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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20240402BHJP
   B41J 19/18 20060101ALI20240402BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J19/18 E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020047226
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021146555
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100090527
【弁理士】
【氏名又は名称】舘野 千惠子
(72)【発明者】
【氏名】松本 博好
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-007137(JP,A)
【文献】特開2017-007136(JP,A)
【文献】特開2010-214835(JP,A)
【文献】特開2009-208457(JP,A)
【文献】特開2001-121721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
B41J 19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドを案内部材に沿って駆動するキャリッジと、
前記案内部材に沿って配置されるエンコーダスケールと、
前記エンコーダスケールを挟み込み、前記エンコーダスケールの両側の面に接触して清掃する清掃部材を有するエンコーダ清掃具と、を有し、
前記エンコーダ清掃具が前記キャリッジに着脱可能であり、
前記エンコーダスケールは、長手方向における両端部をバネで液体を吐出する装置に固定されており、
前記エンコーダスケールの清掃時にかかる前記エンコーダ清掃具と前記エンコーダスケールとの間との摩擦力が、前記バネの弾性力よりも小さくなるように清掃を行う
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
前記清掃部材が洗浄液を含浸可能な素材である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置
【請求項3】
前記清掃部材が不織布と、繊維と、発泡素材とのいずれかである
ことを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置
【請求項4】
前記清掃部材がローラ形状である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の液体を吐出する装置
【請求項5】
前記清掃部材で前記エンコーダスケールを挟み、前記清掃部材が前記エンコーダスケールに沿って移動する速度Aよりも、
前記ローラ形状である前記清掃部材の回動速度Bが遅い
ことを特徴とする請求項4に記載の液体を吐出する装置
【請求項6】
前記エンコーダ清掃具を前記キャリッジに着装した状態で、前記エンコーダ清掃具は前記エンコーダスケールを挟み込み、
前記キャリッジを前記案内部材に沿って駆動することで前記エンコーダスケールを清掃する
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンコーダ清掃具および液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シリアル方式のインクジェットプリンタにおいて、エンコーダ(「エンコーダスケール」または「エンコーダシート」とも称する)は印刷の性能を決める重要な部品であり、表面の汚れの防止や除去が求められる。
今までのエンコーダの清掃用具は、例えば、製品に同梱されたクロスや綿棒でユーザが清掃するものであるが、清掃しづらく、ユーザが誤ってエンコーダを傷つけてしまう問題があった。
【0003】
例えば、特許文献1には、エンコーダを自動清掃する目的で、自動清掃機構が開示されている。
しかし、特許文献1の技術は、片側から清掃部材をエンコーダに押し当て、清掃するものであり、清掃のときに大きな力がかかり、片方向へ伸びてしまう恐れがあった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、キャリッジに搭載したエンコーダスケール表面を清掃するエンコーダ清掃具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するために、本発明は、インクジェットヘッドと、前記インクジェットヘッドを案内部材に沿って駆動するキャリッジと、前記案内部材に沿って配置されるエンコーダスケールと、前記エンコーダスケールを挟み込み、前記エンコーダスケールの両側の面に接触して清掃する清掃部材を有するエンコーダ清掃具と、を有し、前記エンコーダ清掃具が前記キャリッジに着脱可能であり、前記エンコーダスケールは、長手方向における両端部をバネで液体を吐出する装置に固定されており、前記エンコーダスケールの清掃時にかかる前記エンコーダ清掃具と前記エンコーダスケールとの間との摩擦力が、前記バネの弾性力よりも小さくなるように清掃を行うことを特徴とする液体を吐出する装置とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、キャリッジに搭載したエンコーダスケール表面を清掃するエンコーダ清掃具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態の画像形成装置の一例の外観斜視説明図である。
