(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-03-29
(45)【発行日】2024-04-08
(54)【発明の名称】トレンチの光測定用ターゲット
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240401BHJP
【FI】
H01L21/66 P
H01L21/66 W
H01L21/66 Y
(21)【出願番号】P 2022562649
(86)(22)【出願日】2021-04-16
(86)【国際出願番号】 US2021027714
(87)【国際公開番号】W WO2021211988
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-12-13
(32)【優先日】2020-04-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516312501
【氏名又は名称】オントゥー イノヴェイション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】ケラー ニコラス ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】アントネッリ ジョージ アンドリュー
【審査官】平野 崇
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-535143(JP,A)
【文献】特開2012-202862(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0139822(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0307052(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0011027(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01N 21/956
G01N 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被試験デバイス内のトレンチの特性を測定するための光計測ターゲットを備えるウェハであって、前記トレンチが、光が前記トレンチの底部に到達するのが困難な深さを有し、前記光計測ターゲットが、
複数のティアスタックペアを含むティアスタックであって、各ティアスタックペアが導体層と絶縁体層とを備え、前記ティアスタックが前記複数のティアスタックペアを貫通して垂直に延伸する前記トレンチを備えるティアスタックと、
前記複数のティアスタックペアを貫通して延伸する複数のビアであって、各々が絶縁側壁を有しかつ導体材料で充填され、ビアから前記トレンチまでの横方向距離が、前記トレンチの前記特性の測定のために、前記光計測ターゲットの前記トレンチの底部への光の到達を促進する複数のビアとを備える、光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項2】
前記被試験デバイスが三次元(3D)NANDであり、前記トレンチがワード線スリットであり、前記導体層がタングステンを含み、前記トレンチの特性がタングステンリセス垂直プロファイルを含む、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項3】
前記ビアから前記トレンチまでの前記横方向距離が、前記トレンチの前記底部への前記光の到達を促進する前記光のプラズモン共鳴を促進する、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項4】
前記光計測ターゲットが前記被試験デバイスと同数の前記複数のティアスタックペアを備え、前記被試験デバイスと同じトレンチ特性を含み、前記被試験デバイスが前記光計測ターゲットの前記複数のビアに対応するビアを含まない、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項5】
前記ティアスタックが前記光に対して不透明である、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項6】
前記光計測ターゲットが前記被試験デバイスの全ての設計ルールを満たす、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項7】
前記ティアスタック内の前記複数のビアが前記ティアスタックに構造的支持を提供する、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項8】
前記光計測ターゲットが第1の光計測ターゲットであり、前記ビアから前記トレンチまでの前記横方向距離が第1のビアから第1のトレンチまでの第1の横方向距離であり、前記ウェハが、前記ティアスタックを備え、前記トレンチの前記特性を測定するために、前記第2のトレンチの底部への光の到達を促進し、かつ前記第1の横方向距離とは異なる第2のビアから第2のトレンチまでの第2の横方向距離を有する第2の光計測ターゲットを更に備える、請求項1に記載の光計測ターゲットを備えるウェハ。
【請求項9】
被試験デバイスを有するウェハ上の光計測ターゲットを使用して被試験デバイス内のトレンチの特性を測定するように構成された光計測装置であって、光計測ターゲットが、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを備え、各ティアスタックペアが導体層と絶縁体層とを備え、前記ティアスタックが前記ティアスタックを貫通して延伸するトレンチを備え、複数のビアが前記複数のティアスタックペアを貫通して延伸し、ビアから前記トレンチまでの横方向距離が前記トレンチの前記特性の測定のために、前記トレンチの底部への光の到達を促進し、
前記光計測ターゲットに向けられ、前記光計測ターゲットと相互作用する光を生成する光源であって、前記光源によって生成される前記光は、各ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長を有し、前記光のプラズモン共鳴は前記トレンチの前記底部への前記光の到達を促進し、前記光が前記光測定ターゲットに向けられる光源と、
前記光計測ターゲットから戻ってきた前記光を受光する少なくとも1つの検出器と、
前記少なくとも1つの検出器に結合された少なくとも1つのプロセッサであって、前記検出光を使用して前記トレンチの前記特性を測定するように構成されている少なくとも1つのプロセッサとを備える、光計測装置。
【請求項10】
前記被試験デバイスが三次元(3D)NANDであり、前記トレンチがワード線スリットであり、前記導体層がタングステンを含み、前記トレンチの前記特性がタングステンリセス垂直プロファイルを含む、請求項9に記載の光計測装置。
【請求項11】
前記光源によって生成された前記光が複数の入射角、複数の方位角、又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを有する前記光計測装置に向けられ、
前記少なくとも1つのプロセッサが、前記複数の入射角、前記複数の方位角、又は前記これらの組合せのうちの1つに基づいて、前記トレンチの前記特性を測定するために前記検出光を使用するように構成される、請求項9に記載の光計測装置。
【請求項12】
前記光計測ターゲットが第1の光計測ターゲットであり、前記ビアから前記トレンチまでの前記横方向距離が第1のビアから第1のトレンチまでの第1の横方向距離であり、前記被試験デバイスを有するウェハは、前記ティアスタックと、前記第2のトレンチの底部への光の到達を促進し、かつ前記第1の横方向距離とは異なる第2のビアから第2のトレンチまでの第2の横方向距離とを含む第2の光計測ターゲットを備え、
