(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-10
(45)【発行日】2024-04-18
(54)【発明の名称】円筒対称要素上を覆うターゲット素材を有するレーザ生成プラズマ光源
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240411BHJP
H05G 2/00 20060101ALI20240411BHJP
G03F 1/84 20120101ALN20240411BHJP
H05H 1/24 20060101ALN20240411BHJP
【FI】
G03F7/20 503
H05G2/00 K
G03F1/84
H05H1/24
(21)【出願番号】P 2023001937
(22)【出願日】2023-01-10
(62)【分割の表示】P 2021185809の分割
【原出願日】2016-11-16
【審査請求日】2023-01-10
(32)【優先日】2015-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリスティン アレクセイ
(72)【発明者】
【氏名】アール ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ガルシア ルディ
(72)【発明者】
【氏名】チャイルス フランク
(72)【発明者】
【氏名】コーディキン オレグ
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-357997(JP,A)
【文献】特開2005-268461(JP,A)
【文献】特開2005-332788(JP,A)
【文献】特開2012-054551(JP,A)
【文献】特開2014-003203(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
H05G 2/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能であり、ターゲット素材からなり帯高hを有しドライブレーザによる照射を受ける稼働帯(operational band)がその並進により画定される円筒対称要素と、
円筒対称要素に対し固定されている個所から、プラズマ形成ターゲット素材のスプレイであり上記軸に対し平行に測ったスプレイ高HがH<hであるスプレイを出射することで、ドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、
を備え
、
注入システムが複数個のスプレイポートを有し、それらスプレイポートが上記軸に対し平行な方向に沿い整列している装置。
【請求項2】
ある軸周りで可回動で、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能な円筒対称要素と、
上記軸に対し平行な方向に沿い並進可能な少なくとも1個のインジェクタポートを有し、プラズマ形成ターゲット素材のスプレイを出射することで、ドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、
を備え
、
インジェクタの動きが円筒対称要素の軸沿い並進と同期している装置。
【請求項3】
ある軸周りで可回動で、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能な円筒対称要素と、
上記軸に対し平行な方向に沿い並進可能な少なくとも1個のインジェクタポートを有し、プラズマ形成ターゲット素材のスプレイを出射することで、ドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、
を備え、
注入システムが複数個のスプレイポートを有
し、
それらスプレイポートが上記軸に対し平行な方向に沿い整列している装置。
【請求項4】
ある軸周りで可回動で、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能な円筒対称要素と、
上記軸に対し平行な方向に沿い整列している複数個のスプレイポート並びにアパーチャが形成されているプレートを有し、そのアパーチャがその軸に対し平行な方向に沿い並進可能であり、その並進により少なくとも1個のスプレイポートの覆いを選択的に外しプラズマ形成ターゲット素材のスプレイを出射させることで、ドライブレーザからの照射によりその外面上のプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、
を備える装置。
【請求項5】
請求項
4に記載の装置であって、アパーチャ及び円筒対称要素の軸沿い並進が同期している装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件開示は、総じて、真空紫外(VUV)域の光(即ちその波長が約100nm~200nmの光)、極端紫外(EUV)域の光(即ちその波長が10nm~124nm域の光例えば波長が13.5nmの光)及び/又は軟X線域の光(即ちその波長が約0.1nm~10nmの光)を生成するプラズマ式光源に関する。本願記載のある種の実施形態に係る高輝度光源は計量及び/又はマスク検査行為、例えば化学線マスク検査やその一例たるブランクマスク又はパターニング済マスク検査での使用にひときわ適している。より一般的には、本願記載のプラズマ式光源を、(そのまま又は相応に修正し)いわゆる大量生産(HVM)光源としてチップパターニングに用いることもできる。
【背景技術】
【0002】
(関連出願への相互参照)
本願は下に列挙されている出願(「関連出願」)に関連する出願であり、当該関連出願における最先、利用可能且つ有効な出願日の利益を主張する(例.暫定特許出願以外に係る最先且つ利用可能な優先日を主張し或いは暫定特許出願についての米国特許法第119条(e)の規定による利益を関連出願のあらゆる親出願、その親出願、更にその親出願等々に関し主張する)出願である。
【0003】
(関連出願)
米国特許商標庁の例外的規定の趣旨を踏まえ、本願は「円筒対称要素上を覆うターゲット素材を有するレーザ生成プラズマ光源」(LASER PRODUCED PLASMA LIGHT SOURCE HAVING A TARGET MATERIAL COATED ON A CYLINDRICALY-SYMMETRIC ELEMENT)と題しAlexey Kuritsyn、Brian Ahr、Rudy Garcia、Frank Chilese及びOleg Khodykinを発明者とする2015年11月16日付米国暫定特許出願第62/255824号の通常(非暫定)特許出願を構成する。
【0004】
プラズマ式光源例えばレーザ生成プラズマ(LPP)光源を用いることで、欠陥検査、フォトリソグラフィ、計量等の用途向けに、軟X線、極端紫外(EUV)光及び/又は真空紫外(VUV)光を発生させることができる。概略、これらのプラズマ光源では、キセノン、スズ、リチウムその他、相応な線放射又は帯域放射元素を含有するターゲット素材で形成されたプラズマにより、所望波長を有する光が放射される。例えばLPP光源では、励起源によりターゲット素材にパルスレーザビーム等を照射することでプラズマが生成される。
【0005】
一例としてはドラムの表面をターゲット素材で覆ったものがあろう。照射サイトにてターゲット素材の小エリアにパルスを照射した後、そのドラムを回動させ及び/又は軸に沿い並進させると、ターゲット素材の新たなエリアがその照射サイトに現れる。そのターゲット素材層には個々の照射パルスによりクレータが生成される。それらクレータを補充システムで以て再充填すること、ひいてはターゲット素材送給システムを形成することが可能であり、それにより、理論的には、照射サイトへと無限にターゲット素材を提供することができる。通常、レーザの集束先たる合焦スポットの直径は約100μm未満である。そうした合焦スポットに比較的高い精度でターゲット素材を送給し、安定な光源位置を保つことが望ましい。
【0006】
用途にもよるが、キセノン(例.ドラム表面上に形成されたキセノンアイス層の形態を採っているそれ)をターゲット素材として用いることで、確かな長所を提供することができる。例えば、1μmドライブレーザによる照射を受けるキセノンターゲット素材を用いることで、計量ツール又はマスク/ペリクル検査ツールでの使用にひときわ適する比較的高輝度なEUV光源を、提供することができる。キセノンは比較的高価である。この理由からすれば使用キセノン量を減らすことが望ましく、とりわけ、蒸発により失われるキセノン、均一ターゲット素材層形成のためドラムから削がれるキセノン等、真空チャンバ内に放り出されるキセノンの量を減らすことが望ましい。この余分なキセノンによりEUV光が吸収され、システムに提供される輝度が低下する。
【0007】
これらの光源では、プラズマから発せられる光が往々にして反射光学系、例えば集光光学系(例.近垂直入射又はかすり入射鏡)の働きで集光される。その集光光学系は集光した光を光路に沿い中間個所に差し向け、場合によってはそこに集束させ、そしてその光がそこにある下流ツール例えばリソグラフィツール(即ちステッパ/スキャナ)、計量ツール又はマスク/ペリクル検査ツールによって使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許出願公開第2012/0050706号
【文献】米国特許出願公開第2014/0376842号
【文献】米国特許出願公開第2014/0374611号
【文献】米国特許出願公開第2015/0076359号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
これらの光源では、光学系その他の部材の汚れを減らすため、並びにプラズマから集光光学系更には中間個所への光(例.EUV光)の伝送量を増やすため、LPPチャンバに関し超清浄真空環境が望まれる。プラズマ式照明システム動作中には、微粒子(例.金属)及び炭化水素又は有機物を含有する汚染物、例えばグリースからのオフガスが、これに限られるものではないがターゲット形成構造やその構造を回動、並進及び/又は安定化させる機械的構成部材をはじめとする様々な源泉から放出されうる。この汚染物はときに反射光学系に到達してその反射光学系に光汚染誘起性損傷を引き起こすことや、他部材例えばレーザ入射窓又は診断フィルタ/検出器/光学系を損傷/性能低下させることがある。加えて、気体軸受け使用時には、軸受け気体例えば空気がLPPチャンバ内に解き放たれた場合、その軸受け気体によりEUV光が吸収されEUV光源出力が低下することがある。