図2】同装置の機構部の平面説明図である。
図3】同装置のキャリッジ部分の要部斜視説明図である。
図4】同装置のキャリッジ部分の側面説明図である。
図5】エンコーダスケールの一例を説明する模式図である。
図6】実施形態1のエンコーダ清掃具の一例を説明する模式図である。
図7】実施形態2のエンコーダ清掃具の一例を説明する模式図である。
図8】実施形態3のエンコーダ清掃具の一例を説明する図である。
図9】実施形態3のエンコーダ清掃具の他の例を説明する模式図である。
図10】清掃部材の押圧による摩擦力とエンコーダスケールのばねの弾性力との関係を説明する図である。
図11】清掃部材の他の形状例を説明する模式図である。
図12】本発明に係る液体を吐出する装置の一例の要部平面説明図である。
図13】同装置の要部側面説明図である。
図14】本発明に係る液体吐出ユニットの一例の要部平面説明図である。
図15】本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例の正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に示す実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、修正、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。また、各図面において同一の構成または機能を有する構成要素および相当部分には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0009】
まず、一実施形態のエンコーダ清掃具を用いる液体を吐出する装置の一例として、画像形成装置の構成例を説明する。
図1および図2は、画像形成装置の一例の概要を説明する図であり、図1は同画像形成装置の外観斜視説明図、図2は同装置の機構部の平面説明図である。
【0010】
この画像形成装置は、シリアル型画像形成装置であり、装置本体100の上面側に開閉可能にカバー101が設けられ、このカバー101を開くことで内部の機構部にアクセスすることができる。
【0011】
機構部は、図2に示すように、左右のメイン側板1A、1Bに横架した案内部材であるガイド部材3にてキャリッジ4を主走査方向に摺動自在に支持し、主走査モータ5によって駆動プーリ6と従動プーリ7との間に張架されたタイミングベルト8を介してキャリッジ4を主走査方向に移動走査する。
【0012】
このキャリッジ4には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液滴を吐出する画像形成手段としての液体吐出ヘッド及びこの液体吐出ヘッドにインクを供給するヘッドタンクを含む記録ヘッドユニット(以下、単に「記録ヘッド」ともいう。)11を複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配列し、滴吐出方向を下方に向けて装着している。これらの複数の記録ヘッド11は図示しないヘッドホルダに保持されることでユニット化されてキャリッジ4に搭載されている。
【0013】
また、キャリッジ4の主走査方向に沿ってエンコーダスケール15を配置し、キャリッジ4側にはエンコーダスケール15の目盛り(スケール:位置識別部)を読み取る透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ16を取り付け、これらのエンコーダスケール15とエンコーダセンサ16とで位置検出装置としてのリニアエンコーダを構成している。
【0014】
一方、キャリッジ4の下側には、図示しない用紙を副走査方向に搬送する搬送手段としての搬送ベルト21を配置している。この搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ22とテンションローラ23との間に掛け渡されて、副走査モータ31によってタイミングベルト32及びタイミングプーリ33を介して搬送ローラ22が回転駆動されることによって副走査方向に周回移動される。
【0015】
さらに、キャリッジ4の主走査方向の一方側には搬送ベルト21の側方に記録ヘッド11の維持回復を行う維持回復機構415が配置されている。なお、維持回復機構415は、例えば記録ヘッド11のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材、ノズル面を払拭するワイパ部材、画像形成に寄与しない液滴を吐出する空吐出受けなどで構成されている。
【0016】
