(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】プライマー及び百日咳菌 rRNAの検出方法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20240416BHJP
C12Q 1/689 20180101ALI20240416BHJP
C12Q 1/6844 20180101ALI20240416BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20240416BHJP
【FI】
C12N15/11
C12Q1/689 Z ZNA
C12Q1/6844 Z
C12Q1/6876 Z
(21)【出願番号】P 2019218224
(22)【出願日】2019-12-02
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003300
【氏名又は名称】東ソー株式会社
(72)【発明者】
【氏名】庄司 麻土香
(72)【発明者】
【氏名】宇根 蔵人
(72)【発明者】
【氏名】塚本 悠
【審査官】田ノ上 拓自
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-500085(JP,A)
【文献】特開2009-000063(JP,A)
【文献】Infect Chemother.,Vol.40, No.1,2008年,pp.24-31,DOI : 10.3947/ic.2008.40.1.24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00-15/90
C12Q 1/00-3/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料中に含まれる百日咳
菌rRN
Aの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸を増幅するため
の第一のプライマーおよび第二のプライマーを用いて、前記百日咳菌rRNAの特定塩基配列あるいは/および前記特定塩基配列の相補配列からなる核酸を増幅し、検出する、百日咳菌rRNAの検出方法において、
第一のプライマーおよび第二のプライマーとして以下の組合わせのいずれかを用い、
第一のプライマー/第二のプライマー:
配列番号17のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド
配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号37のオリゴヌクレオチド
配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド
配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号41のオリゴヌクレオチド
配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号42のオリゴヌクレオチド
配列番号23のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド
配列番号15のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド
かつ、以下の(1)から(6)に示す工程により、反応温度35~65℃で行うことを特徴とする方法。
(1)第一のプライマーが百日咳菌rRNAにハイブリダイズし、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列に相補的なcDNAを合成し、前記RNAとのRNA-DNA2本鎖を生成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH活性を有する酵素により、前記RNA-DNA2本鎖のRNAを分解し1本鎖DNAを生成する工程、
(3)生成した1本鎖DNAに、第二のプライマーがハイブリダイズし、ここで前記第一または第二のプライマーのいずれか一方はその5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加され、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列または特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素により前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生産する工程、
(5)当該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)配列番号57のオリゴヌクレオチドを標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、前記RNA転写産物量を測定する工程。
【請求項2】
前記プローブが転写産物と相補的な配列を有し相補的なハイブリッドを形成すると蛍光特性が変化するインターカレーター性蛍光色素で標識されたプローブであることを特徴とする請求項
1に記載の検出方法。
【請求項3】
第一のプライマー、第二のプライマーおよびプローブの組合わせとして、以下のA02、A05、A06、A07、A08、A09またはA13
No.:第一のプライマー/第二のプライマー/プローブ
A02:配列番号17のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A05:配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号37のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A06:配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A07:配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号41のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A08:配列番号21のオリゴヌクレオチド/配列番号42のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A09:配列番号23のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
A13:配列番号15のオリゴヌクレオチド/配列番号40のオリゴヌクレオチド/配列番号57のオリゴヌクレオチド
を含有することを特徴とする、請求項
1または2の検出方法を実施するため
の百日咳菌rRNAの検出試薬。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料中に含まれる百日咳菌rRNAを迅速、高感度かつ特異的に検出するためのオリゴヌクレオチドプライマー、および当該プライマーを用いた百日咳菌 rRNAの検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
百日咳菌(Bordetella pertussis)は人に感染すると、特有の痙攣性咳発作を伴う急性気道感染症を引き起こす。罹患者の多くは小児であるが、成人が罹患した際の百日咳は典型症状を示さないため、診断が見落とされ小児への感染源となるケースがある。百日咳菌には通常外来で使用されるβ-ラクタム系の抗菌薬が効かないため、適切かつ迅速な菌同定が必要になる。菌同定検査には、培養検査や遺伝子検査などが用いられるが、培養検査は菌分離率が著しく低く、また培養に7日を要するため、感度、特異性、迅速性に劣る(非特許文献1)。
【0003】
一方、遺伝子検査は最も感度が高い検査法であり、Polymerase Chain Reaction(PCR)法(非特許文献2)、Nucleic Acid Sequence-Based Amplification(NASBA)法(非特許文献3)、Tracscription-Mediated Amplification(TMA)法(非特許文献4)、Transcription-Reverse Transcription Concerted reaction(TRC)法(非特許文献5)がある。
【0004】
遺伝子検査のなかでもLAMP法は、臨床的に用いられる百日咳菌の検査法(特許文献1、非特許文献6)であり、百日咳菌特異的な塩基配列を増幅して検出する。LAMP法による百日咳菌同定検査は、感度、特異性に優れているものの、結果が出るまで3時間程度(成人では1日以上)かかり、迅速性に関して改善の余地がある。一方、TRC法(特許文献2、特許文献3)は、比較的低温の一定温度(例えば、40℃から50℃)条件下でRNAの増幅を行う方法である。1時間程度で結果を得ることができるうえ、操作が簡便である。また、感度、特異度ともに他の核酸増幅による検出法と同等である(非特許文献7)。
【0005】
