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特許7466884正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-05
(45)【発行日】2024-04-15
(54)【発明の名称】正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/63 20060101AFI20240408BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20240408BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 31/704 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 35/644 20150101ALI20240408BHJP
   A61K 36/355 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/38 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/484 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/539 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/605 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/73 20060101ALI20240408BHJP
   A61K 36/815 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240408BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240408BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20240408BHJP
【FI】
A61K8/63
A61K8/9789
A61K8/98
A61K31/704
A61K35/644
A61K36/355
A61K36/38
A61K36/484
A61K36/539
A61K36/605
A61K36/73
A61K36/815
A61P1/02
A61P43/00 111
A61Q11/00
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2017165343
(22)【出願日】2017-08-30
(65)【公開番号】P2019043855
(43)【公開日】2019-03-22
【審査請求日】2020-07-30
【審判番号】
【審判請求日】2022-04-01
(73)【特許権者】
【識別番号】591082421
【氏名又は名称】丸善製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】周 艶陽
【合議体】
【審判長】阪野 誠司
【審判官】木村 敏康
【審判官】瀬良 聡機
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-153396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリチルリチン酸ジカリウム及びカンゾウ抽出物から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤及び口腔用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
歯肉は、歯を支える周囲組織である歯周組織の1つであり、歯の歯根を囲んでいる。歯肉は、外界に接している上皮組織と、上皮組織の下の真皮組織の2層からなる。歯肉は、その約60%がコラーゲンであると言われており、歯茎の弾力や結びつきを担っている。
【0003】
前記真皮組織には、歯肉線維芽細胞が存在し、該細胞は、I型コラーゲンを産生することが知られている。また、この歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲンの産生は、加齢や歯周病原因菌が出す毒素などにより、低下してしまうことも知られている。
そのため、歯周組織の健康状態を良好なものとするためには、歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲンの産生を促進することが考えられる。
【0004】
これまでに、歯肉の維持・改善を行う医薬用途組成物として、アスタキサンチン及び/又はアスタキサンチンの脂肪酸エステルを有効成分とし、歯肉細胞のアポトーシスを抑制・防止する組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、前記提案は、歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲンの産生を促進するものではない。
【0005】
したがって、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有する安全性の高い物質について、速やかな開発が強く求められているのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-110526号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記従来における諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有し、安全性の高い正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有し、安全性の高い口腔用剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために本発明者が鋭意検討を重ねた結果、グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物からなる群から選択される少なくとも1種が、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有することを知見し、本発明を完成したものである。
【0009】
本発明は、本発明者の前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤である。
<2> 前記<1>に記載の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤を含有することを特徴とする口腔用剤である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤によると、従来における前記諸問題を解決し、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有し、安全性の高い正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤を提供することができる。
