(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】被加工物の保持機構及び加工装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 7/04 20060101AFI20240401BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20240401BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20240401BHJP
B23Q 3/08 20060101ALI20240401BHJP
【FI】
B23Q7/04 K
H01L21/68 B
H01L21/78 N
B23Q3/08 A
(21)【出願番号】P 2020089668
(22)【出願日】2020-05-22
【審査請求日】2023-04-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】福岡 武臣
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-228617(JP,A)
【文献】特開2019-192827(JP,A)
【文献】特開平10-313042(JP,A)
【文献】特開2017-213663(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0052145(US,A1)
【文献】特開2016-207988(JP,A)
【文献】特開2016-207987(JP,A)
【文献】特開2015-213996(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0072303(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 7/04
H01L 21/60
H01L 21/68
H01L 21/78
B23Q 3/08
B24B 41/06
B24B 27/06
B65G 49/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
強磁性を示す材料を含む被加工物に対応する形状及び大きさの保持面を有する保持基台と、
該保持基台の該保持面に設置され、該被加工物との間に引力を生じさせる磁石と、
該磁石との間に生じる引力によって該保持基台の該保持面側に保持される該被加工物に対して、該保持面から離れる向きの力を加えるリリース手段と、を備え、
該リリース手段は、
該保持面を覆うカバーシートと、
該保持面と該カバーシートとの間に流体を供給する流体供給部と、を有し、
該カバーシートの該保持面とは反対側の面には、
複数のチップへと分割された後の該被加工物の該カバーシートによ
る吸着を抑制
し、該チップの大きさの5%~50%の大きさを持つ凹凸構造、又は該カバーシートからの該被加工物の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられており、
該カバーシートを介して該磁石との間に生じる引力によって該被加工物を保持するとともに、該流体供給部から供給される流体で該カバーシートを膨らませることによって該保持面から離れる向きの力を生じさせる被加工物の保持機構。
【請求項2】
該凹凸構造の高低差は、50μm~500μm(ただし、50μmを除く)である請求項1に記載の被加工物の保持機構。
【請求項3】
該リリース手段は、
該保持面と該流体供給部とを接続する第1流路と、
該第1流路に設けられたバルブと、
該バルブを介して該第1流路から分岐された第2流路と、
該第1流路の該バルブより該保持面側に接続される吸引口と、該第2流路に接続される供給口と、該供給口から供給された流体が排出される排出口と、を有するエジェクタと、を更に有し、
該バルブは、該第1流路を通じて該保持面と該カバーシートとの間に流体が供給される第1状態と、該第2流路を通じて該エジェクタの該供給口に流体が供給され該吸引口に負圧を発生させる第2状態と、に切り替えられる請求項1
又は請求項2に記載の被加工物の保持機構。
【請求項4】
強磁性を示す材料を含む被加工物を保持するチャックテーブルと、
該チャックテーブルに保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、
該チャックテーブルに該被加工物を搬入し、又は該チャックテーブルから該被加工物を搬出する搬送手段と、を備え、
該搬送手段は、
該被加工物に対応する形状及び大きさの保持面を有する保持基台と、
該保持基台の該保持面に設置され、該被加工物との間に引力を生じさせる磁石と、
該磁石との間に生じる引力によって該保持基台の該保持面側に保持される該被加工物に対して、該保持面から離れる向きの力を加えるリリース手段と、を備え、
該リリース手段は、
該保持面を覆うカバーシートと、
該保持面と該カバーシートとの間に流体を供給する流体供給部と、を有し、
