(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】仲介サーバ、遠隔制御システム、仲介方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20240416BHJP
G06Q 50/16 20240101ALI20240416BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240416BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240416BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q50/16
H04M3/56 Z
H04M11/00 301
H04Q9/00 301Z
(21)【出願番号】P 2020104742
(22)【出願日】2020-06-17
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】110000420
【氏名又は名称】弁理士法人MIP
(72)【発明者】
【氏名】常盤 匡史
【審査官】酒井 優一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3122710(JP,U)
【文献】特表2014-531642(JP,A)
【文献】特開2018-145601(JP,A)
【文献】特開2018-145765(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
H04M 3/56
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約の登録を行う登録端末から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバが送信した、前記リソースを識別するためのリソース識別情報を受信する受信手段と、
前記リソースに関する鍵の解錠を行うための駆動装置を遠隔制御する駆動制御サーバに対して、前記リソース識別情報に対応する前記駆動装置を識別するための駆動装置識別情報を送信する送信手段と、
を有し、
前記受信手段は、前記駆動制御サーバが送信した、前記駆動装置識別情報で示される駆動装置によって鍵を解錠するために必要な認証情報を受信し、
前記送信手段は、前記登録端末が受信するように、前記認証情報を送信
し、
前記受信手段は、前記登録端末から前記認証情報を含む解錠要求を受信すること
を特徴とする仲介サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の仲介サーバであって、
前記受信手段によって受信された前記リソース識別情報に関連付けられた解錠の方法
の種類に応じて、前記送信手段は前記駆動制御サーバに対して前記駆動装置識別情報を送信する場合と送信しない場合があることを特徴とする仲介サーバ。
【請求項3】
前記解錠の方法
の種類は、少なくとも、前記駆動装置に対して遠隔制御することにより前記駆動装置に前記リソースに関する鍵の解錠を行わせるための方法を示す電子鍵と、前記駆動装置とは異なる他の駆動装置によって物理的に鍵を解錠するための方法を示す物理鍵を含み、
前記受信手段によって受信されたリソース識別情報に対応する解錠の方法
の種類が電子鍵の場合に、前記送信手段は前記駆動制御サーバに対して前記駆動装置識別情報を送信することを特徴とする請求項2に記載の仲介サーバ。
【請求項4】
前記受信手段は、前記リソースと紐づいた情報提供物から前記リソース識別情報を取得した通信端末が送信した前記リソース識別情報を受信し、
前記送信手段は、前記通信端末が受信するように、前記リソース識別情報に対応するリソース名を送信すること
を特徴とする請求項3に記載の仲介サーバ。
【請求項5】
前記受信手段は、前記通信端末が送信した、当該通信端末の利用者を識別するための利用者識別情報を受信し、
前記送信手段は、前記通信端末が受信するように、前記利用者識別情報で示される前記利用者が予約した前記リソースを利用する予定の開始時刻及び終了時刻を示す情報を送信すること
を特徴とする請求項4に記載の仲介サーバ。
【請求項6】
前記受信手段は、前記認証情報を受け付けた前記通信端末が送信した当該認証情報及び前記予約を識別するための予約識別情報を受信し、
前記送信手段は、前記駆動制御サーバが受信するように、前記認証情報、及び前記予約識別情報に対応する前記駆動装置識別情報を送信すること
を特徴とする請求項5に記載の仲介サーバ。
【請求項7】
前記送信手段が送信した駆動装置識別情報及び前記認証情報に基づいて、前記駆動制御サーバが前記駆動装置の遠隔解錠を完了することで、前記受信手段によって当該駆動制御サーバが送信した解錠完了の旨を示す情報を受信された場合には、前記送信手段は、前記通信端末に対して、解錠完了の旨を示す情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の仲介サーバ。
【請求項8】
駆動制御サーバによって遠隔制御され、リソースに関する鍵の解錠を行うための駆動装置と、仲介サーバと、で構成された遠隔制御システムであって、
前記駆動装置は、
認証情報に基づいて前記駆動制御サーバから送信された解錠する要求に応じて鍵を解錠する制御を行う駆動制御手段を有し、
前記仲介サーバは、
予約の登録を行う登録端末から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバが送信した、前記リソースを識別するためのリソース識別情報を受信する受信手段と、
前記リソースに関する鍵の解錠を行うための前記駆動装置を遠隔制御する駆動制御サーバに対して、前記リソース識別情報に対応する前記駆動装置を識別するための駆動装置識別情報を送信する送信手段と、
を有し、
前記受信手段は、前記駆動制御サーバが送信した、前記駆動装置識別情報で示される駆動装置によって鍵を解錠するために必要な前記認証情報を受信し、
前記送信手段は、前記登録端末が受信するように、前記認証情報を送信
し、
前記受信手段は、前記登録端末から前記認証情報を含む解錠要求を受信することを特徴とする遠隔制御システム。
【請求項9】
コンピュータが、
予約の登録を行う登録端末から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバが送信した、前記リソースを識別するためのリソース識別情報を受信する受信ステップと、
前記リソースに関する鍵の解錠を行うための駆動装置を遠隔制御する駆動制御サーバに対して、前記リソース識別情報に対応する前記駆動装置を識別するための駆動装置識別情報を送信する送信ステップと、
を実行し、
前記受信ステップは、前記駆動制御サーバが送信した、前記駆動装置識別情報で示される駆動装置によって鍵を解錠するために必要な認証情報を受信する処理を含み、
前記送信ステップは、前記登録端末が受信するように、前記認証情報を送信する処理を含
み、
前記受信ステップは、前記登録端末から前記認証情報を含む解錠要求を受信する処理を含むこと
を特徴とする仲介方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、仲介サーバ、遠隔制御システム、仲介方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンからサーバを介してスマートロックを遠隔制御することにより、スマートロックの解錠(又は施錠)を遠隔的に行うシステムが提供されている(先行文献1参照)。このようなスマートロックを用いることで、個人の家やマンション等の専用のリソースのドアの解錠(又は施錠)を行うことができるだけでなく、会社の会議室やカーシェアリングの車両等の共用のリソースのドアの鍵の解錠(又は施錠)を行うこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、リソースが共用物の場合、複数の利用者が効率的に利用するために、予め予約管理サービス(システム)等にリソースの予約を登録して管理しておく場合があるが、必ずしも予約管理サービスでスマートロック等を遠隔制御されるわけではない。そのため、予約したリソースを利用するにあたって、リソースに関するスマートロック等の電子的な情報を用いた鍵の解錠や施錠が必要な場合、利用者は、リソースの予約をする一方で、当該予約したリソースに関する鍵の解錠に必要なパスコード等の認証情報を、スマートロック等を遠隔制御するシステムから別途取得しないといけない。これにより、利用者の処理が煩雑になるという課題が生じている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1に係る発明は、予約の登録を行う登録端末から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバが送信した、前記リソースを識別するためのリソース識別情報を受信する受信手段と、前記リソースに関する鍵の解錠を行うための駆動装置を遠隔制御する駆動制御サーバに対して、前記リソース識別情報に対応する前記駆動装置を識別するための駆動装置識別情報を送信する送信手段と、を有し、前記受信手段は、前記駆動制御サーバが送信した、前記駆動装置識別情報で示される駆動装置によって鍵を解錠するために必要な認証情報を受信し、前記送信手段は、前記登録端末が受信するように、前記認証情報を送信することを特徴とする仲介サーバである。