百日咳菌23S rRNAは他の菌の23S rRNAとの間で塩基配列の相同性が高いものが多数存在する。特に、パラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)とは23S rRNAの相同性が99%であるため、当該プライマーやオリゴヌクレオチドプローブの設計は困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2007-124970号公報
【文献】特開2000-14400号公報
【文献】特開2001-37500号公報
【非特許文献】
【0007】
【文献】THE CHEMICAL TIMES2011 No.1(通巻219号)
【文献】日本臨床微生物学雑誌Vol.18 No.3 2008.13
【文献】ウイルス49(1),27-32,1999
【文献】モダンメディア 52巻9 号2006[新しい検査法]
【文献】日本臨床微生物学会雑誌Vol.18 No.1 2008.19
【文献】モダンメディア62巻9号2016[臨床検査アップデート]
【文献】医学検査Vol.64 No.4 2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、試料中に存在する百日咳菌 rRNAに由来する核酸を高感度、迅速かつ特異的に増幅し得るプライマー、および、当該プライマーを用いた百日咳菌 rRNAの検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下のとおりである。
【0010】
(1) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、配列番号2、6、10、14、25、29、36、44、48のいずれかに記載の配列の少なくとも15塩基からなる配列、もしくはその相補配列の少なくとも1つ以上から選ばれてなることを特徴とするプライマー。
【0011】
(2) 前記プライマーが少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーからなり、第一のプライマーが配列番号3、4、7、8、11、12、15~23、26、27のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号30~34、37~42、45、46、49~51、54~56のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1に記載のプライマー。
【0012】
(3) 前記(1)(2)のいずれかに記載のプライマーを用いて、前記百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列あるいは/および前記特定塩基配列の相補配列からなる核酸を増幅し、検出することを特徴とする、 百日咳菌rRNAもしくはrDNAの検出方法。
【0013】
(4) 前記百日咳rRNAの特定塩基配列の検出方法であって、特定塩基配列を含む試料中の標的RNAを鋳型として、プロモーター配列を有し前記特定塩基配列又は前記特定塩基配列と相補的な配列からなるRNAを転写可能な2本鎖DNAを生成し、RNAポリメレースによって前記特定塩基配列又は前記特定塩基配列に相補的な配列からなるRNA転写産物を生成し、更に、該RNA転写産物を鋳型として前記2本鎖DNAを生成する工程からなるRNA増幅工程を、RNA転写産物に相補的な配列を有し、RNA転写産物との相補結合によって、複合体を形成していない場合と比較して蛍光特性が変化するよう設計されたプローブ存在下で実施し、該蛍光特性の変化を測定することで、百日咳菌rRNAを検出することを特徴とする前記(3)に記載の、百日咳菌 rRNAの検出方法。
【0014】
(5) 前記プローブが配列番号47、48、49の少なくとも14塩基からなることを特徴とする前記(4)に記載の検出方法。
【0015】
(6) 前記プローブが転写産物と相補的な配列を有し相補的なハイブリッドを形成すると蛍光特性が変化するインターカレーター性蛍光色素で標識されたプローブであることを特徴とする前記(5)に記載の検出方法。
【0016】
(7) 前記(6)の検出方法を実施するための前記プライマーおよび前記プローブを少なくとも含むことを特徴とする百日咳菌rRNAの検出試薬。試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、第一のプライマーが配列番号1、5、9、13、24、28のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが35、43、47、52のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであることを特徴とするプライマー。
【0017】
なお、本発明の前記オリゴヌクレオチドとしては標的となる相補的配列に対してストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド、あるいは前記オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドも使用可能であることは言うまでもない。
すなわち、本発明の別の形態としては、
【0018】
(8) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、第一のプライマーが(1)のいずれかに記載のプライマーの少なくとも15塩基からなり、第二のプライマーが(1)のいずれかに記載のプライマーの少なくとも16塩基からなる配列、もしくはその相補配列の少なくとも1つ以上から選ばれてなることを特徴とするプライマー。
【0019】
(9) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、第一のプライマーが配列番号2、6、10、14、25のいずれかに記載の塩基配列中、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが配列番号29、36、44、48、53のいずれかに記載の塩基配列中、少なくとも連続する16塩基からなるオリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであることを特徴とするプライマー。
【0020】
(10) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第一のプライマーまたは前記特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、前記プライマーが少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーからなり、
第一のプライマーが配列番号3、4、7、8、11、12、15~23、26、27のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて、1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが配列番号30~34、37~42、45、46、49~51、54~56の何れかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とするプライマー。
【0021】
(11) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第一のプライマーまたは前記特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、前記プライマーが少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーからなり、
第一のプライマーが配列番号15~23のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが配列番号37~42の何れかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とするプライマー。
【0022】
(12) 試料中に含まれる百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第一のプライマーまたは前記特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第二のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであり、前記プライマーが少なくとも第一のプライマーおよび第二のプライマーからなり、
第一のプライマーが配列番号17、21、23のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、
第二のプライマーが配列番号38、40、41、42の何れかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドまたは、同オリゴヌクレオチドにおいて1もしくは数個の塩基置換、欠失、挿入および/もしくは付加された塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである
