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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】取り付け補助具
(51)【国際特許分類】
   B25B 27/14 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
B25B27/14 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019233685
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021102239
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】新井 恵子
【審査官】山村 和人
(56)【参考文献】
【文献】特開昭49-018630(JP,A)
【文献】実公昭44-003477(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 27/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高さ方向に沿う所定の長さの開口部を側面に有する柱状のフレーム部材に対して、該フレーム部材の外部に位置付けられる基部と該開口部に挿入される被挿入部とを有する柔軟なカバーを取り付ける際に使用される取り付け補助具であって、
第1面及び該第1面とは反対側に位置する第2面を有する本体部と、
該本体部の該第1面側から外向きに突出し該開口部に挿入されるガイド部と、
該ガイド部から離れた位置で該第1面と交差する方向に該本体部を貫通し該カバーが挿入される挿入口と、
該挿入口に対して該ガイド部とは反対側且つ該第1面に対して該第2面側に配置され該挿入口を通じて該第1面側に導かれる該カバーの該基部に接触する加圧部と、を含み、
該加圧部によって該カバーが該フレーム部材に押し当てられて該被挿入部が該開口部に挿入されるように該第1面の一部又は全部を該側面に接触させ、該ガイド部が該加圧部よりも前方に配置された状態で、該本体部が該開口部に沿って該前方に移動できるように構成されていることを特徴とする取り付け補助具。
【請求項2】
該加圧部は、円柱状のローラーであることを特徴とする請求項1に記載の取り付け補助具。
【請求項3】
該挿入口は、該基部が該加圧部側に位置付けられ該被挿入部が該ガイド部側に位置付けられた状態の該カバーに対応する形状に構成されていることを特徴する請求項1又は請求項2に記載の取り付け補助具。
【請求項4】
該第1面の該加圧部よりも後方側の領域には、該カバーを通すことのできる凹部が形成されている請求項1から請求項3のいずれかに記載の取り付け補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側面に開口部を有する柱状のフレーム部材に対して柔軟なカバーを取り付ける際に使用される取り付け補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ等の被加工物を加工する際に使用される加工装置の骨組みは、例えば、アルミニウム等の材料でなる柱状のフレーム部材を連結することにより形成される。各フレーム部材は、側面に開口する溝を有しており、複数のフレーム部材を連結する際には、この溝に継手部材が挿入される。各フレーム部材に対して継手部材をねじ等で固定することにより、複数のフレーム部材が連結される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-329305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した溝の開口部がフレーム部材の側面に露出した状態では、塵や埃等の異物が溝の内部に侵入する可能性が高い。また、溝の開口部の縁は、その他の部分に比べて尖っていることもある。そこで、複数のフレーム部材の連結が完了した後には、この開口部を覆うことのできるカバーをフレーム部材に取り付けている。
【0005】
フレーム部材に取り付けられるカバーは、例えば、軟質ポリ塩化ビニル等の柔軟な材料により形成されており、外部から力を加えられると変形する。このカバーをフレーム部材に取り付ける際には、カバーの一部を開口部に押し込むような力をカバーに加える。すると、カバーは変形し、その一部が開口部に挿入される。その後、カバーは、一部が開口部に挿入された状態で元の形状に戻り、フレーム部材に固定される。
