(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-01
(45)【発行日】2024-04-09
(54)【発明の名称】大動脈内バルーンカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 5/0215 20060101AFI20240402BHJP
A61M 25/10 20130101ALI20240402BHJP
A61M 60/139 20210101ALI20240402BHJP
A61M 60/295 20210101ALI20240402BHJP
A61M 60/497 20210101ALI20240402BHJP
A61M 60/843 20210101ALI20240402BHJP
【FI】
A61B5/0215 D
A61M25/10 540
A61M60/139
A61M60/295
A61M60/497
A61M60/843
(21)【出願番号】P 2020569563
(86)(22)【出願日】2020-01-23
(86)【国際出願番号】 JP2020002336
(87)【国際公開番号】W WO2020158572
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-11-16
(31)【優先権主張番号】P 2019014277
(32)【優先日】2019-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000229117
【氏名又は名称】日本ゼオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】藤畑 貴史
(72)【発明者】
【氏名】石田 貴樹
【審査官】森口 正治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-190011(JP,A)
【文献】国際公開第2019/013201(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/180976(WO,A1)
【文献】特開2016-093290(JP,A)
【文献】特開2016-093289(JP,A)
【文献】特開2017-176719(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/0215
A61M 25/10
A61M 60/139
A61M 60/295
A61M 60/497
A61M 60/843
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を利用して圧力を測定可能なセンサと、
前記センサに接続される光ファイバと、
前記センサを収容するセンサ収容孔と、前記センサ収容孔に接続され、前記光ファイバを通す通孔とが形成された先端チップと、を有し、
前記先端チップには、一端が前記先端チップの外周面で開口するとともに、他端が前記通孔に接続された
複数の充填孔が、前記通孔の内部に樹脂を充填可能に形成されて
おり、
前記通孔および複数の前記充填孔の内部は樹脂で満たされており、
前記先端チップには、複数の前記充填孔の各々が前記通孔の軸方向に沿って配置されており、
前記通孔の内壁と前記光ファイバとは、前記樹脂によって固定されていることを特徴とする大動脈内バルーンカテーテル。
【請求項2】
前記通孔の近位端部には第1の前記充填孔が接続されており、
前記通孔の遠位端部には第2の前記充填孔が接続されていることを特徴とする請求項
1に記載の大動脈内バルーンカテーテル。
【請求項3】
前記通孔には第3の前記充填孔が接続されており、
第3の前記充填孔は、第1の前記充填孔と第2の前記充填孔との間に位置することを特徴とする請求項
2に記載の大動脈内バルーンカテーテル。
【請求項4】
前記充填孔は、前記先端チップの径方向に沿って延びていることを特徴とする請求項1~
3のいずれかの請求項に記載の大動脈内バルーンカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大動脈内バルーンカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
心機能低下時の治療として、大動脈内にバルーンカテーテルを挿入し、心臓の拍動に合わせてバルーンを拡張および収縮させて心機能の補助を行う大動脈内バルーンポンピング法(IABP法)が知られている。
【0003】
このIABP法に用いられる大動脈内バルーンカテーテルとしては、バルーンカテーテルの遠位端部に光を利用して圧力を検出するセンサを取り付け、検出された血圧の信号を光ファイバを介してバルーンカテーテルの近位端に伝達するようにしたセンサ付きのバルーンカテーテルが提案されている(たとえば特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載されているカテーテルは先端チップを有し、その内部には、センサを配置するためのセンサ収容孔と、センサに接続された光ファイバを挿通させるための通孔とが形成されている。光ファイバは、たとえば以下のような方法により、接着等の手段によって通孔内に固定される。
