(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-04
(45)【発行日】2024-04-12
(54)【発明の名称】コンピュータシステム、ゲームシステム、代行プレイ実行制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/5375 20140101AFI20240405BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20240405BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240405BHJP
A63F 13/87 20140101ALI20240405BHJP
【FI】
A63F13/5375
A63F13/69
A63F13/847
A63F13/87
(21)【出願番号】P 2020038901
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2023-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100124682
【氏名又は名称】黒田 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100104710
【氏名又は名称】竹腰 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100090479
【氏名又は名称】井上 一
(72)【発明者】
【氏名】宮野 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】阿須名 孝次
(72)【発明者】
【氏名】南 清志
(72)【発明者】
【氏名】小倉 建一
(72)【発明者】
【氏名】恩田 明生
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】村井 伸太郎
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-084403(JP,A)
【文献】特開2018-206340(JP,A)
【文献】特開2015-097803(JP,A)
【文献】PlayStationR4 ユーザーズガイド、ゲームプレイをシェアする,「世界のウェブアーカイブ|国立国会図書館インターネット資料収集保存事業」PS4[online],2018年07月11日, https://web.archive.org/web/20180711002623/http://manuals.playstation.net/document/jp/ps4/share/gameplay.html,[検索日2021.05.10]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00-13/98
G06F 3/01, 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段と、
前記第2ユーザによる前記代行プレイの間に、前記第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた場合に、前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段と、
を備えるコンピュータシステム。
【請求項2】
前記報知制御手段は、
前記第2ユーザが操作入力したコマンド又は当該コマンドに基づくアクションを教示するための前記報知を行わせる、
請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記報知制御手段は、
前記第2ユーザが操作入力したタイミングを教示するための前記報知を行わせる、
請求項1又は2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記報知制御手段は、
前記代行プレイ
のゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に所与の情報を表示させることで前記報知を行わせる表示報知手段を有する、
請求項1~3の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記表示報知手段は、
前記所与の情報を前記ゲーム画像に重畳表示させる、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記表示報知手段は、
前記所与の情報を前記ゲーム画像外に表示させる、
請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
前記報知制御手段は、
前記第1ユーザ用インターフェースに備えられた振動部を振動させること、又は、音声出力によって前記報知を行う、
請求項1~6の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項8】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段と、
前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段と、
を備え
、
前記報知制御手段は、
前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうちの所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を表示させることによって前記報知を行わせる表示報知手段を有する、
コンピュータシステム。
【請求項9】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイをすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記代行プレイのゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段と、
前記代行プレイにおいて前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段と、
を備え、
前記報知制御手段は、
前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうち、
所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を、当該
特定コマンド条件を満たさない操作を教示するための情報に比べて強調表示させることによって前記報知を行わせる表示報知手段を有する、
コンピュータシステム。
【請求項10】
前記代行プレイのゲーム状況が所与の報知条件を満たしたかを判定する判定手段、
を更に備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段により満たすと判定された場合に前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる、
請求項1~
9の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記第1ユーザの設定操作に基づいて前記報知条件を設定する報知条件設定手段、
を更に備える請求項
10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記代行プレイのリプレイ動画を前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うリプレイ動画表示制御手段、
を更に備え、
前記報知制御手段は、前記リプレイ動画表示制御手段によるリプレイ動画の表示制御中に前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる手段を有する、
請求項1~
11の何れか一項に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
請求項1~12の何れか一項に記載のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記第1ユーザ用インターフェースと、
前記第2ユーザ用インターフェースと、
を具備するゲームシステム。
【請求項14】
第1ユーザ用インターフェースおよび第2ユーザ用インターフェースと通信接続されるコンピュータシステムが、前記第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、前記第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するための代行プレイ実行制御方法であって、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うことと、
