、(例.そのシステムの他の機能に加え)そのシステムのオプション的機能として提供してもよい。これに代え、本願記載のシステムを、完全に新規なシステムとして設計してもよい。
【0082】
一例に係るプロセッサ814は本システム800と通信する。
【0083】
図9は一実施形態に係るシステム900のブロック図である。本システム900はツール、例えばウェハ検査ツール(電子カラム901を有するもの)を有しており、試料904例えばウェハ又はレティクルの画像を生成するようそれが構成されている。
【0084】
そのツールは出力獲得サブシステムを有しており、またそれが少なくともエネルギ源及び検出器を有している。この出力獲得サブシステムを電子ビームベース出力獲得サブシステムとしてもよい。例えばある実施形態では、試料904に向かうエネルギが電子、その試料904から検出されるエネルギが電子の態とされる。この構成ではエネルギ源を電子ビーム源とすればよい。図9に示したのはその種の実施形態の一つであり、出力獲得サブシステムが電子カラム901を有し、それがコンピュータサブシステム902に結合されている。ステージ910により試料904を保持することができる。
【0085】
同じく図9に示す通り、電子カラム901は、電子を生成するよう構成された電子ビーム源903を有しており、それら電子が1個又は複数個の素子905により試料904へと集束されている。電子ビーム源903の例としてはカソード型電子源やエミッタチップがあろう。当該1個又は複数個の素子905の例としてはガンレンズ、アノード、ビーム制限アパーチャ、ゲートバルブ、ビーム流選択アパーチャ、対物レンズ及び走査サブシステムがあり、それらは全て、本件技術分野で既知であり好適な何れの素子を有するものともすることができる。
【0086】
試料904から返される電子(例.二次電子)を、1個又は複数個の素子906により検出器907へと集束させてもよい。1個又は複数個の素子906の例としては走査サブシステムがあり、それを素子905に含まれる走査サブシステムと同じものとしてもよい。
【0087】
電子カラム901には、この他にも本件技術分野にて既知であり好適なあらゆる素子を設けることができる。
【0088】
電子カラム901は、図9では、電子がある斜め入射角にて試料904に向かい別の斜め角にてその試料904から散乱されるよう構成された態で示されているが、電子ビームを試料904に差し向けそこから散乱させる角度は、好適な何れの角度でもよい。加えて、複数通りのモードを用い(例.別々の照明角、収集角等々で以て)試料904の画像を生成するよう、電子ビーム式出力獲得サブシステムを構成してもよい。電子ビーム式出力獲得サブシステムにおける複数通りのモードは、その出力獲得サブシステムの何れかの画像生成パラメータが異なるものとなろう。
【0089】
コンピュータサブシステム902は上述の如く検出器907に結合させればよい。その検出器907にて、試料904の表面から返ってくる電子を検出することで、その試料904の電子ビーム像を生成してもよい。電子ビーム像にはあらゆる好適な電子ビーム画像が包含される。コンピュータサブシステム902を、その検出器907の出力及び/又は電子ビーム像を用い本願記載の機能のうち何れを実行するよう構成してもよい。コンピュータサブシステム902を、本願記載の何れの付加的ステップ(群)を実行するよう構成してもよい。図9に示した出力獲得サブシステムを有するシステム900を、本願記載の如く更に構成してもよい。
【0090】
なお、本願に図9を設けたのは、本願記載の諸実施形態にて用いうる電子ビームベース出力獲得サブシステムの構成を大まかに描出するためである。商用の出力獲得システムを設計する際に通常行われている通り、本願記載の構成を有する電子ビームベース出力獲得サブシステムを改変することで、その出力獲得サブシステムの性能を最適化してもよい。加えて、本願記載の諸システムを、既存システムを用い(例.既存システムに本願記載の機能を付加することで)実施してもよい。そうした類のシステムにて、本願記載の諸方法を、(例.そのシステムの他の機能に加え)そのシステムのオプション的機能として提供してもよい。これに代え、本願記載のシステムを完全に新規なシステムとして設計してもよい。
