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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
H01L21/02 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022011535
(22)【出願日】2022-01-28
(65)【公開番号】P2023110229
(43)【公開日】2023-08-09
【審査請求日】2023-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316011226
【氏名又は名称】AIメカテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【弁理士】
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】菊地 右文
(72)【発明者】
【氏名】山田 芳裕
(72)【発明者】
【氏名】池田 孝生
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-166263(JP,A)
【文献】特開2007-005577(JP,A)
【文献】特開2011-051328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/00-21/16
B30B 15/00-15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基板を重ねた状態で挟む第1プレート及び第2プレートと、
前記第1プレート及び前記第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける押圧機構と、を備え
前記第1プレート及び前記第2プレートの少なくとも一方は、
前記基板に当接する当接プレートと、
前記押圧機構側に配置され、前記押圧機構による押圧力を受ける受圧プレートと、
前記当接プレートと前記受圧プレートとの間に配置された中間プレートと、
前記受圧プレートと前記中間プレートとの間に配置された複数の分散部材と、を備え、
前記複数の分散部材は、
前記第1プレート及び前記第2プレートの中央部に対応して配置され、前記中間プレートに固定される中央分散部材と、
前記中央分散部材を囲むように配置され、前記中間プレートに固定される複数の外周分散部材と、を含
前記中央分散部材の外径寸法は、前記外周分散部材の外径寸法以上の寸法である、基板貼り付け装置。
【請求項2】
前記複数の分散部材は、前記中間プレートに取り外し可能に取り付けられ、前記中間プレートとの間にシムを挿入可能である、請求項1に記載の基板貼り付け装置。
【請求項3】
前記複数の分散部材は、前記中間プレートに固定される位変更可能である、請求項2に記載の基板貼り付け装置。
【請求項4】
前記中間プレートは、前記中間プレートの径方向に延びる取付溝を備え、
前記外周分散部材は、前記取付溝に取り付けられ、前記取付溝に沿って前記中間プレートの径方向における取付位置を変更可能であるとされている、請求項2又は請求項3に記載の基板貼り付け装置。
【請求項5】
前記外周分散部材は、前記取付溝に設けられた複数の孔部のいずれかを介してボルトにより取り付けられる、請求項4に記載の基板貼り付け装置。
【請求項6】
前記複数の外周分散部材は、
前記中央分散部材を囲むように間隔をあけて配置された複数の第1外周分散部材と、
前記複数の第1外周分散部材と前記中央分散部材との間に、前記中央分散部材を囲むように間隔をあけて配置された複数の第2外周分散部材と、を含む、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項7】
前記押圧機構は、前記中央分散部材に対応して配置される押圧軸を備える、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項8】
前記第2プレートは、前記当接プレート、前記受圧プレート、前記中間プレート、及び前記複数の分散部材を備え、前記押圧機構により下方に移動可能であり、
前記第1プレートは、前記第2プレートに対して下方に配置され、複数本の支柱によって支持され、
前記複数本の支柱のそれぞれは、上方から見て、前記複数の外周分散部材と異なる位置に配置されている、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項9】
前記複数本の支柱のうち前記第1プレートの中央に配置される中央支柱は、上方から見て、前記中央分散部材と重なる位置に配置されている、請求項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項10】
前記当接プレートは、セラミックプレートであり、
前記受圧プレート及び中間プレートは、金属プレートである、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置。
【請求項11】
前記第1プレート及び前記第2プレートは、前記基板に当接する当接面の平面度が高く、面粗さが小さい、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の基板貼り付け装置
【請求項12】
複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより前記複数の基板を貼り付ける方法であって、
前記第1プレートと前記第2プレートとの間に前記複数の基板を重ねた状態で配置することと、
