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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】給電システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20240101AFI20240409BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240409BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240409BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240409BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
G06Q50/06
H02J3/38 120
H02J3/32
H02J3/46
H02J7/35 K
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019239757
(22)【出願日】2019-12-27
(65)【公開番号】P2021108070
(43)【公開日】2021-07-29
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100114292
【弁理士】
【氏名又は名称】来間 清志
(72)【発明者】
【氏名】内條 秀一
(72)【発明者】
【氏名】冨田 みゆき
(72)【発明者】
【氏名】シュウ ティンティン
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-161023(JP,A)
【文献】特表2018-514850(JP,A)
【文献】特開2011-164900(JP,A)
【文献】特開2019-028827(JP,A)
【文献】特開2017-153274(JP,A)
【文献】特開2012-178909(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H02J 3/38
H02J 3/32
H02J 3/46
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行うと共に情報処理部と通信を行う管理設備とを有するN(Nは2以上の整数値)のユーザサイトと、前記情報処理部と通信を行う給電設備と、前記情報処理部と通信を行う端末と、を含む給電システムにおいて、
前記Nの前記ユーザサイトの夫々の前記管理設備は、
前記Nの前記ユーザサイトの識別情報を含むユーザサイト情報と、前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報とを前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの放電指示に応じて、前記蓄電設備から所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を制御する機能と、
を有し、
前記給電設備は、
前記情報処理部からの給電指示に応じて、前記所定の送配電網から電力を受電し、電力需要デバイスへの給電を制御する機能を有し、
前記端末は、
電力需要要求と、当該端末の識別情報を含む端末情報と、前記給電設備から取得した前記給電設備の識別情報を含む給電設備情報とを前記情報処理部に送信する機能を有し、
前記管理設備により送信された前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報とは、前記情報処理部により、前記再生可能エネルギー発電設備により発電された電力であることについての識別及び認証がなされ、
前記情報処理部は、前記ユーザサイト情報と、前記蓄電情報と、前記端末情報と、前記電力需要要求とに基づくマッチングを行う機能として、前記Nの前記ユーザサイトのうち、前記識別及び前記認証がなされかつ所定条件を満たすn(nは、前記Nより小さい整数値)の前記ユーザサイトを抽出する機能を有し、
前記情報処理部が、抽出された前記nの前記ユーザサイトについての前記ユーザサイト情報及び前記蓄電情報と、前記端末から送付されてきた前記端末情報と、前記給電設備情報と、前記電力需要要求に基づいて、前記放電指示及び前記給電指示を生成し、前記管理設備に前記放電指示を、前記給電設備に前記給電指示を送信し、抽出された前記nの前記ユーザサイトの前記蓄電設備が前記放電指示に応じて、前記所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を行い、前記給電設備が前記所定の送配電網から電力を受電し、前記電力需要デバイスに給電することを特徴とする、
給電システム。
【請求項2】
再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行うと共に情報処理部と通信を行う管理設備とを有するN(Nは2以上の整数値)のユーザサイトと、前記情報処理部と通信を行う給電設備と、端末と、を含む給電システムにおいて、
前記Nの前記ユーザサイトの夫々の前記管理設備は、