【0091】
出力獲得サブシステムを、電子ビームベース出力獲得サブシステムであるものとして上述したが、出力獲得サブシステムをイオンビームベース出力獲得サブシステムとしてもよい。そうした出力獲得サブシステムを、電子ビーム源が本件技術分野にて既知であり好適な何らかのイオンビーム源で以て置換される点を除き、図9に示した如く構成してもよい。加えて、その出力獲得サブシステムを他の何らかの好適なイオンビームベース出力獲得サブシステム、例えば商業的に入手可能な集束イオンビーム(FIB)システム、ヘリウムイオン顕微(HIM)システム及び二次イオン質量分析(SIMS)システムに組み込まれているそれとしてもよい。
【0092】
コンピュータサブシステム902はプロセッサ908及び電子データ格納ユニット909を有している。プロセッサ908にはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラその他のデバイスが含まれうる。
【0093】
プロセッサ814若しくは908又はコンピュータサブシステム902をシステム800又は900それぞれの諸部材に何らかの好適な要領にて(例.1個又は複数個の伝送媒体、例えば有線及び/又は無線伝送媒体を含むそれを介し)結合させ、そのプロセッサ814又は908それぞれにて出力を受け取れるようにしてもよい。プロセッサ814又は908を、その出力を用い多数の機能を実行するよう構成してもよい。システム800又は900では、そのプロセッサ814又は908から命令その他の情報をそれぞれ受け取ることができる。プロセッサ814若しくは908及び/又は電子データ格納ユニット815若しくは909を、それぞれ、オプション的に、ウェハ検査ツール、ウェハ計量ツール又はウェハレビューツール(図示せず)と電子通信して付加的な情報を受け取れるもの又は命令を送れるものとしてもよい。例えば、プロセッサ814若しくは908及び/又は電子データ格納ユニット815若しくは909にて、それぞれ走査型電子顕微鏡(SEM)と電子通信することができる。
【0094】
プロセッサ814又は908はウェハ検査ツール、例えば検出器809若しくは812又は検出器907とそれぞれ電子通信する。プロセッサ814又は908を、それぞれ、検出器809若しくは812又は検出器907からもたらされる計測結果を用い生成された画像を処理するよう、構成してもよい。例えば、プロセッサにて方法100の諸実施形態、或いは方式1又はシステム12及び16の諸部分を実行してもよい。
【0095】
プロセッサ814若しくは908又はコンピュータサブシステム902、その他のシステム(群)或いはその他のサブシステム(群)であり本願記載のものを、パーソナルコンピュータシステム、イメージコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器その他のデバイスを初め、様々なシステムの一部分としてもよい。その又はそれらのサブシステム又はシステム内に、本件技術分野にて既知であり好適な何れのプロセッサ例えば並列プロセッサが設けられていてもよい。加えて、その又はそれらのサブシステム又はシステムが、スタンドアロンであれネットワーク接続ツールであれ、高速処理プラットフォーム及びソフトウェアを有していてもよい。
【0096】
プロセッサ814又は908及び電子データ格納ユニット815又は909を、それぞれ、その内部に配置する等、それぞれシステム800又は900或いはその他のデバイスの一部分としてもよい。例えば、プロセッサ814又は908及び電子データ格納ユニット815又は909を、それぞれ、スタンドアロン制御ユニットの一部とし又は集中品質制御ユニット内に設けてもよい。プロセッサ814若しくは908又は電子データ格納ユニット815若しくは909をそれぞれ複数個用いてもよい。
【0097】