本発明の口腔用剤によると、従来における前記諸問題を解決し、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有し、安全性の高い口腔用剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤)
本発明の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤は、グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物からなる群から選択される少なくとも1種を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0012】
前記グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物が、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有し、正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤として有用であることは、従来は全く知られておらず、本発明者らによる新たな知見である。
【0013】
前記グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0014】
<グリチルリチン酸ジカリウム>
グリチルリチン酸ジカリウムは、C426016で表される分子量899.1の化合物である。
グリチルリチン酸ジカリウムは、化学合成により調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記化学合成の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、グリチルリチン酸と、水酸化カリウム(KOH)などとを反応させる方法などが挙げられる。
【0015】
前記グリチルリチン酸を入手する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を用いる方法、グリチルリチン酸を含有する植物抽出物から単離及び精製の少なくともいずれかの方法により得る方法などが挙げられる。
【0016】
前記グリチルリチン酸を含有する植物抽出物は、グリチルリチン酸を含有する植物を抽出原料として得られる抽出液、当該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、当該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物若しくは精製物のいずれであってもよい。
前記グリチルリチン酸を含有する植物抽出物は、植物の抽出に一般に用いられている方法によって得ることができる。グリチルリチン酸を含有する植物としては、例えば、カンゾウなどが挙げられる。
【0017】
<クコ抽出物>
クコ(学名:Lycium chinense又はLycium barbarum)は、ナス科クコ属に属する植物で東アジアに広く分布しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0018】
前記クコ抽出物は、抽出原料として使用する部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記クコの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、葉部が好ましい。
前記クコ抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0019】
<オウゴン抽出物>
オウゴン(生薬名)は、中国北部から東北部、モンゴル等に分布しているシソ科タツナミソウ属に属する多年草であるコガネバナ(学名:Scutellaria baicalensis Georgi)の根部であり、これらの地域から容易に入手することができる。オウゴンは、従来、健胃薬、抗アレルギー剤等として使用されている。
【0020】
前記オウゴン抽出物は、コガネバナの根部から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記オウゴン抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0021】
<カンゾウ抽出物>
カンゾウ(甘草)は、マメ科グリチルリーザ(Glycyrrhiza)属に属する多年生草本であり、古代より薬用又は甘味料の原料として利用されている。前記カンゾウには、グリチルリーザ・グラブラ(Glychyrrhiza glabra)、グリチルリーザ・インフラータ(Glychyrrhiza inflata)、グリチルリーザ・ウラレンシス(Glychyrrhiza uralensis)、グリチルリーザ・アスペラ(Glychyrrhiza aspera)、グリチルリーザ・ユーリカルパ(Glychyrrhiza eurycarpa)、グリチルリーザ・パリディフロラ(Glychyrrhiza pallidiflora)、グリチルリーザ・ユンナネンシス(Glychyrrhiza yunnanensis)、グリチルリーザ・レピドタ(Glychyrrhiza lepidota)、グリチルリーザ・エキナタ(Glychyrrhiza echinata)、グリチルリーザ・アカンソカルパ(Glychyrrhiza acanthocarpa)など、様々な種類のものがある。
【0022】
前記カンゾウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記抽出原料として用いるカンゾウの種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記カンゾウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、枝部、樹皮部、幹部、茎部、果実部、種子部、花部等の地上部、根部、根茎部又はこれらの部位の混合物などが挙げられる。これらの中でも、根部、葉部、根茎部が好ましい。
前記カンゾウ抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0023】
<ニンドウ抽出物>
ニンドウ(学名:Lonicera japonica)は、スイカズラ科に属する植物で中国、朝鮮、日本各地で生育しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0024】
前記ニンドウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ニンドウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、花蕾部、葉部、枝部、種子、樹皮、根部、茎部又はこれらの部位の混合物などが挙げられる。これらの中でも、葉部、茎部が好ましい。
前記ニンドウ抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0025】
<ローヤルゼリー抽出物>
ローヤルゼリーは、ヨーロッパ、アフリカ等に分布しているミツバチ科ミツバチ属に属するヨーロッパミツバチ(学名:Apis melifera L.,別名:セイヨウミツバチ)又はトウヨウミツバチ(学名:Apis indeca Radoszkowski)のうちの若い働き蜂の咽頭腺からの分泌物であり、女王蜂となる幼虫や成虫となった女王蜂に給餌されるものである。
