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▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-09
(45)【発行日】2024-04-17
(54)【発明の名称】モジュラLEDヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/26 20060101AFI20240410BHJP
【FI】
H01L21/26 J
H01L21/26 T
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022526338
(86)(22)【出願日】2020-10-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-01-20
(86)【国際出願番号】 US2020056801
(87)【国際公開番号】W WO2021096653
(87)【国際公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】16/683,564
(32)【優先日】2019-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】パーガンデ, ポール イー.
【審査官】桑原 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-064929(JP,A)
【文献】特開2014-191916(JP,A)
【文献】特開2019-016757(JP,A)
【文献】特開2008-227435(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0105320(US,A1)
【文献】国際公開第2009/157484(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュラLEDヒータであって、
冷却流体が通るための導管を有する基部であって、前記導管が配管ポート及び凹状ポートと連通し、前記モジュラLEDヒータの前記基部が隣接するモジュラLEDヒータの前記基部に接するように、前記配管ポートが、前記隣接するモジュラLEDヒータの前記凹状ポートに入るように構成された、基部と、
複数のLEDを含む、前記基部の前面に配置されたプリント回路基板と、
前記LEDに電力を供給するための、前記基部を貫通して前記プリント回路基板と連通する電力フィードスルーと、
を備えた、モジュラLEDヒータ。
【請求項2】
前記プリント回路基板が、金属クラッドプリント回路基板を含む、請求項1に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項3】
前記導管の上側が、前記金属クラッドプリント回路基板の底面である、請求項2に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項4】
前記基部の裏面に配置されており、前記電力フィードスルーと電気的に連通するフレックス回路をさらに備える、請求項1に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項5】
前記モジュラLEDヒータを隣接するモジュラLEDヒータに固定するために、楔状クランプが前記基部の少なくとも1つの側壁に配置されている、請求項1に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項6】
前記少なくとも1つの側壁がネジ溝を含み、
前記楔状クランプが、
突出部及び貫通孔を有する第1のネジホルダと、
突出部及びネジ孔を有する第2のネジホルダと、
前記第1のネジホルダを貫通して前記第2のネジホルダにねじ込まれるネジであって、前記ネジを締め付けることによって前記楔状クランプが固定される、ネジと、
を含む、請求項5に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項7】
前記ネジ溝内に配置された垂直ピンをさらに備え、前記ネジを締め付けることによって前記突出部を前記垂直ピンに押し付けて、前記楔状クランプを固定する、請求項6に記載のモジュラLEDヒータ。
【請求項8】
LEDアレイであって、
互いに入れ子になった複数のモジュラLEDヒータを含み、各モジュラLEDヒータが、
冷却流体が通るための導管を有する基部であって、前記導管が配管ポート及び凹状ポートと連通する、基部と、
複数のLEDを含む、前記基部の前面に配置されたプリント回路基板と、
前記LEDに電力を供給するための、前記基部を貫通して前記プリント回路基板と連通する電力フィードスルーと、を備え、
前記モジュラLEDヒータの前記基部どうしが接するように、モジュラLEDヒータの前記配管ポートが、隣接するモジュラLEDヒータの前記凹状ポートに入って流体密シールを形成し、前記モジュラLEDヒータ及び前記隣接するモジュラLEDヒータが、流体経路を形成する、LEDアレイ。
【請求項9】
各モジュラLEDヒータが、前記基部の少なくとも1つの側壁に配置された楔状クランプであって、各モジュラLEDヒータを隣接するモジュラLEDヒータに固定するための楔状クランプを含む、請求項8に記載のLEDアレイ。
【請求項10】
前記LEDアレイの背面に配置されたフレックス回路をさらに備え、各電力フィードスルーが、前記フレックス回路と連通する、請求項8に記載のLEDアレイ。
【請求項11】
前記LEDアレイが複数の流体経路を含み、各流体経路が、冷却流体が通る少なくとも1つのモジュラLEDヒータを含み、
前記LEDアレイが、第1のヘッダ及び第2のヘッダをさらに含み、
前記第1のヘッダが、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、
各内部ポートが、前記複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通して、各流体経路に冷却流体を供給し、
