(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、メッセージ通知システム、メッセージ通知方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/214 20220101AFI20240409BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240409BHJP
【FI】
H04L51/214
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2020023780
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】内堀 寛基
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 淑美
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-021216(JP,A)
【文献】特開2005-150847(JP,A)
【文献】特開2009-187444(JP,A)
【文献】特開2017-107593(JP,A)
【文献】特開2005-318572(JP,A)
【文献】特開2017-152032(JP,A)
【文献】特開2012-253550(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0350129(US,A1)
【文献】特開2014-052967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/214
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置又は機器とネットワークを介して通信する情報処理システムであって、
メッセージの通知条件に応じて、前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知するメッセージ管理部を有し、
前記メッセージの通知条件は、前記端末装置又は前記機器を操作するユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリ、
並びに、前記メッセージの通知条件は表示デバイスであり、
前記メッセージ管理部は、認証の成功により特定したユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリが前記メッセージの通知条件を満たし、かつ、
前記端末装置又は前記機器から送信された機器情報が前記メッセージの通知条件の表示デバイスに含まれる場合に前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知することを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記メッセージ管理部は、前記端末装置又は前記機器から前記メッセージの通知条件の登録を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記メッセージ管理部は、前記メッセージを通知したユーザの識別情報を記録しておき、
前記端末装置又は前記機器からの要求に応じて前記ユーザの識別情報を送信することを特徴とする請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記メッセージ管理部は、前記端末装置又は前記機器から、すでに登録されている前記メッセージの通知条件の編集又は削除を受け付けることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記メッセージの通知条件には、前記メッセージの通知条件をカスタマイズできるか否かが設定されており、
前記メッセージ管理部は、前記端末装置又は前記機器から、すでに登録されている前記メッセージの一覧を要求された場合、
前記メッセージの通知条件のカスタマイズが可能か否かの注記を添付して前記メッセージの一覧を送信することを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記メッセージの通知条件は複数の顧客を管理する第一の管理者により登録され、
前記メッセージ管理部は、1つの顧客内のユーザを管理する第二の管理者から、すでに登録されている前記メッセージの通知条件のカスタマイズを受け付け、前記メッセージのカスタマイズ情報を作成し、
前記メッセージのカスタマイズ情報で前記メッセージの通知条件を変更し、変更した前記メッセージの通知条件に応じて、前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知することを特徴とする請求項
5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
端末装置又は機器と情報処理システムとがネットワークを介して通信するメッセージ通知システムであって、
前記情報処理システムは、
メッセージの通知条件に応じて、前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知するメッセージ管理部を有し、
前記メッセージの通知条件は、前記端末装置又は前記機器を操作するユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリ、
並びに、前記メッセージの通知条件は表示デバイスであり、
前記メッセージ管理部は、認証の成功により特定したユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリが前記メッセージの通知条件を満たし、かつ、
前記端末装置又は前記機器から送信された機器情報が前記メッセージの通知条件の表示デバイスに含まれる場合に前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知し、
前記端末装置又は前記機器は、
前記情報処理システムから送信された前記メッセージを表示する表示制御部を有することを特徴とするメッセージ通知システム。
【請求項8】
端末装置又は機器と情報処理システムとがネットワークを介して通信するメッセージ通知システムが行うメッセージ通知方法であって、
前記情報処理システムは、
メッセージ管理部が、メッセージの通知条件に応じて、前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知するステップを有し、
前記メッセージの通知条件は、前記端末装置又は前記機器を操作するユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリ、
並びに、前記メッセージの通知条件は表示デバイスであり、
前記メッセージ管理部は、認証の成功により特定したユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリが前記メッセージの通知条件を満たし、かつ、
前記端末装置又は前記機器から送信された機器情報が前記メッセージの通知条件の表示デバイスに含まれる場合に前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知し、
前記端末装置又は前記機器は、
表示制御部が、前記情報処理システムから送信された前記メッセージを表示するステップを有することを特徴とするメッセージ通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、メッセージ通知システム、及び、メッセージ通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワーク上のアプリやサービスを利用しているユーザへ、サービス提供者側等からメッセージを通知する場合がある。このようなメッセージ送信をユーザ別に行う技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、ユーザに対して共通して閲覧させるコンテンツと顧客ごとの個別メッセージを運転者がサーバに登録しておき、ユーザからコンテンツが取得されるとサーバが共通コンテンツと顧客ごとのメッセージを組み合わせてユーザに送信する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、通知条件に基づいてメッセージを通知することができないという問題があった。例えば、従来の技術では、顧客内の管理者が個別メッセージを顧客情報と紐づけることでユーザごとのメッセージを機器が表示している。しかし、この方法では顧客情報を直接知らない地域や国別の業務担当者などがメッセージを登録できない。つまり、業務担当者はユーザに関する通知条件を指定してメッセージを通知できない。また、従来の技術ではメッセージを表示する機器に関する通知条件が設定されていない。このため、画像形成装置に関するメッセージが電子黒板を使用するユーザにも通知されてしまい、不要なメッセージが通知される場合があった。
