(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】電源システム
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20240411BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20240411BHJP
【FI】
H02J1/00 306A
H02J1/00 304H
H02J1/00 306B
H02J1/00 306F
B60R16/02 620S
(21)【出願番号】P 2020054765
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2022-11-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宇佐見 雄大
(72)【発明者】
【氏名】杉村 竹三
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-043882(JP,A)
【文献】特開2020-015329(JP,A)
【文献】特開平09-275632(JP,A)
【文献】特開2000-078746(JP,A)
【文献】特開2004-254498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の後部に至り、
前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第2右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第2左経路とを有する
電源システム。
【請求項2】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有し、
前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第2右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第2左経路とを有する
電源システム。
【請求項3】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有し、
前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の中央後部に至る
電源システム。
【請求項4】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部又は前記車両の左部の一方を通って前記車両の右後部又は左後部に至り、
前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の中央後部に至る
電源システム。
【請求項5】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至る経路を含み、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含む
電源システム。
【請求項6】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含み、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含む
電源システム。
【請求項7】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含み、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至る
電源システム。
【請求項8】
電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、
前記電源から供給される電力を、前記複数の電装品において、少なくとも前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給し、前記第1電装品へ供給しない第2配線経路と、
前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、
前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、
前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、
を備え、
前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部又は前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至り、
前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至る
電源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両内での電力供給の発明として、例えば特許文献1に開示された電源ネットワークがある。この電源ネットワークは、第1の実施形態として、車両の後部にあるバッテリーから前部にある2つのヒューズ・リレーブロックへ電力を供給する構成として、バッテリーから一方のヒューズ・リレーブロックを経由して他方のヒューズ・リレーブロックへ電力を供給する構成があり、第2の実施形態として、バッテリーからそれぞれのヒューズ・リレーブロックへ電力を直接供給する構成がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力を供給する電源ラインにおいては、大電流を要する電装品が駆動されると、電源ラインで電圧降下が生じる。電力を供給する電源ラインで電圧降下が生じると、同じ電源ラインで電力を供給される他の電装品が安定して動作できず、例えば、灯火類においては、輝度の低下や明滅、点滅などの不具合が発生し得る。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、多くの電流が流れる電装品があっても、簡易な構成で他の電装品へ安定して電力を供給する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様に係る電源システムは、電源から供給される電力を車両が有する複数の電装品において所定電流値以上の電流を要する第1電装品へ供給する第1配線経路と、前記電源から供給される電力を前記複数の電装品において前記車両の後部の灯火系に属する第2電装品へ供給する第2配線経路と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を前記第1配線経路と前記第2配線経路に分配する分配部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の後部に至り、前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第2右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第2左経路とを有することを特徴とする。