また、図1に示すように、用紙を搬送ベルト21に給紙する給紙手段や、画像形成手段としての記録ヘッド11から吐出された液体が付着して画像が形成された用紙を排紙する排紙手段などを構成する給排紙トレイ103が装置本体100に対して着脱自在に装着される。
【0017】
このように構成したこの画像形成装置においては、給紙された用紙を搬送ベルト21で間歇的に搬送し、キャリッジ4を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド11を駆動することにより、停止している用紙に液滴を吐出して1行分を記録し、用紙を所定量搬送後、次の行の記録を行なう動作を繰り返して用紙上に画像を形成し、画像形成後用紙を排紙する。
【0018】
次に、この画像形成装置のキャリッジ部分について詳細を説明する。図3は画像形成装置のキャリッジ部分の要部斜視説明図、図4は同じくキャリッジ部分の側面説明図である。
【0019】
キャリッジ4には、記録ヘッド11を搭載するヘッド搭載部41の上部に、ヘッド搭載部41の上部を覆うキャリッジカバー42が設けられ、キャリッジカバー42と一体で用紙送り方向に沿ってヘッド搭載部41から延び出したセンサ取付け部43が設けられている。
【0020】
センサ取付け部43の下面にはヘッド側電装部品を実装するヘッド側基板112が取付けられ、ヘッド側基板112にエンコーダセンサ16が設けられ、エンコーダスケール15はエンコーダセンサ16によって読取り可能な位置に配設されている。
【0021】
キャリッジ4を摺動自在に案内する案内部材であるガイド部材3は、板金部材からなり、キャリッジ4を摺動自在に案内するための支持面となるガイド面301、ガイド面302、ガイド面303を有している。そして、キャリッジ4のヘッド搭載部41には、ガイド部材3のガイド面301に摺動自在に接する摺動部411と、ガイド面302に摺接する摺動部402と、ガイド面303に摺接する摺動部(スライダ)409とを有している。この場合、ガイド部材3のガイド面301は、キャリッジ4の高さ位置を決める面となり、ガイド面302はキャリッジ4の自重によるモーメントを受ける面(回転止め部)となり、ガイド面303はキャリッジ4の副走査方向の位置を決める面となる。
【0022】
このガイド部材3は、主走査方向の全域にわたって配設されており、キャリッジ4のヘッド搭載部41とセンサ取付け部43及びエンコーダスケール15との間を仕切る隔壁部材を兼ねている。
【0023】
また、キャリッジ4のセンサ取付け部43の下方には、ガイド部材3に当接する前ステー61が配設されている。
【0024】
また、キャリッジ4のキャリッジカバー42にはヘッド搭載部41側とセンサ取付け部43となる部分との間に凹部50を設けている。そして、カバー101には、キャリッジカバー42の凹部50に嵌まり込み、キャリッジ4の上部側でヘッド搭載部41とセンサ取付け部43との間を仕切る隔壁部材51を設けている。隔壁部材51は主走査方向の全域にわたって配設されている。
【0025】
これにより、キャリッジ4の上方側でもヘッド搭載部41とセンサ取付け部43との間が仕切られ、凹部50とこれに嵌まり込む隔壁部材51によりヘッド搭載部41からセンサ取付け部43との間の空間を略遮蔽することができる。
【0026】
一方、キャリッジ4と搬送ベルト21との間には、後ステー62に、用紙を搬送ベルト21に押し付ける押圧ローラ72を先端部に有する加圧板71が配設され、ガイド部材3の下側には搬送ベルト21から排出される用紙を案内する排紙ガイド73が配設されている。
【0027】
図4に示す例では、キャリッジ4は、記録ヘッド11を搭載するヘッド搭載部41と、少なくともエンコーダセンサ16を取付けるセンサ取付け部43とを有し、センサ取付け部43はヘッド搭載部41から延び出て設けられ、エンコーダスケール15はセンサ取付け部43に取付けられたエンコーダセンサ16で読取り可能な位置に配設される。
【0028】
なお、図1から図4は、液体を吐出する装置の一例を示したものであり、これに限られるものではなく、例えば、プラテンと呼ばれるテーブルに布地を貼り付けて印刷するガーメント(衣料捺染)プリンタであってもよい。
【0029】
図5は、エンコーダスケールの一例を説明する模式図である。エンコーダスケール15は、例えば、白色と黒色の均一な線が配列される。
図4に示すように、エンコーダセンサ16は、エンコーダスケール15を跨ぐように配置され、エンコーダスケール15を読み取る。エンコーダセンサ16は、発光部と受光部からなり、これがエンコーダスケール15の白色と黒色との配列を通過した際、黒と黒との距離からキャリッジ4の位置を検出する。画像形成装置は、検出された位置に基づいて、記録ヘッド11から液体を吐出するタイミングを制御する。
【0030】
インクジェットプリンタでは、サテライトやインクミストなどが、ノズル近くのエンコーダスケール15に付着し、長期の使用によってエンコーダスケール15表面に蓄積してエンコーダスケール15表面の汚れとなる。その結果、エンコーダセンサ16は、このような汚れによって、読み飛ばしのエラーを発生することになる。従って、エンコーダスケール15の汚れを清掃することが重要となる。
以下、一実施形態のエンコーダ清掃具について詳細を説明する。
【0031】
実施形態1.