前記第2ユーザによる前記代行プレイの間に、前記第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付けることと、
前記報知実施要請を受け付けた場合に、前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることと、
を含む代行プレイ実行制御方法。
【請求項15】
第1ユーザ用インターフェースおよび第2ユーザ用インターフェースと通信接続されるコンピュータシステムが、前記第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、前記第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するための代行プレイ実行制御方法であって、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うことと、
前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることと、
を含
み、
前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることは、前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうちの所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を表示させることによって前記報知を行わせること、である、
代行プレイ実行制御方法。
【請求項16】
第1ユーザ用インターフェースおよび第2ユーザ用インターフェースと通信接続されるコンピュータシステムが、前記第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、前記第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイをすることが可能なゲームの実行を制御するための代行プレイ実行制御方法であって、
前記代行プレイのゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うことと、
前記代行プレイにおいて前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることと、
を含み、
前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることは、前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうち、
所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を、当該
特定コマンド条件を満たさない操作を教示するための情報に比べて強調表示させることによって前記報知を行わせること、である、
代行プレイ実行制御方法。
【請求項17】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムを、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段、
前記第2ユーザによる前記代行プレイの間に、前記第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付ける受付手段、
前記受付手段が受け付けた場合に、前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ
をすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムを、
前記代行プレイ
のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段、
前記代行プレイ
において前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該
入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段、
として機能させ
、
前記報知制御手段は、
前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうちの所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を表示させることによって前記報知を行わせる表示報知手段を有する、
プログラム。
【請求項19】
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイをすることが可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムを、
前記代行プレイのゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段、
前記代行プレイにおいて前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該入力した操作を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段、
として機能させ、
前記報知制御手段は、
前記代行プレイのゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に、前記第2ユーザが入力した操作のうち、
所定の特定コマンド条件を満たす操作を教示するための情報を、当該
特定コマンド条件を満たさない操作を教示するための情報に比べて強調表示させることによって前記報知を行わせる表示報知手段を有する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1ユーザのゲームプレイを第2ユーザが代行プレイ可能なゲームを実行制御するコンピュータシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介したゲームシステムの一つの形態として、あるユーザ(第1ユーザ)がプレイしているゲーム画像を他のユーザ(第2ユーザ)と共有しつつ、第1ユーザのゲームの操作権を第2ユーザに移譲して、第2ユーザが第1ユーザの代わりにゲームプレイを行う代行プレイが可能なゲームシステムが、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の代行プレイは、例えば、第1ユーザが苦手なシーンを上級者である第2ユーザに代わりにプレイ(代行プレイ)してもらい、そのゲームプレイをお手本として苦手なシーンの克服に役立てる、といった使い方が想定されるであろう。そのような場合に第1ユーザが特に知りたいのは、第2ユーザがどのような操作をどのタイミングで行ったかといった具体的な操作内容であるが、ゲームに不慣れな初心者にとっては、代行プレイ中のゲーム画像を観ただけでは、具体的な操作内容を把握することは難しい。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、第1ユーザのゲームプレイを第2ユーザによる代行プレイが可能なゲームにおいて、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を、第1ユーザが容易に把握できるようにすること、である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための第1の発明は、
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムであって、
前記代行プレイ中のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段(例えば、
図12のゲーム画像表示制御部212)と、
前記代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段(例えば、
図12の報知制御部214)と、
を備えるコンピュータシステムである。
【0007】
他の発明として、
第1ユーザ用インターフェースおよび第2ユーザ用インターフェースと通信接続されるコンピュータシステムが、前記第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、前記第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ可能なゲームの実行を制御するための代行プレイ実行制御方法であって、
前記代行プレイ中のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うことと、
前記代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせることと、
を含む代行プレイ実行制御方法としてもよい。
【0008】
更なる他の発明として、
