(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-02
(45)【発行日】2024-04-10
(54)【発明の名称】フェイスマスク収容体
(51)【国際特許分類】
A45D 44/22 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A45D44/22 C
(21)【出願番号】P 2023118257
(22)【出願日】2023-07-20
【審査請求日】2023-11-14
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003247
【氏名又は名称】弁理士法人小澤知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】倉田 有里
(72)【発明者】
【氏名】和田 一郎
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/110325(WO,A1)
【文献】特開2023-093076(JP,A)
【文献】登録実用新案第3185681(JP,U)
【文献】特表2014-525275(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 44/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有するフェイスマスク収容体であって、
前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有し、
前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されており、
前記フェイスマスクには、前記第1シート部
のうち、前記折り畳み状態において前記第2シート部と厚さ方向に重ならない
領域である第1非重畳領域と、前記第2シート部
のうち、前記折り畳み状態において前記第1シート部と厚さ方向に重ならない
領域である第2非重畳領域と、が設けられて
おり、
前記折り畳み状態において、前記切断部を介して前記第1シート部と前記第2シート部を分離可能に構成されている、フェイスマスク収容体。
【請求項2】
スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有するフェイスマスク収容体であって、
前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有し、
前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されており、
前記フェイスマスクには、前記第1シート部
のうち、前記折り畳み状態において前記第2シート部と厚さ方向に重ならない
領域である第1非重畳領域と、前記第2シート部
のうち、前記折り畳み状態において前記第1シート部と厚さ方向に重ならない
領域である第2非重畳領域と、の少なくとも一方が設けられて
おり、
前記折り畳み状態
において、前記切断部
の少なくとも一部は、前記第1シート部及び前記第2シート部のいずれとも厚さ方向に重ならない領域
に配置されており、
前記折り畳み状態において、前記切断部を介して前記第1シート部と前記第2シート部を分離可能に構成されている、フェイスマスク収容体。
【請求項3】
前記切断部の少なくとも一部は、前記折り畳み状態における前記フェイスマスクの外面に位置する、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項4】
前記切断部の少なくとも一部は、前記折り畳み状態において前記折り目と厚さ方向に重ならない領域に配置されている、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項5】
前記折り畳み状態
において、前記切断部
の全域は、前記第1シート部及び前記第2シート部のいずれとも厚さ方向に重ならない領域
に配置されている、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項6】
前記折り目は、前記フェイスマスクにおいて前記切断部を含む切断領域と、前記フェイスマスクにおいて前記切断部を含まない非切断領域と、を折り畳む切断折り目を有し、
前記折り畳み状態における前記フェイスマスクには、前記切断折り目を基点に折り畳まれた前記切断領域と前記非切断領域が共に折り畳まれてない、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項7】
前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有し、
前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部と前記第2シート部が厚さ方向に重なった重畳領域が設けられており、
前記第1非重畳領域及び前記第2非重畳領域の少なくとも一方は、前記重畳領域よりも前記開口領域側に位置する、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項8】
前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有し、
前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを前記出し入れする方向において前記フェイスマスクを3等分した領域のうち、前記開口領域側に位置する開口側領域の最大厚さは、他の領域の最大厚さよりも薄い、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項9】
前記切断部の少なくとも一部は、前記出し入れする方向における前記開口側領域の最大厚さの位置と前記他の領域の最大厚さの位置との間に配置されている、請求項8に記載のフェイスマスク収容体。
【請求項10】
前記収容本体から前記折り畳み状態のフェイスマスクを引き出す際の抵抗値は、前記切断部の分離強度よりも高い、請求項1又は請求項2に記載のフェイスマスク収容体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア剤とフェイスマスクを収容したフェイスマスク収容体に関する。
【0002】
特許文献1には、スキンケアに用いられるフェイスマスクが開示されている。フェイスマスクは、不織布又は織布で形成されたフェイスマスクと、フェイスマスクに塗布されたスキンケア剤と、を備える。フェイスマスクは、顔へのフィット性を高めるために、複数の部材(例えば、顔の上側の領域を覆う部材と下側の領域を覆う部材)に、分離可能に構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
特許文献1のフェイスマスクのように、スキンケア剤がフェイスマスクに含浸されたフェイスマスクは、一般的に、使用前に、袋等の収容本体内にスキンケア剤とフェイスマスクが収容されている。装着者は、使用時に、スキンケア剤が含浸されたフェイスマスクを収容本体から取り出して、フェイスマスクを顔に装着する。このとき、フェイスマスクにスキンケア剤が含浸しているため、フェイスマスクが重なり合う面の表面張力によってフェイスマスクが剥がれにくく、各フェイスマスクをそれぞれ装着しにくいことがあった。フェイスマスクを剥がす工程に手間取ると、スキンケア剤が周囲に零れてしまうおそれがあった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクを構成する複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができるフェイスマスク収容体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1構成に係るフェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部が前記第2シート部と厚さ方向に重ならない第1非重畳領域と、前記第2シート部が前記第1シート部と厚さ方向に重ならない第2非重畳領域と、が設けられている。
【0007】
第2構成に係るフェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部が前記第2シート部と厚さ方向に重ならない第1非重畳領域と、前記第2シート部が前記第1シート部と厚さ方向に重ならない第2非重畳領域と、の少なくとも一方が設けられている。前記折り畳み状態で、前記切断部が前記第1シート部及び前記第2シート部のいずれとも厚さ方向に重ならない切断非重畳領域が設けられている。
【0008】
第3構成に係るフェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第3シート部と、前記第3シート部と別体の第4シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクの前記折り目は、前記第3シート部と前記第4シート部を共に折り畳む折り目を備えてない。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部と前記第4シート部とが厚さ方向に重なった積層領域が設けられている。
【0009】
第4構成に係るフェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第3シート部と、前記第3シート部と別体の第4シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部が前記第4シート部と厚さ方向に重ならない第3非重畳領域と、前記第4シート部が前記第3シート部と厚さ方向に重ならない第4非重畳領域と、の少なくとも一方が設けられている。前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有する。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部と前記第4シート部が厚さ方向に重なった積層領域が設けられている。前記第3非重畳領域及び前記第4非重畳領域の少なくとも一方は、前記積層領域よりも前記開口領域側に位置する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るフェイスマスク収容体を模式的に示した図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るフェイスマスクの展開状態の平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るフェイスマスクの折り畳み態様の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るフェイスマスクの取り出し態様を説明するための図である。
