(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】撮像素子、および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 25/46 20230101AFI20240416BHJP
H04N 25/704 20230101ALI20240416BHJP
H04N 25/78 20230101ALI20240416BHJP
H04N 25/11 20230101ALI20240416BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20240416BHJP
H04N 23/67 20230101ALI20240416BHJP
G02B 7/34 20210101ALI20240416BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20240416BHJP
【FI】
H04N25/46
H04N25/704
H04N25/78
H04N25/11
H04N23/54
H04N23/67
G02B7/34
G03B13/36
(21)【出願番号】P 2020008668
(22)【出願日】2020-01-22
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(72)【発明者】
【氏名】澤邉 暢志
(72)【発明者】
【氏名】河合 篤史
(72)【発明者】
【氏名】喜多 祐起
【審査官】鈴木 明
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-219921(JP,A)
【文献】特開2012-175145(JP,A)
【文献】特開2019-061035(JP,A)
【文献】特開2016-100879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 25/00-25/79
H04N 23/00-23/959
G02B 7/34
G03B 13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有
し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の少なくとも3つの位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第1方向の位置の組み合わせは、前記少なくとも3つの位置でそれぞれ異なる、撮像素子。
【請求項2】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記加算部は、複数の前記画素から出力される信号にそれぞれ重みをつけて加算し、
加算される少なくとも2つの信号の前記重みが異なる、撮像素子。
【請求項3】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する前記画素の数が異なる、撮像素子。
【請求項4】
請求項1
から3
のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記画素は、第1光電変換部および前記第1光電変換部の前記第1方向の側の一部分を遮光する第1遮光部を有する第1画素と、第2光電変換部および前記第2光電変換部の前記第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部を有する第2画素とを含み、
前記加算部は、前記第1方向に配置された複数の前記第1画素から出力された信号から第1の加算信号を生成し、前記第1方向に配置された複数の前記第2画素から出力された信号から第2の加算信号を生成する、撮像素子。
【請求項5】
請求項1
から3
のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記画素は、レンズと、前記レンズの光軸に対して前記第1方向の第1の側に配置された第1光電変換部、および前記レンズの前記光軸に対して前記第1方向の前記第1の側とは反対側に配置された第2光電変換部とを有し、
前記加算部は、複数の第1光電変換部から出力された信号から第1の加算信号を生成し、複数の第2光電変換部から出力された信号から第2の加算信号を生成する、撮像素子。
【請求項6】
請求項
1から5のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の前記複数の位置において、前記第2方向の位置が1つ変わる毎に、加算される信号を出力する前記画素の前記第1方向の位置を、1画素ずつずらして加算する、撮像素子。
【請求項7】
請求項
2、または請求項2を直接的もしくは間接的に引用する請求項4から6のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記加算部は、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算信号を生成するための複数の信号の前記重みの組み合わせを異ならせる、撮像素子。
【請求項8】
請求項2または請求項3に記載の撮像素子において、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の少なくとも3つの位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第1方向の位置の組み合わせは、前記少なくとも3つの位置でそれぞれ異なる、撮像素子。
【請求項9】
請求項
4、または請求項
4を直接的もしくは間接的に引用する請求項
6または7に記載の撮像素子において、
複数の前記画素は、
前記第1方向に並んだ複数の前記第1画素を備える第1の画素行と、
前記第1方向に並んだ複数の前記第1画素を備え、前記第1の画素行とは前記第2方向の異なる位置に配置された第2の画素行と、
を有し、
前記第1の画素行に配置された前記第1画素は、前記第2の画素行に配置された前記第1画素と前記第1方向の同じ位置に配置される、撮像素子。
【請求項10】
請求項
4または請求項4を直接的もしくは間接的に引用する請求項6または7に記載の撮像素子において、
複数の前記画素は、
前記第1方向に並んだ複数の前記第1画素を備える第1の画素行と、
前記第1方向に並んだ複数の前記第1画素を備え、前記第1の画素行とは前記第2方向の異なる位置に配置された第2の画素行と、
を有し、
前記第1の画素行に配置された前記第1画素は、前記第2の画素行に配置された前記第1画素とは、前記第1方向の異なる位置に配置される、撮像素子。
【請求項11】
請求項
10に記載の撮像素子において、
前記第1方向と前記第2方向とにベイヤー配列された、画像の生成に用いる、緑色を透過するフィルタを有する第1画像用画素と、青色を透過するフィルタを有する第2画像用画素と、赤色を透過するフィルタを有する第3画像用画素と、をさらに有し、
前記第1の画素行において、前記第1画素は前記ベイヤー配列において第2画像用画素が配置される場所に配置され、前記第2の画素行において、前記第1画素は前記ベイヤー配列において前記第3画像用画素が配置される場所に配置される、撮像素子。
【請求項12】
請求項1から請求項
11までのいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記加算部は、前記画素から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換回路と、前記撮像素子の出力部との間に配置され、
前記A/D変換回路によりデジタル信号に変換された前記信号を一時的に記憶する記憶部を有する、撮像素子。
【請求項13】
請求項12に記載の撮像素子において、
前記加算部は、前記第1方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
前記第1方向の第1位置において加算される第1画素群と、前記第1画素群と前記第2方向の位置が同じであり、かつ前記第1方向の第2位置において加算される第2画素群とで、重複して含まれる画素が存在し、前記第1画素群および前記第2画素群から出力された信号に基づく加算を2回に分割して行う、撮像素子。
【請求項14】
請求項1から13のいずれか一項に記載の撮像素子において、
前記加算部は、加算される複数の前記画素の前記第1方向の重心位置が、前記第2方向の位置に応じて、前記画素の画素間隔の2倍よりも小さい間隔で等間隔に変化するように、複数の前記画素を加算する、撮像素子。
【請求項15】
請求項14に記載の撮像素子において、
前記間隔は、前記画素間隔の1.5倍である、撮像素子。
【請求項16】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記画素は、第1光電変換部および前記第1光電変換部の前記第1方向の側の一部分を遮光する第1遮光部を有する第1画素と、第2光電変換部および前記第2光電変換部の前記第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部を有する第2画素とを含み、
