(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】チャンバ、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法
(51)【国際特許分類】
C04B 7/60 20060101AFI20240412BHJP
C04B 7/44 20060101ALI20240412BHJP
F27D 17/00 20060101ALI20240412BHJP
B01D 45/02 20060101ALI20240412BHJP
【FI】
C04B7/60
C04B7/44 101
F27D17/00 104A
F27D17/00 104D
B01D45/02
(21)【出願番号】P 2020062795
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】521297587
【氏名又は名称】UBE三菱セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145012
【氏名又は名称】石坂 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】末益 猛
(72)【発明者】
【氏名】大場 康太
【審査官】大西 美和
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-526539(JP,A)
【文献】特開2016-166684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00-32/02
C04B 40/00-40/06
F23J 15/00
F27D 17/00-99/00
B01D 45/00-45/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セメントクリンカ製造設備における塩素バイパスに設けられ、複数のガスを分岐させる本体部を有するチャンバであって、
前記本体部は、ガスを導入する
複数の導入口と、ガスを導出する複数の導出口とを有し、
前記複数の導出口における前記ガスの導出方向が互いに異なり、
前記
複数の導入口からの前記ガスの導入方向は、前記複数の導出口から導出される前記ガスの導出方向のいずれの方向とも異な
り、
前記複数の導入口からは、前記セメントクリンカ製造設備において抽気された抽気ガスと冷却ガスとがそれぞれ導入される、チャンバ。
【請求項2】
前記
複数の導入口から導入される前記ガスの導入方向に沿って延びる仮想流路は、前記複数の導出口のいずれからもずれている、チャンバ。請求項1に記載のチャンバ。
【請求項3】
前記本体部には、ダストを排出するダスト排出口が接続されている、請求項1
又は2に記載のチャンバ。
【請求項4】
前記複数の導出口のうち少なくとも一
つが、前記本体部の内部に挿入された筒体の先端部に設けられている、請求項1~
3のいずれか一項に記載のチャンバ。
【請求項5】
前記複数の導入口のうち少なくとも一つが、前記本体部の内部に挿入された筒体の先端部に設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載のチャンバ。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のチャンバを備える塩素バイパス設備。
【請求項7】
予熱仮焼部と、セメントキルンと、ライジングダクトと、前記ライジングダクト及び/又は前記セメントキルンの窯尻に接続される抽気管を有する塩素バイパス設備とを備え、
前記塩素バイパス設備は、請求項1~5のいずれか一項に記載のチャンバを備える、セメントクリンカ製造設備。
【請求項8】
セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、
予熱及び仮焼された前記セメント原料を焼成して、セメントクリンカを製造する焼成工程と、
前記焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を、請求項7に記載の塩素バイパス設備でダストとして回収する回収工程と、を有する、セメントクリンカの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、チャンバ、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
セメントクリンカ製造設備では多種多様の廃棄物が処理されている。近年、廃棄物処理量の増加に伴い、塩素及び硫黄等の揮発成分のセメントキルンへのインプット量が増加している。これらの揮発成分は、製造設備内に付着してコーチングを生成する要因となり、セメントクリンカ製造設備の操業に影響を及ぼす。このため、多くのセメントクリンカ製造設備には揮発成分を低減するために塩素バイパス設備が設置されている。
【0003】
