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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-08
(45)【発行日】2024-04-16
(54)【発明の名称】チオフェン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07D 333/72 20060101AFI20240409BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20240409BHJP
   C07D 409/04 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/4155 20060101ALI20240409BHJP
   C07D 333/78 20060101ALI20240409BHJP
   A61K 31/4436 20060101ALI20240409BHJP
【FI】
C07D333/72 CSP
A61P35/00
A61K31/381
C07D409/04
A61K31/4155
C07D333/78
A61K31/4436
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021514478
(86)(22)【出願日】2019-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-13
(86)【国際出願番号】 EP2019062438
(87)【国際公開番号】W WO2019219731
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】18173069.8
(32)【優先日】2018-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(73)【特許権者】
【識別番号】517394120
【氏名又は名称】ライブ・セラピューティクス・スプウカ・アクツィーナ
【氏名又は名称原語表記】RYVU THERAPEUTICS S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】マティアス,ライエンデッカー
(72)【発明者】
【氏名】ブッフシュタラー,ハンス-ペーター
【審査官】早川 裕之
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-117568(JP,A)
【文献】国際公開第2016/145045(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/144826(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/144825(WO,A1)
【文献】Liebigs Annalen,1996年,2,239-245
【文献】J. Med. Chem.,1996年,39,398-406
【文献】Bulletin de la Societe Chimique de France,1970年,1,322-331
【文献】REGISTRY(STN)[online],2006年,CAS 登録番号:882260-92-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】
式中
は、Ar、またはHetを示し、
は、SOA、SOA、SA、SONHA、SONA、S(=NH,=O)A、S(=NH)A、NO、Hal、CN、A、Het、COOHまたはCOOAを示し、
は、HまたはHalを示し、
は、HまたはHalを示し、
Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、[C(ROR、O[C(ROR、[C(RN(R、O[C(RN(R、[C(RHet、NO、CN、[C(RCOOR、O[C(RCOOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、SON(R、S(O)A、COHet、O[C(RHet、NHCOOA、NHCON(R、NHCOO[C(RN(R、NHCOO[C(RHet、NHCONH[C(RN(R、NHCONH[C(RHet、OCONH[C(RN(R、OCONH[C(RHet、S(O)Het、および/もしくはCOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されており、
Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の芳香族、不飽和または飽和ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、NH、NHA、NA、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、CONHAr、S(O)A、NHCHAr、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
Aは、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~7個のH原子は、OH、F、Clおよび/もしくはBrによって置き換えられていてもよく、ならびに/または、ここで、1または2の非隣接CH基は、Oおよび/もしくはNH基によって置き換えられていてもよく、
Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の芳香族、不飽和または飽和ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、COOA、NH、NHAおよび/もしくはNAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを示し、
は、Hまたは1、2、3もしくは4個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1、2または3を示し、
mは、1、2または3を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項2】
が、SOA、
請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項3】
が、HまたはFを示し、
が、HまたはFを示す、
請求項1または2に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項4】
Aが、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~5個のH原子が、OHおよび/またはFによって置き換えられていてもよい、
請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項5】
Arが、フェニルを示し、それが、非置換であるか、またはHalおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項6】
Hetが、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族ヘテロ環を示し、それが、非置換であるか、またはHal、A、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい、
請求項1~5のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項7】
Hetが、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニルまたはピリミジニルを示し、その各々が、非置換であるか、またはHal、OA、OH、Aおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい、
請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項8】
が、ArまたはHetを示し、
が、SOAを示し、
が、HまたはHalを示し、
が、HまたはHalを示し、
Aが、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~5個のH原子が、OHおよび/またはFによって置き換えられていてもよく、
Arが、フェニルを示し、それが、非置換であるか、またはHalおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されており、
Hetが、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族ヘテロ環を示し、それが、非置換であるか、またはHal、A、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
Halが、F、Cl、BrまたはIを示し、
nが、1、2または3を示す、
請求項1~7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項9】
以下の群:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
から選択される、請求項1に記載の化合物、またはその薬学的に許容し得る溶媒和物、塩、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項10】
請求項1~9に記載の式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体または立体異性体の調製のためのプロセスであって、
式II
【化2】
式中R、R、Rおよびnが、請求項1に指し示された意味を有し、およびXが、F、Cl、BrまたはIである、
で表される化合物と、式III
L-R III
式中Rが、請求項1に指し示された意味を有し、
およびLが、H、ボロン酸またはボロン酸エステル基を示す、
で表される化合物とを反応させること
を特徴とする、前記プロセス。
【請求項11】
請求項1~9に記載の式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体または立体異性体の調製のためのプロセスであって、
式IV
【化3】
式中R、R、R、Rおよびnが、請求項1に指し示された意味を有する、
で表される化合物と、NaBHとを反応させること
を特徴とする、前記プロセス。
【請求項12】
請求項1~9に記載の式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体または立体異性体の調製のためのプロセスであって、
式Iの塩基または酸を、その塩の1種に変換させること
を特徴とする、前記プロセス。
【請求項13】
請求項1に記載の式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物の少なくとも1種と、任意に薬学的に許容し得る担体、賦形剤またはビヒクルとを含む、医薬。
【請求項14】
がんおよびフォンヒッペル・リンダウ病(VHL)の処置および/または予防のための使用のための、請求項1に記載の式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【請求項15】
頭部、頸部、目、口、喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸、乳房、卵巣、精巣または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、脳、中枢神経系のがん、固形腫瘍および血液由来の腫瘍、膠芽腫、腎細胞癌(RCC)および淡明細胞型腎細胞癌(ccRCC)の群から選択される疾患の処置および/または予防のための使用のための、請求項1~9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項16】
請求項1に記載の式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物の少なくとも1種と、さらなる医薬活性成分の少なくとも1種とを含む、医薬。
【請求項17】
(a)有効量の、請求項1に記載の式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、塩または立体異性体、またはあらゆる比率におけるそれらの混合物、ならびに
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の背景
本発明は、貴重な特性を有する新規化合物、とりわけ医薬の調製のために使用され得るものを見出す目的を有した。
本発明は、HIF-2α(低酸素誘導性因子)を阻害するチオフェン誘導体に関する。したがって、本発明の化合物は、がんなどの疾患を処置することにおいて有用である。
本発明はまた、これらの化合物を調製するための方法、これらの化合物を含む医薬組成物、およびこれらの化合物を含む医薬組成物を利用して疾患を処置する方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
組織への酸素の適正な供給は、哺乳動物の細胞機能および生理の維持において不可欠である。組織への酸素供給の欠乏は、適正な酸素化を提供する充分な血液の流れがない数多の病態生理学的状態、例えば、虚血性障害、がん、およびアテローム性動脈硬化の特徴である。組織の低酸素(低い酸素)環境は、血管新生(新血管新生)、グルコース代謝、および細胞生存/死などの事象に関わる多数の遺伝子の転写の誘導または抑制を導くシグナリングカスケードを活性化させる。この低酸素転写応答の鍵は、転写因子、低酸素誘導性因子(HIF)にある。
【0003】
HIFは、低酸素依存性および独立した機序を通じて、膨大な数のがんにおいて制御されておらず、ならびに発現は、患者の予後不良に関連する。HIF-1αおよびHIF-2αを包含する低酸素誘導性因子(HIF)は、減退した酸素供給に対する細胞応答を媒介する転写因子である。これらのタンパク質は、低酸素(低い酸素)下で安定化され、および続いて細胞生存および増殖を促進する遺伝子の発現を活性化させる。HIFタンパク質は、多くのタイプのがんにおいて活性化され、ならびにがんの開始、進行および転移に関わってきた。HIF-2αの役割は、淡明細胞型腎細胞癌(ccRCC)において具体的に重要である。ccRCC腫瘍の大多数において、HIF-2αを分解のための標的とする腫瘍サプレッサーフォンヒッペル・リンダウタンパク質(pVHL)は不活性化され、HIF-2αの蓄積および腎臓がんの腫瘍発生を導く遺伝子の転写につながる。腎細胞癌を包含するあるがんは、高いレベルのHIF-2αおよびHIF-2αシグナリングへの依存性を示す。
HIF-2αタンパク質は、膀胱、乳房、結腸、肝臓、卵巣、膵臓、前立腺、および腎臓の様々なヒトの腫瘍、ならびに腫瘍関連マクロファージにおいて検知されてきた。
【0004】
本発明の化合物は、生化学的、生物物理的および細胞アッセイを包含する複数の関係のある設定において、HIF-2αに対する高い活性を示す。
本発明に従う化合物およびその塩は、十分な忍容性が認められながら、極めて貴重な薬理学的な特性を有することが見出された。
【0005】
宿主または患者は、任意の哺乳類の動物種、例えば霊長目の動物種、具体的にヒト;マウス、ラットおよびハムスターを包含する齧歯類の動物、ウサギ;ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、等々に属し得る。動物モデルは、ヒトの疾患の処置についてのモデルを提供する実験的調査に関心がある。
【0006】
本発明に従う化合物での処置に対する具体的な細胞の感受性は、in vitro試験によって決定され得る。典型的には、細胞の培養は、本発明に従う化合物と、抗IgMなどの活性剤が表面マーカーの発現などの細胞応答を誘発するのを可能にするのに充分である期間、大抵約1時間および1週の間、様々な濃度で合わせられる。in vitro試験は、血液からのまたは生検試料からの培養された細胞を使用して実行され得る。発現された表面マーカーの量は、マーカーを認識する特定の抗体を使用するフローサイトメトリーによって評価される。
【0007】
用量は、使用される特定の化合物、特定の疾患、患者の状態、等々に応じて変化する。治療的用量は、典型的には、患者の生存率を維持しながら、標的組織中の望ましくない細胞集団を大幅に低減するのに充分である。処置は、一般に、相当な低減が生じる、例えば細胞負担における少なくとも約50%低減まで継続され、および望ましくない細胞が体内で本質的に検知されなくなるまで継続されてもよい。
【0008】
先行技術
がんの処置についての他のHIF-2αインヒビターは、WO 2018/031680 A1、WO 2015/035223 A1、WO 2016/145045 A1、WO 2016/145032 A1、WO 2016/144825 A1、WO 2016/144826 A1およびWO 2016/168510 A1に記載されている。
【0009】
HIF-2αアンタゴニストの前臨床のオンターゲット有効性研究は、H. Cho et al. Nature, Vol. 539, 2016, 107-122 (doi:10.1038/nature19795)によって、およびW. Chen et al. Nature, Vol. 539, 2016, 112-130 (doi:10.1038/nature19796)によって記載されている。
HIF-2αを標的とするアプローチに関するレビューは、S.E. Wilkins ChemMedChem, 2016, 11, 773-786によって記載されている。
【発明の概要】
【0010】
本発明の概要
本発明は、式I、
【化1】

式中
は、A、Ar、Cyc、Het、COAまたはCNを示し、
は、SOA、SOA、SA、SONHA、SONA、S(=NH,=O)A、S(=NH)A、NO、Hal、CN、A、Het、COOHまたはCOOAを示し、
は、HまたはHalを示し、
は、HまたはHalを示し、
【0011】
Aは、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~7個のH原子は、OH、F、Clおよび/もしくはBrによって置き換えられていてもよく、ならびに/または、ここで、1または2の非隣接CH基は、Oおよび/もしくはNH基によって置き換えられていてもよく、
Cycは、3、4、5、6または7個のC原子を有する環状アルキル、
Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、[C(ROR、O[C(ROR、[C(RN(R、O[C(RN(R、[C(RHet、NO、CN、[C(RCOOR、O[C(RCOOR、CON(R、NRCOA、NRSOA、SON(R、S(O)A、COHet、O[C(RHet、NHCOOA、NHCON(R、NHCOO[C(RN(R、NHCOO[C(RHet、NHCONH[C(RN(R、NHCONH[C(RHet、OCONH[C(RN(R、OCONH[C(RHet、S(O)Het、および/もしくはCOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されており、
【0012】
Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の芳香族、不飽和または飽和ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、NH、NHA、NA、COOH、COOA、CONH、CONHA、CONA、CONHAr、S(O)A、NHCHAr、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式または二環式の芳香族、不飽和または飽和ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、COOA、NH、NHAおよび/もしくはNAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
【0013】
Arは、非置換であるか、またはHal、A、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを示し、
は、Hまたは1、2、3もしくは4個のC原子を有するアルキルを示し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1、2または3を示し、
mは、1、2または3を示し、
pは、0、1、2、3または4を示す、
で表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物に関する。
【0014】
本発明はまた、これらの化合物の光学活性形態(立体異性体)、鏡像異性体、ラセミ体、ジアステレオマー、ならびに、水和物および溶媒和物にも関する。
その上、本発明は、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る誘導体に関する。
【0015】
化合物の溶媒和物という用語は、それらの相互引力に起因して形成する、不活性な溶媒分子の化合物上への付加物(adduction)を記載するために使用される。溶媒和物は、例えば、一水和物もしくは二水和物またはアルコキシドである。
本発明はまた、塩の溶媒和物にも関すると理解される。
【0016】
薬学的に許容し得る誘導体という用語は、例えば、本発明に従う化合物の塩、およびまた所謂プロドラッグ化合物を意味すると解釈される。
本明細書に使用されるとき、および他に指し示されない限り、用語「プロドラッグ」は、活性化合物、具体的に式Iで表される化合物を提供するために、加水分解、酸化、またはそうでなければ生物学的条件下(in vitroもしくはin vivo)で反応することができる、式Iで表される化合物の誘導体を意味する。プロドラッグの例は、これらに限定されないが、生物加水分解性アミド、生物加水分解性エステル、生物加水分解性カルバマート、生物加水分解性カーボナート、生物加水分解性ウレイド、および生物加水分解性ホスファート類似体などの生物加水分解性部分を包含する式Iで表される化合物の誘導体および代謝体を包含する。
【0017】
ある態様において、カルボキシル官能基を有する化合物のプロドラッグは、カルボン酸の低級アルキルエステルである。カルボキシラートエステルは、分子上に存在する任意のカルボン酸部分をエステル化することによって都合よく形成される。プロドラッグは、典型的には、Burger's Medicinal Chemistry and Drug Discovery 6th 編 (Donald J. Abraham編, 2001, Wiley)およびDesign and Application of Prodrugs (H.Bundgaard編, 1985, Harwood Academic Publishers Gmfh)によって記載されたものなどの周知の方法を使用して調製され得る。
【0018】
「有効量」という表現は、組織、系、動物またはヒトにおいて、例えば、研究者または医者によって求められるかまたは所望される生物学的または医学的応答を引き起こす、医薬の量または医薬活性成分の量を示す。
加えて、「治療的に有効な量」という表現は、この量を投与されていない対応する対象と比較して、以下の結果:
疾患、症候群、状態、愁訴、障害もしくは副作用の、改善された処置、治癒、予防もしくは解消、またはまた、疾患、愁訴もしくは障害の進行の低減
を有する量を示す。
「治療的に有効な量」という表現はまた、正常な生理学的機能を増加させるために有効である量も網羅する。
【0019】
本発明はまた、式Iで表される化合物の混合物、例えば2種のジアステレオマーの混合物の、例えば比率1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000における使用にも関する。
これらは、具体的に好ましくは、立体異性の化合物の混合物である。
「互変異性体」は、互いに平衡にある化合物の異性体の形態を指す。異性体の形態の濃度は、化合物が見出される環境に依存し、および例えば、化合物が固体であるか、または有機溶液中もしくは水性溶液中にあるかに依存して異なってもよい。
【0020】
本発明は、式Iで表される化合物、およびその塩に関し、ならびに式Iで表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物、互変異性体および立体異性体の化合物の調製のためのプロセスであって、
【0021】
a)
式II
【化2】

式中R、R、Rおよびnは、請求項1に指し示された意味を有し、およびXは、F、Cl、BrまたはIである、
で表される化合物と、式III
L-R III
式中Rは、請求項1に指し示された意味を有し、
およびLは、H、ボロン酸またはボロン酸エステル基を示す、
で表される化合物とを反応させること、または
【0022】
b)
式IV
【化3】

式中R、R、R、Rおよびnは、請求項1に指し示された意味を有する、
で表される化合物と、NaBHとを反応させること、および/あるいは
式Iの塩基または酸を、その塩の1種に変換させること、
を特徴とする、前記プロセスに関する。
【0023】
上記および下記で、ラジカルR、R、R、Rおよびnは、他に明確に記述されない限り、式Iに指し示された意味を有する。