前記第1プレート及び前記第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に向けて押し付けることにより、前記第1プレートと前記第2プレートとの間の前記複数の基板に押圧力を付与することと、を含み、
前記押圧力は、
前記基板に当接する当接プレートと前記押圧力を受ける受圧プレートとの間に配置された中間プレートに固定された中央分散部材により、前記複数の基板の中央部に対応する第1領域に付与され、
前記中央分散部材を囲むように配置されて前記中間プレートに固定された複数の外周分散部材により、前記複数の基板の外周部に対応する複数の第2領域に付与され、
前記押圧力が付与される前記第1領域の外径寸法は、前記押圧力が付与される前記第2領域の外径寸法以上の寸法である、基板貼り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板を重ねた状態で貼り付ける基板貼り付け装置が知られている。このような基板貼り付け装置として、例えば被加圧部と、その下面に配置された応力分散部と、応力分散部の下面に配置された部品保持部とを備えた構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この構成において、部品保持部は応力分散部を構成する応力分散プレートの下面に取り付けられている。被加圧部の上面中央には、加圧機構からの加圧力が点荷重で加えられる。応力分散プレートは、その上面に円環状に台形状断面の接触部を備えている。複数の基板は、部品保持部と応力分散部との間に挟み込まれる。加圧機構からの加圧力は、応力分散プレートに形成された円環状の接触部により、周囲へ分散される。このように、応力分散プレートを設けることにより、複数の基板どうしの接合面に加えられる加圧力は均一化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-301593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の基板貼り付け装置は、円環状の接触部を介して加圧力を伝達しているので、加圧する軸方向の延長上に加圧力を伝達する部分がなく、加圧力を均一に分散するには不十分である。基板どうしを適切に張り合わせるために、複数の基板どうしの接合面に加えられる加圧力のさらなる均一化が望まれている。
【0005】
本発明は、複数の基板どうしの接合面に加えられる加圧力の均一化を図ることが可能な基板貼り付け装置及び基板貼り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様は基板貼り付け装置である。基板貼り付け装置は、複数の基板を重ねた状態で挟む第1プレート及び第2プレートを備える。基板貼り付け装置は、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に押し付ける押圧機構を備える。第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方は、基板に当接する当接プレートを備える。第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方は、押圧機構側に配置され、押圧機構による押圧力を受ける受圧プレートを備える。第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方は、当接プレートと受圧プレートとの間に配置された中間プレートを備える。第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方は、受圧プレートと中間プレートとの間に配置された複数の分散部材を備える。複数の分散部材は、第1プレート及び第2プレートの中央部に対応して配置され、中間プレートに固定される中央分散部材を含む。複数の分散部材は、中央分散部材を囲むように配置され、中間プレートに固定される複数の外周分散部材をむ。中央分散部材の外径寸法は、外周分散部材の外径寸法以上の寸法である。
【0007】
本発明の第2態様は、複数の基板を重ねた状態で第1プレート及び第2プレートで挟むことにより複数の基板を貼り付ける方法である。基板貼り付け方法は、第1プレートと第2プレートとの間に複数の基板を重ねた状態で配置することを含む。基板貼り付け方法は、第1プレート及び第2プレートのいずれか一方をいずれか他方に向けて押し付けることにより、第1プレートと第2プレートとの間の複数の基板に押圧力を付与することをむ。押圧力は、基板に当接する当接プレートと押圧力を受ける受圧プレートとの間に配置された中間プレートに固定された中央分散部材により、複数の基板の中央部に対応する第1領域に付与される。押圧力は、中央分散部材を囲むように配置されて中間プレートに固定された複数の外周分散部材により、複数の基板の外周部に対応する複数の第2領域に付与される。押圧力が付与される第1領域の外径寸法は、押圧力が付与される第2領域の外径寸法以上の寸法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板貼り付け装置は、受圧プレートと中間プレートとの間に配置された複数の分散部材を含むので、押圧機構による押圧力は、受圧プレートから、複数の分散部材、中間プレート、当接プレートを介して複数の基板に伝達される。複数の分散部材は、中央分散部材と複数の外周分散部材とを含むので、押圧機構による押圧力は、中間プレートの中央部と外周部とに伝達される。従って、複数の基板どうしの接合面に加えられる加圧力のさらなる均一化を図ることができ、複数の基板どうしを適切に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る基板貼り付け装置の一例を示す図である。
