(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】加熱装置及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/20 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
G03G15/20 515
(21)【出願番号】P 2020099339
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100182453
【氏名又は名称】野村 英明
(72)【発明者】
【氏名】染矢 幸通
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-054648(JP,A)
【文献】特開2015-038550(JP,A)
【文献】特開2017-090939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能な回転部材と、
前記回転部材の長手方向への移動を規制する規制部と、
前記回転部材の長手方向端部と前記規制部との間に設けられた保護部材と、
を備え、記録媒体を加熱する加熱装置であって、
前記保護部材及び前記規制部の互いに対向する対向面の
両方に、凸部又は凹部が設けられる加熱装置。
【請求項2】
回転可能な回転部材と、
前記回転部材の長手方向への移動を規制する規制部と、
前記回転部材の長手方向端部と前記規制部との間に設けられた保護部材と、
を備え、記録媒体を加熱する加熱装置であって、
前記保護部材及び前記規制部の互いに対向する対向面の一方に、前記回転部材の周方向に連続する凸部又は凹部が設けられ、
前記保護部材及び前記規制部の互いに対向する対向面の他方に、前記回転部材の周方向に断続的な凸部又は凹部が設けられる加熱装置。
【請求項3】
前記保護部材と前記回転部材との接触部は、前記保護部材と前記規制部との接触部のうち、前記回転部材の径方向における最も外径側の接触点と最も内径側の接触点とを含むこれらの間の範囲内に位置する請求項1又は2に記載の加熱装置。
【請求項4】
前記保護部材及び前記規制部の互いに対向する対向面の少なくとも一方に、前記凸部が複数設けられ、
前記複数の凸部の突出方向の高さは、同じ高さである請求項1から3のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項5】
前記保護部材と前記規制部との間に潤滑剤が介在する請求項1から4のいずれかに記載の加熱装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の加熱装置を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタなどの画像形成装置において、用紙などの記録媒体を加熱する加熱装置として、熱により用紙上の画像を定着させる定着装置や、用紙上のインクを乾燥させる乾燥装置が知られている。
【0003】
例えば、定着装置においては、省エネルギー化や高速化などの要求に応じて、ローラよりも熱容量の小さい無端状のベルトやフィルムなどの回転部材が用いられるようになってきている。
【0004】
このようなベルトやフィルムなどの回転部材を用いる定着装置においては、一般的に、回転部材の長手方向への片寄りを規制する規制部が設けられている。回転部材に片寄りが発生した場合は、回転部材の長手方向の一端が規制部に接触することにより、それ以上の回転部材の長手方向への移動が規制される。
【0005】
しかしながら、回転部材の長手方向の一端が規制部に接触した状態で回転部材が回転すると、回転部材が規制部に対して摺動することにより、回転部材の長手方向の一端が摩耗し、回転部材が損傷するといった問題がある。そのため、特許文献1(特開2009-288284号公報)では、回転部材と規制部との間に、リング状の保護部材を設け、回転部材の長手方向端部の摩耗を抑制する構成が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような保護部材を備える構成においては、回転部材に片寄りが発生し、回転部材の長手方向端部が保護部材に接触した際、回転部材と一緒に保護部材が従動回転することにより、回転部材の摩耗を抑制することができる。
【0007】
しかしながら、回転部材の長手方向への移動力(寄り力)が大きくなると、保護部材が規制部に押し付けられた際に保護部材と規制部との間で生じる摩擦抵抗が大きくなるため、保護部材が回転部材に対して従動回転しにくくなる懸念がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、回転可能な回転部材と、前記回転部材の長手方向への移動を規制する規制部と、前記回転部材の長手方向端部と前記規制部との間に設けられた保護部材と、を備え、記録媒体を加熱する加熱装置であって、前記保護部材及び前記規制部の互いに対向する対向面の両方に、凸部又は凹部が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、保護部材を回転部材に対して従動回転しやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