【0005】
すなわち、遠位端にセンサが接続された光ファイバを通孔内に挿通し、その遠位側をセンサ収容孔の外側に引き出しておく。そして、センサ収容孔内に接着剤を充填し、該光ファイバの遠位側を通孔内に引き込む。このとき、センサ収容孔内に充填された接着剤の中を光ファイバの遠位側が通過するため、その周囲に接着剤が付着し、該接着剤が光ファイバとともに通孔内に引き込まれる。そのため、通孔内には接着剤が充填され、この接着剤によって光ファイバを通孔内に固定することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来技術に示す光ファイバの固定方法では、センサ収容孔内に接着剤を充填するため、センサ収容孔の内壁に接着剤が付着する。この接着剤がセンサ収容孔内に配置されたセンサに付着した場合、センサの精度が低下し、大動脈内の血圧変動の計測精度が低下するおそれがある。
【0008】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、大動脈内の血圧変動を高精度に計測することが可能な大動脈内バルーンカテーテルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明に係る大動脈内バルーンカテーテルは、
光を利用して圧力を測定可能なセンサと、
前記センサに接続される光ファイバと、
前記センサを収容するセンサ収容孔と、前記センサ収容孔に接続され、前記光ファイバを通す通孔とが形成された先端チップと、を有し、
前記先端チップには、一端が前記先端チップの外周面で開口するとともに、他端が前記通孔に接続された充填孔が、前記通孔の内部に樹脂を充填可能に形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明に係る大動脈内バルーンカテーテルでは、先端チップには、一端が先端チップの外周面で開口するとともに、他端が通孔に接続された充填孔が、前記通孔の内部に樹脂を充填可能に形成されている。そのため、充填孔を通じて、直接、通孔内に樹脂を充填することが可能であり、該樹脂によって、光ファイバを通孔内に固定することができる。すなわち、本発明に係る大動脈内バルーンカテーテルでは、従来技術に示す光ファイバの固定方法とは異なり、センサ収容孔内に樹脂を充填する必要がない。そのため、センサ収容孔内に配置されたセンサに樹脂が付着するおそれがなく、樹脂の付着に起因するセンサの精度の低下を防止し、大動脈内の血圧変動を高精度に計測することができる。
【0011】
また、通孔内に樹脂を直接充填するため、通孔内に形成される樹脂層に空隙(ボイド)が発生しにくくなる。そのため、通孔の内壁面から樹脂が剥離することを防止し、光ファイバを通孔内に高い固着強度で固定することができる。
【0012】
好ましくは、前記通孔および前記充填孔の内部は樹脂で満たされている。この場合、通孔内には十分な量の樹脂が供給されており、通孔内に固定される光ファイバの固着強度を十分に高めることができる。
【0013】
好ましくは、前記先端チップには、複数の前記充填孔の各々が前記通孔の軸方向に沿って配置されている。この場合、いずれかの充填孔を通じて樹脂を通孔内に充填し、隣接する他の充填孔を通じて通孔内における樹脂の充填具合を確認することができる。したがって、通孔内における樹脂の充填具合に応じて、樹脂の充填量を調整することが可能となり、通孔内に最適な量の樹脂を充填することができる。
【0014】
好ましくは、前記通孔の近位端部には第1の前記充填孔が接続されており、前記通孔の遠位端部には第2の前記充填孔が接続されている。このような構成とすることにより、第1の充填孔を通じて樹脂を通孔内に充填し、第2の充填孔を通じて通孔内における樹脂の充填具合を確認することができる。また、上記のような構成とすることにより、通孔の近位端部から遠位端部にわたる広域に十分な量の樹脂を容易に充填することができる。
【0015】
前記通孔には第3の前記充填孔が接続されており、第3の前記充填孔は、第1の前記充填孔と第2の前記充填孔との間に位置していてもよい。このような構成とすることにより、第1の充填孔を通じて通孔内に樹脂を充填し、第3の充填孔を通じて、第1の充填孔と第3の充填孔との間の区域における通孔内の樹脂の充填具合を確認することができる。また、第3の充填孔を通じて通孔内に樹脂をさらに充填し、第2の充填孔を通じて、第2の充填孔と第3の充填孔との間の区域における通孔内の樹脂の充填具合を確認することができる。
【0016】
また、2つの充填孔を通じて通孔内への樹脂の充填およびその充填具合の確認を行うことにより、通孔内に充填する樹脂の量を細かく調整することができる。
【0017】
