(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】バキュームコンベア
(51)【国際特許分類】
B65G 53/46 20060101AFI20240403BHJP
B65G 53/24 20060101ALI20240403BHJP
B65G 53/42 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
B65G53/46
B65G53/24
B65G53/42
(21)【出願番号】P 2020207397
(22)【出願日】2020-12-15
【審査請求日】2023-07-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000183303
【氏名又は名称】住友金属鉱山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001704
【氏名又は名称】弁理士法人山内特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】重松 豊
(72)【発明者】
【氏名】横山 昇輝
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-306627(JP,A)
【文献】特開2012-214284(JP,A)
【文献】特開2020-132418(JP,A)
【文献】特開昭62-121132(JP,A)
【文献】米国特許第05147152(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 53/00-53/28
B65G 53/32-53/66
B65G 65/30-65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の本体と、
該本体の側面に、粉体または粒体が流入するために設けられた吸引部と、を含んで構成され、
前記吸引部は、
前記本体の側面に貫通して固定された吸引パイプと、
前記本体の内部で、該吸引パイプの連通不通を制御するフラップバルブを備える先端パイプと、を有し、
前記フラップバルブは、
前記先端パイプの開口をふさぐ蓋と、
前記先端パイプに固定され前記蓋を開閉させるためのアクチュエータと、
前記蓋と前記アクチュエータとを結合し、前記蓋の開閉時に動作する支持バーと、を含んで構成され、
前記蓋が、前記支持バーと前記蓋との結合部を中心に回転可能となっている、
ことを特徴とするバキュームコンベア。
【請求項2】
前記蓋の、前記支持バーと前記蓋との結合部を中心とした回転動作を規制する回転規制機構が設けられ、
該回転規制機構が、前記支持バーに接触して回転を規制するストッパである、
ことを特徴とする請求項1に記載のバキュームコンベア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バキュームコンベアに関する。さらに詳しくは、バキュームコンベア内部に位置する吸引パイプの先端にフラップバルブが設けられているバキュームコンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
空気輸送とは、粉体または粒体を、輸送元から輸送先容器へ空気流を用いて輸送する輸送方式である。この空気輸送は、粉体等を背後から空気流で圧送する圧送式と、真空を利用して前方から吸引する吸引式とに大別できる。このうち後者の吸引式は、輸送元の吸引部の構造が簡単で、複数箇所から1箇所への集約輸送に適しており、配管経路に亀裂などの損傷が生じても粉塵が漏洩しないという利点があるため、工場での採用が多くなっている。
【0003】
この吸引式の空気輸送は、バキュームコンベア(吸引式空気輸送機)を用いて行われる。特許文献1には、バッチ式のバキュームコンベアが開示されている。このバキュームコンベアは、円筒形の本体を備えている。そして円筒の側部には吸込管が設けられている。粉体が、本体の中央部付近に供給されるように、吸込管の本体内部側の端部は本体の中央部付近まで延伸している。そして吸込管の内側端部にはフラップバルブが設けられている。
【0004】