【
図3】定着ベルトの一般的な保持構造を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第1実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図7】定着ベルトがスリップリングを介して規制部に接触した状態を示す断面図である。
【
図8】本発明の第2実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図9】定着ベルトがスリップリングを介して規制部に接触した状態を示す断面図である。
【
図10】本発明の第3実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図11】定着ベルトがスリップリングを介して規制部に接触した状態を示す断面図である。
【
図12】本発明の第4実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図13】本発明の第5実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図14】本発明の第6実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図15】本発明の第7実施形態に係るスリップリング及びベルト保持部材の構成を示す断面図である。
【
図18】さらに別の定着装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【0013】
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部200と、転写部300と、定着部400と、記録媒体供給部500と、記録媒体排出部600と、を備えている。
【0014】
画像形成部200には、4つの作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkと、露光装置6と、が設けられている。各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されている。また、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色の現像剤を収容している以外、基本的に同様の構成である。具体的に、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkは、表面に画像を担持する像担持体である感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電手段である帯電ローラ3と、感光体2上にトナー画像を形成する現像手段である現像装置4と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段であるクリーニングブレード5と、を備えている。露光装置6は、画像情報に基づいて感光体2の帯電面を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段である。
【0015】
転写部300には、記録媒体である用紙に画像を転写する転写装置8が設けられている。なお、画像が形成(転写)される記録媒体は、紙(普通紙、厚紙、薄紙、コート紙、ラベル紙、封筒などを含む)のほか、OHPシートなどの樹脂製のシートであってもよい。転写装置8は、中間転写ベルト11と、4つの一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13と、を有している。中間転写ベルト11は、表面に画像を担持してその画像を用紙に転写する転写部材であり、無端状のベルト部材で構成されている。各一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11を介してそれぞれ別の感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に、中間転写ベルト11と各感光体2とが接触する一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架する複数のローラの1つに接触し、中間転写ベルト11との間に二次転写ニップを形成している。
【0016】
定着部400には、用紙を加熱する加熱装置であって、熱により用紙上の画像を定着させる定着装置9が設けられている。
【0017】
記録媒体供給部500には、用紙Pを収容する給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15と、が設けられている。
【0018】
記録媒体排出部600には、用紙を画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙を載置する排紙トレイ18と、が設けられている。
【0019】
次に、
図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
【0020】
