(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】多層印刷回路基板、その製造方法およびこれを用いた半導体装置
(51)【国際特許分類】
H05K 3/46 20060101AFI20240402BHJP
【FI】
H05K3/46 B
H05K3/46 S
H05K3/46 T
(21)【出願番号】P 2020539785
(86)(22)【出願日】2019-09-20
(86)【国際出願番号】 KR2019012204
(87)【国際公開番号】W WO2020060265
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2020-07-27
【審判番号】
【審判請求日】2023-03-01
(31)【優先権主張番号】10-2018-0113248
(32)【優先日】2018-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0115354
(32)【優先日】2019-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、スン ラク
【合議体】
【審判長】恩田 春香
【審判官】中野 浩昌
【審判官】棚田 一也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-82089(JP,A)
【文献】国際公開第2018/047861(WO,A1)
【文献】特開2017-157666(JP,A)
【文献】特開2010-229356(JP,A)
【文献】特開2005-133055(JP,A)
【文献】特開2017-193614(JP,A)
【文献】特開2015-80882(JP,A)
【文献】特開2016-96281(JP,A)
【文献】特開2015-163694(JP,A)
【文献】特開2008-270697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁パターンおよび金属パターンを含む複数のビルドアップ層を含む樹脂積層体と;
前記樹脂積層体の上面および下面に形成されたレジストパターン層と;を含み、
前記ビルドアップ層に含まれている絶縁パターンの厚さが6μm~8μmであり、
前記絶縁パターンは、
i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;および無機充填材;を含み、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を40重量部~90重量部で含み、120℃~180℃の範囲で2000Pa・s以下の複素粘度を有する金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含み、
下記数式1から計算される当量比が1.4以上である、多層印刷回路基板
:
[数式1]
当量比=前記アミン化合物に含有された総活性水素当量/前記熱硬化性樹脂に含有された総硬化性官能基当量。
【請求項2】
前記絶縁パターンは、
i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物と、前記硬化物間に分散した無機充填材を含む、請求項1に記載の多層印刷回路基板。
【請求項3】
前記熱硬化性樹脂は、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂およびビフェニル系エポキシ樹脂を含む、請求項
1または
2に記載の多層印刷回路基板。
【請求項4】
前記ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂100重量部に対して前記ビフェニル系エポキシ樹脂の含有量が100重量部未満である、請求項
3に記載の多層印刷回路基板。
【請求項5】
前記熱硬化性樹脂は、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂およびビスマレイミド-トリアジン樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂をさらに含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項6】
前記アミン化合物100重量部に対して前記熱硬化性樹脂を400重量部以下で含む、請求項2から
5のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項7】
前記アミン化合物は、2~5個のアミノ基を含む芳香族アミン化合物を含む、請求項2から
6のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂は、(メタ)アクリレート系高分子を含む、請求項2から
7のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項9】
前記(メタ)アクリレート系高分子は、
(メタ)アクリレート系単量体由来の繰り返し単位と(メタ)アクリロニトリル由来の繰り返し単位が含まれているアクリル酸エステル共重合体;またはブタジエン由来の繰り返し単位が含まれているアクリル酸エステル共重合体である、請求項
8に記載の多層印刷回路基板。
【請求項10】
前記(メタ)アクリレート系高分子は、500,000~1,000,000の重量平均分子量を有する、請求項
8または
9に記載の多層印刷回路基板。
【請求項11】
前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して前記無機充填材の含有量が200重量部~500重量部である、請求項2から1
0のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項12】
前記無機充填材は、平均粒径が異なる2種以上の無機充填材を含むことができ、
前記2種以上の無機充填材のうち少なくとも1種が平均粒径が0.1μm~100μmである無機充填材であり、他の1種が平均粒径が1nm~90nmである無機充填材である、請求項2から1
1のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板。
【請求項13】
キャリアフィルムの両面に金属層を積層しパターンを形成する第1段階と;
前記金属層上に絶縁層を積層しパターンを形成する第2段階と;
前記絶縁層上に金属層を積層しパターンを形成する第3段階と;
前記金属層上にレジスト層を積層しパターンを形成する第4段階と;
前記第1段階のキャリアフィルムと金属層を剥離し、剥離された金属層の表面にレジスト層を形成する第5段階と;を含み、
前記絶縁層は、厚さが8μm~10μmである樹脂コーティング金属薄膜を含み、
前記第3段階以降、第2段階および第3段階を1回以上繰り返して進行
し、
前記樹脂コーティング金属薄膜は、
金属箔、および
前記金属箔の少なくとも一面に形成された樹脂硬化物を含み、
前記樹脂硬化物は、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;および無機充填材;を含み、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を40重量部~90重量部で含み、120℃~180℃の範囲で2000Pa・s以下の複素粘度を有する金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり、
下記数式1から計算される当量比が1.4以上である、多層印刷回路基板の製造方法:
[数式1]
当量比=前記アミン化合物に含有された総活性水素当量/前記熱硬化性樹脂に含有された総硬化性官能基当量。
【請求項14】
前記第1段階のキャリアフィルムと金属層との結合力は、前記第2段階の金属層と絶縁層との結合力よりも小さい、請求項1
3に記載の多層印刷回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記樹脂コーティング金属薄膜は、
金属箔、および
前記金属箔の少なくとも一面に形成された樹脂硬化物と、前記樹脂硬化物間に分散した無機充填材を含み、
前記樹脂硬化物は、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物である、請求項1
3または1
4に記載の多層印刷回路基板の製造方法。
【請求項16】
請求項1から1
2のいずれか一項に記載の多層印刷回路基板を含む、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年9月20日付の韓国特許出願第10-2018-0113248号および2019年9月19日付の韓国特許出願第10-2019-0115354号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、薄い厚さを有し、かつ優れた耐久性を有する多層印刷回路基板、その製造方法およびこれを用いた半導体装置に関する。
【背景技術】
【0003】
最近の電子機器は、ますます小型化、軽量化、高機能化している。このために、小型機器を中心としてビルドアップPCB(Build-up Printed Circuit Board)の応用分野が急速に拡大することによって、多層印刷回路基板の使用が急速に増えている。
【0004】
多層印刷回路基板は、平面的配線から立体的な配線が可能であり、特に産業用電子分野では、IC(integrated circuit)、LSI(large scale integration)などの機能素子の集積度向上と共に電子機器の小型化、軽量化、高機能化、構造的な電気的機能統合、組立時間の短縮およびコスト節減などに有利な製品である。
【0005】
最近では、キャリアフィルムのような脱着性コアフィルムを活用したコアレス多層印刷回路基板を通して、より薄い厚さを実現する技術が活発に研究されている。特に、このようなコアレス多層印刷回路基板の内部で使用される絶縁材料としては、主にプリプレグが幅広く使用されている。
【0006】
しかし、絶縁材料としてプリプレグを適用する場合、プリプレグ内部の繊維補強材により多層印刷回路基板の厚さを十分に薄型化しにくい限界があった。また、単純に絶縁材料としての厚さを薄く設定するために繊維補強材を除いた高分子樹脂フィルムのみを適用する場合、脆性が増加してキャリアフィルムの脱着工程時に多層印刷回路基板が破損する限界があった。
【0007】
そこで、プリプレグより薄い厚さを有し、かつ優れた耐久性を有する多層印刷回路基板の開発が要求されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、薄い厚さを有し、かつ優れた耐久性を有する多層印刷回路基板を提供するものである。
また、本発明は、前記多層印刷回路基板の製造方法を提供するものである。
また、本発明は、前記多層印刷回路基板を含む半導体装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、本明細書においては、絶縁パターンおよび金属パターンを含む複数のビルドアップ層を含む樹脂積層体;および前記樹脂積層体の上面および下面に形成されたレジストパターン層;を含み、前記ビルドアップ層に含まれている絶縁パターンの厚さが15μm以下である、多層印刷回路基板を提供する。
【0010】
