IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日亜化学工業株式会社の特許一覧

特許7463662画像表示装置の製造方法および画像表示装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】画像表示装置の製造方法および画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20240402BHJP
   H01L 33/60 20100101ALI20240402BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20240402BHJP
   H01L 33/32 20100101ALI20240402BHJP
   H01L 33/42 20100101ALI20240402BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/60
H01L33/54
H01L33/32
H01L33/42
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021530622
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(86)【国際出願番号】 JP2020025627
(87)【国際公開番号】W WO2021006112
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2023-05-30
(31)【優先権主張番号】P 2019128493
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】秋元 肇
【審査官】村井 友和
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-135419(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0198488(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0174519(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0165035(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項6】
前記発光素子を形成する工程では、前記発光素子は、前記発光面側からの平面視において、前記第2半導体層の面積が前記第1半導体層の面積よりも大きくなるように加工された請求項記載の画像表示装置の製造方法。
【請求項24】
前記第2半導体層は、前記絶縁部材によって分離された請求項23記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、画像表示装置の製造方法および画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度、広視野角、高コントラストで低消費電力の薄型の画像表示装置の実現が望まれている。このような市場要求に対応するように、自発光素子を利用した表示装置の開発が進められている。
【0003】
自発光素子として、微細発光素子であるマイクロLEDを用いた表示装置の登場が期待されている。マイクロLEDを用いた表示装置の製造方法として、個々に形成されたマイクロLEDを駆動回路に順次転写する方法が紹介されている。しかしながら、フルハイビジョンや4K、8K等と高画質になるにつれて、マイクロLEDの素子数が多くなると、多数のマイクロLEDを個々に形成して、駆動回路等を形成した基板に順次転写するのでは、転写工程に膨大な時間を要する。さらに、マイクロLEDと駆動回路等との接続不良等が発生し、歩留りの低下を生じるおそれがある。
【0004】
Si基板上に発光層を含む半導体層を成長させ、半導体層に電極を形成した後、駆動回路が形成された回路基板に貼り合わせる技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2002-141492号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一実施形態は、発光素子の転写工程を短縮し、歩留りを向上した画像表示装置の製造方法および画像表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る画像表示装置の製造方法は、発光層を含む半導体層を第1基板上に有する第2基板を準備する工程と、回路素子を含む回路が形成された第3基板を準備する工程と、前記半導体層を、前記第3基板に貼り合わせる工程と、前記半導体層をエッチングして発光素子を形成する工程と、透光性を有する絶縁部材で前記発光素子を覆う工程と、前記発光素子を前記回路素子に電気的に接続する配線層を形成する工程と、を備える。前記発光素子は、前記第3基板に貼り合わされた面に対向する発光面を含む。前記絶縁部材は、前記発光素子から放射される光が前記発光面の法線方向であって前記発光面の側に配光するように設けられる。
【0008】
本実施形態の一実施形態に係る画像表示装置は、回路素子と、前記回路素子に電気的に接続された第1配線層と、前記回路素子および前記第1配線層を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられた第2配線層と、前記第2配線層上に設けられ、前記第2配線層の側の面に対向する発光面を含む発光素子と、前記発光素子の少なくとも一部を覆い、透光性を有する絶縁部材と、前記発光素子に電気的に接続され、前記絶縁部材上に配設された第3配線層と、を備える。前記発光素子は、前記第2配線層上に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層上に設けられた発光層と、前記発光層上に設けられ、前記第1導電形と異なる第2導電形の第2半導体層を含む。前記絶縁部材は、前記発光素子から放射される光が前記発光面の法線方向であって前記発光面の側に配光するように設けられる。
【0009】
本実施形態の一実施形態に係る画像表示装置は、複数のトランジスタと、前記複数のトランジスタに電気的に接続された第1配線層と、前記複数のトランジスタおよび前記第1配線層を覆う絶縁膜と、前記絶縁膜上に設けられた第2配線層と、前記第2配線層上に設けられた第1導電形の第1半導体層と、前記第1半導体層上に配設された発光層と、前記発光層上に配設され、前記第1導電形とは異なる第2導電形の第2半導体層と、前記第1半導体層および前記発光層を覆うとともに、前記第2半導体層の少なくとも一部を覆い、透光性を有する絶縁部材と、前記複数のトランジスタに応じて前記絶縁部材からそれぞれ露出された、前記第2半導体層の複数の露出面上に配設された透光性電極に接続された第3配線層と、を備える。前記絶縁部材は、前記発光層から放射される光が前記複数の露出面のそれぞれの法線方向であって前記複数の露出面の側に配光するように設けられる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、発光素子の転写工程を短縮し、歩留りを向上した画像表示装置の製造方法および画像表示装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図2】第1の実施形態の画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図3A】第1の実施形態における絶縁部材のレンズ機能を説明するための模式図である。
図3B】第1の実施形態における絶縁部材のレンズ機能を説明するための模式図である。
図3C】第1の実施形態における絶縁部材のレンズ機能を説明するための模式図である。
図3D】第1の実施形態における絶縁部材のレンズ機能を説明するための模式図である。
図4】第1の実施形態の画像表示装置を例示する模式的なブロック図である。
図5A】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図5B】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図6A】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を例示する模式的な断面図である。
図6B】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を例示する模式的な断面図である。
図6C】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を例示する模式的な断面図である。
図7A】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を例示する模式的な断面図である。
図7B】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を例示する模式的な断面図である。
図8A】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図8B】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図8C】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図9】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な斜視図である。
図10】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図11A】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図11B】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図11C】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図11D】第1の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図12】第2の実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図13】第2の実施形態の画像表示装置を例示する模式的なブロック図である。
図14A】第2の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図14B】第2の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図15A】第2の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図15B】第2の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図15C】第2の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図16】第3の実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図17】第3の実施形態の画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図18A】第3の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図18B】第3の実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図19】第4の実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図20A】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図20B】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図20C】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図21A】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図21B】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図22A】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図22B】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図23A】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図23B】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図24】第4の実施形態の変形例に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図25A】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図25B】第4の実施形態の変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図26】画素LED素子の特性を例示するグラフである。