【0004】
本発明は、上記課題に鑑み、通知条件に基づいてメッセージを通知する情報処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題に鑑み、本発明は、端末装置又は機器とネットワークを介して通信する情報処理システムであって、メッセージの通知条件に応じて、前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知するメッセージ管理部を有し、前記メッセージの通知条件は、前記端末装置又は前記機器を操作するユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリ、並びに、前記メッセージの通知条件は表示デバイスであり、前記メッセージ管理部は、認証の成功により特定したユーザが所属する国、ロール、及び、利用しているアプリが前記メッセージの通知条件を満たし、かつ、前記端末装置又は前記機器から送信された機器情報が前記メッセージの通知条件の表示デバイスに含まれる場合に前記メッセージを前記端末装置又は前記機器に通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
通知条件に基づいてメッセージを通知する情報処理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】メッセージの通知条件に基づくメッセージの表示方法を説明する図である。
【
図2】メッセージ通知システムの一例のシステム構成を示す図である。
【
図3】情報処理システム及び端末装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】機器の一例である画像形成装置の一例のハードウェア構成図である。
【
図5】メッセージ通知システムの全体的な構成を説明する図である。
【
図6】開発者が操作する端末装置等が表示するワークフロー設定画面の一例を示す図である。
【
図7】メッセージ通知システムの一例の機能構成を示す図である。
【
図8】業務担当者がメッセージを登録、編集又は削除する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図10】業務担当者が操作する端末装置が表示するトップ画面の一例を示す図である。
【
図11】業務担当者が操作する端末装置が表示するメッセージ管理画面の一例を示す図である。
【
図12】業務担当者が操作する端末装置が表示するメッセージ登録画面の一例を示す図である。
【
図13】業務担当者が操作する端末装置が表示するメッセージ編集画面の一例を示す図である。
【
図14】テナント管理者がメッセージを登録、編集又は削除する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図15】テナント管理者が操作する端末装置が表示するトップ画面の一例を示す図である。
【
図16】テナント管理者が操作する端末装置が表示するメッセージ管理画面の一例を示す図である。
【
図17】テナント管理者が操作する端末装置が表示するメッセージ登録画面の一例を示す図である。
【
図18】テナント管理者が操作する端末装置が表示するメッセージ編集画面の一例を示す図である。
【
図19】ユーザが操作する機器がメッセージを表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図20】ユーザが操作する機器が表示するトップ画面の一例である示す図である。
【
図21】ユーザが操作する機器が表示するメッセージ画面の一例である示す図である。
【
図22】ユーザが操作する機器が表示するメッセージ詳細画面の一例である示す図である。
【
図23】情報処理システムがカスタマイズ情報を受け付け、メッセージに反映する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【
図24】テナント管理者が操作する端末装置が表示するメッセージ管理画面の一例を示す図である。
【
図25】ユーザが操作する機器がメッセージを表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態の一例として、情報処理システムと情報処理システムが行うメッセージ通知方法について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0009】
<本実施形態の概略>
まず、
図1を参照して、本実施形態のメッセージ通知システムの概略を説明する。
図1は、メッセージの通知条件に基づくメッセージの表示方法を説明する図である。
【0010】
(1) 本実施形態では、地域別や国別の業務担当者(第一の管理者の一例)又はテナント管理者(第二の管理者の一例)がメッセージを情報処理システム50に登録する際に通知対象となるユーザの条件及び機器20の種類を設定する。業務担当者又はテナント管理者は適切なユーザや機器にメッセージを通知する通知条件をメッセージごとに登録できる。
【0011】
(2) ユーザが機器20を使用する場合、情報処理システム50がユーザ及び機器20を判断し、ユーザ及び機器20に対し通知条件を満たすメッセージを、機器20を操作するユーザに通知する。
【0012】
このように、本実施形態のメッセージ通知システム100は、ユーザや機器20に対し設定されている通知条件に基づいてメッセージを表示できる。また、地域別や国別の業務担当者及びテナント管理者がメッセージを登録できる。また、表示する機器20が設定されていることで、情報処理システム50はメッセージを表示する機器20を制限できるようになり、メッセージの内容によって適切な機器20にメッセージを表示できるようになる。
【0013】
<用語について>
メッセージとは、ユーザに知らせるべき情報である。お知らせ、伝言、掲示情報、注意などと呼ばれてよい。
【0014】
通知条件は、メッセージをユーザに通知するための条件である。主に、ユーザに関する条件とユーザが操作する機器又は端末装置に関する条件がある。
【0015】
<システム構成例>
図2は、本実施形態に係るメッセージ通知システム100の一例のシステム構成を示す図である。メッセージ通知システム100は、情報処理システム50と、端末装置10と、機器20とを有し、インターネット等の広域的なネットワークNを介して通信可能に接続されている。また、機器20の一例として、画像形成装置20aと電子黒板20bが示されている。なお、ネットワークNはファイアウォールの内側のLANでもよい。
【0016】
情報処理システム50は一台以上の情報処理装置を有し、ネットワークNを介して、クラウドサービス等、各種のサービスを提供する。ストレージサービスなどの外部サービスと連携した一連の処理をサービスとして提供してもよい。情報処理システム50が提供するサービスである一連の処理を例えば、「処理フロー」や「ワークフロー」という。
【0017】
なお、本実施形態では、情報処理システム50の具体例としてクラウドシステムを想定して説明するが、これに限られない。クラウドシステムとは、特定ハードウェア資源が意識されずにネットワーク上のリソースが利用される利用形態をいう。情報処理システム50はインターネット上に存在してもオンプレミスに存在してもよい。
【0018】
機器20は、ユーザが使用する各種の電子機器である。すなわち、機器20は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置20a、電子黒板20b等である。この他、プロジェクタ、テレビ会議端末、カーナビなども機器20となりうる。ユーザは、機器20を用いて、情報処理システム50が提供する各種のサービスを利用することができる。
【0019】
端末装置10は、例えば、業務担当者又はテナント管理者が使用するデスクトップPC、ノート型PC、スマートフォン、タブレット端末等である。業務担当者又はテナント管理者は、端末装置10を用いて、情報処理システム50が機器20に送信して表示させるメッセージを登録、編集、又は、削除することができる。
【0020】
なお、端末装置10を使用して、情報処理システム50が提供する各種のサービスをユーザが利用してもよい。また、業務担当者又はテナント管理者は、機器20を用いて、情報処理システム50が機器20に送信して表示させるメッセージを登録、編集、又は、削除してもよい。