図2】第1プレートの構成を示す正面図である。
図3図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。
図4】第2プレートの構成を示す縦断面図である。
図5図4の第2プレートを下降させ、当接プレートを基板に突き当てた状態の縦断面図である。
図6】中間プレート、及び複数の分散部材を示す斜視図である。
図7図6の平面図である。
図8】第2プレートの複数の分散部材と、第1プレートの複数の支柱との位置関係を示す平面図である。
図9】各分散部材の中間プレートへの取付構造を示す断面図である。
図10】移動可能に設けられた外周分散部材を示す図であり、図7のB-B断面に沿った断面図である。
図11】本実施形態に係る基板貼り付け方法の一例を示すフローチャートである。
図12】基板貼り付け装置の動作の一例を示す工程図である。
図13】基板貼り付け装置の動作の一例を示す工程図である。
図14】基板貼り付け装置の動作の一例を示す工程図である。
図15】基板貼り付け装置の動作の一例を示す工程図である。
図16】基板貼り付け装置の動作の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定されない。また、図面においては実施形態をわかり易く説明するため、一部分を省略して表現している部分がある。さらに図面では、一部分を大きく又は強調して記載するなど適宜縮尺を変更して表現しており、実際の製品とは大きさ、形状が異なっている場合がある。以下の各図において、XYZ直交座標系を用いて図中の方向を説明する。このXYZ直交座標系においては、水平面に平行な平面をXY平面とする。このXY平面において基板S1と基板S2との搬送方向に平行な方向をX方向とし、X方向に直交する方向をY方向とする。また、XY平面に垂直な方向をZ方向(高さ方向)と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の指す方向が+方向であり、矢印の指す方向とは反対の方向が-方向であるとして説明する。
【0011】
<基板貼り付け装置>
実施形態に係る基板貼り付け装置100について説明する。図1は、実施形態に係る基板貼り付け装置100の一例を示す図である。基板貼り付け装置100は、前工程において接着層Fを介して仮に貼り合わされた基板S1、S2に、押圧力を付与することで、基板S1と基板S2とを貼り付ける。接着層Fは、基板S1及び基板S2の少なくとも一方に設けられている。
【0012】
基板S1及び基板S2は、例えばガラス基板であるが、ガラス基板以外の半導体基板、樹脂性基板などであってもよい。本実施形態では、貼り付けられる2枚の基板のうち、上側基板を基板S1と称し、下側基板を基板S2と称する。また、基板S1と基板S2とを貼り付けた形態を基板Sと称する。基板S1及び基板S2は、いずれも平面視において(Z方向から見て)円形状の円形基板が使用されるが、円形基板に限定されず、平面視において矩形状(正方形状、長方形状)の角形基板、楕円形状、長円形状等の基板であってもよい。
【0013】
図1に示すように、基板貼り付け装置100は、チャンバ10と、第1プレート20と、第2プレート30と、押圧機構50と、制御部(図示せず)と、を備える。なお、図2においては、チャンバ10の内部を分かり易くするため、チャンバ10の上面側を省略して表記している。制御部(図示せず)は、基板貼り付け装置100における各部の動作を統括して制御する。
【0014】
チャンバ10は、基板貼り付け装置100の基台15上に配置されている。チャンバ10は、基台15の外周部から上方に立ち上がる側壁10aと、側壁10aの上方を覆う天板10bとを有した箱状に形成されている。チャンバ10は、その内部に第1プレート20と、第2プレート30と、押圧機構50の一部とが収容されている。チャンバ10は、箱状に形成されており、側壁10aの一部に開口部11を有している。開口部11は、チャンバ10の-X側の面に形成され、チャンバ10の内部と外部と、を連通させる。開口部11は、前工程において接着層Fを介して仮に貼り合わされた基板S1、S2、及び基板S1と基板S2とが貼り付けられた基板Sが、それぞれ通過可能な寸法に形成されている。基板S1、S2は、搬送装置(図示せず)によって開口部11を介してチャンバ10内に搬入される。また、基板Sは、開口部11を介してチャンバ10内から搬出される。
【0015】
チャンバ10は、開口部11を開閉するゲートバルブ12を備えている。ゲートバルブ12は、チャンバ10の-X側の側面における外側に配置され、図示しない駆動部によって、例えば、高さ方向(Z方向)にスライド可能である。ゲートバルブ12は、スライドすることにより開口部11を開閉し、開口部11を閉じることによりチャンバ10内を密閉状態にすることができる。また、チャンバ10の上面には、後述する複数の押圧軸51が貫通する複数の貫通部10hが設けられている。貫通部10hのそれぞれには、押圧軸51が昇降可能な状態で挿入されており、図示しないシール部材によってチャンバ10内の密閉状態を維持している。
【0016】