図27】第5の実施形態に係る画像表示装置を例示するブロック図である。
図28】第5の実施形態の変形例に係る画像表示装置を例示するブロック図である。
図29】第1~第4の実施形態およびこれらの変形例の画像表示装置を模式的に例示する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
なお、図面は模式的または概念的なものであり、各部分の厚みと幅との関係、部分間の大きさの比率などは、必ずしも現実のものと同一とは限らない。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表される場合もある。
なお、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図1には、本実施形態の画像表示装置のサブピクセル20の構成が模式的に示されている。画像表示装置に表示される画像を構成するピクセルは、複数のサブピクセル20によって構成されている。
以下では、XYZの3次元座標系を用いて説明することがある。サブピクセル20は、2次元平面上に配列されている。サブピクセル20が配列された2次元平面をXY平面とする。サブピクセル20は、X軸方向およびY軸方向に沿って配列されている。
【0014】
サブピクセル20は、XY平面にほぼ平行な発光面151Sを有している。発光面151Sは、主として、XY平面に直交するZ軸の正方向に向かって光を出力する。Z軸の正方向に沿う長さを高さということがある。
【0015】
図1は、サブピクセル20をXZ平面に平行な面で切断した場合の断面を模式的に示している。
図1に示すように、画像表示装置のサブピクセル20は、トランジスタ103と、第1の配線層110と、層間絶縁膜112と、第2の配線層130と、発光素子150と、絶縁部材156と、を備える。本実施形態では、発光素子150を覆う絶縁部材156は、透光性を有しており、発光面151S側に凸となる面を有している。
【0016】
サブピクセル20は、カラーフィルタ180をさらに備える。カラーフィルタ(波長変換部材)180は、接着層170上に設けられている。接着層170は、発光素子150、絶縁部材156および透光性電極159,159a,159k上に設けられている。
【0017】
トランジスタ103は、基板102に形成されている。基板102には、発光素子150の駆動用のトランジスタ103のほか、他のトランジスタやキャパシタ等の回路素子が形成され、配線等によって回路101を構成している。たとえば、トランジスタ103は、後述する図4に示された駆動トランジスタ26に対応し、そのほか選択トランジスタ24やキャパシタ28等が回路素子である。以下では、回路101は、回路素子が形成された素子形成領域104、絶縁層105、配線層110、配線層110と回路素子を接続するビア111d,111sおよび回路素子間等を絶縁する絶縁膜108を含むものとする。基板102、回路101および層間絶縁膜112等のその他の構成要素を含めて回路基板100と呼ぶことがある。
【0018】
トランジスタ103は、p形半導体領域104bと、n形半導体領域104s,104dと、ゲート107と、を含む。ゲート107は、絶縁層105を介して、p形半導体領域104bの上に設けられている。絶縁層105は、素子形成領域104とゲート107とを絶縁するとともに、隣接する他の回路素子との絶縁を十分にとるために設けられている。ゲート107に電圧が印加されると、p形半導体領域104bにチャネルが形成され得る。トランジスタ103は、nチャネルトランジスタであり、たとえばnチャネルMOSFETである。
【0019】
素子形成領域104は、基板102に設けられている。基板102は、たとえばSi基板である。素子形成領域104は、p形半導体領域104bと、n形半導体領域104s,104dと、を含む。p形半導体領域104bは、基板102の表面付近に設けられている。n形半導体領域104s,104dは、p形半導体領域104b内でp形半導体領域104bの表面付近に互いに離隔して設けられている。
【0020】
基板102の表面には、絶縁層105が設けられている。絶縁層105は、素子形成領域104も覆っており、p形半導体領域104bおよびn形半導体領域104s,104dの表面も覆っている。絶縁層105は、たとえばSiOである。絶縁層105は、覆っている領域に応じてSiOやSi等を含む多層の絶縁層であってもよい。絶縁層105は、高誘電率を有する絶縁材料の層を含んでもよい。
【0021】
絶縁層105を介して、p形半導体領域104bの上にゲート107が設けられている。ゲート107は、n形半導体領域104s,104dの間に設けられている。ゲート107は、たとえば多結晶Siである。ゲート107は、多結晶Siよりも低抵抗のシリサイド等を含んでもよい。
【0022】
この例では、ゲート107および絶縁層105は、絶縁膜108で覆われている。絶縁膜108は、たとえばSiOやSi等である。配線層110を形成する際に表面を平坦化するために、さらにPSG(Phosphorus Silicon Glass)やBPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)等の有機絶縁膜を設けるようにしてもよい。
【0023】
絶縁膜108には、ビア111s,111dが形成されている。絶縁膜108上には、第1の配線層(第1配線層)110が形成されている。第1の配線層110は、電位の異なり得る複数の配線を含んでおり、配線110s,110dを含んでいる。
【0024】
図1以降の断面図においては、符号を付すべき配線層に含まれる1つの配線の横の位置にその配線層の符号を表示するものとする。ビア111s,111dは、配線層110の配線110s,110dとn形半導体領域104s,104dとの間にそれぞれ設けられ、これらを電気的に接続している。配線層110およびビア111s,111dは、たとえばAlやCu等の金属によって形成されている。配線層110およびビア111s,111dは、高融点金属等を含んでもよい。
【0025】
絶縁膜108および配線層110上には、さらに平坦化膜として、層間絶縁膜112が設けられている。層間絶縁膜(絶縁膜)112は、たとえばPSGやBPSG等の有機絶縁膜である。層間絶縁膜112は、回路基板100においてその表面を保護する保護膜としても機能する。
【0026】
第2の配線層(第2配線層)130は、層間絶縁膜112上に設けられている。配線層130は、第1配線130aを含んでいる。第1配線(配線部分)130aは、たとえばサブピクセルごとに設けられており、この例では、第1配線130a上に設けられた透光性電極159aとともに、後述する図4に示す電源線3に接続されている。発光素子150は、第1配線130a上に設けられている。
【0027】
第1配線130aを含む配線層130は、高導電率を有する材料で形成されている。配線層130は、たとえば、TiやAl、TiとSnとの合金等を含む。CuやV等、あるいはAgやPt等の高い光反射性を有する貴金属を含んでもよい。配線層130は、このような高導電率を有する金属材料等で形成されているので、発光素子150と回路101とを低抵抗で電気的に接続することができる。
【0028】
第1配線130aの外周は、XY平面視で発光素子150をZ軸上方から投影したときの外周を含んでいる。これにより、第1配線130aは、発光素子150の下方への光の散乱を発光面151S側に反射し、散乱光を遮光することができる。
【0029】
第1配線130aの材料を適切に選択することによって、発光素子150の下方への散乱光を発光面151S側に反射させて発光効率を向上させることができる。また、第1配線130aが、発光素子150の下方への散乱光を遮光することによって、トランジスタ103への光の到達を抑制し、トランジスタ103の誤動作を防止することもできる。
【0030】
発光素子150は、p形半導体層(第1半導体層)153と、発光層152と、n形半導体層(第2半導体層)151と、を含む。p形半導体層153、発光層152およびn形半導体層151は、層間絶縁膜112からZ軸の正方向に向かってこの順に積層されている。つまり、発光素子150の各層は、層間絶縁膜112の側から発光面151Sの側に向かって積層されている。
【0031】
発光素子150は、XY平面視で、たとえばほぼ正方形または長方形状を有しているが、角部は丸くなっていてもよい。発光素子150は、XY平面視で、たとえば楕円形状や円形状を有していてもよい。平面視での発光素子の形状や配置等を適切に選定することによって、レイアウトの自由度が向上する。
【0032】
発光素子150には、たとえば、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等の窒化物半導体が好適に用いられる。本発明の一実施形態における発光素子150は、いわゆる青色発光ダイオードであり、発光素子150が発光する光の波長は、たとえば467nm±20nm程度である。発光素子150が発光する光の波長は、410nm±20nm程度の青紫発光としてもよい。発光素子150が発光する光の波長は、上述の値に限らず、適切なものとすることができる。
【0033】
絶縁部材156は、層間絶縁膜112の一部、第2の配線層130の一部および発光素子150の少なくとも側面を覆っている。絶縁部材156は、たとえば、透光性を有する有機絶縁材料等によって形成されている。絶縁部材156は、好ましくは、透明である。絶縁部材156は、絶縁部材156を覆う接着層170の屈折率に比べて十分大きな屈折率を有する。
【0034】
絶縁部材156の材料としては、たとえば硫黄(S)含有置換基やリン(P)原子含有基を有する高分子材料や、ポリイミド等の高分子マトリックスに高屈折率の無機ナノ粒子を導入した高屈折率ナノコンポジット材料等がよく知られているが、この限りではない。また接着層170の材料としては、たとえば中空ナノ粒子やポーラスナノ粒子を分散させた有機材料などがよく知られているが、やはりこの限りではなく、絶縁部材156の近傍に空間を設ける等の応用も可能である。
【0035】
絶縁部材156は、発光面151Sの側に凸となる凸面を有する。絶縁部材156は、発光素子150の側面から放射される光を発光面151Sの側に配光する凸レンズとして機能する絶縁部材である。
【0036】
図2は、本実施形態の画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図2は、絶縁部材156の機能を説明するための模式図である。図2には、図1の断面図において、第1配線130a、発光素子150および絶縁部材156の位置関係が詳細に示されている。
図2に示すように、発光素子150は、Z軸の正方向に向かって、p形半導体層153、発光層152およびn形半導体層151の順に積層されている。p形半導体層153は、第1配線130a上の第1面131aに載置されている。ここで、第1面131aは、XY平面にほぼ平行な平面である。発光面151Sは、絶縁部材156の開口158から露出されており、第1面131aにほぼ平行となるように設けられている。
【0037】
絶縁部材156は、発光素子150の側面を覆っている。絶縁部材156は、第1配線130aの側から発光面151Sの側に向かって凸となる面157aを有する。
【0038】
発光素子150の側面からは、発光層152が露出している。電子および正孔が注入されて励起された発光層152は、側面からも光を放射する。発光層152の側面から放射された光は、XY平面に平行な成分を有する放射光を含んでいる。XY平面に平行な成分を有する放射光は、面157aから出射される。絶縁部材156の面157aから出射される放射光が発光面151S側に配光されるように、面157aの形状を設定することができる。
【0039】
好ましくは、絶縁部材156の高さH1(第1高さ)は、発光層152の面152a1(第2面)の高さH2(第2高さ)よりも十分高い位置に設定される。このように設定されることによって、XY平面に平行な成分を有する放射光は、発光面151S側に配光される。高さH1は、第1面131aから絶縁部材156のもっとも高い位置までの高さである。高さH2における発光層152の面152a1はn形半導体層151が設けられている側の面である。
【0040】
図3A図3Dは、本実施形態における絶縁部材のレンズ機能を説明するための模式図である。
図3A図3Dでは、発光層152と面157aとの位置関係の詳細が示されている。この場合においては、面157aは、球面の一部であるものとする。C1~C4は、面157aがなす球面の中心を示している。図3A図3Cの例では、中心C1~C3は、発光層152のZ軸方向の長さの1/2に位置している。つまり、中心C1~C3は、発光層152の一方の面152a1と他方の面152a2との間の距離の1/2に位置している。図3Dの例では、中心C4は、発光層152のZ軸方向の長さの1/2の位置よりも、Z軸の負方向側にずれた位置とされている。