該カバーシートの該保持面とは反対側の面には、
複数のチップへと分割された後の該被加工物の該カバーシートによ
る吸着を抑制
し、該チップの大きさの5%~50%の大きさを持つ凹凸構造、又は該カバーシートからの該被加工物の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられており、
該搬送手段は、該カバーシートを介して該磁石との間に生じる引力によって該被加工物を保持するとともに、該流体供給部から供給される流体で該カバーシートを膨らませることによって該保持面から離れる向きの力を生じさせる加工装置。
【請求項5】
該凹凸構造の高低差は、50μm~500μm(ただし、50μmを除く)である請求項4に記載の加工装置。
【請求項6】
該リリース手段は、
該保持面と該流体供給部とを接続する第1流路と、
該第1流路に設けられたバルブと、
該バルブを介して該第1流路から分岐された第2流路と、
該第1流路の該バルブより該保持面側に接続される吸引口と、該第2流路に接続される供給口と、該供給口から供給された流体が排出される排出口と、を有するエジェクタと、を更に有し、
該バルブは、該第1流路を通じて該保持面と該カバーシートとの間に流体が供給される第1状態と、該第2流路を通じて該エジェクタの該供給口に流体が供給され該吸引口に負圧を発生させる第2状態と、に切り替えられる請求項
4又は請求項5に記載の加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の被加工物を保持する保持機構、及びこの保持機構を備える加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハやパッケージ基板等に代表される板状の被加工物を複数のチップへと分割する際には、例えば、切削装置やレーザー加工装置等の加工装置が使用される。これらの加工装置には、ポンプ等によって形成される真空(負圧)を利用して被加工物を吸引、保持するチャックテーブルが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
被加工物は、例えば、下面にダイシングテープ等と呼ばれる粘着テープが貼り付けられた状態で、このチャックテーブルに吸引、保持される。粘着テープの外周部分には、分割後の被加工物(複数のチップ)を取り扱い易くするために、環状のフレームが固定されることもある。
【0004】
ところで、被加工物の分割時に使用される上述の粘着テープは使い捨てなので、加工のコストが高くなり易い。そこで、粘着テープを用いることなく分割後の被加工物(複数のチップ)を保持できるように、各チップに対応する吸引部を備えた治具テーブル等が提案されている(例えば、特許文献2,3参照)。
【0005】
一方で、上述のような治具テーブルでは、ある程度までチップが小型化されると、各チップに作用する吸引力が不足してチップを適切に保持できなくなる。分割後の被加工物を吸引、保持して搬送する搬送ユニットについても、同様の問題が発生していた。この問題を解消するために、近年では、磁石の磁力で被加工物(チップ)を保持し、この磁石を覆うように配置されたカバーシートを膨らませることによって被加工物を取り外せるようにした保持機構が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2004-200440号公報
【文献】特開2013-65603号公報
【文献】特開2014-116486号公報
【文献】特開2017-228617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した保持機構のカバーシートは、ゴム等の柔らかい樹脂で形成されているので、磁石の強い磁力によって被加工物がカバーシートに押し当てられると、カバーシートと被加工物との隙間に真空が形成されたり、被加工物に残留する水の表面張力がカバーシートに作用し易くなったりする。その結果、被加工物がカバーシートに吸着されてしまい、カバーシートを膨らませても、被加工物をカバーシートから取り外せないことがあった。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被加工物の適切な保持及び簡単な取り外しを実現できる被加工物の保持機構、及びこの保持機構を備える加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様によれば、強磁性を示す材料を含む被加工物に対応する形状及び大きさの保持面を有する保持基台と、該保持基台の該保持面に設置され、該被加工物との間に引力を生じさせる磁石と、該磁石との間に生じる引力によって該保持基台の該保持面側に保持される該被加工物に対して、該保持面から離れる向きの力を加えるリリース手段と、を備え、該リリース手段は、該保持面を覆うカバーシートと、該保持面と該カバーシートとの間に流体を供給する流体供給部と、を有し、該カバーシートの該保持面とは反対側の面には、複数のチップへと分割された後の該被加工物の該カバーシートによる吸着を抑制し、該チップの大きさの5%~50%の大きさを持つ凹凸構造、又は該カバーシートからの該被加工物の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられており、該カバーシートを介して該磁石との間に生じる引力によって該被加工物を保持するとともに、該流体供給部から供給される流体で該カバーシートを膨らませることによって該保持面から離れる向きの力を生じさせる被加工物の保持機構が提供される。