前記第2のヘッダが、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、
各内部ポートが、前記複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通して、各流体経路から冷却流体を受け取る、請求項8に記載のLEDアレイ。
【請求項12】
処理チャンバであって、
ワークピースを保持するためのワークピース支持体と、
前記処理チャンバ内に配置されたLEDアレイであって、複数のモジュラLEDヒータを含み、前記複数のモジュラLEDヒータのそれぞれが、
冷却流体が通るための導管を有する基部であって、前記導管が、配管ポート及び凹状ポートと連通しており、前記モジュラLEDヒータの前記基部どうしが接するように、モジュラLEDヒータの前記配管ポートが、隣接するモジュラLEDヒータの前記凹状ポートに入って流体密シールを形成し、前記モジュラLEDヒータと前記隣接するモジュラLEDヒータとが流体経路を形成する、基部、
複数のLEDを含む、前記基部の前面に配置されたプリント回路基板、
及び
前記LEDに電力を供給するための、前記基部を貫通して前記プリント回路基板と連通する電力フィードスルー
を含む、LEDアレイと、
各流体経路と連通する冷却器であって、前記冷却流体が前記LEDアレイを出たときに前記冷却流体を除熱し、前記冷却流体を再循環させる冷却器と、
を含む、
処理チャンバ。
【請求項13】
前記LEDアレイが、
第1のヘッダであって、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、
前記外部配管ポートが前記冷却器と連通しており、
各内部ポートが前記複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路に冷却流体を供給する、第1のヘッダと、
2のヘッダであって、
外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、
前記外部配管ポートが前記冷却器と連通しており、
各内部ポートが前記複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路から冷却流体を受け取る、2のヘッダと、
をさらに備える、請求項12に記載の処理チャンバ。
【請求項14】
前記電力フィードスルーのそれぞれと電気的に連通するフレックス回路と、
前記フレックス回路と電気的に連通する電力コントローラと、
をさらに備え、
前記電力コントローラが、各モジュラLEDヒータ内の前記LEDに供給される電力を制御する、請求項12に記載の処理チャンバ。
【請求項15】
前記複数のモジュラLEDヒータのそれぞれが較正され、電力出力マップが、前記複数のモジュラLEDヒータのそれぞれについて生成され、前記電力コントローラが、前記電力出力マップを使用して、各モジュラLEDヒータに供給される前記電力を制御する、請求項14に記載の処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、基板を加熱するためのシステムに関し、より詳細には、LEDアレイの一部として使用されうる電気接続及び配管接続を有するモジュラLEDヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの製造は、複数の別々の複雑なプロセスを含む。特定のプロセスでは、プロセスが所望の結果を達成するように基板を加熱することが有利でありうる。基板を加熱する1つの方法は、発光ダイオード(LED:light emitting diode)のアレイを使用することによる。
【0003】
いくつかの実施形態において、上記LEDアレイは、最大8,000個の発光ダイオードなど、非常に大型でありうる。各ダイオードがプリント回路基板への2つの接続部を有するため、完全に機能するLEDアレイを得るためには、総計8,000個の機能的なダイオード及び16,000個の完全なはんだ接続が必要となる。しかしながら、LEDの一部、例えばその1~2%は機能しないのが一般的である。故障したLEDを交換し又ははんだブリッジを修正するために上記アレイを再加工することは、簡単でなく時間が掛かる。さらに、各アレイ上に配置されるLEDの数を考えると、アレイ全体を交換するのにコストが掛かる。
【0004】
加えて、LEDの照射出力の許容誤差が、典型的に±2%である。したがって、照射パターンの変動を考えると、良好な熱均一性を備えたアレイを作製することは困難でありうる。
【0005】
したがって、よりコスト効率が良く、より信頼性の高いLEDアレイがあれば有利であろう。新規のLEDアレイが上記の問題を軽減するならば有益であろう。
【発明の概要】
【0006】
モジュラLEDヒータ及びLEDアレイが開示される。モジュラLEDヒータは、冷却流体が流過しうる1つ以上の内部導管を有する基部を含む。基部はまた、基部の一側壁にある配管ポートと、基部の反対側にある嵌合凹部ポートと、を含む。これらのポートは、1のモジュラLEDヒータの配管ポートを隣接するモジュラLEDヒータの凹状ポートに挿入して流体密シールを形成することが可能であるように、構成されている。複数のLEDを有するプリント回路基板が、基部の前面に配置されている。さらに、いくつかの実施形態において、基部はその側壁に1つ以上の楔状クランプを含み、この1つ以上の楔状クランプは、モジュラLEDヒータを、隣接するモジュラLEDヒータに固定するために使用される。複数の上記モジュラLEDヒータを組み立てることにより、LEDアレイが作製されうる。
【0007】