前記Nの前記ユーザサイトの識別情報を含むユーザサイト情報と、前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報とを前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの放電指示に応じて、前記蓄電設備から所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を制御する機能と、
を有し、
前記給電設備は、
電力需要要求と、前記端末から取得した前記端末の識別情報を含む端末情報と、当該給電設備の識別情報を含む給電設備情報を前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの給電指示に応じて、前記所定の送配電網から電力を受電し、電力需要デバイスへの給電を制御する機能を有し、
前記管理設備により送信された前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報とは、前記情報処理部により、前記再生可能エネルギー発電設備により発電された電力であることについての識別及び認証がなされ、
前記情報処理部は、前記ユーザサイト情報と、前記蓄電情報と、前記端末情報と、前記電力需要要求とに基づくマッチングを行う機能として、前記Nの前記ユーザサイトのうち、前記識別及び前記認証がなされかつ所定条件を満たすn(nは、前記Nより小さい整数値)の前記ユーザサイトを抽出する機能を有し、
前記情報処理部が、抽出された前記nの前記ユーザサイトについての前記ユーザサイト情報及び前記蓄電情報と、前記給電設備から送付されてきた前記端末情報と、前記給電設備情報と、前記電力需要要求に基づいて、前記放電指示及び前記給電指示を生成し、前記管理設備に前記放電指示を、前記給電設備に前記給電指示を送信し、抽出された前記nの前記ユーザサイトの前記蓄電設備が前記放電指示に応じて、前記所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を行い、前記給電設備が前記所定の送配電網から電力を受電し、前記電力需要デバイスに給電することを特徴とする、
給電システム。
【請求項3】
前記識別及び前記認証がブロックチェーン技術により行われる、請求項1または2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記端末は、前記情報処理部を介して、前記給電設備の位置情報及び利用状況情報を取得する機能を更に有する、請求項1乃至のうち何れかの1項に記載の給電システム。
【請求項5】
前記給電設備は、前記情報処理部に給電停止要求を送信する機能を有し、
前記情報処理部は、前記給電停止要求に応じて、前記管理設備に放電停止指示を送信する、
請求項1乃至のうち何れかの1項に記載の給電システム。
【請求項6】
前記端末は、前記情報処理部に給電停止要求を送信する機能を有し、
前記情報処理部は、前記給電停止要求に応じて、前記管理設備に放電停止指示を送付する、
請求項1乃至のうち何れかの1項に記載の給電システム。
【請求項7】
前記蓄電設備は、レドックスフロー電池、揚水発電、リチウムイオン電池、NAS電池に基づく設備のうち少なくとも1つを含む、
請求項1乃至のうち何れかの1項に記載の給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題に配慮した再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス等)を用いて発電(以下、「再エネ発電」ともいう)に対する期待が高まっている。
また、日本国では制度面でも、環境問題対策の一環として、電気事業における発電の自由化や、再エネ発電の買取制度等の法整備が進められている。
【0003】
再エネ発電は、二酸化炭素の排出を伴わず、化石燃料を燃やす発電に比べて環境への負荷が少ないことから、関連する技術も多く提案されている(例えば特許文献1乃至3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-108655号公報
【文献】特開2019-28827号公報
【文献】特開2011-229205号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を効率的かつ有効に利用することが要求されているが、特許文献1乃至3を含め従来の技術ではこのような要求に十分に応えられない状況である。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を効率的かつ有効に利用することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は(1)~(8)を含む。
(1) 再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行うと共に情報処理部と通信を行う管理設備とを有するユーザサイトと、前記情報処理部と通信を行う給電設備と、前記情報処理部と通信を行う端末と、を含む給電システムにおいて、
前記ユーザサイトの前記管理設備は、
前記ユーザサイトの識別情報を含むユーザサイト情報と、前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報とを前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの放電指示に応じて、前記蓄電設備から所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を制御する機能と、
を有し、