【
図5】
図5は、折り畳み状態のフェイスマスクの模式断面図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るフェイスマスクの変形例に係る折り畳み態様を説明するための図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るフェイスマスクの変形例に係る折り畳み態様を説明するための図である。
【
図8】
図8は、第2実施形態に係るフェイスマスク収容体を模式的に示した図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係るフェイスマスクの展開状態の平面図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るフェイスマスクの折り畳み態様の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態に係るフェイスマスクの変形例に係る折り畳み態様を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)実施形態の概要
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
態様1に係る発明は、第1構成に係るフェイスマスク収容体である。フェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部が前記第2シート部と厚さ方向に重ならない第1非重畳領域と、前記第2シート部が前記第1シート部と厚さ方向に重ならない第2非重畳領域と、が設けられている。本態様によれば、装着者は、第1非重畳領域及び第2非重畳領域の少なくとも一方を把持して、第1シート部及び第2シート部の一方のみを取り出すことができる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0012】
態様2に係る発明は、第2構成に係るフェイスマスク収容体である。フェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第1シート部と、前記第1シート部と切断部を介して分離可能に構成された第2シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部が前記第2シート部と厚さ方向に重ならない第1非重畳領域と、前記第2シート部が前記第1シート部と厚さ方向に重ならない第2非重畳領域と、の少なくとも一方が設けられている。前記折り畳み状態で、前記切断部が前記第1シート部及び前記第2シート部のいずれとも厚さ方向に重ならない切断非重畳領域が設けられている。本態様によれば、第1シート部にも第2シート部にも重なっていない切断非重畳領域が設けられているため、第1シート部と第2シート部の一方を引っ張った際の力を切断非重畳領域に掛け易く、切断部が容易に分離し易い。よって、装着者が、第1非重畳領域と第2非重畳領域の一方を把持して引っ張った際に、切断部を容易に分離でき、一方のシート部のみを円滑に取り出すことができる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0013】
好ましい態様によれば、態様3に係る発明は、態様1又は態様2に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記切断部の少なくとも一部は、前記折り畳み状態における前記フェイスマスクの外面に位置する。本態様によれば、切断部がフェイスマスクの外面に位置するため、厚さ方向に積層されたシート間に切断部が配置された構成と比較して、シートを引っ張った際の力を切断部に掛け易く、切断部をより円滑に分離し易い。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0014】
好ましい態様によれば、態様4に係る発明は、態様1から態様3のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記切断部の少なくとも一部は、前記折り畳み状態において前記折り目と重ならない領域に配置されている。本態様によれば、折り目と重ならない領域に切断部が設けられていることで、装着者が引っ張った力が切断部を分離する力として作用し易く、折り畳み状態で切断部を容易に分離できる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0015】
好ましい態様によれば、態様5に係る発明は、態様1から態様4のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記切断部が前記第1シート部及び前記第2シート部のいずれとも厚さ方向に重ならない切断非重畳領域が設けられている。前記切断非重畳領域は、前記切断部全域に亘って設けられている。本態様によれば、切断部全域が第1シート部にも第2シート部にも重なっていないため、第1シート部と第2シート部の一方を引っ張る力が切断部の全域に亘ってかかり易い。よって、切断部をより円滑に分離でき、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0016】
好ましい態様によれば、態様6に係る発明は、態様1から態様5のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。折り目は、前記フェイスマスクにおいて前記切断部を含む切断領域と、前記フェイスマスクにおいて前記切断部を含まない非切断領域と、を折り畳む切断折り目を有する。前記折り畳み状態における前記フェイスマスクには、前記切断折り目を基点に折り畳まれた前記切断領域と前記非切断領域が共に折り畳まれてない。本態様によれば、切断領域と非切断領域が共に折り畳まれていないため、折り畳み状態において切断領域と非切断領域が相対移動し易く、折り畳み状態において切断部を分離し易くなる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0017】
好ましい態様によれば、態様7に係る発明は、態様1から態様6のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有する。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第1シート部と前記第2シート部が厚さ方向に重なった重畳領域が設けられている。前記第1非重畳領域及び前記第2非重畳領域の少なくとも一方は、前記重畳領域よりも前記開口領域側に位置する。本態様によれば、装着者が第1非重畳領域及び前記第2非重畳領域の少なくとも一方を掴み易く、第1シート部又は第2シート部を引き出すことができる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0018】
好ましい態様によれば、態様8に係る発明は、態様1から態様7のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有する。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを前記出し入れする方向においてフェイスマスクを3等分した領域のうち、前記開口領域側に位置する開口側領域の最大厚さは、他の領域の最大厚さよりも薄い。本態様によれば、他の領域において厚さが厚い部分が収容本体の内面に引っかかり、開口側領域を開口から引き出し、第1シート部又は第2シート部を円滑に引き出しやすくなる。
【0019】
好ましい態様によれば、態様9に係る発明は、態様8に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記切断部の少なくとも一部は、前記出し入れする方向における前記開口側領域の最大厚さの位置と前記他の領域の最大厚さの位置との間に配置されている。本態様によれば、開口側領域を把持して収容本体の開口側から引き出す際に、他の領域において厚さが厚い部分を収容本体の内面に引っかけつつ切断部に力をかけ、切断部を容易に分離できる。
【0020】
好ましい態様によれば、態様10に係る発明は、態様1から態様9のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容本体から前記折り畳み状態のフェイスマスクを引き出す際の抵抗値は、前記切断部の分離強度よりも高くてよい。本態様によれば、フェイスマスクを引き出す過程で切断部を分離でき、第1シート部及び第2シート部の一方を取り出すことができる。
【0021】
態様11に係る発明は、第3構成に係るフェイスマスク収容体である。フェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第3シート部と、前記第3シート部と別体の第4シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクの前記折り目は、前記第3シート部と前記第4シート部を共に折り畳む折り目を備えてない。本態様によれば、第3シート部と第4シート部を共に折り畳む折り目が設けられていないため、第3シート部が折り畳まれ、かつ第4シート部が折り畳まれた折り畳み状態で、第3シート部と第4シート部が離間できるため、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0022】
態様12に係る発明は、第4構成に係るフェイスマスク収容体である。フェイスマスク収容体は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクと、当該フェイスマスクを収容した収容本体と、を有する。前記フェイスマスクは、第3シート部と、前記第3シート部と別体の第4シート部と、を有する。前記フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部が前記第4シート部と厚さ方向に重ならない第3非重畳領域と、前記第4シート部が前記第3シート部と厚さ方向に重ならない第4非重畳領域と、の少なくとも一方が設けられている。前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有する。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部と前記第4シート部が厚さ方向に重なった積層領域が設けられている。前記第3非重畳領域及び前記第4非重畳領域の少なくとも一方は、前記積層領域よりも前記開口領域側に位置する。本態様によれば、第3非重畳領域と第4非重畳領域の少なくとも一方が積層領域よりも開口領域側に設けられているため、使用時に収容本体の開口側から指を入れ、折り畳み状態のフェイスマスクの一部を把持して、フェイスマスクを引き出す際に、装着者が第3非重畳領域及び第4非重畳領域の少なくとも一方を掴み易く、第3シート部又は第4シート部を引き出すことができる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0023】