【0006】
しかしながら、上述のように、カバーの一部を開口部に押し込むような力を加えてカバーをフレーム部材に取り付ける場合には、カバーに対して力を加える作業を開口部(カバー)の全体に亘って作業者が繰り返さなくてはならず、作業の効率が良いとは言えない。そのため、フレーム部材に対してカバーを取り付ける際の作業の効率を向上させることが求められていた。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、側面に開口部を有する柱状のフレームに対して柔軟なカバーを取り付ける際の作業の効率を向上させることができる取り付け補助具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、高さ方向に沿う所定の長さの開口部を側面に有する柱状のフレーム部材に対して、該フレーム部材の外部に位置付けられる基部と該開口部に挿入される被挿入部とを有する柔軟なカバーを取り付ける際に使用される取り付け補助具であって、第1面及び該第1面とは反対側に位置する第2面を有する本体部と、該本体部の該第1面側から外向きに突出し該開口部に挿入されるガイド部と、該ガイド部から離れた位置で該第1面と交差する方向に該本体部を貫通し該カバーが挿入される挿入口と、該挿入口に対して該ガイド部とは反対側且つ該第1面に対して該第2面側に配置され該挿入口を通じて該第1面側に導かれる該カバーの該基部に接触する加圧部と、を含み、該加圧部によって該カバーが該フレーム部材に押し当てられて該被挿入部が該開口部に挿入されるように該第1面の一部又は全部を該側面に接触させ、該ガイド部が該加圧部よりも前方に配置された状態で、該本体部が該開口部に沿って該前方に移動できるように構成されている取り付け補助具が提供される。
【0009】
本発明の一態様において、該加圧部は、円柱状のローラーであることが好ましい。
【0010】
また、本発明の一態様において、該挿入口は、該基部が該加圧部側に位置付けられ該被挿入部が該ガイド部側に位置付けられた状態の該カバーに対応する形状に構成されていることが好ましい。また、本発明の一態様において、該第1面の該加圧部よりも後方側の領域には、該カバーを通すことのできる凹部が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様にかかる取り付け補助具は、第1面を有する本体部と、本体部の第1面側から外向きに突出するガイド部と、ガイド部から離れた位置で第1面と交差する方向に本体部を貫通する挿入口と、挿入口に対してガイド部とは反対側に配置され挿入口を通じて第1面側に導かれるカバーに接触する加圧部と、を含んでいる。
【0012】
そのため、第1面の一部又は全部をフレーム部材の側面に接触させ、ガイド部が加圧部よりも前方に配置された状態で、本体部をフレーム部材の開口部に沿って前方に移動させるだけで、フレーム部材に対してカバーを取り付けることができる。よって、本発明の一態様にかかる取り付け補助具によれば、側面に開口部を有する柱状のフレーム部材に対して柔軟なカバーを取り付ける際の作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、取り付け補助具の正面図である。
図2図2は、取り付け補助具の側面図である。
図3図3は、取り付け補助具の平面図である。
図4図4は、取り付け補助具の底面図である。
図5図5は、フレーム部材の斜視図である。
図6図6は、カバーの斜視図である。
図7図7は、フレーム部材とカバーとの関係を示す断面図である。
図8図8は、取り付け補助具を用いてカバーがフレーム部材に取り付けられる様子を示す側面図である。
図9図9は、取り付け補助具を用いてカバーがフレーム部材に取り付けられる様子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明で使用される名称や方向等は便宜的に付与されているものに過ぎず、これらの名称や方向等によって、本実施形態にかかる取り付け補助具等の使用の態様が制限されるものではない。
【0015】