好ましくは、前記充填孔は、前記先端チップの径方向に沿って延びている。このような構成とすることにより、先端チップの外周面と通孔とが充填孔を介して最短距離で結ばれ、充填孔を通じて、通孔内に樹脂を容易に充填することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る大動脈内バルーンカテーテルの概略断面図である。
【
図2A】
図1に示す大動脈内バルーンカテーテルの先端チップの斜視図である。
【
図2B】本発明の第2実施形態に係る大動脈内バルーンカテーテルの先端チップの斜視図である。
【
図4A】
図3Aに示す先端チップに形成された通孔内に第1充填孔を通じて樹脂を充填する工程を示す概略断面図である。
【
図4B】
図4Aに示す通孔内に第3充填孔を通じて樹脂を充填する工程を示す概略断面図である。
【
図4C】通孔内に樹脂を充填した後の工程を示す概略断面図である。
【
図4D】胴体部の外周面に樹脂膜を形成する工程を示す概略断面図である。
【
図4E】
図4Dに示す樹脂膜の変形例を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0020】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係るバルーンカテーテル1は、IABP法に用いられる大動脈内バルーンカテーテルであり、心臓の拍動に合わせて拡張および収縮するバルーン部4を有する。バルーン部4は、膜厚50~150μm程度の薄膜で構成される。薄膜の材質は、特に限定されないが、耐屈曲疲労特性に優れた材質であることが好ましく、たとえばポリウレタンなどにより構成される。
【0021】
バルーン部4の外径および長さは、心機能の補助効果に大きく影響するバルーン部4の内容積と、動脈血管の内径などに応じて決定される。バルーン部4の内容積は、特に限定されないが、20~50ccであり、バルーン部4の外径は、拡張時で12~16mmが好ましく、長さは、150~250mmが好ましい。
【0022】
このバルーン部4の遠位端部40aは、先端チップ5の外周に熱融着ないしは接着などの手段で取り付けてある。この先端チップ5には、軸方向に連通するワイヤ挿通孔50が形成してあり、その近位端側には、内管3の遠位端部が入り込んでいる。内管3の遠位端部は、内管3の内部のワイヤ通路30とワイヤ挿通孔50とが連通するように、熱融着ないしは接着などの手段で、先端チップ5の近位端部に接続してある。
【0023】
バルーン部4の近位端部40bは、放射線不透過性金属リング等からなる造影マーカ6を介してまたは直接に、外管2の遠位端部外周に接続してある。この外管2の内部に形成された圧力流体導通路20を通じて、バルーン部4の内部に、圧力流体が導入および導出され、バルーン部4が拡張および収縮するようになっている。バルーン部4と外管2との接続は、熱融着あるいは接着剤による接着により行われる。
【0024】
内管3は、バルーン部4および外管2の内部を軸方向に延在し、その内部には、バルーン部4の内部および外管2内に形成された圧力流体導通路20とは連通しないワイヤ通路30が形成してあり、後述する分岐部7の二次ポート72に連通している。
【0025】
バルーン部4内に位置する内管3には、大動脈内バルーンカテーテル1を動脈内に挿入する際に、収縮した状態のバルーン部4が巻きつけられる。ワイヤ通路30は、バルーン部4を都合良く動脈内に差し込むために用いるガイドワイヤを挿通する管腔として用いられる。
【0026】
内管3の外側では、光ファイバ9が、内管3の軸方向に向かって延びている。より詳細には、光ファイバ9は、分岐部7とバルーン部4の近位端部40bとの間に延在する外管2の内部では、内管3の外側(外周面)に沿って、その軸方向に向かってまっすぐに延びている。また、光ファイバ9は、バルーン部4の近位端部40bと遠位端部40aとの間に位置するバルーン部4の内部では、内管3の外周面に螺旋状に巻きつけられつつ、その軸方向に向かって延びている。また、光ファイバ9は、バルーン部4の遠位端部40aが位置する先端チップ5(後述する胴体部51)の内部では、内管3の軸方向に向かってまっすぐに延びている(
図4C参照)。なお、上述した収縮した状態のバルーン部4は、バルーン部4内において、光ファイバ9が螺旋状に巻きつけられた内管3に対して、巻きつけられる。
【0027】
光ファイバ9の近位端側と遠位端側との間に位置するいずれの部分も、接着剤等の固定手段によって内管3の外周面等に固定されてはおらず、光ファイバ9の近位端側および遠位端側のみが、それぞれ三次ポート73および圧力センサ8に固定されている。
【0028】
外管2の近位端部には、分岐部7が連結してある。分岐部7は、外管2と別体に成形され、熱融着あるいは接着などの手段で外管2と連結される。分岐部7には、外管2内の圧力流体導通路20およびバルーン部4内に圧力流体を導入および導出するための一次ポート71が形成される一次通路74と、内管3内のワイヤ通路30に連通する二次ポート72が形成される二次通路75とが形成してある。
【0029】
