(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2021019601
(22)【出願日】2021-02-10
【審査請求日】2023-08-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011226
【氏名又は名称】AIメカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】稲尾 吉浩
(72)【発明者】
【氏名】泉 剛士
(72)【発明者】
【氏名】末兼 大輔
(72)【発明者】
【氏名】戸崎 均
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-62431(JP,A)
【文献】特開2003-270646(JP,A)
【文献】特開2018-60982(JP,A)
【文献】特開2017-92249(JP,A)
【文献】特開2006-195482(JP,A)
【文献】特開2004-268113(JP,A)
【文献】特開2004-241568(JP,A)
【文献】特開2009-200117(JP,A)
【文献】特開2007-310041(JP,A)
【文献】特開2012-24840(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1367661(KR,B1)
【文献】特開平7-142431(JP,A)
【文献】特開2017-84999(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を重ねた状態で挟む第1プレート及び第2プレートと、
前記第1プレート及び前記第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける押圧機構と、を有し、
前記押圧機構は、
前記複数の基板の中央部に対応して配置される中央荷重軸と、
前記中央部を除いた前記複数の基板の周辺部に対応して配置される複数の周辺荷重軸と、
前記中央荷重軸及び前記複数の周辺荷重軸のそれぞれを個別に駆動する複数の駆動部と、を備え
、
前記第1プレートは、固定された状態で設けられ、前記複数の基板を載せて支持可能であり、
前記第2プレートは、前記第1プレートの上方で昇降可能であり、
前記押圧機構は、前記第2プレートを下降させて前記第1プレートに向けて押し付け、
前記中央荷重軸及び前記複数の周辺荷重軸は、前記第2プレートから離間した状態で配置され、前記第1プレート及び前記第2プレートで前記複数の基板を挟む際に前記第2プレートに当接する、基板貼り付け装置。
【請求項2】
前記複数の周辺荷重軸のそれぞれは、前記中央荷重軸との間の距離が同一である、請求項1に記載の基板貼り付け装置。
【請求項3】
前記複数の基板のそれぞれは、平面視で矩形状であり、
前記複数の周辺荷重軸は、前記基板の4つの角部に対応して配置される、請求項2に記載の基板貼り付け装置。
【請求項4】
前記第1プレートは、複数の脚部の上端で支持されることにより固定されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項5】
前記第1プレートを貫通して設けられ、前記第2プレートに対して前記複数の基板又は1つの前記基板を昇降させるリフトピンを備える、
請求項1から
請求項4のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項6】
前記第1プレート及び前記第2プレートの一方又は双方は、前記複数の基板を加熱するための加熱部を備える、請求項1から
請求項5のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項7】
前記第1プレート及び前記第2プレートを収容するチャンバを備える、請求項1から
請求項6のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項8】
前記複数の駆動部を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記中央荷重軸及び前記複数の周辺荷重軸のそれぞれについて個別に駆動タイミング及び荷重の一方又は双方を制御する、請求項1から
請求項7のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項9】
複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより前記複数の基板を貼り付ける方法であって、
前記第1プレート及び前記第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける際に、前記複数の基板の中央部に対応する部分への
中央荷重軸による押圧、及び前記中央部を除いた前記複数の基板の周辺部に対応する複数の部分への
複数の周辺荷重軸による各押圧を、個別にそれぞれ設定することを含
み、
前記第1プレートは、固定された状態で設けられ、前記複数の基板を載せて支持可能であり、
前記第2プレートは、前記第1プレートの上方で昇降可能であり、
前記中央荷重軸及び前記複数の周辺荷重軸は、前記第2プレートから離間した状態で配置され、前記第1プレート及び前記第2プレートで前記複数の基板を挟む際に前記第2プレートに当接する、基板貼り付け方法。
【請求項10】
前記中央部に対応する部分への押圧、及び前記周辺部に対応する複数の部分への各押圧は、それぞれの目標荷重に達するまで段階的に荷重を増加させるように行う、
請求項9に記載の基板貼り付け方法。
【請求項11】
前記中央部に対応する部分への押圧、及び前記周辺部に対応する複数の部分への各押圧は、駆動タイミングが異なる、
請求項9又は
請求項10に記載の基板貼り付け方法。
【請求項12】
複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより前記複数の基板を貼り付ける方法であって、
前記第1プレート及び前記第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける際に、前記複数の基板の中央部に対応する部分への押圧、及び前記中央部を除いた前記複数の基板の周辺部に対応する複数の部分への各押圧を、個別にそれぞれ設定することを含み、
前記中央部に対応する部分への押圧は、目標荷重に達する駆動タイミングが前記周辺部に対応する複数の部分への各押圧の駆動タイミングよりも早く、目標荷重から荷重減少を開始する駆動タイミングが前記周辺部に対応する複数の部分よりも遅い、基板貼り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板を重ねた状態で貼り付ける基板貼り付け装置が知られている。この基板貼り付け装置は、基板同士を貼り付ける際に基板を押圧するプレート(押圧部材、加圧板ともいう)と、プレートに押圧力を付与する押圧機構と、を有している。押圧機構は、プレートの中心部に対して荷重を付与するように1つの荷重軸を備えている(例えば、特許文献1参照)。近年の基板の大型化、薄型化によりプレートも大型化しており、1つの荷重軸でプレートに荷重を付与したのでは、荷重軸の軸線方向には所定の荷重が付与されるが、この軸線方向から離れると荷重不足を生じさせる。軸線方向から離れた部分では、基板同士の貼り付け不良が生じる場合がある。
【0003】
この問題を解消するにはプレートを厚くして剛性を高める必要があり、これでは装置製造コストを上昇させるだけでなく、重いプレートを駆動するので稼働時のコスト上昇を招くことになる。また、プレートに対して複数の荷重軸により押圧力を付与する形態が提案されている(例えば、特許文献2、3、4、5)。このように、複数の荷重軸でプレートを押圧することにより、プレートに対して広く押圧力が分布するようにして、基板同士の貼り付け不良の軽減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-311683号公報
【文献】特開2002-323694号公報