好ましい態様によれば、態様13に係る発明は、態様12に係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記第3非重畳領域と前記第4非重畳領域の一方は、前記積層領域よりも前記開口領域側に配置されている。前記第3非重畳領域と前記第4非重畳領域の他方は、前記積層領域よりも前記開口領域と反対側に配置されている。本態様によれば、引っ張る側の非重畳領域を把持し、他方の非重畳領域を押さえることで、第3シートと第4シートを円滑に分離しつつ取出できる。よって、シート全体を収容袋から取り出さずに、第3シート部又は第4シート部を取り出すことができる。
【0024】
好ましい態様によれば、態様14に係る発明は、態様11から態様13のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクには、前記第3シート部と前記第4シート部が厚さ方向に重なった積層領域が設けられている。前記積層領域において、前記第3シート部と前記第4シート部が厚さ方向に隣接する境界が設けられている。前記境界に対する厚さ方向の一方側には、前記第3シート部のみが配置されている。前記境界に対する厚さ方向の他方側には、前記第4シート部のみが配置されている。本態様によれば、境界に対する厚さ方向の一方側には第3シート部のみが配置され、境界に対する厚さ方向の他方側には、第4シート部のみが配置されているため、第3シート部と第4シートの一方が他方に対して移動し易く、第3シートと第4シートを円滑に分離しつつ取出できる。よって、シート全体を収容袋から取り出さずに、第3シート部又は第4シート部を取り出すことができる。
【0025】
好ましい態様によれば、態様15に係る発明は、態様11から態様14のいずれかに係る発明において、以下の特徴を有してよい。前記収容本体は、前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを出し入れする開口が形成される開口領域を有する。前記折り畳み状態の前記フェイスマスクを前記出し入れする方向において3等分した領域のうち、前記開口領域側に位置する開口側領域の最大厚さは、他の領域の最大厚さよりも薄い。本態様によれば、他の領域において厚さが厚い部分が収容本体の内面に引っかかり、開口側領域を開口から引き出し、第3シート部又は4シート部を円滑に引き出しやすくなる。
【0026】
(2)実施形態に係るフェイスマスク収容体
以下、図面を参照して、実施形態に係るフェイスマスク収容体100について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。フェイスマスク収容体100は、第1実施形態に係るフェイスマスク1Xを有するフェイスマスク収容体100Xと、第2実施形態に係るフェイスマスク1Yを有するフェイスマスク収容体100Yと、を含む概念である。以下、フェイスマスク収容体100の説明は、フェイスマスク収容体100Xとフェイスマスク収容体100Yの両方の説明であり、フェイスマスク1の説明は、フェイスマスク1Xとフェイスマスク1Yの両方の説明である。
図1は、第1実施形態に係るフェイスマスク収容体100Xを模式的に示した図である。
図8は、第2実施形態に係るフェイスマスク収容体100Yを模式的に示した図である。
【0027】
フェイスマスク収容体100は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスク1と、当該フェイスマスク1を収容した収容本体30と、を有する。
図2及び
図9に示すように、フェイスマスク1は、互いに直交する上下方向Lと幅方向Wと厚さ方向Tとを有する。ただし、上下方向Lは、フェイスマスク1の装着対象として想定される装着者の顔の正中線を、装着されたフェイスマスク1に投射したしときの射影の方向とする。フェイスマスク1を厚さ方向Tの上方から見ることを「平面視」といい、平面視で把握される形状を「平面形状」といい、上下方向L及び幅方向Wを含む平面内の任意方向を「平面方向」という。「肌側」及び「非肌側」とはフェイスマスク1の装着時に、フェイスマスク1の厚さ方向Tにおいて相対的に装着者の肌面に近い側及び遠い側をそれぞれ意味する。上下方向L又は幅方向Wに「沿う」とは、上下方向L又は幅方向Wに対して±30°の範囲の方向を含む。なお、ある部材等の、ある方向( 例示:上下方向L、幅方向W)の端部とは、その部材等の、その方向の端縁からその方向での全体の長さの1/3(好ましくは1/4)以下の寸法の範囲をいう。例えば、フェイスマスク1の幅方向Wの端部とは、フェイスマスク1の幅方向Wの端縁から、フェイスマスク1の幅方向Wの最大長さの1/3の幅の範囲をいう。
【0028】
フェイスマスク1は、一層又は複数層の不織布又は織布で形成されている。織布や不織布の材料としては、特に制限はなく、例えば化学繊維、天然繊維及びそれらの組合わせが挙げられる。化学繊維としては、例えば熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。フェイスマスク1は、伸縮性を有してよい。伸縮性としては、例えば、フェイスマスク1を構成するシートの製造時の搬送方向での最大点伸度は110~180%、横断方向での最大点伸度は150~350%、が挙げられる。
【0029】
フェイスマスク1は、スキンケア剤が含浸される。スキンケア剤は、フェイスマスク1と共に収容本体30に予め収容されていてもよいし、フェイスマスク1と共に予め収容本体30に収容されてなく、使用時に収容本体30に加えられることでフェイスマスク1に含浸されてもよい。いずれの形態においても、フェイスマスク1は、スキンケア剤が含浸された状態で、収容本体30から取り出されるように構成されている。スキンケア剤の材料は、スキンケア用に使用可能であれば特に制限はなく、公知のスキンケア剤を使用することができる。スキンケア剤としては、例えば、親水性のスキンケア剤が挙げられる。
【0030】
フェイスマスク1は、装着者の顔全体を覆うように構成され、両目用の目対応領域2、鼻用の鼻対応領域3、及び、口用の口対応領域4を有してよい。目対応領域2は、装着者の両目に対応する位置に切れ目として形成されてよい。なお、目対応領域2は、装着者の両目に対応する位置に両目が露出するような開口として形成されていてもよく、目の位置で開口を形成し得る構成であれば、特に制限されない。鼻対応領域3は、フェイスマスク1が装着者に装着されるとき鼻を覆いつつ鼻孔が露出するように、装着者の鼻に対応する位置に切れ目として形成されてよい。なお、鼻対応領域3は、装着者の鼻に対応する位置に鼻孔が露出するような開口として形成されていてもよく、鼻を覆いつつ鼻孔が露出する構成であれば、特に制限されない。口対応領域4は、装着者の口に対応する位置に口が概ね収まる大きさの開口として形成されている。なお、口対応領域4は、装着者の口に対応する位置に切れ目として形成されてよく、口の位置で開口を形成し得る構成であれば、特に制限されない。
【0031】
フェイスマスク1は、装着者の耳に掛けるための耳掛け部を有していてもよい。また、フェイスマスク1が顔全体を覆わない形態にあっては、目対応領域2、鼻対応領域3及び口対応領域4の少なくともいずれかを有していなくてもよい。第2実施形態のフェイスマスク1Yのように、別体のシート部を有する形態にあっては、シート部同士の隙間によって目対応領域2、鼻対応領域3及び口対応領域4の少なくともいずれが形成され、目対応領域2、鼻対応領域3及び口対応領域4の少なくともいずれかを有していなくてもよい。
【0032】
収容本体30は、折り畳み状態のフェイスマスク1が収容される。収容本体30は、開口が延びる横方向Hと、横方向Hに直交し、フェイスマスク1を出し入れする方向である縦方向Vと、横方向H及び縦方向Vと直交する厚さ方向と、を有してよい。収容本体30の厚さ方向と、フェイスマスク1の厚さ方向Tと、は、同じ方向であってよい。本実施の形態の収容本体30の縦方向Vは、フェイスマスク1の上下方向Lに沿い、収容本体30の横方向Hは、フェイスマスク1の幅方向Wに沿っている。しかし、他の形態において、収容本体30の縦方向Vは、フェイスマスク1の幅方向Wに沿い、収容本体30の横方向Hは、フェイスマスク1の上下方向Lに沿ってもよい。
【0033】
収容本体30は、フェイスマスク1と共にスキンケア剤を収容してもよいし、フェイスマスク1のみを収容し、使用時にスキンケア剤が加えられるように構成されていてもよい。本実施の形態の収容本体30は、フェイスマスク1とスキンケア剤を収容し、使用前にこれらを密封している。収容本体30は、袋状であってよく、フェイスマスク1を出し入れするための開口(
図4参照)35を形成するための開口領域R35を有する。開口領域R35は、開口35が形成される領域であり、開口35を形成するためのスリット等の開口形成部37を有してよい。装着者は、開口形成部37を介して収容本体30を開封して開口35を形成して、当該開口35を介してフェイスマスク1を出し入れする。収容本体30は、平面視にて略矩形状であってよい。矩形状の四辺のうち少なくとも一辺に沿って開口領域R35が設けられてよい。なお、収容本体30は、略矩形状に限定されず、円形状、ハート形状等、種々の形状を採用できる。収容本体30の開口領域R35の幅(フェイスマスク1を出し入れする方向に対する直交方向の長さ)は、折り畳み状態のフェイスマスク1の幅(出し入れする方向に対する直交方向の長さ)以上であればよく、好適には、折り畳み状態のフェイスマスク1の幅+10mm以上であってよい。開口35の横方向Hの長さは、隣接する辺(縦方向Vに延びる辺)と同じ長さ又は当該隣接する辺の長さ以上であってもよい。開口35の横方向Hの長さは、具体的には、60mm以上160mm以下であってよい。
【0034】
第1実施形態に係るフェイスマスク1Xについて、詳細に説明する。
図2は、フェイスマスク1Xの展開状態の平面図である。
図3は、フェイスマスク1Xの折り畳み態様の一例を説明するための図である。