【0021】
なお、
図2に示すメッセージ通知システム100の構成は一例であって、他の構成であってもよい。
【0022】
<ハードウェア構成例>
図3を参照して、本実施形態に係るメッセージ通知システム100に含まれる情報処理システム50、端末装置10及び機器20のハードウェア構成について説明する。
【0023】
<<情報処理システム及び端末装置>>
図3は、本実施形態に係る情報処理システム50及び端末装置10の一例のハードウェア構成を示す図である。
図3に示されているように、情報処理システム50及び端末装置10はコンピュータによって構築されており、CPU501、ROM502、RAM503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、バスライン510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0024】
これらのうち、CPU501は、情報処理システム50及び端末装置10全体の動作を制御する。ROM502は、IPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503は、CPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F509は、通信ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン510は、
図3に示されているCPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0025】
また、キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0026】
<<機器>>
図4は、機器20の一例である画像形成装置20aのハードウェア構成図である。
図4に示されているように、画像形成装置20aは、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0027】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0028】
これらのうち、CPU901は、画像形成装置20aの全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0029】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0030】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDDコントローラ908及びMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC906は、PCIターゲット及びAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931、プリンタ部932、及びファクシミリ部との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0031】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0032】
また、近距離通信回路920には、近距離通信回路のアンテナ920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0033】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931、プリンタ部932及びファクシミリ部933を有している。また、操作パネル940は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなるハードキー940bを備えている。コントローラ910は、画像形成装置20a全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0034】
なお、画像形成装置20aは、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、及びファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0035】
また、ネットワークI/F950は、通信ネットワークN2を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0036】
<全体構成>
図5は、メッセージ通知システム100の全体的な構成を説明する図である。各地域や各国の業務担当者201は端末装置10を操作して、端末装置10を情報処理システム50と通信させる。業務担当者201はメッセージ通知システム100の販売側の担当者である。業務担当者201は後述する全てのテナントに対するメッセージを登録、編集及び削除できる。
【0037】
各地域や各国の顧客はテナントという単位で管理されている。テナントとは顧客内のユーザのグループである。1つのテナントは、テナント管理者と一般ユーザを有している。テナント管理者は業務担当者と異なり、テナント内のユーザに対するメッセージのみを登録、編集及び削除できる。
【0038】
情報処理システム50は、メッセージ管理部52、ワークフロー作成ツール203、アプリ204、業務用ツール205、及び、基盤サービス206等を有している。アプリ204は、このワークフロー作成ツール203で作成されたWebアプリである。業務用ツール205はテナントの作成や設定などを業務担当者が行うためのツール(Webアプリ)である。
【0039】
基盤サービス206は、認証部(ユーザ認証、機器認証)、アプリ管理、及び、契約管理等を行うサービス(ツールの集合)である。アプリ管理はアプリを管理する機能であり、契約管理はテナントがどのアプリを使用できるかというライセンスを管理する機能である。
【0040】
<ワークフローの一例>
図6を参照して、開発者が行うワークフローの設定の概略を説明する。
図6は、開発者が操作する端末装置10等が表示するワークフロー設定画面G800の一例である。なお、開発者は業務担当者、テナント管理者又はユーザのいずれでもよい。
【0041】
端末装置10は
図5に示したワークフロー作成ツール203を実行している。
図6(a)では横方向に並んだ3つのアイコン210~212により以下のワークフローが登録されている。
「OCR→ファイルアップロード(外部ストレージサービスA)→メール送信」
1つのアイコン210~212は1つの処理に対応している。機器20はスキャン、FAX受信、又は、メール受信などで画像を取得する。この画像に対しOCR以下の処理が順番に自動的に実行される。
【0042】
管理者は画面の左のメニュー220から所望のアイコンを右側のマスにドラッグすることで、ワークフローを設定できる。処理は左から右に順番に実行される。また、
図6(b)に示すように、上下のマスにアイコン213が設定された場合、ワークフローの処理は分岐し、並行に実行される。このように、開発者は視覚的な操作でアプリ204を登録できる。
【0043】
<機能について>
次に、
図7を参照して、本実施形態に係るメッセージ通知システム100の機能構成について説明する。
図7は、メッセージ通知システム100の一例の機能構成を示す図である。
【0044】
<<端末装置、機器>>
メッセージの登録、編集又は削除に関して端末装置10と機器20の機能はほぼ同じでよいので、端末装置10について説明する。相違については別記する。
【0045】
まず、端末装置10は、第一通信部11と、表示制御部12と、操作受付部13とを有する。これら各機能部は、端末装置10にインストールされた1以上のプログラム(例えばWebブラウザ)に含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0046】
第一通信部11は、情報処理システム50との間で各種の情報を送受信する。本実施形態ではメッセージ登録画面の画面情報等を情報処理システム50から受信し、メッセージ等を情報処理システム50に送信する。
【0047】
表示制御部12は各種の画面の画面情報を解釈してディスプレイ506に表示する。操作受付部13は、ディスプレイ506に表示された各種画面におけるユーザの各種操作を受け付ける。
【0048】
また、機器20は、