前記給電設備は、
前記情報処理部からの給電指示に応じて、前記所定の送配電網から電力を受電し、電力需要デバイスへの給電を制御する機能を有し、
前記端末は、
電力需要要求と、当該端末の識別情報を含む端末情報と、前記給電設備から取得した前記給電設備の識別情報を含む給電設備情報とを前記情報処理部に送信する機能を有し、
前記管理設備により送信された前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報とは、前記情報処理部により識別及び認証がなされて、
前記情報処理部が前記ユーザサイト情報と、前記蓄電情報と、前記端末から送付されてきた前記端末情報と、前記給電設備情報と、前記電力需要要求に基づいて、前記放電指示及び前記給電指示を生成し、前記管理設備に前記放電指示を、前記給電設備に前記給電指示を送信し、前記蓄電設備が前記放電指示に応じて、前記所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を行い、前記給電設備が前記所定の送配電網から電力を受電し、電力需要デバイスに給電することを特徴とする、
給電システム。
(2) 再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を蓄える蓄電設備と、前記蓄電設備の制御及び管理を行うと共に情報処理部と通信を行う管理設備とを有するユーザサイトと、前記情報処理部と通信を行う給電設備と、端末と、を含む給電システムにおいて、
前記ユーザサイトの前記管理設備は、
前記ユーザサイトの識別情報を含むユーザサイト情報と、前記蓄電設備の供給できる電力量を含む蓄電情報とを前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの放電指示に応じて、前記蓄電設備から所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を制御する機能と、
を有し、
前記給電設備は、
電力需要要求と、前記端末から取得した前記端末の識別情報を含む前記端末情報と、当該給電設備の識別情報を含む給電設備情報を前記情報処理部に送信する機能と、
前記情報処理部からの給電指示に応じて、前記所定の送配電網から電力を受電し、電力需要デバイスへの給電を制御する機能を有し、
前記管理設備により送信された前記ユーザサイト情報と前記蓄電情報とは、前記情報処理部により識別及び認証がなされて、
前記情報処理部が前記ユーザサイト情報と、前記蓄電情報と、前記給電設備から送付されてきた前記端末情報と、前記給電設備情報と、前記電力需要要求に基づいて、前記放電指示及び前記給電指示を生成し、前記管理設備に前記放電指示を、前記給電設備に前記給電指示を送信し、前記蓄電設備が前記放電指示に応じて、前記所定の送配電網へ電力を送り出すための放電を行い、前記給電設備が前記所定の送配電網から電力を受電し、前記電力需要デバイスに給電することを特徴とする、
給電システム。
(3) 前記識別及び認証がブロックチェーン技術により行われる、(1)または(2)に記載の給電システム。
(4) 前記情報処理部は、前記ユーザサイト情報と、前記蓄電情報と、前記端末情報と、前記電力需要要求とに基づくマッチングを行う機能を有する、(1)乃至(3)のうち何れかの1項に記載の給電システム。
(5) 前記端末は、前記情報処理部を介して、前記給電設備の位置情報及び利用状況情報を取得する機能を更に有する、(1)乃至(4)のうち何れかの1項に記載の給電システム。
(6) 前記給電設備は、前記情報処理部に給電停止要求を送信する機能を有し、前記情報処理部は、前記給電停止要求に応じて、前記管理設備に放電停止指示を送信する、(1)乃至(5)のうち何れかの1項に記載の給電システム。
(7) 前記端末は、前記情報処理部に給電停止要求を送信する機能を有し、
前記情報処理部は、前記給電停止要求に応じて、前記管理設備に放電停止指示を送付する、(1)乃至(5)のうち何れかの1項に記載の給電システム。
(8) 前記蓄電設備は、レドックスフロー電池、揚水発電、リチウムイオン電池、NAS電池に基づく設備のうち少なくとも1つを含む、(1)乃至(7)のうち何れかの1項に記載の給電システム。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、再生可能エネルギー発電設備により発電された電力を効率的かつ有効に利用する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る給電システムの構成の一例を示す図である。
図2】本発明の第2実施形態に係る給電システムの構成の一例を示す図である。
図3】第1実施形態及び第2実施形態に係る給電システムの機能的構成のうち、給電処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1及び図2において、実線矢印は情報の流れを示す。破線矢印は電気の流れを示す。
【0011】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る給電システムの構成の一例を示す図である。
【0012】
図1の例の給電システムは、ユーザサイトUSと、情報処理部Vと、端末3と、給電設備4とを含むように構成されている。
「ユーザサイトUS」とは、ユーザUにより再生可能エネルギー発電設備により発電された電力が一旦蓄積される場所を意味する。以下、ユーザサイトUSで前記再生可能エネルギー発電設備により発電された電力が蓄電されることを「再エネ蓄電」と呼ぶ。