【0010】
上掲のことに鑑み、本願出願人は、円筒対称要素上を覆うターゲット素材を有するレーザ生成プラズマ光源並びにそれに対応する使用方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本件開示の第1態様に係る装置は、ステータ体と、ある軸周りで可回動であり、ドライブレーザによる照射を受けレーザ生成プラズマ(LPP)チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ形成ターゲット素材で覆われた表面を有し、第1端から第2端へと延びる円筒対称要素と、その円筒対称要素の第1端をステータ体に連結し且つ軸受け気体流を成立させる気体軸受けアセンブリであり、その軸受け気体流が通流している第1空間内に遮断気体(barrier gas)を導入することでLPPチャンバ内への軸受け気体の漏れを減らすシステムを有する気体軸受けアセンブリと、円筒対称要素の第2端をステータ体に連結する第2軸受けアセンブリであり、当該第2軸受けに通流している第2空間内に遮断気体を導入することでその第2軸受けからLPPチャンバ内への汚染物質の漏れを減らすシステムをも有する第2軸受けと、を備える。
【0012】
ある実施形態ではその第2軸受けアセンブリが磁気軸受けとされ、その磁気軸受けにて生じた微粒子等の汚染物が汚染物質に含まれる。また別の実施形態では第2軸受けアセンブリがグリース封入軸受けとされ、そのグリース封入軸受けにて生じたグリースオフガス及び微粒子等の汚染物が汚染物質に含まれる。また別の実施形態では第2軸受けアセンブリが気体軸受けアセンブリとされ、軸受け気体が汚染物質となる。
【0013】
本態様のある格別な実施形態では、その円筒対称要素がスピンドル上に実装されると共に、LPPチャンバ内への軸受け気体の漏れを減らすシステムが、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており且つ第1空間の第1部分から軸受け気体を排出するよう構成されている第1環状溝と、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており且つ第1空間の第2部分内へと第2圧力にて遮断気体を輸送するよう構成されている第2環状溝と、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており上記軸に対し平行な軸方向において第1環状溝・第2環状溝間に位置する第3環状溝であり、第1空間の第3部分外に軸受け気体及び遮断気体を輸送することで第1圧力及び第2圧力より低い第3圧力をその第3部分内に発生させるよう構成されている第3環状溝と、を有する。
【0014】
本態様のある格別な実施形態では、その円筒対称要素がスピンドル上に実装されると共に、LPPチャンバ内への汚染物質の漏れを減らすシステムが、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており且つ第1空間の第1部分から汚染物質を排出するよう構成されている第1環状溝と、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており且つ第1空間の第2部分内へと第2圧力にて遮断気体を輸送するよう構成されている第2環状溝と、ステータ体又はスピンドルにあり第1空間と通流しており上記軸に対し平行な軸方向において第1環状溝・第2環状溝間に位置する第3環状溝であり、第1空間の第3部分外に汚染物質及び遮断気体を輸送することで第1圧力及び第2圧力より低い第3圧力をその第3部分内に発生させるよう構成されている第3環状溝と、を有する。
【0015】
本態様に係る装置は、更に、その円筒対称要素の第1端に駆動ユニットを備え、その駆動ユニットが、上記軸に沿い円筒対称要素を並進させるリニアモータアセンブリと、その軸周りで円筒対称要素を回動させるロータリモータと、を有するものとすることができる。
【0016】
本態様におけるプラズマ形成ターゲット素材は、これに限られるものではないがキセノンアイスとすることができる。また、一例としては、軸受け気体を窒素、酸素、浄化空気、キセノン、アルゴン又はそれら気体の組合せとすることができる。加えて、やはり一例としては、遮断気体をキセノン、アルゴン又はそれらの組合せとすることができる。
【0017】
本件開示の他態様に係る装置は、ステータ体と、ある軸周りで可回動であり、ドライブレーザによる照射を受けレーザ生成プラズマ(LPP)チャンバ内にプラズマを発生させるプラズマ形成ターゲット素材で覆われた表面を有し、第1端から第2端へと延びる円筒対称要素と、同要素の第1端をステータ体に連結する磁気液体ロータリシールと、円筒対称要素の第2端をステータ体に連結する軸受けアセンブリであり、当該第2軸受けに通流している空間内に遮断気体を導入することでその軸受けからLPPチャンバ内への汚染物質の漏れを減らすシステムを有する軸受けと、を備える。
【0018】
本態様のある実施形態ではその第2軸受けアセンブリが磁気軸受けとされ、その磁気軸受けにて発生した汚染物例えば微粒子が汚染物質に含まれる。また別の実施形態ではその第2軸受けアセンブリがグリース封入軸受けとされ、そのグリース封入軸受けにて発生した汚染物例えばグリースオフガス及び微粒子が汚染物質に含まれる。また別の実施形態ではその第2軸受けアセンブリが気体軸受けアセンブリとされ、軸受け気体が汚染物質となる。
【0019】
本態様のある格別な実施形態では、その円筒対称要素がスピンドル上に実装されると共に、LPPチャンバ内への汚染物質の漏れを減らすシステムが、ステータ体及びスピンドルのうち一方にあり上記空間と通流しており且つその空間の第1部分から汚染物質を排出するよう構成されている第1環状溝と、ステータ体及びスピンドルのうち一方にあり上記空間と通流しており且つその空間の第2部分内へと第2圧力にて遮断気体を輸送するよう構成されている第2環状溝と、ステータ体及びスピンドルのうち一方にあり上記空間と通流しており上記軸に対し平行な軸方向において第1環状溝・第2環状溝間に位置する第3環状溝であり、上記空間の第3部分外に汚染物質及び遮断気体を輸送することで第1圧力及び第2圧力より低い第3圧力をその第3部分内に発生させるよう構成されている第3環状溝と、を有する。
【0020】
本態様に係る装置は、更に、その円筒対称要素の第1端に駆動ユニットを備え、その駆動ユニットが、上記軸に沿い円筒対称要素を並進させるリニアモータアセンブリと、その軸周りで円筒対称要素を回動させるロータリモータと、を有するものとすることができる。ある実施形態に係る装置は、ステータ体に対する円筒対称要素の軸沿い並進を受容するベロウズを備える。
【0021】
また、本態様におけるプラズマ形成ターゲット素材は、これに限られるものではないがキセノンアイスとすることができる。また、一例としては、その第2軸受けアセンブリが気体軸受けアセンブリである実施形態での軸受け気体を、窒素、酸素、浄化空気、キセノン、アルゴン又はそれら気体の組合せとすることができる。加えて、同じく一例としては、遮断気体をキセノン、アルゴン又はそれらの組合せとすることができる。
【0022】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、ドライブレーザによる照射を受けプラズマを生成するプラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、その円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう配置された鋸歯状ワイパと、を備える。
【0023】
本態様のある格別な実施形態ではそのドライブレーザがパルスドライブレーザとされ、最大直径Dを有するクレータがパルス照射を経て円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材中に生じ、鋸歯状ワイパが少なくとも2本の歯を有し、上記軸に平行な方向に沿い個々の歯がL>3*Dなる長さLを有する。
【0024】
本態様のある実施形態に係る装置は、また、上記表面に重なるハウジングであり、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらすための開口が形成されているハウジングと、ハウジング・プラズマ形成ターゲット素材間シールを成立させるワイパと、を備える。
【0025】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、その円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう配置されたワイパと、上記表面に重なっており、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらしプラズマを生成させるための開口が形成されているハウジングと、ワイパをハウジングに装着するため及びそのハウジングを円筒対称要素に対し動かすことなくそのワイパを交換可能にするための実装システムと、を備える。
【0026】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、ワイパエッジにてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう配置されたワイパと、上記表面に重なっており、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらしプラズマを生成させるための開口が形成されているハウジングと、ワイパエッジ・上記軸間の径方向距離を調整する調整システムでありハウジングの露出面上にアクセスポイントを有する調整システムと、を備える。
【0027】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、ワイパエッジにてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう配置されたワイパと、上記表面に重なっており、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらしプラズマを生成させるための開口が形成されているハウジングと、ワイパエッジ・上記軸間の径方向距離を調整する調整システムであり制御信号に応じワイパを動かすアクチュエータを有する調整システムと、を備える。