前記光源が、前記第2の光計測ターゲットに向けられ、前記第2の光計測ターゲットと相互作用する光を生成し、前記光源が、前記第2の光計測ターゲット内の各ティアスタックペアにおける前記導体層の前記プラズモン周波数よりも長い波長の光を生成し、前記光の前記プラズモン共鳴が前記第2のトレンチの前記底部への前記光の到達を促進し、
前記少なくとも1つの検出器が前記第2の光計測ターゲットから戻ってきた前記光を受光し、
前記少なくとも1つのプロセッサが前記第2の光計測ターゲットからの前記検出光と前記第1の光計測ターゲットからの前記検出光とを使用して、前記被試験デバイス内の前記トレンチの前記特性を判定するように更に構成される、請求項9に記載の光計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(米国特許法第119条に基づく優先権の主張)
本件特許出願は、米国特許法第119条に基づき、2020年4月17日に出願された「TARGET FOR OPTICAL MEASUREMENT OF TRENCHES」と題する米国仮特許出願第63/011,856号、及び2021年4月15日に出願された「TARGET FOR OPTICAL MEASUREMENT OF TRENCHES」と題する米国非仮特許出願第17/231,508号に対する利益と優先権を主張するものであり、その両方は本譲受人に譲渡されており、参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本明細書で説明する主題の実施形態は、概して、光計測ターゲットに関し、より具体的には、高アスペクト比トレンチにおける特性を監視するためのターゲット設計に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体及び他の同様の産業では、加工中に基板を非接触で評価するために光計測装置が使用されることが多い。光計測では、被試験試料に対して、例えば、単一の波長又は複数の波長の光を照射する。試料と相互作用した後、生じた光を検出、分析して、試料の所望の特性を判定する。
【0004】
光学的に測定が特に困難なタイプの試料の一つに、多くの層が積層されたデバイスがある。例えば、垂直NAND型フラッシュメモリなどの3次元(3D)メモリ技術は、メモリセルの複数の層の積み重ねに依存している。層の数は、メモリの量に直接比例して増加する。したがって、製造業者は、メモリを増やすために層の数を増やしている。チャネルサイズがほぼ同じであるにもかかわらず、層数が増えるため、デバイスのアスペクト比が大きくなる。例として、64層のデバイス構造がある場合、現在の計測システムは、プロセスフローの様々なポイントで、構造の最上部から底部まで寸法情報を得るのに苦心を重ねている。64層を超えるデバイスが、例えば、96層以上になると、計測の問題は更に深刻になり、一部の構造では、従来の光計測では測定することができない。多くの層や高アスペクト比を有するデバイス構造を測定する際の根本的な物理的問題は、光子が構造の底にある特徴に物理的に到達することができない、及び/又は測定のために検出器に戻ることができないことである。
【発明の概要】
【0005】
本明細書で説明する光計測ターゲットは、被試験デバイスのトレンチ底部の特徴を非破壊で光学的に測定するために設計されたものである。例として、トレンチは、三次元(3D)NANDデバイスのワード線(WL)スリットであってもよく、測定される特徴は、WLスリットの底部にあるタングステン(W)リセスであってもよい。トレンチの底部にある特徴を光学的に測定できるようにすることで、トレンチ内の特徴の垂直方向のプロファイルを測定してもよい。計測ターゲットは、被試験デバイスと共に製造され、複数のティアスタックペアを有するティアスタックを含み、各ティアは、例えば、タングステン及び二酸化ケイ素などのそれぞれ導体層及び絶縁体層を含む。トレンチは、複数のティアスタックペアを貫通して延伸する。計測ターゲットは、トレンチや、例えば、W-リセスの限界寸法など被試験デバイスと同じ重要な特徴を持つように設計されているが、それ以外は同じ設計ルールに従いつつも被試験デバイスとは異なる場合がある。計測ターゲットは、ティアスタックを貫通して延伸するビアを含む。ビアは、被試験デバイス内の構造をシミュレートしていない、すなわち、被試験デバイスには、同様のビアが含まれていない。ビアは、WLスリットの底部への光の到達を促進して、トレンチの底部、例えば、W-リセスの特性の測定を可能にするように設計される。例えば、ビアは、プラズモン共鳴として知られるプロセスによって発生する、トレンチの底部への光の到達を促進するトレンチからの横方向距離を考慮して設計されてもよい。製造中にティアスタックを構造的支持を提供するために、複数のビアをティアスタックに含めてもよい。計測ターゲットは、ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長の光、すなわち、導体層の誘電関数のEpsilon_1が負となる光を使用する、例えば、反射測定、エリプソメータ、Mueller Matrixエリプソメータ、フーリエ変換赤外分光法(FTIR)などの光計測装置を使用して測定してもよい。
【0006】
一実装態様では、ウェハは、被試験デバイス内のトレンチの特性を測定するための光計測ターゲットを含み、トレンチは、光がトレンチの底部に到達するのが困難な深さを有する。被試験デバイスは、例えば、3次元(3D)NANDであってもよい。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを含んでもよく、各ティアスタックペアは、導体層と絶縁体層とを含み、ティアスタックは、複数のティアスタックペアを貫通して垂直に延伸するトレンチを含む。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを貫通して延伸する複数のビアを含んでもよい。各ビアは、絶縁側壁を含み、導体材料で充填される。トレンチの特性を測定するための光計測ターゲットのビアからトレンチまでの横方向距離。
【0007】
一実装態様では、ウェハは、トレンチの特性を測定するための光計測ターゲットを含み、トレンチは、光がトレンチの底部に到達するのが困難な深さを有する。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを含んでもよい。ティアスタックは、複数のティアスタックペアを貫通して垂直に延伸するトレンチを含む。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを貫通して延伸する複数のビアを含んでもよい。複数のビアは、トレンチの特性の測定のために、トレンチの底部への光の到達を促進するための手段を含む。
【0008】
一実装形態では、被試験デバイス内のトレンチの特性を測定する方法。この方法は、被試験デバイスを有するウェハ上に光計測ターゲットを生成することを含んでもよい。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを含んでもよく、これらの各々は、導体層と、絶縁体層と、複数のティアスタックペアを貫通して延伸するトレンチとを含む。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを貫通して延伸する複数のビアを含んでもよい。ビアからトレンチまでの横方向距離により、トレンチの特性の測定のために、トレンチの底部への光の到達が促進される。本方法は、光計測ターゲットに焦点を合わせた光計測装置を使用して、各ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長の光を生成することを更に含んでもよく、光のプラズモン共鳴によりトレンチ底部への光の到達が促進される。光計測ターゲットから戻ってきた光は、光計測装置で検出され、トレンチの特性を測定するために使用される。