一実施形態に従って、モジュラ発光ダイオード(LED)ヒータが開示される。モジュラLEDヒータが、冷却流体が通るための導管を有する基部であって、導管が配管ポート及び凹状ポートと連通する、基部と、複数のLEDを含む、基部の前面に配置されたプリント回路基板と、LEDに電力を供給するための、基部を貫通してプリント回路基板と連通する電力フィードスルーと、を備える。特定の実施形態において、プリント回路基板が、金属クラッドプリント回路基板を含む。いくつかの実施形態において、導管の上側が、金属クラッドプリント回路基板の底面である。特定の実施形態において、モジュラLEDヒータが、基部の裏面に配置されており電力フィードスルーと電気的に連通するフレックス回路を備える。特定の実施形態において、複数のLEDが複数のゾーンに分けられており、各ゾーンが専用の電源によって給電される。特定の実施形態において、基部が六角形をしている。いくつかの実施形態において、モジュラLEDヒータを隣接するモジュラLEDヒータに固定するために、楔状クランプが基部の少なくとも1つの側壁に配置されている。さらなる実施形態において、少なくとも1つの側壁がネジ溝を含み、楔状クランプが、突出部及び貫通孔を有する第1のネジホルダと、突出部及びネジ孔を有する第2のネジホルダと、第1のネジホルダを貫通して第2のネジホルダにねじ込まれるネジであって、ネジを締め付けることによって楔状クランプが固定される、ネジと、を含む。さらなる実施形態において、モジュラLEDヒータが、ネジ溝内に配置された垂直ピンをさらに備え、ネジを締め付けることによって突出部を垂直ピンに押し付けて、楔状クランプを固定する。
【0008】
他の実施形態に従って、LEDアレイが開示される。LEDアレイは、互いに入れ子になった複数のモジュラLEDヒータを含み、各モジュラLEDヒータが、冷却流体が通るための導管を有する基部であって、導管が配管ポート及び凹状ポートと連通する、基部と、複数のLEDを含む、基部の前面に配置されたプリント回路基板と、LEDに電力を供給するための、基部を貫通してプリント回路基板と連通する電力フィードスルーと、を備え、モジュラLEDヒータの配管ポートが、隣接するモジュラLEDヒータの凹状ポートに入って流体密シールを形成し、モジュラLEDヒータと隣接するモジュラLEDヒータとが、流体経路を形成する。特定の実施形態において、各モジュラLEDヒータが、基部の少なくとも1つの側壁に配置された楔状クランプであって、各モジュラLEDヒータを隣接するモジュラLEDヒータに固定するための楔状クランプを含む。いくつかの実施形態において、LEDアレイが、当該LEDアレイの背面に配置されたフレックス回路を備え、各電力フィードスルーが、フレックス回路と連通する。特定の実施形態において、LEDアレイが複数の流体経路を含み、各流体経路が、冷却流体が通る少なくとも1つのモジュラLEDヒータを含む。いくつかの実施形態において、LEDアレイが、第1のヘッダ及び第2のヘッダを含み、第1のヘッダが、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、各内部ポートが、複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路に冷却流体を供給し、第2のヘッダが、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、各内部ポートが、複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路から冷却流体を受け取る。いくつかの実施形態において、複数のモジュラLEDヒータは、大きさ及び形状が同一である。
【0009】
他の実施形態に従って、処理チャンバが開示される。
処理チャンバが、
ワークピースを保持するためのワークピース支持体と、
処理チャンバ内に配置されたLEDアレイであって、複数のモジュラLEDヒータを含み、複数のモジュラLEDヒータのそれぞれが、
冷却流体が通るための導管を有する基部であって、導管が配管ポート及び凹状ポートと連通しており、モジュラLEDヒータの配管ポートが、隣接するモジュラLEDヒータの凹状ポートに入って流体密シールを形成し、モジュラLEDヒータと隣接するモジュラLEDヒータとが流体経路を形成する、基部、
複数のLEDを含む、基部の前面に配置されたプリント回路基板、及び
LEDに電力を供給するための、基部を貫通してプリント回路基板と連通する電力フィードスルー
を含む、LEDアレイと、
各流体経路と連通する冷却器であって、冷却流体がLEDアレイを出たときに冷却流体を除熱し、冷却流体を再循環させる冷却器と、を含む。
特定の実施形態において、LEDアレイが、
第1のヘッダであって、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、外部配管ポートが、冷却器と連通しており、各内部ポートが、複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路に冷却流体を供給する、第1のヘッダと、
第2のヘッダであって、外部配管ポート及び複数の内部ポートを含み、外部の配管ポートが冷却器と連通しており、各内部ポートが、複数の流体経路のうちの対応する流体経路と連通していて、各流体経路から冷却流体を受け取る、第2のヘッダと、を備える。
特定の実施形態において、処理チャンバが、
電力フィードスルーのそれぞれと電気的に連通するフレックス回路と、
フレックス回路と電気的に連通する電力コントローラと、をさらに備え、
電力コントローラが、各モジュラLEDヒータ内のLEDに供給される電力を制御する。
いくつかの実施形態において、複数のモジュラLEDヒータのそれぞれが較正され、電力出力マップが、複数のモジュラLEDヒータのそれぞれについて生成され、電力コントローラが、電力出力マップを使用して、各モジュラLEDヒータに供給される電力を制御する。特定のさらなる実施形態において、複数の電力出力マップが、各モジュラLEDヒータについて生成され、電力コントローラが、モジュラLEDヒータの温度、及び電力出力マップを使用して、各モジュラLEDヒータに供給される電力を制御する。
【0010】