特許文献1では、プローブ、サイクロン、チャンバ、冷却器及びバグフィルタ等を有する塩素バイパス設備に適用されるガス分岐装置が開示されている。このガス分岐装置は、セメント製造工程からの抽気ガスを導くガス入口ダクトと、チャンバと、ガス出口ダクトとを備える。このようなガス分岐装置において、チャンバにおけるガスの短絡流を防止するとともに、ガスの混合効果を確保するため、ガス入口ダクトとガス出口ダクトとを互いに距離をおいて接続することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のようなチャンバでは、同一面に形成された複数のガス出口ダクトからガスが同じ方向に導出されるようになっているため、ガスの導入方向によっては導出されるガスのダスト濃度に偏りが生じることが懸念される。このような現象が生じると、チャンバでダストを回収する設計となっている場合、ダストの回収率も低下してしまうことが懸念される。また、ダストを回収する設計とはなっていなくても、出口ダクトから導出されるガスの性状が変動し、塩素バイパス設備の運転が不安定になってしまうことが懸念される。
【0006】
そこで、本開示では、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能なチャンバを提供する。また、そのようなチャンバを備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を提供する。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係るチャンバは、セメントクリンカ製造設備における塩素バイパスに設けられ、複数のガスを分岐させる本体部を有するチャンバであって、本体部は、ガスを導入する少なくとも一つの導入口と、ガスを導出する複数の導出口とを有し、複数の導出口におけるガスの導出方向が互いに異なり、導入口からのガスの導入方向は、複数の導出口から導出されるガスの導出方向のいずれの方向とも異なる。
【0008】
チャンバに複数の導出口を設ける場合、複数の導出口から導出されるガスの導出方向が同じであると、本体部内でガスの偏流が発生し易く、流動時間のばらつきが生じやすい。このため、ガスの冷却やダストの分離等を十分に行うことができない。これに対し、上記チャンバでは、複数の導出口におけるガスの導出方向が互いに異なるうえに、導入口からのガスの導入方向が、複数の導出口から導出されるガスの導出方向のいずれの方向とも異なっている。このため、導入口から導入されるガスが本体部内で十分に流動し、本体部内の内部空間を有効活用してガスの冷却やダストの分離等を効率よく行うことができる。したがって、塩素バイパス設備の運転を安定化することができる。ただし、上述のチャンバはダストを分離するものに限定されるものではなく、ダストは導出口から導出されるガスに同伴されてもよい。
【0009】
上記チャンバは、導入口から導入されるガスの導入方向に沿って延びる仮想流路は、複数の導出口のいずれからもずれていることが好ましい。これによって、導入口から導入されるガスが本体部で自由に流動せずにそのまま導出口から導出される、所謂短絡流が生じることを抑制できる。これによって、導入口から導入されるガスが本体部の内壁に衝突し易くなり、ガスの冷却及びダストの分離等を効率よく行うことができる。したがって、塩素バイパス設備の運転を一層安定化することができる。
【0010】
導入口からは、セメントクリンカ製造設備から抽気された抽気ガスを含むガスが導入され、複数の導出口からは、抽気ガスを含むガスが導出されることが好ましい。このような抽気ガスは、セメントキルンでの運転状態に応じて発生量及びダスト濃度が変動し易い。発生量の変動に伴って流量が変動したり、ダスト濃度が変動したりしても、上記チャンバは、分岐するガス同士の性状、温度及びダスト濃度等に差異が生じることを抑制できる。
【0011】
上記チャンバの本体部は、導入口を複数有し、複数の導入口からは、セメントクリンカ製造設備において抽気された抽気ガスと冷却ガスとがそれぞれ導入されることが好ましい。これによって、抽気ガスをチャンバにおいて冷却することができる。また、抽気ガスと冷却ガスは温度及び性状が大きく異なることが通常であるが、これらのガスを導入しても、本体部で十分に混合されるため、分岐するガス同士の性状、温度及びダスト濃度等に差異が生じることを抑制できる。
【0012】
上記チャンバの本体部には、抽気ガスに含まれるダストを排出するダスト排出口が接続されていることが好ましい。このチャンバでは、導入口から導入されるガスが本体部の内壁に衝突し易いため、効率よくガスからダストを分離し、分離したダストをダスト排出口から排出して回収することができる。
【0013】
導入口及び導出口のうち少なくとも一方が、本体部の内部に挿入された筒体の先端部に設けられていてもよい。これによって、ガスの導入口の位置及び導入方向、又は、ガスの導出口の位置及び導出方向を、高い自由度で設定することができる。したがって、分岐するガスの性状変動を一層抑制し、塩素バイパス設備の運転を一層安定化させることができる。
【0014】