前記加算部は、前記第1方向に配置された複数の前記第1画素から出力された信号から第1の加算信号を生成し、前記第1方向に配置された複数の前記第2画素から出力された信号から第2の加算信号を生成し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
前記加算部は、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置の差が大きいと、加算される信号を出力する前記画素の前記第1方向の位置のずれ量が大きくなる、撮像素子。
【請求項17】
請求項1から請求項
16までのいずれか一項に記載の撮像素子と、
前記撮像素子から出力される前記信号に基づいて、前記撮像素子上に形成されている像の結像状態を検出する検出部と、を有する撮像装置。
【請求項18】
請求項
17に記載の撮像装置において、
前記検出部は、前記撮像素子から出力される前記加算信号を生成した信号を出力した画素の位置情報を用いて、前記撮像素子上に形成されている像の結像状態を検出する、撮像装置。
【請求項19】
請求項
2を引用する請求項
18に記載の撮像装置において、
前記検出部は、
前記位置情報および前記重みに関する情報
を用いて、前記撮像素子上に形成されている像の結像状態を検出する、撮像装置。
【請求項20】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の少なくとも3つの位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第1方向の位置の組み合わせは、前記少なくとも3つの位置でそれぞれ異なる、撮像装置。
【請求項21】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記加算部は、複数の前記画素から出力される信号にそれぞれ重みをつけて加算し、
加算される少なくとも2つの信号の前記重みが異なる、撮像装置。
【請求項22】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する前記画素の数が異なる、撮像装置。
【請求項23】
光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、
前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、
前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、
を有し、
前記画素は、第1光電変換部および前記第1光電変換部の前記第1方向の側の一部分を遮光する第1遮光部を有する第1画素と、第2光電変換部および前記第2光電変換部の前記第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部を有する第2画素とを含み、
前記加算部は、前記第1方向に配置された複数の前記第1画素から出力された信号から第1の加算信号を生成し、前記第1方向に配置された複数の前記第2画素から出力された信号から第2の加算信号を生成し、
前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、
前記加算部は、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置の差が大きいと、加算される信号を出力する前記画素の前記第1方向の位置のずれ量が大きくなる、撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像素子、および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学系により形成された像を撮像する撮像画素と焦点検出用の画素とを設けた撮像素子において撮像素子から信号の読み出しの効率化が求められている。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
第1の態様によると、撮像素子は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の少なくとも3つの位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第1方向の位置の組み合わせは、前記少なくとも3つの位置でそれぞれ異なる。
第2の態様によると、撮像素子は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素から出力される信号にそれぞれ重みをつけて加算し、加算される少なくとも2つの信号の前記重みが異なる。
第3の態様によると、撮像素子は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する前記画素の数が異なる。
第4の態様によると、撮像素子は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記画素は、第1光電変換部および前記第1光電変換部の前記第1方向の側の一部分を遮光する第1遮光部を有する第1画素と、第2光電変換部および前記第2光電変換部の前記第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部を有する第2画素とを含み、前記加算部は、前記第1方向に配置された複数の前記第1画素から出力された信号から第1の加算信号を生成し、前記第1方向に配置された複数の前記第2画素から出力された信号から第2の加算信号を生成し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、前記加算部は、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置の差が大きいと、加算される信号を出力する前記画素の前記第1方向の位置のずれ量が大きくなる。
第5の態様によると、撮像装置は、上述の撮像素子と、前記撮像素子から出力される前記信号に基づいて、前記撮像素子上に形成されている像の結像状態を検出する検出部と、を有する。
第6の態様によると、撮像装置は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の少なくとも3つの位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第1方向の位置の組み合わせは、前記少なくとも3つの位置でそれぞれ異なる。
第7の態様によると、撮像装置は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素から出力される信号にそれぞれ重みをつけて加算し、加算される少なくとも2つの信号の前記重みが異なる。
第8の態様によると、撮像装置は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する前記画素の数が異なる。
第9の態様によると、撮像装置は、光学系により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向及び前記第1方向と交わる第2方向に配置された複数の画素と、前記第2方向に配線され、前記画素からの信号が出力される信号線と、前記第1方向に配置された複数の前記画素から前記信号線に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号を生成し、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の前記画素のうち、少なくとも1つの画素の前記第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有し、前記画素は、第1光電変換部および前記第1光電変換部の前記第1方向の側の一部分を遮光する第1遮光部を有する第1画素と、第2光電変換部および前記第2光電変換部の前記第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部を有する第2画素とを含み、前記加算部は、前記第1方向に配置された複数の前記第1画素から出力された信号から第1の加算信号を生成し、前記第1方向に配置された複数の前記第2画素から出力された信号から第2の加算信号を生成し、前記加算部は、複数の前記画素の前記第2方向の複数の位置において、前記第1方向に配置された複数の前記画素の信号を加算して加算信号を生成し、前記加算部は、加算される信号を出力する複数の前記画素の前記第2方向の位置の差が大きいと、加算される信号を出力する前記画素の前記第1方向の位置のずれ量が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】実施形態の撮像装置の構成を模式的に示す断面図。
【
図2】実施形態の撮像素子を撮像面側から見た平面図。
【
図4】撮像素子に含まれる複数のAF画素の一部と読出部と加算部とを模式的に示す図。
【
図5】AF画素から出力される信号の加算について説明する図。
【
図6】AF画素から出力される信号の加算について説明する図。
【
図7】加算された出力信号に対応するx方向の列アドレスについて説明する図。
