(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240411BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H02J1/00 306A
H02J1/00 304H
H02J1/00 306B
H02J1/00 306F
B60R16/02 620S
(21)【出願番号】P 2020054630
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2022-11-25
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐見 雄大
(72)【発明者】
【氏名】杉村 竹三
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-043882(JP,A)
【文献】特開2020-015329(JP,A)
【文献】特開2009-202616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において定電圧駆動を要求される第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部と、
を備え
、
前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有する
電源システム。
【請求項2】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において定電圧駆動を要求される第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至る経路を含み、
前記第2配線経路は、前記分配部から前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方へ至る経路を含む
電源システム。
【請求項3】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において定電圧駆動を要求される第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
前記第2電装品へ電力を供給する第3電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至る経路を含み、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方から前記第3電気接続箱へ至る経路を含む
電源システム。
【請求項4】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において定電圧駆動を要求される第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
前記第2電装品へ電力を供給する第3電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至り、前記車両の後部に配置された第3電装品へ電圧を昇圧する昇圧部を介して電力を供給し、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方から前記第3電気接続箱へ至る経路を含む
電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両内での電力供給の発明として、例えば特許文献1に開示された電源ネットワークがある。この電源ネットワークは、第1の実施形態として、車両の後部にあるバッテリーから前部にある2つのヒューズ・リレーブロックへ電力を供給する構成として、バッテリーから一方のヒューズ・リレーブロックを経由して他方のヒューズ・リレーブロックへ電力を供給する構成があり、第2の実施形態として、バッテリーからそれぞれのヒューズ・リレーブロックへ電力を直接供給する構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力を供給する電源ラインにおいては、大電流を要する電装品が駆動されると、電源ラインで電圧降下が生じる。電力を供給する電源ラインで電圧降下が生じると、同じ電源ラインで電力を供給される他の電装品が安定して動作できず、例えば、駆動に定電圧を要求される電装品においては不具合が発生し得る。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、定電圧を要する電装品に対して簡易な構成で電圧降下を抑えて電力を供給する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る電源システムは、電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、前記電源から供給される電力を前記複数の電装品において定電圧駆動を要求される第2電装品へ供給する第2配線経路と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の後部に至ることを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記分配部から供給される電力を前記複数の電装品において前記車両の後部に配置された第3電装品へ供給する第3配線経路を有し、前記第1配線経路は、前記車両の右部又は前記車両の左部の一方を通って前記車両の後部に至り、前記第2配線経路は、前記車両の左右方向の中央部に至ることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記車両の右部又は前記車両の左部を通って前記車両の後部に至り、前記車両の後部に配置された第3電装品へ電圧を昇圧する昇圧部を介して電力を供給し、前記第2配線経路は、前記車両の左右方向の中央部に至ることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至る経路を含み、前記第2配線経路は、前記分配部から前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方へ至る経路を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、前記第2電装品へ電力を供給する第3電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至る経路を含み、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方から前記第3電気接続箱へ至る経路を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、前記第2電装品へ電力を供給する第3電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱の一方から前記車両の後部に至り、前記車両の後部に配置された第3電装品へ電圧を昇圧する昇圧部を介して電力を供給し、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱と前記第2電気接続箱の他方から前記第3電気接続箱へ至る経路を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、定電圧を要する電装品に対して簡易な構成で電圧降下を抑えて電力を供給するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電源システムの配索を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、第2実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、第3実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、第4実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、第5実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7は、第6実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、第7実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、第8実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、第8実施形態の変形例に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素については適宜同一の符号を付している。