ことを特徴とするプライマー。
【0023】
(13) (1)~(12)のいずれかに記載のプライマーを用いて、前記百日咳菌 rRNAもしくはrDNAの特定塩基配列あるいは/および前記特定塩基配列の相補配列からなる核酸を増幅し、検出することを特徴とする、 百日咳菌rRNAもしくはrDNAの検出方法。
【0024】
(14) 前記百日咳rRNAの特定塩基配列の検出方法であって、
特定塩基配列を含む試料中の標的RNAを鋳型として、プロモーター配列を有し前記特定塩基配列又は前記特定塩基配列と相補的な配列からなるRNAを転写可能な2本鎖DNAを生成し、RNAポリメレースによって前記特定塩基配列又は前記特定塩基配列に相補的な配列からなるRNA転写産物を生成し、更に、該RNA転写産物を鋳型として前記2本鎖DNAを生成する工程からなるRNA増幅工程を、RNA転写産物に相補的な配列を有し、RNA転写産物との相補結合によって、複合体を形成していない場合と比較して蛍光特性が変化するよう設計されたプローブ存在下で実施し、該蛍光特性の変化を測定することで、百日咳菌rRNAを検出することを特徴とする請求項3に記載の、百日咳菌 rRNAの検出方法。
【0025】
(15) 前記プローブが配列番号47、48、49の少なくとも14塩基からなり、前記RNA転写産物にストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであることを特徴とする、(8)に記載の検出方法。
【0026】
(16) 前記プローブが転写産物と相補的な配列を有し相補的なハイブリッドを形成すると蛍光特性が変化するインターカレーター性蛍光色素で標識されたプローブであることを特徴とする(9)に記載の検出方法。
【0027】
(17)(10)の検出方法を実施するための前記プライマーおよび前記プローブを少なくとも含むことを特徴とする百日咳菌rRNAの検出試薬。
【発明の効果】
【0028】
本発明のプライマーは百日咳菌 rRNAに特異的な塩基配列を含む配列(特定塩基配列)およびその相補配列の一部にそれぞれハイブリダイズすることより、百日咳菌 rRNAの特定塩基配列またはその相補配列を特異的に増幅させることができる。
本発明のプライマーを用いた百日咳菌 rRNA検出法は、試料中に含まれる百
日咳菌 rRNAを迅速、高感度に検出できる。そのため、検査結果を早急に医師に提示することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明のプライマーは、試料中に含まれる百日咳菌 rRNAの特定塩基配列の3’末端部と相補的な配列を有する第二のプライマーと、前記特定塩基配列の5’末端部と相同的な配列を有する第一のプライマーとからなる、前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーであって、第一のプライマーが、配列番号1、5、9、13および24のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号28、35、43、47または52に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである、プライマーである。
【0030】
なお、本発明において、「相補的な配列を有する」とは対象核酸に対しストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいい、「相同的な配列を有する」とは対象核酸の相補鎖に対しストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能な配列を有することをいう。
【0031】
(試料)
本発明において「試料」とは、検出対象である百日咳菌 rRNAを含む可能性のある限り限定されないが、例えば後鼻腔ぬぐい液、培養液が挙げられる。百日咳菌 rRNAを含有する可能性のある試料から公知の方法で処理することで得られるRNA、あるいはrRNAを富化した試料等も使用できる。試料中のRNA量としては、限定されないが、例えば、反応液100μl当り0.01ng~10μg程度である。
【0032】
(対象遺伝子)
本発明のプライマーおよび方法は、百日咳菌遺伝子を検出対象とする。より具体的には、本発明のプライマーおよび方法は、百日咳菌 rRNAを検出対象とする。百日咳菌 rRNAとしては、百日咳菌 rRNA配列(GenBank No.LS398605)等がNCBIに登録されている。
【0033】
本発明において「特定塩基配列」とは、百日咳菌 rRNAに特異的な塩基配列を含む配列であって、百日咳菌 rRNAのうち、本発明の第一のプライマーとの相同領域の5’末端から本発明の第二のプライマーとの相補領域の3’末端までの塩基配列のことをいう。すなわち、本発明では前記特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が増幅されることになる。
【0034】
(プライマー)
本発明のプライマーは、百日咳菌 rRNAにおける特定塩基配列または特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅し得るプライマーである。
より具体的には、本発明のプライマーにおける第一のプライマーは、配列番号1、5、9、13、24のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーは、配列番号28、35、43、47、52に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである。
【0035】
本発明における「ストリンジェントな条件」の例としては、いわゆる特異的なハイブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成されない条件をいう。一例を示せば、相同性(例えば、同一性や類似性)が高いポリヌクレオチド同士、例えば70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の相同性を有するポリヌクレオチド同士がハイブリダイズし、それより低い相同性を示すポリヌクレオチド同士がハイブリダイズしない条件である。限定されないが、具体的には、ハイブリダイゼーション条件として、42℃において、50%(v/v)ホルムアミド、0.1%ウシ血清アルブミン、0.1%フィコール、0.1%のポリビニルピロリドン、50mMのリン酸ナトリウムバッファー(pH6.5)、150mMの塩化ナトリウム、75mMのクエン酸ナトリウムが存在する条件や、本明細書の実施例に記載の核酸増幅条件があげられる。また、洗浄条件として、60℃、1xSSC、0.1% SDS、好ましくは0.1xSSC、0.1% SDS、さらに好ましくは65℃、0.1xSSC、0.1% SDS、より好ましくは68℃、0.1xSSC、0.1% SDS等のストリンジェントな条件に相当する塩濃度および温度で、1回、好ましくは2~3回洗浄する条件等が挙げられる。さらに、当業者であれば、本明細書の記載、および、Molecular Cloning(Sambrook and Russell, Molecular Cloning :A Laboratory Manual 3rd ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press, Woodbury, NY (2001))等を参照し、本発明の第一のプライマー(配列番号1、5、9、13、24に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド)、および、本発明の第二のプライマー(配列番号28、35、43、47、52に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチド)を容易に取得することができる。
【0036】
また、前述したストリンジェントな条件下で、前記特定塩基配列またはその相補配列と、十分に特異的かつ高効率にハイブリダイゼーション可能であり、かつ、前記特定塩基配列またはその相補配列を増幅可能であれば、第一および第二のプライマーの塩基配列は、前記特定塩基配列またはその相補配列と比較して、1または数個程度(例えば、プライマー配列の塩基数の10%以下程度)の置換、欠失、挿入、付加および/または修飾があってもよい。なお、プライマーの3’末端に相当する塩基配列には、置換、欠失、挿入および付加はないことが好ましい。
【0037】
すなわち、第一および第二のプライマーは、特定塩基配列の5’末端部の配列番号1、5、9、13、24のいずれかに記載の塩基配列の相補配列の一部もしくは全長、または、前記特定塩基配列の3’末端部の配列番号28、35、43、47、52に記載の塩基配列の一部もしくは全長と、70%以上の配列同一性を有する塩基配列を有し、かつプライマーとしての機能を有するオリゴヌクレオチドであってよい。第一および第二のプライマーは、好ましくは、配列番号1、5、9、13および24のいずれかに記載の塩基配列の相補配列の一部もしくは全長、または、配列番号28、35、43、47および52に記載の塩基配列の一部もしくは全長と80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上の配列同一性を有する。