【0026】
前ローヤルゼリー抽出物は、ローヤルゼリーから調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ローヤルゼリー抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0027】
<オトギリソウ抽出物>
オトギリソウ(Hypericum erectumHypericum perforatum)は、オトギリソウ科オトギリソウ属に属する多年生草本であって、本州、四国、九州等に自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。
【0028】
前記オトギリソウ抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記オトギリソウの抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、根部、花部、地上部又はこれらの部位の混合物などが挙げられる。これらの中でも、地上部、全草が好ましい。
前記オトギリソウ抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0029】
<ソウハクヒ抽出物>
ソウハクヒ(生薬名)は、中国等に分布している落葉高木であるクワ科クワ属に属するマグワ(学名:Morus alba L.)の根皮部であり、これらの地域から容易に入手することができる。ソウハクヒは、従来、消炎、利尿、解熱、鎮痛薬等として使用されている。
【0030】
前記ソウハクヒ抽出物は、マグワの根皮部から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記ソウハクヒ抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0031】
<甜茶抽出物>
甜茶(Rubus suavissimus)は、バラ科キイチゴ属に属する灌木であって、中国南部で自生しており、これらの地域から容易に入手することができる。甜茶抽出物は、従来、抗アレルギー剤等として用いられている。
【0032】
前記甜茶抽出物は、抽出原料として使用する抽出部位から調製したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記甜茶の抽出部位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、葉部、茎部、花部、果実部等の地上部、根部等の地下部又はこれらの部位の混合物などが挙げられる。これらの中でも、葉部が好ましい。
前記甜茶抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する天然物の抽出物の調製方法などにより、調製することができる。
【0033】
-天然物の抽出物の調製方法-
上記したクコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物(以下、「各種天然物の抽出物」と称することがある。)は、植物の抽出に一般に用いられる方法を利用することによって、容易に得ることができる。なお、前記各種天然物の抽出物には、前各種天然物の抽出液、該抽出液の希釈液若しくは濃縮液、該抽出液の乾燥物、又は、これらの粗精製物若しくは精製物のいずれもが含まれる。
【0034】
前記各種天然物からの抽出物の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出原料を乾燥した後、そのまま又は粗砕機を用いて粉砕し、抽出溶媒による抽出に供することにより得ることができる。前記乾燥は、天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。
また、ヘキサン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0035】
前記抽出溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、親水性有機溶媒、又はこれらの混合溶媒などが挙げられる。
【0036】
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。したがって、前記抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
【0037】
前記植物の抽出溶媒として使用し得る親水性有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1~5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2~5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒なども用いることができる。
【0038】
前記水と前記親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合の混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水と低級アルコールとの混合溶媒の場合は、水と低級アルコールとの混合比が、9:1~1:9(容量比)であることが好ましく、8:2~2:8(容量比)であることがさらに好ましい。また、水と低級脂肪族ケトンとの混合溶媒の場合は、水と低級脂肪族ケトンとの混合比が、9:1~2:8(容量比)であることが好ましい。また、水と多価アルコールとの混合溶媒の場合は、水と多価アルコールとの混合比が5:5~1:9(容量比)であることが好ましい。
【0039】
前記抽出溶媒は、室温又は溶媒の沸点以下の温度で用いることが好ましい。
【0040】
前記抽出の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、抽出原料の5倍量~15倍量(質量比)の抽出溶媒に、抽出原料を浸漬し、常温又は還流加熱下で可溶性成分を抽出させた後、濾過して抽出残渣を除去し、抽出液を得て、次いで、前記抽出液から溶媒を留去し、ペースト状の濃縮物を得て、この濃縮物をさらに乾燥し、乾燥物とする方法などがあげられる。
前記抽出における条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0041】
なお、得られた前記各種天然物の抽出物は、前記各種天然物の抽出物の希釈物、濃縮物、乾燥物、粗精製物、精製物などを得るために、常法に従って希釈、濃縮、乾燥、精製などの処理を施してもよい。
また、得られた前記各種天然物の抽出物は、そのままでも前記正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤として使用することができるが、利用しやすい点で、前記濃縮液、前記乾燥物が好ましい。前記乾燥物を得るに当たって、吸湿性を改善するためにデキストリン、シクロデキストリンなどのキャリアーを加えてもよい。
【0042】