【0010】
本発明の一態様において、該凹凸構造の高低差は、50μm~500μm(ただし、50μmを除く)であることが好ましい。また、本発明の一態様において、該リリース手段は、該保持面と該流体供給部とを接続する第1流路と、該第1流路に設けられたバルブと、該バルブを介して該第1流路から分岐された第2流路と、該第1流路の該バルブより該保持面側に接続される吸引口と、該第2流路に接続される供給口と、該供給口から供給された流体が排出される排出口と、を有するエジェクタと、を更に有し、該バルブは、該第1流路を通じて該保持面と該カバーシートとの間に流体が供給される第1状態と、該第2流路を通じて該エジェクタの該供給口に流体が供給され該吸引口に負圧を発生させる第2状態と、に切り替えられることが好ましい。
【0011】
本発明の別の一態様によれば、強磁性を示す材料を含む被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された該被加工物を加工する加工ユニットと、該チャックテーブルに該被加工物を搬入し、又は該チャックテーブルから該被加工物を搬出する搬送手段と、を備え、該搬送手段は、該被加工物に対応する形状及び大きさの保持面を有する保持基台と、該保持基台の該保持面に設置され、該被加工物との間に引力を生じさせる磁石と、該磁石との間に生じる引力によって該保持基台の該保持面側に保持される該被加工物に対して、該保持面から離れる向きの力を加えるリリース手段と、を備え、該リリース手段は、該保持面を覆うカバーシートと、該保持面と該カバーシートとの間に流体を供給する流体供給部と、を有し、該カバーシートの該保持面とは反対側の面には、複数のチップへと分割された後の該被加工物の該カバーシートによる吸着を抑制し、該チップの大きさの5%~50%の大きさを持つ凹凸構造、又は該カバーシートからの該被加工物の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられており、該搬送手段は、該カバーシートを介して該磁石との間に生じる引力によって該被加工物を保持するとともに、該流体供給部から供給される流体で該カバーシートを膨らませることによって該保持面から離れる向きの力を生じさせる加工装置が提供される。
【0012】
本発明の別の一態様において、該凹凸構造の高低差は、50μm~500μm(ただし、50μmを除く)であることが好ましい。また、本発明の別の一態様において、該リリース手段は、該保持面と該流体供給部とを接続する第1流路と、該第1流路に設けられたバルブと、該バルブを介して該第1流路から分岐された第2流路と、該第1流路の該バルブより該保持面側に接続される吸引口と、該第2流路に接続される供給口と、該供給口から供給された流体が排出される排出口と、を有するエジェクタと、を更に有し、該バルブは、該第1流路を通じて該保持面と該カバーシートとの間に流体が供給される第1状態と、該第2流路を通じて該エジェクタの該供給口に流体が供給され該吸引口に負圧を発生させる第2状態と、に切り替えられることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様にかかる被加工物の保持機構は、強磁性を示す材料を含む被加工物との間に引力を生じさせる磁石を保持基台の保持面に備えている。よって、磁石との間に生じる引力によって被加工物を適切に保持できる。同様に、本発明の別の一態様にかかる加工装置も、磁石との間に生じる引力によって被加工物を適切に保持できる。
【0014】
また、本発明の一態様にかかる被加工物の保持機構は、保持基台の保持面側に保持された被加工物に対して、保持面から離れる向きの力を加えるリリース手段を備えている。そして、このリリース手段のカバーシートには、カバーシートによる被加工物の吸着を抑制する凹凸構造、又はカバーシートからの被加工物の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられている。
【0015】
よって、このリリース手段で被加工物に力を加えることで、被加工物を保持基台やカバーシートから簡単に取り外すことができる。同様に、本発明の別の一態様にかかる加工装置も、被加工物を保持基台やカバーシートから簡単に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、加工装置の構成例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、保持基台の保持面側の構造を示す斜視図である。