【発明の効果】
【0005】
以上説明したように本発明によれば、仲介サーバは、予約の登録を行う登録端末から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバと、リソースの解錠を行うための駆動装置を遠隔制御する駆動制御サーバとを仲介することで、予約されたリソースの解錠を行うための駆動装置の解錠に必要な認証情報を登録端末に提供することができる。これにより、予約者(利用者)の処理が煩雑になることを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本実施形態に係る遠隔制御システムの概略図である。
【
図2】PC、予約管理サーバ、仲介サーバ、及び駆動制御サーバのハードウェア構成図である。
【
図3】スマートフォンのハードウェア構成図である。
【
図4】スマートロックのハードウェア構成図である。
【
図5】遠隔制御システムを構成する各装置等の機能ブロック図である。
【
図7】(a)は利用者情報管理テーブルの概念図、(b)はイベント管理テーブルの概念図、(c)は駆動方法管理テーブルの概念図である。
【
図11】正当な利用者でない場合の処理を示したシーケンス図である。
【
図12】正当な利用者の場合に仲介サーバが行う鍵の種類の判断処理を示したフローチャートである。
【
図13】鍵の種類が「電子鍵」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
【
図14】鍵の種類が「電子鍵」の場合にPCで表示される画面例である。
【
図15】鍵の種類が「物理鍵」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
【
図16】鍵の種類が「物理鍵」の場合にPCで表示される画面例である。
【
図17】鍵の種類が「無し」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
【
図18】鍵の種類が「無し」の場合にPCで表示される画面例である。
【
図19】鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔解錠の処理を示したシーケンス図である。
【
図20】鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔解錠の処理を示したシーケンス図である。
【
図21】鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔解錠の処理を示したシーケンス図である。
【
図22】会議を開始する際のスマートフォンにおける画面例である。
【
図23】鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔施錠の処理を示したシーケンス図である。
【
図24】鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔施錠の処理を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に図面を用いて、本実施形態を詳細に説明する。
【0008】
〔システムの概略〕
まず、遠隔制御システム1の概略について説明する。
図1は、本実施形態に係る遠隔制御システムの概略図である。ここでは、スマートフォン3が、遠隔的に会議室A等のリソースのドア8の外側(会議室Aの外部側)に設置されたスマートロック9に対して解錠及び施錠させる場合について説明する。
【0009】
図1に示されているように、遠隔制御システム1は、PC2、スマートフォン3、予約管理サーバ5、仲介サーバ6、駆動制御サーバ7、及びスマートロック9によって構築されている。これらは、インターネット等の通信ネットワーク100を介して通信可能である。なお、通信ネットワーク100には、有線通信だけでなく、移動通信システム(4G、5G、6G等)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)等の無線通信によるネットワークが含まれてもよい。
【0010】
これらのうち、PC2、スマートフォン3、及びスマートロック9は同じ会社等の事業者(組織)に属している。この事業者の建物には会議室A,B,Cが設置されている。
図1では、会議室Aが示されている。会議室Aのドア8の外側(会議室Aの外部側)には、QRコードが印刷されたシールが貼られている。このQRコードには、会議室Aを識別するためのリソース識別情報(例えば、リソースID)及びアクセス先情報が埋め込まれている。
【0011】
PC2は、例えば、利用者aが利用するノートPC等であり、利用者aが自分の予定及びリソースの予約を予約管理サーバ5に登録するための登録端末の一例である。
【0012】
スマートフォン3は、利用者aが携帯している(移動)通信端末の一例である。
【0013】
スマートロック9は、ドア8の鍵部分に設置され、鍵の解錠及び施錠を行うことができる機構を有している。また、ドア8には、バーコード等のQRコード(登録商標)10が示されている。QRコード10は、ドア8に貼り付けるためのシール上に印刷されている。QRコード10は、このドア8が設置されている会議室等のリソースを識別するためのリソースID、及び仲介サーバ6へのアクセス先情報(URL等)が埋め込まれている。QRコード10が示されたシールは、ドア8等のリソースの一部に貼り付けられることで、QRコードとリソースが紐づけられる。スマートフォン3は、インストールされているQRコードスキャナのアプリケーションによりQRコードの情報を取得する。
【0014】
スマートロック9は、駆動制御サーバ7を運営する事業者から、利用者aが属する組織(事業者)に提供された駆動装置の一例である。ドア用のスマートロックの場合、スマートロック9はドア8のサムターンに取り付けられ、遠隔操作によりスマートロック9がサムターンを回転させることで、解錠又は施錠を行う。
【0015】
次に、予約管理サーバ5、仲介サーバ6、及び駆動制御サーバ7は、それぞれ別の事業者によって管理されている。予約管理サーバ5は、例えば、Microsoft(登録商標) 365等のサーバである。仲介サーバ6は、例えば、Microsoft(登録商標) 365等の予約管理を含むサービスとスマートロック9の遠隔解錠(又は施錠)サービスを連携させたサービスを提供する事業者が管理するサーバである。駆動制御サーバ7は、スマートロック9の販売及び遠隔解錠(又は施錠)のサービスを行っている事業者のサーバである。
【0016】
予約管理サーバ5と駆動制御サーバ7は、異なる事業者によって管理されているため、本実施形態では、仲介サーバ6が、予約管理サーバ5と駆動制御サーバ7との処理の仲介を行う。
【0017】
〔ハードウェア構成〕
続いて、
図2乃至
図4を用いて、遠隔制御システムを構成する各装置等のハードウェア構成について説明する。
【0018】
<PC、各サーバのハードウェア構成>
図2は、PC、予約管理サーバ、仲介サーバ、及び駆動制御サーバのハードウェア構成図である。PC2のハードウェア構成は、200番台の符号で示されている。なお、予約管理サーバ5、仲介サーバ6、及び駆動制御サーバ7のハードウェア構成は、PC2と同様であるため、それぞれ、500番台、600番台、及び700番台の符号を付して、これらの説明を省略する。
【0019】
PC2は、コンピュータによって構築されており、
図2に示されているように、CPU201、ROM202、RAM203、HD204、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ205、ディスプレイ208、ネットワークI/F209、データバス210、キーボード211、マウス212、メディアI/F207、及びDVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ214を備えている。
【0020】
これらのうち、CPU201は、PC2全体の動作を制御する。ROM202は、IPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。HD204は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ205は、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ208は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。ネットワークI/F209は、通信ネットワーク100を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン210は、
図2に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0021】
