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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】発光装置及び発光モジュールの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/00 20100101AFI20240403BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240403BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20240403BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240403BHJP
【FI】
H01L33/00 H
H01L33/62
F21S2/00 100
F21Y115:10 500
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2020114505
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022022696
(43)【公開日】2022-02-07
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】能田 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】酒本 正和
(72)【発明者】
【氏名】勝又 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】細川 敦志
【審査官】八木 智規
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-57664(JP,A)
【文献】特開2011-134874(JP,A)
【文献】特開2002-304902(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/271398(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00
H01L 33/48-33/64
F21K 9/00- 9/90
F21S 2/00-45/70
F21V 19/00-19/06
F21V 23/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性シートに配線を形成した基板と、
前記基板の上面に配置した複数の素子構造体と、
前記素子構造体の直下の前記基板に設けた係合部と、を備え、
前記配線は、前記伸縮性シートの上面に形成される、又は、下面に導通するように形成され、
前記素子構造体は、前記配線を介して電気的に接続する発光素子と、前記発光素子に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材と、を有する発光装置。
【請求項2】
前記配線は、前記伸縮性シートを貫通して設けたビア配線と、前記伸縮性シートの下面に前記ビア配線と電気的に接続するように前記素子構造体ごとに形成した一対の配線パッドとを有する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記係合部は、前記基板より下方に突出して形成したピンである請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記ピンは、前記被覆部材の下方から前記基板を貫通して形成している請求項3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記ピンは、前記基板と対面する前記被覆部材の底面に形成した凹部に前記基板を貫通して差し込まれている請求項3又は請求項4に記載の発光装置。
【請求項6】
前記ピンは、複数が前記素子構造体ごとに等間隔で配置されている請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項7】
前記ピンは、樹脂又は金属で形成されている請求項3乃至請求項6のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項8】
前記係合部は、前記基板の下面に設けられている磁石である請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記係合部は、磁石であり、前記配線パッドの間の前記基板の下面に前記配線パッドから間隔を空けて形成している請求項2に記載の発光装置。
【請求項10】
前記磁石は、複数の前記素子構造体に対してS極とN極とが交互に配置されている請求項8又は請求項9に記載の発光装置。
【請求項11】
前記磁石は、希土類を含有して形成されるものである請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の発光装置。
【請求項12】
前記係合部は、前記基板の下面に設けられた接着層である請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記接着層は、前記発光素子の直下の前記基板に設けられている請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記接着層は、前記発光素子の平面視における面積と同等の範囲に少なくとも設けられた請求項12又は請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光装置を準備すると共に前記発光装置を設ける筐体を準備する準備工程と、
前記発光装置の基板の一端を実装する筐体の筐体面の端部に固定して前記基板を仮固定する仮固定工程と、
前記筐体面に固定した前記一端以外の他の端部を引っ張り、前記基板を伸張させながら、前記筐体面に予め設けられている係合対応部に、前記係合部を係合させる係合工程と、を含む発光モジュールの製造方法。
【請求項16】
前記筐体は、前記基板と対面する前記筐体面が凸曲面に形成され、
前記係合工程は、前記凸曲面に沿わせて、前記基板の他の端部を引っ張り、前記伸縮性シートを伸張させながら前記係合対応部に前記係合部を係合させる請求項15に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項17】
前記係合部がピンであったとき、前記係合対応部は、前記ピンを収納するピンホールである請求項15又は請求項16に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項18】
前記係合部が磁石であったとき、前記係合対応部は、前記磁石が磁着する磁極の磁石である請求項15又は請求項16に記載の発光モジュールの製造方法。
【請求項19】
請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光装置を準備すると共に、前記発光装置の基板と対面する凹面に貫通孔と、所定間隔で凹部とが形成された筐体を準備する工程と、
前記凹面の周辺の平坦部と前記基板の周縁の少なくとも一部を仮固定する工程と、
前記貫通孔から真空吸引して前記素子構造体の直下及び直下周辺の前記基板と共に、前記素子構造体の側面の少なくとも一部とを、前記基板の弾性力に抗して、前記凹部内に収納して前記接着層を係合対応部である前記凹部の底面に接着する係合工程と、を含む発光モジュールの製造方法。
【請求項20】
請求項12乃至請求項14のいずれか一項に記載の発光装置を準備すると共に、前記発光装置の基板と対面する凹面に貫通孔が形成された筐体を準備する工程と、
前記凹面の周辺の平坦部と前記基板の周縁の少なくとも一部とを仮固定する仮固定工程と、
前記貫通孔から真空吸引により前記基板を伸張させながら前記基板の接着層を凹面に接着する係合工程と、を含む発光モジュールの製造方法。
【請求項21】