【
図5】
図5(A)は、被加工物を搬出する際の第1ステップを示す断面図であり、
図5(B)は、被加工物を搬出する際の第2ステップを示す断面図である。
【
図6】
図6(A)は、被加工物を搬出する際の第3ステップを示す断面図であり、
図6(B)は、被加工物を搬出する際の第4ステップを示す断面図である。
【
図7】
図7は、変形例にかかる保持機構の一部を拡大した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
添付図面を参照して、本発明の一態様にかかる実施形態について説明する。
図1は、本実施形態にかかる加工装置(切削装置)2の構成例を示す斜視図である。なお、本実施形態では、板状の被加工物を切削加工する加工装置2について説明するが、本発明にかかる加工装置は、レーザービームにより被加工物を加工するレーザー加工装置等でも良い。
【0018】
図1に示すように、加工装置2は、各構造を支持する基台4を備えている。基台4の中央には、X軸方向(前後方向、加工送り方向)に長い矩形の開口4aが形成されている。この開口4a内には、X軸移動テーブル6、X軸移動テーブル6をX軸方向に移動させるX軸移動機構(移動手段)(不図示)、及びX軸移動機構を覆う防塵防滴カバー8が配置されている。
【0019】
X軸移動テーブル6の上方には、板状の被加工物11を保持するチャックテーブル10が設けられている。
図1に示すように、被加工物11は、例えば、強磁性を示す鉄、コバルト、ニッケル等の材料を含んで形成された矩形のパッケージ基板、セラミックス基板、ガラス基板、半導体ウェーハ等であり、その下面には、粘着テープ(粘着フィルム)13が貼り付けられている。
【0020】
ただし、被加工物11の形状等に制限はない。例えば、円盤状のパッケージ基板等を被加工物11として用いることもできる。また、粘着テープ13の外縁部に環状のフレーム(支持部材)等を固定しても良い。この場合、被加工物11は、粘着テープ13を介して環状のフレーム等に支持される。
【0021】
チャックテーブル10は、モータ等の回転駆動源(不図示)に連結されており、Z軸方向(鉛直方向、高さ方向)に概ね平行な回転軸の周りに回転する。また、上述したX軸移動機構でX軸移動テーブル6をX軸方向に移動させれば、チャックテーブル10もX軸方向に移動する。
【0022】
例えば、被加工物11をチャックテーブル10に搬入し、又はチャックテーブル10から搬出する際には、被加工物11が搬入、搬出される前方の搬入搬出領域と、被加工物11が加工される中央の加工領域との間でチャックテーブル10をX軸方向に移動させる。また、被加工物11を加工する際には、上述した加工領域内でチャックテーブル10をX軸方向に移動させる(加工送り)。
【0023】
チャックテーブル10の上面は、被加工物11に対応する形状(本実施形態では、概ね平坦な矩形)に形成されており、被加工物11を保持する保持面10aになる。保持面10aは、X軸方向及びY軸方向(左右方向、割り出し送り方向)に対して概ね平行であり、チャックテーブル10の内部に形成された流路(不図示)等を通じて吸引源(不図示)に接続されている。
【0024】
基台4の上面には、2組の切削ユニット(加工ユニット、加工手段)12を支持する門型の支持構造14が、開口4aを跨ぐように配置されている。支持構造14の前面上部には、各切削ユニット12をY軸方向及びZ軸方向に移動させる2組の切削ユニット移動機構16が設けられている。
【0025】
各切削ユニット移動機構16は、支持構造14の前面に配置されY軸方向に平行な一対のY軸ガイドレール18を共通に備えている。Y軸ガイドレール18には、各切削ユニット移動機構16を構成するY軸移動プレート20がスライド可能に取り付けられている。各Y軸移動プレート20の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Y軸ガイドレール18に平行なY軸ボールネジ22がそれぞれ螺合されている。
【0026】
各Y軸ボールネジ22の一端部には、Y軸パルスモータ24が連結されている。Y軸パルスモータ24でY軸ボールネジ22を回転させれば、Y軸移動プレート20は、Y軸ガイドレール18に沿ってY軸方向に移動する。
【0027】
各Y軸移動プレート20の表面(前面)には、Z軸方向に平行な一対のZ軸ガイドレール26が設けられている。Z軸ガイドレール26には、Z軸移動プレート28がスライド可能に取り付けられている。各Z軸移動プレート28の裏面側(後面側)には、ナット部(不図示)が設けられており、このナット部には、Z軸ガイドレール26に平行なZ軸ボールネジ30がそれぞれ螺合されている。
【0028】
各Z軸ボールネジ30の一端部には、Z軸パルスモータ32が連結されている。Z軸パルスモータ32でZ軸ボールネジ30を回転させれば、Z軸移動プレート28は、Z軸ガイドレール26に沿ってZ軸方向に移動する。
【0029】