図4に示したHD909、RAM902b等により実現される記憶部14を有している。記憶部14には機器情報記憶部15が構築されている。機器情報記憶部15には、当該機器20がどのような機器20であるか(画像形成装置20a、電子黒板20b等)を示す機器20の種類が記憶されている。
【0049】
<<情報処理システム>>
情報処理システム50は、第二通信部51、メッセージ管理部52、認証部53、及び、画面生成部54を有している。これら各機能部は、情報処理システム50にインストールされた1以上のプログラムに含まれる命令をCPU501が実行することで実現される機能又は手段である。
【0050】
第二通信部51は、端末装置10又は機器20との間で各種の情報を送受信する。本実施形態ではメッセージ登録画面の画面情報等を端末装置10又は機器20に送信し、メッセージ等を端末装置10又は機器20から受信する。
【0051】
メッセージ管理部52は、メッセージ情報記憶部59においてメッセージの管理(登録・編集・削除・通知)を行う。認証部53は、業務担当者、テナント管理者、又は、ユーザ(一般ユーザ)などを認証し、認証成功の場合はユーザを特定する。
【0052】
画面生成部54は端末装置10、又は、機器20に表示させるWebページの画面情報を作成する。画面情報は、HTML、XML、CSS(Cascade Style Sheet)、及びJavaScript(登録商標)等により作成される。WebページはWebアプリにより提供されてよい。Webアプリとは、Webブラウザ上で動作するプログラミング言語(たとえばJavaScript(登録商標))によるプログラムとWebサーバ側のプログラムが協調することによって動作し、Webブラウザ上で実行されるソフトウェア又はその仕組みを言う。WebアプリによりWebページを動的に変更できる。
【0053】
情報処理システム50は、
図3に示したHD504、RAM503等により実現される記憶部55を有している。記憶部55にはユーザ情報記憶部56、アプリ情報記憶部57、テナント情報記憶部58、及び、メッセージ情報記憶部59が構築されている。以下、これらについて説明する。
【0054】
【表1】
表1はユーザ情報記憶部56に記憶されているユーザ情報を模式的に示す。ユーザ情報はテナントIDに対応づけられている。つまり、テナントに所属するユーザの数だけユーザ情報が存在する。ユーザ情報記憶部56のユーザにはテナント管理者も含まれる。
・テナント管理者:企業とサービス提供者との契約の範囲内で、顧客環境において、ユーザやテナント管理者等によるサービスの利用に関する管理を行う者である。主にテナント側の担当者である。例えば、テナントへの一般ユーザの登録、一般ユーザのアカウント状態の管理、及び、一般ユーザが利用できるアプリの登録等を行う。
・ユーザ(一般ユーザ):利用権限を割り当てられた場合にアプリを利用できる利用者である。
【0055】
ユーザ情報は、テナントID、ユーザID、パスワード、性、名、メールアドレス、表示言語(ロケール)、アカウントの状態、ロール、及び、アプリ利用権限の各項目を有している。
・テナントID…ユーザが所属するテナントの識別情報である。
・ユーザID…テナント内におけるユーザの識別情報である。
・パスワード…ユーザであることを証明する秘匿情報である。
・姓…ユーザの名字である。
・名…ユーザの名前である。
・メールアドレス…ユーザのメールアドレスである。
・表示言語(ロケール)…ユーザが使用する画面で表示される文字の言語である。
・アカウントの状態…アカウントはユーザが情報処理システム50にログインするための権利のことである。アカウントの状態には「有効、無効又はアカウントロック」の少なくとも3つがある。ユーザ情報が仮登録されると無効となり、本登録により有効となる。有効となった後もテナント管理者が無効に設定できる。アカウントロックは、有効な状態でユーザがパスワードを何回か間違えた場合に設定される。アカウントロックは、例えば、一定期間の経過で有効に戻る点、又は、テナントに所属するユーザとしてカウントされたままである点で無効と異なる。
・ロール…ユーザの権限である。例えば「テナント管理者、ユーザ(一般ユーザ)、業務担当者」がある。
・アプリ利用権限…このユーザが利用可能なアプリのリストである。ユーザに利用権限が割り当てられたアプリのリストを有している。
【0056】
【表2】
表2はアプリ情報記憶部57に記憶されているアプリ情報を模式的に示す。アプリ情報はテナントIDに対応づけて、アプリIDとロールの項目を有している。アプリ情報は業務担当者等がサービスの契約状況に応じて登録する。サービスの契約によって自動的に登録されてもよい。
・テナントID…アプリが販売されたテナントの識別情報である。
・アプリID…アプリの識別情報である。
・ロール…アプリを利用できる権限である。例えば「テナント管理者又は一般ユーザ」がある。
【0057】
【表3】
表3はテナント情報記憶部58に記憶されているテナント情報を模式的に示す。テナント情報はテナントIDに対応づけて、テナント名、登録日、ユーザリスト、国の項目を有している。
・テナントID…テナントの識別情報である。
・テナント名…テナントの名称であり、社名や部署名である。
・登録日…テナントの登録日である。
・ユーザリスト…テナントに所属するユーザの識別情報である。
・国…テナントの所属する国(ユーザが所属する国とも言える)である。
【0058】
【表4】
表4(a)はメッセージ情報記憶部59に記憶されているメッセージ情報を模式的に示す。表4(a)のメッセージ情報は業務担当者が登録、編集又は削除するものである。メッセージ情報はIDに対応づけて、タイトル、詳細内容、通知対象、表示デバイス、期限、確認済み刈り取り、及び、メッセージ確認済みユーザリストの項目を有している。
・ID…メッセージの識別情報である。
・タイトル…メッセージの名称である。メッセージ一覧に表示される。
・詳細内容…メッセージの内容である。
・通知対象…メッセージが表示される国、ユーザのロール、又は、利用しているアプリ等、ユーザに関する通知条件である。これ以外の条件が設定されてもよい。複数条件が設定されている場合、AND条件になる(例:日本かつテナント管理者など)。
・表示デバイス…Web(PC)、 画像形成装置20a、電子黒板20b、モバイル端末等の機器20に関する通知条件が設定される。これ以外の条件が設定されてもよい。
・期限…メッセージの表示期限である。
・確認済み刈り取り…期限までにメッセージを確認しないユーザを情報処理システム50が業務担当者に通知するか否かの設定である。
・メッセージ確認済みユーザリスト…テナントごとに確認済みのユーザが登録される。詳細を表4(b)に示す。
【0059】
なお、業務担当者201は任意のテナントに対するメッセージを登録、編集及び削除できてもよい。
【0060】
表4(b)は、メッセージ確認済みユーザリストの一例である。このように、メッセージ確認済みユーザリストは、メッセージのIDごとにテナントIDとユーザIDが対応付けて管理される。
【0061】
表4(c)はテナント管理者が登録、編集又は削除するメッセージ情報の一例を示す。表4(a)と比較すると、通知対象がない。こうすることでテナント内の全ユーザにメッセージを通知することができる。しかし、テナント管理者が登録、編集又は削除するメッセージ情報でも通知対象を設定できてよい。
【0062】
また、表4(c)のメッセージ情報ではメッセージ確認済みユーザリストにテナントIDがない。これは、テナント管理者はテナント内のユーザしか管理しないためである(テナントが特定されている)。
【0063】
なお、表1~表4は、本実施形態の説明のために示されているに過ぎず主な情報でないものは省略されている。
【0064】
<メッセージ通知システムの動作又は処理>
図8は、業務担当者がメッセージを登録、編集又は削除する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0065】
S1、S2:業務担当者は端末装置10を操作して、端末装置10を情報処理システム50と通信させる。これにより端末装置10の表示制御部12はログイン画面を表示する。ログイン画面の一例を
図9に示す。
【0066】
S3:業務担当者はログインに必要な情報(A:テナントID、ユーザID、パスワード B:メールアドレス、パスワード)を端末装置10に入力する。操作受付部13はログインに必要な情報を受け付ける。AとBの2つのログイン方法があるのは、Aでは、ユーザIDはテナント内で一意であるためテナントIDが必要となり、Bでは、メールアドレスはテナントが異なっても一意であるためである。
【0067】
S4:端末装置10の第一通信部11はログインに必要な情報を指定して認証要求を情報処理システム50に送信する。