【文献】特開2003-241160号公報
【文献】特開2004-268113号公報
【文献】特開2008-147249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2、3、4、5の基板貼り付け装置は、プレートに対して複数の荷重軸により押圧力を付与しているが、複数の荷重軸が1つの駆動部によりプレートに対して押圧力を付与している。すなわち、複数の荷重軸が個別に駆動されておらず、複数の荷重軸による押圧力がほぼ同一であり、その押圧力を付与する駆動タイミングもほぼ同時である。上記のように基板が大型化、薄型化した状況では、基板の反り、歪みも大きくなり、単に複数の荷重軸によりプレートに対して同一の押圧力を同時に付与するだけでは、基板同士の一部で押圧力が不足する場合があり、基板同士を適切に貼り付けることができないといった課題がある。さらに、押圧力が不足する部分を補うために、押圧した状態を長い時間保持して対応させる必要があり、基板の貼り付けに要する時間が長くなって処理効率が悪いといった課題がある。
【0006】
本発明は、基板が大型化、薄型化した場合であっても、基板同士を短時間で適切に貼り付けることが可能な基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様に係る基板貼り付け装置は、複数の基板を重ねた状態で挟む第1プレート及び第2プレートと、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける押圧機構と、を有し、押圧機構は、複数の基板の中央部に対応して配置される中央荷重軸と、中央部を除いた複数の基板の周辺部に対応して配置される複数の周辺荷重軸と、中央荷重軸及び複数の周辺荷重軸のそれぞれを個別に駆動する複数の駆動部と、を備え、第1プレートは、固定された状態で設けられ、複数の基板を載せて支持可能であり、第2プレートは、第1プレートの上方で昇降可能であり、押圧機構は、第2プレートを下降させて第1プレートに向けて押し付け、中央荷重軸及び複数の周辺荷重軸は、第2プレートから離間した状態で配置され、第1プレート及び第2プレートで複数の基板を挟む際に第2プレートに当接する。
また、本発明の態様に係る基板貼り付け装置は、複数の基板を重ねた状態で挟む第1プレート及び第2プレートと、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける押圧機構と、を有し、押圧機構は、複数の基板の中央部に対応して配置される中央荷重軸と、中央部を除いた複数の基板の周辺部に対応して配置される複数の周辺荷重軸と、中央荷重軸及び複数の周辺荷重軸のそれぞれを個別に駆動する複数の駆動部と、を備える。
【0008】
本発明の態様に係る基板貼り付け方法では、複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより複数の基板を貼り付ける方法であって、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける際に、複数の基板の中央部に対応する部分への中央荷重軸による押圧、及び中央部を除いた複数の基板の周辺部に対応する複数の部分への複数の周辺荷重軸による各押圧を、個別にそれぞれ設定することを含み、第1プレートは、固定された状態で設けられ、複数の基板を載せて支持可能であり、第2プレートは、第1プレートの上方で昇降可能であり、中央荷重軸及び複数の周辺荷重軸は、第2プレートから離間した状態で配置され、第1プレート及び第2プレートで複数の基板を挟む際に第2プレートに当接する、基板貼り付け方法が提供される。
また、本発明の態様に係る基板貼り付け方法では、複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより複数の基板を貼り付ける方法であって、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける際に、複数の基板の中央部に対応する部分への押圧、及び中央部を除いた複数の基板の周辺部に対応する複数の部分への各押圧を、個別にそれぞれ設定することを含み、中央部に対応する部分への押圧は、目標荷重に達する駆動タイミングが周辺部に対応する複数の部分への各押圧の駆動タイミングよりも早く、目標荷重から荷重減少を開始する駆動タイミングが周辺部に対応する複数の部分よりも遅い、基板貼り付け方法が提供される。
また、本発明の態様に係る基板貼り付け方法では、複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより複数の基板を貼り付ける方法であって、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける際に、複数の基板の中央部に対応する部分への押圧、及び中央部を除いた複数の基板の周辺部に対応する複数の部分への各押圧を、個別にそれぞれ設定することを含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様に係る基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法によれば、押圧機構に備える中央荷重軸と、複数の周辺荷重軸とが、複数の駆動部によってそれぞれ駆動されるので、第1プレート又は第2プレートに対して異なる押圧力を異なる駆動タイミングで付与することができる。その結果、貼り付ける基板に付与する押圧力及びその駆動タイミングを任意に設定することができ、大型化、薄型化した基板であっても、基板同士を短時間で適切に貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係る基板貼り付け装置の一例を示す正面図である。
【
図2】
図1に示す基板貼り付け装置の平面図である。
【
図4】アライメント動作の一例を示し、(A)は基板を位置決めする前の状態を示す図、(B)は基板を位置決めした状態を示す図である。
【
図5】スペーサの動作の一例を示し、(A)はスペーサが待機している状態を示す図、(B)はスペーサが基板を支持した状態を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る基板貼り付け方法の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に続いて、本実施形態に係る基板貼り付け方法の一例を示すフローチャートである。
【
図8】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)はチャンバのゲートバルブを開けた図、(B)は上側基板をアームからリフトピンに渡した図である。
【
図9】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は上側基板に対してアライメント動作を行った図、(B)はアライメント動作後に上側基板を所定の位置まで上昇させた図である。
【
図10】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は上側基板をスペーサで支持した状態の図、(B)は下側基板をアームからリフトピンに渡した図である。
【
図11】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)はチャンバ内を排気して下側基板に反り抑制ベーク処理を行う図、(B)は真空雰囲気下において下側基板に反り抑制ベーク処理を行う図である。
【
図12】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は下側基板に対してアライメント動作を行った図、(B)はアライメント動作後に下側基板を上昇させた図である。
【
図13】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は第2プレートを下降させてバネピンで上側基板を押圧した状態の図、(B)はスペーサを退避させて上側基板と下側基板とを当接させた図である。