各Z軸移動プレート28の下部には、切削ユニット12が設けられている。この切削ユニット12は、回転軸となるスピンドル(不図示)の一端側に装着された円環状の切削ブレード34を備えている。切削ブレード34の近傍には、純水等の切削液(加工液)を供給するノズル36が配置されている。また、切削ユニット12に隣接する位置には、チャックテーブル10に保持された被加工物11等を撮像するカメラ38が設けられている。
【0030】
各切削ユニット移動機構16でY軸移動プレート20をY軸方向に移動させれば、切削ユニット12及びカメラ38はY軸方向に移動する(割り出し送り)。また、各切削ユニット移動機構16でZ軸移動プレート28をZ軸方向に移動させれば、切削ユニット12及びカメラ38はZ軸方向に移動する。
【0031】
支持構造14の前方側、かつ左右方向で開口4aの一方側の領域には、加工前の被加工物11を載せる搬入側テーブル(ロードテーブル)40が配置されている。搬入側テーブル40の上面は、被加工物11に対応する形状(本実施形態では、概ね平坦な矩形)に形成されており、被加工物11を保持する保持面40aになる。保持面40aは、搬入側テーブル40の内部に形成された流路(不図示)等を通じて吸引源(不図示)に接続されている。
【0032】
搬入側テーブル40の下方には、搬入側テーブル40を開口4aの上方に移動させる搬入側テーブル移動機構42が設けられている。搬入側テーブル移動機構42は、開口4aの一方側の領域から開口4aへと向かって伸びる一対のガイドレール44を備えており、エアシリンダ等から発生する力で搬入側テーブル40をガイドレール44に沿って移動させる。具体的には、搬入側テーブル40は、開口4aの一方側で搬入搬出領域に隣接するロード領域と、搬入搬出領域の直上の直上領域との間を移動する。
【0033】
支持構造14の前方側、かつ左右方向で開口4aの他方側の領域には、加工後の被加工物11を載せる搬出側テーブル(アンロードテーブル)46が配置されている。搬出側テーブル46の上面は、被加工物11に対応する形状(本実施形態では、概ね平坦な矩形)に形成されており、被加工物11を保持する保持面46aになる。保持面46aは、流路46b(
図6(B)参照)やバルブ46c(
図6(B)参照)等を通じて吸引源46d(
図6(B)参照)に接続されている。
【0034】
搬出側テーブル46の下方には、搬出側テーブル46を開口4aの上方に移動させる搬出側テーブル移動機構48が設けられている。搬出側テーブル移動機構48は、開口4aの他方側の領域から開口4aへと向かって伸びる一対のガイドレール50を備えており、エアシリンダ等から発生する力で搬出側テーブル46をガイドレール50に沿って移動させる。具体的には、搬出側テーブル46は、開口4aの他方側で搬入搬出領域に隣接するアンロード領域と、搬入搬出領域の直上の直上領域との間を移動する。
【0035】
なお、本実施形態では、被加工物11を吸引できる搬入側テーブル40及び搬出側テーブル46について例示しているが、加工装置2が備える搬入側テーブル及び搬出側テーブルは、少なくとも、被加工物11を支持できるように構成されていれば良い。すなわち、搬入側テーブル及び搬出側テーブルは、必ずしも被加工物11を吸引できなくて良い。
【0036】
直上領域の更に上方には、チャックテーブル10と、搬入側テーブル40又は搬出側テーブル46との間で被加工物11を搬送して載せ替える搬送ユニット(搬送手段)52が配置されている。この搬送ユニット52は、被加工物11を保持する保持機構(保持手段)54と、保持機構54を鉛直方向に移動させる直動機構(移動手段)56とを含む。保持機構54の詳細については後述する。
【0037】
開口4aと搬出側テーブル46との間かつ搬出側テーブル46より上方の領域には、下向きにエアを噴射できるノズル58が配置されている。このノズル58は、被加工物11を保持した搬出側テーブル46が直上領域からアンロード領域へと移動する間に、搬出側テーブル46上の被加工物11等にエアを吹き付ける。これにより、被加工物11等に付着した切削液を乾燥させて除去できる。
【0038】
次に、搬送ユニット52に組み込まれる保持機構54の詳細について説明する。
図2は、主に保持機構54を示す断面図であり、
図3は、
図2の一部を拡大した断面図である。なお、
図2では、一部の構成要素を機能ブロックや記号で表現している。
図2及び
図3に示すように、本実施形態にかかる保持機構54は、被加工物11に対応する大きさ(被加工物11の上面全体を適切に保持できる大きさ)の保持基台60を備えている。保持基台60の形状は任意だが、ここでは、平板状とする。
【0039】
保持基台60の下面は、被加工物11に対応する形状及び大きさ(被加工物11の上面全体を適切に保持できる形状及び大きさ、本実施形態では、概ね平坦で被加工物11の上面と同等の大きさを持つ矩形)に形成されており、被加工物11を保持するための保持面60aになる。
図4は、保持基台60の保持面60a側の構造を示す斜視図である。
図2、
図3、及び
図4に示すように、この保持面60aには、複数の磁石62が設けられている。
【0040】