また、キーボード211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス212は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。メディアI/F207は、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。DVD-RWドライブ214は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-RやBlu-ray Disc(ブルーレイディスク)等であってもよい。
【0022】
<スマートフォンのハードウェア構成>
図3は、スマートフォンのハードウェア構成図である。
図3に示されているように、スマートフォン3は、CPU301、ROM302、RAM303、EEPROM304、CMOSセンサ305、撮像素子I/F306、加速度・方位センサ307、メディアI/F309、GPS受信部311を備えている。
【0023】
これらのうち、CPU301は、スマートフォン3全体の動作を制御する。ROM302は、CPU301やIPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。EEPROM304は、CPU301の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ305は、CPU301の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F306は、CMOSセンサ305の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ307は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F309は、フラッシュメモリ等の記録メディア308に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部311は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0024】
また、スマートフォン3は、遠距離通信回路312、遠距離通信回路312のアンテナ312a、CMOSセンサ313、撮像素子I/F314、マイク315、スピーカ316、音入出力I/F317、ディスプレイ318、外部機器接続I/F(Interface)319、近距離通信回路320、近距離通信回路320のアンテナ320a、及びタッチパネル321を備えている。
【0025】
これらのうち、遠距離通信回路312は、通信ネットワーク100を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ313は、CPU301の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F314は、CMOSセンサ313の駆動を制御する回路である。マイク315は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ316は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F317は、CPU301の制御に従ってマイク315及びスピーカ316との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ318は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F319は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路320は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル321は、利用者がディスプレイ318を押下することで、スマートフォン3を操作する入力手段の一種である。
【0026】
また、スマートフォン3は、バスライン310を備えている。バスライン310は、
図3に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0027】
<スマートロックのハードウェア構成>
図4は、スマートロックのハードウェア構成図である。スマートロック9は、コンピュータが搭載されており、
図4に示されているように、CPU901、ROM902、RAM903、NVRAM904、開閉機構905、操作部907、遠距離通信回路909、遠距離通信回路909のアンテナ909a、及びバスライン910を備えている。
【0028】
これらのうち、CPU901は、スマートロック9全体の動作を制御する。ROM902は、IPL等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM903は、CPU901のワークエリアとして使用される。NVRAM(Non-Volatile RAM)904は、プログラム等の各種データを記憶及び読み出しを行う不揮発性メモリである。
【0029】
開閉機構905は、ドア8のサムターンに取り付けられ、遠隔操作によりサムターンを回転させることで、解錠又は施錠を行う機構である。操作部907は、スイッチ等の利用者が操作する部分である。遠距離通信回路909は、通信ネットワークを介して、駆動制御サーバ7とデータ通信するための通信回路である。バスライン910は、
図4に示されているCPU901等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0030】
〔機能構成〕
続いて、
図5乃至
図8を用いて、遠隔制御システム1を構築する各装置等の機能構成について説明する。
図5は、遠隔制御システム1を構成する各装置等の機能ブロック図である。
【0031】
<PCの機能構成>
図5に示されているように、PC2は、送受信部21、受付部22、表示制御部24、及び記憶・読出処理部29を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202からRAM203上に展開されたPC用のプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0032】
また、PC2は、
図2に示されているROM202、RAM203、及びHD204によって構築される記憶部2000を有している。
【0033】
(PCの各機能構成)
PC2の送受信部21は、ネットワークI/F209に対するCPU201の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0034】
受付部22は、主に、キーボード211、マウス212に対するCPU201の処理によって実現され、利用者から各種の選択又は入力を受け付ける。
【0035】
表示制御部24は、主に、CPU201の処理によって実現され、ディスプレイ208に、各種画像を表示させる。
【0036】
記憶・読出処理部29は、主に、CPU201の処理によって実現され、記憶部2000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部2000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0037】
<スマートフォンの機能構成>
図5に示されているように、スマートフォン3は、送受信部31、受付部32、取得部33、表示制御部34、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、
図5に示されている各構成要素のいずれかが、EEPROM304からRAM303上に展開されたスマートフォン用のプログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0038】
また、スマートフォン3は、
図3に示されているROM302、RAM303、及びEEPROM304によって構築される記憶部3000を有している。
【0039】
(スマートフォンの各機能構成)
スマートフォン3の送受信部31は、主に、遠距離通信回路312に対するCPU301の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0040】
受付部32は、主に、タッチパネル321に対するCPU301の処理によって実現され、利用者から各種の選択又は入力を受け付ける。
【0041】
取得部33は、主に、撮像素子I/F314に対するCPU301の処理、及びCPUによる処理によって実現され、CMOS313に対してQRコードを撮影させ、撮影画像からQRコードに埋め込まれているデータを取得する。
【0042】
表示制御部34は、主に、CPU301の処理によって実現され、ディスプレイ318に、各種画像を表示させる。
【0043】
記憶・読出処理部39は、主に、CPU301の処理によって実現され、記憶部3000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部3000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0044】
<予約管理サーバの機能構成>