印刷動作開始の指示があると、各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2、及び中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が回転することにより、給紙カセット14から用紙Pが送り出される。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触して一旦停止される。
【0021】
各作像ユニット1Y,1M,1C,1Bkでは、まず、帯電ローラ3によって感光体2の表面が均一な高電位に帯電される。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が各感光体2の表面(帯電面)に露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4からトナーが供給され、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。また、感光体2から中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後、各感光体2上に残留するトナーやその他の異物はクリーニングブレード5によって除去される。さらに、クリーニングされた各感光体2の表面に対して、保護剤供給装置7によって掻き取られた像担持体保護剤が供給され、感光体2は次の静電潜像の形成に備えられる。
【0022】
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。そして、トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置9へと搬送され、定着装置9によって用紙Pにトナー画像が定着される。その後、用紙Pは排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出され、一連の印刷動作が完了する。
【0023】
以上の印刷動作の説明は、フルカラー画像を形成するときの動作についてであるが、4つの作像ユニットのうち、いずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像ユニットを使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
【0024】
続いて、本実施形態に係る定着装置9の構成について説明する。
【0025】
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着ベルト20と、加圧ローラ21と、ヒータ22と、ヒータホルダ23と、ステー24と、温度センサ19と、を備えている。
【0026】
定着ベルト20は、回転可能に設けられた第1回転部材であって、用紙Pの未定着トナー担持面側(画像形成面側)に配置されて未定着トナーを用紙Pに定着させる定着部材である。定着ベルト20は、例えば、外径が25mmで厚みが40~120μmの筒状基材を有する無端状のベルト部材で構成される。基材の材料は、ポリイミドのほか、PEEKなどの耐熱性樹脂やニッケル、SUSなどの金属材料であってもよい。また、耐久性を高めると共に離型性を確保するため、基材の外周面に、PFAやPTFEなどのフッ素樹脂から成る離型層が設けられてもよい。また、基材と離型層との間に、ゴムなどから成る弾性層が設けられてもよい。さらに、基材の内周面に、ポリイミドやPTFEなどから成る摺動層が設けられてもよい。
【0027】
加圧ローラ21は、定着ベルト20とは別の回転可能な第2回転部材であって、定着ベルト20の外周面に対向するように配置された対向部材である。また、加圧ローラ21は、定着ベルト20の外周面に圧接されて、定着ベルト20との間にニップ部Nを形成する加圧部材でもある。加圧ローラ21は、例えば、外径が25mmであって、鉄製の芯金と、この芯金の外周面に設けられたシリコーンゴム製の弾性層と、弾性層の外周面に設けられたフッ素樹脂製の離型層とを有するローラなどにより構成される。
【0028】
ヒータ22は、定着ベルト20を加熱する加熱源である。本実施形態では、加熱源として、定着ベルト20の内側に配置される板状のヒータ22が用いられている。なお、加熱源は、板状のヒータ22のほか、ハロゲンヒータ、カーボンヒータ、セラミックヒータなどの輻射熱式のヒータや、電磁誘導加熱方式の加熱源であってもよい。
【0029】
本実施形態に係るヒータ22は、板状の基材50と、基材50上に設けられた第1絶縁層51と、第1絶縁層51上に設けられた導体層52と、導体層52を被覆する第2絶縁層53と、により構成されている。導体層52は、抵抗発熱体から成る発熱部60を有している。
【0030】
基材50は、例えば、ステンレス(SUS)や鉄、アルミニウム等の金属材料で構成される。また、基材50の材料として、金属材料のほか、セラミック、ガラス等を用いることも可能である。基材50にセラミックなどの絶縁材料を用いた場合は、基材50と導体層52との間の第1絶縁層51を省略することが可能である。一方、金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、低コスト化を図るのに好適である。金属材料の中でも、特にアルミニウムや銅は熱伝導性が高く、温度ムラが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスはこれらに比べて安価に製造できる利点がある。