各磁石62は、例えば、永久磁石又は電磁石である。上述のように、被加工物11は、強磁性を示す材料を含んでいるので、被加工物11に対して保持基台60の保持面60aを近付ければ、各磁石62と被加工物11との間に引力(磁力)を生じさせることができる。被加工物11は、この引力によって保持基台60の保持面60a側に保持される。磁石62の数量や配置等の条件は、被加工物11を適切に保持できる範囲で任意に決めることができる。
【0041】
保持基台60には、保持基台60から被加工物11を容易に取り外せるように、保持基台60に保持された被加工物11に対して保持面60aから離れる向きの力を加えるリリース機構(リリース手段)64が設けられている。リリース機構64は、保持面60aを覆うカバーシート66を含んでいる。
【0042】
カバーシート66は、例えば、伸縮性が高く通気性(通液性)が低いゴム(天然ゴム又は合成ゴム)や樹脂(例えば、塩化ビニルやポリオレフィン)等の材料を用いて薄膜状に形成されており、保持基台60の側部を囲む固定枠68によって保持基台60に固定される。このように、固定枠68を用いてカバーシート66を保持基台60の全周に固定することで、カバーシート66と保持基台60との隙間を減らして気密性を高めることができる。
【0043】
また、
図3に示すように、カバーシート66の保持面60aとは反対側の面66aには、複数の凸部(凹凸構造)66bが形成されている。各凸部66bは、例えば、被加工物11を分割して得られる複数のチップの各々に対応する位置(複数のチップの各々が接触する位置)に設けられており、カバーシート66による被加工物11の吸着を抑制する。
【0044】
すなわち、カバーシート66の面66aには、被加工物11を分割して得られるチップの数と同じか、又はそれよりも多くの凸部66bが設けられている。なお、本実施形態では、カバーシート66の面66aに複数の凸部66bを設けているが、複数の凸部66bの代わりに複数の凹部(凹凸構造)を設けても良い。また、凸部66bと凹部との双方を設けることもできる。
【0045】
各凸部66b(又は凹部)の大きさや形状等にも大きな制限はない。例えば、被加工物11を分割して得られるチップの大きさ(例えば、一辺の長さ)の5%~50%程度の大きさ(面66aに対して平行な方向の長さ)を持ち、高低差(面66aに対して垂直な方向の長さ)が50μm~500μm程度の凸部66b(又は凹部)を設けると、被加工物11の保持を阻害することなく、カバーシート66による被加工物11の吸着を適切に抑制できるようになる。
【0046】
保持面60aには、複数の開口60bが形成されており、この開口60bには、第1流路70aの一端側が接続されている。第1流路70aの他端には、流体を供給するための流体供給源(流体供給部)72が接続されている。この流体供給源72は、カバーシート66とともにリリース機構64を構成する。なお、本実施形態では、流体供給源72から供給する流体として、エア(空気)等の気体を用いる。
【0047】
第1流路70aの流体供給源72側には、流体の供給を制御するための第1バルブ74a及び第2バルブ74bが設けられている。上流側の第1バルブ74aは、下流側の第2バルブ74bへの流体の供給を制御する。具体的には、第1バルブ74aを開くと、流体供給源72から第2バルブ74bに流体が供給される。一方で、第1バルブ74aを閉じると、流体供給源72から第2バルブ74bに流体が供給されない。
【0048】
第2バルブ74bは、流体供給源72から供給される流体を、第1流路70aの一端側(保持面60a側、開口60b側)、又はこの第2バルブ74bを介して第1流路70aから分岐される第2流路70bのいずれかに供給する。具体的には、第2バルブ74bを第1状態にすると、第1流路70aの一端側に流体が供給される。一方で、第2バルブ74bを第2状態にすると、第2流路70bに流体が供給される。
【0049】
例えば、第1バルブ74aを開き、かつ第2バルブ74bを第1状態にすると、流体は第1流路70a、開口60b等を通じて保持面60aとカバーシート66との間に供給される。上述のように、カバーシート66は、伸縮性が高く通気性(通液性)が低い材料で形成されている。そのため、保持面60aとカバーシート66との間に流体を供給すると、カバーシート66を下向きに膨らませる(曲面状に変形させる)ことができる。
【0050】
第2流路70bには、エジェクタ(アスピレータ)76が設けられている。このエジェクタ76の吸引口76aは、第2バルブ74bと開口60b(一端)との間で第1流路70aに接続されている。つまり、吸引口76aは、第1流路70aの第2バルブ74bより保持面60a側に接続されている。また、エジェクタ76の供給口76bには、第2バルブ74bを通過した流体が第2流路70bを通じて供給される。なお、この供給口76bからエジェクタ76の内部に供給された流体は、排出口76cを通じてエジェクタ76の外部に排出される。
【0051】