このバキュームコンベアでは、本体の上部が真空源に接続しており、バキュームコンベアに粉体が流入する際には、下部の排出ダンパーが閉じられるとともに、真空源によりバキュームコンベア内部の圧力が大気圧よりも小さくなる。これにより吸込管から粉体が流入する。この際フラップバルブは開かれている。他方バキュームコンベアから粉体が排出される際には、下部の排出ダンパーが開放され、ここから粉体が流出する。この際真空源とバキュームコンベア内部とは遮断されるとともに、吸引口のフラップバルブは閉じられ、吸込管からの粉体の供給は止められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
搬送される粉体等が、研削材のように硬いものである場合、粉体等がバキュームコンベアの内部に衝突することでその部分の摩耗が進行する。特に粉体等の経路を連通不通に制御するフラップバルブの蓋における摩耗が著しい。ここで
図4に従来の吸引部51の構造を示す。
図4は吸引部51の側面方向からの断面図である。従来の構成では、フラップバルブ56を備えた先端パイプ55が設けられている。フラップバルブ56は、蓋59を有しており、この蓋59は、弁体59aとサポート59bとを含んで構成されている。特に、フラップバルブ56が閉じた状態においても、弁体59aと先端パイプ55の端面との密着性が十分では無く、弁体59aの当り面に隙間が生じてしまうと、その隙間に粉体等を含んだ空気が高速で流れることになる。そうすると、弁体59aまたは先端パイプ55の端面が局所的に摩耗し、さらに隙間が開くので、偏摩耗による漏れが加速的に増大することになる。これによりフラップバルブ56の蓋59による閉止状態が保てなくなる場合がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み、フラップバルブの局所摩耗を防止し、フラップバルブの蓋による閉止状態を保つことができるバキュームコンベアを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1発明のバキュームコンベアは、筒状の本体と、該本体の側面に、粉体または粒体が流入するために設けられた吸引部と、を含んで構成され、前記吸引部は、前記本体の側面に貫通して固定された吸引パイプと、前記本体の内部で、該吸引パイプの連通不通を制御するフラップバルブを備える先端パイプと、を有し、前記フラップバルブは、前記先端パイプの開口をふさぐ蓋と、前記先端パイプに固定され前記蓋を開閉させるためのアクチュエータと、前記蓋と前記アクチュエータとを結合し、前記蓋の開閉時に動作する支持バーと、を含んで構成され、前記蓋が、前記支持バーと前記蓋との結合部を中心に回転可能となっていることを特徴とする。
第2発明のバキュームコンベアは、第1発明において、前記蓋の、前記支持バーと前記蓋との結合部を中心とした回転動作を規制する回転規制機構が設けられ、該回転規制機構が、前記支持バーに接触して回転を規制するストッパであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
第1発明によれば、フラップバルブを構成する蓋が、フラップバルブの支持バーと蓋との結合部を中心に回転可能となっていることにより、蓋の姿勢が変化することで先端パイプの開口部を隙間なくふさぐことができ、局所摩耗を防止し、フラップバルブの蓋による閉止状態を保つことができる。よって、フラップバルブの寿命を延ばしてメンテナンス作業の負担を少なくできる。また、真空不良または粉体搬送不良等のトラブル発生を防止し、設備停止を回避できる。
第2発明によれば、蓋の結合部を中心とした回転動作を規制する回転規制機構が設けられていることにより、蓋の姿勢の変化を一定範囲内に収めることができ、先端パイプ等と干渉することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバキュームコンベアの吸引部の側面方向からの断面図である。
【
図2】
図1のバキュームコンベアの動作説明図である。
図2(A)は、バキュームコンベア外部から吸引部11を通過して、粉体等がバキュームコンベア内に輸送されている状態を表した図である。
図2(B)は、バキュームコンベア内部から、バキュームコンベア下部にある排出口を通って、粉体等が排出されている状態を表した図である。
【
図3】
図1のバキュームコンベアの吸引部を構成するフラップバルブの蓋の姿勢の状態を示す説明図である。
図3(A)は二つあるストッパのいずれにも支持バーが接触していない状態の図である。
図3(B)は蓋が時計回り方向へ回転した状態の図である。
図3(C)は蓋が反時計回り方向へ回転した状態の図である。
【