図5に示されているように、予約管理サーバ5は、送受信部51、及び記憶・読出処理部59を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD504からRAM503上に展開された予約管理サーバ用のプログラムに従ったCPU501からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0045】
また、予約管理サーバ5は、
図2に示されているROM502、及びHD504によって構築される記憶部5000を有している。
【0046】
(予約管理テーブル)
図6は、予約管理テーブルを示す概念図である。予約管理テーブルは、各利用者の予定及び会議室等のリソース予約を管理するためのテーブルである。記憶部5000には、
図6に示されているような予約管理テーブルによって構成されている予約管理DB5001が構築されている。この予約管理テーブルでは、予約ID、予約者アカウント、イベント名、リソースID、開始日時、終了日時、及び参加予定者アカウントが関連付けられて管理される。
【0047】
これらのうち、予約IDは、特定の予約を識別するための予約識別情報の一例である。予約者アカウントは、会議室等のリソースの使用を予約した予約者(利用者)のアカウントであり、予約ID「R001」のレコードでは、利用者aのアカウントとして利用者aの電子メールアドレスが示されている。予約者アカウントは、予約者識別情報の一例である。イベント名は、会議室等のリソースを利用して行われる会議名等を示している。リソースIDは、会議室等のリソースを識別するためのリソース識別情報の一例である。開始日時はイベントの開始予定日時である。終了日時はイベントの終了予定日時である。参加予定者アカウントは、イベントに参加する利用者のアカウントであり、ここでは、予約者アカウントと同様に、参加予定者の電子メールアドレスが示されている。参加予定者アカウントは、参加予定者識別情報の一例である。
【0048】
なお、イベント名、リソースID、開始日時、及び終了日時は、予約情報を構成している。
【0049】
(予約管理サーバの各機能構成)
予約管理サーバ5の送受信部51は、ネットワークI/F509に対するCPU501の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0050】
記憶・読出処理部59は、主に、CPU501の処理によって実現され、記憶部5000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部5000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0051】
<仲介サーバの機能構成>
図5に示されているように、仲介サーバ6は、送受信部61、認証部62、作成部63、及び記憶・読出処理部69を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD604からRAM603上に展開された仲介サーバ用のプログラムに従ったCPU601からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0052】
また、仲介サーバ6は、
図2に示されているROM602、及びHD604によって構築される記憶部6000を有している。
【0053】
(利用者管理テーブル)
図7(a)は、利用者管理テーブルを示す概念図である。利用者管理テーブルは、利用者の個人情報を管理するためのテーブルである。記憶部6000には、
図7(a)に示されているような利用者管理テーブルによって構成されている利用者管理DB6001が構築されている。この利用者管理テーブルでは、組織ID、利用者アカウント、及び利用者名が関連付けられて管理されている。
【0054】
これらのうち、組織IDは、利用者が所属している組織(事業者)を識別するための組織識別情報の一例である。利用者アカウントは、利用者を識別するための利用者識別情報の一例である。ここでは、利用者のアカウントとして、利用者の電子メールアドレスが示されている。利用者が予約者となる場合、利用者アカウントは上述の予約情報管理テーブルにおける予約者アカウントとして管理される。利用者が参加予定者となる場合、利用者アカウントは上述の予約情報管理テーブルにおける参加予定者アカウントとして管理される。利用者名は利用者の名前である。
【0055】
(イベント管理テーブル)
図7(b)は、イベント管理テーブルを示す概念図である。イベント管理テーブルは、会議等のイベントの詳細な情報を管理するためのテーブルである。記憶部6000には、
図7(b)に示されているようなイベント管理テーブルによって構成されているイベント管理DB6002が構築されている。このイベント管理テーブルでは、上述の予約管理テーブルで管理されている各情報(予約ID、予約者アカウント、イベント名、リソースID、開始日時、終了日時、及び参加予定者アカウント)に加えて、イベント状態の情報が関連付けられて管理される。なお、上述の予約管理テーブルで管理されている各情報と同じ情報の説明は省略する。イベント状態は、主に会議等のイベントの状態を示す情報である。
【0056】
(鍵種類管理テーブル)
図7(c)は、鍵種類管理テーブルを示す概念図である。鍵種類管理テーブルは、スマートロック等の駆動装置の解錠及び施錠を行うための鍵の種類を管理するためのテーブルである。記憶部6000には、
図7(c)に示されているような鍵種類管理テーブルによって構成されている鍵種類管理DB6003が構築されている。この鍵種類管理テーブルでは、組織ID、リソース名、リソースID、鍵の種類、駆動装置ID、及びアクセス場所情報が関連付けられて管理される。
【0057】
これらのうち、組織ID及びリソースIDは、上述の利用者情報管理テーブルにおける組織ID、及びイベント管理テーブルにおけるリソースIDと同じであるため、説明を省略する。また、リソース名は、会議室等のリソースの名称である。
【0058】
また、鍵の種類は、解錠及び施錠を行うための方法の種類を示している。ここでは、鍵の種類の例として、「電子鍵」、「物理鍵」、及び「無し」が示されている。「電子鍵」は、遠隔制御により認証情報等の電子的な情報を利用してスマートロック9等の駆動装置に解錠及び施錠を行わせる方法を示している。「物理鍵」は、スマートロック9等の駆動装置を利用せずに、利用者が鍵穴に金属等の物理的な鍵を差し込んで解錠及び施錠をする方法を示している。「無し」はドアの開閉のために鍵が不要である場合を示している。
【0059】
駆動装置IDは、スマートロック9等の駆動装置を識別するための駆動装置識別情報の一例である。アクセス場所情報は、鍵の種類によって、異なるアクセス先の場所の情報を示している。
【0060】
鍵の種類が「電子鍵」の場合のアクセス先の場所は、仲介サーバ6が通信ネットワーク100を介してアクセスする場所の情報を示している。ここでは、アクセスする場所の情報として駆動制御サーバ7のURLが示されている。
【0061】
鍵の種類が「物理鍵」の場合のアクセス先の場所は、利用者がアクセスする場所を示している。ここでは、アクセスする場所の情報として物理鍵が管理されている1F警備室が示されている。
【0062】
鍵の種類が「無し」の場合は、ドアの開閉のために鍵が不要なため、アクセス先の場所の情報はない。
【0063】
(仲介サーバの各機能構成)
仲介サーバ6の送受信部61は、ネットワークI/F609に対するCPU601の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0064】
認証部62は、主に、CPU601の処理によって実現され、予約者が会議室等のリソースを予約するのに正当な者であるか否かの認証を行う。
【0065】
作成部63は、主に、CPU601の処理によって実現され、各DB6001,6002,6003から読み出された情報を用いて所定のメッセージを作成する。
【0066】
記憶・読出処理部69は、主に、CPU601の処理によって実現され、記憶部6000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部6000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0067】
<駆動制御サーバの機能構成>
図7に示されているように、駆動制御サーバ7は、送受信部71、発行部72、判断部75、及び記憶・読出処理部79を有している。これら各部は、
図2に示されている各構成要素のいずれかが、HD704からRAM703上に展開された駆動制御サーバ用のプログラムに従ったCPU701からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0068】
また、駆動制御サーバ7は、
図2に示されているROM702、及びHD704によって構築される記憶部7000を有している。
【0069】
(駆動装置管理テーブル)
図8は、駆動装置管理テーブルを示す概念図である。駆動装置管理テーブルは、スマートロック9等の駆動装置に関する情報を管理するためのテーブルである。記憶部7000には、
図8に示されているような駆動装置管理テーブルによって構成されている駆動装置管理DB7001が構築されている。この駆動装置管理テーブルでは、駆動装置ID、駆動装置の宛先情報、認証情報、認証情報の有効期間、及び駆動装置の状態が関連付けられて管理されている。