【0038】
本明細書における塩基配列の相同性(同一性または類似性ともいう)は、例えば、相同性計算アルゴリズムNCBI BLAST(National Center for Biotechnology Information Basic Local Alignment Search Tool)を用いて計算することができる。
【0039】
第一および第二のプライマーの長さは任意に設定できるが、好ましくは10塩基から50塩基、さらに好ましくは15塩基~40塩基、より好ましくは16塩基~23塩基までの範囲である。なお、もっとも好ましい態様では、ストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドとは、対象塩基配列に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチドである。
【0040】
プライマーは1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。プライマーの反応系への添加量は、本明細書の記載および公知の核酸増幅技術を参照し、反応系に応じ適宜決定することができる。プライマーは、本明細書の記載および公知技術に基づいて、製造することができる。
【0041】
本発明は、百日咳菌 rRNAの特定塩基配列の5’末端部と相補的な配列を有する第一のプライマーとして、配列番号1に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の912番目から937番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号5に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の996番目から1017番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号9に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1093番目から1112番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号13に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1118番目から1149番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号24に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1205番目から1235番目までの塩基配列の相補配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、また百日咳菌 rRNAの特定塩基配列の3’末端部と相同的な配列を有する第二のプライマーとして、配列番号28に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1192番目から1231番目までの塩基配列)または配列番号35に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1239番目から1262番目までの塩基配列)または配列番号43に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1383番目から1405番目までの塩基配列)または配列番号47に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1438番目から1475番目までの塩基配列)または配列番号52に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1112番目から1143番目までの塩基配列)とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを、それぞれ用いることを特徴としている。
【0042】
その中でも第一のプライマーが好ましくは少なくとも13塩基、より好ましくは少なくとも15塩基からなり、第二のプライマーが好ましくは少なくとも13塩基、より好ましくは少なくとも15塩基からなってよい。
【0043】
第一のプライマーの一例として、配列番号1に記載の塩基配列の相補配列である配列番号2に記載の塩基配列中、少なくとも連続する21塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号3(GenBank No.LS398605.1の917番目から937番目までの塩基配列)、配列番号4(GenBank No.LS398605.1の912番目から932番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0044】
また第一のプライマーの一例として、配列番号5に記載の塩基配列の相補配列である配列番号6に記載の塩基配列中、少なくとも連続する20塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号7(GenBank No.LS398605.1の998番目から1017番目までの塩基配列)または配列番号8(GenBank No.LS398605.1の996番目から1016番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0045】
また第一のプライマーの一例として、配列番号9に記載の塩基配列の相補配列である配列番号10に記載の塩基配列中、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号11(GenBank No.LS398605.1の1098番目から1112番目までの塩基配列)、配列番号12(GenBank No.LS398605.1の1093番目から1109番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0046】
また第一のプライマーの一例として、配列番号13に記載の塩基配列の相補配列である配列番号14に記載の塩基配列中、少なくとも連続する17塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号15(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1143番目までの塩基配列)、配列番号16(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1146番目までの塩基配列)、配列番号17(GenBank No.LS398605.1の1127番目から1143番目までの塩基配列)、配列番号18(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1140番目までの塩基配列)、配列番号19(GenBank No.LS398605.1の1121番目から1140番目までの塩基配列)、配列番号20(GenBank No.LS398605.1の1118番目から1137番目までの塩基配列)、配列番号21(GenBank No.LS398605.1の1127番目から1146番目までの塩基配列)、配列番号22(GenBank No.LS398605.1の1130番目から1149番目までの塩基配列)、配列番号23(GenBank No.LS398605.1の1128番目から1146番目までの塩基配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0047】
第二のプライマーの一例として、配列番号28に記載の塩基配列の相補配列である配列番号29に記載の塩基配列中、少なくとも連続する19塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号30(GenBank No.LS398605.1の1192番目から1211番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号31(GenBank No.LS398605.1の1212番目から1231番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号32(GenBank No.LS398605.1の1211番目から1229番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号33(GenBank No.LS398605.1の1208番目から1227番目までの塩基配列の相補配列)または配列番号34(GenBank No.LS398605.1の1210番目から1229番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0048】