前記係合工程の後に、前記貫通孔を塞ぐ工程を含む請求項19又は請求項20に記載の発光モジュールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、発光装置及び発光モジュールの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、発光装置として、位置決めするための貫通孔を形成したフレキシブルプリントサーキット(FPC)にLEDを設けた構成がある。この発光装置は、ベースに設けたピンにFPCの貫通孔を挿通させることで位置ずれを防止している(特許文献1参照)。また、マグネットを基板の下方に搭載したLEDランプが開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-73723号公報
【文献】特開2004-15012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示に係る実施形態は、素子構造体の位置決めが容易となる発光装置及び発光モジュールの製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態に係る発光装置は、伸縮性シートに配線を形成した基板と、前記基板の上面に配置した複数の素子構造体と、前記素子構造体の直下の基板に設けた係合部と、を備え、前記配線は、前記伸縮性シートの上面に形成される、又は、下面に導通するように形成されており、前記素子構造体は、前記配線を介して電気的に接続する発光素子と、前記発光素子に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材と、を有する。
【0006】
本開示の実施形態に係る発光モジュールの製造方法は、発光装置を準備すると共に前記発光装置を設ける筐体を準備する準備工程と、前記発光装置の基板の一端を実装する筐体の筐体面の端部に固定して前記基板を仮固定する仮固定工程と、前記筐体面に固定した前記一端以外の他の端部を引っ張り、前記基板を伸張させながら、前記筐体面に予め設けられている係合対応部に、前記係合部を係合させる係合工程と、を含む。
【0007】
本開示の実施形態に係る発光モジュールの製造方法は、発光装置を準備すると共に、前記発光装置の基板と対面する凹面に貫通孔と所定間隔で凹部とが形成された筐体を準備する工程と、前記凹面の周辺の平坦部と前記基板の周縁の少なくとも一部とを仮固定する工程と、前記貫通孔から真空吸引して前記素子構造体の直下及び直下周辺の前記基板と共に、前記素子構造体の側面の少なくとも一部とを、前記基板の弾性力に抗して、前記凹部内に収納して前記接着層を前記係合対応部である前記凹部の底面に接着する係合工程と、を含む。
【0008】
本開示の実施形態に係る発光モジュールの製造方法は、発光装置を準備すると共に、前記発光装置の基板と対面する凹面に貫通孔が形成された筐体を準備する工程と、前記凹面の周辺の平坦部と前記基板の周縁の少なくとも一部とを仮固定する仮固定工程と、前記貫通孔から真空吸引により前記基板を伸張させながら前記基板の接着層を凹面に接着する係合工程と、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本開示の実施形態に係る発光装置では、発光素子の位置決めが容易となる。また、本開示の実施形態に係る発光モジュールの製造方法では、発光素子の位置決めが容易な発光モジュールを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A】第1実施形態に係る発光モジュールの発光装置の構成を一部断面にして上方から模式的に示す斜視図である。
図1B】第1実施形態に係る発光装置の構成を一部断面にして下方から模式的に示す斜視図である。
図1C】第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。
図1D】第1実施形態に係る発光装置を模式的に示す底面図である。
図1E図1Cの1E-1E線における断面図である。
図1F】第1実施形態の発光装置を発光モジュールとして使用するために用いる筐体を模式的に示す平面図である。
図2】第1実施形態に係る発光装置を用いた発光モジュールの製造方法の手順を示すフローチャートである。
図3A】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置及び筐体を模式的に示す断面図である。
図3B】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体に発光装置の基板を仮固定して基板の係合部を筐体の係合対応部に位置合わせする状態を示す模式図である。
図3C】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体の筐体面に実装した状態を示す模式図である。
図4A】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法を示す模式図である。
図4B】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定する状態を示す模式図である。
図4C】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定して係合する状態を示す模式図である。
図4D】第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に実装した状態を示す模式図である。
図5A】第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置の断面図である。
図5B】第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置の底面図である。
図6A】第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法を示す模式図である。
図6B】第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定する状態を示す模式図である。
図6C】第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定して係合部を係合対応部に係合する状態を示す模式図である。
図6D】第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に実装した状態を示す模式図である。
図7A】第3実施形態に係る発光モジュールの製造方法について、発光装置及び筐体を示す模式図である。
図7B】第3実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体に仮固定した状態を示す模式図である。
図7C】第3実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の筐体面に沿って発光装置の基板を係合した状態を示す模式図である。
図7D】第3実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の貫通穴を蓋により塞いだ状態を示す模式図である。
図8A】第4実施形態に係る発光モジュールの製造方法について、発光装置及び筐体を示す模式図である。
図8B】第4実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体に仮固定した状態を示す模式図である。
図8C】第4実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の筐体面に沿って発光装置の基板を係合した状態を示す模式図である。
図8D】第4実施形態に係る発光モジュールを模式的に示す平面図である。
図9A】各実施形態に係る発光モジュールの発光装置の変形例を断面にして示す模式図である。
図9B図9Aの発光装置を筐体に実装する状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本実施形態の技術思想を具現化するための発光装置、発光モジュールの製造方法を例示するものであって、以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0012】