【0031】
各絶縁層51,53は、例えば、耐熱性ガラスなどの絶縁性を有する材料で構成される。また、これらの材料として、セラミックあるいはポリイミドなどを用いてもよい。また、基材50の第1絶縁層51や第2絶縁層53が設けられる面とは反対側の面に、別途絶縁層が設けられてもよい。
【0032】
本実施形態では、発熱部60が基材50よりもニップ部N側に配置されているが、これとは反対に、基材50が発熱部60よりもニップ部N側に配置されてもよい。ただしその場合は、発熱部60の熱が基材50を介して定着ベルト20に伝達されることになるため、基材50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料で構成されることが望ましい。
【0033】
また、本実施形態では、ヒータ22から定着ベルト20への熱伝達効率を高めるため、ヒータ22が定着ベルト20の内周面に対して直接接触するように配置されている。また、これに限らず、ヒータ22は、定着ベルト20に対して、非接触、あるいは低摩擦シートなどを介して間接的に接触するように配置されてもよい。また、定着ベルト20に対するヒータ22の接触箇所は、定着ベルト20の外周面であってもよい。ただし、定着ベルト20の外周面の傷付きによる定着品質の低下を回避するため、ヒータ22が接触する面は、定着ベルト20の内周面であることが望ましい。
【0034】
ヒータホルダ23は、定着ベルト20の内側でヒータ22を保持する保持部材である。ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料で構成されることが望ましい。特に、ヒータホルダ23が、LCPやPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂で構成される場合は、ヒータホルダ23の耐熱性を確保しつつ、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制されるので、効率的に定着ベルト20を加熱することが可能である。
【0035】
ステー24は、定着ベルト20の内側に配置される補強部材である。ステー24によってヒータホルダ23のニップ部N側の面とは反対の面が支持されることにより、ヒータホルダ23が加圧ローラ21の加圧力によって撓むのが抑制される。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。ステー24は、その剛性を確保するため、SUSやSECCなどの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
【0036】
温度センサ19は、ヒータ22の温度を検知する温度検知手段である。温度センサ19の検知結果に基づいてヒータ22の出力が制御されることにより、定着ベルト20の温度が所望の温度(定着温度)となるように維持される。温度センサ19は、接触型、非接触型のいずれでもよい。例えば、温度センサ19として、サーモパイル、サーモスタット、サーミスタ、NCセンサなどの公知の温度センサを適用可能である。
【0037】
本実施形態に係る定着装置9においては、印刷動作が開始されると、ヒータ22に電力が供給されることにより、発熱部60が発熱し、定着ベルト20が加熱される。また、加圧ローラ21が回転駆動され、定着ベルト20が従動回転を開始する。そして、定着ベルト20の温度が所定の目標温度(定着温度)に到達した状態で、
図2に示すように、未定着画像を担持する用紙Pが、定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に進入すると、定着ベルト20と加圧ローラ21とによって用紙Pが加熱されると共に加圧され、未定着画像が用紙Pに定着される。
【0038】
ここで、
図3~
図5に基づき、定着ベルトの一般的な保持構造の一例について説明する。なお、
図3~
図5では、定着ベルト20の長手方向Xの片側の保持構造のみを図示しているが、反対側の端も同様に構成されている。そのため、以下の説明では、片側の保持構造についてのみ説明し、もう一方の保持構造については説明を省略する。なお、本明細書において、「定着ベルトの長手方向」及び「ベルト長手方向」とは、加圧ローラの軸方向、あるいは、通紙方向とは直交する用紙幅方向と同方向を意味する。
【0039】
図3~
図5に示す保持構造においては、定着ベルト20を回転可能に保持する保持部材としてのベルト保持部材25が用いられている。ベルト保持部材25は、定着ベルト20の長手方向Xの両端に挿入されると共に、定着装置の側板などのフレーム部材に固定される。また、ベルト保持部材25は、耐熱性樹脂などにより構成されている。
【0040】
具体的に、ベルト保持部材25は、定着ベルト20の内側に挿入されるC字状又は円筒状の定着部材保持部26と、定着ベルト20の長手方向Xの移動(片寄り)を規制する規制部27と、定着部材保持部26と規制部27との間に設けられた保護部材保持部28と、を有している。