【0068】
S5:情報処理システム50の第二通信部51はログインに必要な情報を受信し、認証部53が認証する。すなわち、上記A又はBに該当する情報がユーザ情報記憶部56に記憶されているか否かを判断する。
【0069】
S6:ここでは認証が成功したものとする。これにより、ユーザが特定される。
【0070】
S7:情報処理システム50の第二通信部51はログインOK及び認証情報を端末装置10に送信する。認証情報とは、ログインしたユーザを特定するための情報であり、認証チケットやトークンなどと呼ばれる場合がある。
【0071】
S8:端末装置10の第二通信部51はログインOKと認証情報を受信する。これにより、端末装置10はトップ画面をディスプレイ506に表示する。トップ画面の一例を
図10に示す。
【0072】
S9:業務担当者はトップ画面に対し、メッセージ管理画面にアクセスする操作を入力する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0073】
S10:端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して、メッセージ管理画面で表示される登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0074】
S11:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。業務担当者については通知条件に関係なくメッセージが表示されるが、テナント管理者やユーザと同様に通知条件で制限されてよい。第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0075】
S12:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する。メッセージ管理画面の一例を
図11に示す。
【0076】
続くステップS13~S20はメッセージの登録に関する処理である。
S13、S14:業務担当者は端末装置10を操作して、端末装置10を情報処理システム50と通信させる。これにより端末装置10の表示制御部12はメッセージ登録画面を表示する。メッセージ登録画面の一例を
図12に示す。
【0077】
S15:業務担当者はメッセージ登録画面にメッセージ情報を入力する。操作受付部13は新規のメッセージ情報を受け付ける。
【0078】
S16:端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定してメッセージ情報を情報処理システム50に送信する。
【0079】
S17:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージ情報を受信し、メッセージ管理部52がIDを採番してメッセージ情報記憶部59にメッセージ情報を登録する。すなわち、通知条件の登録を受け付ける。第二通信部51は登録完了を端末装置10に送信する。
【0080】
S18:登録完了を受信した端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0081】
S19:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0082】
S20:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する。これにより、新規に登録されたメッセージがメッセージ管理画面に表示される。
【0083】
続くステップS21~S29はメッセージの編集に関する処理である。
S21:業務担当者は端末装置10を操作して、メッセージ管理画面から編集したいメッセージを選択する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0084】
S22、S23:業務担当者は端末装置10を操作して、端末装置10を情報処理システム50と通信させる。これにより端末装置10の表示制御部12はメッセージ編集画面を表示する。メッセージ編集画面の一例を
図13に示す。
【0085】
S24:業務担当者はメッセージ編集画面でメッセージ情報を編集する。操作受付部13はメッセージ情報の編集を受け付ける。
【0086】
S25:端末装置10の第一通信部11は認証情報と選択されたメッセージのIDを指定して編集したメッセージ情報を情報処理システム50に送信する。
【0087】
S26:情報処理システム50の第二通信部51は編集されたメッセージ情報を受信し、メッセージのIDに基づいて、メッセージ管理部52がメッセージ情報記憶部59のメッセージ情報を、送信されたメッセージ情報で更新する。第二通信部51は更新完了を端末装置10に送信する。
【0088】
S27:更新完了を受信した端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0089】
S28:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0090】
S29:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する。これにより、編集されたメッセージがメッセージ管理画面に表示される。
【0091】
続くステップS30~S36はメッセージの削除に関する処理である。
S30:業務担当者は端末装置10を操作して、メッセージ管理画面から削除したいメッセージを選択する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0092】
S31:業務担当者は端末装置10にメッセージの削除を確認する操作を入力する。端末装置10の操作受付部13は削除の確認を受け付ける。
【0093】
S32:端末装置10の第一通信部11は認証情報と選択されたメッセージのIDを指定してメッセージ情報の削除を情報処理システム50に要求する。
【0094】
S33:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージのIDを受信し、メッセージ管理部52がメッセージのIDで特定されるメッセージ情報記憶部59のメッセージ情報を削除する。第二通信部51は削除完了を端末装置10に送信する。
【0095】
S34:削除完了を受信した端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0096】
S35:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0097】
S36:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する。これにより、メッセージが削除されたメッセージ管理画面が表示される。
【0098】
<<テナント管理者によるメッセージの登録、編集又は削除>>
図14は、テナント管理者がメッセージを登録、編集又は削除する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図14の処理は、操作の主体がテナント管理者に変わった以外は
図8と同様の流れになる。
【0099】
<メッセージの登録、編集又は削除に際し表示される画面例>
続いて、
図9~
図13を参照して、業務担当者が端末装置10を操作した場合にメッセージの登録、編集又は削除に際し表示される画面例を説明する。
図9は、ログイン画面の一例である。
【0100】
図9(a)は端末装置10が表示するログイン画面300の一例である。
図9(a)のログイン画面300は上記のBのログインに必要な情報に対応している。ログイン画面300は、ユーザID欄301、パスワード欄302、及び、ログインボタン303を有している。業務担当者又はテナント管理者はユーザID欄301にユーザIDを入力し、パスワード欄302に自分のパスワードを入力する。業務担当者又はテナント管理者がログインボタン303を押下するとログイン要求が情報処理システム50に送信される。
【0101】
図9(b)は、端末装置10が表示するログイン画面300の一例を示す。
図9(b)のログイン画面は上記のAのログインに必要な情報に対応している。
図9(b)のログイン画面は
図9(a)のログイン画面300と比較して、テナントID欄304とユーザID欄305を有している。このようにユーザはテナントIDを指定してログインすることもできる。なお、業務担当者又はテナント管理者は
図9(a)(b)のログイン画面を切り替えて表示することができる。
【0102】