図4は、フェイスマスク1Xの取り出し態様を説明するための図である。
図5は、折り畳み状態のフェイスマスク1Xの模式断面図である。
図5(A)は、
図3(D)に示すA-A線に沿った断面図である。フェイスマスク1Xは、切断部15を介して複数の領域(シート部)に分離可能に構成されている。なお、第2形態に係るフェイスマスク1Yは、複数の領域に予め分離されており、各領域が別体のシート部によって構成されている。フェイスマスク1Xは、第1シート部11と、第1シート部11と切断部15を介して分離可能に構成された第2シート部12と、を有する。第1シート部11と第2シート部12は、切断部15が切断されていない状態で、連結されており、切断部15が切断された状態で分離し、それぞれを使用できるように構成されている。
図2に示す展開状態において、切断部15を境界とした一方側の領域は、第1シート部11を構成し、切断部15を境界とした他方側の領域は、第2シート部12を構成する。
図3(A)において、第1シート部11と第2シート部12に異なる斜線を付して示す。
【0035】
第1実施形態のフェイスマスク1Xによれば、装着時には、第1シート部11と第2シート部12をそれぞれ装着することができ、第1シート部11と第2シート部12が一体化した状態で装着する場合と比較して、各シート部をより適した位置に装着できる。また、着用状態には、装着者が会話、あくび/くしゃみ、飲食などで口又は顎をある程度動かしても、各シート部が顔の動きに追従して動けるので、顔にフィットし続け易い。なお、第1実施形態のフェイスマスク1Xは、幅方向Wに離間した一対の切断部15を介して2つのシート部に分離可能に構成されている。しかし、第1実施形態の変形例において、フェイスマスク1Xは、1つの切断部15を介して2つのシート部に分離可能に構成されてもよいし、複数の切断部15を介して3つ以上のシート部に分離可能に構成されていてもよい。例えば、第1シート部と、第1シート部と第1切断部を介して分離可能な第2シート部と、第1シート部と第2切断部を介して分離可能な第3シート部と、を有してもよい。
【0036】
切断部15は、装着者の操作前には分離してなく、装着者の操作によって分離可能な構成であればよく、その構成は特に制限されない。切断部15は、例えば、非連続に配置された切れ目(ミシン目)によって構成されてもよいし、周囲よりも繊維の坪量が低い低坪量部によって構成されてもよい、厚さ方向Tに押圧され繊維が融着した融着部であって、周囲との剛性差によって分離する構成であってもよい。
【0037】
フェイスマスク1Xは、
図2に示す展開状態から折り目FLを基点に折り畳まれた折り畳み状態で、収容本体30内に収容されている。折り目FLは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
図3を参照して、フェイスマスク1Xの折り畳み態様の一例を説明する。フェイスマスク1Xは、
図3(A)に示す展開状態から、フェイスマスク1Xの幅方向Wの中央において上下方向Lに延びる第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれる。
図3(B)は、第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれた状態のフェイスマスク1Xを示している。次いで、第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれた状態から、当該状態においてフェイスマスク1Xの幅方向Wの中央において上下方向Lに延びる第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれる。
図3(C)は、第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態のフェイスマスク1Xを示している。第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態において、一対の切断部15は、重なっており、幅方向Wに沿って配置されている。次いで、第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態から、当該状態で切断部15よりも上側に位置する領域が、幅方向Wに延びる第1幅折り目FW1を基点に、折り畳まれる。
図3(D)は、第1幅折り目FW1を基点に折り畳まれた状態のフェイスマスク1Xを示している。
【0038】
本実施形態の折り畳み状態は、
図3(D)に示す状態であり、フェイスマスク1Xは、第1上下折り目FL1、第2上下折り目FL2、及び第1幅折り目FW1を基点に折り畳まれている。しかし、第1実施形態の変形例において、
図6及び
図7に示すように、フェイスマスク1Xの折り畳み状態は、他の折り畳み態様で折り畳まれた状態であってもよい。他の折り畳み態様については、後述にて詳細に説明する。
【0039】
次いで、
図4に基づいて、フェイスマスク1の取り出し態様について説明する。
図4(A)に示すように、フェイスマスク1Xは、使用前に、折り畳み状態で収容本体30内に収容されている。装着者は、収容本体30の開口形成部37の操作等を経て、
図4(B)に示すように開口35を形成する。フェイスマスク1Xを使用する際に、スキンケア剤が含浸されたフェイスマスク1Xを把持して、フェイスマスク1Xを収容本体30から取り出す。このとき、本発明のフェイスマスク1Xは、
図4(C)に示すように、複数のシート部に円滑に分離して、各シート部を取り出すことができるように構成されている。複数のシート部に分離して円滑に取り出すための構成は、大別して第1構成から第4構成がある。第1構成及び第2構成は、第1実施形態に係るフェイスマスク1Xが備えており、第1実施の形態において説明する。第3構成及び第4構成は、第2実施形態に係るフェイスマスク1Yが備えており、第2実施形態において説明する。
【0040】
第1構成に係るフェイスマスク収容体100Xは、折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、第1シート部11が第2シート部12と厚さ方向Tに重ならない第1非重畳領域21と、第2シート部12が第1シート部11と厚さ方向Tに重ならない第2非重畳領域22と、が設けられている。
図3(D)において、第1非重畳領域21と、第2非重畳領域22と、に異なる斜線を付している。第1非重畳領域21は、第1シート部11のうち、折り畳み状態において第2シート部12と厚さ方向Tに重ならない領域である。第2非重畳領域22は、第2シート部12のうち、折り畳み状態において第1シート部11と厚さ方向Tに重ならない領域である。
【0041】
第1構成に係るフェイスマスク収容体100によれば、装着者は、収容本体30内に収容された折り畳み状態のフェイスマスク1Xを把持して引き出すことで、第1シート部11及び第2シート部12の一方のみを取り出すことができる。例えば、収容本体30からフェイスマスク1Xを取り出す際に、第1シート部11と第2シート部12が重なった重畳領域25(
図6参照)を把持して取り出すと、第1シート部11と第2シート部12が共に取り出される。しかし、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22が設けられているため、装着者は、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の少なくとも一方を把持して、第1シート部11及び第2シート部12の一方を取り出すことができる。装着者は、先に取り出したシート部を装着し、次いで、残りのシート部を取り出して装着することができる。更に、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の両方が設けられているため、一方の非重畳領域(例えば、第1非重畳領域)を把持し、他方の非重畳領域(例えば、第2非重畳領域)を押さえることで、一方のシート部のみを円滑に取り出すことができる。よって、フェイスマスク1X全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0042】
第2構成に係るフェイスマスク収容体100Xは、折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22との少なくとも一方が設けられている。第1構成では、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の両方を有するのに対して、第2構成では、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の少なくとも一方を有する。第2の構成では、更に、折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、切断部15が第1シート部11及び第2シート部12のいずれとも厚さ方向Tに重ならない切断非重畳領域19が設けられている。切断非重畳領域19は、切断部15のうち、折り畳み状態において第1シート部11及び第2シート部12のいずれとも厚さ方向Tに重ならない領域である。
【0043】
第2構成に係るフェイスマスク収容体100によれば、装着者は、収容本体30内に収容された折り畳み状態のフェイスマスク1Xを把持して引き出すことで、第1シート部11及び第2シート部12の一方のみを取り出すことができる。収容本体30内に収容された折り畳み状態において第1シート部11と第2シート部12は、連結されている。よって、第1シート部11及び第2シート部12の一方のみを取り出すためには、切断部15を分離して一方のシート部を取り出す必要がある。折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、切断非重畳領域19が設けられている。切断非重畳領域19は、第1シート部11にも第2シート部12にも重なっていないため、第1シート部11と第2シート部12の一方を引っ張った際の力を受け易く、分離し易い。よって、装着者が、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の一方を把持して引っ張った際に、切断部15を容易に分離でき、一方のシート部のみを円滑に取り出すことができる。よって、フェイスマスク1X全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。よって、フェイスマスク1X全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0044】