本開示をより良く理解するために、参照により本明細書に組み込まれる添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A】モジュラLEDヒータを形成するために使用可能な基部の第1の実施形態を示す。
図1B】モジュラLEDヒータを形成するために使用可能な基部の第1の実施形態を示す。
図2図1Aの複数の基部で構成されたLEDアレイを示す。
図3A】クランプを示す。
図3B図3Aのクランプを使用する基部の第2の実施形態を示す。
図4図3Bの複数の基部で構成されたLEDアレイを示す。
図5A図1Aの基部を使用して作製されたモジュラLEDヒータの図を示す。
図5B図1Aの基部を使用して作製されたモジュラLEDヒータの図を示す。
図6図3Bの基部を使用して作製されたモジュラLEDヒータを示す。
図7】フレックス回路を備えたLEDアレイを示す。
図8A】ヘッダを有するLEDアレイを示す。
図8B】ヘッダを有するLEDアレイを示す。
図8C】ヘッダを形成するために使用される基部を示す。
図9図8AのLEDアレイと共に使用されるフレックス回路を示す。
図10図8AのLEDアレイを使用する処理チャンバを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
先に記載したように、シリコンウエハといったワークピースを加熱するために、大型のLEDアレイが使用される。熱均一性における差が、半導体処理の歩留まりに影響を及ぼす可能性があるため、LEDアレイの熱均一性が目標となる。
【0013】
上述の問題を克服するために、本開示では、LEDアレイを複数のモジュラLEDヒータに分ける。上記モジュラLEDヒータのそれぞれが別々に作製されて、試験される。さらに、上記モジュラLEDヒータのそれぞれが、自身の対応する電気接続を有している。モジュラLEDヒータはまた、各モジュラLEDヒータを、冷却水といった流体により冷却することを可能とする配管接続も含む。
【0014】
図1Aは、一実施形態に係るモジュラLEDヒータの基部110の一実施形態の第1の図を示す。図1Bは、基部110の背後から見た同じ実施形態を示す。基部110は、入れ子にするために適した任意の形状でありうる。例えば、矩形、六角形、八角形といった形状が使用されうる。図1では、六角形の形状が示されている。したがって、本実施形態では、基部110は、前面111、底面112、及び6個の側壁113を有する。当然のことながら、他の形状が、異なる数の側壁を有していてよい。基部110は、基部の内部を通る1つ以上の導管121を含む。例えば、基部110は、側壁113のうちの1つから外側に延びる配管ポート120を有しうる。この配管ポート120は、基部110内の導管121を通る冷却流体の通路のために使用される。基部の反対側の側壁には、(図1Bに示すような)嵌合凹状ポート125が含まれている。配管ポート120と嵌合凹状ポート125とは、2つの基部110が互いに隣接して配置されたときに、1の基部110の配管ポート120が、隣接する基部110の嵌合凹状ポート125と位置合わせされ、配管ポート120が凹状ポートに入って流体密な(fluid-tight)接続を形成するように、構成されている。この流体密な接続は、例えば、ワンタッチの取付部品又はボアシールを使用して作られうる。
【0015】
特定の実施形態において、配管ポート120を含む側壁113が、1つ以上の位置合わせピン130も含みうる。対応する位置合わせスロット135が、嵌合凹状ポート125を含む側壁113に配置されうる。当然のことながら、位置合わせピン130が凹状ポート125を含む側壁113に配置されてよく、位置合わせスロットが配管ポート120を有する側壁113にあってよい。
【0016】
さらに、前面111から底面112まで貫通する1つ以上の垂直チャネル115が存在しうる。上記垂直チャネル115は、以下でより詳細に説明するように、基部の前面111に配置されたプリント回路基板に、電力及び接地といった電気信号を渡すために使用されうる。
【0017】
配管ポート120及び凹状ポート125を含むことにより、複数の基部110を連続的に並べることができ、これにより、冷却流体が、いくつかの基部110の導管121を流過する。この技術を使用して、LEDアレイへの配管用パイプ及び接続部の数を減らすことができる。図1A図1Bに示すように、一実施形態において、導管121では、基部110の内部を曲がりくねって通るパターンにより流れうる。当然のことながら、他の形状も可能である。特定の実施形態において、導管121は、0.1~0.5インチの直径を有する。冷却流体は、水若しくは他の冷却された液体又は気体でありうる。
【0018】
上述のように、基部110は、1の基部110からの配管接続部が、隣接する基部に取り付けられるように、隣接する基部と入れ子になることを支援するよう設計されている。従って、外部の配管取付具が、複数の相互接続した基部の2つの端部においてのみ利用される。例えば、図2は、複数の基部110から構成されたLEDアレイ200を示している。本実施形態では、モジュラLEDヒータ100は、サイズ及び形状が同一である。当然のことながら、別のサイズ及び/又は形状のモジュラLEDヒータ100を使用して、LEDアレイ200を作ることができる。
【0019】
図2の実施形態では、3つの流体経路が画定されている。1の流体経路が、基部110a、110bを通る。第2の流体経路が、基部110c、110d、110eを通る。第3の流体経路が、基部110f、110gを通る。したがって、本実施形態では、外部接続を利用する3つの配管ポート120及び3つの嵌合凹状ポート125が存在する。
【0020】
一実施形態において、上記の3つの流体の流れが平行になっている。換言すれば、基部110a、110c、110fの配管ポートに接続された冷却流体源が存在し、これにより、冷却流体源は、上記流体の流れのそれぞれに対して直接的に冷却剤を供給する。本実施形態では、流体シンクが、基部110b、110e、110gの凹状ポートに取り付けられる。
【0021】