【0009】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有し、前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第2右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第2左経路とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部を通って右後部に至る第1右経路と、前記分配部から前記車両の左部を通って左後部に至る第1左経路とを有し、前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の中央後部に至ることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記第1配線経路は、前記分配部から前記車両の右部又は前記車両の左部の一方を通って前記車両の右後部又は左後部に至り、前記第2配線経路は、前記分配部から前記車両の中央後部に至ることを特徴とする。
【0012】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至る経路を含み、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含み、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部に至る経路と、前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至る経路を含み、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至ることを特徴とする。
【0015】
本発明の一態様に係る電源システムは、前記電源に接続され、前記電源から供給される電力を車両の右部に至る第1経路と前記車両の左部に至る第2経路へ分配する分配部と、前記第1経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第1電気接続箱と、前記第2経路に設けられ前記電装品へ電力を供給する第2電気接続箱と、を有し、前記第1配線経路は、前記第1電気接続箱から前記車両の右後部又は前記第2電気接続箱から前記車両の左後部に至り、前記第2配線経路は、前記第1電気接続箱又は前記第2電気接続箱から前記車両の中央後部に至ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、多くの電流が流れる電装品があっても、簡易な構成で他の電装品へ安定して電力を供給できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る電源システムの配索を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の変形例における配索を模式的に示す平面図である。
【
図4】
図4は、第2実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、第3実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図6】
図6は、第4実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図7】
図7は、第5実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図8】
図8は、第6実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、第7実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、第8実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図11】
図11は、第9実施形態に係る電源システムの配索を模式的に示す平面図である。
【
図12】
図12は、第9実施形態の変形例に係る配索を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一または対応する要素については適宜同一の符号を付している。
【0019】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る電源システム1Aの車両2における配索の一例を示す図である。
図2は、電源システム1Aの車両2における配索を模式的に示す平面図である。以下の説明においては、車両2の前進方向を前側、車両2の後進方向を後側、運転席から前方を見て右方を右側、運転席から前方を見て左方を左側と称する。
【0020】
電源システム1Aは、車両2が有する二次電池BATから供給される電力を車両2が有する複数の電装品へ供給するシステムである。電源システム1Aは、分配部FM、複数の電気接続箱、及び複数のケーブルを有する。二次電池BATは、繰り返し充電及び放電が可能な二次電池である。二次電池BATの電圧は、例えば12Vであり、車両2が有する図示省略したオルタネータにより充電され、複数の電装品へ電力を供給する。なお、二次電池BATの位置は、図示した位置に限定されるものではなく、車両2内の他の位置に配置されていてもよい。
【0021】
電源システム1Aにより電力が供給される電装品は、例えば、ヘッドランプ、テールランプ、ストップランプ、ターンランプなどの灯火系の機器や、ディスプレイ装置、カーオーディオ、計器パネルなどの運転席周辺の機器、パワーウインドウ、ワイパー、シートヒーター、ドアロック、電動ミラー、リアデフロスター、リアワイパーなどの機器、アクチュエータ、ECU(Electronic Control Unit)、各種センサーなどである。なお、図面が煩雑になるのを防ぐため、
図1においては複数の電装品の図示を省略している。
図2においては、同じく図面が煩雑になるのを防ぐため、電装品10
1~10
n(nは2以上の整数)と電装品20
1~20
m(mは2以上の整数)を図示し、他の電装品の図示を省略している。また、車両2においては、ECUが各種電装品と通信を行うための通信ケーブルが配索されているが、図面が煩雑になるのを防ぐため、図示を省略している。
【0022】