一次ポート71は、図示省略してあるポンプ装置に接続され、このポンプ装置により、圧力流体がバルーン部4内に導入および導出されるようになっている。一次通路74は、分岐部7の内部で直線状に延びており、圧力流体通路20に対してまっすぐに接続される。そのため、圧力流体通路20の内部では、一次ポート71を介して導入および導出される圧力流体の流路抵抗が低減され、バルーン部4の拡張・収縮の応答性を高めることが可能となっている。圧力流体としては、特に限定されないが、ポンプ装置の駆動に応じて素早くバルーン部4が拡張および収縮するように、粘性および質量の小さいヘリウムガスなどが用いられる。
【0030】
分岐部7には、一次ポート71および二次ポート72以外に、三次ポート73が形成してある。三次ポート73には、光ファイバ9を挿通させるための三次通路76が連通しており、三次ポート73からは、光ファイバ9の近位端側が引き出されるようになっている。三次ポート73から引き出される光ファイバ9は、三次ポート73の引き出し口に近接する三次通路76の内部に接着固定される。三次ポート73における光ファイバ9の引き出し口は、一次通路74および二次通路75の内部の流体が外部には漏れないようになっている。
【0031】
光ファイバ9の近位端には、光コネクタ10が接続してある。光ファイバ9の遠位端には、後に詳述するが、血圧を測定するための圧力センサ8が接続してある。光コネクタ10には、図示省略してある血圧測定装置が接続される。この血圧測定装置で測定した血圧の変動に基づき、心臓の拍動に応じてポンプ装置を制御し、0.4~1秒の短周期でバルーン部4を拡張および収縮させるようになっている。
【0032】
外管2の内周面と内管3の外周面とは、接着剤により固着してある。このように外管2と内管3とを固着することで、外管2内の圧力流体導通路20の流路抵抗が低くなり、バルーン部4の応答性が向上する。固着に用いる接着剤としては、特に限定されず、シアノアクリレート系接着剤、エポキシ系接着剤等の接着剤を用いることができ、シアノアクリレート系接着剤を用いることが特に好ましい。
【0033】
本実施形態のバルーンカテーテル1では、内管3の外径は、特に限定されないが、好ましくは、0.5~1.5mmであり、外管2の内径の30~60%が好ましい。この内管3の外径は、本実施形態では、軸方向に沿って略同じである。内管3は、たとえば、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の合成樹脂チューブ、あるいはニッケルチタン合金細管、ステンレス鋼細管等で構成される。また、内管3を合成樹脂チューブで構成する場合は、ステンレス鋼線等を埋設してもよい。
【0034】
外管2は、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成樹脂で構成され、ステンレス鋼線等を埋設してもよい。外管2の内径および肉厚は、特に限定されないが、内径は、好ましくは、1.5~4.0mmであり、肉厚は、好ましくは、0.05~0.4mmである。外管2の長さは、好ましくは300~800mmである。
【0035】
図2Aに示すように、先端チップ5は、胴体部51と先端部52とに大別される。胴体部51は、外形が略柱状からなり、先端チップ5の大部分を構成する。胴体部51の軸方向に沿った長さは、先端部52の軸方向に沿った長さよりも長くなっている。先端部52は、胴体部51よりも遠位側に位置し、胴体部51の遠位端からその軸方向に沿って遠位側に突出している。
【0036】
図3Aに示すように、胴体部51と先端部52とは、一体となっており、胴体部51と先端部52との境界には、段差部57が形成されている。段差部57よりも遠位側に位置する先端部52では、段差部57よりも近位側に位置する胴体部51に比較して、外径が大きくなっている。
【0037】
図1および
図4Cに示すように、先端部52の外周面は、樹脂膜11で覆われている。より詳細には、先端部52の外周面のうち、遠位側に位置する湾曲面と、側方挿通孔54の開口部54aの周辺部とが、樹脂膜11で覆われている。樹脂膜11は、側方挿通孔54の開口部54aおよび遠位側挿通孔55の開口部55aが塞がれるように、先端部52の外周面に形成される。ただし、先端部52の湾曲面において、ワイヤ挿通孔50の開口部周辺は、ガイドワイヤ(図示略)が挿通できるよう、樹脂膜11で覆われてはいない。樹脂膜11は、生体との適合性を十分に確保する観点から、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミドエラストマー等の材料で構成されている。なお、本実施形態では、先端部52の外周面は、樹脂膜11によって局所的に覆われているが、全体的に覆われていてもよい。
【0038】
図3Aに示すように、胴体部51には、内管3が挿入される内管挿通孔53が形成されている。内管挿通孔53は、胴体部51の近位端から遠位側に向かって延びており、内管挿通孔53の遠位端は、ワイヤ挿通孔50の近位端に接続される。内管挿通孔53は、ワイヤ挿通孔50と同軸上に連通して配置されており、ワイヤ挿通孔50の径よりも僅かに大きい(内管3の肉厚に相当する寸法だけ大きい)径を有している。なお、詳細な図示は省略するが、内管挿通孔53の内部に内管3を挿入すると、ワイヤ挿通孔50の近位端に、内管3のワイヤ通路30の遠位端が接続される。