【0041】
発光層152は端部152a3を有しており、端部152a3は、発光層152の側面に含まれている。なお、一方の面152a1は、n形半導体層151が積層されている面であり、他方の面152a2は、p形半導体層153が積層されている面である。
【0042】
発光層152は、XY平面視で、X軸およびY軸にそれぞれ平行な辺を有する方形であるものとする。中心C1~C4は、発光層152のY軸に平行な辺の1/2の位置を通るX軸に平行な直線上にあるものとする。また、面157aの内側の屈折率は、面157aの外側の屈折率よりも大きいものとする。
【0043】
図3Aに示すように、中心C1が発光層152内、且つ、発光層152のZ軸方向の長さの1/2の位置にある場合には、端部152a3から放射された光のうち、X軸に平行な光以外の光は、面157aで、発光面の方向に屈折される。
【0044】
図3Bに示すように、中心C2が発光層152の端部152a3に存在し、且つ、発光層152のZ軸方向の長さの1/2の位置にある場合には、端部152a3から放射されたほぼすべての光は、面157aにほぼ90°で入射するので、ほとんど屈折せず、端部152a3からの放射光の角度のまま、面157aから放射される。
【0045】
図3Cに示すように、中心C3が発光層152の外側にあり、且つ、発光層152のZ軸方向の長さの1/2の位置にある場合には、端部152a3から放射された光のうち、Y軸に平行な光以外の光は、面157aで発光面とは直交する方向に屈折する。そのため、発光面方向に配光される光が抑制される。
【0046】
図3Dに示すように、中心C4が発光層152の端部152a3のZ軸に平行線上にあり、且つ、発光層152のZ軸方向の中心よりも、Z軸の負方向にずれた位置にある場合には、Y軸に平行な光以外の光は、面157aで発光面とは直交する方向に屈折する。そのため、発光面方向に配光される光が抑制される。
【0047】
上述は一例であり、発光層152の側面から放射される光を、発光面151Sに垂直な法線方向に配光させるように、絶縁部材156の面157aの形状を適切に設定することができる。また、絶縁部材156の材料および絶縁部材156を覆う接着層170の材料を適切に選定して、屈折率を設定することによって、絶縁部材156をより適切な配光制御手段として用いることができる。
【0048】
図1に戻って説明を続ける。
絶縁部材156は、開口158を有している。開口158は、発光素子150の上方の絶縁部材156の一部を除去することによって形成されている。開口158は、発光面151Sが絶縁部材156から露出するように形成されている。発光面151Sは、n形半導体層151の面のうち発光層152に接する面に対向する面である。
【0049】
発光面151Sは、好ましくは粗面加工されている。発光素子150は、発光面151Sが粗面とされている場合には、光の取出効率を向上させることができる。発光面151Sが粗面化されない場合には、粗面加工を行う工程を省略することができる。
【0050】
層間絶縁膜112には、層間絶縁膜112の開口113が設けられている。開口113からは、トランジスタ103のドレイン電極に接続された配線110dの面の一部が露出されている。この開口113は、第1半導体層151と配線110sとを電気的に接続するために層間絶縁膜112に形成されている。
【0051】
透光性電極159kは、粗面化された発光面151S上にわたって設けられており、n形半導体層151に電気的に接続されている。透光性電極159kは、絶縁部材156、配線110dの露出面および層間絶縁膜112上に延伸して設けられている。したがって、n形半導体層151と配線110dは、透光性電極159kによって電気的に接続されている。
【0052】
透光性電極159aは、第1配線130a上に設けられており、第1配線130aに電気的に接続されている。この例では、後述する図4に示すように、透光性電極159aおよび第1配線130aは、電源線3に接続される。したがって、p形半導体層153は、透光性電極159aおよび第1配線130aによって電源線3に電気的に接続される。
【0053】
透光性電極159は、第2の配線層130のその他の配線上にも設けられている。透光性電極159,159a,159k(第3配線層)は、ITO(酸化インジウムスズ)等の透光性を有する導電膜によって形成されている。
【0054】
接着層170は、絶縁部材156、透光性電極159,159a,159kおよび層間絶縁膜112を覆っている。接着層170は、ほぼ透明の樹脂性接着剤であり、絶縁部材156や透光性電極159,159a,159k等を保護し、カラーフィルタ180を接着するために設けられている。
【0055】
カラーフィルタ180は、遮光部181と色変換部182とを含む。色変換部182は、凸レンズ状に形成された絶縁部材156のほぼ直上に、XY平面視での絶縁部材156による配光の形状に応じて設けられている。
【0056】
色変換部182は、1層または2層とされる。図1には、2層の部分が示されている。1層であるか2層であるかは、サブピクセル20が発光する光の色、すなわち波長によって決定される。サブピクセル20の発光色が赤または緑の場合には、色変換部182は、好ましくは2層とされる。サブピクセル20の発光色が青の場合には、好ましくは1層とされる。
【0057】
色変換部182が2層の場合には、発光素子150により近い1層目が色変換層183であり、2層目がフィルタ層184である。つまり、フィルタ層184は、色変換層183上に積層されている。
【0058】
色変換層183は、発光素子150が発光する光の波長を所望の波長に変換する層である。赤色を発光するサブピクセル20の場合には、発光素子150の波長、467nm±20nmの光を、たとえば630nm±20nm程度の波長の光に変換する。緑色を発光するサブピクセル20の場合には、発光素子150の波長、467nm±20nmの光を、たとえば532nm±20nm程度の波長の光に変換する。
【0059】
フィルタ層184は、色変換層183で色変換されずに残存した青色発光の波長成分を遮断する。
【0060】
サブピクセル20が発光する光の色が青色の場合には、サブピクセル20は、色変換層183を介して光を出力してもよいし、色変換層183を介さずにそのまま光を出力するようにしてもよい。発光素子150が発光する光の波長が467nm±20nm程度の場合には、サブピクセル20は、色変換層183を介さずに光を出力してもよい。発光素子150が発光する光の波長を410nm±20nmとする場合には、出力する光の波長を467nm±20nm程度に変換するために、1層の色変換層183を設けることが好ましい。
【0061】
青色のサブピクセル20の場合であっても、サブピクセル20は、フィルタ層184を有していてもよい。青色のサブピクセル20にフィルタ層184を設けることによって、発光素子150の表面で生じる微小な外光反射が抑制される。
【0062】
カラーフィルタ180では、色変換部182以外の部分は、遮光部181とされている。遮光部181は、いわゆるブラックマトリクスであり、隣接する色変換部182から発光される光の混色等によるにじみを低減し、シャープな画像を表示することを可能にする。
【0063】
図4は、本実施形態に係る画像表示装置を例示する模式的なブロック図である。
図4に示すように、本実施形態の画像表示装置1は、表示領域2を備える。表示領域2には、サブピクセル20が配列されている。サブピクセル20は、たとえば格子状に配列されている。たとえば、サブピクセル20は、X軸に沿ってn個配列され、Y軸に沿ってm個配列される。
【0064】
ピクセル10は、異なる色の光を発光する複数のサブピクセル20を含む。サブピクセル20Rは、赤色の光を発光する。サブピクセル20Gは、緑色の光を発光する。サブピクセル20Bは、青色の光を発光する。3種類のサブピクセル20R,20G,20Bが所望の輝度で発光することによって、1つのピクセル10の発光色および輝度が決定される。
【0065】
1つのピクセル10は、3つのサブピクセル20R,20G,20Bを含み、サブピクセル20R,20G,20Bは、たとえばこの例のように、X軸上を直線状に配列されている。各ピクセル10は、同じ色のサブピクセルが同じ列に配列されていてもよいし、この例のように、列ごとに異なる色のサブピクセルが配列されていてもよい。
【0066】
画像表示装置1は、電源線3および接地線4をさらに有する。電源線3および接地線4は、サブピクセル20の配列に沿って、格子状に布線されている。電源線3および接地線4は、各サブピクセル20に電気的に接続され、電源端子3aとGND端子4aとの間に接続された直流電源から各サブピクセル20に電力を供給する。電源端子3aおよびGND端子4aは、電源線3および接地線4の端部にそれぞれ設けられ、表示領域2の外部に設けられた直流電源回路に接続される。電源端子3aは、GND端子4aを基準にして正の電圧が供給される。
【0067】
画像表示装置1は、走査線6および信号線8をさらに有する。走査線6は、X軸に平行な方向に布線されている。つまり、走査線6は、サブピクセル20の行方向の配列に沿って布線されている。信号線8は、Y軸に平行な方向に布線されている。つまり、信号線8は、サブピクセル20の列方向の配列に沿って布線されている。
【0068】
画像表示装置1は、行選択回路5および信号電圧出力回路7をさらに有する。行選択回路5および信号電圧出力回路7は、表示領域2の外縁に沿って設けられている。行選択回路5は、表示領域2の外縁のY軸方向に沿って設けられている。行選択回路5は、各列のサブピクセル20に走査線6を介して電気的に接続され、各サブピクセル20に選択信号を供給する。
【0069】
信号電圧出力回路7は、表示領域2の外縁に沿って設けられている。信号電圧出力回路7は、表示領域2の外縁のX軸方向に沿って設けられている。信号電圧出力回路7は、各行のサブピクセル20に信号線8を介して電気的に接続され、各サブピクセル20に信号電圧を供給する。
【0070】
サブピクセル20は、発光素子22と、選択トランジスタ24と、駆動トランジスタ26と、キャパシタ28と、を含む。図4において、選択トランジスタ24はT1と表示され、駆動トランジスタ26はT2と表示され、キャパシタ28はCmと表示されることがある。
【0071】
発光素子22は、駆動トランジスタ26と直列に接続されている。本実施形態では、駆動トランジスタ26はnチャネルMOSFETであり、駆動トランジスタ26の主電極であるドレイン電極に発光素子22のn電極であるカソード電極が接続されている。発光素子22および駆動トランジスタ26の直列回路は、電源線3と接地線4との間に接続されている。駆動トランジスタ26は、図1等におけるトランジスタ103に対応し、発光素子22は、図1等における発光素子150に対応する。駆動トランジスタ26のゲート-ソース間に印加される電圧によって、発光素子22に流れる電流が決定され、発光素子22は、流れる電流に応じた輝度で発光する。
【0072】
選択トランジスタ24は、駆動トランジスタ26のゲート電極と信号線8との間に主電極を介して接続されている。選択トランジスタ24のゲート電極は、走査線6に接続されている。駆動トランジスタ26のゲート電極と接地線4との間には、キャパシタ28が接続されている。
【0073】
行選択回路5は、m行のサブピクセル20の配列から、1行を選択して走査線6に選択信号を供給する。信号電圧出力回路7は、選択された行の各サブピクセル20に必要なアナログ電圧値を有する信号電圧を供給する。選択された行のサブピクセル20の駆動トランジスタ26のゲート-ソース間には、信号電圧が印加される。信号電圧は、キャパシタ28によって保持される。駆動トランジスタ26は、信号電圧に応じた電流を発光素子22に流す。発光素子22は、発光素子22に流れる電流に応じた輝度で発光する。
【0074】
行選択回路5は、選択する行を順次切り替えて選択信号を供給する。つまり、行選択回路5は、サブピクセル20が配列された行を走査する。順次走査されたサブピクセル20の発光素子22には、信号電圧に応じた電流が流れて発光する。RGB各色のサブピクセル20が発光する発光色および輝度によって決定された発光色および輝度で各ピクセル10が発光して表示領域2に画像が表示される。
【0075】
本実施形態の画像表示装置1の製造方法について説明する。
図5A図8Cは、本実施形態の画像表示装置の製造方法およびその変形例を例示する模式的な断面図である。
図5Aに示すように、本実施形態の画像表示装置の製造方法では、半導体成長基板(第2基板)1194が準備される。半導体成長基板1194は、結晶成長用基板(第1基板)1001上に成長させた半導体層1150を有する。結晶成長用基板1001は、たとえばSi基板やサファイア基板等である。好ましくは、Si基板が用いられる。
【0076】
この例では、結晶成長用基板1001の一方の面には、バッファ層1140が形成されている。バッファ層(緩衝層)1140は、AlN等のナイトライドが好適に用いられる。バッファ層1140は、GaNをエピタキシャル成長させるときに、GaNの結晶と結晶成長用基板1001との界面での不整合を緩和するために用いられる。
【0077】