本明細書においてはまた、キャリアフィルムの両面に金属層を積層しパターンを形成する第1段階と;前記金属層上に絶縁層を積層しパターンを形成する第2段階と;前記絶縁層上に金属層を積層しパターンを形成する第3段階と;前記金属層上にレジスト層を形成する第4段階と;前記第1段階のキャリアフィルムと金属層を剥離し、剥離された金属層の表面にレジスト層を積層しパターンを形成する第5段階と;を含み、前記絶縁層は、厚さが15μm以下である樹脂コーティング金属薄膜を含み、前記第3段階以降、第2段階および第3段階を1回以上繰り返して進行する多層印刷回路基板の製造方法が提供される。
【0011】
本明細書においてはまた、多層印刷回路基板を含む、半導体装置が提供される。
【0012】
以下、発明の具体的な実施形態による多層印刷回路基板、その製造方法およびこれを用いた半導体装置についてより詳細に説明する。
【0013】
I.多層印刷回路基板
発明の一実施形態によれば、絶縁パターンおよび金属パターンを含む複数のビルドアップ層を含む樹脂積層体;および前記樹脂積層体の上面および下面に形成されたレジストパターン層;を含み、前記ビルドアップ層に含まれている絶縁パターンの厚さが15μm以下である、多層印刷回路基板が提供され得る。
【0014】
本発明者らは前記一実施形態の多層印刷回路基板のように、樹脂積層体に含まれているそれぞれのビルドアップ層に含まれている絶縁パターンの厚さを15μm以下に薄型化させることによって、合計5層のビルドアップ層が積層された多層印刷回路基板の厚さを75μm以下、合計7層のビルドアップ層が積層された多層印刷回路基板の厚さを105μm以下に超薄型化できることを実験を通じて確認して発明を完成した。
【0015】
特に、前記一実施形態の多層印刷回路基板では、樹脂積層体の上下面にレジスト層を形成することによって、超薄型化された多層印刷回路基板の製造時にも破れなどの製品破損を防止して優れた耐久性を実現することができる。
【0016】
従来には主に樹脂組成物を製織したガラス繊維に含浸したプリプレグを絶縁層として用いて多層印刷回路基板を製造してきたが、樹脂積層体に含まれているそれぞれのビルドアップ層に含まれている絶縁パターンの厚さが16μm以上に増加しながら、合計5層のビルドアップ層が積層された多層印刷回路基板の厚さが80μm以上、合計7層のビルドアップ層が積層された多層印刷回路基板の厚さが112μm以上に増加する限界があった。
【0017】
(1)樹脂積層体
前記多層印刷回路基板は、絶縁パターンおよび金属パターンを含む複数のビルドアップ層を含む樹脂積層体を含み得る。前記樹脂積層体は2以上、あるいは2~20個のビルドアップ層が積層された形態をなし、パネル(Panel)と称する。前記ビルドアップ層には絶縁パターンおよび金属パターンが含まれ得る。
【0018】
具体的には、前記ビルドアップ層それぞれには絶縁パターンおよび金属パターンが含まれ得、互いに隣接したビルドアップ層に含まれている金属パターンは互いに接触して電気的信号を伝達し得る。
【0019】
前記金属パターンは、後述する多層印刷回路基板の製造方法上、金属層の部分的なエッチングにより得られる金属ブロックを意味する。前記金属パターンに含まれている金属の例としては金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、チタンなどの金属またはこれらの2種以上の混合物を含む合金などが挙げられ、前記金属パターンの厚さは1μm~20μm、または5μm~15μm、または9μm~11μmであり得る。前記金属パターンの厚さが過度に増加する場合、前記金属パターンを形成するために過剰の金属が必要となり、これにより、原料コストが増加して経済的な面において効率性が減少でき、薄型化および高集積化された半導体装置への適用が難しい。
【0020】
前記絶縁パターンは、後述する多層印刷回路基板の製造方法上、絶縁層の部分的なエッチングにより得られる高分子樹脂ブロックを意味する。より具体的には、前記多層印刷回路基板の製造方法上、絶縁層として樹脂コーティング金属薄膜を使用する場合、前記絶縁パターンは、樹脂コーティング金属薄膜に含まれている樹脂コーティング層を意味する。
【0021】
前記絶縁パターンの厚さは15μm以下、または10μm以下、または1μm~15μm、または1μm~10μm、または5μm~10μm、または6μm~8μmであり得る。前記絶縁パターンの厚さが過度に増加する場合、前記絶縁パターンを形成するために過剰の絶縁材料が必要となり、これにより、原料コストが増加して経済的な面において効率性が減少でき、薄型化および高集積化された半導体装置への適用が難しい。
【0022】
前記絶縁パターンに具体的な組成は特に限定されないが、好ましくは、前記絶縁パターンは、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物と、前記硬化物間に分散した無機充填材を含み得る。
【0023】
より具体的には、前記絶縁パターンは、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;および無機充填材;を含み、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を40重量部~90重量部で含み、120℃~180℃の範囲で2000Pa・s以下の複素粘度を有する金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含み得る。
【0024】
前記絶縁パターンではエポキシとアミン硬化剤などで構成された樹脂システムおよび一定含有量の熱可塑性樹脂を導入して樹脂の流れ性を確保するため、樹脂の種類および混合比を最適化する特徴がある。
【0025】
より具体的には、特定アミン硬化剤を使用し、樹脂の硬化反応を容易に制御することができる。さらに具体的には、アミン硬化剤の官能基を調整して樹脂の硬化反応時生じる結合の数を調整することによってモジュラスを低くすることができる。これにより耐クラック性は増加するようになり、同じ引張力または衝撃に対してより安定性を有することができる。
【0026】
前記i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物または前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物のコーティング硬化物のガラス転移温度(Tg)は220℃~240℃を有する。
【0027】
また、前記i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物または前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物のコーティング硬化物は、IPC-TM-650(2.4.18.3)により、Universal Testing Machine(Instron3365)装備を用いて測定したMD方向の引張伸び率が1%以上、または1%~10%、または2%~5%、または3%~4%、または3.6%~3.8%であり得る。
【0028】
すなわち、単分子系からなる樹脂組成物と共に引張テストをした結果、同一厚さで比較した時の破断までの伸び率(elongation)がさらに優れていることを観察することができ、これにより耐クラック性に優れていることを確認することができる。
【0029】
したがって、本発明は、従来の単分子系からなる樹脂コーティング銅箔に比べて同一厚さで比較時耐クラック性に優れ、半導体素子の性能向上に寄与することができる。
【0030】
また、レオメータ最低粘度区間(window)が広くなって流れ性およびパターン充填性に有利になる。好ましくは、金属箔積層工程の温度区間内で、最小粘度を維持する区間(window)を広げることによって樹脂の流れ性を向上させる効果がある。
【0031】
例えば、パターンを埋めるのに適する複素粘度を2000Pa.s以下であると仮定するとき、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の場合、前記粘度条件を満たす温度区間は120℃~180℃で非常に広い。すなわち、積層工程区間内の流れ性が高くパターン充填性に優れ、熱硬化性樹脂組成物がコーティングされた金属薄膜の耐クラック性を向上させることができる。
【0032】
前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、アミン化合物、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、および無機充填材を含み得る。
【0033】
前記成分の含有量が大きく限定されるものではないが、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物から製造される最終製品の物性などを考慮して上述した成分を含み得、これら成分間の含有量比などは後述するとおりである。
【0034】
具体的には、前記熱硬化性樹脂組成物は、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物を含み得る。前記アミン化合物は、アミン硬化剤として使用され得る。
【0035】
この時、前記アミン化合物に含まれている炭素数1~20のアルキル基、炭素数6~20のアリール基、炭素数2~30のヘテロアリール基および炭素数1~20のアルキレン基は、それぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の官能基で置換され得る。
【0036】
前記アミン化合物に含まれたi)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基は強力な電子求引基(Electron Withdrawing Group、EWG)として、前記電子求引基を含むアミン化合物は電子求引基を含まないアミン化合物に比べて反応性が減少し、これから樹脂組成物の硬化反応を容易に制御することができる。
【0037】
したがって、前記アミン化合物によって組成物の硬化反応程度を調整して流動性を向上させて回路パターンの充填性が向上することができる。
【0038】
前記アミン化合物はi)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含み、2~5個のアミン基を含む芳香族アミン化合物であり得る。
【0039】
より具体的には、前記アミン化合物は、下記化学式1~3からなる群から選択される1種以上の化合物を含み得る。
【0040】
【0041】
上記化学式1中、Aは、スルホン基、カルボニル基、または炭素数1~10のアルキレン基であり、X1~X8は、それぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、R1、R1'、R2およびR2'は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、nは1~10の整数であり得る。
【0042】
前記炭素数1~10のアルキレン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、および炭素数2~20のヘテロアリール基はそれぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の官能基で置換され得る。
【0043】
【0044】
上記化学式2中、Y1~Y8は、それぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、R3、R3'、R4およびR4'は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、mは1~10の整数であり、前記炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、および炭素数2~20のヘテロアリール基はそれぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の官能基で置換され得る。