電源システム1Aは、複数のケーブルとして、ケーブルBW、ケーブルRW、ケーブルLW、ケーブルRW1、ケーブルLW1、ケーブルRW11及びケーブルLW12を有する。これらのケーブルは、車両2内に配置された各電装品へ電力を供給するための太径のケーブルである。これらのケーブルは、例えば、撚り線の形態の扁平電線、平型電線、丸電線、又はこれらの電線の組み合わせとしてもよい。
【0023】
分配部FMは、ケーブルBWを介して二次電池BATに接続されている。また、分配部FMには、ケーブルRWとケーブルLWが接続されている。ケーブルRWは、車両2の右側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルであり、ケーブルLWは、車両2の左側に配置される電気接続箱へ電力を供給するためのケーブルである。分配部FM内においては、ケーブルRWとケーブルBWとが電気的に接続されており、ケーブルLWとケーブルBWとが電気的に接続されている。分配部FMは、二次電池BATに近い位置に配置されるのが好ましい。
【0024】
電源システム1Aは、複数の電気接続箱として、電気接続箱FR、電気接続箱FL、電気接続箱MR、電気接続箱ML、電気接続箱CUR及び電気接続箱LPを有する。これらの電気接続箱は、電力を供給するための前述のケーブルが接続される端子、電装品と電気接続箱を接続して電装品へ電力を供給するケーブルが接続される端子、電装品への電力供給を制御する制御部、リレー回路、ヒューズ、スイッチング回路、平滑回路などを有する。これらの電気接続箱は、接続されるケーブル同士を電気的に接続又は非接続とするスイッチ機能を有していてもよい。
【0025】
電気接続箱FRは、車両2の前部右側に配置されており、ケーブルRWが接続されている。電気接続箱FRは、例えば車両2の前部に配置された電装品へ電気的に接続されており、ケーブルRWから供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱FRには、車両2の右側に配置されたケーブルRW1が接続されている。電気接続箱FR内においては、ケーブルRWとケーブルRW1が電気的に接続されている。
【0026】
電気接続箱FLは、車両2の前部左側に配置されており、ケーブルLWが接続されている。電気接続箱FLは、例えば車両2の前部に配置された電装品へ電気的に接続されており、ケーブルLWから供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱FLには、車両2の左側に配置されたケーブルLW1が接続されている。電気接続箱FL内においては、ケーブルLWとケーブルLW1が電気的に接続されている。
【0027】
電気接続箱MRは、車両2の右側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルRW1が接続されている。電気接続箱MRは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されている電装品へ電気的に接続されており、ケーブルRW1から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱MRには、車両2の右側に配置されたケーブルRW11が接続されている。電気接続箱MR内においては、ケーブルRW1とケーブルRW11が電気的に接続されている。電気接続箱MRは、第1電気接続箱の一例である。
【0028】
電気接続箱MLは、車両2の左側でカウルの近傍に配置されており、ケーブルLW1が接続されている。電気接続箱MLは、例えば車両2のカウルの近傍や前部と後部との間に配置されている電装品へ電気的に接続されており、ケーブルLW1から供給される電力を接続されている電装品へ供給する。また、電気接続箱MLには、車両2の左側に配置されたケーブルLW12が接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW12が電気的に接続されている。電気接続箱MLは、第2電気接続箱の一例である。
【0029】
電気接続箱CURは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW11が接続されている。電気接続箱CURは、例えば車両2の後部に配置されたn個の電装品101~電装品10nへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0030】
電装品10
1~電装品10
nは、駆動に所定電流値以上の大電流を要する第1電装品の一例であり、例えば、リアデフロスター、リアワイパー、リアウォッシャー、アクチュエータ等である。所定電流値は、例えば車両2の車種や車両2が有する電装品の数に応じて設定される。なお、
図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
nの実際の配置位置は、
図2に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0031】
電気接続箱LPは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW12が接続されている。電気接続箱LPは、例えば車両2の後部に配置されたm個の電装品201~電装品20mへケーブルEW2で電気的に接続されており、ケーブルLW12から供給される電力を接続されている電装品201~電装品20mへ供給する。
【0032】
電装品20
1~電装品20
mは、灯火系である第2電装品の一例であり、ターンシグナルランプ、ブレーキランプ、テールランプ、バックランプ、ナンバーランプ等である。なお、
図2は、配索を模式的に示す図であるため、電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図2に示す位置とは異なることに留意されたい。電気接続箱LPから電装品20
1~電装品20
mのそれぞれまでのケーブルの長さは、同じ又は長さの差が小さいのが好ましい。
【0033】
電源システム1Aは、駆動に大電流を要する電装品101~電装品10nに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0034】
また、電源システム1Aは、灯火系の電装品である電装品201~電装品20mに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LPを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0035】
例えば、車両2の前部にある二次電池BATから車両2の後部にある電装品101~電装品10n(第1電装品)及び電装品201~電装品20m(第2電装品)へ同一のケーブルによって電力を供給する構成の場合、第1電装品が駆動して大きな電流が流れると電圧降下が生じ、灯火系の第2電装品においては、ランプの輝度の減少や明滅、点滅といった現象が発生する虞がある。
【0036】