Aは、アルキルを示し、これは、非分枝(線状)または分枝であり、および1、2、3、4、5、6、7または8個のC原子を有する。Aは、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルまたはtert-ブチル、また、さらにまた、ペンチル、1-、2-または3-メチルブチル、1,1-、1,2-または2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1-、2-、3-または4-メチルペンチル、1,1-、1,2-、1,3-、2,2-、2,3-または3,3-ジメチルブチル、1-または2-エチルブチル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、1,1,2-または1,2,2-トリメチルプロピル、さらにより好ましくは、例えば、トリフルオロメチルを示す。
【0024】
Aは、極めて具体的に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1-トリフルオロエチルを示す。
その上、Aは、好ましくは、CHOCH、CHCHOHまたはCHCHOCHを示す。
その上、Aは、好ましくは、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~5個のH原子は、OHおよび/またはFによって置き換えられていてもよい。
【0025】
は、好ましくは、ArまたはHetを示す。
は、好ましくは、SOAを示し、最も好ましくは、SOCHを示す。
は、好ましくは、HまたはFを示す。
は、好ましくは、HまたはFを示す。
Cycは、シクロプロリル(cycloprolyl)、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロへプチルを示す。
【0026】
さらなる置換に関係なく、Hetは、例えば、2-または3-フリル、2-または3-チエニル、1-、2-または3-ピロリル、1-、2、4-または5-イミダゾリル、1-、3-、4-または5-ピラゾリル、2-、4-または5-オキサゾリル、3-、4-または5-イソオキサゾリル、2-、4-または5-チアゾリル、3-、4-または5-イソチアゾリル、2-、3-または4-ピリジル、2-、4-、5-または6-ピリミジニル、
【0027】
さらにより好ましくは、1,2,3-トリアゾール-1-、-4-または-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-、-3-または5-イル、1-または5-テトラゾリル、1,2,3-オキサジアゾール-4-または-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-または-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-または-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-または-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-または-5-イル、3-または4-ピリダジニル、ピラジニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-または7-インドリル、4-または5-イソインドリル、インダゾリル、1-、2-、4-または5-ベンズイミダゾリル、1-、3-、4-、5-、6-または7-ベンゾピラゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズオキサゾリル、3-、4-、5-、6-または7-ベンズイソオキサゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンゾチアゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズイソチアゾリル、4-、5-、6-または7-ベンズ-2,1,3-オキサジアゾリル、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-キノリル、1-、3-、4-、5-、6-、7-または8-イソキノリル、3-、4-、5-、6-、7-または8-シンノリニル、2-、4-、5-、6-、7-または8-キナゾリニル、5-または6-キノキサリニル、2-、3-、5-、6-、7-または8-2H-ベンゾ-1,4-オキサジニル、ピロロピリジニル、プリニル、
【0028】
さらに好ましくは、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、1,4-ベンゾジオキサン-6-イル、2,1,3-ベンゾチアジアゾール-4-または-5-イル、2,1,3-ベンゾオキサジアゾール-5-イル、アザビシクロ[3.2.1]-オクチルあるいはジベンゾフラニルを示す。
ヘテロ環のラジカルはまた、部分的または全体的に水素化されていてもよい。
【0029】
さらなる置換に関係なく、Hetは、よってまた、例えば、2,3-ジヒドロ-2-、-3-、-4-または-5-フリル、2,5-ジヒドロ-2-、-3-、-4-または5-フリル、テトラヒドロ-2-または-3-フリル、1,3-ジオキソラン-4-イル、テトラヒドロ-2-または-3-チエニル、2,3-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピロリル、2,5-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピロリル、1-、2-または3-ピロリジニル、テトラヒドロ-1-、-2-または-4-イミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピラゾリル、テトラヒドロ-1-、-3-または-4-ピラゾリル、1,4-ジヒドロ-1-、-2-、-3-または-4-ピリジル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-、-5-または-6-ピリジル、1-、2-、3-または4-ピペリジニル、2-、3-または4-モルホリニル、テトラヒドロ-2-、-3-または-4-ピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキサン-2-、-4-または-5-イル、ヘキサヒドロ-1-、-3-または-4-ピリダジニル、ヘキサヒドロ-1-、-2-、-4-または-5-ピリミジニル、1-、2-または3-ピペラジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-、-7-または-8-キノリル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-,-2-,-3-、-4-、-5-、-6-、-7-または-8-イソキノリル、2-、3-、5-、6-、7-または8-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ-1,4-オキサジニル、
【0030】
さらにより好ましくは、2,3-メチレンジオキシフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、2,3-エチレンジオキシフェニル、3,4-エチレンジオキシフェニル、3,4-(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-または6-イル、2,3-(2-オキソメチレンジオキシ)フェニルあるいはまた3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-または-7-イル、
【0031】
さらにより好ましくは、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-2-オキソフラニル、3,4-ジヒドロ-2-オキソ-1H-キナゾリニル、2,3-ジヒドロベンズオキサゾリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンズオキサゾリル、2,3-ジヒドロベンズイミダゾリル、1,3-ジヒドロインドール、2-オキソ-1,3-ジヒドロインドールまたは2-オキソ-2,3-ジヒドロベンズイミダゾリルを示し得る。
【0032】
さらなる置換に関係なく、Hetは、例えば、2-または3-フリル、2-または3-チエニル、1-、2-または3-ピロリル、1-、2、4-または5-イミダゾリル、1-、3-、4-または5-ピラゾリル、2-、4-または5-オキサゾリル、3-、4-または5-イソオキサゾリル、2-、4-または5-チアゾリル、3-、4-または5-イソチアゾリル、2-、3-または4-ピリジル、2-、4-、5-または6-ピリミジニル、
【0033】
さらにより好ましくは、1,2,3-トリアゾール-1-、-4-または-5-イル、1,2,4-トリアゾール-1-、-3-または5-イル、1-または5-テトラゾリル、1,2,3-オキサジアゾール-4-または-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-または-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-または-5-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-または-5-イル、1,2,3-チアジアゾール-4-または-5-イル、3-または4-ピリダジニル、ピラジニル、1-、2-、3-、4-、5-、6-または7-インドリル、4-または5-イソインドリル、インダゾリル、1-、2-、4-または5-ベンズイミダゾリル、1-、3-、4-、5-、6-または7-ベンゾピラゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズオキサゾリル、3-、4-、5-、6-または7-ベンズイソオキサゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンゾチアゾリル、2-、4-、5-、6-または7-ベンズイソチアゾリル、4-、5-、6-または7-ベンズ-2,1,3-オキサジアゾリル、2-、3-、4-、5-、6-、7-または8-キノリル、1-、3-、4-、5-、6-、7-または8-イソキノリル、3-、4-、5-、6-、7-または8-シンノリニル、2-、4-、5-、6-、7-または8-キナゾリニル、5-または6-キノキサリニル、2-、3-、5-、6-、7-または8-2H-ベンゾ-1,4-オキサジニル、ピロロピリジニル、プリニル、
【0034】
さらに好ましくは、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、1,4-ベンゾジオキサン-6-イル、2,1,3-ベンゾチアジアゾール-4-または-5-イル、2,1,3-ベンゾオキサジアゾール-5-イル、アザビシクロ[3.2.1]-オクチルあるいはジベンゾフラニルを示す。
ヘテロ環のラジカルはまた、部分的または全体的に水素化されていてもよい。
【0035】
さらなる置換に関係なく、Hetは、よってまた、例えば、2,3-ジヒドロ-2-、-3-、-4-または-5-フリル、2,5-ジヒドロ-2-、-3-、-4-または5-フリル、テトラヒドロ-2-または-3-フリル、1,3-ジオキソラン-4-イル、テトラヒドロ-2-または-3-チエニル、2,3-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピロリル、2,5-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピロリル、1-、2-または3-ピロリジニル、テトラヒドロ-1-、-2-または-4-イミダゾリル、2,3-ジヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-または-5-ピラゾリル、テトラヒドロ-1-、-3-または-4-ピラゾリル、1,4-ジヒドロ-1-、-2-、-3-または-4-ピリジル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-、-5-または-6-ピリジル、1-、2-、3-または4-ピペリジニル、2-、3-または4-モルホリニル、テトラヒドロ-2-、-3-または-4-ピラニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキサン-2-、-4-または-5-イル、ヘキサヒドロ-1-、-3-または-4-ピリダジニル、ヘキサヒドロ-1-、-2-、-4-または-5-ピリミジニル、1-、2-または3-ピペラジニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-、-2-、-3-、-4-、-5-、-6-、-7-または-8-キノリル、1,2,3,4-テトラヒドロ-1-,-2-,-3-、-4-、-5-、-6-、-7-または-8-イソキノリル、2-、3-、5-、6-、7-または8-3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ-1,4-オキサジニル、
【0036】
さらにより好ましくは、2,3-メチレンジオキシフェニル、3,4-メチレンジオキシフェニル、2,3-エチレンジオキシフェニル、3,4-エチレンジオキシフェニル、3,4-(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3-ジヒドロベンゾフラン-5-または6-イル、2,3-(2-オキソメチレンジオキシ)フェニルあるいはまた3,4-ジヒドロ-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-6-または-7-イル、
【0037】
さらにより好ましくは、2,3-ジヒドロベンゾフラニル、2,3-ジヒドロ-2-オキソフラニル、3,4-ジヒドロ-2-オキソ-1H-キナゾリニル、2,3-ジヒドロベンズオキサゾリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンズオキサゾリル、2,3-ジヒドロベンズイミダゾリル、1,3-ジヒドロインドール、2-オキソ-1,3-ジヒドロインドールまたは2-オキソ-2,3-ジヒドロベンズイミダゾリルを示し得る。
【0038】
Hetは、好ましくは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい。
Hetは、具体的に好ましくは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニルまたはピリミジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、Aおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよい。
【0039】
Arは、例えば、フェニル、o-、m-またはp-トリル、o-、m-またはp-エチルフェニル、o-、m-またはp-プロピルフェニル、o-、m-またはp-イソプロピルフェニル、o-、m-またはp-tert-ブチルフェニル、o-、m-またはp-ヒドロキシフェニル、o-、m-またはp-ニトロフェニル、o-、m-またはp-アミノフェニル、o-、m-またはp-(N-メチルアミノ)フェニル、o-、m-またはp-(N-メチルアミノカルボニル)フェニル、o-、m-またはp-アセトアミドフェニル、o-、m-またはp-メトキシフェニル、o-、m-またはp-エトキシフェニル、o-、m-またはp-エトキシカルボニルフェニル、o-、m-またはp-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル、o-、m-またはp-(N,N-ジメチルアミノカルボニル)フェニル、o-、m-またはp-(N-エチルアミノ)フェニル、o-、m-またはp-(N,N-ジエチルアミノ)フェニル、o-、m-またはp-フルオロフェニル、o-、m-またはp-ブロモフェニル、o-、m-またはp-クロロフェニル、o-、m-またはp-(メチルスルホンアミド)フェニル、o-、m-またはp-(メチルスルホニル)フェニル、o-、m-またはp-シアノフェニル、o-、m-またはp-カルボキシフェニル、o-、m-またはp-メトキシカルボニルフェニル、o-、m-またはp-アミノスルホニルフェニル、o-、m-またはp-(ベンジルアミノ)フェニル、
【0040】
さらにより好ましくは、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジフルオロフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジクロロフェニル、2,3-、2,4-、2,5-、2,6-、3,4-または3,5-ジブロモフェニル、2,4-または2,5-ジニトロフェニル、2,5-または3,4-ジメトキシフェニル、3-ニトロ-4-クロロフェニル、3-アミノ-4-クロロ-、2-アミノ-3-クロロ-、2-アミノ-4-クロロ-、2-アミノ-5-クロロ-または2-アミノ-6-クロロフェニル、2-ニトロ-4-N,N-ジメチルアミノ-または3-ニトロ-4-N,N-ジメチルアミノフェニル、2,3-ジアミノフェニル、2,3,4-、2,3,5-、2,3,6-、2,4,6-または3,4,5-トリクロロフェニル、2,4,6-トリメトキシフェニル、2-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル、p-ヨードフェニル、3,6-ジクロロ-4-アミノフェニル、4-フルオロ-3-クロロフェニル、2-フルオロ-4-ブロモフェニル、2,5-ジフルオロ-4-ブロモフェニル、3-ブロモ-6-メトキシフェニル、3-クロロ-6-メトキシフェニル、3-クロロ-4-アセトアミドフェニル、3-フルオロ-4-メトキシフェニル、3-アミノ-6-メチルフェニル、3-クロロ-4-アセトアミドフェニルあるいは2,5-ジメチル-4-クロロフェニルを示す。
【0041】
Arは、具体的に好ましくは、非置換であるか、またはHalおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されているフェニルを示す。
具体的に好ましい式Iで表される化合物は、以下である。
【化4】
【0042】
本発明を通してずっと、1回よりも多く出現するすべてのラジカルは、同一であってもまたは異なっていてもよく、すなわち相互に無関係である。
式Iで表される化合物は、1以上のキラル中心を有してもよく、およびしたがって、様々な立体異性体の形態で出現し得る。式Iは、すべてのこれらの形態を網羅する。
【0043】
結果的に、本発明は、とりわけ、該ラジカルの少なくとも1が上記に指し示された好ましい意味の1つを有する式Iで表される化合物に関する。化合物のいくつかの好ましい群は、以下の従属式Ia~Ikによって表されてもよく、それは式Iに適合し、およびここで、より詳細に指定されないラジカルは、式Iについて指し示される意味を有するが、ここで、
laにおいて、Rは、ArまたはHetを示し;
lbにおいて、Rは、SOAを示し;
leにおいて、Rは、HまたはFを示し、
は、HまたはFを示し;
【0044】
lfにおいて、Aは、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~5個のH原子は、OHおよび/またはFによって置き換えられていてもよく;
lgにおいて、Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHalおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されており;
lhにおいて、Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく;
liにおいて、Hetは、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニルまたはピリミジニルを示し、その各々は、非置換であるか、またはHal、OH、OA、Aおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく;
【0045】
ljにおいて、Rは、ArまたはHetを示し;
は、SOAを示し、
は、HまたはHalを示し、
は、HまたはHalを示し、
Aは、1~6個のC原子を有する非分枝または分枝のアルキルを示し、ここで、1~5個のH原子は、OHおよび/またはFによって置き換えられていてもよく、
Arは、フェニルを示し、それは、非置換であるか、またはHalおよび/もしくはCNによって単置換、二置換、もしくは三置換されており、
Hetは、1~4個のN、Oおよび/またはS原子を有する単環式の芳香族ヘテロ環を示し、それは、非置換であるか、またはHal、A、CN、OHおよび/もしくはOAによって単置換、二置換、もしくは三置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを示し、
nは、1、2または3を示す;
およびその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物。
【0046】
式Iで表される化合物およびまたそれらの調製のための出発材料は、加えて、文献(例えば、Houben-Weyl, Methoden der organischen Chemie [Methods of Organic Chemistry], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgartなどの、標準的な著作物)に記載されるとおり、それ自体公知の方法によって、正確には公知でありおよび該反応に好適な反応条件下で、調製される。本明細書でより詳細には言及されない、それ自体公知の変化形の使用もまた本明細書でなされ得る。
式IIおよびIIIで表される出発化合物は、一般に公知である。しかしながら、それらが新規である場合、それらはそれ自体公知の方法によって調製され得る。
式Iで表される化合物は、好ましくは、式IIで表される化合物と式IIIで表される化合物とを反応させることによって得られ得る。
式IIIで表される化合物において、Lは、好ましくはH、
【化5】

を示す。
【0047】
このカップリングは、一般に、パラジウム触媒、塩基および不活性溶媒を使用して高温で実行される。触媒の概要および反応条件は、文献[実例として、S. Kotha et al., Tetrahedron 2002, 58, 9633-9695; T. E. Barder et al., J. Am. Chem. Soc. 2005, 127, 4685-4696を参照]に見出され得る。この反応の好ましい触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)またはPdCl(PPhである。好ましい塩基は、水性溶液として採用される炭酸ナトリウムである。反応は、反応条件下で不活性である、1,4-ジオキサン、ACN、DMFもしくはDMSOなどの有機溶媒中、または水中、あるいはこれらの溶媒の混合物中で実行される。好ましくは、反応は、1,4-ジオキサンおよび水、または、ACNおよび水の混合物中で実行される。反応は、一般に、+100℃および+250℃の間の、好ましくは+110℃~+150℃の温度で実施される。加熱は、好ましくは、シングルモードのマイクロ波デバイスによって達成される。反応は、大抵、不活性ガス雰囲気下、好ましくはアルゴン下で行われる。
【0048】
その上、式Iで表される化合物は、好ましくは、式IVで表される化合物とNaBHなどの水素化物複合体とを、MeOHまたはTHFなどの不活性溶媒中で反応させることによって得られ得る。反応は、一般に、0℃および75℃の間の、好ましくは10℃~40℃の温度で実施される。
【0049】
薬学的塩および他の形態
本発明に従う該化合物は、それらの最終的な非塩形態において使用され得る。他方、本発明はまた、これらの化合物の、当該技術分野における公知の手順によって様々な有機酸および無機酸ならびに塩基から導き出され得る、それらの薬学的に許容し得る塩の形態における使用を網羅する。式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩形態は、大部分は、従来の方法によって調製される。式Iで表される化合物がカルボキシル基を含有する場合、その好適な塩の1種は、化合物と好適な塩基とを反応させて、対応する塩基付加塩を与えることによって形成され得る。かかる塩基は、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムを包含するアルカリ金属水酸化物;水酸化バリウムおよび水酸化カルシウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;例えば、カリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシドのアルカリ金属アルコキシド;ならびに、ピペリジン、ジエタノールアミンおよびN-メチルグルタミンなどの様々な有機塩基である。式Iで表される化合物のアルミニウム塩も同じく包含される。
【0050】