【0028】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、ワイパエッジにてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう配置されたワイパと、ワイパエッジ・上記軸間の径方向距離を示す信号を出力する計測システムと、を備える。
【0029】
本態様のある実施形態ではその計測システムが発光器及び光センサを備える。
【0030】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、ワイパマウントと、そのワイパマウントを整列させるマスタワイパと、ワイパエッジにてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築くよう整列済ワイパマウント内に配置可能な稼働ワイパと、を備える。
【0031】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、ドライブレーザによる照射を受けプラズマを生成するプラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素上にプラズマ形成ターゲット素材を補充するサブシステムと、第1個所にてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を拭い均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築く第1加熱ワイパと、円筒対称要素を挟み第1個所とは径方向逆側にある第2個所にてその円筒対称要素上のプラズマ形成ターゲット素材を拭い均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材を築く第2加熱ワイパと、を備える。
【0032】
本態様のある実施形態では、第1及び第2加熱ワイパが柔順(compliant)素材製の接触面を有し、或いは柔順形態で実装されたワイパを有する。
【0033】
本態様のある格別な実施形態に係る装置は、更に、第1加熱ワイパの温度を示す第1信号を出力する第1熱電対と、第2加熱ワイパの温度を示す第2信号を出力する第2熱電対と、を備える。
【0034】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、キセノンターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、そのキセノンターゲット素材を70ケルビン未満の温度まで可制御的に冷やすことでその円筒対称要素上の均一なキセノンターゲット素材層を保つクリオスタットシステムと、を備える。
【0035】
ある実施形態ではそのクリオスタットシステムが液体ヘリウムクリオスタットシステムとされる。
【0036】
ある格別な実施形態によれば、本装置に、更に、その円筒対称要素内に位置し円筒対称要素の温度を示す出力をもたらすセンサ例えば熱電対と、そのセンサの出力に応じ円筒対称要素の温度を制御するシステムと、を設けることができる。
【0037】
本態様のある実施形態によれば、本装置に、排出された冷却剤をリサイクルに備え冷やす冷却装置をも設けることができる。
【0038】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動で中空であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、その円筒対称要素内に位置し円筒対称要素の温度を示す出力をもたらすセンサと、そのセンサの出力に応じ円筒対称要素の温度を制御するシステムと、を備える。
【0039】
本態様のある実施形態に係る装置は、そのキセノンターゲット素材を70ケルビン未満の温度まで可制御的に冷やすことでその円筒対称要素上の均一なキセノンターゲット素材層を保つ液体ヘリウムクリオスタットシステムを備える。
【0040】
本態様のある実施形態ではそのセンサが熱電対とされる。
【0041】
本態様のある格別な実施形態に係る装置は、排出された冷却剤をリサイクルに備え冷やす冷却装置を備える。
【0042】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動で中空であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、閉ループ流路内を循環する冷却流体を有し、プラズマ形成ターゲット素材を冷やすべくその流路がその円筒対称要素内へと延設されている冷却システムと、を備える。
【0043】
本態様のある格別な実施形態に係る装置は、その円筒対称要素内に位置し円筒対称要素の温度を示す出力をもたらすセンサ例えば熱電対と、そのセンサの出力に応じその円筒対称要素の温度を制御するシステムと、を備える。
【0044】
本態様のある実施形態ではその冷却システムが閉ループ流路上に冷却装置を備える。
【0045】
本態様のある実施形態ではその冷却流体がヘリウムを含む。
【0046】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の帯で覆われた表面を有する円筒対称要素と、上記表面に重なっており、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらしプラズマを生成させるための開口が形成されており、その内部流路内に冷却流体を流すことで自ハウジングが冷やされるように内部流路が形成されているハウジングと、を備える。
【0047】
本態様における冷却流体は、空気、水、清浄乾燥空気(CDA)、窒素、アルゴン、円筒対称要素内を通った冷却剤例えばヘリウム又は窒素、或いは冷凍器により(例.0℃未満の温度まで)冷やされ又は機械的運動及びレーザ照射に由来する余分な熱を除くのに(例.周囲より低いがXeの凝結点より高い温度例えば10~30℃まで冷やすのに)十分な容量を有する液体冷却剤とすることができる。
【0048】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動であり、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能であり、ターゲット素材からなり帯高hを有しドライブレーザによる照射を受ける稼働帯(operational band)がその並進により画定される円筒対称要素と、その円筒対称要素に対し固定されている個所から、プラズマ形成ターゲット素材のスプレイであり上記軸に対し平行に測ったスプレイ高HがH<hであるスプレイを出射することで、ドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、を備える。
【0049】
本態様のある実施形態に係る装置は、更に、プラズマ形成ターゲット素材の層に重なったハウジングを備え、ドライブレーザによる照射にプラズマ形成ターゲット素材をさらすための開口がそのハウジングに形成されており、注入システムがそのハウジング上に実装されたインジェクタを有する。
【0050】
本態様のある実施形態ではその注入システムが複数個のスプレイポートを有し、ある格別な実施形態ではそれらスプレイポートが上記軸に対し平行な方向に沿い整列される。
【0051】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動で、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能な円筒対称要素と、上記軸に対し平行な方向に沿い並進可能な少なくとも1個のインジェクタを有し、プラズマ形成ターゲット素材のスプレイを出射することで、ドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、を備える。
【0052】
本態様のある実施形態ではそれらインジェクタ及び円筒対称要素の軸沿い並進が同期する。
【0053】
本態様のある実施形態ではその注入システムが複数個のスプレイポートを有し、ある格別な実施形態ではそれらスプレイポートが上記軸に対し平行な方向に沿い整列される。
【0054】
本件開示の他態様に係る装置は、ある軸周りで可回動で、プラズマ形成ターゲット素材の層で覆われており、その軸に沿い並進可能な円筒対称要素と、上記軸に対し平行な方向に沿い整列している複数個のスプレイポート並びにアパーチャが形成されているプレートを有し、そのアパーチャがその軸に対し平行な方向に沿い並進可能であり、その並進により少なくとも1個のスプレイポートの覆いを選択的に外しプラズマ形成ターゲット素材のスプレイを出射させることで、ドライブレーザからの照射によりその外面上のプラズマ形成ターゲット素材中に生じたクレータを補填する注入システムと、を備える。
【0055】
本態様のある実施形態ではそのアパーチャの動きが円筒対称要素の軸沿い並進と同期する。
【0056】
幾つかの実施形態によれば、本願記載の光源を検査システム、例えばブランクマスク又はパターニング済マスク検査システムに組み込むことができる。ある実施形態によれば、例えば、中間個所に輻射を送給する光源と、その輻射で以てサンプルを照明するよう構成された光学システムと、そのサンプルにより反射、散乱又は輻射された照明をイメージング路に沿い受光するよう構成された検出器とを、検査システムに設けることができる。その検出器と通信する情報処理システムをその検査システムに設け、検出された照明に係る信号に基づきそのサンプルにおける少なくとも1個の欠陥の所在を特定し又はその欠陥を計測するよう構成することもできる。
【0057】
幾つかの実施形態によれば、本願記載の光源をリソグラフィシステムに組み込むことができる。例えば、レジスト被覆済ウェハをパターン化輻射ビームにさらすためその光源をリソグラフィシステムにて用いることが可能である。ある実施形態によれば、例えば、中間個所に輻射を送給する光源と、その輻射を受光しパターン化輻射ビームを発生させる光学システムと、そのパターン化ビームをレジスト被覆済ウェハに送給する光学システムとを、リソグラフィシステムに設けることができる。
【0058】