【
図14】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は第2プレートを下降させつつリフトピンを下降させ、第1プレート上に下側基板を載置した図、(B)は第1プレートと第2プレートとで上側基板と下側基板と挟んだ図である。
【
図15】中央荷重軸及び複数の周辺荷重軸について、付与する荷重とその駆動タイミングを示すグラフ図である。
【
図16】基板貼り付け装置の動作の一例を示し、(A)は第2プレートを上昇させ、リフトピンを上昇させた図、(B)は貼り付けられた上側基板及び下側基板をリフトピンからアームに渡した図である。
【
図17】変形例に係る第2プレートの一例を示す図である。
【
図18】
図17に示す第2プレートで上側基板を押圧した状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。また、図面においては実施形態をわかり易く説明するため、一部分を省略して表現している部分がある。さらに、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは大きさ、形状が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ直交座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ直交座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において基板S1と基板S2との搬送方向に平行な方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面に垂直な方向をZ方向(高さ方向)と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0012】
<基板貼り付け装置>
実施形態に係る基板貼り付け装置100について説明する。
図1は、実施形態に係る基板貼り付け装置100の一例を示す図である。
図2は、
図1に示す基板貼り付け装置100の平面図である。基板貼り付け装置100は、接着層Fを形成した基板S1と、接着層Fを形成した基板S2とを、互いの接着層Fを当接させて貼り付ける。なお、接着層Fは、基板S1及び基板S2の双方に形成されることに限定されず、いずれか一方の基板S1又は基板S2に形成される形態であってもよい。接着層Fは、基板貼り付け装置100に搬入される前に、例えば塗布装置等により基板S1、基板S2に塗布、乾燥されることで形成される。なお、この塗布装置は、基板貼り付け装置100に備える形態であってもよい。
【0013】
基板S1及び基板S2は、例えばガラス基板であるが、ガラス基板以外の半導体基板、樹脂性基板などであってもよい。本実施形態では、貼り付けられる2枚の基板のうち、上側基板(第1基板)を基板S1と称し、下側基板(第2基板)を基板S2と称する。また、基板S1と基板S2とを貼り付けた形態を基板S(
図18参照)と称する。基板S1及び基板S2は、いずれも平面視において(Z方向から見て)矩形状(正方形状、長方形状)の角形基板が使用されるが、角型基板に限定されず、平面視において円形状、楕円形状、長円形状等の基板であってもよい。
【0014】
図1及び
図2に示すように、基板貼り付け装置100は、チャンバ10と、第1プレート20と、第2プレート30と、リフト部40と、押圧機構50と、アライメント機構60と、スペーサ機構70と、ブロック80と、制御部Cと、を備える。なお、
図2においては、チャンバ10の内部を分かり易くするため、チャンバ10の上面側を省略して表記している。制御部Cは、基板貼り付け装置100における各部の動作を統括して制御する。
【0015】
チャンバ10は、内部に第1プレート20と、第2プレート30と、リフト部40と、押圧機構50の一部と、アライメント機構60と、スペーサ機構70とが収容されている。チャンバ10は、箱状に形成されており、側壁の一部に開口部11を有している。開口部11は、チャンバ10の-X側の面に形成され、チャンバ10の内部と外部と、を連通させる。開口部11は、搬送装置90(
図8(B)参照)に保持された基板S1、S2、さらに両者を貼り付けた基板Sが通過可能な寸法に形成されている。
【0016】
基板S1、S2は、搬送装置90のアーム91(
図8(B)参照)によって開口部11を介してチャンバ10にそれぞれ搬入される。また、基板Sは、開口部11を介してチャンバ10内から搬出される。本実施形態では、搬送装置90は、平板状の2本のアーム91を備えており、チャンバ10に基板S1を搬入する際は、基板S1の上側から吸着して基板S1を保持し、基板S2を搬入する際、及び基板Sをチャンバ10から搬出する際は、基板S2、Sの下側から吸着して基板S2、Sを保持する。なお、アーム91は、基板S2、Sを搬送する際、基板S2、Sを吸着せずにアーム91の上面側に載置して保持する形態であってもよい。なお、アーム91は2本とは限らず、3本以上であってもよい。チャンバ10内に基板S1が搬入される際、基板S1は、接着層Fが下方(-Z方向)を向いた状態で搬送される。また、チャンバ10内に基板S2が搬入される際、基板S2は、接着層Fが上方(+Z方向)を向いた状態で搬入される。
【0017】
チャンバ10は、開口部11を開閉するゲートバルブ12を備えている。ゲートバルブ12は、チャンバ10の-X側の側面における外側に配置され、図示しない駆動部によって、例えば、上下方向(Z方向)にスライド可能である。ゲートバルブ12は、スライドすることにより開口部11を開閉し、開口部11を閉じることによりチャンバ10内を密閉状態にすることができる。また、チャンバ10の上面には、後述する複数の荷重軸51が貫通する複数の貫通部10aが設けられている。貫通部10aのそれぞれには、荷重軸51が昇降可能な状態で挿入されており、図示しないシール部材によってチャンバ10内の密閉状態を維持している。
【0018】
チャンバ10内は、図示しない吸引装置に接続されている。この吸引装置によりチャンバ10内を吸引(排気)することにより、チャンバ10内を真空雰囲気にすることができる。チャンバ10は、内部の真空雰囲気を開放するために外部に対して解放可能なバルブを備えていてもよい。また、チャンバ10内は、図示しないガス供給装置に接続されてもよい。このガス供給装置からチャンバ10内に所定のガスを供給することでチャンバ10内を所定のガス雰囲気にすることができる。所定のガスとしては、例えば、窒素ガスなどの基板S1、S2に形成されている薄膜等に対して不活性なガス、又はドライエアなどが用いられる。なお、基板貼り付け装置100は、チャンバ10を備えるか否かが任意であり、チャンバ10を備えない形態(大気開放型)であってもよい。
【0019】
第1プレート20は、チャンバ10内に搬入された基板S1、S2を下方から支持する。第1プレート20は、平面視で矩形状(正方形状、長方形状)であるが、この形態に限定されず、例えば円形状、楕円形状、長円形状等であってもよい。第1プレート20は、X方向及びY方向において基板S1、S2より大きい寸法に設定されている。
【0020】
第1プレート20は、支持プレート21と、ヒータ(加熱部)22と、ベースプレート23とを有する。支持プレート21、ヒータ22、及びベースプレート23は、下側(-Z側)からこの順番で積層されている。第1プレート20は、支持プレート21の下面側に設けられた複数の脚部24により支持され、脚部24を介してチャンバ10の底部に固定されている。支持プレート21とヒータ22との間、及びヒータ22とベースプレート23との間は、例えばボルト等の締結部材により固定されている。支持プレート21、ヒータ22、及びベースプレート23には、後述するリフト部40のリフトピン41を貫通させる貫通孔20aが上下方向に複数設けられている。
【0021】