なお、第1構成に係るフェイスマスク収容体においても、切断非重畳領域19が設けられていてもよい。また、第2構成に係るフェイスマスク収容体においても、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の両方が設けられていてもよい。以下、第1構成及び第2構成に係るフェイスマスク収容体100Xにおいて、好適な構成について説明する。第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22は、切断部15を介して分離して各シート部を取り出す際に把持するための領域を有していることが好ましく、一般的な成人の人差し指の幅である10mm以上の長さを有していることが好ましい。
【0045】
切断非重畳領域19は、折り畳み状態において切断部15の全域に亘って設けられてよい。本構成によれば、切断部15全域が第1シート部11にも第2シート部12にも厚さ方向Tに重なっていないため、第1シート部11と第2シート部12の一方を引っ張る力が切断部15の全域に亘ってかかり易い。よって、切断部15をより円滑かつ容易に分離でき、フェイスマスク1X全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。本実施の形態では、切断部15全域が第1シート部11にも第2シート部12にも重なってなく、切断非重畳領域19は、切断部15全域に形成されている。
【0046】
切断部15は、折り畳み状態におけるフェイスマスク1Xの外面に位置してよい。
図5(A)は、
図3(D)に示すA-A線に沿った断面図である。折り畳み状態におけるフェイスマスク1Xの外面は、折り畳み状態におけるフェイスマスクの厚さ方向Tの両表面であり、
図5における第1外面17と第2外面18を含む面である。第1外面17と第2外面18の少なくとも一方に切断部15が設けられていればよい。本実施の形態のフェイスマスク1Xは、折り畳み状態において複数層に積層されており、切断部15としてのミシン目も複数層に積層されている。当該切断部15の少なくとも一部(複数層のうち少なくとも1層)が、折り畳み状態におけるフェイスマスク1Xの厚さ方向Tの外面に配置されてよい。当該構成によれば、切断部15がフェイスマスクの外面に位置するため、厚さ方向Tに積層されたシート間に切断部15が配置された構成と比較して、シートを引っ張った際に切断部15に力を掛け易く、切断部15をより円滑に分離し易い。よって、フェイスマスク1X全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0047】
切断部15の少なくとも一部は、平面視において、折り畳み状態において折り目FLと厚さ方向Tに重ならない領域に配置されてよい。当該折り目は、折り畳み状態における全ての折り目を含んでいる。例えば、本実施形態においては、切断部15の少なくとも一部は、第1上下折り目FL1、第2上下折り目FL2及び第1幅折り目FW1のいずれとも厚さ方向Tに重ならない部分を有していればよい。例えば、折り目に切断部15が重なっている形態にあっては、引っ張った力が折り目を展開する力として作用しやすく、切断部15を分離する力として作用し難いことがあった。そのため、切断部15を分離するためにフェイスマスク1Xを一旦展開する必要が生じるおそれがあった。しかし、折り目と重ならない領域に切断部15が設けられていることで、装着者が引っ張った力が切断部15を分離する力として作用し易く、折り畳み状態で切断部15を容易に分離できる。よって、フェイスマスク全体を収容本体から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。なお、好適には、切断部15の全域は、折り目に重ならない領域に配置されてよい。当該構成によれば、折り畳み状態において第1シート部11又は第2シート部12を引っ張った際に、切断部15全体に力をかけ易くなる。
【0048】
図3に示すように、折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、第1シート部11と第2シート部12が厚さ方向Tに重なった重畳領域25が設けられていなくてもよい。すなわち、第1シート部11の全域が第1非重畳領域21を構成し、第2シート部12の全域が第2非重畳領域22を構成してよい。当該構成によれば、第1シート部11と第2シート部12が重なった部分を有しないため、第1シート部11と第2シート部12の一方を引っ張る力が切断部15に掛かり易く、切断部15が容易に分離し易い。また、切断部15が分離した後においても、第1シート部11と第2シート部12が重なった部分における面同士の表面張力が発生せず、第1シート部11及び第2シート部12の一方を円滑に取り出すことができる。
【0049】
図6、
図7等に示すように、変形例において、折り畳み状態のフェイスマスク1Xには、重畳領域25が設けられていてもよい。重畳領域25は、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22と比較して厚さが薄くなり易い。そのため、装着者は、折り畳み状態のフェイスマスク1Xの厚さに基づいて、第1非重畳領域21の位置及び第2非重畳領域22の位置を触感で把握し易い。収容本体30の内部の視認性を確保しにくい形態にあっても、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を適切に把持しやすくなる。また、折り畳み状態の平面視において、フェイスマスクの全体面積に対する重畳領域25の面積の比率は、50%以下であってよい。重畳領域25の面積比率が全体面積に対する半分未満であるため、重畳領域25における第1シート部11と第2シート部12が当接する面の表面張力が大きくなり過ぎず、第1シート部11と第2シート部12を円滑に分離できる。
【0050】
第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の少なくとも一方は、重畳領域25よりも開口領域R35側に位置してよい。装着者は、使用時に収容本体30の開口35側から指を入れ、折り畳み状態のフェイスマスク1Xの一部を把持して、フェイスマスク1Xを引き出す。このとき、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の少なくとも一方は、重畳領域25よりも開口領域R35側に位置することにより、装着者が第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の少なくとも一方を掴み易く、第1シート部11又は第2シート部12を引き出すことができる。また、重畳領域25の厚さは、第1非重畳領域21の厚さよりも厚く、第2非重畳領域22の厚さよりも厚い。そのため、重畳領域25の外面と収容本体の内面の抵抗値が比較的大きくなり、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22の少なくとも一方を掴んで引き出す際に、重畳領域が収容本体内に引っかかり、第1シート部11又は第2シート部12を円滑に引き出しやすくなる。
【0051】
また、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の一方が重畳領域25よりも開口領域R35側に配置され、第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の他方が、重畳領域25よりも開口領域R35と反対側に配置されてよい。本態様によれば、引っ張る側の非重畳領域(第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の一方)を把持し、他方の非重畳領域(第1非重畳領域21と第2非重畳領域22の他方)を押さえることで、第1シート部11と第2シート部12を円滑に分離しつつ取出できる。よって、フェイスマスク全体を収容袋から取り出さずに、第1シート部11又は第2シート部12を取り出すことができる。
【0052】
折り畳み状態のフェイスマスク1Xは、収容本体30から出し入れする方向においてフェイスマスク1Xを3等分した領域を有する。出し入れする方向は、フェイスマスク収容体100Xの平面視において、開口35が延びる方向に対して直交する方向であり、本実施の形態では、収容本体30の縦方向Vであり、フェイスマスク1の上下方向Lである。開口領域R35側に位置する開口側領域の最大厚さは、他の領域の最大厚さよりも薄くてよい。開口領域側に位置する開口側領域の最大厚さは、領域の最大厚さ及び領域の最大厚さのいずれかよりも薄くてよい。開口側領域は、フェイスマスクを3等分した領域の1つの領域であり、開口側領域の最大厚さは、折り畳み状態におけるフェイスマスクの当該領域の厚さである。本構成によれば、他の領域において厚さが厚い部分が収容本体の内面に引っかかり、開口側領域を開口35から引き出し、第1シート部11又は第2シート部12を円滑に引き出しやすくなる。好適には、切断部15の少なくとも一部は、出し入れする方向における開口側領域の最大厚さの位置と他の領域の最大厚さの位置との間に配置されてよい。当該構成によれば、開口側領域を把持して収容本体30の開口35側からフェイスマスクを引き出す際に、他の領域において厚さが厚い部分を収容本体30の内面に引っかけつつ切断部15に力をかけ、切断部15を容易に分離できる。
【0053】
収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値は、切断部15の分離強度よりも高くてよい。当該構成によれば、フェイスマスク1Xが分離せずにフェイスマスク1X全体が収容本体30から引き出されることを抑制し、フェイスマスク1Xを引き出す過程で切断部15を分離でき、第1シート部11及び第2シート部12の他方を収容本体30内に残しつつ、第1シート部11及び第2シート部12の一方を取り出すことができる。収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値及び切断部15の分離強度は、フェイスマスク重量(乾燥基準)当たり1200重量%以上2400重量%以下のスキンケア剤を含浸させた状態で測定する。
【0054】