例えば、第1バルブ74aを開き、かつ第2バルブ74bを第2状態にすると、エジェクタ76の供給口76bから排出口76cに向かって流体が流れ、エジェクタ76の吸引口76aに負圧が発生する。よって、この負圧を利用することで、開口60b、第1流路70a、第2流路70b等を通じて保持面60aとカバーシート66との間の流体を外部に排出できる。
【0052】
第1流路70aの一端側には、第1流路70aの圧力(本実施形態では、気圧)を測定するための圧力計78が設けられている。この圧力計78で第1流路70aの圧力を測定することにより、例えば、保持面60aとカバーシート66との間の流体が十分に排出されたか否かを適切に判定できるようになる。
【0053】
次に、上述した搬送ユニット52を用いて被加工物11を搬送する搬送方法について説明する。なお、本実施形態では、切削加工後の複数のチップへと分割された被加工物11をチャックテーブル10から搬出側テーブル46へと搬出する場合を例に挙げて説明するが、切削加工前の被加工物11を搬入側テーブル40からチャックテーブル10へと搬入する場合も同様である。
【0054】
図5(A)は、被加工物11を搬出する際の第1ステップを示す断面図であり、
図5(B)は、被加工物11を搬出する際の第2ステップを示す断面図であり、
図6(A)は、被加工物11を搬出する際の第3ステップを示す断面図であり、
図6(B)は、被加工物11を搬出する際の第4ステップを示す断面図である。
【0055】
被加工物11をチャックテーブル10から搬出側テーブル46へと搬出する際には、まず、チャックテーブル10の位置を搬入搬出領域に合わせ、搬出側テーブル46の位置を直上領域以外(例えば、アンロード領域)に合わせる。また、保持面60aとカバーシート66との間の流体を排出した上で、第1バルブ74aを閉じておく。
【0056】
その後、
図5(A)に示すように、直動機構56(
図1)で保持機構54を下降させ、チャックテーブル10上の被加工物11の上面に保持基台60の保持面60aを接近させる。上述のように、保持面60aには、複数の磁石62が設けられている。よって、被加工物11に対して保持面60aを接近させると、磁石62と被加工物11との間に引力が生じ、被加工物11はカバーシート66を介して保持基台60に保持される。
【0057】
ただし、本実施形態では、カバーシート66の面66aの各チップに対応する位置に凸部66bを設けているので、磁石62との間に作用する引力で被加工物11(チップ)がカバーシート66の面66aに強く押し当てられたとしても、この被加工物11がカバーシート66に吸着されてしまうことはない。
【0058】
保持基台60で被加工物11を保持した後には、チャックテーブル10の保持面10aによる被加工物11(粘着テープ13)の吸引を停止させた上で、
図5(B)に示すように、直動機構56(
図1)で保持機構54を上昇させる。なお、この際にも、第1バルブ74aを閉じておく。
【0059】
その後、搬出側テーブル46を直上領域に移動させ、
図6(A)に示すように、保持機構54を下降させる。また、第1バルブ74aを開き、かつ第2バルブ74bを第1状態とする。これにより、流体供給源72から保持面60aとカバーシート66との間に流体が供給され、カバーシート66は下向きに膨らむ。なお、保持面46aに対する保持機構54の高さは、保持面46aによってカバーシート66の膨張(変形)が阻害されない範囲に調整される。
【0060】
カバーシート66が下向きに膨らむと、保持面60aに設けられた磁石62と被加工物11との距離が大きくなって、磁石62と被加工物11との間に作用する引力は小さくなる。よって、この状態で、例えば、
図6(B)に示すように、バルブ46cを開き、吸引源46dの負圧を保持面46aに作用させれば、被加工物11(粘着テープ13)を搬出側テーブル46で吸引、保持して、保持基台60やカバーシート66から容易に取り外せる。
【0061】
被加工物11が保持基台60やカバーシート66から取り外された後には、保持機構54を上昇させる。また、第2バルブ74bを第2状態に切り替える。これにより、保持面60aとカバーシート66との間の流体は外部に排出され、カバーシート66が保持面60aに密着する。すなわち、カバーシート66の面66aには、保持面60aの形状(本実施形態では、概ね平坦な形状)が反映される。これにより、被加工物11を再び保持できるようになる。
【0062】
なお、保持面60aとカバーシート66との間の流体の排出状況は、圧力計78によって測定される第1流路70a内の圧力に基づいて判定できる。例えば、圧力計78によって測定される第1流路70a内の圧力が所定の閾値より高い場合(又は、閾値以上の場合)には、保持面60aとカバーシート66との間に流体が残留していると判定される。
【0063】
また、圧力計78によって測定される第1流路70a内の圧力が所定の閾値以下の場合(又は、閾値より低い場合)には、保持面60aとカバーシート66との間に流体が残留していないと判定される。なお、保持面60aとカバーシート66との間に流体が残留している状態では、保持機構54で被加工物11を適切に保持できないので、保持面60aとカバーシート66との間の流体の排出が完了するまで搬送ユニット52を待機させると良い。保持面60aとカバーシート66との間の流体の排出が完了すると、カバーシート66の面66aには、保持面60aの形状が反映される。
