(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】スペックル低減のための一連のスタックされた共焦点パルスストレッチャ
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20240415BHJP
H01S 3/10 20060101ALI20240415BHJP
H01S 3/00 20060101ALI20240415BHJP
G02B 17/06 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G03F7/20 505
G03F7/20 521
H01S3/10 Z
H01S3/00 A
G02B17/06
(21)【出願番号】P 2022518912
(86)(22)【出願日】2020-10-14
(86)【国際出願番号】 US2020055623
(87)【国際公開番号】W WO2021076658
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-05-18
(32)【優先日】2019-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513192029
【氏名又は名称】サイマー リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】メイソン,エリック,アンダース
(72)【発明者】
【氏名】ツァオ,ゾン チュアン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,ホン
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-223396(JP,A)
【文献】特開2006-186046(JP,A)
【文献】特表2007-511908(JP,A)
【文献】特表2009-532864(JP,A)
【文献】特開2010-278431(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
H01S 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャであって、
2つ以上の凹面ミラーを備え、前記レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上の凹面ミラーを備え、前記第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上の凹面ミラーを備え、前記第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて前記出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
前記第1ステージ光パルスストレッチャに対応し、前記レーザビームを受けて前記レーザビームの前記一部を前記第1ステージ光パルスストレッチャの前記2つ以上の凹面ミラーに向けるように構成された、第1のビームスプリッタと、
を備え
、
前記第1のビームスプリッタは、前記第1ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び前記レーザビームの前記一部が前記第1ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、前記2つ以上の凹面ミラーの曲率中心に対して位置決めされる、光パルスストレッチャ。
【請求項2】
前記第1ステージ光パルスストレッチャは、前記第1ステージ光パルスストレッチャの前記2つ以上の凹面ミラーを用いて前記レーザビームの前記一部を4回反射させることによって前記第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、請求項1の光パルスストレッチャ。
【請求項3】
前記第2ステージ光パルスストレッチャは、前記第2ステージ光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーを用いて前記第1のパルスストレッチレーザビームの前記一部を12回反射させることによって前記第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、請求項1の光パルスストレッチャ。
【請求項4】
前記第2ステージ光パルスストレッチャに対応し、前記第1のパルスストレッチレーザビームを受けて前記第1のパルスストレッチレーザビームの前記一部を前記第2ステージ光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーに向けるように構成された、第2のビームスプリッタ
を更に備える、請求項
1の光パルスストレッチャ。
【請求項5】
前記第3ステージ光パルスストレッチャに対応し、前記第2のパルスストレッチレーザビームを受けて前記第2のパルスストレッチレーザビームの前記一部を前記第3ステージ光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーに向けるように構成された、第3のビームスプリッタ
を更に備える、請求項
4の光パルスストレッチャ。
【請求項6】
前記第3のビームスプリッタは、前記第3ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び前記第2のパルスストレッチレーザビームの前記一部が前記第3ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、前記第3ステージ光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーの曲率中心に対して位置決めされる、請求項
5の光パルスストレッチャ。
【請求項7】
前記第2のビームスプリッタは前記第2の光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーのうち第1対により近接して位置決めされ、
前記第2のビームスプリッタはD型ビームスプリッタであり、
前記第3のビームスプリッタは前記第3の光パルスストレッチャの前記4つ以上の凹面ミラーのうち第1対により近接して位置決めされ、
前記第3のビームスプリッタはD型ビームスプリッタである、
請求項
5の光パルスストレッチャ。
【請求項8】
前記第1ステージ光パルスストレッチャによって受けられる前記レーザビームは直交ステージ光パルスストレッチャによって生成されるパルスストレッチレーザビームを備え、
前記直交ステージ光パルスストレッチャは、前記光パルスストレッチャの外部に、前記光パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、
請求項1の光パルスストレッチャ。
【請求項9】
レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャ
を備えるレーザ源であって、前記光パルスストレッチャは、
2つ以上の凹面ミラーを備え、前記レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上の凹面ミラーを備え、前記第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上の凹面ミラーを備え、前記第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて前記出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
前記第1ステージ光パルスストレッチャに対応し、前記レーザビームを受けて前記レーザビームの前記一部を前記第1ステージ光パルスストレッチャの前記2つ以上の凹面ミラーに向けるように構成された、第1のビームスプリッタと、
を備え
、
前記第1のビームスプリッタは、前記第1ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び前記レーザビームの前記一部が前記第1ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、前記2つ以上の凹面ミラーの曲率中心に対して位置決めされる、レーザ源。
【請求項10】
放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
前記パターニングデバイスによって前記放射ビームに付与されたパターンを前記基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置であって、
前記照明システムはレーザ源を備えており、前記レーザ源はレーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを備えており、前記光パルスストレッチャは、
第1の複数の共焦点共振器を備え、前記レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
第2の複数の共焦点共振器を備え、前記第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
第3の複数の共焦点共振器を備え、前記第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて前記出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
前記第1ステージ光パルスストレッチャに対応し、前記レーザビームを受けて前記レーザビームの前記一部を前記第1ステージ光パルスストレッチャの前記第1の複数の共焦点共振器に向けるように構成された、第1のビームスプリッタと、
を備え
、
前記第1のビームスプリッタは、前記第1ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び前記レーザビームの前記一部が前記第1ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、前記第1の複数の共焦点共振器の曲率中心に対して位置決めされる、リソグラフィ装置。
【請求項11】
前記第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有し、
前記第2ステージ光パルスストレッチャは前記第1の光遅延に等しい又は前記第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有し、
前記第3ステージ光パルスストレッチャは前記第2の光遅延に等しい又は前記第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有する、
請求項
10のリソグラフィ装置。
【請求項12】
前記第1ステージ光パルスストレッチャは、前記レーザビームの前記一部を4回反射させることによって前記第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
前記第2ステージ光パルスストレッチャは、前記第1のパルスストレッチレーザビームの前記一部を12回反射させることによって前記第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
前記第3ステージ光パルスストレッチャは、前記第2のパルスストレッチレーザビームの前記一部を12回反射させることによって前記出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、
請求項
10のリソグラフィ装置。
【請求項13】
前記レーザ源は、
前記レーザビームを前記光パルスストレッチャに向けるように構成された直交ステージ光パルスストレッチャであって、前記光パルスストレッチャの外部に、前記光パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、直交ステージ光パルスストレッチャ
を更に備える、請求項
10のリソグラフィ装置。
【請求項14】
前記直交ステージ光パルスストレッチャは4つの円形凹面ミラーを備える、請求項
13のリソグラフィ装置。
【請求項15】
レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャであって、
前記光パルスストレッチャ内にスタックされた2つ以上の共焦点光パルスストレッチャを備えており、
前記2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第1の共焦点光パルスストレッチャは、前記レーザビームの一部を受けて前記レーザビームの前記一部を4回反射させることにより第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成され
た第1の複数のミラーを備え、
前記2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第2の共焦点光パルスストレッチャは、前記第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて前記第1のパルスストレッチレーザビームの前記一部を12回反射させることにより第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成され
た第2の複数のミラーを備え、
前記光パルスストレッチャは、前記第1の共焦点光パルスストレッチャに対応し、前記レーザビームを受けて前記レーザビームの前記一部を前記第1の共焦点光パルスストレッチャの前記第1の複数のミラーに向けるように構成された、第1のビームスプリッタ、を更に備え、
前記第1のビームスプリッタは、前記第1の共焦点光パルスストレッチャを平坦化するように及び前記レーザビームの前記一部が前記第1の共焦点光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、前記第1の複数のミラーの曲率中心に対して位置決めされる、光パルスストレッチャ。
【請求項16】
第1の複数の共焦点共振器を備え、レーザビームを受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
スタックされた共焦点光パルスストレッチャであって、
第2の複数の共焦点共振器を備え、前記第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
第3の複数の共焦点共振器を備え、前記第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第3のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
第4の複数の共焦点共振器を含み、前記第3のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて前記出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第4ステージ光パルスストレッチャと、
を備えるスタックされた共焦点パルスストレッチャと、
を備える、拡張された光パルスストレッチャであって、
前記第1ステージ光パルスストレッチャは、前記スタックされた共焦点パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、拡張された光パルスストレッチャ。
【請求項17】
前記第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有し、
前記第2ステージ光パルスストレッチャは前記第1の光遅延に等しい又は前記第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有し、
前記第3ステージ光パルスストレッチャは前記第2の光遅延に等しい又は前記第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有し、
前記第4ステージ光パルスストレッチャは前記第2の光遅延に等しい又は前記第2の光遅延よりも大きい第4の光遅延を有する、