ご理解頂けるように、上掲の概略記述及び後掲の詳細記述は共に専ら例示的且つ説明的なものであり、本件開示を必ずしも限定するものではない。添付図面は、本明細書に組み込まれその一部を形成するものであり、本件開示の主題を描出している。明細書及び図面は相俟って本件開示の諸原理を説明する役を負っている。
【0059】
本件技術分野に習熟した者(いわゆる当業者)であれば、以下の如き添付図面を参照することによって、本件開示に多々備わる長所をより良好に理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図1】本件開示の実施形態に係り、可回動な円筒対称要素上を覆うターゲット素材を有するLPP光源を示す概略模式図である。
【
図2】ターゲット素材送給システムのうち駆動側気体軸受け及び端側気体軸受けを有する部分の断面図である。
【
図3】円筒対称要素を回動及び軸沿い並進させる駆動ユニットの斜視断面図である。
【
図4】
図2にて矢印4-4により括られている部分の詳細図であり、気体軸受けからの軸受け気体の漏れを減らすための遮断気体を有するシステムが示されている。
【
図5】ターゲット素材送給システムのうち磁気又は機械軸受けたる端側軸受け及び駆動側気体軸受けを有する部分の断面図である。
【
図6】
図5に示した実施形態における端側軸受けの拡大図である。
【
図7】
図6にて矢印7-7により括られている部分の詳細図であり、気体軸受けからの軸受け気体の漏れを減らすための遮断気体を有するシステムが示されている。
【
図8】ターゲット素材送給システムのうち、スピンドルをステータに連結する駆動側磁気流体ロータリシールを有する部分の概略断面図である。
【
図9】円筒対称要素を冷やすシステムの模式図である。
【
図10】ハウジングを冷やすシステムの斜視図である。
【
図11】
図10に示したハウジング冷却用内部流路の斜視図である。
【
図12】円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、第1ポジションにある円筒対称要素が示されている。
【
図13】円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、第1ポジションから第2ポジションへの軸沿い並進を経た円筒対称要素が示されている。
【
図14】軸沿い可動インジェクタを有し円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、各々第1ポジションにある円筒対称要素及びインジェクタが示されている。
【
図15】軸沿い可動インジェクタを有し円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、各々の第1ポジションから各々の第2ポジションへの軸沿い並進を経た円筒対称要素及びインジェクタが示されている。
【
図16】アパーチャ付の軸沿い可動プレートを有し円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、各々の第1ポジションにある円筒対称要素及びプレートが示されている。
【
図17】アパーチャ付の軸沿い可動プレートを有し円筒対称要素上にターゲット素材をスプレイするシステムの概略断面図であり、各々の第1ポジションから各々の第2ポジションへの軸沿い並進を経た円筒対称要素及びプレートが示されている。
【
図19】3本の歯を有する鋸歯状ワイパの斜視図である。
【
図20A】
図20B中の線19A-19A沿いに見た図であり、歯、すくい角、逃げ角及び逃げが示されている。
【
図20B】ドラムに対するワイパの位置を判別する計測システムの断面図である。
【
図21】ワイパを動かすアクチュエータを有するワイパ調整システムの模式的断面図である。
【
図22】マスタワイパを用いたワイパ整列技術に関わる諸工程を示すフローチャートである。
【
図24】ターゲット素材で覆われたドラムに対し稼働位置を占める柔順ワイパを示す断面図である。
【
図25A】柔順ワイパシステムにおけるドラム上でのターゲット素材の成長を示す図である。
【
図25B】柔順ワイパシステムにおけるドラム上でのターゲット素材の成長を示す図である。
【
図25C】柔順ワイパシステムにおけるドラム上でのターゲット素材の成長を示す図である。
【
図26】熱カートリッジ及び熱電対を有する柔順ワイパの斜視図である。
【
図27】本願記載の光源が組み込まれた検査システムを示す概略模式図である。
【
図28】本願記載の光源が組み込まれたリソグラフィシステムを示す概略模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、添付図面に示す開示主題を詳細に参照する。
【0062】
図1に、一実施形態に係りEUV光をもたらす光源(その全体を100で示す)及びターゲット素材送給システム102を示す。光源100は、例えば、インバンドEUV光(例.13.5nmの波長及び2%の帯域幅を有する光)をもたらすよう構成することができる。図示の通り光源100は励起源104例えばドライブレーザを有しており、照射サイト108にあるターゲット素材106を照らすよう、ひいてはEUV光放射性プラズマをレーザ生成プラズマチャンバ110内にもたらすよう、その励起源104が構成されている。場合にもよるが、ターゲット素材106にまず第1パルス(予パルス)、次いで第2パルス(主パルス)を照射してプラズマを発生させればよい。一例として、化学線マスク検査行為向けに構成された光源100向けなら、固体利得媒質例えばNd:YAGを有し約1μmの光を出射するパルスドライブレーザで励起源104を構成し、ターゲット素材106をキセノン含有のものにすることで、化学線マスク検査に役立つ比較的高輝度なEUV光源の提供という確かな利点を提供することができる。他種ドライブレーザ、例えばその固体利得媒質がEr:YAG、Yb:YAG、Ti:サファイア、Nd:バナジン酸塩等であるものが適することもあろう。ガス放電レーザ例えばエキシマレーザも、所要波長で十分な出力が得られるのなら使用できる。EUVマスク検査システムでは約10W域のEUV光しか必要とされない場合があるが、それにしても小エリア内で高輝度が必要とされよう。この場合、マスク検査システム向けに十分なパワー及び輝度のEUV光を発生させるには、総レーザ出力を数kW域内とし、同出力を小さなターゲットスポット上、典型的にはその直径が約100μm未満のそれに集束させるのが適しているであろう。他方、大量生産(HVM)行為例えばフォトリソグラフィ向けには、複数個の増幅段を伴うハイパワーガス放電CO
2レーザシステムを有し約10.6μmの光を出射するドライブレーザで励起源104を構成し、ターゲット素材106をスズ含有のものにすることで、良好な変換効率で以て比較的ハイパワーなインバンドEUV光を発生させる等、確かな利点を提供することができる。
【0063】
同じく
図1に示すように、光源100の励起源104は、照射サイト108にあるターゲット素材106をレーザ入射窓112越しに集束照明ビーム又は光パルス列で照らすよう構成することができる。やはり図示の通り、その照射サイト108から放射された光のうち幾ばくかが集光光学系114(例.近垂直入射鏡)へと伝搬し、端部光線116a及び116bで明定の如く中間個所118へと反射される。集光光学系114は2個の焦点を有する偏長回転楕円体のセグメント、特に多層鏡(例.Mo/Si又はNbC/Si)で覆われていてインバンドEUV反射向けに最適化されている高品質研磨面を有するものとすることができる。幾つかの実施形態では、集光光学系114の反射面の表面積が約100~10000cm
2の範囲内とされ、照射サイト108から約0.1~2mのところに配置されることとなろう。いわゆる当業者には明らかな通り上掲の範囲は例示であるし、偏長回転楕円体鏡に代え又は加え様々な光学系を、光を集め中間個所118に差し向けてEUV照明利用装置、例えば検査システム又はフォトリソグラフィシステムへと引き続き送給するのに用いることができる。
【0064】
光源100のLPPチャンバ110は低圧容器であり、その内部では、EUV光源として働くプラズマが生成され帰結たるEUV光が集光及び集束される。EUV光は気体によって強く吸収されるので、LPPチャンバ110内の圧力を低くすることで、光源内部でのEUV光の減衰を抑えることができる。通常は、LPPチャンバ110内環境を40mTorr未満の総圧及び5mTorr未満のキセノン分圧に保つことで、実質的な吸収無しでEUV光を伝搬させることが可能となる。緩衝気体例えば水素、ヘリウム、アルゴンその他の不活性ガスをその真空チャンバ内で用いてもよい。
【0065】
やはり
図1に示すように、中間個所118にてEUVビームを内部フォーカスモジュール122内に入射させること及びそれをダイナミックガスロックとして働かせることができるので、LPPチャンバ110内低圧環境を保全すること、並びに生じたEUV光を用いるシステムをプラズマ生成プロセスにより生じるあらゆるデブリ(破片)から守ることができる。
【0066】
光源100には制御システム120と通信する気体供給システム124をも設けることができ、それによって、LPPチャンバ110内に保護緩衝気体(群)を導入すること、緩衝気体を供給して内部フォーカスモジュール122のダイナミックガスロック機能を守ること、ターゲット素材例えばキセノン(の気体又は液体)をターゲット素材送給システム102に供給すること、並びに遮断気体をターゲット素材送給システム102に供給することができる(後掲の更なる記述を参照)。制御システム120と通信する真空システム128(例.1個又は複数個のポンプを有するもの)を設けることができ、それによって、LPPチャンバ110の低圧環境を樹立及び維持すること、並びに図中のターゲット素材送給システム102をポンピングすることができる(後掲の更なる記述を参照)。場合にもよるが、真空システム128により回収されたターゲット素材及び/又は緩衝気体(群)を再循環させることができる。
【0067】
同じく
図1から読み取れるように、EUVプラズマをイメージングする診断ツール134を光源100に設けることや、EUV光パワー出力を計測すべくEUVパワー計136を設けることができる。LPPチャンバ110内気体の温度及び圧力を計測すべく気体監視センサ138を設けることができる。上掲のセンサはいずれも制御システム120と通信可能であり、それによって、リアルタイムデータ捕捉及び分析を制御し、データロギングを制御し、また励起源104及びターゲット素材送給システム102を含め様々なEUV光源サブシステムをリアルタイムに制御することができる。