図1の例の給電システムは、電力需要家による電力需要デバイスEに充電させるための電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する主体が端末3である場合の一例を示している。以下、図1の例の給電システムの特徴について説明する。
【0013】
ユーザサイトUSは、再生可能エネルギー発電設備Pにより発電された電力を蓄える蓄電設備Bと、前記蓄電設備Bの制御及び管理をする管理設備2とを有する。
【0014】
ここで、再生可能エネルギー発電設備Pは、図1の例ではユーザサイトUSに設置されているが、ユーザサイトUSの必須な構成要素ではなく、ユーザサイトUSの外部に設置され、蓄電設備Bと送電線等により接続されるようにしてもよい。再生可能エネルギー発電設備Pとして、太陽光発電設備、風力発電設備、水力発電設備、バイオマス発電設備、地熱発電設備等が挙げられる。
【0015】
蓄電設備Bは、再生可能エネルギー発電設備Pにより発電された電力を蓄える機能を有する設備である。蓄電設備Bは、例えば蓄電池として構成されてもよいし、蓄電池を有する装置や機械(例えば、電気自動車)として構成されてもよいし、揚水発電であってもよい。
ここで、蓄電池は、特に限定されず任意なものを採用することができる。例えば、リチウムイオン電池、ナトリウム―硫黄電池(NAS電池)、全固体電池、レドックスフロー電池(以下、RFBと称することもある。)等を採用することができる。
蓄電設備Bとして、RFBを採用することが好ましい。RFBを採用することで、後述の管理設備2は、RFBの電解液の量、活物質の種類、活物質の濃度、及び活物質の価数等の情報を取得して、これらの情報に基づいて供給できる電力量を含む蓄電情報をリアルタイムに取得することが容易となる。
【0016】
管理設備2は、蓄電設備Bに対する制御及び管理(例えば充放電制御や蓄電情報のリアルタイム取得)を行うと共に、情報処理部Vとの間で各種情報の授受を行う。具体的には、管理設備2は、ユーザサイトUSの識別情報を含むユーザサイト情報と、蓄電設備Bの供給できる電力の量(以下「供給できる電力量」という)を含む蓄電情報とを情報処理部Vに送信する。ここで、供給できる電力量は蓄電設備Bから取り出せる全電力量のことであってもよく、蓄電設備Bから取り出せる全電力量からユーザサイトUSのユーザUが利用する予定の電力量が除かれた余剰電力量のことであってもよい。ここで、蓄電設備Bから取り出せる全電力量は管理設備2により推定されるリアルタイム値である。例えば、蓄電設備Bがレドックスフロー電池であれば、管理設備2は、活物質の平均価数をリアルタイムで測定し、前記平均価数、電解液の量、活物質の種類とその濃度、及びレドックスフロー電池の充放電効率に基づいて、レドックスフロー電池の取り出せる全電力量をリアルタイムに推定することができる。ユーザUが利用する予定の電力量は管理設備2で設定する(例えばユーザUが入力する)ことができる。
ユーザサイトUSの識別情報は、例えば、再生可能エネルギー発電設備P、蓄電設備B、及び管理設備2の夫々の装置を一意に識別可能な情報(例えば、装置のID情報等)として挙げられる。
蓄電情報は、供給できる電力量の他、蓄電設備Bの空き容量(蓄電設備Bの蓄電可能な電力総量から取り出せる全電力量を差し引いた電力量)等を含むようにすることができる。更に、蓄電情報に電力の利用料金情報を含むようにすることもできる。ここで、電力の利用料金とは、ユーザUにより設定される。電力需要家が前記供給できる電力量を利用するために支払う電力料金の単価(例えば、X円/kWh)を例として挙げられる。
また、管理設備2は、後述する情報処理部Vからの放電指示に基づいて、蓄電設備Bから所定の送配電網Gに電力を送り出すように放電させる制御を実行する。ここで、送配電網Gは、複数の送電線、配電線、変電所等により構成されていてもよく、蓄電設備Bと電力需要家とをつなぐ一本の電線のみで構成されていてもよい。
【0017】
情報処理部Vは、ユーザサイトUS側から送信されたユーザサイト情報及び蓄電情報と、電力需要家側から送信された電力需要要求、端末3の識別情報を含む端末情報、及び給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を受信して、情報処理部Vにおいて管理される。そして、情報処理部Vは、ユーザサイト情報を識別して、前記ユーザサイトから供給される電力が再生可能エネルギー発電設備Pより発電された電力であることを認証する(以下「再エネ証明」ともいう)。
情報処理部Vは、ユーザサイト情報、蓄電情報、端末情報、給電設備情報、及び電力需要要求に基づいて、蓄電設備Bに対する放電指示と、給電設備4に対する給電指示とを生成して、管理設備2と給電設備4との夫々に送信する制御を実行する。
具体的に、例えば、情報処理部Vは、ユーザサイト情報、蓄電情報、端末情報、及び電力需要要求を用いて、マッチングを行い、マッチングが成功すれば、前記マッチング結果及び給電設備情報に基づいて、蓄電設備Bに対する放電指示及び給電設備4に対する給電指示を生成して、管理設備2と給電設備4との夫々に送信する制御を実行する。
【0018】
情報処理部Vは、例えば、再エネ証明を含む情報処理を管理サーバ1で行う集中管理形態や、管理サーバ1を使わず、ネットワークNを利用して情報処理をブロックチェーン技術(分散台帳管理技術を含む)により行う分散管理形態や、前記2つの形態を利用する併用管理形態とすることができる。併用形態を採用する場合、例えば、再エネ証明はブロックチェーン技術により通信ネットワークNで行われ、他の情報処理(例えば、マッチング)は管理サーバ1により行われるようにすることができる。図1に示す情報処理部Vは併用形態とした。