請求項
16の拡張された光パルスストレッチャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2019年10月16日に提出されたSERIES OF STACKED CONFOCAL PULSE STRETCHERS FOR SPECKLE REDUCTIONと題された米国出願第62/916,139号の優先権を主張するものであり、同出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本開示は、例えばリソグラフィ装置において、例えばパルス光源として使用するために、本質的に同じドーズ量を送達しつつパルスのピークパワーを低減させるように高パワーガス放電レーザシステムのようなレーザ源の出力のパルスを長くするのに有用な、光パルスストレッチャに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、所望のパターンを基板に、通常は基板のターゲット部分に適用する機械である。リソグラフィ装置は、例えば、集積回路(IC)の製造に使用可能である。このような場合、代替的にマスク又はレチクルとも呼ばれるパターニングデバイスを使用して、ICの個々の層上に形成すべき回路パターンを生成することができる。このパターンを、基板(例えばシリコンウェーハ)上のターゲット部分(例えば1つ又はいくつかのダイの一部を含む)に転写することができる。パターンの転写は通常、基板に設けた放射感応性材料(レジスト)の層への結像により行われる。一般的に、1枚の基板は、順次パターンが付与される隣接したターゲット部分のネットワークを含んでいる。従来のリソグラフィ装置は、パターン全体をターゲット部分に1回で露光することによって各ターゲット部分が照射される、いわゆるステッパと、ターゲット部分を所与の方向(「スキャン」方向)と平行あるいは逆平行に同期的にスキャンしながら、パターンを所与の方向(「スキャン」方向)に放射ビームでスキャンすることにより、各ターゲット部分が照射される、いわゆるスキャナとを含む。パターンを基板にインプリントすることによっても、パターニングデバイスから基板へとパターンを転写することが可能である。
【0004】
[0004] 例えばパターニングデバイスを照明するための照明放射を生成するために、レーザ源がリソグラフィ装置と共に用いられ得る。レーザ源は、高パワーガス放電レーザシステムの出力のパルスを長くするための光パルスストレッチャを含み得る。しかしながら、既存の技術は、十分なパルスストレッチングを十分な光効率で提供できず、レーザ源の利用可能なボリュームにも収まらない可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示においては、非常に長いパルスストレッチング並びに利用可能なレーザボリュームに収まる能力を実現するように設計された、スタックされた共焦点パルスストレッチャの実施形態が説明される。
【0006】
[0006] 本開示の一態様は、レーザビームを受けるように及び出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを提供する。光パルスストレッチャは、2つ以上のミラーを含み、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは更に、4つ以上のミラーを含み、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは、4つ以上のミラーを含み、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャも含む。
【0007】
[0007] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラー、第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラー、及び第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーは、凹面ミラーを含む。
【0008】
[0008] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャの2つのミラー、第2ステージ光パルスストレッチャの4つのミラー、及び第3ステージ光パルスストレッチャの4つのミラーは、矩形凹面ミラーを含む。
【0009】
[0009] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャは、第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラーを用いてレーザビームの一部を4回反射させることによって第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている。また、いくつかの実施形態においては、第2ステージ光パルスストレッチャは、第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーを用いて第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている。さらに、いくつかの実施形態においては、第3ステージ光パルスストレッチャは、第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーを用いて第2のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている。
【0010】
[0010] いくつかの実施形態においては、光パルスストレッチャは更に、第1ステージ光パルスストレッチャに対応し、レーザビームを受けてそのレーザビームの一部を第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラーに向けるように構成された、第1のビームスプリッタを含む。いくつかの実施形態においては、第1のビームスプリッタは第1の光パルスストレッチャの2つ以上のミラーのうち第1のミラーにより近接して位置決めされ得ると共に、第1のビームスプリッタはD型ビームスプリッタであり得る。いくつかの実施形態においては、第1のビームスプリッタは、第1ステージ光パルスストレッチャを平坦化(flatten)するように及びレーザビームの一部が第1ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、2つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる。
【0011】
[0011] いくつかの実施形態においては、光パルスストレッチャは更に、第2ステージ光パルスストレッチャに対応し、第1のパルスストレッチレーザビームを受けてその第1のパルスストレッチレーザビームの一部を第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーに向けるように構成された、第2のビームスプリッタを含む。いくつかの実施形態によれば、第2のビームスプリッタは、第2ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び第1のパルスストレッチレーザビームの一部が第2ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、4つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる。
【0012】
[0012] いくつかの実施形態においては、光パルスストレッチャは更に、第3ステージ光パルスストレッチャに対応し、第2のパルスストレッチレーザビームを受けてその第2のパルスストレッチレーザビームの一部を第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーに向けるように構成された、第3のビームスプリッタを含み得る。いくつかの実施形態においては、第3のビームスプリッタは、第3ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び第2のパルスストレッチレーザビームの一部が第3ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、4つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる。
【0013】
[0013] いくつかの実施形態においては、第2のビームスプリッタは第2の光パルスストレッチャの4つ以上のミラーのうち第1対により近接して位置決めされ得ると共に、第2のビームスプリッタはD型ビームスプリッタであり得る。いくつかの実施形態においては、第3のビームスプリッタは第3の光パルスストレッチャの4つ以上のミラーのうち第1対により近接して位置決めされ得ると共に、第3のビームスプリッタはD型ビームスプリッタであり得る。
【0014】
[0014] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャによって受けられるレーザビームは直交ステージ光パルスストレッチャによって生成されるパルスストレッチレーザビームであり、直交ステージ光パルスストレッチャは、光パルスストレッチャの外部に、光パルスストレッチャに垂直又は略垂直に位置決めされる。いくつかの実施形態においては、直交ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を4回反射させるように構成されている。
【0015】
[0015] 本開示の別の一態様は、レーザ源を提供する。レーザ源は、レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは、2つのミラーを含み、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは更に、4つ以上のミラーを含み、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは、4つ以上のミラーを含み、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャも含む。
【0016】
[0016] 本開示の別の一態様は、放射ビームを調節するように構成された照明システムと、パターニングデバイスを支持するように構成された支持構造と、基板を保持するように構成された基板テーブルと、パターニングデバイスにより放射ビームに付与されたパターンを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムとを含むリソグラフィ装置を提供する。照明システムはレーザ源を含む。レーザ源は、レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは、第1の複数の共焦点共振器を含み、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは更に、第2の複数の共焦点共振器を含み、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは更に、第3の複数の共焦点共振器を含み、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャを含む。
【0017】
[0017] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有する。第2ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延に等しい又は第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有する。第3ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有する。
【0018】
[0018] 本開示の別の一態様は、レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを提供する。光パルスストレッチャは、光パルスストレッチャ内にスタックされた2つ以上の共焦点光パルスストレッチャを含む。2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第1の共焦点光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてそのレーザビームの一部を4回反射させることにより第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている。2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第2の共焦点光パルスストレッチャは、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けてその第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることにより第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている。
【0019】
[0019] 本開示の別の一態様は、拡張された(extended)光パルスストレッチャを提供する。拡張された光パルスストレッチャは、第1の複数の共焦点共振器を含み、レーザビームを受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャを含む。拡張された光パルスストレッチャは更に、スタックされた共焦点パルスストレッチャを含む。スタックされた共焦点パルスストレッチャは、第2の複数の共焦点共振器を含み、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャを含む。スタックされた共焦点パルスストレッチャは、第3の複数の共焦点共振器を含み、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第3のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャを含む。スタックされた共焦点パルスストレッチャは、第4の複数の共焦点共振器を含み、第3のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第4ステージ光パルスストレッチャを含む。第1ステージ光パルスストレッチャは、スタックされた共焦点パルスストレッチャに垂直又は略垂直に位置決めされる。
【0020】
[0020] いくつかの実施形態においては、第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有する。第2ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延に等しい又は第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有する。第3ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有する。第4ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第4の光遅延を有する。
【0021】
[0021] 本開示の別の一態様は、レーザビームを生成するため及びそのレーザビームを光パルスストレッチャを通じて方向付けるための方法を提供する。光パルスストレッチャは、第1の複数の共焦点共振器を含み、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは更に、第2の複数の共焦点共振器を含み、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャは、第3の複数の共焦点共振器を含み、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャも含む。
【0022】