式Iで表されるある化合物の場合、酸付加塩は、これらの化合物を薬学的に許容し得る有機酸および無機酸、例えば、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素などのハロゲン化水素、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩等の他の鉱酸および対応するその塩、および、エタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩などのアルキルアリールスルホン酸塩およびモノアリールスルホン酸塩;ならびに、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩等などの他の有機酸および対応するその塩で処置することによって形成され得る。
【0051】
結果的に、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る酸付加塩は、以下を包含する:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシル酸塩)、重硫酸塩、亜硫酸水素塩、臭化物塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物塩、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ギ酸塩、ガラクタル酸塩(ムチン酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、イソ酪酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩、しかし、これは限定を表すものではない。
【0052】
さらにまた、本発明に従う化合物の塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を包含するが、これは限定を表すことを意図するものではない。上述の塩のうち、好ましいのは、アンモニウム;アルカリ金属塩ナトリウムおよびカリウム、ならびにアルカリ土類金属塩カルシウムおよびマグネシウムである。
【0053】
薬学的に許容し得る有機非毒性塩基から導き出される式Iで表される化合物の塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然に存在する置換アミンもまた包含する置換アミン、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチルモルホリン、N-エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N-メチル-D-グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエタノールアミン、TEA、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)の塩を包含するが、これは限定を表すことを意図するものではない。
【0054】
塩基性の窒素を含有する基を含有する本発明の化合物は、(C~C)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、イソプロピルおよびtert-ブチル;ジ(C~C)アルキル硫酸塩、例えば、ジメチル、ジエチルおよびジアミル硫酸塩;(C10~C18)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびにアリール(C~C)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチルなどの剤を使用して四級化され得る。本発明に従う水溶性および油溶性の両方の化合物は、かかる塩を使用して調製され得る。
【0055】
好ましい上述の薬学的塩は、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシル酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバル酸塩、リン酸ナトリウム、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシル酸塩およびトロメタミンを包含するが、これは限定を表すことを意図するものではない。
具体的に好ましいのは、塩酸塩、二塩酸塩、臭化水素酸塩、マレイン酸塩、メシル酸塩、リン酸塩、硫酸塩およびコハク酸塩である。
【0056】
式Iで表される塩基性化合物の酸付加塩は、従来のやり方で、遊離塩基形態を充分な量の所望される酸と接触させ、塩の形成を引き起こすことによって調製される。遊離塩基は、従来のやり方で、塩形態を塩基と接触させ、および遊離塩基を単離することによって再生され得る。遊離塩基は、ある観点において、極性溶媒中の可溶性などのある物理的特性に関して、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的のために、塩は、その他の点ではその夫々の遊離塩基形態に相当する。
【0057】
言及されたとおり、式Iで表される化合物の薬学的に許容し得る塩基付加塩は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミンなどの金属またはアミンを用いて形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N-メチル-D-グルカミンおよびプロカインである。
【0058】
本発明に従う酸性化合物の塩基付加塩は、従来のやり方で、遊離酸形態を充分な量の所望される塩基と接触させ、塩の形成を引き起こすことによって調製される。遊離酸は、従来のやり方で、塩形態を酸と接触させ、および遊離酸を単離することによって再生され得る。遊離酸形態は、ある観点において、極性溶媒中の可溶性などのある物理的特性に関して、その対応する塩形態と異なる;しかしながら、本発明の目的のために、塩は、その他の点ではその夫々の遊離酸形態に相当する。
【0059】
本発明に従う化合物が、このタイプの薬学的に許容し得る塩を形成することができる1より多くの基を含有する場合、本発明はまた複塩(multiple salts)を網羅する。典型的な複塩は、例えば、二酒石酸塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、ジメグルミン、二リン酸塩、二ナトリウムおよび三塩酸塩を包含するが、これは限定を表すことを意図するものではない。
【0060】
上記に述べたことに関して、本文脈における「薬学的に許容し得る塩」という表現が式Iで表される化合物をその塩の1種の形態で含む活性成分を意味すると解釈されることは、とりわけこの塩形態が活性成分の遊離形態または前から使用されていた活性成分のいずれの他の塩形態と比較して活性成分に改善された薬物動態特性を付与する場合、明らかである。活性成分の薬学的に許容し得る塩形態はまた、活性成分に前には有していなかった所望される薬物動態特性を初めて提供し得、およびこの活性成分の体内におけるその治療的有効性に関する薬理学への肯定的な影響をも有し得る。
【0061】
同位体
式Iで表される化合物がその同位体標識された形態を包含することが、さらにまた意図される。式Iで表される化合物の同位体標識された形態は、化合物の1以上の原子が通常天然に存在する原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子(単数)または原子(複数)によって置き換えられているという事実は別として、この化合物と同一である。容易に商業的に入手可能であり、および周知の方法によって式Iで表される化合物中へ組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、夫々、H、H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18Fおよび36CIを包含する。上述の同位体および/または他の原子の他の同位体の1以上を含有する式Iで表される化合物またはその薬学的に許容し得る塩は、本発明の一部であることが意図される。
【0062】
式Iで表される同位体標識された化合物は、数多の有益な手法において使用され得る。例えば、式Iで表される同位体標識された化合物であって、例えば、Hまたは14Cなどの放射性同位体が組み込まれた該化合物は、医薬および/または基質組織分布アッセイに好適である。これらの放射性同位体、すなわちトリチウム(H)および炭素-14(14C)は、単純な調製および優れた検出能に起因して具体的に好ましい。より重い同位体、例えば重水素(H)の式Iで表される化合物への組み込みは、この同位体標識された化合物のより高い代謝安定性に起因して治療的利点を有する。より高い代謝安定性は増大したin vivo半減期またはより低い投薬量に直接的に変わり、それはほとんどの状況下で本発明の好ましい態様を表すだろう。
【0063】
式Iで表される同位体標識された化合物は、大抵、本テキスト中の合成スキームおよび関連記載に、例の部に、ならびに調製の部に開示される手順を実行し、非同位体標識された反応物を容易に入手可能な同位体標識された反応物に置き換えることによって調製され得る。
【0064】
重水素(H)はまた、一次速度論的同位体効果(primary kinetic isotope effect)を通じて化合物の酸化的代謝を操作するための目的で、式Iで表される化合物中へ組み込まれ得る。一次速度論的同位体効果は、同位体の核の交換からもたらされる化学反応の速度の変化であり、それはこの同位体の交換後に共有結合形成に必要な基底状態エネルギーの変化によって順に引き起こされる。より重い同位体の交換は、大抵、化学結合のための基底状態エネルギーの低下をもたらし、およびよって律速的な結合破壊において速度の低減を引き起こす。結合破壊が多生成物反応の座標に沿った鞍点領域でまたはその近傍で生じる場合、生成物分布比率が実質的に変化され得る。説明のために:重水素が炭素原子に交換不可能な位置で結合される場合、k/k=2~7の速度差が典型的である。この速度差が酸化を起こしやすい式Iで表される化合物に首尾よく適用される場合、この化合物のin vivoでのプロファイルは劇的に改変され得、および改善された薬物動態特性をもたらし得る。
【0065】
治療剤を探し当てるかまたは開発する場合、当業者は、所望のin vitro特性を保持しながら、薬物動態パラメータを最適化することを試みる。乏しい薬物動態プロファイルを有する多くの化合物が酸化的代謝を起こしやすいと仮定することは、合理的である。目下入手可能なin vitroでの肝臓ミクロソームアッセイは、このタイプの酸化的代謝の経過に関する貴重な情報を提供し、それは順に、かかる酸化的代謝に対する耐性を通じて改善された安定性を有する式Iで表される重水素化された化合物の論理的な設計を可能にする。式Iで表される化合物の薬物動態プロファイルにおける有意な改善は、それによって得られ、およびin vivo半減期(t1/2)、最大治療的効果での濃度(Cmax)、用量応答曲線下面積(AUC)、およびFにおける増加の観点から;ならびに低減されたクリアランス、用量および材料コストの観点から定量的に表現され得る。
【0066】
以下は、上記を説明することが意図される:酸化的代謝のための複数の潜在的な攻撃の部位、例えば、ベンジルの水素原子および窒素原子に結合される水素原子を有する式Iで表される化合物は、水素原子の様々な組み合わせが重水素原子によって置き換えられ、それによってこれらの水素原子のいくつか、ほどんどまたはすべてが重水素原子によって置き換えられている一連の類似体として調製される。半減期の決定は、酸化的代謝に対する耐性の改善が改善される程度の好ましく、および正確な決定を可能にする。このように、親化合物の半減期が、このタイプの重水素-水素交換の結果として、最大100%まで延長され得ることが決定される。
【0067】
式Iで表される化合物における重水素-水素交換はまた、望ましくない有毒な代謝体を減少または除去するために、出発化合物の代謝体範囲の好ましい改変を達成するためにも使用され得る。例えば、有毒な代謝体が酸化的炭素-水素(C-H)結合切断を通じて現れる場合、重水素化された類似体が、具体的な酸化が律速ステップではない場合でさえも、不要な代謝体の産生を大幅に減少または除去するだろうことが、合理的に仮定され得る。重水素-水素交換に関する技術水準のさらなる情報は、例えば、Hanzlik et al., J. Org. Chem. 55, 3992-3997, 1990、Reider et al., J. Org. Chem. 52, 3326-3334, 1987, Foster, Adv. Drug Res. 14, 1-40, 1985、Gillette et al, Biochemistry 33(10) 2927-2937, 1994、およびJarman et al. Carcinogenesis 16(4), 683-688, 1993に見出され得る。
【0068】
本発明はさらにまた、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、溶媒和物および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物の少なくとも1種と、任意に賦形剤および/またはアジュバントとを含む医薬にも関する。
【0069】
医薬製剤は、投薬単位あたり予め決められた量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与され得る。かかる単位は、処置される状態、投与の方法、ならびに患者の年齢、体重および状態に依存して、例えば、0.5mg~1g、好ましくは1mg~700mg、具体的に好ましくは5mg~100mgの本発明に従う化合物を含み得、または医薬製剤は、投薬単位あたり予め決められた量の活性成分を含む投薬単位の形態で投与され得る。好ましい投薬単位製剤は、上記に指し示されたとおりの日用量もしくは部分用量、または活性成分のその対応する画分を含むものである。さらにまた、このタイプの医薬製剤は、薬学分野において一般に公知であるプロセスを使用して調製され得る。
【0070】
医薬製剤は、任意の所望される好適な方法を介する、例えば、経口(口腔内もしくは舌下を包含する)、直腸、経鼻、局所(口腔内、舌下もしくは経皮を包含する)、膣内または非経口(皮下、筋肉内、静脈内もしくは皮内を包含する)の方法による投与に適合し得る。かかる製剤は、薬学分野において公知のすべてのプロセスを使用して、例えば、活性成分と賦形剤(単数もしくは複数)またはアジュバント(単数もしくは複数)とを合わせることによって調製され得る。
【0071】
経口投与に適合する医薬製剤は、例えば、カプセルもしくは錠剤;粉末もしくは顆粒;溶液もしくは水性もしくは非水性液体中の懸濁液;可食性泡体もしくは泡体食品;または水中油型液体エマルションもしくは油中水型液体エマルションなどの個別の単位として投与され得る。
【0072】
よって、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合、活性成分構成要素は、経口の非毒性および薬学的に許容し得る不活性賦形剤、例えば、エタノール、グリセロール、水等と合わせられ得る。粉末は、化合物を好適な微細なサイズまで粉砕し、および、それと、同様のやり方で粉砕された賦形剤、例えば可食性炭水化物など、例えばデンプンまたはマンニトールなどと混合することによって調製される。フレーバー、防腐剤、分散剤および色素も、同じく存在してもよい。
【0073】
カプセルは、上に記載のとおりの粉末混合物を調製し、および成形されたゼラチンシェルをそれで充填することによって生成される。流動促進剤および潤滑剤、例えば、固体形態での、高度に分散性のケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたはポリエチレングリコールなどが、充填操作の前に粉末混合物に添加され得る。崩壊剤または可溶化剤、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムなどが、カプセルが服用された後の医薬の有効性を改善するために、同じく添加されてもよい。
【0074】
加えて、所望されるまたは必要な場合、好適な結合剤、潤滑剤および崩壊剤ならびに色素が、同じく混合物中に組み込まれ得る。好適な結合剤は、デンプン、ゼラチン、天然糖、例えば、グルコースまたはベータ-ラクトースなど、トウモロコシから作られた甘味料、天然および合成ゴム、例えば、アカシアなど、トラガカントまたはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、蝋等を包含する。これらの投薬形態に使用される潤滑剤は、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等を包含する。崩壊剤は、これらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンガム等を包含する。
【0075】
錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、混合物を造粒または乾式プレスし、潤滑剤および崩壊剤を添加し、ならびに混合物全体を圧縮して、錠剤を得ることによって形成される。粉末混合物は、好適なやり方で粉砕された化合物と、希釈剤もしくは塩基と、ならびに任意に上に記載のとおりの結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、ゼラチンもしくはポリビニルピロリドンなど、溶解遅延剤、例えば、パラフィンなど、吸収促進剤、例えば、四級塩など、および/または、吸収剤、例えば、ベントナイト、カオリンもしくはリン酸二カルシウムとを、混合することによって調製される。粉末混合物は、それを、結合剤、例えば、シロップ、デンプンペースト、アラビアゴム粘液、またはセルロースもしくはポリマー材料の溶液などで湿潤化し、およびそれをふるいを通じて圧縮することによって造粒され得る。造粒の代替として、粉末混合物を、打錠機にかけて、不均一形状の塊を得て、それを破壊して顆粒を形成し得る。
【0076】
顆粒は、錠剤流延型への粘着を防止するために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたは鉱油の添加によって潤滑化され得る。次いで、潤滑化された混合物は圧縮され、錠剤を得る。本発明の化合物はまた、自由流動の不活性賦形剤と合わせられ、次いで直接圧縮され、顆粒化または乾式プレスステップを行わずに錠剤を得ることもできる。セラック密封層、糖またはポリマー材料の層および蝋の光沢層からなる透明なまたは不透明な保護層が、存在してもよい。色素が、異なる投薬単位間を区別することができるように、これらのコーティングに添加され得る。
【0077】
所与の分量が化合物の予め特定された量を含むように、経口液体、例えば溶液、シロップおよびエリキシル剤などが、投薬単位の形態で調製され得る。シロップは、化合物を好適なフレーバーと共に水性溶液中に溶解することによって調製され得るが、一方でエリキシル剤は、非毒性アルコール性ビヒクルを使用して調製され得る。懸濁液は、化合物の非毒性ビヒクル中での分散によって製剤化され得る。可溶化剤および乳化剤、例えばエトキシル化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテルなど、防腐剤、フレーバー添加剤、例えばペパーミント油もしくは天然甘味料もしくはサッカリン、または他の人工甘味料などが、同じく添加され得る。
【0078】
経口投与用の投薬単位製剤は、所望される場合、マイクロカプセル中にカプセル化され得る。製剤はまた、放出が延長されるかまたは遅延されるように、例えば微粒子材料をポリマー、蝋等の中にコーティングするか、または包埋することなどによって調製され得る。
式Iで表される化合物、およびその薬学的塩、互変異性体および立体異性体はまた、リポソーム送達系、例えば、小さな単層ベシクル、大きな単層ベシクル、および多重膜ベシクルなどの形態で投与され得る。リポソームは、様々なリン脂質、例えばコレステロール、ステアリルアミンまたはホスファチジルコリンなどから形成され得る。
【0079】
式Iで表される化合物、およびその塩、互変異性体および立体異性体はまた、化合物分子が結合する個々の担体としてモノクローナル抗体を使用して送達され得る。化合物はまた、標的化された医薬担体としての可溶性ポリマーに結合し得る。かかるポリマーは、パルミトイルラジカルによって置換されたポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノールまたはポリエチレンオキシドポリリジンを網羅してもよい。化合物はさらにまた、医薬の制御放出を達成するのに好適である生分解性ポリマーの類、例えばポリ乳酸、ポリ-イプシロン-カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート、およびヒドロゲルの架橋ブロックコポリマーまたは両親媒性ブロックコポリマーに結合してもよい。
【0080】
経皮的投与に適合した医薬製剤は、レシピエントの表皮との長期間の、密接な接触のための独立した硬膏剤として投与され得る。よって、例えば、活性成分は、Pharmaceutical Research, 3(6), 318 (1986)に一般に記載されるとおりの、イオン泳動によって硬膏剤から送達され得る。
局所投与に適合した医薬化合物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたは油として処方され得る。
【0081】
目または他の外部組織、例えば口および皮膚の処置のために、製剤は、好ましくは、局所用軟膏またはクリームとして適用される。軟膏を得るための製剤の場合、活性成分は、パラフィン系または水混和性クリームベースのいずれかと共に採用され得る。代替的に、活性成分は、水中油型クリームベースまたは油中水型ベースと共にクリームを得るために処方され得る。
目への局所適用に適合した医薬製剤は、点眼剤を包含し、ここで活性成分は、好適な担体、とりわけ水性溶媒中に溶解されるか、または懸濁される。
口における局所適用に適合した医薬製剤は、薬用キャンディー、トローチおよび洗口剤を網羅する。
直腸投与に適合した医薬製剤は、坐薬または浣腸剤の形態で投与され得る。
【0082】
担体物質が固体である経鼻投与に適合した医薬製剤は、例えば20~500ミクロンの範囲にある粒子サイズを有する粗粉末を含み、これが、嗅ぎタバコが服用されるやり方で、すなわち鼻に近接して保持された粉末を収容する容器からの鼻道を介した迅速な吸入によって投与される。担体物質としての液体と共に経鼻スプレーまたは点鼻剤としての投与のための好適な製剤は、水または油中の活性成分溶液を網羅する。
【0083】
吸入による投与に適合した医薬製剤は、微粒子細粉またはミストを網羅し、それは、エアロゾル、噴霧器または吸入器を有する様々なタイプの加圧ディスペンサによって生成され得る。
膣内投与に適合した医薬製剤は、膣坐薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡体またはスプレー製剤として投与され得る。
【0084】
非経口投与に適合した医薬製剤は、抗酸化剤、緩衝液、静菌剤および溶質を含む水性および非水性の滅菌注射溶液であって、それを用いて製剤が処置されるレシピエントの血液と等張にされる該溶液;ならびに、水性および非水性の滅菌懸濁液であって、懸濁媒体および増粘剤を含んでもよい該懸濁液を包含する。製剤は、単一用量または複数用量の容器、例えば密封されたアンプルおよびバイアルで投与され得、ならびに使用の直前に滅菌された担体液体、例えば注射用水の添加のみを要するように、フリーズドライ(凍結乾燥)状態で貯蔵され得る。レシピに従って調製される注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製され得る。
【0085】
上記で具体的に言及された構成物質に加えて、製剤が製剤の具体的なタイプに関して当該分野において通常である他の剤もまた含んでもよいことは、言うまでもない;よって、例えば、経口投与に好適である製剤は、フレーバーを含んでもよい。
【0086】
式Iで表される化合物の治療的に有効な量は、例えば、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およびその重症度、製剤の性質および投与の方法を包含する数多の因子に依存し、ならびに最終的には、処置する医師または獣医によって決定される。しかしながら、本発明に従う化合物の有効量は、一般的に、1日あたり0.1~100mg/レシピエント(哺乳動物)の体重1kgの範囲、および具体的に典型的には1日あたり1~10mg/体重1kgの範囲にある。よって、体重が70kgである成体の哺乳動物についての1日あたりの実際の量は、大抵は70および700mgの間であり、ここで、合計の毎日の用量が同じであるように、この量が、1日あたりの単回用量として、または大抵は1日あたり一連の部分用量(例えば2回、3回、4回、5回もしくは6回など)で投与され得る。その塩もしくは溶媒和物または生理学的に官能性の誘導体の有効量は、本発明に従う化合物自体の有効量の画分として決定され得る。同様の用量が、上に言及された他の状態の処置に好適であると仮定され得る。
【0087】
このタイプの併用処置は、処置の個々の構成要素の同時の、連続的な、または個別の分配を活用して達成され得る。このタイプの組み合わせ生成物は、本発明に従う化合物を採用する。
【0088】
本発明はさらにまた、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物の少なくとも1種と、さらなる医薬活性成分の少なくとも1種とを含む医薬にも関する。
【0089】
本発明はまた、
(a)有効量の、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物、ならびに