【0041】
定着部材保持部26は、定着ベルト20の内径よりも小さい径の外周面を有しており、定着ベルト20の内側に余裕をもって挿入される。このため、定着部材保持部26が定着ベルト20の内側に挿入された状態では、定着部材保持部26によって定着ベルト20が非張架(ベルトにテンションをかけない、いわゆるフリーベルト方式)で回転可能に保持される。
【0042】
一方、規制部27は、定着ベルト20の内径や定着部材保持部26の外径よりも大きい外径に形成されている。このため、定着ベルト20に長手方向Xの移動(片寄り)が生じた場合は、定着ベルト20の長手方向端部20a(
図5参照)が後述のスリップリング29を介して規制部27に接触し、それ以上の定着ベルト20の移動が規制される。
【0043】
保護部材保持部28は、定着部材保持部26と規制部27との間で定着部材保持部26の外径よりも小さい外径に形成された溝状の部分である。保護部材保持部28には、定着ベルト20の長手方向端部20aを保護する保護部材としてのスリップリング29が装着される。スリップリング29は、円環状の部材であり、保護部材保持部28の外径よりも大きい内径に形成されている。このため、スリップリング29は、保護部材保持部28の外周面に対して余裕をもって装着され、保護部材保持部28によって回転可能に保持される。また、スリップリング29は、定着ベルト20の熱により熱くなるため、例えば、PEEK、PPS、PAI、又はPTFEなどの耐熱性に優れる材料で構成されることが好ましい。
【0044】
このように、スリップリング29は、保護部材保持部28の外周面に対して余裕をもって装着されるため、定着ベルト20が回転しながらスリップリング29に接触すると、スリップリング29は定着ベルト20と一緒に従動回転する。すなわち、定着ベルト20と規制部27との間に、従動回転するスリップリング29が介在していることにより、規制部27に対する定着ベルト20の摺動を回避できる。これにより、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を抑制することが可能である。
【0045】
しかしながら、定着ベルト20に長手方向Xへの大きな移動力(寄り力)が生じ、この移動力によってスリップリング29が規制部27に強く押し付けられた場合は、スリップリング29と規制部27との間で生じる摩擦抵抗が大きくなるため、スリップリング29が定着ベルト20に対して従動回転しにくくなる。特に、画像形成装置の電源投入後のウォームアップ時においては、定着ベルト20の温度が低く、定着ベルト20に塗布された潤滑剤の粘度が高いことなどにより、定着ベルト20に長手方向Xへの大きな移動力が生じる場合がある。このように、定着ベルト20に大きな移動力が生じた場合は、スリップリング29の従動回転が行われにくくなることにより、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗や損傷を効果的に抑制できなくなる虞がある。
【0046】
そこで、本実施形態に係る定着装置においては、定着ベルト20に大きな移動力が生じた場合でも、スリップリング29の従動回転を円滑に行えるように下記のような対策を講じている。以下、本発明の各実施形態に係る構成及びその作用効果について説明する。
【0047】
図6は、本発明の第1実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す断面図である。
【0048】
図6に示すように、第1実施形態では、スリップリング29に対向する規制部27の対向面27aに、複数の凸部30が設けられている。一方、規制部27に対向するスリップリング29の対向面29aには、凸部などは設けられておらず、対向面29aは平面に形成されている。
【0049】
複数の凸部30は、定着ベルト20の周方向Zに連続して円環状に設けられると共に、定着ベルト20の径方向Yに2列に並んで配置されている。ここで、「定着ベルトの径方向(ベルト径方向)Y」とは、定着ベルト20の長手方向(ベルト長手方向)Xに直交する方向のことをいう。また、「定着ベルトの周方向(ベルト周方向)Z」とは、定着ベルト20の回転方向及びその反対方向を意味する。なお、以下の「ベルト径方向Y」及び「ベルト周方向Z」についても、同様である。凸部30の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。また、凸部30の断面形状は適宜変更可能であり、
図5に示すような矩形の断面形状のほか、半円形などの断面形状であってもよい。
【0050】
このように、第1実施形態では、規制部27の対向面27aに複数の凸部30が設けられているため、規制部27とスリップリング29との各対向面27a,29aの両方が平面である場合に比べて、各対向面27a,29a同士の接触面積を少なくすることができる。すなわち、規制部27は、主にその凸部30の先端でスリップリング29と接触し、凸部30以外の部分ではスリップリング29に対して接触しにくくなるため、接触面積が少なくなる。これにより、スリップリング29と規制部27との間で生じる摩擦抵抗を低減できるようになる。その結果、定着ベルト20に長手方向Xへの大きな移動力が生じたとしても、スリップリング29が定着ベルト20と一緒に従動回転しやすくなり、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0051】