【
図8】変形例2の撮像素子の画素の一部を模式的に示す平面図。
【
図9】第2実施形態の撮像素子に含まれる画素の拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の撮像装置1の構成を模式的に示す断面図である。撮像装置1は、撮像光学系2、撮像素子3、撮像制御部4、レンズ駆動部5、および表示部6を備える。
図1に矢印で示したx方向、y方向およびz方向は、相互に直交する方向である。なお、以降の各図に示したx方向、y方向およびz方向は、それぞれ
図1に示したx方向、y方向およびz方向と同一の方向を示している。
【0007】
撮像光学系2は、撮像素子3の撮像面に被写体像を結像させる。撮像光学系2は、前群レンズ2a、中群レンズ2b、および後群レンズ2cを含む。前群レンズ2a、中群レンズ2b、および後群レンズ2cは、いずれも複数のレンズから構成されていても良い。
【0008】
一例として、中群レンズ2bは撮像光学系2の焦点調節を行うためのレンズとなっている。中群レンズ2bは、z方向に平行な光軸AX方向に移動可能に構成されている。
レンズ駆動部5は、不図示のアクチュエータを有する。レンズ駆動部5は、このアクチュエータにより、中群レンズ2bを光軸AX方向に移動させる。
【0009】
撮像素子3は、被写体像を撮像して信号を出力する。撮像制御部4は、撮像素子3等の各部を制御する。撮像制御部4は、撮像素子3により出力された画像信号に画像処理等を施して画像データを生成する。撮像制御部4は、不図示の記録媒体に画像データを記録し、表示部6に画像データに基づく画像を表示する等の処理を行う。表示部6は、例えば液晶パネル等の表示部材を有する表示装置である。
【0010】
撮像制御部4は、さらに、公知の位相差検出方式により撮像光学系2の自動焦点調節(AF)に必要な焦点検出処理を行う。具体的には、撮像制御部4は、撮像光学系2による像を撮像素子3の撮像面上に結像させるための中群レンズ2bの合焦位置を検出する。撮像制御部4は、後述するように撮像素子3から出力される一対の焦点検出信号に基づき、第1及び第2の像の像ズレ量を検出する。撮像制御部4は、検出した像ズレ量に基づいて、撮像光学系2の被写体の結像位置と撮像素子3の撮像面とのずれ量(デフォーカス量)を算出する。そして、デフォーカス量に応じて中群レンズ2の移動量が算出されて駆動されることにより、焦点調節が自動で行われる。
【0011】
なお、撮像光学系2の焦点調節は、前群レンズ2aまたは後群レンズ2cを光軸AX方向に移動させるものであっても良く、撮像光学系2を構成する前群レンズ2a、中群レンズ2b、および後群レンズ2cの全体を光軸AX方向に駆動して行うものであっても良い。
【0012】
(撮像素子)
図2は、撮像素子3を撮像面側から、すなわち
図1の+z側から見た図である。撮像素子3は、半導体基板7と、半導体基板7上にx方向およびy方向に配列される複数の画素10とを有している。画素10のx方向の並びを「行」とも呼び、画素10のy方向の並びを「列」とも呼ぶ。
図2では一部を省略して描いているが、画素10は、x方向およびy方向にそれぞれ例えば1000個以上に渡って多数配列されていても良い。
【0013】
複数の画素10が配列された領域(撮像領域)の、図中の左端には水平制御部8Hが設けられ、図中の上端には垂直制御部8Vが設けられている。水平制御部8Hおよび垂直制御部8Vを併せて、または個々に、制御部8とも呼ぶ。
【0014】
複数の画素10のそれぞれは、異なる3波長の光の中のいずれか1つに対する分光感度が他の波長に対する分光感度よりも高い。Rと付記された画素10(以降「R画素」とも呼ぶ)は赤色光に対する分光感度が高く、Gと付記された画素10(以降「G画素」とも呼ぶ)は緑色光に対する分光感度が高く、Bと付記された画素10(以降「B画素」とも呼ぶ)は青色光に対する分光感度が高い。これらのRGBの各画素10は、例えばベイヤー配列で撮像領域内に配列されている。
【0015】
画素10のそれぞれは、所定の撮像期間内に入射した光の量に基づく信号を出力する。撮像素子3の中の複数の画素のうちy方向に1列に並ぶ複数の画素10のそれぞれには信号線11が接続され、各画素10から出力される信号は信号線11を経由して、読出部12により読み出される。一例として、各画素10から出力される信号はアナログ信号であり、読出部12は、アナログ信号をデジタル信号に変換(A/D変換)するアナログ/デジタル変換器である。
読出部12によりA/D変換等された画素10からの信号は、加算部13に入力され、適宜、後述する処理が行われた後、撮像素子3の出力部9から、出力信号Sgとして撮像制御部4に出力される。
【0016】
複数の画素10の一部は、上述の位相差検出方式により撮像光学系2のAFに必要な焦点検出処理に用いる第1の像と第2の像とをそれぞれ検出するための、第1画素Pと第2画素Qとなっている。第1画素PはPと付記された画素10であり、第2画素QはQと付記された画素10である。
第1画素Pと第2画素Qとを合せて、または個々に、AF画素とも呼ぶ。
一方、上記の複数の画素10のうちの、AF画素以外の画素(R画素、G画素、B画素)を合せて、または個々に、撮像画素とも呼ぶ。
【0017】
第1画素Pは、y方向の所定の位置において、x方向に並んで複数配置されている。x方向に並んで配置されている複数の第1画素Pを含む行を、第1画素行14と呼ぶ。
第2画素Qも、第1画素行14とは異なるy方向の所定の位置においてx方向に並んで複数配置されている。x方向に並んで配置されている複数の第2画素Qを含む行を、第2画素行15と呼ぶ。
【0018】
また、第1画素行14と第2画素行15とを、合せてまたは個々に、単に「画素行」とも呼ぶ。また、個々の画素行の任意の1つを第1の画素行とも呼び、個々の画素行のうち、第1の画素行以外の任意の1つを第2の画素行とも呼ぶ。
【0019】
一例として、第1画素Pおよび第2画素Qは、いずれも本来のベイヤー配列においてB画素が配置されるべき位置に配置されている。ただし、第1画素Pおよび第2画素Qは、いずれも本来のベイヤー配列においてR画素が配置されるべき位置に配置されていても良い。
【0020】
図2においては、説明を容易にするために画素10を拡大して示しており、その結果、1つの第1画素行14と1つの第2画素行15のみが示されている。しかし、実際には上述のように、画素10はy方向に例えば1000個以上に渡って配列されているため、第1画素行14と第2画素行15とは、いずれもそれぞれy方向に離れた位置に複数配置されている。
また、
図2においては、第1画素行14と第2画素行15とのy方向の間隔は、その間に3個の画素10が配置される間隔であるとしたが、5個等の画素10の任意の奇数個の画素10が配置される間隔であっても良い。
【0021】
図3は、第1画素行14および第2画素行15に含まれる4個の画素10のxz断面を模式的に示す断面図である。
図3に示した4個の画素10は、左から、第1画素行14のG画素と第1画素Pと、第2画素行15のG画素、第2画素Qの順となっている。
半導体基板7は、一例として、フォトダイオード等の光電変換部21やトランジスタが形成されている上層基板7aと、各種のトランジスタを含む増幅回路22が形成されている下層基板7bとが積層されたものである。
図2に示した信号線11は、増幅回路22に接続されている。上層基板7aと下層基板7bとは、バンプを介して電気的に接続されていても良い。
【0022】
上層基板7aの上(+z方向)には、上述の青色光、緑色光または赤色光のいずれかを優先的に透過するカラーフィルタ23が形成されている。カラーフィルタ23の上方には、撮像する光を光電変換部21に集光するマイクロレンズ24が形成されている。
上方(+z方向)から画素10に照射される光は、マイクロレンズ24により屈折され、カラーフィルタ23により透過光の波長が概ね選択された後、光電変換部21に集光される。
マイクロレンズ24を、以下では、単に「レンズ」とも呼ぶ。
【0023】
光電変換部21は、上層基板7a中に形成されたフォトダイオードであっても良く、上層基板7aよりも上方(+z側)に形成された有機膜による光電変換部であっても良い。
なお、光電変換部21の分光感度自体が、複数の画素10のそれぞれで異なる場合には、カラーフィルタ23を省略しても良い。
【0024】
第1画素Pは、光電変換部21の上端(+z側端)に近接した位置に、マイクロレンズ24により集光され光電変換部21に入射する光のうちの第1画素P内の-x側に入射する光を遮光する第1遮光部25Pを有している。このため、第1画素Pは、
図1に示した撮像光学系2の瞳面のうちの-x側を通り第1画素Pに達した光に対する感度が、+x側を通り第1画素Pに達した光に対する感度よりも高くなる。第1画素Pの光電変換部21を、第1光電変換部という。
【0025】
第2画素Qは、光電変換部21の上端(+z側端)に近接した位置に、マイクロレンズ24により集光され光電変換部21に入射する光のうちの第2画素Q内の+x側に入射する光を遮光する第2遮光部25Qを有している。第2画素Qにおいて第2遮光部25Qが配置される位置は、第1画素Pにおいて第1遮光部25Pが配置される位置とは、X方向について反対側の位置である。このため、第2画素Qは、