【0039】
先端部52の内部には、略円柱状のセンサ収容孔514が形成されている。センサ収容孔514は、先端チップ5の軸方向(長手方向)に平行に形成され、後述する圧力センサ8を収容(配置)するための空間である。センサ収容孔514は、先端チップ5のうち、先端部52側に配置されているが、胴体部51側に配置されていてもよい。また、センサ収容孔514は、胴体部51と先端部52とに跨って配置されていてもよい。
【0040】
センサ収容孔514には、側方挿通孔54と、遠位側挿通孔55と、通孔56とが接続されている。側方挿通孔54は、一端が先端チップ5の外周面で開口するとともに、他端がセンサ収容孔514の側方(図面の上方)に接続されるように形成されている。
【0041】
側方挿通孔54は、先端チップ5の径方向に沿って側方に延びており、先端部52の近位側に位置する外周面(非湾曲面)で開口している。側方挿通孔54は、センサ収容孔514の内部空間と先端チップ5の外部とを連通している。
【0042】
遠位側挿通孔55は、一端が先端チップ5の外周面(遠位端)で開口するとともに、他端がセンサ収容孔514の遠位側に接続されるように形成されている。
【0043】
遠位側挿通孔55は、先端チップ5の遠位側に向かって、側方(図面の上方)に傾斜しつつ延びており、先端部52の遠位側に位置する外周面(湾曲面)で開口している。遠位側挿通孔55の延在方向は、側方挿通孔54の延在方向とは異なっており、遠位側挿通孔55の傾斜角度は、たとえば先端チップ5の軸方向に対して、0度以上90度未満の範囲で設定される。遠位側挿通孔55は、センサ収容孔514の内部空間と先端チップ5の外部とを連通している。
【0044】
通孔56は、一端が先端チップ5の近位端で開口するとともに、他端がセンサ収容孔514の近位側に接続されるように形成されている。通孔56は、先端チップ5(胴体部51)の軸方向に沿って延在している。通孔56の近位端には近位側開口56aが形成され、遠位端には遠位側開口56bが形成されている。通孔56は、近位側開口56aおよび遠位側開口56bを介して、先端チップ5の外部とセンサ収容孔514の内部空間とを連通している。通孔56には、後述する圧力センサ8に接続された光ファイバ9を挿通させることが可能となっている。
【0045】
近位側開口56aおよび遠位側開口56bの開口幅は、後述するように、光ファイバ9が接続された圧力センサ8を、通孔56を通じて先端チップ5の外部からセンサ収容孔514の内部に挿入する際に、該圧力センサ8を挿入可能な幅となっている。すなわち、近位側開口56aおよび遠位側開口56bの開口幅は、圧力センサ8の最大幅(最大径)よりも大きい。
【0046】
先端チップ5には、一端が先端チップ5の外周面で開口するとともに、他端が通孔56に接続された充填孔(貫通孔)が形成されている。本実施形態では、先端チップ5には、複数の上記充填孔が形成されている。より具体的には、先端チップ5には、第1充填孔511、第2充填孔512および第3充填孔513の3つの充填孔が、通孔56の軸方向に沿って配置されている。これら複数の充填孔511~513の各々は、略円柱状からなり、通孔56に、軸方向に沿って一定間隔で接続されている。
【0047】
充填孔511~513は、先端チップ5(胴体部51)の径方向に沿ってまっすぐに延びており、通孔56に略直交している。充填孔511~513は、先端チップ5の外側の空間と、通孔56の内部空間とを連通している。
【0048】
第1充填孔511は、通孔56の近位端部に接続されている。より詳細には、第1充填孔511は、通孔56の近位端から距離L1だけ遠位側に離れた位置で、通孔56に接続されている。通孔56の長さをLとすると、好ましくは、0≦L1≦L/4である。
【0049】
第2充填孔512は、通孔56の遠位端部に接続されている。より詳細には、第2充填孔512は、通孔56の遠位端から距離L2だけ近位側に離れた位置で、通孔56に接続されている。通孔56の長さをLとすると、好ましくは、0<L2≦L/4である。
【0050】
第3充填孔513は、通孔56における第1充填孔511と第2充填孔512との間の区域に接続されている。好ましくは、第3充填孔513は、第1充填孔511および第2充填孔512から等距離の位置で、通孔56に接続されている。
【0051】
充填孔511~513は、先端チップ5(胴体部51)の外周面で開口する第1開口部511a~513aと、通孔56の側方に位置する内壁面で開口する第2開口部511b~513bとを有する。
【0052】
第1開口部511a~513aの各々は、センサ収容孔514よりも近位側に位置する先端チップ5(胴体部51)の外周面上に、その軸方向に沿って一直線となるように配置されている。第2開口部511b~513bの各々は、通孔56の内壁面上に、その軸方向に沿って一直線となるように配置されている。充填孔511~513の開口部511a~513a,511b~513bは略円形状からなり、その直径は、好ましくは0.1~0.5mmである。