【0045】
【0046】
上記化学式3中、Z1~Z4は、それぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、R5、R5'、R6およびR6'は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、または炭素数2~20のヘテロアリール基であり、前記炭素数1~6のアルキル基、炭素数6~15のアリール基、および炭素数2~20のヘテロアリール基はそれぞれ独立して、ニトロ基、シアノ基およびハロゲン基からなる群から選択される1種以上の官能基で置換され得る。
【0047】
前記アルキル基は、アルカン(alkane)から由来した1価の官能基であり、例えば、直鎖状、分枝状または環状として、メチル、エチル、プロピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシルなどであり得る。前記アルキル基に含まれている一つ以上の水素原子はそれぞれ置換基で置換可能である。
【0048】
前記アルキレン基は、アルカン(alkane)から由来した2価の官能基であり、例えば、直鎖状、分枝状または環状として、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソブチレン基、sec-ブチレン基、tert-ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などであり得る。前記アルキレン基に含まれている一つ以上の水素原子は、それぞれ前記アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0049】
前記アリール基は、アレーン(arene)から由来した1価の官能基であり、例えば、単環式または多環式であり得る。具体的には、単環式アリール基としては、フェニル基、ビフェニル基、テルフェニル基、スチルベニル基などであり得るが、これらに限定されるものではない。多環式アリール基としては、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、クリセニル基、フルオレニル基などであり得るが、これらに限定されるものではない。このようなアリール基のうち一つ以上の水素原子は、それぞれ前記アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0050】
前記ヘテロアリール基は、異種原子としてO、NまたはSを含むヘテロ環基であって、炭素数は特に限定されないが、炭素数2~30であり得る。ヘテロ環基の例としては、チオフェン基、フラン基、ピロール基、イミダゾール基、チアゾール基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、トリアゾール基、ピリジル基、ビピリジル基、トリアジン基、アクリジル基、ピリダジン基、キノリニル基、イソキノリン基、インドール基、カルバゾール基、ベンゾオキサゾール基、ベンゾイミダゾール基、ベンゾチアゾール基、ベンゾカルバゾール基、ベンゾチオフェン基、ジベンゾチオフェン基、ベンゾフラニル基およびジベンゾフラン基などがあるが、これらにのみ限定されるものではない。このようなヘテロアリール基のうち一つ以上の水素原子は、それぞれ前記アルキル基の場合と同様の置換基で置換可能である。
【0051】
前記「置換」という用語は、化合物内の水素原子の代わりに他の官能基が結合することを意味し、置換される位置は水素原子が置換される位置すなわち、置換基が置換可能な位置であれば限定されず、2以上置換される場合、2以上の置換基は互いに同一または異なってもよい。
【0052】
より具体的には、上記化学式1は、下記化学式1-1で表される化合物を含み得る。
[化学式1-1]
【化4】
【0053】
上記化学式1-1中、A、X1~X8、R1、R1'、R2およびR2'、nに対する内容は上記化学式1で上述した内容を含む。
【0054】
上記化学式1-1の具体的な例としては、4,4'-diaminodiphenylsulfone(化学式1-1中、Aはスルホン基、X1~X8、R1、R1'、R2およびR2'はそれぞれ独立して水素原子であり、nは1である。)、bis(4-aminophenyl)methanone(化学式1-1中、Aはカルボニル基、X1~X8、R1、R1'、R2およびR2'はそれぞれ独立して水素原子であり、nは1である。)、4,4'-(perfluoropropane-2,2-diyl)dianiline(化学式1-1中、Aはperfluoropropane-2,2-diyl、X1~X8、R1、R1'、R2およびR2'はそれぞれ独立して水素原子であり、nは1である。)、4,4'-(2,2,2-trifluoroethane-1,1-diyl)dianiline(化学式1-1中、Aは2,2,2-trifluoroethane-1,1-diyl、X1~X8、R1、R1'、R2およびR2'はそれぞれ独立して水素原子であり、nは1である。)などが挙げられる。
【0055】
また、上記化学式2は、下記化学式2-1で表される化合物を含み得る。
[化学式2-1]
【化5】
【0056】
上記化学式2-1中、Y1~Y8、R3、R3'、R4およびR4'、mに対する内容は上記化学式2で上述した内容を含む。
【0057】
上記化学式2-1の具体的な例としては、2,2',3,3',5,5',6,6'-octafluorobiphenyl-4,4'-diamine(化学式2-1中、Y1~Y8はハロゲンとしてフッ素基、R3、R3'、R4およびR4'はそれぞれ独立して水素原子であり、mは1である。)、2,2'-bis(trifluoromethyl)biphenyl-4,4'-diamine(Y2およびY7はそれぞれトリフルオロメチル基であり、Y1、Y3、Y4、Y5、Y6、Y8は水素原子、R3、R3'、R4およびR4'はそれぞれ独立して水素原子であり、mは1である。)などが挙げられる。
【0058】
また、上記化学式3は、下記化学式3-1で表される化合物を含み得る。
[化学式3-1]
【化6】
【0059】
上記化学式3-1中、Z1~Z4、R5、R5'、R6およびR6'に対する内容は上記化学式3で上述した内容を含む。
【0060】
上記化学式3-1の具体的な例としては、2,3,5,6-tetrafluorobenzene-1,4-diamine(化学式3-1中、Z1~Z4はハロゲンとしてフッ素基、R5、R5'、R6およびR6'はそれぞれ独立して水素原子である。)などが挙げられる。
【0061】
前記アミン化合物と樹脂成分(具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との合計)の全体重量に対してアミン化合物の含有量が5重量%~50重量%、または10重量%~20重量%であり得る。前記アミン化合物の含有量が5重量%未満で過度に減少する場合、未硬化が発生し得、前記アミン化合物の含有量が50重量部超過で過度に増加する場合、硬化速度が増加して熱硬化性樹脂組成物の流動性が減少し得、また、未反応のアミン化合物によって熱硬化性樹脂組成物を用いた金属薄膜の機械的物性が低下し得る。
【0062】
一方、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含み得る。
前記熱硬化性樹脂は、ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂およびビフェニル系エポキシ樹脂を含み得る。具体的には、前記ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂100重量部に対して前記ビフェニル系エポキシ樹脂の含有量が100重量部未満、または1重量部~90重量部、または5重量部~80重量部、または10重量部~70重量部、または20重量部~50重量部であり得る。
【0063】
より具体的には、前記ビフェニル系エポキシ樹脂は、下記化学式11で表されるエポキシ樹脂であり得、前記ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂は、下記化学式12で表されるエポキシ樹脂であり得る。
[化学式11]
【化7】
上記化学式11中、
nは、0または1~50の整数である。
[化学式12]
【化8】
上記化学式12中、nは、0または1~50の整数である。
【0064】
前記ジシクロペンタジエン系エポキシ樹脂の具体的な例としては、Nippon kayaku社製のXD-1000が挙げられ、前記ビフェニル系エポキシ樹脂の具体的な例としては、Nippon kayaku社製のNC-3000Hが挙げられる。
【0065】
また、前記熱硬化性樹脂は、ビスマレイミド樹脂、シアネートエステル樹脂およびビスマレイミド-トリアジン樹脂からなる群から選択される1種以上の樹脂をさらに含むことができる。
【0066】
前記ビスマレイミド樹脂は、通常金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物に使用されるものを制限なく使用することができ、その種類は限定されない。好ましい一例としては、前記ビスマレイミド樹脂は、下記化学式13で表されるジフェニルメタン型ビスマレイミド樹脂、下記化学式14で表されるフェニレン型ビスマレイミド樹脂、下記化学式15で表されるビスフェノールA型ジフェニルエーテルビスマレイミド樹脂、および下記化学式16で表されるジフェニルメタン型ビスマレイミドおよびフェニルメタン型マレイミド樹脂のオリゴマーで構成されたビスマレイミド樹脂からなる群から選択される1種以上であり得る。
[化学式13]
【化9】
上記化学式13中、
R
1およびR
2は、それぞれ独立して、H、CH
3またはC
2H
5である。
[化学式14]
【化10】
[化学式15]
【化11】
[化学式16]
【化12】
上記化学式16中、
nは、0または1~50の整数である。
【0067】
また、前記シアネート系樹脂の具体的な例としてシアネートエステル樹脂が挙げられ、通常金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物に使用されるものを制限なく使用することができ、その種類は限定されない。
【0068】
好ましい一例としては、前記シアネートエステル樹脂は、下記化学式17で表されるノボラック型シアネート樹脂、下記化学式18で表されるジシクロペンタジエン型シアネート樹脂、下記化学式19で表されるビスフェノール型シアネート樹脂およびこれらの一部がトリアジン化したプレポリマーが挙げられ、これらは単独あるいは2種以上混合して使用することができる。
[化学式17]
【化13】
上記化学式17中、
nは、0または1~50の整数である。
[化学式18]
【化14】
上記化学式18中、
nは、0または1~50の整数である。
[化学式19]
【化15】
上記化学式19中、
Rは、
【化16】
、または
【化17】
である。
【0069】
より具体的には、上記化学式19のシアネート樹脂はRの種類によって、それぞれビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、ビスフェノールF型シアネート樹脂、またはビスフェノールM型シアネート樹脂であり得る。
【0070】