[0022] 更なる特徴、並びに様々な実施形態の構造及び動作は、添付の図面を参照して、以下で詳細に説明する。なお、本開示は、本明細書中に説明される具体的な実施形態に限定されない。そのような実施形態は、例示のみを目的として本明細書中に提示される。当業者には、本明細書に含まれる教示に基づいて、追加的な実施形態が明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
[0023] 本明細書に組み込まれその一部を形成する添付の図面は、本開示を図示すると共に、更に、明細書と合わせて本開示の実施形態の原理を説明し、当業者が本開示の実施形態を作成して使用することを可能にする働きをする。
【0024】
【
図1】[0024] 例示的な実施形態に係る反射型リソグラフィ装置の概略図である。
【
図2】[0025] 例示的な実施形態に係る透過型リソグラフィ装置の概略図である。
【
図3】[0026] 例示的な実施形態に係るリソグラフィセルの概略図である。
【
図4】[0027] 本開示のいくつかの実施形態に係る拡張された光パルスストレッチャを有するレーザ源の概略を図示する。
【
図5A】[0028] 本開示のいくつかの実施形態に係る第1の光パルスストレッチャ及び第2の光パルスストレッチャを有する拡張された光パルスストレッチャの正面視の概略を図示する。
【
図5B】[0029] 本開示のいくつかの実施形態に係る第2の光パルスストレッチャの上面視の概略を図示する。
【
図5C】[0030] 本開示のいくつかの実施形態に係る第1の光パルスストレッチャ及び第2の光パルスストレッチャを有する拡張された光パルスストレッチャの側面視の概略を図示する。
【
図6A】[0031] 本開示のいくつかの実施形態に係る第2の光パルスストレッチャにおけるレーザビームの経路の一部の概略図を図示する。
【
図6B】[0032] 本開示のいくつかの実施形態に係る第2の光パルスストレッチャにおけるレーザビームの経路の一部及び第2の光パルスストレッチャにおいて用いられるミラーの一部の概略図を図示する。
【
図7A】[0033] 本開示のいくつかの実施形態に係る第2の光パルスストレッチャの第1ステージの概略上面図を図示する。
【
図7B】[0034] 本開示のいくつかの実施形態に係る第2の光パルスストレッチャの第2又は第3ステージの概略上面図を図示する。
【
図8】[0035] 本開示のいくつかの実施形態に係る第1の光パルスストレッチャにおけるレーザビームの経路の一部の概略図を図示する。
【0025】
[0036] 本開示の特徴は、図面と併せて捉えたときに、以下に記載された詳細な説明からより明らかになるであろう。全図を通じて、同じ参照符号は対応する要素を識別する。図面では、別途示されない限り、同じ参照番号は一般に同一、機能的に類似、及び/又は構造的に類似の要素を示す。さらに、一般に、参照番号の左端の桁は、その参照番号が最初に現れる図面を識別する。別途示されない限り、本開示を通じて提供される図面は、縮尺通りの図面として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[0037] 本明細書は、本発明の特徴を組み込んだ1つ以上の実施形態を開示する。開示される1つ又は複数の実施形態は本発明を例示しているに過ぎない。本開示の範囲は開示される1つ又は複数の実施形態に限定されない。本開示の幅及び範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって定義される。
【0027】
[0038] 記載された実施形態、及び本明細書で「一実施形態」、「ある実施形態」、「例示的実施形態」などに言及した場合、それは記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むことができるが、それぞれの実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、又は特性を含まないことがあることを示す。さらに、このようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。さらに、ある実施形態に関連して特定の特徴、構造、又は特性について記載している場合、明示的に記載されているか、記載されていないかにかかわらず、このような特徴、構造、又は特性を他の実施形態との関連で実行することが当業者の知識の範囲内にあることが理解される。
【0028】
[0039] 「下(beneath)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(above)」、「上(on)」、「上(upper)」などのような空間的に相対的な用語は、図に示すように、ある要素又は機能と別の1つ又は複数の要素又は1つ又は複数の機能との関係を説明するのを容易にするために、本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に示されている方向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの様々な方向を包含することを意図している。装置は、他の方法で方向付けられてもよく(90度又は他の方向に回転されてもよい)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、同様にそれに応じて解釈され得る。
【0029】
[0040] 本明細書で使用される「約」という語は、特定の技術に基づいて変化し得る所与の量の値を示す。特定の技術に基づいて、「約」という語は、例えばその値の10~30%(例えば、その値の±10%、±20%、又は±30%)の範囲内で変化する所与の量の値を示す可能性がある。
【0030】
[0041] このような実施形態を詳述する前に、本発明の実施形態を実施することができる例示の環境を提示することが有用であろう。
【0031】
[0042] 例示的なリソグラフィシステム
[0043]
図1及び
図2は、それぞれ本開示の実施形態が実装され得るリソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’の概略図である。リソグラフィ装置100及びリソグラフィ装置100’はそれぞれ以下の、放射ビームB(例えば深紫外(DUV)放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク、レチクル、又は動的パターニングデバイス)MAを支持するように構成されるとともに、パターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えば、レジストコートウェーハ)Wを保持するように構成されるとともに、基板Wを正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに接続された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WTとを備える。リソグラフィ装置100及び100’は、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを含む)ターゲット部分Cに投影するように構成された投影システムPSも有する。リソグラフィ装置100では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは反射型である。リソグラフィ装置100’では、パターニングデバイスMA及び投影システムPSは透過型である。
【0032】
[0044] 照明システムILは、放射ビームBを誘導し、整形し、又は制御するための、屈折型、反射型、反射屈折型、磁気型、電磁型、静電型、又はその他のタイプの光学コンポーネント、あるいはそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。
【0033】
[0045] 支持構造MTは、基準フレームに対するパターニングデバイスMAの方向、リソグラフィ装置100及び100’のうちの少なくとも1つの設計等の条件、及びパターニングデバイスが真空環境で保持されているか否かに応じた方法で、パターニングデバイスMAを保持する。支持構造MTは、機械的、真空、静電、又は他のクランプ技術を使用して、パターニングデバイスMAを保持することができる。支持構造MTは、例えば、フレーム又はテーブルでもよく、必要に応じて固定式又は可動式でよい。センサを使用することにより、支持構造MTは、パターニングデバイスMAが、例えば、投影システムPSに対して確実に所望の位置に来るようにできる。
【0034】
[0046] 「パターニングデバイス」MAという用語は、基板Wのターゲット部分Cにパターンを生成する等のために放射ビームBの断面にパターンを付与するのに使用され得る何らかのデバイスを指すものと広義に解釈されるべきである。放射ビームBに付与されたパターンは、集積回路を形成するためにターゲット部分Cに生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応する可能性がある。
【0035】
[0047] パターニングデバイスMAは、(
図2のリソグラフィ装置100’におけるように)透過型であっても、(
図1のリソグラフィ装置100におけるように)反射型であってもよい。パターニングデバイスMAの例には、レチクル、マスク、プログラマブルミラーアレイ、又はプログラマブルLCDパネルが含まれる。マスクはリソグラフィにおいて周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、又はハーフトーン型位相シフトマスク、さらには多様なハイブリッドマスクタイプなどのマスクタイプを含む。プログラマブルミラーアレイの一例は、それぞれが入射する放射ビームを異なる方向に反射するように個別に傾斜され得る小さいミラーのマトリクス配列を採用する。傾斜されたミラーは、小さいミラーのマトリクスにより反射される放射ビームBにパターンを付与する。
【0036】
[0048] 本明細書で使用される「投影システム」PSという用語は、用いられる露光放射、又は基板W上での液浸液の使用もしくは真空の使用といった他の要因に合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、磁気光学システム、電磁光学システム、及び静電光学システム、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意のタイプの投影システムを包含することができる。
【0037】
[0049] リソグラフィ装置100及び/又はリソグラフィ装置100’は、2つ(デュアルステージ)又はそれ以上の基板テーブルWT(及び/又は2つ以上のマスクテーブル)を有するタイプであってよい。このような「マルチステージ」マシンにおいては、追加の基板テーブルWTが並行して使用されるか、あるいは1つ以上の基板テーブルWTが露光に使用されている間に、1つ以上の他のテーブルで準備工程が実行されてよい。ある状況では、追加のテーブルは基板テーブルWTでなくてもよい。
【0038】
[0050] リソグラフィ装置は、投影システムと基板との間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆えるタイプでもよい。液浸液は、例えばマスクと投影システムの間など、リソグラフィ装置の他の空間に適用することもできる。液浸技術は、投影システムの開口数を増加させるために当技術分野でよく知られている。本明細書で使用する「液浸」という用語は、基板などの構造を液体に沈めなければならないという意味ではなく、露光中に投影システムと基板の間に液体が存在するというほどの意味である。
【0039】
[0051]
図1及び
図2を参照すると、イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。例えば放射源SOがエキシマレーザである場合には、放射源SOとリソグラフィ装置100、100’とは別個の物理的実体であってよい。この場合、放射源SOはリソグラフィ装置100又は100’の一部を構成するとは見なされず、放射ビームBは放射源SOから、例えば適切な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えたビームデリバリシステムBD(
図2)を介してイルミネータILへ通過する。他の場合、例えば放射源SOが水銀ランプである場合には、放射源SOはリソグラフィ装置100、100’の一体部分であってよい。放射源SOとイルミネータILとは、またビームデリバリシステムBDが必要とされる場合にはこれも合わせて、放射システムと呼ばれることがある。
【0040】
[0052] イルミネータILは放射ビームの角強度分布を調整するためのアジャスタAD(
図2)を備えてよい。一般に、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれ「σ-outer」及び「σ-inner」と呼ばれる)を調整することができる。加えてイルミネータILは、インテグレータIN及びコンデンサCOなどの他の様々なコンポーネント(
図2)を備えてもよい。イルミネータILは、ビーム断面における所望の均一性及び強度分布を得るべく放射ビームBを調節するのに使用することができる。
【0041】
[0053]
図1を参照すると、放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されたパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスMAによってパターン付与される。リソグラフィ装置100では、放射ビームBはパターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射される。パターニングデバイス(例えばマスク)MAから反射された後に、放射ビームBは投影システムPSを通過する。投影システムPSは放射ビームBを基板Wのターゲット部分Cに合焦させる。第2のポジショナPWと位置センサIF2(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けによって、基板テーブルWTを(例えば、放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPM及び別の位置センサIF1を使用して、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイス(例えばマスク)MAを正確に位置決めすることができる。マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して、パターニングデバイス(例えばマスク)MA及び基板Wを位置合わせすることができる。
【0042】
[0054]
図2を参照すると、支持構造(例えばマスクテーブルMT)に保持されたパターニングデバイス(例えばマスクMA)に放射ビームBが入射し、パターニングデバイスによってパターン付与される。マスクMAを横断した後、放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSは基板Wのターゲット部分Cにビームを合焦させる。投影システムは、照明システム瞳IPUと共役な瞳PPUを有する。放射の一部は、照明システム瞳IPUにおける強度分布から生じ、マスクパターンにおいて回折の影響を受けることなくマスクパターンを横切り、照明システム瞳IPUにおいて強度分布の像を作り出す。
【0043】
[0055] 投影システムPSは、マスクパターンMPの像MP’を投影する。像MP’は、強度分布からの放射によりマークパターンMPから生成された回折ビームによって、基板W上に被覆されたフォトレジスト層上に形成される。例えば、マスクパターンMPには、ラインとスペースのアレイが含まれてよい。アレイでの放射回折でゼロ次回折でないものからは、ラインと垂直な方向に方向が変わった誘導回折ビームが生成される。非回折ビーム(すなわち、いわゆるゼロ次回折ビーム)は、伝搬方向が変化することなくパターンを横断する。ゼロ次回折ビームは、投影システムPSの共役な瞳PPUの上流にある投影システムPSの上部レンズ又は上部レンズグループを横断して、共役な瞳PPUに到達する。ゼロ次回折ビームに関連する共役な瞳PPUの面における強度分布の部分が、照明システムILの照明システム瞳IPUの強度分布の像である。開口デバイスPDは、例えば投影システムPSの共役な瞳PPUを含む平面に又は概ね平面に配置される。