図1に示した撮像光学系2の瞳面のうちの+x側を通り第2画素Qに達した光に対する感度が、-x側を通り第2画素Qに達した光に対する感度よりも高くなる。第2画素Qの光電変換部21を、第2光電変換部という。
【0026】
従って、第1画素行14に含まれる複数の第1画素Pから出力された信号に基づく第1信号SP(詳細は後述する)と、第2画素行15に含まれる複数の第2画素Qから出力された信号に基づく第2信号SQ(詳細は後述する)とを用いて、撮像制御部4は、位相差検出方式による焦点検出処理を行うことができる。第1信号SPと第2信号SQとは一対の焦点検出信号であり、それぞれが第1の像、及び第2の像を構成する。撮像制御部4は、例えば、上述の第1信号SPと第2信号SQとに対して相関演算を行うことにより、撮像素子3の撮像面上における、第1の像と第2の像とのx方向の位置のずれ量である像ズレ量を検出し焦点検出処理を行うが、その演算方法は周知であるので説明は省略する。
【0027】
第1画素Pおよび第2画素Qに配置されているカラーフィルタ23は、上述の青色光、緑色光または赤色光のいずれかを優先的に透過するカラーフィルタであっても良く、上述の青色光、緑色光及び赤色光のいずれか2色の光を優先的に透過するカラーフィルタであっても良く、可視光の全域を透過するフィルタまたは赤外線を透過するフィルタであっても良い。
【0028】
ところで、撮像素子3内には複数の第1画素行14および第2画素行15が配置されており、それぞれの第1画素行14および第2画素行15の中にも複数の第1画素Pまたは第2画素Qが配置されている。従って、焦点検出処理に際し、撮像素子3から出力され撮像制御部4に転送されるデータの量が大きくなるとともに、データ転送および焦点検出処理に必要な電力も大きくなる。
【0029】
そこで、第1実施形態に撮像素子3においては、複数の第1画素Pおよび第2画素Qから出力される信号の一部を加算することにより、撮像制御部4に転送すべきデータの量を削減し、撮像素子3および撮像制御部4における消費電力の削減を図っている。
【0030】
図4は、撮像素子3に含まれる読出部12と、加算部13と、複数の第1画素行14(14a~14e)および第2画素行15(15a~15e)に含まれる複数の第1画素Pおよび第2画素Qの一部とを抜き出して、模式的に示した図である。
図4においては、第1画素行14および第2画素行15以外の行に含まれる画素10は、図示を省略している。
図4には、識別のために、信号線11および画素10の列アドレス(x方向のアドレス)を示す符号(左端から順にLa、Lb、Lc・・・、Lr)を付している。
【0031】
第1実施形態の撮像素子3においては、加算部13は、第1画素行14a~14eのそれぞれの中の画素群Pa1~Pa3、Pb1~Pb2、Pc1~Pc2、Pd1~Pd2、Pe1~Pe3にそれぞれ含まれる、x方向に並んで配置されている3個または4個の第1画素Pから出力される信号をそれぞれ加算する。
【0032】
さらに、加算部13は、第2画素行15a~15eのそれぞれの中の画素群Qa1~Qa3、Qb1~Qb2、Qc1~Qc2、Qd1~Qd2、Qe1~Qe3にそれぞれ含まれる、x方向に並んで配置されている3個または4個の第2画素Qから出力される信号をそれぞれ加算する。
これにより、加算部13は、撮像制御部4に転送すべきデータの量を削減する。
なお、加算部13における信号の加算の詳細については後述する。
【0033】
それぞれの画素群Pa1~Pe3、Qa1~Qe3のx方向の位置は、第1画素行14a~14eおよび第2画素行15a~15eのそれぞれのy方向の位置に応じて異なる。
第1の第1画素行14aにおいては、画素群Pa1は、それぞれ列アドレスLa、Lc、Leにある3つの第1画素Pを含む。画素群Pa2は、画素群Pa1に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLg、Li、Lkにある3つの第1画素Pを含む。画素群Pa3は、画素群Pa2に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLm、Lo、Lqにある3つの第1画素Pを含む。
【0034】
第1の第2画素行15aにおいては、画素群Qa1は、それぞれ列アドレスLa、Lc、Leにある3つの第2画素Qを含む。画素群Qa2は、画素群Qa1に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLg、Li、Lkにある3つの第2画素Qを含む。画素群Qa3は、画素群Qa2に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLm、Lo、Lqにある3つの第2画素Qを含む。
すなわち、第1の第1画素行14aおよび第1の第2画素行15aにおいては、各画素群Pa1~Pa3、Qa1~Qa3はそれぞれ、G画素を挟んでx方向に連続して並ぶ3つの第1画素Pまたは第2画素Qを、重複することなく含んでいる。
【0035】
第2の第1画素行14bにおいては、画素群Pb1は、それぞれ列アドレスLa、Lc、Le、Lgにある4つの第1画素Pを含む。画素群Pb2は、画素群Pb1に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLg、Li、Lk、Lmにある4つの第1画素Pを含む。画素群Pb3については、画素群Pb2に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLm、Lo、Lqにある3つの第1画素Pと、
図4には不図示だが第2の第1画素行14b内のさらに1つの第1画素Pとを含む。
【0036】
第2の第2画素行15bにおいては、画素群Qb1は、それぞれ列アドレスLa、Lc、Le、Lgにある4つの第2画素Qを含む。画素群Qb2は、画素群Qb1に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLg、Li、Lk、Lmにある4つの第2画素Qを含む。画素群Qb3は、画素群Qb2に対して6列アドレスだけ+x方向に離れた位置に配置され、それぞれ列アドレスLm、Lo、Lqにある3つの第2画素Qと、
図4には不図示だが第2の第2画素行15b内のさらに1つの第2画素Qとを含む。
【0037】
すなわち、第2の第1画素行14bおよび第2の第2画素行15bにおいては、各画素群Pb1~Pb3、Qb1~Qb3はそれぞれ、G画素を挟んでx方向に連続して並ぶ4つの第1画素Pまたは第2画素Qを含む。そして、各画素群Pb1~Pb3、Qb1~Qb3に含まれるx方向の両端の第1画素Pまたは第2画素Qは、x方向に隣接する他の画素群にも重複して含まれている。
【0038】
第3の第1画素行14cおよび第3の第2画素行15cにおける画素群Pc1~Pc2、Qc1~Qc2の配置は、それぞれ第2の第1画素行14bおよび第2の第2画素行15bにおける各画素群Pb1~Pb2、Qb1~Qb2が、2アドレスだけ+x方向にシフトしたものと同じである。
【0039】
また、第4の第1画素行14dおよび第4の第2画素行15dにおける画素群Pd1~Pd2、Qd1~Qd2の配置は、それぞれ第2の第1画素行14bおよび第2の第2画素行15bにおける各画素群Pb1~Pb2、Qb1~Qb2が、2アドレスだけ+x方向にシフトしたものと同じである。
【0040】
第5の第1画素行14eおよび第5の第2画素行15eにおける画素群Pe1~Pe3、Qe1~Qe3の配置は、それぞれ上述の第1の第1画素行14aおよび第1の第2画素行15aにおける画素群Pa1~Pa3、Qa1~Qa3の配置と同じである。
すなわち、第1実施形態の撮像素子3においては、複数の第1画素行14および第2画素行15は、y方向に、それぞれの4行毎に同じ画素群の配置を繰り返す。
従って、第5の第1画素行14eおよび第5の第2画素行15eは、第1の第1画素行14aおよび第1の第2画素行15aと等価なものと考えて良い。
【0041】
上述のように、
図4は、複数のAF画素の一部を抜き出して示したものであり、第5の第2画素行15eよりも-y側には、第2の第1画素行14b、第2の第2画素行15b、第3の第1画素行14c、第3の第2画素行15c等が、循環的に配置されている。
また、第1画素行14a~14eおよび第2画素行15a~15eのいずれについても、
図4に示したx方向の範囲よりも広い範囲に、上述の配置と同様に複数の画素群が配置されている。
なお、
図4に示した第1画素行14a~14eおよび第2画素行15a~15e内のG画素が形成する画素群Ha2~He3、および画素群Ja2~Je3については、後述する変形例1において説明する。
【0042】
以下、
図5を参照して、加算部13における信号の加算について説明する。
図5は、第1画素Pから出力される信号の加算について説明する図である。なお、第2画素Qから出力される信号の加算は、第1画素Pから出力される信号の加算と基本的に同様であるので、説明を省略する。
【0043】
図2および