これに対し、電源システム1Aにおいては、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、電装品101~電装品10n(第1電装品)へ電力を供給する第1配線経路と、電装品201~電装品20m(第2電装品)へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0037】
なお、電源システム1Aにおいては、電気接続箱CURと電気接続箱LPの位置を入れ替え、電気接続箱CURをケーブルで電気接続箱MLに接続して電気接続箱MLから電気接続箱CURへ電力を供給し、電気接続箱LPをケーブルで電気接続箱MRに接続して電気接続箱MRから電気接続箱LPへ電力を供給してもよい。
【0038】
また、電源システム1Aにおいては、
図3に示すように、車両2の後部で左右方向の中央に電気接続箱LPを配置してもよい。
図3は、電源システム1Aの変形例における配索を模式的に示す平面図である。
図3に示す構成によれば、電気接続箱LPから電装品20
1~電装品20
mのそれぞれまでのケーブルの長さを最短化しても、例えば、電気接続箱LPから灯火系の第2電装品であって車両2の右側にあるブレーキランプまでのケーブルの長さと、電気接続箱LPから灯火系の第2電装品であって車両2の左側にあるブレーキランプまでのケーブルの長さとの差を短くし、左右のブレーキランプで輝度の差を少なくすることができる。
【0039】
[第2実施形態]
次に本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る電源システム1Bの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第2実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第2実施形態において第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第1実施形態との相違点について説明する。なお、
図4は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図4に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0040】
電源システム1Bは、ケーブルLW2を有し、ケーブルRW11に替えてケーブルRW12を有する。また、電源システム1Bは、第2電装品へ電力を供給するための電気接続箱として、電気接続箱LLPと電気接続箱RLPを有する。
【0041】
ケーブルLW2は、分配部FMに接続されている。分配部FM内においては、ケーブルBWとケーブルLW2とが電気的に接続されている。
【0042】
電気接続箱CURは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW2が接続されている電気接続箱CURは、ケーブルLW2から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0043】
電気接続箱LLPは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW12が接続されている。電気接続箱LLPは、例えば車両2の後部左側に配置された灯火系の第2電装品である電装品201や電装品202などへケーブルEW21で電気的に接続されており、ケーブルLW12から供給される電力を接続されている電装品201や電装品202などへ供給する。
【0044】
電気接続箱MRは、車両2の右側に配置されたケーブルRW12が接続されている。電気接続箱MR内においては、ケーブルRW1とケーブルRW12が電気的に接続されている。
【0045】
電気接続箱RLPは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW12が接続されている。電気接続箱RLPは、例えば車両2の後部右側に配置された灯火系の第2電装品である電装品20m-1や電装品20mなどへケーブルEW22で電気的に接続されており、ケーブルRW12から供給される電力を接続されている電装品20m-1や電装品20mなどへ供給する。
【0046】
電源システム1Bは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0047】
また、電源システム1Bは、車両2の後部左側にある第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて左側に配置されているケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LLPを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LLPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例であり、第2左経路の一例である。また、電源システム1Bは、車両2の後部右側にある第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらに車両2おいて右側に配置されているケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW12及び電気接続箱RLPを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW12及び電気接続箱RLPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例であり、第2右経路の一例である。
【0048】
電源システム1Bにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0049】
なお、電源システム1Bにおいては、
図4において破線で示したように、車両2の右側に配置されたケーブルRW2で分配部FMと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱CURは、ケーブルRW2から供給される電力を接続されている第1電装品へ供給する構成としてもよい。また、電源システム1Bにおいては、電気接続箱CURを車両2の後部右側又は車両2の後部左側に配置する構成としてもよい。
【0050】
[第3実施形態]
次に本発明の第3実施形態について説明する。