【0053】
詳細については後述するが、
図4A~
図4Cに示すように、本実施形態では、充填孔511,513を通じて、通孔56内に樹脂14を充填することが可能となっている。通孔56内に十分な量の樹脂14が充填されている場合、樹脂14は、
図4Cに示すように、充填孔511~513の第1開口部511a~513a付近まで充填される。
【0054】
樹脂14としては、特に限定されないが、充填時には流動性を有し、充填後に硬化する硬化性の樹脂(接着剤)が好適に使用される。用いられる樹脂の具体例としては、シアノアクリレート系接着剤等の湿気硬化型接着剤、エポキシ系一液型接着剤等の加熱硬化型接着剤、エポキシ系二液型接着剤等の二液混合硬化型接着剤を挙げることができる。
【0055】
図4Dに示すように、胴体部51の外周面には、樹脂膜15が形成されている。樹脂膜15は、
図1に示すバルーン部4を構成する薄膜と同様の材料からなり、少なくとも第1開口部511a~513aの各々の周辺部に形成されている。本実施形態では、樹脂膜15は、第1開口部511a~513aの各々を塞ぐように覆っており、第1開口部511a~513aの各々の開口面上に位置する樹脂14は、先端チップ5の外部に露出することなく樹脂膜15で覆われる。
【0056】
樹脂膜15は、胴体部51の外周面のうち、第1開口部512aの遠位側から第1開口部511aの近位側にかけての領域を連続的に覆っている。樹脂膜15の長手方向に直交する方向の幅は、第1開口部511a~513aの各々を塞ぐのに十分な幅からなり、第1開口部511a~513aの各々の直径よりも大きいことが好ましい。
【0057】
詳細な図示は省略するが、
図1に示すバルーン部4の遠位端部40aは、第1開口部511a~513aの各々の周辺部において、樹脂膜15を介して胴体部51の外周に接続され、第1開口部511a~513aの各々の開口面上に位置する樹脂14と接触することがない。前述のとおり樹脂膜15はバルーン部4を構成する薄膜と同様の材料で構成される一方で、樹脂14は該薄膜とは異なる材料で構成される。そのため、樹脂14よりも樹脂膜15の方が、バルーン部4を構成する薄膜との接続の相性が良く、第1開口部511a~513aの各々の開口面上に位置する樹脂14を樹脂膜15で覆った上で、遠位端部40aを胴体部51の外周(樹脂膜15)に接続することにより、これらの間の接続強度あるいは接続信頼性を高めることができる。
【0058】
なお、樹脂膜15は、胴体部51の外周面のうち、第1開口部512aの遠位側から第1開口部511aの近位側にかけての領域を不連続に覆っていてもよい。例えば、
図4Eに示すように、3つの樹脂膜15_1~15_3の各々によって、胴体部511の外周面のうち、第1開口部511a~513aの各々の周辺部のみを局所的に覆ってもよい。
【0059】
圧力センサ8は、光ファイバ9を通して伝達する光の行路差などを利用して、センサ収容孔514内の空間内の圧力(血圧)を検出するセンサである。圧力センサ8としては、特表2008-524606号公報、特開2000-35369号公報などに記載されたものを用いることができる。
【0060】
センサ収容孔514内において圧力センサ8の周囲に画成された空間内には、が、たとえばシリコーンゲル、ポリアクリルアミドゲル、ポリエチレンオキサイドゲルなどのゲル状物質12(
図4C参照)、シリコーンオイルなどのオイル状物質などの圧力伝達充填物質が充填されている。
【0061】
次に、遠位端に圧力センサ8が接続された光ファイバ9を先端チップ5の通孔56内に固定する方法を中心に、本発明の大動脈内バルーンカテーテル1の製造方法を図面を参照しながら説明する。
【0062】
まず、先端チップ5と、光ファイバ9の遠位端が接続された圧力センサ8とを用意し、該圧力センサ8を、近位側開口部56aから通孔56内に挿入し、通孔56を通じて、センサ収容孔514の内部に配置されるまで遠位側に向けて押し込む。これにより、
図4Aに示すように、圧力センサ8がセンサ収容孔の内部に収容されるとともに、通孔56内に光ファイバの遠位端部が配置される。先端チップ5の形成方法は、特に限定されないが、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合成樹脂材料や、Ni-Ti合金等の各種金属材料を用いて、たとえば射出成形法により製造することができる。
【0063】
次に、第1充填孔511内に、硬化性の樹脂14が充填されたシリンジ13を挿入するとともに、シリンジ13から樹脂14を排出し、第1充填孔511を通じて、通孔56内に樹脂14を充填する(流し込む)。
【0064】
充填開始後、樹脂14は、第1充填孔511の第2開口部511bから通孔56内に流出し、そこから通孔56の近位側および遠位側に向かって流れ出す。遠位側に流れる樹脂14が、第1充填孔511と第3充填孔513との間の区域における通孔56内に隙間なく(十分に)充填されると、該樹脂14が通孔56から第3充填孔513に流出し、第1開口部513a付近まで充填される。