図4に示した撮像素子3において、第1画素Pが出力する信号は、制御部8が生成する制御信号により、一例として+y方向端の第1画素行14a内の第1画素Pから、-y方向側の第1画素行14b~14e内の第1画素Pの順に、読出部12に出力される。読出部12は、第1画素Pから読み出された信号を、順次A/D変換して、加算部13に出力する。各第1画素行14a~14eのそれぞれの中の複数の第1画素Pが出力する信号は、画素行毎にほぼ同時に加算部13に出力される。
【0044】
図5(a)は、加算部13が、第1の第1画素行14aに配置された第1画素Pから出力された信号を加算する状態を示している。加算部13に設けられたメモリー回路等の記憶部16は、各画素10から出力され読出部12(
図5(a)には不図示)でA/D変換され、各信号線11を介して入力されたデジタル信号を、一時的に記憶する。
記憶部16に記憶されたデジタル信号は加算部13内の乗算回路17に入力され、乗算回路17により所定の重み係数が乗算され、加算回路18に出力される。
【0045】
図5(a)に示した第1の第1画素行14aの信号を加算する場合には、第1画素P1からの信号を処理する各乗算回路17は、各信号に4の重み係数を乗算する(4倍する)。一方、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。乗算回路17が信号として0を出力する状態を、
図5および
図6では符号xxを付加して示している。
加算回路18は、画素群Pa1~Pa3のそれぞれに含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPa1~SPa3を生成し、出力部9に出力する。
【0046】
図5(b)および
図5(c)は、加算部13が、第2の第1画素行14bに配置されたAF画素である第1画素Pから出力された信号を加算する状態を示している。
図5(a)に示した場合と同様に、各画素10から出力され記憶部16に記憶されたデジタル信号は、乗算回路17により所定の重み係数が乗算され、加算回路18に出力される。第2の第1画素行14bの第1画素Pから出力された信号を加算する場合、加算回路18は、
図4に示した画素群Pb1~Pb3のそれぞれに含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPb1~SPb3を生成し、出力部9に出力する。
【0047】
ただし、上述したとおり、第2の第1画素行14bにおいては、各画素群Pb1~Pb3に含まれるx方向の両端にある列アドレスLa、Lm、Lp上の第1画素Pは、x方向に隣接する他の画素群にも重複して含まれている。そこで、一例として、乗算回路17による重み係数の乗算と加算回路18による加算を、x方向の奇数番目の画素群Pb1等と、偶数番目の画素群Pb2等との、2回に分割して行う。
【0048】
加算部13は、初めに第2の第1画素行14bの全ての第1画素Pから出力された信号を、記憶部16に記憶する。
続いて、加算部13は、まず
図5(b)に示したように、x方向の奇数番目の画素群である画素群Pb1および画素群Pb3等に含まれる第1画素Pから出力された信号をそれぞれ加算する。このとき、乗算回路17は、複数の画素群Pb1~Pb3に重複して含まれない第1画素Pから出力された信号には4の重み係数を乗算する。
【0049】
一方で、乗算回路17は、画素群Pb1および画素群Pb3等のx方向の奇数番目の画素群の-x側の端にあり、複数の画素群Pb1~Pb3等に重複して含まれる列アドレスLa、Lmにある第1画素Pから出力された信号に対しては、1の重み係数を乗算する。また、乗算回路17は、画素群Pb1の+x側の端にあり、複数の画素群Pb1、Pb2に重複して含まれる列アドレスLgにある第1画素Pから出力された信号に対しては、3の重み係数を乗算する。
【0050】
また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pb1、Pb3のそれぞれに含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPb1および出力信号SPb3を生成し、出力部9に出力する。
【0051】
続いて、加算部13は、
図5(c)に示したように、x方向の偶数番目の画素群Pb2等に含まれる第1画素Pから出力された信号を加算する。このときにも、乗算回路17は、その信号が複数の画素群Pb1~Pb3に重複して含まれる第1画素Pからの信号か否かに基づいて、上述と同様に異なる重み係数を乗算する。また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pb2に含まれる第1画素Pからの信号を加算して出力信号SPb2を生成し、出力部9に出力する。
【0052】
図6(a)および
図6(b)は、加算部13が、第3の第1画素行14cに配置されたAF画素である第1画素Pから出力された信号を加算する状態を示している。
図4に示したとおり、第3の第1画素行14cにおいても、各画素群Pc1~Pc2に含まれるx方向の両端にある列アドレスLc、Li、Lo上の第1画素Pは、x方向に隣接する他の画素群にも重複して含まれている。そこで、上述の第2の第1画素行14bの場合と同様に、一例として、乗算回路17による重み係数の乗算と加算回路18による加算とを、x方向の奇数番目の画素群Pc1等と、偶数番目の画素群Pc2等との、2回に分割して行う。
【0053】
加算部13は、初めに第3の第1画素行14cの全ての第1画素Pから出力された信号を、記憶部16に記憶する。
図6(a)は、x方向の奇数番目の画素群である画素群Pc1等に含まれる第1画素Pから出力された信号の加算を説明する図である。このとき、乗算回路17は、複数の画素群Pc1~Pc2等に重複して含まれない列アドレスLeおよび列アドレスLgにある第1画素Pから出力された信号には4の重み係数を乗算する。
【0054】
一方で、乗算回路17は、画素群Pc1等のx方向の奇数番目の画素群のx方向の両端にあり、複数の画素群Pc1~Pc2等に重複して含まれる列アドレスLc、列アドレスLiおよび列アドレスLoにある第1画素Pから出力された信号に対しては、2の重み係数を乗算する。
また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pc1に含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPc1を生成し、出力部9に出力する。
【0055】
続いて、
図6(b)に示したように、x方向の偶数番目の画素群である画素群Pc2等に含まれる第1画素Pから出力された信号を加算する。このとき、乗算回路17は、複数の画素群Pc1~Pc2等に重複して含まれない列アドレスLjおよび列アドレスLmにある第1画素Pから出力された信号には4の重み係数を乗算する。
【0056】
一方で、乗算回路17は、画素群Pc2等のx方向の偶数番目の画素群のx方向の両端にあり、複数の画素群Pc1~Pc2等に重複して含まれる列アドレスLc、Li、Loにある第1画素Pから出力された信号に対しては、2の重み係数を乗算する。
また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pc2に含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPc2を生成し、出力部9に出力する。
【0057】
図6(c)および
図6(d)は、加算部13が、第4の第1画素行14dに配置されたAF画素である第1画素Pから出力された信号を加算する状態を示している。なお、
図6(c)および
図6(d)は、
図6(a)および
図6(b)に示した部分に比べて、2アドレスだけ+x方向にシフトした部分(画素10、記憶部16等)を示している。
【0058】
図4に示したとおり、第4の第1画素行14dにおいても、各画素群Pd1~Pd2等に含まれるx方向の両端にある列アドレスLe、Lk、Lq上の第1画素Pは、x方向に隣接する他の画素群にも重複して含まれている。そこで、上述の第2の第1画素行14bの場合と同様に、一例として、乗算回路17による重み係数の乗算と加算回路18による加算とを、x方向の奇数番目の画素群Pd1等と、偶数番目の画素群Pd2等との、2回に分割して行う。
【0059】
加算部13は、初めに第4の第1画素行14dの全ての第1画素Pから出力された信号を、記憶部16に記憶する。
図6(c)は、x方向の奇数番目の画素群である画素群Pd1等に含まれる第1画素Pから出力された信号の加算を説明する図である。このとき、乗算回路17は、画素群Pd1等の中にあり、複数の画素群Pd1~Pd2等に重複して含まれない列アドレスLgおよび列アドレスLiにある第1画素Pから出力された信号には4の重み係数を乗算する。
【0060】
一方で、乗算回路17は、画素群Pd1等のx方向の奇数番目の画素群の-x側の端にあり、複数の画素群Pd1等に重複して含まれる列アドレスLeおよび列アドレスLqにある第1画素Pから出力された信号に対しては3の重み係数を乗算する。そして、画素群Pd1等の+x側の端にあり、複数の画素群Pd1~Pd2等に重複して含まれる列アドレスLkにある第1画素Pから出力された信号に対しては1の重み係数を乗算する。
