IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日清食品ホールディングス株式会社の特許一覧 ▶ ジェーシーシーエンジニアリング株式会社の特許一覧 ▶ サンワテクノス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図1
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図2
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図3
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図4
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図5
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図6
  • 特許-乾燥食品の供給装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】乾燥食品の供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 65/48 20060101AFI20240409BHJP
【FI】
B65G65/48 H
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054769
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021155140
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000107240
【氏名又は名称】ジェーシーシーエンジニアリング株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】505045322
【氏名又は名称】サンワテクノス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】田中 浩司
(72)【発明者】
【氏名】平野 隆士
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-006710(JP,A)
【文献】実公昭50-041595(JP,Y1)
【文献】特開平05-019627(JP,A)
【文献】特開昭50-7368(JP,A)
【文献】特開2003-180185(JP,A)
【文献】実開昭55-105540(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 65/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部及び下部が開口するホッパ部であって、当該ホッパ部側面部の下端側にスリットを設けたホッパ部と、
当該ホッパ部の下方開口部を封鎖するように装着され、当該開口部に軸支されて回転可能に装着される円柱状の回転体であって、当該回転体の側面部に螺旋状の溝部を有する回転体と、
前記回転体を回転させる動力部とを備えた乾燥食品の供給装置。
【請求項2】
前記ホッパ部が上部から下方向に向かって水平断面積が小となるホッパ部である請求項1に記載の乾燥食品の供給装置
【請求項3】
前記螺旋状の溝部が、前記回転体に複数設けられた請求項1又は2に記載の乾燥食品の供給装置。
【請求項4】
前記ホッパ部において、さらに、前記回転体の回転方向に対面するホッパ部側面部よりホッパ部内方向に向けてブロッキング防止のための板状部材を設けた請求項1~3のいずれかに記載の乾燥食品の供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品の製造ラインにおいて、小サイズの乾燥具材等の乾燥食品を継続的に少量ずつ供給するための供給装置に関するものである。特に、乾燥食品のかまぼこ等の薄板状の乾燥食品を継続的に少量ずつ供給するための供給装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
即席麺等の乾燥食品の連続的な製造においては、具材等の乾燥食品を生産ラインにおいてカップ等の容器に所定の供給装置より順次供給する必要がある。一方、当該カップ等の容器に対して乾燥食品を供給する装置に対してさらに対象物である乾燥食品を供給するための二次的な供給装置が必要となる場合がある。
【0003】
このような供給装置については、一定時間において完全に正確な個数を供給する必要はないが、継続的に少量ずつ当該対象物を連続して供給することが必要となる。
ここで、対象物である乾燥食品の形状が球状や立方体等の対称性の高い形状を有している場合であれば、継続的に少量ずつの供給も実施し易い。例えば特許文献1のような先行技術が開示されている。
【0004】
しかし、薄板状のかまぼこやナルト等の乾燥食品であると、薄板状であり形状が特殊であるために特許文献1に記載の装置では、取り扱いが難しく、供給時に詰まったりして滞る場合も多かった。
さらに、このようなかまぼこ等の供給装置について特許文献2の先行技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-178533
【文献】実開平5-92233
【0006】
しかし、上記先行技術のかまぼこ充填装置は、優れた充填機能を有するが、らせん状のトラックを有し、経路を二重に有する等装置が大掛かりとなり、装置機構が複雑になるという点が指摘される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明者らは、乾燥食品、特に形状が特殊な乾燥食品でも少量ずつ継続的に供給することが可能な供給装置を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らの鋭意研究の結果、乾燥食品を継続して下方に供給できるような装置として、乾燥食品のストック部と、その下方開口部に設けられた螺旋状の溝部を有する回転体を備え、回転によって乾燥食品が螺旋状の溝部に挿入され回転によって当該溝部を経由して下方に排出される供給装置とすることで、好適に乾燥食品を下方に排出し、供給することができることを見出した。
【0009】
特に、当該装置においては形状が不規則な薄板状の乾燥食品(かまぼこ等)に対しても好適に利用可能であることを見出した。
すなわち、本願第一の発明は、
“上部及び下部が開口するホッパ部と、
当該ホッパ部の下方開口部を封鎖するように装着され、当該開口部に軸支されて回転可能に装着される円柱状の回転体であって、当該回転体の側面部に螺旋状の溝部を有する回転体と、
前記回転体を回転させる動力部と、
とを、備えた乾燥食品の供給装置。“、である。
【0010】
次に、前記ホッパ部は上部から下方向に向かって水平断面積が小となることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