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行うゲームプレイを、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイ可能なゲームの実行を制御するコンピュータシステムを、
前記代行プレイ中のゲーム画像を、前記第1ユーザ用インターフェースおよび前記第2ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うゲーム画像表示制御手段、
前記代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するための報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる報知制御手段、
として機能させるためのプログラムとしてもよい。
【0009】
第1の発明等によれば、第1ユーザのゲームプレイを第2ユーザによる代行プレイが可能なゲームにおいて、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を、第1ユーザが容易に把握することができる。つまり、第2ユーザによる代行プレイ中、第1ユーザ用インターフェースでは、ゲーム画像の表示に加えて、第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示する報知が行われる。これにより、第1ユーザは、ゲーム画像を見ながら、行われる報知によって第2ユーザの操作内容を把握することができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明において、
前記報知制御手段は、
前記第2ユーザが操作入力したコマンド又は当該コマンドに基づくアクションを教示するための前記報知を行わせる(例えば、
図4,
図5参照)、
コンピュータシステムである。
【0011】
第2の発明によれば、代行プレイ中、第1ユーザ用インターフェースでは、第2ユーザが操作入力したコマンド又は当該コマンドに基づくアクションを教示する報知が行われる。これにより、第1ユーザは、第2ユーザがどのようなコマンドの操作入力を行ったか、といった具体的な操作内容を容易に把握することができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、
前記報知制御手段は、
前記第2ユーザが操作入力したタイミングを教示するための前記報知を行わせる(例えば、
図6参照)、
コンピュータシステムである。
【0013】
第3の発明によれば、代行プレイ中、第1ユーザ用インターフェースでは、第2ユーザが操作入力したタイミングを教示するための報知が行われる。これにより、第1ユーザは、第2ユーザがどのタイミングで操作入力を行ったか、といった具体的な操作内容を把握することができる。
【0014】
第4の発明は、第1~第3の何れかの発明において、
前記報知制御手段は、
前記代行プレイ中のゲーム画像を表示中の前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に所与の情報を表示させることで前記報知を行わせる表示報知手段を有する(例えば、
図4~
図6参照)、
コンピュータシステムである。
【0015】
第4の発明によれば、第1ユーザ用インターフェースの表示画面への所与の情報の表示によって、第2ユーザの操作内容を教示するための報知が行われる。これにより、第1ユーザは、ゲーム画像とともに表示される情報を観ることで、第2ユーザの操作内容を把握することができる。
【0016】
第5の発明は、第4の発明において、
前記表示報知手段は、
前記所与の情報を前記ゲーム画像に重畳表示させる(例えば、
図4~
図6参照)、
請求項4に記載のコンピュータシステムである。
【0017】
第5の発明によれば、第2ユーザの操作内容を教示するための情報がゲーム画像に重畳表示される。これにより、第1ユーザは、ゲーム画像から大きく視線をそらすこと無く第2ユーザの操作内容を把握することができる。
【0018】
第6の発明は、第4の発明において、
前記表示報知手段は、
前記所与の情報を前記ゲーム画像外に表示させる(例えば、
図7参照)、
コンピュータシステムである。
【0019】
第6の発明によれば、第2ユーザの操作内容を教示するための情報が、ゲーム画像外に表示される。これにより、情報が重なることでゲーム画像が見づらくなる、といったことを回避できる。
【0020】
第7の発明は、第1~第6の何れかの発明において、
前記報知制御手段は、
前記第1ユーザ用インターフェースに備えられた振動部を振動させること、又は、音声出力によって前記報知を行う(例えば、
図11参照)、
コンピュータシステムである。
【0021】
第7の発明によれば、第1ユーザ用インターフェースが備える振動部の振動、又は、音声出力によって、第2ユーザの操作内容を教示するための報知が行われるので、画面を注視しなくとも、第2ユーザの操作内容を把握することが可能となる。
【0022】
第8の発明は、第1~第7の何れかの発明において、
前記代行プレイ中のゲーム状況が所与の報知条件を満たしたかを判定する判定手段(例えば、
図12の判定部216)、
を更に備え、
前記報知制御手段は、
前記判定手段により満たすと判定された場合に前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる、
コンピュータシステムである。
【0023】
第8の発明によれば、第2ユーザの操作内容を教示するための報知が、代行プレイ中のゲーム状況が所与の報知条件を満たした場合に行われる。つまり、代行プレイ中は常に報知が行われるのではなく、報知条件を満たすゲーム状況でのみ報知が行われる。報知条件としては、例えば、特定の場所への到着、特定のキャラクタとの遭遇、特定のアクションの実施、といったゲームシナリオで定められる特定のゲーム状況や、第1ユーザが操作するキャラクタの体力値等から不利と推測されるゲーム状況、第1ユーザのプレイ履歴から苦手と推測されるゲーム状況、他の各ユーザのプレイ履歴から多くのユーザが苦手と推測されるゲーム状況、等がある。
【0024】
第9の発明は、第8の発明において、
前記第1ユーザの設定操作に基づいて前記報知条件を設定する報知条件設定手段(例えば、
図12の報知条件設定部218)、
を更に備えるコンピュータシステムである。
【0025】
第9の発明によれば、第1ユーザの設定操作に基づいて報知条件が設定される。これにより、第1ユーザは、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を把握したいゲーム状況を報知条件として設定することで、当該ゲーム状況でのみ報知を行わせることができる。
【0026】
第10の発明は、第1~第9の何れかの発明において、
前記代行プレイ中に、前記第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付ける受付手段(例えば、
図12の受付部220)、
を更に備え、
前記報知制御手段は、前記受付手段が受け付けた場合に前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる、
コンピュータシステムである。
【0027】
第10の発明によれば、代行プレイ中、第1のユーザの報知実施要請を受け付けた場合に、第2ユーザの操作内容を教示するための報知が行われる。つまり、代行プレイ中は常に報知が行われるのではなく、第1ユーザは、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を知りたいときに報知実施要請の操作入力を行うことで、第2ユーザの操作内容を教示するための報知を行わせることができる。
【0028】
第11の発明は、第1~第10の何れかの発明において、
前記代行プレイのリプレイ動画を前記第1ユーザ用インターフェースの表示画面に表示させる制御を行うリプレイ動画表示制御手段(例えば、
図12のリプレイ動画表示制御部222)、
を更に備え、
前記報知制御手段は、前記リプレイ動画表示制御手段によるリプレイ動画の表示制御中に前記報知を前記第1ユーザ用インターフェースに行わせる手段を有する、
コンピュータシステムである。
【0029】
第11の発明によれば、代行プレイのリプレイ動画を第1ユーザ用インターフェースの表示画面に表示する際にも、ゲームプレイ中と同様に、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を教示するための報知が行われるので、第1ユーザは、リプレイ動画を見ることで、第2ユーザの操作内容を復習することができる。
【0030】
第12の発明は、
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行ったゲームプレイのデータを所定の記憶部に記憶させる第1の記憶制御手段(例えば、
図20の第1記憶制御部242)と、