収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値の測定は、収容本体30の開口35を形成し、フェイスマスク1Xの上端(開口側の端)に沿って補強テープを貼り付ける。補強テープは、フェイスマスクの厚み方向の両外面のそれぞれに、補強テープの長さ方向がフェイスマスクの幅方向Wに沿うように貼り付ける。また、収容本体の下端(開口と反対側の端)に沿って補強テープを貼り付ける。補強テープは、収容本体30の厚み方向の両外面のそれぞれに、補強テープの長さ方向が収容本体30の横方向Hに沿うように貼り付ける。補強テープを貼り付けた部分は、オートグラフのチャックの掴み部分となる。オートグラフのチャックを、収容本体の補強テープと、フェイスマスクの補強テープと、を挟むようにそれぞれ取り付け、引張試験を行う。チャック間隔は、収容本体の縦方向Vの寸法によって適宜変更できるが、例えば、80mmとすることができる。引張速度は、100mm/minとすることができる。
【0055】
フェイスマスク1Xの切断部15の分離強度は、収容本体30からフェイスマスク1を取り出した状態で測定できる。フェイスマスクの切断部15を含む領域で、幅40mm×長さ50mmに切断し、長さ方向の両端に補強テープを貼り付ける。一端側の補強テープと他端側の補強テープの間に、切断部15の少なくとも一部が配置されるようにする。一端側の補強テープと他端側の補強テープとを挟むように、それぞれにオートグラフのチャックを取り付け、引張試験を行う。チャック間隔は、収容本体の縦方向Vの寸法によって適宜変更できるが、例えば、80mmとすることができる。引張速度は、100mm/minとすることができる。切断部が複数箇所ある場合には、測定した引張強度を箇所の個数分乗じた(例えば、切断部が2カ所の場合には、2倍)値を、分離強度とする。
【0056】
また、引張試験を行い、フェイスマスクの少なくとも一部が収容本体30内に収容された状態で、切断部15の少なくとも一部が分離した場合は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値が切断部15の分離強度よりも高いと判断してもよい。一方、引張試験を行い、切断部15が分離する前に、フェイスマスク全体が収容本体30から引き出された場合は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値が切断部15の分離強度よりも低いと判断してもよい。
【0057】
収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値は、高すぎると、フェイスマスクが引き出しにくく、装着時の操作性が悪くなる。一方、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値は、低すぎると、フェイスマスクが分離する前にフェイスマスク1X全体が収容本体30から引き出される。このような観点で、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値は、0.5N以上1.2N以下であってよい。また、切断部の分離強度自体を測定する際は、フェイスマスクを収容本体から取り出した状態で、フェイスマスクの上端と下端のそれぞれに補強テープを貼り付けて、当該補強テープの上端と下端にチャックを取り付け、引張試験を行う。切断部15の分離強度は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値よりも低く、かつ装着者が容易に分離できることが好ましい。引き出し途中に分離してしまう場合の切断強度は、1.2N未満である。切断強度が1.2N未満の場合には、収容本体の奥の方(開口と反対側)にフェイスマスクが留まってしまい、使用する際に取り出し難くなる。また、引き出し途中に分離せずに収容本体からフェイスマスク1を取り出してから切断部を分離させる場合の分離強度は、5N以上である。切断部15の分離強度は、例えば、6N以上7N以下であってよい。
【0058】
次いで、
図6及び
図7に基づいて、第1実施形態に係るフェイスマスクの他の折り畳み態様について説明する。
図6(A)は、変形例1に係るフェイスマスク1Xの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図6(B)は、変形例1に係るフェイスマスク1Aの折り畳み状態を示した図である。変形例1に係るフェイスマスク1Aは、折り畳み状態において、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2によって折り畳まれている。変形例1に係るフェイスマスクは、上記実施形態と異なり、第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2のみによって折り畳まれ、第1幅折り目FW1によって折り畳まれてない。変形例1に係るフェイスマスク1Aは、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Aの外面に位置しており、上述の第1構成及び第2構成を備えている。
【0059】
図6(C)は、変形例2に係るフェイスマスク1Bの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図6(D)は、変形例2に係るフェイスマスク1Bの折り畳み状態を示した図である。変形例2に係るフェイスマスク1Bは、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2によって折り畳まれた後に、当該状態の上下方向の中央に位置する第1幅折り目FW1によって折り畳まれている。変形例2に係るフェイスマスクは、上記実施形態と第1幅折り目FW1の位置が異なり、上記実施形態よりも第1幅折り目FW1が下方(切断部側)に位置している。変形例2に係るフェイスマスクは、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Bの外面に位置しており、第1構成及び第2構成を備えている。
【0060】
図6(E)は、変形例3に係るフェイスマスク1Cの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図6(F)は、変形例3に係るフェイスマスク1Cの折り畳み状態を示した図である。変形例3に係るフェイスマスク1Cは、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2によって折り畳まれた後に、切断部15に沿って配置された第1幅折り目FW1によって折り畳まれている。変形例3に係るフェイスマスクは、上記実施形態と第1幅折り目FW1の位置が異なり、上記実施形態よりも第1幅折り目FW1が下方(切断部上)に位置している。変形例3に係るフェイスマスクは、第1非重畳領域21を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Cの外面に位置しているが、第2非重畳領域22を有していなく、第2構成を備え、第1構成を備えていない。
【0061】
図7(A)は、変形例4に係るフェイスマスク1Dの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図7(B)は、変形例4に係るフェイスマスク1Dの折り畳み状態を示した図である。変形例4に係るフェイスマスク1Dは、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目によって折り畳まれる。変形例4に係るフェイスマスク1Dは、他の上下方向Lに延びる折り目を基点に折り畳まれていなく、幅方向Wに延びる折り目を基点に折り畳まれていない。変形例4に係るフェイスマスク1Dは、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Dの外面に位置しており、第1構成及び第2構成を備えている。
【0062】
図7(C)は、変形例5に係るフェイスマスク1Eの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図7(D)は、変形例5に係るフェイスマスク1Eの折り畳み状態を示した図である。変形例5に係るフェイスマスク1Eは、幅方向に延びる第1幅折り目FW1によって折り畳まれる。変形例5に係るフェイスマスク1Eは、上下方向Lに延びる折り目を基点に折り畳まれていない。変形例5に係るフェイスマスク1Eは、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Eの外面に位置しており、第1構成及び第2構成を備えている。
【0063】
図7(E)は、変形例6に係るフェイスマスク1Fの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図7(F)は、変形例6に係るフェイスマスク1Fの折り畳み状態を示した図である。変形例6に係るフェイスマスク1Fは、幅方向に延びる第1幅折り目FW1によって折り畳まれた後に、幅方向Wに延びる第2幅折り目FW2によって折り畳まれる。変形例6に係るフェイスマスク1Fは、上下方向Lに延びる折り目を基点に折り畳まれていない。変形例6に係るフェイスマスク1Fは、第1非重畳領域21及び第2非重畳領域22を有し、かつ切断部15がフェイスマスク1Fの外面に位置しており、第1構成及び第2構成を備えている。
【0064】
また、第1実施形態のフェイスマスク1Xにおいて、折り目FLは、フェイスマスクにおいて切断部15を含む切断領域R15と、フェイスマスク1Xにおいて切断部を含まない非切断領域R16と、を折り畳む切断折り目を有してよい。切断領域R15は、切断部を含む領域であり、例えば、変形例5(
図7(C))及び変形例6(
図7(E))における第1幅折り目FW1よりも下側の領域である。非切断領域R16は、切断領域R15以外の領域であって、切断部15を含まない領域であり、例えば、第1幅折り目FW1よりも上側の領域である。切断折り目は、切断領域R15と非切断領域R16が重なるように折るための折り目であり、例えば、第1幅折り目FW1である。好適には、折り畳み状態におけるフェイスマスクには、切断折り目を基点に折り畳まれた切断領域R15と非切断領域R16を共に折り畳まれてない。変形例6は、切断折り目である第1幅折り目FW1を基点に折り畳まれた後に、切断領域R15と非切断領域R16が共に第2幅折り目FW2を基点に折り畳まれている。このように折り畳まれていると、切断領域R15と非切断領域R16を共に折り畳む折り目によって切断領域R15と非切断領域R16が相対移動し難く、折り畳み状態において切断領域R15内の切断部15が分離し難くなる。これに対して、変形例5のように、切断領域R15と非切断領域R16を共に折り畳まれていないことにより、折り畳み状態において切断領域R15と非切断領域R16が相対移動し易く、折り畳み状態において切断部15を分離し易くなる。よって、フェイスマスク1X全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0065】