【0044】
[0056] 投影システムPSは、レンズ又はレンズグループLによって、ゼロ次回折ビームばかりでなく1次又は1次以上の回折ビーム(図示しない)をもキャプチャするように配置される。いくつかの実施形態においては、ラインに垂直な方向に延伸するラインパターンを結像するための二重極照明を使用して、二重極照明の高解像度化効果を利用することができる。例えば、1次回折ビームは、対応するゼロ次回折ビームとウェーハWのレベルで干渉して、可能な最高解像度及びプロセスウィンドウ(すなわち、許容可能な露光ドーズ偏差と組み合わせた使用可能な焦点深度)でラインパターンMPの画像を作り出す。
【0045】
[0057] 第2のポジショナPW及び位置センサIF(例えば、干渉デバイス、リニアエンコーダ、又は静電容量センサ)の助けにより、(例えば放射ビームBの経路に異なるターゲット部分Cを位置決めするように)基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、(例えばマスクライブラリの機械的な取り出し後又はスキャン中に)第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図2に図示せず)とを使用して、放射ビームBの経路に対してマスクMAを正確に位置決めすることができる。
【0046】
[0058] 一般に、マスクテーブルMTの移動は、第1のポジショナPMの一部を形成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現することができる。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を形成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現することができる。ステッパの場合(スキャナとは対照的に)、マスクテーブルMTをショートストロークアクチュエータのみに接続するか、又は固定してもよい。マスクMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を使用して位置合わせすることができる。(図示のような)基板アライメントマークは、専用のターゲット部分を占有するが、ターゲット部分の間の空間に位置してもよい(スクライブラインアライメントマークとして周知である)。同様に、マスクMA上に複数のダイを設ける状況では、マスクアライメントマークをダイ間に配置してもよい。
【0047】
[0059] マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAは、真空チャンバV内にあってよい。真空内ロボットIVRを用いて、マスクなどのパターニングデバイスを真空チャンバ内及び外に移動させることができる。代替的に、マスクテーブルMT及びパターニングデバイスMAが真空チャンバの外側にある場合、真空内ロボットIVRと同様に、様々な輸送作業のために真空外ロボットを用いることができる。真空内及び真空外ロボットは、共に中継ステーションの固定されたキネマティックマウントへの任意のペイロード(例えばマスク)のスムーズな移動のために較正される必要がある。
【0048】
[0060] リソグラフィ装置100及び100’は、以下のモードのうち少なくとも1つにて使用可能である。
【0049】
[0061] 1.ステップモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは、実質的に静止状態に維持される一方、放射ビームBに付与されたパターン全体が1回でターゲット部分Cに投影される(すなわち単一静的露光)。次に、別のターゲット部分Cを露光できるように、基板テーブルWTがX方向及び/又はY方向に移動される。
【0050】
[0062] 2.スキャンモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MT及び基板テーブルWTは同期的にスキャンされる一方、放射ビームBに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される(すなわち単一動的露光)。支持構造(例えばマスクテーブル)MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)及び像反転特性によって求めることができる。
【0051】
[0063] 3.別のモードでは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持して基本的に静止状態に維持され、基板テーブルWTを移動又はスキャンさせながら、放射ビームBに付与されたパターンをターゲット部分Cに投影する。パルス放射源SOを使用することができ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTを移動させる毎に、又はスキャン中に連続する放射パルスの間で、必要に応じて更新される。この動作モードは、プログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを使用するマスクレスリソグラフィに容易に利用できる。
【0052】
[0064] 上述した使用モードの組み合わせ及び/又は変形、又は全く異なる使用モードも利用できる。
【0053】
[0065] 例示的なリソグラフィセル
[0066]
図3は、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィセル300を示している。リソグラフィ装置100又は100’はリソグラフィセル300の一部を構成することがある。また、リソグラフィセル300は、基板に露光前プロセス及び露光後プロセスを実行する1つ以上の装置を含んでよい。従来から、これらにはレジスト層を堆積させるためのスピンコータSC、露光したレジストを現像するためのデベロッパDE、冷却プレートCH、及びベークプレートBKが含まれる。基板ハンドラ、すなわちロボットROが、入出力ポートI/O1、I/O2から基板を取り出し、それらを様々なプロセス装置間で移動させ、リソグラフィ装置100又は100’のローディングベイLBに引き渡す。これらのデバイスは、まとめてトラックと呼ばれることも多く、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。TCU自体は監視制御システムSCSによって制御され、SCSはリソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置も制御する。従って、これらの様々な装置はスループット及び処理効率を最大化するように動作させることができる。
【0054】
[0067] 例示的な一連のスタックされた共焦点パルスストレッチャ
[0068] いくつかの実施形態によれば、レーザ源のために、一連のスタックされた光パルスストレッチャを含む1つ以上の拡張された光パルスストレッチャが提供される。いくつかの実施形態によれば、レーザ源は、リソグラフィ装置100又は100’の放射源SOの一部として又は放射源SOに加えて用いることができる。追加的又は代替的には、レーザ源は、リソグラフィ装置100もしくは100’又は他のDUVリソグラフィ装置において用いられるDUV放射を生成する際に用いることができる。
【0055】
[0069] いくつかの実施形態によれば、レーザ源は、ガス放電レーザ光源、例えばKrF又はArF又は分子フッ素ガス放電レーザであり得る。いくつかの例においては、本開示の一連のスタックされた光パルスストレッチャを含む拡張された光パルスストレッチャは長い光遅延を有し得るが、既存のレーザフレームに取り付けられるか又はビームデリバリユニット内に含まれると共に例えば製造設備のクリーンルームサブフロアルームに収まるように、実用的な物理的長さを有するように制約され得る。いくつかの実施形態によれば、本開示の拡張された光パルスストレッチャは、光回路構成毎に4回の反射、4回の反射、12回の反射、及び12回の反射を生じるように組み合わせた共焦点パルスストレッチャを組み合わせる。いくつかの実施形態によれば、異なるミラー間隔及び遅延パス長(例えば4回反射及び12回反射の遅延長)の組み合わせを含むことは、非常に長いパルスストレッチング、長い光遅延、及び最小の効率損失をもたらし得る。本開示の実施形態は更に、システムを位置合わせするのに必要な調整の数を最小化することができると共に、かなりの量のミスアライメントを許容し得る。いくつかの実施形態によれば、本開示の拡張された光パルスストレッチャは、異なる光回路において異なるミラーの組み合わせを用いて4回の反射、4回の反射、12回の反射、及び12回の反射を生じることができるが、他の実施形態においては他の数の反射が利用されてもよい。追加的又は代替的には、本開示の拡張された光パルスストレッチャにおいては、ビームが同じ平面内で(例えばフロアに平行に)伝搬することを可能にするように回路の各々を「平坦化」するべく、1つ以上のビームスプリッタがミラーの曲率中心に対して位置決めされる。追加的又は代替的には、個々のミラーの曲率及び大きさは、パルスストレッチャがレーザシステム内の割り当てられた場所に適切に収まることを可能にするべく上側のビームスプリッタがエキシマレーザキャビティの後に設置されることを可能にするように、ミラーの列のうち1つに近接して1つ以上のビームスプリッタを位置決めするように設計され得る。
【0056】
[0070] いくつかの実施形態によれば、本開示の拡張された光パルスストレッチャは窒素パージ環境において実装され得る。代替的には、本開示の拡張された光パルスストレッチャは真空環境において実装され得る。
【0057】
[0071]
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、拡張された光パルスストレッチャ401を有するレーザ源400の概略を図示している。いくつかの実施形態においては、レーザ源400は、リソグラフィ装置100又は100’の放射源SOの一部として又は放射源SOに加えて用いることができる。追加的又は代替的には、レーザ源400は、
図2の放射源SOにおいて用いられるレーザを提供し得る。追加的又は代替的には、レーザ源400は、リソグラフィ装置100もしくは100’又は他のDUVリソグラフィ装置において用いられるDUV放射を生成する際に用いることができる。
【0058】
[0072]
図4に図示されているように、レーザ源400はデュアルチャンバレーザ源を含み得る。例えば、レーザ源400は、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bを含み得る。例示的な一実施形態においては、第1のレーザチャンバ403aはマスタ発振器(master oscillator)を含み得るか又はマスタ発振器の一部であり得る。例えば、レーザ源400はマスタ発振器を含むことが可能で、マスタ放射源(master source)は第1のレーザチャンバ403aを含む。本例においては、第2のレーザチャンバ403bはパワー増幅器を含み得るか又はパワー増幅器の一部であり得る。例えば、レーザ源はパワー増幅器を含むことが可能で、パワー増幅器は第2のレーザチャンバ403bを含む。いくつかの実施形態はデュアルチャンバレーザ源に関して述べられるが、本開示の実施形態はこれらの例に限定されない。本開示の実施形態は、1つのチャンバを有するレーザ源又は複数のレーザチャンバを有するレーザ源に適用することができる。
【0059】
[0073] いくつかの実施形態によれば、第1のチャンバ403aは第1のレーザビーム409を生成し、これは第2のレーザチャンバ403bに渡され、そこで第1のレーザビーム409は増幅されて第2のレーザビーム411を生じる。第2のレーザビーム411は拡張された光パルスストレッチャ401に入力され、そこで第2のレーザビーム411のコピーが遅延及び再結合されてスペックルを低減させる。第3のレーザビーム413が拡張された光パルスストレッチャからリソグラフィ装置(例えばリソグラフィ装置100及び/又は110’)に出力される。
【0060】
[0074] いくつかの実施形態によれば、各レーザチャンバ403a及び403bはガスの混合物を含む。例えば、エキシマレーザ源においては、第1のレーザチャンバ403a及び第2のレーザチャンバ403bは、ハロゲン、例えばフッ素を、アルゴン、ネオンなどの他のガス、そして事によると他のものと共に、合計で全圧になる様々な分圧で含み得る。レーザチャンバ403a及び403bは、レーザビームの生成及び増幅において用いられる他のガスを含み得る。追加的又は代替的には、レーザチャンバ403a及び403bは、同じ又は異なるガスの混合物を含み得る。
【0061】
[0075] いくつかの実施形態においては、レーザ源400は、ガス源(例えばガス容器)420a及び420bを含み得る(又はこれらに連結され得る)。例えば、ガス源420aは、第1のレーザビーム409を生成するために用いられるガス混合物を提供するように第1のレーザチャンバ403aに連結され得る。そして、ガス源420bは、第2のレーザビーム411を生成するために用いられるガス混合物を提供するように第2のレーザチャンバ403bに連結され得る。いくつかの例においては、ガス源420a及び420bは、それぞれバルブ(図示しない)を通じてレーザチャンバ403a及び403bに連結され得る。ガス源420a及び420bからレーザチャンバ403a及び403bにガスを送るためのバルブを制御するために制御システム(図示しない)が用いられてもよい。
【0062】
[0076] いくつかの実施形態においては、ガス源420aは、フッ素、アルゴン、及びネオンを含むがこれらに限定されないガスの混合物を含み得る。いくつかの実施形態によれば、ガス源420bは、アルゴン、ネオン、及び/又は他のガスの混合物を含み得るが、フッ素は含まない。もっとも、ガス源420a及び420bにおいては他のガス混合物が用いられてもよい。
【0063】
[0077] いくつかの実施形態によれば、及び上述したように、拡張された光パルスストレッチャ401は、第2のレーザビーム411を受けると共に第2のレーザビーム411のコピーを遅延及び再結合してスペックルを低減させるように構成されている。いくつかの例においては、コヒーレント光の干渉によって生成される明るい点と暗い点との強度パターンを用いてスペックルコントラストを定義することができる。スペックルパターンの明るい領域と暗い領域との強度コントラストはコヒーレンスの程度であり得る。いくつかの例においては、時間的コヒーレンス及び空間的コヒーレンスがコヒーレンス全体に寄与し得る。スペックルコントラストは平均強度で除算した強度変動の標準偏差として定義することができる。いくつかの例においては、スペックルコントラストは、レーザパラメータに基づいて推定することができる。
【0064】
[0078] いくつかの実施形態によれば、拡張された光パルスストレッチャ401は2つの部分、すなわち第1の光パルスストレッチャ401a及び第2の光パルスストレッチャ401bを含み得る。例えば、第1の光パルスストレッチャ401aは、第2のレーザビーム411を受けると共に第2のレーザビーム411のコピーを遅延及び再結合して第1の出力レーザビームを生成する。第1の出力レーザビームは第2の光パルスストレッチャ401bに入力される。第2の光パルスストレッチャ401bは、第1の出力レーザビームを受けると共に第1の出力レーザビームのコピーを遅延及び再結合して第2の出力レーザビームを生成する。第2の出力レーザビームは第1の光パルスストレッチャ401aに入力され、そこで第2の出力レーザビームは第3のレーザビーム413としてリダイレクトされる。
【0065】