図6は、実施形態1のエンコーダ清掃具の一例を説明する模式図であり、(A)はエンコーダ清掃具の一例を示す図、(B)はエンコーダスケールにエンコーダ清掃具を挟み込んだ図、(C)はエンコーダ清掃具の他の例を示す図である。
エンコーダ清掃具200は、液体を吐出する装置に設けられたエンコーダスケール15を清掃する用具であり、清掃部材210を少なくとも有する。
清掃部材210は、エンコーダスケール15を挟み込み、挟み込んだエンコーダスケール15の両側の面に接触してエンコーダスケール15を清掃する部材である。
【0032】
図6(B)に示すように、エンコーダ清掃具200は、二つの清掃部材210が、エンコーダスケール15の挟み込み、エンコーダスケール15の表面に接触して移動することにより、清掃する。図6(B)は、清掃部材210を下から見たときの図とする。エンコーダスケールの清掃は、清掃部材210とエンコーダスケール15との少なくともいずれかを移動して実施する。
【0033】
二つの清掃部材210は、エンコーダスケール15を挟んで対向して設けられるとよい。このようにすると、清掃のときにエンコーダスケール15の両側にかかる力の偏りを抑制することができる。これにより、エンコーダスケール15が片方向へ伸びること、エンコーダスケールが歪むことを防止することができる。
【0034】
清掃部材210は、洗浄液を含浸可能な素材であることが好ましい。洗浄液により、エンコーダスケール15の表面の汚れを拭き取る効果を向上させることができる。
また、清掃部材210は、不織布と、繊維と、発泡素材とのいずれかであることが好ましい。これらの素材を用いることにより、洗浄液を吸収しやすくすることができる。
例えば、清掃部材210は、エンコーダスケール15の表面と接触する部材として不織布を巻き付ける、または、超極細繊維で編んだ布を巻き付けることにより、エンコーダスケール15の表面の汚れを拭き取ることができる。また、発泡素材などに、例えばアルコールや界面活性剤のようなエンコーダスケール15の表面の汚れを取る洗浄液を染み込ませても良い。さらに、洗浄剤を用いて汚れを拭き取った後、別の清掃部材で乾拭きすることが望ましい。
【0035】
清掃部材210は、図6(A)に示すような円柱状に限られるものではなく、例えば、多角柱であってもよい。図6(C)に他の形状例として、四角柱の清掃部材210aを有するエンコーダ清掃具200aを示す。
【0036】
前述のエンコーダ清掃具は、例えば、(1)ユーザが直接用いる、または、(2)キャリッジに搭載して用いることにより、エンコーダスケール15を清掃する。以下の各実施形態で詳述する。
【0037】
実施形態2.
実施形態2では、ユーザがエンコーダ清掃具を用いる場合を説明する。
図7は、実施形態2のエンコーダ清掃具の一例を説明する模式図である。
エンコーダ清掃具200b~210eは、図6(A)に示す清掃部材210に取っ手部220b~220eを設けた例を示す。
エンコーダ清掃具200b~200eは、ユーザが指で取っ手部220b~220dを操作する(押すまたは挟むなど)ことにより、二つの清掃部材210が開閉し、エンコーダスケール15を挟み込むことができるように形成されている。
【0038】
図7において、(A)と(B)とは、指で押す場所の形状を変えたものであり、(A)は押しやすくするために取っ手部220bをリング形状にし、(B)はコストを安く作るために指で押す取っ手部220cを板状にした。取っ手部220b、220cは、端部が二つの清掃部材210に設けられ、ヒンジ、スプリングを用いて二つの清掃部材210を開閉可能に構成される。また、(C)は取っ手部220dを針金により作製し、シンプルにした例である。(D)は、スプリング222eの配置を変え、常時は閉じており、ユーザが取っ手部220eを押すとヒンジ221eを起点として清掃部材210が広がり、エンコーダスケール15を挟み込むようにした。
【0039】
使い方としては、例えば、ユーザは、取っ手部220b~220eを操作し、二つの清掃部材210を広げ、エンコーダスケール15を挟み、清掃部材210とエンコーダスケール15とを接触させ、エンコーダ清掃具200b~200dを左右に動かすことで清掃することができる。
【0040】
清掃部材210は、材料として、円筒状の発泡素材などを用いることができる。図7(E)は、円筒状の発泡素材を用いた清掃部材210fの一例を説明する断面図であり、図7(A)に示すエンコーダ清掃具200bの清掃部材210に円筒状の発泡素材を用いたときの、VII-VII線に沿った断面例を示す。
図7(E)では、清掃部材210fをローラ形状にしている。具体的には、清掃部材210は、芯地(芯材)211を円柱状にし、取っ手部を軸に発泡素材212が回動するように形成される。ベアリングを介在させれば動きはスムーズになる。
【0041】
このような場合、エンコーダ清掃具200fをエンコーダスケール15に沿って(主走査方向に沿って)動かす速度と、発泡素材212の表面速度(発泡素材212が回動する速度)とをずらして摩擦が発生するように動作すればより効果的である。例えば、エンコーダ清掃具200の清掃部材210fがエンコーダスケール15に沿って移動する速度よりも、清掃部材210fの発泡素材212の回動速度が遅いほうが好ましい。
エンコーダ清掃具200fとエンコーダスケール15との間に速度差を設ける手段としては、エンコーダ清掃具200fがエンコーダスケール15よりも摩擦が起きればよい。例えばエンコーダスケール15を挟む、清掃部材210fの材質を変更することや、エンコーダスケール15を挟む圧力を高くすることなどがある。
【0042】
実施形態3.