次いで、
図8から
図10に基づいて、第2実施形態のフェイスマスク収容体100Yについて説明する。
図8は、第2実施形態に係るフェイスマスク収容体100Yを模式的に示した図である。
図9は、第2実施形態に係るフェイスマスク1Yの展開状態の平面図である。
図10は、第2実施形態に係るフェイスマスクの折り畳み態様の一例を説明するための図である。以下の説明において、上述の第1実施形態と同様の構成については、同符号を用いて説明を省略する。第1実施の形態のフェイスマスク1Xは、第1シート部11と第2シート部12は、使用前に連結しており、使用時に切断部15を介して分離可能に構成されている。これに対して、第2実施形態のフェイスマスク1Yは、第3シート部13と第4シート部14とが別体であり、第3シート部13と第4シート部14とが分離した状態で、収容本体30内の同一の収容空間内に収容されている。フェイスマスク1Yは、折り目FLを基点に折り畳まれた状態で、収容本体30内に収容されている。フェイスマスク1Yは、フェイスマスク1Xと同様に、スキンケア剤と共に収容本体30に収容されていてもよいし、単体で収容本体内に収容され、使用時にスキンケア剤が含浸されて使用されてもよい。
【0066】
フェイスマスク1Yは、
図9に示す展開状態から折り目FLを基点に折り畳まれた折り畳み状態で、収容本体30内に収容されている。折り目FLは、1つであってもよいし、複数であってもよい。
図10を参照して、フェイスマスク1Yの折り畳み態様の一例を説明する。フェイスマスク1Yの第3シート部13及び第4シート部14のそれぞれは、
図10(A)に示す展開状態から、フェイスマスク1Yの幅方向Wの中央において上下方向Lに延びる第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれる。
図10(B)は、第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれた状態の第3シート部13及び第4シート部14を示している。次いで、第3シート部13及び第4シート部14のそれぞれは、第1上下折り目FL1を基点に折り畳まれた状態から、当該状態においてフェイスマスク1Yの幅方向Wの中央において上下方向Lに延びる第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれる。
図10(C)は、第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態の第3シート部13及び第4シート部14を示している。第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態において、第3シート部13と、第4シート部14と、は離間している。次いで、第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれた状態の第3シート部13と第4シート部14を厚さ方向に重ねる。
図10(D)は、第3シート部13の一部と第4シート部14の一部を重ねた状態を示している。
【0067】
本実施形態の折り畳み状態は、
図10(D)に示す状態であり、フェイスマスク1Yは、第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2を基点に折り畳まれ、第3シート部13の一部と第4シート部14の一部が積層されている。しかし、第2実施形態の変形例において、
図11に示すように、フェイスマスク1Yの折り畳み状態は、他の折り畳み態様で折り畳まれた状態であってもよい。他の折り畳み態様については、後述にて詳細に説明する。
【0068】
第2実施形態に係るフェイスマスク1Yは、複数のシート部に分離して円滑に取り出すための4つの構成のうち、第3構成及び第4構成が備えている。第3構成に係るフェイスマスク収容体100Yにおいて、折り畳み状態のフェイスマスク1Yの折り目FLは、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目を備えていない。フェイスマスク1Yの折り目FLは、第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2であり、いずれも第3シート部13のみを折り畳む折り目又は第4シート部14のみを折り畳む折り目である。第3構成に係るフェイスマスク収容体100Yによれば、装着者は、収容本体30内に収容された折り畳み状態のフェイスマスク1Yを把持して引き出すことで、第3シート部13及び第4シート部14の一方のみを取り出すことができる。フェイスマスク1Yの使用時には、フェイスマスク1Yの一部を把持して引き出す。このとき、例えば、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目が設けられていると、当該共に折り畳む折り目によって第3シート部13と第4シート部14が相対的に移動できず、一旦展開した後に、第3シート部13と第4シート部を離間させる必要がある。本構成によれば、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目が設けられていないため、第3シート部が折り畳まれ、かつ第4シート部14が折り畳まれた状態で、第3シート部13と第4シート部が離間できるため、フェイスマスク1Y全体を収容本体30から取り出さずに、複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができる。
【0069】
第4構成に係るフェイスマスク収容体100Yにおいて、折り畳み状態のフェイスマスク1Yには、第3シート部13が第4シート部14と厚さ方向に重ならない第3非重畳領域23と、第4シート部14が第3シート部13と厚さ方向に重ならない第4非重畳領域24と、の少なくとも一方が設けられている。
図10(D)において、第3非重畳領域23と、第4非重畳領域24と、に異なる斜線を付している。第3非重畳領域23は、第3シート部13のうち、折り畳み状態において第4シート部14と厚さ方向Tに重ならない領域である。第4非重畳領域24は、第4シート部14のうち、折り畳み状態において第3シート部13と厚さ方向Tに重ならない領域である。第4構成の折り畳み状態のフェイスマスク1Yには、第3シート部13と第4シート部14が厚さ方向に重なった積層領域27が設けられている。第3非重畳領域23及び第4非重畳領域24の少なくとも一方は、積層領域27よりも開口領域R35側に位置する。
【0070】
第4構成に係るフェイスマスク収容体100Yによれば、装着者は、収容本体30内に収容された折り畳み状態のフェイスマスク1Yを把持して引き出すことで、第3シート部13及び第4シート部14の一方のみを取り出すことができる。例えば、収容本体30からフェイスマスク1Yを取り出す際に、第3シート部13と第4シート部14が重なった積層領域27を把持して取り出すと、第3シート部13と第4シート部14が共に取り出される。しかし、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の少なくとも一方が積層領域27よりも開口領域R35側に設けられている。使用時に収容本体30の開口35側から指を入れ、折り畳み状態のフェイスマスク1Yの一部を把持して、フェイスマスクを引き出す際に、装着者が第3非重畳領域23及び第4非重畳領域24の少なくとも一方を掴み易く、第3シート部13又は第4シート部14を引き出すことができる。また、積層領域27の厚さは、第3非重畳領域23の厚さよりも厚く、第4非重畳領域24の厚さよりも厚い。そのため、積層領域27の外面と収容本体30の内面の抵抗値が比較的大きくなり、第3非重畳領域23及び第4非重畳領域24の少なくとも一方を掴んで引き出す際に、積層領域27が収容本体30内に引っかかり、第3シート部13又は第4シート部14を円滑に引き出しやすくなる。
【0071】
なお、第3構成に係るフェイスマスク収容体においても、積層領域27が設けられていてもよい。折り畳み状態のフェイスマスク1Yが積層領域27を有することにより、積層領域27において当接し、第3シート部13と第4シート部14が一体化した状態で収容本体内に収容されている。そのため、装着者は、第3シート部13及び第4シート部14が共に使用されるフェイスマスクであることを認識でき、各シート部を同時に使用できる。また、第4構成に係るフェイスマスク収容体においても、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の少なくとも一方が積層領域27よりも開口領域R35側に設けられてよい。また、第4構成に係るフェイスマスク収容体においても、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目を備えていなくてよい。以下、第3構成及び第4構成に係るフェイスマスク収容体100Yにおいて、好適な構成について説明する。
【0072】
第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の一方が積層領域27よりも開口領域R35側に配置され、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の他方が、積層領域27よりも開口領域R35と反対側に配置されてよい。例えば、
図10(D)に示すように、第3非重畳領域23が積層領域27よりも開口領域R35側である上側に配置され、第4非重畳領域24が積層領域27よりも開口領域R35と反対側である下側に配置されてよい。本態様によれば、引っ張る側の非重畳領域(第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の一方)を把持し、他方の非重畳領域(第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の他方)を押さえることで、第3シート部13と第4シート部14を円滑に分離しつつ取出できる。よって、シート全体を収容袋から取り出さずに、第3シート部13又は第4シート部14を取り出すことができる。
【0073】
折り畳み状態のフェイスマスクは、積層領域27において、第3シート部13と第4シート部14が厚さ方向に隣接する境界が設けられており、当該境界に対する厚さ方向の一方側には第3シート部13のみが配置され、境界に対する厚さ方向の他方側には、第4シート部14のみが配置されてよい。すなわち、折り畳み状態のフェイスマスクは、積層領域27において第3シート部によって第4シート部が厚さ方向に挟まれてなく、第4シート部14が第3シート部13によって厚さ方向に挟まれてない。本態様によれば、境界に対する厚さ方向の一方側には第3シート部13のみが配置され、境界に対する厚さ方向の他方側には、第4シート部14のみが配置されているため、第3シート部13と第4シート部14の一方が他方に対して移動し易く、第3シート部13と第4シート部14を円滑に分離しつつ取出できる。よって、シート全体を収容袋から取り出さずに、第3シート部13又は第4シート部14を取り出すことができる。