半導体成長基板1194では、バッファ層1140上に、n形半導体層1151、発光層1152およびp形半導体層1153が、バッファ層1140側からこの順に積層される。半導体層1150の成長には、たとえば気相成長法(Chemical Vapor Deposition、CVD法)が用いられ、有機金属気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition、MOCVD法)が好適に用いられる。半導体層1150は、たとえば、InAlGa1-X-YN(0≦X、0≦Y、X+Y<1)等である。
【0078】
結晶成長の初期には結晶格子定数の不整合に起因する結晶欠陥が生じ易く、そのような結晶はn形を呈する。そのため、この例のように、n形半導体層1151から結晶成長用基板1001に積層した場合には、生産プロセス上のマージンを大きくとれて歩留りを向上し易いという長所がある。
【0079】
p形半導体層1153の発光層1152が設けられた側の面に対向する側の面には、メタル層1130が形成される。メタル層1130は、たとえばTiやAl、TiとSnとの合金等を含む。CuやV等、あるいは、AgやPt等の高い光反射性を有する貴金属を含んでもよい。
【0080】
メタル層1130をp形半導体層1153の面上に形成した場合には、p形半導体層1153をメタル層1130によって保護することができ、半導体成長基板1194の保管が容易になるというメリットを生じる。p形半導体層1153とメタル層1130との界面に、ホール注入性のある材料を用いた薄膜層を形成することによって、前述の発光素子150の駆動電圧をより低下させることも可能である。このようなホール注入性のある材料としては、たとえばITO膜等が好適に用いられ得る。
【0081】
図5Bに示すように、回路基板1100が準備される。回路基板(第3基板)1100は、図1等で説明した回路101を含む。半導体成長基板1194は、上下を反転させて、回路基板1100と貼り合わされる。より詳細には、図の矢印で示したように、回路基板1100に形成されている層間絶縁膜112の露出面と、半導体層1150上に形成されたメタル層1130の面とを向かい合わせて、両者を貼り合わせる。その後、結晶成長用基板1001は、除去される。結晶成長用基板1001の除去には、たとえばウェットエッチングやレーザリフトオフが用いられる。
【0082】
2つの基板を貼り合わせるウェハボンディングでは、たとえば、2つの基板を加熱して熱圧着により2つの基板を貼り合わせる。加熱圧着する際に、低融点金属や低融点合金を用いてもよい。低融点金属は、たとえばSnやIn等であり、低融点合金は、たとえばZnやIn、Ga、Sn、Bi等を主成分とした合金とすることができる。
【0083】
ウェハボンディングでは、上述のほか、それぞれの基板の貼り合わせ面を化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing、CMP)等を用いて平坦化した上で、真空中で貼り合わせ面をプラズマ処理により清浄化して密着させるようにしてもよい。
【0084】
図6A図7Bには、ウェハボンディング工程に関する変形例が示されている。ウェハボンディング工程では、図5Aおよび図5Bの工程に代えて、図6A図6Cの工程とすることができる。また、図5Aおよび図5Bの工程に代えて、図7Aまたは図7Bのいずれかの工程としてもよい。
【0085】
図6A図6Cでは、結晶成長用基板1001に半導体層1150を形成した後、半導体層1150を結晶成長用基板1001とは異なる支持基板1190に転写する。半導体層1150は、結晶成長用基板1001上に、バッファ層1140を介して、結晶成長用基板1001の側から、p形半導体層1153、発光層1152およびn形半導体層1151の順に成長される。
【0086】
図6Aに示すように、半導体層1150を形成した後、n形半導体層1151の発光層1152が設けられた側の面に対向する面、すなわちn形半導体層1151の開放された面に支持基板1190が接着される。支持基板1190は、たとえばSiや石英等によって形成されている。その後、結晶成長用基板1001は、除去される。結晶成長用基板1001の除去には、たとえばレーザリフトオフが用いられる。
【0087】
図6Bに示すように、バッファ層1140は、ウェットエッチング等によって除去される。バッファ層1140が除去され開放されたp形半導体層1153の面には、メタル層1130が形成される。
【0088】
図6Cに示すように、半導体層1150は、メタル層1130を介して、回路基板1100と貼り合わされる。その後、支持基板1190は、レーザリフトオフ等によって除去される。
【0089】
別の変形例では、図5Aにおいてすでに示したように、メタル層1130が形成された半導体成長基板1194が準備される。
【0090】
図7Aに示すように、回路基板1100の層間絶縁膜112上には、あらかじめメタル層1120が形成されている。メタル層1120は、好ましくは、半導体成長基板1194に設けられたメタル層1130と同一の金属材料を含んでいる。半導体層1150に形成されたメタル層1130と、回路基板1100上に形成されたメタル層1120とが互いに貼り合わされる。
【0091】
メタル層は、半導体成長基板1194または回路基板1100の少なくとも一方に設けられていればよい。回路基板1100側にメタル層1120を形成した場合には、半導体成長基板1194にメタル層1130を設けずに、メタル層1120を介して、半導体層1150と回路基板1100とを互いに貼り合わせるようにしてもよい。
【0092】
別の変形例では、図7Bに示すように、バッファ層を介さずに、結晶成長用基板1001上に半導体層1150が形成される。結晶成長用基板1001には、結晶成長用基板1001の側から、n形半導体層1151、発光層1152およびp形半導体層1153がこの順に成長される。この場合には、ウェハボンディング後にバッファ層を除去する工程を省略することができる。
【0093】
ウェハボンディング後の製造工程に戻って説明を続ける。
図8Aに示すように、回路基板1100がウェハボンディングによってメタル層1130を介して半導体層1150に接合された後、結晶成長用基板1001は、ウェットエッチングやレーザリフト等によって除去される。
【0094】
図8Bに示すように、バッファ層1140をウェットエッチングやドライエッチング等によって除去した後、メタル層1130および半導体層1150は、エッチングによって、必要な形状に成形される。
【0095】
半導体層1150は、発光素子150の形状に成形される。発光素子150の成形には、たとえばドライエッチングプロセスが用いられ、好適には、異方性プラズマエッチング(Reactive Ion Etching、RIE)が用いられる。その後、メタル層1130は、エッチングされて第2の配線層130が形成される。配線層130は、第1配線130aを含む。第1配線130aは、エッチングによって、上述した所望の形状に成形される。
【0096】
図8Cに示すように、層間絶縁膜112に開口113が形成される。開口113の形成は、ウェットエッチングでもドライエッチングでもよい。エッチングは、配線110dが露出するまで行われる。
【0097】
その後、層間絶縁膜112の一部、第1配線130aの一部および発光素子150を覆うように絶縁部材156が設けられる。絶縁部材156は、第1配線130aから発光面151Sに向かって凸となるようなドーム状の形状を有するように形成される。XY平面視で、発光素子150の位置の絶縁部材156の一部は、除去される。発光面151Sは、絶縁部材156が除去された開口158から露出される。
【0098】
絶縁部材156が除去された発光面151Sにわたって透光性電極159kが形成される。透光性電極159kは、絶縁部材156上を延伸して開口113から露出された配線110dを覆うように形成される。透光性電極159kの形成と同時に、透光性電極159aが第1配線130a上に形成される。なお、他の配線上にも透光性電極159が設けられる。
【0099】
サブピクセル20以外の回路の一部は、回路基板1100中に形成されている。たとえば図4に示した行選択回路5は、駆動トランジスタや選択トランジスタ等とともに、回路基板1100中に形成されることができる。つまり、行選択回路5は、上述の製造工程によって同時に組み込まれている場合がある。一方、信号電圧出力回路7は、微細加工による高集積化が可能な製造プロセスによって製造された半導体デバイスに組み込まれることが望ましい。信号電圧出力回路7は、CPUや他の回路要素とともに別の基板に実装され、たとえば後述するカラーフィルタの組み込みの前に、あるいは、カラーフィルタの組み込みの後に、回路基板1100の配線と相互に接続される。
【0100】
好ましくは、回路基板1100は、回路101を含むウェハである。回路基板1100には、1つまたは複数の画像表示装置のための回路101が形成されている。あるいは、より大きな画面サイズ等の場合には、1つの画像表示装置を構成するための回路101が複数の回路基板1100に分割されて形成されており、分割された回路のすべてを組み合わせて、1つの画像表示装置を構成するようにしてもよい。
【0101】
また、好ましくは、結晶成長用基板1001は、ウェハ状の回路基板1100と同じ大きさのウェハである。
【0102】
図9は、本実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する斜視図である。
図9に示すように、複数の半導体成長基板1194を準備して、1つの回路基板1100に、複数の結晶成長用基板1001に形成された半導体層1150を接合するようにしてもよい。半導体成長基板1194の半導体層1150にはメタル層1130が形成されている。または、回路基板1100の層間絶縁膜112上にメタル層1120が形成されてもよい。半導体成長基板1194と回路基板1100(100)との接合の様子は、図5Aおよび図7Aに関連してすでに説明した。
【0103】
回路基板1100には、複数の回路101がたとえば格子状に配置されている。回路101は、1つの画像表示装置1に必要なすべてのサブピクセル20等を含んでいる。隣接して配置されている回路101の間には、スクライブライン幅の程度の間隔が設けられている。回路101の端部および端部付近には、回路素子等は配置されていない。
【0104】
半導体層1150は、その端部が結晶成長用基板1001の端部と一致するように形成されている。そこで、半導体成長基板1194の端部を、回路101の端部と一致するように配置し、接合することによって、接合後の半導体層1150の端部と回路101の端部とを一致させることができる。
【0105】
結晶成長用基板1001に半導体層1150を成長させるときに、半導体層1150の端部およびその近傍では、結晶品位の低下を生じ易い。そのため、半導体層1150の端部と回路101の端部とを一致させることによって、半導体成長基板1194上の半導体層1150の端部近傍における結晶品位の低下し易い領域を画像表示装置1の表示領域に使用しないようにすることができる。
【0106】
あるいは、この逆に、複数の回路基板1100を準備して、1つの半導体成長基板1194の結晶成長用基板1001上に形成された半導体層1150に対して、複数の回路基板1100を接合するようにしてもよい。あるいは、少なくともここで、結晶成長用基板1001の端部が画像表示装置1の発光素子22(150)にかからないことが重要である。
【0107】
図10は、本実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
なお、図10では、煩雑さを避けるために、回路基板1100内の構造や層間絶縁膜112、透光性電極159,159a,159k等については、表示が省略されている。また、図10には、カラーフィルタ180等の色変換部材の一部が表示されている。図10では、配線層130、発光素子150、接着層170および表示が省略されている透光性電極159,159k,159a等を含む構造物を発光回路部172と呼ぶ。また、回路基板1100上に発光回路部172を設けた構造物を構造体1192と呼ぶ。
【0108】
図10に示すように、カラーフィルタ(波長変換部材)180は、一方の面で構造体1192に接着される。カラーフィルタ180の他方の面は、ガラス基板186に接着されている。カラーフィルタ180は、接着層170を介して、発光回路部172に接着される。
【0109】
カラーフィルタ180は、この例では、赤色、緑色、青色の順にX軸の正方向に色変換部が配列されている。赤色については、1層目に赤色の色変換層183Rが設けられている。緑色については、1層目に緑色の色変換層183Gが設けられており、いずれも2層目にはフィルタ層184がそれぞれ設けられている。青色については、単層の色変換層183Bが設けられていてもよいし、フィルタ層184が設けられていてもよい。各色変換部の間には、遮光部181が設けられている。
【0110】
各色の色変換層183R,183G,183Bの位置を発光素子150の位置に合わせて、カラーフィルタ180は、構造体1192に貼り付けられる。
【0111】
図11A図11Dは、本実施形態の画像表示装置の製造方法の変形例を示す模式的な断面図である。
