(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】撥液性ウレタン樹脂組成物及び樹脂塗膜
(51)【国際特許分類】
C08G 18/62 20060101AFI20240412BHJP
C09D 175/04 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
C08G18/62 004
C09D175/04
(21)【出願番号】P 2020033071
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2023-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白木 慶彦
【審査官】常見 優
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-143133(JP,A)
【文献】特開平06-220157(JP,A)
【文献】特開2001-329248(JP,A)
【文献】特開平06-158015(JP,A)
【文献】特開2015-025067(JP,A)
【文献】特開2015-044983(JP,A)
【文献】特開2020-066686(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 18/00- 18/87
C08G 71/00- 71/04
C09D 1/00- 10/00
C09D101/00-201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】
[一般式(1)中、Rは炭素数40~500の
ポリファルネセン、または水添ポリファルネセンを表わす。]
で表されるポリオール化合物(A)、及び
ポリイソシアネート化合物(B)、
を必須成分と
し、
前記ポリオール化合物(A)が、水酸基を分子末端に有し、かつ、炭素数1~15の分岐鎖を1つ以上有することを特徴とするウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
ポリイソシアネート化合物(B)が、一分子中に2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であることを特徴とする、請求項
1に記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
ウレタン樹脂組成物中のウレタン基含有量が0.750~3.00mol/kgであることを特徴とする請求項
1又は2に記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
表面自由エネルギーが40.0mN/m未満であることを特徴とする、請求項
1乃至3のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項5】
前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)の反応生成物であるウレタン樹脂組成物の数平均分子量が3,000~500,000であることを特徴とする、請求項
1乃至4のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項6】
請求項
1乃至5のいずれかに記載のウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の塗料組成物から形成された塗膜。
【請求項8】
JIS R3257に準拠し、静滴法で測定した場合において、水の接触角が90度以上であり、かつ油の接触角が15度以上となる
請求項7に記載の塗膜。
【請求項9】
請求項7又は8に記載の塗膜を有する物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撥液性ウレタン樹脂組成物及び当該樹脂塗膜に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、塗膜の撥液性の向上が広く検討されている。撥液性を物品に付与することにより、物品への防汚性、セルフクリーニング性および剥離性等の機能を付与するためである。例えば、船底塗料、建築外装材、積層セラミックコンデンサー製造におけるグリーンシート用フィルム等の用途が既に実用化されている。塗膜へ撥液性を付与する方法としては、物理的方法と化学的方法の主に2種類が存在する。物理的方法とは、固体表面に制御された凹凸構造を付与することで固体と液体との接触面積を減らし、撥液性を発揮する方法である。この物理的方法には、液体との相互作用が小さく、撥液性を有する化合物をコーティングする化学的方法を併用する方法も広く用いられており、一般には物理的方法と化学的方法を併用したものも単に物理的方法という場合がある。この物理的方法の代表例としてはハスの葉が挙げられる。化学的方法とは、液体との相互作用が小さく、高い撥液性を有する化合物を用いる方法であり、一般的には凹凸構造を有しなくても高い撥液性を発揮する。この化学的方法の代表例としては、フッ素含有高分子であるテフロン(登録商標)が広く知られている。
【0003】
しかし、化学的方法を併用しない物理的方法では、撥液性は得られるものの、凹凸構造が摩耗や物理的衝撃により変形し効果が得にくくなる場合があることから、限られた用途に普及するにとどまっている。よって、物理的方法と、化学的方法とを併用することが重要であり、また、凹凸構造を有しない化学的方法のみにおいても高い撥液性を得るためには、化合物の撥液性を向上させることが非常に重要である。特に、達成が比較的困難な撥油性を十分に得るためには、濡れ性を比較する上で重要なパラメーターである表面自由エネルギーが低いフッ素化合物が必要不可欠であると言われている(非特許文献1)。代表的な撥水性化合物としてはフッ素系化合物やケイ素系化合物が広く知られており、実用化されている。しかし、フッ素系化合物はハンドリング性が悪く製造が困難であり、環境への負荷が高い問題がある。ケイ素系化合物は製造装置内や製品中に残留することで不具合を起こしやすく、特に塗料用途や電子材料用途では深刻な問題となりうる。また、いずれも価格が高く、含有量が多くなると塗膜とした際に基材への密着性が低下する点でも問題がある。フッ素系化合物やケイ素系化合物が高い撥液性を示す理由は、これら元素固有の物性に由来すると考えられている。一方、これら化合物が有する問題も元素固有の物性に由来する問題であるため、問題を回避するためにはこれら元素を用いない方法が必要となる。