支持プレート21は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等の材質により形成された板状体である。ヒータ22は、加熱部の一例であり、例えば、内部に電熱線等の加熱機構(熱源)を有するホットプレートである。ヒータ22によりベースプレート23を介して基板S1、S2を加熱する。なお、ヒータ22は、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。ベースプレート23は、上面である+Z側の載置面23aに基板S1、S2、及び基板Sが載置される。ベースプレート23は、例えば、セラミックスで形成される板状体であるが、金属、樹脂等で形成されてもよい。ベースプレート23の載置面23aは、基板S2との接触面となる。従って、載置面23aは、平面度が高くかつ面粗さが小さい(又は鏡面である)ことが好ましい。
【0022】
図3は、第1プレート20を下方から視た斜視図である。
図3に示すように、脚部24は、支持プレート21の下面に複数設けられている。複数の脚部24は、支持プレート21の下面の中央部に配置される脚部24Aと、支持プレート21の角部である4隅のそれぞれに配置される脚部24Bと、脚部24Aを囲むように配置された8個の脚部24Cとで形成されている。脚部24Bは、脚部24A、24Cより剛性が低い。基板S1、S2を貼り付ける際の押圧力は、主に脚部24A、24Cにより受け止めている。
【0023】
このように、複数の脚部24で第1プレート20を支持することにより、押圧力が大きいときでも第1プレート20の変形を防止する。なお、脚部24の本数及び配置は、上記した形態に限定されず、第1プレート20の大きさ、使用される押圧力の大きさ等によって任意に設定することができる。例えば、支持プレート21の下面の4隅にそれぞれ配置され、かつ中央部に1個配置される形態であってもよい。
【0024】
図1及び
図2に示すように、第2プレート30は、基板S1と基板S2とを貼り付ける際に、基板S1を基板S2側(第1プレート20側)に向かって押圧する。第2プレート30は、第1プレート20と同様に、平面視で矩形状(正方形状、長方形状)であるが、この形態に限定されず、例えば、円形状、楕円形状、長円形状等であってもよい。第2プレート30は、X方向及びY方向において基板S1、S2より大きい寸法に設定されている。第2プレート30のX方向及びY方向における寸法は、第1プレート20と同一であるが、この形態に限定されない。例えば、第2プレート30は、第1プレート20に対してX方向及びY方向における寸法が大きくてもよいし、又は小さくてもよい。
【0025】
第2プレート30は、荷重プレート31と、ヒータ(加熱部)32と、プレスプレート33と、を有する。荷重プレート31、ヒータ32、及びプレスプレート33は、上側からこの順番で積層されている。第2プレート30は、後述する押圧機構50の荷重軸51の下端に保持されており、荷重軸51の昇降に伴って昇降する。荷重プレート31とヒータ32との間、及びヒータ32とプレスプレート33との間は、例えばボルト等の締結部材により固定されている。
【0026】
荷重プレート31は、押圧機構50の荷重軸51から押圧力を受けるため、所定の強度で形成されることが好ましい。荷重プレート31は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等により形成される。ヒータ32は、第1プレート20のヒータ22と同様に、例えば、内部に電熱線等の加熱機構(熱源)を有するホットプレートである。ヒータ32は、プレスプレート33を介して基板S1を加熱する。なお、ヒータ32は、ヒータ22同様、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。なお、本実施形態では、第1プレート20及び第2プレート30の双方がそれぞれヒータ22、32を備えているが、この形態に限定されない。例えば、第1プレート20及び第2プレート30のいずれか一方にヒータ22(32)を備える形態であってもよい。また、ヒータ22、32とは別に、チャンバ10内を加熱する加熱部が設けられてもよい。
【0027】
プレスプレート33は、基板S1を基板S2に向けて押圧するための押圧面33aを-Z側の下面に備える。プレスプレート33は、例えば、セラミックスで形成される板状体であるが、金属、樹脂等で形成されてもよい。プレスプレート33の押圧面33aは、基板S1との接触面となる。従って、押圧面33aは、平面度が高くかつ面粗さが小さい(又は鏡面である)ことが好ましい。
【0028】
プレスプレート33は、押圧面33a側に複数のバネピン34を備える。複数のバネピン34のそれぞれは、不図示のバネ等により押圧面33aから下方に突出した状態で設けられており、上方への力を受けて上方に移動し、押圧面33aから没入する。各バネピン34は、基板S1の上面に当接して、基板S1に対して下向きの力を付与する。なお、プレスプレート33(第2プレート30)にバネピン34を備えるか否かは任意である。例えば、バネピン34がないプレスプレート33(第2プレート30)であってもよい。
【0029】
リフト部40は、第1プレート20の下方に設けられている。リフト部40は、第1プレート20の上方において基板S1、S2、Sを支持し、この基板S1、S2、Sを昇降させる。リフト部40は、複数のリフトピン41と、これらリフトピン41の下端に連結されてZ方向に昇降する移動部42と、移動部42を昇降させるリフトピン駆動部43と、を有している。
【0030】
リフトピン41は、第1プレート20に設けられた複数の貫通孔20aをそれぞれ貫通して配置される。なお、
図1では2本のリフトピン41を示しているが、基板S1、S2、Sを支持するために、少なくとも3本以上のリフトピン41が所定の間隔を空けて配置されている。複数のリフトピン41の上端の高さは同一又はほぼ同一に揃えられている。リフトピン41は、例えば、非導電性を有する材質(例えば樹脂、金属、セラミックスなど)で形成されてもよい。移動部42は、リフトピン駆動部43を駆動させることにより昇降し、移動部42の昇降に伴って複数のリフトピン41を同時に昇降させる。リフトピン駆動部43は、例えば電動の回転モータ、リニアモータ、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置などが用いられ、不図示の伝達機構により駆動力が移動部42に伝達される。
【0031】
押圧機構50は、第2プレート30を下降させ、基板S1と基板S2とを貼り付ける際に、基板S1を基板S2側(第1プレート20側)に向かって押圧する。押圧機構50は、複数の荷重軸51と、複数の荷重軸51を個別に駆動させる複数の駆動部52と、を備える。
【0032】
複数の荷重軸51は、中央荷重軸である第1荷重軸51Aと、複数の周辺荷重軸である第2荷重軸51B、第3荷重軸51C、第4荷重軸51D、第5荷重軸51Eと、を有する。第1荷重軸51Aは、平面視で荷重プレート31の中央部に配置され、荷重プレート31の中央部に荷重(押圧力)を付加する。第2荷重軸51B、第3荷重軸51C、第4荷重軸51D、第5荷重軸51Eは、荷重プレート31の4つの角部にそれぞれ配置され、荷重プレート31の角部にそれぞれ荷重を付加する。各荷重軸51は、貫通部10aを介してチャンバ10内に挿入されている。第1荷重軸51Aは、貼り付けられる基板S1の中央部に対応して配置される。第2荷重軸51B、第3荷重軸51C、第4荷重軸51D、第5荷重軸51Eは、貼り付ける基板S1の4つの角部に対応するように配置されている。各荷重軸51の下端は同一の高さに揃えられており、荷重軸51の下端で保持する第2プレート30が水平面と平行になるようにしている。
【0033】
