(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-03
(45)【発行日】2024-04-11
(54)【発明の名称】選択的な酸化および簡略化された前洗浄
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20240404BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20240404BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240404BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01L21/304 645C
H01L21/302 102
H01L21/302 101B
H01L21/302 101D
H01L21/88 B
(21)【出願番号】P 2022542967
(86)(22)【出願日】2021-03-10
(86)【国際出願番号】 US2021021668
(87)【国際公開番号】W WO2021183621
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-09-09
(32)【優先日】2020-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】メバルキ ベンチェルキ
(72)【発明者】
【氏名】リー ジュン ジー
(72)【発明者】
【氏名】シュー イ
(72)【発明者】
【氏名】レイ ユ
(72)【発明者】
【氏名】タン シャンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ケルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クラウス フィリップ エイ
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-256232(JP,A)
【文献】特開2010-232240(JP,A)
【文献】特開2006-216673(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0239368(US,A1)
【文献】特表2007-535119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0137750(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0014881(US,A1)
【文献】特開2001-203194(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01081750(EP,A1)
【文献】国際公開第2006/082730(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0146041(US,A1)
【文献】特開2010-171128(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0184267(US,A1)
【文献】特開2005-166783(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
H01L 21/3065
H01L 21/3205
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
損傷した誘電体面および還元された金属面を含む基板面を、水素ガスおよび酸素ガスを含むプラズマガスから形成されたプラズマに露出させて、前記還元された金属面を実質的に酸化させることなく、前記損傷した誘電体面を酸化させることを含む方法
であって、
前記方法は、前記損傷した誘電体面の酸素含有量を、約40~約50原子パーセントの範囲まで増大させる、方法。
【請求項2】
前記プラズマガスが希釈ガスをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記希釈ガスが、前記プラズマガスの約95%以上を形成する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プラズマガスが、約0~約15sccmの範囲内の流量を有する水素ガス、約10sccm~約20sccmの範囲内の流量を有する酸素ガス、および約4900sccm~約5000sccmの範囲内の流量を有する希釈ガスを、処理チャンバへ送達することによって形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記希釈ガスがアルゴンを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
水素ガスと酸素ガスの比が、約1:1~約1:10の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誘電体面が、酸化ケイ素、窒化ケイ素、または酸窒化ケイ素のうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記金属面が、タングステンまたはコバルトのうちの1つまたは複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記プラズマが、約2500W~約3000Wの範囲内の出力を有するマイクロ波プラズマである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記基板面が、約15分~約30分の範囲内の期間にわたって、前記プラズマに露出される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記基板面が、約400℃の温度で維持される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記プラズマへの露出後の前記金属面の反射率が、前記プラズマへの露出前の前記金属面の反射率の±5%の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記プラズマへの露出後の前記金属面の比抵抗が、前記プラズマへの露出前の前記金属面の比抵抗の±10%の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記プラズマへの露出後の前記金属面のシート抵抗が、前記プラズマへの露出前の前記金属面のシート抵抗の±10%の範囲内である、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記基板面を水素プラズマに露出させて、前記損傷した誘電体面を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
誘電体面を選択的に酸化させる方法であって、窒化ケイ素面およびタングステン面を含む基板面を、水素ガス、酸素ガス、およびアルゴンを含むプラズマガスから形成されたマイクロ波プラズマに露出させて、前記タングステン面を酸化させることなく、前記窒化ケイ素面を選択的に酸化させることを含み、前記マイクロ波プラズマが、約2500W~約3000Wの範囲内の出力を有し、前記プラズマガスが、モルベースで約95%以上のアルゴン濃度を有し、水素ガスと酸素ガスの比が、約1:1~約1:10の範囲内であり、前記基板面が、約400℃の温度で維持され、
前記タングステン面の特性が、前記マイクロ波プラズマへの露出前および露出後で類似しており、前記特性が、反射率、比抵抗、およびシート抵抗のうちの1つまたは複数から選択される、方法。
【請求項17】
基板を洗浄する方法であって、汚染された誘電体面および汚染された金属面を有する基板面を、水素ガスおよび酸素ガスを含むプラズマガスから形成されたプラズマに露出させて、汚染物質を除去し、清浄な誘電体面および清浄な金属面を形成することを含