<第1実施形態に係る発光モジュール>
[第1実施形態に係る発光モジュールの発光装置]
はじめに、発光モジュールの発光装置及び筐体について、図1A乃至図1Fを参照して、説明する。図1Aは、第1実施形態に係る発光モジュールの発光装置の構成を一部断面にして上方から模式的に示す斜視図である。図1Bは、第1実施形態に係る発光装置の構成を一部断面にして下方から模式的に示す斜視図である。図1Cは、第1実施形態に係る発光装置の構成を模式的に示す平面図である。図1Dは、第1実施形態に係る発光装置を模式的に示す底面図である。図1Eは、図1Cの1E-1E線における断面図である。図1Fは、第1実施形態の発光装置を発光モジュールとして使用するために用いる筐体を模式的に示す平面図である。
【0013】
発光装置100は、伸縮性シート23に配線25を形成した基板20と、基板20の上面に形成した複数の素子構造体10と、素子構造体10の直下の基板20に設けた係合部としてのピン8と、を備えている。そして、配線25は、伸縮性シート23の上面に形成されるか、又は、下面に導通するように形成されており、ここでは、伸縮性シート23の下面に形成した配線パッド31,33にビア配線21,22が導通するように形成されている。また、素子構造体10は、配線25を介して電気的に接続する発光素子1と、発光素子1に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材5とを有している。発光装置100は、一例として、4つの素子構造体10が2行2列の行列方向に並べられている構成として説明する。
以下、発光装置100及び筐体200の各構成を先に説明し、その後、発光装置100及び筐体200を備える発光モジュール300の製造方法について説明する。
【0014】
基板20は、伸縮性シート23と、伸縮性シート23に形成した配線25と、を備えている。
伸縮性シート23は、所望のクリアランス(素子構造体10同士の間隔)を確保できるだけの伸び率があり、素子構造体10を問題なく実装できるものであればよい。伸縮性シート23の材料としては、例えば、UVテープ、各種プラスチック、ゴム等が挙げられる。伸縮性シート23の厚さは、例えば、10μm以上500μm以下が好ましく、20μm以上200μm以下であることが更に好ましい。伸縮性シート23の伸び率は700%以下が好ましく、500%以下が更に好ましく、300%以下が特に好ましい。伸縮性シート23の伸び率が500%を超えるものを用いることにより、素子構造体10を高密度に配置することができる。また、伸縮性シート23の伸び率を300%以下に抑えることにより、伸縮性シート23を配線等に使用することができたり、伸縮性シート23の破断を抑制したりすることができる。
【0015】
配線25は、ビア配線21,22と、配線パッド31,32とを備えている。ビア配線21,22は、素子構造体10を実装する位置で、伸縮性シート23の厚み方向に貫通して形成されている。ビア配線21,22は、素子構造体10における発光素子1の素子電極3,4に接合して、伸縮性シート23の裏面に形成される配線パッド31,32と電気的な接続を行う。ビア配線21、22は、伸縮性シート23の厚み方向に形成した貫通孔(ビア)に導電性物質を充填して形成されている。ここで使用される導電性物質は、配線パッド31,32で使用される部材と同じものを使用することができる。例えば、導電性部材としては、導電ペーストを使用することができる。導電ペーストは、バインダーに金属粉末を混合したもので、バインダーが未硬化な液状ないしペースト状でビア内に充填されその後、硬化することで形成される。導電ペーストは、例えば金属粉末である銀や銅粉末を、バインダーであるポリマーに混合したもので、バインダーのポリマーを硬化させて導電性のビア配線21,22を形成する。また、導電ペーストとして、バインダーに紫外線硬化樹脂や光硬化樹脂を使用するものでもよい。この導電ペーストは、塗布した状態で紫外線や特定波長の光を照射してバインダーを短時間で硬化できる。導電ペーストは、メタルマスクを使用してビア内に充填されるように塗布される。塗布された導電ペーストは、紫外線や光を照射して短時間に硬化されてビア配線21,22を形成する。
【0016】
配線パッド31,32は、伸縮性シート23の裏面で、素子構造体10の直下に形成されている。配線パッド31,32は、素子構造体10の外周の内側となる範囲に一方と他方に離れて一対となるように形成されている。配線パッド31,32は、下面から見た場合に、角部に丸みを帯びた長方形に形成されており、電気的に短絡しない距離に並列するように形成されている。この配線パッド31,32は、電気的に接続することができる部材で形成されている。
なお、発光装置における基板20は、配線パッド31,32の略中央に基板20を貫通して設けた係合部としてのピン8を備えている。このピン8の構成は後記する。
【0017】
素子構造体10は、発光素子1と、発光素子1の光取出面に接合する波長変換部材2と、発光素子1及び波長変換部材2の周囲に設けた被覆部材5と、を備え、ここでは、さらに被覆部材5の内側で発光素子1を覆うように封止部材6が形成されている。また、ここでは素子構造体10は、基板20上に所定の間隔で行列方向に2行2列で配置されている。
被覆部材5は、発光素子1の周囲を囲むように基板20から上方に突出して枠状に形成されている。被覆部材5は、発光素子1が発光して横方向又は下方向に進行する光を、発光装置100の発光面から光を取り出すように反射する。被覆部材5は、一例として発光素子1の周囲に所定の距離を空けて形成されている。この被覆部材5の内側には断面が台形の空間が形成され、空間は基板20面から上方に向かうにしたがって開口が広がるように形成されている。
そして、被覆部材5は、素子構造体10の上面となる上端周面5aを平面視において環状に矩形で形成している。また、被覆部材5は、素子構造体10の下面となる下端周面5bを、上端周面5aと平行に、かつ、上端周面5aの環状の矩形よりも大きな幅になるように環状の矩形に形成している。そして、被覆部材5は、上端周面5aの内周側に下端周面5bの内周側まで連続する内周側壁面5cと、上端周面5aの外周側に下端周面5bの外周側まで連続する外周側壁面5dが形成されている。
さらに、被覆部材5は、内周側壁面5cが下端周面5bから上端周面5aに向かって傾斜角度が大きくなるように傾斜面に形成されている。
さらに、被覆部材5は、内周側壁面5cが下端周面5bから上端周面5aに向かって傾斜して開口が広がる方向となるように傾斜面に形成されている。
【0018】
この被覆部材5は、反射部材で形成されることが好ましく、例えば、樹脂部材を母材として、母材内に光反射材を含有して形成されている。母材の材料としては、例えば、ポリアミド(PA)、ポリフタルアミド(PPA)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、または、液晶ポリマー等の熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、または、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。また、光反射材としては、酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、チタン酸カリウム、アルミナ、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、ムライトなどが挙げられる。これらは、粒状、繊維状、薄板片状などのいずれの形状でもよい。
【0019】
(係合部:ピン)
また、被覆部材5の下端周面5bには、係合部としてのピン8を支持するための支持孔が、一例として、対向する2箇所に形成されている。そして、被覆部材5は、下端周面5bに形成した支持孔にピン8を支持して、ピン8を基板20に貫通させて基板20から突出するように支持している。