プロセッサ814又は908を、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せで実施してもよい。また、それらの機能であり本願記載のものを、単一ユニットで実行しても複数個の異なる部材間で分かち合ってもよく、それらをそれぞれ、ハードウェア、ソフトウェア及びファームウェアのどのような組合せで実施してもよい。プロセッサ814又は908に様々な方法及び機能を実行・実施させるためのプログラムコード又は命令を可読格納媒体内、例えばそれぞれ電子データ格納ユニット815又は909内にあるメモリやその他のメモリ内に格納してもよい。
【0098】
システム800又は900にプロセッサ814若しくは908又はコンピュータサブシステム902を複数個設ける場合、それらサブシステム間で画像、データ、情報、命令等々を送れるよう、相異なるサブシステム同士を結合させてもよい。例えば、あるサブシステムを別のサブシステム(群)に何れの好適な伝送媒体により結合させてもよく、それには本件技術分野で既知であり好適なあらゆる有線及び/又は無線伝送媒体が含まれうる。そうしたサブシステムのうち2個以上を、共有型コンピュータ可読格納媒体(図示せず)により実質結合させてもよい。
【0099】
プロセッサ814又は908を、それぞれシステム800又は900の出力その他の出力を用い多数の機能を実行するよう構成してもよい。例えば、それぞれ電子データ格納ユニット815若しくは909又はその他の格納媒体にその出力を送るよう、プロセッサ814又は908を構成してもよい。プロセッサ814又は908を、本願記載の如く更に構成してもよい。
【0100】
プロセッサ814若しくは908又はコンピュータサブシステム902を、欠陥レビューシステム、検査システム、計量システム、或いは他の何らかの種類のシステムの一部分としてもよい。即ち、本願開示の諸実施形態にて記載されている幾つかの構成は、相異なる用途に大なり小なり適した相異なる能力を有するシステム向けに、多様な要領で仕立てることができる。
【0101】
本システムにサブシステムを複数個設ける場合、それらサブシステム間で画像、データ、情報、命令等々を送れるよう、相異なるサブシステム同士を結合させてもよい。例えば、あるサブシステムを別のサブシステム(群)に何れの好適な伝送媒体により結合させてもよく、それには本件技術分野で既知であり好適なあらゆる有線及び/又は無線伝送媒体が含まれうる。そうしたサブシステムのうち2個以上を、共有型コンピュータ可読格納媒体(図示せず)により実質結合させてもよい。
【0102】
プロセッサ814又は908を、本願記載の諸実施形態のうち何れに従い構成してもよい。また、プロセッサ814又は908を、システム800又は900の出力をそれぞれ用い或いは他の源泉からの画像又はデータを用い他の諸機能又は付加的ステップ群を実行するよう、構成してもよい。
【0103】
プロセッサ814又は908を、それぞれシステム800又は900に備わる様々な部材又はサブシステムの何れに、本件技術分野で既知な何れの要領で可通信結合させてもよい。更に、伝送媒体例えば有線及び/又は無線区間を有するそれにより他の諸システムからのデータ又は情報(例.検査システム例えばレビューツールからの検査結果、リモートデータベース内のデザインデータ等)を受け取り及び/又は獲得するよう、プロセッサ814又は908を構成してもよい。こうすることで、プロセッサ814又は908と、システム800又は900それぞれの他のサブシステム群或いはシステム800又は900それぞれの外にあるシステム群との間のデータリンクとして、その伝送媒体を働かせてもよい。
【0104】
実施形態に係るプロセッサ814又はプロセッサ908を、方法100の実施形態、或いは方式1又はシステム12及び16の諸部分に係る諸ステップを実行するよう、構成してもよい。
【0105】
実施形態に係るプロセッサ814又はプロセッサ908を、更に、区画並進を伴う細整列を実行するよう構成してもよい;区画並進とは、参照画像を1個又は複数個の参照画像サブセクションに区画し、供試画像を1個又は複数個の供試画像サブセクションに区画し、各供試画像サブセクションを1個の参照画像サブセクションに対応付け、各供試画像サブセクションを並進させてそれに対応する参照画像サブセクションに対し整列させることである。
【0106】