【0018】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源システム1Aの車両2における配索の一例を示す図である。
図2は、電源システム1Aの車両2における配索を模式的に示す平面図である。以下の説明においては、車両2の前進方向を前側、車両2の後進方向を後側、運転席から前方を見て右方を右側、運転席から前方を見て左方を左側と称する。
【0019】
電源システム1Aは、車両2が有する二次電池BATから供給される電力を車両2が有する複数の電装品へ供給するシステムである。電源システム1Aは、分配部FM、複数の電気接続箱、及び複数のケーブルを有する。二次電池BATは、繰り返し充電及び放電が可能な二次電池である。二次電池BATの電圧は、例えば12Vであり、車両2が有する図示省略したオルタネータにより充電され、複数の電装品へ電力を供給する。なお、二次電池BATの位置は、図示した位置に限定されるものではなく、車両2内の他の位置に配置されていてもよい。
【0020】
電源システム1Aにより電力が供給される電装品は、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ストップランプ、ターンランプなどの灯火系の機器や、ディスプレイ装置、カーオーディオ、計器パネルなどの運転席周辺の機器、パワーウインドウ、ワイパー、シートヒーター、ドアロック、電動ミラー、リアデフロスター、リアワイパーなどの機器、アクチュエータ、ECU(Electronic Control Unit)、各種センサーなどである。なお、図面が煩雑になるのを防ぐため、
図1においては複数の電装品の図示を省略している。
図2においては、同じく図面が煩雑になるのを防ぐため、電装品10
1~10
n(nは2以上の整数)と電装品30
1~30
m(mは2以上の整数)を図示し、他の電装品の図示を省略している。また、車両2においては、ECUが各種電装品と通信を行うための通信ケーブルが配索されているが、図面が煩雑になるのを防ぐため、図示を省略している。
【0021】
電源システム1Aは、複数のケーブルとして、ケーブルBW、ケーブルRW、ケーブルLW、ケーブルRW1、ケーブルLW1、ケーブルRW12及びケーブルLW11を有する。これらのケーブルは、車両2内に配置された各電装品へ電力を供給するための太径のケーブルである。これらのケーブルは、例えば、撚り線の形態の扁平電線、平型電線、丸電線、又はこれらの電線の組み合わせとしてもよい。
【0022】
分配部FMは、ケーブルBWを介して二次電池BATに接続されている。また、分配部FMには、ケーブルRWとケーブルLWが接続されている。ケーブルRWは、車両2の右側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルであり、ケーブルLWは、車両2の左側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルである。分配部FM内においては、ケーブルRWとケーブルBWとが電気的に接続されており、ケーブルLWとケーブルBWとが電気的に接続されている。分配部FMは、二次電池BATに近い位置に配置されるのが好ましい。
【0023】
電源システム1Aは、複数の電気接続箱として、電気接続箱FR、電気接続箱FL、電気接続箱RCV、電気接続箱ML、電気接続箱CUR及び電気接続箱RRを有する。これらの電気接続箱は、電力を供給するための前述のケーブルが接続される端子、電装品と電気接続箱を接続して電装品へ電力を供給するケーブルが接続される端子、電装品への電力供給を制御する制御部、リレー回路、ヒューズ、スイッチング回路、平滑回路などを有する。これらの電気接続箱は、接続されるケーブル同士を電気的に接続又は非接続とするスイッチ機能を有していてもよい。
【0024】
電気接続箱FRは、車両2の前部右側に配置されており、ケーブルRWが接続されている。電気接続箱FRは、例えば車両2の前部に配置された電装品へ電気的に接続されており、ケーブルRWから供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱FRには、車両2の右側に配置されたケーブルRW1が接続されている。電気接続箱FR内においては、ケーブルRWとケーブルRW1が電気的に接続されている。
【0025】
電気接続箱FLは、車両2の前部左側に配置されており、ケーブルLWが接続されている。電気接続箱FLは、例えば車両2の前部に配置された電装品へ電気的に接続されており、ケーブルLWから供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱FLには、車両2の左側に配置されたケーブルLW1が接続されている。電気接続箱FL内においては、ケーブルLWとケーブルLW1が電気的に接続されている。
【0026】
電気接続箱RCVは、車両2の右側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルRW1と車両2の右側に配置されたケーブルRW12が接続されている。電気接続箱RCV内においては、ケーブルRW1とケーブルRW12とが電気的に接続されている。電気接続箱RCVは、m個の電装品301~電装品30mへケーブルEW3で電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている電装品301~電装品30mへ供給する。
【0027】
電装品30
1~電装品30
mは、定電圧駆動を要求される第2電装品の一例であり、例えば、出力が視覚又は聴覚により知覚されるオーディオ装置、ディスプレイ装置、計器パネルなどの電装品である。なお、
図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図2に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0028】
電気接続箱MLは、車両2の左側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルLW1と車両2の左側に配置されたケーブルLW11が接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW11が電気的に接続されている。電気接続箱MLは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されている電装品へ電気的に接続されており、ケーブルLW1から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。
【0029】
電気接続箱CURは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW11が接続されている。電気接続箱CURは、例えば車両2の後部に配置されたn個の電装品101~電装品10nへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0030】
