(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-11
(45)【発行日】2024-04-19
(54)【発明の名称】組織修復デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/04 20060101AFI20240412BHJP
【FI】
A61B17/04
(21)【出願番号】P 2020563992
(86)(22)【出願日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 US2019032557
(87)【国際公開番号】W WO2019222439
(87)【国際公開日】2019-11-21
【審査請求日】2022-03-16
(32)【優先日】2018-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032219
【氏名又は名称】スミス アンド ネフュー インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】510059882
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・オルソペディクス・アーゲー
(73)【特許権者】
【識別番号】519295384
【氏名又は名称】スミス・アンド・ネフュー・アジア・パシフィク・ピーティーイー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】サンタンジェロ、ステファン エー.
(72)【発明者】
【氏名】オリリー、アンソニー
(72)【発明者】
【氏名】カンニングハム、マシュー ディー.
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5507754(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0148828(US,A1)
【文献】特表2012-510829(JP,A)
【文献】特開平6-014876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 ― 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織修復システムであって、
組織修復デバイスであって、前記組織修復デバイスが、
近位端、遠位端、および長手方向軸を有する基部、
前記基部の前記長手方向軸に沿って前記基部に対して移動可能な線形アクチュエータ、
前記基部に対する前記線形アクチュエータの往復の近位および遠位移動によって、前記基部に沿った別々の位置の間で前記基部の前記長手方向軸に沿って、前記基部に対して前記線形アクチュエータによって遠位に移動するように、前記線形アクチュエータと選択的に係合可能なプッシュ機構であって、各往復の近位および遠位移動が、前記基部に沿った前記プッシュ機構の前記別々の位置に比例する別々の位置において、前記線形アクチュエータの構成要素および前記プッシュ機構の構成要素を係合する、プッシュ機構、ならびに
前記基部の前記遠位端に連結され、かつ前記プッシュ機構が前記基部の前記長手方向軸に沿って前記基部に対して遠位に移動するときに前記プッシュ機構の遠位部分が通って遠位に移動する針、を備える、組織修復デバイスと、
前記針の中に予め位置付けられる一組のインプラントおよび縫合糸であって、
組織を修復するために使用される縫合糸を固定するための2つ以上の対のインプラント、および
2つ以上の縫合糸であって、前記縫合糸のうちの1つ以上が、前記2つ以上の対のインプラントの1つ以上のそれぞれの対の間に連結されている、2つ以上の縫合糸と、を備える、一組のインプラントおよび縫合糸と、を備え、
前記縫合糸のうちの1つ以上を一対のインプラントに連結することが、前記縫合糸の近位自由端を引っ張ることにより、前記インプラント間の縫合糸の長さをきつく締めるように、前記縫合糸を両方のインプラントに通すことを含み、
キーパーが、前記基部と前記プッシュ機構との間に連結され、前記基部に対する前記プッシュ機構の遠位移動を可能にするが、前記基部に対する前記プッシュ機構の近位移動を制限し、
前記キーパーが前記基部の近位方向に延在して
おり、
当該組織修復システムが、それぞれの対のインプラント間に連結された前記2つ以上の縫合糸のうちの1つを、各領域内でそれぞれ取り付けるために、3つ以上の別々の領域を有する、縫合糸管理部材をさらに備え、
前記縫合糸管理部材が、縫合糸が一緒に通り得る外壁に沿ってスロットを有する二重壁チューブである、組織修復システム。
【請求項2】
前記基部が、前記基部の前記近位端付近に固定されたハンドルを含む、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項3】
前記線形アクチュエータが、前記ハンドルと前記基部の別の部分との間の空間において前記ハンドルの下で移動可能である、請求項2に記載の組織修復システム。
【請求項4】
前記基部と前記プッシュ機構との間に連結された前記キーパーが、前記基部の一部である、請求項1から3のいずれか1項に記載の組織修復システム。
【請求項5】