み、
前記プラズマガスが希釈ガスをさらに含み、前記プラズマガスが、約50~約750sccmの範囲内の流量を有する水素ガス、約50sccm~約75sccmの範囲内の流量を有する酸素ガス、および約2500sccm~約5000sccmの範囲内の流量を有する希釈ガスを、処理チャンバへ送達することによって形成される、方法。
【請求項18】
水素ガスの流量と酸素ガスの流量との比が、約1:1~約10:1の範囲内である、請求項
17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、選択的な酸化および/または基板面の洗浄の方法に関する。より詳細には、本開示の実施形態は、金属材料を実質的に酸化させることなく、誘電体または半導体材料を酸化させる方法に関する。本開示のさらなる実施形態は、単一のチャンバ内および/または単一の温度で誘電体面および金属面を有する基板面を前洗浄する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
材料面の酸化および還元は、半導体デバイスの製造において重要なプロセスである。これらの反応を使用して、膜特性を修正し、様々な堆積方式で表面を不活性化もしくは活性化し、かつ/または膜組成を修正することができる。
【0003】
多くの半導体デバイスは、金属面および誘電体面の両方を含む。誘電体または半導体材料を酸化させるための現在の手法は、金属に対して選択的ではない。金属材料の不必要な酸化は、ライン、ビア、またはコンタクトの抵抗の増大を招く可能性がある。さらに、金属材料の望ましくない酸化を低減させるためのプロセスは、誘電体を損傷する可能性のある水素ベースのプロセスを使用することが多い。それに対応して、金属面および誘電体面の両方を有する基板を処理する現在の方法は、酸化反応および還元反応を交互に行って、誘電体/半導体を酸化させるとともに、金属面に引き起こされる酸化を元に戻すことに依拠している。
【0004】
それに対応して、金属材料より誘電体および半導体材料に対して選択的な酸化プロセスが必要とされている。
【0005】
多くの現代の半導体製造プロセスは、基板面に汚染物質を残す可能性がある。さらに、処理ツール間の貯蔵または移送が延びることで、基板面が汚染物質に露出される可能性がある。多くの基板処理方法は、所与の表面化学に対して非常に特殊である。したがって、処理前に汚染物質を除去するための基板面の洗浄は、ほとんどの半導体製造プロセスフローの不可欠な部分である。
【0006】
多くの半導体デバイスは、金属面および誘電体面の両方を有する。これらの表面は各々汚染物質を含むことがあり、そのような汚染物質は処理前に除去する必要がある。しかし残念ながら、ある表面から汚染物質を除去するためのプロセスは、別の表面を損傷したり、または他の形で悪い方向に修正したりする可能性がある。
【0007】
金属面および誘電体面の両方を有する基板を洗浄する現在の方法は、酸化反応および還元反応を交互に行って、汚染物質を除去するとともに、他の反応によって引き起こされる損傷を元に戻すことに依拠している。ほとんどの洗浄プロセスは、基板面を十分に洗浄するために、少なくとも3回の酸化または還元反応プロセスを必要とする。しかし、酸化反応および還元反応は、典型的に異なる温度で実行される。したがって多くの場合、プロセス間に基板を加熱または冷却しなければならない。さらに、酸化反応および還元反応に使用されるプロセスガスは不適合であることが多い。したがって多くの場合、異なるプロセスのために、1つの処理チャンバから別の処理チャンバへ基板を移送しなければならない。
【0008】
それに応じて、1つの温度で実行される洗浄プロセスが必要とされている。さらに、1つの処理チャンバ内で実行される洗浄プロセスが必要とされている。
【発明の概要】
【0009】
本開示の1つまたは複数の実施形態は、損傷した誘電体面および還元された金属面を含む基板面を、水素ガスおよび酸素ガスを含むプラズマガスから形成されたプラズマに露出させて、還元された金属面を実質的に酸化させることなく、損傷した誘電体面を酸化させることを含む方法に関する。
【0010】
本開示の追加の実施形態は、誘電体面を選択的に酸化させる方法に関する。この方法は、窒化ケイ素面およびタングステン面を含む基板面を、水素ガス、酸素ガス、およびアルゴンを含むプラズマガスから形成されたマイクロ波プラズマに露出させて、タングステン面を酸化させることなく、窒化ケイ素面を選択的に酸化させることを含む。マイクロ波プラズマは、約2500W~約3000Wの範囲内の出力を有する。プラズマガスは、モルベースで約95%以上のアルゴン濃度を有し、水素ガスと酸素ガスの比は、約1:1~約1:10の範囲内である。基板面は、約400℃の温度で維持される。タングステン面の特性は、マイクロ波プラズマへの露出前および露出後で類似している。特性は、反射率、比抵抗、およびシート抵抗のうちの1つまたは複数から選択される。
【0011】
本開示のさらなる実施形態は、基板を洗浄する方法に関する。この方法は、汚染された誘電体面および汚染された金属面を有する基板面を、水素ガスおよび酸素ガスを含むプラズマガスから形成されたプラズマに露出させて、汚染物質を除去し、清浄な誘電体面および清浄な金属面を形成することを含む。
【0012】
本開示の上述した特徴を詳細に理解することができるように、実施形態を参照することによって、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を得ることができ、実施形態のいくつかを添付の図面に示す。しかし、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容しうるため、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態を示すだけであり、したがって本開示の範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本開示の1つまたは複数の実施形態による特徴を有する例示的な基板を示す図である。
【
図2】当技術分野では知られている方法による2ステップ酸化/還元プロセス中の例示的な基板を示す図である。
【
図3】本開示の1つまたは複数の実施形態による1ステップ選択的酸化プロセス中の例示的な基板を示す図である。
【
図4】当技術分野では知られている方法による3ステップ洗浄プロセス中の例示的な基板を示す図である。
【
図5】本開示の1つまたは複数の実施形態による1ステップ洗浄プロセス中の例示的な基板を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示のいくつかの例示的な実施形態について説明する前に、本開示は、以下の説明に記載の構造またはプロセスステップの詳細に限定されるものではないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実行または実施することが可能である。
【0015】
本明細書では、「基板」とは、製造プロセス中に膜処理が実行される任意の基板または基板上に形成された材料表面を指す。たとえば、処理を実行することができる基板面には、その適用分野に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコンオンインシュレータ(SOI)、炭素でドープされた酸化ケイ素、非晶質シリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、砒化ガリウム、ガラス、サファイア、ならびに任意の他の材料、たとえば金属、金属窒化物、金属合金、および他の導電性材料などの材料が含まれる。基板には、非限定的であるが、半導体ウエハが含まれる。