実施形態3では、液体を吐出する装置(画像形成装置)のキャリッジにエンコーダ清掃具を搭載する場合を説明する。
図8は、実施形態3のエンコーダ清掃具の一例を説明する図であり、(A)はエンコーダ清掃具の一例を説明する模式図、(B)はエンコーダ清掃具をキャリッジに取り付ける位置を説明する図、(C)はエンコーダ清掃具をキャリッジに取り付けたときの、(B)に示す矢印Cからみた模式図、(D)は(C)を矢印Dから見たときの模式図である。
エンコーダ清掃具200gは、清掃部材210gと取っ手部220gとを有する。
清掃部材210gは、前述の清掃部材210、210bまたは210fのいずれかの形状であってもよい。
取っ手部220gは、清掃部材210gを開閉可能に形成され、例えば、ヒンジ221gとスプリング222gとが設けられる。図7(A)では、ヒンジ221とスプリング222とを設ける位置の一例を点線で示している。また、取っ手部220gは、キャリッジに着脱可能にするフック223を有する。
【0043】
図8(B)から(D)に示すように、キャリッジ4は、エンコーダセンサ16が設けられるセンサ取付け部43などに、係合部310が設けられる。図8(B)では、エンコーダセンサ16が設けられた位置を点線で表している。図8(C)は、図4に示す側面を反対側から見たときの構成の一部分を示している。図8(D)は、エンコーダスケール15と、エンコーダセンサ16と、清掃部材210gと、ガイド部材3とを表し、他の構成を省略している。
係合部310は、フック223によりエンコーダ清掃具200gを着脱可能に取り付けられる形状とし、例えば、フック223を掛ける穴とする。加えて、係合部310は、清掃部材210gがエンコーダスケール15を挟み込み、接触させた状態で、エンコーダ清掃具200gを保持できるように(脱落しないように安定して保持できる)形状とする。このようにすると、ユーザが、取っ手部220gを開閉して清掃部材210gがエンコーダスケール15を挟み込むようにして、フック223を係合部310にかけてエンコーダ清掃具200gをキャリッジ4に取り付けると、キャリッジ4が主走査方向に移動することにより、エンコーダスケール15を清掃することができる。
【0044】
また、清掃部材210gは、図7(E)で示したように、発泡素材を用いてローラ形状とすると、清掃効率を向上させることができる。
係合部310は、例えば、キャリッジ4に設けられるインク供給用チューブの穴をもちいてもよい。
【0045】
図9は、実施形態3のエンコーダ清掃具の他の例を説明する模式図である。
図9(A)に示すエンコーダ清掃具200は、二つの清掃部材210hと保持部230とを有する。図9(A)は、エンコーダ清掃具200hの側面、具体的には二つの清掃部材210hの間にエンコーダスケール15を挟み込む側を示したものである。
清掃部材210hは、図7(E)のようなローラ形状であり、芯地として、軸213を有し、軸213の周囲に円筒形の発泡素材を設ける。軸213は、発泡素材の端部より長くする。
【0046】
保持部230は、第一側面231と、第二側面232と、底部233とを有する。第一側面231と底部233とは一方の清掃部材210hの軸213を嵌め込む取付部(図示せず)が設けられている。第二側面232と、底部233とは他方の清掃部材210の軸213を嵌め込む取付部が設けられている。軸213と取付部とは着脱可能な嵌め込む仕組みを有する。