【0009】
一実装態様では、光計測装置は、被試験デバイスを有するウェハ上の光計測ターゲットを使用して、被試験デバイス内のトレンチの特性を測定するように構成されている。光計測ターゲットは、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを備えてもよく、各ティアスタックペアは、導体層と絶縁体層とを含む。ティアスタックは、ティアスタックを貫通して延伸するトレンチと、複数のティアスタックペアを貫通して延伸する複数のビアとを含み、ビアからトレンチまでの横方向距離が、トレンチの特性の測定のためにトレンチの底部への光の到達を促進する。光計測装置は、光計測ターゲットに向けられ、それと相互作用する光を生成する光源を含んでもよい。光源によって生成される光は、各ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長を有し、光のプラズモン共鳴は、トレンチの底部への光の到達を促進し、光は光計測ターゲットに向けられる。光計測装置は、光計測ターゲットから戻ってきた光を受光する少なくとも1つの検出器を更に含んでもよい。光計測装置は、少なくとも1つの検出器に結合された少なくとも1つのプロセッサを更に含んでもよく、少なくとも1つのプロセッサは、検出光を使用してトレンチの特性を測定するように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】タングステン(W)リセスを含む製造中の3D-NANDデバイス構造の等角側面図及び拡大側面図を示す。
【
図1B】タングステン(W)リセスを含む製造中の3D-NANDデバイス構造の等角側面図及び拡大側面図を示す。
【
図2A】ワード線(WL)スリットのピッチに対して、WLスリットの底部におけるW-リセスの測定の不確かさの増加を示すグラフである。
【
図2B】WLスリットのピッチに対して、WLスリットの底部におけるW-リセスの分光エリプソメトリー(SE)測定での強度の減少を示す。
【
図3A】多数のNANDデバイスとNANDデバイス構造をモデル化した可能な計測ターゲットレイアウトの上面図を示す。
【
図3B】
図3Aに示したNANDデバイスと計測ターゲットレイアウトのSEパラメータに対する生スペクトルシミュレーションを示す。
【
図4】
図3Aに示したNANDデバイス及び計測ターゲットレイアウトにおけるWLスリットの多数の垂直位置におけるW-リセスの測定の不確かさ予測を示すグラフである。
【
図5A】それぞれ、3DNANDデバイスのWLスリットにおける底部W-リセス、したがってW-リセスの垂直プロファイルを測定するために使用することができる計測ターゲットの等角図、断面図、及び拡大図を示す。
【
図5B】それぞれ、3DNANDデバイスのWLスリットにおける底部W-リセス、したがってW-リセスの垂直プロファイルを測定するために使用することができる計測ターゲットの等角図、断面図、及び拡大図を示す。
【
図5C】それぞれ、3DNANDデバイスのWLスリットにおける底部W-リセス、したがってW-リセスの垂直プロファイルを測定するために使用することができる計測ターゲットの等角図、断面図、及び拡大図を示す。
【
図6】ポリシリコンチャネルホールを有する構造とタングステンビアを有する同様の構造について、WLスリットの深さに対する電界強度の違いを4つの異なる波長での二次元周波数領域有限差分(FDFD)シミュレーションにより示したものである。
【
図7A】WLスリットの底部への光の到達を促進するための様々な手段を備えた計測ターゲットの断面平面図を示す。
【
図7B】WLスリットの底部への光の到達を促進するための様々な手段を備えた計測ターゲットの断面平面図を示す。
【
図7C】WLスリットの底部への光の到達を促進するための様々な手段を備えた計測ターゲットの断面平面図を示す。
【
図8】WLスリットからタングステンビアまでの距離に対して、底部W-リセスの測定の不確かさのシミュレーションを示すグラフである。
【
図9A】WLスリット当たり2、3、及び5個のタングステンビアを有するティアスタックの断面図であり、ビアとWLスリット間の各距離は同じである。
【
図9B】
図9Aに示すティアスタックのSEパラメータの生スペクトル比較を示す。
【
図10】シングルモーダル及びマルチモーダル測定について、計測ターゲットのWLスリットの多数の垂直位置におけるW-リセスの測定の不確かさのシミュレーションを示すチャートである。
【
図11A】ビアとWLスリットの間の距離においてオフセットが異なる計測ターゲット案を示す。
【
図11B】
図11Aに示されるティアスタックのSEパラメータの生スペクトル比較を示す。
【
図12】被試験3DNANDデバイスのWLスリット内のW-リセスの垂直プロファイルを測定するために、計測ターゲット案からデータを収集し分析できる光計測装置の概略図を示す。
【
図13】三次元(3D)NANDにおけるWL内のW-リセス垂直プロファイルを測定する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
半導体及び同様のデバイスの製造中に、デバイスを非破壊的に測定することによって製造プロセスを監視する必要がある場合がある。プロセシング中の試料の非接触評価には、光計測が採用されることがある。光学的に測定することが特に困難な試料の1つのタイプは、高アスペクト比のトレンチ、すなわち非常に深く狭いトレンチを有するデバイスである。場合によっては、デバイスの測定に使用される光の波長よりも狭く、不透明な材料の多くの層、例えば、64層、96層、又はそれ以上の層を貫通して延伸してもよいトレンチを有するデバイスが製造されている。現在の計測システムは、64層からなるデバイスの最上部から底部まで寸法情報を得るのに苦心を重ねている。64層を超えるデバイスが、例えば、96層以上になると、計測問題は更に深刻になり、深いトレンチの特性評価など、従来の光計測では不可能な測定も出てくる。多くの層又は高アスペクト比を有するデバイスの根本的な物理的問題は、光子が構造の底部に到達することができない、及び/又は検出器に戻ることができないことである。光の特定の波長を使用して、多層デバイスの透過を補助してもよいが、光の波長を慎重に選択しても、製造中のデバイスのトレンチの底部を測定できないことが分かっている。したがって、本明細書で説明するように、被試験デバイスとして同じ特徴、例えば、トレンチを含み、かつトレンチの底部への光の到達を可能にする特徴をも含む、特殊な光計測ターゲットをトレンチの特性を測定するために採用してもよい。
【0012】
従来の光計測を使用して測定することが困難なトレンチを有するデバイスの一例として、3DNANDデバイスがある。3DNANDデバイスの製造プロセスは複雑であり、多くの堆積、リソグラフィ、エッチング、及び充填ステップを必要とする。3DNANDデバイスの製造中、1つの重要な特徴は、ワード線(WL)スリット内のタングステン(W)リセスであり、デバイスの収率及び性能に直接影響を及ぼす。構造が許容範囲内にあることを保証するために、製造中、特に、重要なプロセスステップ後に構造を測定し評価することが望ましい。現在、3DNANDのWL内のW-リセスの垂直プロファイルを測定できるのは、破壊測定技術のみである。例えば、エッチングバック走査型電子顕微鏡(SEM)及び断面SEM測定などの破壊技術を使用してもよい。しかしながら、これらの技術は破壊的であり、その結果、製造中の重要なプロセスステップのインライン評価には不適切である。