なお、本実施形態では、5本の荷重軸51を用いているが、この形態に限定されない。例えば、3本の荷重軸51、又は6本以上の荷重軸51を用いる形態であってもよい。例えば、3本の荷重軸51を用いる場合、例えば、荷重プレート31の中央部に中央荷重軸を配置させ、その両側の周辺部にそれぞれ周辺荷重軸を配置する形態であってもよい。各荷重軸51は、それぞれ円形断面の棒状体であり、付与される荷重によって変形しない、又は変形が押さえられた外径及び材質(例えば金属、樹脂、セラミックス等)により形成される。各荷重軸51は、同一形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。例えば、第1荷重軸51Aは、円形断面の外径が他の荷重軸51より大きくてもよい。また、各荷重軸51は、円形断面であることに限定されず、例えば、断面が楕円形状、長円形状多角形状であってもよい。
【0034】
駆動部52は、各荷重軸51に対応して設けられており、第1荷重軸51Aを駆動する第1駆動部52Aと、第2荷重軸51Bを駆動する第2駆動部52Bと、第3荷重軸51Cを駆動する第3駆動部52Cと、第4荷重軸51Dを駆動する第4駆動部52Dと、第5荷重軸51Eを駆動する第5駆動部52Eとを有する。これら複数の駆動部52は、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eをそれぞれ個別に駆動する。各駆動部52は、例えば、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置、電動回転モータを用いたボールネジ機構等が用いられる。複数の駆動部52により、各荷重軸51に対して異なる荷重を異なる駆動タイミングで付与することができる。
【0035】
駆動部52は、制御部Cによって制御される。各駆動部52によって各荷重軸51に付与する荷重、及び荷重を付与する駆動タイミングは、予め設定されたプログラム等に基づいて制御部Cによって統括して制御される。また、駆動部52の動作の一部又は全部は、オペレータによる操作によって行われてもよい。このように、複数の荷重軸51に設定される荷重及び駆動タイミングによって基板S1と基板S2とを貼り付けるので、1本の荷重軸により荷重を付与する場合、複数の荷重軸により同一の荷重を同一の駆動タイミングで付与する場合と比較して、基板S1と基板S2とを短時間で適切に貼り付けることができる。
【0036】
アライメント機構60は、第1プレート20及び第2プレート30に対して、基板S1、S2の位置決めを行う。アライメント機構60は、複数のアライメント駆動部61と、複数のアライメントブロック62A又は複数のアライメントブロック62Bと、を備える。アライメントブロック62A、62Bは、アライメント機構60に備えるブラケット等に付け替えて用いられる。アライメントブロック62Aは、基板S1、S2を単独でアライメントするために用いられる単独用アライメントブロックである。アライメントブロック62Bは、基板S1、S2を同時にアライメントするために用いられる同時用アライメントブロックである。アライメントブロック62Aは、アライメントブロック62Bよりも高さ方向(Z方向)が短い。複数のアライメント駆動部61は、チャンバ10内に設けられたブロック80に設けられる。アライメント駆動部61は、複数のアライメントブロック62A(62B)をX方向又はY方向に移動させる。アライメント駆動部61は、例えば、シリンダ装置又は電動モータの駆動源と、駆動源で生じた駆動力をアライメントブロック62A(62B)に伝達する伝達機構とを有する。
【0037】
アライメントブロック62A(62B)は、不図示のガイドによってX方向又はY方向に移動可能である。
図2に示すように、-Y側の2個のアライメントブロック62A(62B)は、+Y方向に向けて進退し、+Y側の2個のアライメントブロック62A(62B)は、-Y方向に向けて進退する。-X側の2個のアライメントブロック62A(62B)は、+X方向に向けて進退し、+X側の2個のアライメントブロック62A(62B)は、-X方向に向けて進退する。アライメントブロック62A(62B)は、例えば、基板S1、S2の破損を防止するため、基板S1、S2より硬度が低い材質で形成される。また、アライメントブロック62A(62B)は、基板S1、S2が帯電するのを防止するため、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。
【0038】
アライメント機構60は、アライメント駆動部61を駆動することでアライメントブロック62A(62B)を進出させ、基板S1、S2の各辺を押すことで基板S1、S2を第1プレート20及び第2プレート30に対して位置決めする。アライメント機構60の動作は、制御部Cによって制御される。アライメントブロック62Aが用いられる場合、制御部Cは、例えば、不図示の他のユニットで取得した基板S1、S2の形状を読み込み、基板S1、S2に対してそれぞれのアライメント位置を決めてから、アライメントブロック62Aを動作させる。また、アライメントブロック62Bが用いられる場合、制御部Cは、基板S2をアライメントする際に、同時に基板S1に対してもアライメントを行うように、アライメントブロック62Bを動作させる。なお、
図1では、アライメントブロック62Aとアライメントブロック62Bとの双方を記載しているが、基板貼り付け装置100の稼働時には、いずれか一方が取り付けられている。
【0039】
図4は、アライメント機構60によるアライメント動作の一例を示し、(A)は基板S1又は基板S2を位置決めする前の状態を示す図、(B)は基板S1、S2を位置決めした状態を示す図である。
図4(A)に示すように、基板S1(基板S2)がチャンバ10内のリフトピン41(
図1参照)に載置された後、アライメント駆動部61を駆動することでアライメントブロック62A(62B)を進出させる。その結果、
図4(B)に示すように、基板S1、S2は、複数のアライメントブロック62A(62B)で押されることにより(アライメントブロック62A(62B)で挟まれることにより)位置決めされ、例えば、平面視で第1プレート20及び第2プレート30のほぼ中央に配置される。基板S1、S2の位置決めが完了した後、アライメントブロック62A(62B)は、元の位置に退避して基板S1、S2から離れる。
【0040】
なお、アライメント機構60は、上記した形態に限定されない。例えば、-Y側の2個のアライメントブロック62A(62B)と-X側の2個のアライメントブロック62A(62B)とを固定させ、+Y側の2個のアライメントブロック62A(62B)と+X側の2個のアライメントブロック62A(62B)とを進退可能とする形態であってもよい。この形態では-Y側のアライメントブロック62A(62B)、及び-X側のアライメントブロック62A(62B)を進退させるためのガイド、アライメント駆動部61などが不要となる。
【0041】
スペーサ機構70は、基板S1をリフトピン41から受け取って支持する。スペーサ機構70は、複数のスペーサ駆動部71と、複数のスペーサ72とを備える。複数のスペーサ駆動部71は、チャンバ10内に設けられたブロック80に設けられる。スペーサ駆動部71は、スペーサ72をX方向又はY方向に移動させる。スペーサ駆動部71は、例えば、シリンダ装置又は電動モータの駆動源と、駆動源で生じた駆動力をスペーサ72に伝達する伝達機構とを有する。
【0042】
スペーサ72は、不図示のガイドによってX方向又はY方向に移動可能である。
図2に示すように、-Y側の2個のスペーサ72は、+Y方向に向けて進退し、+Y側の2個のスペーサ72は、-Y方向に向けて進退する。-X側の2個のスペーサ72は、+X方向に向けて進退し、+X側の2個のスペーサ72は、-X方向に向けて進退する。スペーサ72は、基板S1、S2が帯電するのを防止するため、導電性を有する材料で形成されるのが好ましい。スペーサ機構70は、スペーサ駆動部71を駆動することでスペーサ72を進出させ、基板S1の各辺の下方に位置させることで、リフトピン41に載置された基板S1を支持する。スペーサ機構70の動作は、制御部Cによって制御される。
【0043】
図5は、スペーサ72の動作の一例を示し、(A)はスペーサ72が待機している状態を示す図、(B)はスペーサ72が基板を支持した状態を示す図である。
図5(A)に示すように、基板S1がリフトピン41に載置されている状態で、スペーサ駆動部71を駆動することでスペーサ72を進出させる。その結果、