本開示の一側面に係る塩素バイパス設備は、上述のいずれかのチャンバを備える。これによって、チャンバで分岐されるガスの温度及びダスト濃度等の性状変動が抑制されることから、塩素バイパス設備を安定的に運転することができる。
【0015】
本開示の一側面に係るセメントクリンカ製造設備は、予熱仮焼部と、セメントキルンと、ライジングダクトと、ライジングダクト及び/又はセメントキルンの窯尻に接続される抽気管を有する上述の塩素バイパス設備とを備える。このセメントクリンカ製造設備は、上述のいずれかのチャンバを有する塩素バイパス設備を備えることから、チャンバで分岐されるガスの温度及びダスト濃度等の性状変動が抑制される。したがって、セメントクリンカ製造設備を安定的に運転することができる。
【0016】
本開示の一側面に係るセメントクリンカの製造方法は、セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、予熱及び仮焼された前記セメント原料を焼成して、セメントクリンカを製造する焼成工程と、焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を上述の塩素バイパス設備でダストとして回収する回収工程と、を有する。
【0017】
この製造方法では、上述の塩素バイパス設備でダストを回収する回収工程を有する。このため、安定的にダストを処理できることから、各工程が安定化し、安定的にセメントクリンカを製造することができる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能なチャンバを提供することができる。また、そのようなチャンバを備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を提供することができる。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態に係る塩素バイパス設備の概要を示す図である。
【
図2】塩素バイパス設備に設けられるチャンバの一例を示す図である。
【
図3】塩素バイパス設備に設けられるチャンバの一例を示す図である。
【
図4】塩素バイパス設備に設けられるチャンバの一例を示す図である。
【
図5】塩素バイパス設備に設けられるチャンバの一例を正面視したときの、一側面に接続された2つの導出管の導出方向を示す図である。
【
図6】本体部の内部に設けられる障害物の例を示す正面図である。
【
図7】一実施形態に係るセメントクリンカ製造設備を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
【0021】
図1は、一実施形態に係る塩素バイパス設備の概要を示す図である。塩素バイパス設備100はセメントキルン50と窯尻52とライジングダクト51を備えるセメントクリンカ製造設備200に設けられ、セメントクリンカの製造に伴って生じる塩素等の揮発成分を含むキルン排ガスを抽気して、抽気ガスに含まれる塩素等の揮発成分をダストとして回収し、セメントクリンカ製造設備内の揮発成分を低減する。
【0022】
塩素バイパス設備100は、ライジングダクト51及び/又はセメントキルン50の窯尻52から、キルン排ガスを抽気し、抽気したキルン排ガスに冷却ガスを混合してキルン排ガスと冷却ガスを含む抽気ガスを得る抽気管12と、抽気管12に冷却ガスを供給するための導入ファン14と、抽気管12からの抽気ガスと冷却ガスを混合し、塊状のダストを分離するとともに、抽気ガスを含む混合ガスを分岐するチャンバ20と、チャンバ20に冷却ガスを導入するための導入ファン15と、分岐された抽気ガスを揮発性アルカリ塩の融点以下に冷却する熱交換器25と、冷却に伴って析出した、抽気ガスに含まれるダスト(塩素バイパスダスト)を、抽気ガスから分離する集塵器26と、チャンバ20、熱交換器25及び集塵器26を介して、抽気ガスを抽気する吸引ファン28とを備える。抽気管12は、抽気プローブと称されるものであってもよい。吸引ファン28としては、シロッコファン及びターボファンなどの通常の吸引ファンが挙げられる。
【0023】
導入ファン14は、冷却ガス導入部10に冷却ガスを供給し、冷却ガス導入部10は、抽気管12に冷却ガスを導入する。導入ファン15は、チャンバ20に冷却ガスを導入する。冷却ガスは、常温の空気であってよく、工場等で発生する排気ガスを含むものであってもよい。排気ガスとしては、例えば、セメント製造工場に持ち込まれた下水汚泥等の含水汚泥の受け入れ、貯蔵及び発酵時に発生する臭気ガス、吸引ファン28及び他工程の吸引ファンから排出される排出ガス等が挙げられる。
【0024】
チャンバ20では、抽気ガスと冷却ガスを混合し、混合ガスを2つに分岐する。チャンバ20で分岐された混合ガス(抽気ガス)は、それぞれ、熱交換器25及び集塵器26を順次流通する。抽気ガスと一緒に抽気された原料ダストはチャンバ20で回収され、ダスト排出口から排出される。抽気ガスに含まれる残りのダストは集塵器26で回収される。チャンバ20で原料ダストを多く回収できると、集塵器26で塩素濃度の高い塩素バイパスダストが回収できる。集塵器26は、バグフィルタであってよく、湿式スクラバ等の湿式集塵器であってもよい。また、集塵器26とは別に分級器を集塵器26の上流又は下流に設けてもよい。