図4】従来例のバキュームコンベアの吸引部の側面方向からの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのバキュームコンベアを例示するものであって、本発明はバキュームコンベアを以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
【0012】
(バキュームコンベア10の構成)
図2には、本発明の一実施形態に係るバキュームコンベア10の動作説明図を示す。
図2(A)はバキュームコンベア10の外部から吸引部11を通過して、粉体等がバキュームコンベア10内に輸送されている状態を表した図であり、
図2(B)はバキュームコンベア10の内部から、バキュームコンベア10の下部にある排出口Uを通って、粉体等が排出されている状態を表した図である。
図2(A)および
図2(B)はどちらとも、バキュームコンベア10を正面方向から見た断面図である。
【0013】
バキュームコンベア10は、吸引式空気輸送機とも呼ばれ、真空を利用して粉体または粒体(以下、本明細書において「粉体等」とする)を、輸送元から輸送先の容器へ輸送する際に用いられる。図示していないが、本実施形態のバキュームコンベア10では、輸送元は、吸引口Sと接続されている。輸送先の容器は
図2の紙面においてバキュームコンベア10の下方に設置され、粉体等は排出口Uから重力により搬出される。
【0014】
図2に示すように、本実施形態に係るバキュームコンベア10は、筒状の本体20を有する。筒状の本体20は、上から第1本体20a、第2本体20b、第3本体20cの3つの円筒体から構成されており、これらの円筒体がバックルなどにより接合されることで本体20が構成されている。
【0015】
第1本体20aの上部には、真空装置(不図示)と接続するための真空装置接続口Tが設けられている。また、この真空装置からの吸引を遮断するための遮断弁21が第1本体20aと真空装置接続口Tとの間に設けられている。真空装置としてはルーツブロアー、多段リングブロアーに代表されるブロアー、エジェクター型真空ポンプまたは他の形式の真空ポンプが該当する。加えて第1本体20aには、フィルタ22が設けられている。このフィルタ22により、真空装置への粉体等の流入が防止されるとともに、粉体等が確実に捕集される。
【0016】
第1本体20aの側部、すなわち本体20の側面には、粉体等が流入するための吸引部11が設けられている。
図1にはこの吸引部11周辺の側面方向からの断面図を示す。吸引部11は、第1本体20aの側面に貫通して溶接により固定された吸引パイプ12を有する。この吸引パイプ12の材質は、特に限定されないが、溶接が容易になるように第1本体20aと同じ材質であることが好ましい。
【0017】
吸引部11は、吸引パイプ12とともに、第1本体20aの内部に先端パイプ15を備えている。先端パイプ15の開放端部は、先端パイプ15の軸心と所定の角度を持つ切断面を有している。本実施形態では、この所定の角度は45°である。本実施形態では、先端パイプ15の肉厚は、中間パイプ14の肉厚よりも厚い。先端パイプ15の材質は、耐摩耗性が高く、安価な材料が好ましい。具体的に先端パイプ15の材質は、クロムモリブデン鋼である。先端パイプ15には、吸引パイプ12の連通不通を制御するフラップバルブ16が備えられている。なお吸引パイプ12が連通である場合とは、粉体等が吸引パイプ12を連続的に通過している場合を言い、吸引パイプ12が不通である場合とは、粉体等が吸引パイプ12内にとどまっている場合を言う。
【0018】
本実施形態では、フラップバルブ16は、アクチュエータ17と、支持バー18と、蓋19と、を含んで構成されている。蓋19は、弁体19aと、弁体19aの先端パイプ15と接する面と反対側の面に設けられているサポート19bと、を含んで構成されている。アクチュエータ17は、例えば揺動型ロータリエアアクチュエータである。このアクチュエータ17は、先端パイプ15の外周面に溶接で固定されている。
【0019】
図1に示すように支持バー18は、アクチュエータ17により、支持バー18の一方の端部(
図1においては紙面の右側端部)に設けられている支持点を中心に回転させられる。支持バー18の他方の端部には、蓋19が設けられている。蓋19は、弁体19aとサポート19bとを含んで構成されており、サポート19bが支持バー18に保持されている。本実施形態では、蓋19は、結合部24を中心として支持バー18に対して回転可能に保持されている。具体的に結合部24はボルト、ナットであり、支持バー18とサポート19bとを結合する際に、このボルト、ナットを締め切らないようにすることで、支持バー18に対し蓋19が回転可能となる。