【0013】
本明細書で説明する光計測ターゲットは、3DNANDデバイスのWLなど、デバイスなどにおける高アスペクト比トレンチの様々な深さでの特徴の非破壊光計測を提供するために使用されてもよい。光計測ターゲットを使用して測定することができるトレンチの特徴の一例は、WLスリットの底部におけるW-リセスを含む、NANDデバイスのWL内のW-リセス垂直プロファイルであるが、他の特徴を測定することはできる。本明細書で説明する計測ターゲットは、チップ間のスクライブライン内に配置されてもよいし、場合によってはチップ内に、例えば、チップのアクティブ領域内に配置されてもよい。計測ターゲットは、WLスリット及びW-リセスの寸法などの被試験構造の同じ重要な特徴を考慮して設計されているが、それ以外は同じ設計ルールに従いつつも被試験構造とは異なる場合がある。例えば、3DNANDに使用されるチャネルホールの代わりに、タングステンビアを計測ターゲットに使用してもよい。計測ターゲット内のタングステンビアの位置は、WLスリットの底部への光の到達を促進するように設計される。例えば、計測ターゲットのタングステンビアからWLスリットまでの距離は、WLスリットの底部への光の到達を促進するように選択される。したがって、W-リセスを含むWLスリットの底部における構造を光学的に測定してもよく、それによって、被試験3DNANDのWLにおけるW-リセスの完全な垂直プロファイルを得ることができる。例として、例えば、中赤外線又はそれより長い波長を使用して、反射測定、エリプソメータ、Mueller Matrixエリプソメータ、FTIRなどの光計測装置を使用して、計測ターゲットを測定してもよい。波長がタングステンのプラズモン周波数よりも長い場合、すなわち、誘電関数のEpsilon_1が負である場合、これより短い波長を使用してもよい。
【0014】
図1Aは、例として、製造中の3DNANDデバイス構造100の等角図を示し、
図1Bは、
図1Aのボックス101の拡大図を示し、WLスリット130内のW-リセス構造を示している。
図1A及び
図1Bは、基板102上にタングステン112及び二酸化ケイ素114(又は他のタイプの絶縁材料)の多数の交互層を含むティアスタック110を示し、ハードマスク104は、ティアスタック110の最上面に示されている。二酸化ケイ素114及びタングステン112の各2層は、ティアスタックペアと呼ばれることがあり、フルティアスタック110は、多数の、例えば、256個のティアスタックペアを含む。二酸化ケイ素層114とタングステン層112との間に、タングステン層112の前に堆積される場合がある高K誘電体層及び窒化チタン(TiN)層などの追加の層が存在する場合があることを理解されたい。チャネルホール120は、チャネルCDとして図示される限界寸法を持つ各ティアスタックに形成される。チャネルホール120は、例えば、酸化ケイ素-窒化ケイ素-シリコン酸化物(ONO)122及びポリシリコン側壁122を含んでもよく、酸化ケイ素126で充填される。追加の又は異なる材料、例えば、酸化物ライナなどが存在してもよい。例えば、チャネルホール120内の材料及び層は、製造業者に基づいて変化する場合があることを理解されたい。
【0015】
図示の通り、WLスリット130は、ティアスタック内に存在する。
図1Bから分かるように、WLスリット130内の同じ層レベルでの二酸化ケイ素層114間の距離、すなわち二酸化ケイ素層114におけるWLスリット130の幅は、WL限界寸法(WLCD)と呼ばれることがある。WLスリット130内の同じ層レベルでのタングステン層112間の距離は、リセスCDと呼ばれることがある。タングステンリセス(W-リセス)は、二酸化ケイ素層114に対するWLスリット130のタングステン層112のリセス、例えば、タングステン層112の縁から二酸化ケイ素層114の縁までの距離である。したがって、WLスリット130内の任意の垂直位置でのW-リセスとリセスCDは、WLCDによって関連付けられており、互換的に使用されてもよい。
【0016】
WLスリット130内のW-リセス垂直プロファイルを測定するために、W-リセス(又は同等に、リセスCD)は、WLスリット130内の複数の垂直位置、例えば、底部層142b、第1の中間層142m1、第2の中間層142m2、及び最上層142tで測定される。しかしながら、最上層142tの下のW-リセスの光計測は、犠牲シリコン窒化層(図示せず)がWLスリットの側面から離れて選択的にエッチングされ、例えば、ゲート及び電荷トラップ(図示せず)を生成するために、タングステン層112を生成するためのタングステンを含めて様々な材料で置き換えられるゲートリプレースメントプロセス後に必然的に発生するため、困難である。
【0017】
タングステン層112は、ティアスタック110内の最初の数層を超えて、可視及び近赤外線領域の光、例えば、2500nm未満の光に対して、構造全体を不透明にする。結果として、これらの波長では、例えば、底部W-リセス(層142b)の測定を含めて、W-リセス垂直プロファイルの光計測は、不可能である。中赤外領域及びそれより長い波長(例えば、2500nm超)を用いた光計測により、光の透過性が改善される。しかしながら、3DNANDの規模が大きくなると、WLピッチもティアスタックペア数も両方が増加し、中赤外線を用いた場合、WLスリット底部のW-リセスに対する測定感度が指数関数的に低下してしまう。
【0018】
図2A及び
図2Bは、それぞれ、192ペアのW-リセス構造を有する計測ターゲットにおいて、WLスリット底部のW-リセスを中赤外測定した場合のシミュレーションのグラフと感度曲線である。
図2Aは、WLスリットピッチに対する測定の不確かさ(0シグマ)の増加を示すグラフであり、
図2Bは、波長に対して、分光エリプソメトリー(SE)Cパラメータ測定のスペクトル応答の振幅を示すグラフである。
図2A及び2Bから分かるように、WLスリットピッチが増加すると測定感度は低下し、3DNANDデバイス自体の底部W-リセスの光計測は不可能である。
【0019】
潜在的な計測ターゲットのシミュレーションによれば、計測ターゲットが1μm未満のWLピッチでWLあたり3~4個のチャネルホールを持つか、又はWLCDが、例えば、Process of Record(POR)NANDデバイスのWLCDの2~3倍大きく、1.5μmピッチでWL当たり9個のチャンネルホールを持つかいずれかの場合、構造内の底部W-リセスに対する感度は高い測定感度を示すことが分った。
【0020】
図3Aは、それぞれPORデバイス及びN+1世代(例えば、次のノード)デバイスである、潜在的な計測ターゲット及び3DNANDデバイス構造310及び312用の多数のターゲットレイアウト案302、304、306、及び308の上面図を示す。
図3Bは、
図3Aに示したターゲットとデバイスについて5000nm~12000nmの波長を用いたSEパラメータS、C、及びNの生スペクトルシミュレーションを、
図3Aに示したレイアウトに対応する曲線を識別するために、同じ参照番号を使用して示す。
【0021】
以上のように、ターゲット案302~308の構造は、3DNANDデバイス310及び312の構造と同じであるが、寸法が異なる。例えば、図示するように、PORNANDデバイス構造310は、WL当たり9個のチャネル列と150nmのWLCDを有し、一方、N+1世代NANDデバイス構造312は、WL当たり19個のチャネル列と150nmのWLCDを有する。ターゲット案302は、WL当たり9個のチャネル列で300nmのWLCDを有し、ターゲット案304は、WL当たり7個のチャネル列で450nmのWLCDを有し、ターゲット案306は、4個のチャネル列で150nmのWLCDと800nmのピッチを有し、ターゲット案308は、3個のチャネル列で150nmのWLCDと800nmのピッチを有する。