【0025】
塩素バイパス設備100は、チャンバ20の下流側が2系統に分岐している。例えば、キルン排ガス中の揮発成分の濃度が増加し、塩素バイパス設備100で回収されるダストが増えた場合又はセメントキルン50を増設した場合に、チャンバ20の下流側を2系統に分岐することによって、塩素バイパス設備100及びセメントクリンカ製造設備200を安定的に運転することができる。
【0026】
図2は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバの例を示す図である。チャンバ20は、ガスが流動可能な内部空間を有する本体部40と、本体部40に接続され、本体部40にガスを導入する2つの導入管30,32と、本体部40に接続され、本体部40で混合されたガスを本体部40から導出する2つの導出管34,38と、本体部40に接続され、抽気ガスから分離されるダストを排出するダスト排出管36と、を有する。
【0027】
本体部40と2つの導入管30,32との接続部には、導入口30A,32Aがそれぞれ形成され、本体部40と2つの導出管34,38との接続部には、導出口34B,38Bがそれぞれ形成されている。本体部40とダスト排出管36との接続には、ダスト排出口36Bが形成されている。すなわち、チャンバ20は、本体部40に、導入口30A,導入口32A、導出口34B、導出口38B及びダスト排出口36Bを有している。
【0028】
導入管30,32を流通してきた抽気ガス60と抽気ガスを冷却する冷却ガス61は、本体部40の面40aに形成された導入口30Aと導入口32Aから本体部40にそれぞれ導入される。本体部40に導入された抽気ガス60と冷却ガス61は本体部40において合流し、混合される。本体部40で流動して混合された混合ガス62は、導出口34B及び導出口38Bから、それぞれ導出管34及び導出管38に導出される。このようにして、抽気ガスと冷却ガスを含む混合ガス62はチャンバ20で分岐される。抽気ガス60に含まれていたダスト65は、ダスト排出口36Bからダスト排出管36によって排出される。
【0029】
導出口34B及び導出口38Bにおける混合ガス62の導出方向d2及びd3は、どちらも、導入口30A及び32Aにおける抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向d0及びd1と異なっている。そのため、導入された抽気ガス60と冷却ガス61は、本体部40内で方向転換する必要がある。方向転換に伴ってこれらのガスの流れが乱れ、ガス同士の混合が促進される。また、導出口34B及び導出口38Bにおける混合ガス62の導出方向d2及び導出方向d3も互いに異なっている。このように混合ガス62同士も互いに導出方向が異なることによって、ガスの短絡流が発生し難くなり、本体部40内のガスの流れが複雑化する。そのため、ガスの方向転換に伴う局所的な流速低下によってダストが失速することでダストが分離し易くなり、ダスト排出管36からのダスト65の回収量を増加することができる。また、ガスの流れの複雑化によってガス同士の混合を促進することができる。これに加えて、本体部40内における混合ガスの流動時間のばらつきが低減され、本体部40での冷却及びダスト65の分離を促進することができる。
【0030】
本開示において、導入口におけるガスの導入方向は、導入管と本体部との接続部における接続角度に依存する。また、導出口におけるガスの導出方向は、導出管と本体部との接続部における接続角度に依存する。例えば、同一面に設けられた2つの導出口において、導出口を覆う仮想面と導出管の中心線との交点における仮想面と中心線とのなす角度が同一である場合、2つの導出方向は同一であり、当該角度が異なっている場合、2つの導出方向は互いに異なっている。同様に、例えば、同一面に設けられた2つの導入口(例えば、
図2の導入口30A,32A)において、導入口を覆う仮想面と導入管30,32の中心線との交点における仮想面と中心線とのなす角度が同一である場合、2つの導入方向は同一であり、当該角度が異なっている場合、2つの導入方向は互いに異なっている。なお、ダスト排出口はガスの導出口とは異なるため、ダスト排出口における排出方向は、特に制限なく設定することが可能である。
【0031】
チャンバ20では、複数の導入口30A,32Aから導入される抽気ガス60,冷却ガス61の導入方向d0,d1に沿って延びる複数の仮想流路VL0,VL1は、複数の導出口34B,38Bのいずれからもずれている。これによって、短絡流が生じることを抑制し、導入口30A,32Aから導入される抽気ガス60,冷却ガス61又はこれらの混合ガス62が本体部40の内壁に衝突し易くなり、混合ガス62の冷却及びダスト65の分離等を効率よく行うことができる。ここで、チャンバ20内で抽気ガスの仮想流路VL0及び冷却ガスの仮想流路VL1が交わるようにガスを導入した場合、抽気ガス60と冷却ガス61が衝突し、ガスの混合及びダストの分離をさらに効率よく行うことができる。