そして、前記ビスマレイミド樹脂としてはビスマレイミド-トリアジン樹脂などが挙げられ、前記ビスマレイミド-トリアジン樹脂は、通常金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物に使用されるものを制限なく使用することができ、その種類は限定されない。前記ビスマレイミド樹脂の好ましい例としては、DAIWA KASEI社製のBMI-2300などが挙げられる。
【0071】
特に、前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物は、前記アミン化合物100重量部に対して前記熱硬化性樹脂の含有量を400重量部以下で含み、高い含有量で投入されたフィラーによる熱硬化性樹脂の物性変化を防止し、フィラーの影響なしに熱硬化性樹脂がより十分な水準で均一に硬化できるように誘導し、最終的に製造される製品の信頼性が向上することができ、靭性(Toughness)のような機械的物性も増加させることができ、ガラス転移温度を十分に低くすることができる。
【0072】
従来には前記アミン硬化剤100重量部に対して前記熱硬化性樹脂の含有量を400重量部以下で含ませるように、アミン硬化剤を相対的に過量添加した時に、熱硬化性樹脂の過度な硬化によって流動性および成形性が減少する限界があった。しかし、前述したように電子求引基(Electron Withdrawing Group、EWG)を含み、反応性が減少した特定アミン硬化剤を過量に添加しても、硬化剤の反応性の減少によって熱硬化性樹脂の硬化速度が急激に上昇することを抑制することができ、金属薄膜コーティング用樹脂組成物やこれから得られる金属薄膜での長期間保管時にも高い流れ性を示して優れた流動性を有することができる。
【0073】
具体的には、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、前記アミン硬化剤100重量部に対して前記熱硬化性樹脂の含有量が400重量部以下、または150重量部~400重量部、または180重量部~300重量部、または180重量部~290重量部、または190重量部~290重量部、または240重量部~260重量部であり得る。前記アミン硬化剤または熱硬化性樹脂が2種以上の混合物である場合、アミン硬化剤混合物100重量部に対して熱硬化性樹脂混合物の含有量も400重量部以下、または150重量部~400重量部、または180重量部~300重量部、または180重量部~290重量部、または190重量部~290重量部、または240重量部~260重量部であり得る。
【0074】
前記アミン硬化剤100重量部に対して前記熱硬化性樹脂の含有量を400重量部超過で過度に増加する場合、高含量で投入されたフィラーの影響で熱硬化性樹脂がより十分な水準まで均一に硬化することが難しく、最終的に製造される製品の信頼性が減少し得、靭性(Toughness)のような機械的物性も減少し得る。
【0075】
また、前記アミン化合物および樹脂成分(具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の合計)の全体重量に対してエポキシ樹脂の含有量が30重量%~80重量%であり、ビスマレイミド樹脂の含有量が1重量%~20重量%であり得る。好ましくは、前記エポキシ樹脂の含有量は、前記アミン化合物および樹脂成分(具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の合計)の総和に対して35重量%~70重量%であり得る。また、前記ビスマレイミド樹脂の含有量は、前記アミン化合物および樹脂成分(具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の合計)の総和に対して1重量%~10重量%であり得る。
【0076】
前記エポキシ樹脂の使用量が30重量%未満であれば高いTgの実現が難しい問題があり、80重量%を超えると流れ性が悪くなる問題がある。
【0077】
前記ビスマレイミド樹脂の使用量が1重量%未満であれば所望する物性の実現ができない問題があり、20重量%を超えると未反応基が多く耐化学性などの特性に悪影響を及ぼす。
【0078】
一方、前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物は、下記数式1から計算される当量比が1.4以上、または1.4~2.5、または1.45~2.5、または1.45~2.1、または1.45~1.8、または1.49~1.75、または1.6~1.7であり得る。
【0079】
[数式1]
当量比=前記アミン硬化剤に含有された総活性水素当量/前記熱硬化性樹脂に含有された総硬化性官能基当量
【0080】
より具体的には、前記数式1において、前記アミン硬化剤に含有された総活性水素当量は、前記アミン硬化剤の総重量(単位:g)を前記アミン硬化剤の活性水素単位当量(g/eq)で割った値を意味する。
【0081】
前記アミン硬化剤が2種以上の混合物である場合、それぞれの化合物別に重量(単位:g)を活性水素単位当量(g/eq)で割った値を求め、それを合計した値で前記数式1のアミン硬化剤に含有された総活性水素当量を求める。
【0082】
前記アミン硬化剤に含有された活性水素は、アミン硬化剤に存在するアミノ基(-NH2)に含有された水素原子を意味し、前記活性水素が熱硬化性樹脂の硬化性官能基との反応により硬化構造を形成し得る。
【0083】
また、前記数式1において、前記熱硬化性樹脂に含有された総硬化性官能基当量は、前記熱硬化性樹脂の総重量(単位:g)を前記熱硬化性樹脂の硬化性官能基単位当量(g/eq)で割った値を意味する。
【0084】
前記熱硬化性樹脂が2種以上の混合物である場合、それぞれの化合物別に重量(単位:g)を硬化性官能基単位当量(g/eq)で割った値を求め、それを合計した値で前記数式1の熱硬化性樹脂に含有された総硬化性官能基当量を求める。
【0085】
前記熱硬化性樹脂に含有された硬化性官能基は、前記アミン硬化剤の活性水素との反応により硬化構造を形成する官能基を意味し、前記熱硬化性樹脂の種類によって硬化性官能基の種類も変わる。
【0086】
例えば、前記熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合、前記エポキシ樹脂に含有された硬化性官能基はエポキシ基であり、前記熱硬化性樹脂としてビスマレイミド樹脂を用いる場合、前記ビスマレイミド樹脂に含有された硬化性官能基はマレイミド基であり得る。
【0087】
すなわち、前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物が前記数式1から計算される当量比が1.4以上を満たすことは、すべての熱硬化性樹脂に含有された硬化性官能基が硬化反応を起こすことができる程度の十分な水準のアミン硬化剤が含まれていることを意味する。したがって、前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物において前記数式1から計算される当量比が1.4未満に減少する場合、高含量で投入されたフィラーの影響で熱硬化性樹脂がより十分な水準まで均一に硬化することが難しく、最終的に製造される製品の信頼性が減少し、機械的物性も減少する短所がある。
【0088】
一方、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂を含み得る。
前記熱可塑性樹脂は、硬化後、靭性(Toughness)を増加させる効果があり、熱膨張係数および弾性率を低くして金属薄膜の反り(Warpage)を緩和させる役割を果たすことができる。前記熱可塑性樹脂の具体的な例としては、(メタ)アクリレート系高分子が挙げられる。
【0089】
前記(メタ)アクリレート系高分子の例は大きく限定されるものではなく、例えば(メタ)アクリレート系単量体由来の繰り返し単位と(メタ)アクリロニトリル由来の繰り返し単位が含まれるアクリル酸エステル共重合体;またはブタジエン由来の繰り返し単位が含まれるアクリル酸エステル共重合体であり得る。例えば、前記(メタ)アクリレート系高分子は、ブチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリロニトリル、メチルメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの単量体をそれぞれ1重量%~40重量%の範囲内(単量体全体の総重量に対して)で使用して共重合した共重合体であり得る。
【0090】
前記(メタ)アクリレート系高分子は、500,000~1,000,000の重量平均分子量を有することができる。前記(メタ)アクリレート系高分子の重量平均分子量が小さすぎると、硬化後の靭性(Toughnes)の増加や熱膨張率および弾性率の減少に対する効果が減少して技術的に不利であり得る。また、前記(メタ)アクリレート系高分子の重量平均分子量が大きすぎると、流動性を減少させる。
【0091】
本明細書において、重量平均分子量はGPC法によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を意味する。前記GPC法によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量を測定する過程では、通常知られている分析装置と示差屈折率検出器(Refractive Index Detector)などの検出器および分析用カラムを用い、通常適用される温度条件、溶媒、flow rateを適用することができる。前記測定条件の具体的な例として、Polymer Laboratories PLgel MIX-B 300mm長さのカラムを用いてWaters PL-GPC220機器を用いて、評価温度は160℃であり、1,2,4-トリクロロベンゼンを溶媒として使用し、流速は1mL/minの速度で、サンプルは10mg/10mLの濃度で調製した後、200μLの量で供給し、ポリスチレン標準を用いて形成された検定曲線を用いてMwの値を求める。ポリスチレン標準品の分子量は、2,000/10,000/30,000/70,000/200,000/700,000/2,000,000/4,000,000/10,000,000の9種を使用した。
【0092】
前記熱可塑性樹脂の好ましい例としては、Negami chemical industrial Co.,LTD社製のPARACRON KG-3015Pなどが挙げられる。
【0093】
一方、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を40重量部~90重量部で含み得る。好ましくは、前記熱可塑性樹脂は、アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して41重量部~80重量部、または42重量部~70重量部、または42.7重量部~67重量部を含み得る。前記熱可塑性樹脂の含有量が40重量部未満であれば樹脂の流れ性が多すぎて厚さ偏差が増加する問題があり、90重量部超過すると流れ性が少なすぎてパターン充填性が劣る問題がある。
【0094】
また、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、無機充填材を含み得る。
【0095】
前記無機充填材は、通常金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物に使用されるものを制限なく使用することができ、具体的な例としては、シリカ、アルミニウムトリヒドロキシド、マグネシウムヒドロキシド、モリブデンオキシド、ジンクモリブデート、ジンクボレート、ジンクスタネート、アルミナ、クレー、カオリン、タルク、焼成カオリン、焼成タルク、マイカ、ガラス短繊維、ガラス微細パウダーおよび中空ガラスが挙げられ、これらからなる群から選択される1種以上であり得る。