図5(B)に示すように、基板S1の下方にスペーサ72が配置され、この状態でリフトピン41を下降させることにより、基板S1はスペーサ72で支持される。基板S1と基板S2とを貼り付ける際には、スペーサ72は、元の位置に退避して基板S1、S2から離れる。
【0044】
なお、スペーサ機構70は、上記した形態に限定されない。スペーサ72の個数及び配置は、基板S1を支持することができれば任意に設定することができる。例えば、スペーサ72は、+Y側、-Y側、+X側、-X側のそれぞれに1個配置する形態であってもよい。この形態では、スペーサ72及びスペーサ駆動部71の数を減少させることができる。
【0045】
図1及び
図2に示すように、ブロック80は、アライメント駆動部61及びスペーサ駆動部71を支持しつつ、これらが駆動した際の熱を冷却する。ブロック80は、チャンバ10内の側面に沿って設けられ、冷却水などを流通させるための流路を有している。冷却水は、供給口81からブロック80内に流入し、ブロック80内を通った後に排出口82から排出される。なお、ブロック80は、冷却水を流通させる形態に限定されない。例えば、冷却水を流通させず、アライメント駆動部61及びスペーサ駆動部71を支持する部材として用いられてもよい。
【0046】
<基板貼り付け方法>
次に、本実施形態に係る基板貼り付け方法について説明する。
図6及び
図7は、本実施形態に係る基板貼り付け方法の一例を示すフローチャートである。この基板貼り付け方法は、例えば、制御部Cからの指示により実行される。
図8から
図14、及び
図16は、基板貼り付け装置100の動作の一例を示す工程図である。なお、これらの工程図では、各部の動きが分かり易くなるように、記載を簡略化している。以下、
図6及び
図7のフローチャートに沿って説明する。
【0047】
まず、チャンバ10のゲートバルブ12を開く(ステップS01)。
図8(A)に示すように、制御部Cは、不図示の駆動部を駆動させてゲートバルブ12を下降させ、開口部11を開放させる。続いて、基板S1(上側基板)をチャンバ10内に搬入する(ステップS02)。このとき、
図8(B)に示すように、制御部Cは、リフトピン41を基板S1の受け渡し高さまで、上昇させておく。搬送装置90のアーム91は、下面側に基板S1を保持した状態で開口部11からチャンバ10の内部に進入し、基板S1をリフトピン41の上方に配置させる。アーム91は、下面に設けられた不図示の吸着パッド等により基板S1を吸着保持している。その後、制御部Cは、アーム91を下降させて、基板S1をアーム91からリフトピン41に渡す。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。なお、基板S1は、チャンバ10内への搬入時に、接着層Fが下側になっている。
【0048】
続いて、基板S1に対してアライメント動作を行う(ステップS03)。以下では、単独用のアライメントブロック62Aを用いる場合を例に挙げて説明する。このアライメント動作を単独アライメント動作と称する場合がある。
図9(A)に示すように、アーム91の退出後、リフトピン41を上昇させて基板S1をアライメント動作用の高さに配置させる。その後、制御部Cは、アライメント駆動部61を駆動してアライメントブロック62Aを進出させ、複数のアライメントブロック62Aで基板を挟むことにより基板S1を位置決めする。アライメント動作の後、
図9(B)に示すように、制御部Cは、アライメントブロック62Aを退避させ、次いでリフトピン41を上昇させることで基板S1をスペーサ72より上方に配置させる。
【0049】
続いて、基板S1をスペーサ72で支持させる(ステップS04)。
図10(A)に示すように、制御部Cは、スペーサ駆動部71を駆動させてスペーサ72を進出させ、基板S1の下面側にスペーサ72を配置させる。その後、リフトピン41を下降させることにより、基板S1は、スペーサ72によって支持される。続いて、基板S2(下側基板)を、チャンバ10内に搬入する(ステップS05)。
図10(B)に示すように、制御部Cは、リフトピン41を基板S2の受け渡し高さまで下降させる。その後、
図10(B)に示すように、アーム91によって基板S2をチャンバ10内に搬入してリフトピン41の上方に配置させる。アーム91は、下面側に基板S2を吸着して保持している。その後、制御部Cは、アーム91を下降させて、基板S2をアーム91からリフトピン41に渡す。その後、アーム91は、チャンバ10から退出する。なお、基板S2は、チャンバ10内への搬入時に、接着層Fが上側になっている。
【0050】
続いて、ゲートバルブ12を閉じて、基板S2の反りを抑制するため反り抑制ベーク処理を行う(ステップS06)。
図11(A)示すように、ゲートバルブ12を閉じた後、不図示の吸引装置によりチャンバ10内を排気しつつ、例えば、ヒータ22、32により基板S2を加熱して反り抑制ベーク処理を行う。基板S2をベークすることにより、基板S2の形状を安定させ、基板S2の反りを抑制することができる。この反り抑制ベーク処理は、チャンバ10内の温度を例えば150℃から250℃に保持して行う。なお、反り抑制ベーク処理は、ゲートバルブ12を開けた状態(すなわち大気開放状態)で行うことができる。
【0051】
続いて、チャンバ10内を真空雰囲気にする(ステップS07)。不図示の吸引装置によりチャンバ10内を排気することで、チャンバ10内を真空雰囲気にする。その後、
図11(B)に示すように、リフトピン41を下降させて基板S2を第1プレート20に載置させる。その後、ヒータ22により基板S2を加熱して、真空雰囲気下において反り抑制ベーク処理を行ってもよい。この反り抑制ベーク処理は、ヒータ22の温度を例えば150℃から250℃にして行う。
【0052】
続いて、基板S2に対してアライメント動作を行う(ステップS08)。
図12(A)に示すように、制御部Cは、リフトピン41を上昇させ、アライメント動作を行う高さに基板S2を配置させる。制御部Cは、アライメント駆動部61を駆動してアライメントブロック62Aを進出させ、基板S2をアライメントブロック62Aで挟むことにより基板S2を位置決めする。ステップS08のアライメント動作は、ステップS03のアライメント動作と同様である。従って、基板S1と基板S2とは、平面視でほぼ同じ位置に位置決めされる。その後、
図12(B)に示すように、制御部Cは、アライメントブロック62Aを元の位置に退避させる。なお、上記では、基板S1、S2についてそれぞれ単独アライメント動作を行っているが、この形態に限定されない。例えば、アライメントブロック62Bを用いる場合、基板S1については、上記ステップS03で単独アライメント動作を行わず、ステップS08において基板S2と同時にアライメント動作を行ってもよい。基板S1、S2を同時にアライメントする動作を、同時アライメント動作と称する場合がある。同時アライメント動作を行う際には、
図12(A)の点線で示すように、制御部Cは、アライメント駆動部61を駆動してアライメントブロック62Bを進出させ、基板S1、S2を同時にアライメントブロック62Bで挟むことにより基板S1、S2の双方を位置決めする。
【0053】
続いて、基板S2を上昇させ、基板S1をバネピン34により下方に向けて押圧する(ステップS09)。
図13(A)に示すように、制御部Cは、リフトピン41を上昇させて、基板S2をスペーサ72の下面に当接させる。この状態では、スペーサ72は、基板S1と基板S2に挟まれた状態になっている。また、制御部Cは、駆動部52を駆動させて荷重軸51とともに第2プレート30を下降させ、バネピン34で基板S1を下方に向けて押圧させる。バネピン34は、基板S1を押圧することで、不図示のバネの弾性力に抗して押圧面33aに没入した状態となる。なお、スペーサ72のない部分で、基板S1と基板S2とが接触していてもよい。
【0054】
続いて、スペーサ72を元の位置に退避させる(ステップS10)。