図1は、本実施形態にかかる取り付け補助具2の正面図であり、図2は、取り付け補助具2の側面図であり、図3は、取り付け補助具2の平面図であり、図4は、取り付け補助具2の底面図である。また、図5は、柱状のフレーム部材4の斜視図であり、図6は、このフレーム部材4に取り付けられるカバー6の斜視図である。
【0016】
本実施形態にかかる取り付け補助具2は、図5に示す柱状のフレーム部材4に対して、図6に示す柔軟なカバー6を取り付ける際に使用され、例えば、直方体状の本体部8を備えている。本体部8は、概ね平坦に形成された下面(第1面)8aと、下面8aとは反対側に位置する上面(第2面)8bと、を有している。
【0017】
下面8aと上面8bとは、正面(第3面)8c、背面(第4面)8d、側面(第5面)8e、及び側面(第6面)8fを介して互いに接続されている。なお、背面8dから正面8cへと向かう方向を便宜的に前方と呼び、正面8cから背面8dへと向かう方向を便宜的に後方と呼ぶ。また、下面8aから上面8bへと向かう方向を便宜的に上方と呼び、上面8bから下面8aへと向かう方向を便宜的に下方と呼ぶ。
【0018】
本体部8の下面8aの前方側(正面8c側)の領域には、下方(外向き)に突出するガイド部10が設けられている。ガイド部10は、例えば、本体部8より小型の直方体状に形成されている。取り付け補助具2の使用時には、このガイド部10が、柱状のフレーム部材4の高さ方向(長手方向)に沿う所定の長さの開口部4cに挿入される。
【0019】
ガイド部10は、概ね平坦に形成された下面10aを有している。また、本体部8の下面8aとガイド部10の下面10aとは、正面10b、背面10c、側面10d、及び側面10eを介して互いに接続されている。なお、側面10dと側面10eとは、前後方向に対して概ね平行に形成される。
【0020】
前後方向及び上下方向に対して垂直な左右方向でのガイド部10の長さ(すなわち、側面10dと側面10eとの距離)は、フレーム部材4の開口部4cの幅(高さ方向に対して垂直な方向での長さ)W1より僅かに小さい。一方で、前後方向でのガイド部10の長さ(すなわち、正面10bと背面10cとの距離)は、フレーム部材4の開口部4cの幅W1より大きい。よって、ガイド部10は、開口部4cの幅W1の方向に対して側面10dと側面10eとが概ね平行になるように開口部4cに挿入される。
【0021】
フレーム部材4の開口部4cにガイド部10が挿入されることで、本体部8の移動できる方向が、側面10dと側面10eとに対して概ね平行な方向(つまり、前後方向)に制限される。ただし、ガイド部10は、フレーム部材4の開口部4cに挿入され本体部8の移動にかかる方向を規制できるように構成されていれば良く、その形状等に大きな制限はない。
【0022】
本体部8のガイド部10より背面8d側の位置には、下面8aに対して概ね垂直な方向に本体部8を貫通する貫通孔(挿入口)12が設けられている。つまり、貫通孔12は、ガイド部10から背面8d側に離れた位置で本体部8を上下方向に貫通している。取り付け補助具2の使用時には、この貫通孔12にカバー6が挿入される。ただし、貫通孔12は、少なくとも下面8aと交差する方向に本体部8を貫通していれば良い。
【0023】
貫通孔12の正面8c側の内壁面12aと、貫通孔12の背面8d側の内壁面12bとは、互いに概ね平行に形成されている。また、内壁面12aの側面8e側の端部と、内壁面12aの側面8f側の端部とには、それぞれ、内壁面12aに対して概ね垂直な表面と内壁面12aに対して概ね平行な表面とを持つ角柱状の位置規制部12cが配置されている。
【0024】
そのため、貫通孔12によって規定される正面8c側の空間(内壁面12a側の空間)は、貫通孔12によって規定される背面8d側の空間(内壁面12b側の空間)に比べて、一対の位置規制部12cの分だけ狭くなる。具体的には、正面8c側の空間は、背面8d側の空間よりも左右方向において狭くなる。これにより、貫通孔12に対して、カバー6が誤った向きに挿入されることを防止できる。
【0025】
本体部8の下面8a側には、貫通孔12の背面8d側に隣接する深い凹部14が設けられている。凹部14は、貫通孔12に挿入されるカバー6を凹部14内へと導くことができるように、貫通孔12の下部に接続されている。また、この凹部14には、円柱状のローラー(加圧部)16が収容されている。貫通孔12を通じて上面8b側から下面8a側に導かれたカバー6は、ローラー16の外周面16aに接触する。
【0026】