さらに別の実施形態において、流体経路が、単一の流体の流れを形成するよう接続されうる。例えば、第1の外部コネクタを使用して、基部110bの凹状ポートを、基部110eの凹状ポートと接続することができる。第2の外部コネクタを使用して、基部110cの配管ポート120を、基部110fの配管ポート120に接続することができる。本実施形態では、たった1つの流体シンクが使用され、基部110gの凹状ポートに接続されている。本実施形態では、基部110は、異なる流体の流れの配管ポート120が互い違いに配向されるように、配置されうる。このようにして、基部110bの凹状ポートが、基部110eの配管ポート120に接続される。
【0022】
様々な基部110を一緒に接続するために使用しうる様々な仕組みが存在する。図1A図1B、及び図2は、第1の実施形態を示している。本実施形態では、ネジ溝140が1つ以上の側壁113に作られている。特定の実施形態において、ネジ溝140が、複数の側壁113に配置されている。このことを可能とするために、ネジ溝140は様々な高さに配置されうる。例えば、図1Bは、異なる高さに配置された、2つの隣り合う側壁113上の2つのネジ溝140を示している。各基部110のネジ溝140は半円形の溝とすることができ、ここで、対になる半円ネジ溝140が、隣接する基部110に配置されている。例えば、図2を参照すると、基部110dと110fとが、それぞれ同じ高さのネジ溝140を含むことができ、これにより、当該基部が互いに隣り合って配置されたときには、クランプネジ150を通せる中空円筒が存在する。ネジ溝140の一端が、クランプネジ150の頭部を収容するために、より大きな半径を含みうる。例えば、図2は、複数のネジ溝140に配置されたクランプネジ150を示している。基部110は、1つ以上のネジ孔145も含みうる。各クランプネジ150の遠位端が、対応するネジ孔145にねじ込まれる。このことは、図2の基部110fで見ることができる。
【0023】
図3A図3Bは、基部110同士を一緒にくっ付けてアレイを形成するために使用することができる基部110の他の実施形態を示している。本実施形態では、図3Aに示すように、各クランプネジ150について、第1のネジホルダ160a及び第2のネジホルダ160bが存在する。第1ネジホルダ160aはバカ孔を有し、第2ネジホルダ160bはネジ孔を有する。これにより、クランプネジ150は、第1のネジホルダ160aを貫通することができ、第2のネジホルダ160bにねじ込まれる。クランプネジ150が締め付けられると、2つのネジホルダが一緒にまとめられる。
【0024】
図3Bは、図3Aのネジホルダを利用することが可能な基部110の一実施形態を示している。本実施形態では、2つのピン170a、170bが、ネジ溝180内に垂直方向に配置されている。ネジ溝180は、第1のネジホルダ160aが第1のピン170aより前方のネジ溝180に設置されうるように、寸法が定められている。同様に、ネジ溝180は、第2のネジホルダ160bが第2のピン170bより後方のネジ溝180に設置されうるように、寸法が定められている。隣接する基部110は、同一の構成を有している。ネジホルダ160a、160bはそれぞれ、対応するピンと基部110との間の空隙を延在するよう構成された突出部を含む。特定の実施形態において、ネジホルダ160a、160bは、「C」字又は「V」字の形状を有しうる。
【0025】
従って、組み立てるためには、第2のネジホルダ160bが、1の基部110の、第2のピン170bより後方のネジ溝180に挿入される。次いで、第2の基部が第1の基部の隣に置かれ、これにより、第2のネジホルダ160bも、第2の基部の第2のピン170bより後方に存在する。次いで、第1のネジホルダ160aが、ネジ溝180に挿入される。次いで、クランプネジ150が、第1のネジホルダ160aを介して第2のネジホルダ160bに挿入される。クランプネジ150が締め付けられたときには、第1ネジホルダ160a及び第2ネジホルダ160bの突出部が、それらの対応するピン170に押し付けられて、楔状クランプを形成する。
【0026】
他の実施形態において、側壁113が、楔状クランプを所定の位置に固定するための、ネジホルダの突出部が押し付けられる凹部を有しているように形成されうる。
【0027】
図4は、楔状クランプ190を使用して接続された複数の基部110を示している。先に記載したように、楔状クランプ190は、複数のネジホルダ160a、160bと、クランプネジ150と、を含む。また、そこに自身が固定されうる表面をネジホルダ160a、160bが有することを保証するように、ネジ溝180が構成されている。特定の実施形態において、先に記載したように、ピン170a、170bがネジ溝180内に配置され、上記表面を提供することができる。他の実施形態において、ネジ溝180が、このような表面を有するように形成されうる。
【0028】
図1図4は、隣接する基部110間の機械的な相互接続を示しており、この機械的な相互接続によって、流体が、複数の基部110を通ることが可能となり、かつ、基部110同士を接合してアレイを形成することも可能となる。
【0029】
図5Aは、図1AのモジュラLEDヒータ100を示しており、プリント回路基板300が、基部110の前面111に配置されている。図5Bは、図5AのモジュラLEDヒータ100の断面図である。
【0030】
特定の実施形態において、プリント回路基板300は、金属クラッドプリント回路基板である。金属クラッドプリント回路基板は、誘電体層の前側に配置された導電トレースを有する。金属層が、誘電体層の裏側に接合されている。従って、誘電体層の裏側には導電トレースを配置することができない。本実施形態では、プリント基板300の裏面は、アルミニウム又は銅といった金属である。特定の実施形態において、プリント回路基板300の裏面が、プリント回路基板300上の接続のために使用されるはんだよりも融点の低いはんだを使用して、基部110の前面111にはんだ付けされうる。代替的に、放熱グリスが、プリント回路基板300と基部110の前面111との間に配置されうる。本実施形態では、導管121の上側はプリント回路基板300の裏面であり、これにより、冷却流体への優れた熱経路が提供される。換言すれば、プリント回路基板300の裏面が、導管121の壁のうちの1つとして機能する。他の実施形態において、導管121が、基部110に埋め込まれうる。