【0019】
管理サーバ1は、汎用性を有する情報処理装置で構成されることができる。
【0020】
通信ネットワークNは、少なくとも複数のユーザサイトUSのデータを保存可能な設備(例えば、管理設備2や、管理設備2と別のデータ管理及び通信ができる設備)が有線通信又は無線通信により互いに接続されるように構成されたネットワークを一例として挙げられる。なお、通信ネットワークNには、電力需要家の端末3等がさらに含まれていてもよい。ブロックチェーン技術を採用する分散管理形態は多重台帳であるため、中央集権管理形態と比べて記録の喪失や改竄等に対して安全性が高くなり、更にシステム導入コストや利用運用にかかわるコストが削減できるという利点がある。
【0021】
端末3は、給電設備4から給電設備4の識別情報を含む給電設備情報の取得を行う。そして、端末3は、電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。電力需要要求は、例えば、(給電設備4に対する)給電開始要求、需要電力量情報等が挙げられる。電力需要要求は、更に電力利用料金に関する要求を含んでいてもよい。電力利用料金に関する要求は、例えば、電力需要家により設定された前記蓄電設備2による供給できる電力量を利用するための希望利用料金(例えばY円/kWh以下)のことを例として挙げられる。
【0022】
端末3は、例えば、電力需要家により操作されるスマートフォン、コンピュータ等通信機能を有する電子機器等で構成され、情報処理部Vと通信することができる。
ここで、端末3と電力需要デバイスEとは分離していてもよいが、端末3が電力需要デバイスEの一部を構成してもよい。即ち、端末3と情報処理部Vとの間の通信は、電力需要デバイスEから独立した端末3の通信機能を利用してもよいし、電力需要デバイスEに内蔵されている端末3の通信機能を利用してもよい。
電力需要デバイスEは、各種各様な電気デバイスであり、例えば、蓄電池、または蓄電池を有していてもよい電気自動車(EV)、ドローン、パーソナルコンピュータ、ロボット等は、いずれも電力需要デバイスEの一例である。
また、電力需要要求は電力需要デバイスEで自動的に生成してもよく、端末3が電力需要デバイスEの電力需要状況に基づいて、端末3で自動的に生成してもよく、電力需要家により、何等かの手段を用いて、端末3又は電力需要デバイスEで生成させてもよい(例えば、電力需要家が電力需要要求をスマートフォンに入力してもよい)。電力需要要求は電力需要デバイスEにより生成する場合、端末3は電力需要デバイスEから、電力需要要求を取得することができる。このようにして生成された電力需要要求は、端末3により、情報処理部Vに送信される。
【0023】
給電設備4は、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を端末3に取得させることができる。
また、給電設備4は、情報処理部Vから送信された給電指示に応じて、所定の送配電網Gから電力を受電し、電力需要デバイスEに対する給電を行う。
給電設備4として、例えば、充電スタンド、スマートコンセント等が挙げられる。電気窃盗防止のため、普段、給電設備4は電力を供給できない状態になっているが、情報処理部Vから対象となる給電設備4に給電指示を送ると、対象となる給電設備4が給電できる状態に切り替わる。具体的には例えば、所定の送配電網Gからの電力供給を遮断するスイッチを給電設備4の内部に設け、情報処理部Vから給電設備4に給電指示があると当該スイッチのON/OFFが切替わるようにしてもよい。
【0024】
なお、図1は、電力需要要求は端末3又は電力需要デバイスEにおいて、生成した実施形態を示すものである。ここで、電力需要要求は給電設備4で生成する/させることもできる。例えば、電力需要家により、充電スタンドに電力需要要求を入力して、電力需要要求を生成させる。この場合、端末3は、給電設備4から電力需要要求と給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を取得する。そして、端末3は、給電設備4で生成した電力需要要求と、端末3の端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。
【0025】
このような図1の例の給電システムでは例えば次のような一連の処理が実行される。また、次のような一連の処理は本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。場合により、一部分のステップの順番を変更することができる。
ステップSS11において、管理設備2は、ユーザサイト情報と蓄電情報とを情報処理部Vに送信する。
ステップSS12において、情報処理部Vで再エネ証明が行われる。ユーザサイト情報と蓄電情報が情報処理部Vに管理される。
ステップSS13において、端末3は、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を取得する。
ステップSS14において、端末3は、電力需要要求を生成し、その電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。