また、本実施形態では、凸部30がベルト周方向Zに連続的に設けられているため、スリップリング29が凸部30に沿って従動回転する際のスリップリング29の姿勢を安定させることが可能である。特に、本実施形態のように、凸部30が複数設けられている場合は、
図7に示すように、スリップリング29が定着ベルト20の寄り力を受けて各凸部30に接触した際、スリップリング29に傾きが生じないように、各凸部30の突出方向の高さtは、同じ高さであることが好ましい。
【0052】
また、スリップリング29を傾けずに支持するには、
図7に示すように、スリップリング29に対する各凸部30の接触部mが、スリップリング29に対する定着ベルト20の接触部sを挟んでベルト径方向Yに離れた位置に配置されることが好ましい。すなわち、スリップリング29と定着ベルト20との接触部sは、凸部30とスリップリング29との接触部mのうち、ベルト径方向Yにおける最も外径側の接触点m1と最も内径側の接触点m2とを含むこれらの間の範囲E内に位置することが好ましい。ただし、定着ベルト20の回転時は、スリップリング29に対する定着ベルト20の接触部sが、回転する定着ベルト20の挙動によって変化するので、
図7に示すような各接触部m,sの位置関係は、少なくとも定着ベルト20が静止状態(非回転状態)である場合に成立すればよい。
【0053】
続いて、
図8に、本発明の第2実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0054】
第2実施形態では、上述の第1実施形態と比べて、凸部30の形状及び配列の態様が異なっている。具体的に、第2実施形態では、半球状に形成された凸部30が、ベルト周方向Zに渡って全体的に多数配置されている。それ以外は、第1実施形態と同様の構成である。
【0055】
このような第2実施形態においても、規制部29は主に凸部30の先端でスリップリング29と接触するため、スリップリング29と規制部27との接触面積を少なくすることが可能である。従って、第2実施形態においても、スリップリング29と規制部27との間で生じる摩擦抵抗を低減でき、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転が行われやすくなるため、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0056】
また、スリップリング29の傾きを抑制するため、
図9に示す各凸部30の突出方向の高さtは同じ高さであることが好ましい。また、スリップリング29を傾けずに支持できるように、スリップリング29と定着ベルト20との接触部sは、凸部30とスリップリング29との接触部mのうち、ベルト径方向Yにおける最も外径側の接触点m1と最も内径側の接触点m2とを含むこれらの間の範囲E内に位置することが好ましい(
図9参照)。なお、上述の
図7に示す各接触部m,sの位置関係と同様、
図9に示す各接触部m,sの位置関係も、定着ベルト20の静止状態(非回転状態)で少なくとも成立すればよい。
【0057】
図10に、本発明の第3実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0058】
図10に示す第3実施形態では、凸部30が、ベルト径方向Yへ伸びるように長手状に形成されている。また、第3実施形態では、このような凸部30が、ベルト周方向Zに断続的に(間隔をあけて)複数設けられている。それ以外は、上述の各実施形態と基本的に同様の構成である。
【0059】
このように、凸部30が、ベルト径方向Yに長手状に形成され、ベルト周方向Zに断続的に設けられた構成においても、スリップリング29と規制部27との接触面積を少なくすることができ、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転を行いやすくすることが可能である。このため、第3実施形態においても、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0060】
また、スリップリング29の傾きを抑制するため、
図11に示す凸部30の突出方向の高さtは、ベルト径方向Yに渡って同じ高さに設定されていることが好ましい。さらに、各凸部30同士の高さtも同じであることが好ましい。また、この場合も、スリップリング29を傾けずに支持できるように、スリップリング29と定着ベルト20との接触部sは、凸部30とスリップリング29との接触部mのうち、ベルト径方向Yにおける最も外径側の接触点m1と最も内径側の接触点m2とを含むこれらの間の範囲E内に位置することが好ましい(
図11参照)。なお、上述の
図7や
図9に示す各接触部m,sの位置関係と同様、
図11に示す各接触部m,sの位置関係も、定着ベルト20の静止状態(非回転状態)で少なくとも成立すればよい。