【0004】
これらを踏まえ、フッ素やケイ素を含まない撥液性化合物が強く望まれている。代替候補として炭化水素化合物が挙げられるが、これらが有する撥液性は十分ではなく、特に撥油性を示さない点が問題であった。
【0005】
これらの問題点を改善する方法としては、フッ素系化合物やケイ素系化合物とこれらを含まない化合物を組み合わせた組成物を使用することで、これら元素の使用量の低減がおこなわれてきた。
【0006】
フッ素系化合物と非フッ素系化合物とを組み合わせた組成物の使用としては、例えば含フッ素単量体と非フッ素単量体とから重合された含フッ素重合体を含んでなる塗料改質剤を用いる方法が報告されている(特許文献1)。この方法では良好な撥液性を得られているものの、フッ素が含まれており、問題の十分な解決には至っていない。
【0007】
ケイ素系化合物と非ケイ素系化合物を組み合わせた組成物の使用としては、例えばアルコキシシリル基を有するアクリル系共重合体と両末端にヒドロキシ基を有するジメチルポリシロキサンと金属触媒とを含有する塗料組成物を用いる方法が報告されている(特許文献2)。しかし、アルコキシシリル基やジメチルポリシロキサンといったケイ素を含む材料は基材への密着性が低く、ガラスの様にこれらケイ素化合物と反応できる水酸基を多く持つ基材には密着するものの、その他の基材への適用には限界があった。また、ケイ素が含まれており、問題の十分な解決には至っていない。
【0008】
以上の様に、フッ素やケイ素を含むことなく、高い撥液性を有する塗膜を得る方法が強く望まれてはいるものの、十分に解決できていなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2019-189699号公報
【文献】特開2018-2927号公報
【非特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、フッ素やケイ素を含むことなく、高い撥液性を有するウレタン樹脂組成物およびその塗膜を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定のポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物を必須成分とするウレタン樹脂組成物が、フッ素やケイ素を含むことなく、高い撥液性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0013】
すなわち、本発明は以下に示す実施形態を含むものである。
【0014】
本発明のウレタン樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)を必須成分とすることを特徴とする。
【0015】
【0016】
[一般式(1)中、Rは炭素数40~500の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でも環状構造を含んでもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい)を表わす。]
本発明のウレタン樹脂組成物において、前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)が、分子中の異なる二つの炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有する、炭素数40~500のポリオールポリオレフィンであることが好ましい。
【0017】
本発明のウレタン樹脂組成物において、前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)が、炭素数1~15の分岐鎖を1つ以上有し、炭素数40~500のポリオールポリオレフィンであることが好ましい。
【0018】
本発明のウレタン樹脂組成物において、ポリイソシアネート化合物(B)が、一分子中に2つのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物であることを特徴とする。
【0019】
本発明のウレタン樹脂組成物において、ウレタン樹脂組成物中のウレタン基含有量が0.750~3.00mol/kgであることを特徴とする。
【0020】
本発明のウレタン樹脂組成物において、表面自由エネルギーが40.0mN/m未満であることを特徴とする。
【0021】
本発明のウレタン樹脂組成物において、前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)の反応生成物であるウレタン樹脂組成物の数平均分子量が3,000~500,000であることを特徴とする。
【0022】
本発明の塗料組成物は、本発明のウレタン樹脂組成物を含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の塗膜は、本発明の塗料組成物から形成された塗膜であることを特徴とする。
【0024】
本発明の塗膜は、JIS R3257に準拠し、静滴法で測定した場合において、水の接触角が90度以上であり、かつ油の接触角が15度以上となる塗膜であることを特徴とする。
【0025】
本発明の物品は、本発明の塗膜を有する物品であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、フッ素やケイ素を含むことなく、高い撥液性を有するウレタン樹脂組成物が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明のウレタン樹脂組成物は、下記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)(以下、単に(A)と表記する場合がある。)、及びポリイソシアネート化合物(B)(以下、単に(B)と表記する場合がある。)、を必須成分とするウレタン樹脂組成物であることを特徴とする。
【0028】
【0029】
[一般式(1)中、Rは炭素数炭素数40~500の炭化水素基(ここで、炭化水素基は直鎖でも分岐鎖でも環状構造を含んでもよく、飽和炭化水素でも不飽和炭化水素でもよい。)を表わす。]