保持部230の第一側面231と第二側面232とは、キャリッジ4に着脱可能に固定されるように形成される。例えば、第一側面231と第二側面232とは、底部233に対してヒンジ(ちょうつがい)241、242で接合され、可動するように(例えば矢印M1、M2の動き)設けられる。また、可動することで、清掃部材210hを交換可能とする。
【0047】
キャリッジ4とエンコーダ清掃具200hとの固定は、例えば、第二側面232の上部をキャリッジ4の面まで延ばし、清掃部材210hとキャリッジ4とを固定する。このようにすると、キャリッジ4を駆動するモータで、エンコーダ清掃具200hをキャリッジ4と一緒に駆動させることができる。
底部233は、下部に二つの窪み234が設けられ、ガイドロット(案内部材としてのガイド部材3など)に乗せる方式とする。これにより、エンコーダ清掃具200hを安定させる。また、清掃部材210hと保持部230とは、ユニットとして分けられるような構造にするとよい。
【0048】
清掃部材210hは、上からエンコーダスケール15を挟んで固定する。
清掃部材210hは、軸213と、第一側面231および第二側面232の結合部分で回転しやすさを変えることで摩擦力を変えることができる。例えば、清掃部材210、軸213の材質で変化することができる。
【0049】
図9(B)に示すエンコーダ清掃具200iは、エンコーダ清掃具200hの変形例であり、一方の窪み234を画像形成装置のフロント側に対応させる。エンコーダ清掃具200iを取り付ける際は、フロント側のガイドロットに一方の窪み234を中央から突き当て、リア側のガイドロットに乗せる方式である。いずれの方式もエンコーダの清掃を容易にする効果がある。
【0050】
実施形態4.
実施形態4では、清掃部材の押圧による摩擦力とエンコーダスケールのばね(スプリング)の弾性力との関係を説明する。
図10は、清掃部材の押圧による摩擦力とエンコーダスケールのばねの弾性力との関係を説明する図である。
エンコーダスケール15は薄いフィルム状のため、どちらかの端部と最寄りのフレームとをばねで繋ぎ、エンコーダスケールを引っ張っている。例えば、図10(A)に模式的に示すように、エンコーダスケール15は、板バネ17を介して装置筐体フレーム18(例えば図2のメイン側板1A)に接合される。図10(B)は、エンコーダスケール15の端部に設けた穴に、板バネを差し込んだ状態例を示す。図10(B)では、エンコーダスケール15を点線で示している。
このように、エンコーダスケールは、装置筐体フレームに対してばねを介して接合されるため、ばねの張力よりも清掃部材の摩擦が強いとエンコーダスケールが引っ張られ、歪んでしまう。
ばねの伸び縮みの長さx(m)、ばねの弾性力の大きさF(N)とすると、以下の式1で表すことができる(kは任意の係数、mはメートル、Nはニュートン)。
F = k・x ・・・・・(式1)
【0051】
また、エンコーダスケール15を清掃する際に、清掃部材がエンコーダスケール15を挟んで発生する摩擦力(R)は、垂直抗力をN、摩擦力をRとすると、図10(C)のようになり、以下の式2で表すことができる。
|Rmax| = μ・N ・・・・・(式2)
ここで、|Rmax|は、摩擦力Rの最大値(Rmax)の絶対値を表している。
エンコーダスケール15の清掃時、摩擦力が弾性力を上回るとエンコーダスケール15が弛むことになる。ばねで回復できれば良いが、フレームから外れる可能性があり、望ましくない。よって清掃部材の押圧による摩擦力がエンコーダのばねの弾性力より弱くすることが重要である。
【0052】
その他の実施形態.