【0070】
これらのうち、駆動装置IDは、上述の鍵種類管理テーブルで管理されている駆動装置IDと同じである。この駆動装置IDにより、仲介サーバ6と駆動制御サーバ7は連携処理を行うことができる。
【0071】
駆動装置の宛先情報は、スマートロック9等の駆動装置の通信ネットワーク100上の宛先を示している。宛先情報は、例えば、IPアドレスやMACアドレス等である。
【0072】
認証情報は、スマートロック9等の駆動装置が解錠又は施錠を行うにあたっての認証に必要な情報である。認証情報は、例えば、パスコードやパスワード等である。
【0073】
認証情報の有効期間は、駆動制御サーバ7が認証情報を有効に利用することができる期間を示す。これにより、
図8に示されているように、同じ駆動装置(駆動装置ID「d001」)であっても、認証情報及び認証情報の有効期間が異なることで、同じ会議室等のリソースであっても、予約者が予約した期間以外はスマートロック9の解錠及び施錠を行うことができない。
【0074】
駆動装置の状態は、スマートロック9等の駆動装置による解錠又は施錠の状態を示している。
【0075】
(駆動制御サーバの各機能構成)
駆動制御サーバ7の送受信部71は、ネットワークI/F709に対するCPU701の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0076】
発行部72は、主に、CPU701の処理によって実現され、認証情報を発行する。
【0077】
判断部75は、主に、CPU701の処理によって実現され、各種判断を行う。例えば、判断部75は、認証情報の有効性の判断を行う。
【0078】
記憶・読出処理部79は、主に、CPU701の処理によって実現され、記憶部7000に、各種データ(または情報)を記憶したり、記憶部7000から各種データ(または情報)を読み出したりする。
【0079】
<スマートロックの機能構成>
図5に示されているように、スマートロック9は、送受信部91、及び駆動制御部92を有している。これら各部は、
図4に示されている各構成要素のいずれかが、NVRAM904からRAM903上に展開されたスマートロック用のプログラムに従ったCPU901からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。
【0080】
(スマートロックの各機能構成)
スマートロック9の送受信部91は、主に、遠距離通信回路909に対するCPU901の処理によって実現され、通信ネットワーク100を介して、他の装置等との間で各種データ(または情報)の送受信を行う。
【0081】
駆動制御部92は、主に、CPU901の処理によって実現され、開閉機構905を駆動させ、解錠又は施錠を行う。
【0082】
〔実施形態の処理及び動作〕
続いて、
図9乃至
図24を用いて、本実施形態の処理または動作について説明する。
【0083】
<予約の登録処理>
まずは、
図9乃至
図12を用い、利用者aがPC2を利用して予約管理サーバ5にリソースの一例である会議室Aを予約する場合について説明する。
図9は、予約登録処理を示したシーケンス図である。
図10は、予定入力画面の例を示した図である。
【0084】
利用者aは、PC2を用い、
図10に示されているような予定入力画面1560に対して、予約情報(イベント名、リソース、イベントの開始時刻、イベントの終了時刻)、及び参加予定者を入力することで、受付部22が、予約情報及び参加予定者の入力又は選択を受け付ける(S21)。この予定入力画面1560には、イベント名を入力するための入力欄1561、リソース名を入力するための入力欄1562、イベントの予定開始日時を入力するための入力欄1563、イベントの予定終了日時を入力するための入力欄1564、予約者名(予約者のアカウント)を表示するための表示領域1565、予約者以外の参加予定者の参加予定者名(参加予定者のアカウント)を選択するための選択欄1566が含まれている。なお、ここでは、予約者のアカウント及び参加予定者のアカウントは、それぞれの電子メールアドレスが用いられている。
【0085】
続いて、PC2の送受信部21は、予約管理サーバ5に対して、ステップS21で入力又は選択された各情報(予約者アカウント、参加者アカウント、予約情報)を送信する(S22)。これにより、予約管理サーバ5の送受信部51は、各情報を受信する。なお、ステップS22は、予約者(利用者a)が通信ネットワーク100を介して上司等の承認者のPCに対し、予約する旨の承認を得てから実行してもよい。
【0086】
次に、予約管理サーバ5では、記憶・読出処理部79が、予約管理DB5001に、予約ステップS22で受信された各情報に対して予約IDを付して、予約管理DB5001に記憶して管理する(S23)。そして、送受信部51が、PC2に対して予約が完了した旨を示す完了通知を送信する(S24)。これにより、PC2の送受信部21は、完了通知を受信する。
【0087】
また、予約管理サーバ5では、送受信部51が仲介サーバに対して、ステップS23で記憶した各情報(予約ID、予約者のアカウント、参加者のアカウント、予約情報)を送信する(S25)。これにより、仲介サーバ6の送受信部61は、各情報を受信する。なお、ステップS25は、仲介サーバ6から予約管理サーバ5に対するポーリングにより定期的に問い合わせることによって、この応答として実行されるようにしてもよい。
【0088】
次に、仲介サーバ6は、ステップS25で受信された予約者アカウントが、利用者アカウントして利用者管理DB6001に管理されているか否かにより、利用者の認証を行う(S26)。
【0089】
(正当な利用者でない場合)
続いて、
図11を用いて、ステップS26で利用者の認証により、利用者aが正当な利用者でない場合について説明する。
図11は、正当な利用者でない場合の処理を示したシーケンス図である。
【0090】
図11に示されているように、仲介サーバ6の送受信部61は、予約管理サーバ5に対して、予約解除要求を送信する(S31)。この予約解除要求には、ステップS25で受信した特定の予約IDが含まれている。これにより、予約管理サーバ5の送受信部51は、予約解除要求を受信する。
【0091】
次に、予約管理サーバ5では、記憶・読出処理部59ステップS23で上記特定の予約IDとこの予約IDと共に記憶した各情報を削除する(S32)。
【0092】
更に、仲介サーバ6の作成部63は、PC2に対して、予約が出来なかった旨を示す予約不可のメッセージを作成する(S33)。そして、送受信部61は、PC2に対してステップS33で作成された予約不可のメッセ―ジを送信する(S34)。この場合、仲介サーバ6の送受信部61がステップS25で受信した予約者アカウントは、電子メールアドレスであるため、送受信部61は、この電子メールアドレス宛に、予約不可のメッセージを送信する。これにより、PC2の送受信部21は、予約不可のメッセージを受信する。そして、PC2では、表示制御部24が、ディスプレイ208上に予約不可のメッセージを表示する(S35)。
【0093】
(正当な利用者の場合)
続いて、
図12を用いて、ステップS26で利用者の認証により、利用者aが正当な利用者の場合について説明する。
図12は、正当な利用者の場合に仲介サーバが行う鍵の種類の判断処理を示したフローチャートである。
【0094】
まず、記憶・読出処理部69は、ステップS25によって受信された各情報(予約ID、予約者のアカウント、参加者のアカウント、予約情報)を関連付けて、イベント管理DB6002に、新たなレコードとして記憶して管理する(S41)。この時点では、新たなレコードにおいて「イベント状態」の列は管理されていない。
【0095】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS41で記憶された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応する鍵の種類情報を読み出す(S42)。そして、鍵の種類が「電子鍵」の場合は、後述のステップS61以降の処理が実行される。また、鍵の種類が「物理鍵」の場合は、後述のステップS81以降の処理が実行される。更に、鍵の種類が「無し」の場合、つまり、鍵が無い場合には、ステップS101以降の処理が実行される。そこで、以下に種類毎に処理を説明する。
【0096】
(鍵の種類が電子鍵の場合)
まずは、
図13及び
図14を用いて、鍵の種類が「電子鍵」の場合について説明する。
図13は、鍵の種類が「電子鍵」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
図14は、鍵の種類が「電子鍵」の場合にPCで表示される画面例である。
【0097】
図13に示されているように、仲介サーバ6の記憶・読出処理部69は、ステップS25で受信された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応する駆動装置ID及びアクセス場所の情報を読み出す(S61)。そして、送受信部61は、駆動制御サーバ7のアクセス場所に対して、認証情報の要求を送信する(S62)。この要求には、ステップS61によって読み出された駆動装置IDが含まれている。これにより、駆動制御サーバ7の送受信部71が、認証情報の要求を受信する。