前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)が、分子中の異なる二つの炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有する、炭素数40~500のポリオールポリオレフィンであることが好ましい。
【0030】
前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)が、炭素数1~15の分岐鎖を1つ以上有し、炭素数40~500のポリオールポリオレフィンであることが好ましい。
【0031】
本発明の前記一般式(1)で表されるポリオール化合物(A)としては、例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリスチレン等の不飽和骨格を有するポリオールポリオレフィン類、ポリエチレン、ポリプロピレン、水添ポリブタジエン、ポリブテン、水添ポリイソプレン等の飽和骨格を有するポリオールポリオレフィン類、ポリファルネセン、水添ポリファルネセン等の長鎖アルキル基を側鎖に有するポリオールポリオレフィン類等が挙げられる。また、これらは例えば1,2―付加体や1,4―付加体といった構造異性体、およびシス体、トランス体といった立体異性体、のいずれを含んでいても良い。これらの中でも、ハンドリング性の観点からは炭素数が50~400であることが好ましく、75~375であることがより好ましく、100~230であることが最も好ましい。また、分子中の異なる二つ以上の炭素上にそれぞれ一つの水酸基を有することが好ましく、樹脂重合性の観点から水酸基を分子末端に有することが好ましい。撥液性の観点からは炭素数が1~15の分岐鎖を1つ以上有することが好ましく、1~14の分岐鎖を1つ以上有することがより好ましく、1~13の分岐鎖を1つ以上有することが最も好ましい。また、分岐鎖中にさらに分岐鎖を持つことが好ましい。
【0032】
本発明のポリイソシアネート化合物(B)としては、特に限定するものではなく、例えば、ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、2,4―トルエンジイソシアネート、2,6―トルエンジイソシアネート、1,5―ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3―テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,4―テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の芳香族骨格を持つイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、2,2,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4―トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族骨格を持つイソシアネート類等が挙げられる。これらは単量体でもよく多量体でもよく、アロファネート変性やビウレット変性されたものでもよい。これらの中でも、表面硬度や機械強度の観点からジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、2,4―トルエンジイソシアネート、2,6―トルエンジイソシアネートが好ましく、耐光性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン―2,4’―ジイソシアネート、が好ましい。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0033】
ウレタン樹脂組成物中のウレタン基含有量は0.750~3.00mol/kgであることが好ましく、0.750~1.40mol/kgであることがより好ましく、0.750~0.800mol/kgであることが最も好ましい。ウレタン基含有量が0.750mol/kg未満であると、溶剤への十分な溶解性が得られない恐れがあり、ウレタン基含有量が3.00mol/kgを超えると十分な撥液性が得られない恐れがある。
【0034】
ウレタン樹脂組成物中の表面自由エネルギーが40.0mN/m未満であることが好ましく、36.0mN/m以下であることがより好ましく、27.0mN/m以下であることが最も好ましい。表面自由エネルギーが40.0mN/mを超えると十分な撥液性が得られない懸念が有る。
【0035】
(A)、及び(B)の反応生成物であるウレタン樹脂組成物の数平均分子量は3,000~500,000が好ましく、3,000~100,000がより好ましく、3,000~10,000が最も好ましい。数平均分子量が3,000未満であると、塗膜形成が困難となる恐れがあり、数平均分子量が500,000を超えると流動性が低下し、ハンドリング性が悪くなる懸念が有る。
【0036】
本発明のウレタン樹脂組成物及び当該ウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物は、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)に加えて、本発明の目的を損なわない範囲内で、任意に他の成分を含有していても良い。他の成分としては、特に限定されないが、例えば、鎖延長剤、溶剤、触媒、消泡剤、レベリング剤、有機増粘剤、酸化防止剤、光安定剤、接着性向上剤、離型剤、補強材、軟化剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、湿潤分散剤が挙げられる。ただし、鎖延長剤を含有する場合は、(A)、及び(B)と共に反応させることで、反応生成物であるウレタン樹脂組成物中に含まれている必要がある。
【0037】