ステップSS15において、情報処理部Vは、ユーザサイト情報と、蓄電情報と、電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報とに基づいて、マッチングを行い、マッチングが成功すれば、前記マッチング結果及び給電設備情報に基づいて、管理設備2に対する放電指示及び給電設備4に対する給電指示を作成して、生成した放電指示及び給電指示を管理設備2と給電設備4との夫々に送信する。マッチングの具体的な実施形態として、例えば、情報処理部Vが、それぞれのユーザサイトUSから受信した蓄電情報に含まれた供給できる電力量情報を、電力需要要求の需要電力量情報とマッチングさせて、供給できる電力量が需要電力量を満たすことができるユーザサイトUSを抽出する。このとき抽出されるユーザサイトUSは1つでも良いし、提供できる電力量を合計することで需要電力量を満たすことができる1以上のユーザサイトUSを抽出しても良い。或いは、情報処理部Vが、ユーザサイト情報に含まれたユーザサイトUSの識別情報と、端末3の識別情報と、をマッチングさせて、ユーザサイトUSを抽出する。具体的な例として、事前に、特定のユーザサイトUSの識別情報と特定の端末3の識別情報と、をリンクさせて、前記端末3から送付されてきた電力需要要求に対して、優先的に前記ユーザサイトUSを抽出する。或いは、情報処理部Vは、電力利用料金情報、電力利用料金に関する要求情報に基づいたマッチングを行い、ユーザサイトUSを抽出することもできる。なお、上記のマッチングを一つのみ行ってもよく、同時に又は優先順位を付けて、複数のマッチングを行ってもよい。
ステップSS16において、管理設備2は、ステップSS15で情報処理部Vから送信された放電指示に基づいて、蓄電設備Bから所定の送配電網Gに電力を送り出すように放電させる制御を実行する。
ステップSS17において、給電設備4は、ステップSS15で情報処理部Vから送信された給電指示に基づいて、所定の送配電網Gから電力を受電し、電力需要デバイスEに給電する制御を実行する。
【0026】
このように、図1に示す構成では、端末3が、電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。このようにして、電力需要家は端末3を操作して、電力需要デバイスEへの給電を行うことが可能となる。
【0027】
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態に係る給電システムの構成の一例を示す図である。
【0028】
図2の例の給電システムは、図1の例と同様に、ユーザサイトUSと、情報処理部Vと、端末3と、給電設備4とを含むように構成されている。
ただし、図2の例の給電システムは、電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する主体が給電設備4である点で図1の例と相違する。
以下、図2の例の給電システムの特徴について説明する。なお、ユーザサイトUS、及び情報処理部Vの構成は、図1の例と同様であるため説明を省略する。
【0029】
端末3又は電力需要デバイスEは、電力需要要求を生成する。電力需要要求が電力需要デバイスEにより生成する場合、端末3は電力需要デバイスEから、電力需要要求を取得することができる。
【0030】
給電設備4は、端末3から電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報を取得する。そして、給電設備4は、電力需要要求と、端末3の端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。
また、給電設備4は、情報処理部Vから送信された給電指示に応じて、所定の送配電網Gから電力を受電し、電力需要デバイスEに対する給電を行う。
【0031】
また、ここで、図2に示す実施形態と異なり、電力需要要求を給電設備4で生成させることもできる。この場合、給電設備4は、端末3から端末3の識別情報を含む端末情報を取得する。そして、給電設備4は、給電設備4で生成させた電力需要要求と、端末3の端末情報と、給電設備4の給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。
【0032】
このような図2の例の給電システムでは例えば次のような一連の処理が実行される。また、次のような一連の処理は本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。場合により、一部分のステップの順番を変更することができる。
ステップSS21において、管理設備2は、ユーザサイト情報と蓄電情報とを情報処理部Vに送信する。
ステップSS22において、情報処理部Vで再エネ証明が行われる。ユーザサイト情報と蓄電情報が情報処理部Vに管理される。
ステップSS23において、給電設備4は、端末3から電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報とを取得する。
ステップSS24において、給電設備4は、端末3から取得した電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報と、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。