電装品10
1~電装品10
nは、駆動に所定電流値以上の大電流を要する第1電装品の一例であり、例えば、リアデフロスター、リアワイパー、リアウォッシャー、アクチュエータ等である。所定電流値は、例えば車両2の車種や車両2が有する電装品の数に応じて設定される。なお、
図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
nの実際の配置位置は、
図2に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0031】
電気接続箱RRは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW12が接続されている。電気接続箱RRは、例えば車両2の後部に配置された灯火系の電装品へ電気的に接続されており、ケーブルRW12から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。
【0032】
電源システム1Aは、駆動に大電流を要する電装品101~電装品10nに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0033】
また、電源システム1Aは、定電圧駆動を要求される電装品である電装品301~電装品30mに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1及び電気接続箱RCVを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1及び電気接続箱RCVは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0034】
例えば、車両2の前部にある二次電池BATから電装品301~電装品30m(第2電装品)と、車両2の後部にある電装品101~電装品10n(第1電装品)へ同一のケーブルによって電力を供給する構成の場合、第1電装品が駆動して大きな電流が流れると電圧降下が生じ、第2電装品であるディスプレイ装置や計器パネルについては、輝度の減少やリセットといった現象が発生し、第2電装品であるオーディオ装置においては、音声の途切れやリセットといった不具合が発生する虞がある。
【0035】
これに対し、電源システム1Aにおいては、電装品101~電装品10n(第1電装品)へ電力を供給する第1配線経路と、電装品301~電装品30m(第2電装品)へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0036】
なお、電源システム1Aにおいては、車両2の右側にある電気接続箱から第1電装品へ電力を供給し、車両2の左側にある電気接続箱から第2電装品へ電力を供給する構成としてもよい。例えば、ケーブルEW3を電気接続箱MLに接続し、ケーブルEW1を電気接続箱RRに接続してもよい。この構成においては、ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱RCV及び電気接続箱RRを介して第1電装品へ電力が供給され、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1及び電気接続箱MLを介して第2電装品へ電力が供給される。この構成においても、第1電装品へ電力を供給する経路と、第2電装品へ電力を供給する経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1電装品へ電力を供給する経路で電圧降下が発生しても、第2電装品へ電力を供給する経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0037】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態に係る電源システム1Bの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第2実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第2実施形態において第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。なお、
図3は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図3に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0038】
電源システム1Bは、ケーブルLW2を有し、ケーブルLW11に替えてケーブルLW12を有する。また、電源システム1Bは、第2電装品へ電力を供給するための電気接続箱として、電気接続箱MLに替えて電気接続箱LCVを有し、車両2の後部の電装品へ電力を供給するための電気接続箱として、電気接続箱RRと電気接続箱RLを有する。
【0039】
ケーブルLW2は、分配部FMに接続されている。分配部FM内においては、ケーブルBWとケーブルLW2とが電気的に接続されている。
【0040】
電気接続箱CURは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW2が接続されている電気接続箱CURは、ケーブルLW2から供給される電力をケーブルEW1で接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0041】
電気接続箱RLは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW12が接続されている。電気接続箱RLは、例えば車両2の後部左側に配置された灯火系の電装品へ電気的に接続されており、ケーブルLW12から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。
【0042】
電気接続箱RCVは、車両2の右側でカウルの近傍に配置されている。電気接続箱RCVは、電気接続箱RCVに近い第2電装品である電装品301や電装品302などへケーブルEW3で電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている電装品301や電装品302などへ供給する。
【0043】
電気接続箱LCVは、車両2の左側でカウルの近傍に配置されている。電気接続箱LCVは、電気接続箱LCVに近い第2電装品である電装品30m-1や電装品30mなどへケーブルEW4で電気的に接続されており、ケーブルLW1から供給される電力を接続されている電装品30m-1や電装品30mなどへ供給する。
【0044】
電源システム1Bは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0045】
また、電源システム1Bは、第2電装品である電装品301や電装品302などに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1及び電気接続箱RCVを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1及び電気接続箱RCVは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0046】
また、電源システム1Bは、第2電装品である電装品30m-1や電装品30mなどに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1及び電気接続箱LCVを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1及び電気接続箱LCVは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0047】