【0020】
本実施形態では、支持バー18に対する蓋19の回転動作を規制する回転規制機構が設けられている。具体的に回転規制機構は、サポート19bの側面に設けられた第1ストッパ25、および弁体19aのサポート19bが設けられている面に設けられている第2ストッパ26が該当する。具体的に第1ストッパ25は、サポート19bの側面に溶接された金属片であり、第2ストッパ26は、弁体19aに溶接された金属片である。
【0021】
図3には、フラップバルブ16の蓋19の姿勢の状態の説明図を示す。
図3は、
図1と同じように、吸引部11の側面方向から見た図であり、フラップバルブ16のみを記載している。
図3(A)は、第1ストッパ25および第2ストッパ26のいずれにも支持バー18が接触していない状態の図である。
図3(B)は、蓋19が結合部24を中心に時計回り方向に回転し、支持バー18が第1ストッパ25に接触した状態の図である。
図3(C)は、蓋19が結合部24を中心に反時計回り方向に回転し、支持バー18が第2ストッパ26に接触した状態の図である。
図3に示すように、蓋19は結合部24を中心に、回転可能に保持され、第1ストッパ25および第2ストッパ26によりその回転量が規制されている。
【0022】
フラップバルブ16を構成する蓋19が、フラップバルブ16の支持バー18と蓋19との結合部24を中心に回転可能となっていることにより、蓋19の姿勢が変化することで先端パイプ15の開口部を隙間なくふさぐことができ、局所摩耗を防止し、フラップバルブ16の蓋19による閉止状態を保つことができる。これにより、フラップバルブ16の寿命を延ばしてメンテナンス作業の負担を少なくできる。また、真空不良または粉体搬送不良等のトラブル発生を防止し、設備停止を回避できる。
【0023】
蓋19の結合部24を中心とした回転動作を規制する回転規制機構が設けられていることにより、蓋19の姿勢の変化を一定範囲内に収めることができ、先端パイプ15等と干渉することを防止できる。
【0024】
フラップバルブ16を構成する蓋19は、バキュームコンベア使用前の調整において、先端パイプ15の開放端部がシールできるように、先端パイプ15の端面と接する面が摺合せ調整される。蓋19の材質は、耐摩耗性が高く、安価な材料が好ましい。本実施形態では、蓋19の材質はクロムモリブデン鋼が採用されている。
【0025】
図1に示すように、本実施形態では、吸引パイプ12と先端パイプ15との間に中間パイプ14が設けられている。この中間パイプ14の材質は、耐摩耗性が高く、安価な材料が好ましい。具体的に本実施形態では、中間パイプ14の材質は、クロムモリブデン鋼である。本実施形態では、吸引パイプ12と中間パイプ14とは、ヘルール継手13により結合される。ただし結合方法はこれらに限定されない。
【0026】
先端パイプ15および中間パイプ14の材質がクロムモリブデン鋼であることにより、クロムモリブデン鋼は、低コストな耐摩耗性材料であるので、低コストで耐摩耗性を向上できる。
【0027】
中間パイプ14と先端パイプ15とはネジ構造により結合される。中間パイプ14には雄ネジが設けられ、先端パイプ15には雌ネジが設けられる構成が好ましい。ただし結合方法はこれらに限定されない。
【0028】
吸引パイプ12と先端パイプ15との間に中間パイプ14が設けられていることにより、吸引パイプ12より先端部分が摩耗した場合でも、中間パイプ14を取り替えることで、フラップバルブ16が固定されている先端パイプ15を交換する必要がなく、よりメンテナンスのコストを抑えることが可能となる。
【0029】
先端パイプ15の肉厚が、中間パイプ14の肉厚よりも厚いことにより、先端パイプ15の摩耗に対する寿命が長くなり、よりメンテナンスのコストを抑えることができる。
【0030】
先端パイプ15に雌ネジが設けられていることにより、中間パイプ14の内径よりも先端パイプ15の内径を大きくでき、先端パイプ15の摩耗を中間パイプ14の摩耗よりも少なくでき、さらにメンテナンスのコストを抑えることができる。
【0031】
図2に示すように、本実施形態では、第1本体20aの下方に第2本体20bが設けられており、さらに第2本体20bの下方に第3本体20cが設けられている。第3本体20cには、排出ダンパー23が設けられている。排出ダンパー23は、排出口Uの開閉を制御する。