図11A図11Dには、カラーフィルタをインクジェットで形成する方法が示されている。
【0112】
図11Aに示すように、回路基板1100に発光回路部172が貼り付けられた構造体1192が準備される。
【0113】
図11Bに示すように、構造体1192上に遮光部181が形成される。遮光部181は、たとえばスクリーン印刷やフォトリソグラフィ技術等を用いて形成される。
【0114】
図11Cに示すように、発光色に応じた蛍光体は、インクジェットノズルから噴出され、色変換層183を形成する。蛍光体は、遮光部181が形成されていない領域を着色する。蛍光体は、たとえば一般的な蛍光体材料や量子ドット蛍光体材料を用いた蛍光塗料が用いられる。量子ドット蛍光体材料を用いた場合には、各発光色を実現できるとともに、単色性が高く、色再現性を高くできるので好ましい。インクジェットノズルによる描画の後、適切な温度および時間で乾燥処理を行う。着色時の塗膜の厚さは、遮光部181の厚さよりも薄く設定されている。
【0115】
すでに説明したように、青色発光のサブピクセルについては、色変換部を形成しない場合には、蛍光体は噴出されない。また、青色発光のサブピクセルについて、青色の色変換層を形成する際に、色変換部は1層でよい場合には、好ましくは、青色の蛍光体の塗膜の厚さは、遮光部181の厚さと同じ程度とされる。
【0116】
図11Dに示すように、フィルタ層184のための塗料は、インクジェットノズルから噴出される。塗料は、蛍光体の塗膜に重ねて塗布される。蛍光体および塗料の塗膜の合計の厚さは、遮光部181の厚さと同じ程度とされる。
【0117】
このようにして、画像表示装置1を製造することができる。
【0118】
本実施形態の画像表示装置1の効果について説明する。
本実施形態の画像表示装置1の製造方法では、発光素子150を駆動するトランジスタ103等の回路素子を含む回路基板1100(100)に、発光素子150を形成するための発光層1152を含む半導体層1150を貼り合わせる。その後、半導体層1150をエッチングして発光素子150を形成する。そのため、回路基板1100(100)に個片化された発光素子を個々に転写するのに比べて、発光素子を転写する工程を著しく短縮することができる。
【0119】
たとえば、4K画質の画像表示装置では、サブピクセルの数は2400万個を超え、8K画質の画像表示装置の場合には、サブピクセルの数は9900万個を超える。これだけ大量の発光素子を個々に回路基板に実装するのでは、膨大な時間を要することとなり、マイクロLEDによる画像表示装置を現実的なコストで実現することは困難である。また、大量の発光素子を個々に実装したのでは、実装時の接続不良等による歩留りが低下し、さらなるコスト上昇が避けられない。
【0120】
これに対して、本実施形態の画像表示装置1の製造方法では、半導体層1150を個片化する前に、半導体層1150全体を回路基板1100(100)に貼り付けるので、転写工程が1回で完了する。
【0121】
回路基板上で、エッチング等により発光素子を直接形成した後に、発光素子と、回路基板1100(100)内の回路素子とを、透光性電極159k,159aを形成することにより電気的に接続するので、均一な接続構造を実現することができ、歩留りの低下を抑制することができる。
【0122】
さらに、半導体層1150をあらかじめ個片化したり、回路素子に対応した位置に電極を形成したりすることなく、ウェハレベルで回路基板1100(100)に貼り付けるので、アライメントをとる必要がない。そのため、貼り合わせ工程を短時間で容易に行うことが可能になる。貼り合わせ時にアライメントをとる必要がないので、発光素子150の小型化も容易であり、高精細化されたディスプレイに好適である。
【0123】
半導体層1150を回路基板1100にウェハボンディングする場合に、本実施形態では、半導体層1150および回路基板1100の貼り合わせ面の少なくとも一方に、あらかじめメタル層1130,1120が形成されている。そのため、メタル層の材料を適切に選定することによって、容易にウェハボンディングを行うことができる。
【0124】
ウェハボンディング時に形成されたメタル層は、第2の配線層130として、発光素子150と外部との接続等に利用することができる。
【0125】
絶縁部材156は、配線層130から発光面151Sに向かって凸面を有する。そのため、絶縁部材156の凸面を適切に設定することによって、発光層152から放射される発光面151Sに平行な成分を有する光を発光面151Sに垂直な法線成分を有するようにして、発光面151S側に配光することができ、実質的に発光効率を向上させることができる。
【0126】
配線層130は、第1配線130aを含むことができ、第1配線130aを光反射性を有するものとすることができる。第1配線130aが光反射性を有することによって、発光素子150から放射される下方への光を反射して、発光面151Sの側に再度反射して、発光効率を向上させることができる。
【0127】
第1配線130aは、発光素子150から放射される下方への光を遮光することができるので、発光素子150の不要な光の散乱により、トランジスタ103等の回路素子が誤動作することを防止することができる。
【0128】
(第2の実施形態)
図12は、本実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図12は、サブピクセル220をXZ平面に平行な面で切断した場合の断面を模式的に示している。
本実施形態では、発光素子250の構成および発光素子250を駆動するトランジスタ203の構成が上述の他の実施形態の場合と相違し、その他については、他の実施形態の場合と同一である。他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0129】
図12に示すように、本実施形態の画像表示装置のサブピクセル220は、トランジスタ203と、発光素子250と、を含む。トランジスタ203は、基板102に形成された素子形成領域204に形成されている。素子形成領域204は、n形半導体領域204bとp形半導体領域204s,204dとを含む。n形半導体領域204bは、基板102の表面付近に設けられている。p形半導体領域204s,204dは、n形半導体領域204b内でn形半導体領域204bの表面付近に互いに離隔して設けられている。
【0130】
絶縁層105を介して、n形半導体領域204bの上にゲート107が設けられている。ゲート107は、p形半導体領域204s,204dの間に設けられている。
【0131】
トランジスタ203の上部の構造および配線の構造は、上述した他の実施形態の場合と同じである。本実施形態では、トランジスタ203は、pチャネルトランジスタであり、たとえばpチャネルMOSFETである。
【0132】
層間絶縁膜112上には、他の実施形態の場合と同様に、第2の配線層130が形成され、配線層130は、第2配線(配線部分)130kを含んでいる。
【0133】
発光素子250は、n形半導体層251と、発光層252と、p形半導体層253と、を含む。n形半導体層251、発光層252およびp形半導体層253は、層間絶縁膜112の側から発光面253Sの側に向かってこの順に積層されている。発光素子250は、XY平面視で、たとえば、ほぼ正方形または長方形状をなしているが、角部は丸くなっていてもよい。発光素子250はXY平面視で、たとえば楕円形状や円形状を有していてもよい。平面視での発光素子の形状や配置等を適切に選定することによって、レイアウトの自由度が向上する。
【0134】
発光素子250は、上述の他の実施形態の場合と同じ材料でよい。発光素子250は、たとえば467nm±20nm程度の青色光あるいは410nm±20nmの波長の青紫色光を発光する。
【0135】
発光素子250のn形半導体層251は、第2配線130k上に設けられている。好ましくは、第2配線130kとn形半導体層251とは、オーミック接続されている。
【0136】
絶縁部材156は、層間絶縁膜112の一部、第2の配線層130の一部および発光素子250の少なくとも側面を覆っている。絶縁部材156は、発光面253Sの側に凸である凸面を有する。絶縁部材156は、開口258を有している。開口258は、発光素子250上に形成されており、絶縁部材156は、発光素子250の発光面253S上には設けられていない。絶縁部材156は、透光性を有する有機絶縁材料が好適に用いられる。
【0137】
発光面253Sは、p形半導体層253の面のうち発光層252に接する面に対向する面である。発光面253Sは、好ましくは粗面化されている。
【0138】
発光面253Sの全面にわたって、透光性電極159aが設けられている。透光性電極159aは、絶縁部材156上に設けられ、層間絶縁膜112の開口113まで延伸している。透光性電極159aは、層間絶縁膜112の開口113から露出された配線110d上にも設けられており、p形半導体層253と配線110dとを電気的に接続している。
【0139】
透光性電極159kは、第2配線130k上にも設けられており、n形半導体層251を第2配線130kとともに、他の回路に接続している。この例では、透光性電極159kおよび第2配線130kは、後述する図13に示す接地線4に接続される。
【0140】
図13は、本実施形態に係る画像表示装置を例示する模式的なブロック図である。
図13に示すように、本実施形態の画像表示装置201は、表示領域2、行選択回路205および信号電圧出力回路207を備える。表示領域2には、上述の他の実施形態の場合と同様に、たとえばサブピクセル220が格子状に配列されている。
【0141】
サブピクセル220は、発光素子222と、選択トランジスタ224と、駆動トランジスタ226と、キャパシタ228と、を含む。図13において、選択トランジスタ224はT1と表示され、駆動トランジスタ226はT2と表示され、キャパシタ228はCmと表示されることがある。
【0142】
本実施形態では、発光素子222が接地線4側に設けられており、発光素子222に直列に接続された駆動トランジスタ226は、電源線3側に設けられている。つまり、駆動トランジスタ226は、発光素子222よりも高電位側に接続されている。駆動トランジスタ226は、pチャネルMOSFETである。
【0143】
駆動トランジスタ226のゲート電極と信号線208との間には、選択トランジスタ224が接続されている。キャパシタ228は、駆動トランジスタ226のゲート電極と電源線3との間に接続されている。
【0144】
行選択回路205および信号電圧出力回路207は、pチャネルMOSFETである駆動トランジスタ226を駆動するために、上述の他の実施形態と異なる極性の信号電圧および同一極性の選択信号を、走査線206および信号線208に供給する。
【0145】
本実施形態では、駆動トランジスタ226の極性がpチャネルであることから、信号電圧の極性等が上述の他の実施形態の場合と相違する。すなわち、行選択回路205は、m行のサブピクセル220の配列から、順次1行を選択するように走査線206に選択信号を供給する。信号電圧出力回路207は、選択された行の各サブピクセル220に必要なアナログ電圧値を有する信号電圧を供給する。選択された行のサブピクセル220の駆動トランジスタ226は、信号電圧に応じた電流を発光素子222に流す。発光素子222は、流れた電流に応じた輝度で発光する。
【0146】
本実施形態の画像表示装置201の製造方法について説明する。
図14A図15Cは、本実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
本実施形態では、図5Aにおいてすでに説明した半導体成長基板1194とは異なる半導体成長基板1294が準備される。
図14Aに示すように、半導体成長基板1294は、結晶成長用基板1001上に成長させた半導体層1150を有する。半導体層1150は、この例では、バッファ層1140を介して結晶成長用基板1001上に成長されているが、上述の他の実施形態の場合と同様に、バッファ層1140を介さずに半導体層1150を成長させてもよい。
【0147】
本実施形態では、半導体成長基板1294は、バッファ層1140の側から、p形半導体層1153、発光層1152およびn形半導体層1151の順に積層されている。メタル層1130は、n形半導体層1151の開放された面に形成される。
【0148】
図14Bに示すように、半導体成長基板1294は、上下を反転させて、回路基板1100に貼り合わされる。図の矢印で示したように、回路基板1100の一方の面と、半導体層1150上に形成されたメタル層1130の面とは、互いに貼り合わされる。回路基板1100の貼り合わせ面は、層間絶縁膜112の露出面である。
【0149】
上述のウェハボンディングに際しては、図6A図7Bにおいて説明した変形例を適用することができる。すなわち、支持基板1190に半導体層1150を転写後、半導体成長基板を反転せずに回路基板1100に貼り付けてもよい。この場合においては、結晶成長用基板1001の側からn形半導体層1151、発光層1152およびp形半導体層1153の順に積層した半導体成長基板1194が用いられる。また、メタル層を半導体層1150および回路基板1100の少なくとも一方に設けるようにしてもよいし、バッファ層1140を介さずに結晶成長させた半導体層1150を貼り合わせるようにしてもよい。