(b)有効量のさらなる医薬活性成分
の個別のパックからなるセット(キット)にも関する。
【0090】
セットは、箱、個々の瓶、袋またはアンプルなどの好適な容器を含む。セットは、例えば、各々が、有効量の、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物、
ならびに、有効量の溶解形態または凍結乾燥形態でのさらなる医薬活性成分
を含有する個別のアンプルを含んでもよい。
【0091】
本明細書に使用されるとき、「処置」は、障害もしくは疾患に関連する症状の全体的もしくは部分的な緩和、またはそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化の緩徐化もしくは停止、または疾患もしくは障害を発症する危険にある対象における疾患もしくは障害の予防もしくは予防法を意味する。
【0092】
式(I)で表される化合物に関係する用語「有効量」は、障害もしくは疾患に関連する症状を全体的もしくは部分的に緩和するか、またはそれらの症状のさらなる進行もしくは悪化を緩徐化もしくは停止するか、または本明細書中に開示された炎症性状態、免疫学的状態、がんもしくは代謝的状態などの疾患を有するかもしくは発症する危険にある対象における疾患もしくは障害を防止もしくは予防を提供することができる量を意味し得る。
【0093】
一態様において、式(I)で表される化合物の有効量は、細胞におけるHIF-2αを、例えばin vitroまたはin vivoなどで阻害する量である。いくつかの態様において、有効量の式(I)で表される化合物は、細胞におけるHIF-2αを、処理されてない細胞におけるHIF-2αの活性と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または99%まで阻害する。有効量の式(I)で表される化合物、例えば医薬組成物中のものは、所望される効果を発揮するレベル;例えば経口投与および非経口投与の両方のための単位投薬において対象の体重の約0.005mg/kg~対象の体重の約10mg/kgであってもよい。
【0094】
使用
本化合物は、がんの処置における、哺乳動物のための、とくにヒトのための医薬活性成分として好適である。
本発明は、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体の、がんの処置または予防のための医薬の調製のための使用を網羅する。
その上、本発明は、がんの処置または予防のための使用のための、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体を網羅する。
【0095】
また網羅されるのは、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体の、哺乳動物におけるHIF-2α-誘導疾患またはHIF-2α-誘導状態の処置または予防のための医薬の調製のための使用であり、ここでこの方法に対して、本発明に従う治療的に有効な量の化合物が、かかる処置を必要とする病気の哺乳動物に投与される。治療的量は特定の疾患に従って変動し、および当業者によって過度の労力を伴わずに決定され得る。
【0096】
本発明は、具体的に言うと、HIF-2αの阻害、調節および/またはモジュレーション阻害が役割を果たす疾患の処置のための使用のための、式Iで表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物に関する。
本発明は、具体的に言うと、HIF-2αの阻害のための使用のための、式Iで表される化合物、およびその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体、ならびにあらゆる比率におけるそれらの混合物に関する。
【0097】
式Iで表される化合物が処置または予防に有用である代表的ながんは、これらに限定されないが、頭部、頸部、目、口、喉、食道、気管支、喉頭、咽頭、胸部、骨、肺、結腸、直腸、胃、前立腺、膀胱、子宮、子宮頸、乳房、卵巣、精巣または他の生殖器、皮膚、甲状腺、血液、リンパ節、腎臓、肝臓、膵臓、脳、中枢神経系のがん、固形腫瘍および血液由来の腫瘍を包含する。
【0098】
その上、式Iで表される化合物が処置または予防に有用である代表的ながんは、膠芽腫、腎細胞癌(RCC)および淡明細胞型腎細胞癌(ccRCC)を包含する。
その上、本発明は、フォンヒッペル・リンダウ(VHL)疾患の処置または予防のための使用のための、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体を網羅する。
その上、本発明は、心血管疾患の処置または予防のための使用のための、式Iで表される化合物、および/またはその薬学的に許容し得る塩、互変異性体および立体異性体を網羅する。
【0099】
好ましくは、本発明は、有効量の本発明に従う式Iで表される化合物をそれを必要とする対象へ投与することを含む、がんを処置する方法に関する。
具体的に好ましい本発明は、疾患ががんである方法に関し、ここで、投与は少なくとも1種の他の活性薬剤の投与と同時、逐次的、または交互である。
開示された式Iで表される化合物は、抗がん剤を包含する他の公知の治療剤と組み合わせて投与され得る。本明細書で使用されるとき、用語「抗がん剤」は、がんを処置する目的でがんを患う患者に投与される任意の剤に関する。
上記に定義された抗がん処置は、単剤治療として適用されてもよく、または本明細書に開示された式Iで表される化合物に加えて、従来の外科手術もしくは放射線治療もしくは薬物治療を含んでもよい。かかる薬物治療、例として化学治療または標的治療は、1以上の、好ましくは1の以下の抗腫瘍剤を包含してもよい。
【0100】
アルキル化剤
アルトレタミン、ベンダムスチン、ブスルファン、カルムスチン、クロラムブシル、クロルメチン、シクロホスファミド、ダカルバジン、イホスファミド、インプロスルファン、トシラート、ロムスチン、メルファラン、ミトブロニトール、ミトラクトール、ニムスチン、ラニムスチン、テモゾロミド、チオテパ、トレオスルファン、メクロレタミン、カルボコン;
アパジコン、ホテムスチン、グルホスファミド、パリホスファミド、ピポブロマン、トロホスファミド、ウラムスチン、TH-302、VAL-083など;
【0101】
白金化合物
カルボプラチン、シスプラチン、エプタプラチン、ミリプラチン水和物、オキサリプラチン、ロバプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、サトラプラチン;
ロバプラチン、ネダプラチン、ピコプラチン、サトラプラチンなど;
【0102】
DNA変化剤
アムルビシン、ビサントレン、デシタビン、ミトキサントロン、プロカルバジン、トラベクテジン、クロファラビン;
アムサクリン、ブロスタリシン、ピクサントロン、ラロムスチン1、3など;
【0103】
トポイソメラーゼインヒビター
エトポシド、イリノテカン、ラゾキサン、ソブゾキサン、テニポシド、トポテカン;
アモナフィド、ベロテカン、エリプチニウムアセタート、ボレロキシンなど;
【0104】
微小管修飾因子
カバジタキセル、ドセタキセル、エリブリン、イクサベピロン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン、ビンデシン、ビンフルニン;
フォスブレタブリン、テセタキセルなど;
【0105】
代謝拮抗薬
アスパラギナーゼ3、アザシチジン、レボホリナートカルシウム、カペシタビン、クラドリビン、シタラビン、エノシタビン、フロクスウリジン、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、メルカプトプリン、メトトレキサート、ネララビン、ペメトレキセド、プララトレキサート、アザチオプリン、チオグアニン、カルモフール;
ドキシフルリジン、エラシタラビン、ラルチトレキセド、サパシタビン、テガフール2、3、トリメトレキサートなど;
【0106】
抗がん抗生物質
ブレオマイシン、ダクチノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダルビシン、レバミソール、ミルテホシン、マイトマイシンC、ロミデプシン、ストレプトゾシン、バルルビシン、ジノスタチン、ゾルビシン、ダウノルビシン、プリカマイシン;
アクラルビシン、ペプロマイシン、ピラルビシンなど;
【0107】
ホルモン/アンタゴニスト
アバレリックス、アビラテロン、ビカルタミド、ブセレリン、カルステロン、クロロトリアニセン、デガレリクス、デキサメタゾン、エストラジオール、フルオコルトロン、フルオキシメステロン、フルタミド、フルベストラント、ゴセレリン、ヒストレリン、リュープロレリン、メゲストロール、ミトタン、ナファレリン、ナンドロロン、ニルタミド、オクトレオチド、プレドニゾロン、ラロキシフェン、タモキシフェン、サイロトロピンアルファ、トレミフェン、トリロスタン、トリプトレリン、ジエチルスチルベストロール;
アコルビフェン、ダナゾール、デスロレリン、エピチオスタノール、オルテロネル、エンザルタミド1,3など;
【0108】
アロマターゼインヒビター
アミノグルテチミド、アナストロゾール、エキセメスタン、ファドロゾール、レトロゾール、テストラクトン;
ホルメスタンなど;
【0109】
小分子キナーゼインヒビター
クリゾチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、イマチニブ、ラパチニブ、ニロチニブ、パゾパニブ、レゴラフェニブ、ルキソリチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、バンデタニブ、ベムラフェニブ、ボスチニブ、ゲフィチニブ、アキシチニブ;
アファチニブ、アリサーチブ、ダブラフェニブ、ダコミチニブ、ジナシクリブ、ドビチニブ、エンザスタウリン、ニンテダニブ、レンバチニブ、リニファニブ、リンシチニブ、マシチニブ、ミドスタウリン、モテサニブ、ネラチニブ、オランチニブ、ペリフォシン、ポナチニブ、ラドチニブ、リゴセルチブ、ティピファニブ、チバンチニブ、チボザニブ、トラメチニブ、ピマセルチブ、ブリバニブアラニナート、セジラニブ、アパチニブ、カボザンチニブS-マラート1,3、イブルチニブ1,3、イコチニブ、ブパルリシブ、シパチニブ、コビメチニブ1,3、イデラリシブ1,3、フェドラチニブ1、XL-647など;
【0110】
光感作物質
メトキサレン
ポルフィマーナトリウム、タラポルフィン、テモポルフィンなど;
【0111】
抗体
アレムツズマブ、ベシレソマブ、ブレンツキシマブベドチン、セツキシマブ、デノスマブ、イピリムマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、リツキシマブ、トシツモマブ、トラスツズマブ、ベバシズマブ、ペルツズマブ2,3
カツマキソマブ、エロツズマブ、エプラツズマブ、ファーレツズマブ、モガムリズマブ、ネシツムマブ、ニモツズマブ、オビヌツズマブ、オカラツズマブ、オレゴボマブ、ラムシルマブ、リロツムマブ、シルツキシマブ、トシリズマブ、ザルツムマブ、ザノリムマブ、マツズマブ、ダロツズマブ1,2,3、オナルツズマブ1,3、ラコツモマブ、タバルマブ1,3、EMD-525797、アベルマブ、ニボルマブ1,3など;
【0112】
サイトカイン
アルデスロイキン、インターフェロンアルファ、インターフェロンアルファ2a、インターフェロンアルファ2b2、3
セルモロイキン、タソネルミン、テセロイキン、オプレルベキン1,3、組換えインターフェロンベータ-1aなど;
【0113】
薬物抱合体
デニロイキンジフチトクス、イブリツモマブチウキセタン、イオベングアンI123、プレドニムスチン、トラスツズマブエムタンシン、エストラムスチン、ゲムツズマブ、オゾガマイシン、アフリベルセプト;
シトレデキンベスドトックス、エドトレオチド、イノツズマブオゾガマイシン、ナプツモマブエスタフェナトクス、オポルツズマブモナトックス、テクネチウム(99mTc)アルシツモマブ1,3、ビンタフォリド1,3など;
【0114】
ワクチン
シプロイセル;ビテスペン、エメペピムト-S、oncoVAX、リンドペピムト、troVax、MGN-1601、MGN-1703など;
【0115】
その他
アリトレチノイン、ベキサロテン、ボルテゾミブ、エベロリムス、イバンドロン酸、イミキモド、レナリドミド、レンチナン、メチロシン、ミファムルチド、パミドロン酸、ペグアスパルガーゼ、ペントスタチン、シプロイセル、シゾフィラン、タミバロテン、テムシロリムス、サリドマイド、トレチノイン、ビスモデギブ、ゾレドロン酸、ボリノスタット;セレコキシブ、シレンジチド、エンチノスタット、エタニダゾール、ガネテスピブ、イドロノキシル、イニパリブ、イキサゾミブ、ロニダミン、ニモラゾール、パノビノスタット、ペレチノイン、プリチデプシン、ポマリドミド、プロコダゾール、リダフォロリムス、タスキニモド、テロトリスタット、チマルファシン、チラパザミン、トセドスタット、トラベデルセン、ウベニメクス、バルスポダル、ゲンジシン、ピシバニール、レオリシン、レタスピマイシン塩酸塩1、3、トレバナニブ2,3、ビルリジン、カーフィルゾミブ1,3、エンドスタチン、イムコテル、ベリノスタット、MGN-1703
【0116】
PARPインヒビター
オラパリブ、ベリパリブ。
Prop. INN(提唱された国際一般名(Proposed International Nonproprietary Name))
Rec. INN(推奨された国際一般名(Recommended International Nonproprietary names))
USAN(米国一般名(United States Adopted Name))
INNなし。
【0117】
以下の略語は、夫々下記の定義を指す:
aq(水性)、h(時間)、g(グラム)、L(リットル)、mg(ミリグラム)、MHz(メガヘルツ)、min(分)、mm(ミリメートル)、mmol(ミリモル)、mM(ミリモル)、m.p.(融点)、eq(当量)、mL(ミリリットル)、μL(マイクロリットル)、ACN(アセトニトリル)、AcOH(酢酸)、CDCl(重水素化クロロホルム)、CDOD(重水素化メタノール)、c-hex(シクロヘキサン)、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)、DCM(ジクロロメタン)、DIC(ジイソプロピルカルボジイミド)、DIEA(ジイソプロピルエチル-アミン)、DMF(ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、DMSO-d(重水素化ジメチルスルホキシド)、EDC(1-(3-ジメチル-アミノ-プロピル)-3-エチルカルボジイミド)、ESI(エレクトロスプレーイオン化)、EtOAc(酢酸エチル)、EtO(ジエチルエーテル)、EtOH(エタノール)、HATU(ジメチルアミノ-([1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-3-イルオキシ)-メチレン]-ジメチル-アンモニウムヘキサフルオロホスファート)、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、i-PrOH(2-プロパノール)、KCO(炭酸カリウム)、LC(液体クロマトグラフィー)、MeOH(メタノール)、MgSO(硫酸マグネシウム)、MS(質量分析)、MTBE(メチルtert-ブチルエーテル)、NaHCO(重炭酸ナトリウム)、NaBH(水素化ホウ素ナトリウム)、NMM(N-メチルモルホリン)、NMR(核磁気共鳴)、PE(石油エーテル)、PyBOP(ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノ-ホスホニウムヘキサフルオロホスファート)、RT(室温)、Rt(保持時間)、SPE(固相抽出)、TBTU(2-(1-H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート)、TEA(トリエチルアミン)、TFA(トリフルオロ酢酸)、THF(テトラヒドロフラン)、TLC(薄層クロマトグラフィー)、UV(紫外線)、WL(波長)。
【0118】
上記および下記のすべての温度は、℃で指し示される。以下の例において、「従来のワークアップ(work-up)」は、以下を意味する:水は必要ならば添加され、pHは必要ならば最終生成物の構成に依存して2および10の間の値に調整され、混合物はEtOAcまたはDCMで抽出され、相は分離され、有機相は硫酸ナトリウム上で乾燥および蒸発され、ならびに残渣はシリカゲルのクロマトグラフィーによっておよび/または結晶化によって精製される。シリカゲルのRf値;溶離液:EtOAc/MeOH9:1。
H NMRは、内部標準としての重水素化された溶媒の残余シグナルを使用して、Bruker DPX-300、DRX-400、AVII-400上で、または500MHz分光計上で記録された。化学シフト(δ)は、残余溶媒シグナルと比べてのppmで報告される(DMSO-dにおけるH NMRについてδ=2.49ppm)。H NMRデータは、次のとおり報告される:化学シフト(多重度、カップリング定数、および水素の数)。多重度は、以下のとおり略される:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、br(広い)。
【0119】
分析方法
LCMS
方法A
カラム:Chromolith(登録商標) SpeedROD RP18e 50-4.6
移動相:A=水+0.05%HCOOH、B=ACN+0.04%HCOOH
勾配:開始4%B、2.8分後100%B、3.3分後停止
流速:2.4ml/分
波長:220nm
【0120】
方法B
カラム:Shim-pack XR-ODS、3.0*50mm、2.2μm
移動相:A:水/0.05%TFA、B:ACN/0.05%TFA
勾配:2.0分で5%B~100%B、保持0.5分
流速:1.2mL/分
波長:254nm
【0121】
方法C
カラム:Kinetex EVO C18、3.0x50mm、2.6μm
移動相:A:水と0.04%NHOH、B:ACN
勾配:2.1分で10%B~95%B、保持0.6分
流速:1.2mL/分
波長:254nm
【0122】
方法D
カラム:CORTECSC 18+、2.1x50mm、2.7μm
移動相:A:水と0.1%FA、B:ACNと0.1%FA
勾配:2.0分まで10%B~100%B、2.6分まで保持、2.7分まで100%B~10%B、2.90後停止
流速:1.0mL/分
波長:254nm
【0123】
方法E
カラム:CORTECSC 18+、2.1x50mm、2.7μm
移動相:A:水と0.1%FA、B:ACNと0.1%FA
勾配:3.0分まで10%B~100%B、4.7分まで保持、4.8分まで100%B~10%B、5分後停止
流速:1.0mL/分
波長:254nm
【0124】
HPLC
方法A
カラム:Chromolith(登録商標)SpeedROD RP 18e 50-4.6
移動相:A=水+0.01%TFA、B=ACN+0.01%TFA
勾配:開始10%B、3.5分後100%B、4.8分後10%B、5.5分後停止
流速:2.75mL/分
波長:220nm
【0125】
方法B
カラム:Atlantis T3、150x4.6mm
移動相:A=水+0.05%TFA、B=ACN+0.05%TFA
勾配:開始5%B、8分後95%B、10.2分後5%B、12分後停止
流速:1.5mL/分
波長:254nm
【0126】
方法C
カラム:Ascentis Express C18 2.7μm、100x4.6mm
移動相:A=水+0.05%TFA、B=ACN+0.05%TFA
勾配:開始5%B、8分後95%B、10.2分後5%B、12分後停止
流速:1.5mL/分
波長:254nm
【0127】
方法D
カラム:XSELECT HSS T3 100x4.6mm
移動相:A=水+0.05%TFA、B=ACN+0.05%TFA
勾配:開始5%B、8分後95%B、10.2分後5%B、12分後停止
流速:1.2mL/分
波長:254nm
【0128】
方法E
カラム:Atlantis HILIC Silica 3μm 100x4.6mm
移動相:A=水+0.05%TFA、B=ACN+0.05%TFA
勾配:開始5%B、8分後95%B、10.2分後5%B、12分後停止
流速:1.2mL/分
波長:254nm
【0129】
分析的キラル分離
方法A
HPLC
カラム:Lux Amylose-2
移動相:n-ヘプタン:i-PrOH(20:80)
波長:254nm
流速:1mL/分
【0130】
方法B
SFC
カラム:Lux Amylose-1
移動相:CO:i-PrOH+0.5%DEA(88:12)
波長:220nm
流速:5mL/分
【0131】
方法C
方法:SFC
カラム:ChiralPak AS-H
移動相:CO:i-PrOH+0.5%DEA(85:15)
波長:220nm
流速:5mL/分
【0132】
方法D
方法:HPLC
カラム:ChiralPak IA-3
移動相:Hex(0.1%DEA)/EtOH=1:1
波長:254nm
流速:1.0mL/分
【0133】
方法E
方法:HPLC
カラム:ChiralPak IA-3
移動相:Hex(0.1%DEA)/EtOH=4:1
波長:254nm
流速:1.0mL/分
【0134】
方法F
方法:HPLC
カラム:ChiralPak IA-3
移動相:Hex(0.1%DEA)/EtOH=7:3
波長:254nm
流速:1.0mL/分
【0135】
方法G
方法:SFC
カラム:ChiralPak IC、3*100mm、3μm
共溶媒:MeOH+0.1%DEA
波長:220nm
流速:2mL/分
【0136】
分取キラル分離
方法A
HPLC
カラム:Lux Amylose-2
移動相:n-ヘプタン:i-PrOH(20:80)
波長:254nm
流速:20ml/分
【0137】
生物活性
Alphascreen Protenタンパク質相互作用アッセイ
HIF-2αおよびHIF-1βのPAS Bドメインの相互作用の機能的崩壊の評価のために、AlphaScreenアッセイを設定した。アッセイを、Perkin Elmer社の薄灰色の384ウェルマイクロタイタープレートで、7μlの総体積で実施した。ヒトrec His6Gb1-TEV-GEFKGL-HIF2α(240-350aa)-G (fc 143nM)およびヒトrec ARNT His6Gb1-TEV-GEFKGL-ARNT(356-470aa)-FLAG-E362R(fc 143nM)を、20mM Hepes、150mM NaCl、0.05%Tween 20、2mM DTT、0.1%(w/v)BSA、0.3%DMSO中、23℃で、15分間、pH7.5で、目的の化合物(fc 1nM~30μM)でインキュベートした。タンパク質間相互作用の検出を、AlphaLISA(登録商標)未標識アクセプタービーズ(fc 20μg/ml)およびAlphaScreen(登録商標)ニッケルキレートドナービーズ(fc 9μg/ml)(共にPerkin Elmer社)を添加することによって実施し、反応物を、暗中23℃で、240分間インキュベートした。ドナービーズおよびアクセプタービーズがHIF2アルファ PASBとHIF-1β PAS Bドメインとの相互作用に起因して互いに近接する場合、それは680nmでの励起後に615nmで発光シグナルをもたらす。化合物のPPI崩壊活性を、Alphascreenシグナルの喪失から直接算出した。AlphaScreenシグナルを、Envisionマルチモードリーダー(Perkin Elmer LAS Germany社)で測定した。使用した対照値は、インヒビターを含まない反応であった。使用した薬理学的なゼロ値を、HIF-1βの不在において決定した。阻害性値(IC50)を、GeneData社からのAssay analyserを使用して算出した。
【0138】
化合物は、以下の表に示すとおりのA<50nM、50≦B≦1000nM、およびC>1000nMのIC50を用いたアッセイにおいてHIF-2αを阻害する:
【表1-1】

【表1-2】
【0139】
ITC
ITC測定を、MicroCal/Malvern社(UK)からのVP-ITCマイクロカロリーメーターで実施した。すべての滴定実験のために、タンパク質および夫々の化合物を30mM HEPES緩衝液 pH7.5、150mM NaClおよび5mM β-メルカプトエタノール中で調合した。タンパク質、HIF2a(240-350)-Gを、組換え過剰発現および多段階クロマトグラフィー精製によって調製した。化合物は、濃縮されたDMSO貯蔵溶液から使用した。注射シリンジ中の最終的なタンパク質濃度は、100μMであった。DMSO中10mMのリガンド貯蔵溶液を、緩衝液で10μM濃度まで希釈し、試料セル中へロードした。すべての緩衝液を、1%(v/v)DMSOの最終的な濃度まで調整した。滴定液および滴定溶液(titrate and titrant solutions)の両方を、カロリーメーターセルおよび注射シリンジをロードするに先立って脱気した。ITC滴定を、303Kの一定温度で実行した。ITCデータ分析を、MicroCal/Malvern社(UK)によって標準的な機械ソフトフェアとして供給されたOrigin 7(OriginLab Cooperation Northampton、USA)系の熱量測定特注品を使用して実施した。統合した熱データを一部位結合モデル(one-site binding model)に適合させ、結合の親和性、エンタルピーおよび化学量論についての見掛けの値を決定した。