【0032】
本開示における仮想流路とは、本体部の内部空間の一部を占める、ガスの導入口の開口縁から、当該ガスの導入方向に沿って延びる3次元の領域である。導入口が円形である場合、仮想流路は円柱形状となる。また、導入口が四角形である場合、仮想流路は四角柱形状となる。本体部の内部には、この仮想流路を遮断するように、障害物が設けられていてもよい。これによって、ガスの流路を複雑化して、本体部におけるガスの流動時間のばらつきを一層低減することができる。
【0033】
チャンバ20では、複数の導出口34B,38Bは、本体部40の面40b,面40cに形成されている。このように、複数の導出口34B,38Bを互いに異なる面に設けることによって、本体部40の内部空間におけるガスの偏流を一層抑制することができる。これによって、本体部40の内部空間を一層有効活用し、混合ガス62の冷却及びダスト65の分離を一層促進することができる。
【0034】
図3は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバの別の例を示す図である。チャンバ20Aは、ガスが流動可能な内部空間を有する本体部40と、本体部40に接続され、本体部40にガスを導入する2つの導入管31,33と、本体部40に接続され、本体部40で混合された混合ガスを本体部40から導出する2つの導出管35,37と、本体部40に接続され、抽気ガスから分離されるダストを排出するダスト排出管36と、を有する。
【0035】
導入管31,33は、本体部40の内部に挿入された筒体31G,33Gを有する。筒体31G,33Gの先端部には、導入口31A,33Aが設けられている。本体部40と、2つの導出管35,37との接続部には、導出口35B,37Bがそれぞれ形成されている。本体部40とダスト排出管36との接続には、ダスト排出口36Bが形成されている。すなわち、チャンバ20Aは、本体部40に、導入口31A,導入口33A、導出口35B、導出口37B及びダスト排出口36Bを有している。
【0036】
導入管31,33を流通してきた抽気ガス60と抽気ガス60を冷却する冷却ガス61は、筒体31G,33Gの先端部に形成された導入口31Aと導入口33Aから本体部40にそれぞれ導入される。本体部40に導入された抽気ガス60と冷却ガス61は本体部40において合流し、流動して混合される。混合ガス62は、導出口35B及び導出口37Bから、それぞれ導出管35及び導出管37に導出される。このようにして、抽気ガスと冷却ガスを含む混合ガス62はチャンバ20Aで分岐される。抽気ガス60に含まれていたダスト65は、ダスト排出口36Bからダスト排出管36によって排出される。
【0037】
導出口35B及び導出口37Bにおける混合ガスの導出方向d4及び導出方向d5は互いに異なっている。また、導出方向d4及びd5は、どちらも、導入口31A及び33Aにおける抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向d0及びd1とも異なっている。また、導入口31A,33Aから導入される抽気ガス60,冷却ガス61の導入方向d0,d1に沿って延びる複数の仮想流路VL1,VL3は、複数の導出口35B,37Bのいずれからもずれている。
【0038】
チャンバ20Aでは、導入口31A,33Aが、本体部40の内部に挿入された筒体31G,33Gの先端部に設けられている。本体部40の内部に筒体31G,33Gを設けることによって、本体部40内のガスの流動状態を高い自由度で調整することができる。例えば、塩素バイパス設備100の設計当初と比較して、抽気ガス60におけるダスト濃度、又は流量が大幅に変わった場合に、チャンバ20A自体を交換せずに、本体部40の内部に挿入する筒体の長さや形状を変えることによって、本体部40内のガスの流動状態を高い自由度で調整することが可能となる。
【0039】
本体部40の内部に挿入される筒体の形状は直管に限定されず、曲がっていたり、絞り部を有したりしてもよい。また、チャンバ20Aでは、導入口31A,33Aの両方が本体部40の内部に挿入された筒体31G,33Gの先端部に設けられているが、どちらか一方のみが本体部40の内部に挿入された筒体の先端部に設けられていてもよい。また、導出口35B,37Bの少なくとも一方が、本体部40の内部に挿入された筒体の先端部に設けられてもよい。この場合も、筒体の先端部における導出口35B,37Bでの混合ガス62の導出方向d4、d5は互いに異なる。また、混合ガス62の導出方向d4、d5は、抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向d0、d1とも異なる。
【0040】