[0079] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bは一連のスタックされた光パルスストレッチャを含む。換言すれば、第2の光パルスストレッチャ401b内にはいくつかの光パルスストレッチャが積み重ねられている。光パルスストレッチャのステージの一つ一つ(例えばステージ光パルスストレッチャ)は複数の共焦点共振器を含む。例えば、光パルスストレッチャ401bは、第1の複数の共焦点共振器を含む第1ステージ光パルスストレッチャを含み得る。光パルスストレッチャ401bは更に、第2の複数の共焦点共振器を含む第2ステージ光パルスストレッチャを含む。光パルスストレッチャ401bは更に、第3の複数の共焦点共振器を含む第3ステージ光パルスストレッチャを含む。いくつかの例によれば、第1の複数の共焦点共振器は2つの矩形凹面ミラーを含み、第2の複数の共焦点共振器は4つの矩形凹面ミラーを備え、第3の複数の共焦点共振器は4つの矩形凹面ミラーを備える。もっとも、本開示の実施形態は、光パルスストレッチャ401bにおいて他の数のステージの光パルスストレッチャを含み得ると共に、各ステージ光パルスストレッチャは他の数の共焦点共振器を含み得る。また、本開示の実施形態は、共焦点共振器として他のタイプのミラーを含み得る。さらに、
図4においては直交して配置されている第1の光パルスストレッチャ401aと第2の光パルスストレッチャ401bとの相対的な方向は、単なる例として提供されているに過ぎず、他の実施形態においては他の相対的な構成及び方向が用いられてもよい。
【0066】
[0080]
図5Aは、本開示のいくつかの実施形態による、第1の光パルスストレッチャ401a及び第2の光パルスストレッチャ401bを有する拡張された光パルスストレッチャ401の正面視の概略を図示している。
【0067】
[0081] いくつかの実施形態によれば、及び以下で詳述するように、第1の光パルスストレッチャ401aは、レーザビームの4回の反射を間で生じる4つのミラー(第1対のミラー509及び第2対のミラー510)を含む光学設計を有する1つのステージ光パルスストレッチャ507を含み得る。本例については4つのミラーをもって述べられるが、1つのステージ光パルスストレッチャ507は他の数のミラーを含んでいてもよい。これらのミラーは、レーザビームの4回の反射を生成するように位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、第1の光パルスストレッチャ401aの1つのステージ光パルスストレッチャ507の2対のミラー509及び510は、約1m~3mの物理的距離によって互いに分離され得る。例えば、物理的距離は約1.5mから2.5mであってもよい。これらの距離は例として提供されているに過ぎず、他の実施形態においては他の距離が用いられ得る。いくつかの例においては、第1の光パルスストレッチャ401aの1つのステージ光パルスストレッチャ507は、例から、約30ns~50nsの光遅延を有する光パルスストレッチングが可能であり得る。例えば、約35ns~45nsの光遅延である。例えば、約40ns~44nsの光遅延である。なお、提供された2つのミラー間の物理的距離の例及び光遅延の例は本開示の実施形態を限定しない。第1の光パルスストレッチャ401aは、様々な他の物理的距離及び/又は様々な光遅延が実現されるように設計され得る。
【0068】
[0082] いくつかの実施形態によれば、第1の光パルスストレッチャ401aの1つのステージ光パルスストレッチャ507の2対のミラー509及び510のミラーの各々は円形凹面ミラーを含み得る。
【0069】
[0083] いくつかの実施形態によれば、第1の光パルスストレッチャ401aは追加的な光学要素を含み得る。一例においては、第1の光パルスストレッチャ401aの1つのステージ光パルスストレッチャ507は、レーザビーム411を分割するため及びレーザビーム411のコピーを生成するために用いられるビームスプリッタ511を含み得る。第1の光パルスストレッチャ401aのビームスプリッタ511は、例えば約50%~70%の反射率を有し得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタ511は約55%~65%の反射率を有し得る。しかし、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他の値の反射率が用いられ得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタ511の反射率は、第1の光パルスストレッチャ401aにおいて用いられるミラーの反射率に依存し得る及び/又は基づいて算出され得る。
【0070】
[0084] また、第1の光パルスストレッチャ401aは、ビーム転向、ビームリレー、及び/又はアライメントフィーチャを含み得る。
【0071】
[0085] いくつかの実施形態によれば、及び以下で詳述するように、第2の光パルスストレッチャ401bは、2つ以上(例えば3つ)のステージの共焦点光パルスストレッチャを含み得る。いくつかの例においては、これらの3つのステージの共焦点光パルスストレッチャは、第2の光パルスストレッチャ401bにおいて、互いに略平行に位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、第2の光パルスストレッチャ401bは、第1の光パルスストレッチャ401aに垂直又は略垂直に位置決めされ得る。換言すれば、いくつかの実施形態においては、第1の光パルスストレッチャ401a(例えば鉛直に位置決めされ得る直交光パルスストレッチャ)は、第2の光パルスストレッチャ401bの2つ以上(例えば3つ)のステージの共焦点光パルスストレッチャに垂直又は略垂直に位置決めされる。いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bは、追加的な光遅延を提供し、非常に長いパルスストレッチングを実現するように設計され、安定的でアライメントのための追加的な調整を必要とせず、既存のレーザフレームに取り付けられ得るか又はビームデリバリユニット内に含まれ得ると共に利用可能なレーザボリュームに収まり得る(例えば、製造設備のクリーンルームサブフロアルームに収まり得る)。例えば、第2の光パルスストレッチャ401bは、例えば第1のレーザチャンバ403aの上の狭小空間内に収まり得る。
【0072】
[0086] いくつかの実施形態によれば、拡張された光パルスストレッチャ401は2つ以上の共焦点光パルスストレッチャを組み合わせる。例えば、拡張された光パルスストレッチャ401は、光回路構成毎に4回の反射、4回の反射、12回の反射、及び12回の反射の組み合わせで共焦点光パルスストレッチャを組み合わせる。いくつかの実施形態によれば、異なるミラー間隔及び遅延パス長(例えば4回反射及び12回反射の遅延長)の組み合わせを含むことは、非常に長いパルスストレッチング及び最小の効率損失をもたらし得る。
【0073】
[0087] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bは3つのステージの共焦点光パルスストレッチャを含み得る。もっとも、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光パルスストレッチャ401bは他の数のステージの共焦点光パルスストレッチャを含み得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは2つのミラーを有するものとして述べられる。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは他の数(例えば2つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージにおいて用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの4回の反射を生成するように構成される。
【0074】
[0088] いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは4つのミラーを有するものとして述べられる。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは他の数(例えば4つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージにおいて用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの12回の反射を生成するように構成される。
【0075】
[0089] いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは4つのミラーを有するものとして述べられる。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは他の数(例えば4つ以上)及び/又は構成のミラーを含み得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージにおいて用いられる複数のミラーは、それらの間でレーザビームの12回の反射を生成するように構成される。
【0076】
[0090] いくつかの実施形態によれば、第1の光パルスストレッチャ401aと第2の光パルスストレッチャ401bのステージとは、第1の光パルスストレッチャ401aから第2の光パルスストレッチャ401bに向かって光遅延が増大するように設計される。また、第2の光パルスストレッチャ401bの各ステージの光遅延は第1ステージから第3ステージに向かって増大する。例えば、第1の光パルスストレッチャ401a(例えば直交光パルスストレッチャ)は光遅延を有し得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、第1の光パルスストレッチャ401aの光遅延に等しい又はそれよりも大きい第1の光遅延を有し得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、第1の光遅延に等しい又はそれよりも大きい第2の光遅延を有し得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは、第2の光遅延に等しい又はそれよりも大きい第3の光遅延を有し得る。いくつかの実施形態によれば、光遅延は光パルスストレッチャ内でビームが進む距離に基づいて決定され得る。
【0077】
[0091] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、レーザビームの4回の反射を間で生じる2つのミラー(例えば
図5Aのミラー501及び502の2つの下側のミラー)を含む光学設計を有し得る。本例については2つのミラーをもって述べられているが、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは他の数のミラー(例えば2つ以上のミラー)を含み得る。これらのミラーは、間でレーザビームの4回の反射を生成するように位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの2つのミラーは、約2m~4mの物理的距離によって互いに分離され得る。例えば、物理的距離は約2.5mから3.5mであってもよい。これらの距離は例として提供されているにすぎず、他の実施形態においては他の距離が用いられ得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、例から、約60ns~80nsの光遅延を有する光パルスストレッチングが可能であり得る。例えば、約65ns~75nsの光遅延である。例えば、約70ns~75nsの光遅延である。なお、提供された2つのミラー間の物理的距離の例及び光遅延の例は本開示の実施形態を限定しない。第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、様々な他の物理的距離及び/又は様々な光遅延が実現されるように設計され得る。
【0078】
[0092] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのミラー(例えば、ミラー501及び502の2つの下側ミラー)は矩形凹面ミラーを含み得る。例えば2つの大きな矩形凹面ミラーが用いられ得るが、他の実施形態においては他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラーの反射面は、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの2つのミラー(例えば、ミラー501及び502の2つの下側ミラーの表面)間の距離が2つのミラーの各々の曲率半径に等しく(又は概ね等しく)なるように、球状に凹状であり得る。例えば、ミラーは、テレセントリック設計に基づいて設計及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは、直交チップ-チルト調整(orthogonal tip-tilt adjustment)及びZ軸(例えばビームの伝搬の方向)調整をもって設計され得る。
【0079】
[0093] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは追加的な光学要素を含み得る。一例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、レーザビームを分割するため及びレーザビームのコピーを生成するために用いられるビームスプリッタ(
図5Aのビームスプリッタ503の下側のビームスプリッタ)を含み得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのビームスプリッタは、例えば約45%~65%の反射率を有し得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタは約50%~60%の反射率を有し得る。しかし、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他の値の反射率が用いられ得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタの反射率は、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージにおいて用いられるミラーの反射率に依存し得る及び/又は基づいて算出され得る。
【0080】
[0094] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、レーザビームの12回の反射を間で生じる4つのミラー(例えば
図5Aのミラー501及び502の4つの中央のミラー)を含む光学設計を有し得る。本例については4つのミラーをもって述べられているが、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは他の数のミラー(例えば4つ以上のミラー)を含み得る。これらのミラーは、間でレーザビームの12回の反射を生成するように位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの2対のミラーは、約2m~4mの物理的距離によって互いに分離され得る。例えば、物理的距離は約2.5mから3.5mであってもよい。これらの距離は例として提供されているに過ぎず、他の実施形態においては他の距離が用いられ得る。いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、例から、約170ns~210nsの光遅延を有する光パルスストレッチングが可能であり得る。例えば、約180ns~190nsの光遅延である。例えば、約185ns~195nsの光遅延である。なお、提供された2対のミラー間の物理的距離の例及び光遅延の例は本開示の実施形態を限定しない。第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、様々な他の物理的距離及び/又は様々な光遅延が実現されるように設計され得る。
【0081】