前記キーパーが、横方向に屈曲して、前記基部に対する前記プッシュ機構の遠位移動を可能にするように構成され、前記プッシュ機構の歯と連結して、前記基部に対する前記プッシュ機構の近位移動を制限するように構成されたフックを含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の組織修復システム。
【請求項6】
前記線形アクチュエータが、前記基部に対して遠位にユーザによって押されるように構成された前記線形アクチュエータの中央部分から離れて延在するフランジを有する、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項7】
前記線形アクチュエータが、前記基部に対して近位にばね付勢されている、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項8】
前記プッシュ機構が、前記針の中を通り、縫合糸を固定するためにインプラントに接触するようにサイズ決定されたプッシュロッドを、その遠位端に含み、前記プッシュ機構が、前記基部に沿った前記プッシュ機構の前記別々の位置と相関する間隔を有する歯を、その近位端に含み、前記歯が、前記線形アクチュエータのドライバーによって係合されるように構成されている、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項9】
前記歯の一部が、前記基部に連結された前記キーパーを係合するようにも構成されている、請求項8に記載の組織修復システム。
【請求項10】
前記歯が円錐台状部分を含み、かつ平坦な近位端を有し、前記歯が、前記プッシュ機構の中央シャフトに沿って連続的に位置する、請求項8に記載の組織修復システム。
【請求項11】
前記線形アクチュエータの前記ドライバーが、前記線形アクチュエータが前記基部に対して近位に移動するとき、横方向に屈曲して、前記プッシュ機構に対する前記ドライバーの近位移動を可能にするように構成され、前記ドライバーが、前記線形アクチュエータが前記基部に対して遠位に移動するとき、前記プッシュ機構の前記歯と係合して、前記プッシュ機構を遠位に移動させる、請求項8に記載の組織修復システム。
【請求項12】
前記プッシュ機構が、前記基部に対する前記線形アクチュエータの往復の近位および遠位移動によって、前記基部に沿った少なくとも3つの別々の位置へと前記基部の前記長手方向軸に沿って、前記基部に対して前記線形アクチュエータによって遠位に移動するように、前記線形アクチュエータと選択的に係合可能である、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項13】
前記基部に対してより遠位の別個の位置に前記プッシュ機構を移動させる前記線形アクチュエータの各遠位移動が、前記針の前記遠位端からインプラントを押し出すように、前記プッシュ機構がサイズ決定されている、請求項1に記載の組織修復システム。
【請求項14】
深さチューブの遠位端が前記基部の前記遠位端により近く、かつ前記基部の前記遠位端からさらに遠く位置付けられることを選択的に可能にするように構成された深さ調整機構によって、前記基部に連結された前記深さチューブをさらに備える、請求項1に記載の組織修復システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年5月17日に出願された米国特許仮出願第62/672,795号の利益を主張する。
【0002】
本発明は、概して、組織縫合器具および方法の分野に関し、より具体的には、器具を繰り返し作動させることによって同一デバイスからインプラントを連続して展開することができる組織修復システムに関する。いくつかの実施形態は特に、同一の器具から複数の対のインプラントを展開することを対象とする。
【背景技術】
【0003】
現在使用されている「オールインサイド(All-Inside)」半月板修理器具などの組織修復器具は、結節縫合によって接続された2つの展開可能なより大きいインプラント(一組)を含む針を有する挿入デバイスを含み得る。現在の解決策は典型的には、各インプラントを個々に展開するために1つ以上のプッシュ作動構成要素を含むインプラント展開機構を使用する。一部の先行技術のシステムは、2つの別々のインプラントを展開するために連続的に展開される2つの別々作動部材を含む。一部の先行技術のシステムは、第1のインプラントを展開し、次いで、第2のインプラントを連続して展開するために格納される、単一の作動部材を使用する。
【0004】
単一組織修復デバイスで1つのインプラントまたは複数組のインプラントを連続して展開することが可能である組織修復システムを提供することが有利である。また、組織修復デバイス内で、予め取り付けられた縫合糸と、単独でまたは複合的にグループ分けされたインプラントを予め位置付けることも有利である。改善されたデバイスはまた、組織修復デバイスの線形アクチュエータ上で各別個の循環で単一のデバイスを展開するように動作可能であってもよい。一部の改善されたデバイスはまた、システムで使用され得る複数の予め位置付けられた縫合糸を分離および保護する縫合糸管理構成要素も含み得る。また、一部の既存のインプラントよりも小さい直径および低いプロファイルを有するインプラントを提供することも有利であり得る。改善されたインプラントはまた、回転防止特徴も含み得る。