チャンバ10内は、図示しない吸引装置に接続されている。この吸引装置によりチャンバ10内を吸引(排気)することにより、チャンバ10内を真空引きして真空雰囲気にすることができる。チャンバ10は、内部の真空雰囲気を開放するために外部に対して解放可能なバルブを備えていてもよい。また、チャンバ10内は、図示しないガス供給装置に接続されてもよい。このガス供給装置からチャンバ10内に所定のガスを供給することでチャンバ10内を所定のガス雰囲気にすることができる。所定のガスとしては、例えば、窒素ガスなどの基板S1、S2に形成されている薄膜等に対して不活性なガス、又はドライエアなどが用いられる。なお、基板貼り付け装置100は、チャンバ10を備えるか否かは任意であり、チャンバ10を備えない形態(大気開放型)であってもよい。
【0017】
第1プレート20は、チャンバ10内に搬入された基板S1、S2を下方から支持する。第1プレート20は、上方から見て円形状であるが、この形態に限定されず、例えば矩形状(正方形状、長方形状)、楕円形状、長円形状等であってもよい。第1プレート20は、基板S1、S2より大きい外径寸法に設定されている。
【0018】
図2は、第1プレート20の構成を示す正面図である。図2に示すように、第1プレート20は、支持プレート21と、第1ヒータ(加熱部)22と、ベースプレート23とを有する。支持プレート21、第1ヒータ22、及びベースプレート23は、下側(-Z側)からこの順番で積層されている。第1プレート20は、支持プレート21の下面側に設けられた複数本の支柱24により支持され、支柱24を介してチャンバ10の底部に固定されている。支持プレート21と第1ヒータ22との間、及び第1ヒータ22とベースプレート23との間は、例えばボルト等の締結部材により固定されている。
【0019】
支持プレート21は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等の材質により形成された板状体である。第1ヒータ22は、加熱部の一例であり、例えば、内部に電熱線等の加熱機構(熱源)を有するホットプレートである。第1ヒータ22によりベースプレート23を介して基板S1、S2を加熱する。なお、第1ヒータ22は、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。ベースプレート23は、上面である+Z側の載置面23aに基板S1、S2、及び基板Sが載置される。ベースプレート23は、基板S1、S2、及び基板Sの熱膨張係数緩和のため、例えば、セラミックスで板状に形成されるセラミックプレートが用いられるが、金属、樹脂等で形成されてもよい。ベースプレート23の載置面23aは、基板S2との接触面となる。従って、載置面23aは、平面度が高くかつ面粗さが小さい(又は鏡面である)ことが好ましい。
【0020】
図3は、図2におけるA-A断面に沿った構成を示す図である。図2図3に示すように、支柱24は、支持プレート21の下側に複数設けられている。複数本の支柱24は、基板S1、S2を貼り付ける際に第1プレート20に作用する押圧力を、下方から受け止める。複数本の支柱24は、中央支柱25と、外周支柱26と、を備えている。中央支柱25は、支持プレート21の下側の中央部に配置されている。中央支柱25は、支持部材25aと、板体25bと、複数の支柱部材27と、を備えている。
【0021】
支持部材25aは、基台15から上方に延びている。板体25bは、支持部材25a上に支持されている。板体25bは、支持部材25aから外周側に拡径している。複数の支柱部材27は、板体25b上に配置されている。複数の支柱部材27は、支持プレート21の下側の中央部に配置される中央支柱部材27aと、中央支柱部材27aの外周側に配置される外周支柱部材27bと、を備えている。外周支柱部材27bは、支持プレート21の周方向に間隔を開けて複数配置されている。本実施形態において、外周支柱部材27bは、周方向に間隔をあけて3つ配置されている。中央支柱部材27a、及び外周支柱部材27bは、それぞれ上方から見て円形状に形成されている。本実施形態において、中央支柱部材27aと、外周支柱部材27bとは、ほぼ同じ外径を有している。なお、中央支柱部材27aと、外周支柱部材27bとは、異なる外径を有していてもよい。
【0022】
外周支柱26は、支持プレート21の外周部に配置されている。外周支柱26は、中央支柱25の外周支柱部材27bよりも外周側に配置されている。外周支柱26は、支持プレート21の周方向に間隔を開けて複数配置されている。本実施形態において、外周支柱26は、周方向に間隔をあけて6つ配置されている。6つの外周支柱26のうち3つは、それぞれ複数の外周支柱部材27bと、周方向における位置が一致している。また、外周支柱26は矩形状であるが、円形状、楕円形状、長円形状等であってもよい。
【0023】
このように、複数本の支柱24で第1プレート20を支持することにより、押圧機構50による押圧力が大きい場合であっても、第1プレート20の変形を防止する。なお、複数本の支柱24の本数及び配置は、上記した形態に限定されず、第1プレート20の大きさ、使用される押圧力の大きさ等によって任意に設定することができる。
【0024】
図1に示すように、第2プレート30は、基板S1と基板S2とを貼り付ける際に、基板S1、S2を第1プレート20側(-Z側)に向かって押圧する。第2プレート30は、第1プレート20と同様に、上方から見て円形状であるが、この形態に限定されず、例えば、矩形状(正方形状、長方形状)、楕円形状、長円形状等であってもよい。第2プレート30は、基板S1、S2より大きい外径寸法に設定されている。第2プレート30の外径寸法は、第1プレート20と同一であるが、この形態に限定されない。例えば、第2プレート30は、第1プレート20に対して外径寸法が大きくてもよいし、又は小さくてもよい。