鎖延長剤としては、特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等の直鎖構造を有するグリコール類、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール等の分岐鎖構造を有するグリコール類、1,4-シクロヘキサンジメタノール等の環状構造を有するグルコール類等のグリコール化合物類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリブチレングリコール類等のポリエーテルポリオール類、カプリル酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセライド、ラウリン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライド、ベヘン酸モノグリセライド等のモノグリセライド類、等のポリオール類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0038】
溶剤としては、特に限定するものではないが、例えば、トルエン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルジグリコール、エチルジグリコール、ブチルジグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリドン等のアミド系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系、水等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0039】
本発明のウレタン樹脂組成物が鎖延長剤を含有する場合、その含有量は、ウレタン樹脂組成物中のウレタン基含有量は0.750~3.00mol/kgであることが好ましく、0.750~1.40mol/kgであることがより好ましく、0.750~0.800mol/kgであることが最も好ましい。ウレタン基含有量が0.750mol/kg未満であると、溶剤への十分な溶解性が得られない恐れがあり、ウレタン基含有量が3.00mol/kgを超えると十分な撥液性が得られない恐れがある。
【0040】
本発明のウレタン樹脂組成物が溶剤を含有する場合、その含有量は、塗布方法、所望するウレタン樹脂塗膜の膜厚によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して1.0~10,000質量部であることが好ましく、40~3,200質量部であることがより好ましく、150~2,000質量部であることが最も好ましい。含有量が1.0質量部未満であると、ウレタン樹脂組成物の粘度が高くなり塗装が困難となる恐れがあり、10,000質量部を超えると、ウレタン樹脂塗膜の膜厚が薄くなり、十分な膜厚が得られない恐れがある。
【0041】
触媒としては、特に限定されないが、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0042】
本発明のウレタン樹脂組成物が触媒を含有する場合、その含有量は、用いるポリイソシアネート化合物の反応性によって選択すればよく、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して0.0010~1.0質量部であることが好ましく、0.0050~0.50質量部であることがより好ましく、0.010~0.10質量部であることが最も好ましい。含有量が0.0010質量部未満であると、十分な触媒効果が得らない恐れがあり、1.0質量部を超えると、経済性が悪くなる恐れがある。
【0043】
レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアリールエーテル類、シリコン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アクリル系界面活性剤等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0044】
本発明のウレタン樹脂組成物がレベリング剤を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、ウレタン樹脂組成物100質量部に対して0.0010~25質量部であることが好ましく、0.010~12質量部であることがより好ましく、0.050~6.0質量部であることが最も好ましい。含有量が0.0010質量部未満であると、レベリング性が不十分となる恐れがあり、25質量部を超えると、ウレタン樹脂塗膜の密着性が不十分となる恐れがある。
【0045】
本発明のウレタン樹脂組成物から得られる塗膜は、水および油に対して高い撥液性を有する。本発明の撥液性は、従来撥液性を示す物質として公知であるポリエチレン基材に対する水および油の接触角を指標とし、これよりも接触角が大きいことが好ましく、接触角が水の場合は90度以上、油の場合は15度以上であることがより好ましい。ここで、油はヘキサデカンを指す。
【0046】
該塗膜を有する物品は、車両用関連部品、電子材料、構造材料、建材、家具、化粧シート、スポーツ用品、文房具等に好適に用いることができる。
【0047】
基材の材質としては、特に限定されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合合成樹脂(ABS樹脂)、ナイロン6、ナイロン66、アラミド、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂、前記樹脂基材とガラス繊維等とから成る複合材料、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂、アクリル樹脂等のUV硬化性レジスト樹脂、又はポリフェニレンサルファイド等の熱可塑性樹脂と炭素繊維との複合材料(CFRP、CFRTP)、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム、ステンレス、ブリキ、電気亜鉛めっき鋼板、クロムメッキ鋼板等といった金属類、ガラス等が挙げられる。これらの基材は単独で用いても良いし、2種以上を併用あるいは混合した複合材料として用いても良い。
【0048】
ウレタン樹脂塗膜は、本発明のウレタン樹脂組成物から形成される。本発明のウレタン樹脂組成物を用いてウレタン樹脂塗膜を形成する方法としては、特に限定されないが、本発明のウレタン樹脂組成物を基材の少なくとも一つの面に塗布した後、乾燥させる方法等が挙げられる。
【0049】