【発明の概要】
【0005】
本発明の一実施形態は、近位端、遠位端、および長手方向軸を有する基部と、基部の長手方向軸に沿って基部に対して移動可能な線形アクチュエータと、プッシュ機構と、針とを含む、組織修復デバイスである。プッシュ機構は、基部に対する線形アクチュエータの往復の近位および遠位移動によって、基部に沿った少なくとも3つの別々の位置へと基部の長手方向軸に沿って、基部に対して線形アクチュエータによって遠位に移動するように、線形アクチュエータと選択的に係合可能であり得る。各往復の近位および遠位移動は、基部に沿ったプッシュ機構の少なくとも3つの別々の位置に比例する別々の位置で、線形アクチュエータの構成要素およびプッシュ機構の構成要素を係合し得る。針は、基部の遠位端に連結され得る。プッシュ機構の遠位部分は、プッシュ機構が基部の長手方向軸に沿って基部に対して遠位に移動するときに遠位に移動するように構成され得る。
【0006】
本発明の別の実施形態は、組織修復デバイスと、一組のインプラントおよび縫合糸とを有する、組織修復システムである。組織修復デバイスは、近位端、遠位端、および長手方向軸を有する基部と、基部に対する線形アクチュエータの往復の近位および遠位移動によって、基部に沿った別々の位置間で基部の長手方向軸に沿って、基部に対して線形アクチュエータによって遠位に移動するように、線形アクチュエータと選択的に係合可能なプッシュ機構とを含んでもよい。各往復の近位および遠位移動は、基部に沿ったプッシュ機構の別々の位置に比例する別々の位置で、線形アクチュエータの構成要素およびプッシュ機構の構成要素を係合し得る。針は、基部の遠位端に結合されてもよく、プッシュ機構の遠位部分は、プッシュ機構が基部の長手方向軸に沿って基部に対して遠位に移動するときに針を通って遠位に移動してもよい。いくつかの実施形態のインプラントおよび縫合糸の組は、針の中に予め位置付けられ、組織の修復に使用される縫合糸を固定するための2つ以上の対のインプラントと、2つ以上の縫合糸とを含む。縫合糸のうちの1つ以上は、2つ以上の対のインプラントの1つ以上のそれぞれの対の間に連結され得る。縫合糸のうちの1つ以上を一対のインプラントに連結することは、縫合糸の近位自由端を引っ張ることにより、インプラント間の縫合糸の長さをきつく締めるように、前記縫合糸を両方のインプラントに通すことを含んでもよい。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態は、組織を縫合する方法である。方法は、第1の位置で縫合される組織を測定することと、測定に基づいて組織を貫通するように組織修復デバイスの針の深さを設定することとを含んでもよい。次いで、針は、縫合される組織を通して挿入され得る。方法の実施形態はまた、組織修復デバイスの他の部分に対して遠位に組織修復デバイスのアクチュエータを移動させて、針の遠位端から出る縫合糸に連結された第1のインプラントを移動させるように構成されたプッシュ機構を係合することと、アクチュエータが再び遠位に移動するとき、プッシュ機構が組織修復デバイスから別のインプラントに移動するための位置にあるように、アクチュエータが、組織修復デバイスの他の構成要素に対して近位に移動し、それによりアクチュエータをプッシュ機構に対して近位に移動させることを可能にすることとを含んでもよい。次いで、連結された縫合糸を有するインプラントが、組織を修復するために使用されてもよい。
【0008】
本発明のさらに別の実施形態は、複数のインプラントの組を選択的に展開するために組織修復システムを準備する方法である。方法の実施形態は、プッシュ機構を組織修復デバイスの基部内に配置することを含んでもよく、プッシュ機構は、基部に連結されたキーパーのフックと係合可能である複数の歯をその長さに沿って含み、これにより、プッシュ機構は、基部に対して遠位に移動し得るが、プッシュ機構の移動は、フックをプッシュ機構の各歯と係合することによって、基部に対して近位に制限される。線形アクチュエータが基部に対して遠位に移動するとき、プッシュ機構の歯はまた、プッシュ機構を遠位に移動するために、基部に摺動可能に連結された線形アクチュエータのドライバーと係合可能であってもよいが、ドライバーは、歯から係合解除して、プッシュ機構に対する線形アクチュエータの近位移動を可能にする。方法の実施形態はまた、一対のインプラント当たり少なくとも1つの縫合糸を用いて、縫合糸を固定するための2つ以上の対のインプラントを接続することと、組織を貫通することが可能な針の中に2つ以上の対のインプラントを配置することとを含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】明確にするために縫合糸が取り除かれた、
図1に示される組織修復システムの断面図である。
【
図3】
図1の組織修復システムの組織修復デバイスの基部構成要素の斜視図である。
【
図4】
図3に示される基部構成要素の断面図である。
【
図5】
図1の組織修復システムの組織修復デバイスの線形アクチュエータ構成要素の斜視図である。
【
図6】
図1の組織修復システムの組織修復デバイスの基部構成要素、線形アクチュエータ、およびハンドルの斜視図である。
【
図7】
図6に示される基部構成要素、線形アクチュエータ、およびハンドルの断面図である。
【
図8】