電源システム1Bにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0048】
なお、電源システム1Bにおいては、
図3において破線で示したように、車両2の右側に配置されたケーブルRW2で分配部FMと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱CURは、ケーブルRW2から供給される電力を第1電装品へ供給する構成としてもよい。また、電源システム1Bにおいては、電気接続箱CURを車両2の後部右側又は車両2の後部左側に配置する構成としてもよい。
【0049】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。
図4は、第3実施形態に係る電源システム1Cの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第3実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第3実施形態において第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第3実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図4は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図4に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0050】
電源システム1Cは、ケーブルRW2を有する点で電源システム1Bと相違する。また、電源システム1Cは、第1電装品へ電力を供給するための電気接続箱として、電気接続箱CURに替えて、電気接続箱LCURと電気接続箱RCURを有する点で電源システム1Bと相違する。
【0051】
ケーブルRW2は、分配部FMに接続されている。分配部FM内においては、ケーブルBWとケーブルRW2とが電気的に接続されている。
【0052】
電気接続箱LCURは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW2が接続されている。電気接続箱LCURは、例えば車両2の後部左側に配置された第1電装品である電装品101や電装品102などへケーブルEW11で電気的に接続されており、ケーブルLW2から供給される電力を接続されている電装品101や電装品102などへ供給する。
【0053】
電気接続箱RCURは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW2が接続されている。電気接続箱RCURは、例えば車両2の後部右側に配置された第1電装品である電装品10n-1や電装品10nなどへケーブルEW12で電気的に接続されており、ケーブルRW2から供給される電力を接続されている電装品10n-1や電装品10nなどへ供給する。
【0054】
電源システム1Cは、第2電装品に対しては、電源システム1Bと同じ第2配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Cは、電気接続箱LCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2及び電気接続箱LCURを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱LCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路及び第1左経路の一例である。また、電源システム1Cは、電気接続箱RCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルRW2及び電気接続箱RCURを介して電力を供給する。ケーブルRW2及び電気接続箱RCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路及び第1右経路の一例である。
【0055】
電源システム1Cにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0056】
また、電源システム1Cにおいては、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路を2つにしたため、車両2の後部にある第1電装品へ1つの第1配線経路で電力を供給する電源システム1Aや電源システム1Bと比較すると、第1配線経路を構成するケーブルの径を細くすることが可能となり、ケーブルの径を細くすることにより、配索の自由度を高めることができる。
【0057】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について説明する。
図5は、第4実施形態に係る電源システム1Dの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第4実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第3実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第4実施形態において第1実施形態~第3実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第4実施形態において特徴的な点について説明する。なお、
図5は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図5に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0058】
電源システム1Dは、電源システム1Bと比較すると、電気接続箱LCVに替えて電気接続箱MLを有し、ケーブルLW2に替えてケーブルLW11を有する。ケーブルLW11は、電気接続箱MLに接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW11とが電気的に接続されている。本実施形態においては、電気接続箱RCVは、第1電気接続箱の一例であり、電気接続箱MLは、第2電気接続箱の一例である。また、ケーブルRW、電気接続箱FR及びケーブルRW1の経路は、第1経路の一例であり、ケーブルLW、電気接続箱FL及びケーブルLW1の経路は、第2経路の一例である。
【0059】
電気接続箱CURは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW11が接続されている。電気接続箱CURは、第1電装品である電装品101~電装品10nへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0060】
電源システム1Dは、第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。また、電源システム1Dは、第2電装品に対しては、電源システム1Aと同じ経路で電力を供給する。また、電源システム1Dは、第1電装品及び第2電装品以外の電装品であって、車両2の後部にある電装品(第3電装品)に対しては、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱RLの経路(第3配線経路)で電力を供給する。
【0061】
電源システム1Dにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路であるケーブルLW11で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別の第2配線経路であるケーブルRW1での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0062】