【0031】
他の実施形態において、基部110の前面111がネジ孔を含みうる。このようにして、プリント回路基板300が、基部110の前面111のネジ孔に取り付けられるネジの使用などを介して、基部110に固定されうる。これにより、プリント回路基板300と基部110との間の熱伝導性がもたらされうる。熱伝導性は、プリント回路基板の裏面と基部110の前面との間に放熱グリス又は接着剤を導入することによって、さらに改善されうる。
【0032】
複数のLED310が、プリント回路基板300の前面に配置されている。特定の実施形態において、各プリント回路基板300は、250~1000個のLED310を有しうるが、LEDの数は、本開示によって限定されない。特定の実施形態において、各LED310は高出力LEDであってよく、この高出力LEDは、ワークピースによって容易に吸収される波長又は複数の波長の光を放出する。例えば、シリコンは、約0.4~1.0μmの波長範囲内で高い吸収率及び低い透過率を示す。シリコンは、0.5~1.0μmの波長範囲内で放出されたエネルギーの50%以上を吸収する。この波長範囲内の光を放出するLEDが使用されうる。特定の実施形態において、GaNから作製されたLEDが使用される。上記GaN LEDは、約450nmの波長の光を放出する。特定の実施形態において、610nmと760nmとの間の波長の光を放出するGaP LEDが使用される。
【0033】
LED310は、大きさを変えることができる。特定の実施形態において、各LED310は、1.3mm×1.7mmとすることができる。他の実施形態において、各LED310は、1mm×1mmとすることができる。当然のことながら、他の寸法のLEDも本開示の範囲に入る。LEDは、従来のパッケージングされたダイ、ベアダイ、又はフリップチップダイでありうる。
【0034】
各LED310は、最大3Wを消費しうる。したがって、500個のLED310を有するプリント回路基板300は、1.5kWを消費しうる。
【0035】
特定の実施形態において、LED310は、それぞれが複数のLED310を含む複数の行が存在するように、矩形のパターンで並べられうる。所与の行における任意の隣り合う2つのLED間の間隔は、電力フィードスルーにより生じるズレを除いて、等間隔でありうる。さらに、複数の列が存在してよく、ここで、各列はLED310の一行である。任意の隣り合う2列の間の間隔も等間隔でありうる。図1で分かるように、基部110は六角形でありうるため、各列のLED310の数は等しくなくてよい。
【0036】
特定の実施形態において、LED310の全てが、共通の電源に接続される。このように、各LED310を通る電流は等しい。他の実施形態において、LED310が、複数のゾーンに分けられてよく、ここで、各ゾーンは、それぞれの電源に接続される。このように、異なるゾーンのLEDを通る電流が異なっていてよく、結果的に、ゾーン間で照射の違いが生じる。例えば、側壁113により近いLED310が第1のゾーンにあってよく、プリント回路基板300の中心により近いLED310が、第2のゾーンにあってよい。ゾーンの数及び構成は、本開示によって限定されない。
【0037】
上述のように、プリント回路基板300は、金属クラッドプリント回路基板とすることができ、ここで、プリント回路基板の底面は金属である。従って、誘電体層の前面上のトレースに電気的に接続するために、電力フィードスルー320が、プリント回路基板300の上面に設けられる。換言すれば、ワイヤ又は他の導管がプリント回路基板300の上面へと通ることが可能な孔が、プリント回路基板300に存在しうる。各プリント回路基板300の電力フィードスルー320は、共通の接地フィードスルー及び1つ以上の電圧フィードスルー(プリント回路基板300の各ゾーンに1つずつ)を含みうる。図5Bに示すように、電力フィードスルー320は、プリント回路基板300から基部110の底面112まで垂直チャネル115を通っている。
【0038】
図6は、プリント回路基板300がその上面に配置された、図3Bの基部110を示している。
【0039】
図7は、モジュラLEDヒータ100のアレイの底面(すなわち、LED310の反対側)を示している。フレックス回路400が、電力コネクタ410に接続するため、かつ複数のモジュラLEDヒータ100の背面に信号を転送するために利用されうる。フレックス回路400は、各モジュラLEDヒータ100からの電力フィードスルー320に接続するための雌型ソケットを有しうる。フレックス回路は、電力フィードスルー320を電源コネクタ410に接続するために使用される複数のトレースを有する薄い誘電材料である。特定の実施形態において、フレックス回路は可撓性であり、曲げることが可能である。
【0040】
したがって、複数のモジュラLEDヒータ100を複数の列で組み立てることによって、LEDアレイを形成することができ、ここで、各列が、1つ以上のモジュラLEDヒータ100を有する。上述のように、配管接続が、一列になった隣接するモジュラLEDヒータ100間で自動的に行われ、電気接続が、フレックス回路400を介して、各モジュラLEDヒータ100に対して個別に行われる。各モジュラLEDヒータ100に別々に電力を供給する能力には、以下に記載するような追加の利点がある。
【0041】
上述のように、各モジュラLEDヒータ100は、電力フィードスルー320を有する。換言すれば、各モジュラLEDヒータ100は、全ての他のモジュラLEDヒータ100から独立した電力レベルで給電されうる。例えば、LEDアレイ200の外縁付近のモジュラLEDヒータ100は、LEDアレイ200の中央付近のものよりも高い電力レベルで給電されうる。当然のことながら、各モジュラLEDヒータ100に印加される電力レベルは、実装ごとの決定事項であり、本開示によっては限定されない。