前記記憶部に記憶された前記データに基づき、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイを行ったデータと、当該代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するためのデータとを前記記憶部に記憶させる第2の記憶制御手段(例えば、
図20の第2記憶制御部246)と、
を備えるコンピュータシステムである。
【0031】
他の発明として、
コンピュータシステムを、
第1ユーザ用インターフェースを用いて第1ユーザが行ったゲームプレイのデータを所定の記憶部に記憶させる第1の記憶制御手段、
前記記憶部に記憶された前記データに基づき、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイを行ったデータと、当該代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するためのデータとを前記記憶部に記憶させる第2の記憶制御手段、
として機能させるためのプログラムとしてもよい。
【0032】
第12の発明によれば、過去に行われた第1ユーザによるゲームプレイに対して、第2ユーザによる代行プレイを行うことができるゲームにおいて、代行プレイを行ったデータと、第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するためのデータとを所定の記憶部に記憶しておき、この記憶部に記憶されたデータに基づくことで、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を、任意のタイミングで任意のユーザが把握可能に提示することができる。
【0033】
第13の発明は、
第1~第12の何れかの発明のコンピュータシステムであるサーバシステムと、
前記第1ユーザ用インターフェース(例えば、
図1のユーザ端末1500a)と、
前記第2ユーザ用インターフェース(例えば、
図1のユーザ端末1500b)と、
を具備するゲームシステムである。
【0034】
第13の発明によれば、第1~第12の発明と同様の効果が得られるゲームシステムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一要素には同一符号を付す。
【0037】
[ゲームシステム]
図1は、本実施形態のゲームシステムの構成の一例を示す図である。
図1によれば、本実施形態のゲームシステム1は、通信ネットワークNに接続可能なサーバシステム1000と、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスし、サーバシステム1000との間で通信可能な複数のユーザ端末1500(1500a,1500b,・・・)とを備える。
【0038】
通信ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、通信ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
【0039】
サーバシステム1000は、本体装置1010と、キーボード1002と、ディスプレイ1004と、ストレージ1030とを有し、本体装置1010には制御基板1020を搭載するコンピュータシステムである。
【0040】
制御基板1020には、CPU(Central Processing Unit)1021やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)などの各種プロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1022、通信装置1023が搭載されている。なお、制御基板1020の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。これらの演算回路もプロセッサということができる。そして、サーバシステム1000は、制御基板1020が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、本実施形態のゲームを運営するための各種サービスを実現する。例えば、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能、ユーザがユーザ端末1500(1500a,1500b,・・・)でゲームプレイするのに必要なデータを提供してユーザ端末1500(1500a,1500b,・・・)でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。
【0041】
なお、サーバシステム1000は、
図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、通信回線を介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1000として機能させる構成であってもよい。
【0042】
ユーザ端末1500(1500a,1500b,・・・)は、ユーザがゲームプレイのために個別に使用するコンピュータシステムであって、通信ネットワークNを介してサーバシステム1000にアクセスしてオンラインゲームを実行できる電子装置(電子機器)である。本実施形態のユーザ端末1500は、ハードウェアとしてはいわゆるスマートフォンと呼ばれる装置として説明するが、携帯型ゲーム装置や、ゲームコントローラ、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ、家庭用ゲーム装置、業務用ゲーム装置などでもよい。また、
図1に示す単体の装置に限らず、複数の装置が連携して一体的に機能する構成であってもよい。
【0043】
[ゲーム概要]
図2は、本実施形態のゲームの概要を説明する図である。
図2に示すように、ゲームシステム1で実施されるゲームは、基本的には、ユーザ3a(以下、適宜「第1ユーザ」という)が、第1ユーザ用インターフェースである自身のユーザ端末1500a(以下、適宜「第1端末」という)を操作してゲームプレイを行うシングルプレイ型のオンラインゲームである。サーバシステム1000は、第1端末から取得した第1ユーザによる操作情報に基づくゲームの進行制御を行い、ゲーム進行に応じたゲーム画像IMを第1端末に表示させる。
【0044】
また、本実施形態のゲームでは、
図3に示すように、ゲーム中の任意のタイミングで、第1ユーザから他のユーザ3b(以下、適宜「第2ユーザ」という)へゲームプレイの操作権を移譲する代行プレイを行うことができる。代行プレイでは、ゲームプレイの操作権を持つのは第2ユーザであり、第2ユーザは、第2ユーザ用インターフェースである自身のユーザ端末1500b(以下、適宜「第2端末」という)を操作して、第1ユーザの代わりにゲームプレイを行う。代行プレイの間、第1ユーザは、第1端末を操作してのゲームプレイを行うことができない。
【0045】
サーバシステム1000は、第2端末から取得した第2ユーザによる操作情報に基づいてゲームの進行制御を行い、ゲーム進行に応じたゲーム画像IMを、第1端末および第2端末それぞれの表示画面に表示させる。つまり、代行プレイ中は、第2ユーザは、第2端末の表示画面に表示されるゲーム画像IMを見ながら第2端末を操作してゲームプレイを行い、第1ユーザは、第1端末の表示画面にゲーム画像IMとして表示される、第2ユーザが操作するゲームプレイを見ることになる。なお、代行プレイにおいて第1ユーザと第2ユーザとが共有するのはゲーム画像IMのみではなく、ゲーム音声やBGMといったゲームプレイに係る他の要素も共有する。
【0046】
[ゲーム画面]
図4は、代行プレイにおいて第1端末に表示されるゲーム画面の一例である。
図4では、第1ユーザが第1端末を用いてプレーヤキャラクタ10を操作して、コンピュータ制御のノンプレイヤブルキャラクタ12と対戦する格闘対戦ゲームの例を示している。本実施形態の特徴の1つとして、代行プレイ中に第1端末に表示されるゲーム画面W1には、ゲーム画像IM1に加えて、第1ユーザのプレーヤキャラクタ10を操作している第2ユーザの操作入力したコマンド20と、第2ユーザによる代行プレイ中であることを教示するメッセージ30とが表示される。このコマンド20の表示は、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための報知の一例であり、所与の情報であるコマンド20の表示によって操作内容を教示している。また、第2ユーザが操作入力したコマンド20がリアルタイムに表示されることで、第2ユーザが操作入力したタイミングを教示している。従って、第1ユーザは、自身の第1端末のゲーム画面W1に表示されるコマンド20やその表示タイミングを見ることで、どのような操作をどのタイミングで入力したかといった第2ユーザの操作を容易に把握し、以降のゲームプレイに役立てることができる。
【0047】
なお、