【0061】
図12に、本発明の第4実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0062】
図12に示す第4実施形態では、上述の各実施形態とは異なり、スリップリング29の対向面29aに、複数の凸部40が設けられている。一方、規制部27の対向面27aには、凸部などは設けられておらず、規制面27aは平面に形成されている。この場合、凸部40は、上述の
図6に示す凸部30と同様、ベルト周方向Zに連続して円環状に設けられている。ただし、凸部40の形状や配列の態様はこれに限定されるものではなく、
図8に示す例のような半球状や、
図10に示す例のようなベルト径方向Yに伸びる形状の凸部であってもよい。
【0063】
このように、スリップリング29に凸部40が設けられた場合も、上述の各実施形態と同様、スリップリング29と規制部27との接触面積を少なくすることが可能である。従って、第4実施形態においても、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転を行いやすくすることができるため、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0064】
また、
図12に示す例では、凸部40が、ベルト周方向Zに連続的に設けられているため、従動回転時のスリップリング29の姿勢を安定させることが可能である。また、このようなスリップリング29に複数の凸部40が設けられた構成においても、スリップリング29の姿勢を安定させるため、各凸部40の突出方向の高さは同じであることが好ましい。さらに、規制部27に対する凸部40の接触部とスリップリング29に対する定着ベルト20の接触部との相対的な位置関係は、上述の各実施形態における関係(
図7、
図9、又は
図11に示す関係)と同様の関係が成立することが好ましい。
【0065】
図13に、本発明の第5実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0066】
図13に示す第5実施形態では、規制部27及びスリップリング29の各対向面27a,29aの両方に、凸部30,40が設けられている。
図13に示す例では、規制部27に設けられた凸部30が、ベルト径方向Yに伸びる凸部であり、スリップリング29に設けられた凸部40が、ベルト周方向Zに連続する凸部であるが、各凸部30,40の形状や配列の態様はこれに限定されるものではない。ただし、各凸部30,40の形状や配列の態様は、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転を阻害しないように、各凸部30,40が互いに嵌合しにくい形状や配列であることが好ましい。
【0067】
このように、規制部27とスリップリング29の両方に凸部30,40がある場合は、スリップリング29と規制部27との接触面積をさらに少なくすることが可能である。このため、本実施形態においては、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転がより一層行われやすくなり、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷をより効果的に抑制できるようになる。
【0068】
図14に、本発明の第6実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0069】
図14に示すように、第6実施形態では、規制部27の対向面27aに、複数の凹部31が設けられている。一方、スリップリング29の対向面29aには、凹部などは設けられておらず、対向面29aは平面に形成されている。
図14に示す例では、半球状の多数の凹部31がベルト周方向Zに渡って全体的に設けられているが、凹部31の形状や配列の態様はこれに限定されるものではない。例えば、凹部31は、ベルト周方向Zに連続する円環状の凹部であってもよいし、ベルト径方向Yに伸びる凹部であってもよい。
【0070】
このように、規制部27に凹部31が設けられた場合も、スリップリング29と規制部27との接触面積を少なくすることができ、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転を行いやすくすることが可能である。このため、本実施形態においても、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0071】
図15に、本発明の第7実施形態に係るスリップリング29及びベルト保持部材25の構成を示す。
【0072】
図15第7実施形態では、上述の第6実施形態とは反対に、スリップリング29の対向面29aに、凹部41が設けられている。一方、規制部27の対向面27aには、凹部などは設けられておらず、対向面27aは平面に形成されている。
図15に示す例では、ベルト周方向Zに連続する溝状の凹部41がベルト径方向Yに2列に並んで設けられているが、凹部41の形状や配列の態様はこれに限定されるものではない。例えば、凹部41は、半球状の凹部であってもよいし、ベルト径方向Yに伸びる凹部であってもよい。