図1の組織修復システムの組織修復デバイスの深さ調整機構および他の中央遠位構成要素の斜視図である。
【
図9】明確にするために縫合糸が取り除かれた、遠い遠位の視点からの
図1の組織修復システムの斜視図である。
【
図10】
図1の組織修復システムのプッシュ機構、針、シース、およびインプラントの斜視図である。
【
図11】
図1の組織修復システムのプッシュ機構およびインプラントの斜視図である。
【
図12】
図11に示されるプッシュ機構の近位端の拡大斜視図である。
【
図13】器具作動前の
図1に示される組織修復システムの近位部分の断面図である。
【
図14】器具作動前の
図1に示される組織修復システムの遠位部分の斜視図である。
【
図15】器具作動前の縫合糸を有する針およびインプラントを示す、
図1に示される組織修復システムの遠位部分の斜視図である。
【
図16】器具作動前の針およびインプラントを示す、
図15に示される組織修復システムの遠位部分の底面斜視図である。
【
図17】器具作動前の、かつ明確にするために縫合糸を省略した、
図1に示される組織修復システムの遠位部分の側面図である。
【
図18】作用矢印によって示されるような、器具作動後の
図13に示される組織修復システムの近位部分の断面図である。
【
図19】
図18に示される器具作動後の、かつ明確にするために縫合糸を省略した、
図1に示される組織修復システムの遠位部分の側面図である。
【
図20】作用矢印によって示されるように、基部と線形アクチュエータとの間のばね力の応答によって引き起こされ、それにより器具作動の完全なサイクルを完了する追加の器具作動後の、
図13に示される組織修復システムの近位部分の断面図である。
【
図21】追加の器具作動後の、かつ縫合糸の図を含む、
図1に示される組織修復システムの遠位部分の側面図である。
【
図22】縫合糸を有する針および代替インプラントの断面図である。
【
図23】断面図、側面図、および側面底面図を示す、
図22に示される代替インプラントおよび縫合糸の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の一実施形態は、組織修復デバイス100と、一組のインプラント200および縫合糸300(縫合糸301、302、303)とを含む、組織修復システム1である。
図1~23に全部または一部が示される組織修復デバイス100は、近位端111、遠位端112、および長手方向軸113(
図3および4)を有する基部110を有する。示される基部110は、示される実施例において基部110を形成するために一緒に連結するように構成された近位セグメント1111および遠位セグメント1112の2つの構成要素から構成される。他の実施形態では、基部構成要素は、一体構成要素から作製され得るか、またはさらに他の実施形態では、さらに分割され得る。
図3および
図4に示される基部110は、フック115を有するキーパー114を有し、その機能は以下にさらに記載される。基部110はまた、基部110の近位端111付近で固定可能なハンドル180(
図1、2、6、7、13、18、および20)を含んでもよい。ハンドル180は、ユーザにとって快適かつ人間工学的な把持表面を提供し得、組織修復デバイスの他の構成要素が存在および動作し得る追加の空間または空洞を提供し得る。
【0011】
示される組織修復デバイス100はまた、基部110の長手方向軸113に沿って基部110に対して移動可能な線形アクチュエータ120を含む。
図5~
図7に示されるように、線形アクチュエータ120は、基部110に対して遠位にユーザによって押されるように構成された、線形アクチュエータ120の中央部分から離れて延在するフランジ122を有する。示される実施形態では、線形アクチュエータ120は、ばね119(
図3、4、7、13、18、および20)によって基部110に対して近位にばね付勢されている。他の実施形態は、異なる機構によって付勢されてもよく、または基部に対して近位に線形アクチュエータを移動させるために、追加のユーザによって加えられる力を必要としてもよい。示される実施形態では、線形アクチュエータ120は、
図7で最も容易に見られるように、ハンドル180と基部110の部分との間の空間においてハンドル180の下で移動可能である。
【0012】
組織修復システム1の組織修復デバイスは、
図2、10~13、18、および20に示されるように、プッシュ機構130も含んでもよい。示されるプッシュ機構130は、基部110に対する線形アクチュエータ120の往復の近位および遠位移動によって、基部110に沿った別々の位置の間で基部110の長手方向軸113に沿って、基部110に対して線形アクチュエータ120によって遠位に移動するように、線形アクチュエータ120と選択的に係合可能である。いくつかの実施形態では、基部110に対する線形アクチュエータ120の各往復の近位および遠位移動は、基部110に沿ったプッシュ機構130の別々の位置に比例する別々の位置で、線形アクチュエータの構成要素およびプッシュ機構130の構成要素を係合する。いくつかの実施形態では、プッシュ機構を移動させることが可能な線形アクチュエータとプッシュ機構との間の係合は、組織修復デバイスによって挿入されるインプラントのサイズと適合された別々の位置でのみ起こり得る。
図3および