【0022】
図4は、計測ターゲット302~308とNANDデバイス310~312について、底部W-リセス(
図1Aの142b)、中間部1W-リセス(142m1)、中間部2W-リセス(142m2)、最上部W-リセス(142t)における不確かさ予測(1シグマ)(nm)を示すグラフ400である。以上のように、ターゲット案304、306、及び308の不確かさ予測によれば、底部W-リセスに対してnm未満の不確かさがある。N+1世代デバイス412のWLスリットの底部には本質的に光が到達せず、例えば、不確かさは1μmより大きいことに留意されたい。
【0023】
ターゲット案304、306、及び308には、底部W-リセスに対してnm未満の不確かさがあるが、これらの計測ターゲットは、3DNANDの設計ルールに違反しているので、3DNANDはN+1世代まで(及び3μmに近いピッチまで)スケールアップして製造することができない。デバイスがどのように製造されるかにより、計測ターゲットのWLピッチをより小さくしたり又はWLCDをより大きくしたりすることにより設計ルールを違反すると、計測ターゲットだけでなく、ウェハ上の他のデバイスに不具合を生じさせ、ウェハを破壊する可能性がある。したがって、NANDデバイスの計測ターゲット設計は、NANDデバイスと同じ設計ルールに従う必要がある。例えば、N+1世代NANDデバイス用の計測ターゲットは、N+1世代NANDデバイスと同じピッチ、例えば、約3μmを有する必要があるが、この場合、上記に示したように、底部W-リセスに対して所望の測定感度を得ることはできない。
【0024】
図5A、
図5B、及び
図5Cは、それぞれ、NANDデバイスの設計ルールに従って、3DNANDデバイスのWLスリットの底部の構造を測定するために使用することができる計測ターゲット500の等角図、断面図、及び拡大図を示す。例えば、計測ターゲット500を使用して、底部W-リセス、したがって3DNANDデバイスのWLスリット内のW-リセスの垂直プロファイルを測定してもよい。計測ターゲット500は、例えば、被試験デバイスと共にウェハ上に配置される。計測ターゲット500は、チップ間のスクライブライン内に配置されてもよいし、又はチップ内に、例えば、チップのアクティブ領域内に配置されてもよい。
【0025】
計測ターゲット500は、被試験デバイスと同時に製造され、
図1A及び
図1Bに示すNANDデバイスと類似しており、基板502上にタングステン512と二酸化ケイ素514(又は他のタイプの絶縁材料)の多数の交互層を含むティアスタック510を含み、ティアスタック510の最上面にはハードマスク504が示されている。二酸化ケイ素514とタングステン512の各2層は、ティアスタックペアと呼ばれることがあり、フルティアスタック510は、被試験NANDデバイスと同数のティアスタックペアを含む。二酸化ケイ素層514とタングステン層512との間に、タングステン層512の前に堆積される場合がある高K誘電体層及び窒化チタン(TiN)層などの追加の層が存在する場合があることを理解されたい。計測ターゲット500は、ティアスタック510内にWLスリット530を含む。計測ターゲット500は、同じピッチ及びWLスリットCDなど被試験3DNANDと同じ重要な特徴を考慮して設計され、被試験デバイスと同時に製造される。したがって、タングステン512及び二酸化ケイ素514の層は、被試験デバイス、例えば、
図1A及び
図1Bに示される3DNAND内のタングステン112及び二酸化ケイ素114の層と同じ寸法を有する。計測ターゲット500のスリット530は、同じ寸法を考慮して設計され、被試験NANDデバイス内のWLスリット130と共に製造されるので、計測ターゲット500が動作WLを有する3DNANDではなくても、計測ターゲット500のスリット530は、本明細書ではWLスリット530と呼ばれることを理解されたい。
【0026】
計測ターゲット500は、複数のタングステンビア520を含み、これらは各ティアスタック510内でタングステングレーティングを形成する。
図5Bは、一例として、
図5Aに示す寸法A-Aに沿ったタングステン層512を通る計測ターゲット500の断面平面図を示し、
図5Cは、
図5Aに示すボックス501の拡大図を示し、複数のタングステンビア520を示す。タングステンビア520は、ビアトゥペリフェリー(VtP)構造と呼ばれることもあり、タングステン層512と二酸化ケイ素層514の全ての交互層を貫通して延伸する。タングステンビア520は、二酸化ケイ素の側壁522を含み、タングステンで充填524される。タングステンビア520は、3DNANDデバイス内のチャネルホール120の代わりに使用され、材料又は設計においてチャネルホール120をモデル化することを意図するものではない。言い換えれば、被試験デバイス、例えば、3DNANDデバイスは、光計測ターゲット内の複数のビアに相当するビアを含まない。ビアCDは、チャネルCDのサイズの2~3倍であってもよい。タングステンビア520の数、寸法、及びレイアウトを、設計ルールごとに選択してもよいし、製造中にティアスタック510の構造的支持を提供してもよい。更に、タングステンビア520の設計及び配置は、WLスリット530の底部への光の到達を促進するように、したがって、WLスリット530の底部での測定感度を高めるように選択される。例えば、タングステンビア520の適切な選択と設計が行われれば、底部W-リセスの測定感度を、N+1世代NANDデバイスに対して数桁改善する可能性がある。
【0027】
例えば、
図2B及び
図2Cに示されるように、ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離(D)は、WLスリット530の底部への光の到達を促進するように選択されてもよい。したがって、例えば、ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離(D)を含むタングステンビア520の適切な設計と配置が行われれば、WLスリット530の底部のW-リセスの測定感度が向上し、
図5Aに示す、底部層542b、第1の中間層542m1、第2の中間層542m2、及び最上層542tを含むWLスリット530内の複数の垂直位置で、非破壊光計測が可能である。計測ターゲット500のWLスリット530のパラメータは、被試験3DNANDデバイスのWLスリット130と同じであるため、計測ターゲット500により、被試験3DNADデバイスのW-リセスの垂直プロファイルなどWLスリット130の特徴の光計測が可能になる。WLスリット530の底部に到達する光に基づいて、底部CDなどのWLスリット130の他の特徴を同様に測定することができる。
【0028】
図5A、
図5B、及び
図5Cは、光計測ターゲット500の一部分のみを示しており、光計測ターゲット500は、測定中に同時に照明される同じ設計の多数の追加のビア及びWLスリットを含んでもよいことを理解されたい。例えば、50μm×50μmの光計測ターゲットでは、Y方向に約100個のビア520(
図5Bの上下方向)、及びX方向(
図5Bの左右)に約16個のワード線スリット530が存在してもよい。
【0029】
タングステンビア520は、例えば、被試験デバイスにおいて、チャネルホール及びステアケースの後、しかしWLエッチングの前にビア520をエッチングすることによって製造してもよい。ビア520は最初にエッチングされ、次いで二酸化ケイ素側壁522が生成され、続いてタングステン充填が行われる。
【0030】