上記各実施形態では、二つの清掃部材がエンコーダスケール15を挟み込む形態を説明したが、これに限られるものではない。例えば、一つの清掃部材であってもよい。図11は、清掃部材の他の形状を説明する模式図である。エンコーダ清掃具200jが有する清掃部材210jは、エンコーダスケール15を挟み込む切込み(凹部、溝)214が設けられている。切込み214は、エンコーダスケール15を挟み込み、切込み214の側面がエンコーダスケールの両面に接触し、エンコーダスケール15の表面を清掃する。
【0053】
以上説明した通り、上記各実施形態によれば、簡単な方法でエンコーダを左端から右端まで拭くことでエンコーダスケールの表面は常に清浄でエンコーダセンサの読み飛ばしエラーを防ぐことができる。
また、例えば、特許文献1の技術では、コストが高くなっていたが、一実施形態のエンコーダ清掃具によれば、コストを抑えることができる。
上記各実施形態のエンコーダ清掃具は、例えば、以下のような場合に有効である。ガーメントプリンタに使用されている布地は綿やポリエステル、等多種類にわたる。これらは従来用紙で使用されているインクジェットプリンタと異なり、表面の凹凸が大きい。さらにはユーザが布地次第では表面に皺や毛羽が立ってキャリッジと布地とのGapを広げる必要がある。Gapを広げると、ノズルからインクを吐出し、布地に着弾するまでの距離が広がることになり、吐出が安定しなくなる。これはインク滴が離れてしまうサテライトやインク滴がミスト状に飛び散る、吐出曲がり、等の不具合が起きやすい。サテライトやインクミストは霧状となって装置内に舞い、プリンタ内部の部材に付着し、汚れになる。加えて、キャリッジと布地とのGapを広くすると、インクミストが多くなり、エンコーダも想定以上に汚れ、エンコーダの読み飛ばしのエラーが発生している。この汚れを少しでも緩和するために、上記各実施形態のエンコーダ清掃具を用いて、例えば定期的にエンコーダスケールを清掃することにより、エンコーダセンサによるエラーの発生を抑制することができる。
上記各実施形態のエンコーダ清掃具を用いて、エンコーダスケールの両面を抑えて左端から右端まで拭くことで、エンコーダスケールの表面は常に清浄でセンサの読み飛ばしエラーを防ぐことができる。
【0054】
次に、本発明に係る液体を吐出する装置の一例について図12及び図13を参照して説明する。図12は同装置の要部平面説明図、図13は同装置の要部側面説明図である。
【0055】
この装置は、シリアル型装置であり、主走査移動機構493によって、キャリッジ403は主走査方向に往復移動する。主走査移動機構493は、ガイド部材401、主走査モータ405、タイミングベルト408等を含む。ガイド部材401は、左右の側板491A、491Bに架け渡されてキャリッジ403を移動可能に保持している。そして、主走査モータ405によって、駆動プーリ406と従動プーリ407間に架け渡したタイミングベルト408を介して、キャリッジ403は主走査方向に往復移動される。
【0056】
このキャリッジ403には、本発明に係る液体吐出ヘッド404及びヘッドタンク441を一体にした液体吐出ユニット440を搭載している。液体吐出ユニット440の液体吐出ヘッド404は、例えば、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の液体を吐出する。また、液体吐出ヘッド404は、複数のノズルからなるノズル列を主走査方向と直交する副走査方向に配置し、吐出方向を下方に向けて装着している。
【0057】
液体吐出ヘッド404の外部に貯留されている液体を液体吐出ヘッド404に供給するための供給機構494により、ヘッドタンク441には、液体カートリッジ450に貯留されている液体が供給される。
【0058】
供給機構494は、液体カートリッジ450を装着する充填部であるカートリッジホルダ451、チューブ456、送液ポンプを含む送液ユニット452等で構成される。液体カートリッジ450はカートリッジホルダ451に着脱可能に装着される。ヘッドタンク441には、チューブ456を介して送液ユニット452によって、液体カートリッジ450から液体が送液される。
【0059】
この装置は、用紙410を搬送するための搬送機構495を備えている。搬送機構495は、搬送手段である搬送ベルト412、搬送ベルト412を駆動するための副走査モータ416を含む。
【0060】
搬送ベルト412は用紙410を吸着して液体吐出ヘッド404に対向する位置で搬送する。この搬送ベルト412は、無端状ベルトであり、搬送ローラ413と、テンションローラ414との間に掛け渡されている。吸着は静電吸着、あるいは、エアー吸引などで行うことができる。
【0061】
そして、搬送ベルト412は、副走査モータ416によってタイミングベルト417及びタイミングプーリ418を介して搬送ローラ413が回転駆動されることによって、副走査方向に周回移動する。
【0062】
さらに、キャリッジ403の主走査方向の一方側には搬送ベルト412の側方に液体吐出ヘッド404の維持回復を行う維持回復機構420が配置されている。
【0063】
維持回復機構420は、例えば液体吐出ヘッド404のノズル面(ノズルが形成された面)をキャッピングするキャップ部材421、ノズル面を払拭するワイパ部材422などで構成されている。
【0064】
主走査移動機構493、供給機構494、維持回復機構420、搬送機構495は、側板491A,491B、背板491Cを含む筐体に取り付けられている。
【0065】
このように構成したこの装置においては、用紙410が搬送ベルト412上に給紙されて吸着され、搬送ベルト412の周回移動によって用紙410が副走査方向に搬送される。
【0066】
そこで、キャリッジ403を主走査方向に移動させながら画像信号に応じて液体吐出ヘッド404を駆動することにより、停止している用紙410に液体を吐出して画像を形成する。
【0067】
このように、この装置では、本発明に係る液体吐出ヘッドを備えているので、高画質画像を安定して形成することができる。
【0068】