【0150】
図15Aに示すように、結晶成長用基板1001は、回路基板1100に貼り合わされた半導体成長基板1294からレーザリフトオフ等を用いて除去される。
【0151】
図15Bに示すように、他の実施形態の場合と同様に、ウェットエッチングやドライエッチングを適宜用いて、バッファ層1140を除去し、メタル層1130から第2の配線層130を形成し、半導体層1150から発光素子250を形成する。
【0152】
図15Cに示すように、層間絶縁膜112に開口113を形成し、配線110dの一部を露出させる。絶縁部材156は、第2配線130kの一部、層間絶縁膜112の一部および発光素子250を覆うように形成される。絶縁部材156の一部を除去して発光面253Sを露出させる。透光性電極159aによって、p形半導体層253と配線110dとを電気的に接続する。
【0153】
本実施形態の画像表示装置201の効果について説明する。
本実施形態では、上述の他の実施形態の場合と同様の効果を有する。すなわち、回路基板1100に半導体層1150を貼り合わせた後、個別の発光素子250をエッチングにより形成するので、発光素子の転写工程を著しく短縮することができる。
【0154】
絶縁部材156の形状を発光面253S側に凸となるように成形することによって、発光素子250からの側方や下方への放射光を発光面253S側に配光することができる。そのため、実質的に発光効率を向上させることができる。
【0155】
(第3の実施形態)
本実施形態では、発光素子の側面の形状が上述の他の実施形態の場合と相違する。本実施形態の他の構成要素は、他の実施形態の場合と同じであり、同一の構成要素には同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略する。
【0156】
図16は、本実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図16は、サブピクセル320をXZ平面に平行な面で切断した場合の断面を模式的に示している。
本実施形態の発光素子350は、第1配線130aの側から発光面351Sの側に向かって、p形半導体層353、発光層352およびn形半導体層351の順に積層されている。発光面351Sは、n形半導体層351の面であり、発光層352が設けられている面に対向する面である。
【0157】
発光素子350の側面は、発光素子350が設けられている第1配線130aの面と、発光素子350の側面とのなす角度θcは、90°よりも小さくなるように設定されている。つまり、発光素子350の側面は、第1配線130aからの垂直面ではなく、傾斜面である。発光素子350は、第1配線130aの面上の底面および発光面351Sを上面とする角錐台状あるいは円錐台状等に形成されている。
【0158】
この例では、発光素子350の側面を覆う絶縁部材356の面も、発光素子350の側面の傾斜に応じて、第1配線130aからの傾斜を有する。第1配線130aの面と、絶縁部材356の面の角度θ1は、角度θcよりも小さく設定されている。
【0159】
絶縁部材356は、透光性を有する絶縁材料であって、好ましくは、透明樹脂である。絶縁部材356の屈折率は、好ましくは、絶縁部材356を覆う接着層170の屈折率よりも大きい。
【0160】
図17は、本実施形態の画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図17は、第1配線130aと発光素子350との詳細な位置関係が示されている。
図17に示すように、第1配線130aは、第1面131aを有する。第1面131aは、XY平面にほぼ平行な平面である。第1配線130aは、高い光反射性を有する材質で形成されており、第1面131aに入射する光は、高い反射率で反射するものとする。
【0161】
発光素子350は、第1配線130aの第1面131a上に載置されている。発光素子350は、側面360aを有する。側面360aは、発光面351Sと第1面131aとの間の面であり、発光面351Sに隣接する面である。側面360aと第1面131aとの間でなす角度θcは、90°よりも小さい。好ましくは、角度θcは70°程度である。さらに好ましくは、角度θcは、発光素子350の屈折率および絶縁部材356の屈折率にもとづいて決定される側面360aにおける臨界角よりも小さい。
【0162】
絶縁部材356は、少なくとも、発光素子350の側面360aを覆うように設けられている。絶縁部材356は、側面357aを有する。側面357aは、絶縁部材356の頂部357bと面131aとの間の面である。絶縁部材356の頂部357bは、絶縁部材356の面131aからの高さであって、もっとも高さの高い位置である。絶縁部材356の第1面131aからの高さとは、第1面131aと頂部357bとの間のZ軸の正方向の長さである。
【0163】
絶縁部材356の側面357aと面131aとのなす角度θ1は、たとえば、角度θcよりも小さい。絶縁部材356の側面357aの形状は、この例のような直線状に限らない。絶縁部材356の側面357aの形状は、側面357aから出射する光が、発光面351Sの方向に配光されるように設定されていることが好ましい。たとえば、上述の他の実施形態の場合と同様に、側面357aは、発光面351Sの側に凸面を有するようにしてもよい。
【0164】
発光素子350の側面360aと第1配線130aの第1面131aとがなす角度θcは、たとえば以下のように決定される。
発光素子350の屈折率n0および絶縁部材356の屈折率n1とすると、発光素子350から絶縁部材356に出射する光の臨界角θc0は、以下の式(1)を用いて求められる。
【0165】
θc0=90°-sin-1(n1/n0) (1)
【0166】
たとえば、アクリル樹脂等の一般的な透明有機絶縁材料の屈折率は1.4~1.5前後であることが知られている。そこで、発光素子350がGaNによって形成され、絶縁部材356が一般的な透明有機絶縁材料によって形成されている場合には、発光素子350の屈折率n0=2.5、絶縁部材356の屈折率n=1.4とすることができる。これらの値を、式(1)に代入して、臨界角θc0=56°を得る。
【0167】
このことは、第1面131aと側面360aとのなす角度θcを56°とした場合には、発光層352から放射された光のうち第1面131aに平行な光は、側面360aで全反射されることを示している。また、発光層352から放射された光のうち、Z軸の負方向の成分を有する光も、側面360aで全反射されることを示している。
【0168】
一方、発光層352から放射された光のうち、Z軸の正方向の成分を有する光は、側面360aで屈折率に応じた出射角度で側面360aから出射される。絶縁部材356に入射した光は、絶縁部材356の屈折率および図16に示された接着層170の屈折率で決定される角度で絶縁部材356から出射される。接着層170の屈折率は、絶縁部材356の屈折率よりも小さく設定されるので、接着層170に入射される光の角度は、より発光面351S側に向くことになる。
【0169】
側面360aで全反射された光は、第1配線130aによって再度反射され、再度反射された光のうちZ軸の正方向の成分を有する光は、発光面351Sおよび側面360aから出射される。第1面131aに平行な光およびZ軸の負方向の成分を有する光は、側面360aで全反射される。
【0170】
このようにして、発光層352から放射された光のうち、第1面131aに平行な光およびZ軸の負方向の成分を有する光は、側面360aおよび第1配線130aによって、Z軸の正方向に向かう成分を有する光に変換される。したがって、発光素子350から出射される光では、発光面351Sに向かう割合が増加して、発光素子350の実質的な発光効率は向上する。
【0171】
θc<θc0とすることによって、第1面131aに平行な成分を有する光のほとんどを発光素子350内に全反射させることができる。絶縁部材356の屈折率をn=1.4とすると、臨界角θc0は56°程度となるので、設定される角度θcは、45°や30°等にすることがより好ましい。また、屈折率nがより大きい材料では臨界角θc0はより小さくなる。ただし、角度θcを70°程度に設定しても、Z軸の負方向の成分を有する光のほとんどを、Z軸の正方向の成分を有する光に変換することできるので、製造ばらつき等を考慮して、たとえば、角度θcを80°以下等に設定するようにしてもよい。
【0172】
本実施形態の画像表示装置の製造方法について説明する。
本実施形態では、発光素子350を形成する前までの工程は、上述した他の実施形態において、図5A図8Aと同様とすることができる。以下では、図8Aの工程よりも後の工程について説明する。
【0173】
図18Aおよび図18Bは、本実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図18Aに示すように、バッファ層1140をウェットエッチング等によって除去した後、メタル層1130および半導体層1150は、エッチングによって、必要な形状に成形される。
【0174】
半導体層1150は、さらに発光素子350の形状に成形される。発光素子350の成形には、発光素子350の側面360aが第1配線130aの面に対して、角度θcをなすように、エッチングのレートが選定される。たとえば、エッチングは、発光面351Sに近いほど高いエッチングレートが選定される。好ましくは、エッチングレートは、面131aの側から発光面351Sの側に向かって、線形的に増大するように設定される。
【0175】
具体的には、たとえば、ドライエッチング時のレジストマスクパターンをその端部に向かって次第に薄くなるように露光時に工夫しておく。これにより、ドライエッチング時にレジストの薄い部分から徐々に後退して、発光面351Sの側に向かってエッチング量を大きくすることができる。これによって、発光素子350の側面360aは、面131aに対して、一定の角度をなすように形成される。このため、発光素子350は発光面351Sからの平面視において、p形半導体層353、発光層352、n形半導体層351の順に面積が大きくなるように形成される。
【0176】
その後、メタル層1130は、エッチングされて第2の配線層130が形成される。この配線層130は、第1配線130aを含む。第1配線130aは、エッチングによって、上述した形状に成形される。
【0177】
本実施形態の画像表示装置の効果について説明する。
本実施形態の画像表示装置は、上述した他の実施形態の画像表示装置と同様の効果を奏しつつ、そのほかに以下の効果を奏する。
本実施形態の画像表示装置では、発光素子350が設けられた第1配線130aの第1面131aに対して、角度θcをなす側面を有するように、発光素子350が形成される。角度θcは、90°よりも小さく、発光素子350および絶縁部材356のそれぞれの材質の屈折率で決定される臨界角θc0にもとづいて設定される。角度θcは、発光層352から放射される光のうち、発光素子350の側方や下方に向かう光を、発光面351S側に向かう光に変換して出射することができる。角度θcを十分小さくすることによって、発光素子350では、実質的な発光効率が向上される。
【0178】
(第4の実施形態)
本実施形態では、発光層を含む単一の半導体層に、複数の発光素子に相当する複数の発光面を形成することによって、より発光効率の高い画像表示装置を実現する。以下の説明では、上述の他の実施形態の場合と同一の構成要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
図19は、本実施形態に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
図19に示すように、画像表示装置は、サブピクセル群420を備える。サブピクセル群420は、トランジスタ203-1,203-2と、第1の配線層410と、層間絶縁膜112と、プラグ416a1,416a2と、半導体層450と、絶縁部材456と、を含む。
【0179】
本実施形態では、pチャネルのトランジスタ203-1,203-2をオンすることによって、プラグ416a1,416a2を介して半導体層450に正孔を注入し、配線層460を介して半導体層450に電子を注入して、発光層452を発光させる。駆動回路は、たとえば図13に示す回路構成が適用される。上述の他の実施形態を用いて、半導体層のn形半導体層とp形半導体層を上下入れ替えてもよい。半導体層450は、nチャネルのトランジスタによって駆動される。その場合には、駆動回路は、たとえば図4の回路構成が適用される。
【0180】
半導体層450は、2つの発光面451S1,451S2を含んでおり、サブピクセル群420は実質的に2つのサブピクセルを含む。本実施形態では、上述の他の実施形態の場合と同様に、実質的に2つのサブピクセルを含むサブピクセル群420が格子状に配列されることによって、表示領域が形成される。
【0181】
トランジスタ203-1,203-2は、素子形成領域204-1,204-2にそれぞれ形成されている。この例では、素子形成領域204-1,204-2は、n形の半導体層であり、n形の半導体層に離隔して形成されたp形の半導体層が形成されている。n形の半導体層はチャネル領域を含んでおり、p形の半導体層は、ソース領域およびドレイン領域をそれぞれ含んでいる。