【0096】
前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して前記無機充填材の含有量が200重量部~500重量部、または205重量部~450重量部、または210重量部~400重量部を含み得る。前記無機充填材の含有量が少なすぎると熱膨張係数が増加してリフロー(reflow)工程時反り現象が深刻化し、印刷回路基板の剛性が減少する問題がある。
【0097】
また、前記表面処理された充填材を使用時、ナノ粒径の小さいサイズとマイクロ粒径の大きいサイズを共に使用してパッキング密度(packing density)を高めて充填率を高めることができる。
【0098】
前記無機充填材は、平均粒径が異なる2種以上の無機充填材を含み得る。具体的には、前記2種以上の無機充填材のうち少なくとも1種が平均粒径が0.1μm~100μmである無機充填材であり、他の1種が平均粒径が1nm~90nmである無機充填材であり得る。
【0099】
前記平均粒径が0.1μm~100μmである無機充填材100重量部に対して前記平均粒径が1nm~90nmである無機充填材の含有量が1重量部~30重量部であり得る。
【0100】
前記無機充填材は、耐湿性、分散性を向上させる観点からシランカップリング剤で表面処理されたシリカを使用することができる。
【0101】
前記無機充填材を表面処理する方法は、シランカップリング剤を表面処理剤として用いてシリカ粒子を乾式または湿式で処理する方法を用いることができる。例えば、シリカ粒子100重量部を基準として0.01重量部~1重量部のシランカップリング剤を使用して湿式方法でシリカを表面処理して使用することができる。
【0102】
具体的には、前記シランカップリング剤としては、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシランおよびN-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシランカップリング剤、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシランカップリング剤、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのビニルシランカップリング剤、N-2-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシランヒドロクロリドなどの陽イオンシランカップリング剤およびフェニルシランカップリング剤が挙げられ、シランカップリング剤は単独で使用され得、または必要に応じて少なくとも二つのシランカップリング剤を組み合わせて使用することができる。
【0103】
より具体的には、前記シラン化合物は、芳香族アミノシランまたは(メタ)アクリルシランを含むことができ、前記平均粒径が0.1μm~100μmである無機充填材としては芳香族アミノシランが処理されたシリカを使用することができ、前記平均粒径が1nm~90nmである無機充填材としては(メタ)アクリルシランが処理されたシリカを使用することができる。前記芳香族アミノシランが処理されたシリカの具体的な例としてはSC2050MTO(Admantechs社製)が挙げられ、前記(メタ)アクリルシランが処理されたシリカの具体的な例としてはAC4130Y(Nissan chemical社製)が挙げられる。前記(メタ)アクリルは、アクリルまたはメタクリルを全て含む意味で使用された。
【0104】
そして、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を添加して溶液で使用することができる。前記溶剤としては樹脂成分に対して良好な溶解性を示すものであれば、その種類は特に限定されず、アルコール系、エーテル系、ケトン系、アミド系、芳香族炭化水素系、エステル系、ニトリル系などを使用することができ、これらは単独または2種以上併用した混合溶剤を利用することもできる。
【0105】
また、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、樹脂組成物固有の特性を損なわない限り、その他熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂およびこれらのオリゴマーおよびエラストマーのような多様な高分子化合物、その他難燃性化合物または添加剤をさらに含むこともできる。これらは通常使用されるものから選択されるものであれば特に限定しない。例えば、添加剤としては紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤、光増感剤、顔料、染料、増粘剤、滑剤、消泡剤、分散剤、レベリング剤、光沢剤などがあり、目的に合わせて混合して使用することも可能である。
【0106】
前記その他熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂が挙げられ、前記エポキシ樹脂としてはその種類は限定されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタンエポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、またはこれらの混合物などを使用することができる。
【0107】
具体的には、前記エポキシ樹脂は、下記化学式5で表されるビスフェノール型エポキシ樹脂、下記化学式6で表されるノボラック型エポキシ樹脂、下記化学式7で表されるフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、下記化学式8で表されるテトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、下記化学式9および10で表されるナフタレン型エポキシ樹脂からなる群から選択される1種以上を使用することができる。
[化学式5]
【化18】
上記化学式5中、
Rは、
【化19】
、または
【化20】
であり、
nは、0または1~50の整数である。
【0108】
より具体的には、上記化学式5のエポキシ樹脂はRの種類によって、それぞれビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、またはビスフェノールS型エポキシ樹脂であり得る。
[化学式6]
【0109】
【化21】
上記化学式6中、
Rは、HまたはCH
3であり、
nは、0または1~50の整数である。
【0110】
より具体的には、上記化学式3のノボラック型エポキシ樹脂はRの種類によって、それぞれフェノールノボラック型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂であり得る。
【0111】
【0112】
[化学式8]
【化23】
[化学式9]
【化24】
[化学式10]
【化25】
【0113】
一方、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、上述したアミン化合物を含むことができ、前記アミン化合物以外の追加的な硬化剤をさらに含むこともできる。
【0114】
上述した各成分を混合してコーティング用ワニスを製造し、これを金属箔でコーティングした後、硬化および乾燥する過程により簡単な方法で樹脂コーティング金属薄膜を製造することができる。
【0115】
このような構成を有する前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、レオメータ最低粘度区間が120℃~180℃の範囲で2000Pa・s以下の複素粘度の条件を満たすことができる。
【0116】
すなわち、パターンを埋めるのに適する複素粘度が2000Pa・s以下であると仮定すると、本発明で提示する樹脂組成物の場合、前記粘度条件を満たす温度区間が120℃~180℃で非常に広い。すなわち、積層工程区間内の流れ性が高いため、樹脂積層後の空の空間が発生せずパターン充填性に優れる。
【0117】
前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物は、前記のような優れた樹脂の流れ性を有することによって、金属薄膜とこれを用いて金属積層板を作るか、またはビルドアップ過程で流れ性を確保することができ、微細パターンを容易に満たすことができ、また薄膜の耐クラック性を向上させることができる。
【0118】
前記絶縁パターンとして使用された硬化物の厚さは15μm以下、または10μm以下、または1μm~15μm、または1μm~10μm、または5μm~10μm、または6μm~8μmであり得る。
【0119】
(2)レジストパターン層
前記多層印刷回路基板は、前記樹脂積層体の上面および下面に形成されたレジストパターン層を含み得る。前記レジストパターン層は、開口パターンを有するレジストパターンを含み得る。前記レジストパターンは、後述する多層印刷回路基板の製造方法上、レジスト層の部分的なエッチングにより得られるレジストブロックを意味する。
【0120】
前記レジストパターン層は、前記樹脂積層体の上面および下面に形成されて、超薄型化された多層印刷回路基板の製造時にも破れなどの製品破損を防止して優れた耐久性を実現することができる。
【0121】
前記レジストパターン層に含まれているレジストの例としては、アルカリ可溶性や非熱硬化性の感光性ドライフィルムレジスト(DFR)などが挙げられる。前記レジストパターン層の厚さは1μm~20μm、または5μm~15μm、または9μm~10μmであり得る。
【0122】
II.多層印刷回路基板の製造方法
本発明の他の一実施形態によれば、キャリアフィルムの両面に金属層を積層しパターンを形成する第1段階と;前記金属層上に絶縁層を積層しパターンを形成する第2段階と;前記絶縁層上に金属層を積層しパターンを形成する第3段階と;前記金属層上にレジスト層を形成する第4段階と;前記第1段階のキャリアフィルムと金属層を剥離し、剥離された金属層の表面にレジスト層を積層しパターンを形成する第5段階と;を含み、前記絶縁層は、厚さが15μm以下である樹脂コーティング金属薄膜を含み、前記第3段階以降、第2段階および第3段階を1回以上繰り返して進行する多層印刷回路基板の製造方法を提供する。
【0123】
前記他の一実施形態の多層印刷回路基板の製造方法によって前記一実施形態の多層印刷回路基板を得ることができる。
【0124】
前記多層印刷回路基板の製造方法は、キャリアフィルムを臨時コア層にして、キャリアフィルムの上面および下面にそれぞれ金属層と絶縁層の積層/パターン形成を繰り返した以後、キャリアフィルムを除去することによって単一の工程で2個の樹脂積層体(パネル)を形成することができる。
【0125】
特に、樹脂積層体の製造時、使用される絶縁層として15μm以下の厚さを有する樹脂コーティング金属薄膜を適用することによって、樹脂積層体の総厚さを顕著に減らして、薄型化および高集積化された半導体装置への適用可能性を高めることができる。また、前記樹脂コーティング金属薄膜は、絶縁性を有する樹脂層と共に前記樹脂層表面に金属薄膜を含み、絶縁層を形成した以後に金属層を形成する過程で別途のシード層を導入しなくても容易に金属層を積層することができる。
【0126】
また、前記キャリアフィルムを除去する過程で発生する樹脂積層体の破損を防止するために、キャリアフィルムの除去以前に樹脂積層体上面にレジスト層を形成し、キャリアフィルムを除去した以降にも樹脂積層体の残った上面にレジスト層をさらに形成する2回のレジスト層コーティングにより樹脂積層体の耐久性を向上させることができる。
【0127】