図5は、第3実施形態に係る電源システム1Cの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第3実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態及び第2実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第3実施形態において第1実施形態及び第2実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第3実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図5は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図5に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0051】
電源システム1Cは、ケーブルRW2を有する点で電源システム1Bと相違する。また、電源システム1Cは、第1電装品へ電力を供給するための電気接続箱として、電気接続箱CURに替えて、電気接続箱LCURと電気接続箱RCURを有する点で電源システム1Bと相違する。
【0052】
ケーブルRW2は、分配部FMに接続されている。分配部FM内においては、ケーブルBWとケーブルRW2とが電気的に接続されている。
【0053】
電気接続箱LCURは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW2が接続されている。電気接続箱LCURは、例えば車両2の後部左側に配置された第1電装品である電装品101や電装品102などへケーブルEW11で電気的に接続されており、ケーブルLW2から供給される電力を接続されている電装品101や電装品102などへ供給する。ケーブルLW2は、第1左経路の一例である。
【0054】
電気接続箱RCURは、車両2の後部右側に配置されており、ケーブルRW2が接続されている。電気接続箱RCURは、例えば車両2の後部右側に配置された第1電装品である電装品10n-1や電装品10nなどへケーブルEW12で電気的に接続されており、ケーブルRW2から供給される電力を接続されている電装品10n-1や電装品10nなどへ供給する。ケーブルRW2は、第1右経路の一例である。
【0055】
電源システム1Cは、第2電装品に対しては、電源システム1Bと同じ第2配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Cは、電気接続箱LCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2及び電気接続箱LCURを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱LCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。また、電源システム1Cは、電気接続箱RCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルRW2及び電気接続箱RCURを介して電力を供給する。ケーブルRW2及び電気接続箱RCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0056】
電源システム1Cにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0057】
また、電源システム1Cにおいては、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路を2つにしたため、車両2の後部にある第1電装品へ1つの第1配線経路で電力を供給する電源システム1Aや電源システム1Bと比較すると、第1配線経路を構成するケーブルの径を細くすることが可能となり、ケーブルの径を細くすることにより、配索の自由度を高めることができる。
【0058】
[第4実施形態]
次に本発明の第4実施形態について説明する。
図6は、第4実施形態に係る電源システム1Dの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第4実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第3実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第4実施形態において第1実施形態~第3実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第4実施形態において特徴的な点について説明する。なお、
図6は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図6に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0059】
電源システム1Dは、電源システム1Bと比較すると、ケーブルLW2に替えてケーブルLW11を有する。ケーブルLW11は、電気接続箱MLに接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW11とが電気的に接続されている。電源システム1Dにおいて、ケーブルRW、電気接続箱FR及びケーブルRW1の経路は、第1経路の一例であり、ケーブルLW、電気接続箱FL及びケーブルLW1の経路は、第2経路の一例である。
【0060】
電気接続箱CURは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW11が接続されている。電気接続箱CURは、第1電装品である電装品101~電装品10nへケーブルEW1で電気的に接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている電装品101~電装品10nへ供給する。
【0061】
電源システム1Dは、第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。また、電源システム1Dは、第2電装品に対しては、電源システム1Bと同じ経路で電力を供給する。
【0062】
電源システム1Dにおいては、電力供給の経路において電気接続箱MLより下流側は、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、車両2の後部にある灯火系の第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。
【0063】
このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路であるケーブルLW11で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別の第2配線経路であるケーブルLW12での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0064】
また、電源システム1Dは、分配部FMと電気接続箱CURをケーブルLW2で接続する電源システム1Bと比較すると、電気接続箱CURを分配部FMより近い電気接続箱MLに接続するため、電気接続箱CURに電力を供給するケーブルの長さを短くし、ケーブル全体の重量を抑えることができる。