図4の例では、第2ユーザが操作入力したコマンド20がリアルタイムに表示される様子を示しているが、直近所定数のコマンドが時系列に更新表示されるようにしてもよいし、過去所定秒数(例えば3秒)の間に入力したコマンドが時系列に更新表示されるようにしてもよい。また、第2ユーザの操作する第2端末に表示されるゲーム画面は、第1端末と同じゲーム画像IM1が表示されたゲーム画面であり、第1端末と同様にコマンド20やメッセージ30が表示されないとしてもよいし、表示されるとしてもよい。
【0048】
図5,
図6は、代行プレイにおいて第1端末に表示されるゲーム画面の他の例である。
図5に示すゲーム画面W3では、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報の他の例として、第2ユーザの操作入力したコマンドに基づくアクションの名称22が表示される。このアクションの名称22は、第2ユーザが当該アクションに該当するコマンドの操作入力を行ったタイミングでリアルタイムに表示されることで、第2ユーザの操作内容やその操作入力のタイミングを教示している。連続した複数のコマンドにより発動されるアクションについては、その複数のコマンドを連続的に表示するよりも、発動されるアクションの名称を表示したほうが把握し易い場合がある。
【0049】
図6に示すゲーム画面W5では、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報の他の例として、第2ユーザが操作入力を行ったタイミングでプレーヤキャラクタ10にエフェクト24が表示される。このエフェクト24は、第2ユーザがコマンドの操作入力を行ったタイミングでリアルタイムに表示されることで、第2ユーザの操作入力のタイミングを教示している。
【0050】
上述の
図4~
図6は、何れも、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報をゲーム画像IM1に重畳表示させたゲーム画面である。この情報を、
図7のゲーム画面W7に示すように、ゲーム画像IM1の外に表示するようにしてもよい。ゲームの内容によっては、ゲーム画像IM1に重畳表示させた情報がプレーヤキャラクタ10に重なることでその動きが見づらいといった事態が生じ得るが、情報をゲーム画像IM1の外に表示することで、そのような事態を回避できる。
【0051】
代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報を、ゲーム画像IM1に重畳表示させるか、ゲーム画像IM1の外に表示させるか、といった表示箇所を、第1ユーザが選択するようにしてもよい。具体的には、ゲームプレイの実行に先立ち、
図8に一例を示す設定画面W9を第1端末に表示させる。この設定画面W9には、表示箇所の候補として、“ゲーム画像に重畳表示”、“ゲーム画像の外に表示”の2つの選択肢が提示されており、第1ユーザは、何れか1つを選択することができる。
【0052】
また、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報を、代行プレイ中に常に表示させるのではなく、任意のタイミングで表示させるようにしてもよい。具体的には、ゲームプレイの実行に先立ち、
図9に一例を示す設定画面W11を第1端末に表示させる。この設定画面W11には、表示タイミングの候補として、“常に表示”、“プレイ中に要請”、“報知条件を満たすとき”の3つの選択肢が提示されており、第1ユーザは、何れか1つを選択することができる。
【0053】
1つ目の選択肢である“常に表示”は、代行プレイ中は、常に、第2ユーザの操作内容を教示する情報を表示することを指示する。
【0054】
2つ目の選択肢である“プレイ中に要請”は、代行プレイ中は、第1ユーザの要請によって第2ユーザの操作内容を教示する情報を表示することを指示する。この選択肢が選択された場合には、例えば、
図10に示すように、代行プレイ中に第1端末に表示されるゲーム画面W13に、操作内容の報知の実施を要請するためのアイコン40(40a,40b)を表示させる。このアイコン40は、表示されているコマンド20を非表示とするアイコン40aと、コマンド20を表示させて操作内容の報知の実施を要請するためのアイコン40bとを含む。第1ユーザは、このアイコン40(40a,40b)の選択によって、第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための情報の表示・非表示を切り替えることができる。
【0055】
図9に戻り、3つ目の選択肢である“報知条件を満たすとき”は、代行プレイのゲーム状況が所与の報知条件を満たすときに、第2ユーザの操作内容を教示する情報を表示することを指示する。報知条件としては、例えば、第1ユーザが操作するプレーヤキャラクタの体力値等のパラメータや他のキャラクタとの相対関係・プレイ進行状況から不利或いは有利と推測される状況、第1ユーザのプレイ履歴から苦手と推測される状況、他の各ユーザのプレイ履歴から多くのユーザが苦手と推測されるゲーム状況、といったユーザのゲームプレイに応じて定まるゲーム状況、ゲームプレイの終了間際、特定の場所への到着、特定のキャラクタとの遭遇、特定のアクションの実施、といったゲームシナリオで定められる特定のゲーム状況、等がある。列挙された報知条件のうちから、第1ユーザは、任意の数の報知条件を選択して設定することができる。更には、第1ユーザは、報知条件を自身で選択するのではなく、自動的に選択・設定させることもできる。
【0056】
なお、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作内容を教示するための情報として、所定のコマンドに関する操作内容のみを表示するようにしてもよい。操作内容を表示させる特定のコマンドは、第1ユーザが選択するようにしてもよいし、自動的に選択するようにしてもよい。例えば、第1ユーザのプレイ履歴等から第1ユーザが苦手であると推測されるコマンドや、必殺技等の見せ場となるコマンドを、特定のコマンドとして選択することができる。また、特定のコマンドに関する操作内容の表示の仕方として、その操作内容のみを表示してそれ以外の操作内容は表示しないとしてもよいし、特定のコマンドに関する操作内容を強調表示して目立たせるようにするとしてもよい。強調表示の仕方としては、テキストや図柄を濃く太く表示するようにしてもよいし、表示の透過度合を変更してもよいし、エフェクトを付加してもよい。
【0057】
また、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための報知としては、ゲーム画面への表示ではなく、音声出力や振動によって報知してもよい。具体的には、
図11に示すように、第1端末が備えるスピーカ等の音声出力部506から、第2ユーザが操作入力したコマンドや当該コマンドに基づくアクションの名称を音声出力させてもよいし、コマンドの入力タイミングで所定の報知音を出力させてもよい。或いは、第1端末が備える振動モータ等の振動部508を、第2ユーザの操作入力のタイミングで振動させるようにしてもよい、操作入力したコマンドや当該コマンドに基づくアクションに応じた振動パターンで振動させるようにしてもよい。第2ユーザの操作内容を教示するための報知の仕方として、ゲーム画面への表示、音声出力、振動の何れにするかを、第1ユーザが選択できるようにしてもよい。また、特定のコマンドに関する操作内容であるか否かに応じて、報知の仕方を変えるようにしてもよい。
【0058】
[機能構成]
図12は、サーバシステム1000の機能構成を示すブロック図である。
図12によれば、サーバシステム1000は、操作入力部102と、画像表示部104と、音声出力部106と、通信部108と、サーバ処理部200と、サーバ記憶部300とを備える。
【0059】
操作入力部102は、サーバシステム1000の管理のための各種の操作入力に応じて操作入力信号をサーバ処理部200に出力する。
図1のキーボード1002がこれに該当する。
【0060】
サーバ処理部200は、例えば、CPUやGPU等のプロセッサや、ASIC、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部102やサーバ記憶部300を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部102からの操作入力信号、ユーザ端末1500からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、サーバシステム1000の動作を統合的に制御する。
図1の制御基板1020がこれに該当する。また、サーバ処理部200は、ユーザ管理部202と、ゲーム管理部210と、計時部230と、画像生成部234と、音生成部236と、通信制御部238とを有する。勿論、これら以外の機能も適宜含めることができる。
【0061】