【0025】
図4は、第2プレート30の構成を示す縦断面図である。図4に示すように、第2プレート30は、後述する押圧機構50の押圧軸51の下端に保持されており、押圧軸51の昇降に伴って昇降する。第2プレート30は、当接プレート31と、受圧プレート33と、中間プレート34と、複数の分散部材35と、を備えている。当接プレート31は、基板S1、S2に当接する。受圧プレート33、複数の分散部材35、中間プレート34、及び当接プレート31は、上側からこの順番で積層されている。受圧プレート33、中間プレート34、及び当接プレート31は、それぞれ平面視円形の板状で、同一の外径を有している。複数の分散部材35は、後に詳述するように、受圧プレート33と中間プレート34との間に挟み込まれている。受圧プレート33と、中間プレート34と、当接プレート31とは、例えばボルト等の締結部材により固定されている。
【0026】
当接プレート31は、基板S1に上方から当接する当接面31aを-Z側の下面に備える。当接プレート31は、基板S1、S2、及び基板Sの熱膨張係数緩和のため、例えば、セラミックスで板状に形成されるセラミックプレートが用いられるが、金属、樹脂等で板状に形成されてもよい。当接プレート31の当接面31aは、基板S1との接触面となる。従って、当接面31aは、平面度が高くかつ面粗さが小さい(又は鏡面である)ことが好ましい。
【0027】
当接プレート31には、第2ヒータ(図示せず)が内蔵されている。第2第2ヒータ(図示せず)は、第1プレート20の第1ヒータ22と同様に、例えば、内部に電熱線等の加熱機構(熱源)を有するホットプレートである。第2ヒータ(図示せず)は、当接プレート31を介して基板S1を加熱する。なお、第2ヒータ(図示せず)は、第1ヒータ22同様、シート状の熱源を挟んで積層された積層構造体であってもよい。
【0028】
受圧プレート33は、押圧機構50側、つまり上側に配置されている。受圧プレート33は、押圧機構50の押圧軸51から押圧力を受けるため、所定の強度で形成されることが好ましい。受圧プレート33は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等により形成される。本実施形態では、受圧プレート33は、金属プレートである。受圧プレート33の上面33tは、外周部から径方向内側に向かって漸次上側に膨出するよう形成されている。
【0029】
受圧プレート33は、押圧軸51に対し、ブラケット38を介して高さ方向に相対移動可能に支持されている。ブラケット38は、ブラケットプレート38aと、取付部材38bと、を備えている。ブラケットプレート38aは、平面視円形状で、その中央部に押圧軸51の軸部51aが挿通される挿通孔38hを有している。押圧軸51の下端部には、軸部51aよりも径方向外側に拡径する拡径部51bが形成されている。挿通孔38hの内径は、軸部51aの外径よりも大きく、拡径部51bの外径よりも小さい。
【0030】
このため、ブラケットプレート38aは、拡径部51bよりも上側で、軸部51aに沿って高さ方向に相対移動可能に支持されている。取付部材38bは、ブラケットプレート38aと受圧プレート33とを接続している。取付部材38bは、ブラケットプレート38a、及び受圧プレート33の外周部に、周方向に間隔を開けて複数配置されている。各取付部材38bは、高さ方向に延び、ブラケットプレート38aの外周部と受圧プレート33の外周部とに、それぞれビス留めされている。
【0031】
図5は、図4の第2プレート30を下降させ、当接プレート31を基板S1に突き当てた状態の縦断面図である。基板S1、S2を押圧していない通常時に、押圧軸51が上方に引き上げられている場合、押圧軸51の拡径部15bが、挿通孔38hの周囲でブラケットプレート38aに下方から突き当たっている。この構成により、第2プレート30は、ブラケット38を介して押圧軸51によって支持され、第1プレート20に対して上方に間隔を開けて配置されている。
【0032】
基板S1、S2を押圧するため、押圧軸51を下方に移動させると、押圧軸51とともに第2プレート30が下方に移動する。当接プレート31が基板S1の上面に突き当たると、第2プレート30の下方への移動が規制される。この状態で、押圧軸51をさらに下降させると、図5に示すように、挿通孔38h内で押圧軸51が下方にスライドし、拡径部51bが、受圧プレート33の上面33tに突き当たる。この構成により、押圧機構50による押圧力が、押圧軸51を介して受圧プレート33に伝達される。
【0033】
図4に示すように、中間プレート34は、当接プレート31と受圧プレート33との間に配置されている。中間プレート34は、当接プレート31の上面に配置されている。中間プレート34は、例えば、金属、樹脂、セラミックス等により形成される。本実施形態では、中間プレート34は、金属プレートである。中間プレート34は、複数の分散部材35を保持している。複数の分散部材35は、受圧プレート33と中間プレート34との間に配置されている。
【0034】
図6は、中間プレート34、及び複数の分散部材35を示す斜視図である。図7は、図6の平面図である。図4図6図7に示すように、複数の分散部材35は、中間プレート34の上面に配置されている。分散部材35は、例えば、金属、樹脂、セラミック等により形成されている。複数の分散部材35は、中央分散部材36と、複数の外周分散部材37と、を備えている。中央分散部材36は、第1プレート20及び第2プレート30の中央部に対応して配置されている。中央分散部材36は、上方から見て、押圧軸51と重なる位置に配置されている。中央分散部材36は、平面視円形で、高さ方向に所定の厚さを有している。中央分散部材36は、例えば、押圧軸51の拡径部51bと略同じ外径を有している。