また、電源システム1Dは、分配部FMと電気接続箱CURをケーブルLW2で接続する電源システム1Bと比較すると、電気接続箱CURを分配部FMより近い電気接続箱MLに接続するため、電気接続箱CURに電力を供給するケーブルの長さを短くし、ケーブル全体の重量を抑えることができる。
【0063】
なお、電源システム1Dにおいては、車両2の右側にある電気接続箱を介して第1電装品へ電力を供給し、車両2の左側にある電気接続箱を介して第2電装品へ電力を供給する構成としてもよい。例えば、ケーブルEW3を電気接続箱MLに接続し、電気接続箱CURを
図5において破線で示したケーブルRW11で電気接続箱RCVに接続してもよい。この構成においては、ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱RCV、ケーブルRW11及び電気接続箱CURを介して第1電装品へ電力が供給され、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1及び電気接続箱MLを介して第2電装品へ電力が供給される。この構成においても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する経路と、第2電装品へ電力を供給する経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1電装品へ電力を供給する経路で電圧降下が発生しても、第2電装品へ電力を供給する経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0064】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について説明する。
図6は、第5実施形態に係る電源システム1Eの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第5実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第4実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第5実施形態において第1実施形態~第4実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第5実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図6は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図6に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0065】
電源システム1Eは、電源システム1Dと比較すると、電気接続箱RCVに替えて電気接続箱MRを有し、電気接続箱CVを有している点で相違する。
【0066】
電気接続箱MRは、車両2の右側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルRW1が接続されている。電気接続箱MRは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されている電装品へ電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱MRには、車両2の右側に配置されたケーブルRW11が接続されている。電気接続箱MR内においては、ケーブルRW1とケーブルRW11が電気的に接続されている。
【0067】
電気接続箱CURは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW11が接続されている。電気接続箱CURは、車両2の後部に配置されたn個の電装品101~電装品10nへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0068】
電気接続箱CVは、車両2の前側で左右方向の中央に配置されており、ケーブルW1が接続されている。電気接続箱CVには、電装品301~電装品30mがケーブルEW3で電気的に接続されている。電気接続箱CVは、ケーブルW1から供給される電力を接続されている電装品301~電装品30mへ供給する。
【0069】
電源システム1Eは、第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0070】
また、電源システム1Eは、第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルW1と電気接続箱CVを介して電力を供給する。ケーブルW1及び電気接続箱CVは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0071】
また、電源システム1Eは、第1電装品及び第2電装品以外の電装品であって、車両2の後部にある電装品(第3電装品)に対しては、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱RLの経路(第3配線経路)で電力を供給する。
【0072】
電源システム1Eにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0073】
なお、電源システム1Eにおいては、車両2の左側にある電気接続箱を介して第1電装品へ電力を供給する構成としてもよい。例えば、電気接続箱CURを車両2の後部左側に配置してケーブルLW11で電気接続箱MLに接続し、電気接続箱RRをケーブルRW12で電気接続箱MRに接続する。この構成においては、ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURを介して第1電装品へ電力が供給される。この構成においても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する経路と、第2電装品へ電力を供給する経路とが分けられているため、第1電装品が駆動したことにより第1電装品へ電力を供給する経路で電圧降下が発生しても、第2電装品へ電力を供給する経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0074】
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について説明する。
図7は、第6実施形態に係る電源システム1Fの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第6実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第5実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第6実施形態において第1実施形態~第5実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、第6実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図7は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図7に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0075】
電源システム1Gは、第5実施形態の電源システム1Eと比較すると、ケーブルLW12と電気接続箱RLを有していない点で相違している。電気接続箱CURは、第1電装品に加えて、第1電装品以外の電装品であって車両2の後部に配置された電装品(第3電装品)にも電力を供給する。
【0076】
電源システム1Fは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、電源システム1Eと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Fは、第2電装品に対しては、電源システム1Eと同じ第2配線経路で電力を供給する。