【0042】
モジュラLEDヒータ100は、互いに入れ子になっており、正しく調整されたときに基板内で均一な熱応答をもたらす効率の良い実装密度をもたらす。モジュラLEDヒータ100はまた、LEDの大量生産に関連する固有の許容誤差に対処する方法を提供する。所与のロットからの典型的なダイは、発光出力が+/-2%変わりうる。均一な発光出力を提供する数千個のダイを備えた大型のLEDヒータを設計することは、かなり面倒である。それぞれが数百個のダイを備えるモジュラLEDヒータ100は、積分球において較正が可能である。各モジュラLEDヒータ100が積分球内に配置されて、電力出力マップが生成され、出力電力対入力電力が、基板の温度と共にマッピングされる。特定の実施形態において、いくつかのモジュラLEDヒータは、基板の温度を監視するために、任意のサーミスタ又はRTDも含みうる。したがって、いくつかの実施形態において、複数の電力出力マップが、モジュラLEDヒータごとに作成され、ここで、各電力出力マップは、様々な基板温度で生成される。均一な電力出力がLEDアレイ200全体のために提供されうるように、モジュラLEDヒータ100ごとの電力出力マップが、制御ソフトウェアにロードされうる。
【0043】
例えば、制御ソフトウェアを使用して、モジュラLEDヒータ100のそれぞれへの入力電力を制御することができる。制御ソフトウェアは、各モジュラLEDヒータ100の位置及びその対応する電力出力マップを知ることができる。一実施形態において、制御ソフトウェアは、次いで、LEDアレイ200内の各モジュラLEDヒータ100の出力電力が同じになるように、各モジュラLEDヒータ100に入力電力を供給することができる。他の実施形態において、制御ソフトウェアは、次いで、LEDアレイ200の出力電力が何らかの所定のパターンを満たすように、各モジュラLEDヒータ100に入力電力を供給することができる。
【0044】
一実施形態において、ビニングされていない既製のダイを使用することができる。この場合、LEDアレイ200において使用される各モジュラLEDヒータ100が、積分球内で較正される。各モジュラLEDヒータ100を較正するというこの技術は、LEDアレイ200の保守管理も助ける。例えば、モジュラLEDヒータ100が故障し又は故障し始めた場合には、LEDアレイ200全体を交換する代わりに、そのモジュラLEDヒータ100を単純に交換することが可能である。1つのモジュラLEDヒータ100が交換されるときには、そのモジュラLEDヒータ100の電力出力マップも交換される。このプロセスによって、LEDアレイ200全体からの発光出力が均一のままであることが保証されうる。
【0045】
特定の実施形態において、LEDアレイ200が、同一のモジュラLEDヒータ100で構成されている。しかしながら、他の実施形態も可能である。例えば、特定の実施形態において、LEDアレイ200における特定のモジュラLEDヒータ100内のLED310の密度が、他のモジュラLEDヒータ100より小さくてよい。例えば、LEDアレイ200の中心を形成するモジュラLEDヒータ100は、LEDアレイ200の外縁近くに配置されたモジュラLEDヒータ100よりもLED密度が低くてよい。
【0046】
特定の実施形態において、複数のモジュラLEDヒータ100を使用して作ることの出来ない形状のLEDアレイ200を作製するのが望ましいことがある。さらに、配管接続の数を最小限に抑えることが望ましいことがある。
【0047】
したがって、特定の実施形態において、第1のヘッダ及び第2のヘッダが使用されうる。図8Aは、第1のヘッダ510a及び第2のヘッダ510bを含むLEDアレイ500の前面を示している。図8Bは、プリント回路基板が設置されていないLEDアレイ500を示している。図8Bで最もよく分かるように、LEDアレイ500は、5個の流体経路を含み、各流体経路が、可変数のモジュラLEDヒータ100を含む。例えば、図8A図8Bでは、中央の流体経路内に3個のモジュラLEDヒータ100が存在し、中央の流体経路の各側にある流体経路内に2個のモジュラLEDヒータ100が存在し、最も外側の流体経路内に1個のモジュラLEDヒータ100が存在する。
【0048】
図8A図8Bで見られるように、ヘッダ510a、510bは、流体経路の前方及び後方に配置されている。さらに、ヘッダ510a、510bの形状は、これらがモジュラLEDヒータ100とシームレスに相互接続するようになっている。さらに、ヘッダ510a、510bは、先に記載したプリント回路基板300と同様の、LED310及び電力フィードスルー320を備えたプリント回路基板520も含みうる。ヘッダ510a、510bのためのプリント回路基板520と、モジュラLEDヒータ100のためのプリント回路基板300と、の間の違いは形状でありうる。
【0049】
図8Bは、ヘッダ510a、510bの基部、及び複数の他の基部110を示している。図8Cは、ヘッダ510bの基部を示している。見て分かるように、第1のヘッダ510aは、外部配管ポート530と、1つ以上の内部ポート540と、を有する。上記内部ポート540は、モジュラLEDヒータがアレイとして配置されたときに、複数のモジュラLEDヒータ100の配管ポート120又は嵌合凹部ポート125と位置合わせされるように、構成されている。換言すれば、第1のヘッダ510aは、1つの外部配管ポート530及び複数の内部ポート540を有し、ここで、内部ポート540の数は、LEDアレイ500内の流体経路の数と等しいとすることができる。第1のヘッダ510aは、外部配管ポート530及び内部ポート540と連通する導管550も有し、第1のヘッダ510aを介したモジュラLEDヒータ100への冷却流体の流れが可能となる。したがって、第1のヘッダ510aは、外部配管ポート530からLEDアレイ500内の流体経路のそれぞれに冷却流体を供給するための導管550を含む。
【0050】