例えば、トレンチの底部への光の到達を促進するように設計された、ビアからトレンチまでの距離など、同様の設計を有する計測ターゲットを使用して、3DNANDデバイス以外のデバイス内のトレンチの特性を測定してもよい。光計測ターゲット500などの光計測ターゲットを使用して、3DNANDデバイスのWLスリットなどの被試験デバイス内のトレンチ、又は別のタイプのデバイスのトレンチなどの特性を測定してもよいが、光は、被試験デバイスのトレンチの底部に到達することができない。光計測装置は、複数のティアスタックペアを含むティアスタックを含んでもよく、各ティアスタックペアは、タングステンを含む層などの導体層と二酸化ケイ素を含む層などの絶縁体層とを備える。ティアスタックはまた、WLスリット530などの複数のティアスタックペアを貫通して垂直に延伸するトレンチを含んでもよい。光計測ターゲットは、複数のビア、例えば、複数のティアスタックペアを貫通して延伸するビア520を更に含む。ビアは、例えば、二酸化ケイ素の絶縁側壁を有し、タングステンなどの導体材料で充填されてもよい。ビアからトレンチまでの横方向距離により、トレンチ底部のW-リセス又はW-リセス垂直プロファイルなどのトレンチの特性を測定するための光計測ターゲットのトレンチの底部への光の到達が促進される。
【0031】
図6は、一例として、それぞれ、ポリシリコンチャンネルホールを有する構造(ポリシリコングレーティング)とタングステンビアを有する同様の構造(Wグレーティング)について、WLスリットの深さに対する電界強度の違いを4つの異なる波長(6μm、8μm、10μm、及び12μm)での二次元周波数領域有限差分(FDFD)シミュレーション600と610によりそれぞれ示したものである。シミュレーション600と610で使用された2Dシミュレーション対象の構造は、3μmのピッチを有する256個のティアスタックペア(N+1世代)構造である。シミュレーション600は、WLスリットの中心から300nmのところに100nmの軽度にドープされたポリシリコングレーティングを配置した構造用で、シミュレーション610は、WLの中心から300nmのところに100nmのWグレーティングを配置した構造用である。シミュレーション600と610で使用される2D構造は、実際のデバイスを模倣するように設計されており、例えば、シミュレーション600用構造は、チャネルホール120と同様にポリシリコンでライニングされたチャネルホールを含み、シミュレーション610用構造は、タングステン充填ビア、例えば、ビア520を含む。
【0032】
シミュレーション600で分かるように、ポリシリコンでライニングされたチャネルホールを使用すると、中赤外電界の最大の広がりは、単一波長(8μm)でWLスリットの約半分まで、他の波長ではそれよりも大幅に短くなっている。シミュレーション610によれば、タングステンで充填されたビアを使用した構造では、シミュレーション対象の4つの波長の全てに関して、電界がタングステンでライニングされた構造の底部まで延びていることが分かる。WLスリットに隣接するタングステンビア520Aのグレーティングにより、長波長側で、例えば、中赤外領域以上の波長で、プラズモン共鳴が生じ、WLスリットの底部への光の到達が促進されると考えられる。逆に、シミュレーション600用構造内のポリシリコンは、例えば、誘電関数の実部が常に正であるため、MIR域の全域で波長を吸収し、プラズモン共鳴をサポートしない。結果として、シミュレーション600に示されるように、光は、このような構造のWLスリットの底部に到達することができない。
【0033】
タングステンビア520、特に、WLスリット530に最も近いタングステンビア520Aを含む計測ターゲット500の設計は、WLスリットの底部への光の到達を促進するように選択されてもよい。例えば、公称WLピッチは約3μmであってもよく、ビア直径は300nmであってもよいが、これらの寸法は変化する可能性がある。ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離Dを含む計測ターゲット500の設計は、タングステン112と二酸化ケイ素114の交互層の数、層の厚さ、WLスリット530の深さ、W-リセスの公称サイズなどを含む様々なパラメータに基づいて選択されてもよい。
図7A~
図7Cは、例として、WLスリットの底部への光の到達を促進するための様々な手段を有する計測ターゲット500の断面平面図を示す。例えば、
図7Aに示されるように、ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離Dは、複数のビア520のピッチPを制御することによって選択されてもよい。
図7Bは、ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離Dが、ビア520の数の選択に基づいて選択されてもよいことを示している。
図7Cは、ビア520AとWLスリット530との間の横方向距離Dが、ビア520の数の選択、ピッチPの制御、及びビアCDの制御に基づいて制御されてもよいことを示している。
【0034】
図8は、WLスリットからのタングステンビア520Aまでの横方向距離Dに対して、底部W-リセスの測定の不確かさ(1シグマ)のシミュレーションを示すグラフ800である。
図5A、
図5B、及び
図5Cに示すタングステンビア520の構造を使用して、ビア径と密度を一定とし、ビア間の間隔のみを変化させ、したがってビアからWLまでの距離を変化させてシミュレーションが行われた。グラフ800から分かるように、WLスリットの中心に最も近いタングステンビアを有する計測ターゲットは、底部W-リセスに対する測定感度が最も高かった。例えば、ビアからWLまでの距離Dが約350nmの場合は、ビアからWLまでの距離Dが約950nmの場合よりも底部W-リセスに対する感度が大幅に高く、ビアからWLまでの距離と不確かさとの間には指数関数的な関係が存在する。
【0035】
図9Aは、異なるターゲットからのティアスタックの一部の断面平面図を示し、あるターゲットは2000nmピッチ及び350nmのWLCDでWLスリット当たり2つのタングステンビアを含むティアスタック902を有し、別のターゲットは1000nmピッチ及び350nmのWLCDでWLスリット当たり3つのタングステンビアを含むティアスタック904を有し、更に別のターゲットは、500nmピッチ及び350nmのWLCDでWLスリット当たり5つのタングステンビアを含むティアスタック906を有し、各構造は、ビアからWLスリットまで同じ距離Dを有する。
図9Bは、
図9Aに示されたティアスタックについてのSEパラメータN、C、及びSの生スペクトルの比較を示し、曲線912はティアスタック902のスペクトル曲線を表し、曲線914はティアスタック904のスペクトル曲線を表し、曲線916はティアスタック906のスペクトル曲線を表す。
図9Bから分かるように、異なるティアスタック902、904、及び906のスペクトル曲線は、ぴったり一致する。2つのビアを含むティアスタック902と、3つ及び5つのビアを含むティアスタック904及び906との間で小さなスペクトル差が観察されたが、これはティアスタック構造の最上面における相互作用に起因する可能性がある。
【0036】
図9A及び
図9Bに示すように、WLスリットに垂直なタングステンビアの密度、例えば、WL当たりのビアの数は、底部W-リセスに対する感度、即ち、垂直(Z)方向におけるW-リセスの感度に影響を及ぼさない。したがって、
図6に示す2DFDFDシミュレーションに示されるように、WLスリット530とWLスリット530の両側のビア520Aとの間に光が閉じ込められるという理論が検証されるようである。
【0037】