【0140】
化合物は、以下の表に示すとおりのA<50nM、50≦B≦1000nM、およびC>1000nMのKを用いたアッセイにおいて、HIF-2αと結合する:
【表2】
【0141】
細胞機構的アッセイ:786-O HRE-luc2Pレポーターアッセイ
このレポーターアッセイを、HIF2α-HIF1β複合体の、生理学的に関係のある細胞株中の低酸素応答エレメント(HRE)と称される特定のDNAフラグメントへの結合をモニターするために設計した。786-O HRE-luc2P細胞は、HRE配列の制御下でルシフェラーゼの発現を駆動するHRE Lucレポーター構築物(pGL4.42 [luc2P/HRE/Hygro] Vector、Promega社、cat no.E4001)の安定した統合によって、786-Oヒト腎細胞腺癌細胞株から導き出された。HREは、低酸素誘導性因子によって制御される様々な遺伝子のプロモーターにおいて存在する。786-O細胞は、HIF2αのみを発現する。結果として、このレポーターアッセイは、生成されたルシフェラーゼの活性を決定することによって、HIF2α-HIF1β活性のモニタリングを可能にする。細胞培養を、10%FBS、ピルビン酸ナトリウム、ペニシリン/ストレプトマイシン、グルタミン、200μg/mlハイグロマイシンゴールドが補充されたRPMI培地において実施した。
【0142】
アッセイを、透明な底面を有する乳白色の384ウェルマイクロタイタープレート(Greiner Bio-one社、Frickenhausen)において実施した。786-O HRE-luc2P細胞を、新鮮な、予熱した培地(RPMI、10%FBS、SP、P/S、Q)w/oハイグロマイシンにおいて、4×104cells/mlで再懸濁させた。ウェルあたり50μlの細胞懸濁液(2000細胞)をマイクロタイタープレートに分注し、5%COインキュベーターにおいて37℃で終夜インキュベートした。化合物を、Labcyte Echoディスペンサで添加した(fc 0.2%DMSO、原料が10μMで始まる9濃度希釈)。プレートを、5%COインキュベーターにおいて、37℃で48時間インキュベートした。この後に、ウェルあたり45μlの予熱したONE-Glo(商標)EX試薬を添加した。プレートを、3分間、1200rpmでオービタルシェーカー上に置いた。プレートを密封し、発光をTecan Spark 20Mマイクロプレートリーダーで測定した(0.1秒読み取り時間のエンドポイント測定)。値を、DMSO ctrlおよび細胞なしのウェル(培地ctrlのみ)に正規化した。発光の減少は、HIF2α活性の阻害と直接的に相関する。IC50値および%効果値を、GraphPad Prismによって算出した。
【0143】
化合物は、以下の表に示すとおりのA<50nM、50≦B≦1000nM、およびC>1000nMのIC50を用いたアッセイにおいて、HIF-2aを阻害する:
【表3】
【0144】
合成
一般手順A
【化6】
【0145】
3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパン酸(2)の合成
【化7】
【0146】
250mL丸底フラスコ中3-(チオフェン-3-イル)プロパン酸(6.00g、36.49mmol、1.00当量、95%)へ、トルエン(70mL)およびSOCl(11.92g、83.90mmol、2.30当量、95%)を添加した。その結果得られる溶液を、4時間、69℃で攪拌した。次いで、反応物を100mLの氷水の添加によってクエンチし、4×100mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をPE中0~8%EtOAcで溶離するカラムクロマトグラフィーを介して精製することによって、8.89gの3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパン酸が無色固体として供与された。
【0147】
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ 12.00 (s、1H)、7.07 (s、1H)、2.75-2.70 (m、2H)、2.54-2.48 (m、2H);LC-MS(方法D):[M-H]- = 222.75、Rt=0.89分。
【0148】
3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパノイルクロリド(3)の合成
【化8】
【0149】
窒素でパージした250mL丸底フラスコ中3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパン酸(8.89g、36.89mmol、1.00当量、93.4%)へ、チオニルクロリド(80.00mL、1.05mol、28.40当量、95%)を添加した。その結果得られる溶液を、3時間、25℃で攪拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮することによって、8.32gの3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパノイルクロリドがオレンジ色の油として供与され、それをさらなる精製はせずに使用した。
【0150】
1,3-ジクロロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(4)の合成
【化9】
【0151】
3-(2,5-ジクロロチオフェン-3-イル)プロパノイルクロリド(8.32g、32.04mmol、1.00当量、93.8%)を、窒素でパージした500mL丸底フラスコ中DCM(80mL)中に溶解し、溶液を0~5℃まで冷却した。AlCl(35.98g、256.3mmol、8.00当量、95%)を、ゆっくり添加した。その結果得られる混合物を、5時間、25℃で攪拌した。次いで、それを1Lの氷水中へ注ぎ、3×300mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を蒸発させた。残渣をPE中EtOAc(0~10%)で溶離するカラムクロマトグラフを介して精製することによって、4.02g 1,3-ジクロロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが薄黄色固体として供与された。
【0152】
1H NMR (400 MHz、CDCl3): δ 3.01-2.95 (m、2H)、2.87-2.81 (m、2H);LC-MS(方法D):[M+H]+ = 206.80、Rt=0.95分。
【0153】
1,3-ジクロロ-5-フルオロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(5)の合成
【化10】
【0154】
250mL丸底フラスコ中1,3-ジクロロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(4.10g、18.8mmol、1.00当量、95%)へ、1,3-ジクロロ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(4.10g、18.8mmol、1.00当量、95%)、セレクトフルオル(10.52g、28.2mmol、1.50当量、95%)、MeOH(50mL)、および濃硫酸(564.7mg、5.64mmol、0.30当量、98%)を添加した。反応物を、69℃で48時間攪拌した。出発材料の完全な転化後、水(30mL)を添加し、およびその結果得られる混合物を、69℃で4時間攪拌した。次いで、それを3×100mLのEtOAcで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をEtOAc/PE(1:10)で溶離するカラムクロマトグラフィーを介して精製することによって、4.5gの1,3-ジクロロ-5-フルオロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが無色固体として供与された。
【0155】
LC-MS(方法D):[M+H]+ = 224.75、Rt=0.94分。
【0156】
tert-ブチル({1,3-ジクロロ-5-フルオロ-4H-シクロペンタ[c]チオフェン-6-イル}オキシ)ジメチルシラン(6)の合成
【化11】
【0157】
窒素でパージした250mL丸底フラスコへ、1,3-ジクロロ-5-フルオロ-5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(4.30g、16.2mmol、1.00当量、85%)、DCM(60mL)、TEA(11.9mL、81.2mmol、5.00当量、95%)、およびTBSOTf(5.42g、19.5mmol、1.20当量、95%)を添加した。その結果得られる溶液を0℃で3時間攪拌し、次いで真空下で濃縮した。残渣をPE中EtOAc(1:100)で溶離するカラムクロマトグラフィーを介して直接精製することによって、6.0gのtert-ブチル({1,3-ジクロロ-5-フルオロ-4H-シクロペンタ[c]チオフェン-6-イル}オキシ)ジメチルシランが無色固体として供与された。
【0158】
1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ 3.24 (d、J = 3.1 Hz、2H)、1.03 (s、9H)、0.27 (d、J = 1.7 Hz、6H)。
【0159】
1,3-ジクロロ-5,5-ジフルオロ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(7)の合成
【化12】
【0160】
窒素でパージした500mL丸底フラスコへ、tert-ブチル({1,3-ジクロロ-5-フルオロ-4H-シクロペンタ[c]チオフェン-6-イル}オキシ)ジメチルシラン(3.00g、7.25mmol、1.00当量、82%)、セレクトフルオル(4.06g、10.9mmol、1.50当量、95%)、およびACN(100mL)を添加した。反応混合物を、0℃で3時間攪拌した。固体を濾過し、濾過物を真空下で濃縮した。次いで、残渣をEtOAc/PE(1:20)で溶離するカラムクロマトグラフィーを介して精製することによって、1.8gの1,3-ジクロロ-5,5-ジフルオロ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが黄色固体として供与された。
【0161】
1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ 3.31 (t、J = 12.9 Hz、2H)。
【0162】
1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-(メチルスルファニル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(8)の合成
【化13】
【0163】
窒素でパージした100mL丸底フラスコへ、1,3-ジクロロ-5,5-ジフルオロ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(900mg、3.33mmol、1.00当量、90%)、(メチルスルファニル)ナトリウム(285mg、3.86mmol、1.16当量、95%)、およびTHF(30mL)を添加した。反応混合物を、RTで3時間攪拌した。次いで、それを30mLの氷水の添加によってクエンチした。その結果得られる混合物を、3x30mLのEtOAcで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をEtOAc/PE(1:30)で溶離するカラムクロマトグラフィーを介して精製することによって、450mgの1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-(メチルスルファニル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが黄色固体として供与された。
【0164】
LC-MS(方法D):[M+H]+ = 254.80、Rt=1.05分。
【0165】
1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(9)の合成
【化14】
【0166】
MeOH中1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-(メチルスルファニル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(1.17g、4.36mmol、1当量、95%)の攪拌溶液へ、窒素雰囲気下、RTでオキソン(6.2g、35.0mmol、8.03当量、95%)を部分的に添加した。その結果得られる混合物を、RTで、終夜、窒素雰囲気下で攪拌した。その結果得られる混合物を濾過し、濾過ケークをEtOAc(4×20mL)で洗浄した。濾過物を、減圧下で濃縮した。残渣をPE/EtOAc(5:1)で溶離するシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製することによって、1.1gの1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが無色固体として供与された。
【0167】
1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ 3.51-3.35 (m、5H)。
【0168】
1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン](10)の合成
【化15】
【0169】
100mL丸底フラスコ中1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(2.5g、7.85mmol、1当量、90%)へ、RTでDMF(30mL)、KCO(2.4g、16.5mmol、2.10当量、95%)、および2-ブロモエタン-1-オール(2.1g、15.96mmol、2.03当量、95%)を添加した。その結果得られる混合物を、RTで2時間攪拌した。次いで、それを100mL EtOAcで希釈し、水(3×100mL)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を(PE/EtOAc 3:1)で溶離するカラムクロマトグラフィーを介して精製することによって、2.5gの1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン]が無色固体として供与された。
【0170】
1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ 4.49-4.44 (m、2H)、4.29-4.25 (m、2H)、3.30-3.19 (m、5H);LC-MS(方法D):[M+H]+ = 330.95、Rt=0.87分。
【0171】
1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン](11)の合成
【化16】
【0172】
20mLシールド管中1-クロロ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン](300mg、1.36mol、1当量、90%)へ、RTで(3-クロロ-5-フルオロフェニル)ボロン酸(173mg、1.71mol、1.26当量、95%)、Pd(PPh(104mg、0.14mmol、0.11当量、95%)、NaCO(144mg、2.15mmol、1.58当量、95%)、ジオキサン(8mL)およびHO(1mL)を添加した。その結果得られる混合物を3サイクルの真空/窒素フラッシュに供し、窒素雰囲気下、80℃で1時間攪拌した。その結果得られる混合物を、真空下で濃縮した。残渣を3:1PE/EtOAcを用いる分取TLCにより精製することによって、150mgの1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン]が無色固体として供与された。
【0173】
LC-MS(方法D):[M+H]+ = 424.85、Rt=1.16分。
【0174】
1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(12)の合成
【化17】
【0175】
50mL丸底フラスコ中1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2'-[1,3]ジオキソラン](150mg、1.27mmol、1当量、90%)へ、DCM(6mL)、HClO(2mL、50mmol、39当量、95%)を添加した。反応混合物を、RTで2時間攪拌した。次いで、それを、50mLのDCMで希釈した。有機相を50mLの水性NaHCOで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮することによって、120mgの1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが黄色固体として供与された。
【0176】
LC-MS(方法D):[M+H]+ = 380.85、Rt=1.0分。
【0177】
1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(13)の合成
【化18】
【0178】
THF(5mL)中1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(120mg、0.19mmol、1当量、60%)の攪拌溶液へ、窒素雰囲気下、RTで、NaBH(30mg、0.75mmol、4当量、95%)を部分的に添加した。その結果得られる混合物をRTで2時間攪拌し、RTでの水(10mL)の添加によってクエンチした。その結果得られる混合物を、EtOAc(3×10mL)で抽出した。合わせた有機層を無水NaSO上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗生成物(100mg)を、以下の条件(分取HPLC-015)下、分取HPLCによって精製した:カラム、XBridge Shield RP18 OBD Column、30*150mm、5μm;移動相、水(10mmol/L NHHCO+0.1% NH.HO)およびACN(40% 相B 最大65% 8分中);検出器:UV。これによって、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(15mg、21%)が無色固体としてもたらされた。
【0179】
LC-MS(方法D): [M+Na]+ = 405.10、Rt=1.54分。
【0180】
1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(13)のキラル分割
【化19】
【0181】
300mgの1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(13)を、以下の条件下、キラル分取HPLCによって分離した:カラム: CHIRALPAK IA、2.12*15cm、5μm;移動相A:Hex、移動相B:EtOH;流速:20mL/分;勾配:7分中50B~50B;220/254nm;Rt1:3.3分;Rt2:4.9分。これによって、143.9mgの(4S)-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オールが130~132℃の融点を有する白色固体としてもたらされた。
【0182】
13a: 1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ = 7.48 (s、1H)、7.41-7.26 (m、2H)、5.18 (dd、J = 11.5、3.2 Hz、1H)、3.69-3.43 (m、2H)、3.38 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=1.38分、[M-HF-H]- = 360.7;HPLC(方法D):純度>99%、Rt 6.79分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt 1.21分、(13b:>99%ee、Rt=1.94分)。
【0183】
一般手順B
【化20】
【0184】
エチル3-(メチルスルファニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-カルボキシラート(14)の合成
【化21】
【0185】
撹拌子、温度計およびセプタムを備えた250mL三ツ口丸底フラスコにおいて、1,3-シクロヘキサンジオン(10g、89.19mmol)をDMF(75mL)中に溶解し、炭酸カリウム(36.98g、267.5mmol)を添加した。混合物を、15分間RTで攪拌した。二硫化炭素(6.44mL、107.02mmol)を添加し、混合物をRTで20分間攪拌した。続いて、DMF(85mL)中エチルクロロアセタート(9.50mL、89.19mmol)の溶液を20~25℃で3時間に亘り滴加し、その結果得られる赤褐色混合物を30分間RTで攪拌した。混合物を0~5℃まで冷却し、ヨードメタン(5.6mL、89.19mmol)を15分の間に亘り滴加した。赤褐色混合物を、追加の60分間、0~5℃で攪拌した。混合物をRTまでゆっくり温め、終夜攪拌した。暗褐色の反応混合物を1.6Lの氷水中へ注ぎ、次いで3xDCMで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。褐色油状残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって2度精製した。収率:12.86g赤褐色固体。
【0186】
HPLC(方法A):純度98.0%、Rt=2.77分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 271.0、Rt=2.34分。
【0187】
3-(メチルスルファニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-カルボン酸(15)の合成
【化22】
【0188】
撹拌子およびコンデンサーを備えた100mL丸底フラスコにおいて、エチル3-(メチルスルファニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-カルボキシラート(25.88g、86.05mmol)をEtOH(65mL)中に懸濁させ、水性水酸化ナトリウム溶液NaOH(2M、64.54mL、129.08mmol)を添加した。混合物を70℃まで加熱し、45分間攪拌した。褐色溶液を形成した。混合物をRTまで冷却し、HCl(2M、64.54mL、129.08mmol)でpH3まで酸性化した。薄黄色沈殿物を形成した。それを濾過し、水、少量のACNおよびMTBEで洗浄した。濾過ケークを、終夜50℃で真空下で乾燥させた。収率:22.5g 薄黄色固体。
【0189】
HPLC(方法A):純度98.1%、Rt=2.05分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 242.9、Rt=1.73分。
【0190】
3-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(16)の合成
【化23】
【0191】
撹拌子およびコンデンサーを備えた250mL丸底フラスコにおいて、3-(メチルスルファニル)-4-オキソ-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-カルボン酸(22.5g、91.09mmol)および銅粉末(2.2g、34.61mmol)をフラスコ中に入れ、キノリン(60mL)中に懸濁させた。混合物を加熱して還流させ(浴温245℃)、45分間攪拌した。暗褐色の反応混合物をRTまで冷却し、HCl(2M、800mL)でクエンチし、10分間攪拌した。混合物を、3x120mL DCMで抽出した。合わせた有機層を水および飽和NaHCOで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。油状残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。収率:16.9g 褐色油。
【0192】
HPLC(方法A):純度98.0%、Rt=2.34分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 199.0、Rt=2.036分。
【0193】
1-ブロモ-3-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(17)の合成
【化24】
【0194】
撹拌子、温度計およびセプタムを備えた250mL二口丸底フラスコにおいて、3-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(16.9g、83.52mmol)をDCM(175mL)中に溶解し、0~5℃まで冷却した。N-ブロモスクシンイミド(16.351g、91.87mmol)を添加し、混合物を1時間0~5℃で攪拌した。黄色の濁った溶液を50mL DCMで希釈し、水で2度および飽和NaHCO溶液で1度洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。固体残渣をMBTE中に懸濁させ、濾過し、少量のMBTEで洗浄し、乾燥させた。収率:20g 灰色固体。