【0068】
同じく
図1に示すように、ターゲット素材送給システム102は円筒対称要素140を有している。ある実施形態では、この可回動円筒対称要素140が
図1に示す如く円筒を有するものとなる。他の諸実施形態では、可回動円筒対称要素140が、本件技術分野で既知な何らかの円筒対称形状を有するものとされる。例えば、可回動円筒対称要素140を、これに限られるものではないが円筒、円錐、球、楕円体等を有するものとすることができる。更に、円筒対称要素140を、複数通りの形状で構成される複合形状を有するものとしてもよい。ある実施形態によれば、横方向に沿い円筒対称要素140の周縁を巡り延びるキセノンアイスターゲット素材106の帯で可回動円筒対称要素140を覆い、その帯で以て可回動円筒対称要素140を冷却することができる。いわゆる当業者には明らかな通り、様々なターゲット素材及び堆積技術を、本件開示の技術的範囲から離隔することなく用いることができる。ターゲット素材送給システム102には、円筒対称要素140の表面に重なりその面に概ね倣うハウジング142をも、設けることができる。このハウジング142は、ターゲット素材106の帯を保護するよう、また円筒対称要素140の表面上でのターゲット素材106の初期生成、保全及び補充に役立つよう、機能させることができる。図示の通りハウジング142には開口が形成されているので、プラズマ形成ターゲット素材106を励起源104からのビームによる照射にさらし、照射サイト108にてプラズマを発生させることができる。ターゲット素材送給システム102は駆動ユニット144をも有しており、それによって、静止ハウジング142に対し軸146周りで円筒対称要素140を回動させることや、静止ハウジング142に対し軸146に沿い前後に円筒対称要素140を並進させることができる。駆動側軸受け148及び端部軸受け150によって円筒対称要素140と静止ハウジング142とが連結されているので、静止ハウジング142に対し円筒対称要素140を回動させることができる。この構成によれば、ドライブレーザの合焦スポットに対しターゲット素材の帯を動かすこと、ひいては一連の新規なターゲット素材スポットを照射に順次供することができる。可回動円筒対称要素を有するターゲット素材サポートシステムに関してはその更なる詳細が「極端紫外光生成システム及び方法」(System And Method For Generation Of Extreme Ultraviolet Light)と題しBykanov et al.を発明者とする2014年7月18日付米国特許出願第14/335442号、並びに「EUV光源用気体軸受けアセンブリ」(Gas Bearing Assembly for an EUV Light Source)と題しChilese et al.を発明者とする2014年6月20日付米国特許出願第14/310632号にて提供されているので、この参照を以てそれら出願それぞれの全容を本願に繰り入れることにする。
【0069】
図2に、光源100にて用いられるターゲット素材送給システムのうち、駆動側気体軸受け148a及び端部気体軸受け150aを有する部分102a、即ち静止ハウジング142aに対し円筒対称要素140aを回動させうるようそれら軸受けにより円筒対称要素140aと静止ハウジング142aとが連結される部分を示す。より具体的には、図示の通り、気体軸受け148aによりスピンドル152(これは円筒対称要素140aに装着されている)がステータ154a(これは静止ハウジング142aに装着されている)に連結されている。
図3に示すように、スピンドル152は、静止ハウジング142aに対しスピンドル152及び円筒対称要素140a(
図2参照)を回動させるロータリモータ156に、装着されている。同じく
図3に示すように、スピンドル152は、リニアモータ160によって軸沿い並進させうる並進ハウジング158に装着されている。円筒対称要素140aの両側で軸受け(即ち駆動側気体軸受け148a及び端部気体軸受け150a)を用いることで、場合にもよるが、ターゲット素材送給システム102(
図1)の機械的安定性を増し、ターゲット素材106の位置的安定性を増し、且つ光源100の効率を高めることができる。加えて、空気軸受けを1個備えるだけの(即ち端側軸受けがない)システムでは、キセノンアイス層で覆われた極低温冷却ドラム上にワイパが及ぼす力が、空気軸受けについて定められている最大剛性を上回りその空気軸受けの破損につながりかねない。軸受けにおけるカウンタバランス力(平衡力)は、ドラムのシャフトが枢動する際(空気軸受けの中庸部付近での一次近似にて)一方の側で気体圧が上昇し他方の側では気体圧が下降する、という事実に由来している。その結果生じる復元力の働きでドラムが平衡ポジションに戻ろうとする。しかしながら、ワイパからの衝撃力が空気軸受けの最大剛性を上回るようではいけない。例えば、空気軸受けで受け止めうる最大の力がおよそ1000Nであり、且つワイパトルクのレベルアームがその軸受けによりもたらされるカウンタバランストルクに係るアームより約10倍大きいのなら、それらワイパからの合計力が10倍未満の小ささ(100N未満)でなければならない。状況にもよるが、ワイパによりキセノンアイスが円筒表面に対し径方向に圧縮されることから、ワイパによってもたらされる力はより大きくなりうる。後述の通り、鋸歯状ワイパによって、或いは2個の相対向する柔順ワイパの使用によって、ワイパシステムにより生成される力を減らすことができる。
【0070】
また、
図2及び
図4を併せ参照することで読み取れるように、気体軸受け148aは軸受け気体の(例.
図1に示したLPPチャンバ110内への)漏れを減らすシステムを有しており、ステータ154aの表面上に形成された一組の溝162,164,166によりそのシステムが構成されている。図示の通り、スピンドル152・ステータ体154a間には圧力P1の軸受け気体流168を受け入れる空間167がある。環状溝162はステータ体154aに形成され空間167と通流しており、空間167の一部分170から軸受け気体流168を排出させる機能を有している。環状溝164はステータ体154aに形成され第1空間167と通流しており、気体供給システム124から空間167の一部分174へと圧力P2の遮断気体流172を運ぶ機能を有している。例示されている実施形態では、環状溝164が、軸146(
図1参照)に対し平行な軸方向においてLPPチャンバ110寄りに位置している。遮断気体はアルゴンやキセノンで組成することができ、LPPチャンバ110内受け入れ性を踏まえ選定される。環状溝166はステータ体154a内に配列され空間167と通流しており、図示の如く環状溝162・環状溝164間に位置している。環状溝166は軸受け気体及び遮断気体を真空システム128の働きで空間167の部分176外に運び、第1圧力P1未満且つ第2圧力P2未満の圧力P3を部分176内に発生させる機能を有している。これら3本の環状溝によって軸受け気体を順次取りだし阻止することで、LPPチャンバ110に進入する軸受け気体の量をかなり減らすことができる。寸法及び作動圧の例を含め、
図4に示した構成に関する更なる詳細を、「EUV光源用気体軸受けアセンブリ」(Gas Bearing Assembly for an EUV Light Source)と題しChilese et al.を発明者とし先の参照によりその全容が本願に繰り入れられている2014年6月20日付米国特許出願第14/310632号中に、見いだすことができる。
【0071】
更に、
図2に示すように、端部気体軸受け150aによりスピンドルの一部分152b(これは円筒対称要素140aに装着されている)がステータ154b(これは静止ハウジング142aに装着されている)に連結されている。これもまた読み取れるように、気体軸受け150aは(例.
図1に示すLPPチャンバ110内への)軸受け気体の漏れを減らすシステムを有しており、ステータ154bの表面上に形成された一組の溝162a,164a,166aによりそのシステムが形成されている。例えば溝162aはいわゆる「ベント溝」、溝164aはいわゆる「シールドガス溝」、溝166aはいわゆる「スカベンジャ溝」とすることができる。察知頂けるように、溝162a,164a,166aの機能は
図4に示した上述の溝162,164,166のうち対応するものと同じであり、溝162aが排出を担当、溝164aが遮断気体供給器124と通流、そして溝166aが真空システム128と通流している。
【0072】
図5及び
図6に、光源100にて用いられるターゲット素材送給システム102cのうち、スピンドル152c(これは円筒対称要素140cに装着されている)をステータ154cに連結する駆動側気体軸受け148cと、軸受け表面シャフト180(これは静止ハウジング142cに装着されている)及び軸受け連結シャフト178(これは円筒対称要素140cに装着されている)を連結する磁気又は機械(即ちグリース封入)軸受け150cと、を有する部分を示す。これもまた見て取れるように、気体軸受け148cは(例.
図1に示すLPPチャンバ110内への)軸受け気体の漏れを減らすシステムを有しており、ステータ154cの表面上に形成された一組の溝162c,164c,166cによりそのシステムが形成されている。察知頂けるように、溝162c,164c,166cの機能は
図4に示した上述の溝162,164,166のうち対応するものと同じであり、溝162cが排出を担当、溝164cが遮断気体供給器124と通流、そして溝166cが真空システム128と通流している。
【0073】
図6及び
図7を併せ参照することで読み取れるように、磁気又は機械(即ちグリース封入)軸受け150cは、(
図1に示した)LPPチャンバ110内への汚染物質の漏れを減らすシステムを有している。その汚染物質に含まれうるものとしては微粒子及び/又は軸受け150cにて生じたグリースオフガスがある。図示の通り、この汚染物質漏洩低減システムは静止ハウジング142cの表面上に形成された一組の溝162c,164c,166cを有している。図示の通り、軸受け連結シャフト178・静止ハウジング142c間には、圧力P1の気体流168cを汚染物質込みで受け入れる空間167cがある。環状溝162cは静止ハウジング142cに形成され空間167cと通流しており、空間167cの一部分170cから気体流168cを排出させる機能を有している。環状溝164cは静止ハウジング142cに形成され第1空間167cと通流しており、気体供給システム124から空間167cの一部分174cへと圧力P2の遮断気体流172cを運ぶ機能を有している。例示されている実施形態では、環状溝164cが、軸146(