【0077】
電源システム1Fにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0078】
また、電源システム1Fにおいては、車両2の後部に配置された電装品へ電力を供給する経路が1つであるため、車両2の後部に配置された電装品へ電力を供給する経路が2つである構成と比較すると、部品数を削減することができる。
【0079】
なお、電源システム1Fにおいては、車両2の後部左側に電気接続箱CURを配置し、ケーブルRW11に替えてケーブルLW11で電気接続箱MLと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱MLからケーブルLW11を介して電気接続箱CURへ電力を供給してもよい。
【0080】
[第7実施形態]
次に本発明の第7実施形態について説明する。
図8は、第7実施形態に係る電源システム1Gの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第7実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第6実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第7実施形態において第1実施形態~第6実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第7実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図8は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図8に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0081】
電源システム1Gは、電源システム1Eと比較すると、電気接続箱CVがケーブルW1で分配部FMに接続されてなく、ケーブルLW13で電気接続箱MLに接続されている点で相違している、電気接続箱CVは、第3電気接続箱の一例である。ケーブルLW13は、電気接続箱ML内において、ケーブルLW1に電気的に接続されている。電気接続箱CVは、ケーブルLW13から供給される電力を接続されている第2電装品である電装品301~電装品30mへ供給する。
【0082】
電源システム1Gは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、電源システム1Eと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Gは、第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW13及び電気接続箱CVを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW13及び電気接続箱CVは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0083】
電源システム1Hにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路と、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0084】
なお、電源システム1Gにおいては、車両2の後部左側に電気接続箱CURを配置し、ケーブルRW11に替えてケーブルLW11で電気接続箱MLと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱MLからケーブルLW11を介して電気接続箱CURへ電力を供給し、電気接続箱CVについては、
図8において破線で示すケーブルRW13で電気接続箱MRに接続し、電気接続箱MRから電力が供給される構成としてもよい。
【0085】
[第8実施形態]
次に本発明の第8実施形態について説明する。
図9は、第8実施形態に係る電源システム1Hの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第8実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第7実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第8実施形態において第1実施形態~第7実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、第8実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図9は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品30
1~電装品30
mの実際の配置位置は、
図9に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0086】
電源システム1Hは、電源システム1Gと比較すると、電気接続箱RLとケーブルLW11を有しておらず、電気接続箱CURは、第1電装品に加えて、第1電装品以外の電装品であって車両2の後部に配置された電装品にも電力を供給する点で相違する。
【0087】
電源システム1Hは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、電源システム1E~電源システム1Gと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Hは、第2電装品に対しては、電源システム1Gと同じ第2配線経路で電力を供給する。
【0088】
電源システム1Hにおいても、車両2の電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路とが分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、定電圧駆動を要求される第2電装品について、不具合の発生を抑えることができる。
【0089】
また、電源システム1Hにおいては、車両2の後部に配置された電装品へ電力を供給する経路が1つであるため、車両2の後部に配置された電装品へ電力を供給する経路が2つである構成と比較すると、部品数を削減することができる。
【0090】
なお、電気接続箱CVと電気接続箱CURへ電力を供給する構成は、
図10に示す構成としてもよい。
図10は、電源システム1Hの変形例における配索を模式的に示す平面図である。
図10に示すように、電気接続箱CURを車両2の後部左側に配置し、ケーブルLW11で電気接続箱MLから電気接続箱CURへ電力を供給し、ケーブルRW13で電気接続箱MRから電気接続箱CVへ電力を供給する構成としてもよい。
【0091】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0092】
上述した各実施形態においては、第1電装品へ電力を供給する電気接続箱CURは、
第1電装品以外の電装品へも電力を供給する場合、電力を供給するケーブルでの電圧降下を抑えるためのキャパシタや電圧降下を抑えるためのDC/DCコンバータを備える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H 電源システム
2 車両
101~10n 電装品
301~30m 電装品
BAT 二次電池
FM 分配部
FR、FL、MR、ML 電気接続箱
CUR、LCUR、RCUR 電気接続箱
CV、LCV、RCV 電気接続箱
BW、RW、LW ケーブル
W1 ケーブル
RW1、RW2、RW11、RW12、RW13 ケーブル
LW1、LW2、LW11、LW12、LW13 ケーブル
EW3、EW4 ケーブル
EW1、EW11、EW12 ケーブル