[0095] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージのミラー(例えば、ミラー501及び502の4つの中央のミラー)は矩形凹面ミラーを含み得る。例えば4つの大きな矩形凹面ミラーが用いられ得るが、他の実施形態においては他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラーの反射面は、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの2対のミラー(例えば、ミラー501及び502の2対の中央のミラーの表面)間の距離が4つのミラーの各々の曲率半径に等しく(又は概ね等しく)なるように、球状に凹状であり得る。例えば、ミラーは、テレセントリック設計に基づいて設計及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは直交チップ-チルト調整をもって設計され得る。
【0082】
[0096] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは追加的な光学要素を含み得る。一例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、レーザビームを分割するため及びレーザビームのコピーを生成するために用いられるビームスプリッタ(
図5Aのビームスプリッタ503の中央のビームスプリッタ)を含み得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージのビームスプリッタは、例えば約45%~65%の反射率を有し得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタは約50%~60%の反射率を有し得る。しかし、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他の値の反射率が用いられ得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタの反射率は、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージにおいて用いられるミラーの反射率に依存し得る及び/又は基づいて算出され得る。
【0083】
[0097] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージと類似又は同一であり得る。例えば、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは、レーザビームの12回の反射を間で生じる4つのミラー(例えば
図5Aのミラー501及び502の4つの上部ミラー)を含む光学設計を有し得る。本例については4つのミラーをもって述べられているが、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは他の数のミラー(例えば4つ以上のミラー)を含み得る。これらのミラーは、間でレーザビームの12回の反射を生成するように位置決めされ得る。いくつかの実施形態においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの2対のミラーは、約2m~4mの物理的距離によって互いに分離され得る。例えば、物理的距離は約2.5mから3.5mであってもよい。これらの距離は例として提供されているに過ぎず、他の実施形態においては他の距離が用いられ得る。いくつかの例によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの異なるステージにおけるミラー間の距離は、類似又は同一であり得る。
【0084】
[0098] いくつかの例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージは、例から、約150ns~190nsの光遅延を有する光パルスストレッチングが可能であり得る。例えば、約160ns~180nsの光遅延である。例えば、約165ns~175nsの光遅延である。なお、提供された2対のミラー間の物理的距離の例及び光遅延の例は本開示の実施形態を限定しない。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは、様々な他の物理的距離及び/又は様々な光遅延が実現されるように設計され得る。
【0085】
[0099] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージのミラー(例えば、ミラー501及び502の4つの上部ミラー)は矩形凹面ミラーを含み得る。例えば4つの大きな矩形凹面ミラーが用いられ得るが、他の実施形態においては他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラーの反射面は、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの2対のミラー(例えば、ミラー501及び502の2対の上部ミラーの表面)間の距離が4つのミラーの各々の曲率半径に等しく(又は概ね等しく)なるように、球状に凹状であり得る。例えば、ミラーは、テレセントリック設計に基づいて設計及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは直交チップ-チルト調整をもって設計され得る。
【0086】
[0100] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは追加的な光学要素を含み得る。一例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは、レーザビームを分割するため及びレーザビームのコピーを生成するために用いられるビームスプリッタ(
図5Aのビームスプリッタ503の上部ビームスプリッタ)を含み得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージのビームスプリッタは、例えば約45%~65%の反射率を有し得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタは約50%~60%の反射率を有し得る。しかし、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他の値の反射率が用いられ得る。いくつかの例においては、ビームスプリッタの反射率は、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージにおいて用いられるミラーの反射率に依存し得る及び/又は基づいて算出され得る。
【0087】
[0101] 第2の光パルスストレッチャ401bは追加的な光学要素を含み得る。例えば、第2の光パルスストレッチャ401bはミラー505a及び505bを含み得る。ミラー505a及び505bは光学的にストレッチされたレーザビームを第1の光パルスストレッチャ401aの方に戻すように方向付けるために用いられ得るものであり、そこで、光学的にストレッチされたレーザビームは、レーザ源400から第3のレーザビーム413として出力され得る。なお、いくつかの実施形態によれば、第1の光パルスストレッチャ401aの方にリダイレクトされた、光学的にストレッチされたレーザビームは、第1の光パルスストレッチャ401aのステージ507は通過せず、レーザ源400を出力する第3のレーザビーム413としてリダイレクトされる。
【0088】
[0102] いくつかの実施形態によれば、ミラー505a及び505bは、(約45度の入射角を提供するように)約45度で取り付けられたs偏光ミラーを含み得る。もっとも、ミラー505a及び505bの他の例及び/又は方向が本開示の実施形態と共に用いられ得る。
【0089】
[0103]
図5Bは、本開示のいくつかの実施形態による第2の光パルスストレッチャ401bの上面視の概略を図示している。
図5Cは、本開示のいくつかの実施形態による、第1の光パルスストレッチャ401a及び第2の光パルスストレッチャ401bを有する拡張された光パルスストレッチャ401の側面視の概略を図示している。
【0090】
[0104]
図5Bの第2の光パルスストレッチャ401bの上面図には、例えば、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの4つのミラーが図示されている。これらの4つのミラーは、2対のミラー、すなわちミラー501d及び501eとミラー502d及び502eとを含み得る。
図5Bの上面図はビームスプリッタ503も図示している。第2の光パルスストレッチャ401bの第2及び第3ステージの4つのミラー間でのレーザビームの反射及び伝搬については、
図7Bに関して更に後述する。
【0091】
[0105]
図5Cの第1の光パルスストレッチャ401a及び第2の光パルスストレッチャ401bの側面図には、第2の光パルスストレッチャ401bの一方の側の5つのミラーが図示されている。本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのミラー502aが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの他方の側には1つのミラー(例えばミラー501a)があるが、これは同図には図示されていない。本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの1対のミラー502b及び502cが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの他方の側には別の1対のミラー(例えば1対のミラー501b及び501c)があるが、これは同図には図示されていない。また、本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの1対のミラー502d及び502eが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの他方の側には別の1対のミラー(例えば1対のミラー501d及び501e)があるが、これは同図には図示されていない。
【0092】
[0106]
図6Aは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の光パルスストレッチャ401bにおけるレーザビームの経路の一部の概略図を図示する。
【0093】
[0107]
図6Aに図示されるように、第1の光パルスストレッチャ401aのステージを用いて光学的にストレッチされたレーザビーム601は第2の光パルスストレッチャ401bに進入する。第1のビームスプリッタ503aを用いて、レーザビーム601は、レーザビーム603とレーザビーム605とに分割される。レーザビーム605は、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージに進入する。レーザビーム603は、2つのミラーを含む、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージに進入する。(例えば
図7Aに図示されるような)第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの2つのミラーからの4回の反射の後、レーザビームはビームスプリッタ503aを用いて第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージに進入する。
【0094】
[0108] レーザビーム605(及び/又は第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージからのレーザビーム)は、レーザビーム607とレーザビーム609とに分割される。レーザビーム609は、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージに進入する。レーザビーム607は、4つのミラーを含む、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージに進入する。(例えば
図7Bに図示されるような)第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの4つのミラーからの12回の反射の後、レーザビームはビームスプリッタ503bを用いて第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージに進入する。
【0095】
[0109] レーザビーム609(及び/又は第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージからのレーザビーム)は、レーザビーム611とレーザビーム613とに分割される。レーザビーム613は、ミラー505a及び505bを用いて、第1の光パルスストレッチャ401aに戻るように反射される。レーザビーム611は、4つのミラーを含む、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージに進入する。(例えば
図7Bに図示されるような)第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの4つのミラーからの12回の反射の後、レーザビームはビームスプリッタ503c並びにミラー505a及び505bを用いて第1の光パルスストレッチャ401aに戻るように反射される。
【0096】
[0110]
図6Bは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の光パルスストレッチャ401bにおけるレーザビームの経路の一部及び第2の光パルスストレッチャ401bにおいて用いられるミラーの一部の概略図を図示している。
【0097】
[0111]
図6Bには、第2の光パルスストレッチャ401bの一方の側の5つのミラーが図示されている。本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのミラー502aが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの他方の側には1つのミラー(例えばミラー501a)があるが、これは同図には図示されていない。本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの1対のミラー502b及び502cが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージの他方の側には別の1対のミラー(例えば1対のミラー501b及び501c)があるが、これは同図には図示されていない。また、本例においては、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの1対のミラー502d及び502eが図示されている。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの他方の側には別の1対のミラー(例えば1対のミラー501d及び501e)があるが、これは同図には図示されていない。
【0098】
[0112]
図7Aは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージの概略上面図を図示している。
図7Aに図示されるように、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージは、2つのミラー501a及び502aと、ビームスプリッタ503aと、任意選択的な補償器701とを含む。
【0099】
[0113] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのミラーミラー501a及び502aは矩形凹面ミラーを含み得る。例えば2つの大きな矩形凹面ミラーが用いられ得るが、他の実施形態においては他の形状が用いられる。いくつかの実施形態によれば、ミラー501a及び502aの反射面は、ミラー501aと502aとの間の距離がミラー501a及び502aの各々の曲率半径に等しく(又は概ね等しく)なるように、球状に凹状であり得る。例えば、ミラー501a及び502aは、テレセントリック設計に基づいて設計及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは直交チップ-チルト調整をもって設計され得る。いくつかの実施形態によれば、及び例えば円形ミラーと比較すると、ミラー501a及び502aは、ミラーのミスアライメントに比較的無感応であり得、より少ない部品点数を有し得、実装設計を単純化することができ、及び/又は削減された部品及び自由によって位置合わせがより容易になり得る。