図10は端末装置10が表示するトップ画面310の一例を示す。トップ画面310は顧客管理ボタン311、商品管理ボタン312、及び、メッセージ管理ボタン313を有している。顧客管理ボタン311は顧客リストなどを表示させ顧客を業務担当者が管理するためのボタンであり、商品管理ボタン312は商品リストなどを表示させ商品を業務担当者が管理するためのボタンである。メッセージ管理ボタン313は、メッセージの一覧を表示させメッセージ情報を業務担当者が管理するためのボタンである。業務担当者がメッセージ管理ボタン313を押下すると
図11のメッセージ管理画面に遷移する。
【0103】
図11は、端末装置10が表示するメッセージ管理画面320の一例を示す。メッセージ管理画面320は、登録ボタン321、編集ボタン322、削除ボタン323、及び、メッセージ一覧欄324を有している。また、メッセージ一覧欄324は、選択欄325、タイトル欄326、対象欄327、表示デバイス欄328、表示期限欄329、確認済みチェック欄330を有している。タイトル欄326は、表4(a)のメッセージ情報のタイトルに対応し、対象欄327は通知対象に対応し、表示デバイス欄328は表示デバイスに対応し、表示期限欄329は期限に対応し、確認済みチェック欄330は確認済み刈り取りに対応している。
【0104】
登録ボタン321の押下により、端末装置10が
図12のメッセージ登録画面を表示する。また、メッセージ一覧欄324の選択欄325が選択された状態で編集ボタン322が押下されると、端末装置10が
図13のメッセージ編集画面を表示する。メッセージ一覧欄324の選択欄325が選択された状態で削除ボタン323が押下されると、端末装置10が削除の確認を問い合わせるダイアログを表示する。
【0105】
図12は端末装置10が表示するメッセージ登録画面340の一例を示す。メッセージ登録画面340は、タイトル入力欄341、詳細内容入力欄342、通知対象入力欄343、表示デバイス設定欄347、期限設定欄348、及び、確認済みチェック設定欄349を有している。タイトル入力欄341は、表4(a)のメッセージ情報のタイトルに対応し、詳細内容入力欄342は詳細内容に対応し、通知対象入力欄343は通知対象に対応し、表示デバイス設定欄347は表示デバイスに対応し、期限設定欄348は期限に対応し、確認済みチェック設定欄349は確認済み刈り取りに対応している。
【0106】
業務担当者はタイトル入力欄341にメッセージのタイトルを、詳細内容入力欄342にメッセージの詳細を入力する。通知対象入力欄343は国入力欄344、ロール入力欄345、及び、利用アプリ設定欄346を有している。業務担当者は、国入力欄344に国名を入力し、ロール入力欄345に「管理者」又は「一般ユーザ」を設定し、及び、利用アプリ設定欄346にアプリ名を入力する。また、業務担当者は表示デバイス設定欄347に機器20に関する通知条件(Web、MFP、電子黒板)を設定する。なお、Webは一般のPCを意味している。また、業務担当者は期限設定欄348にメッセージを表示する期限を設定する。また、業務担当者は確認済みチェック設定欄349に確認済み刈り取りを行うか否かを設定する。
【0107】
図13は端末装置10が表示するメッセージ編集画面350の一例を示す。メッセージ編集画面350の説明ではメッセージ登録画面340との相違を説明する。メッセージ編集画面350は、更に、メッセージ確認済みユーザリスト欄351を有している。メッセージ確認済みユーザリスト欄351には表4(b)のメッセージ確認済みユーザリストが表示される。
【0108】
<<テナント管理者が表示する画面>>
図15~
図18を参照して、テナント管理者が端末装置10を操作した場合にメッセージの登録、編集又は削除に際し表示される画面例を説明する。なお、ログイン画面は業務担当者と共通である。
【0109】
図15は端末装置10が表示するトップ画面360の一例を示す。テナント管理者が表示するトップ画面360では、アプリアイコン361、及び、設定ボタン362を有している。アプリアイコン361は、表1のユーザ情報においてテナント管理者が使用する権限を有するアプリである。
【0110】
設定ボタン362が押下されるとメッセージ管理ボタン363が表示される。メッセージ管理ボタン363は、テナント管理者がメッセージの一覧を表示させ、メッセージ情報をテナント管理者が管理するためのボタンである。テナント管理者がメッセージ管理ボタン363を押下すると
図16のメッセージ管理画面に遷移する。
【0111】
トップ画面360はメッセージアイコン364を有する。後述するようにテナント管理者に対するメッセージがある場合、メッセージアイコン364にメッセージの数が表示される。
【0112】
なお、情報処理システム50の画面生成部54は認証したユーザのロールに応じて、トップ画面310、360を切り替えて作成する。
【0113】
図16は端末装置10が表示するメッセージ管理画面370の一例を示す。テナント管理者が表示するメッセージ管理画面370は、登録ボタン371、編集ボタン372、削除ボタン373、及び、メッセージ一覧欄374を有している。また、メッセージ一覧欄374は、選択欄375、タイトル欄376、表示デバイス欄377、及び、表示期限欄378を有している。タイトル欄376は、表4(c)のメッセージ情報のタイトルに対応し、表示デバイス欄377は表示デバイスに対応し、表示期限欄378は期限に対応している。
【0114】
登録ボタン371の押下により、端末装置10が
図17のメッセージ登録画面を表示する。また、メッセージ一覧欄374の選択欄375が選択された状態で編集ボタン372が押下されると、端末装置10が
図18のメッセージ編集画面を表示する。メッセージ一覧欄374の選択欄375が選択された状態で削除ボタン373が押下されると、端末装置10が削除の確認を問い合わせるダイアログを表示する。
【0115】
図17は、端末装置10が表示するメッセージ登録画面380の一例を示す。テナント管理者が表示するメッセージ登録画面380の説明では
図12との相違を説明する。
図17のメッセージ登録画面380は、通知対象入力欄343を有していない。これは、表4(c)では通知対象が管理されないためである。テナント管理者が通知対象を管理する場合、メッセージ登録画面は
図12と同様でよい。
【0116】
図18は端末装置10が表示するメッセージ編集画面390の一例を示す。テナント管理者が表示するメッセージ編集画面390の説明ではメッセージ登録画面380との相違を説明する。メッセージ編集画面390は、更に、メッセージ確認済みユーザリスト欄391を有している。メッセージ確認済みユーザリスト欄391には表4(c)のメッセージ確認済みユーザリストが表示される。
【0117】
<ユーザ(一般ユーザ)が操作する機器に情報処理システムがメッセージを表示する動作又は処理>
図19は、ユーザが操作する機器20がメッセージを表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
【0118】
S41~S48:ログインに関する処理の流れは
図8のステップS1~S8と同様でよい。しかし、機器20が情報処理システム50と通信する場合、第一通信部11は機器情報記憶部15に記憶されている機器情報を他の情報(例えば、ログインに必要な情報)に添付する。これにより、情報処理システム50は機器20の種類を特定できる。なお、ユーザが端末装置10を操作して、端末装置10と情報処理システム50が通信する場合、端末装置10は機器情報を送信しない。端末装置10は機器情報を保持していないためである。したがって、情報処理システム50は機器情報が送信されないことから、端末装置10であること(機器の種類がWebであること)を特定する。ユーザのログインによりトップ画面が表示される。トップ画面の一例を
図20に示す。なお、トップ画面の表示の際、画面生成部54がステップS51と同様の処理を行い、このユーザに表示されるメッセージの数をカウントし、トップ画面にこの数を含める。
【0119】
S49:ユーザはトップ画面に対し、メッセージ画面にアクセスする操作を入力する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0120】
S50:端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定してメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0121】