【0065】
したがって、第3充填孔513内に充填された樹脂14の充填具合を確認することにより、第1充填孔511と第3充填孔513との間の区域における通孔56内の樹脂14の充填具合を把握することができる。また、該区域における通孔56内の樹脂14の充填具合に応じて、樹脂14の充填量を調整することが可能となり、該区域における通孔56内に最適な量の樹脂を充填することができる。
【0066】
なお、通孔56の近位側開口部56aに樹脂14が到達しているか否かを確認することにより、第1充填孔511よりも近位側の区域における通孔56内の樹脂14の充填具合を把握することが可能である。
【0067】
次に、
図4Bに示すように、第1充填孔511からシリンジ13を引き抜き、第3充填孔513内に、該シリンジ13を挿入する。そして、シリンジ13から樹脂14を排出し、第3充填孔513を通じて、通孔56内に樹脂14を充填する(流し込む)。
【0068】
充填開始後、樹脂14は、第3充填孔513の第2開口部513bから通孔56内に流出し、そこから通孔56の遠位側に向かって流れ出す。遠位側に流れる樹脂14が、第2充填孔512と第3充填孔513との間の区域における通孔56内に隙間なく(十分に)充填されると、該樹脂14が通孔56から第2充填孔512に流出し、第1開口部512a付近まで充填される。
【0069】
したがって、第2充填孔512内に充填された樹脂14の充填具合を確認することにより、第2充填孔512と第3充填孔513との間の区域における通孔56内の樹脂14の充填具合を把握することができる。
【0070】
また、2つの充填孔(少なくとも1個の樹脂注入孔)511,513を通じて通孔56内に樹脂14を充填し、2つの充填孔(少なくとも1個の充填確認孔)512,513を通じて通孔56内における樹脂14の充填具合を確認できるため、通孔56内に充填する樹脂14の量を細かく調整することができる。また、通孔56および充填孔511~513の内部が樹脂で満たされ(通孔56内に十分な量の樹脂が供給され)、通孔56内に固定される光ファイバ9の固着強度を十分に高めることができる。
【0071】
なお、必要に応じて、第2充填孔512にシリンジ13を挿入するとともに、シリンジ13から樹脂14を排出し、第2充填孔512を通じて、第2充填孔512よりも遠位側の区域における通孔56内に樹脂14を充填(補充)してもよい。
【0072】
次に、
図4Cに示すように、側方挿通孔54を通じて、ゲル状物質12をセンサ収容孔514内に充填する。これにより、センサ収容孔514、側方挿通孔54および遠位側挿通孔55の内部はゲル状物質12で満たされ、センサ収容孔514の内部に収容された圧力センサ8はゲル状物質12で覆われる(固定される)。本実施形態では、センサ収容孔514が、側方挿通孔54と遠位側挿通孔55とを介して、先端チップ5の外部と連通しているため、ゲル状物質12の充填時に、遠位側挿通孔55から気泡が抜けやすく、センサ収容孔514の内部空間に気泡が溜まることを防止することができる。
【0073】
本実施形態では、側方挿通孔54および遠位側挿通孔55を介して、先端チップ5の血圧を測定すべき外部と圧力センサ8とが連通された状態となり、先端チップ5の周囲の圧力が圧力センサ8により検出される。また、
図4Cに示すように、センサ収容孔514内に圧力伝達充填物質(ゲル状物質12)が充填されている場合、該圧力伝達充填物質を介して、先端チップ5の血圧を測定すべき外部の圧力が伝達され、これが圧力センサ8により検出される。
【0074】
その後、側方挿通孔54の開口部54aを塞ぐように、先端チップ5の先端部52の近位側の外周面(非湾曲面)に樹脂膜11をたとえば略円形状に形成する。また、遠位側挿通孔55の開口部55aを塞ぐように、先端チップ5の先端部52の遠位側の外周面(湾曲面)に樹脂膜11を形成する。これにより、センサ収容孔514に充填されたゲル状物質12が先端チップ5の外部に抜けることを防止することができる。なお、ワイヤ挿通孔50の遠位側の開口部については、樹脂膜11で塞がずに、開放しておく。
【0075】
また、
図4Dに示すように、第1開口部511a~513aの各々を塞ぐように胴体部51の外周面に樹脂膜15を形成する。
【0076】
次に、胴体部51の内管挿通孔53に内管3の遠位側を挿入して接続固定し、バルーン部4の遠位端部40a(
図1参照)を胴体部51の近位側の外周面に固定することにより、
図1に示す大動脈内バルーンカテーテル1が製造される。なお、胴体部51の外周面のうち、樹脂膜15が形成された部分については、樹脂膜15の表面に遠位端部40aを固定する。
【0077】
本実施形態に係る大動脈内バルーンカテーテル1では、先端チップ5に、充填孔511~513が形成されている。そのため、充填孔511~513を通じて、直接、通孔56内に樹脂14を充填することが可能であり、該樹脂14によって、光ファイバ9を通孔56内に固定することができる。すなわち、本実施形態に係る大動脈内バルーンカテーテル1では、従来技術に示す光ファイバの固定方法とは異なり、センサ収容孔514内に樹脂14を充填する必要がない。そのため、センサ収容孔514内に配置された圧力センサ8に樹脂14が付着するおそれがなく、樹脂14の付着に起因する圧力センサ8の精度の低下を防止し、大動脈内の血圧変動を高精度に計測することができる。