【0016】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるとき、「基板面」という用語は、プロセスが作用する表面または表面の一部分を指す。文脈上別途明白に指示しない限り、基板への参照は、基板の一部分のみを指す可能性もあることが、当業者には理解されよう。加えて、基板上に堆積させることへの参照は、裸の基板および1つまたは複数の膜または特徴が堆積または形成された基板の両方を意味することができる。
【0017】
基板は、基板面の研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニーリング、UV硬化、電子ビーム硬化、および/または焼成のために、前処理プロセスに露出させることができる。基板自体の表面に対する直接の処理に加えて、本開示では、以下により詳細に開示するように、基板上に形成される下層に対して、開示する処理ステップのいずれかを実行することもでき、「基板面」という用語は、文脈が指示するそのような下層も含むことが意図される。したがってたとえば、膜/層または部分的な膜/層が基板面上へ堆積される場合、新しく堆積された膜/層の露出面が基板面になる。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態は、基板を選択的に酸化させる方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、誘電体面および金属面の両方を有する基板面を選択的に酸化させる方法に関する。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態は、金属材料/表面より誘電体または半導体材料/表面に対して選択的な酸化方法を提供することが有利である。これに関連して、金属面で観察される酸化の量は、ほとんどまたはまったくない。
【0020】
本開示の利点は、知られている方法と対比すると最もよく理解されよう。
図2は、当技術分野では知られている方法100を示す。方法100は、誘電体材料12および金属材料14を含む基板20から始まる。
【0021】
図1に示すように、いくつかの実施形態では、基板20には特徴16(または構造)が形成されている。特徴16は、任意の好適な形状とすることができ、任意の好適な寸法(たとえば、幅、深さ、アスペクト比)を有することができる。たとえば、いくつかの実施形態の特徴16は、トレンチまたはビアのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、特徴16は、頂面17、側壁18、および底面19を有する。
図1は2つの側壁18を示すが、本開示は2つの側壁に限定されるものではないことが、当業者には理解されよう。たとえば、丸いビアは1つの連続する側壁18を有するが、示されている断面図では2つの側壁のように見えるはずである。
【0022】
いくつかの実施形態では、特徴16の頂面17は、損傷した誘電体面23を含む。いくつかの実施形態では、底面19は、還元された金属面25を含む。いくつかの実施形態では、特徴16の側壁18は還元された金属面25を含み、特徴の底面19は損傷した誘電体面23を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、基板10は、半導体コンタクトを含む。いくつかの実施形態の半導体コンタクトは、金属材料14を含む。いくつかの実施形態では、半導体コンタクトは、特徴16内に形成されるべき材料を含む。いくつかの実施形態では、基板10は、3D NANDデバイスのメモリ孔もしくは列または他の部分を含む。いくつかの実施形態では、基板は、論理デバイスを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、誘電体材料12は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、もしくは酸窒化ケイ素、炭素系の誘電体、酸炭化ケイ素、酸炭窒化ケイ素、酸化アルミニウム、または酸窒化アルミニウムのうちの1つまたは複数を含み、または本質的にこれらからなる。これに関連して使用されるとき、本質的に記載の材料からなる材料は、原子ベースで約95%、98%、99%、または99.5%以上の記載の材料である。
【0025】
金属材料14は、任意の好適な金属または金属の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属材料14は、銅、タングステン、コバルト、モリブデン、ルテニウム、イリジウム、およびロジウムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、金属材料は、本質的に銅、タングステン、またはコバルトからなる。
【0026】
方法100は、損傷した基板20から始まる。損傷した基板20は、損傷した誘電体面23を含む誘電体材料12、および還元された金属面25を含む金属材料14を有する。このようにして使用されるとき、「還元された金属面」という用語は、電気化学的に還元された材料、または還元された酸化状態を有する金属面を指す。いくつかの実施形態では、還元された金属面の還元された酸化状態は約0である。いくつかの実施形態では、還元された金属面25は、いかなる金属酸化物も存在しない金属面である。還元された金属面は、金属材料14の厚さの減少または他の負の変化を指すものではない。
【0027】
損傷した誘電体面23は、誘電体材料12の表面において、低減された酸素濃度を含む。例示のみを目的として、損傷した誘電体面23の損傷が、部分的な星形の印として
図2に示されている。
【0028】
方法100は、酸化プロセス120へ続く。酸化プロセス120は、酸化された基板30を形成する。酸化された基板30は、酸化された誘電体面33を含む誘電体材料12、および酸化された金属面35を含む金属材料14を有する。例示の目的で、酸化された金属面35は、酸素原子とともに示されており、酸化された誘電体面33内の誘電体材料12は、酸化プロセス120の前に示されていた印付きの線とは対照的に、印のない線として示されている。
【0029】
酸化された誘電体面33は、誘電体材料12の表面において、損傷した誘電体面23の酸素濃度に比べて増大された酸素濃度を含む。酸化された金属面35は、還元された金属面25に比べて追加の酸素汚染物質(たとえば、金属酸化物)を含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、酸化プロセス120は、プラズマプロセスを含む。いくつかの実施形態では、酸化プロセス120は、酸化プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、酸化プラズマは、酸素含有ガスを使用して形成される。いくつかの実施形態では、酸素含有ガスは、酸素ガス(O2)を含む。酸化プロセス120は、基板が酸化温度で維持されかつ酸化バイアスが基板10に印加される状態において、酸化圧力で実行される。以下に特定するように、他のプロセス条件も制御することができる。
【0031】
酸化温度は比較的低い。いくつかの実施形態では、酸化温度は、約50℃~約200℃の範囲内、約50℃~約250℃の範囲内、または約50℃~約150℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、酸化温度は、約50℃、約75℃、約100℃、約125℃、または約150℃である。
【0032】
方法100は、還元プロセス130へ進む。還元プロセス130は、清浄な基板40を形成する。清浄な基板40は、清浄な誘電体面43を含む誘電体材料12、および清浄な金属面45を含む金属材料14を有する。
【0033】
いくつかの実施形態の清浄な誘電体面43は、誘電体材料12の表面において、酸化された誘電体面33の酸素濃度に比べて低減された酸素濃度を含む。酸化された誘電体面33が酸素と他の元素との予期される化学量論比に比べて余剰の酸素を含む実施形態の場合、還元プロセス130は、予期される化学量論比またはほぼその化学量論比まで、酸素濃度を低減させる。たとえば、酸素で汚染された酸化ケイ素面は、酸化ケイ素に対して予期される化学量論量より大きい酸素含有量を有する。酸化された誘電体面33が酸素と他の元素との予期される化学量論比またはほぼその化学量論比を含む実施形態の場合、還元プロセス130は、清浄な誘電体面43を形成するとき、酸化された誘電体面33にほとんどまたはまったく影響を与えない。