【0064】
以上のように、本実施形態にかかる被加工物11の保持機構54及び加工装置2は、強磁性を示す材料を含む被加工物11との間に引力を生じさせる磁石62を保持基台60の保持面60aに備えている。よって、磁石62との間に生じる引力によって被加工物11を適切に保持できる。
【0065】
また、本実施形態にかかる被加工物11の保持機構54及び加工装置2は、保持基台60の保持面60a側に保持された被加工物11に対し、保持面60aから離れる向きの力を加えるリリース機構(リリース手段)64を備えている。そして、このリリース機構64のカバーシート66には、カバーシート66による被加工物11の吸着を抑制する凸部(凹凸構造)66bが設けられている。よって、このリリース機構64で被加工物11に力を加えることで、被加工物11を保持基台60やカバーシート66から簡単に取り外すことができる。
【0066】
なお、本発明は、上述した実施形態の記載に制限されず種々変更して実施可能である。例えば、上述した実施形態では、被加工物11をカバーシート66から簡単に取り外すことができるように、カバーシート66の面66aに凸部(凹凸構造)66bを設けているが、本発明の保持機構が備えるカバーシートには、被加工物11の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層が設けられても良い。
【0067】
図7は、変形例にかかる保持機構の一部を拡大した断面図である。なお、この変形例にかかる保持機構の構成要素の多くは、上述した実施形態にかかる保持機構54の構成要素と共通している。よって、上述した保持機構54と共通する構成要素には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0068】
変形例にかかる保持機構のリリース機構(リリース手段)も、保持面60aを覆うカバーシート86を含んでいる。カバーシート86の材質等は、上述の実施形態にかかるカバーシート66と同じである。
図7に示すように、このカバーシート86の保持面60aとは反対側の面86aには、被加工物11の剥離を促進させる剥離促進剤を含む層86bが設けられている。
【0069】
層86bに使用される剥離促進剤は、例えば、ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素樹脂である。このような剥離促進剤を含む層86bをカバーシート86の面86aに設けることで、被加工物11の保持を阻害することなく、カバーシート86から被加工物11を剥離できるようになる。
【0070】
また、例えば、保持基台60の保持面60aの大きさは、被加工物11の上面より大きくても良い。また、例えば、カバーシートの表面等には、導電性の材料でなるパターンが形成されても良い。この場合、カバーシートの変形等に伴う静電気の発生を抑制できる。また、流体供給源から供給する流体として、水等の液体を用いても良い。更に、本発明の保持機構を、加工装置のチャックテーブル等に用いることもできる。
【0071】
その他、上述の実施形態及び変形例にかかる構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0072】
2 :加工装置(切削装置)
4 :基台
4a :開口
6 :X軸移動テーブル
8 :防塵防滴カバー
10 :チャックテーブル
10a :保持面
12 :切削ユニット(加工ユニット、加工手段)
14 :支持構造
16 :切削ユニット移動機構
18 :Y軸ガイドレール
20 :Y軸移動プレート
22 :Y軸ボールネジ
24 :Y軸パルスモータ
26 :Z軸ガイドレール
28 :Z軸移動プレート
30 :Z軸ボールネジ
32 :Z軸パルスモータ
34 :切削ブレード
36 :ノズル
38 :カメラ
40 :搬入側テーブル(ロードテーブル)
40a :保持面
42 :搬入側テーブル移動機構
44 :ガイドレール
46 :搬出側テーブル(アンロードテーブル)
46a :保持面
46b :流路
46c :バルブ
46d :吸引源
48 :搬出側テーブル移動機構
50 :ガイドレール
52 :搬送ユニット(搬送手段)
54 :保持機構(保持手段)
56 :直動機構(移動手段)
58 :ノズル
60 :保持基台
60a :保持面
60b :開口
62 :磁石
64 :リリース機構(リリース手段)
66 :カバーシート
66a :面
66b :凸部(凹凸構造)
68 :固定枠
70a :第1流路
70b :第2流路
72 :流体供給源(流体供給部)
74a :第1バルブ
74b :第2バルブ
76 :エジェクタ(アスピレータ)
76a :吸引口
76b :供給口
76c :排出口
78 :圧力計
86 :カバーシート
86a :面
86b :層
11 :被加工物
13 :粘着テープ