本願開示のシステム800又はシステム900及び諸方法の様々なステップ、機能及び/又は及び動作は、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログ若しくはディジタルコントローラ/スイッチ、マイクロコントローラ又は情報処理システムのうち1個又は複数個により実行される。諸方法例えば本願記載のそれを実施するプログラム命令群を、キャリア媒体上で伝送させ又はそれに格納してもよい。キャリア媒体には、リードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気若しくは光ディスク、不揮発性メモリ、固体メモリ、磁気テープ等の格納媒体が含まれうる。キャリア媒体には、ワイヤ、ケーブル又は無線伝送リンク等の伝送媒体が含まれうる。例えば、本件開示の随所に記載の諸ステップを、単一のプロセッサ814若しくは単一のプロセッサ908(又はコンピュータサブシステム902)により実行してもよいし、それに代え複数個のプロセッサ814若しくは複数個のプロセッサ908(又は複数個のコンピュータサブシステム902)により実行してもよい。更に、システム800又はシステム900の様々なサブシステムに1個又は複数個の情報処理又は論理システムを組み込んでもよい。従って、上掲の記述は、本件開示に対する限定事項としてではなく、単なる例証として解されるべきである。
【0107】
付加的実施形態の一つはコントローラ上で実行可能なプログラム命令を格納している非一時的コンピュータ可読媒体、特に本願開示の如く試料802又は904の表面上の照明領域の高さを判別するコンピュータ実施方法を実行するためのものに関する。具体的には、図8又は図9に示す通り、電子データ格納ユニット815若しくは909又はその他の格納媒体のなかに、それぞれプロセッサ814又は908上で実行可能なプログラム命令が入っている非一時的コンピュータ可読媒体を組み込めばよい。そのコンピュータ実施方法を、方法100の諸実施形態、或いは方式1又はシステム12及び16の諸部分を初め、本願記載の何れかの方法(群)の何れかのステップ(群)を含むものとすればよい。
【0108】
諸方法例えば本願記載のそれらを実施するプログラム命令をコンピュータ可読媒体上、例えば電子データ格納ユニット815、電子データ格納ユニット909その他の格納媒体内に格納してもよい。そのコンピュータ可読媒体を格納媒体、例えば磁気又は光ディスク、磁気テープ、或いは本件技術分野で既知であり好適な他の何らかの非一時的コンピュータ可読媒体としてもよい。
【0109】
それらプログラム命令を、就中、手続きベース技術、要素ベース技術及び/又はオブジェクト指向技術を初め、様々なやり方の何れで実現してもよい。例えば、それらプログラム命令を、ActiveX(登録商標)コントロール、C++オブジェクト、JavaBeans(登録商標)、Microsoft(登録商標)FoundationClasses(MFC)、ストリーミングSIMDエクステンション(SSE)その他のテクノロジ又は方法論を随意使用し実施してもよい。
【0110】
プロセッサにより実行される要素(群)に深層学習モジュール(例.畳込みニューラルネットワーク(CNN)モジュール)を含めることができる。その深層学習モジュールを、本願詳述の構成のうち一つを有するものとすることができる。ニューラルネットワークテクノロジに根ざす深層学習は多くのニューロン層を伴う確率グラフモデルであり、深層アーキテクチャとして広く知られている。深層学習テクノロジでは情報、例えば画像、テキスト、音声等が階層的な要領で処理される。本件開示にて深層学習を用いるに当たっては、データからの学習を利用し特徴(フィーチャ)抽出が自動達成される。例えば、回動及び並進オフセットを求める際に参照される特徴を、抽出された1個又は複数個の特徴に基づきその深層学習モジュールを用い抽出することができる。
【0111】
概述するなら、深層学習(深層構造化学習、階層学習又は深層機械学習としても知られるそれ)は機械学習の一分岐であり、データにおける高度抽象化をモデル化するよう試みる一組のアルゴリズムに依拠している。単純なケースでは二組のニューロン、即ち信号入力を受け取るものと出力信号を送るものとが設けられよう。入力層にて入力が受け取られると、そこから次層へとその入力の修正版が引き渡される。深層ネットワークではそれら入出力間に多くの層があるので、そのアルゴリズムに従い、複数通りの線形変換及び非線形変換で構成されている複数個の処理層を用いることができる。