【0034】
清浄な金属面45は、金属材料14の表面において、酸化された金属面35の酸素濃度に比べて低減された酸素濃度(または酸素汚染物質)を含む。いくつかの実施形態では、清浄な金属面45は、酸素をほとんどまたはまったく含まない。簡単に言えば、清浄な金属面45は「裸」の金属面として説明することができる。いくつかの実施形態では、清浄な金属面45は、実質的に酸素原子を含まない。これに関連して使用されるとき、「実質的に酸素原子を含まない」表面は、約95%以下、約98%以下、約99%以下、または約99.5%以下の酸素原子を記載の材料の表面に含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、還元プロセス130は、プラズマプロセスを含む。いくつかの実施形態では、還元プロセス130は、還元プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、還元プロセス130は、水素含有ガスから形成された還元プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、水素含有ガスは、水素ガス(H2)を含む。
【0036】
酸化プロセス120および還元プロセス130の条件のうちの少なくともいくつかは異なる。還元温度は比較的高い。いくつかの実施形態では、還元温度は、約250℃~約550℃の範囲内、約300℃~約500℃の範囲内、または約350℃~約450℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約350℃、約400℃、または約450℃である。
【0037】
酸化プロセス120後に還元プロセス130を実行するために、追加のプロセス条件を変更することが必要になることもある。たとえば、酸化圧力および還元圧力が異なることがあり、または酸化バイアスおよび還元バイアスが異なることもある。
【0038】
同じ処理チャンバ内の酸化プロセス120と還元プロセス130との間のプロセス条件の修正は、相当な量の時間を要する。たとえば、チャンバを適当な温度まで加熱または冷却しなければならず、ガス源を異なるプロセスガスに切り換えなければならない。
【0039】
酸化プロセス120と還元プロセス130との間のプロセス条件の修正は、基板を1つの処理チャンバから別の処理チャンバへ遷移させることによって実行することができる。処理チャンバ間のこの遷移は、酸化プロセス120に対する条件から還元プロセス130に対する条件へ単一の処理チャンバを遷移させるより速く行うことができる。それでもなお、この遷移プロセスは追加の時間を必要とし、それによって全体的なスループットが低下し、マルチチャンバ処理ツールが必要になる。
【0040】
本開示の実施形態は、上述した方法100を改善する。本開示のいくつかの実施形態は、単一の処理温度で実行される。本発明者らは、驚くべきことに、従来技術の相容れない酸化および還元プロセスを、単一のプラズマ露出によって単一の温度で実行することができることを見出した。本開示のいくつかの実施形態は、単一の処理チャンバ内で実行される。これらの改善は、処理時間の低減およびスループットの増大に直接相関する。
【0041】
図3を参照すると、本開示の1つまたは複数の実施形態は、基板10を選択的に酸化させる方法200を対象とする。基板10は、誘電体材料12および金属材料14を含む。基板10の表面は、基板面とも呼ばれる。誘電体材料12は、損傷した誘電体面23を有し、金属材料14は、還元された金属面25を有する。例示のみを目的として、損傷した誘電体面23の損傷が、部分的な星形の印として
図3に示されている。本開示全体にわたって使用されるとき、誘電体材料12は半導体材料も指すことができる。
【0042】
図3は、誘電体材料12が第1の誘電体材料12aおよび第2の誘電体材料12bを含む一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、示されているように、第1の誘電体材料12aおよび第2の誘電体材料12bは交互の層として配置される。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料12aは、酸化ケイ素を含み、または本質的に酸化ケイ素からなり、第2の誘電体材料12bは、窒化ケイ素を含み、または本質的に窒化ケイ素からなる。いくつかの実施形態では、誘電体材料12は、1つの誘電体材料のみを含む。
【0043】
特有の構造およびパターンの材料を有する基板20が
図3に示されているが、この例示は、限定的であることを意図したものではない。
【0044】
方法200は、動作210で、基板面(すなわち、損傷した誘電体面23および還元された金属面25)をプラズマに露出させて、清浄な誘電体面43および清浄な金属面45を有する清浄な基板40を形成する。方法200は、方法100の2つ以上の動作ではなく、単一の動作によって実行されることが有利である。単一動作の方法200では、クラスタツール上の複数のチャンバ間における処理チャンバの修正または基板の移送の必要がなくなる。
【0045】
プラズマは、水素ガス(H2)および酸素ガス(O2)を含むプラズマガスから形成される。いくつかの実施形態では、プラズマガスは、本質的に水素ガス(H2)および酸素ガス(O2)からなる。これに関連して使用されるとき、「本質的に水素ガスおよび酸素ガスからなる」プラズマガスは、1つまたは複数の不活性希釈ガスを除いて、約95%以上、約98%以上、約99%以上、または約99.5%以上の水素ガスおよび酸素ガスのモル濃度を有する。
【0046】
いくつかの実施形態では、プラズマガスは、不活性希釈ガスをさらに含む。これに関連して使用されるとき、不活性ガスは、基板面の酸化状態を変更(すなわち、酸化または還元)しない。いくつかの実施形態では、希釈ガスは、アルゴンを含み、または本質的にアルゴンからなる。これに関連して使用されるとき、本質的にアルゴンからなる希釈ガスは、モルベースですべての不活性ガスの約95%以上、約98%以上、約99%以上、または約99.5%以上を占める。
【0047】
いくつかの実施形態では、プラズマガスは、水素ガス、酸素ガス、および任意選択の希釈ガスを、事前設定された流量で提供することによって形成される。いくつかの実施形態では、プラズマガスは、水素流量を有する水素ガス、酸素流量を有する酸素ガス、および流量を有する希釈ガスを、処理チャンバへ送達することによって形成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、水素流量は、約0~約30sccmの範囲内または約0sccm~約15sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、水素流量は、約30sccm以下、約15sccm以下、または約10sccm以下である。いくつかの実施形態では、酸素流量は、約10sccm~約50sccmの範囲内または約10sccm~約20sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、酸素流量は、約10sccm、約15sccm、または約30sccmである。いくつかの実施形態では、希釈剤流量は、約3000sccm~約6000sccmの範囲内、約4000sccm~約5000sccmの範囲内、または約4900sccm~約5000sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、希釈剤流量は、約5000sccmである。
【0049】