図4に示される基部110は、基部110とプッシュ機構130との間に位置するキーパー114およびフック115を含む。キーパー114およびフック115は集合的に、基部110に対するプッシュ機構130の遠位移動を可能にするが、基部110に対するプッシュ機構130の近位移動を制限する。示される実施形態では、この機能は、基部110に連結されているキーパー114が、基部110の長手方向軸113から横方向に離れて屈曲して、基部110に対するプッシュ機構130の遠位移動を可能にするように構成された結果である。特に、プッシュ機構130の歯135の傾斜遠位部分は、プッシュ機構130が基部110に対して遠位に移動するとき、キーパー114の傾斜近位部分に接触し、基部110の長手方向軸113から横方向に離れてキーパー114を動かす。しかしながら、プッシュ機構130が基部110に対して近位に押されたとき、フック115は、プッシュ機構130の歯135の遠位面と係合して、基部110に対するプッシュ機構130の近位移動を制限する。この配置の結果的な移動は、基部110に対するプッシュ機構130の遠位移動の近位のラチェッティングである。示される実施形態では、キーパー114は、基部110の一部であり、プッシュ機構は、キーパー114と係合するための歯135を含む。他の実施形態では、歯は、基部構成要素上に位置してもよく、プッシュ機構は、歯を係合し、かつ基部から離れて屈曲するように構成された構成要素を含んでもよい。
【0013】
示される組織修復デバイス100は、基部110の遠位端112に連結され、かつプッシュ機構130が基部110の長手方向軸113に沿って基部110に対して遠位に移動するときにプッシュ機構130の遠位部分が通って遠位に移動する針150を含む。
図14~17により具体的に示されるように、針150は、組織修復デバイスのユーザが、針150の貫通の深さおよび縫合糸管理部材170に対する針の位置を決定するのを補助するために、針150の遠い遠位端から印157までの深さを示す印157を含む。針150は、直線の針として示され、面取りした鋭い端部を含む。他の実施形態は、曲線である針、または2つ以上の曲線または直線セクションを有する針を含んでもよい。いくつかの実施形態は、異なるタイプの鋭い端部を有してもよく、または鋭くなくてもよい。示される組織修復デバイスはまた、針150およびインプラント200の一部または全部が中に位置付けられ得るシース160を含む(
図2および
図8~10)。
【0014】
図10~12に最も明確に示されるように、プッシュ機構130は、その遠位端において、針150の中を通り、縫合糸301、302、303を固定するためのインプラントの組200の1つのインプラントに接触するようにサイズ決定されたプッシュロッド131を含む。示される実施形態では、プッシュロッド131は、組織修復デバイス100の長さの大部分に沿って延在し、歯135の中央支持シャフトでもある。示される歯135は、プッシュ機構130の近位端付近にあり、かつ基部110に沿ったまたは基部110に対するプッシュ機構130の別々の位置と相関する間隔を有する。示される実施形態の歯135は、線形アクチュエータ120のドライバー125によって係合されるようにも構成されている。いくつかの実施形態は、歯と係合可能なドライバーではなくキーパーを含み得て、他の実施形態は、歯と係合可能なキーパーではなくドライバーを有し得て、示される実施形態と同様に、同じ組の歯と係合可能であるドライバーおよびキーパーを有し得る。示される歯135の各々は、円錐台状部分を含み、平坦な近位端を有し、プッシュ機構130の中央保持シャフト(プッシュロッド131)に沿って連続的に位置する。
【0015】
線形アクチュエータ120のドライバー125は、線形アクチュエータ120が基部110に対して近位に移動するとき、横方向に屈曲して、プッシュ機構130に対するドライバー125の近位移動を可能にするように構成されている。さらに、ドライバー125は、線形アクチュエータ120が基部110に対して遠位に移動するとき、プッシュ機構130の歯135と係合して、プッシュ機構130を遠位に移動させる。このように、プッシュ機構130は、基部110に対する線形アクチュエータ120の往復の近位および遠位移動によって、基部110に沿った少なくとも3つの別々の位置へと基部110の長手方向軸113に沿って、基部110に対して線形アクチュエータ120によって遠位に移動するように、線形アクチュエータ120と選択的に係合可能である。プッシュ機構130は、歯135の10個の平坦な近位端を含み、そのうち7つは、ドライバー135によって係合され得、ドライバー135は、示される実施形態では、基部110に沿って7つの別々の位置の可能性を画定する。
【0016】
示される組織修復デバイス100はまた、組織修復デバイス100を用いた外科手術を実施するとき、インプラントと共に、または縫い合わせのために使用され得る1つ以上の縫合糸を、各領域内でそれぞれ取り付けるための、3つ以上の別々の領域173を有する、縫合糸管理部材170(
図2、8、9、14、17、19、および21)も含む。縫合糸管理部材170は、縫合糸が一緒に通り得る外壁に沿ってスロットを有する二重壁チューブである。他の実施形態は、縫合糸管理部材の中に、または縫合糸管理部材に沿って別々の領域を形成する他の構造を含んでもよい。
【0017】
組織修復デバイス100はまた、