ピン8は、外部の例えば筐体(図1F参照)に発光装置100を実装するときに、対応する位置に形成された係合対応部に位置決めするために使用される。このピン8は、例えば、樹脂や金属で形成されており、基板20の配線パッド31,32から突出するように形成されている。ピン8は、四角柱状に形成されているが、丸柱状、三角柱状あるいは多角形柱状、円筒状等、その形状は限定されるものではない。また、ピン8は、図面では、一つの素子構造体10に対して、2本が設けられるように図示しているが、その数は、1本から4本等であっても構わない。ピン8は、基端から先端まで一様な形状として示しているが、先端形状を尖らせるように形成してもよい。このピン8は、例えば、被覆部材5の縦横の大きさが3×3mmの場合、直径0.5mm以上1mm以下程度である。また、ピン8の長さは、5mm~10mmが好ましい。さらに、一例として、複数のピン8は、複数が素子構造体10ごとに等間隔で配置されている。
【0020】
(封止部材)
封止部材6は、透光性の部材で形成され発光素子1等を外部環境から保護するとともに、波長変換部材2等から出力される光を光学的に制御するため、発光素子1及び波長変換部材2を被覆するように基板上に被覆部材5の内側に形成される部材である。封止部材6は、発光素子1の下面と基板面との間、及び、素子電極3,4の側面も覆うように設けられている。
封止部材6の材料としては、エポキシ樹脂やシリコーン樹脂あるいはそれらを混合させた樹脂や、ガラスなどの透光性材料を用いることができる。これらのうち、耐光性および成形のしやすさを考慮して、シリコーン樹脂を選択することが好ましい。なお、封止部材6には、光拡散材に加え、着色剤を含有させることもできる。封止部材6にこれらの部材を含有させる場合、配光特性になるべく影響を与えないものを用いることが好ましい。たとえば、含有させる部材の粒径が0.2μm以下のものであれば、配光特性に与える影響が少ないため好ましい。
【0021】
(発光素子)
発光素子1は、半導体発光素子が一例として用いられる。発光素子1は、種々の半導体で構成される素子構造に正負一対の素子電極3,4が設けられたものであればよい。特に、発光素子1は、蛍光体を効率良く励起可能な窒化物半導体(InAlGa1-x-yN、0≦x、0≦y、x+y≦1)のものが好ましい。この他、発光素子1は、硫化亜鉛系半導体、セレン化亜鉛系半導体、炭化珪素系半導体のものでもよい。
発光素子1としては、例えば、平面視において、一辺の長さが100μm以上2mm以下の正四角形のものが挙げられるが、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形等の多角形を用いることもでき、これら多角形を種々組み合わせ使用してもよい。
【0022】
(波長変換部材)
波長変換部材2は、発光素子1の光取出面に形成され、発光素子1が発光する波長の光の一部を吸収し、異なる波長の光に変換して発光する波長変換物質を含有する部材である。波長変換部材2で用いられる波長変換物質は、例えば蛍光体である。
波長変換部材2の母材あるいはバインダーは、透光性の樹脂によって形成されていることが好ましい。ここでの樹脂としては、例えば、母材あるいはバインダーとなる樹脂が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂又はその変性樹脂は、耐熱性や耐光性に優れ、硬化後の体積収縮が少ないため、好ましい。また、波長変換部材2の母材あるいはバインダーは、樹脂の他、ガラスによって形成されてもよい。
【0023】
波長変換部材2に含有される蛍光体としては、例えば、セリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたルテチウム・アルミニウム・ガーネット、セリウムで賦活されたテルビウム・アルミニウム・ガーネット、ユウロピウム及びクロムのうちのいずれか1つ又は2つで賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム、ユウロピウムで賦活されたサイアロン、ユウロピウムで賦活されたシリケート、マンガンで賦活されたフッ化珪酸カリウム、ユウロピウムで賦活された窒化物蛍光体等が挙げられる。
【0024】
以上説明したように発光装置100は、基板20から下方に突出するピン8を備えているので、発光装置100を実装する対象物である、例えば、筐体200の湾曲した筐体面201に沿って基板20の伸縮性シート23を伸張させながら位置合わせを行い、正確な位置に素子構造体10の発光素子1を配置することができる。なお、伸張させる方向は、仮固定する位置に対して対向する一方向、あるいは、一方向及び一方向に直交する他方向、又は、仮固定位置から放射方向等である。
【0025】
[第1実施形態に係る発光モジュールの筐体]
発光モジュール300で使用する筐体200は、発光装置100の基板20を接続する筐体面201と、発光装置100の配線パッド31,32を電気的に接続するための接続配線202と、発光装置100のピン8を係合する係合対応部としてのピンホール203と、を主に備えている。筐体200は、一例として、直方体形状に形成され、筐体面201が平坦な矩形となっている。筐体200は、樹脂等の絶縁部材で形成され、発光モジュール300を設置する構造体の形状に合わせて形状が設定されている。接続配線202は、基板20に実装されている発光素子1を単独あるいは複数で点灯消灯させるように形成されている。ピンホール203は、ピン8を挿入できる大きさと深さを有しており、ピン8がピンホール203に挿入されると抜けにくくなるような大きさに形成されていることがこのましい、つまり、ピン8の大きさよりもピンホール203の大きさが小さく形成されていることが好ましい。このピンホール203は、素子構造体10、発光素子1が位置決めされる位置に形成されている。
【0026】
<発光モジュールの製造方法の第1実施形態>
以下、発光装置100を用いる発光モジュールの製造方法について、図2図3A図3Cを参照して説明する。
図2は、発光モジュールの製造方法の手順を示すフローチャートである。図3Aは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置及び筐体を模式的に示す断面図である。。図3Bは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体に発光装置の基板を仮固定して基板の係合部を筐体の係合対応部に位置合わせする状態を示す模式図である。図3Cは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体の筐体面に実装した状態を示す模式図である。
【0027】
はじめに、発光モジュールの製造方法は、発光装置100を準備すると共に発光装置100を設ける筐体200を準備する準備工程S11と、発光装置100の基板20の一端を実装する筐体200の筐体面201の端部に固定して基板20を仮固定する仮固定工程S12と、筐体面201に固定した一端以外の基板20の他の端部を引っ張り、基板20を伸張させながら、筐体面201に予め設けられている係合対応部であるピンホール203に、係合部であるピン8を係合させる係合工程S13と、を含む。
【0028】
(準備工程)
準備工程S11は、伸縮性シート23に配線25を形成した基板20と、基板20の上面に形成した複数の素子構造体10と、素子構造体10の直下の基板20に設けた係合部としてのピン8と、を備えた発光装置100を準備すると共に、発光装置100を配置する筐体200を準備する工程である。
準備工程S11では、一例として、1つの発光素子1が配置された素子構造体10を行列方向に2行2列に所定間隔を空けた状態で基板20に配置した発光装置100が準備される。この発光装置100は、素子構造体10の被覆部材5の下端周面5bに対応する位置で基板20から下方に突出してピン8が形成されている。この発光装置100は、既に説明した構成のものを使用することができる。
また、筐体200は、直方体形状に形成され、矩形の筐体面201と、筐体面201に形成された接続配線202と、発光装置100のピン8に対応するピンホール203とを備えている。
【0029】
(仮固定工程)