ステップSS25において、情報処理部Vは、ユーザサイト情報と、蓄電情報と、電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報とに基づいて、マッチングを行い、マッチングが成功すれば、前記マッチング結果及び給電設備情報に基づいて、管理設備2に対する放電指示及び給電設備4に対する給電指示を生成する。また、情報処理部Vは、生成した放電指示及び給電指示を管理設備2と給電設備4との夫々に送信する制御を実行する。マッチングの具体的な実施形態はSS15の実施形態と同様である。
ステップSS26において、管理設備2は、ステップSS25で情報処理部Vから送信された放電指示に基づいて、蓄電設備Bから電力を所定の送配網Gに電力を送り出すように放電させる制御を実行する。
ステップSS27において、給電設備4は、ステップSS25で情報処理部Vから送信された給電指示に基づいて、所定の送配電網Gから電力を受電し、電力需要デバイスEに給電する制御を実行する。
【0033】
このように、図2に示す構成では、給電設備4が、電力需要要求と、端末3の端末情報と、給電設備4の給電設備情報とを情報処理部Vに送信する。このようにして、電力需要家は、端末3を操作して、電力需要デバイスEに給電を行うことが可能となる。
【0034】
上記のように、本実施形態に係る給電システムによれば、再エネ証明された電力が、複数の蓄電設備を用いた分散電源として大量に配置され、あたかも電力需給調整を大きな蓄電池で行うバーチャル蓄電を実現させることができ、再エネ蓄電された電力の利用効率を向上することができる。
【0035】
給電システムの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、給電システムにおける給電処理を含む各種処理の実行が可能になる。
【0036】
図1及び図2には、ユーザサイトUS、端末3、給電設備4の夫々が1つのみ描画されているが、これは説明を簡略化させるための例示に過ぎない。同様の構成を有するユーザサイトUS、端末3、給電設備4の夫々が複数存在し得る。
また、図1及び図2には管理設備2、再生可能エネルギー発電設備P、及び蓄電設備Bの夫々が1つのみ描画されているが、これは説明を簡略化させるための例示に過ぎない。同様の構成を有する管理設備2、再生可能エネルギー発電設備P、及び蓄電設備Bの夫々が複数存在し得る。
【0037】
図3は、上述の実施形態に係る給電システムの機能的構成のうち、給電処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0038】
図3に示すように、給電システムを構成する情報処理部Vにおいては、給電処理が実行される場合、少なくとも受信部101と、認証部102と、マッチング部103と、送信制御部104と、が機能する。
【0039】
受信部101は、後述する管理設備2の送信制御部202から送信されたユーザサイト情報及び蓄電情報と、後述する端末3の送信制御部303または後述する給電設備4の送信制御部402から送信された電力需要要求、端末3の識別情報を含む端末情報、及び給電設備4の識別情報を含む給電設備情報とを受信する。
【0040】
認証部102は、受信したユーザサイト情報及び蓄電情報を識別して、再生可能エネルギー発電設備Pにより発電された電力であることを認証する。
【0041】
マッチング部103は、ユーザサイト情報と、蓄電情報と、電力需要要求、及び端末3の識別情報を含む端末情報に基づいて、マッチングを行う。
【0042】
送信制御部104は、マッチング部103の結果及び給電設備情報に基づいて、蓄電設備Bに対する放電指示及び給電設備4に対する給電指示を生成し、蓄電設備B及び給電設備4にそれぞれ送信をする。
【0043】
ユーザサイトUSの管理設備2においては、給電処理が実行される場合、少なくとも取得部201と、送信制御部202と、電力制御部203とが機能する。
【0044】
取得部201は、蓄電設備Bの供給できる電力量情報を含む蓄電情報をリアルタイムで取得する。
【0045】
送信制御部202は、ユーザサイト情報と前記取得部201からの蓄電情報とを、情報処理部Vに送信する制御を実行する。
【0046】
電力制御部203は、情報処理部Vから送信されてきた放電指示に基づいて、蓄電設備Bに所定の送配電網Gに電力を送り出すための放電をさせる制御を実行する。
【0047】
第1実施形態に係る給電システムを構成する端末3においては、給電処理が実行される場合、取得部301と、要求管理部302と、送信制御部303とが機能する。
【0048】
第1実施形態に係る給電システムを構成する端末3の取得部301は、給電設備4から給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を取得する。
【0049】
第1実施形態に係る給電システムを構成する端末3の要求管理部302は、電力需要要求を生成する。また、要求管理部302は、電力需要要求を構成する要素についての設定を受付ける機能を有してもよい。ここで、設定できる要素は特に限定されず、あらゆる要素の設定を受付けることができる。
【0050】
第1実施形態に係る給電システムを構成する端末3の送信制御部303は、要求管理部302により生成された電力需要要求を情報処理部Vに送信する制御を実行する。この場合、送信制御部303は、電力需要要求と共に、端末3の識別情報を含む端末情報と、取得部301により取得された給電設備情報とを情報処理部Vに送信する制御を実行する。
【0051】