図4は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバのさらに別の例を示す図である。チャンバ20Bは、ガスが流動可能な内部空間を有する本体部40と、本体部40に接続され、本体部40にガスを導入する2つの導入管41,42と、本体部40に接続され、本体部40で混合された混合ガスを本体部40から導出する2つの導出管44,46とを有する。本例のチャンバ20Bはダストを排出するダスト排出管36を有していない。この場合、ダストは、例えば、導出管44,46から混合ガスとともに導出され、チャンバ20Bよりも下流側の集塵器26で回収されてよい。
【0041】
図4には、導入口41A,42Aから導入される抽気ガス60,冷却ガス61の導入方向d
0,d
6に沿って延びる仮想流路は図示していないが、これらの仮想流路は、導出口44B,46Bのいずれからもずれている。
【0042】
導出口44B及び導出口46Bにおける混合ガスの導出方向d2及び導出方向d7は互いに異なっている。また、導出方向d2及びd7は、どちらも、導入口41A及び42Aにおける抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向d0及びd6とも異なっている。また、抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向d0及びd6も互いに異なっている。このように、抽気ガス60及び冷却ガス61の導入方向が互いに異なることによって、抽気ガス60と冷却ガス61とが一層均一に混合される。これによって、導出口44B,46Bから導出される混合ガスの性状及び温度のばらつきを一層低減することができる。
【0043】
チャンバ20Bでは、抽気ガス60を導入する導入口41Aが本体部40の面40aに、冷却ガス61を導入する導入口42Aが本体部40の面40dに、それぞれ設けられている。このように、互いに異なる性状又は温度を有するガスを、複数の導入口から導入する場合、複数の導入口の少なくとも2つは、面40aと面40dのように、本体部における対向面に設けられることが好ましい。これによって、導入されるガス同士が衝突しやすくなるため、一層均一に混合することができる。また、複数の導入口の少なくとも2つの仮想流路は、互いに重なるようにしてもよい。これによって、導入されるガス同士をさらに衝突しやすくすることができる。
【0044】
チャンバ20Bでは、導出口44B,46Bが、導入口41A,42Aが設けられている面40a,面40dとは異なる面40b,面40cに設けられている。このように、複数の導出口を、導入口が設けられている面とは異なる面に設けることによって、本体部40の内部におけるガスの偏流を一層抑制することができる。また、複数の導出口を本体部の互いに異なる面に設けること、及び/又は、複数の導入口を本体部の互いに異なる面に設けることによって、本体部40の内部におけるガスの偏流を一層抑制することができる。
【0045】
図4では、ダストを排出するダスト排出管を有していないが、別の変形例では、ダスト排出管を接続してもよい。この場合、ダスト排出管を本体部40の面40eに接続し、ダスト排出口を面40eに設けることが好ましい。これによって、対向する導入口41A,42Aから導入された抽気ガス60,冷却ガス61が衝突することによって慣性力を失ったダストを円滑に排出することができる。抽気ガスに含むダストを円滑に排出し、導出される混合ガス62にダストが同伴することを抑制する観点から、導出口44B,46Bは、ダスト排出口が設けられる面40eとは異なる面(
図4のように面40b,面40c)に設けることが好ましい。
【0046】
上述のチャンバの例は、複数の導出口が、いずれも本体部40の異なる面に設けられていたが、これに限定されない。例えば、複数の導出口の少なくとも2つが、
図5に示すように、本体部40の同じ面40fに形成されていてもよい。この場合、2つの導出口48B,49Bを覆う仮想面48a,49aと、本体部40に接続され、導出口48B,49Bを形成する導出管48,49の中心線との交点における、仮想面と中心線とのなす角度θ
1,θ
2が互いに異なっていればよい。これによって、導出口48Bと導出口49Bにおけるガスの導出方向d
8,d
9は互いに異なることとなる。ここで、導出口48B,49Bの間隔が大きくなる程、本体部40内でガスの流れが乱れやすくなる。これによって、ガス同士の混合及びダストの分離がさらに促進される。なお、面40fは、短絡流を十分に抑制する観点から、導入口が設けられる面と対向する対向面以外の面であることが好ましい。
【0047】
図6は、チャンバの本体部の内部に設けられる障害物の例を示す正面図である。チャンバ20,20A,20Bの本体部40の内部には、
図6の(A)及び(B)に示されるように、障害物として邪魔板70A又は70Bを設けてもよい。これによって、導入される抽気ガス60と冷却ガス61の混合を促進したり、抽気ガス60又は混合ガス62からのダストの分離を促進したりすることができる。邪魔板70A及び邪魔板70Bはそれぞれ、四角形の外形を有するとともに、複数の貫通孔73を有する。このような貫通孔73を有することによって、本体部40において抽気ガス60と冷却ガス61の分岐と合流を繰り返し、2つのガスの混合を促進させることができる。貫通孔73は、導入口から導入されるガスの仮想流路VLと重ならないように設けることが好ましい。これによって、導入されるガスの短絡流を十分に抑制することができる。障害物の形状は、板状に限定されず、柱状部材、回転翼を有する回転部材であってもよい。