【0074】
折り畳み状態の平面視において、フェイスマスクの全体面積に対する積層領域の面積の比率は、50%以下であってよい。積層領域27の面積比率が全体面積に対する半分未満であるため、積層領域27における第3シート部13と第4シート部14が当接する面の表面張力が大きくなり過ぎず、第3シート部13と第4シート部14を円滑に分離できる。
【0075】
折り畳み状態のフェイスマスク1Yは、収容本体30から出し入れする方向においてフェイスマスク1Yを3等分した領域を有する。出し入れする方向は、フェイスマスク収容体100Yの平面視において、開口35が延びる方向に対して直交する方向であり、本実施の形態では、収容本体30の縦方向Vであり、フェイスマスク1Yの上下方向Lである。開口領域R35側に位置する開口側領域の最大厚さは、他の領域の最大厚さよりも薄くてよい。開口領域側に位置する開口側領域の最大厚さは、領域の最大厚さ及び領域の最大厚さのいずれかよりも薄くてよい。本構成によれば、他の領域において厚さが厚い部分が収容本体の内面に引っかかり、開口側領域を開口35から引き出し、第3シート部13又は第4シート部14を円滑に引き出しやすくなる。
【0076】
収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスクを引き出す際の抵抗値は、積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力よりも高くてよい。収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスクを引き出す際の抵抗値及び積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力は、フェイスマスク重量(乾燥基準)当たり1200重量%以上2400重量%以下のスキンケア剤を含浸させた状態で測定する。包装体の開口35を形成し、フェイスマスク1Xの上端(開口側の端)に沿って補強テープを貼り付ける。補強テープは、フェイスマスクの厚み方向の両外面のそれぞれに、補強テープの長さ方向がフェイスマスクの横方向Hに沿うように貼り付ける。また、収容本体の下端(開口と反対側の端)に沿って補強テープを貼り付ける。補強テープは、収容本体30の厚み方向の両外面のそれぞれに、補強テープの長さ方向が収容本体30の横方向Hに沿うように貼り付ける。補強テープを貼り付けた部分は、オートグラフのチャックの掴み部分となる。オートグラフのチャックを、収容本体の補強テープと、フェイスマスクの補強テープと、の挟むようにそれぞれ取り付け、引張試験を行う。このとき、収容本体において掴む部分は、フェイスマスクの第3シート部と第4シート部の一方と重なる部分とし、フェイスマスクにおいて掴む部分は、第3シート部と第4シート部の他方と重なる部分とする。チャック間隔は、収容本体の縦方向Vの寸法によって適宜変更できるが、例えば、130mmとすることができる。引張速度は、100mm/minとすることができる。引張試験を行い、フェイスマスクの少なくとも一部が収容本体30内に収容された状態で第3シート部と第4シート部が離間した場合は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値は、積層領域における第3シート部と第4シート部が分離するせん断力よりも高いと判断する。一方、引張試験を行い、積層領域における第3シート部と第4シート部が分離する前にフェイスマスクが収容本体30から引き出された場合は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値が、積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力よりも低いと判断する。また、積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力を測定する際は、フェイスマスクを収容本体から取り出した状態で、フェイスマスクの上端と下端のそれぞれに補強テープを貼り付けて、当該補強テープの上端と下端にチャックを取り付け、引張試験を行う。積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力は、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスク1Xを引き出す際の抵抗値よりも低く、かつ装着者が容易に分離できることが好ましく、例えば、1.3N以上2.7N以下であってよい。また、変形例において、収容本体30から折り畳み状態のフェイスマスクを引き出す際の抵抗値は、積層領域における第3シート部と第4シート部のせん断力よりも低くてもよい。当該変形例においては、第3シート部と第4シート部の一方を引っ張ると第3シート部と第4シート部が共に引き出されるため、第3シート部と第4シート部の一方を引き出す際に、第3シート部と第4シート部の他方を収容本体30の外側から押さえることで、第3シート部と第4シート部の他方を収容本体30内に残しつつ、第3シート部と第4シート部の一方のみを引き出すことができる。
【0077】
次いで、
図11に基づいて、第2実施形態に係るフェイスマスク1Yの他の折り畳み態様について説明する。
図11(A)は、変形例7に係るフェイスマスク1Gの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図11(B)は、変形例7に係るフェイスマスク1Gの折り畳み状態を示した図である。変形例7に係るフェイスマスク1Gは、折り畳み状態において、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2によって折り畳まれている。変形例7に係るフェイスマスクは、第2実施形態のフェイスマスク1Yと第3シート部13と第4シート部14の重なり態様が異なっている。第4シート部の上下方向Lの全域が、第3シート部13に重なっている。変形例7に係るフェイスマスク1Gは、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目が設けられていなく、第3構成を備える。また、変形例7に係るフェイスマスク1Gは、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の少なくとも一方が積層領域27よりも開口領域R35側に設けられており、第4構成を備える。
【0078】
図11(C)は、変形例8に係るフェイスマスク1Hの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図11(D)は、変形例8に係るフェイスマスク1Hの折り畳み状態を示した図である。変形例8に係るフェイスマスク1Hは、折り畳み状態において、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1によって折り畳まれている。変形例8に係るフェイスマスク1Hは、第2上下折り目FL2によって折り畳まれていなく、第1上下折り目FL1によって折り畳まれた状態で、第3シート部13の一部と第4シート部の一部とが重なっている。変形例8に係るフェイスマスク1Hは、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目が設けられていなく、第3構成を備える。また、変形例8に係るフェイスマスク1Hは、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の少なくとも一方が積層領域27よりも開口領域R35側に設けられており、第4構成を備える。
【0079】
図11(E)は、変形例9に係るフェイスマスク1Jの折り目を展開状態のフェイスマスクで示した図であり、
図11(F)は、変形例9に係るフェイスマスク1Jの折り畳み状態を示した図である。変形例9に係るフェイスマスク1Jは、折り畳み状態において、上記実施形態と同じ位置に配置された第1上下折り目FL1及び第2上下折り目FL2によって折り畳まれている。変形例9に係るフェイスマスク1Hは、第2上下折り目FL2によって折り畳まれた状態で、第3シート部13が第1幅折り目FW1によって折り畳まれた後に、第3シート部13の一部と第4シート部の一部とが重なっている。変形例9に係るフェイスマスク1Jは、第3シート部13と第4シート部14を共に折り畳む折り目が設けられていなく、第3構成を備える。また、変形例9に係るフェイスマスク1Jは、第3非重畳領域23と第4非重畳領域24の少なくとも一方が積層領域27よりも開口領域R35側に設けられており、第4構成を備える。
【0080】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0081】
100、100X、100Y:フェイスマスク収容体
1、1X、1Y、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J:フェイスマスク
11 :第1シート部
12 :第2シート部
13 :第3シート部
14 :第4シート部
15 :切断部
21 :第1非重畳領域
22 :第2非重畳領域
23 :第3非重畳領域
24 :第4非重畳領域
25 :重畳領域
27 :積層領域
30 :収容本体
35 :開口
R35 :開口領域
37 :開口形成部
L :上下方向
W :幅方向
T :厚さ方向
【要約】
【課題】スキンケア剤が含浸されるフェイスマスクを構成する複数のシート部のそれぞれを円滑に取り出すことができるフェイスマスク収容体を提供する。
【解決手段】フェイスマスク収容体(100)は、スキンケア剤が含浸されるフェイスマスク(1)と、フェイスマスクを収容した収容本体(30)と、を有する。フェイスマスクは、第1シート部(11)と、第1シート部と切断部(15)を介して分離可能に構成された第2シート部(12)と、を有する。フェイスマスクは、折り目を基点に折り畳まれた折り畳み状態で収容本体に収容されている。折り畳み状態のフェイスマスクには、第1シート部が第2シート部と厚さ方向に重ならない第1非重畳領域(21)と、第2シート部が第1シート部と厚さ方向に重ならない第2非重畳領域(22)と、が設けられている。
【選択図】
図3