ローラー16は、左右方向に対して概ね平行な回転軸16bによって本体部8に支持されており、この回転軸16bの周りに回転する。なお、本体部8の側面8eと側面8fとには、押しピン状に形成された回転軸16bの一部が露出している。カバー6をフレーム部材4に取り付ける際には、このローラー16からカバー6に圧力が掛けられる。下面8aの凹部14より背面8d側の領域には、カバー6を通すことのできる浅い凹部18が形成されている。
【0027】
このように構成された取り付け補助具2を用いることで、柱状のフレーム部材4に対してカバー6を取り付ける際の作業の効率を向上させることができる。図5に示すように、フレーム部材4は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金等の材料を用いて、4組の側面4aを持つ四角柱状に形成されている。
【0028】
このフレーム部材4には、各側面4aに開口し、四角柱の高さ方向に沿って長い4本の溝4bが設けられている。溝4bには、例えば、複数のフレーム部材4を連結する際に使用される継手部材が挿入される。また、複数のフレーム部材4を連結した後には、この溝4bの開口部4cにカバー6が取り付けられる。
【0029】
なお、開口部4cの幅W1は、取り付けられたカバー6が容易に脱落しないように、溝4bの最も広い部分の幅W2よりも狭くなっている。また、フレーム部材4には、軽量化のために、高さ方向に沿う貫通孔4d及び複数の貫通孔4eが設けられている。ただし、フレーム部材4の細部の形状等に特段の制限はない。
【0030】
図6に示すように、フレーム部材4に取り付けられるカバー6は、例えば、軟質ポリ塩化ビニル等の柔軟な材料により形成されており、概ね一定の幅W3を持つ基部6aを有している。基部6aは、その幅W3の方向に対して概ね平行な表面と裏面とを有しており、裏面側には、開口部4cに挿入される被挿入部6bが突出している。被挿入部6bの幅W4は、基部6aの幅W3よりも狭く、開口部4cの幅W1と同程度である。
【0031】
被挿入部6bの先端(基部6aとは反対側の端部)には、一対の係止部6cが設けられている。被挿入部6bの幅W4の方向に沿って一方の係止部6cの外側の端部から、他方の係止部6cの外側の端部までの距離は、幅W4よりも大きくなっている。そのため、一対の係止部6cを変形させて被挿入部6bを開口部4cに挿入した後に、その形状が元に戻ると、一対の係止部6cは溝4bに係止され、カバー6が開口部4cから脱落し難くなる。なお、カバー6がフレーム部材4に取り付けられた状態で、基部6aはフレーム部材4の外部に位置付けられる。
【0032】
図7は、フレーム部材4とカバー6との関係を示す断面図である。従来は、被挿入部6bと一対の係止部6cとをフレーム部材4の開口部4cに押し込むような力を基部6aに加えて、被挿入部6bと一対の係止部6cとを開口部4cに挿入することで、カバー6をフレーム部材4に取り付けていた。
【0033】
ところが、この方法では、カバー6に対して力を加える作業を開口部4c(カバー6)の全体に亘って作業者が繰り返さなくてはならない。これに対して、本実施形態の取り付け補助具2を用いることで、フレーム部材4に対してカバー6を取り付ける際の作業の効率を向上させることができる。
【0034】
図8は、取り付け補助具2を用いてカバー6がフレーム部材4に取り付けられる様子を示す側面図であり、図9は、取り付け補助具2を用いてカバー6がフレーム部材4に取り付けられる様子を示す平面図である。フレーム部材4に対してカバー6を取り付ける際には、まず、取り付け補助具2の貫通孔12にカバー6を挿入する。
【0035】
図9等に示すように、貫通孔12によって規定される正面8c側の空間(内壁面12a側の空間)は、貫通孔12によって規定される背面8d側の空間(内壁面12b側の空間)に比べて、一対の位置規制部12cの分だけ狭くなっている。そのため、カバー6は、幅の広い基部6aが背面8d側の空間に収容され、幅の狭い被挿入部6b及び一対の係止部6cが正面8c側の空間に収容されるように、貫通孔12に挿入される。
【0036】
つまり、貫通孔12は、基部6aが背面8d側(ローラー16側)に位置付けられ、被挿入部6b及び一対の係止部6cが正面8c側(ガイド部10側)に位置付けられた状態のカバー6に対応する形状に構成されている。よって、この貫通孔12に対して、カバー6を誤った向きに挿入してしまうことはない。
【0037】