仮固定工程S12は、発光装置100の基板20の一端を筐体200の筐体面201の一端に固定して基板20を仮固定する工程である。仮固定工程S12では、基板20の一端を接着剤などの接合部材あるいは支持ピンなどの取付部材、又は挟持する挟持治具等の仮固定部材(ここでは接合部材50)により筐体面201に固定する。発光装置100は、一例として、基板20が平面視において矩形に形成されているので、基板20の一辺を筐体面201の一辺側に仮固定部材である接合部材50を介して固定することで、基板20を仮固定する。
【0030】
(係合工程)
係合工程S13は、基板20を伸張させながら、基板20から突出するピン8を、筐体面201に形成している係合対応部であるピンホール203に係合させる工程である。係合工程S13では、仮固定固定S12において固定されていない3辺の内、少なくとも固定されている辺に対向する辺を掴んで伸張する方向に基板20を引っ張りながら、ピン8をピンホール203に係合させる。なお、係合工程S13では、固定していない基板20の3辺を同時に引っ張り基板20を伸張させながらピン8をピンホール203に係合させることとしてもよい。また、係合工程S13では、固定されていない対向する辺の両端となる基板の角部分を仮固定に対向する方向に対して傾斜する方向に引っ張ることでピン8をピンホール203に係合させることとしてもよい。係合工程S13では、固定した位置に対して対向する方向及び、対応する方向に直交する方向の3方向に、ピン8及びピンホール203の位置を検知するセンサを配置して、ピン8及びピンホール203の位置が整合したらピン8をピンホール203に挿入するように係合させてもよい。
【0031】
なお、発光装置100の基板20の裏面で配線パッドを除く部分と、筐体200の筐体面201の電気的な接続をしない部分には、予め接合するための接合部材を塗布してもよい。また、基板20の固定していない3辺を接合部材を介して筐体200の筐体面201に接合することとしてもよい。係合工程S13により基板20を伸張させながら筐体200の筐体面201にピン8をピンホール203に位置を合わせて係合させているので、素子構造体10や発光素子1を正確に実装したい位置に配置することができる。
【0032】
発光装置100の基板20は、ピン8がピンホール203に係合し終わると、はじめに固定された端部以外の端部を筐体200の筐体面201の対応する端部に接着剤などの接合部材51を介して固定される固定工程S14が行われる。なお、基板20の裏面に露出している配線パッド31,32と、筐体面201に形成されている接続配線202と、のどちらか一方又は両方に予めハンダペースト等の電気的な接続を行うことができる部材が設けられていることが好ましい。また、ハンダペースト等の部材を設ける場合には、ピン8が露出できるように設けられると共に、ピンホール203が埋まらないように設けられていることが好ましい。
発光装置100の基板20が筐体面201に実装された筐体200を備える発光モジュール300は、外部に設けた電源の操作により接続配線202に接続されている発光装置100の発光素子1を点灯消灯させるように動作させることができる。
【0033】
(筐体の筐体面が凸曲面)
(第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法の変形例)
なお、筐体200は、筐体面201を平面として説明したが、凸曲面に形成されていてもよい。以下、図4A乃至図4Dを参照して説明する。図4Aは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法を示す模式図である。図4Bは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定する状態を示す模式図である。図4Cは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定して係合する状態を示す模式図である。図4Dは、第1実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に実装した状態を示す模式図である。
筐体210は、筐体面211を凸曲面としており、凸曲面の筐体面211に接続配線212及びピンホール213を形成している。筐体200は、ここでは、一方向に湾曲するシリンドリカル面になるように筐体面211が形成されている。
【0034】
発光モジュール310は、発光装置100と凸曲面の筐体面211を備える筐体210とにより形成されている。この発光モジュール310の製造方法は、既に説明した第1実施形態の発光モジュールの製造方法と同じ工程により製造することができ、発光装置100及び筐体210を準備する準備工程S11と、発光装置100の基板20の一端を実装する筐体210の筐体面211の一端に固定して基板20を仮固定する仮固定工程S12と、凸曲面に沿わせて、基板20の他の端部を引っ張り、伸縮性シート23を伸張させながら係合対応部となるピンホール213に係合部であるピン8を係合させる係合工程S13を、含むようにこの順で行っている。
【0035】
準備工程S11では、既に説明した発光装置100と、凸曲面の筐体面211を有する筐体210を準備する。
仮固定工程S12では、筐体面211の一方向に湾曲する一端側に、基板20の一端を、例えば、接着剤等の仮固定部材である接合部材50で固定する。
係合工程S13では、仮固定工程S12にて固定されていない基板20の他端を引っ張りながら伸縮性シート23を伸張させてピン8の位置をピンホール213の位置に位置合わせをする。基板20の固定された一端側のピン8からピンホール213に係合させ、他端側に向かって徐々にピン8とピンホール213とを係合させている。そして、全てのピン8をピンホール213に係合させ終わると、基板20の他端及びその他の端部を筐体面211の端部に固定して、基板20を筐体面211に固定する固定工程S14が行われる。
なお、凸曲面の筐体面211を備える筐体210は、伸縮性シートを引っ張り伸張させながら、ピン8がピンホール213に挿入して係合した状態を、例えば、筐体210の左右正面の3か所に設置したセンサ等により確認し易く、より精度よく迅速に係合工程S13を行うことが可能となる。
【0036】
<第2実施形態に係る発光モジュール>
つぎに、第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置について、図5A及び図5Bを参照して説明する。図5Aは、第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置を断面にして模式的に示す断面図である。図5Bは、第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置を底面から模式的に示す底面図である。
[第2実施形態に係る発光モジュールの発光装置]
なお、第2実施形態の発光装置120では、係合部としての構成がピンではなく磁石を用いる構成が異なるのみで他の構成は第1実施形態と同じ構成であるので、発光装置の各構成や筐体の構成等、適宜説明を省略する。発光装置120は、伸縮性シート23にビア配線21,22を形成した基板20と、基板20の上面に形成した複数の素子構造体10と、基板20の下面にビア配線21,22と電気的に接続するように素子構造体10ごとに形成した一対の配線パッド31,32と、基板20の下面に形成した係合部としての磁石8Bと、を備えている。そして、素子構造体10は、配線パッド31,32に電気的に接続する発光素子1と、発光素子1に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材5とを有する。発光装置120は、一例として、4つの素子構造体10が2行2列の行列方向に並べられている構成として説明する。
【0037】
磁石8Bは、基板20の裏面で配線パッド31,32の間に一つの素子構造体10に一か所となるように形成されている。磁石8Bは、扁平な形状に形成され、例えば、円板状、矩形板状などの板状に形成されている。そして、磁石8Bは、例えば、各素子構造体10の実装される基板20の下面に設けられるものをすべて磁極がS極となるように形成されることや、磁極をS極とN極とを交互に配置するように形成してもよい。なお、磁石8Bは、配線パッド31,32の間に電気的な短絡が起こらない距離及び大きさに形成されている。例えば、配線パッド31,32が対向する間を挟む一方と他方の位置で、素子構造体10の直下となる基板の位置に、一つの素子構造体10に2つの磁石8Bが一対で形成されることとしてもよい。