いくつかの実施形態では、酸素流量と水素流量の比は、約1:2~約20:1の範囲内、約1:1~約10:1の範囲内、約1:1~約5:1の範囲内、約5:1~約10:1の範囲内、約5:1~約15:1の範囲内、または約10:1~約15:1の範囲内である。この比を流量比と呼ぶこともできる。いくつかの実施形態では、プラズマガス内の水素ガスと酸素ガスのモル比は、約1:2~約20:1の範囲内、約1:1~約10:1の範囲内、約1:1~約5:1の範囲内、約5:1~約10:1の範囲内、約5:1~約15:1の範囲内、または約10:1~約15:1の範囲内である。
【0050】
いくつかの実施形態では、プラズマは、伝導結合プラズマ(CCP)である。プラズマの周波数は、任意の好適な周波数とすることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ周波数は、50Hz~100MHzの範囲内、または100kHz~60MHzの範囲内、または500kHz~40MHzの範囲内、または約13.56MHzである。
【0051】
プラズマの出力は、任意の好適な出力とすることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は、約100W~約500Wの範囲内、約100W~約300Wの範囲内、または約300W~約500Wの範囲内である。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は、約200Wまたは約400Wである。いくつかの実施形態では、プラズマは、約2500W~約3000Wの範囲内または約2800W~約2900Wの範囲内の出力を有するマイクロ波プラズマである。いくつかの実施形態では、基板または基板支持体にバイアス電力が印加されない。
【0052】
基板面は、任意の好適な期間にわたって、プラズマに露出させることができる。いくつかの実施形態では、基板面は、約15分~約30分の範囲内の期間にわたって、プラズマに露出される。
【0053】
いくつかの実施形態では、方法200は、水素ガスから形成されたプラズマに基板10を露出させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、これらのプラズマ露出は、動作210に関連して上述したプラズマに基板を露出させる前に実行される。
【0054】
基板面は、動作210中に好適なプロセス温度で維持することができる。いくつかの実施形態では、基板面は、約100℃~約400℃の範囲内の温度で維持される。いくつかの実施形態では、基板面は、約400℃で維持される。
【0055】
方法200は、任意の好適な圧力で実施することができる。いくつかの実施形態では、方法200のための処理チャンバの圧力は、約5トル~約50トルの範囲内の圧力で維持される。
【0056】
動作210の単一のプラズマ露出は、上述したように、還元された金属面25を酸化させることなく、損傷した誘電体面23を酸化させて、清浄な誘電体面43および清浄な金属面45を形成することが可能である。しかし、方法100とは対照的に、方法200は、単一の処理チャンバにおいて単一の処理温度で実行される。
【0057】
還元された金属面25を酸化させることなく、損傷した誘電体面23を酸化させることは、損傷した誘電体面23を選択的に酸化させることとして説明することができる。いくつかの実施形態では、損傷した誘電体面23を選択的に酸化させることは、動作210でプラズマに露出される前と後で、還元された金属面の特性が類似していることを意味する。いくつかの実施形態では、特性は、反射率、比抵抗、およびシート抵抗のうちの1つまたは複数から選択される。これに関連して使用されるとき、清浄な金属面の反射率は、還元された金属面に±5%の範囲内で類似している。これに関連して使用されるとき、清浄な金属面の比抵抗は、還元された金属面に±10%の範囲内で類似している。これに関連して使用されるとき、清浄な金属面のシート抵抗は、還元された金属面に±10%の範囲内で類似している。
【0058】
いくつかの実施形態では、損傷した誘電体面23は、比較的低い酸素濃度を含む。いくつかの実施形態では、損傷した誘電体面23の酸素含有量は、20原子パーセント未満とすることができる。これらの実施形態では、方法200は、酸素濃度を増大させて、清浄な誘電体面43を提供する。いくつかの実施形態では、清浄な誘電体面43は、約45原子パーセント以上の酸素含有量を有する。いくつかの実施形態では、方法200は、損傷した誘電体面23の酸素含有量を、約40原子パーセント~約50原子パーセントの範囲まで増大させる。
【0059】
いくつかの実施形態では、方法200は、清浄な金属面45にバルク金属層を選択的に堆積させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴を完全に充填する。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴の底面19に堆積され、底部から上へ成長する。いくつかの実施形態では、頂面17または側壁18に堆積は観察されない。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴16を部分的に充填する。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、頂面17と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、金属材料はタングステンを含み、バルク金属層はタングステンを含む。
【0060】
本開示で使用されるとき、他の表面「より(over)」1つの表面に膜を「選択的に堆積させる」などの用語は、膜の第1の量が第1の表面に堆積され、膜の第2の量が第2の表面に堆積され、膜の第2の量が膜の第1の量より小さいこと、または第2の表面に膜が堆積されないことを意味する。
【0061】
「より(over)」という用語は、1つの表面が他の表面の上に位置するという物理的な配向を示唆するものではなく、1つの表面と他の表面との化学反応の熱力学的または動力学的な特性の関係を示唆するものである。たとえば、誘電体面より金属面に膜を選択的に堆積させるということは、金属面には膜が堆積し、誘電体面には膜がほとんどもしくはまったく堆積しないこと、または金属面上の膜の形成が、誘電体面上の膜の形成より熱力学的もしくは動力学的に好ましいことを意味する。
【0062】
堆積プロセスの選択性は、成長速度の倍数として表すことができる。たとえば、ある表面が異なる表面より25倍速く成長(または堆積)した場合、このプロセスは、25:1の選択性を有すると説明されるはずである。これに関連して、より大きい比はより選択的なプロセスを示す。堆積プロセスの選択性はまた、膜が第2の表面上に堆積するまでに第1の表面上に堆積させることができる膜の量を示すことによって表すことができる。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態は、基板を洗浄する方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、誘電体面および金属面の両方を有する基板面を洗浄する方法に関する。本開示のいくつかの実施形態は、半導体コンタクトを洗浄する方法に関する。
【0064】
本開示のいくつかの実施形態は、単一のプロセス温度で実行される洗浄方法を提供することが有利である。本開示のいくつかの実施形態は、単一の処理チャンバ内で実行される方法を提供する。これに関連して、本開示のいくつかの実施形態は、より短いプロセス時間および/またはより高いスループットを有する洗浄方法を提供する。
【0065】
本開示の利点は、知られている洗浄方法と対比すると最もよく理解される。
図4は、当技術分野では知られている例示的な方法を示す。方法400は、誘電体材料512および金属材料514を含む基板510から始まる。
【0066】