具体的には、前記第1段階は、キャリアフィルムの両面に金属層を積層しパターンを形成する段階である。前記キャリアフィルムは、金属層と絶縁層の積層の支持体となる基材フィルムであって、前記キャリアフィルムの一面およびこれと対向する反対面それぞれに金属層が積層され得る。
【0128】
前記金属層に含まれている金属の例としては、金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、チタンなどの金属またはこれらの2種以上の混合物を含む合金などが挙げられ、前記金属層の厚さは1μm~20μm、または5μm~15μm、または7μm~9μmであり得る。前記金属層の厚さが20μm超過で過度に増加する場合、前記金属層を形成するために過剰の金属が必要となり、これにより、原料コストが増加して経済的な面において効率性が減少でき、薄型化および高集積化された半導体装置への適用が難しい。
【0129】
前記キャリアフィルムの具体的な例は大きく限定されるものではなく、高分子、金属、ゴムなどの有機、無機素材が多様に適用され得る。具体的な例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどのプラスチックフィルムを使用することができる。前記キャリアフィルムの厚さは10μm~100μmであり得る。
【0130】
前記キャリアフィルムの両面に金属層を積層する方法の例としては、前記キャリアフィルムの両面に金属薄膜を形成する段階と;前記金属薄膜上に金属を蒸着させる段階とを含む方法を使用することができる。
【0131】
具体的には、前記キャリアフィルムの両面に金属薄膜を形成する段階では、前記キャリアフィルム表面に金、銀、銅、錫、ニッケル、アルミニウム、チタンなどの金属またはこれらの2種以上の混合物を含む合金などを蒸着する方法が挙げられる。
【0132】
前記蒸着方法の例としては、乾式蒸着工程または湿式蒸着工程が挙げられ、具体的な前記乾式蒸着工程の例としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング方法などが挙げられる。一方、具体的な前記湿式蒸着工程の例としては、多様な金属の無電解メッキなどがあり、より具体的には無電解銅メッキを使用することができる。また、前記蒸着前または後に粗化処理工程をさらに含むことができる。
【0133】
前記金属薄膜上に金属を蒸着させる段階においても上述した蒸着方法を同様に適用できる。
【0134】
前記金属層にパターンを形成する方法の例は大きく限定されるものではないが、例えば、前記金属層上にパターン化された感光性樹脂層を形成する段階と;前記パターン化された感光性樹脂層によって露出した金属層を除去する段階とを含む方法を使用することができる。
【0135】
前記金属層上にパターン化された感光性樹脂層を形成する段階で、前記感光性樹脂層は、パターンが形成された状態で前記金属層上に積層されるか、または積層された以降にパターンが形成され得るが、より好ましくは、前記金属層上に積層された以降にパターンが形成され得る。前記感光性樹脂層の例としては、アルカリ可溶性や非熱硬化性の感光性ドライフィルムレジスト(DFR)などが挙げられる。
【0136】
前記金属層上に感光性樹脂層を形成する方法は大きく限定されず、例えば、感光性ドライフィルムレジストのようなフィルム形状の感光性樹脂を金属層上に積層させる方法、またはスプレーやディッピング方法で感光性樹脂組成物を金属層上にコーティングし、圧着する方法などを使用することができる。
【0137】
前記金属層上にパターン化された感光性樹脂層を形成する段階は、前記金属層上に形成された感光性樹脂層を露光およびアルカリ現像する段階を含み得る。この場合、前記感光性樹脂層を金属層に対する保護層、またはパターニングマスクとして使用することができる。
【0138】
前記金属層上に形成された感光性樹脂層を露光およびアルカリ現像する段階で、前記金属層上に形成された感光性樹脂層の厚さは3μm~60μm、または5μm~30μmであり得る。前記感光性樹脂層の厚さが60μm超過で過度に増加する場合、解像度が減少することができる。
【0139】
前記感光性樹脂層を露光する方法の例は大きく限定されるものではないが、例えば、前記感光性樹脂層に所定のパターンの形成されたフォトマスクを接触し紫外線を照射するか、マスクに含まれている所定のパターンをプロジェクション対物レンズを通してイメージングした後、紫外線を照射するか、またはレーザダイオード(Laser Diode)を光源に使用して直接イメージングした後、紫外線を照射するなどの方式などを通して選択的に露光することができる。この時、紫外線照射条件の例としては、5mJ/cm2~600mJ/cm2の光量で照射することが挙げられる。
【0140】
また、前記感光性樹脂層を現像する方法の例としては、アルカリ現像液を処理する方法が挙げられる。前記アルカリ現像液の例は大きく限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アミン類などのアルカリ水溶液を使用することができ、好ましくは30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を使用することができる。前記アルカリ現像液の具体的な使用量は、特に限定されない。
【0141】
前記感光性樹脂層パターンによって露出した金属層を除去する段階で、前記感光性樹脂パターンは、金属層にパターンを形成するためのレジストの役割に使用される。したがって、前記感光性樹脂層パターンによって露出した金属層とは、表面で感光性樹脂層と接触しない金属層部分を意味する。
【0142】
具体的には、前記感光性樹脂層パターンによって露出した金属層を除去する段階は、エッチング液がパターンが形成された感光性樹脂層を通過して金属層に接触する段階を含み得る。
【0143】
前記エッチング液は、金属層の種類によって選択され、感光性樹脂層に影響を与えない物質を使用することが好ましい。
【0144】
前記第2段階は、前記金属層上に絶縁層を積層しパターンを形成する段階である。第2段階で、金属層は第1段階を経た後にパターンが形成された金属層を意味する。
【0145】
前記金属層上に形成される絶縁層は、厚さが15μm以下である樹脂コーティング金属薄膜を含み得る。具体的には、前記樹脂コーティング金属薄膜の厚さは15μm以下、または10μm以下、または1μm~15μm、または1μm~10μm、または5μm~10μm、または8μm~10μmであり得る。前記樹脂コーティング金属薄膜の厚さが過度に増加する場合、前記絶縁層を形成するために過剰の絶縁材料が必要となり、これにより、原料コストが増加して経済的な面において効率性が減少でき、薄型化および高集積化された半導体装置への適用が難しい。
【0146】
前記樹脂コーティング金属薄膜は、金属箔、および前記金属箔の少なくとも一面に形成された樹脂硬化物と、前記樹脂硬化物間に分散した無機充填材を含み、前記樹脂硬化物は、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;および熱可塑性樹脂;を含む硬化物であり得る。
【0147】
また、前記樹脂コーティング金属薄膜は、金属箔、および前記金属箔の少なくとも一面に形成された樹脂硬化物を含み、前記樹脂硬化物は、i)スルホン基、カルボニル基、ハロゲン基、ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキル基、ii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数6~20のアリール基、iii)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数2~30のヘテロアリール基、およびiv)ニトロ基、シアノ基またはハロゲン基で置換または非置換された炭素数1~20のアルキレン基からなる群から選択される1種以上の官能基を1以上含むアミン化合物;熱硬化性樹脂;熱可塑性樹脂;および無機充填材;を含み、前記アミン化合物および熱硬化性樹脂の総和100重量部に対して、前記熱可塑性樹脂を40重量部~90重量部で含み、120℃~180℃の範囲で2000Pa・s以下の複素粘度を有する金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の硬化物であり得る。
【0148】
前記金属箔は、銅箔;アルミ箔;ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-錫合金、ニッケル-鉄合金、鉛または鉛-錫合金を中間層とし、この両面に互いに異なる厚さの銅層を含む3層構造の複合箔;またはアルミニウムと銅箔を複合した2層構造の複合箔を含む。
【0149】
好ましい一実施形態によれば、本発明に使用される金属箔は、銅箔やアルミ箔が用いられ、約2μm~200μmの厚さを有するものを使用できるが、その厚さは約2μm~35μmであることが好ましい。好ましくは、前記金属箔としては銅箔を使用する。また、本発明によると金属箔としてニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-錫合金、ニッケル-鉄合金、鉛、または鉛-錫合金などを中間層とし、その両面に0.5μm~15μmの銅層と10μm~300μmの銅層を設けた3層構造の複合箔またはアルミニウムと銅箔を複合した2層構造複合箔を使用することもできる。
【0150】
前記樹脂硬化物の厚さは15μm以下、または10μm以下、または1μm~15μm、または1μm~10μm、または5μm~10μm、または6μm~8μmであり得る。このような硬化物は、金属箔上に厚さが薄く形成されても、金属箔に対して優れた熱的、機械的物性を示すことができる。前記硬化物の厚さが特定の数値ほど増加または減少する場合樹脂コーティング金属薄膜から測定される物性も一定の数値ほど変化することができる。
【0151】
一方、前記樹脂硬化物に対する内容は、前記一実施形態で上述した内容を全て含む。
【0152】
前記樹脂コーティング金属薄膜は、金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物を金属薄膜にコーティングする段階と;前記金属薄膜にコーティングされた熱硬化性樹脂組成物を硬化する段階と;を含んで形成することができる。
【0153】
前記一実施形態で金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物に対して上述した各成分を混合してコーティング用ワニスを製造し、これを金属箔にコーティングした後、硬化および乾燥する過程により簡単な方法で樹脂コーティング金属薄膜を製造することができる。
【0154】
また、樹脂の硬化反応を調整して積層工程の温度区間内の最小粘度が維持する区間を長くする。好ましくは、前記硬化条件は、180℃~250℃の温度で1時間~4時間行われ得る。
【0155】
また、前記金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物を金属箔にコーティングする方法は大きく制限されず、この分野でよく知られたコーティング方法が用いられる。
【0156】
一例として、金属箔に金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物をコーター装置に入れ、一定の厚さでコーティングする方法が用いられる。前記コーター装置は、コンマコーター、ブレードコーター、リップコーター、ロッドコーター、スクイズコーター、リバースコーター、トランスファーロールコーター、グラビアコーターまたはスプレーコーターなどが用いられる。