【0112】
深層学習は、データ表現学習に依拠する機械学習法の拡大ファミリの一員である。観測結果(例.参照用抽出対象特徴)は多様なやり方で、例えば画素毎強度値のベクトルで、或いはより抽象的なやり方で一組のエッジ、特定形状領域等々として、表現することができる。表現のなかには、その学習タスク(例.顔認識又は表情認識)を単純化する上で他のものに勝るものがある。深層学習によれば、教師無し又は準教師付き特徴学習及び階層的特徴抽出向けの効率的アルゴリズムを提供することができる。
【0113】
この分野の研究では、より良好な表現を作成すること、並びにそれら表現を大規模データから学習するモデルを生成することが、試みられている。それら表現のうち幾つかは神経科学の進歩に鼓吹されたものであり、神経系における情報処理及び通信パターンの解釈、例えば様々な刺激とそれに関連する大脳内ニューロン反応との間の関係を定めようと試みる神経コーディングに、緩く依拠している。
【0114】
深層アーキテクチャを有するニューラルネットワークにはその確率仕様及びネットワークアーキテクチャによって数多くの変種があり、そのなかには、これに限られるものではないが深層信念ネットワーク(DBN)、制限ボルツマンマシン(RBM)及びオートエンコーダがある。別種の深層ニューラルネットワーク、即ちCNNも特徴分析に用いることができる。実際の実現形態は、入力画像のサイズ、分析対象特徴の個数並びに問題の性質により変わりうる。深層学習モジュールに、本願開示のニューラルネットワークのほか、他層を含めてもよい。
【0115】
一実施形態に係る深層学習モデルは機械学習モデルである。機械学習は、一般に、明示的にプログラミングすることなくコンピュータに学習能力を与える一種の人工知能(AI)として、定義することができる。機械学習では、新規データにさらされたときに自分自身を教育して成長及び変化させることが可能なコンピュータプログラムの開発が焦点とされている。機械学習では、データから学びデータについて予測することができるアルゴリズムの研究及び構築が探求されている。そうしたアルゴリズムであれば、標本入力からのモデル構築を通じデータ駆動型予測や決定がなされ、それにより厳密に静的なプログラム命令への追従が克服される。
【0116】
ある種の実施形態ではその深層学習モデルが生成モデルとされる。生成モデルは、一般に、確率的な性質のモデルとして定義することができる。言い換えれば、生成モデルは、フォワードシミュレーション又はルールベース法を実行するものである。生成モデルの学習(ひいては諸パラメータの学習)は適切な訓練セットのデータに基づき行うことができる。一実施形態に係る深層学習モデルは深層生成モデルとして構成される。例えば、そのモデルを、深層学習アーキテクチャを呈するように構成すること、ひいてはそのモデルに複数個の層を設けそれらにより多数のアルゴリズム又は変換が実行されるようにすることができる。
【0117】
別の実施形態ではその深層学習モデルがニューラルネットワークとして構成される。更なる実施形態によれば、その深層学習モデルを、自身を訓練するため供給されたデータに従い世界をモデル化する、一組の荷重付きの深層ニューラルネットワークとすることができる。ニューラルネットワークは、一般に、軸索により結合された生体ニューロンからなる相対的に大きなクラスタで以て生体脳が問題を解決するやり方を、比較的大きなニューラルユニット集団により緩くモデル化することを基礎とした情報処理手法として、定義することができる。各ニューラルユニットを他の多くのニューラルユニットに接続し、接続先ニューラルユニット群の活性化状態に対するそれらの影響をリンクにより増強又は抑制することができる。これらのシステムは、明示的にプログラミングされているというより自己学習し且つ訓練を受けるものであり、旧来のコンピュータプログラムでは解決又は特徴検出策を提示するのが難しかった分野に秀でている。
【0118】