【0035】
複数の外周分散部材37は、中央分散部材36を囲むように配置されている。複数の外周分散部材37のそれぞれは、平面視円形で、高さ方向に中央分散部材36と同じ厚さを有している。複数の外周分散部材37のそれぞれは、中央分散部材36よりも小さな外径を有している。換言すれば、中央分散部材36の外径寸法は、外周分散部材37の外径寸法よりも大きい。中央分散部材36の外径寸法が、外周分散部材37の外径寸法よりも大きいことで、外周分散部材37の設置数が少なくて済む。なお、中央分散部材36の外径寸法は、外周分散部材37の外径寸法と同一であってもよい。すなわち、中央分散部材36の外径寸法は、外周分散部材37の外径寸法以上に設定されてもよい。
【0036】
本実施形態において、複数の外周分散部材37は、複数の第1外周分散部材37Aと、複数の第2外周分散部材37Bと、を備えている。複数の第1外周分散部材37Aは、中央分散部材36を囲むように、中間プレート34の中心部回りの周方向に間隔をあけて配置されている。複数の第1外周分散部材37Aは、中間プレート34の外周部に配置されている。本実施形態において、複数の第1外周分散部材37Aは、例えば6個が中間プレート34の周方向に等間隔で配置されている。
【0037】
複数の第2外周分散部材37Bは、中間プレート34の径方向において、複数の第1外周分散部材37Aと中央分散部材36との間に配置されている。複数の第2外周分散部材37Bは、中央分散部材36を囲むように、中間プレート34の中心部回りの周方向に間隔をあけて配置されている。本実施形態において、複数の第2外周分散部材37Bは、例えば3個が中間プレート34の周方向に等間隔で配置されている。複数の第2外周分散部材37Bは、複数の第1外周分散部材37Aに対し、周方向における位置を異ならせて配置されている。
【0038】
押圧機構50による押圧力は、受圧プレート33から複数の分散部材35を経て、中間プレート34、当接プレート31を介して複数の基板S1、S2に伝達される。複数の分散部材35は、中央分散部材36と複数の外周分散部材37とを含むので、押圧機構50による押圧力は、中間プレート34に、より均一に伝達される。複数の外周分散部材37として、中央分散部材36と、その外周側に配置された複数の第2外周分散部材37Bと、さらにその外周側に配置された複数の第1外周分散部材37Aと、を備えることで、複数の基板S1、S2どうしの接合面に加えられる加圧力のさらなる均一化を図ることができる。特に、中央分散部材36を備えることにより、複数の基板S1、S2どうしの接合面に加えられる加圧力を均一化させ易い。また、外径寸法が大きい中央分散部材36によって広い範囲を押圧しつつ、その外周部を複数の外周分散部材37で押圧することにより、基板S1、S2全体に対する押圧力を良好に調整することができる。
【0039】
図8は、第2プレート30の複数の分散部材35と、第1プレート20の支柱24との位置関係を示す平面図である。図8に示すように、第2プレート30の中央分散部材36と、第1プレート20の中央支柱25,及び中央支柱部材27aとは、上方から見て重なって配置されている。第2プレート30の複数の外周分散部材37(第1外周分散部材37A、第2外周分散部材37B)は、第1プレート20の外周支柱26、及び外周支柱部材27bに対し、上方から見て重ならないよう、異なる位置に配置されている。第1外周分散部材37Aと、外周支柱26とは、径方向で同じ位置に配置され、周方向で異なる位置に配置されている。第2外周分散部材37Bと、外周支柱部材27bとは、径方向で同じ位置に配置され、周方向で異なる位置に配置されている。
【0040】
第1プレート20と第2プレート30との間に挟み込まれる複数の基板S1、S2には、第2プレート30を下方に移動させることによって複数の分散部材35が配置された位置から加圧力が作用する一方、第1プレート20を支持する複数本の支柱24の位置から、反力を受ける。第1プレート20は、第2プレート30に対して下方に配置され、上方から見て、複数の外周分散部材37と異なる位置に配置された複数本の支柱24によって支持されていることで、複数の基板S1、S2には、上方から作用する加圧力と、下方から作用する反力とが、異なる位置に作用する。このため、複数の外周分散部材37の圧力による当接プレート31及び中間プレート34の撓みを防止することができ、さらに、複数の基板S1、S2どうしの接合面に加えられる加圧力の均一化を図ることができる。
【0041】
複数本の支柱24のうち第1プレート20の中央に配置される中央支柱25は、上方から見て、中央分散部材36と重なる位置に配置されていることで、第1プレート20と第2プレート30との間に挟み込まれる複数の基板S1、S2の中央部は、中央分散部材36と中央支柱25とにより、加圧力及び反力が確実に伝達される。このため、複数の基板S1、S2の中央部どうしを、より確実に貼り合わせることができる。
【0042】
図9は、各分散部材35の中間プレート34への取付構造を示す断面図である。本実施形態では、図9に示すように、各分散部材35(中央分散部材36、外周分散部材37)は、中間プレート34にボルト90によって取り外し可能に取り付けられている。各分散部材35は、例えば2本のボルト90を、中間プレート34に形成されたボルト挿通孔34hに挿通させ、各分散部材35に形成された雌ネジ孔35hに締結することによって、中間プレート34に固定されている。なお、各分散部材35を中間プレート34に固定する形態は、本実施形態に限られず、例えば、分散部材35にボルト挿通孔を設けて分散部材35側からボルト90を挿通させ、中間プレート34に形成された雌ネジ孔に締結する形態としてもよい。