【0038】
磁石8Bは、例えば、希土類を含有して形成されている。磁石8Bは、アクチニウムを除く第3族元素やランタノイドを有する希土類元素を用いて作られる永久磁石である。例えば、磁石8Bは、耐熱性および耐食性に優れるサマリウムコバルト磁石(SmCoおよびSmCo17)や、ネオジム磁石(NdFe14B)や、機械的強度が高いプラセオジム磁石(PrCo)や、サマリウム鉄窒素磁石(SmFe17等、Sm-Fe-N)などである。
また、磁石8Bの大きさとしては、5mm~10mmが好ましい。
【0039】
[第2実施形態に係る発光モジュールの筐体]
発光モジュール320で使用する筐体220は、発光装置120の基板20を接続する筐体面221と、発光装置120の配線パッド31,32を電気的に接続するための接続配線222と、発光装置120の磁石8Bを係合する係合対応部として磁石8Bの極性と逆の極性を持つ受側の磁石223とを主に備えている。筐体220は、一例として、筐体面221を平坦とする直方体形状に形成されることや、あるいは、筐体面221が凸曲面に形成されることとしてもよく、平面視において、筐体面221が矩形となっていてもよい。
発光装置120は、係合部として磁石8Bを備えているので、筐体220の筐体面221に設けた係合対応部としての磁極の異なる受側の磁石223に磁着することで係合し、位置合わせを正確に行った状態で基板20を筐体220の筐体面221に実装することが可能となる。
【0040】
<発光モジュールの製造方法の第2実施形態>
つぎに、発光モジュールの製造方法にいてて、図6A乃至図6Dを参照して説明する。図6Aは、第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法を示す模式図である。図6Bは、第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定する状態を示す模式図である。図6Cは、第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に仮固定して係合部を係合対応部に係合する状態を示す模式的図である。図6Dは、第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、筐体の筐体面が凸曲面の場合で、発光装置の基板を筐体に実装した状態を示す模式図である。
この発光モジュール320の製造方法は、既に説明したように、製造方法と同じ工程により製造することができ、磁石8Bを基板20に備える発光装置120、及び、筐体面221に受側の磁石223を有する筐体220を準備する準備工程S11と、発光装置120が載置された基板20の一端を実装する筐体220の筐体面221の端部に固定して基板20を固定する仮固定工程S12と、筐体面221に沿わせて、基板20の他の端部を引っ張り、伸縮性シート23を伸張させながら係合対応部となる受側の磁石223に係合部である磁石8Bを磁着させ係合させる係合工程S13を、含むようにこの順で行っている。
【0041】
係合工程S13では、伸縮性シート23を伸張させながら磁石8Bを筐体面221の受側の磁石223に磁着させ係合させる動作を、固定した側から近い磁石8Bから固定した側から遠い側となる磁石8Bに向かって順番に行っていく。なお、係合工程S13では、基板20の磁石8Bと、筐体面221の受側の磁石223とは、互いに近づくと磁着しようとする。そのため、基板20の磁石8Bと筐体面221の受側の磁石223とは係合し易く、かつ、正確な位置に素子構造体を配置することが可能となる。
また、磁石8Bは、磁極を交互にS極又はN極とするように配置することで、同様に、磁極を交互にN極又はS極として配置している筐体面221の受側の磁石223に磁着させるときに、基板20と筐体面221とが位置ずれしていても、ずれた位置の磁極がS極とS極あるいはN極とN極となり係合することがなく、さらに位置決めが容易となる。
【0042】
[第2実施形態に係る発光モジュールの製造方法の変形例]
なお、筐体220の筐体面221は、図6A乃至図6Dで示すように凸曲面に形成されていてもよい。このような凸曲面の筐体面221では、既に説明したように、一端側から他端側に向かって磁石8Bが筐体面221の受側の磁石223に磁着して係合することができる。基板の磁石8Bと筐体面221の受側の磁石223とが全て係合して基板20と筐体面221が当接した状態となったら、基板20の3方の端部を筐体220の対面する3方の端部に固定することで発光装置120の基板20を筐体220の筐体面に実装することで発光モジュール320を製造している。
【0043】
<第3実施形態に係る発光モジュール>
つぎに、第3実施形態に係る発光モジュール330の発光装置130及び筐体230について、図7A乃至図7Dを参照して説明する。図7Aは、第3実施形態に係る発光モジュールの製造方法について、発光装置及び筐体を示す模式図である。図7Bは、第3実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体に仮固定した状態を示す模式図である。図7Cは、第3実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の筐体面に沿って発光装置の基板を係合した状態を示す模式図である。図7Dは、第3実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の貫通穴を蓋により塞いだ状態を示す模式図である。
発光モジュール330は、発光装置130及び筐体230を備えている。
【0044】
[第3実施形態に係る発光モジュールの発光装置]
発光装置130は、伸縮性シート23cの上面に配線21cを形成した基板20cと、基板20cの上面に形成した複数の素子構造体10cと、を備えている。そして、基板20cは、その表面に形成した配線21cと素子構造体10cの発光素子1が電気的に接続するように形成されると共に、裏面に係合部として形成される接着層8cを有している。また、素子構造体10cは、配線21cを介して電気的に接続する発光素子1と、発光素子1に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材5とを有している。
発光装置130では、伸縮性シート23cの上面に形成した配線21cは、例えば、発光素子1の素子電極3,4に接続する一方と他方の配線である。なお、配線21cは、一方と他方の配線の端部に線幅を大きくした配線パッドを形成してもよい。配線21cは、一例として、4個の発光素子1の素子電極3,4に直列に接続されると共に、4個の発光素子が並列で並ぶように伸縮性シート23cの上面に形成されている。
【0045】
そして、発光装置130では、係合部として接着層8cが設けられている。この接着層8cは、すくなくとも発光素子1の直下の基板に設けられており、ここでは、基板20cの下面の全面に形成されている。
接着層8cは、一例として、エポキシ系、シリコーン系、ポリイミド系、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、フェノール系、或いはそれらの複合物等、種々の熱硬化性樹脂からなる接着材を用いることができる。接着層8cの厚みは、10μm以上20μm以下であることが好ましい。
【0046】
[第3実施形態に係る発光モジュールの筐体]
筐体230は、筐体面231に凹面が形成されており、筐体面231の中央に貫通穴234が形成されている。そして、筐体230は、筐体面231の凹面に基板20cに設けた素子構造体10cが全て収納されるように係合される。ここでは、筐体面231内においてほぼ均等に素子構造体10cのそれぞれが配置されるように接着することで係合対応部である凹面に係合部である接着層8cが係合することとしている。