図13(B)に示すように、制御部Cは、基板S1と基板S2に挟まれたスペーサ72を元の位置に退避させる。スペーサ72の退避によって、基板S1は、バネピン34により下方に押されて基板S2に当接する。すなわち、基板S1の接着層Fと基板S2の接着層Fとが当接する。
【0055】
続いて、制御部Cは、基板S1、S2を支持しているリフトピン41を下降させ、基板S1、S2に対してプレヒート処理を行う(ステップS11)。
図14(A)に示すように、制御部Cは、リフトピン41を下降させた後、駆動部52を駆動して荷重軸51とともに第2プレート30を下降させる。その後、制御部Cは、基板S1、S2が第1プレート20の載置面23aに載置され、かつ、第2プレート30のバネピン34で基板S1の上面を押圧した状態で、ヒータ22及びヒータ32により基板S1、S2を所定の時間加熱してプレヒート処理を行う。プレヒート処理は、次の工程である基板S1、S2の貼り付けのために行う。プレヒート処理は、ヒータ22及びヒータ32の温度を例えば150℃から250℃にして行う。
【0056】
続いて、基板S1と基板S2とを貼り付ける(ステップS12)。
図14(B)に示すように、制御部Cは、真空雰囲気下において、駆動部52を駆動して荷重軸51とともに第2プレート30を下降させ、第1プレート20と第2プレート30との間で基板S1と基板S2とを貼り付ける。このとき、ヒータ22及びヒータ32による加熱を継続させて、第1プレート20及び第2プレート30を所定の温度に保持させてもよい。基板S1と基板S2とは、接着層F同士が熱によって溶融接着され、さらに、第2プレート30による基板S1側からの押圧によって、基板S1と基板S2とが強固に貼り付けられる。
【0057】
ステップS12の貼り付け工程において、第2プレート30に付与される荷重は、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eを介して第1駆動部52A~第5駆動部52Eにより、それぞれ個別に設定される。さらに、荷重を付与する駆動タイミングも第1駆動部52A~第5駆動部52Eにより、それぞれ個別に設定される。第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eで付与する荷重の値、荷重をかける駆動タイミング、時間については、基板S1、S2の種類、大きさ等によって適宜設定される。
【0058】
図15は、中央荷重軸である第1荷重軸51A、及び複数の周辺荷重軸である第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eについて、付与する荷重とその駆動タイミングを示すグラフ図である。
図15のグラフ図において、縦軸は荷重(単位:Kgf)を示し、横軸は時間(単位:秒)である。また、
図15のグラフ図において、中央荷重軸である第1荷重軸51Aを黒丸で表し、周辺荷重軸である第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eを黒四角で表している。
【0059】
図15に示すように、第1荷重軸51Aは、時間T1で荷重付与を開始し、荷重P1とする。第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T2で荷重付与を開始し、荷重P1とする。次に、第1荷重軸51Aは、時間T3まで荷重P1を維持した後に荷重を増加させて荷重P2とする。第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T4まで荷重P1を維持した後に荷重を増加させて荷重P2とする。次に、第1荷重軸51Aは、時間T5まで荷重P2を維持した後に荷重を増加させて荷重P3とする。第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T6まで荷重P2を維持した後に荷重を増加させて荷重P3とする。次に、第1荷重軸51Aは、時間T7まで荷重P3を維持した後に荷重を増加させて荷重P4とする。第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T8まで荷重P3を維持した後に荷重を増加させて荷重P4とする。次に、第1荷重軸51Aは、時間T9まで荷重P4を維持した後に荷重を増加させて荷重P5とする。第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T10まで荷重P4を維持した後に荷重を増加させて荷重P5とする。このように、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eは、目標荷重P5まで5段階で荷重を増加させており、第1荷重軸51Aは、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eに対して先行して荷重の増加を行っている。なお、荷重をかける動作において、荷重P1~目標荷重P5までを5段階としているが、段階数は制御部Cの制御によって変更可能である。また、上記のように、第1荷重軸51Aは、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eに対して先行して荷重を増加させているが、このような荷重をかけるタイミングも制御部Cの制御によって変更可能である。
【0060】
第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eが目標荷重P5に達した後、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eは、時間T11まで荷重P5を維持した後に荷重を減少させて、時間T12で荷重0にする。第1荷重軸51Aは、時間T13まで荷重P5を維持した後に荷重を減少させて、時間T14で荷重0にする。第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eの荷重を解除する(0にする)際は、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eを先行して解除し、最後に第1荷重軸51Aを解除している。なお、荷重を解除する際は、段階的な解除を行っていないが、上記した第1駆動部52A~第5駆動部52Eが段階的な荷重の解除を可能とする構成を採用している場合は、制御部Cの制御によって段階的な荷重の解除を行ってもよい。
【0061】
図15のグラフ図で示すように、第1荷重軸51Aは、目標荷重P5を付与している時間が、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eが目標荷重P5を付与している時間よりも長い。また、第1荷重軸51Aは、目標荷重P5に達する駆動タイミングが第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eよりも早く、目標荷重P5から荷重減少を開始する駆動タイミングが第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eよりも遅い。また、第2荷重軸51Bは、目標荷重P5からの荷重減少率が第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eよりも大きい。
【0062】
上記した
図15のグラフ図に示す動作により、基板S1と基板S2とを短時間で適切に貼り付けることができる。なお、
図15のグラフ図に示す例では、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eの荷重をかける動作を、荷重P1~目標荷重P5まで5段階にして行っているが、この形態に限定されない。例えば、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eの動作を、目標荷重P5まで2段階、3段階、又は6段階以上で行うなど、段階数は可変である。目標荷重P5まで2段階で行う場合、例えば、まず荷重P1を付与した次に目標荷重P5を付与してもよい。また、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eを同一の駆動タイミングで駆動させているが、この形態に限定されず、例えば、第2荷重軸51B~第5荷重軸51Eを異なる駆動タイミングで駆動させてもよい。また、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eの荷重をかける動作を、荷重P5まで無段階で行ってもよい。この場合、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eにおける時間あたりの荷重増加量が同一であってもよいし、異なってもよい。