【0043】
また、各分散部材35は、中間プレート34との間にシム39を挿入可能である。シム39は、上方から見て、各分散部材35と同じ円形状で、所定の厚さを有している。各シム39は、ボルト90により、各分散部材35とともに中間プレート34に固定される。シム39は、複数の分散部材35と中間プレート34との間に挿入することで、受圧プレート33、中間プレート34、当接プレート31の厚さの不均一を調整する。つまり、シム39は、受圧プレート33、中間プレート34、当接プレート31の厚さの不均一に応じて配置される。シム39は、受圧プレート33、中間プレート34、当接プレート31の厚さの不均一に応じ、一部の分散部材35にのみ配置してもよい。シム39は、受圧プレート33、中間プレート34、当接プレート31の厚さの不均一に応じ、その枚数や厚さを異ならせてもよい。
【0044】
図10は、移動可能に設けられた第1外周分散部材37Aを示す図であり、図7のB-B断面に沿った断面図である。図7図10に示すように、複数の分散部材35のうち、第1外周分散部材37Aは、中間プレート34に対する取付位置が変更可能である。中間プレート34の上面には、中間プレート34の径方向に延びる取付溝34mが形成されている。各第1外周分散部材37Aは、各取付溝34m内に配置され、取付溝34mが延びる方向における位置が調整可能とされている。各第1外周分散部材37Aは、取付溝34mに沿って中間プレート34の径方向における取付位置を変更可能である。
【0045】
中間プレート34には、取付溝34mが延びる径方向に間隔を開けて、複数組のボルト挿通孔34hが形成されている。第1外周分散部材37Aは、取付溝34mに設けられた複数のボルト挿通孔34hのいずれかを選択してボルト90を挿通し、分散部材35に形成された雌ネジ孔35hに締結する。なお、本実施形態では、第1外周分散部材37Aの取付位置が変更可能であるようにしたが、第2外周分散部材37Bの取付位置が変更可能であるようにしてもよい。また、第1外周分散部材37Aの取付位置を、径方向に変更可能であるようにしたが、例えば、中間プレート34の周方向等、他の方向であってもよい。
【0046】
図4図5に示すように、押圧機構50は、第2プレート30を下降させ、基板S1と基板S2とを貼り付ける際に、基板S1を基板S2側(第1プレート20側)に向かって押圧する。押圧機構50は、押圧軸51と、押圧軸51を駆動させる駆動部(図示せず)と、を備える。押圧軸51は、上方から見て受圧プレート33の中央部に配置され、受圧プレート33の中央部に荷重(押圧力)を付加する。押圧軸51は、貫通部10hを介してチャンバ10内に挿入されている。押圧軸51は、それぞれ円形断面の棒状体であり、付与される荷重によって変形しない、又は変形が押さえられた外径及び材質(例えば金属、樹脂、セラミックス等)により形成される。駆動部(図示せず)は、押圧軸51を駆動する。駆動部は、例えば、エアーシリンダ装置、油圧シリンダ装置、電動回転モータを用いたボールネジ機構等が用いられる。
【0047】
駆動部は、制御部(図示せず)によって制御される。駆動部(図示せず)によって押圧軸51に付与する荷重、及び荷重を付与する駆動タイミングは、予め設定されたプログラム等に基づいて制御部(図示せず)によって統括して制御される。また、駆動部(図示せず)の動作の一部又は全部は、オペレータによる操作によって行われてもよい。
【0048】
第2プレート30は、押圧機構50により下方に移動可能に構成されている。複数の基板S1、S2は、押圧機構50によって下方に移動する第2プレート30と、第1プレート20との間に挟み込まれて押圧される。押圧機構50による押圧力は、受圧プレート33から複数の分散部材35を経て、中間プレート34、当接プレート31を介して複数の基板S1、S2に伝達される。複数の分散部材35は、中央分散部材36と複数の外周分散部材37とを含むので、押圧機構50による押圧力は、当接プレート31の外周部だけでなく、中心部にも、より均一に伝達される。
【0049】
さらに、複数の分散部材35と中間プレート34との間にシム39を挿入することで、受圧プレート33、中間プレート34、当接プレート31の厚さの不均一を調整することができる。加えて、複数の分散部材35は、中間プレート34に対する取付位置が変更可能であることで、押圧機構50による押圧力の分布を適切に調整することができる。また、第1外周分散部材37Aが、中間プレート34の取付溝34mに沿って取付位置を変更可能であることで、第1外周分散部材37Aの取付位置を容易に調整することができる。
【0050】
<基板貼り付け方法>
次に、本実施形態に係る基板貼り付け方法について説明する。図11は、本実施形態に係る基板貼り付け方法の一例を示すフローチャートである。この基板貼り付け方法は、例えば、制御部(図示せず)からの指示により実行される。図12から図15は、基板貼り付け装置100の動作の一例を示す工程図である。なお、これらの工程図では、各部の動きが分かり易くなるように、記載を簡略化している。以下、図11のフローチャートに沿って説明する。
【0051】