貫通穴234は、外部に接続されている真空吸引装置からの真空吸引を行うためのものである。この貫通穴234は、基板20cを筐体面231に沿って接着させる作業を行った後に外部側から蓋236により塞がれる。
【0047】
<発光モジュールの製造方法の第3実施形態>
つぎに、第3実施形態に係る発光モジュールの製造方法について、図7A乃至図7Dを参照して説明する。発光モジュールの製造方法は、発光装置130を準備すると共に、発光装置130の基板20cと対面する凹面に貫通孔を有する筐体230を準備する工程である準備工程S11と、凹面の周辺の平坦部と前記基板の周縁の少なくとも一部を固定して基板を仮固定する工程である仮固定工程S12と、貫通孔から真空吸引して基板を凹面の筐体面231に沿って接着させる係合工程S13と、を含むようにこの順で各工程が行われる。
【0048】
準備工程S11は、配線21c及び素子構造体10cを伸縮性シート23cの上面に形成すると共に、接着層8cを伸縮性シート23cの下面に形成した発光装置130を準備すると共に、凹面の筐体面231及び筐体面231の中央に貫通穴234を形成した筐体230を準備する。そして、筐体230は、固定された状態で貫通穴234に外部の真空吸引装置の吸引ホースPSが接続された状態で配置される。
仮固定工程S12では、筐体230の筐体面231の周辺の平坦部の少なくとも一部に基板20cの周縁の少なくとも対向する2辺を固定して基板20cを筐体230に仮固定する。なお、仮固定工程S12では、基板20cの下面全面に接着層8cが形成されているので、筐体面231の周縁の平坦部に基板20cの周縁のすべてが接着された状態となる。
【0049】
係合工程S13では、筐体面231に対面して凹面を塞いでいる基板20cにより形成されている空間VAの空気を吸引ホースPSを介して真空吸引する。そのため、係合工程S13では、空間VA内を負圧にすることで、基板20cを筐体面231の凹面に沿って当接させて接着層8cにより筐体面231に接着して係合する。空間VA内を負圧にすることで、基板20cの伸縮性シート23cは、筐体面231に向かって均等に伸張しながら筐体面231に当接して筐体面231に伸縮性シートの下面(基板の下面)に設けた接着層8cを接着させることで、係合対応部である凹面に係合部である接着層8cを係合させている。真空吸引を用いて凹面に接着層8cを係合させるため、基板に用いる伸縮性シートの厚みや固さを適宜調整することが好ましい。伸縮性シートの固さは柔らかい方が好ましい。基板が柔らかければ、係合工程S13において真空吸引をした場合に、一気に係合対応部である凹面に接着層8cを係合させることができる。また、真空吸引をゆっくり行ってもよい。
なお、係合工程S13が終了後、筐体230の下面から貫通穴234に差し込まれていた吸引ホースPSを抜き取り、貫通穴234に蓋236を設けることで貫通穴234を塞ぐ工程を行うことが好ましい。この発光モジュール330では、伸縮性シート23cの上面に配線21cが形成されているので、筐体230の周縁側に位置する配線21cと外部配線とを接続することができる。
【0050】
(第4実施形態に係る発光モジュール)
つぎに、第4実施形態に係る発光装置140について、図8A及び図8Dを参照して説明する。図8Aは、第4実施形態に係る発光モジュールの製造方法について、発光装置及び筐体を模式的に示す説明図である。図8Bは、第4実施形態に係る発光モジュールの製造方法において、発光装置の基板を筐体に仮固定した状態を模式的に示す説明図である。図8Cは、第4実施形態に係る発光装置の製造方法において、筐体の筐体面に沿って発光装置の基板を係合した状態を模式的に示す説明図である。図8Dは、第4実施形態に係る発光モジュールを模式的に示す平面図である。
発光モジュール340は、発光装置140及び筐体240を備えている。
【0051】
[第4実施形態に係る発光モジュールの発光装置]
発光装置140は、伸縮性シート23dを貫通してビア配線21d、22dを形成すると共に伸縮性シート23dの下面に形成した配線31dを備える基板20dと、基板20dの上面に形成した複数の素子構造体10dと、を備えている。発光装置140では、一例として、筐体240の凹部245の数に対応する数の素子構造体10dが基板20dの上面に形成されている。一例として、素子構造体10dは、ここでは、左端側から右端側に向かって2つ、4つ、4つ、2つの合計12個が基板20dの上面に所定の間隔を空けて形成されている。そして、基板20dは、その下面に形成した配線31dと素子構造体10cの発光素子1とがビア配線21d,22dを介して電気的に接続するように形成されている。さらに、基板20dは、下面に係合部として形成される接着層8dを有している。接着層8dは、基板20dの外周縁には、形成されておらず、配線31dが外周縁で露出するように形成されている。また、素子構造体10dは、配線31dにビア配線21d、22dを介して電気的に接続する発光素子1と、発光素子1に当接又は間隔を空けて周囲を覆う被覆部材5とを有している。
【0052】
発光装置140では、伸縮性シート23dの下面に形成した配線31dは、例えば、ビア配線21d,22dに接続する一方と他方の一対の配線である。なお、配線31dは、一方と他方の配線の端部に線幅を広くして配線パッドを形成してもよい。配線31dは、一例として、発光素子1の素子電極3,4に直列に接続されると共に、発光素子1の直列のラインが並列に並ぶように伸縮性シート23cの上面に形成されている。
そして、発光装置140では、係合部として接着層8dが設けられている。この接着層8dは、すくなくとも発光素子1の直下の基板20dに設けられており、ここでは、基板20dの下面の外周縁を除く領域に形成されている。接着層8dは、すでに説明したものと、同等の部材及び厚みを備えている。
【0053】
[第4実施形態に係る発光モジュールの筐体]
筐体240は、筐体面241が凹面に形成されており、筐体面241の中央に貫通穴244が形成されている。そして、筐体240は、筐体面241の凹面に、基板20dに設けた素子構造体10dのそれぞれが収納される係合対応部としての凹部245が形成されている。この凹部245は、素子構造体10dと、素子構造体10dの直下及び直下周辺の基板20dの一部と共に収納することができる大きさに形成されている。ここでは、筐体面241の凹部245内に素子構造体10d及び基板20dの一部が収納されることで位置決めして係合することになる。
貫通穴244は、外部に接続されている真空吸引装置からの真空吸引を行うためのものである。この貫通穴244は、吸引ホースが外部から接続され、吸引作業が終了し他後に、外部側から蓋246により塞がれる。
【0054】
<発光モジュールの製造方法の第4実施形態>
つぎに、第4実施形態に係る発光モジュールの製造方法につて、図8A乃至図8Dを参照して説明する。発光モジュールの製造方法は、発光装置140を準備すると共に、発光装置140の基板20dと対面する凹面に貫通孔244及び凹部245を有する筐体240を準備する工程である準備工程S11と、筐体面241の凹面の周辺の平坦部と前記基板20dの周縁の少なくとも対向する2辺を固定して基板20dを仮固定する工程である仮固定工程S12と、貫通孔244から真空吸引して素子構造体10d及び基板20dの一部を筐体面241の凹部245に収納すると共に、凹面の筐体面241に沿って接着させる係合工程S13と、を含むようにこの順で各工程が行われる。
【0055】
準備工程S11では、素子構造体10d及び配線31dを伸縮性シート23dの上面に形成している共に、接着層8dを伸縮性シート23dの下面に形成した発光装置140を準備すると共に、凹面の筐体面241の中央に貫通穴244と、筐体面241に凹部245を形成した筐体240を準備する。そして、筐体240は、固定された状態で貫通穴244に外部の真空吸引装置の吸引ホースPSが接続された状態で配置される。
仮固定工程S12では、筐体240の筐体面の周辺の平坦部に基板20dの周縁の少なくとも対向する2辺を固定して基板20dを筐体240に仮固定する。なお、ここでは、基板20dの下面の周縁を除く全面に接着層8dが形成されているので、筐体面241の周縁の平坦部に基板20dの周縁のすべてが接着された状態となる。