図8に示されるように、深さ調整機構165によって基部に連結された深さチューブを含んでもよい。この実施形態では、深さチューブは、縫合糸管理部材170でもあるが、他の実施形態では、別個のチューブであってもよい。深さ調整機構165は、深さチューブ(縫合糸管理部材170)の遠位端が、基部110の遠位端112により近く、かつ基部110の遠位端112からさらに遠く位置付けられることを選択的に可能にするように構成されている。この実施形態では、示される深さチューブ(縫合糸管理部材170)は、深さチューブ(縫合糸管理部材170)の遠位端が基部110の遠位端113により近く、かつ基部110の遠位端113からさらに遠くに位置付けられることを選択的に可能にするように構成された深さ調整機構165(
図2および8)によって、その近位端(
図2)付近で基部110に連結されている。例えば、限定されないが、いくつかの実施形態の深さチューブ(縫合糸管理部材170)は、10~20mmの調整距離に沿って調整可能である。他の実施形態は、それぞれの縫合糸通し器の針によって貫通される組織のサイズ、および針によって貫通される組織の潜在的な変動性に応じて、より多いまたは少ない調整を含み得る。針150が基部110の遠位端113に対して固定されたとき、基部100の遠位端113に対する深さチューブ(縫合糸管理部材170)の調整は、針150に対する深さチューブ(縫合糸管理部材170)の調整と同等である。組織修復デバイス100の実施形態は、基部110と深さチューブ(縫合糸管理部材170)との間でキャッチ168(
図8)を係合解除および係合するための解放部167(
図1、2、および8)を含んでもよい。示される実施態様では、解放部167は、深さチューブ(縫合糸管理部材170)と連結され、キャッチ168は、ノッチ169(
図1~4、6、および7)と相互作用する。示される解放部167は、ばね付勢ボタンであるが、他の実施形態では、ノブ、止めねじ、またはピンなどであるがこれらに限定されない任意の有効な機構であってもよい。示される実施形態のノッチ169は、組織修復デバイス100の長手方向軸に沿って離れた設定距離である。解放部167は、深さチューブ(縫合糸管理部材170)に連結され、設定距離における基部110に対する深さチューブ(縫合糸管理部材170)の調整を誘導するために、ノッチ169内で係合可能である。調整は、特定の場所での保持調整を含み得る。ノッチ169は、非限定的な例として、中心間2mmなどの基部110に沿った設定距離であってもよい。いくつかの実施形態は、例えば、スレッドに沿った連続調整を含んでもよく、相対位置は、観察によって決定され得る。
【0018】
示される実施形態では、針150は、深さチューブ(縫合糸管理部材170)の長さの大部分に沿って深さチューブ(縫合糸管理部材170)内で実質的に同心であり、深さチューブ(縫合糸管理部材170)に対して剛性である。他の実施形態では、針は、深さチューブ内でずれていてもよい。いくつかの実施形態の深さチューブは、針と比較して同様の程度またはさらに大きい程度、可撓性であってもよい。
【0019】
組織修復システム1は、針150の中に予め位置付けられた1組のインプラント200(
図1、2、9~11、14~17、19、および21)、および縫合糸301、302、303(
図1、14、15、および21)も含む。
図15で最も明確に視覚化されるように、インプラント200のうちの2つ以上は、一緒に対にされ、組織の修復に使用され得る共通の縫合糸301、302、303と連結され得る。例えば、限定されないが、組織は、望ましい場合、インプラントの挿入後に、それぞれのインプラントまたはインプラント対200の間で縫合糸301、302、303によって一緒に結合され得る。組織修復はまた、それぞれのインプラントまたはインプラント対200の間の縫合糸301、302、303の締め付けも含み得る。具体的には、1つ以上の縫合糸を一対のインプラントに連結することは、縫合糸の近位自由端を引っ張ることにより、インプラント間に作られる縫合糸の長さまたはループをきつく締めるように、1つ以上の縫合糸を一対のインプラントの両方のインプラントに通すことを含んでもよい。3対のインプラント200が
図15に示されているが、他の実施形態は、組織修復デバイスから展開するために構成された、より少ないもしくはより多い対のインプラント、または1つ以上の単一のインプラントを含み得る。本発明のいくつかの実施形態での使用に適したインプラントの代替的な実施形態は、
図22および23において、縫合糸301、302、303と組み合わせたインプラント1200によって示されている。インプラント1200の穴1201は、インプラント1200内の縫合糸301、302、303のより容易な摺動を可能にするために傾斜している。さらに、インプラン1200の各々は、その底部にスカラップ1202(
図23の3つ目の図)を含んでもよく、縫合糸301、302、303は、インプラントおよび縫合糸構築物の全体的なプロファイルを低減するために窪んでいてもよい。インプラント200、1200は、針150の中の回転防止スリット159(
図9)内で摺動するように構成されている。しかしながら、インプラント200、1200は、回転防止スリット159内に収まるように構成された材料の低減プロファイル部分を有し、それにより針150およびインプラント200の組み合わされた構築物の全体的なプロファイルを低減する。