いくつかの実施形態では、基板510には特徴516が形成されている。特徴516は、任意の好適な形状とすることができる。たとえば、いくつかの実施形態の特徴516は、トレンチまたはビアのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、特徴516は、頂面517、側壁518、および底面519を有する。
図4は2つの側壁518を示すが、本開示は2つの側壁に限定されるものではないことが、当業者には理解されよう。たとえば、丸いビアは厳密には1つの連続する側壁518を有するが、示されている断面図では2つの側壁のように見えるはずである。
【0067】
いくつかの実施形態では、頂面517は、汚染された誘電体面513を含む。いくつかの実施形態では、側壁518は、汚染された誘電体面513または汚染された金属面515(図示せず)を含む。いくつかの実施形態では、底面519は、汚染された金属面515を含む。いくつかの実施形態では、基板510は、半導体コンタクトを含む。いくつかの実施形態の半導体コンタクトは、金属材料514を含む。いくつかの実施形態では、半導体コンタクトは、特徴516内に形成されるべき材料を含む。
【0068】
いくつかの実施形態では、誘電体材料512は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、もしくは酸窒化ケイ素のうちの1つまたは複数を含み、または本質的にこれらからなる。これに関連して使用されるとき、本質的に記載の材料からなる材料は、原子ベースで約95%、98%、99%、または99.5%以上の記載の材料である。
【0069】
金属材料514は、任意の好適な金属または金属の組合せを含むことができる。いくつかの実施形態では、金属材料514は、タングステン、コバルト、モリブデン、ルテニウム、イリジウム、およびロジウムのうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、金属材料は、本質的にタングステンまたはコバルトからなる。
【0070】
基板面とも呼ばれる基板510の表面は、汚染されている。いくつかの実施形態では、汚染された基板面は、汚染された誘電体面513および汚染された金属面515を含む。いくつかの実施形態では、基板面は、炭素、窒素、酸素、有機残留物(-CHx)、または有機フッ素残留物(-CFx)のうちの1つまたは複数によって汚染される。
【0071】
誘電体材料512は、汚染された誘電体面513を有し、金属材料514は、汚染された金属面515を有する。いくつかの実施形態では、汚染された誘電体面513上の汚染物質は、炭素、窒素、有機残留物(-CHx)、または有機フッ素残留物(-CFx)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、汚染された金属面515上の汚染物質は、窒素、酸素、有機残留物(-CHx)、または有機フッ素残留物(-CFx)のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、金属面515上の汚染物質は、誘電体面513上の汚染物質とは異なる。いくつかの実施形態では、金属面515上の汚染物質は、誘電体面513上の汚染物質と同じである。いくつかの実施形態では、誘電体面513上の汚染物質の単位面積当たりの濃度は、金属面515上の汚染物質の単位面積当たりの濃度とは異なる。いくつかの実施形態では、誘電体面513上の汚染物質の単位面積当たりの濃度は、金属面515上の汚染物質の単位面積当たりの濃度と同じである。
【0072】
方法400は、第1の還元プロセス410から始まる。第1の還元プロセス410は、損傷した基板520を形成する。損傷した基板520は、損傷した誘電体面523を含む誘電体材料512、および還元された金属面525を含む金属材料514を有する。このようにして使用されるとき、「還元された金属面」という用語は、還元された酸化状態を有する金属面を指す。金属面を還元させるということは、金属材料の厚さの差または変化を指すものではない。
【0073】
損傷した誘電体面523は、低減された汚染物質濃度を含む。いくつかの実施形態では、損傷した誘電体面523は、実質的に汚染物質を含まない。これに関連して、誘電体材料512の表面は洗浄されている。しかし、第1の還元プロセス410のため、損傷した誘電体材料は、誘電体材料512の表面において、低減された酸素濃度を含む。還元された金属面525は、汚染された金属面515に存在する汚染物質の低減された濃度を含む。
【0074】
いくつかの実施形態では、第1の還元プロセス410は、プラズマ洗浄プロセスを含む。いくつかの実施形態では、第1の還元プロセス410は、水素含有プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、第1の還元プロセス110は、水素プラズマへの露出を含む。「水素プラズマ」とは、分子水素(H2)を使用して形成されたプラズマであること、水素含有プラズマはH2を含むことができることが、当業者には理解されよう。
【0075】
第1の還元プロセス410は、基板が第1の温度で維持されかつ第1のバイアスを有する状態において、第1の圧力で実行される。他のプロセス条件も制御することができる。第1の温度は比較的高い。いくつかの実施形態では、第1の温度は、約250℃~約550℃の範囲内、約300℃~約500℃の範囲内、または約350℃~約450℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の温度は、約350℃、約400℃、または約450℃である。
【0076】
方法400は、第2の酸化プロセス420と呼ばれる第2のプロセスへ進む。この文脈で使用される第1、第2などの序数は、個々のプロセスステップの命名を区別する方法を提供するだけであり、その方法を反応または反応性種の特定の順序または数に限定すると解釈されるべきではないことが、当業者には理解されよう。第2の酸化プロセス420は、酸化された基板530を形成する。酸化された基板530は、酸化された誘電体面533を含む誘電体材料512、および酸化された金属面535を含む金属材料514を有する。
【0077】
酸化された誘電体面533は、誘電体材料512の表面において、損傷した誘電体面523の酸素濃度に比べて増大された酸素濃度を含む。汚染された金属面が窒素を含む実施形態の場合、酸化された金属面535は、窒素をほとんどまたはまったく含まない。いくつかの実施形態では、「窒素をほとんどまたはまったく含まない」とは、10%、9%、8%、7.5%、または7%未満の窒素含有量(原子ベース)を意味する。しかし、酸化された金属面535は、還元された金属面525に対して追加の酸素汚染物質を含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、第2の酸化プロセス420は、プラズマプロセスを含む。いくつかの実施形態では、第2の酸化プロセス420は、酸素含有プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、酸素含有プラズマは、酸素ガス(O2)を使用して形成される。第2の酸化プロセス420は、基板が第2の温度で維持されかつ第2のバイアスを有する状態において、第2の圧力で実行される。他のプロセス条件も制御することができる。
【0079】
第1の還元プロセス410および第2の酸化プロセス420の条件のうちの少なくともいくつかは異なる。たとえば、第2の温度は比較的低い。いくつかの実施形態では、第2の温度は、約50℃~約200℃の範囲内、約50℃~約250℃の範囲内、または約50℃~約150℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第2の温度は、約50℃、約75℃、約100℃、約125℃、または約150℃である。第1の還元プロセス410後に第2の酸化プロセス420を実行するために、追加のプロセス条件を変更することが必要になることもある。たとえば、第1の圧力および第2の圧力が異なることがあり、または第1のバイアスおよび第2のバイアスが異なることもある。