【0100】
[0114] いくつかの実施形態によれば、ミラー501a及び502aの個々の曲率及び大きさは、パルスストレッチャがレーザシステム内の割り当てられた場所に適切に収まることを可能にするべく上側のビームスプリッタ(例えば第2の光パルスストレッチャ401bの上側のステージのビームスプリッタ)がエキシマレーザキャビティの後に設置されることを可能にするように、ミラーの列のうち1つに近接して(例えばミラー501aに近接して)ビームスプリッタ503aを位置決めするように設計され得る。例えば、ビームスプリッタ503aは「D」型ビームスプリッタであり得る。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他のタイプのビームスプリッタ及び/又は様々な他の構成のビームスプリッタ及びミラーも用いられ得る。
【0101】
[0115] いくつかの実施形態によれば、ビームスプリッタ503aは、レーザビームが同じ平面内で(例えばフロアに平行に)伝搬することを可能にするように回路の各々を「平坦化」するべく、ミラー501a及び/又は502aの曲率中心に対して位置決めされる。
【0102】
[0116] いくつかの実施形態によれば、任意選択的な補償器701は、ビームスプリッタ503aの有限厚さからのレーザビームウォークオフを補償するように及びミラー調整の自由度(DOF)を低減するように(例えば、小さいミラー設計の8DOFに対して大きいミラー設計の4DOF)構成された補償板を含み得る。
【0103】
[0117] いくつかの実施形態によれば、ミラー501aと502aとの間の距離は製造の際に調整され得、ミラーのチップ/チルト調整はフィールド内でなされ得る。
【0104】
[0118]
図7Bは、本開示のいくつかの実施形態による、第2の光パルスストレッチャ401bの第2又は第3ステージの概略上面図を図示している。
図7Bに図示されるように、第2の光パルスストレッチャ401bの第2又は第3ステージは、4つのミラー501b,501c,502b,及び502cと、ビームスプリッタ503bとを含み得る。
【0105】
[0119]
図7Bについて、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージに関して述べる。しかしながら、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージは同一又は類似であり得る。いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージのミラー501b,501c,502b,及び502cは矩形凹面ミラーを含み得る。例えば2つの大きな矩形凹面ミラーが用いられ得るが、他の実施形態においては他の形状が用いられる。
【0106】
[0120] いくつかの実施形態によれば、ミラー501b,501c,502b,及び502cの反射面は、ミラー501bと502bと(又はミラー501cと502cと)の間の距離がミラー501b,501c,502b,及び502cの各々の曲率半径に等しく(又は概ね等しく)なるように、球状に凹状であり得る。例えば、ミラー501b,501c,502b,及び502cは、テレセントリック設計に基づいて設計及び位置決めされ得る。いくつかの実施形態によれば、凹面ミラーは直交チップ-チルト調整をもって設計され得る。いくつかの実施形態によれば、及び例えば円形ミラーと比較すると、ミラー501b,501c,502b,及び502cは、ミラーのミスアライメントに比較的無感応であり得、より少ない部品点数を有し得、実装設計を単純化することができ、及び/又は削減された部品及び自由によって位置合わせがより容易になり得る。
【0107】
[0121] いくつかの実施形態によれば、ミラー501b,501c,502b,及び502cの個々の曲率及び大きさは、パルスストレッチャが割り当てられたレーザボリュームに適切に収まることを可能にするべく上側のビームスプリッタ(例えば第2の光パルスストレッチャ401bの上側のステージのビームスプリッタ)がエキシマレーザキャビティの後に設置されることを可能するように、ミラーの列のうち1つに近接して(例えばミラー501b及び501cに近接して)ビームスプリッタ503bを位置決めするように設計され得る。例えば、ビームスプリッタ503bは「D」型ビームスプリッタであり得る。しかしながら、本開示の実施形態はこれらの例に限定されず、様々な他のタイプのビームスプリッタ及び/又は様々な他の構成のビームスプリッタ及びミラーも用いられ得る。
【0108】
[0122] いくつかの実施形態によれば、ビームスプリッタ503bは、レーザビームが同じ平面内で(例えばフロアに平行に)伝搬することを可能にするように回路の各々を「平坦化」するべく、ミラー501b,501c,502b,及び/又は502cの曲率中心に対して位置決めされる。
【0109】
[0123] いくつかの実施形態によれば、(図示しない、
図7Aの補償器701に類似の)任意選択的な補償器が用いられ得る。任意選択的な補償器は、ビームスプリッタ503bの有限厚さからのレーザビームウォークオフを補償するように及びミラー調整の自由度(DOF)を低減するように(例えば、小さいミラー設計の8DOFに対して大きいミラー設計の4DOF)構成された補償板を含み得る。
【0110】
[0124] いくつかの実施形態によれば、ミラー501b,501c,502b,及び502c間の距離は製造の際に調整され得、ミラーのチップ/チルト調整はフィールド内で実施され得る。
【0111】
[0125] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージ(及び/又は第3ステージ)内でのレーザビームの伝搬の経路は、参照により全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,415,065号明細書に述べられているレーザビームの伝搬の経路と類似し得る。
【0112】
[0126] 本例においては、レーザビームは、例えばビームスプリッタ503bを用いて、第2の光パルスストレッチャ401bの第2ステージに進入する。いくつかの実施形態によれば、進入したレーザビームは第2の光パルスストレッチャ401bの第1ステージのレーザビーム出力であり得る。レーザビームは第1の点1でミラー501bに入射する。ミラー501b上の点1から、反射されたビームは、ミラー502c上の点2に入射する。ミラー502c上の点2から、反射されたビームは、ミラー501b上の点3に入射する。ミラー501b上の点3から、反射されたビームは、ミラー502b上の点4に入射する。ミラー502b上の点4から、反射されたビームは、ミラー501c上の点5に入射する。ミラー501c上の点5から、反射されたビームは、ミラー502b上の点6に入射する。
【0113】
[0127] ミラー502b上の点5から、反射されたビームは、ミラー501b上の点7に入射する。ミラー501b上の点7から、反射されたビームは、ミラー502c上の点8に入射する。ミラー502c上の点8から、反射されたビームは、ミラー501b上の点9に入射する。ミラー501b上の点9から、反射されたビームは、ミラー502b上の点10に入射する。ミラー502b上の点10から、反射されたビームは、ミラー501c上の点11に入射する。ミラー501c上の点11から、反射されたビームは、ミラー502b上の点12に入射する。ミラー502b上の点12から、反射されたビームは、ビームスプリッタ503bに入射する。
【0114】
[0128] ビームスプリッタ503bを用いて、ミラー502b上の点12から反射されたビームは、第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージの方に反射され得る。第2の光パルスストレッチャ401bの第3ステージでは、同様の12回の反射及びビーム伝搬が起こり得る。
【0115】
[0129] いくつかの実施形態によれば、第2の光パルスストレッチャ401bの第1、第2、及び第3ステージ(及び/又は第1の光パルスストレッチャ401aの光パルスストレッチャステージ)は、その設計が初期ミスアライメント及び/又は動作時の振動問題に耐え得るように設計され得る。
【0116】
[0130] いくつかの実施形態によれば、及び上述したように、第2の光パルスストレッチャ401bのレーザビーム出力は、第1の光パルスストレッチャ401aの方に反射されて戻され、反射されると共にレーザ源400から送出される。いくつかの例によれば、第2の光パルスストレッチャ401bと出力レーザ源400との間の距離のため、第1の光パルスストレッチャ401aはビームリレーを含み得る。第1の光パルスストレッチャ401aのビームリレーは、第2の光パルスストレッチャ401bの出力及び
図4の出力レーザビーム413を受けるように構成されている。いくつかの例においては、ビームリレーは、テレスコピック構成で構成された2つ以上のレンズを含み得る。追加的又は代替的には、ビームリレーは1つ以上のアパーチャを含み得る。
【0117】
[0131]
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、第1の光パルスストレッチャ401aにおけるレーザビームの経路の一部の概略図を図示している。いくつかの実施形態によれば、
図4の第2のレーザビーム411は第1の光パルスストレッチャ401aに入力される。第2のビームレーザ411は、任意選択的なビームスプリッタ802及び任意選択的なアライメント光学素子804(例えばアライメントプリズム)を通過し得る。アライメント光学素子804は、例えば、光学要素及び/又はビームを位置合わせする目的で、第1の光パルスストレッチャ401aを組み立てるときのアライメントのために用いられ得る。アライメント光学素子804は第2の光パルスストレッチャ401b及びレーザ源400の動作時に除去され得る。
【0118】
[0132] 第2のレーザビーム411は更に、第1の光パルスストレッチャ401aの光パルスストレッチャステージ507のビームスプリッタに入射し得る。第2のレーザビーム411の一部分807は、第1の光パルスストレッチャ401aの光パルスストレッチャステージ507に進入して光学的にストレッチされ得る。第1の光パルスストレッチャ401aの光パルスストレッチャステージ507の出力は、ミラー808aを用いて第2の光パルスストレッチャ401bの方へ反射809され得る。第2の光パルスストレッチャ401bの出力(例えばレーザビーム811)は、第1の光パルスストレッチャ401aに送り返される。
【0119】
[0133] 光学要素812は、上述した任意選択的なビームリレーの任意選択的な光学要素であり得る。第2の光パルスストレッチャ401bの出力(例えばレーザビーム811)は、ミラー808bを用いて反射される。反射されたレーザビームは、1つ以上の任意選択的なシステムアパーチャ814及び/又はビームスプリッタ816を通って進み得る。(
図4の)第3のレーザビーム413はレーザ源400の出力である。
【0120】
[0134] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。例えば、これは、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、LCD、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「基板」又は「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と見なしてよいことが当業者には認識される。本明細書に述べている基板は、露光前又は露光後に、例えばトラックユニット(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジユニット及び/又はインスペクションユニットで処理することができる。適宜、本明細書の開示は、以上及びその他の基板プロセスツールに適用することができる。さらに基板は、例えば多層ICを生成するために、複数回処理することができ、従って本明細書で使用する基板という用語は、既に複数の処理済み層を含む基板も指すことができる。
【0121】
[0135] 本明細書中の言い回し又は専門用語は説明を目的とするものであって限定を目的とするものではないことが理解されるべきであり、従って、本明細書の専門用語又は言い回しは、本明細書中の教示に照らして当業者によって解釈されるべきである。
【0122】
[0136] 本明細書で使用される「基板」という用語は、その上に材料層が追加される材料を記述する。一部の実施形態では、基板自体にパターンが付与されると共に、その上に追加された材料にもパターンが付与されるか、又はパターン付与されないままである場合がある。
【0123】
[0137] 上述及び以下の例はこの開示の実施形態を説明するものであるが限定的ではない。本技術分野で通常見られ、当業者に自明と思われる各種の条件及びパラメータのその他の適切な変更形態及び適応形態も本開示の趣旨及び範囲内にある。
【0124】
[0138] 本文では、ICの製造における本実施形態による装置及び/又はシステムの使用について特に言及しているが、そのような装置及び/又はシステムは他の多くの可能な用途を有することを明確に理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用ガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、LCDパネル、薄膜磁気ヘッドなどに使用できる。こうした代替的な用途に照らして、本明細書で「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語を使用している場合、それぞれ「マスク」、「基板」及び「ターゲット部分」という、より一般的な用語と同義と置き換えられてよいことが当業者には認識される。
【0125】
[0139] 本開示の特定の実施形態が上に記載されているが、本実施形態は、記載されている以外の方法で実施され得ることが理解されるであろう。本明細書は、本実施形態を限定することを意図するものではない。
【0126】
[0140] 特許請求の範囲を解釈するには、「発明の概要」及び「要約書」の項ではなく、「発明を実施するための形態」の項を使用するよう意図されていることを理解されたい。「発明の概要」及び「要約書」の項は、本発明者が想定するような1つ以上の例示的実施形態について述べることができるが、全部の例示的実施形態を述べることはできず、従って本実施形態及び添付の特許請求の範囲をいかなる意味でも限定しないものとする。
【0127】
[0141] 以上では、特定の機能の実施例を例示する機能的構成要素及びその関係を用いていくつかの実施形態について説明してきた。これらの機能的構成要素の境界は、本明細書では説明の便宜を図って任意に画定されている。特定の機能及びその関係が適切に実行される限り、代替的境界を画定することができる。
【0128】
[0142] 特定の実施形態の前述の説明は、本実施形態の全体的性質を十分に明らかにしているので、当技術分野の知識を適用することにより、過度の実験をせず、本発明の全体的な概念から逸脱することなく、このような特定の実施形態を容易に変更及び/又はこれを様々な用途に適応させることができる。従って、このような適応及び変更は、本明細書に提示された教示及び案内に基づき、開示された実施形態の均等物の意味及び範囲に入るものとする。
【0129】
[0143] 本発明の他の態様は、以下の番号を付した条項に記載する。
1.レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャであって、