また第二のプライマーの一例として、配列番号35に記載の塩基配列の相補配列である配列番号36に記載の塩基配列中、少なくとも連続する16塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号37(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1262番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号38(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1259番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号39(GenBank No.LS398605.1の1247番目から1262番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号40(GenBank No.LS398605.1の1241番目から1259番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号41(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1259番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号42(GenBank No.LS398605.1の1239番目から1257番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0049】
また第二のプライマーの一例として、配列番号43に記載の塩基配列の相補配列である配列番号44に記載の塩基配列中、少なくとも連続する16塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号45(GenBank No.LS398605.1の1383番目から1453番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号46(GenBank No.LS398605.1の1390番目から1405番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0050】
また第二のプライマーの一例として、配列番号47に記載の塩基配列の相補配列である配列番号48に記載の塩基配列中、少なくとも連続する15塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号49(GenBank No.LS398605.1の1428番目から1453番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号50(GenBank No.LS398605.1の1448番目から1462番目までの塩基配列の相補配列)もしくは配列番号51(GenBank No.LS398605.1の1456番目から1475番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0051】
また第二のプライマーの一例として、配列番号52に記載の塩基配列の相補配列である配列番号53に記載の塩基配列中、少なくとも連続する18塩基からなるオリゴヌクレオチドがあげられ、さらに具体的な例として、配列番号54(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1143番目までの塩基配列の相補配列)、配列番号55(GenBank No.LS398605.1の1120番目から1139番目までの塩基配列の相補配列)もしくは配列番号56(GenBank No.LS398605.1の1112番目から1129番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0052】
中でも百日咳菌 rRNAを迅速かつ特異的に検出可能であるという点で、第一のプライマーが配列番号15~23のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号37~42のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドである、または前記プライマーのうち、任意の組み合わせからなるプライマーセットが好ましい。その中でも第一のプライマーが配列番号15、17、21、23のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、第二のプライマーが、配列番号38、40、41、42のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであり、前記プライマーのうち、任意の組み合わせからなるプライマーセットが好ましい。その中でも第一のプライマーと第二のプライマーの組み合わせが、配列番号17と40、17と42、21と40、23と42のいずれかに記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドであるプライマーセットがさらに好ましい。
【0053】
本発明のプライマーもしくは、プライマーのうち任意の組み合わせであるプライマーセットは、RT-PCR法等、当業者が通常用いる核酸増幅法を利用した、百日咳菌 rRNAの特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸を増幅するためのプライマーとして有用である。なお、第一または第二のプライマーのいずれか一方の5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターをさらに付加させると、前記プロモーターに対応したRNAポリメラーゼを用いて、RNAポリメラーゼのプロモーターを付加した特定塩基配列または前記特定塩基配列の相補配列を含む核酸が合成されるため、これら核酸からNASBA(Nucleic Acid Sequence Based Amplification)法、TMA(Transcription-Mediated Amplification)法、TRC(Transcription-Reverse transcription Concerted reaction)法といった一定温度でRNAを増幅する方法を用いて、RNAを増幅させることができる点で好ましい。プライマーの5’末端側に付加するプロモーターは、RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼ(例えば、分子生物学の分野で汎用される、T7 RNAポリメラーゼ、T3 RNAポリメラーゼやSP6 RNAポリメラーゼ)に対応したプロモーターを用いればよい。また前記プロモーターに、転写効率に影響を及ぼすことが知られている転写開始領域をさらに付加してもよい。RNA増幅に用いるRNAポリメラーゼとしてT7 RNAポリメラーゼを用いたときの、プライマーの5’末端側に付加するプロモーター(T7プロモーター)の具体例として、配列番号61に記載の配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0054】
本発明のプライマーもしくは、プライマーのうち任意の組み合わせであるプライマーセットを用いて増幅した百日咳菌 rRNAの特定塩基配列またはその相補配列を含む核酸の検出は、従来から知られた核酸検出方法を利用することができる。
具体的には、
(A)電気泳動や液体クロマトグラフィーを用いた方法、
(B)検出可能な標識で標識されたオリゴヌクレオチドプローブによるハイブリダイゼーション法、
(C)当該増幅産物の塩基配列の一部とハイブリダイズすることで蛍光特性が変化するように設計された蛍光色素標識オリゴヌクレオチドプローブを用いた方法、
等があげられる。
前記(C)の蛍光色素標識プローブの一例として、FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)を利用した蛍光標識プローブや、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブが挙げられる。
【0055】
(検出試薬)
本発明の検出試薬は、百日咳菌 rRNAの検出に用いられる試薬であって、本発明のプライマー、および、増幅産物の塩基配列の一部とハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを含む、百日咳菌 rRNA検出試薬である。オリゴヌクレオチドプローブの反応系への添加量は、本明細書の記載および公知の核酸増幅技術を参照し、反応系に応じ適宜決定すればよい。
【0056】
本発明の検出試薬は、試料中に含まれる百日咳菌 rRNAの発現量を迅速、高感度に検出できる。そのため、種々の検査、特に臨床診断用試薬として有用であり、百日咳の検査に用いることができる。
【0057】
本発明の検出試薬には、本発明の効果を妨げない限り、上記成分以外に、さらに任意の反応、検出等に用いられる成分、例えば、pH緩衝剤、2価の金属イオン、デオキシリボヌクレオチド等から選択される少なくとも1種を含んでもよい。