前記グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物からなる群から選択される少なくとも1種の前記正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0043】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、賦形剤、防湿剤、防腐剤、強化剤、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、甘味料、酸味料、調味料、着色料、香料、美白剤、保湿剤、油性成分、紫外線吸収剤、界面活性剤、アルコール類、粉末成分、色剤、水性成分、水、皮膚栄養剤などが挙げられる。
前記その他の成分の前記正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0044】
前記グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物は、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進作用を有しているため、正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤の有効成分として用いることができる。
【0045】
<用途>
本発明の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、後述する口腔用剤などとして好適に用いることができ、その含有量、用法及び剤型としては、その使用目的に応じて適宜選択することができる。
【0046】
(口腔用剤)
本発明の口腔用剤は、本発明の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
【0047】
前記口腔用剤における前記正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記口腔用剤は、前記正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤のみからなるものであってもよい。
【0048】
前記口腔用剤におけるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の口腔用剤の製造に用いられる主剤、助剤又はその他の成分を併用することができ、より具体的には、リン酸水素カルシウム、炭酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、アルミノシリケート、無水ケイ酸、レジン等の研磨剤;長鎖アルキル硫酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウリルジエタノールアマイド、ショ糖脂肪酸エステル等の界面活性剤;カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸塩、カラゲナン、アラビアガム、ポリビニルアルコール等の粘結剤;ポリエチレングリコール、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコール等の粘稠剤;サッカリン、ステビオサイド類、グリチルリチン酸、ソーマチン等の甘味剤;デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム等の防腐剤;メントール、カルボン、オイゲノール、アネトール、ハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油、ジンジャー油、アニス油等の香料;各種色素等などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記口腔用剤におけるその他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0049】
本発明の口腔用剤は、正常ヒト歯肉線維芽細胞における優れたI型コラーゲン産生促進を有するため、例えば、歯周組織におけるコラーゲンの再生の促進用途などに好適に用いることができる。
【0050】
前記口腔用剤の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、歯磨き、マウスウォッシュ、トローチ、歯肉マッサージクリーム、うがい剤、口中清涼剤などが挙げられる。
【0051】
本発明の正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤及び口腔用剤は、ヒトに対して好適に適用されるものであるが、それぞれの作用効果が奏される限り、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。
【実施例
【0052】
以下、本発明の製造例及び試験例を説明するが、本発明は、これらの製造例及び試験例に何ら限定されるものではない。
【0053】
後述の試験例1-1及び1-2に用いた素材は、以下のとおりである。
(1) グリチルリチン酸ジカリウム(外原規グリチルリチン酸ジカリウム、丸善製薬株式会社製)
(2) オウゴン抽出物(オウゴン抽出液BG-LC(抽出原料:コガネバナ(根部)、抽出溶媒:50容量%1,3-ブチレングリコール)、丸善製薬株式会社製)
(3) カンゾウ抽出物(カンゾウ抽出液(抽出原料:カンゾウ(根部)、抽出溶媒:水)、丸善製薬株式会社製)
(4) ニンドウ抽出物(ニンドウ抽出液-J(抽出原料:ニンドウ(葉部)、抽出溶媒:90容量%エタノール)、丸善製薬株式会社製)
(5) ローヤルゼリー抽出物(ローヤルゼリー抽出液BG(抽出溶媒:50容量%1,3-ブチレングリコール)、丸善製薬株式会社製)
(6) オトギリソウ抽出物(オトギリソウ抽出液-J(抽出原料:セイヨウオトギリソウ(花部、葉部及び茎部)、抽出溶媒:90容量%エタノール)、丸善製薬株式会社製)
(7) ソウハクヒ抽出物(ソウハクヒ抽出液BG(抽出原料:マグワ(根皮部)、抽出溶媒:50容量%1,3-ブチレングリコール)、丸善製薬株式会社製)
(8) 甜茶抽出物(甜茶抽出液BGW(抽出原料:甜茶(葉部)、抽出溶媒:50容量%1,3-ブチレングリコール)、丸善製薬株式会社製)
(9) クコ抽出物(下記製造例1~3参照)
【0054】
(製造例1~3)
-クコ抽出物の製造-
乾燥クコ葉20gに10倍量の溶媒(下記表1参照)を加え、2時間還流抽出を行った。減圧濾過した後、溶媒を除去し、各抽出物とした。収率を表1に併せて示す。
【0055】
【表1】
【0056】
(試験例1-1)
<NHGF細胞におけるI型コラーゲン産生促進作用試験>
上記した各素材を被験試料として用い、下記の試験方法により、NHGF細胞におけるI型コラーゲン産生促進作用を試験した。
【0057】
正常ヒト歯肉線維芽細胞(Normal Human Gingival Fibroblasts)を、正常ヒト線維芽細胞増殖用低血清培地(LFK-LS1038)を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10細胞/mLの濃度になるようにLFK-LS1038培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェル当たり100μLずつ播種し、1日間培養した。