【0063】
ステップS12の貼り付け工程後、第2プレート30を上昇させた後、リフトピン41を上昇させる(ステップS13)。制御部Cは、ヒータ22及びヒータ32により所定の時間加熱処理を行った後、
図16(A)に示すように、駆動部52を駆動させて荷重軸51とともに第2プレート30を上昇させる。なお、制御部Cは、例えば、ヒータ22及びヒータ32の温調制御を特に停止させない。すなわち、ヒータ22及びヒータ32は、設定温度で一定のまま維持されている。その後、制御部Cは、リフトピン41を上昇させて、貼り付けが終了した基板Sを搬出用の高さに配置させる。このステップS13により、基板Sは、第1プレート20及び第2プレート30の双方から離れる。その後、不図示のバルブ等を開放してチャンバ10内を大気開放、又は所定ガスをチャンバ10内に供給してチャンバ10をパージする(ステップS14)。所定ガスとしては、例えば、窒素ガス、ドライエアなどが用いられる。
【0064】
続いて、ゲートバルブ12を開いて基板Sをチャンバ10から搬出する(ステップS15)。ゲートバルブ12を下降させて開口部11を開放した後、搬送装置90のアーム91を開口部11からチャンバ10の内部に進入させ、リフトピン41で支持する基板Sの下方にアーム91を配置させる。その後、
図16(B)に示すように、制御部Cは、アーム91を上昇させて、アーム91の上面に基板Sを吸着保持させることにより、基板Sをリフトピン41からアーム91に渡す。なお、アーム91は、基板Sを吸着保持せず、アーム91の上面に基板Sを載置させて保持する形態であってもよい。その後、アーム91がチャンバ10から退出することで、基板Sがチャンバ10の外部に搬出される。その後、制御部Cは、ゲートバルブ12を閉じて、一連の処理を終了させる。
【0065】
<変形例>
上記した実施形態では、第2プレート30は、複数の荷重軸51の下端に接合した形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。
図17は、変形例に係る第2プレート30Aの一例を示す図である。なお、上記した実施形態と同様の部材については同一の符号を付して、その説明を省略又は簡略化する。
図17に示すように、荷重プレート31の上面側には支持体35を備える。支持体35は、取付部35aにより荷重プレート31の上面31aに取り付けられる。支持体35は、荷重プレート31の上面側を覆うように設けられている。支持体35は、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eが挿入される5個の穴部35bを備える。各穴部35bは、平面視で円形状であり、その内径は第1荷重軸51A等の外径より僅かに大きく形成されている。
【0066】
第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eのそれぞれの下端には、フランジ部510が設けられている。フランジ部510の外径は、穴部35bの内径より大きい。従って、支持体35は、フランジ部510により係止されて吊り下げられた状態となる。すなわち、第2プレート30Aは、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eに吊り下げられた状態で保持される。このとき、荷重プレート31の上面31aと、フランジ部510の下面510aとの間には、隙間Vが形成されている。
【0067】
図18は、
図17に示す第2プレート30Aで基板S1を押圧した状態を示す図である。基板S1と基板S2とを貼り付ける際に第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eを下降させるが、まず、バネピン34の下端が基板S1に当接する。さらに、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eを下降させると、第2プレート30Aは下降せず、第2プレート30Aに対して相対的に第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eが下降する。すなわち、隙間Vが徐々に小さくなる。フランジ部510の下面510aが荷重プレート31の上面31aに当接すると、第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eとともに第2プレート30Aが下降し、バネピン34を没入させる。バネピン34の没入後に第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eを下降させることにより、第2プレート30Aにより基板S1を押圧する。
【0068】
また、基板S1の押圧後に第2プレート30Aを上昇させる場合は、上記と逆の動作により
図17に示す状態に戻る。このように、第2プレート30Aが基板S1を押圧していないときには荷重プレート31から第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eを離しておくことで、基板S1の非押圧時にヒータ32の熱が第1荷重軸51A~第5荷重軸51Eに伝達されるのを抑制できる。なお、上記では、支持体35の取付部35aが荷重プレート31の上面31aに取り付けられているが、この形態に限定されない。例えば、取付部35aはプレスプレート33の下方まで延びて、プレスプレート33の下面側を係止するような形態であってもよい。
【0069】
以上、実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述した説明に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。上記した実施形態では、2枚の基板S1と基板S2とを貼り付ける形態を例に挙げて説明しているがこの形態に限定されない。例えば、基板S1と基板S2とを貼り付けた基板Sに、さらに他の基板を貼り付ける形態であってもよい。
【0070】
また、上記した本実施形態では、第1プレート20がチャンバ10内に固定され、第2プレート30が押圧機構50より下降する形態を例に挙げて説明しているが、この形態に限定されない。例えば、第2プレート30がチャンバ10内に固定され、第1プレート20が押圧機構50により上昇する形態であってもよいし、第2プレート30が押圧機構50より下降しかつ第1プレート20が別の押圧機構50により上昇する形態であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
C・・・制御部
S、S1、S2・・・基板
10・・・チャンバ
11・・・開口部
12・・・ゲートバルブ
20・・・第1プレート
22・・・ヒータ(加熱部)
30、30A・・・第2プレート
32・・・ヒータ(加熱部)
40・・・リフト部
41・・・リフトピン
50・・・押圧機構
51・・・荷重軸
51A・・・第1荷重軸(中央荷重軸)
51B・・・第2荷重軸(周辺荷重軸)
51C・・・第3荷重軸(周辺荷重軸)
51D・・・第4荷重軸(周辺荷重軸)
51E・・・第5荷重軸(周辺荷重軸)
52・・・駆動部
51A・・・第1荷重軸(中央荷重軸)
51B・・・第2荷重軸(周辺荷重軸)
51C・・・第3荷重軸(周辺荷重軸)
51D・・・第4荷重軸(周辺荷重軸)
51E・・・第5荷重軸(周辺荷重軸)
60・・・アライメント機構
70・・・スペーサ機構
100・・・基板貼り付け装置