【0058】
(プローブ)
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブの一例として、百日咳菌 rRNAの特定塩基配列または当該特定塩基配列の相補配列を含む核酸の一部とストリンジェントな条件下で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドの3’末端側、5’末端側、リン酸ジエステル部または塩基部分に、適当なリンカーを介してインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブがある。前記プローブは百日咳菌 rRNAの特定塩基配列(または当該特定塩基配列の相補配列)と相補的2本鎖を形成すると、インターカレーター性蛍光色素部分が前記相補的2本鎖部分にインターカレートすることで蛍光特性が変化するプローブである。標識するインターカレーター性蛍光色素に特に限定はなく、オキサゾールイエロー、チアゾールオレンジ、エチジウムブロマイド、ヘミシアニン等の汎用されている蛍光色素、およびこれらの誘導体の中から、蛍光強度や蛍光特性を考慮して、適宜選定すればよい。なお3’末端側に蛍光色素を標識する場合を除き、オリゴヌクレオチドプローブの3’末端側は当該末端側からの核酸伸長反応を防止する意味で、グリコール酸等の適当な修飾がされているとよい。
【0059】
前記インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドの好ましい例として、配列番号57に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1177番目までの塩基配列の相補配列)またはその相補配列、配列番号58に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1178番目までの塩基配列の相補配列)またはその相補配列、配列番号59に記載の塩基配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1179番目までの塩基配列の相補配列)またはその相補配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドを挙げることができる。
【0060】
(検出方法)
本発明のプライマーを用いて百日咳菌 rRNAを検出するには、例えば以下の(1)から(6)に示す工程により実施すればよい。
【0061】
(1)配列番号1、5、9、13、24のいずれかに記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第一のプライマーが百日咳菌 rRNAにハイブリダイズし、RNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列に相補的なcDNAを合成し、前記RNAとのRNA-DNA2本鎖を生成する工程、
(2)リボヌクレアーゼH(RNase H)活性を有する酵素により、前記RNA-DNA2本鎖のRNAを分解する工程(1本鎖DNAの生成)、
(3)該1本鎖DNAに、配列番号28、35、43、47、52に記載の塩基配列とストリンジェントな条件で特異的にハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドである第二のプライマーがハイブリダイズし(ここで前記第一または第二のプライマーのいずれか一方はその5’末端側にRNAポリメラーゼのプロモーターが付加される)、DNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素により、特定塩基配列または特定塩基配列に相補的な配列のRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成する工程、
(4)RNAポリメラーゼ活性を有する酵素により前記2本鎖DNAを鋳型とするRNA転写産物を生産する工程、
(5)該RNA転写産物が、前記(1)の反応におけるcDNA合成の鋳型となることで、連鎖的にRNA転写産物を生成する工程、
(6)配列番号57、58または59またはその相補配列とストリンジェントな条件でハイブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドにインターカレーター性蛍光色素を標識したオリゴヌクレオチドプローブを用いて、前記RNA転写産物量を経時的に測定する工程。
【0062】
前記(1)の工程で用いるRNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素、前記(2)の工程で用いるRNase H活性を有する酵素、および前記(3)の工程で用いるDNA依存性DNAポリメラーゼ活性を有する酵素は、それぞれ別個あるいは種々の組合せで添加することもできるが、前記活性を併せ持つレトロウイルス由来の逆転写酵素を使用することもできる。該逆転写酵素は特に限定されないが、分子生物学の分野で汎用される、AMV(Avian Myeloblastosis Virus)逆転写酵素、MMLV(Molony Murine Leukemia Virus)逆転写酵素、RAV(Rous Associated Virus)逆転写酵素、HIV(Human Immunodeficiency Virus)逆転写酵素等が使用できる。各酵素の反応系への添加量は、本明細書の記載および公知の核酸増幅技術を参照し、反応系に応じ適宜決定すればよい。
【0063】
前述した態様において、RNAポリメラーゼのプロモーターを第一のプライマーの5’末端側に付加した場合は、前記(1)の工程を実施する前に、百日咳菌23S rRNAのうち特定塩基配列の5’末端部位があらかじめ切断されていると好ましい。特定塩基配列の5’末端部位で切断されることで、cDNA合成後に、cDNAにハイブリダイズした第一のプライマーのプロモーター配列に相補的なDNA鎖を、前記cDNAの3’末端を伸長することにより効率的に合成することができ、結果としてRNAを転写可能なプロモーターを含む2本鎖DNAを生成することができる。前記切断方法の好ましい例として、百日咳菌 rRNA内の特定塩基配列の5’末端部位(当該特定塩基配列内で5’末端を含む部分配列)に重複して5’方向に隣接する領域に対して相補的な配列を有するオリゴヌクレオチド(以下、切断用オリゴヌクレオチドとする)を添加することによって形成されたRNA-DNAハイブリッドのRNA部分をRNase H活性を有する酵素などにより切断する方法があげられる。なお当該切断用オリゴヌクレオチドの3’末端にある水酸基は、伸長反応を防止するために適当な修飾(例えばアミノ化)がされていると好ましい。
【0064】
前記切断用オリゴヌクレオチドの好ましい例として、配列番号60(GenBank No.LS398605.1の1117番目から1135番目までの塩基配列の相補配列)に記載の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドがあげられる。
【0065】
前述した態様による百日咳菌 rRNA検出方法における反応温度は、使用する各酵素の耐熱性や活性、ならびにプライマー/プローブのTm等に依存するが、使用する酵素がAMV逆転写酵素およびT7 RNAポリメラーゼであり、プライマー/プローブの長さが15から30塩基の範囲である場合は、35から65℃の範囲で反応温度を設定すればよく、40から50℃の範囲で設定するとより好ましい。反応時間は、必要な目的物量等に応じて、適宜設定可能である。
【0066】
前述した態様による百日咳菌 rRNA検出方法は、蛍光強度を経時的に測定することから有意な蛍光増加が認められた任意の時間で測定を終了することが可能であり、核酸増幅および測定をあわせて通例20分以内で終了することが可能である。
【0067】
前述した態様による百日咳菌 rRNA検出方法は、前述した第一のプライマー、第二のプライマー、切断用オリゴヌクレオチド、およびインターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブを含む百日咳菌 rRNA試薬に試料を添加し、経時的に蛍光検出可能な温調ブロックに載置することで、自動的に百日咳菌 rRNAを増幅し検出することができる。本発明の百日咳菌 rRNA検出試薬において、オリゴヌクレオチドプローブを構成するオリゴヌクレオチドは、配列番号57、58および59に記載の塩基配列からなるものが好ましい。
【実施例】
【0068】
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されるものではない。
【0069】
<実施例1> 標準RNA調製
後述の実施例で使用する、百日咳菌 rRNA標準RNA、パラ百日咳菌 rRNA標準RNAを以下に示す方法でそれぞれ調製した。なお調製した各標準RNAの定量は、260nmにおける吸光度を基に実施した。
【0070】
(1)百日咳菌 rRNA
百日咳菌 rRNA配列(GenBank No.LS398605.1)に基づき、人工的に23S rRNA遺伝子を作製し、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、百日咳菌 rRNA標準RNAを調製した。