第2実施形態に係る給電システムを構成する端末3においては、給電処理が実行される場合、要求管理部302と、送信制御部303とが機能する。上記する取得部301が有していなくてもよい。
要求管理部302は、電力需要要求を生成する。
送信制御部303は、要求管理部302により生成された電力需要要求と、端末3の識別情報を含む端末情報を給電設備4に送信する制御を実行する。
【0052】
第1実施形態に係る給電システムを構成する給電設備4においては、給電処理が実行される場合、送信制御部402と、電力制御部403と、が機能する。
送信制御部402は、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報を端末3に送信する制御を実行する。
第1実施形態に係る給電システムを構成する給電設備4において、電力制御部403は以下のように機能する。即ち、情報処理部Vから送信されてきた給電指示に応じて、所定の送配電網Gから電力を受電し、電力需要デバイスEに給電する制御を実行する。
【0053】
第2実施形態に係る給電システムを構成する給電設備4においては、給電処理が実行される場合、取得部401と、送信制御部402と、電力制御部403と、が機能する。
取得部401は、端末3から端末3の識別情報を含む端末情報と電力需要要求とを取得する。
送信制御部402は、給電設備4の識別情報を含む給電設備情報と、端末3からの電力需要要求、及び端末3の識別情報を含む端末情報とを情報処理部Vに送信する制御を実行することもできる。
また、第2実施形態に係る給電システムを構成する給電設備4の電力制御部403の機能は、第1実施形態に係る給電システムを構成する給電設備4の電力制御部403の機能と同様であるため説明を省略する。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0055】
また、図1乃至図2に示すシステム構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0056】
また、第1実施形態及び第2実施形態には示していないが、情報処理部V、端末3、給電設備4、管理設備2は下記の機能を更に有してもよい。
【0057】
情報処理部Vは、給電設備4の位置情報を管理しており、給電設備4から、給電設備4の利用状況情報(例えば、利用されているかどうか、予約されているかどうか、予約されている時間帯等の情報)をリアルタイムに取得する機能を有する。
端末3は、情報処理部Vを介して、給電設備4の位置情報及び利用状況情報をリアルタイムに取得する機能を有する。このことにより、電力需要家が前記給電設備4の位置情報及び利用状況情報に基づいて、利用したい給電設備4を選定するができる。また、端末3は、選定した給電設備4に対して、利用時間を予約するため、予約情報を給電設備4や情報処理部Vに送信する機能を更に有してもよい。
給電設備4は、上記利用状況情報を情報処理部Vに送信する機能を有する。また、端末3から又は情報処理部Vを介して、端末3からの予約情報を取得する機能を更に有してもよい。
これらの機能により、端末3を介して、電力需要家が、給電設備4の位置情報及び利用状況情報と、電力需要デバイスEの位置情報や、電力需要デバイスEに充電させたい時間等に基づいて、最適の給電設備4を選定又は予約することができる。
【0058】
なお、端末3又は給電設備4は、電力需要デバイスEに対する給電が開始して、需要電力量が満たされる前に、電力需要家により給電を停止させたい場合や、電力需要デバイスEに給電するための電力需要デバイスEと給電設備4の電気的接続が切られた場合に、情報処理部Vに対し、給電停止要求を送信する機能を有していても良い。前記給電停止要求に対して、情報処理部Vから、対象となるユーザサイトUSの管理設備2に対し、放電停止指示を送信する機能を有する。管理設備2は情報処理部Vから送信されてきた放電停止指示に基づいて、蓄電設備Bに所定の送配電網Gへ電力を送り出すための放電を停止させる機能を有する。
【0059】
また、本明細書において、「システム」という用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0060】
本発明によれば、再エネ蓄電された電力は、ユーザサイトUSのみならず、ユーザサイトUSと異なる場所で消費することが可能になる。
これにより、ユーザサイトUSに存在する蓄電設備Bからの放電回数や放電電力量を増やすことができる。その結果、設備を設置するための導入コストや給電システムを利用及び運用するコストの削減が可能となる。また蓄電池に蓄電された余剰電力は、需要のある電力需要家によって使用されることが可能になる。一定量しか蓄電できない蓄電池でも、随時電力が消費されるため、発電された再生エネルギーを逐次蓄電することが可能になる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・管理サーバ、2・・・管理設備、3・・・端末、4・・・給電設備、V・・・情報処理部、US・・・ユーザサイト、P・・・再生可能エネルギー発電設備、B・・・蓄電設備、E・・・電力需要デバイス、N・・・通信ネットワーク、G・・・送配電網、SS・・・各ステップ、101・・・受信部、102・・・認証部、103・・・マッチング部、104・・・送信制御部、201・・・取得部、202・・・送信制御部、203・・・電力制御部、301・・・取得部、302・・・要求管理部、303・・・送信制御部、401・・・取得部、402・・・送信制御部、403・・・電力制御部
図1
図2
図3