また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pd1に含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPd1を生成し、出力部9に出力する。
【0061】
続いて、
図6(d)に示したように、x方向の偶数番目の画素群である画素群Pd2等に含まれる第1画素Pから出力された信号を加算する。このとき、乗算回路17は、複数の画素群Pd1~Pd2等に重複して含まれない列アドレスLmおよび列アドレスLoにある第1画素Pから出力された信号には4の重み係数を乗算する。
【0062】
一方で、乗算回路17は、画素群Pd2等のx方向の偶数番目の画素群の-x側の端にあり、複数の画素群Pd1~Pd2等に重複して含まれる列アドレスLe、Lqにある第1画素Pから出力された信号に対しては1の重み係数を乗算する。そして、画素群Pd2等の+x側の端にあり、複数の画素群Pd2等に重複して含まれる列アドレスLqにある第1画素Pから出力された信号に対しては3の重み係数を乗算する。
また、G画素からの信号を処理する各乗算回路17は信号としてゼロを出力する。
加算回路18は、画素群Pd2に含まれる第1画素Pからの信号をそれぞれ加算して出力信号SPd2を生成し、出力部9に出力する。
【0063】
以上では、各第1画素行14a~14e内でx方向に並ぶ2個程度の画素群Pa1~Pd2に含まれる第1画素Pから出力される信号の加算について説明した。ただし、上述したとおり、画素群Pa1~Pd2等は、
図4に示したx方向の範囲よりも広い範囲に配置されており、加算部13は、
図4に示されていない画素群に含まれる第1画素Pから出力される信号に対しても、上述と同様の加算処理を行う。
【0064】
加算部13は、上述したように、第2画素Qから出力され、信号線11および読出部12を介して加算部13に入力される信号に対しても、上述の第1画素Pから出力される信号の加算処理と同様の加算処理を行う。
【0065】
また、以上の説明では、複数の画素群Pb1~Pd3等に重複して含まれる第1画素Pが存在する場合には、乗算回路17による重み係数の乗算と加算回路18による加算とを、2回に分割して行うものとした。しかし、乗算回路17および加算回路18を複数備える等により、1回の演算でこれを行っても良い。
また、上述の乗算演算および加算演算は、上述の乗算回路17および加算回路18によるハードウエアに依ってではなく、マイクロプロセッサとソフトウエアにより、ソフトウエア的に実行されても良い。
【0066】
図7は、第1画素Pから出力され、加算部13により各画素群Pa1~Pd3毎に加算された各出力信号SPa1~SPd2に対応するx方向のアドレスについて説明する図である。
図7(a)は、
図4と同様に、信号線11、読出部12、加算部13と、第1画素行14a~14dにそれぞれ配置されている第1画素Pと画素群Pa1~Pd2とを示している。
【0067】
図7(b)は、横軸をx方向のアドレスを表す数直線とし、縦軸を加算部13が各画素群Pa1~Pd2内の第1画素Pからの信号を加算して得られた出力信号SPa1~SPd2の大きさとして示した図であり、第1信号SPを表している。
図7(b)においては、上述の列アドレスLaのx座標を横軸の数直線の原点(x=0)とし、各列アドレスLa~列アドレスLr間のx方向の間隔を1としている。
なお、第2画素行15a~15dに含まれる第2画素Qが出力する信号を加算して得られる第2信号SQ(不図示)については、第1信号SPと同様であるので、説明を省略する。
【0068】
上述のとおり、出力信号SPa1は、画素群Pa1中のそれぞれ列アドレスLa(x=0)、Lc(x=2)、Le(x=4)にある3つの第1画素Pの出力に、それぞれ4の等しい重み係数を乗算して加算したものである。従って、加算された3つの第1画素Pの重心位置は、それぞれの第1画素Pの列アドレスの平均値のx=2であり、出力信号SPa1は、第1信号SPのx=2における値となる。
【0069】
一方、出力信号SPb1は、画素群Pb1中のそれぞれ列アドレスLa(x=0)、Lc(x=2)、Le(x=4)、Lg(x=6)にある4つの第1画素Pの出力に、順に、1、4、4、3の重み係数を乗算して加算したものである。従って、加算された4つの第1画素Pの重心位置は、(0×1+2×4+4×4+6×3)/(1+4+4+3)=3.5であり、出力信号SPb1は、第1信号SPのx=3.5における値となる。
【0070】
出力信号SPc1は、画素群Pc1中のそれぞれ列アドレスLc(x=2)、Le(x=4)、Lg(x=6)、Li(x=8)にある4つの第1画素Pの出力に、順に、2、4、4、2の重み係数を乗算して加算したものである。従って、加算された4つの第1画素Pの重心位置は、(2×2+4×4+6×4+8×2)/(2+4+4+2)=5であり、出力信号SPc1は、第1信号SPのx=5における値となる。
【0071】
また、出力信号SPd1は、画素群Pd1中のそれぞれ列アドレスLe(x=4)、Lg(x=6)、Li(x=8)、Lk(x=10)にある4つの第1画素Pの出力に、順に、3、4、4、1の重み係数を乗算して加算したものである。従って、加算された4つの第1画素Pの重心位置は、(4×3+6×4+8×4+10×1)/(3+4+4+1)=6.5であり、出力信号SPd1は、第1信号SPのx=6.5における値となる。
【0072】
なお、出力信号SPa2は、画素群Pa1からx方向に6アドレスだけ離れた画素群Pa2中の3つの第1画素Pからの出力を、出力信号SPa1と同じ重み係数を乗算して加算信号である。従って、出力信号SPa2において加算された3つの第1画素Pの重心位置は、出力信号SPa1の第1画素Pの重心位置(x=2)に6が加算されたx=8となる。
出力信号SPb2~SPd2において加算された4つの第1画素Pの重心位置も、同様に、出力信号SPb1~SPd1における重心位置に6が加算された値となる。
【0073】
以上で説明したとおり、第1実施形態の撮像素子3においては、出力信号SPa1~SPd2において加算された3つまたは4つの第1画素Pのx方向の重心位置は、それぞれの間隔が画素間隔の1.5倍の等間隔となる。これは、加算部13における各画素群Pa1~Pd3の第1画素Pからの信号の加算における重み係数を上述のように設定していることによる。
この結果、出力信号SPa1~SPd2がx方向に等間隔で並ぶので、第1信号SPは、相関演算等のx方向の位置についての算出を行うための信号として使用しやすい信号となる。
【0074】
また、x方向に2アドレスの間隔で並ぶ3つまたは4つの第1画素Pの信号を加算しているにも関わらず、データ点のx方向の間隔が1.5アドレスであるデータ列として、すなわちx方向に比較的密な間隔のデータ列として、第1信号SPを取り出すことができる。これは、4つの第1画素行14a~14dのy方向の位置に従って、画素群Pa1~Pd1、Pa2~Pd2の配置をそれぞれ変更していることによるものである。
【0075】
撮像制御部4は、撮像素子3の出力部9から出力される第1信号SPおよび第2信号SQを用いて周知の相関演算等を行い、撮像素子3に形成されている像の結像状態を検出する。撮像制御部4は検出部であるともいえる。
撮像制御部4は、第1信号SPおよび第2信号SQも元となる信号を出力した第1画素Pおよび第2画素Qの位置情報を使用して、像の結像状態を検出しても良い。
【0076】
一例として、第1画素Pおよび第2画素Qが出力した信号が加算部13により加算された第1信号SPおよび第2信号SQのデータ点の間隔が、第1画素Pまたは第2画素Qの実際の間隔の何倍になっているかの情報に基づいて、像の結像状態を検出しても良い。
また、撮像制御部4は、加算部13による加算の際の重み係数の関する情報も用いて、撮像素子3に形成されている像の結像状態を検出しても良い。
これらの情報は、例えば定期的に撮像素子3から撮像制御部4に出力されても良い。
【0077】
なお、加算部13において、画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3内の第1画素Pおよび第2画素Qからの信号を加算する際の重み係数は、上述の値に限られるものではなく、他の値であっても良い。それぞれの重み係数も整数に限らず、小数や分数であっても良い。
この場合、各画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3において、使用する重み係数の総和を、上記と同様にそれぞれ等しくしても良い。また、各画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3に含まれる第1画素Pおよび第2画素Qの重心位置が、上記と同様にx方向に等間隔に配置されるように、重み係数を設定しても良い。
【0078】
あるいは、加算部13において、画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3内の第1画素Pおよび第2画素Qからの信号を加算する際の重み係数は、全て同じ値であってもよい。
各画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3に含まれる第1画素Pまたは第2画素Qの数は、上述の3個または4個に限らず、5個または6個等の他の任意の個数であっても良い。