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの一例について図14を参照して説明する。図14は同ユニットの要部平面説明図である。
【0069】
この液体吐出ユニットは、前記液体を吐出する装置を構成している部材のうち、側板491A、491B及び背板491Cで構成される筐体部分と、主走査移動機構493と、キャリッジ403と、液体吐出ヘッド404で構成されている。
【0070】
なお、この液体吐出ユニットの例えば側板491Bに、前述した維持回復機構420、及び供給機構494の少なくともいずれかを更に取り付けた液体吐出ユニットを構成することもできる。
【0071】
次に、本発明に係る液体吐出ユニットの更に他の例について図15を参照して説明する。図15は同ユニットの正面説明図である。
【0072】
この液体吐出ユニットは、流路部品444が取付けられた液体吐出ヘッド404と、流路部品444に接続されたチューブ456で構成されている。
【0073】
なお、流路部品444はカバー442の内部に配置されている。流路部品444に代えてヘッドタンク441を含むこともできる。また、流路部品444の上部には液体吐出ヘッド404と電気的接続を行うコネクタ443が設けられている。
【0074】
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0075】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0076】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0077】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0078】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0079】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス、壁紙や床材などの建材、衣料用のテキスタイルなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0080】
また、「液体」は、インク、処理液、DNA試料、レジスト、パターン材料、結着剤、造形液、又は、アミノ酸、たんぱく質、カルシウムを含む溶液及び分散液なども含まれる。
【0081】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0082】
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【0083】
「液体吐出ユニット」とは、液体吐出ヘッドに機能部品、機構が一体化したものであり、液体の吐出に関連する部品の集合体である。例えば、「液体吐出ユニット」は、ヘッドタンク、キャリッジ、供給機構、維持回復機構、主走査移動機構の構成の少なくとも一つを液体吐出ヘッドと組み合わせたものなどが含まれる。
【0084】
ここで、一体化とは、例えば、液体吐出ヘッドと機能部品、機構が、締結、接着、係合などで互いに固定されているもの、一方が他方に対して移動可能に保持されているものを含む。また、液体吐出ヘッドと、機能部品、機構が互いに着脱可能に構成されていても良い。
【0085】
例えば、液体吐出ユニットとして、図13で示した液体吐出ユニット440のように、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。また、チューブなどで互いに接続されて、液体吐出ヘッドとヘッドタンクが一体化されているものがある。ここで、これらの液体吐出ユニットのヘッドタンクと液体吐出ヘッドとの間にフィルタを含むユニットを追加することもできる。
【0086】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジが一体化されているものがある。
【0087】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドを走査移動機構の一部を構成するガイド部材に移動可能に保持させて、液体吐出ヘッドと走査移動機構が一体化されているものがある。また、図14で示したように、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドとキャリッジと主走査移動機構が一体化されているものがある。
【0088】
また、液体吐出ユニットとして、液体吐出ヘッドが取り付けられたキャリッジに、維持回復機構の一部であるキャップ部材を固定させて、液体吐出ヘッドとキャリッジと維持回復機構が一体化されているものがある。
【0089】
また、液体吐出ユニットとして、図15で示したように、ヘッドタンク若しくは流路部品が取付けられた液体吐出ヘッドにチューブが接続されて、液体吐出ヘッドと供給機構が一体化されているものがある。
【0090】
主走査移動機構は、ガイド部材単体も含むものとする。また、供給機構は、チューブ単体、装填部単体も含むものする。
【0091】
また、「液体吐出ヘッド」は、使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
【0092】
また、本願の用語における、画像形成、記録、印字、印写、印刷、造形等はいずれも同義語とする。
【符号の説明】
【0093】
15 エンコーダスケール
16 エンコーダセンサ
200、200a~200j エンコーダ清掃具
210、210b、210g 清掃部材
211 芯地
212 発泡素材
213 軸
214 切込み
220b~220e、220g 取っ手部
221 ヒンジ
222 スプリング
223 フック
230 保持部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0094】
【文献】特開2012‐143979号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15