ユーザ管理部202は、ユーザの登録管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、登録ユーザへの固有のユーザアカウントの付与、ユーザアカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理、ゲームデータの管理、の各機能を有する。勿論、これら以外のアカウントに紐付けられるデータの管理機能も適宜含めることができる。ユーザ管理部202は、ユーザ登録手続きを経たユーザ3に固有のアカウント(ユーザID)を割り当ててユーザ管理データ320を生成することで、各ユーザ3に関するデータの管理を行う。
【0062】
図13は、ユーザ管理データ320の一例を示す図である。
図13によれば、ユーザ管理データ320は、登録ユーザ毎に生成され、当該ユーザに割り当てられたユーザアカウント321と、当該ユーザのユーザ端末1500のユーザ端末ID322と、プレイ履歴データ323と、報知設定データ324とを含む。
【0063】
ユーザアカウント321は、当該ユーザに割り当てた固有のユーザIDのほか、当該ユーザによって任意に設定されるユーザ名やパスワードを含む。
【0064】
プレイ履歴データ323は、1回のゲームプレイ毎に生成され、当該ゲームプレイを識別するプレイID331と、当該ゲームプレイを行ったプレイ日時332と、リプレイ用動画データ333と、操作履歴データ334と、キャラクタ制御履歴データ335と、代行プレイデータ336とを含む。
【0065】
リプレイ用動画データ333は、リプレイ用に生成された、当該ゲームプレイの映像を記録した動画データである。操作履歴データ334は、当該ゲームプレイにおいて第1ユーザが入力した操作コマンドの履歴であり、操作コマンドそれぞれをゲーム進行演算上の時刻と対応付けて蓄積したデータである。キャラクタ制御履歴データ335は、当該ゲームプレイにおける第1ユーザのプレーヤキャラクタを含む各キャラクタの制御データの履歴であり、例えば、各キャラクタの位置や姿勢等を時刻と対応付けて蓄積したデータである。
【0066】
代行プレイデータ336は、当該ゲームプレイにおいて行われた1回の代行プレイ毎に生成され、代行期間337と、当該代行プレイを行った第2ユーザのユーザアカウントである代行ユーザアカウント338と、代行操作履歴339とを含む。代行期間337は、当該代行プレイを行った期間であり、例えば、当該ゲームプレイの開始時点を基準とした当該代行プレイの開始時点および終了時点である。代行操作履歴339は、当該代行プレイを行った第2ユーザが入力した操作コマンドの履歴であり、操作コマンドそれぞれをゲーム進行演算上の時刻と対応付けて蓄積したデータである。
【0067】
報知設定データ324は、当該ユーザのゲームプレイにおける代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を教示する報知に関する設定であり、報知タイミング325と、表示箇所326とを含む。報知タイミング325は、報知を行うタイミングの設定であり、常に報知するか、ユーザが要請したときに報知するか、報知条件を満たすときに報知するか、の設定である。報知条件は、報知条件候補リスト340から選択される。報知条件候補リスト340は、
図14に一例を示すように、複数の報知条件を、識別番号である条件No.と対応付けて列挙したリストである。この報知タイミング325は、
図9に一例を示した設定画面W11において当該ユーザにより設定される。表示箇所326は、報知として表示する情報を、ゲーム画像に重畳表示するか、ゲーム画像外に表示するか、の設定である。この表示箇所326は、
図8に一例を示した設定画面W9において当該ユーザにより設定される。
【0068】
図12に戻り、ゲーム管理部210は、ゲーム初期設定データ310を用いて、ユーザ端末1500におけるゲームプレイの実行制御に係る各種処理を行う。ゲーム初期設定データ310は、ゲームの実行制御に必要な各種の初期設定データであり、例えば、ゲーム空間、ゲームに登場するキャラクタやアイテムの初期設定データを含む。ゲーム管理部210は、ゲーム画像表示制御部212と、報知制御部214と、判定部216と、報知条件設定部218と、受付部220と、リプレイ動画表示制御部222とを有する。
【0069】
ゲーム画像表示制御部212は、代行プレイ中のゲーム画像を、第1端末、および、第2端末のそれぞれに表示させる制御を行う。つまり、第1ユーザのゲームプレイにおける第2ユーザによる代行プレイ中に、第2ユーザによる操作に基づいて制御されるゲーム進行に応じたゲーム画像IMを生成し、第1端末および第2端末それぞれに送信して、ゲーム画面として表示させる(
図2参照)。
【0070】
報知制御部214は、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するための報知を第1端末に行わせる。報知する操作内容としては、第2ユーザが操作入力したコマンド又は当該コマンドに基づくアクションを教示するための報知を行わせることや(
図4,
図5参照)、第2ユーザが操作入力したタイミングを教示するための報知を行わせることができる(
図6参照)。
【0071】
報知の仕方としては、代行プレイ中のゲーム画像を表示中の第1端末に所与の情報を表示させることで報知を行わせることができる。所与の情報は、前記ゲーム画像に重畳表示させるとしてもよいし(
図4~
図6参照)、ゲーム画像外に表示させるとしてもよい(
図7参照)。何れに表示させるかは、第1ユーザのユーザ管理データ320における表示箇所326の設定に従う(
図13参照)。或いは、音声によって報知を行うとしてもよいし、第1端末に備えられた振動部508を振動させることで報知を行うとしてもよい(
図11参照)。
【0072】
報知タイミングとしては、判定部216により報知条件を満たすと判定された場合に、報知を第1端末に行わせるとしてもよいし、受付部220が第1ユーザの報知実施要請を受け付けた場合に、報知を第1端末に行わせるとしてもよい。報知タイミングは、第1ユーザのユーザ管理データ320における報知タイミング325の設定に従う(
図13参照)。
【0073】
また、リプレイ動画表示制御部222によるリプレイ動画の表示制御中に、報知を第1端末に行わせるとしてもよい。
【0074】
判定部216は、代行プレイ中のゲーム状況が所与の報知条件を満たしたかを判定する。具体的には、第1ユーザのユーザ管理データ320における報知タイミング325の設定が“報知条件を満たすとき”である場合に、第2ユーザによる代行プレイ中のゲーム状況が、当該報知タイミング325で設定されている報知条件を満たしたかを判定する。
【0075】
報知条件設定部218は、第1ユーザの設定操作に基づいて報知条件を設定する。具体的には、ゲームプレイの実行制御に先立ち、例えば、
図9に一例を示した設定画面W11を第1端末に表示させて、当該画面における第1ユーザの操作入力に従って、代行プレイ中に第2ユーザの操作内容を教示する報知タイミングや報知条件を設定する。
【0076】
受付部220は、代行プレイ中に、第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付ける。具体的には、第1ユーザのユーザ管理データ320における報知タイミング325の設定が“ユーザが要請したとき”である場合に、代行プレイ中に、例えば、
図10に一例を示したように、第1端末に表示させるゲーム画面W13に、操作内容の報知の実施を要請するためのアイコン40(40a,40b)を表示させる。そして、第1ユーザによるアイコン40bの選択を、第1ユーザの操作入力に基づく報知実施要請を受け付けたとみなす。
【0077】
リプレイ動画表示制御部222は、代行プレイのリプレイ動画を第1端末に表示させる制御を行う。リプレイ動画は、例えば、第1ユーザのユーザ管理データ320におけるリプレイ用動画データ333を第1端末に送信して再生表示させる、操作履歴データ334或いはキャラクタ制御履歴データ335等を用いてゲームプレイを再現することでリプレイ動画のデータを生成し、第1端末に送信して再生表示させる、操作履歴データ334或いはキャラクタ制御履歴データ335等を第1端末に送信して第2端末においてゲームプレイを再現させることで表示させる、といったことができる。
【0078】
計時部230は、システムクロックを利用して現在日時等の計時を行う。
【0079】
画像生成部234は、サーバシステム1000のシステム管理に関する画像や、ゲーム画像(又は、ゲーム画像をユーザ端末1500で表示させるためのデータ)等を生成する。そして、システム管理に関する画像は、画像表示部104へ出力する。画像表示部104は、画像生成部234から入力される画像信号に基づいてシステム管理のための各種画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
図1のディスプレイ1006がこれに該当する。
【0080】
音生成部236は、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1000のシステム管理やゲームプレイに係る操作音やBGM等の音声データを生成或いはデコードする。そして、音声信号を音声出力部106へ出力する。音声出力部106は、音声信号に基づく音声を放音する。