培養終了後、正常ヒト線維芽細胞増殖用無血清培地(LFK-LS1010)で溶解した被験試料(試料濃度は下記表2-1及び2-2を参照)を各ウェルに100μL添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加のLFK-LS1010培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルの培地中のI型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式1によりI型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
結果を表2-1及び2-2の上段に示す。
<式1>
I型コラーゲン産生促進率(%)=A/B×100
式1中、「A」は、「被験試料添加時のI型コラーゲン量」を表し、「B」は、「試料無添加時のI型コラーゲン量」を表す。
【0058】
(試験例1-2)
<NB1RGB細胞におけるI型コラーゲン産生促進作用試験>
上記した各素材を被験試料として用い、下記の試験方法により、NB1RGB細胞におけるI型コラーゲン産生促進作用を試験した。
【0059】
正常ヒト皮膚線維芽細胞(NB1RGB細胞)を、10%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて培養した後、トリプシン処理により細胞を回収した。回収した細胞を1.6×10細胞/mLの濃度になるように上記培地で希釈した後、96ウェルプレートに1ウェルあたり100μLずつ播種し、一晩培養した。
培養終了後、培地を除去し、0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地に溶解した被験試料(試料濃度は下記表2-1及び2-2を参照)を各ウェルに150μL添加し、3日間培養した。なお、コントロールとして、試料無添加の0.25%FBS含有ダルベッコMEM培地を用いて同様に培養した。培養終了後、各ウェルの培地中のI型コラーゲン量をELISA法により測定した。測定結果から、下記式2によりI型コラーゲン産生促進率(%)を算出した。
結果を表2-1及び2-2の下段に示す。
<式2>
I型コラーゲン産生促進率(%)=C/D×100
式2中、「C」は、「被験試料添加時のI型コラーゲン量」を表し、「D」は、「試料無添加時のI型コラーゲン量」を表す。
【0060】
【表2-1】
【0061】
【表2-2】
【0062】
表2-1及び2-2の結果から、正常ヒト皮膚線維芽細胞では、I型コラーゲン産生促進率は高くても114%程度であった。
一方、正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進率は、同種及び同濃度の素材を用いた場合には、少なくとも正常ヒト皮膚線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進率よりも高い結果となった。
そのため、グリチルリチン酸ジカリウム、クコ抽出物、オウゴン抽出物、カンゾウ抽出物、ニンドウ抽出物、ローヤルゼリー抽出物、オトギリソウ抽出物、ソウハクヒ抽出物及び甜茶抽出物は、正常ヒト歯肉線維芽細胞特異的に優れたI型コラーゲン産生促進作用を示すことが確認され、これらの素材が、正常ヒト歯肉線維芽細胞におけるI型コラーゲン産生促進剤及び口腔用剤の有効成分として優れたものであると考えられた。
【0063】
(配合例1)
常法により、下記組成のマウスウォッシュを製造した。
・ グリチルリチン酸ジカリウム 0.2質量部
(外原規グリチルリチン酸ジカリウム、丸善製薬株式会社製)
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 精製水 30.0質量部
【0064】
(配合例2)
常法により、下記組成のマウスウォッシュを製造した。
・ オウゴン抽出物 0.2質量部
(オウゴン抽出液BG-LC、丸善製薬株式会社製)
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 精製水 30.0質量部
【0065】
(配合例3)
常法により、下記組成のマウスウォッシュを製造した。
・ カンゾウ抽出物 0.2質量部
(カンゾウ抽出液、丸善製薬株式会社製)
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 精製水 30.0質量部
【0066】
(配合例4)
常法により、下記組成のマウスウォッシュを製造した。
・ ニンドウ抽出物 0.2質量部
(ニンドウ抽出液-J、丸善製薬株式会社製)
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 精製水 30.0質量部
【0067】
(配合例5)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ ローヤルゼリー抽出物 0.1質量部
(ローヤルゼリー抽出液BG、丸善製薬株式会社製)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部
【0068】
(配合例6)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ オトギリソウ抽出物 0.1質量部
(オトギリソウ抽出液-J、丸善製薬株式会社製)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部
【0069】
(配合例7)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ ソウハクヒ抽出物 0.1質量部
(ソウハクヒ抽出液BG、丸善製薬株式会社製)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部
【0070】
(配合例8)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ 甜茶抽出物 0.1質量部
(甜茶抽出液BGW、丸善製薬株式会社製)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部
【0071】
(配合例9)
常法により、下記組成のマウスウォッシュを製造した。
・ クコ抽出物 0.2質量部
(製造例1のクコ葉熱水抽出物)
・ 第二リン酸カルシウム 45.0質量部
・ カルボキシメチルセルロースナトリウム 1.0質量部
・ グリセリン 20.0質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 2.0質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 精製水 30.0質量部
【0072】
(配合例10)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ クコ抽出物 0.1質量部
(製造例2のクコ葉50容量%エタノール抽出物)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部
【0073】
(配合例11)
常法により、下記組成の練り歯磨きを製造した。
・ クコ抽出物 0.1質量部
(製造例3のクコ葉80容量%エタノール抽出物)
・ 炭酸カルシウム 39.0質量部
・ ソルビトール 22.0質量部
・ カルボキシメチルセルロース 1.1質量部
・ ラウリル硫酸ナトリウム 1.3質量部
・ サッカリン 0.1質量部
・ 香料 1.0質量部
・ 塩酸クロルヘキシジン 0.01質量部
・ 精製水 35.0質量部