ニューラルネットワークは、通常は複数個の層で構成されており、その信号路が前方から後方へと走っている。ニューラルネットワークの目標は人間の頭脳が行うであろうそれと同じやり方で問題を解決することであるが、ニューラルネットワークのなかにはかなり抽象的なものもある。昨今のニューラルネットワークプロジェクトでは、通常、数千~数百万個のニューラルユニット及び数百万個所の接続を取り扱う。ニューラルネットワークは、本件技術分野にて既知であり好適な何れのアーキテクチャ及び/又は構成としてもよい。
【0119】
一実施形態に係り本願開示の半導体検査アプリケーション向けに用いられる深層学習モデルは、AlexNetとして構成されたものである。例えば、AlexNetに多数の畳込み層(例.5個)及びそれに後続する多数の全結合層(例.3個)を設け、それらを結合的に構成及び訓練したものにより、特徴を分析して回動及び並進オフセットを求めることができる。別の類種実施形態に係り本願開示の半導体検査アプリケーション向けに用いられる深層学習モデルは、GoogLeNetとして構成されたものである。例えば、GoogLeNetに畳込み層、プーリング層、全結合層等の諸層、例えば特徴を分析して回動及び並進オフセットを求めるよう構成及び訓練された本願詳述のそれらを組み込むことができる。GoogLeNetアーキテクチャは(特に本願記載の他の幾つかのニューラルネットワークに比し)比較的多数の層を備えうる一方、それらの層のうち幾つかを並列に動作させうるものであり、互いに並列に機能する層の集まりのことを一般にインセプションモジュールとよんでいる。他の諸層は順次動作させればよい。従って、GoogLeNetは、順次構造の態にて全層が配列されるわけではない点で、本願記載の他のニューラルネットワークと異なっている。それら並列層は、Google(登録商標)のインセプションネットワークその他の構造と似たものとなりうる。
【0120】
更なる類種実施形態では、本願開示の半導体検査アプリケーション向けに用いられる深層学習モデルが、ビジュアル幾何グループ(VGG)ネットワークとして構成される。VGGネットワークは、例えば、そのアーキテクチャの他パラメータを固定しておき畳込み層の個数を増やすことで生み出されたものである。十分に小さな畳込みフィルタをそれらの層全てで用いることで、畳込み層を追加して深さを増すことを可能としたものである。本願記載の他のニューラルネットワークと同じく、VGGネットワークは、特徴を分析し回動及び並進オフセットを求めるよう生成及び訓練される。VGGネットワークでは、また、畳込み層に全結合層を後続させる。
【0121】
幾つかの類種実施形態では、本願開示の半導体検査アプリケーション向けに用いられる深層学習モデルが、深層残差ネットワークとして構成される。例えば、本願記載の他の幾つかのネットワークと同じく、深層残差ネットワークには畳込み層及びそれに後続する全結合層を組み込むことができ、特徴特性抽出向けにそれらを結合的に構成及び訓練することができる。深層残差ネットワークの諸層は、非参照関数を学習するのに代え、層入力を参照して残差関数を学習するよう構成される。具体的には、それぞれ数個の層からなるスタックに対し、所望の基礎マッピングに直にフィットするよう期待をかけるのではなく、それらの層を残差マッピングに対し明示的にフィットさせうるようにし、またそれを、ショートカット接続を有するフィードフォワード型ニューラルネットワークにより実現する。ショートカット接続とは1個又は複数個の層をスキップする接続のことである。深層残差ネットを生成するには、畳込み層を有するプレーンなニューラルネットワーク構造を採用しショートカット接続を挿入すればよく、それによって、プレーンなニューラルネットワークを採用してそれを対応する残差学習ネットワークに転化させることができる。
【0122】