図1の本体装置1010やディスプレイ1006が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
【0081】
通信制御部238は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部108を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。通信部108は、通信ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
図1の通信装置1016がこれに該当する。
【0082】
サーバ記憶部300は、サーバ処理部200にサーバシステム1000を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのプログラムや各種データ等を記憶する。また、サーバ処理部200の作業領域として用いられ、サーバ処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク、オンラインストレージ等によって実現される。サーバ記憶部300には、サーバシステム1000の各種の機能部を実現するためのサーバプログラム302と、配信用クライアントプログラム304と、ゲーム初期設定データ310と、ユーザ管理データ320と、報知条件候補リスト340とが記憶される。
【0083】
配信用クライアントプログラム304は、ユーザ端末1500へ提供されるゲームクライアントプログラムのオリジナルである。
【0084】
(B)ユーザ端末
図15は、ユーザ端末1500の機能構成の一例を示すブロック図である。
図15によれば、ユーザ端末1500は、操作入力部502と、画像表示部504と、音声出力部506と、振動部508と、通信部510と、端末処理部600と、端末記憶部700とを備える。
【0085】
操作入力部502は、ユーザによる各種の操作入力に応じて操作入力信号を端末処理部600に出力する。例えば、プッシュスイッチやジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、ジャイロ、CCDモジュール等によって実現できる。
【0086】
端末処理部600は、例えば、プロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現され、操作入力部502や端末記憶部700を含む各機能部との間でデータの入出力制御を行う。プロセッサは、例えば、CPUやGPUなどの集中演算装置の他、ASICやFPGA等の演算回路も含む。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部502からの操作信号、サーバシステム1000からの受信データ等に基づいて各種の演算処理を実行して、ユーザ端末1500の動作を制御する。また、端末処理部600は、ゲーム制御部610と、計時部620と、通信制御部624とを有する。
【0087】
ゲーム制御部610は、操作信号送信制御部612と、画面表示制御部614と、音声再生制御部616と、振動制御部618とを含み、サーバシステム1000の制御に従ったゲームプレイの実行を制御する。
【0088】
操作信号送信制御部612は、操作入力部502になされた操作に応じた操作信号をサーバシステム1000へ送信するための処理を実行する。
【0089】
画面表示制御部614は、サーバシステム1000から受信した各種画像データに基づいてゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、CPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーディック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現され、サーバシステム1000から受信した各種データに基づいて、1フレーム時間(例えば、1/60秒)で1枚のゲーム画面の画像を生成し、生成したゲーム画面の画像信号を画像表示部504に出力する。本実施形態では、ゲーム画面の画像をサーバシステム1000にて生成する構成とするが、当該画像をユーザ端末1500にて生成する構成も可能である。
【0090】
画像表示部504は、画面表示制御部614から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクタ、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。
【0091】
音声再生制御部616は、サーバシステム1000から受信した各種音声データに基づいてゲーム音声(例えば、効果音、BGM、声優による台詞読み上げ等)を放音させるための制御を行う。例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーディック等によって実現され、ゲームに係る効果音やBGM、各種操作音、台詞読み上げ音声等の各種音声の音信号を生成し、音声出力部506に出力する。
【0092】
音声出力部506は、音声再生制御部616から入力される音信号に基づいて効果音やBGM等を出力する。例えば、スピーカといった音声出力装置によって実現できる。
【0093】
振動制御部618は、サーバシステム1000から受信した各種振動データに基づいて振動を発生させるための制御を行う。振動部508は、振動制御部618から入力される振動信号に基づいて振動を発生させる。例えば、振動モータといった振動装置によって実現できる。
【0094】
通信制御部624は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部510を介して外部装置とのデータのやり取りを実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0095】
端末記憶部700は、端末処理部600にユーザ端末1500を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームプレイに必要なプログラム、各種データ等を記憶する。また、端末処理部600の作業領域として用いられ、端末処理部600が各種プログラムに従って実行した演算結果や、操作入力部502からの入力データ等を一時的に記憶する。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現される。本実施形態では、端末記憶部700は、ゲームクライアントプログラム702を記憶する。
【0096】
ゲームクライアントプログラム702は、端末処理部600が読み出して実行することによってゲーム制御部610としての機能を実現させるためのアプリケーションソフトウェアである。本実施形態では、サーバシステム1000から提供される配信用クライアントプログラム304(
図12参照)のコピーとする。なお、ゲームクライアントプログラム702は、ゲームを実現する技術手法に応じて専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。
【0097】
[処理の流れ]
図16は、サーバシステム1000が実行するゲーム処理の流れを説明するフローチャートである。この処理は、第1ユーザの1回のゲームプレイに係る処理であり、登録ユーザそれぞれを対象の第1ユーザとして並列的に実行される。
【0098】
先ず、報知条件設定部218が、第1ユーザの操作に従って、代行プレイ中に第2ユーザの操作内容を教示するための報知に関する設定を行う(ステップS1)。次いで、第1ユーザによりゲームプレイの開始指示がなされたならば(ステップS3:YES)、ゲーム管理部210が、第1ユーザの操作に従ったゲームの進行制御を開始する(ステップS5)。そして、第1ユーザの第1端末への、ゲームの進行に応じたゲーム画面の表示制御を開始する(ステップS7)。
【0099】
ゲームプレイ中に、第1ユーザにより代行プレイの開始指示がなされたならば(ステップS9:YES)、ゲーム管理部210は、他のユーザのうちから第2ユーザを決定し、第1ユーザおよび第2ユーザそれぞれに通知する(ステップS11)。そして、ゲーム画像表示制御部212が、第2ユーザの第2端末への、ゲームの進行に応じたゲーム画面の表示制御を開始する(ステップS13)。つまり、ゲーム画像表示制御部212は、第1ユーザの第1端末および第2ユーザの第2端末それぞれに、ゲーム画面を表示制御している。また、ゲームプレイの操作権を第1ユーザから第2ユーザに移譲し、第2ユーザの操作に従ってゲームの進行制御を継続する(ステップS15)。つまり、第2ユーザによる代行プレイを開始する。
【0100】