図1参照)に対し平行な軸方向においてLPPチャンバ110寄りに位置している。遮断気体はアルゴンやキセノンで組成することができ、LPPチャンバ110内受け入れ性を踏まえ選定される。環状溝166cは静止ハウジング142c内に配列され空間167cと通流しており、図示の如く環状溝162c・環状溝164c間に位置している。環状溝166cは、汚染物質及び遮断気体を真空システム128の働きで空間167cの部分176c外に運び、第1圧力P1未満且つ第2圧力P2未満の圧力P3を部分176c内に発生させる機能を有している。これら3本の環状溝によって汚染物質含有気体を順次取りだし阻止することで、LPPチャンバ110に進入する汚染物質の量をかなり減らすことができる。
【0074】
図8に、(
図1に示した)光源100にて用いられるターゲット素材送給システム102dのうち、ベロウズ184と協働しスピンドル152d(これは円筒対称要素140dに装着されている)をステータ154dに連結する磁気液体ロータリシール182を有する部分を示す。シール182は、例えば、米国カリフォルニア州サンタクララを本拠とするFerrotec(USA)Corporationにより製造された磁気液体ロータリ封止機構、即ち永久磁石を用い強磁性流体をその場に懸架する形態の物理障壁により気密封止を維持する機構とすることができる。本実施形態における端側軸受け150’(
図8では模式的に示されている)は、
図2に示した気体軸受け150a(軸受け気体の漏れを減らすシステムを有するもの)とすることや、
図6に示した磁気又は機械(即ちグリース封入)軸受け150c(汚染物質例えば微粒子及び/又はグリースオフガスの漏れを減らすシステムを有するもの)とすることができる。
【0075】
図9に、円筒対称要素140e上を覆っているターゲット素材例えば氷結キセノン106eを約70ケルビン未満(即ち窒素の沸点未満)の温度まで冷やすことで、その円筒対称要素140e上にあるキセノンターゲット素材106eの均一層を保つシステム200を示す。本システム200は、例えば液体ヘリウムクリオスタットシステムを有するものとすることができる。図示の通り、冷却剤源202により冷却剤(例.ヘリウム)が閉ループ流路204に供給されており、その流路が中空な円筒対称要素140e内へと延びているので、プラズマ形成ターゲット素材106eを冷やすことができる。流路204上のポート205を通り円筒対称要素140eを脱した冷却剤は冷却装置206に送られ、その冷却装置206によって冷やされ、そしてその冷却・再生済冷却剤がその冷却装置206によって円筒対称要素140eへと返送される。これもまた
図9に示すように、本システム200を、センサ208付の温度制御システムを有し、そのセンサ208が例えば中空な円筒対称要素140eの表面又は内部に配置された1個又は複数個の熱電対を含み、そのセンサ208によって円筒対称要素140eの温度を示す出力がもたらされるものに、することができる。コントローラ210はセンサ208の出力を受け取り、またユーザ入力212から温度設定点を受け取る。コントローラを用いることで、例えば、液体ヘリウム温度を下限とする全範囲で温度設定点を選択することが可能になる。本願記載の諸装置におけるコントローラ210は、
図1に示した上述の制御システム120の一部をなし又はそれと通信する構成にすることができる。コントローラ210は、センサ208の出力及び温度設定点を用いて制御信号を発生させ、その制御信号をライン214経由で冷却装置206に送ることで、円筒対称要素140e及びキセノンターゲット素材106eの温度を制御する。
【0076】
場合にもよるが、冷却剤を用い円筒対称要素140eを約70ケルビン未満(即ち窒素の沸点未満)の温度まで冷やすことで、窒素による冷却に比しキセノンアイス層の安定性を増すことができる。キセノンアイス層の安定性は安定なEUV光出力及びデブリ発生防止にとり重要たりうる。この点に関して言えば、窒素冷却を用い実行された試験で判明している通り、光源の連続動作中にキセノンアイスの安定性が下がることがある。その原因の一つかもしれないのが微細粉体であり、レーザアブレーションの結果として円筒表面上に形成されることが判明している。これが生じるとアイス付着が減りかねず、アイス・円筒間熱伝導率の低下及びキセノンアイス層の経時的不安定化が生じうる。アイスが劣化し始めると、それを維持するのにかなり多量のキセノン流が必要になりうるので、EUV吸収損失が増大すること、更には動作コストが顕著に増大することとなりかねない。キセノンアイスがより低温であればキセノンの消費を減らせるであろう。液体ヘリウムを円筒の冷却に用いることで、キセノンアイスの温度を下げ、アイスの安定性を増し、及び/又は、動作マージンを大きくすることができる。
【0077】
図10及び
図11に、円筒対称要素例えば
図1に示した円筒対称要素140の表面上のターゲット素材(例.氷結キセノン)に重なるハウジング142bを冷やすシステム220を示す。
図10に示すように、ハウジング142bの円筒壁222は円筒対称要素保持空間224を囲んでおり、また輻射ビームがその壁222を通り円筒対称要素表面上のターゲット素材に到達できるようにする開口226を有している。その壁222には入口ポート230a,230b及び出口ポート232を有する内部流路228が形成されている。この構成によれば、冷却流体を入口ポート230a,230bにて壁222内に導入し、内部流路228内に流し、そして出口ポート232を介し壁222から出すことができる。その冷却流体は、例えば、水、CDA、窒素、アルゴン、或いは冷凍器により0℃未満の温度まで冷やされた液体冷却剤とすることができる。これに代え、円筒対称要素を通り抜けた冷却剤例えばヘリウム又は窒素を用いることも可能である。例えば、
図9中のポート205を抜け円筒対称要素140eから出てくる冷却剤を、ハウジング142b上の入口ポート230a,230bへとルーティングすることが可能である。場合にもよるが、ハウジング142bを冷やすことでキセノンアイスの安定性を増すことができる。ハウジング142bは、レーザ及びプラズマ輻射にさらされるため光源100の動作につれだんだん熱くなっていく。場合にもよるが、外界との界面が真空であるため発熱が十分迅速に放散されないことがある。この温度上昇によりキセノンアイス及び円筒の放射加熱が強まり、その寄与でアイス層の不安定性が増す可能性がある。加えて、開ループLN2冷却ドラムターゲットを対象に本願出願人が実施した試験で観測されたところによれば、ハウジングを冷やすことでLN2消費の低減ももたらされうる。
【0078】
図12及び
図13に、プラズマ形成ターゲット素材106fの層で覆われていて軸146f周りで可回動な円筒対称要素140fを有するシステム234を示す。
図12を
図13と比べることで見て取れるように、円筒対称要素140fは軸146fに沿い且つハウジング142fに対し並進可能であり、ターゲット素材106fで形成され帯高hを有する稼働帯、即ちドライブレーザによる照射に係るレーザ軸236上に稼働帯内ターゲット素材106fを位置決めしうる稼働帯を、その並進によって定めることができる。注入システム238は(
図1に示した)気体供給システム124からターゲット素材106fを受け取るインジェクタ239を有しており、それには複数個のスプレイポート240a~cが備わっている。3個のスプレイポート240a~cが示されているが、ご理解頂けるように、用いるスプレイポートを3個超にしてもよいし1個まで少なくしてもよい。図示の通り、スプレイポート240a~cが軸146fに対し平行な方向に沿い整列しているので、レーザ軸236に対しインジェクタ239を心揃えして動作させることで、プラズマ形成ターゲット素材106fからなりH<hなるスプレイ高Hを有するスプレイ242を出射させること、ひいてはドライブレーザからの照射によりプラズマ形成ターゲット素材106fに形成されたクレータを補填することができる。より具体的には、見て取れるように、ハウジング142fの内面上にあり、円筒対称要素140f上のターゲット素材106fと重なるある固定個所に、インジェクタ239を実装することができる。図示されている例示的実施形態では、レーザ軸上に心が揃ったスプレイ242をもたらすよう、インジェクタ239がハウジング142f上に実装されている。円筒対称要素140fが軸146fに沿い並進すると、ターゲット素材106fで形成される稼働帯の別部分がスプレイ242からターゲット素材を受け取ることとなるので、稼働帯全体を被覆させることが可能である。
【0079】
図14及び
図15に、プラズマ形成ターゲット素材106gの層で覆われており軸146g周りで可回動な円筒対称要素140gを有するシステム244を示す。
図14を
図15と比べることで見て取れるように、円筒対称要素140gは軸146gに沿い且つハウジング142gに対し並進可能であり、ターゲット素材106gで形成され帯高hを有する稼働帯、即ちドライブレーザによる照射に係るレーザ軸236g上に稼働帯内ターゲット素材106gを位置決めしうる稼働帯を、その並進によって定めることができる。注入システム238gは(
図1に示した)気体供給システム124からターゲット素材106gを受け取るインジェクタ239gを有しており、それには複数個のスプレイポート240a’~f’が備わっている。6個のスプレイポート240a’~f’が示されているが、ご理解頂けるように、用いるスプレイポートを3個超にしてもよいし1個まで少なくしてもよい。図示の通り、スプレイポート240a’~f’が軸146gに対し平行な方向に沿い整列しているので、プラズマ形成ターゲット素材106からなりスプレイ高Hを有するスプレイ242gをその動作により出射させること、ひいてはドライブレーザからの照射により円筒対称要素140g上のプラズマ形成ターゲット素材106に形成されたクレータを補填することができる(即ち注入システム238gにより稼働帯の全長に沿い一気にスプレイすることができる)。更に、見て取れるように、ハウジング142gの内面上にあり、円筒対称要素140g上のターゲット素材106gと重なるところに、インジェクタ239gを実装することができる。
図14及び