“前記ホッパ部が上部から下方向に向かって水平断面積が小となるホッパ部である請求項1に記載の乾燥食品の供給装置。”、である。
【0011】
次に、前記回転体の溝部は1つのみでなく、複数設けることが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記螺旋状の溝部が、前記回転体に複数設けられた請求項1又は2に記載の乾燥食品の供給装置。”、である。
【0012】
次に、前記回転体の回転方向に対面するホッパ部側面部よりホッパ部内方向に向けてブロッキング防止のための板状部材を設けることが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
“前記ホッパ部において、さらに、前記回転体の回転方向に対面するホッパ部側面部よりホッパ部内方向に向けてブロッキング防止のための板状部材を設けた請求項1~3のいずれかに記載の乾燥食品の供給装置。”、である。
【発明の効果】
【0013】
本発明を利用することで乾燥食品、特に形状が特殊な乾燥食品でも少量ずつ継続的に供給することが可能な供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一実施態様の乾燥食品の供給装置の斜視図である。
図2】本発明の第一実施態様の乾燥食品の供給装置の斜視透視図である。
図3】本発明の第一実施態様の乾燥食品の供給装置の分解斜視図である。
図4】本発明の乾燥食品をホッパ部に充填した状態の断面図である。
図5】本発明の第一実施態様の回転体の斜視図である。
図6】本発明の第一実施態様の供給装置の供給態様を示した斜視透視図である。
図7】本発明の第一実施態様の供給装置を利用した態様を示した斜視図である。
【符号の説明】
【0015】
1 ホッパ部
3 側面部
5 ブリッジ部
7 枠体
9 側板
11 回転体
13 軸孔
15 スリット部
17 板状部材
19 溝部
21 動力部
23 振動フィーダ
DF 乾燥具材
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の本発明を詳細に説明する。
本願の請求項1に記載の発明は、
“上部及び下部が開口するホッパ部と、
当該ホッパ部の下方開口部を封鎖するように装着され、当該開口部に軸支されて回転可能に装着される円柱状の回転体であって、当該回転体の側面部に螺旋状の溝部を有する回転体と、前記回転体を回転させる動力部と、
とを、備えた乾燥食品の供給装置。“、である。
【0017】
以下、本発明の内容を説明する。また、図1は本発明の粒状物供給装置の斜視図、図2は本発明の粒状物供給装置の斜視透視図、図3は斜視分解図である。
【0018】
(1)ホッパ部
本発明においては乾燥食品をストックするホッパ部1を備える。当該ホッパ部1は上下が開口する形態であれば特に限定されるものではなく、その全体形状が角錐状、直方体状、球状、カップ状、椀状、丼状等の種々の形状が可能である。また、当該ホッパ部1は上部から下方向に向かって水平断面積が小となることが好ましい。
本発明の第一の実施態様においては、図1図3に示すように当該ホッパ部は、傾斜角を有しながら向かい合う2つの側面部3が当該側板部3の端部同士を架橋する2カ所のブリッジ部5によって一体となった枠体7と、当該枠体のブリッジ部5の側を封鎖する一対の側板9から構成されている。
【0019】
当該形成されるホッパ部1は略角錐状であり、上部から下方向に向かって水平断面積が小となっている。また、前記側板9の下方部には後述する回転体11の回転軸用の軸孔13が設けられている。
本ホッパ部1には供給する対象物である乾燥食品をストックするとともに、当該乾燥食品が後述する回転体11の回転に従い下方に落下するように構成されている。
次に、本発明の第一の実施態様においては枠体7の側面部3の下端部には多数のスリット部15が設けられており、回転体11の回転における乾燥食品の詰まり(ブロッキング)等を緩和できるように構成されている。このようにホッパ部1の下端部には、スリット部15を設けておくことが好ましい。
【0020】
さらに、本発明の第一の実施態様においてはホッパ部1の側面部3のうち、後述する回転体11の上部の回転方向に向かい合う側のホッパ部1の側面部3よりホッパ部内方向に向けて斜め方向に伸びるブロッキング防止のための板状部材17が設けられている。このように、本発明においては板状部材17を設けることが好ましい。
当該板状部材17を設けることで、回転体11の回転方向における溝部19とホッパ部1の側面部3との間の乾燥食品の量を制限することができる(図4(a))。これによって例えば図4(b)に示すように、多数の乾燥具材DFが重なって溝部に存在するためにブロッキング状態(目詰まり状態)が発生し、回転不可となるような状態を避けることができる場合がある。
【0021】
尚、前記板状部材17は金属板やプラスチック板等の弾性体であることが好ましい。
【0022】
(2)円柱状の回転体
本発明においては、ホッパ部1の下方開口部に円柱状の回転体11を水平に軸支し、回転可能に装着する。当該回転体11には螺旋状の溝部19が形成されている(図5)。
当該回転体11が回転することによって、図6の(a)~(d)に示すように螺旋状の溝部19を乾燥食品が通過して下方に落下することになる。一定の回転速度で回転させることによって、継続的に少量ずつ当該対象物を連続して供給することが可能となる。 また、当該螺旋状の溝部19は回転体11の側面に複数を設けてもよく、本発明の第一の実施態様においては3つの溝部19を回転体11の側面に設けた場合を示している。
【0023】
(3)前記回転体を回転させる動力部
前記回転体には、回転のための動力部21が設けられている。当該動力部21は公知のモータ等の種々のタイプを利用することができる。
【0024】
(4)本発明の供給対象となる乾燥食品
本発明の供給対象となる乾燥食品は、様々なタイプが可能である。例えば、球状や楕円状の乾燥食品であれば勿論可能である。また、サイズについては回転体11の溝部19の大きさを調整することで種々変更することが可能である。
【0025】
具体的には、概ね一個当たり0.5~6.0cm程度のサイズを有する乾燥具材DF等に好適に利用することができる。また、乾燥具材DFの種類としては特に限定されるものではないが、乾燥野菜(キャベツ、ネギ、ニンジン、タマネギ、ピーマン、きくらげ等や乾燥肉(牛肉、豚肉、鶏肉)、卵、乾燥カマボコ、乾燥ナルトや成型具材(肉、野菜、魚介類)に適用することができる。その他、種々の乾燥食品を利用することができる。
特に本発明の供給装置においては、形状が特殊な薄板状の乾燥カマボコや乾燥ナルト等に好適に利用することができる。
【0026】
(5)本発明による乾燥食品の供給先
本発明の供給装置を利用して、下方より排出される乾燥食品は、例えば、以下の図に示すように振動フィーダ23に供給することが可能である。さらに、当該振動フィーダ23から別の供給装置に供給することも可能である。また、回転体11の回転・停止を間歇的に行うことで直接に生産ライン上のカップ状容器等に供給することも可能である(図7)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7