【0157】
また、流れ性評価のためにキャリアフィルムを使用することができ、前記キャリアフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどのプラスチックフィルムを使用することができる。
【0158】
一方、前記コーティングに使用されるワニスは、熱硬化性樹脂組成物に溶剤を添加した状態であり得る。前記樹脂ワニス用溶剤は、前記樹脂成分と混合可能であり、良好な溶解性を有するものであれば特に限定しない。これらの具体的な例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンおよびシクロヘキサノンなどのケトン、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族ハイドロカーボン、およびジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドなどのアミド、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどの脂肪族アルコールなどがある。
【0159】
一方、前記絶縁層にパターンを形成する方法の例は大きく限定されるものではないが、例えば、レーザを用いた加工方式で、CO2またはYAGレーザドリルを使用することができる。
【0160】
前記第3段階は、前記絶縁層上に金属層を積層しパターンを形成する段階である。第3段階で、絶縁層は第2段階を経た後にパターンが形成された絶縁層を意味する。
【0161】
前記絶縁層上に金属層を形成しパターンを形成する具体的な方法は、前記第1段階と同様である。
【0162】
一方、前記第3段階以降、第2段階および第3段階を1回以上繰り返して進行することができる。すなわち、前記第3段階を進行してから、再び第2段階を進行した後、第3段階を進行する1回の繰り返し工程を進行することができる。第2段階と第3段階を複数回繰り返して進行することによって、樹脂積層体内には多層のビルドアップフィルムを積層することができる。
【0163】
前記第4段階は、前記金属層上にレジスト層を形成する段階である。上述のようにキャリアフィルムを除去する第5段階で発生する樹脂積層体の破損を防止するために、キャリアフィルムの除去前である第4段階で樹脂積層体上面にレジスト層を形成して樹脂積層体の耐久性を向上させることができる。
【0164】
前記レジスト層の例としては、アルカリ可溶性や非熱硬化性の感光性ドライフィルムレジスト(DFR)などが挙げられる。前記レジスト層の厚さは1μm~20μm、または5μm~15μm、または9μm~10μmであり得る。
【0165】
前記第5段階は、前記第1段階のキャリアフィルムと金属層を剥離し、剥離された金属層の表面にレジスト層を積層しパターンを形成する段階である。
【0166】
特に、前記第1段階のキャリアフィルムと金属層との結合力は、前記第2段階の金属層と絶縁層との結合力よりも小さく、前記キャリアフィルムの一面に金属層を接着した後でもこれらの物理的剥離が可能で、キャリアフィルムを容易に除去することができる。これは、前記絶縁層に使用される絶縁材料の成分上特徴によって、前記絶縁層の金属に対する接着力が向上したためである。
【0167】
前記剥離された金属層表面にはレジスト層を積層でき、前記レジスト層の例としては、アルカリ可溶性や非熱硬化性の感光性ドライフィルムレジスト(DFR)などが挙げられる。前記レジスト層の厚さは1μm~20μm、または5μm~15μm、または9μm~10μmであり得る。
【0168】
前記レジスト層を積層した後には、前記レジスト層にパターンを形成することができる。前記パターンを形成するレジスト層は、樹脂積層体の上面および下面に含まれているすべてのレジスト層またはこのうち少なくとも一つであり得る。
【0169】
前記レジスト層にパターンを形成する方法の例としては、露光およびアルカリ現像が挙げられる。前記レジスト層を露光する方法の例は大きく限定されるものではないが、例えば、前記レジスト層に所定のパターンの形成されたフォトマスクを接触し紫外線を照射するか、マスクに含まれている所定のパターンをプロジェクション対物レンズを通してイメージングした後、紫外線を照射するか、またはレーザダイオード(Laser Diode)を光源に使用して直接イメージングした後、紫外線を照射するなどの方式などを通して選択的に露光することができる。この時、紫外線照射条件の例としては、5mJ/cm2~600mJ/cm2の光量で照射することが挙げられる。
【0170】
また、前記レジスト層を現像する方法の例としては、アルカリ現像液を処理する方法が挙げられる。前記アルカリ現像液の例は大きく限定されるものではないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、燐酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、アンモニア、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、アミン類などのアルカリ水溶液を使用することができ、好ましくは30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を使用することができる。前記アルカリ現像液の具体的な使用量は、特に限定されない。
【0171】
III.半導体装置
本発明のさらに他の一実施形態によれば、前記一実施形態の多層印刷回路基板を含む半導体装置を提供する。前記半導体装置に含まれている多層印刷回路基板に対する内容は、前記一実施形態で上述した内容を全て含む。
前記多層印刷回路基板は公知の方法によって半導体装置に導入することができ、前記多層印刷回路基板が超薄型化および強い耐久性を有しているので、薄型化および高集積化された半導体装置にも適用可能である。
【発明の効果】
【0172】
本発明によれば、薄い厚さを有し、かつ優れた耐久性を有する多層印刷回路基板、その製造方法およびこれを用いた半導体装置が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0173】
【
図1】実施例1の多層印刷回路基板の製造工程を概略的に示す図である。
【実施例】
【0174】
発明を下記の実施例でより詳しく説明する。ただし、下記の実施例は本発明を例示するものに過ぎず、本発明の内容がこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0175】
<製造例:絶縁層の製造>
製造例1:樹脂コーティング銅箔
(1)金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の製造
下記表1の組成により、各成分をメチルエチルケトンに固形分40%に合わせて投入して混合した後、400rpmの速度で1日常温で攪拌し、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)を用いて粘度調整および脱泡を行い、金属薄膜コーティング用樹脂組成物(樹脂ワニス)を製造した。
【0176】
(2)樹脂コーティング銅箔の製造
コンマコーターで前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物を銅箔(厚さ2μm、Mitsui社製)にコーティング(コーティング厚さ:6μm)した後、220℃および35kg/cm2の条件で100分間硬化した。次いで、17cmx15cm大きさで裁断して、製造例1の樹脂コーティング銅箔を製作した。
【0177】
製造例2:樹脂コーティング銅箔
(1)金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の製造
下記表1の組成により、各成分をメチルエチルケトンに固形分40%に合わせて投入して混合した後、400rpmの速度で1日常温で攪拌し、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)を用いて粘度調整および脱泡を行い、金属薄膜コーティング用樹脂組成物(樹脂ワニス)を製造した。
【0178】
(2)樹脂コーティング銅箔の製造
コンマコーターで前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物を銅箔(厚さ2μm、Mitsui社製)にコーティング(コーティング厚さ:8μm)した後、220℃および35kg/cm2の条件で100分間硬化した。次いで、17cmx15cm大きさで裁断して、製造例2の樹脂コーティング銅箔を製作した。
【0179】
製造例3:プリプレグ
(1)熱硬化性樹脂組成物の製造
下記表1の組成により、各成分をメチルエチルケトンに固形分40%に合わせて投入して混合した後、400rpmの速度で1日常温で攪拌し、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)を用いて粘度調整および脱泡を行い、金属薄膜コーティング用樹脂組成物(樹脂ワニス)を製造した。
【0180】
(2)プリプレグの製造
前記攪拌したワニスを製織したガラス繊維(Glass Fabric)(厚さ12μm、旭硝子社製)に含浸させた後、180℃の温度で2~5分間熱風乾燥して、16μm厚さのプリプレグを製造した。
【0181】
製造例4:プリプレグ
(1)熱硬化性樹脂組成物の製造
下記表1の組成により、各成分をメチルエチルケトンに固形分40%に合わせて投入して混合した後、400rpmの速度で1日常温で攪拌し、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)を用いて粘度調整および脱泡を行い、金属薄膜コーティング用樹脂組成物(樹脂ワニス)を製造した。
【0182】
(2)プリプレグの製造
前記攪拌したワニスを製織したガラス繊維(Glass Fabric)(厚さ12μm、旭硝子社製)に含浸させた後、180℃の温度で2~5分間熱風乾燥して、18μm厚さのプリプレグを製造した。
【0183】
【0184】
製造例5および製造例6:樹脂コーティング銅箔
(1)金属薄膜コーティング用熱硬化性樹脂組成物の製造
下記表2の組成により、各成分をメチルエチルケトンに固形分40%に合わせて投入して混合した後、400rpmの速度で1日常温で攪拌し、ロータリーエバポレーター(rotary evaporator)を用いて粘度調整および脱泡を行い、金属薄膜コーティング用樹脂組成物(樹脂ワニス)を製造した。
【0185】
(2)樹脂コーティング銅箔の製造
コンマコーターで前記金属薄膜コーティング用樹脂組成物を銅箔(厚さ2μm、Mitsui社製)にコーティング(コーティング厚さ:6μm)した後、220℃および35kg/cm2の条件で100分間硬化した。次いで、17cmx15cm大きさで裁断して、製造例5および製造例6の樹脂コーティング銅箔を製作した。
【0186】
【0187】
製造例1および製造例5の樹脂コーティング銅箔で銅箔をエッチングして除去した後、レオメータにより粘度を測定した(温度に応じた粘度測定条件、昇温速度5℃/min、周波数:10Hz)。
【0188】
その結果、製造例1においての樹脂層は、複素粘度が2000Pa・s以下である温度区間が120~180℃である反面、製造例5における樹脂層は、複素粘度が2000Pa・s以下である温度区間はなかった。
【0189】
また、製造例1および製造例6においての樹脂コーティング銅箔で銅箔をエッチングして除去した後、IPC-TM-650(2.4.18.3)により、Universal Testing Machine(Instron3365)装備を用いてMD方向の引張伸び率を測定した。