図15を比較することで見て取れるように、インジェクタ239gをハウジング142gに対し並進させることができ、またある実施形態によれば、そのインジェクタ239gの動きを円筒対称要素140gの軸沿い並進と同期させる(即ちインジェクタ239g及び円筒対称要素140gが一緒に動きそれらインジェクタ239g及び円筒対称要素140gが互いにいつも同じ位置となるようにする)ことができる。インジェクタ239g及び円筒対称要素140gは、例えば、一緒に動くよう電子的に又は(例.共通ギアを用い)機械的に連結することが可能である。
【0080】
図16及び
図17に、プラズマ形成ターゲット素材106hの層で覆われており軸146h周りで可回動な円筒対称要素140hを有するシステム246を示す。
図16を
図17と比べることで見て取れるように、円筒対称要素140hは軸146hに沿い且つハウジング142hに対し並進可能であり、ターゲット素材106hで形成され帯高hを有する稼働帯、即ちドライブレーザによる照射に係るレーザ軸236h上に稼働帯内ターゲット素材106hを位置決めしうる稼働帯を、その並進により定めることができる。注入システム238hは(
図1に示した)気体供給システム124からターゲット素材106hを受け取るインジェクタ239hを有しており、それには複数個のスプレイポート240a”~d”が備わっている。4個のスプレイポート240a”~d”が示されているが、ご理解頂けるように、用いるスプレイポートを4個超にしてもよいし2個まで少なくしてもよい。
【0081】
同じく
図16及び
図17を参照することで見て取れるように、スプレイポート240a”~d”は軸146hに対し平行な方向に沿い整列している。やはり図示の通り、ハウジング142hの内面上にあり、円筒対称要素140h上のターゲット素材106hと重なるある固定個所に、インジェクタ239hを実装することができる。ある実施形態によれば、
図16に示す如くインジェクタ239hをレーザ軸236h上に芯揃えすることができる。本システム246には、アパーチャ250が形成されているプレート248をも設けることができる。
図16及び
図17を比べることで見て取れるように、その阻止プレート248(及びアパーチャ250)をハウジング142hに対し並進させることができ、またある実施形態によれば、そのプレート248の動きを円筒対称要素140hの軸沿い並進と同期させる(即ちプレート248及び円筒対称要素140hが一緒に動きそれらプレート248及び円筒対称要素140hが互いにいつも同じ位置となるようにする)ことができる。プレート248及び円筒対称要素140hは、例えば、一緒に動くよう電子的に又は(例.共通ギアを用い)機械的に連結することが可能である。より具体的には、プレート248及びアパーチャ250を軸146hに対し平行な方向に沿い並進させることで、スプレイポート240a”~d”を選択的に被覆及び暴露することができる。例えば、
図16から見て取れるように、スプレイポート240a”,b”をプレート248により被覆しスプレイポート240c”,d”を暴露することで、プラズマ形成ターゲット素材106hからなりスプレイ高hを有するスプレイ242hをスプレイポート240c”,d”から出射させること、ひいてはドライブレーザからの照射により円筒対称要素140h上のプラズマ形成ターゲット素材106hに形成されたクレータを補填することができる(即ち注入システム238hにより稼働帯の全長に沿い一気にスプレイすることができる)。これもまた
図16及び
図17から見て取れるように、プレート248、アパーチャ250及び円筒対称要素140hを並進させると(
図17参照)スプレイポート240c”,d”がプレート248により被覆されスプレイポート240a”,b”が暴露されるので、(やはりスプレイ高Hを有し)プラズマ形成ターゲット素材106hからなるスプレイ242hをスプレイポート240a”,b”から出射させることができる。
【0082】
図12~
図17に示した最適化キセノン注入方式によりアイス成長/補充向けのキセノン消費を減らすことができ、またそれを用いることで、レーザによりターゲット素材アイス層に形成されたクレータを確と迅速に埋めることができる。
【0083】
図18に、プラズマ形成ターゲット素材106iの層で覆われていて軸146i周りで可回動な円筒対称要素140iを有するシステム252を示す。円筒対称要素140i上にプラズマ形成ターゲット素材106iを補充するサブシステム(例えば
図12~
図17に示したシステムのうち一つ)を設けることができる。
図18、
図19及び
図20Aを併せ参照することで読み取れるように、円筒対称要素140i上のプラズマ形成ターゲット素材106iを削ぎ均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材106iを築くよう、一対の鋸歯状ワイパ254a,254bを配置することができる。例えば、ワイパ254aを先行ワイパ、ワイパ254bを後続ワイパとし、軸146iに対し先行ワイパのエッジの方が後続ワイパのエッジよりも僅かに近くなるようにすればよい。先行ワイパ254aが、ポート255を介し付加された新規付加ターゲット素材(例.キセノン)に最初に接するワイパとなる。本願では2個のワイパ254a,254bが図示及び記述されているが、ご理解頂けるように、用いるワイパを2個超にしてもよいし1個まで少なくしてもよい。更に、図示の如く円筒対称要素140iの縁を巡りワイパを等間隔配置してもよいが、それ以外の配置(例.2個のワイパが互いのそばにあるもの)を採用してもかまわない。
【0084】
個々の鋸歯状ワイパ、例えば
図18及び
図20に示す鋸歯状ワイパ254aには、軸146iに対し平行な方向に沿い間隔配置及び軸沿い整列された態で3本の切歯256a~cを設けることができる。本願では3本の歯256a~cが図示及び記述されているが、ご理解頂けるように、用いる切歯を3本超にしてもよいし1本まで少なくしてもよい。
図20Aに、歯256b、すくい角257、逃げ角259及び逃げ261を示す。また、
図20Bから見て取れるように個々の歯256a~cは長さLを有している。大略、レーザパルスをターゲット素材106iに照射したとき生じるクレータよりも大きな長さLを有することとなるよう歯256a~cのサイズを定めることで、そのクレータを適切にカバーすることが可能となる。ある実施形態によれば、少なくとも2本の歯を有する鋸歯状ワイパであり、軸146iに対し平行な方向に沿った個々の歯の長さLが、レーザパルスをターゲット素材106iに照射したとき生じるクレータの最大直径Dに対しL>3*Dとなるものを、用いることができる。鋸歯状ワイパなら円筒対称要素140i及びシャフトに作用する荷重を軽減することができる。ある実施形態では、その総接触面積が、極力小さくなるよう且つシステムの最大剛性を上回らないよう定められる。本願出願人が実施した実験的計測で示されたところによれば、鋸歯状ワイパからの荷重は従来の非鋸歯状ワイパでのそれより5倍超(>5x)小さくすることができる。ある実施形態では、良好な機械的支持状態を確保し損傷を防ぐため歯の厚みを歯の長さより小さなサイズとし、歯同士の間隔よりも小さくなるようその長さを定める。ある実施形態では、キセノンアイスのうちレーザ照射を受けたエリア全体を、ターゲットが上下に並進する間に歯で削ぐことができるよう、ワイパが設計される。ワイパに更なる歯を設け、露出エリア外に所在するアイスに接触させることで、露出エリア外アイス蓄積を防ぐようにしてもよい。当該更なる歯は、キセノンアイスのうちレーザによる照射を受けたエリアを削ぐのに用いられる歯よりも、小さめにするとよい。
【0085】
図18に示すように、ワイパ254a,254bを対応するモジュール258a,bに実装すること、並びにそのモジュール258a,bでハウジング例えば
図1に示したハウジング142のモジュール状可着脱部分を形成することができる。この構成によれば、ハウジング全体及び/又は他のハウジング関連部材例えば
図12~
図17に示したインジェクタを必ずしも分解、除去することなく、モジュール258a,258bを外しワイパを交換することができる。そのハウジングモジュールの露出面上にアクセスポイントを有する調整ネジ260a,260bを用いワイパ254a,254bを対応するモジュール258a,bに実装することで、円筒対称要素140iを回動させ(真空条件下で)ターゲット素材1061により覆いつつ調整を行うことが可能となる。上述のモジュール状設計及び露出面アクセスポイントは非鋸歯状ワイパ(即ちその切削エッジが単一で連続的なワイパ)にも適用可能である。場合にもよるが、ハウジング・プラズマ形成ターゲット素材間ガスシールをワイパにより成立させること、ひいてはLPPチャンバ内へのターゲット素材ガス放出を減らすことが可能である。ワイパによりキセノンアイスの厚みを制御できるだけでなく部分堰を形成することができ、円筒の非露出側に注入された補充キセノンのうちその円筒の周囲を流れ同円筒の露出側に脱するキセノンの量をその部分堰により減らすことができる。それらワイパは全長に亘る一定高さのワイパでも鋸歯状ワイパでもかまわない。いずれにしても、そのワイパマウント内でワイパ位置を調整することで、それらを円筒に対し適正位置に置くことができる。より具体的には、
図18に示すように、ワイパ254aをターゲット素材補充ポート255の第1側、ポート255・ハウジング開口226i間に配置することで、ハウジング開口226iを介したターゲット素材(例.キセノンガス)の漏れを防ぐことができ、ワイパ254bをターゲット素材補充ポート255の第2側(第1側とは逆の側)、ポート255・ハウジング開口226i間に配置することで、ハウジング開口226iを介したターゲット素材(例.キセノンガス)の漏れを防ぐことができる。
【0086】
図19に、調整ネジ262a,262bを用いハウジング142jに可調装着されており鋸歯状又は非鋸歯状ワイパたりうるワイパ254を示す。
図19には、更に、ビーム266を光センサ268に送る発光器264を有し、ワイパエッジ270と円筒対称要素140jの回動軸(例.
図10中の軸146i)との間の径方向距離を示す信号をライン269経由で光センサ268から出力させうる計測システムが、示されている。そのライン269により、例えば、
図1に示した制御システム120との通信向けにこの計測システムを接続することができる。
【0087】
図21に、ハウジング142kに可調装着されており鋸歯状又は非鋸歯状ワイパたりうるワイパ254’を示す。
図21には、更に、ワイパエッジ270’と回動軸(例.