更なる類種実施形態では、本願開示の半導体検査アプリケーション向けに用いられる深層学習モデルが、特徴を分析して回動及び並進オフセットを求めるよう構成された、1個又は複数個の全結合層を有するものとされる。全結合層は、一般に、各ノードが前層内の各ノードに接続された層として定義することができる。その又はそれらの全結合層では畳込み層(群)、例えば本願詳述の如く構成されたものにより抽出された特徴に基づき、分類を実行することができる。その又はそれらの全結合層は特徴選択及び分類向けに構成される。言い換えれば、その又はそれらの全結合層により特徴マップから諸特徴が選択され、更にそれら選択された特徴に基づきその又はそれらの入力画像が分析される。選択される特徴のなかに、特徴マップ内の特徴全てを含めてもよいし(適切な場合)、特徴マップ内の特徴のうち一部しか含めなくてもよい。
【0123】
幾つかの実施形態では、深層学習モデルにより判別される情報に、その深層学習モデルにより抽出された特徴特性を含める。そうした実施形態の一つは、その深層学習モデルが1個又は複数個の畳込み層を有するものである。その又はそれらの畳込み層は、本件技術分野にて既知であり好適な何れの構成でもよい。こうすることで、その深層学習モデル(又はその深層学習モデルの少なくとも一部)をCNNとして構成することができる。例えば、その深層学習モデルをCNN、通常は畳込み層及びプーリング層のスタックであるそれとして構成することで、局所的な特徴を抽出可能とすることができる。本願記載の諸実施形態によれば、深層学習概念例えばCNNの長所を利用し、通常は手に負えない表現反転問題を解くことができる。その深層学習モデルのCNN構成又はアーキテクチャが、本件技術分野で既知な何れのものであってもよい。1個又は複数個備わるプーリング層は、やはり本件技術分野にて既知であり好適な何れの構成(例.最多プーリング層)を有するのでもよく、一般には、最重要特徴を保ちつつ、1個又は複数個の畳込み層により生成される特徴マップの次元数を低減するよう構成される。
【0124】
総じて、本願記載の深層学習モデルは訓練深層学習モデルである。例えば、1個又は複数個の他システム及び/又は方法により深層学習モデルを事前訓練することができる。深層学習モデルを前以て生成及び訓練した上でそのモデルの機能を本願記載の如く決定し、そしてそれを用いその深層学習モデルに係る1個又は複数個の付加的機能を実行することができる。
【0125】
上述の通り、本願ではCNNを用い深層学習システムのアーキテクチャを描出しているが、本件開示はCNNに限定されない。諸実施形態にて、他変種の深層学習アーキテクチャを用いてもよい。例えばオートエンコーダ、DBN及びRBMを用いることができる。ランダムフォレストを用いることもできる。
【0126】
訓練データをモデル訓練(例.CNN訓練)に入力してもよく、またそれを好適な何れの要領にて実行してもよい。例えば、そのモデル訓練に際し、訓練データをその深層学習モデル(例.CNN)に入力し、そのモデルの出力が外部確認データと同じもの(又は実質的に同じもの)になるまでそのモデルの1個又は複数個のパラメータを修正していけばよい。モデル訓練により1個又は複数個の訓練済モデルを生成することができ、またそれを、確認データを用い実行されるモデル選択に送ることができる。当該1個又は複数個の訓練済モデルに入力される確認データに関し、1個又は複数個の訓練済モデルそれぞれによりもたらされた結果を、その確認データと比較することで、そのモデルが最良モデルであるか、判別することができる。例えば、その確認データに最密マッチする結果をもたらしたモデルを、最良モデルとして選択すればよい。その上で、供試データを用い、選択されたモデル(例.最良モデル)のモデル評価を行えばよい。モデル評価は好適な何れの要領で実行してもよい。また、最良モデルをモデル展開に送り、そこからその最良モデルを使用に備え半導体検査ツールに送ってもよい(ポスト訓練モード)。
【0127】
本願開示の様々な実施形態及び例にて述べた方法の諸ステップは、本発明の方法を実行するのに十分なものである。即ち、ある実施形態に係る方法は、本質的に、本願開示の諸方法の諸ステップの組合せにより構成される。他実施形態に係る方法はそれらステップのみで構成される。
【0128】
1個又は複数個の具体的実施形態を基準にして本件開示につき記述してきたが、ご理解頂けるように、本件開示の技術的範囲から離隔することなく本件開示の他の諸実施形態をなすこともできる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9