図10は、シングルモーダル及びマルチモーダル測定について、様々な垂直位置(底部542b、中間部1 542m1、中間部2 542m2、及び最上部542t)におけるW-リセスの測定の不確かさのシミュレーションを示すチャート1000である。具体的には、チャート1000は、方位角0°及びAOI 60°、方位角90°及びAOI 60°、方位角0°及びAOD 30°、複数の方位角(0°及び90°)、複数のAOI(30°及び60°)、及び複数のターゲット(例えば、ビアWL空間において互いに対して約200nmのシフトがプログラムされた計測ターゲットの2つの分離した領域)で行われるSE測定に関して、
図5A、
図5B、及び
図5Cに示すようにタングステンビアを有する計測ターゲットの測定の不確かさ(1シグマ)を示すものである。
図10に示すように、例えば、0°と90°の複数の方位角、及び複数の計測ターゲットを用いることで、それぞれ1.4倍及び1.6倍、不確かさが改善される。
【0038】
図11Aは、互いに対して、ビアからWLスリットまでの距離Dにオフセットがあるティアスタック1102と1104を有する光計測ターゲット上の2つの領域の断面図を示す。例えば、2つの領域間のビアからWLスリットまでの距離Dのオフセットは、約200nm異なってもよく、図示の通り、タングステンビアのピッチを変化させることによって達成される。必要に応じて、ビアからWLスリットまでの距離Dは、
図7A~
図7Cに示されるように、使用されるタングステンビアの数、タングステンビアの配置など、他の方法で変更されてもよい。
図11Bは、
図11Aに示されるティアスタック1102と1104のSEパラメータN、C、及びSの生スペクトルの比較を示し、曲線1112はティアスタック1102のスペクトル曲線を表し、曲線1114はティアスタック1104のスペクトル曲線を表す。
図11Bに示すように、ビアからWLスリットまでの距離Dが変化すると、スペクトル応答が変化する。
図10を参照して説明したように、
図11Aに示したような計測ターゲットの複数の領域を一緒に測定し、マルチモーダルグローバルフィッティングプロセスで使用して、単一の測定フィッティングプロセスと比較して、不確かさが低減した様々な垂直位置でW-リセスを判定してもよい。
【0039】
したがって、測定用のビアからWLスリットまでの距離Dが異なる1つ以上の領域を有する場合があり、かつ被試験3DNANDデバイスの設計ルールを満たす計測ターゲット500を使用して、ビア520AからWLスリットの距離Dなどのタングステンビア520を適切に選択し設計することにより、WLスリットの底部への光の到達が促進され、WLスリットの底部のW-リセスの測定の不確かさ(1シグマ)は、1μm超(
図4に示すように)から1nm未満に改善される可能性があり、これは3桁の改善である。
【0040】
光計測ターゲット、したがって、被試験デバイスを反射測定、エリプソメータ、Mueller Matrixエリプソメータ、FTIRなどの光計測装置を使用して測定してもよい。計測装置は、タングステンのプラズモン周波数よりも長い波長の光、すなわち、誘電関数のEpsilon_1が負となる光を使用してもよい。いくつかの実装態様では、中赤外線又はそれより長い波長を使用してもよいが、タングステンのプラズモン周波数よりも長い波長であれば、より短い波長を使用してもよい。
図12は、例として、3DNANDデバイスのWLスリット内のW-リセス垂直プロファイルなどの被試験デバイス内のトレンチの特性を測定するために、本明細書で説明するように、光計測ターゲットからデータを収集し分析するために使用することのできる光計測装置1200の概略図を示す。底部CDなどのトレンチの他の特徴を光計測ターゲットを使用して同様に判定してもよい。例えば、タングステンのプラズモン周波数よりも長い波長の光を使用して、計測ターゲット500を含む試料1201の、例えば、分光反射率測定、Mueller Matrixエリプソメトリー測定、又はFTIR測定を実行するように、光計測装置1200を構成してもよい。
【0041】
光計測装置1200は、光1212を生成する光源1210を含む。光1212は、例えば、中赤外線又はこれより長いスペクトル領域などの赤外スペクトル領域にあってもよい。例えば、光源1210は、2.5μm~30μmの波長の赤外光を生成してもよい。波長がタングステンのプラズモン周波数よりも長い場合、より短い波長を使用してもよい。光源1210によって生成された光1212は、広い波長域、すなわち広帯域を含んでもよいし、又は単色であってもよい。しかしながら、光計測ターゲットのティアスタックは、光1212に対して不透明であってもよく、したがって、光は、上記で説明したように、ビアの存在及びビアからトレンチまでの距離の適切な選択なしに光計測ターゲットのトレンチの底部に到達することができない。
【0042】
光計測装置1200は、光を集光して受光し、光を試料1201の最上面に斜めに入射するように導く集光光学系1220と1230を含む。光学系1220、1230は、屈折型、反射型、又はこれらの組合せであってもよいし、対物レンズであってもよい。集光光学系は、反射素子として金属やガラス基板に金やアルミニウムをコーティングしたものなど、又は屈折素子としてセレン化亜鉛、シリコン、ゲルマニウム、フッ化マグネシウム、フッ化バリウム、フッ化カルシウムなど、使用する光の波長での使用に適したコーティングを含んでもよいし、又は材料から製造してもよい。
【0043】
反射光は、レンズ1214によって集光されてもよいし、反射光を受光する検出器1250によって受光されてもよい。検出器1250は、1つ又は複数の単一ピクセルの光検出器素子、例えば、赤外光に感度の高い単一ピクセルを有するモノリシックチップを含んでもよい。検出器素子のサイズは、検出器素子の平面でのビームサイズと一致するように選択されてもよい。検出器1250は、光源1210の出力波長域に一致させてもよい。例えば、熱電冷却(TEC)された水銀カドミウムテルル(MCT)検出器を、中赤外スペクトル領域、例えば、約5μm~13μmの波長を生成する光源と共に使用してもよい。低信号レベルには液体窒素冷却MCT検出器を、高反射値でMCT検出器が飽和する可能性のあるアプリケーションには重水素化トリグリシン硫酸ベースの素子(DTSG)を使用してもよい。波長域が約2μm~5μmである実施形態では、セレン化鉛(PbSe)、アンチモン化インジウム(InSb)、又はインジウムガリウムヒ素(InGaAs)ベースの検出器を使用して検出力を高めることができる。
【0044】
光計測装置1200のビーム経路には、1つ又は複数の偏光素子が存在してもよい。例えば、
図1に点線で示すように、光計測装置1200は、試料1201の前のビーム経路に偏光素子1204、及び試料1201の後のビーム経路に偏光素子(アナライザ)1212の一方又は両方を含んでよく(又は全くなくてもよく)、光弾性変調器1205の補償器など1つ又は複数の追加要素を含んでもよい。例えば、セレン化亜鉛のワイヤグリッド偏光板は、検出器1250内の検出素子を励起する前に、ビームの最終状態だけでなく入力偏光状態を制御するために使用してもよい。
【0045】