【0065】
なお、電源システム1Dにおいては、
図6において破線で示したように、車両2の右側に配置されたケーブルRW11で電気接続箱MRと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱CURは、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている電装品10
1~電装品10
nへ供給する構成としてもよい。また、電源システム1Dにおいては、電気接続箱CURに電力を供給するケーブルの接続先を、電気接続箱MLよりバッテリーBATに近い電気接続箱FLにしてもよく、電気接続箱MRよりバッテリーBATに近い電気接続箱FRにしてもよい。
【0066】
[第5実施形態]
次に本発明の第5実施形態について説明する。
図7は、第5実施形態に係る電源システム1Eの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第5実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第4実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第5実施形態において第1実施形態~第4実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第5実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図7は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図7に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0067】
電源システム1Eは、電源システム1Cと比較すると、ケーブルRW2に替えてケーブルRW11を有し、ケーブルLW2に替えてケーブルLW11を有する。ケーブルLW11は、電気接続箱MLに接続されている。電気接続箱ML内においては、ケーブルLW1とケーブルLW11とが電気的に接続されている。また、ケーブルRW11は、電気接続箱MRに接続されている。電気接続箱MR内においては、ケーブルRW1とケーブルRW11とが電気的に接続されている。
【0068】
電気接続箱LCURは、ケーブルLW11へ接続されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている第1電装品である電装品101や電装品102などへ供給する。電気接続箱RCURは、ケーブルRW11へ接続されており、ケーブルRW11から供給される電力を接続されている第1電装品である電装品10n-1や電装品10nなどへ供給する。ケーブルLW11は、第1左経路の一例であり、ケーブルRW11は、第1右経路の一例である。
【0069】
電源システム1Eは、第2電装品に対しては、第2実施形態と同じ第2配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Eは、電気接続箱LCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱LCURを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱LCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。また、電源システム1Eは、電気接続箱RCURに接続されている第1電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルRW、電気接続箱FR,ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RCURを介して電力を供給する。ケーブルRW、電気接続箱FR、ケーブルRW1、電気接続箱MR、ケーブルRW11及び電気接続箱RCURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。
【0070】
電源システム1Eにおいては、電力供給の経路において電気接続箱MLより下流側は、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、車両2の後部にある第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。また、電源システム1Eにおいては、電力供給の経路において電気接続箱MRより下流側は、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、車両2の後部にある第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。
【0071】
このため、電源システム1Eにおいては、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0072】
また、電源システム1Eにおいては、車両2の後部にある第1電装品へ電力を供給する第1配線経路を2つにしたため、車両2の後部にある第1電装品へ1つの第1配線経路で電力を供給する第1実施形態や第2実施形態と比較すると、第1配線経路を構成するケーブルの径を細くすることが可能となり、ケーブルの径を細くすることにより、配索の自由度を高めることができる。
【0073】
なお、電源システム1Eにおいては、電気接続箱RCURに電力を供給するケーブルの接続先を、電気接続箱MRよりバッテリーBATに近い電気接続箱FRにしてもよく、電気接続箱LCURに電力を供給するケーブルの接続先を、電気接続箱MLよりバッテリーBATに近い電気接続箱FLにしてもよい。
【0074】
[第6実施形態]
次に本発明の第6実施形態について説明する。
図8は、第6実施形態に係る電源システム1Fの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第6実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第5実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第6実施形態において第1実施形態~第5実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第6実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図8は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図8に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0075】