【0056】
係合工程S13では、筐体面241に対面して凹面を塞いでいる基板20dにより形成されている空間VAの空気を吸引ホースPSを介して真空吸引する吸引作業が行われる。そのため、係合工程S13では、空間VA内を負圧にすることで、基板20dを筐体面241の凹面に沿って当接させると共に、筐体面241の凹部245内に、素子構造体10d及び素子構造体10dの直下周辺の基板20dの一部が収納されることで係合する。この係合工程S13では、凹部245の内面及び筐体面241に、基板20dの接着層8dが接着する。係合工程S13では、素子構造体10dと、その直下及び直下周辺の基板20dの一部が強制的に、凹部245内に収納されることにより位置決めされて係合された状態となる。空間VA内を負圧にすることで、基板20dの伸縮性シート23dは、筐体面241に向かって均等に伸張しながら筐体面241に当接すると共に凹部245に素子構造体10d及び基板20dの一部が強制的に収納されることになる。
なお、係合工程S13が終了後、筐体240の下面から貫通穴244に差し込まれていた吸引ホースPSを抜き取り、貫通穴244に蓋246を設けることで貫通穴244を塞ぐ工程を行うことが好ましい。
【0057】
[実施形態の応用例]
なお、素子構造体は、係合部及び被覆部材の構成を図9A及び図9Bで示すように構成してもよい。図9Aは、各実施形態に係る発光モジュールの発光装置の変形例を模式的に示す断面図である。図9Bは、図9Aの発光装置を筐体に実装する状態を模式的に示す側面図である。
発光装置100Nは、伸縮性シート23Nに配線を形成した基板20Nの上面に素子構造体10Nを複数備え、基板20Nの下面に係合部を備えている。素子構造体10Nは、発光素子1Nの光取出面側に接合部材6Nを介して接合する波長変換部材2Nと、波長変換部材2Nの下面及び接合部材6Nを介して発光素子1Nの側面を覆う被覆部材5Nを備えている。発光素子1Nは、素子電極3N,4Nを伸縮性シート23Nに対面させて配置されている。そして、素子電極3N,4Nは、伸縮性シート23Nを貫通して形成したビア配線21N,22Nに接続している。
【0058】
また、ビア配線21N,22Nは、伸縮性シート23Nの下面に形成した配線パッド31N,32Nに接続している。さらに、伸縮性シート23Nの下面で、被覆部材5Nの直下には、係合部としてのピン8N1が配線パッド31N,32Nから突出するように形成されている。また、伸縮性シート23Nの下面で、発光素子1Nの直下には、係合部としての磁石8N2が形成されている。つまり、基板20Nの下面には、既に説明した係合部としてのピン8N1と、既に説明した係合部としての磁石8N2との、2種類の係合部を備えている。
なお、発光装置100Nの基板20Nを実装する筐体200Nは、筐体面201Nに形成した接続配線202Nと、係合対応部としてのピンホール203N1及び受側の磁石203N2と、を備えている。
ここでは、ピン8N1と磁石8N2が両方含まれている構成としたが、第1実施形態から第4実施形態までのように、係合部と係合対応部の種類が1つでもよい。
【0059】
このような素子構造体10Nを複数有する発光装置100Nと、筐体200Nとを備える発光モジュール300Nでは、前記したと同様に、準備工程と、仮固定工程と、係合工程とを含む手順で、発光モジュール300Nを発光素子1Nの位置合わせを容易にして製造することができる。つまり、係合工程において、発光装置100Nのピン8N1とピンホール203N1とを整合させるときに、磁石8N2が受側の磁石203N2に磁力により誘導されることになり、ピン8N1をピンホール203N1に位置決めしやすくなる。そのため、ピン8N1とピンホール203N1との係合、及び、磁石8N2と受側の磁石203N2との係合がよりスムーズで容易に行うことが可能となる。なお、ピンN1及び磁石8N2の構成及びピンホール203N1及び受側の磁石203N2は既に説明したものと同じ構成である。
【0060】
以上説明したように、各実施形態の発光装置は、係合部を備えることで、筐体の係合対応部と位置合わせをして係合させることができるので、素子構造体に設けた発光素子の位置決めが容易となる。また、発光モジュールの製造法において、例えば、筐体に基板を実装するときに発光素子の位置決めが容易となる。
さらに、係合部として接着層を用いる場合には、発光素子の平面視における面積と同等の範囲に少なくとも形成されていればよい。
係合部がピンと磁石の場合、伸縮性シートに配線を形成した基板を用いているため、基板上の素子構造体10の実装間隔は変えずに、係合対応部を設ける位置を調整することで発光モジュールの配向性を上げることが可能となる。例えば、発光モジュールからの端部から強く光を取出したい場合、筐体面の端部周辺に係合対応部を多く設けておき、逆に、筐体の中央部付近においては、係合対応部を離して設けておけばよい。基板が伸縮性を有しているため、中央部付近においては、基板を引っ張りながら係合部と係合対応部を係合させていくことができるため、基板上の素子構造体10の実装間隔を変える必要がない。
また、係合部が凹面の場合、真空吸引を行うため筐体面に向かって均等に伸張しながら筐体面に当接することになる。そのため、通常素子構造体10を実装することが難しい凹面の側面部分にも素子構造体10を実装することが可能となり、発光強度を上げることができる。
また、各実施形態に係る発光装置及び発光モジュールの製造方法について、発明を実施するための形態により具体的に説明したが、本発明の趣旨はこれらの記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならない。また、これらの記載に基づいて種々変更、改変等したものも本発明の趣旨に含まれる。
【0061】
例えば、発光素子は、一例として、それぞれ発光素子1を一つ有する素子構造体の4つを1組として、各組の行列方向に載置した状態で説明したが、素子構造体10を一列で複数整列させた構成であったり、素子構造体10を行列方向に2つ以上の複数で整列させる構成であったりしてもよい。
【0062】
また、係合工程において伸縮性シートを伸張させる方向は、例えば、X方向に沿った一方と他方との2方向、又は、X方向と直交するY方向に沿った一方と他方との2方向、のいずれかに伸縮性シート23を伸張させるものであってもよい。そして、伸縮性シート23の一端から、放射方向に伸縮性シート23を伸張させるものであってもよい。
さらに、発光モジュールの製造方法は、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間、あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。例えば、製造途中に混入した異物を除去する異物除去工程等を含めてもよい。
【符号の説明】
【0063】
1、1N 発光素子
2、2N 波長変換部材
3、3N 素子電極
5、5N 被覆部材
5a 上端周面
5b 下端周面
5c 内周側壁面
5d 外周側壁面
6 封止部材
6N 接合部材
8、8N1 ピン(係合部)
8B、8N2 磁石(係合部)
8c、8d 接着層(係合部)
10、10c、10d、10N 素子構造体
20、20c、20d、20N 基板
21、21c、21d、21N ビア配線
22、22c、22d、22N ビア配線
23,23c、23d、23N 伸縮性シート
25 配線
31、32,31N 配線パッド
31d 配線
100、120,130、140,100N 発光装置
200,220,230,240,200N 筐体
201、221,231、241、201N 筐体面
202、202N 接続配線
203、203N1 ピンホール
203、203N2 磁石
234、243 貫通穴
236,246 蓋
300、310,320、330、340、300N 発光モジュール
300N 発光モジュール
PS 吸引ホース
S11 準備工程
S12 仮固定工程
S13 係合工程
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B