【0080】
方法400は、第3の還元プロセス430へ進む。第3の還元プロセス430は、清浄な基板540を形成する。清浄な基板540は、清浄な誘電体面543を含む誘電体材料512、および清浄な金属面545を含む金属材料514を有する。
【0081】
いくつかの実施形態の清浄な誘電体面543は、誘電体材料512の表面において、酸化された誘電体面533の酸素濃度に比べて低減された酸素濃度を含む。酸化された誘電体面533が酸素と他の元素との予期される化学量論比に比べて余剰の酸素を含む実施形態の場合、第3の還元プロセス430は、予期される化学量論比またはほぼその化学量論比まで、酸素濃度を低減させる。たとえば、酸素で汚染された酸化ケイ素面は、酸化ケイ素に対する化学量論量より大きい酸素含有量を有する。酸化された誘電体面が酸素と他の元素との予期される化学量論比またはほぼその化学量論比を含む実施形態の場合、第3の還元プロセス430は、清浄な誘電体面543を形成するとき、酸化された誘電体面533にほとんどまたはまったく影響を与えない。簡単に言えば、清浄な誘電体面543は、汚染された誘電体面513より少ない汚染物質を含む。
【0082】
清浄な金属面545は、金属材料514の表面において、酸化された金属面535の酸素濃度に比べて低減された酸素濃度を含む。いくつかの実施形態では、清浄な金属面545は、酸素をほとんどまたはまったく含まない。清浄な金属面545はまた、窒素汚染物質をほとんどまたはまったく含まない。簡単に言えば、清浄な金属面545は、汚染された金属面515より少ない汚染物質を含み、言い換えれば裸の金属面として説明することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、第3の還元プロセス430は、プラズマプロセスを含む。いくつかの実施形態では、第3の還元プロセス430は、水素含有プラズマへの露出を含む。いくつかの実施形態では、第3の還元プロセス430は、水素プラズマへの露出を含む。
【0084】
第2の酸化プロセス420および第3の還元プロセス430の条件のうちの少なくともいくつかは異なる。たとえば、第3の温度は比較的高い。いくつかの実施形態では、第1の温度は、約250℃~約550℃の範囲内、約300℃~約500℃の範囲内、または約350℃~約450℃の範囲内である。いくつかの実施形態では、第1の温度は、約350℃、約400℃、または約450℃である。
【0085】
第2の酸化プロセス420後に第3の還元プロセス430を実行するために、追加のプロセス条件を変更することが必要になることもある。たとえば、第2の圧力および第3の圧力が異なることがあり、または第2のバイアスおよび第3のバイアスが異なることもある。
【0086】
いくつかの実施形態では、第1の還元プロセス410および第3の還元プロセス430に対するプロセス条件は同じである。いくつかの実施形態では、第1の還元プロセス410および第3の還元プロセス430に対するプロセス条件は異なる。
【0087】
同じ処理チャンバ内の第1の還元プロセス410、第2の酸化プロセス420、および第3の還元プロセス430間のプロセス条件の修正には、相当量の時間を要する。たとえば、チャンバを適当な温度に加熱または冷却しなければならず、ガス源を異なるプロセスガスに切り換えなければならない。
【0088】
第1の還元プロセス410、第2の酸化プロセス420、および第3の還元プロセス430間のプロセス条件の修正は、基板を1つの処理チャンバから別の処理チャンバへ遷移させることによって実行することができる。処理チャンバ間のこの遷移は、第1の還元プロセス410に対する条件から第2の酸化プロセス420に対する条件への単一の処理チャンバの遷移、および/または第2の酸化プロセス420に対する条件から第3の還元プロセス430に対する条件への単一の処理チャンバの遷移より速く行うことができる。しかし、遷移プロセスも追加の時間を必要とし、それによって全体的なスループットが低減され、マルチチャンバ処理ツールが必要とされる。
【0089】
本開示のいくつかの実施形態は、上述した知られているプロセスを改善する。本開示のいくつかの実施形態は、単一の処理温度で実行される。本開示のいくつかの実施形態は、単一の処理チャンバ内で実行される。これらの改善は、処理時間の低減およびスループットの増大に直接相関する。
【0090】
図5を参照すると、1つまたは複数の実施形態は、基板510を洗浄する方法600を対象とする。基板510は上述したとおりである。基板510は、誘電体材料512および金属材料514を含む。基板面とも呼ばれる基板510の表面は汚染されている。したがって、誘電体材料512は、汚染された誘電体面513を有し、金属材料514は、汚染された金属面515を有する。これらの汚染物質については上述した。
【0091】
図5は、第1の誘電体材料512aおよび第2の誘電体材料512bを含む誘電体材料512を示す。示されているいくつかの実施形態では、第1の誘電体材料512aおよび第2の誘電体材料512bは、交互の層として配置されている。いくつかの実施形態では、第1の誘電体材料512aは、酸化ケイ素を含み、または本質的に酸化ケイ素からなり、第2の誘電体材料512bは、窒化ケイ素を含み、または本質的に窒化ケイ素からなる。
【0092】
方法600は、洗浄動作610で、基板面(すなわち、汚染された誘電体面513および汚染された金属面515)をプラズマに露出させて、清浄な誘電体面543および清浄な金属面545を有する清浄な基板540を形成する。プラズマは、水素ガス(H2)および酸素ガス(O2)を含むプラズマガスから形成される。いくつかの実施形態では、プラズマは、本質的に水素ガス(H2)および酸素ガス(O2)からなる。いくつかの実施形態では、プラズマガスは、不活性希釈ガスをさらに含む。いくつかの実施形態では、希釈ガスは、アルゴンを含み、または本質的にアルゴンからなる。
【0093】
いくつかの実施形態では、プラズマガスは、水素ガス、酸素ガス、および任意選択の希釈ガスを、事前設定された流量で提供することによって形成される。いくつかの実施形態では、プラズマガスは、水素流量を有する水素ガス、酸素流量を有する酸素ガス、および流量を有する希釈ガスを、処理チャンバへ送達することによって形成される。
【0094】
いくつかの実施形態では、水素流量は、約50~約750sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、水素流量は、約60sccmまたは約600sccmである。いくつかの実施形態では、酸素流量は、約50sccm~約75sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、酸素流量は、約60sccmである。いくつかの実施形態では、希釈剤流量は、約2500sccm~約5000sccmの範囲内である。いくつかの実施形態では、希釈剤流量は、約3000sccmである。
【0095】
いくつかの実施形態では、水素流量と酸素流量の比は、約1:2~約20:1の範囲内、約1:1~約10:1の範囲内、約1:1~約5:1の範囲内、約5:1~約10:1の範囲内、約5:1~約15:1の範囲内、または約10:1~約15:1の範囲内である。この比を流量比と呼ぶこともできる。いくつかの実施形態では、プラズマガス内の水素ガスと酸素ガスのモル比は、約1:2~約20:1の範囲内、約1:1~約10:1の範囲内、約1:1~約5:1の範囲内、約5:1~約10:1の範囲内、約5:1~約15:1の範囲内、または約10:1~約15:1の範囲内である。
【0096】