【0020】
本発明の一実施形態は、組織を縫合する方法である。方法の実施形態の例示的な動作は、
図17~21に示されている。組織修復デバイス100の作動前の、かつ明確にするために縫合糸を省略した、組織修復システム1の遠位部分の側面図が
図17に示されている。この構成では、方法の実施形態は、印157を観察しながら、縫合される組織を測定することと、深さチューブ(縫合糸管理部材170)を深さ調整機構165で設定することとを含み得る。望ましい深さが設定されると、方法の動作は、縫合される組織を通して針150を挿入し、
図18の作用矢印によって示されるように、ハンドル180および基部110に対して線形アクチュエータ120を遠位に移動させることを含み得る。器具作動後の組織修復デバイス100の近位部分が
図18に示され、組織修復デバイスの遠位端は、
図19に示されている。縫合糸は、明確にするために省略されている。作動中、ドライバー125は、プッシュ機構130の歯135と係合されて、プッシュ機構を線形アクチュエータ120と共に遠位に移動させる。キーパー114の構成要素は、作動中に横方向に押され、格納して歯135の最遠位歯と係合するように構成されている。ばね119は、基部110と線形アクチュエータ120との間で圧縮され、付勢力を発生させる。最遠位インプラント200は、組織修復デバイス100の針150から分離された状態で
図19に示されている。プッシュ機構130のプッシュロッド131の遠位端からの最遠位インプラント200の展開は、一組のインプラント200を押し、針150に対してインプラント200を移動させることによって生じる。ユーザが線形アクチュエータから遠位に向けられた力を放出すると、線形アクチュエータ120は、
図20の作用矢印の方向に移動して、
図20に示される器具の循環をもたらす。より具体的には、キーパー114は、プッシュ機構130が基部110に対して近位に移動することを防止し、ドライバー125は、横方向に押されて、線形アクチュエータ120がプッシュ機構130に対して近位に移動することを可能にする。次いで、組織修復デバイス100は、別のインプラント200を取り出すように再び循環するように構成されている。
【0021】
方法の実施形態の別の動作は、印157を観察しながら、次の縫合糸の位置で縫合される組織を測定することと、深さチューブ(縫合糸管理部材170)を深さ調整機構165で設定することとを含み得る。望ましい深さが設定されると、方法は、縫合される組織を通して針150を挿入することと、
図18の作用矢印によって示されるように、ハンドル180および基部110に対して線形アクチュエータ120を遠位に移動させることとを含み得る。組織修復デバイス100の別の循環の結果(第2のインプラント200の展開)は、
図21に示され、縫合糸301、302、302の図を含む。
【0022】
方法の実施形態の追加の動作は、縫合糸301の近位自由端を引っ張って、2つの最遠位インプラント200間に作られた縫合糸301のループまたは長さをきつく締めることを含み得る。上記の方法の動作は、インプラントの対200の各々およびそれぞれの縫合糸302、303を展開するために繰り返され得る。
【0023】
本発明の別の実施形態は、複数のインプラントの組を選択的に展開するために組織修復システムを準備する方法である。そのような実施形態の動作は、プッシュ機構130などのプッシュ機構を、組織修復デバイス100の基部110内に配置することを含み得る。プッシュ機構130が基部110に対して遠位に移動し得るように、プッシュ機構130は、基部110に連結されたキーパー114のフック115と係合可能である複数の歯135を、その長さに沿って含み得る。しかしながら、方法のプッシュ機構130の移動は、プッシュ機構130の各歯135とのフック115の係合によって、基部110に対して近位に制限され得る。プッシュ機構130の歯135はまた、線形アクチュエータ120が基部110に対して遠位に移動するとき、基部110に摺動可能に連結されて、プッシュ機構130を遠位に移動させる線形アクチュエータ120のドライバー125とも係合可能であり得る。しかしながら、ドライバー125は、線形アクチュエータ120が基部110に対して近位に移動するとき、歯135から係合解除されて、プッシュ機構130に対する線形アクチュエータ120の近位移動を可能にするように構成されてもよい。
【0024】
複数のインプラントの組を選択的に展開するために組織修復システムを準備する方法は、一対のインプラント200、1200当たり少なくとも1つの縫合糸301、302、303を用いて、縫合糸301、302、303などの縫合糸を固定するためのインプラント200、1200などの2つ以上の対のインプラントを接続することをさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、一対のインプラント当たり少なくとも1つの縫合糸を用いて、縫合糸301、302、303を固定するための2つ以上の対のインプラント200、1200を接続することは、1つ以上の対のインプラントを、それぞれの1つ以上の対におけるインプラントの各々を通る縫合糸と接続して、縫合糸ループを形成することを含む。一対のインプラント当たり少なくとも1つの縫合糸を用いて、縫合糸301、302、303を固定するための2つ以上の対のインプラント200、1200を接続することはまた、各それぞれの縫合糸の自由端を引っ張ることにより、各それぞれのインプラント対のインプラント間の距離を詰めるように、1つ以上の対のインプラントを接続することも含み得る。