【0078】
また、通孔56内に樹脂14を直接充填するため、通孔56内に形成される樹脂層に空隙(ボイド)が発生しにくくなる。そのため、通孔56の内壁面から樹脂14が剥離することを防止し、光ファイバ9を通孔56内に高い強度で固定することができる。
【0079】
また、充填孔511~513は、先端チップ5の径方向に沿って延びている。そのため、先端チップ5の外周面と通孔56とが充填孔511~513を介して最短距離で結ばれ、充填孔511~513を通じて、通孔56内に樹脂14を容易に充填することができる。
【0080】
第2実施形態
図2Bに示すように、本発明の第2実施形態に係る大動脈内バルーンカテーテルは、先端チップ5Aを有する。本実施形態における先端チップ5Aは、胴体部51Aを有する点において、第1実施形態における先端チップ5とは異なる。以下において、第1実施形態と共通する部分の説明については省略するとともに、共通する部材には共通する符号を付している。
【0081】
図2Bおよび
図3Bに示すように、胴体部51Aは、
図2Aおよび
図3Aに示した第3充填孔513を具備していない点において、第1実施形態における胴体部51とは異なる。また、胴体部51Aは、第2充填孔512Aが、
図3Aに示した第2充填孔512よりも、通孔56の遠位側に配置されている点において、第1実施形態における胴体部51とは異なる。
【0082】
本実施形態では、第1充填孔511を通じて樹脂14を通孔56内に充填し、第2充填孔512Aを通じて、第1充填孔511と第2充填孔512Aとの間の区域における通孔56内の樹脂14の充填具合を確認することができる。また、本実施形態では、先端チップ5Aに形成された充填孔の数が、
図2Aに示す先端チップ5に形成された充填孔の数よりも少ないため、第1実施形態と比較して、先端チップ5Aの構成を簡素化することができる。
【0083】
また、第2充填孔512Aを上記のような位置に配置することにより、通孔56の近位端部から遠位端部にわたる広域に十分な量の樹脂14を容易に充填することができる。なお、第2充填孔512Aを通孔56のさらに遠位側(通孔56の遠位端)に配置してもよい。
【0084】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。たとえば、先端チップ5が具備する充填孔の数は1個だけであってもよい。この場合、通孔56の近位端部、遠位端部、あるいは近位端部と遠位端部との間の区域における任意の位置に充填孔を設けることが可能である。たとえば、一端が先端チップ5の外周面で開口するとともに、他端が通孔56の軸方向略中央部に接続された充填孔を先端チップ5に具備させても良い。
【0085】
また、
図2Aに示す先端チップ5において、充填孔511~513の各々は、胴体部51の外周面上に、その周方向に位置ずれして形成されていてもよい。また、充填孔511~513の各々の軸方向に沿った間隔は等間隔でなくてもよい。
【0086】
また、
図3Aにおいて、充填孔511~513は、先端チップ5の径方向に沿ってまっすぐに延びているが、斜めに延びていてもよい。側方挿通孔54についても同様である。
【0087】
また、充填孔511~513の形状を、たとえば略角柱形状や略三角柱形状等としてもよい。
【0088】
上記第1実施形態において、先端部52の外周面に形成されている樹脂膜11については省略してもよい。
【0089】
上記各実施形態において、開口部511a~513a,511b~513bの直径は、通孔56の近位側開口部56aおよび遠位側開口部56bの直径よりも小さくなっているが、大きくしてもよい。このような構成とすることにより、通孔56内に樹脂14を隙間なく充填しやすくなる。
【符号の説明】
【0090】
1…大動脈内バルーンカテーテル
2…外管
20…圧力流体導通路
3…内管
30…ワイヤ通路
4…バルーン部
40a…遠位端部
40b…近位端部
5,5A…先端チップ
50…ワイヤ挿通孔
51,51A…胴体部
511…第1充填孔
511a…第1開口部
511b…第2開口部
512,512A…第2充填孔
512a…第1開口部
512b…第2開口部
513…第3充填孔
513a…第1開口部
513b…第2開口部
514…センサ収容孔
52…先端部
53…内管挿通孔
54…側方挿通孔
54a…開口部
55…遠位側挿通孔
55a…開口部
56…通孔
56a…近位側開口部
56b…遠位側開口部
57…段差部
6…造影マーカ
7…分岐部
71…一次ポート
72…二次ポート
73…三次ポート
74…一次通路
75…二次通路
76…三次通路
8…圧力センサ
9…光ファイバ
10…光コネクタ
11,15,15_1~15_3…樹脂膜
12…ゲル状物質
13…シリンジ
14…樹脂