各画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3に含まれる第1画素Pまたは第2画素Qの数は、第1画素行14および第2画素行15のy方向の位置に依らずに一定であっても良い。
【0079】
なお、上述の第1実施形態の撮像素子3においては、複数の第1画素行14および第2画素行15の間で、画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3のx方向の位置が変化しない場合もあるものとした。しかし、これに限らず、複数の第1画素行14および第2画素行15において、そのy方向の位置が1つ変化した場合には、画素群Pa1~Pd3、Qa1~Qd3のx方向の位置を1画素分だけずらす構成としても良い。ここでの1画素分とは、第1画素Pまたは第2画素Qのx方向の配置の周期の1つ分であり、G画素もふくめて考えると、x方向に画素10の2画素分の長さとなる。
【0080】
以上において説明を省略したが、第1実施形態の撮像素子3においても、第1画素行14および第2画素行15以外の行に配置されている撮像画素(R画素、G画素、B画素)が生成した信号も、信号線11、読出部12、加算部13を介して、出力部9から出力される。
【0081】
加算部13は、撮像素子3の動作モードに応じて、撮像画素が出力した信号についても加算を行ってデータ量を削減しても良く、加算を行わなくても良い。
また、加算部13は、撮像素子3の動作モードに応じて、第1画素Pおよび第2画素Qが出力した信号を加算せずに出力部9に出力しても良い。
【0082】
なお、上述の第1実施形態の撮像素子3は、換言すれば、x方向に並んだ複数の第1画素Pを備える第1の画素行(第1画素行14a)と、x方向に並んだ複数の前記第1画素を備える第2の画素行(第1画素行14b~14d)とを有している。さらに、第1の画素行(第1画素行14a)と第2の画素行(第1画素行14b~14d)とは、y方向の異なる位置に配置されている。そして、第1の画素行(第1画素行14a)に配置された複数の第1画素Pのそれぞれは、第2の画素行(第1画素行14b~14d)に配置された複数の第1画素Pのいずれかと、x方向の同じ位置に配置されている。
【0083】
(撮像素子の変形例1)
上述の第1実施形態においては、撮像素子3は、AF画素である第1画素Pおよび第2画素Qから出力される第1信号SPおよび第2信号SQ(不図示)を、結像状態の検出のための信号として出力するものとした。
しかし、撮像素子3は、第1画素行14a~14eおよび第2画素行15a~15eに含まれるG画素から出力される信号についても、結像状態の検出のための信号として出力しても良い。
【0084】
図4に示したように、第1画素行14a~14eおよび第2画素行15a~15eには、x方向に第1画素Pまたは第2画素Qに挟まれてG画素が配置されている。これらのG画素は、隣接する第1画素Pまたは第2画素Qとほぼ同じ像を受光する。ただし、第1画素Pまたは第2画素Qが、撮像光学系2の瞳面のうちの-x側または+x側を通った光を優先的に受光するのに対し、G画素は、撮像光学系2の瞳面での通過位置に係わらず撮像光学系2を通過した光を受光する。
【0085】
従って、一例として、第1画素行14a~14e内のG画素から出力される信号から、主に撮像光学系2の瞳面の-x側を通過した光による第1信号SPを減算することにより、第2信号SQと同様に主に瞳面の+x側を通過した光による仮想の信号が得られる。
同様に、第2画素行15a~15e内のG画素から出力される信号から、主に撮像光学系2の瞳面の+x側を通過した光による第2信号SQを減算することにより、第1信号SPと同様に主に瞳面の-x側を通過した光による仮想の信号が得られる。
【0086】
変形例1の撮像素子3においては、加算部13は、
図4に示した第1画素行14a~14e中の画素群Ha2~He3のそれぞれ含まれるG画素からの出力信号についても、それぞれ加算する。以下、この加算された信号を第3信号と呼ぶ。また、加算部13は、第2画素行15a~15e中の画素群Ja2~Je3のそれぞれ含まれるG画素からの出力信号についても、それぞれ加算する。以下、この加算された信号を第4信号と呼ぶ。
【0087】
画素群Ha2~He3、Ja2~Je3に含まれるそれぞれのG画素から出力される信号の加算については、上述の画素群Pa1~Pe3にそれぞれ含まれる第1画素Pから出力される信号の加算と同様であるので、説明は省略する。
第3信号および第4信号も、第1信号SPおよび第2信号SQと同様に、データ点の間隔がx方向に1.5であるデータ列として得られる。
【0088】
なお、
図4に示したように、第1画素行14a~14eの画素群Ha2~He3に含まれる複数のG画素の、上述の重み係数を含めたx方向の重心位置は、画素群Pa1~Pe3に含まれる複数の第1画素Pの重み係数を含めたx方向の重心位置に対し、それぞれ3アドレスだけ+x方向にずれている。また、第2画素行15a~15eの画素群Ja2~Je3に含まれる複数のG画素の、上述の重み係数を含めたx方向の重心位置は、画素群Qa1~Qe3に含まれる複数の第2画素Qの重み係数を含めたx方向の重心位置に対し、それぞれ3アドレスだけ+x方向にずれている。
【0089】
このずれ量の3は、上述のデータ点の間隔の1.5の2倍(整数倍)である。従って、第3信号および第4信号を構成する各データ点のx方向のアドレス(x座標)は、第1信号SPおよび第2信号SQを構成するデータ点のいずれかのx方向のアドレス(x座標)と一致する。これにより、第3信号または第4信号から、第1信号SPまたは第2信号SQを減算する減算処理を、容易に行うことができる。
【0090】
変形例1の撮像素子3は、出力部9から上述の第1信号SPおよび第2信号SQに加えて、第3信号および第4信号を出力するものであっても良い。あるいは、出力部9から上述の第1信号SPおよび第2信号SQに加えて、第3信号から、第1信号SPもしくは第2信号SQを減算した信号、または第3信号から、第1信号SPもしくは第2信号SQを減算した信号を出力するものであっても良い。
変形例1の撮像素子3が、出力部9から上述の第1信号SPおよび第2信号SQに加えて、第3信号および第4信号を出力するものである場合、第3信号または第4信号から、第1信号SPまたは第2信号SQを減算する減算処理は、撮像制御部4で行えば良い。
【0091】
(撮像素子の変形例2)
上述の第1実施形態および変形例1においては、第1画素Pおよび第2画素Qは、いずれも本来のベイヤー配列においてB画素が配置されるべき位置、または、いずれも本来のベイヤー配列においてR画素が配置されるべき位置に配置されるものとした。
変形例2の撮像素子3においては、第1画素Pおよび第2画素Qの一部は、本来のベイヤー配列においてB画素が配置されるべき位置に配置され、第1画素Pおよび第2画素Qの残りの一部は、R画素が配置されるべき位置に配置される。変形例2の撮像素子3は、第1画素Pおよび第2画素Qの配置される位置が異なる以外は、上述の第1実施形態および変形例1の撮像素子3と同様であるので、以下では、第1画素Pおよび第2画素Qの配置についてのみ説明する。
【0092】
図8は、変形例2の撮像素子3上に配置された画素10の一部を模式的に示す平面図である。
変形例2の撮像素子3においては、第1画素Pを含む第1画素行14aおよび第1画素行14b、および第2画素Qを含む第2画素行15aおよび第2画素行15bは、ベイヤー配列においてB画素が配置されるべき行に配置されている。すなわち、第1画素行14aおよび第1画素行14b内の第1画素Pまたは第2画素Qから+y方向および-y方向にそれぞれ2行ずれた位置には、B画素が配置されている。
【0093】
しかし、第1画素Pを含む第1画素行14zおよび第2画素Qを含む第2画素行15zは、ベイヤー配列においてR画素が配置されるべき行に配置されている。すなわち、第1画素行14zおよび第1画素行14z内の第1画素Pまたは第2画素Qから+y方向および-y方向にそれぞれ2行ずれた位置には、R画素が配置されている。
この結果、本来のB画素が配置されるべき位置に配置された第1画素Pおよび第2画素Qと、本来のR画素が配置されるべき位置に配置された第1画素Pおよび第2画素Qとは、x方向の異なる位置に配置されている。
【0094】
第1画素Pまたは第2画素Qを、本来のB画素が配置されるべき位置または本来のR画素が配置されるべき位置にのみ配置した場合、第1画素Pまたは第2画素Qは、x方向の奇数番目の画素10またはx方向の偶数番目の画素10の位置にしか配置されない。このため、第1画素Pまたは第2画素Qのx方向の配置の周期は、画素10の2画素分の間隔になる。
【0095】
変形例2の撮像素子3では、第1画素Pまたは第2画素Qの一部を、B画素が配置されるべき位置に、他の一部をR画素が配置されるべき位置に配置したため、第1画素Pまたは第2画素Qは、x方向の奇数番目および偶数番目の画素10のいずれにも配置される。
【0096】