【0182】
素子形成領域204-1,204-2上には、絶縁層105が形成され、絶縁層105を介して、ゲート107-1,107-2がそれぞれ形成されている。ゲート107-1,107-2は、トランジスタ203-1,203-2のゲートである。トランジスタ203-1,203-2は、pチャネルのトランジスタであり、たとえばpチャネルMOSFETである。
【0183】
2つのトランジスタ203-1,203-2上には、絶縁膜108が覆っている。絶縁膜108上に配線層410が形成されている。
【0184】
トランジスタ203-1のp形の半導体層と配線層410との間には、ビア111s1,111d1が設けられている。トランジスタ203-2のp形の半導体層と配線層410との間には、ビア111s2,111d2が設けられている。
【0185】
配線層410は、配線410s1,410s2,410d1,410d2を含む。配線410s1,410s2は、ビア111s1,111s2を介して、トランジスタ203-1,203-2のソース電極に対応するp形の半導体層に電気的にそれぞれ接続されている。配線410s1,410s2は、たとえば図13に示した電源線3に接続されている。
【0186】
配線410d1,410d2は、ビア111d1,111d2を介して、トランジスタ203-1,203-2のドレイン電極に対応するp形の半導体層にそれぞれ接続されている。
【0187】
層間絶縁膜112は、トランジスタ203-1,203-2、配線層410を覆っている。プラグ416a1,416a2は、層間絶縁膜112上に形成されている。
【0188】
平坦化膜414は、層間絶縁膜112上に形成されている。プラグ416a1,416a2の間にも、平坦化膜414が設けられている。プラグ416a1,416a2は、平坦化膜114に埋め込まれており、平坦化膜414およびプラグ416a1,416a2は、XY平面視で同一の平面にある面を有している。これらの面は、層間絶縁膜112側の面に対向する側の面である。
【0189】
プラグ416a1と配線410d1との間には、接続部415a1が設けられている。接続部415a1は、プラグ416a1および配線410d1を電気的に接続する。プラグ416a2と配線410d2との間には、接続部415a2が設けられている。接続部415a2は、プラグ416a2および配線410d2を電気的に接続する。
【0190】
半導体層450は、平坦化膜414およびプラグ416a1,416a2上に設けられている。
【0191】
半導体層450は、p形半導体層453と、発光層452と、n形半導体層451と、を含む。半導体層450は、層間絶縁膜112の側から発光面451S1,451S2の側に向かって、p形半導体層453、発光層452およびn形半導体層451の順に積層されている。プラグ416a1,416a2は、p形半導体層453と接続されている。
【0192】
絶縁部材456は、平坦化膜414の一部を覆っている。絶縁部材456は、半導体層450の一部を覆っている。好ましくは、絶縁部材456は、半導体層450の発光面(露出面)451S1,451S2を除き、n形半導体層451の面を覆っている。絶縁部材456は、半導体層450の側面を覆っている。絶縁部材456は、たとえば透光性を有する有機絶縁材料等によって形成され、好ましくは透明樹脂によって形成されている。
【0193】
絶縁部材456は、発光面451S1,451S2の側に凸となる面を有している。絶縁部材456は、この凸面によって、半導体層450の側面から放射される光を発光面451S1,451S2の側に配光する。そのため、半導体層450の実質的な発光効率が向上される。
【0194】
半導体層450のうち絶縁部材456で覆われていない部分は、開口458-1,458-2が形成されている。開口458-1,458-2は、発光面451S1,451S2に対応する位置に形成されている。発光面451S1,451S2は、n形半導体層451上の離隔した位置に形成される。発光面451S1は、n形半導体層451上のトランジスタ203-1により近い位置に設けられている。発光面451S2は、n形半導体層451上のトランジスタ203-2により近い位置に設けられている。
【0195】
開口458-1,458-2は、XY平面視で、たとえば正方形または長方形状である。方形に限らず、円形、楕円形あるいは六角形等の多角形であってもよい。発光面451S1,451S2もXY平面視で、正方形や長方形、その他の多角形や円形等である。発光面451S1,451S2の形状は、開口458-1,458-2の形状と相似であってもよいし、異なる形状としてもよい。
【0196】
配線層460(第3配線層)は、絶縁部材456上に設けられている。配線層460は、配線460kを含む。配線460kは、開口458-1,458-2の間でn形半導体層451上に設けられている絶縁部材456上に設けられている。配線460kは、たとえば図13に示した接地線4に接続されている。なお、図19では、この配線層460の符号を、配線460kの符号と併記して、配線層460が配線460kを含むことを表している。後述する図24においても同様である。
【0197】
透光性電極459kは、開口458-1,458-2から露出されたn形半導体層451の発光面451S1,451S2上にわたってそれぞれ設けられている。透光性電極459kは、配線460k上に設けられている。透光性電極459kは、発光面451S1と配線460kとの間に設けられるとともに、発光面451S2と配線460kとの間に設けられている。透光性電極459kは、発光面451S1,451S2および配線460kを電気的に接続している。
【0198】
上述したように、開口458-1,458-2から露出されている発光面451S1,451S2には、透光性電極459kが接続されている。そのため、透光性電極459kから供給された電子は、それぞれ露出された発光面451S1,451S2からn形半導体層451に供給される。一方、p形半導体層453には、プラグ416a1,416a2を介して、正孔がそれぞれ供給される。
【0199】
トランジスタ203-1,203-2は、隣接するサブピクセルの駆動トランジスタであり、順次駆動される。したがって、2つのトランジスタ203-1,203-2のいずれか一方から供給された正孔が発光層452に注入され、配線460kから供給された電子が発光層452に注入されて、発光層452は発光する。
【0200】
開口458-1および発光面451S1は、n形半導体層451がトランジスタ203-1により近い位置に設けられている。そのため、トランジスタ203-1がオンしたときには、配線410d1、接続部415a1およびプラグ416a1を介して、正孔が注入されて発光面451S1が発光する。
【0201】
一方、開口458-2および発光面451S2は、n形半導体層451がトランジスタ203-2により近い位置に設けられている。そのため、トランジスタ203-2がオンしたときには、配線410d2、接続部415a2およびプラグ416a2を介して、発光面451S2が発光する。
【0202】
本実施形態においては、プラグ416a1,416a2が遮光層および反射層の役割を果たしているが、これらのプラグ416a1,416a2に挟まれた間隙には、絶縁性の平坦化膜414が設けられており、遮光層および反射層の役割を果たす層が設けられていない。この間隙は、両プラグ416a1,416a2間にそれぞれ異なる駆動電圧が印加されるために必要とされる。n形半導体層451およびp形半導体層453は抵抗を有しており、この抵抗によって、半導体層550内では、XY平面に平行な方向に流れるドリフト電流が抑制される。そのため、実質的な発光領域は、発光面451S1とプラグ416a1に挟まれた領域、および発光面451S2とプラグ416a2に挟まれた領域に制限される。したがって、発光面451S1,451S2の直下を覆うようにそれぞれプラグ416a1,416a2を設けておけば、遮光層および反射層の役割は十分に果たせることとなる。
【0203】
本実施形態の画像表示装置の製造方法について説明する。
図20A図23Bは、本実施形態の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
図20A図21Bでは、回路基板4100にプラグ416a1,416a2を形成する工程が示されている。
図22A~23Bでは、プラグ416a1,416a2の形成された回路基板4100および半導体成長基板1194を用いて、サブピクセル群420を形成する工程が示されている。
【0204】
図20Aに示すように、回路基板4100が準備され、層間絶縁膜112にコンタクトホールh1,h2が形成される。コンタクトホールh1,h2を形成する位置は、配線410d1,410d2がそれぞれ設けられている位置である。コンタクトホールh1,h2は、配線410d1,410d2の面が露出する深さに形成される。
【0205】
図20Bに示すように、層間絶縁膜112上の全面にわたって、メタル層4416が形成される。コンタクトホールh1,h2は、メタル層4416の形成と同時にメタル層4416と同じ導電材料で充填される。メタル層4416の材料で充填されたコンタクトホールh1,h2には、接続部415a1,415a2が形成される。
【0206】
図20Cに示すように、フォトリソグラフィおよびドライエッチによって、接続部415a1、415a2上にプラグ416a1,416a2を形成する。
【0207】
接続部415a1,415a2を形成せずに、配線410d1,410d2上に直接プラグを形成するようにしてもよい。
【0208】
図21Aに示すように、層間絶縁膜112およびプラグ416a1,416a2を覆うように、平坦化膜4414が塗布され、その後焼成される。平坦化膜4414は、プラグ416a1,416a2の厚さよりも厚くなるように形成される。その後、平坦化膜4414の表面は、研磨される。平坦化膜4414の研磨にはたとえばCMP(Chemical Mechanical Polishing)が用いられる。
【0209】
図21Bに示すように、研磨によって、プラグ416a1,416a2の面が露出されるとともに、平坦化膜414が形成される。このようにして、プラグ416a1,416a2および接続部415a1,415a2が形成される。
【0210】
さらに、図22Aに示すように、半導体成長基板1194およびプラグ416a1,416a2が形成された回路基板1100が準備される。準備された半導体成長基板1194および回路基板4100は、互いに貼り合わされる。
【0211】
図22Bに示すように、プラグ416a1,416a2が形成された回路基板4100に半導体層1150が接合された後に、結晶成長用基板1001は、レーザリフトオフ等によって除去される。
【0212】
図23Aに示すように、半導体層1150はエッチングされて、半導体層450が形成される。
【0213】
図23Bに示すように、平坦化膜414の一部および半導体層450を覆う絶縁部材456が形成される。
【0214】
絶縁部材456上に配線層460が形成され、エッチングによって配線460k等が形成される。
【0215】
発光面451S1,451S2に対応する位置の絶縁部材456を除去することによって、開口458-1,458-2がそれぞれ形成される。
【0216】
開口458-1,458-2によって露出された発光面451S1,451S2は、それぞれ粗面化される。その後、発光面451S1,451S2と配線460kとを電気的に接続するように、透光性電極459kが形成される。
【0217】
このようにして、2つの発光面451S1,451S2を有する半導体層450を共有するサブピクセル群420が形成される。
【0218】
本実施例では、1つの半導体層450に2つの発光面451S1,451S2を設けたが、発光面の数は2つに制限されることはなく、3つあるいはそれ以上の発光面を1つの半導体層450に設けることも可能である。一例として、1列あるいは2列分のサブピクセルを、単一の半導体層450で実現してもよい。これによって後述するように、発光面1つあたりの発光に寄与しない再結合電流を削減するとともに、より微細な発光素子を実現する効果を増大させることができる。
【0219】
(変形例)
図24は、本実施形態の変形例に係る画像表示装置の一部を例示する模式的な断面図である。
本変形例では、発光層452上に2つのn形半導体層4451a1,4451a2を設けた点で上述の第4の実施形態の場合と異なっている。他の点では、第4の実施形態の場合と同じであり、同一の構成要素に同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略する。
【0220】
図24に示すように、本変形例の画像表示装置は、サブピクセル群420aを備える。サブピクセル群420aは、半導体層450aを含む。半導体層450aは、p形半導体層453と、発光層452と、n形半導体層4451a1,4451a2と、を含む。p形半導体層453、発光層452およびn形半導体層4451a1,4451a2は、絶縁部材456から発光面4451S1,4451S2の側に向かってこの順に積層されている。
【0221】