電源システム1Fは、電源システム1Eと比較すると、電気接続箱LLP及び電気接続箱RLPに替えて電気接続箱LPを有している点で相違する。
【0076】
電気接続箱LPは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW2が接続されている。電気接続箱LPには、電装品201~電装品20mがケーブルEW2で電気的に接続されている。電気接続箱LPは、ケーブルLW2から供給される電力を接続されている電装品201~電装品20mへ供給する。
【0077】
電源システム1Fは、第1電装品に対しては、電源システム1Eと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Fは、灯火系の電装品201~電装品20mに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2と電気接続箱LPを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱LPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0078】
電源システム1Eにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、灯火系の第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0079】
[第7実施形態]
次に本発明の第7実施形態について説明する。
図9は、第7実施形態に係る電源システム1Gの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第7実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第6実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第7実施形態において第1実施形態~第6実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、第7実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図9は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図9に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0080】
電源システム1Gは、第1実施形態の電源システム1Aと比較すると、電気接続箱LPに接続されるケーブルがケーブルLW2である点で相違し、また、電気接続箱MLにケーブルLW12が接続されていない点で相違している。
【0081】
電気接続箱LPは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW2から供給される電力を接続されている電装品201~電装品20mへ供給する。
【0082】
電源システム1Gは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、電源システム1Aと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Gは、車両2の後部にある灯火系の第2電装品に対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW2と電気接続箱LPを介して電力を供給する。ケーブルLW2及び電気接続箱LPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0083】
電源システム1Gにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、灯火系の第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0084】
なお、電源システム1Gにおいては、ケーブルLW2に替えて車両2の右側を通るケーブルRW2で分配部FMと電気接続箱LPを接続し、ケーブルRW2で電力を電気接続箱LPに供給してもよい。また、電源システム1Gにおいては、車両2の後部左側に電気接続箱CURを配置し、ケーブルLW11で電気接続箱MLと電気接続箱CURを接続し、電気接続箱MLからケーブルLW11を介して電気接続箱CURへ電力を供給してもよい。
【0085】
[第8実施形態]
次に本発明の第8実施形態について説明する。
図10は、第8実施形態に係る電源システム1Hの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第8実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第7実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第8実施形態において第1実施形態~第7実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、第8実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図10は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図10に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0086】
電源システム1Hは、電源システム1Eと比較すると、電気接続箱LLP及び電気接続箱RLPに替えて電気接続箱LPを有し、電気接続箱LPがケーブルLW12で電気接続箱MLに接続されている点で相違している。
【0087】
電気接続箱LPは、車両2の後部で左右方向の中央に配置されており、ケーブルLW12から供給される電力を接続されている第2電装品である電装品201~電装品20mへ供給する。
【0088】
電源システム1Hは、車両2の後部にある第1電装品に対しては、電源システム1Eと同じ第1配線経路で電力を供給する。また、電源システム1Hは、車両2の後部にある灯火系の電装品201~電装品20mに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LPを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW12及び電気接続箱LPは、第2電装品へ電力を供給する第2配線経路の一例である。
【0089】
電源システム1Hにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、灯火系の第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0090】