まず、チャンバ10のゲートバルブ12を開き、基板Sを搬入する(ステップS01)。図12に示すように、制御部(図示せず)は、図示しない駆動部を駆動させてゲートバルブ12を上昇させ、開口部11を開放させる。続いて、搬送装置(図示せず)により、前工程で予め接着層Fを介して重ねた複数の基板S1、S2をチャンバ10内に搬入する。このとき、第2プレート30は、第1プレート20に対して上方に離間させておく。搬送装置(図示せず)は、基板S1,S2を保持した状態で開口部11からチャンバ10の内部に進入し、重ね合わせた基板S1、S2を第1プレート20のベースプレート23上に載置する(ステップS02)。
【0052】
続いて、図13に示すように、ゲートバルブ12を閉じ、図示しない吸引装置によりチャンバ10内を排気し、チャンバ10内を真空雰囲気にする(ステップS03)。
【0053】
続いて、制御部(図示せず)は、図14に示すように、駆動部(図示せず)を駆動させて押圧軸51とともに第2プレート30を下降させ、第1プレート20のベースプレート23上に支持された基板S1、S2に、第2プレート30の当接プレート31を当接させる(ステップS04)。続いて、この状態で、第1ヒータ22及び第2ヒータ(図示せず)により基板S1、S2を所定の時間加熱してプレヒート処理を行う。プレヒート処理は、第1ヒータ22及び第2ヒータ(図示せず)の温度を例えば150℃から250℃にして行う。
【0054】
続いて、押圧軸51で荷重を付加し、基板S1と基板S2とを貼り付ける(ステップS05)。制御部(図示せず)は、真空雰囲気下において、駆動部(図示せず)を駆動して押圧軸51とともに第2プレート30を下降させ、第1プレート20と第2プレート30との間で基板S1と基板S2とを押圧することで、基板S1と基板S2とを貼り付ける。このとき、第1ヒータ22及び第2ヒータ(図示せず)による加熱を継続させて、第1プレート20及び第2プレート30を所定の温度に保持させてもよい。基板S1と基板S2とは、接着層Fが熱によって溶融することで接着され、さらに、第2プレート30による基板S1側からの押圧によって、基板S1と基板S2とが強固に貼り付けられる。
【0055】
基板S1と基板S2との貼り付け完了後、図15に示すように、駆動部(図示せず)を駆動させて押圧軸51とともに第2プレート30を上昇させる(ステップS06)。その後、図示しないバルブ等を開放してチャンバ10内を大気開放、又は所定ガスをチャンバ10内に供給してチャンバ10をパージする(ステップS07)。所定ガスとしては、例えば、窒素ガス、ドライエアなどが用いられる。
【0056】
続いて、図16に示すように、ゲートバルブ12を開いて基板Sをチャンバ10から搬出する(ステップS08)。ゲートバルブ12を上昇させて開口部11を開放した後、搬送装置(図示無し)で、第1プレート20の支持プレート21上に載置された基板Sをチャンバ10の外部に搬出される。その後、制御部(図示せず)は、ゲートバルブ12を閉じて、一連の処理を終了させる。
【0057】
以上のように、本実施形態に係る基板貼り付け装置100は、受圧プレート33と中間プレート34との間に配置された複数の分散部材35を含むので、押圧機構50による押圧力は、受圧プレート33から複数の分散部材35を経て、中間プレート34、当接プレート31を介して複数の基板S1、S2に伝達される。複数の分散部材35は、中央分散部材36と複数の外周分散部材37とを含むので、押圧機構50による押圧力は、中間プレート34に、より均一に伝達される。従って、本実施形態に係る基板貼り付け装置100によれば、複数の基板S1、S2どうしの接合面に加えられる加圧力のさらなる均一化を図ることができる。
【0058】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、上記した説明に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、上記した実施形態では、上側に配置された第2プレート30を押圧機構50によって移動させ、第2プレート30に、中間プレート34、及び複数の分散部材35を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、下側に配置された第1プレート20を押圧機構50によって移動させ、この第1プレート20に、中間プレート34、及び複数の分散部材35を備える構成であってもよい。
【0059】
また、上記した実施形態では、複数の分散部材35、複数の支柱24について、具体的な構成、配置を例に挙げて説明したが、これに限定されず、適宜他の構成とすることができる。
【0060】
また、上記した実施形態では、前工程で接着層Fを介して仮に貼り合わせられた基板S1,S2を、基板貼り付け装置100で貼り付ける構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、基板貼り付け装置100で、基板S1、S2を順次搬入し、基板S1、S2を、接着層Fを介して貼り合わせた後、第1プレート20と第2プレート30との間で基板S1、S2を押圧することによって、基板S1、S2を貼り付ける構成であってもよい。
【符号の説明】
【0061】
10・・・チャンバ
20・・・第1プレート
24・・・支柱
30・・・第2プレート
31・・・当接プレート
33・・・受圧プレート
34・・・中間プレート
34m・・・取付溝
35・・・分散部材
36・・・中央分散部材
37・・・外周分散部材
37A・・・第1外周分散部材
37B・・・第2外周分散部材
39・・・シム
50・・・押圧機構
51・・・押圧軸
90・・・ボルト
100・・・基板貼り付け装置
202・・・第1外周分散部材
S、S1、S2・・・基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16