代行プレイ中は、第1ユーザが設定した報知タイミングであるかの判断を行う。すなわち、第1ユーザの設定した報知タイミングが“常に”ならば、報知タイミングであると判断する。また、第1ユーザの設定した報知タイミングが“報知条件を満たすとき”ならば、判定部216が、代行プレイ中のゲーム状況が、第1ユーザに設定された報知条件を満たすかを判定し、満たすと判定したならば、報知タイミングであると判断する。また、第1ユーザの設定した報知タイミングが“ユーザが要請したとき”ならば、受付部220が、第1ユーザの操作による報知実施要請を、受け付けたかを判定し、受け付けたならば、報知タイミングであると判断する。報知タイミングであるならば(ステップS17:YES)、報知制御部214が、第2ユーザの操作内容を教示するための報知を、第1ユーザの第1端末に行わせる制御を行う(ステップS19)。
【0101】
続いて、第1ユーザにより代行プレイの終了指示がなされたかを判断し、なされていないならば(ステップS21:NO)、ステップS17に戻る。代行プレイの終了指示がなされたならば(ステップS21:YES)、ゲーム管理部210は、ゲームプレイの操作権を第2ユーザから第1ユーザに戻して、第1ユーザの操作に従ってゲームの進行制御を継続し(ステップS23)、また、第2端末へのゲーム画面の表示制御を終了することで(ステップS25)、第2ユーザによる代行プレイを終了する。
【0102】
続いて、ゲーム管理部210は、第1ユーザのゲームプレイの終了条件を満たしたかを判断し、満たしていないならば(ステップS27:NO)、ステップS9に戻る。ゲームプレイに終了条件を満たすならば(ステップS27:YES)、ゲームプレイを終了して、当該ゲームプレイに係るプレイ履歴データ323を生成して記憶する(ステップS29)。以上の処理を行うと、ゲーム処理は終了となる。
【0103】
[作用効果]
このように、本実施形態によれば、第1ユーザのゲームプレイを第2ユーザによる代行プレイが可能なゲームにおいて、代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を、第1ユーザが容易に把握することができる。つまり、第2ユーザによる代行プレイ中、第1ユーザの第1端末では、ゲーム画像の表示に加えて、第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内を教示する報知が行われる。これにより、第1ユーザは、ゲーム画像を観ながら、行われる報知によって第2ユーザの操作内容を把握することができる。
【0104】
[作用効果]
なお、本発明の適用可能な実施形態は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。
【0105】
(A)報知タイミング
上述の実施形態では、第1端末に代行プレイ中の第2ユーザの操作内容を教示するための報知を行わせるタイミングを第1ユーザが設定することにしたが、第2ユーザが設定するようにしてもよい。
【0106】
(B)対象のゲーム
上述の実施形態では、格闘対戦ゲームを例に挙げて説明したが、適用可能なゲームの種類にはこれに限られず、例えば、ロールプレイイングゲーム、アクションゲーム、リズムゲーム、シューティングゲーム等の何れの種類のゲームにも適用可能である。また、シングルプレイ型のオンラインゲームとしたが、マルチプレイ型としてもよい。
【0107】
(C)ゲームシステムの他の構成例
上述の実施形態では、ユーザ端末1500をスマートフォンとしたが、それ以外の電子装置(電子機器)としてもよい。例えば、
図17に一例を示すような、据置型の家庭用ゲーム装置をユーザ端末1500Aとしてもよい。この場合、第1端末である家庭用ゲーム装置が、サーバシステム1000のゲーム管理部210の機能をも有して代行プレイに係る制御を行うようにしてもよい。
【0108】
更には、
図18に一例を示すように、本体装置に複数のゲームコントローラが有線又は無線で通信接続されて構成される1台の据置型の家庭用ゲーム装置を用いてゲームシステム1Bを構成してもよい。この場合、家庭用ゲーム装置の本体装置がサーバシステム1000Aの機能を有する。また、第1ユーザであるユーザ3aが用いる第1ユーザ用インターフェースである第1端末1500aは、一方のゲームコントローラ及びディスプレイとなり、第2ユーザであるユーザ3bが用いる第2ユーザ用インターフェースである第2端末1500bは、他方のゲームコントローラ及びディスプレイとなる。例えば、ゲームコントローラは、操作入力部502及び振動部508の機能を有し、ディスプレイは、表示画面を表示する画像表示部504及び音声出力部506の機能を有する。つまり、第1端末及び第2端末は、ディスプレイを共通の表示画面としている。
【0109】
(D)代行プレイのタイミング
上述の実施形態では、第1ユーザのゲームプレイ中に第2ユーザによる代行プレイをリアルタイムで行うようにしたが、第1ユーザのゲームプレイの終了後に、時間差で第2ユーザによる代行プレイを行うようにしてもよい。
【0110】
具体的には、
図19に示すように、先ず、第1ユーザが第1端末を用いたゲームプレイを行う。このときには、第2ユーザによる代行プレイは行われない。第1ユーザによるゲームプレイに関するデータは、プレイ履歴データ323として、サーバシステム1000Cのサーバ記憶部300に記憶される。代行プレイが行われていないので、代行プレイデータ336が含まれないプレイ履歴データ323となる。
【0111】
その後に、第1ユーザのゲームプレイに対する第2ユーザによる代行プレイが行われる。すなわち、サーバシステム1000Cは、プレイ履歴データ323に含まれる操作履歴データ334やキャラクタ制御履歴データ335等を用いてゲーム空間を再構築することで第1ユーザのゲームプレイを再現し、再現したゲーム画像を第2ユーザの第2端末に表示させる。そして、再現したゲームプレイのうち、第1ユーザにより代行プレイ可能として予め設定された期間については、第1ユーザの操作情報に替えて、第2端末から取得した第2ユーザの操作情報に基づいてゲームの進行制御を行い、第2端末にゲーム画像を表示させる。このように再現及び代行プレイを行ったゲームプレイに関するデータは、新たなプレイ履歴データ323としてサーバシステム1000Cのサーバ記憶部300に追加記憶される。このプレイ履歴データ323は、代行プレイデータ336が含まれるデータとなる。なお、第1ユーザにより、代行プレイが行われる回数や、新たなプレイ履歴データ323が追加記憶される回数、代行プレイを行うことができるユーザ等が制限されるようにしてもよい。
【0112】
図20に、この場合のサーバシステム1000Cの機能構成の一例を示す。サーバシステム1000Cのゲーム管理部210は、更に、第1ゲーム実行制御部240と、第1記憶制御部242と、代行プレイ制御部244と、第2記憶制御部246とを有する。
【0113】
第1ゲーム実行制御部240は、第1ユーザインターフェースである第1端末を用いた第1ユーザによるゲームプレイの実行を制御する。このゲームプレイでは、代行プレイは行われない。
【0114】
第1記憶制御部242は、第1ユーザ用インターフェースである第1端末を用いて第1ユーザが行ったゲームプレイのデータ(プレイ履歴データ323)を所定の記憶部に記憶させる。所定の記憶部としては、例えば、サーバ記憶部300のほか、ユーザ端末1500がアクセス可能なサーバシステム1000Cとは別体の記憶装置としてもよい。
【0115】
代行プレイ制御部244は、第1記憶制御部242により記憶されたデータ(プレイ履歴データ323)に基づいて第1ユーザのゲームプレイを再現し、再現したゲームプレイに対する、第2ユーザ用インターフェースである第2端末を用いた第2ユーザによる代行プレイの実行を制御する。代行プレイ制御部244により実行制御される代行プレイに対して、報知制御部214が、第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するためのデータを生成する。
【0116】
第2記憶制御部246は、所定の記憶部に記憶されたデータに基づき、第2ユーザ用インターフェースを用いて第2ユーザが代行プレイを行ったデータと、報知制御部214により生成された、当該代行プレイ中に前記第2ユーザが入力した操作に基づいた当該操作内容を教示するためのデータとを含む新たなプレイ履歴データ323を、所定の記憶部に記憶させる。所定の記憶部に記憶されたプレイ履歴データ323に基づき、リプレイ動画表示制御部222の制御により、第1端末や第2端末を含む任意のユーザ端末1500において、代行プレイのリプレイ動画が表示制御されるとともに、代行プレイ中に第2ユーザが入力した操作に基づいた操作内容を教示するための報知がなされる。
【符号の説明】
【0117】
1…ゲームシステム
1000…サーバシステム
200…サーバ処理部
202…ユーザ管理部
210…ゲーム管理部
212…ゲーム画像表示制御部
214…報知制御部
216…判定部
218…報知条件設定部
220…受付部
222…リプレイ動画表示制御部
300…サーバ記憶部
302…サーバプログラム
304…配信用クライアントプログラム
310…ゲーム初期設定データ
320…ユーザ管理データ
340…報知条件候補リスト
1500…ユーザ端末
3…ユーザ