【0195】
HPLC(方法A):純度>99%、Rt=2.89分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 276.8、Rt=2.46分。
【0196】
1-ブロモ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(18)の合成
【化25】
【0197】
撹拌子およびセプタムを備えた100mL丸底フラスコにおいて、1-ブロモ-3-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(6.54g、23.5mmol)、ナトリウムメタペリオダート(15.08g、70.5mmol)およびルテニウム(III)クロリド(731.14mg;3.525mmol)を、ACN(5mL)、DCM(30mL)および水(20mL)中に懸濁させた。混合物を、1時間RTで攪拌した。反応混合物を珪藻土上で濾過し、濾過ケークをDCMで3回洗浄した。濾過物を水および飽和NaHCO溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。固体残渣を、フラッシュクロマトグラフィーによって精製した。収率:6.42g 薄黄色固体。
【0198】
HPLC(方法A):純度97.5%、Rt=2.28分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 308.9、Rt=1.96分。
【0199】
1-ブロモ-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(19)の合成
【化26】
【0200】
攪拌子、コンデンサーおよびセプタムを備えた250ml丸底フラスコにおいて、1-ブロモ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(6.42g、20.76mmol)を、MeOH(75mL)中に溶解した。セレクトフルオル(15.49g、41.5mmol)および水(25mL)をアルゴン下で添加し、これに硫酸(98%、553μL、10.38mmol)が続いた。混合物を66℃まで加熱し、終夜攪拌した。出発材料が完全には転化しておらず、追加のMeOH(30mL)、水(15ml)および硫酸(98%、0.277mL、5.19mmol)を添加した。黄色溶液を、24時間66℃で攪拌した。反応混合物をRTまで冷却し、水性相のみが残存するまで蒸発させた。水性残渣を50mLの水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。残渣をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することによって、黄色固体が生産された。収率:4.77g。
【0201】
HPLC(方法A):純度98.7%、Rt=2.21分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 326.8、Rt=1.92分。
【0202】
[(1-ブロモ-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-6,7-ジヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ](tert-ブチル)ジメチルシラン(20)の合成
【化27】
【0203】
撹拌子およびセプタムを備えた50mL丸底フラスコにおいて、1-ブロモ-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(1.75g、5,35mmol)をDCM(30mL)中に溶解し、TEA(3.74mL、26,74mmol)をアルゴン下で添加した。次いで、tert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(1.88mL、8.02mmol)を、溶液へゆっくり添加した。褐色溶液を、終夜RTで攪拌した。出発材料が完全には転化していないので、1,2-ジクロロエタン(8mL)および追加のtert-ブチルジメチルシリルトリフルオロメタンスルホナート(1.25mL、5.35mmol)を添加し、混合物を還流するまで加熱し、24時間攪拌した。反応混合物を50mL DCMで希釈し、水、5%クエン酸溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。褐色油状残渣をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することによって、黄色固体が生産された。収率:1.96g。
HPLC(方法A):純度>99%、Rt=3.66分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 440.8、Rt=3.05分。
【0204】
1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(21)の合成
【化28】
【0205】
撹拌子およびセプタムを備えた100mL丸底フラスコにおいて、[(1-ブロモ-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-6,7-ジヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-イル)オキシ](tert-ブチル)ジメチルシラン(1.96g、4.44mmol)を、ACN(35mL)中に懸濁させた。混合物を0~5℃まで冷却し、次いでセレクトフルオル(2.05g、5.77mmol)をアルゴン下で添加した。混合物を2.5時間0~5℃で攪拌し、100mL 水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をNaHCO溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。固体残渣をフラッシュクロマトグラフィーを介して精製することによって、無色固体が生産された。収率:1.28g。
【0206】
HPLC(方法A):純度92.1%、Rt=2,49分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 344.7;Rt=2.14分。
【0207】
1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(22)の合成
【化29】
【0208】
撹拌子およびセプタムを備えた5mLガラス製バイアルにおいて、1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(0.91g、2.51mmol)をMeOH(14mL)中に懸濁させ、次いでNaBH(0.19g、5.03mmol)を15分の間に亘り部分的に添加した(ガス発生、温度を30℃まで増加させた)。混合物を、追加の5分間RTで攪拌した。反応物を1mL 飽和NHCl溶液でクエンチし、5分間攪拌し、次いで30mLの水で希釈し、EtOAcで2度抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、溶媒を蒸発させた。収率:5.52g 灰褐色固体。
【0209】
HPLC(方法A):純度97.9%、Rt=2.53分、LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 328.8、Rt=2.08分。
【0210】
1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オールのキラル分離
【化30】
【0211】
鏡像異性体の分取分離を、溶離液としてCO:i-PrOH+0.5%DEA(85:15)を用いるLux Amylose-1カラムのSFCによって、5ml/分の流速で実行した。生成物を有する回収した画分を、蒸発乾固させた。生成物を終夜凍結乾燥させ、薄黄色固体を得た。
【0212】
22a:LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 328.8、Rt:2.08分;HPLC(方法A):>99%、Rt=2.53分;キラルSFC(方法C):98.7%er、Rt=2.2分(22b:>97.4%ee、Rt=3.61分)。
【0213】
(S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(23a)の合成
【化31】
【0214】
(S)-1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(50mg、0.113mmol)、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸(26.8mg、0.170mmol)、炭酸ナトリウム(30mg、0.283mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.0mg、0.006mmol)を5mLガラス製バイアル中に入れ、ACN(3mL)および水(0.5mL)中に懸濁させた。バイアルをセプタムで密封し、アルゴンを2分間反応混合物にバブリングした。混合物を60℃まで加熱し、1時間攪拌した。反応混合物をRTまで冷却し、30ml 水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。油状残渣をクロマトグラフィーを介して精製し、生成物を終夜凍結乾燥させた。収率:42.9mg 無色粉末。
【0215】
1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.42-7.34 (m、3H)、6.84 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15-5.08 (m、1H)、3.45 (s、3H)、3.00-2.94 (m、2H)、2.47-2.28 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 362.9、Rt:2.33分;HPLC(方法A):>99.8%、Rt=2.78分;キラルSFC(方法B):>99%ee、Rt=3.52分。
【0216】
一般手順C
【化32】
【0217】
1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(24)の合成
【化33】
【0218】
1-ブロモ-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(197.0mg、0.485mmol)、3,5-ジフルオロフェニルボロン酸(114.9mg、0.728mmol)、炭酸ナトリウム(128.5mg、1.213mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(17.0mg、0.024mmol)を12mLガラス製バイアル中に入れ、ACN(10mL)および水(1.5mL)中に懸濁させた。バイアルをセプタムで密封し、アルゴンを2分間反応混合物にバブリングした。混合物を60℃まで加熱し、4時間攪拌した。反応混合物をRTまで冷却し、30mL 水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。油状残渣をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、分取した。HPLC(Agilent 1260;Waters SunFire C18;5μm 30x150mmカラム;WL:220/254nm)。黄色粉末を得た。収率:95.1mg。
【0219】
HPLC(方法A):純度88.5%、RT=2.89分;LC-MS(方法A):[M+H]+ = 378.9;Rt=2.33分。
【0220】
1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(23)の合成
【化34】
【0221】
1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(95.1mg、0.251mmol)を12mLガラス製バイアル中に入れ、MeOH(3mL)中に懸濁させた。NaBH(16.8mg、0,445mmol)を添加し、混合物を5分間RTで攪拌した。反応混合物を1mL 飽和NHCl溶液でクエンチし、5分間攪拌し、次いで30mL EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オールを、薄黄色固体として得た。収率:101mg。
【0222】
HPLC(方法A):99.7%、RT=2.80分;LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 362.8、RT=2.327分。
【0223】
1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(23)のキラル分割
【化35】
【0224】
鏡像異性体の分取分離を、溶離液としてCO:i-PrOH+0.5%DEA(88:12)を用いるLux Amylose-1カラムのSFCによって、5ml/分の流速で実行した。生成物を有する回収した画分を、蒸発乾固させた。生成物を終夜凍結乾燥させ、無色固体を得た。
【0225】
23a: 1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.42-7.34 (m、3H)、6.84 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15-5.08 (m、1H)、3.45 (s、3H)、3.00-2.94 (m、2H)、2.47-2.28 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 362.9、Rt:2.33分;HPLC(方法A):>99.8%、Rt=2.78分;キラルSFC(方法B):>99%ee、Rt=3.52分(23b:>99%ee、Rt=2.53分)。
【0226】
以下の化合物を、類似して得た:
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-フェニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(25a)
【化36】
【0227】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300 MHz、CDCl3): δ = 7.62-7.32 (m、5H)、5.31 (dd、J = 11.7、4.3 Hz、1H)、3.64-3.33 (m、3H)、3.32 (s、3H);LC-MS(方法B):Rt=1.63分、[M+Na]+ = 353.2;HPLC(方法B):純度99.1%、Rt 5.99分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt 1.59分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0228】
(4S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(26a)
【化37】
【0229】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.51-7.29 (m、3H)、6.88 (d、J = 6.7 Hz、1H)、5.21-4.96 (m、1H)、3.88-3.51 (m、2H)、3.46 (s、3H);LC-MS(方法C):Rt=1.57分、[M-HF-H]- = 345.1;HPLC(方法C):純度98.9%、Rt 5.12分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt 1.83分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0230】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(2-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(27a)
【化38】
【0231】
一般手順Aに従って調製した;H NMR (300 MHz、DMSO-d6): δ = 7.71 (td、J = 7.8、1.8 Hz、1H)、7.60-7.53 (m、1H)、7.49-7.35 (m、2H)、6.84 (d、J = 6.9 Hz、1H)、5.18-5.11 (m、1H)、3.65- 3.39 (m、5H);LC-MS(方法B):Rt=1.58分、[M+Na]+ = 371.2;HPLC(方法D):純度99.6%、Rt=6.18分;キラルHPLC(方法E):>99%ee、Rt=2.56分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0232】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(28a)
【化39】
【0233】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.67-7.42 (m、3H)、7.31 (tdd、J = 8.2、2.4、1.2 Hz、1H)、6.82 (d、J = 6.8 Hz、1H)、5.14-5.07 (m、1H)、3.77-3.49 (m、2H)、3.44 (s、3H);LC-MS(方法B):Rt=1.61分、[M+Na]+ = 371.2;HPLC(方法D):純度99.8%、Rt=6.26分;キラルHPLC(方法F):>99%ee、Rt=1.98分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0234】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(29a)
【化40】
【0235】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.71 (dd、J = 8.8、5.3 Hz、2H)、7.36 (t、J = 8.8 Hz、2H)、6.79 (d、J =7.0 Hz、1H)、5.17-5.03 (m、1H)、3.73-3.46 (m、2H)、3.43 (s、3H);LC-MS(方法B):Rt=1.60分、[M+Na]+ = 371.2;HPLC(方法D):純度99.3%、Rt=6.24分;キラルHPLC(方法F):>99%ee、Rt=2.16分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0236】
(4S)-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(30a)
【化41】
【0237】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ = 7.58 (ddd、J= 11.5、7.6、1.8 Hz、1H)、7.51-7.34 (m、2H)、5.17 (dd、J= 11.5、3.1 Hz、1H)、3.65-3.40 (m、2H)、3.37 (s、3H);LC-MS(方法C):Rt=1.56分、[M+NH4]+ = 384.1;HPLC(方法D):純度97.3%、Rt=6.204分;キラルHPLC(方法F):>99%ee、Rt=1.77分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0238】
(4S)-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(13a)
【化42】
【0239】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ = 7.48 (s、1H)、7.41-7.26 (m、2H)、5.18 (dd、J = 11.5、3.2 Hz、1H)、3.69-3.43 (m、2H)、3.38 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=1.38分、[M-HF-H]- = 360.7;HPLC(方法D):純度>99%、Rt=6.79分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt=1.21分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0240】
4-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-イル]-2-フルオロベンゾニトリル(31a)
【化43】
【0241】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300MHz、CD3OD、ppm): δ = 7.91-7.86 (m、1H)、7.67-7.61 (m、2H)、5.19 (dd、J = 11.5、3.1 Hz、1H)、3.72-3.50 (m、2H)、3.39 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=2.25分、[M-HF-H]- = 351.7;HPLC(方法E):純度>99%、Rt=5.98分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt=1.66分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0242】
3-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-イル]ベンゾニトリル(32a)
【化44】
【0243】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.12 (t、J = 1.7 Hz、1H)、8.02-7.87 (m、2H)、7.70 (t、J = 7.9 Hz、1H)、6.82 (d、J = 6.8 Hz、1H)、5.10 (ddd、J = 11.0、6.6、3.9 Hz、1H)、3.89-3.53 (m、2H)、3.45 (s、3H);LC-MS(方法C):Rt=1.41分、[M+Na]+ = 378.2;HPLC(方法D):純度98.3%、Rt=5.73分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt=1.83分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0244】
3-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-イル]-5-フルオロベンゾニトリル(33a)
【化45】
【0245】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、CD3OD): δ = 7.84 (t、J = 1.5 Hz、1H)、7.73 (dt、J = 9.4、2.1 Hz、1H)、7.67 (ddd、J = 8.1、2.4、1.3 Hz、1H)、5.19 (dd、J = 11.5、3.2 Hz、1H)、3.71- 3.46 (m、2H)、3.39 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=1.19分、[M-HF-H]- = 351.7;HPLC(方法D):純度99.1%、Rt=5.99分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt=1.76分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0246】
(4S)-3-クロロ-5-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-1-イル]ベンゾニトリル(34a)
【化46】
【0247】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.12 (dt、J = 8.5、1.5 Hz、2H)、8.03 (t、J = 1.8 Hz、1H)、6.84 (d、J = 6.8 Hz、1H)、5.10 (ddd、J = 11.2、6.8、4.0 Hz、1H)、3.83-3.56 (m、3H)、3.46 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=1.28分、[M-HF-H]- = 367.6;HPLC(方法D):純度99.9%、Rt=6.34分;キラルHPLC(方法D):>99%ee、Rt=1.60分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0248】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(35a)
【化47】