次に、貫通孔12を通じて本体部8の下面8a側に導かれたカバー6の基部6aに、ローラー16の外周面16aを接触させる。そして、この状態で、ガイド部10をフレーム部材4の開口部4cに挿入し、本体部8の下面8aの全部をフレーム部材4の側面4aに接触させる。すなわち、本体部8に対して、上面8b側から下面8a側に向かう向き(下方)に力を加える。
【0038】
これにより、ローラー16によってカバー6がフレーム部材4に押し当てられ、被挿入部6b及び一対の係止部6cの加圧された部分が開口部4cに挿入される。なお、必ずしも本体部8の下面8aの全部をフレーム部材4の側面4aに接触させなくても良い。本実施形態の取り付け補助具2では、本体部8の下面8aの一部がフレーム部材4の側面4aに接触する程度の力を加えるだけでも、被挿入部6b及び一対の係止部6cを開口部4cに挿入できる。
【0039】
なお、このような小さな力で被挿入部6b及び一対の係止部6cを開口部4cに挿入できるのは、貫通孔12が下面8aと交差する方向に本体部8を貫通しており、この貫通孔12に挿入されるカバー6が、貫通孔12とローラー16とによって湾曲した状態に保たれているためと考えられる。
【0040】
その後、本体部8の下面8aの全部(又は一部)をフレーム部材4の側面4aに接触させた状態を保ちながら、図8及び図9に示すように、本体部8をフレーム部材4の開口部4cに沿って背面8d側から正面8c側に向かう向き(前方)に移動させる。これにより、開口部4c(カバー6)に沿ってローラー16でカバー6に圧力を掛けて、被挿入部6b及び一対の係止部6cを本体部8の移動の経路に沿って開口部4cに挿入できる。なお、本体部8を前方に移動させる間は、ガイド部10がローラー16よりも前方に配置された状態が保たれる。
【0041】
以上のように、本実施形態にかかる取り付け補助具2は、下面(第1面)8aを有する本体部8と、本体部8の下面8a側から外向きに突出するガイド部10と、ガイド部10から離れた位置で下面8aと交差する方向に本体部8を貫通する貫通孔(挿入口)12と、貫通孔12に対してガイド部10とは反対側に配置され貫通孔12を通じて下面8a側に導かれるカバー6に接触するローラー(加圧部)16と、を含んでいる。
【0042】
そのため、下面8aの一部又は全部をフレーム部材4の側面4aに接触させ、ガイド部10がローラー16よりも前方に配置された状態で、本体部8をフレーム部材4の開口部4cに沿って前方に移動させるだけで、フレーム部材4に対してカバー6を取り付けることができる。よって、本実施形態にかかる取り付け補助具2によれば、側面4aに開口部4cを有する柱状のフレーム部材4に対して柔軟なカバー6を取り付ける際の作業の効率を向上させることができる。
【0043】
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、直方体状の本体部8を含む取り付け補助具2を例示しているが、本発明にかかる取り付け補助具の本体部の形状に特段の制限はない。例えば、本体部は、下面(第1面)を有する半球状(ドーム状)に形成されていても良い。
【0044】
また、上述した実施形態では、ローラー16によってカバー6を加圧しているが、任意の加圧部によってカバー6を加圧しても良い。ただし、ローラー16によってカバー6を加圧する場合には、カバー6との接触に起因する負荷が小さくなるので、本体部8を小さな力で前方に移動させることができる。
【0045】
その他、上述した実施形態や変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて変更して実施できる。
【符号の説明】
【0046】
2 :取り付け補助具
4 :フレーム部材
4a :側面
4b :溝
4c :開口部
4d :貫通孔
4e :貫通孔
6 :カバー
6a :基部
6b :被挿入部
6c :係止部
8 :本体部
8a :下面(第1面)
8b :上面(第2面)
8c :正面(第3面)
8d :背面(第4面)
8e :側面(第5面)
8f :側面(第6面)
10 :ガイド部
10a :下面
10b :正面
10c :背面
10d :側面
10e :側面
12 :貫通孔(挿入口)
12a :内壁面
12b :内壁面
12c :位置規制部
14 :凹部
16 :ローラー(加圧部)
16a :外周面
16b :回転軸
18 :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9