【0073】
このように、スリップリング29に凹部41が設けられた場合も、スリップリング29と規制部27との接触面積を少なくすることが可能である。従って、本実施形態においても、スリップリング29と規制部27との間で生じる摩擦抵抗を低減でき、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転が行われやすくなるため、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0074】
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は、上述の各実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。上述の第5実施形態(
図13参照)では、規制部27及びスリップリング29の各対向面27a,29aの両方に凸部30,40が設けられた例を挙げたが、各対向面27a,29aの両方に凹部を設けてもよいし、各対向面27a,29aの一方に凸部を設け、他方に凹部を設けてもよい。
【0075】
また、本発明において、規制部27及びスリップリング29の各対向面27a,29aに設けられる凸部は、複数の凹部の間に形成される凸部であってもよい。また同様に、本発明において、各対向面27a,29aに設けられる凹部は、複数の凸部の間に形成される凹部であってもよい。
【0076】
また、定着ベルト20に対するスリップリング29の従動回転をより一層円滑に行えるようにするため、規制部27とスリップリング29とが接触する接触部(各対向面27a,29aなど)に、グリースやオイルなどの潤滑剤を付着させてもよい。その場合、規制部27及びスリップリング29の各対向面27a,29aの少なくとも一方に設けられた凸部又は凹部によって潤滑剤が保持されるため、潤滑効果を長期に亘って維持でき、定着ベルト20の長手方向端部20aの摩耗及び損傷も長期に亘って抑制できるようになる。
【0077】
また、本発明に係る画像形成装置は、
図1に示すようなカラー画像形成装置に限らず、モノクロ画像形成装置であってもよい。また、本発明に係る画像形成装置は、プリンタのほか、複写機、ファクシミリ単体、あるいは、プリンタ、複写機、ファクシミリ、スキャナのうちの少なくとも2つの機能を備える複合機であってもよい。
【0078】
また、本発明は、
図2に示すような構成の定着装置に限らず、例えば、
図16、
図17、
図18に示すような定着装置にも適用可能である。以下、
図16、
図17、
図18に示す各定着装置の構成について簡単に説明する。
【0079】
図16に示す定着装置9は、定着ベルト20の加圧ローラ21側とは反対側に、押圧ローラ90が配置されている点において、上述の定着装置とは異なっている。この場合、押圧ローラ90とヒータ22とによって定着ベルト20を挟んで加熱するように構成されている。一方、加圧ローラ21側では、定着ベルト20の内周にニップ形成部材91が配置されている。ニップ形成部材91は、ステー24によって支持されており、ニップ形成部材91と加圧ローラ21とによって定着ベルト20を挟んでニップ部Nを形成している。
【0080】
次に、
図17に示す定着装置9では、上述の押圧ローラ90が省略されており、定着ベルト20とヒータ22との周方向接触長さを確保するために、ヒータ22が定着ベルト20の曲率に合わせて円弧状に形成されている。その他は、
図16に示す定着装置9と同じ構成である。
【0081】
続いて、
図18に示す定着装置9では、定着ベルト20のほかに加圧ベルト92が設けられ、加熱ニップ(第1ニップ部)N1と定着ニップ(第2ニップ部)N2とが分けて構成されている。すなわち、加圧ローラ21に対して定着ベルト20側とは反対側にも、ニップ形成部材91とステー93が配置され、ニップ形成部材91とステー93を内包するように加圧ベルト92が配置されている。その他は、
図2に示す定着装置9と同じ構成である。
【0082】
このような、
図16、
図17、
図18に示すような定着装置においても、本発明を適用することにより、スリップリングが定着ベルトに対して従動回転しやすくなり、定着ベルトの長手方向端部の摩耗及び損傷を効果的に抑制できるようになる。
【0083】
また、上述の各実施形態では、本発明を加熱装置の一例である定着装置に適用した場合を例に説明したが、本発明は定着装置に適用される場合に限らない。例えば、インクジェット式の画像形成装置において、用紙を加熱して用紙上のインク(液体)を乾燥させる乾燥装置などの加熱装置にも本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
9 定着装置(加熱装置)
20 定着ベルト(回転部材)
25 ベルト保持部材(保持部材)
27 規制部
27a 対向面
29 スリップリング(保護部材)
29a 対向面
30 凸部
31 凹部
40 凸部
41 凹部
m 接触部
m1 接触点
m2 接触点
s 接触部
t 高さ
100 画像形成装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0085】