【0048】
図8は、比較例のチャンバを示す図である。チャンバ120は、ガスが流動可能な内部空間を有する本体部140と、本体部140に接続され、本体部140に抽気ガス60を導入する導入管130と、本体部140に接続され、本体部140から抽気ガス63,64を導出する導出管132,134と、本体部140に接続され、抽気ガス60から分離されるダストを排出するダスト排出管136と、を有する。
【0049】
本体部140と導入管130との接続部には、導入口130Aが形成され、本体部140と2つの導出管132,134との接続部には、導出口132B,134Bがそれぞれ形成されている。本体部140とダスト排出管136との接続には、ダスト排出口136Bが形成されている。
【0050】
導出口132B及び導出口134Bにおける抽気ガス63,64の導出方向d
2及び導出方向d
9は互いに異なっている。しかしながら、導出方向d
9は、導入口130Aにおける抽気ガス60の導入方向d
0と同じである(
図3における右方向)。このようなチャンバ120では、導入口130Aから導入された抽気ガス60が、そのまま導出口132Bから導出される短絡流となる可能性が極めて高い。したがって、本体部140内で抽気ガス60の偏流が発生し、導出口132Bから導出される抽気ガス63と、導出口134Bから導出される抽気ガス64のダスト量が大きく異なることとなる。また、本体部140内での抽気ガス60の偏流度合は、導入口130Aから導入される抽気ガス60の流量に大きく依存する。このため、抽気ガス60の流量に応じて、導出口132Bから導出される抽気ガス63と、導出口134Bから導出される抽気ガス64のダスト量の差が変動することとなる。このため、塩素バイパスを安定的に運転することが困難となる。また、冷却ガスを導入する場合には、抽気ガス63と抽気ガス64の温度差の変動が顕著となる。
【0051】
図7は、一実施形態に係るセメントクリンカ製造設備を示す図である。セメントクリンカ製造設備200は、セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼部70と、予熱及び仮焼されたセメント原料を焼成してセメントクリンカを得るセメントキルン50と、セメントキルン50で得られたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラ80と、塩素バイパス設備100を備える。予熱仮焼部70は、4つのサイクロンC1,C2,C3,C4(プレヒータ)と仮焼炉72とを有する。
【0052】
セメントキルン50の窯尻52と予熱仮焼部70の仮焼炉72とは、ライジングダクト51で接続されている。ライジングダクト51と窯尻52の接続部には、セメントキルン50で発生するキルン排ガスを抽気して、キルン排ガスに含まれるダストを回収する塩素バイパス設備100の抽気管12が接続されている。抽気管12には、その周面の周方向に沿うように冷却ガスを導入する冷却ガス導入部10が接続されている。セメントクリンカ製造設備200は、塩素バイパス設備100を備えることによって、セメントクリンカ製造設備200内の揮発成分を低減することができる。
【0053】
サイクロンC1とサイクロンC2との接続部から導入されるセメント原料は、サイクロンC1、サイクロンC2、サイクロンC3、ライジングダクト51、仮焼炉72、及びサイクロンC4を流通してセメントキルン50の窯尻52に導入される。セメントキルン50では、予熱及び仮焼されたセメント原料が、窯尻52とは反対側に設けられたバーナ54の燃焼によって加熱されセメントクリンカとなる。得られたセメントクリンカは、クリンカクーラ80で冷却される。クリンカクーラ80によって冷却された後、セメントクリンカが得られる。
【0054】
セメントクリンカ製造設備200の塩素バイパス設備100は、チャンバ20を有する。チャンバ20は、抽気管12から導入される抽気ガスと導入ファン15からの冷却ガスとを混合し、混合ガスを2つに分岐する。チャンバ20で分岐された混合ガスは、それぞれ、熱交換器25及び集塵器26を順次流通する。チャンバ20では、混合ガスに含まれるダストを分離してよい。混合ガスに含まれる残りのダストは集塵器26で回収される。
【0055】
塩素バイパス設備100は、チャンバ20から導出される混合ガスの性状及び温度の変動が抑制されていることから、安定的に運転することができる。このような塩素バイパス設備100を備えるセメントクリンカ製造設備200も、安定的に運転することができる。なお、本実施形態では、塩素バイパス設備100がチャンバ20を有しているが、チャンバ20の代わりに、チャンバ20A(20B)又はこれらの変形例を有していてもよい。或いは、ライジングダクト51又は窯尻52に2つの抽気管12を接続し、チャンバにおいて、2つの抽気ガスと冷却ガスとを混合し混合ガスを分岐するようにしてもよい。或いは、セメントキルン50を2系統以上設けて、それぞれのキルン排ガスを抽気する抽気管12からの抽気ガスをいずれかのチャンバに導入して、2つ以上の抽気ガス同士、又は、2つ以上の抽気ガスと冷却ガスとを混合し、分岐してもよい。