検出器1250は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、中央処理ユニット、又は他の適切なコンピュータシステム、又は複数のシステムなどの少なくとも1つのプロセッサ1260に結合されていてもよい。1つのプロセッサ、複数の別個のプロセッサ又は複数の連結されたプロセッサが使用されてもよく、それらの全ては、本明細書では、交換可能にプロセッサ1260、少なくとも1つのプロセッサ1260、1つ又は複数のプロセッサ1260と呼ばれることがあることを理解されたい。プロセッサ1260は、好ましくは、光計測装置1200に含まれるか、又はそれに接続されるか、又はその他の方法でそれに関連付けられる。例えば、プロセッサ1260は、例えば、チャックに結合されたステージ1209の動きを制御することによって、試料1201の位置決めを制御してもよい。ステージ1209は、例えば、デカルト(すなわち、X及びY)座標、又は極(すなわち、R及びθ)座標又は2つの何らかの組合せのいずれかで水平方向の運動が可能であってもよい。ステージはまた、Z座標に沿った垂直方向の運動が可能であってもよい。プロセッサ1260は、チャック1208の動作を更に制御して、試料1201を保持又は解放してもよい。プロセッサ1260はまた、検出器1250から得られたデータを収集及び分析してもよい。プロセッサ1260は、データを分析して、W-リセスを含む試料1201の1つ又は複数の物理的特性を判定してもよい。例えば、プロセッサ1260は、光計測ターゲットから測定されたデータと、光計測ターゲット用の1つ又は複数のモデルに基づいた予測データとを比較してもよい。例えば、1つ又は複数の方位角及び/又はAoIでの光計測ターゲットを測定することによって測定データを取得してもよい。モデルのパラメータを変化させ、予測データと測定データを、例えば、線形回帰処理などで比較し、予測データと測定データの間で良好な適合が得られると、その時点で、モデル化されたパラメータは、光計測ターゲットの特性、例えば、W-リセス垂直プロファイルであると判定され、更には被試験NANDデバイスの特性であると判定される。例えば、ビアからWLスリットまでの距離が異なる光計測ターゲットの複数の領域を測定し、マルチモーダルグローバルフィッティングプロセスで使用してもよく、光計測ターゲット内の異なる領域における特性、例えば、W-リセス垂直プロファイルなどの特性であると判定し、更には被試験NANDデバイスの特性であると判定してもよい。
【0046】
メモリ1264を有する少なくとも1つの処理ユニット1262を含むプロセッサ1260、並びに、例えば、ディスプレイ1266及び入力デバイス1268を含むユーザインタフェース。具体化されたコンピュータ可読プログラムコードを有する非一時的コンピュータ使用可能記憶媒体1269は、少なくとも1つのプロセッサに、光計測装置1200を制御させ、本明細書で説明する分析を含む機能を実行させるために、プロセッサ1260によって使用されてもよい。この詳細な説明において説明された1つ又は複数の行為を自動的に実施するためのデータ構造及びソフトウェアコードは、本開示に照らして当業者によって実装され、例えば、処理ユニット1262などのコンピュータシステムによって使用するためのコード及び/又はデータを格納できる任意の装置又は媒体であり得るコンピュータ使用可能記憶媒体1269に格納され得る。コンピュータ使用可能記憶媒体1269は、ディスクドライブ、磁気テープ、コンパクトディスク、及びDVD(デジタル用途ディスク又はデジタルビデオディスク)などの磁気及び光記憶デバイス、フラッシュドライブであってもよいが、これらに限定されない。通信ポート1267はまた、プロセッサ1260をプログラムして本明細書で説明する機能のうちの任意の1つ又は複数を実行するために使用される命令を受信するために使用されてもよく、インターネット又は他のコンピュータネットワークなどの任意のタイプの通信接続を代表してもよい。通信ポート1267は、測定結果に基づいて、試料の製造プロセスステップに関連付けられたプロセスパラメータを調整するために、フィードフォワード又はフィードバックプロセスにおいて、例えば、測定結果及び/又は命令を伴う信号を外部プロセスツールなどの別のシステムに更にエクスポートしてもよい。更に、本明細書で説明する機能は、特定用途向け集積回路(ASIC)又はプログラマブルロジックデバイス(PLD)の回路内で全体的又は部分的に具体化されてもよく、機能は、本明細書で説明されたように動作するASIC又はPLDを作成するために使用され得るコンピュータ理解可能な記述言語で実施されてもよい。データの分析結果は、例えば、試料1201と関連付けられたメモリ1264内に記憶されてもよく、かつ/又は、例えば、ディスプレイ1266、アラーム、又は他の出力デバイスを介してユーザに提供されてもよい。更に、分析結果をプロセス装置にフィードバックし、検出されたマルチパターニングプロセスのばらつきを補正するために適切なパターニングステップを調整してもよい。
【0047】
図13は、三次元(3D)NANDのワード線内のタングステンリセス垂直プロファイルなどの、被試験デバイス内のトレンチの特性を測定する方法を示すフローチャートである。図示されるように、本方法は、被試験デバイスを有するウェハ上の光計測ターゲットを生成することを含む(1302)。光計測ターゲットは複数のティアスタックペアを含むティアスタックを含み、各ティアスタックは導体層と絶縁体層とを備え、ティアスタックはティアスタックを貫通して延伸するトレンチを備え、複数のビアが複数のティアスタックペアを貫通して延伸し、ビアからトレンチまでの横方向距離により、例えば、
図5A、
図5B、
図5Cに示されるように、トレンチの特性を測定するためにトレンチの底部への光の到達が促進される。各ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長の光は、光計測装置1200などの光計測装置を使用して生成され、光計測ターゲット上に集光され、光のプラズモン共鳴により、例えば、
図6に示されるように、トレンチ底部への光の到達が促進される(1304)。例えば、導体層はタングステンを含み、光の波長は2500nmより長くてもよい。いくつかの実装態様では、波長がタングステンのプラズモン周波数よりも長い場合、すなわち、誘電関数のEpsilon_1が負である場合、これより短い波長を使用してもよい。光計測ターゲットから戻ってきた光は光計測装置で検出される(1306)。検出光は、トレンチの特性を測定するために使用される(1308)。
【0048】
いくつかの実装態様では、被試験デバイスが3DNANDであり、トレンチがワード線スリットであり、導体層がタングステンを含み、トレンチの特性にはタングステンリセス垂直プロファイルが含まれる。
【0049】
いくつかの実装態様では、光計測装置で生成された光は、複数の入射角、複数の方位角、又はこれらの組合せのうちの1つで生成されてもよい。トレンチの特性を測定するための検出光は、
図10を参照して説明したように、複数の入射角、複数の方位角、又はこれらの組合せのうちの1つで生成された光であってもよい。
【0050】
いくつかの実装態様では、光計測ターゲットは、第1の光計測ターゲットであり、ビアからトレンチまでの横方向距離は、第1のビアから第1のトレンチまでの第1の横方向距離である。第2の光計測ターゲットは、例えば、第1の光計測ターゲット及び被試験デバイスと同時に製造されてもよい。第2の光計測ターゲットは、ティアスタックと、第2のトレンチの底部への光の到達を促進し、かつ第1の横方向距離とは異なる、第2のビアから第2のトレンチまでの第2の横方向距離とを含む。光計測装置で各ティアスタックペアにおける導体層のプラズモン周波数よりも長い波長の光を生成し、その光を第2の光計測ターゲットに集光することができるが、光のプラズモン共鳴により第2のトレンチの底部への光の到達が促進される。第2の光計測ターゲットから戻ってきた光は、光計測装置で検出される。例えば、
図10及び
図11を参照して説明したように、第2の光計測ターゲットからの検出光を第1の光計測ターゲットからの検出光と共に使用して、被試験デバイスのトレンチの特性を判定してもよい。
【0051】
本発明は、説明目的のために特定の実施形態に関連して例示されているが、本発明はこれに限定されない。本発明の範囲から逸脱することなく、様々な適合及び修正を行ってもよい。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲は、前述の説明に限定されるべきではない。