n形半導体層4451a1,4451a2は、発光層452上をX軸方向に沿って離隔して配置されている。n形半導体層4451a1,4451a2の間には、絶縁部材456が設けられ、n形半導体層4451a1,4451a2は、絶縁部材456によって分離されている。
【0222】
n形半導体層4451a1,4451a2は、XY平面視で、ほぼ同一の形状を有しており、その形状は、ほぼ正方形または長方形状であり、他の多角形状や円形等であってもよい。
【0223】
n形半導体層4451a1,4451a2は、発光面4451S1,4451S2をそれぞれ有する。発光面4451S1,4451S2は、開口458-1,458-2によってそれぞれ露出されたn形半導体層4451a1,4451a2の面である。
【0224】
発光面4451S1,4451S2のXY平面視での形状は、第4の実施形態の場合の発光面の形状と同様に、ほぼ同一の形状を有し、ほぼ正方形等の形状を有する。発光面4451S1,4451S2の形状は、本実施形態のような方形に限らず、円形、楕円形あるいは六角形等の多角形であってもよい。発光面4451S1,4451S2の形状は、開口458-1,458-2の形状と相似であってもよいし、異なる形状としてもよい。
【0225】
発光面4451S1,4451S2上には、透光性電極459kがそれぞれ設けられている。透光性電極459kは、配線460k上にも設けられている。透光性電極459kは、配線460kと発光面4451S1との間に設けられるとともに、配線460kと発光面4451S2との間に設けられている。透光性電極459kは、配線460kおよび発光面4451S1,4451S2を電気的に接続している。
【0226】
図25Aおよび図25Bは、本変形例の画像表示装置の製造方法を例示する模式的な断面図である。
本変形例では、半導体層1150に、プラグ416a1,416a2および接続部415a1,415a2が形成された回路基板4100を接合するまでは、第4の実施形態の場合の図20A図22Bにおいて説明した工程と同様の工程が適用される。以下では、それ以降の工程について説明する。
【0227】
図25Aに示すように、本変形例では、図22Bにおいて、バッファ層1140が除去され、p形半導体層1153、発光層1152およびn形半導体層1151をエッチングして、発光層452およびp形半導体層453を形成した後、さらにエッチングして、2つのn形半導体層4451a1,4451a2を形成する。
【0228】
n形半導体層4451a1,4451a2は、さらに深いエッチングによって形成されてもよい。たとえば、n形半導体層4451a1,4451a2を形成するためのエッチングは、発光層452内やp形半導体層453内に到達する深さまで行ってもよい。このように、n形半導体層を深くエッチングする場合には、n形半導体層1151のエッチング位置は、後述するn形の半導体層の発光面4451S1,4451S2の外周から1μm以上離すことが望ましい。エッチング位置を発光面4451S1,4451S2の外周から離すことによって、再結合電流を抑制することができる。
【0229】
図25Bに示すように、平坦化膜414、プラグ416a1,416a2および半導体層450aを覆う絶縁部材456が形成される。絶縁部材456上には、配線層460が形成され、エッチングによって配線460k等が形成される。
【0230】
絶縁部材456の発光面4451S1,4451S2に対応する位置に開口458-1,458-2がそれぞれ形成される。開口458-1,458-2によって露出されたn形の半導体層の発光面4451S1,4451S2は、それぞれ粗面化される。その後、透光性電極459kが形成される。
【0231】
このようにして、2つの発光面4451S1,4451S2を有するサブピクセル群420aが形成される。
【0232】
本変形例の場合も、第4の実施形態の場合と同様に、発光面の数は2つに限定されることはなく、3つあるいはそれ以上の発光面を1つの半導体層450aに設けてもよい。
【0233】
本実施形態の画像表示装置の効果について説明する。
図26は、画素LED素子の特性を例示するグラフである。
図26の縦軸は、発光効率[%]を表している。横軸は、画素LED素子に流す電流の電流密度を相対値によって表している。
図26に示すように、電流密度の相対値が1.0より小さい領域では、画素LED素子の発光効率は、ほぼ一定か、単調に増加する。電流密度の相対値が1.0よりも大きい領域では、発光効率は単調に減少する。つまり、画素LED素子には、発光効率が最大になるような適切な電流密度が存在する。
【0234】
発光素子から十分な輝度が得られる程度に電流密度を抑制することによって、高効率な画像表示装置を実現することが期待される。しかしながら、低電流密度では、電流密度の低下とともに、発光効率が低下する傾向にあることが、図26によって示されている。
【0235】
第1の実施形態から第3の実施形態において説明したように、発光素子は、発光層を含む半導体層1150の全層をエッチング等で個別に分離することによって形成される。このとき、発光層とn形の半導体層との接合面が端部に露出する。同様に、発光層とp形半導体層との接合面が端部に露出する。
【0236】
このような端部が存在する場合には、端部において電子および正孔が再結合する。一方で、このような再結合は、発光に寄与しない。端部での再結合は、発光素子に流す電流とはほとんど関係なく発生する。再結合は、端部の発光に寄与する接合面の長さに応じて発生するものと考えられる。
【0237】
同一寸法の立方体形状の発光素子を2個発光させる場合には、端部は、発光素子ごとに四方に形成されるため、合計8つの端部において再結合が発生し得る。
【0238】
これに対して、本実施形態では、2つの発光面を有する半導体層450,450aでは、端部は4つである。開口458-1,458-2の間の領域は、電子や正孔の注入が少なく、発光にほとんど寄与しないので、発光に寄与する端部は、6個になると考えることができる。このように、本実施形態では、半導体層の端部の数が実質的に低減されることによって、発光に寄与しない再結合を低減し、再結合電流の減少が、駆動電流を引き下げることを可能にする。
【0239】
高精細化等のために、サブピクセル間の距離を短縮するような場合や電流密度が比較的高い場合等には、第4の実施形態のサブピクセル群420では、発光面451S1,451S2の距離が短くなる。この場合に、n形半導体層451が共有されていると、隣接する発光面の側に注入された電子の一部が分流して、駆動されていない側の発光面が微発光するおそれがある。変形例では、n形半導体層4451a1,4451a2を発光面4451S1,4451S2ごとに分離しているので、駆動されていない側の発光面に微発光を生じることを低減させることができる。
【0240】
本実施形態では、発光層を含む半導体層は、層間絶縁膜112の側から、p形半導体層、発光層およびn形半導体層の順に積層するものであり、n形半導体層の露出面を粗面化して発光効率を向上させる観点からは好ましい。上述した他の実施形態の場合と同様に、p形半導体層とn形半導体層の積層順を代えて、n形半導体層、発光層およびp形半導体層の順に積層するようにしてもよい。
【0241】
(第5の実施形態)
上述した画像表示装置は、適切なピクセル数を有する画像表示モジュールとして、たとえばコンピュータ用ディスプレイ、テレビ、スマートフォンのような携帯用端末、あるいは、カーナビゲーション等とすることができる。
【0242】
図27は、本実施形態に係る画像表示装置を例示するブロック図である。
図27には、コンピュータ用ディスプレイの構成の主要な部分が示されている。
図27に示すように、画像表示装置501は、画像表示モジュール502を備える。画像表示モジュール502は、たとえば上述した第1の実施形態の場合の構成を備えた画像表示装置である。画像表示モジュール502は、サブピクセル20が配列された表示領域2、行選択回路5および信号電圧出力回路7を含む。画像表示装置501は、第2、第3の実施形態の場合の構成を備えるようにしてもよい。
【0243】
画像表示装置501は、コントローラ570をさらに備えている。コントローラ570は、図示しないインタフェース回路によって分離、生成される制御信号を入力して、行選択回路5および信号電圧出力回路7に対して、各サブピクセルの駆動および駆動順序を制御する。
【0244】
(変形例)
図28は、本変形例の画像表示装置を例示するブロック図である。
図28には、高精細薄型テレビの構成が示されている。
図28に示すように、画像表示装置601は、画像表示モジュール602を備える。画像表示モジュール602は、たとえば上述した第1の実施形態の場合の構成を備えた画像表示装置1である。画像表示装置601は、コントローラ670およびフレームメモリ680を備える。コントローラ670は、バス640によって供給される制御信号にもとづいて、表示領域2の各サブピクセルの駆動順序を制御する。フレームメモリ680は、1フレーム分の表示データを格納し、円滑な動画再生等の処理のために用いられる。
【0245】
画像表示装置601は、I/O回路610を有する。I/O回路610は、外部の端末や装置等と接続するためのインタフェース回路等を提供する。I/O回路610には、たとえば外付けのハードディスク装置等を接続するUSBインタフェースや、オーディオインタフェース等が含まれる。
【0246】
画像表示装置601は、受信部620および信号処理部630を有する。受信部620には、アンテナ622が接続され、アンテナ622によって受信された電波から必要な信号を分離、生成する。信号処理部630は、DSP(Digital Signal Processor)やCPU(Central Processing Unit)等を含んでおり、受信部620によって分離、生成された信号は、信号処理部630によって、画像データや音声データ等に分離、生成される。
【0247】
受信部620および信号処理部630を、携帯電話の送受信用やWiFi用、GPS受信器等の高周波通信モジュールとすることによって、他の画像表示装置とすることもできる。たとえば、適切な画面サイズおよび解像度の画像表示モジュールを備えた画像表示装置は、スマートフォンやカーナビゲーションシステム等の携帯情報端末とすることができる。
【0248】
本実施形態の場合の画像表示モジュールは、第1の実施形態の場合の画像表示装置の構成に限らず、その変形例や他の実施形態の場合としてもよい。
【0249】
以上説明した実施形態によれば、発光素子の転写工程を短縮し、歩留りを向上した画像表示装置の製造方法および画像表示装置を実現することができる。
【0250】
図29は、第1~第4の実施形態およびこれらの変形例の画像表示装置を模式的に例示する斜視図である。
図29に示すように、第1~第4の実施形態の画像表示装置は、上述したように、回路基板100上に、多数のサブピクセルを有する発光回路172が設けられている。発光回路部172上には、カラーフィルタ180が設けられている。なお、第5の実施形態においては、回路基板100、発光回路部172およびカラーフィルタ180を含む構造物は、画像表示モジュール502,602とされ、画像表示装置501,601に組み込まれている。
【0251】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他のさまざまな形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、請求の範囲に記載された発明およびその等価物の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0252】
1,201,501,601 画像表示装置、2 表示領域、3 電源線、4 接地線、5,205 行選択回路、6,206 走査線、7,207 信号電圧出力回路、8,208 信号線、10 ピクセル、20,220,320 サブピクセル、22,222
発光素子、24,224 選択トランジスタ、26,226 駆動トランジスタ、28,228 キャパシタ、100 回路基板、101 回路、103,203,203-1,203-2 トランジスタ、104,204,204-1,204-2 素子形成領域、105 絶縁層、107,107-1,107-2 ゲート、108 絶縁膜、110
第1の配線層、112 層間絶縁膜、130 第2の配線層、130a 第1配線、140 バッファ層、150,250 発光素子、156,356,456 絶縁部材、159,159a,159k,459k 透光性電極、180 カラーフィルタ、460 配線層、420,420a サブピクセル群、1001 結晶成長用基板、1100,4100 回路基板、1140 バッファ層、1150 半導体層、1190 支持基板、1192 構造体、1194,1294 半導体成長基板
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図12
図13
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18A
図18B
図19
図20A
図20B
図20C
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24
図25A
図25B
図26
図27
図28
図29