LEDアレイ500内で最も外側のモジュラLEDヒータ100に第1のヘッダ510aを機械的に結合するために、ネジ560又は他のファスナが使用されうる。加えて、前面から底面に通る1つ以上の垂直チャネル525が存在しうる。上記垂直チャネル525は、電力及び接地といった電気信号を、ヘッダの基部の前面に配置されたプリント回路基板に渡すために使用されうる。
【0051】
第2のヘッダ510bは、第1のヘッダ510aと同一であるが、異なる配管接続を有しうる。例えば、第1のヘッダ510aは、内部ポート540として雄型コネクタであってよく、第2のヘッダ510bは、雌型コネクタであってよい。同様に、第1のヘッダ510aの外部配管ポート530が雄型コネクタであってよく、第2のヘッダ510bの外部配管ポート530が雌型コネクタであってよい。第2のヘッダ510bは、LEDアレイ500内の各流体経路と連通する導管であって、各流体経路から冷却流体を受け取って、その冷却流体を外部配管ポート530へと送るための導管を含む。
【0052】
加えて、ヘッダ510a、510bがLEDアレイ500を作るために使用されるときには、フレックス回路が、ヘッダ510a、510bの電力フィードスルーに合わせるために修正されうる。図9は、電力コネクタ580を有するそのようなフレックス回路570を示している。フレックス回路570は、各モジュラLEDヒータ100及び各ヘッダ510a、510bへの接続部を有している。
【0053】
図10は、LEDアレイ500を使用する加熱システムを示している。加熱システムは、ワークピース610を処理するために使用されうる処理チャンバ600を備える。特定の実施形態において、処理チャンバ600は、ワークピース610を加熱するためにのみ使用される。他の実施形態において、注入といった他の半導体プロセスも、処理チャンバ600内で実施されうる。
【0054】
複数のモジュラLEDヒータ100を含むLEDアレイ500が、処理チャンバ600内に配置されうる。図8A図8Cで示したように、LEDアレイ500は、第1のヘッダ510a及び第2のヘッダ510bも含みうる。ワークピース610が、ワークピース支持体620によって支持されうる。このワーク支持体620は可動でありうる。例えば、ワークピース支持体620は、ロードロック又は他のポートから自身の処理位置へとワークピース610を移送するために使用されうる。他の実施形態において、ワークピース支持体620は、垂直移動が可能でありうる。特定の実施形態において、ワークピース支持体620が固定されていてよい。
【0055】
LEDアレイ500は、処理チャンバ600の上面又はその付近に配置されうる。いくつかの実施形態において、LEDアレイ500が、処理チャンバ600の上面に取り付けられうる。他の実施形態において、LEDアレイ500が、異なるやり方で支持されうる。
【0056】
処理チャンバ600の外には、冷却システム650が配置されており、冷却システム650は、冷却流体源651と、冷却流体シンク652と、を含む。特定の実施形態において、冷却システムが、LEDアレイ500を出た冷却流体を除熱するために、外部の冷却器653又は熱交換器を含む。外部の冷却器653を出た冷却剤は、その後、LEDアレイ500を通って再循環させることが可能である。
【0057】
電力コントローラ670も、処理チャンバ600の上面の近傍に配置されている。電力コントローラ670は、処理ユニット及びメモリ素子を備え、メモリ素子は、先に記載した制御ソフトウェアを含む命令を含んでいる。電力コントローラ670は複数の電源を含んでおり、各電源が、フレックス回路570の電力コネクタ580に接続するよう適合されている。各モジュラLEDヒータ100、及び各ヘッダ510a、510bに供給される電力は、以前に記載した電力マップを使用して決定することができる。
【0058】
本システムは、数多くの利点を有する。まず、先に記載したように、現在のLEDアレイは、最大8,000個のLEDを含む。8,000個のLED全てが正しく機能し、適切にはんだ付けされている可能性はかなり低い。一般に、LEDの少なくとも1%は機能しない。したがって、熱均一性を実現するために、これらのアレイが再加工されうる。さらに、全てのLEDが1つのアレイ上に存在するため、熱均一性を保証するために上記LEDの一部のみを較正することは不可能である。したがって、熱均一性を実現することは困難である。その一方、本システムは、複数のモジュラLEDヒータで構成されたLEDアレイを開示しており、複数のモジュラLEDヒータは、互いに入れ子になり、互いに固定し、配管接続を共有するよう設計されている。上記モジュラLEDヒータは、個別に試験して、特徴を付けることが可能であり、これにより、各モジュラLEDヒータへの入力電力を、そのヒータのためにカスタマイズすることが可能である。このことにより、より良好な均一性が可能となる。さらに、モジュラLEDヒータのうちの1つが故障した場合には、そのモジュラLEDヒータが交換され、LEDアレイ内の残りのモジュラLEDヒータは所定の位置に留まる。これにより、修理及び再加工のコストが削減される。
【0059】
本開示の範囲は、本明細書に記載された特定の実施形態によって限定されるものではない。実際には、当業者には、本明細書に記載したものに加えて、本開示の他の様々な実施形態及び変形例が、先の明細書の記載及び添付の図面から明らかとなろう。従って、このような他の実施形態及び変形例は、本開示の範囲に含まれることが意図されている。さらに、本明細書では、本開示が、特定の目的のための特定の環境における特定の実現の文脈において記載されてきたが、当業者は、本開示の有用性がこれに限定されず、本開示が、任意の数の目的のための任意の数の環境において有益に実現されうることが分かるであろう。従って、以下に記載の特許請求の範囲は、本明細書に記載した本開示の範囲及び思想に最大限広く鑑みて解釈されたい。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10