S51:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。まず、メッセージ管理部52は、メッセージ情報記憶部59に記憶されているメッセージ情報の期限を参照し、現在日が期限内かどうかを判断する。期限内の場合、メッセージ管理部52は、メッセージ情報の通知対象と表示デバイスを参照する。例えば、通知対象が「日本、アプリA利用者」であるとする。メッセージ管理部52は、ログインしたユーザが所属するテナントIDを表1のユーザ情報により特定する。次に、このテナントIDを表3のテナント情報で検索し国が「日本」であるか否かを判断する。次に、メッセージ管理部52は、ログインしたユーザが利用権限を有するアプリを表1のユーザ情報により特定し、「アプリA」であるか否かを判断する。
【0122】
また、通知条件の表示デバイスが「Web、MFP」であるとする。メッセージ管理部52は、機器20から送信される機器情報がMFPであるかを判断する。あるいは、メッセージ管理部52は、端末装置10から機器情報が送信されないかを判断する。
【0123】
メッセージ管理部52は通知対象と表示デバイスの2つの通知条件を満たすメッセージを機器20又は端末装置10に送信すると判断する。第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0124】
S52:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ画面に表示する。メッセージ画面の一例を
図21に示す。
【0125】
S53:ユーザは機器20を操作して、メッセージ画面から確認したいメッセージを選択する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0126】
S54:端末装置10の第一通信部11は認証情報と選択されたメッセージのIDを指定してメッセージの詳細を情報処理システム50に要求する。
【0127】
S55:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージの詳細の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージ情報記憶部59からメッセージのIDで特定されるメッセージの詳細内容を取得する。なお、メッセージ管理部52は、表4(b)のメッセージ確認済みユーザリストにテナントIDとユーザIDを登録し(通知したメッセージが業務担当者により登録されたものの場合)、表4(c)のメッセージ確認済みユーザリストにユーザIDを登録する(通知したメッセージがテナント管理者により登録されたものの場合)。
【0128】
S56:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージの詳細内容を端末装置10に送信する。
【0129】
S57:端末装置10の第一通信部11はメッセージの詳細を受信し、表示制御部12がメッセージ詳細画面を表示する。メッセージ詳細画面の一例を
図22に示す。
【0130】
<ユーザが機器を使用する際にメッセージが表示される画面例>
続いて、
図20~
図22を参照して、ユーザが機器20を操作した場合に表示されるメッセージの画面例を説明する。
【0131】
図20は、機器20が表示するトップ画面400の一例である。ユーザが表示するトップ画面は、アプリアイコン401を有する。アプリアイコン401は、表1のユーザ情報においてユーザが使用する権限を有するアプリである。
【0132】
一方、ユーザが表示するトップ画面400は設定ボタン362を有さない。設定ボタン362はテナント管理者が各種の管理を行うためのボタンであるため、一般のユーザでは不要だからである。情報処理システム50の画面生成部54は認証したユーザのロールに応じて、トップ画面360、400を切り替えて作成する。
【0133】
ユーザが表示するトップ画面400のメッセージアイコン402はこのユーザに通知されるメッセージの数403を表示している。
図20では3つのメッセージがあると表示されている。ユーザはメッセージを確認する場合、メッセージアイコン402を押下する。これによりメッセージ画面が表示される。
【0134】
図21は、機器20が表示するメッセージ画面410の一例である。メッセージ画面410は、メッセージのタイトル欄411と表示期限欄412を表示する。タイトル欄411は表4(a)(c)のタイトルと対応し、表示期限欄412は期限に対応している。タイトル欄411の各タイトルは詳細内容の表示を受け付けることができる(詳細内容へのリンクを有する)。したがって、ユーザがタイトルを押下すると、メッセージ詳細画面が表示される。
【0135】
図22は、機器20が表示するメッセージ詳細画面420の一例を示す。メッセージ詳細画面420はタイトル421、詳細内容422、及び、期限423を表示する。詳細内容422は表4(a)(c)の詳細内容に対応している。このように、ユーザは自分及び機器20が通知条件を満たすメッセージを閲覧できる。
【0136】
<主な効果>
以上、説明したように、本実施形態のメッセージ通知システム100は、ユーザや機器20に対し設定されている通知条件に基づいてメッセージを表示できる。また、地域別や国別の業務担当者又はテナント管理者がメッセージを登録できる。また、表示する機器20が設定されていることで、情報処理システム50はメッセージを表示する機器20を制限できるようになり、メッセージの内容によって適切な機器20にメッセージを表示できるようになる。
【実施例2】
【0137】
本実施例では、業務担当者が登録したメッセージの通知条件をテナント管理者がカスタマイズできるメッセージ通知システム100について説明する。
【0138】
業務担当者からは、顧客の企業内でどのようにシステムが運用されているかについての個別事情を全て把握することが困難である。このため、業務担当者はユーザに確実にメッセージを届けるために、メッセージの通知条件を広範囲なユーザに設定してしまう。しかし、この場合、企業内の無関係なユーザにもメッセージが表示されてしまい、ユーザとしては煩わしく感じ、大事なメッセージも見なくなってしまうという問題があった。
【0139】
そこで、業務担当者が登録したメッセージの通知条件をテナント管理者がカスタマイズすることで、ユーザに対してメッセージの通知条件を適切に設定する。
【0140】
本実施例においては、上記の実施例1にて説明した
図3、
図4のハードウェア構成図、及び、
図7に示した機能ブロック図を援用できるものとして説明する。また、主に相違を説明する。
【0141】
本実施例ではメッセージ情報記憶部59に記憶されるメッセージ情報が実施例1と異なっている。表5を用いて説明する。
【0142】
【表5】
表5(a)は本実施例において業務担当者が登録するメッセージ情報の一例である。表4(a)と比較すると、テナント管理者による変更という項目を有している。テナント管理者による変更は、メッセージ情報をテナント管理者が変更(カスタマイズ)できるかどうかを示す。業務担当者が「テナント管理者による変更」を「不可」としたメッセージについては、テナント管理者による変更はできず、元の通知条件等が採用される。
【0143】
表5(b)はテナント管理者がカスタマイズしたメッセージ情報を示す。表5(a)のメッセージのIDに対し、テナント管理者がカスタマイズしたメッセージ情報が示されている。この例では、テナント管理者は、ID=1のメッセージ情報に対し、通知対象を「アプリAの利用者」から「テナント内全ユーザ」に、表示デバイスを「Web、MFP」から「Web」のみに、期限を「10月31日」から「10月15日」に変更している。
【0144】
ID=2のメッセージ情報に対しては、メッセージを「テナント内全ユーザ(地域・国・販社業務区から見ると、全エンドユーザー)」から「テナント管理者」に変更し、それ以外の項目は変更していない。テナント管理者が設定を変更しなかった項目については元のメッセージ情報が採用される。ID=2のメッセージ情報のように、テナント管理者が通知対象を絞ることでユーザがメッセージを煩わしく感じることを抑制できる。
【0145】
表5(c)はテナント管理者が登録するメッセージ情報のカスタマイズ情報を示す。カスタマイズ情報は、メッセージ情報との差分である。カスタマイズ情報は、テナントID、メッセージID、通知対象、表示デバイス、及び、期限の項目を有している。メッセージ管理部52は、テナントごとにメッセージ情報のカスタマイズ情報を管理している。表5(c)は、テナントID=123456のテナント管理者は、メッセージID=1と、メッセージID=2に対して通知対象を変更しており、テナントID=234567のテナント管理者は、メッセージID=2に対して期限を変更している場合の例である。
【0146】