【0098】
次に、駆動制御サーバ7では、発行部72が固有の認証情報を発行する(S63)。そして、記憶・読出処理部79が、駆動装置管理DB7001において、ステップS62で受信された駆動装置IDと同じ駆動装置IDのレコードに対し、ステップS63で発行された認証情報を関連付けて記憶して管理する(S64)。
【0099】
次に、送受信部71は、仲介サーバ6に対して、ステップS63で発行された認証情報を送信する(S65)。これにより、仲介サーバ6の送受信部61が、認証情報を受信する。
【0100】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、利用者管理DB6001に対してステップS25で受信された予約者(利用者a)アカウントを検索キーとして、対応する利用者名を読み出す(S66)。
【0101】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS41で受信された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応するリソース名を読み出す(S67)。
【0102】
次に、ステップS41で受信された予約者アカウントを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、対応する予約情報を読み出す(S68)。そして、作成部63は、ステップS65で受信された認証情報、ステップS66~S68で読み出された各情報(予約名(予約した利用者名)、リソース名、予約情報)を用いて、
図14で示されているように、認証情報と共に予約が完了した旨の情報を伝えるためのメッセージを作成する(S69)。
【0103】
次に、仲介サーバ6の送受信部61は、PC2に対して、ステップS69で作成された認証情報と共に予約が完了した旨の情報を伝えるためのメッセージを送信する(S70)。これにより、PC2の送受信部21は、このメッセージを受信する。
【0104】
なお、認証情報は常に同じ内容であってもよい。この場合、駆動制御サーバ7は、ステップS63の処理を実行しないが、ステップS70における認証情報の送信のタイミングを調整する。例えば、仲介サーバ6は、会議が開始される10分前に認証情報を送信する。また、仲介サーバ6は、ステップS70において、予約者(利用者a)のPC2だけでなく、同じ会議に参加予定の一部又は全ての参加予定者のPCに予約完了メッセージを送信してもよい。
【0105】
次に、記憶・読出処理部69は、イベント管理DB6002において、ステップS68で読み出された予約者アカウントのレコードの「イベント状態」列を「認証情報の通知済み」として管理する(S71)。これにより、上記ステップS41で管理されていなかった「イベント状態」列が新たな情報で管理される。
【0106】
次に、PC2では、表示制御部24が、ディスプレイ208に
図14に示されているようなメッセージ画面を表示させる。これにより、予約者(利用者a)は、上記ステップS21で予約情報等の入力又は選択を行うことで、ステップS72で、リソースの解錠に必要な認証情報と共に予約が完了した旨の情報を取得することができる。
【0107】
(鍵の種類が物理鍵の場合)
続いて、
図15及び
図16を用いて、鍵の種類が「物理鍵」の場合について説明する。
図15は、鍵の種類が「物理鍵」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
図16は、鍵の種類が「物理鍵」の場合にPCで表示される画面例である。
【0108】
図15に示されているように、仲介サーバ6の記憶・読出処理部69は、ステップS25で受信された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応する駆動装置ID及びアクセス場所の情報を読み出す(S81)。ここでは、上記「電子鍵」の場合のように、駆動制御サーバ7から認証情報を取得する処理(S62~S65)は無いため、記憶・読出処理部69が、利用者管理DB6001に対してステップS25で受信された予約者(利用者a)アカウントを検索キーとして、対応する利用者名を読み出す(S82)。
【0109】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS41で受信された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応するリソース名を読み出す(S83)。
【0110】
次に、ステップS41で受信された予約者アカウントを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、対応する予約情報を読み出す(S84)。そして、作成部63は、ステップS81~S84で読み出された各情報(アクセス場所の情報、予約名(予約した利用者名)、リソース名、予約情報)を用いて、
図16で示されているように、アクセス場所の情報と共に予約が完了した旨の情報を伝えるためのメッセージを作成する(S85)。ここでは、鍵の種類は「物理鍵」なので、
図16に示されているように、物理鍵が管理されている場所(例えば、1F警備室)が示されている。
【0111】
次に、仲介サーバ6の送受信部61は、PC2に対して、ステップS85で作成されたアクセス場所の情報と共に予約が完了した旨の情報を伝えるためのメッセージを送信する(S86)。これにより、PC2の送受信部21は、このメッセージを受信する。そして、記憶・読出処理部69は、イベント管理DB6002において、ステップS84で読み出された予約者アカウントのレコードの「イベント状態」列を「アクセス場所情報の通知済み」として管理する(S87)。これにより、上記ステップS41で管理されていなかった「イベント状態」列が新たな情報で管理される。
【0112】
次に、PC2では、表示制御部24が、ディスプレイ208に
図16に示されているようなメッセージ画面を表示させる(S88)。これにより、予約者(利用者a)は、上記ステップS21で予約情報等の入力又は選択を行うことで、ステップS88で、リソースの解錠に必要な物理アクセス場所の情報と共に予約が完了した旨の情報を取得することができる。
【0113】
(鍵を使わない場合)
続いて、
図17及び
図18を用いて、鍵の種類が「無し」の場合について説明する。
図17は、鍵の種類が「無し」の場合のメッセージを送信する処理を示したシーケンス図である。
図18は、鍵の種類が「無し」の場合にPCで表示される画面例である。ここでは、鍵の種類は「無し」、つまり鍵自体が無いので、上記ステップS61(S81)のように、記憶・読出処理部69は、アクセス場所の情報を読み出す必要はない。
【0114】
図17に示されているように、記憶・読出処理部69が、利用者管理DB6001に対してステップS25で受信された予約者(利用者a)アカウントを検索キーとして、対応する利用者名を読み出す(S101)。
【0115】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS41で受信された予約情報内のリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応するリソース名を読み出す(S102)。
【0116】
次に、ステップS41で受信された予約者アカウントを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、対応する予約情報を読み出す(S103)。そして、作成部63は、ステップS101~S103で読み出された各情報(予約名(予約した利用者名)、リソース名、予約情報)を用いて、
図18で示されているような予約完了を伝えるためのメッセージを作成する(S104)。
【0117】
次に、仲介サーバ6の送受信部61は、PC2に対して、ステップS85で作成された予約完了を伝えるためのメッセージを送信する(S105)。これにより、PC2の送受信部21は、予約完了を伝えるためのメッセージを受信する。そして、記憶・読出処理部69は、イベント管理DB6002において、ステップS103で読み出された予約者アカウントのレコードの「イベント状態」列を「予約完了の通知済み」として管理する(S106)。これにより、上記ステップS41で管理されていなかった「イベント状態」列が新たな情報で管理される。
【0118】
次に、PC2では、表示制御部24が、ディスプレイ208に
図16に示されているようなメッセージ画面を表示させる。これにより、予約者(利用者a)は、上記ステップS21で予約情報等の入力又は選択を行うことで、ステップS107で、予約が完了した旨の情報を取得することができる。
【0119】
<鍵の種類が電子鍵の場合の遠隔解錠の処理>
続いて、
図19乃至
図22を用いて、鍵の種類が「電子鍵」の場合に、スマートロック9に対する遠隔解錠の処理について説明する。
図19乃至
図21は、鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔解錠の処理を示したシーケンス図である。