本発明のウレタン樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、アプリケーター法、バーコート法、スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ノズルコート法、グラビアコート法、リバースロールコート法、ダイコート法、エアドクターコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、カーテンコート法、ナイフコート法、トランスファロールコート法、スクイズコート法、含浸コート法、キスコート法、カレンダコート法、押出コート法等が挙げられる。
【0050】
乾燥させる際の乾燥温度は、特に限定されないが、0~300℃であることが好ましく、20~150℃であることがより好ましく、60~120℃であることが最も好ましい。乾燥温度が0℃未満であると、溶剤を含む場合にはその残留が問題となる恐れがあり、300℃を超えると、ウレタン樹脂塗膜が熱分解する恐れがある。また、乾燥時間は、特に限定されないが5秒間~10日間であることが好ましく、20~6,000秒間であることがより好ましい。乾燥時間が5秒間未満であると、乾燥不良となる恐れがあり、10日間を超えると、工程に要する時間が長くなるため生産性の観点から好ましくない。
【0051】
ウレタン樹脂塗膜の厚みは、特に限定されないが、0.050~300μmであることが好ましく、0.10~200μmであることがより好ましく、0.10~50μmであることが最も好ましい。厚みが0.050μm未満であると、ウレタン樹脂塗膜の難濡れ性が不十分となる恐れがあり、300μmを超えると、ウレタン樹脂塗膜の密着性が不十分となる恐れがある。
【実施例】
【0052】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りがない場合、%表記は質量基準であり、以下に示す実施例1~9のうち、実施例1~5および8~9は、本発明の範囲に属しない参考例としての試験例である。
【0053】
(実施例1)
以下の方法でウレタン樹脂組成物の製造、試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0054】
<ウレタン樹脂組成物の製造>
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを150.0g、ジフェニルメタン―4,4’―ジイソシアネート(以下、MDIと言う。商品名:ミリオネートMT、イソシアネート基含量31.3%、東ソー社製)を16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.10g、シクロヘキサノンを1499g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、以下の方法で数平均分子量および粘度を測定した。
【0055】
<数平均分子量の測定>
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた。条件は以下の通りである。装置として高速GPC装置(東ソー社製HLC-8220)、カラムとしてG3000H-XL、G2500H-XL、G2000H-XLおよびG1000H-XL(いずれも東ソー社製)を記載の順に1本ずつ直列に接続したものを用い、移動相としてテトラヒドロフランを使用し、移動相速度を1.00mL/分とした。カラム温度は40℃とし、検出器は示差屈折率計で実施し、ポリスチレン換算分子量として分子量を求めた。サンプル溶液は濃度0.50%のTHF溶液を調製して用いた。
【0056】
<粘度の測定>
JIS7117-2に準拠して、B型粘度計(芝浦システム社製ビスメトロンVS-A1)を用いて測定した。
【0057】
<ウレタン基含有量の計算>
以下に示す計算式を用いて試料中のウレタン基含有量を計算した。
(ウレタン基含有量mol/kg)
=(イソシアネート基量mol)/(ウレタン樹脂組成物量kg)
(ウレタン樹脂組成物量kg)
=(ポリオール化合物量kg+ポリイソシアネート化合物量kg+ジオール化合物量kg)。
【0058】
<フッ素およびケイ素の含有>
以下に示す評価基準を用いて評価した。
【0059】
〇:試料中にフッ素またはケイ素を含まない
×:試料中にフッ素またはケイ素を含む
<試験片の作成>
得られたウレタン樹脂組成物をポリプロピレン基材(日立化成社製コウベポリシートPP)にアプリケーターを用いて塗布し、室温条件下で5分間静置した後、真空乾燥器を用いて-0.10MPa以下の減圧条件下、80℃で4時間乾燥させ、乾燥膜厚20μmの塗膜を有する試験片を作成した。
【0060】
<塗膜物性の評価>
得られた試験片を用いて以下の方法により評価を行った。
【0061】
1.各種液体の接触角
試験片について、各種プローブ液体の接触角を静滴法でJIS R3257に準拠して測定した。プローブ液体は2.0μL滴下し、接触角測定器(協和界面化学社製自動接触角計DMo―601)を用いて接触角を測定した。プローブ液体は純水(72.8mN/m、富士フィルム和光純薬社製)、ジヨードメタン(50.8mN/m、富士フィルム和光純薬社製)およびヘキサデカン(27.6mN/m、東京化成工業社製)の3種類をそれぞれ用いた。接触角はプローブ液体毎に10回ずつ測定し、その平均値を測定値とした。
【0062】
2.表面自由エネルギー
得られた純水およびジヨードメタンの接触角の値を用いて、公知の計算方法であるOwens理論を用いて表面自由エネルギーを計算した。具体的な計算方法は下記文献を参照した。
<Owens,D.K. J.Appl.Polym.Sci.1969,13,174-1747>。
【0063】
(実施例2)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリイソプレンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0064】
(実施例3)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン1を150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.14g、シクロヘキサノンを1499g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0065】