【0190】
その結果、製造例1においての樹脂層は引張伸び率が3.8%である反面、製造例6においての樹脂層は引張伸び率が0.9%で、実施例に比べて非常に低く測定されることを確認することができた。
【0191】
<実施例:多層印刷回路基板の製造>
実施例1
下記
図1に示すように、次の工程順序により多層印刷回路基板を製造した。
【0192】
<1>50~100μm厚さのキャリアフィルムCの両面に5μm厚さの極薄銅箔(M0、MO')をラミネートした。
【0193】
<2>以降、前記極薄銅箔M0の表面にアルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用して銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して9μm厚さの銅箔層M1を形成した。
【0194】
前記銅箔層M1上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M1をエッチングにより除去してパターンを形成した。以降、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去した。
【0195】
前記銅箔層M1上に絶縁層D12として前記製造例1で得られた8μm厚さの樹脂コーティング銅箔をラミネートした。この時、前記樹脂コーティング銅箔の樹脂層を銅箔層M1と接着させた。
【0196】
その後、前記絶縁層D12を200℃の温度で1時間熱硬化させた後、CO2レーザドリルを用いてエッチングしてビアホールを形成した。
【0197】
その後、前記ビアホール表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用して銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して7μm厚さの銅箔層M2を形成した。
【0198】
前記銅箔層M2上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M2をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去した。
【0199】
その後、前記銅箔層M2上に絶縁層D23として前記製造例2で得られた10μm厚さの樹脂コーティング銅箔をラミネートした。この時、前記樹脂コーティング銅箔の樹脂層を銅箔層M2と接着させた。
【0200】
その後、前記絶縁層D23を200℃の温度で1時間熱硬化させた後、CO2レーザドリルを用いてエッチングしてビアホールを形成した。
【0201】
その後、前記ビアホール表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用してチタニウム(Ti)金属を50nm、銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して9μm厚さの銅箔層M3を形成した。
【0202】
前記銅箔層M3上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M3をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去して、第1パネルPN-1を製造した。
【0203】
前記極薄銅箔MO'表面にも前記第1パネルと同様の方法で、銅箔層M1'、絶縁層D12'、銅箔層M2'、絶縁層D23'、銅箔層M3'が順次に積層された第2パネルPN-2を形成した。
【0204】
<3>前記第1パネルPN-1表面に9μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)(SR BTM)を110℃でラミネートした。前記第2パネルPN-2表面にも9μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)(SR BTM')を110℃でラミネートした。
【0205】
<4>極薄銅箔M0とキャリアフィルム(C)を分離してキャリアフィルムを除去した。
【0206】
<5>前記第1パネルPN-1表面の極薄銅箔MOをエッチングして除去し、9μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)(SR TOP)を110℃でラミネートした。
【0207】
<6>前記感光性ドライフィルムレジスト(SR TOP)上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジスト(SR TOP)を現像して、一定のパターンを形成した。
【0208】
感光性ドライフィルムレジスト(SR BTM)にも同様の方法で、一定のパターンを形成して多層印刷回路基板を製造した。
【0209】
<7>第2パネルPN-2に対しても、前記<5>~<6>の工程を進行して、多層印刷回路基板を製造した。
【0210】
実施例2
次の工程順序により多層印刷回路基板を製造した。
【0211】
<1>前記実施例1の<1>と同様の方法で進行した。
【0212】
<2>前記極薄銅箔M0表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用して銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して9μm厚さの銅箔層M1を形成した。
【0213】
前記銅箔層M1上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M1をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去した。
【0214】
前記銅箔層M1上に絶縁層D12として前記製造例1で得られた8μm厚さの樹脂コーティング銅箔をラミネートした。この時、前記樹脂コーティング銅箔の樹脂層を銅箔層M1と接着させた。
【0215】
その後、前記絶縁層D12を200℃の温度で1時間熱硬化させた後、CO2レーザドリルを用いてエッチングしてビアホールを形成した。
【0216】
その後、前記ビアホール表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用して銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して8μm厚さの銅箔層M2を形成した。
【0217】
前記銅箔層M2上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M2をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去した。
【0218】
前記銅箔層M2上に絶縁層D23として前記製造例1で得られた8μm厚さの樹脂コーティング銅箔をラミネートした。この時、前記樹脂コーティング銅箔の樹脂層を銅箔層M2と接着させた。
【0219】
その後、前記絶縁層D23を200℃の温度で1時間熱硬化させた後、CO2レーザドリルを用いてエッチングしてビアホールを形成した。
【0220】
その後、前記ビアホール表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用して銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して8μm厚さの銅箔層M3を形成した。
【0221】
前記銅箔層M3上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M3をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去した。
【0222】
その後、前記銅箔層M3上に絶縁層D34として前記製造例2で得られた10μm厚さの樹脂コーティング銅箔をラミネートした。この時、前記樹脂コーティング銅箔の樹脂層を銅箔層M3と接着させた。
【0223】
その後、前記絶縁層D34を200℃の温度で1時間熱硬化させた後、CO2レーザドリルを用いてエッチングしてビアホールを形成した。
【0224】
その後、前記ビアホール表面に、アルゴンと酸素の混合ガスを蒸着装備に供給しながらスパッタリング法を使用してチタニウム(Ti)金属を50nm、銅(Cu)金属を0.5μm厚さに蒸着してシード層(seed layer)を形成し、電解メッキを通して9μm厚さの銅箔層M4を形成した。
【0225】
前記銅箔層M4上に15μm厚さの感光性ドライフィルムレジストKL1015(コーロンインダストリー社製)を110℃でラミネートし、前記感光性ドライフィルムレジスト上に直径が30μmの円形のネガ型フォトマスクを接触させ、紫外線を照射(25mJ/cm2の光量)した後、30℃、1%炭酸ナトリウム現像液を通して前記感光性ドライフィルムレジストを現像した。この時、露出した銅箔層M4をエッチングにより除去してパターンを形成した。その後、50℃温度の3%水酸化ナトリウムレジスト剥離液を使用して残っている感光性ドライフィルムレジストを除去して、第1パネルPN-1を製造した。
【0226】
前記極薄銅箔MO'表面にも前記第1パネルと同様の方法で、銅箔層M1'、絶縁層D12'、銅箔層M2'、絶縁層D23'、銅箔層M3'、絶縁層D34'、銅箔層M4'が順次に積層された第2パネルPN-2を形成した。
【0227】
<3>~<7>前記実施例1の<3>~<7>と同様の方法で進行した。
【0228】
<比較例:多層印刷回路基板の製造>
比較例1
前記実施例1の工程<2>で、絶縁層D12として製造例1で得られた8μm厚さの樹脂コーティング銅箔の代わりに前記製造例3で得られた16μm厚さのプリプレグ(PPG)を使用し、絶縁層D23として製造例2で得られた10μm厚さの樹脂コーティング銅箔の代わりに前記製造例4で得られた18μm厚さのプリプレグ(PPG)を使用し、多層積層体の各層の厚さを下記表3の通り変更したことを除いて前記実施例1と同様の方法で、多層印刷回路基板を製造した。
【0229】
比較例2
前記実施例2の工程<2>で、絶縁層D12および絶縁層D23として製造例1で得られた8μm厚さの樹脂コーティング銅箔の代わりに前記製造例4で得られた18μm厚さのプリプレグ(PPG)を使用し、絶縁層D34として製造例2で得られた10μm厚さの樹脂コーティング銅箔の代わりに前記製造例4で得られた18μm厚さのプリプレグ(PPG)を使用し、多層積層体の各層の厚さを下記表3の通り変更したことを除いて前記実施例2と同様の方法で、多層印刷回路基板を製造した。
【0230】
【0231】
前記表3に示したように、製造例1および製造例2で得られた樹脂コーティング銅箔を絶縁層として使用した実施例の場合、銅箔層が3層含まれている実施例1の多層印刷回路基板の厚さが61μm、銅箔層が4層含まれている実施例2の多層印刷回路基板の厚さが80μmに非常に薄く具現され、かつ破損や破れの問題が発生しなかった。反面、製造例3および製造例4で得られたプリプレグを絶縁層として使用した比較例の場合、銅箔層が3層含まれている比較例1の多層印刷回路基板の厚さが81μm、銅箔層が4層含まれている比較例2の多層印刷回路基板の厚さが120μmで、実施例に比べて非常に厚く測定される限界があった。
【符号の説明】
【0232】
C:キャリアフィルム
M0、MO':極薄銅箔
SR TOP、SR TOP':レジスト
M1、M1':銅箔層
D12、D12':絶縁層
M2、M2':銅箔層
D23、D23':絶縁層
M3、M3':銅箔層
D34、D34':絶縁層
M4、M4':銅箔層
SR BTM、SR BTM':レジスト
PN-1:第1パネル
PN-2:第2パネル
<1>~<6>:工程の進行順序