図22は、会議を開始する際のスマートフォンにおける画面例である。ここでは、利用者aが会議室Aの外のドア8の前まで行って、自己のスマートフォン3を利用して目の前のスマートロックを解錠する場合について説明する。
【0120】
まず、利用者aは、スマートフォン3を操作することで、取得部33が
図1に示されているようなドア8で示されているQRコードを撮影することで、QRコードに組み込まれているリソースID及びURL等のアクセス先情報を取得する(S121)。更に、記憶・読出処理部39は、記憶部3000に記憶されている利用者aとしての予約者アカウントを読み出す(S122)。そして、スマートフォン3の送受信部31は、アクセス先情報で示された仲介サーバ6に対して、予約情報の要求を送信する(S123)。この予約情報の要求には、ステップS121で取得されたリソースID、及びステップS122で読み出された予約者(利用者a)アカウントが含まれている。これにより、仲介サーバ6の送受信部61は、予約情報の要求を受信する(S123)。
【0121】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS123で受信されたのリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応するリソース名を読み出す(S124)。
【0122】
次に、ステップS123で受信された予約者アカウントを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、イベント実行日の全ての予約ID及び予約情報を読み出す(S125)。
【0123】
次に、記憶・読出処理部69が、利用者管理DB6001に対してステップS123で受信された予約者(利用者a)アカウントを検索キーとして、対応する利用者名を読み出す(S126)。そして、作成部63は、ステップS124~S126で読み出された各情報(リソース名、実行日の全ての予約情報、予約名(予約した利用者名))を用いて、
図22(a)で示されているような、予約者にイベントの開始手続きを促すために予約内容を示した予約内容メッセージを作成する(S127)。
【0124】
次に、仲介サーバ6の送受信部61は、スマートフォン3に対して、ステップS127で作成された予約内容メッセージを送信する(S128)。この予約内容メッセージには、予約IDが組み込まれている。これにより、スマートフォン3の送受信部31は、このメッセージを受信する。
【0125】
次に、スマートフォン3では、表示制御部34が、ディスプレイ318に
図16(a)に示されているようなメッセージ画面を表示させる(S129)。このメッセージ画面には、リソース名(会議室A)表示欄401、イベント名(定例会議)表示欄402、開始日時と終了日時の表示欄403、予約者名(利用者a)表示欄404、及び、同じ日の他のイベントの開始日時と終了日時の表示欄407が表示されている。また、このメッセージ画面には、「開始」ボタン411、及び「キャンセル」ボタン412が表示されている。「開始」ボタン411は、スマートロック9を遠隔操作して解錠させると共にイベントを開始する場合に、予約者等によって押下されるボタンである。「キャンセル」ボタン412は、スマートロック9を遠隔操作して解錠させると共にイベントを開始することを止める場合に、予約者等によって押下されるボタンである。なお、「開始」ボタンではなく、「解錠」ボタンであってもよい。
【0126】
ここで、予約者(利用者a)が「開始」ボタン411を押下すると、受付部32が、スマートロック9を遠隔操作して解錠させると共にイベントを開始することを受け付ける(S130)。これにより、表示制御部34は、
図22(b)に示されているように、認証情報を入力するための認証情報入力画面450をポップアップ表示する(S131)。
図22(b)に示されているように、認証情報入力画面450には、認証情報を入力するための認証情報入力欄451、「OK」ボタン452、及び「キャンセル」ボタン453が表示されている。「OK」ボタン452は、予約者(利用者a)が認証情報入力欄451に入力した認証情報を確定する場合に押下するためのボタンである。「キャンセル」ボタン453は、予約者(利用者a)が認証情報入力欄451に入力した認証情報を確定する場合に押下するためのボタンである。
【0127】
ここで、予約者(利用者a)が認証情報入力欄451に、ステップS72によって知り得た認証情報を入力し、「OK」ボタン452を押下すると、受付部32が、認証情報の入力を受け付ける(S132)。
【0128】
続いて、ステップS132の処理後、
図20に示されているように、送受信部31は、仲介サーバ6に対してスマートロック9の解錠要求及びイベントの開始要求を送信する(S141)。この解錠要求及び開始要求には、ステップS128で受信された予約ID、及びステップS132で受け付けられた認証情報が含まれている。これにより、仲介サーバ6の送受信部61は、解錠要求及び開始要求を受信する。
【0129】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS141で受信された予約IDを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、対応するリソースIDを読み出す(S142)。
【0130】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS142で読み出したリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応する駆動装置ID及びアクセス場所情報を読み出す(S143)。そして、送受信部61は、アクセス場所情報で示された駆動制御サーバ7に対して、スマートロック9に対する遠隔制御の開始要求を送信する(S144)。この要求には、ステップS143によって読み出された駆動装置ID及びステップS141で受信された認証情報が含まれている。これにより、駆動制御サーバ7の送受信部71は、遠隔制御の開始要求を受信する。
【0131】
次に、駆動制御サーバ7では、記憶・読出処理部79は、ステップS144によって受信された駆動装置IDを検索キーとして駆動装置管理DB7001を検索することにより、対応する認証情報の有効期間の情報を読み出す(S145)。
【0132】
次に、判断部75は、現在の日時がステップS145で読み出された認証情報の有効期間内にあるか否かにより、ステップS144で受信された認証情報の有効性を判断する(S146)。ここでは、現在の日時が有効期間内にあることにより、判断部75が、認証情報が有効である判断した場合について、続けて説明する。
【0133】
次に、記憶・読出処理部79は、ステップS144によって受信された駆動装置IDを検索キーとして駆動装置管理DB7001を検索することにより、対応する駆動装置の宛先情報(例えば、IPアドレス)を読み出す(S147)。そして、送受信部71は、ステップS147で読み出された駆動装置の宛先情報で示されるスマートロック9に対して、解錠の要求を送信する(S148)。これにより、スマートロック9の送受信部91は、解錠の要求を受信する。
【0134】
次に、スマートロック9では、駆動制御部92が開閉機構905を駆動させ、解錠を行う(S149)。これにより、スマートフォン3は、仲介サーバ6及び駆動制御サーバ7を介して、スマートロック9に対する遠隔解錠を行うことができる。
【0135】
続いて、
図24に示されているように、スマートロック9の送受信部91は、駆動制御サーバ7に対して、解錠が完了した旨を示す応答を送信する(S161)。これにより、駆動制御サーバ7の送受信部71は、応答を受信する。
【0136】
次に、駆動制御サーバ7では、記憶・読出処理部79が、上記ステップS144で受信された駆動装置IDのレコードにおける「駆動装置の状態」の列を「施錠」から「解錠」に変更する(S162)。そして、駆動制御サーバ7の送受信部71は、仲介サーバ6に対して、解錠が完了した旨を示す応答を送信する(S163)。これにより、仲介サーバ6の送受信部81は、応答を受信する。
【0137】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、上記ステップS141で受信された予約IDのレコードにおける「イベント状態」の列を「認証情報の通知済」から「イベント開始」に変更する(S164)。そして、仲介サーバ6の送受信部61は、スマートフォン3に対して、解錠が完了した旨を示す応答を送信する(S165)。これにより、スマートフォン3の送受信部31は、応答を受信する。
【0138】
次に、スマートフォン3では、表示制御部34が、
図22(c)に示されているように、「終了」ボタン413を表示させる(S166)。この「終了」ボタン413は、
図22(a)の「開始」ボタン411と逆に、イベントを終了する場合に予約者(利用者a)等によって押下されるボタンである。これにより、予約者(利用者a)は、スマートロック9が解錠する際の音で解錠したことを把握することができるだけでなく、この「終了」ボタン413が表示されることで解錠されたことを把握することができる。
【0139】
なお、
図22(b)において、予約者(利用者a)が認証情報の入力を間違えると、