【0056】
一実施形態に係るセメントクリンカの製造方法は、セメントクリンカ製造設備200を用いて行うことができる。この製造方法は、予熱仮焼部70でセメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、予熱及び仮焼されたセメント原料を、窯尻52からセメントキルン50に導入し、セメントクリンカを製造する焼成工程と、焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を塩素バイパス設備100でダストとして回収する回収工程と、を有する。また、焼成工程で得られたセメントクリンカを、クリンカクーラ80で冷却するクリンカ冷却工程を有してよい。
【0057】
予熱仮焼工程では、セメント原料がサイクロンC1とサイクロンC2の間の流路から導入される。セメント原料は、サイクロンC1、サイクロンC2及びサイクロンC3を流通して予熱される。その後、ライジングダクト51を経由して仮焼炉72に導入され、仮焼される。仮焼炉72には、石炭等の燃料を燃焼するバーナが設けられていてよい。仮焼炉72で仮焼されたセメント原料(仮焼原料)は、サイクロンC4に導入され加熱される。
【0058】
焼成工程では、サイクロンC4で加熱された仮焼原料が窯尻52に導入される。その後、セメントキルン50において焼成されセメントクリンカとなる。回収工程では、抽気管12において、キルン排ガスと冷却ガスとを混合して抽気ガスとする。この抽気ガスをチャンバ20に導入し、冷却ガスと混合する。また、チャンバ20では、抽気ガスに含まれるダストを回収する。このダストが原料ダストを含む場合、セメント原料として用いてもよい。
【0059】
チャンバ20では、ダストが除去された混合ガスを2つに分岐する。分岐された混合ガスは、2つの熱交換器25でそれぞれ冷却される。冷却に伴って生じるダストを含む抽気ガスは、それぞれの熱交換器25の下流側に接続された集塵器26に導入され、ダストが塩素バイパスダストとして回収される。このように回収工程でチャンバ20を用いていることから、チャンバ20で分岐された混合ガス(抽気ガス)の温度及び性状の変動を抑制できる。したがって、複数系統ある熱交換器25及び集塵器26の負荷変動が抑制され、各工程を安定的に運転することができる。
【0060】
上述の塩素バイパス設備100及びセメントクリンカ製造設備200に関する説明内容は、上記製造方法にも適用される。
【0061】
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、各実施形態及び各変形例の各構成を組み合わせてもよいし、入れ替えてもよい。チャンバの本体部の形状は、立方体又は直方体の形状に限定されず、例えば、円柱状、五角柱状、四角錐状、又はこれらを変形した形状であってよい。また、ダスト排出部は、本体部の下部に形成された下方に向かって細くなるすり鉢状部分の下端に設けられてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本開示によれば、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能なチャンバを提供することができる。また、そのようなチャンバを備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を提供することができる。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0063】
10…冷却ガス導入部、12…抽気管、14,15…導入ファン、20…チャンバ、25…熱交換器、26…集塵器、28…吸引ファン、30,31,32,33,41,42…導入管、30A,31A,32A,33A,41A,42A…導入口、31G,33G…筒体、34,35,37,38,44,46,48,49…導出管、34B,35B,37B,38B,44B,46B,48B,49B…導出口、36…ダスト排出管、36B…ダスト排出口、40…本体部、40a,40b,40c,40d,40e,40f…面、48a,49a…仮想面、50…セメントキルン、51…ライジングダクト、52…窯尻、54…バーナ、60…抽気ガス、61…冷却ガス、62…混合ガス、63,64…抽気ガス、65…ダスト、70…予熱仮焼部、70A…邪魔板、70B…邪魔板、72…仮焼炉、73…貫通孔、80…クリンカクーラ、100…塩素バイパス設備、120…チャンバ、130…導入管、130A…導入口、132,134…導出管、132B,134B…導出口、134B…導出口、136…ダスト排出管、136B…ダスト排出口、140…本体部、200…セメントクリンカ製造設備、C1,C2,C3,C4…サイクロン。