図2(A)に示している状態が、排出ダンパー23により排出口Uが閉鎖された状態であり、
図2(B)に示している状態が、排出ダンパー23により排出口Uが開放された状態である。
【0032】
(バキュームコンベア10の動作)
図2(A)を用いて、粉体等がバキュームコンベア10内に輸送される工程を説明する。
図2(A)に示すように、バキュームコンベア10は、輸送段階で、吸引部11にある吸引口Sからバキュームコンベア10内部に粉体等を流入させる。
図2(A)および
図2(B)において、小円の外周に突起が描かれているもの、例えば吸引口Sの右にあるものが粉体等を表している。
図2(A)に示された状態では、真空装置接続口Tに接続された真空装置(不図示)により、バキュームコンベア10内部は大気圧よりも低い圧力となる。真空装置接続口Tの、バキュームコンベア10内部側に設けられた遮断弁21は、開放状態を維持する。吸引部11のフラップバルブ16は開放状態を維持する。第3本体20c内の排出ダンパー23は閉止状態を維持する。この状態であることにより吸引口Sから粉体等が搬入され、搬入された粉体等の大部分は、第3本体20c内に貯留される。搬入された粉体等のうち、軽いものは、第3本体20c内に沈降せずにフィルタ22に捕集される。
【0033】
上記輸送段階において、粉体等が第3本体20c内に十分に貯留された後、バキュームコンベア10は、
図2(B)に示すように、次の排出段階に移行する。排出段階では、バキュームコンベア10の内部に貯留された粉体等を、排出口Uからバキュームコンベア10の下方に位置する容器へ排出する。この際、バキュームコンベア10の内部は、真空装置から遮断されて大気圧となる。遮断弁21は、真空装置とバキュームコンベア10の内部を遮断するために閉止状態を維持する。フラップバルブ16は、吸引口Sから粉体等が流入するのを防止するために閉止状態を維持する。排出ダンパー23は、バキュームコンベア10の下方に粉体等を排出するため開放状態となる。この状態であることにより、排出口Uから粉体等が排出される。バキュームコンベア10の内部が大気圧となれば、フィルタ22に付着した粉体等は、自重により排出口Uへと落下する。排出ダンパー23が開となる直前に、フィルタ22の表面に、払落し用のエアーを吹付けても良い。また、排出ダンパー23が開となった後で、フィルタ22の内部側から逆ブローを掛けるようにしても良い。
【0034】
本実施形態によれば、フラップバルブ16の閉止を確実にすることができる。そうすれば、排出段階において、遮断弁21が閉止され、フラップバルブ16が閉止され、排出ダンパー23が開放される一連の流れの中で、バキュームコンベア10の内部が真空圧から大気圧に移行する過程で真空圧が残った状態となり、フラップバルブ16の当り面の隙間から粉体等がバキュームコンベア10の内部へ漏れることを防止できる。そのことで、フラップバルブ16の当り面が偏摩耗して、フラップバルブ16からの漏れがより増大するという事態を回避することができる。
【0035】
また、本発明のバキュームコンベア10は、装置単独の動作そのものはバッチ式であるが、一般的な使用態様として、2基を並列に配置して、その排出段階を交互に切替えることで、連続した空気輸送が実施できるよう構成されることが多い。そのようなときは、吸引パイプ12の吸込み側の配管が共通の取合いになっているので、フラップバルブ16の当り面に隙間があると、その隙間から粉体等を含んだ空気が高速で逆流することになる。本実施形態によれば、このような使用態様のときでも、フラップバルブ16の当り面が偏摩耗して、フラップバルブ16からの漏れがより増大するという事態を避けることができる。
【0036】
(他の実施形態)
上記の実施形態では、支持バー18と蓋19との結合部24を中心に回転可能とするための構成は、支持バー18と蓋19とを結合するためのボルトを締め切らない構成であったがこれに限定されない。例えば支持バー18と蓋19とが軸受けにより結合される場合も該当する。
【0037】
また、上記の実施形態では、蓋19は支持バー18の長手方向に対して直角な方向に軸支された結合部24を中心に回転可能としているが、蓋19の回転方向はその方向に限定されない。例えば、結合部24がユニバーサルジョイントによって構成される場合もある。
【符号の説明】
【0038】
10 バキュームコンベア
11 吸引部
12 吸引パイプ
14 中間パイプ
15 先端パイプ
16 フラップバルブ
17 アクチュエータ
18 支持バー
19 蓋
20 本体
24 結合部