【0025】
方法はまた、組織を貫通することが可能な針150の中に、2つ以上の対のインプラント200、1200を配置することも含み得る。これは、1つ以上のインプラントの回転が針内に制限されるように、1つ以上のインプラントを断面的に非対称な針に適合して配置することを含み得る。本明細書で使用される場合、断面的に非対称な針は、そうでなければ対称であっても、材料の一部が取り除かれた針を含む。断面的に非対称な針に適合されたインプラントは、針の長さの少なくとも一部分に沿ってスリット159(
図9)などのスリットを有する針150などの針の中に、1つ以上のインプラントを配置することを含み得る。他の実施形態は、非限定的な例として、その長さに沿ってノッチを有するインプラントと整合するように構成された針の壁の内側表面からの突出部を含み得る。組織を貫通することが可能な針150の中に2つ以上の対のインプラント200、1200を配置することは、1つ以上のインプラント200、1200が針150の中に配置されたとき、針150の外径内に実質的に収まる直径を有する1つ以上のインプラント200、1200を配置することを含み得る。
図9に示されるように、インプラント200の範囲が針150の外径を実質的に超えて延在しないため、インプラント200は、本明細書で使用される場合、針150の外径内に実質的に収まる。類似の関係が、
図22に示されるインプラント1200および針150でも観察可能である。いくつかの実施形態では、組織を貫通することが可能な針150の中に2つ以上の対のインプラント200、1200を配置することは、針150から離れて、かつ近位に、一対のインプラント200、1200当たり少なくとも1つの縫合糸301、302、303(
図21および22)の各々を延在させることを含み得る。針から離れて、かつ近位に、一対のインプラント当たり少なくとも1つの縫合糸の各々を延在させることは、縫合糸管理部材170(
図2、8、9、14、17、19、および21)などの縫合糸管理部材に、一対当たり少なくとも1つの縫合糸の各々を挿入することを含み得る。いくつかの方法は、縫合糸管理部材170のスロット173などの別個の領域に、一対当たり少なくとも1つの縫合糸の各々を挿入することをさらに含み得る。スロット173内への縫合糸301、302、303の挿入は、例えば、
図1および
図14に示されている。
【0026】
システム全体またはその構成要素の様々な実施形態は、任意の生体適合性材料から作製され得る。埋め込まれず、患者に中に残らない器具は、必ずしも生体適合性である必要はなくてもよい。例えば、限定されないが、材料は、非強化ポリマー、強化ポリマー、金属、セラミック、接着剤、強化接着剤、およびこれらの材料の組み合わせを全体的または部分的に含んでもよい。ポリマーの強化は、炭素、金属、ガラス、または任意の他の効果的な材料で実現されることができる。生体適合性ポリマー材料の例としては、ポリアミドベース樹脂、ポリエチレン、超高分子量(UHMW)ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、高分子ヒドロキシエチルメタクリレート(PHEMA)、およびポリウレタンが挙げられ、これらのいずれも強化されることができる。生体適合性金属の例としては、ステンレス鋼および他の鋼合金、コバルトクロム合金、ジルコニウム、酸化ジルコニウム、タンタル、チタン、チタン合金、チタンニッケル合金、例えばニチノール、および他の超弾性もしくは形状記憶合金が挙げられる。本発明の縫合糸または他の同様の構成要素は、これらまたは他の生体適合性材料のいずれかからの単一より糸、織り、編み、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。縫合糸または他の同様の構成要素は、任意の有効な天然または合成材料であってもよく、当該技術分野で周知の材料の使用または組み合わせであってもよい。様々な実施形態の縫合糸または他の同様の構成要素は、吸収性であっても吸収性でなくてもよい。
【0027】
近位、遠位、より近い、さらに遠い、下などの用語は、本明細書において相対的に使用されている。しかし、このような用語は、特定の座標の向き、距離、またはサイズに限定されず、特定の実施形態を参照する相対的な位置を記述するために用いられる。このような用語は、一般的に本明細書でなされる特許請求の範囲を限定するものではない。本明細書の同様のセクション、部分、もしくは構成要素の様々な実施形態に関連して示されるか、または特に説明される、あらゆるセクション、部分、またはその他の構成要素のあらゆる実施形態または特徴は、本明細書に示されるまたは説明される他のいずれの同様の実施形態または特徴に交換可能に適用されてもよい。
【0028】
本発明の実施形態を本開示で詳細に例示および説明してきたが、本開示は例示的であり、特徴を限定するものではないとみなされるべきである。本発明の趣旨に含まれる全ての変更および修正は、本開示の範囲内であるとみなされるべきである。