(2)パラ百日咳菌 rRNA
パラ百日咳菌 rRNA配列(GenBank No.CP019932.1)に基づき、人工的に23S rRNA遺伝子を作製し、インビトロ転写した後、転写産物を精製することで、パラ百日咳菌 rRNA標準RNAを調製した。
【0071】
<実施例2> インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドの調製
下記(A)に示す、インターカレーター性蛍光色素で標識されたオリゴヌクレオチドプローブ(以下、INAFプローブと記載する)を特開2000-316587号公報で開示の方法に基づき作製した。
【0072】
表1に示す、第一のプライマー、第二のプライマー、切断用オリゴヌクレオチドおよびINAFプローブの組み合わせ(以下、オリゴヌクレオチドの組み合わせと記載する)を用いて、以下に示す方法で百日咳菌23S rRNAの検出を試みた。
【0073】
<実施例3> 百日咳菌 rRNA検出用オリゴヌクレオチドの検討
表1に示す、第一のプライマー、第二のプライマー、切断用オリゴヌクレオチドおよびINAFプローブの組み合わせ(以下、オリゴヌクレオチドの組み合わせと記載する)を用いて、以下に示す方法で評価した。
【0074】
(1)実施例1で調製した標準RNAのうち、百日咳菌 rRNA(実施例1(1))は、RNA希釈液(10mM Tris-HCl緩衝液(pH8.0)、1mM EDTA、0.02% コール酸ナトリウム)を用いて1000コピー/15μLになるように、パラ百日咳菌 rRNA(実施例1(2))は、前記RNA希釈液を用いて108コピー/15μLになるように、それぞれ希釈し、これらをRNA試料として用いた。
【0075】
(2)以下の組成からなる反応液を蒸発乾燥用チューブに分注し、蒸発乾燥した。
反応液の組成:濃度はRNA試料、開始液、添加後(30μL中)の最終濃度
60mM Tris-HCl緩衝液(pH8.35)
129.2mM トレハロース
各0.48mM dATP、dCTP、dGTP、dTTP
各2.1mM ATP、CTP、UTP
1.6mM GTP
3.52mM ITP
0.2μM 第一のプライマー(各配列番号の塩基配列からなるオリゴヌクレオチドの5’末端側にT7プロモーター(配列番号61)を付加したもの)
0.22μM 第二のプライマー
0.16μM 切断用オリゴヌクレオチド(3‘末端の水酸基をアミノ基で修飾)
35nM INAFプローブ(実施例2で調製したもの)
0.025mg/mL 牛血清アルブミン
284U T7 RNAポリメラーゼ
12.8U AMV逆転写酵素
【0076】
(3)上記の蒸発乾燥後にRNA試料を15μL添加後、46℃で5分間保温し、その後、以下の組成からなる開始液15μLを添加し撹拌した。
開始液の組成:反応時(30μL中)の最終濃度
10.07% ジメチルスルホキシド
21.5mM 塩化マグネシウム
142.7mM 塩化カリウム
【0077】
(4)引き続き蒸発乾燥用チューブを直接測定可能な温調機能付き蛍光分光光度計を用い、46℃で反応させると同時に反応溶液の蛍光強度を経時的に20分間測定した。
【0078】
開始液を加え撹拌を終えた時点を0分として、反応液の蛍光強度比(所定時間の蛍光強度値をバックグラウンドの蛍光強度比で割った値)が1.3を超えた場合を陽性判定とし、そのときの時間を検出時間とした。結果を表1、2に示す。実験は表1、2に記載された回数実施した。表2の「N.D.」は反応開始後20分後の蛍光強度比が1.3以下(陰性判定)であったことを意味する。
【0079】
百日咳菌 rRNAの検出性能(表1)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせ(A01からA14)いずれもが1000コピー/testの百日咳菌 rRNAを20分以内に検出した。特に、オリゴヌクレオチドの組み合わせA05、A06、A08は1000コピー/testの百日咳菌 rRNAを6分以内に検出しており、百日咳菌 rRNAを高感度、迅速かつ特異的に検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
【0080】
交差反応性(表2)については、本実施例で検討したオリゴヌクレオチドの組み合わせのうち、A02、A05、A06、A07、A08、A09、A13が108コピー/testのパラ百日咳菌 rRNAを検出せず、百日咳菌 rRNAに対して高い特異性を有しており、百日咳菌 rRNAを特異的に検出可能なオリゴヌクレオチドの組み合わせといえる。
【0081】
【0082】
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、試薬等に適用できる。
【0084】
<配列の説明>
配列番号1 : 百日咳菌 rRNAの部分配列の相同配列(GenBank No.LS398605.1の912番目から937番目までの塩基配列の相補配列)
配列番号2 : 配列番号1の相同配列
配列番号3 : 配列番号2の部分配列(GenBank No.LS398605.1の917番目から937番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号4 : 配列番号2の部分配列(GenBank No.LS398605.1の912番目から932番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号5 : 百日咳菌 rRNAの部分配列の相同配列(GenBank No.LS398605.1の996番目から1017番目までの塩基配列の相補配列)
配列番号6 : 配列番号5の相同配列
配列番号7 : 配列番号6の部分配列(GenBank No.LS398605.1の998番目から1017番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号8 : 配列番号6の部分配列(GenBank No.LS398605.1の998番目から1016番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号9 : 百日咳菌 rRNAの部分配列の相同配列(GenBank No.LS398605.1の1093番目から1112番目までの塩基配列の相補配列)
配列番号10: 配列番号9の相同配列
配列番号11: 配列番号10の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1098番目から1112番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号12: 配列番号10の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1093番目から1109番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号13: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相同配列(GenBank No.LS398605.1の1118番目から1149番目までの塩基配列の相補配列)
配列番号14: 配列番号13の相同配列
配列番号15: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1143番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号16: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1146番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号17: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1127番目から1143番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号18: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1140番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号19: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1121番目から1140番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号20: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1118番目から1137番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号21: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1127番目から1146番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号22: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1130番目から1149番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号23: 配列番号14の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1128番目から1146番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号24: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相同配列(GenBank No.LS398605.1の1205番目から1235番目までの塩基配列の相補配列)