換言すれば、変形例2の撮像素子3は、x方向に並んだ複数の第1画素Pを備える第1の画素行(第1画素行14a)と、x方向に並んだ複数の第1画素Pを備える第2の画素行(第1画素行14z)とを有している。また、第1の画素行(第1画素行14a)と第2の画素行(第1画素行14z)とは、y方向の異なる位置に配置されている。そして、第1の画素行(第1画素行14a)に配置された複数の第1画素Pのそれぞれは、第2の画素行(第1画素行14z)に配置された複数の第1画素Pのいずれとも、x方向の異なる位置に配置されている。
【0097】
これにより、第1画素Pおよび第2画素Qのそれぞれのx方向の配置の周期を、全体として画素10の1画素分の間隔にできる。例えば、第1画素行14a内の複数の第1画素Pと第1画素行14z内の複数の第1画素Pとは、全体としてx方向に画素10の1画素分の間隔で配置されている。
【0098】
変形例2の撮像素子3では、AF画素(第1画素P、第2画素Q)のx方向の配置の間隔を縮小し、AF画素をx方向に高密度で配置できるので、より高精度に焦点検出を行うことができる。
【0099】
なお、加算部13における、第1画素行14zおよび第2画素行15z上の第1画素Pおよび第2画素Qが出力する信号の加算は、上述の第1画素行14a~14dおよび第2画素行15a~15d上の第1画素Pおよび第2画素Qが出力する信号の加算と同様であるため、説明は省略する。
なお、変形例2の撮像素子3では、第1画素行14a及び14zにおいて、X方向に同じ位置に配置された画素が出力する信号を加算した場合にも、第1画素行14aと14zとでX方向の重心位置が異なる加算信号を生成することができる。加算する信号を出力する第2画素行15a、15zにおいても同様である。
【0100】
(撮像素子の第2実施形態)
図9は、第2実施形態の撮像素子3に含まれる一部の画素10aのxz断面を示す図である。第2実施形態の撮像素子3は、上述の第1実施形態の撮像素子3の画素10とは画素10aの構造が異なっているが、他の構造の大部分は同様である。従って、以下では画素10aについて説明し、他の部分についての説明は適宜省略する。
【0101】
第2実施形態の撮像素子3に含まれる画素10aは、1つのマイクロレンズ24の下に、x方向に分離した2つの光電変換部21Pと光電変換部21Qとを有している。すなわち、光電変換部21Qは、光電変換部21Pとは、マイクロレンズ24の光軸に対してx方向の反対側に配置されている。また、それぞれの光電変換部21P、21Qが生成した信号を増幅等する増幅回路22P、22Qを有している。
画素10aは、いわゆる2PDと呼ばれるタイプのAF画素を構成している。なお、第2実施形態の撮像素子3に含まれる画素は、全てが画素10aのような2PDであっても良く、一部が2PDであっても良い。
【0102】
画素10aにおいては、光電変換部21Pおよび増幅回路22Pが第1実施形態における第1画素Pに対応し、光電変換部21Qおよび増幅回路22Qが第1実施形態における第2画素Qに対応している。すなわち、光電変換部21Pは、
図1に示した撮像光学系2の瞳面のうちの-x側を通った光に対する感度が、+x側を通った光に対する感度よりも高い。一方、光電変換部21Qは、
図1に示した撮像光学系2の瞳面のうちの+x側を通った光に対する感度が、-x側を通った光に対する感度よりも高い。
【0103】
第2実施形態の撮像素子3においては、それぞれの増幅回路22Pおよび増幅回路22Qにそれぞれ信号線11が接続される。第2実施形態の撮像素子3は、
図4に示した第2実施形態の撮像素子3に対し、G画素およびG画素に接続される信号線11を除去し、第1画素Pを光電変換部21Pおよび増幅回路22Pに置換し、第2画素Qを光電変換部21Qおよび増幅回路22Qに置換したものともいえる。
【0104】
従って、第2実施形態の撮像素子3において、加算部13が光電変換部21Pおよび光電変換部21Qから出力された信号を加算する構成は、上述の第1実施形態において、加算部13が第1画素Pおよび第2画素Qから出力された信号を加算する構成と同様であるため、説明を省略する。
なお、光電変換部21Pは第1光電変換部であるともいえ、光電変換部21Qは第2光電変換部であるともいえる。
【0105】
(各実施形態および各変形例の効果)
上述した実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)以上の各実施形態および各変形例の撮像素子3は、光学系2により形成された被写体像の合焦状態の検出に用いる信号を出力する、第1方向(x方向)及び第1方向と交わる第2方向(y方向)に配置された複数の画素10、10aと、第2方向に配線され、画素10、10aからの信号が出力される信号線11と、第1方向に配置された複数の画素10、10aから信号線11に出力された信号のうちの複数の信号を加算して加算信号(第1信号SP、第2信号SQ)を生成し、加算される信号を出力する複数の画素10の第2方向の位置が異なると、加算される信号を出力する複数の画素10、10aのうち、少なくとも1つの画素10、10aの第1方向の位置を異ならせる加算部と、を有している。
この構成により、出力するデータの量を削減し、消費電力を削減することができる。また、信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
また、この構成により、第1方向(x方向)に並ぶ複数の第1画素Pまたは第1画素Qの信号を相互に加算しているにも関わらず、第1方向(x方向)に比較的密な間隔のデータ列として、第1信号SPおよび第2信号SQを取り出すことができる。
なお、一般的に位相差検出方式による焦点検出の精度は使用するデータの量が多いほど向上する。上記の構成においては、x方向に比較的密な間隔のデータ列からなる信号、すなわちx方向の単位当たりのデータの量が多い信号を取り出すことができるので、これを用いた位相差検出方式による焦点検出の精度を向上させることができる。
【0106】
(2)さらに、複数の画素10は、第1光電変換部(第1画素Pの光電変換部21)および第1光電変換部の第1方向(x方向)の側の一部分を遮光する第1遮光部25Pを有する第1画素Pと、第2光電変換部(第2画素Qの光電変換部21)および第2光電変換部の第1方向とは反対側の一部分を遮光する第2遮光部25Qを有する第2画素Qとを含む。そして、加算部13は、第1方向に配置された複数の第1画素Pから出力された信号から第1の加算信号(第1信号SP)を生成し、第1方向に配置された複数の第2画素Qから出力された信号から第2の加算信号(第2信号SQ)を生成する。
第1画素Pおよび第2画素Qは、いわゆる像面AFにおけるAF画素として機能するため、この構成により、撮像素子3から出力する合焦位置を検出するためのデータの量を削減することができ、消費電力を削減することができる。また、信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
【0107】
(3)さらに、画素10aは、レンズ(マイクロレンズ24)と、レンズの光軸に対して第1方向(x方向)の第1の側に配置された第1光電変換部21P、およびレンズの光軸に対して第1方向の第1の側とは反対側に配置された第2光電変換部21Qとを有する。そして、加算部13は、複数の第1光電変換部21Pから出力された信号から第1の加算信号(第1信号SP)を生成し、複数の第2光電変換部21Qから出力された信号から第2の加算信号(第1信号SQ)を生成する。
第1光電変換部21Pおよび第2光電変換部21Qを含む画素10aは、いわゆる2PD型のAF画素として機能するため、この構成により、撮像素子3から出力する合焦位置を検出するためのデータの量を削減することができ、消費電力を削減することができる。また、信号の読み出しにかかる時間を短縮することができる。
【0108】
(4)以上の各実施形態および各変形例の撮像装置1は、各実施形態および各変形例の撮像素子3と、撮像素子3から出力される信号(第1信号SP、第2信号SQ)に基づいて、撮像素子3上に形成されている像の結像状態を検出する検出部(撮像制御部4)と、を有している。
この構成により、撮像素子3から出力される合焦位置を検出するためのデータの量を削減することができ、撮像素子3および撮像制御部4の消費電力を削減することができる。
【0109】
上述では、種々の実施形態および変形例を説明したが、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、各実施形態および変形例は、それぞれ単独で適用しても良いし、組み合わせて用いても良い。本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の態様も本発明の範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
1:撮像装置、2:撮像光学系、3:撮像素子、4:撮像制御部、5:レンズ駆動部、6:表示部、7:半導体基板、8:制御部、8H:水平制御部、8V:垂直制御部、9:出力部、10,10a:画素、P:第1画素、Q:第2画素、11:信号線、12:読出部、13:加算部、14:第1画素行、15:第2画素行、16:記憶部、17:乗算回路、18:加算回路、21,21P,21Q:光電変換部、22,22P,22Q:増幅回路、23:カラーフィルタ、24:マイクロレンズ、25P:第1遮光部、25Q:第2遮光部