(実施例4)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリブタジエン2を150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0066】
(実施例5)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリブタジエンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.094g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0067】
(実施例6)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリファルネセンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.076g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0068】
(実施例7)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端ポリファルネセンを150.0g、MDIを16.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.083g、シクロヘキサノンを1498g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0069】
(実施例8)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを130.0g、MDIを29.2g、3-メチル1,5-ペンタンジオールを7.4g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.18g、シクロヘキサノンを1500g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0070】
(実施例9)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、水酸基末端水添ポリイソプレンを85.0g、MDIを59.2g、3-メチル1,5-ペンタンジオールを24.8g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.37g、シクロヘキサノンを1522g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら6時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表1に示す。
【0071】
(比較例1)
撹拌機、温度計、加熱装置、還流管を備えた容量2Lの四口セパラブルフラスコに、1,6-ヘキサンジオール型ポリカーボネートジオールを170.0g、MDIを10.5g、ジラウリン酸ジオクチルスズを0.13g、酢酸ブチルを1626g、それぞれ室温下で仕込んだ後、窒素ガスを吹き込むことでフラスコ内を窒素置換した。これらを80℃条件下で均一に撹拌しながら2時間反応させることでウレタン樹脂組成物を得た。得られたウレタン樹脂組成物について、実施例1と同様の方法で数平均分子量および粘度を測定した。得られたウレタン樹脂組成物を用いて、実施例1と同様の方法で試験片の作成および塗膜物性評価を行った。結果を表2に示す。
【0072】
(比較例2)
ウレタン樹脂組成物の代わりにポリテトラフルオロエチレン板の場合について、実施例1と同様の方法で表面自由エネルギーを計算した。接触角の値は下記文献に記載されている公知の値を用いた。結果を表2に示す。
<Owens,D.K. J.Appl.Polym.Sci.1969,13,174-1747>。
【0073】
(比較例3)
ウレタン樹脂組成物の代わりにポリエチレン板の場合について、実施例1と同様の方法で試験片の物性評価を行った。結果を表2に示す。
【0074】
(比較例4)
ウレタン樹脂組成物の代わりにポリエチレン板の場合について、実施例1と同様の方法で試験片の物性評価を行った。結果を表2に示す。
【0075】
(比較例5)
ウレタン樹脂組成物の代わりにポリジメチルシロキサン単分子層の場合について、実施例1と同様の方法で表面自由エネルギーを計算した。接触角の値は下記文献に記載されている公知の値を用いた。結果を表2に示す。
<Owens,D.K. J.Appl.Polym.Sci.1969,13,174-1747>
【0076】
【0077】
【0078】
・水酸基末端水添ポリイソプレン:商品名 EPOL、数平均分子量2,500、水酸基含量0.94mol/kg、出光興産社製
・水酸基末端ポリイソプレン:商品名 Poly ip、数平均分子量2,500、水酸基含量0.84mol/kg、出光興産社製
・水酸基末端水添ポリブタジエン1:商品名 GI―1000、数平均分子量1,500、水酸基含量1.22mol/kg、日本曹達社製
・水酸基末端水添ポリブタジエン2:商品名 GI―2000、数平均分子量2,000、水酸基含量0.84mol/kg、日本曹達社製
・水酸基末端ポリブタジエン:商品名 Poly bd R-45HT、数平均分子量2,800、水酸基含量0.84mol/kg、出光興産社製
・水酸基末端水添ポリファルネセン:商品名 Krasol F3000、数平均分子量3,000、水酸基含量0.68mol/kg、TOTAL社製
・水酸基末端水添ポリファルネセン:商品名 Krasol F3100、数平均分子量3,000、水酸基含量0.75mol/kg、TOTAL社製
・1,6-ヘキサンジオール型ポリカーボネートジオール:商品名 ニッポラン980R、数平均分子量2,000、水酸基含量0.99mol/kg、東ソー社製
・3-メチル1,5-ペンタンジオール:東京化成工業社製
・ジラウリン酸オクチルスズ:キシダ化学社製
・シクロヘキサノン:富士フィルム和光純薬社製。
【0079】
表1、2から明らかなように、本発明のウレタン樹脂組成物によれば、フッ素やケイ素を含むことなく、撥液性を有する塗料組成物を得ることができる。