2つ以上のミラーを備え、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上のミラーを備え、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上のミラーを備え、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
を備える、光パルスストレッチャ。
2.第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラー、第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラー、及び第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーは、凹面ミラーを備える、条項1の光パルスストレッチャ。
3.第1ステージ光パルスストレッチャは、第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラーを用いてレーザビームの一部を4回反射させることによって第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、条項1の光パルスストレッチャ。
4.第2ステージ光パルスストレッチャは、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、第3ステージ光パルスストレッチャは、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、条項3の光パルスストレッチャ。
5.第2ステージ光パルスストレッチャは、第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーを用いて第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、条項1の光パルスストレッチャ。
6.第3ステージ光パルスストレッチャは、第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーを用いて第2のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、条項1の光パルスストレッチャ。
7.第1ステージ光パルスストレッチャに対応し、レーザビームを受けてレーザビームの一部を第1ステージ光パルスストレッチャの2つ以上のミラーに向けるように構成された、第1のビームスプリッタ
を更に備える、条項1の光パルスストレッチャ。
8.第1のビームスプリッタは第1の光パルスストレッチャの2つ以上のミラーのうち第1のミラーにより近接して位置決めされ、第1のビームスプリッタはD型ビームスプリッタである、条項7の光パルスストレッチャ。
9.第1のビームスプリッタは、第1ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及びレーザビームの一部が第1ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、2つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる、条項7の光パルスストレッチャ。
10.第2ステージ光パルスストレッチャに対応し、第1のパルスストレッチレーザビームを受けて第1のパルスストレッチレーザビームの一部を第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーに向けるように構成された、第2のビームスプリッタ
を更に備える、条項7の光パルスストレッチャ。
11.第2のビームスプリッタは、第2ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び第1のパルスストレッチレーザビームの一部が第2ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、第2ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる、条項10の光パルスストレッチャ。
12.第3ステージ光パルスストレッチャに対応し、第2のパルスストレッチレーザビームを受けて第2のパルスストレッチレーザビームの一部を第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーに向けるように構成された、第3のビームスプリッタ
を更に備える、条項10の光パルスストレッチャ。
13.第3のビームスプリッタは、第3ステージ光パルスストレッチャを平坦化するように及び第2のパルスストレッチレーザビームの一部が第3ステージ光パルスストレッチャ内を同じ平面内で伝搬することを可能にするように、第3ステージ光パルスストレッチャの4つ以上のミラーの曲率中心に対して位置決めされる、条項12の光パルスストレッチャ。
14.第2のビームスプリッタは第2の光パルスストレッチャの4つ以上のミラーのうち第1対により近接して位置決めされ、
第2のビームスプリッタはD型ビームスプリッタであり、
第3のビームスプリッタは第3の光パルスストレッチャの4つ以上のミラーのうち第1対により近接して位置決めされ、
第3のビームスプリッタはD型ビームスプリッタである、
条項12の光パルスストレッチャ。
15.第1ステージ光パルスストレッチャによって受けられるレーザビームは直交ステージ光パルスストレッチャによって生成されるパルスストレッチレーザビームを備え、
直交ステージ光パルスストレッチャは、光パルスストレッチャの外部に、光パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、
条項1の光パルスストレッチャ。
16.直交ステージ光パルスストレッチャはレーザビームの一部を4回反射させるように構成されている、条項15の光パルスストレッチャ。
17.レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャ
を備えるレーザ源であって、光パルスストレッチャは、
2つ以上のミラーを備え、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上のミラーを備え、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
4つ以上のミラーを備え、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
を備える、レーザ源。
18.放射ビームを調節するように構成された照明システムと、
パターニングデバイスを支持するように構成された支持構造と、
基板を保持するように構成された基板テーブルと、
パターニングデバイスによって放射ビームに付与されたパターンを基板のターゲット部分に投影するように構成された投影システムと、
を備えるリソグラフィ装置であって、
照明システムはレーザ源を備えており、レーザ源はレーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャを備えており、光パルスストレッチャは、
第1の複数の共焦点共振器を備え、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
第2の複数の共焦点共振器を備え、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
第3の複数の共焦点共振器を備え、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
を備える、リソグラフィ装置。
19.第1の複数の共焦点共振器は2つ以上の凹面ミラーを備え、
第2の複数の共焦点共振器は4つ以上の凹面ミラーを備え、
第3の複数の共焦点共振器は4つ以上の凹面ミラーを備える、
条項18のリソグラフィ装置。
20.第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有し、
第2ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延に等しい又は第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有し、
第3ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有する、
条項18のリソグラフィ装置。
21.第1ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を4回反射させることによって第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
第2ステージ光パルスストレッチャは、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
第3ステージ光パルスストレッチャは、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることによって出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、
条項18のリソグラフィ装置。
22.レーザ源は、
レーザビームを光パルスストレッチャに向けるように構成された直交ステージ光パルスストレッチャであって、光パルスストレッチャの外部に、光パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、直交ステージ光パルスストレッチャ
を更に備える、条項18のリソグラフィ装置。
23.直交ステージ光パルスストレッチャは4つの円形凹面ミラーを備える、条項22のリソグラフィ装置。
24.出力パルスストレッチレーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームをレーザ源から出力するように構成されたビームリレー
を更に備える、条項22のリソグラフィ装置。
25.レーザビームを受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された光パルスストレッチャであって、
光パルスストレッチャ内にスタックされた2つ以上の共焦点光パルスストレッチャを備えており、
2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第1の共焦点光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてレーザビームの一部を4回反射させることにより第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第2の共焦点光パルスストレッチャは、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームの一部を12回反射させることにより第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、
光パルスストレッチャ。
26.2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第1の共焦点光パルスストレッチャは第1の光遅延を有し、
2つ以上の共焦点光パルスストレッチャのうち第2の共焦点光パルスストレッチャは第1の光遅延に等しい又は第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有する、
条項25の光パルスストレッチャ。
27.第1の複数の共焦点共振器を備え、レーザビームを受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
スタックされた共焦点光パルスストレッチャであって、
第2の複数の共焦点共振器を備え、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
第3の複数の共焦点共振器を備え、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第3のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
第4の複数の共焦点共振器を含み、第3のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第4ステージ光パルスストレッチャと、
を備えるスタックされた共焦点パルスストレッチャと、
を備える、拡張された光パルスストレッチャであって、
第1ステージ光パルスストレッチャは、スタックされた共焦点パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、拡張された光パルスストレッチャ。
28.第1ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延を有し、
第2ステージ光パルスストレッチャは第1の光遅延に等しい又は第1の光遅延よりも大きい第2の光遅延を有し、
第3ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第3の光遅延を有し、
第4ステージ光パルスストレッチャは第2の光遅延に等しい又は第2の光遅延よりも大きい第4の光遅延を有する、
条項27の拡張された光パルスストレッチャ。
29.第1ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてレーザビームの一部を4回反射させることにより第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
第2ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてレーザビームの一部を4回反射させることにより第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
第3ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてレーザビームの一部を12回反射させることにより第3のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されており、
第4ステージ光パルスストレッチャは、レーザビームの一部を受けてレーザビームの一部を12回反射させることにより第4のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成されている、
条項27の拡張された光パルスストレッチャ。
30.レーザビームを生成することと、
レーザビームを光パルスストレッチャを通じて方向付けることと、
を備える方法であって、光パルスストレッチャは、
第1の複数の共焦点共振器を備え、レーザビームの一部を受けて第1のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第1ステージ光パルスストレッチャと、
第2の複数の共焦点共振器を備え、第1のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて第2のパルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第2ステージ光パルスストレッチャと、
第3の複数の共焦点共振器を備え、第2のパルスストレッチレーザビームの一部を受けて出力パルスストレッチレーザビームを生成するように構成された、第3ステージ光パルスストレッチャと、
を備える、方法。
31.光パルスストレッチャは更に、レーザビームを第1ステージ光パルスストレッチャに向けるように構成された直交ステージ光パルスストレッチャを備えており、直交ステージ光パルスストレッチャは、第1ステージ、第2ステージ、及び第3ステージ光パルスストレッチャに略垂直に位置決めされる、条項30の方法。
【0130】
本実施形態の幅及び範囲は、上述した例示的実施形態のいずれによっても限定されず、特許請求の範囲及びその均等物によってのみ規定されるものである。