あるテナントがメッセージ情報を変更すると、表5(c)にカスタマイズ情報が追加される。メッセージ管理部52は表5(c)を参照して表5(a)をカスタマイズすることで、表5(b)のようにメッセージの通知条件を変更できる。
【0147】
なお、メッセージのタイトルや詳細内容は変更できないのでカスタマイズ情報には登録されない。これにより、テナント管理者が詳細内容を誤って変更することを抑制できる。一方、詳細内容の翻訳などのために、テナント管理者が詳細内容を変更できるようにしてもよい。
【0148】
<メッセージ情報のカスタマイズの動作又は処理>
図23を参照して、テナント管理者がメッセージ情報をカスタマイズする処理について説明する。
図23は情報処理システム50がカスタマイズ情報を受け付け、メッセージに反映する処理を説明するシーケンス図である。
【0149】
S61~S68:ログインに関する処理の流れは
図8のステップS1~S8と同様でよい。これによりトップ画面360(
図15参照)が表示される。
【0150】
S69:テナント管理者はトップ画面360に対し、メッセージ管理画面370にアクセスする操作を入力する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0151】
S70:端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0152】
S71:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。メッセージ管理部52は表5(c)のカスタマイズ情報があればカスタマイズ情報をメッセージ情報に反映させる。詳細はステップS82で説明する。
【0153】
S72:第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。メッセージの一覧には表5(a)の「テナント管理者による変更」が可又は不可が添付される。これにより、端末装置10は後述する注記を表示できる。
【0154】
S73:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する(
図24参照)。
【0155】
S74:テナント管理者は端末装置10を操作して、メッセージ管理画面から変更したいメッセージを選択する。操作受付部13は操作を受け付ける。
【0156】
S75、S76:テナント管理者は端末装置10を操作して、端末装置10を情報処理システム50と通信させる。これにより端末装置10の表示制御部12はメッセージ編集画面390を表示する(
図18参照)。
【0157】
S77:テナント管理者はメッセージ編集画面390でメッセージ情報を変更する。操作受付部13はメッセージ情報の変更を受け付ける。
【0158】
S78:端末装置10の第一通信部11は認証情報と選択されたメッセージのIDを指定して変更したメッセージ情報を情報処理システム50に送信する。
【0159】
S79:情報処理システム50の第二通信部51は変更されたメッセージ情報を受信し、メッセージ管理部52がメッセージ情報記憶部59にカスタマイズ情報を登録する。メッセージ管理部52はログインしたテナント管理者が所属するテナントIDを表1のユーザ情報により特定する。メッセージIDは端末装置10から送信されている。通知対象、表示デバイス、及び、期限も端末装置10から送信される。メッセージ管理部52は表5(a)のメッセージ情報と変更されたメッセージ情報を比較してその差分をカスタマイズ情報として登録する。差分でなく通知対象、表示デバイス、及び、期限をそのまま登録してもよい。
【0160】
S80:情報処理システム50の第二通信部51は登録完了を端末装置10に送信する。
【0161】
S81:登録完了を受信した端末装置10の第一通信部11は認証情報を指定して登録済みメッセージ一覧を情報処理システム50に要求する。
【0162】
S82:情報処理システム50の第二通信部51は登録済みメッセージ一覧の要求を受信し、メッセージ管理部52がメッセージの一覧をメッセージ情報記憶部59から取得する。メッセージ管理部52はテナント管理者のテナントIDと一致するカスタマイズ情報を表5(c)で検索する。メッセージ管理部52は、カスタマイズ情報に期限がある場合は、期限に現在日が含まれるか否かを判断する。期限に現在日が含まれる場合、カスタマイズ情報のメッセージIDで表5(a)のメッセージ情報を検索する。そして、検索に適合したメッセージ情報の通知対象及び表示デバイスをカスタマイズ情報で変更する。メッセージ管理部52は、カスタマイズ情報で変更された通知条件に基づいて、テナント管理者が通知対象か、及び、端末装置10が表示デバイスに含まれるかを判断し、含まれる場合にメッセージを表示すると判断する。
【0163】
S83:情報処理システム50の第二通信部51はメッセージの一覧を端末装置10に送信する。
【0164】
S84:端末装置10の第一通信部11はメッセージの一覧を受信し、表示制御部12がメッセージ管理画面に表示する。
【0165】
このように、テナント管理者がカスタマイズした通知条件で端末装置10がメッセージを表示することができる。
【0166】
図24は、本実施例のメッセージ管理画面430の一例である。メッセージ管理画面430、編集ボタン431、及び、メッセージ一覧欄432を有している。また、メッセージ一覧欄432は、選択欄433、タイトル欄434、通知対象欄435、表示デバイス欄436、及び、表示期限欄437を有している。タイトル欄434は、表5(a)のメッセージ情報のタイトルに対応し、通知対象欄435は通知対象に対応し、表示デバイス欄436は表示デバイスに対応し、表示期限欄437は期限に対応している。
【0167】
メッセージ一覧欄432の選択欄433が選択された状態で編集ボタン431が押下されると、端末装置10が
図18のメッセージ編集画面を表示する。
【0168】
図24のメッセージ管理画面430では、メッセージごとに「メッセージ設定の変更は許可されていません」という注記438が表示される。この注記438は、表5(a)の「テナント管理者による変更」の項目が「不可」の場合に表示される。テナント管理者は注記438により、メッセージ情報を変更できないことを確認できる。
【0169】
<ユーザ(一般ユーザ)が操作する機器に情報処理システムがメッセージを表示する動作又は処理>
図25は、ユーザが操作する機器20がメッセージを表示する処理を説明するシーケンス図の一例である。
図25の説明では
図19との相違を説明する。
図25では、ステップS50-2が追加されている。ステップS50-2の処理は
図23のステップS82と同様でよい。また、機器20が表示する画面は
図20~
図22と同様になる。
【0170】
<主な効果>
このように、テナント管理者がカスタマイズした通知条件で機器20が表示したメッセージをユーザが閲覧する。したがって、テナント管理者はテナント内の環境に応じた通知条件でメッセージを通知できる。ユーザにとって必要なメッセージのみを通知することができる。
【0171】
<その他の適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0172】
例えば、
図7などの構成例は、端末装置10、機器20、及び情報処理システム50による処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。端末装置10、機器20、及び情報処理システム50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0173】
また、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、情報処理システム50は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0174】
更に、情報処理システム50は、開示された処理ステップ、例えば
図8等を様々な組み合わせで共有するように構成できる。例えば、所定のユニットによって実行されるプロセスは、情報処理システム50が有する複数の情報処理装置によって実行され得る。また、情報処理システム50は、1つのサーバ装置にまとめられていても良いし、複数の装置に分けられていても良い。
【0175】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【符号の説明】
【0176】
10 端末装置
20 機器
50 情報処理システム
100 メッセージ通知システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0177】