【0249】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300 MHz、DMSO-d6): δ = 8.25 (s、1H)、7.85 (s、1H)、6.70 (s、1H)、5.05 (dd、J = 11.7、3.9 Hz、1H)、3.89 (s、3H)、3.57-3.41 (m、2H)、3.41 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=0.85分、[M+H]+ = 335.0;HPLC(方法D):純度99.0%、Rt=4.5分;キラルHPLC(方法D):99.8%ee、Rt=1.93分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0250】
(4R)-3-メタンスルホニル-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(36a)
【化48】
【0251】
1-ブロモ-3-(メチルスルファニル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(17、500mg、1.8mmol)、フェニルボロン酸ピナコールエステル(455mg、2.2mmol)、炭酸ナトリウム(401mg、3.8mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(0)(41.7mg、0.036mmol)をバイアル中に入れ、THF(5mL)および水(5mL)中に懸濁させた。バイアルをセプタムで密封し、アルゴンを5分間反応混合物にバブリングした。混合物を70℃まで加熱し、16時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し、20mL 水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。油状残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、3-(メチルスルファニル)-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オンが供与された。収率:107mg 薄黄色固体(HPLC:97.4%、Rt:3.11分;LC-MS:[M+H]+ = 275.9、Rt:2.63分)。
【0252】
次いで、3-(メチルスルファニル)-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(107mg、0.38mmol)、ナトリウムメタペリオダート(244mg、1.14mmol)およびルテニウム(III)クロリド(11.8mg、0.057mmol)をバイアル中に入れ、ACN(1.5mL)、四塩化炭素(1.5mL)および水(3mL)中に懸濁させた。混合物を、終夜室温で攪拌した。反応混合物をセライト上で濾過し、固体をEtOAcで3回洗浄した。濾過物を水、飽和NaHCO溶液およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させることによって、3-メタンスルホニル-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オンが得られた。収率:114mg 薄褐色固体(HPLC:90.6%、Rt:2.65分;LC-MS:[M+H]+ = 306.9、Rt:2.23分)。
【0253】
次いで、3-メタンスルホニル-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オン(114.mg、0.337mmol)をバイアル中に入れ、MeOH(3mL)中に溶解した。水素化ホウ素ナトリウム(25.5mg、0.674mmol)をアルゴン下で添加し、混合物を15分間RTで攪拌した。反応物を2mL 飽和NHCl溶液でクエンチし、20mL 水で希釈し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固させた。油状残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製することによって、3-メタンスルホニル-1-フェニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オールが得られた。収率:92.3mg 無色固体(HPLC:99.2、Rt:2.61分、LC-MS:[M-H2O+H]+ = 290.9、Rt:2.20分)。
【0254】
鏡像異性体の分取分離を、溶離液としてCO2:i-PrOH+0.5%DEA(80:20)を用いるLux Amylose-1カラムのSFCによって、20mL/分の流速で実行した。生成物を有する回収した画分を、蒸発乾固させた。生成物を終夜凍結乾燥させ、無色固体を得た。
【0255】
1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.56-7.49 (m、4H)、7.47-7.43 (m、1H)、5.39 (d、J = 5.6 Hz、1H)、5.20-5.16 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.78-2.63 (m、2H)、1.91-1.75 (m、3H)、1.69-1.63 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 290.9、Rt=2.19分;HPLC(方法A):純度97.6%、Rt=2.59分、キラルHPLC(方法A):99.4%er、Rt=9.64分。
(4S)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0256】
(4S)-1-(3,5-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-6,7-ジヒドロ-4H-2-ベンゾチオフェン-4-オール(23a)
【化49】
【0257】
一般手順AおよびBに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.42-7.34 (m、3H)、6.84 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15-5.08 (m、1H)、3.45 (s、3H)、3.00-2.94 (m、2H)、2.47-2.28 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 362.9、Rt=2.33分;HPLC(方法A):純度>99.8%、Rt=2.78分;キラルSFC(方法B):>99%ee、Rt=3.52分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0258】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-6,7-ジヒドロ-4H-2-ベンゾチオフェン-4-オール(37a)
【化50】
【0259】
一般手順Cに従って無色固体を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.56 (td、J = 8.1、6.1 Hz、1H)、7.49-7.45 (m、1H)、7.44-7.41 (m、1H)、7.35-7.30 (m、1H)、6.85-6.80 (m、1H)、5.15-5.09 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.99-2.91 (m、2H)、2.45-2.30 (m、1H)、2.24-2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 344.9、Rt=2.28分;HPLC(方法A):純度>99%、Rt=2.71分;キラルSFC(方法B):98.2%er、Rt=6.37分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0260】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(4-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-6,7-ジヒドロ-4H-2-ベンゾチオフェン-4-オール(38a)
【化51】
【0261】
一般手順Cに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.67-7.61 (m、2H)、7.39-7.32 (m、2H)、6.81 (d、J = 4.6 Hz、1H)、5.15-5.08 (m、1H)、3.44 (s、3H)、2.91 (dd、J = 8.8、4.9 Hz、2H)、2.47-2.29 (m、1H)、2.24-2.12 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H] = 344.9、Rt=2.72分;HPLC(方法A):純度>99%、Rt=2.72分;キラルSFC(方法C):>99%ee、Rt=5.09分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0262】
(4S)-1-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(39a)
【化52】
【0263】
一般手順Bに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.08 (s、1H)、6.78 (d、J = 6.6 Hz、1H)、5.12-5.05 (m、1H)、3.81 (s、3H)、3.41 (s、3H)、2.87-2.71 (m、2H)、2.47-2.31 (m、1H)、2.28 (s、3H)、2.26-2.12 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 362.9、Rt=1.85分;HPLC(方法A):純度>99%、Rt=2.17分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0264】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(40a)
【化53】
【0265】
一般手順Bに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.22-8.20 (m、1H)、7.82 (d、J = 0.8 Hz、1H)、6.78 (d、J = 6.7 Hz、1H)、5.10-5.03 (m、1H)、3.89 (s、3H)、3.39 (s、3H)、2.99-2.90 (m、1H)、2.89-2.78 (m、1H)、2.49-2.32 (m、1H)、2.27-2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 348.9、Rt=1.82分;HPLC(方法A):純度99.1%、Rt=2.12分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0266】
(4S)-1-(3,4-ジフルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(41a)
【化54】
【0267】
一般手順Cに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.80-7.73 (m、1H)、7.64-7.55 (m、1H)、7.48-7.42 (m、1H)、6.88 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15-5.07 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.93 (dd、J = 8.8、4.9 Hz、2H)、2.47-2.26 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 362.9、Rt=2.36分;HPLC(方法A):純度99.2%、Rt=2.91分;キラルSFC(方法C):97.9%er、Rt=4.57分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0268】
3-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-5-フルオロベンゾニトリル(42a)
【化55】
【0269】
一般手順Cに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.02-7.97 (m、2H)、7.92-7.87 (m、1H)、6.92 (d、J = 6.4 Hz、1H)、5.16-5.08 (m、1H)、3.46 (s、3H)、2.98 (dd、J = 8.7、4.9 Hz、2H)、2.46-2.27 (m、1H)、2.27-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 369.8、Rt=2.24分;HPLC(方法A):純度>99.9%、Rt=2.75分;キラルSFC(方法C):97.2%er、Rt=3.71分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0270】
4-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル(43a)
【化56】
【0271】
一般手順Bに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.71-7.68 (m、1H)、7.33 (d、J = 1.9 Hz、1H)、6.79 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.10-5.03 (m、1H)、3.81 (s、3H)、3.40 (s、3H)、3.00-2.91 (m、1H)、2.90-2.79 (m、1H)、2.47-2.32 (m、1H)、2.26-2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H] = 354.9、Rt=2.11分;HPLC(方法A):純度96.9%、Rt=2.55分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0272】
4-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピロール-2-カルボニトリル(44a)
【化57】
【0273】
一般手順Cに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.17 (dd、J = 2.0、1.3 Hz、1H)、8.11 (t、J = 1.5 Hz、1H)、8.04 (t、J = 1.8 Hz、1H)、6.93 (d、J = 6.4 Hz、1H)、5.16-5.08 (m、1H)、3.46 (s、3H)、2.99-2.94 (m、2H)、2.45-2.26 (m、1H)、2.26-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 385.8、Rt=2.35分;HPLC(方法A):純度98.9%、Rt=2.89分;キラルSFC(方法C):97.9%ee、Rt=4.57分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0274】
(4S)-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(45a)
【化58】
【0275】
一般手順Bに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.59 (dt、J = 8.7、2.1 Hz、1H)、7.56-7.53 (m、1H)、7.54-7.49 (m、1H)、6.90 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15-5.08 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.96 (dd、J = 8.7、4.9 Hz、2H)、2.44-2.27 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 378.8、Rt=2.51分;HPLC(方法A):純度98.8%、Rt=3.09分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0276】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-[1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(46a)
【化59】
【0277】
一般手順Bに従って無色固体を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.17-7.15 (m、1H)、6.92 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16-5.09 (m、1H)、3.91 (s、3H)、3.48 (s、3H)、2.82-2.74 (m、2H)、2.48-2.28 (m、1H)、2.25-2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 416.8、Rt=2.32分;HPLC(方法A):純度98.1%、Rt=2.80分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0278】
以下の例を類似して調製した:
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-(1-メチル-1H-ピラゾール-5-イル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(47a)
【化60】
【0279】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300 MHz、DMSO-d6): δ = 7.58 (d、1H)、6.83 (s、1H)、6.68 (d、1H)、5.15 (m、1H)、3.96 (s、3H)、3.42 (d、5H);LC-MS(方法D):Rt=0.88分、[M+H]+ = 335.0;HPLC(方法D):純度98.0%、Rt=4.6分;キラルHPLC(方法D):99.3%ee、Rt=2.20分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0280】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-[1-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-5-イル]-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(48a)
【化61】
【0281】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300 MHz、DMSO-d6): δ = 6.94 (s、1H)、5.23 (dd、1H)、4.04 (s、3H)、3.48-3.34 (m、5H);LC-MS(方法E):Rt=2.52分、[M+H]+ = 403.0;HPLC(方法D):純度97.9%、Rt=6.11分;キラルHPLC(方法D):99.9%ee、Rt=1.87分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0282】
(4S)-1-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(49a)
【化62】
【0283】
一般手順Aに従って調製した;1H NMR (300 MHz、DMSO-d6): δ = 6.82 (d、1H)、6.44 (s、1H)、5.13 (m、1H)、3.86 (s、3H)、3.46 (s、3H)、3.39 (m、2H)、2.18 (s、3H);LC-MS(方法D):Rt=0.942分、[M+H]+ = 349.0;HPLC(方法D):純度99.9%、Rt=4.93分;キラルHPLC(方法D):99.9%ee、Rt=3.38分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0284】
(4S)-1-(1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(50a)
【化63】
【0285】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 6.85 (d、J = 6.5 Hz、1H)、6.37 (s、1H)、5.14 - 5.08 (m、1H)、3.74 (s、3H)、3.46 (s、3H)、2.80 - 2.70 (m、2H)、2.45 - 2.31 (m、1H)、2.25 - 2.13 (m、1H)、2.19 (s、3H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 362.9、Rt=1.91分;HPLC(方法A):純度94.1%、Rt=2.29分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0286】
5-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(51a)
【化64】
【0287】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.38 (s、1H)、6.92 (d、J = 6.6 Hz、1H)、5.15 - 5.09 (m、1H)、3.92 (s、3H)、3.49 - 3.47 (m、3H)、2.82 - 2.70 (m、2H)、2.45 - 2.30 (m、1H)、2.24 - 2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 373.9、Rt=2.02分;HPLC(方法A):純度99.6%、Rt=2.48分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0288】
3-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボニトリル(52a)
【化65】
【0289】
4-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-3-カルボニトリル(53a)
【化66】
【0290】
3-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-1-メチル-1H-ピラゾール-5-カルボニトリル(54a)
【化67】
【0291】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.59 (s、1H)、6.82 (d、J = 6.7 Hz、1H)、5.12 - 5.06 (m、1H)、4.08 (s、3H)、3.42 (s、3H)、3.17 - 3.08 (m、1H)、2.97 - 2.87 (m、1H)、2.53 - 2.35 (m、1H)、2.30 - 2.17 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 373.9、Rt=2.08分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.55分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0292】
(4S)-1-(2,6-ジフルオロピリジン-4-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(55a)
【化68】
【0293】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.47 (s、2H)、6.91 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.10 (m、1H)、3.48 (s、3H)、3.13 - 3.00 (m、2H)、2.46 - 2.31 (m、1H)、2.27 - 2.17 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 381.8、Rt=2.22分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.75分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0294】
(4S)-1-(5-クロロピリジン-3-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(56a)
【化69】