なお、電源システム1Hにおいては、ケーブルLW12に替えて電気接続箱MRに接続されているケーブルRW12で電気接続箱MRと電気接続箱LPを接続し、ケーブルRW12を介して電力を電気接続箱LPに供給してもよい。
【0091】
[第9実施形態]
次に本発明の第9実施形態について説明する。
図11は、第9実施形態に係る電源システム1Jの車両2における配索を模式的に示す平面図である。第9実施形態は、第1電装品へ電力を供給するための配索と第2電装品へ電力を供給するための配索が第1実施形態~第8実施形態と異なる。このため、以下の説明においては、第9実施形態において第1実施形態~第8実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を省略し、以下の説明においては、第9実施形態で特徴的な点について説明する。なお、
図11は、配索を模式的に示す図であるため、電装品10
1~電装品10
n及び電装品20
1~電装品20
mの実際の配置位置は、
図11に示す位置とは異なることに留意されたい。
【0092】
電源システム1Jは、
図3に示す構成と比較すると、ケーブルRW11を有しておらず、電気接続箱CURがケーブルLW11で電気接続箱MLに接続されている点で相違している。電気接続箱CURは、車両2の後部左側に配置されており、ケーブルLW11から供給される電力を接続されている電装品10
1~電装品10
nへ供給する。
【0093】
電源システム1Jは、第1電装品である電装品101~電装品10nに対しては、二次電池BATからケーブルBWと分配箱FMを介し、さらにケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURを介して電力を供給する。ケーブルLW、電気接続箱FL、ケーブルLW1、電気接続箱ML、ケーブルLW11及び電気接続箱CURは、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路の一例である。また、電源システム1Jにおいては、第2電装品である灯火系の電装品201~電装品20mに対しては、電源システム1Hと同じ第2配線経路で電力が供給される。
【0094】
電源システム1Jにおいても、車両2の後部にある電装品へ電力を供給する配線経路は、第1電装品へ電力を供給する第1配線経路と、灯火系の第2電装品へ電力を供給する第2配線経路に分けられている。このため、第1電装品が駆動したことにより第1配線経路で電圧降下が発生しても、第1配線経路とは別である第2配線経路での電圧降下が抑えられ、第2電装品へ安定して電力を供給し、灯火系の第2電装品について、輝度の減少や明滅、点滅といった現象の発生を抑えることができる。
【0095】
なお、電気接続箱CURと電気接続箱LPを同じ電気接続箱に接続する構成は、
図12に示す構成としてもよい。
図12は、電源システム1Jの変形例における配索を模式的に示す平面図である。
図12に示すように、電気接続箱CURを車両2の後部右側に配置し、ケーブルRW11で電気接続箱MRから電気接続箱CURへ電力を供給し、ケーブルRW12で電気接続箱MRから電気接続箱LPへ電力を供給する構成としてもよい。
【0096】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されることなく、他の様々な形態で実施可能である。例えば上述の実施形態を以下のように変形して本発明を実施してもよい。なお、上述した実施形態及び以下の変形例は、各々を組み合わせてもよい。上述した各実施形態及び各変形例の構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。
【0097】
二次電池BATの電圧は、12Vに限定されるものではなく、例えば48Vであってもよい。二次電池BATの電圧を48Vとした場合、二次電池BATの電圧が12Vである場合と比較して、電力を供給する各ケーブルの径を細くすることができる。
【0098】
電気接続箱CUR、電気接続箱LCUR及び電気接続箱RCURは、駆動に所定電流値以上の大電流を要する電装品以外の電装品に対しても電力を供給する構成としてもよく、例えば、電動サンシェード、パワーシートや後席ヒートシーターなどのオプション装備へ電力を供給する構成としてもよい。
【0099】
電気接続箱LP、電気接続箱LLP及び電気接続箱RLPは、灯火系の電装品以外の電装品に対しても電力を供給する構成としてもよく、例えば、車両2おいて後部に配置された各種センサーや安全装備に係る電装品へ電力を供給する構成としてもよい。
【0100】
電気接続箱LCURと電気接続箱RCURで第1電装品へ電力を供給する構成においては、第1電装品は、電気接続箱LCURと電気接続箱RCURのうち、接続するケーブルの配索が容易な方へ接続する構成としてもよい。
【0101】
また、電気接続箱LCURと電気接続箱RCURで第1電装品へ電力を供給する構成においては、電気接続箱LCURが電力を供給する第1電装品の数と電気接続箱RCURが電力を供給する第1電装品の数と差が小さくなるように、これらの電気接続箱へ第1電装品を接続するようにしてもよい。
【0102】
また、電気接続LCURと電気接続箱RCURで第1電装品へ電力を供給する構成においては、第1電装品は、第1電装品の定格電流に応じた電気接続箱へ接続するようにしてもよい。例えば、定格電流が所定値以上の第1電装品は、電気接続箱LCURに接続し、定格電流が所定値未満の第1電装品は、電気接続箱RCURに接続するといった構成としてもよい。
【0103】
上述した実施形態においては、電気接続箱CUR、電気接続箱LCUR及び電気接続箱RCURは、第1電装品へ電力を供給し、電気接続箱LP、電気接続箱LLP及び電気接続箱RLPは、第2電装品へ電力を供給する構成であるが、各電装品は、機能に応じた電気接続箱へ接続するようにしてもよい。例えば、テールランプやレーダー装置、カメラ、空気圧センサーなどの安全装備に係る電装品については、電気接続箱LP、電気接続箱LLP又は電気接続箱RLPに接続し、テールランプ以外の灯火系のランプや所定電流値以上の大電流を要する電装品、オプション装備に係る電装品については、電気接続箱CUR、電気接続箱LCUR又は電気接続箱RCURに接続するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0104】
1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1J 電源システム
2 車両
101~10n 電装品
201~20m 電装品
BAT 二次電池
FM 分配部
FR、FL、MR、ML 電気接続箱
CUR、LCUR、RCUR 電気接続箱
LP、LLP、RLP 電気接続箱
BW、RW、LW ケーブル
RW1、RW2、RW11、RW12 ケーブル
LW1、LW2、LW11、LW12 ケーブル