配列番号25: 配列番号24の相同配列
配列番号26: 配列番号25の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1216番目から1235番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号27: 配列番号25の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1205番目から1225番目までの塩基配列)(第一のプライマーの一例)
配列番号28: 百日咳菌 rRNAの部分配列(GenBank No.LS398605.1の1205番目から1235番目までの塩基配列)
配列番号29: 配列番号28の相補配列
配列番号30: 配列番号28の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1192番目から1211番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号31: 配列番号28の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1212番目から1231番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号32: 配列番号28の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1211番目から1229番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号33: 配列番号28の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1208番目から1227番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号34: 配列番号28の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1210番目から1229番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号35: 百日咳菌 rRNAの部分配列(GenBank No.LS398605.1の1239番目から1262番目までの塩基配列)
配列番号36: 配列番号35の相補配列
配列番号37: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1262番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号38: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1259番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号39: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1247番目から1262番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号40: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1241番目から1259番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号41: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1244番目から1259番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号42: 配列番号36の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1239番目から1257番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号43: 百日咳菌 rRNAの部分配列(GenBank No.LS398605.1の1383番目から1405番目までの塩基配列)
配列番号44: 配列番号43の相補配列
配列番号45: 配列番号44の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1383番目から1405番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号46: 配列番号44の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1390番目から1405番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号47: 百日咳菌 rRNAの部分配列(GenBank No.LS398605.1の1438番目から1475番目までの塩基配列)
配列番号48: 配列番号47の相補配列
配列番号49: 配列番号48の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1428番目から1453番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号50: 配列番号48の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1448番目から1462番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号51: 配列番号48の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1456番目から1475番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号52: 百日咳菌 rRNAの部分配列(GenBank No.LS398605.1の1112番目から1143番目までの塩基配列)
配列番号53: 配列番号52の相補配列
配列番号54: 配列番号53の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1124番目から1143番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号55: 配列番号53の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1120番目から1139番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号56: 配列番号53の部分配列(GenBank No.LS398605.1の1112番目から1129番目までの塩基配列)(第二のプライマーの一例)
配列番号57: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相補配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1177番目までの塩基配列の相補配列)(オリゴヌクレオチドプローブの一例)
配列番号58: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相補配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1178番目までの塩基配列の相補配列)(オリゴヌクレオチドプローブの一例)
配列番号59: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相補配列(GenBank No.LS398605.1の1164番目から1179番目までの塩基配列の相補配列)(オリゴヌクレオチドプローブの一例
配列番号60: 百日咳菌 rRNAの部分配列の相補配列(GenBank No.LS398605.1の1117番目から1135番目までの塩基配列の相補配列)(切断用オリゴヌクレオチドの一例)
配列番号61: T7プロモーター
【配列表】