【0295】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 8.74 - 8.74 (m、1H)、8.73 - 8.72 (m、1H)、8.22 (t、J = 2.1 Hz、1H)、6.87 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.10 (m、1H)、3.46 (s、3H)、2.97 (dd、J = 8.7、4.9 Hz、2H)、2.45 - 2.30 (m、1H)、2.24 - 2.15 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 379.8、Rt=2.09分;HPLC(方法A):純度98.5%、Rt=2.55分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0296】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-(5-メチルピリジン-3-イル)-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(57a)
【化70】
【0297】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 8.59 - 8.57 (m、1H)、8.52 - 8.50 (m、1H)、7.87 - 7.85 (m、1H)、6.84 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.10 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.96 (dd、J = 8.8、4.8 Hz、2H)、2.44 - 2.31 (m、1H)、2.38 - 2.37 (m、3H)、2.24 - 2.15 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 359.9、Rt=1.73分;HPLC(方法A):純度99.2%、Rt=1.98分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0298】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(5-フルオロピリジン-3-イル)-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(58a)
【化71】
【0299】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 8.70 - 8.69 (m、1H)、8.68 - 8.66 (m、1H)、8.08 - 8.05 (m、1H)、6.87 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.11 (m、1H)、3.46 (s、3H)、2.98 (dd、J = 8.7、4.9 Hz、2H)、2.45 - 2.30 (m、1H)、2.25 - 2.15 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 363.9、Rt=1.95分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.35分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0300】
5-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]ピリジン-3-カルボニトリル(59a)
【化72】
【0301】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 9.10 (d、J = 1.9 Hz、1H)、9.05 (d、J = 2.2 Hz、1H)、8.62 - 8.60 (m、1H)、6.89 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.17 - 5.10 (m、1H)、3.47 (s、3H)、3.02 - 2.96 (m、2H)、2.45 - 2.28 (m、1H)、2.26 - 2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 370.9、Rt=1.90分;HPLC(方法A):純度95.6%、Rt=2.31分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0302】
6-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]-4-メチルピリジン-2-カルボニトリル(60a)
【化73】
【0303】
(4S)-1-(6-クロロ-5-フルオロピリジン-3-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(61a)
【化74】
【0304】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 8.53 - 8.51 (m、1H)、8.28 (dd、J = 9.4、2.1 Hz、1H)、6.88 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.09 (m、1H)、3.46 (s、3H)、3.01 - 2.96 (m、2H)、2.46 - 2.28 (m、1H)、2.26 - 2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 397.8、Rt=2.25分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.77分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0305】
(4S)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-1-[5-(トリフルオロメチル)ピリジン-3-イル]-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(62a)
【化75】
【0306】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 9.10 - 9.08 (m、1H)、9.08 - 9.06 (m、1H)、8.46 - 8.43 (m、1H)、6.89 (d、J = 6.4 Hz、1H)、5.18 - 5.11 (m、1H)、3.47 (s、3H)、3.02 - 2.95 (m、2H)、2.48 - 2.28 (m、1H)、2.26 - 2.13 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 413.8、Rt=2.18分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.67分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0307】
(4S)-1-(2-クロロ-6-フルオロピリジン-4-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(63a)
【化76】
【0308】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (400 MHz、DMSO-d6): δ = 7.78 - 7.75 (m、1H)、7.54 - 7.52 (m、1H)、6.91 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.16 - 5.09 (m、1H)、3.47 (s、3H)、3.12 - 2.98 (m、2H)、2.45 - 2.31 (m、1H)、2.28 - 2.15 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 397.8、Rt=2.28分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.82分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0309】
6-クロロ-4-[(4S)-5,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-1-イル]ピリジン-2-カルボニトリル(64a)
【化77】
【0310】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 8.37 (d、J = 1.5 Hz、1H)、8.12 (d、J = 1.5 Hz、1H)、6.93 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15 - 5.10 (m、1H)、3.48 (s、3H)、3.12 - 3.02 (m、2H)、2.44 - 2.30 (m、1H)、2.27 - 2.17 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 404.8、Rt=2.24分;HPLC(方法A):純度97.4%、Rt=2.79分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0311】
(4S)-1-(5-クロロ-6-メトキシピリジン-3-イル)-5,5-ジフルオロ-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(65a)
【化78】
【0312】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 8.34 (d、J = 2.2 Hz、1H)、8.18 (d、J = 2.2 Hz、1H)、6.84 (d、J = 6.5 Hz、1H)、5.15 - 5.09 (m、1H)、4.01 (s、3H)、3.44 (s、3H)、2.93 (dd、J = 9.0、5.0 Hz、2H)、2.45 - 2.29 (m、1H)、2.23 - 2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M+H]+ = 409.9、Rt=2.35分;HPLC(方法A):純度99.4%、Rt=2.91分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0313】
(4S)-5,5-ジフルオロ-1-(3-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4,5,6,7-テトラヒドロ-2-ベンゾチオフェン-4-オール(66a)
【化79】
【0314】
一般手順Bに従って生成物を調製した;1H NMR (500 MHz、DMSO-d6): δ = 7.56 (td、J = 8.1、6.1 Hz、1H)、7.49 - 7.45 (m、1H)、7.44 - 7.41 (m、1H)、7.35 - 7.30 (m、1H)、6.85 - 6.80 (m、1H)、5.15 - 5.09 (m、1H)、3.45 (s、3H)、2.99 - 2.91 (m、2H)、2.45 - 2.30 (m、1H)、2.24 - 2.14 (m、1H);LC-MS(方法A):[M-H2O+H]+ = 344.9、Rt=2.28分;HPLC(方法A):純度100.0%、Rt=2.71分。
(4R)-鏡像異性体を、類似して得た。
【0315】
化合物67aおよび68aの合成
【化80】
【0316】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した50-mL丸底フラスコ中へ、化合物4(2.00g、9.18mmol、1.00当量、95%)、テトラヒドロフラン(15.0mL、175.89mmol、19.17当量、95%)、(メチルスルファニル)ナトリウム(812mg、11.01mmol、1.20当量、95%)を入れた。その結果得られる溶液を、25℃で2時間攪拌した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:10)を有するシリカゲルカラム上に適用した。回収した画分を合わせ、真空下で濃縮した。これによって、1.6g(77%)の1-クロロ-3-(メチルスルファニル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが赤色固体としてもたらされた。
【0317】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した25-mL丸底フラスコ中へ、1-クロロ-3-(メチルスルファニル)-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(200mg、0.88mmol、1.0当量、96%)、ジクロロメタン(5mL、74.72mmol、85当量、95%)、m-CPBA(638mg、3.51mmol、4.00当量、95%)を入れた。その結果得られる溶液を、25℃で2時間攪拌した。その結果得られる溶液を4x10mLの酢酸エチルで抽出し、有機層を合わせた。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1/5)を有するシリカゲルカラム上に適用した。回収した画分を合わせ、真空下で濃縮した。これによって、220mg(90%)の1-クロロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが白色固体としてもたらされた。
【0318】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した500-mL丸底フラスコ中へ、1-クロロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(4.00g、15.412mmol、1.00当量、96.6%)、エタン-1,2-ジオール(1.51g、23.118mmol、1.50当量、95%)、TsOH(0.56g、3.1mmol、0.20当量、95%)、トルエン(100mL、939.9mmol、60.98当量、100%)を入れた。その結果得られる溶液を、125℃で16時間攪拌した。その結果得られる混合物を、濃縮した。残渣を、酢酸エチル/石油エーテル(1:3)を有するシリカゲルカラム上へ適用した。これによって、4g(85.2%)の1-クロロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2-[1,3]ジオキソラン]が黄色固体としてもたらされた。
【0319】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した30-mL丸底フラスコ中へ、1-クロロ-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2-[1,3]ジオキソラン](500mg、1.671mmol、1当量、98.5%)、(3-クロロ-5-フルオロフェニル)ボロン酸(442.4mg、2.410mmol、1.44当量、95%)、Pd(PPh3)4(291.7mg、0.240mmol、0.14当量、95%)、NaCO(359.3mg、8148mmol、4876当量、95%)、ジオキサン(10mL、112.14mmol、67.11当量、95%)、HO(1mL、52.733mmol、31.56当量、95%)を入れた。その結果得られる溶液を、80℃で3時間攪拌した。その結果得られる混合物を、真空下で濃縮した。粗生成物(515mg)をフラッシュ分取によって精製した。これによって、0.515g(62.4%)の1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2-[1,3]ジオキソラン]が黄色固体としてもたらされた。
【0320】
窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した50-mL丸底フラスコ中へ、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-5,6-ジヒドロスピロ[シクロペンタ[c]チオフェン-4,2-[1,3]ジオキソラン](510mg、0.816mmol、1当量、62.2%)、DCM(4mL、59.774mmol、73.27当量、95%)、TFA(140uL、1.79mol、95%)を入れた。その結果得られる溶液を、25℃で60分間攪拌した。その結果得られる混合物を、真空下で濃縮した。残渣を、30mLのEtOAc中に溶解した。その結果得られる混合物を、30mlのNaHCOおよび1x30mLのNaCl溶液で洗浄した。混合物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空下で濃縮した。これによって、360mg(61.4%)の1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オンが黄色固体としてもたらされた。
【0321】
30mLマイクロ波管中へ、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(300mg、0.424mmol、1当量、48.7%)、メタノール(10mg、0.296mmol、0.7当量、95%)、セレクトフルオル(705mg、1.891mmol、4.46当量、95%)およびHSO(0.1mg、1.782mmol、4.21当量、95%)を60℃で添加した。その結果得られる混合物を、窒素雰囲気下、60℃で90分間攪拌した。残渣を、EtOAc(50mL)中に溶解した。その結果得られる混合物を2x30mLのNaCl溶液で洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。濾過後、濾過物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(PE/EtOAc5:1)により精製することによって、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4,4-ジメトキシ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン(130mg、62.9%)が黄色油として供与された。
【0322】
10mLマイクロ波管中へ、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4,4-ジメトキシ-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン(10mg、0.020mmol、1当量、83.8%)、DCM(2.5mL)およびTFA(170uL、2.29mol、95%)を室温で添加した。その結果得られる混合物を窒素雰囲気下、室温で60分間攪拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を、EtOAc(10mL)中に溶解した。その結果得られる混合物を、1x5mLのNaHCOで洗浄した。その結果得られる混合物を1x5mLのNaClで洗浄し、無水NaSO上で乾燥させた。濾過後、濾過物を減圧下で濃縮した。その結果得られる混合物を、減圧下で濃縮した。これによって、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(10.9mg、89.3%)が黄色固体としてもたらされた。
【0323】
化合物67aを得るために、窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した25-mL丸底フラスコ中へ、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(150.00mg、0.332mmol、1.00当量、80.3%)、DCM(10.00mL、117.739mmol、473.78当量、100%)、HCOOH(48.26mg、0.996mmol、3当量、95%)、TEA(70.73mg、0.664mmol、2当量、95%)、RuCl(p-シメン)[(R,R)-Ts-DPEN](22.23mg、0.033mmol、0.1当量、95%)を入れた。その結果得られる溶液を、0℃で5時間攪拌した。溶液のpH値を、NaHCOで7まで調整した。その結果得られる溶液を3x30mLの酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を分取HPLC、これに続きキラルSFCにより精製することによって、化合物67aが白色固体として得られた。化合物が、138~140℃の融点を呈した。
【0324】
化合物68aも入手するための充分な量の材料を調製するために、窒素の不活性雰囲気でパージし、維持した25-mL丸底フラスコへ、1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オン(150.00mg、0.332mmol、1.00当量、80.3%)、DCM(10.00mL、117.739mmol、473.78当量、100%)、HCOOH(48.26mg、0.996mmol、3当量、95%)、TEA(70.73mg、0.664mmol、2当量、95%)、RuCl(p-シメン)[(R,R)-Ts-DPEN](22.23mg、0.033mmol、0.1当量、95%)を添加した。その結果得られる溶液を、0℃で5時間攪拌した。溶液のpH値を、NaHCOで7まで調整した。その結果得られる溶液を3x30mLの酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。粗生成物を分取HPLC、これに続きキラルSFCにより精製することによって、化合物68aが白色固体として得られた。化合物は、135~137℃の融点を呈した。
【0325】
(4S,5S)-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(67a)
【化81】
【0326】
1H NMR (300 MHz、メタノール-d4、ppm): δ = 7.46 (s、1H)、7.35 - 7.31 (m、2H)、5.40 - 5.32 (m、1H)、5.24 - 5.14 (m、1H)、3.56 - 3.49 (m、1H)、3.34 (S、3H)、3.19 - 2.97 (m、1H);LC-MS(方法D):Rt=1.24分、[M+44]+ = 408.7;HPLC(方法D):純度99.6%、Rt=6.42分;キラルSFC(方法G):Rt=2.30分、er=94.9%。
【0327】
(4S,5R)-1-(3-クロロ-5-フルオロフェニル)-5-フルオロ-3-メタンスルホニル-4H,5H,6H-シクロペンタ[c]チオフェン-4-オール(68a)
【化82】
【0328】
1H NMR (300 MHz、メタノール-d4、ppm): δ = 7.46 (s、1H)、7.41 - 7.27 (m、2H)、5.52 - 5.27 (m、1H)、5.24 - 5.18 (m、1H)、3.69 - 3.40 (m、1H)、3.35 (s、3H)、3.16 - 3.00 (m、1H);LC-MS(方法D):Rt=1.30分、[M+44]+ = 408.7;HPLC(ランタイムが21分まで延ばされた方法D):純度97.0%、Rt=14.56分;キラルSFC(方法G):Rt=1.92分、er=100%。
【0329】
以下の例は、医薬に関する:
例A:注射バイアル
3lの再蒸留水中の100gの式Iの活性成分および5gのリン酸水素二ナトリウムの溶液を2N塩酸を使用してpH6.5まで調整し、滅菌濾過し、注射バイアル中へ移し、滅菌条件下で凍結乾燥させ、滅菌条件下で密封する。各注射バイアルは、5mgの活性成分を含有する。
【0330】
例B:坐薬
20gの式Iの活性成分と100gの大豆レシチンおよび1400gのカカオバターの混合物を溶融し、型中に注ぎ、冷却するようにする。各坐薬は、20mgの活性成分を含有する。
【0331】
例C:溶液
溶液を、940mlの再蒸留水中1gの式Iの活性成分、9.38gのNaHPO・2HO、28.48gのNaHPO・12HOおよび0.1gのベンザルコニウムクロリドから調製する。pHを6.8まで調整し、溶液を最大1lにし、照射によって滅菌する。この溶液は、点眼薬の形態で使用され得る。
【0332】
例D:軟膏
500mgの式Iの活性成分を、無菌条件下で99.5gのワセリンと混合した。
【0333】
例E:錠剤
1kgの式Iの活性成分、4kgのラクトース、1.2kgのジャガイモデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を従来のやり方で圧縮することによって、各錠剤が10mgの活性成分を含有するように錠剤が与えられる。
【0334】
例F:ドラジェ(Dragees)
錠剤を、例Eに類似して圧縮し、続いて従来のやり方において、スクロース、ジャガイモデンプン、タルク、トラガラントおよび色素のコーティングで被覆する。
【0335】
例G:カプセル
2kgの式Iの活性成分を、従来のやり方において、各カプセルが20mgの活性成分を含有するように、硬質ゼラチンカプセル中に導入する。
【0336】
例H:アンプル
60lの再蒸留水中1kgの式Iの活性成分の溶液を滅菌濾過し、アンプル中に移し、滅菌条件下で凍結乾燥させ、滅菌条件下で密封する。各アンプルは、10mgの活性成分を含有する。