図22(d)に示されているように、表示制御部34は、認証情報を再入力するための認証情報再入力画面460をポップアップ表示する。
図22(d)に示されているように、認証情報再入力画面460には、認証情報を再入力するための認証情報入力欄461、「OK」ボタン462、及び「キャンセル」ボタン463が表示されている。「OK」ボタン462は、予約者(利用者a)が認証情報再入力欄451に入力した認証情報を確定する場合に押下するためのボタンである。「キャンセル」ボタン463は、予約者(利用者a)が認証情報再入力欄461に入力した認証情報を確定する場合に押下するためのボタンである。ここで、予約者(利用者a)が認証情報再入力欄461に、ステップS72によって知り得た認証情報を再入力し、「OK」ボタン462を押下すると、受付部32が、認証情報の再入力を受け付ける(S132)。
【0140】
<鍵の種類が電子鍵の場合の遠隔施錠の処理>
続いて、
図23乃及び
図24を用いて、鍵の種類が「電子鍵」の場合に、スマートロック9に対する遠隔施錠の処理について説明する。
図23及び
図24は、鍵の種類が「電子鍵」の場合の遠隔施錠の処理を示したシーケンス図である。
【0141】
まず、イベント終了後に予約者及び参加者の全員が会議室Aを出て、予約者(利用者a)が
図22(c)に示されている「終了」ボタン413を押下すると、受付部32が、駆動装置の解錠及びイベントの終了を受け付ける(S181)。
【0142】
次に、
図23に示されているように、送受信部31は、仲介サーバ6に対してスマートロック9の施錠要求及びイベントの終了要求を送信する(S182)。この施錠要求及び終了要求には、ステップS182で受信された予約IDが含まれている。これにより、仲介サーバ6の送受信部61は、施錠要求及び終了要求を受信する。
【0143】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、ステップS182で受信された予約IDを検索キーとしてイベント管理DB6002を検索することにより、対応するリソースIDを読み出す(S183)。
【0144】
次に、記憶・読出処理部69は、ステップS183で読み出したリソースIDを検索キーとして鍵種類管理DB6003を検索することにより、対応する駆動装置ID及びアクセス場所情報を読み出す(S184)。そして、送受信部61は、アクセス場所情報で示された駆動制御サーバ7に対して、スマートロック9に対する遠隔制御の開始の要求を送信する(S185)。この要求には、ステップS184によって読み出された駆動装置IDが含まれている。これにより、駆動制御サーバ7の送受信部71は、遠隔制御の開始の要求を受信する。
【0145】
次に、駆動制御サーバ7では、記憶・読出処理部79は、ステップS185によって受信された駆動装置IDを検索キーとして駆動装置管理DB7001を検索することにより、対応する駆動装置の宛先情報(例えば、IPアドレス)を読み出す(S186)。そして、送受信部71は、ステップS186で読み出された駆動装置の宛先情報で示されるスマートロック9に対して、施錠の要求を送信する(S187)。これにより、スマートロック9の送受信部91は、施錠の要求を受信する。
【0146】
次に、スマートロック9では、駆動制御部92が開閉機構905を駆動させ、施錠を行う(S188)。これにより、スマートフォン3は、仲介サーバ6及び駆動制御サーバ7を介して、スマートロック9に対する遠隔施錠を行うことができる。
【0147】
続いて、
図24に示されているように、スマートロック9の送受信部91は、駆動制御サーバ7に対して、施錠が完了した旨を示す応答を送信する(S201)。これにより、駆動制御サーバ7の送受信部71は、応答を受信する。
【0148】
次に、駆動制御サーバ7では、記憶・読出処理部79が、上記ステップS185で受信された駆動装置IDのレコードにおける「駆動装置の状態」の列を「解錠」から「施錠」に変更する(S202)。そして、駆動制御サーバ7の送受信部71は、仲介サーバ6に対して、施錠が完了した旨を示す応答を送信する(S203)。これにより、仲介サーバ6の送受信部81は、応答を受信する。
【0149】
次に、仲介サーバ6では、記憶・読出処理部69が、上記ステップS182で受信された予約IDのレコードにおける「イベント状態」の列を「イベント開始」から「イベント終了」に変更する(S204)。そして、仲介サーバ6の送受信部61は、スマートフォン3に対して、施錠が完了した旨を示す応答を送信する(S205)。これにより、スマートフォン3の送受信部31は、応答を受信する。
【0150】
次に、スマートフォン3では、表示制御部34が、ディスプレイ318上に、施錠が完了した旨のメッセージを表示させる。「終了」ボタン413を表示させる。これにより、予約者(利用者a)は、スマートロック9が施錠する際の音で解錠したことを把握することができるだけでなく、施錠が完了した旨のメッセージが表示されることで施錠されたことを把握することができる。
【0151】
〔実施形態の効果〕
以上説明したように本実施形態によれば、仲介サーバ6は、予約の登録を行うPC2から受け付けたリソースの予約を管理する予約管理サーバ5と、リソースの解錠を行うためのスマートロック9を遠隔制御する駆動制御サーバ7との間で処理を仲介することで、予約されたリソースの解錠を行うためのスマートロック9の解錠に必要な認証情報をPC2に提供することができる。これにより、予約者(利用者)の処理が煩雑になることを抑制することができるという効果を奏する。
【0152】
〔補足〕
上記QRコードは、情報提供物の一例である。情報提供物には、QRコードの他に、ICタグ、ビーコン発信機等も含まれる。
【0153】
情報提供物がICタグの場合には、スマートフォン3の取得部33は、撮像素子I/F314に対するCPU301の処理ではなく、近距離通信回路320に対するCPU301の処理によって実現され、ICタグから、NFC(Near Field Communication)(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等の近距離通信技術によって、リソースID及びアクセス先情報を取得する(S121参照)。ICタグは、ドア8等の構造物に取り付けられていることで、ICタグとリソースが紐づけられる。
【0154】
一方、情報提供物がビーコン発信機の場合には、スマートフォン3の取得部33は、撮像素子I/F314に対するCPU301の処理ではなく、近距離通信回路320に対するCPU301の処理によって実現され、ビーコン発信機の電波エリアに入ったときに、スマートフォン3は、ビーコン発信機から発信される電波によって、リソースIDアクセス先情報を取得する(S121参照)。ビーコン発信機は、ドア8等の構造物に取り付けられることで、ビーコン発信機とリソースが紐づけられる。
【0155】
また、上記では、会議室のドア8等に、QRコードのシール、ICタグ、ビーコン発信機が取り付けられた例について説明したが、これに限るものではない。例えば、ドア8ではなく、当該ドア8が設置された会議室のドア以外の壁部分等の構造物に取り付けられてもよい。
【0156】
更に、上記では、リソースの一例として共用体である会議室が示されているが、これに限るものではない。例えば、リソースの別の例として、共用体である航空機、車両、船舶等の移動体であってもよい。また、スマートロック9はドアの外板に取り付けられず、ドアの内部の機構の一部であってもよい。例えば、車両のドア内部にスマートロック9の機構が取り付けられている、車両のカーシェアリングに利用することができる。
【0157】
また、上記では、遠隔制御システムが解錠及び施錠を遠隔制御する場合について説明したが、解錠及び施錠のうち少なくとも一方について遠隔制御するようにしてもよい。
【0158】
各CPU201、301、501、601、701等の各構成要素は、単一であってもよく複数であってもよい。
【0159】
また、上述の実施形態における各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本実施形態における「処理回路」は、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上述した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)、SOC(System on a chip)、GPU、及び従来の回路モジュール等のデバイスを含む。
【符号の説明】
【0160】
1 遠隔制御システム
2 PC(登録端末の一例)
3 スマートロック(通信端末の一例)
5 予約管理サーバ
6 仲介サーバ
7 駆動制御サーバ
8 ドア
9 スマートロック(駆動装置の一例)
10 QRコード10(情報提供物の一例)
61 送受信部(送信手段の一例、受信手段の一例)
62 認証部
63 作成部
69 記憶・読出処理部
100 通信ネットワーク
6000 記憶部
6001 利用者管理DB(利用者管理手段の一例)
6002 イベント管理DB(イベント管理手段の一例)
6003 鍵種類管理DB(鍵種類管理手段の一例)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0161】