いくつかの実施形態では、プラズマは、伝導結合プラズマ(CCP)である。プラズマの周波数は、任意の好適な周波数とすることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ周波数は、50Hz~100MHzの範囲内、または100kHz~60MHzの範囲内、または500kHz~40MHzの範囲内、または約13.56MHzである。プラズマの出力は、任意の好適な出力とすることができる。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は、約100W~約500Wの範囲内、約100W~約300Wの範囲内、または約300W~約500Wの範囲内である。いくつかの実施形態では、プラズマ出力は、約200Wまたは約400Wである。いくつかの実施形態では、基板または基板支持体にバイアス電力が印加されない。
【0097】
いくつかの実施形態では、方法600は、水素ガスから形成されたプラズマおよび/または酸素ガスから形成されたプラズマに基板510を露出させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、これらのプラズマ露出は、動作610に関連して上述したプラズマに基板を露出させる前に実行される。
【0098】
基板面は、動作610中に好適なプロセス温度で維持することができる。いくつかの実施形態では、基板面は、動作610ならびに任意の追加のプラズマ露出中に、同じプロセス温度で維持される。いくつかの実施形態では、基板面は、約400℃の温度で維持される。
【0099】
方法600は、任意の好適な圧力で実施することができる。いくつかの実施形態では、方法600のための処理チャンバの圧力は、約5トルで維持される。
【0100】
動作610の単一のプラズマ露出は、上述したように、汚染された誘電体面513および汚染された金属面515から汚染物質を除去して、清浄な誘電体面543および清浄な金属面545を形成することが可能である。しかし、方法400とは対照的に、方法600は、単一の処理チャンバにおいて単一の処理温度で実行される。
【0101】
いくつかの実施形態では、汚染された誘電体面513は、比較的低い酸素濃度を含む。いくつかの実施形態では、汚染された誘電体面513の酸素含有量は、20原子パーセント未満とすることができる。これらの実施形態では、方法600は、酸素濃度を増大させて、清浄な誘電体面543を提供する。いくつかの実施形態では、清浄な誘電体面543は、約45原子パーセント以上の酸素含有量を有する。
【0102】
いくつかの実施形態では、汚染された誘電体面513は、酸窒化ケイ素を含み、比較的低い酸素とケイ素の比を含む。いくつかの実施形態では、汚染された誘電体面513の酸素とケイ素の比は、約1.5以下とすることができる。これらの実施形態では、方法600は、酸素とケイ素の比を増大させて、清浄な誘電体面543を提供する。いくつかの実施形態では、清浄な誘電体面543は、約3.9以上の酸素とケイ素の比を有する。
【0103】
上述したように、いくつかの実施形態では、汚染された金属面515は、窒素によって汚染されている。いくつかの実施形態では、汚染された金属面515の窒素含有量は、約15原子パーセント以上とすることができる。これらの実施形態では、方法600は、窒素濃度を減少させて、清浄な金属面545を提供する。いくつかの実施形態では、清浄な金属面545は、約7.5原子パーセント以下の窒素含有量を有する。
【0104】
汚染された金属面515は、汚染物質を有していない同じ金属を含む純粋な金属材料の表面よりケイ素に対する低減された反射率を有する。理論に拘束されるものではないが、この反射率の低減は、金属材料の表面の酸化または酸素汚染物質の存在によるものであると考えられる。たとえば、純粋なタングステン材料は、190nmで約0.85のケイ素に対する反射率を有し、タングステン金属材料514の汚染された金属面515は、約0.8以下の反射率を有する。いくつかの実施形態では、方法600は、反射率を増大させて、清浄な金属面545を提供する。いくつかの実施形態では、金属材料514はタングステンを含み、清浄な金属面545は、190nmで約0.85以上のケイ素に対する反射率を有する。
【0105】
理論に拘束されるものではないが、汚染された金属面の低減された反射率は、汚染された金属面に存在する汚染物質(具体的には、酸素)の結果であると考えられる。それに応じて、反射率の改善は、汚染された金属面515から酸素汚染物質が除去された証拠となる。
【0106】
いくつかの実施形態では、方法600は、清浄な金属面545にバルク金属層を選択的に堆積させることをさらに含む。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴を完全に充填する。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴の底面519に堆積され、底部から上へ成長する。いくつかの実施形態では、頂面517または側壁518に堆積は観察されない。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、特徴516を部分的に充填する。いくつかの実施形態では、バルク金属層は、頂面517と同一平面上にある。いくつかの実施形態では、金属材料514はタングステンを含み、バルク金属層はタングステンを含む。
【実施例】
【0107】
(実施例1)
酸素プラズマガスへの水素の追加
SiNを含む誘電体材料12およびタングステンを含む金属材料14を有する
図1に示す一連の基板が、処理チャンバへ提供される。これらの基板は400℃で維持され、処理チャンバは5トルで維持された。これらの基板は、プラズマガスから形成されたプラズマに露出された。表1に示すように、プラズマガスの組成は基板間で変更された。プラズマの出力もまた、基板間で変更された。SiN材料の酸素含有量およびタングステン材料の190nmでのケイ素に対する反射率が、プラズマへの露出前および露出後に、各基板に対して評価された。酸素含有量および反射率の結果を表1に示す。
【0108】
【0109】
(実施例2)
金属面上の窒素汚染物質の低減
実施例1に記載の基板に類似した一連の基板が準備された。これらの基板は、可変の比でH2およびO2を含むプラズマガスから形成されたプラズマに露出された。プラズマ出力も変更された。基準基板に対する元素組成ならびに様々なプラズマガス組成およびプラズマ出力を表2に示す。
【0110】
【0111】
(実施例3)
追加のプラズマを含む並行流
実施例1に記載の基板に類似した一連の基板が準備された。これらの基板は、10:1の比でH2およびO2(H2O2)を含むプラズマガスから形成されたプラズマ、ならびに水素プラズマ(H2)および/または酸素プラズマ(O2)に露出された。プラズマ出力は、400Wで一定に維持された。タングステン面のケイ素に対する反射率、タングステン面の窒素含有量、および誘電体面の酸素とケイ素の比を表3に示す。
【0112】
【0113】
本明細書全体にわたって、「一実施形態」、「特定の実施形態」、「1つまたは複数の実施形態」、または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、材料、または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって様々な箇所における「1つまたは複数の実施形態では」、「特定の実施形態では」、「一実施形態では」、または「実施形態では」などの語句の記載は、必ずしも本開示の同じ実施形態を参照するわけではない。さらに、1つまたは複数の実施形態では、特定の特徴、構造、材料、または特性を任意の好適な形で組み合わせることができる。
【0114】
本明細書の開示について、特定の実施形態を参照して説明したが、記載する実施形態は本開示の原理および応用例の単なる例示であることが、当業者には理解されよう。本開示の精神および範囲から逸脱することなく、本開示の方法および装置に様々な修正および変形を加えることができることが、当業者には明らかであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲およびその均等物の範囲内の修正形態および変形形態を含むことができる。