図10中の円筒対称要素140iの軸146i)との間の径方向距離を調整する調整システムが示されている。図示の通り、この調整システムは、ライン279を介し受信した制御信号に応じワイパ254’を動かすアクチュエータ272(これは、例えば、リードスクリュ、ステッパモータ、サーボモータ等々のリニアアクチュエータとすることができる)を有している。ライン279により、例えば、
図1に示した制御システム120との通信向けにこの調整システムを接続することができる。
【0088】
図22にワイパ実装システムが使用される諸工程を示す。図中のボックス276に示されているのは、厳格な公差を呈するよう製作されたマスタワイパを準備する工程である。次に、ボックス278に示すように、マスタワイパがワイパマウント内に実装され、その整列具合が例えば調整ネジを用い調整される。その上でそのネジ位置(例.回した回数)が記録される(ボックス280)。そして、そのマスタワイパが、標準的な(例.良好な)機械加工公差を呈するよう製作された稼働ワイパで以て置き換えられる(ボックス282)。
【0089】
図23に、プラズマ形成ターゲット素材106mの層で覆われていて軸146m周りで可回動な円筒対称要素140mを有するシステム284を示す。円筒対称要素140m上にプラズマ形成ターゲット素材106mを補充するサブシステム(例えば
図12~
図17に示したシステムのうち一つ)を設けることができる。
図23には、更に、円筒対称要素140m上のプラズマ形成ターゲット素材106mと接触するよう一対の柔順ワイパ286a,288bを配置しうること、ひいては比較的円滑な表面を有する均一厚みのプラズマ形成ターゲット素材106mを築けることが、示されている。より具体的には、図示の通り、円筒対称要素140mを挟みワイパ286bの位置とは径方向逆側にある個所に、ワイパ286aを配置することができる。機能的には、これら加熱ワイパ286a,286bをそれぞれアイススケートの刃のように動作させ、局所的に圧力やアイス内に向かう熱流を増大させることができる。柔順ワイパの対向対を用いることで、円筒対称要素140mの二側面からの力が効果的に整合し、円筒対称要素140mに作用する総不均衡力が低減されることとなる。これにより軸受けシステム、例えば上述の空気軸受けシステムが損傷するリスクを減らすことができ、場合にもよるが第2軸受けたる端側軸受けの必要性を解消することができる。
【0090】
図24に、円筒対称要素140mに対するワイパ286bの湾曲を示す。具体的には、図示の通りワイパ286bが湾曲柔順面288を有しており、その形状が、ワイパ286bの中央部290にて円筒対称要素140m上のターゲット素材106mと接触し、且つワイパ286bの端部292にて湾曲柔順面288と円筒対称要素140m上のターゲット素材106mとの間にギャップが形成される形状となっている。柔順ワイパ286bの表面288を形成するのに用いる素材は、例えば、幾種類かある硬化性ステンレス鋼、チタン及びチタン合金のうち一つとすることができる。
【0091】
図25A~
図25Cはターゲット素材106mの成長を示す図であり、
図25Aに示す初期成長状態では柔順ワイパ286bに接触していない。その後、
図25bに示すように、ターゲット素材106mは成長が進んでワイパ286bに初期接触する。更にその後は、ターゲット素材106mの更なる成長によりそのターゲット素材106mがワイパ表面と接触して弾性変形し、平衡状態に達するまでそのターゲット素材層が押し戻され、その時点でワイパからの圧力により層素材が局所的に融け、再流動して均一面が形成される。言い換えれば、湾曲ワイパは撓ませることが可能であり、撓むとキセノンアイスの厚みが増し、キセノンアイスの円筒上にワイパが及ぼす力とキセノンアイスの補充により引き起こされた力との間で平衡に達したときにその撓みが止まる。それら湾曲ワイパを対象にサーボ機能を用いることで、ワイパの温度制御に対処することができる。例えば、カメラを設けてアイス厚みを監視すること、個々のワイパにヒータ及び温度センサを組み込むこと、並びに温度を固定値に保持し平衡厚みのキセノンアイスを築くことができる。
【0092】
図26に、ワイパ286bを可制御的に加熱するためのヒータカートリッジ294及び熱電対296を柔順ワイパ286bに設けうることを示す。例えば、
図1に示した制御システム120との通信向けにヒータカートリッジ294及び熱電対296を接続すること、ひいてはワイパ286bを指定温度に保つことができる。
【0093】
光源照明は半導体処理アプリケーション、例えば検査、フォトリソグラフィ又は計量用に用いることができる。例えば、
図27に示すように、本願記載のターゲット送給システムのうち1個を有する光源例えば上述の光源100が組み込まれた照明源302を、検査システム300に設けることができる。更に、半導体ウェハ、ブランクマスク又はパターニング済マスク等、少なくとも1個のサンプル304を支持するよう構成されたステージ306を、その検査システム300に設けることができる。照明源302は照明路を介しサンプル304を照明するよう構成することができ、またそのサンプル304にて反射、散乱又は輻射された照明をイメージング路に沿い少なくとも1個の検出器310(例.カメラ又はフォトセンサアレイ)へと差し向けることができる。その検出器310が可通信結合されている情報処理システム312は、検出された照明信号に係る信号を、非一時的キャリア媒体314上にあり情報処理システム312のプロセッサにより実行可能なプログラム命令316に埋め込まれている検査アルゴリズムに従い処理することで、サンプル304が有している1個又は複数個の欠陥の所在を特定し及び/又はその欠陥の諸属性を計測するよう、構成することができる。
【0094】
更なる例として、
図28に、本願記載のターゲット送給システムのうち1個を有する光源例えば上述の光源100が組み込まれた照明源402を有するフォトリソグラフィシステム400のあらましを示す。このフォトリソグラフィシステムには、リソグラフィ処理に備え少なくとも1枚の基板404例えば半導体ウェハを支持するよう構成されたステージ406を、設けることができる。照明源402は、自照明源402により出射される照明で以て、基板404上にて或いはその基板404上に位置する層上にてフォトリソグラフィを実行するよう、構成することができる。例えば、その出射照明をレティクル408に差し向け、そのレティクル408から基板404へと差し向けることで、基板404の表面又はその基板404の層を、照明されているレティクルのパターンに従いパターニングすることができる。
図27及び
図28に示した例示的実施形態は総じて上述した光源の用途を示すものであるが、いわゆる当業者には明らかな通り、それら光源は本件開示の技術的範囲から離隔することなく様々な状況に適用することができる。
【0095】
更に、いわゆる当業者にはご承知頂けるように、本願記載のプロセス及び/又はシステム及び/又はその他のテクノロジを実行可能な手段は種々あるし(例.ハードウェア、ソフトウェア及び/又はファームウェア)、どの手段が相応しいかは当該プロセス及び/又はシステム及び/又はその他のテクノロジが利用される状況によって変わるであろう。幾つかの実施形態では、諸ステップ、機能及び/又は動作が、電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログ又はディジタルコントローラ/スイッチ、マイクロコントローラ及び情報処理システムのうち1個又は複数個により実行される。情報処理システムには、これに限られるものではないが、パーソナル情報処理システム、メインフレーム情報処理システム、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサその他、本件技術分野で既知なあらゆる装置が包括されうる。一般に、語「情報処理システム」は、キャリア媒体から得た命令を実行するプロセッサを1個又は複数個有するデバイス全てが包括されるよう、広く定義することができる。方法例えば本願記載のそれを実行するためのプログラム命令をキャリア媒体上で伝送することが可能である。キャリア媒体としうるものとしては伝送媒体、例えばワイヤ、ケーブル又は無線伝送リンクがある。キャリア媒体としうるものとしては格納媒体、例えばリードオンリメモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気ディスク、光ディスク又は磁気テープもある。
【0096】
本願記載の方法は、皆、それら方法実施形態を構成する1個又は複数個のステップの結果を格納媒体に格納するステップを、有するものとすることができる。それら結果が本願記載のどの実行結果を含んでいてもよいし、本件技術分野で既知ないずれの要領でその結果が格納されるのでもよい。その格納媒体には本願記載のあらゆる格納媒体が、また本件技術分野において既知で好適な他のあらゆる格納媒体が包含されうる。結果格納後は、その格納媒体内の結果にアクセスすること、並びにそれを本願記載の方法又はシステム実施形態のうち任意のもので用いること、ユーザへの表示向けにフォーマットすること、他のソフトウェアモジュール、方法又はシステムで用いること等々ができる。更に、それら結果の格納は、「恒久的」なもの、「半恒久的」なもの、一時的なもの、或いは一定期間に亘るもののいずれでもよい。例えば、その格納媒体がランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよいし、結果がその格納媒体内に必ずしも永久には存在しないのでもかまわない。
【0097】
本発明の格別な諸実施形態を示してきたが、明らかな通り、いわゆる当業者であれば、以上の開示の技術的範囲及び神髄から離隔することなく本発明につき様々な修正及び実施形態を実現することができよう。従って、本発明の技術的範囲は本明細書に添付する特許請求の範囲によってのみ限定されるべきである。