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▶ メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】顔料混合物
(51)【国際特許分類】
   C09C 3/06 20060101AFI20240416BHJP
   A61K 8/25 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 8/29 20060101ALI20240416BHJP
   A61Q 1/02 20060101ALI20240416BHJP
   A61Q 1/12 20060101ALI20240416BHJP
   C09C 1/22 20060101ALI20240416BHJP
   C09C 1/40 20060101ALI20240416BHJP
   C09C 1/36 20060101ALI20240416BHJP
   C09C 1/28 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C09C3/06
A61K8/25
A61K8/26
A61K8/19
A61K8/29
A61Q1/02
A61Q1/12
C09C1/22
C09C1/40
C09C1/36
C09C1/28
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019009110
(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公開番号】P2019127592
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-21
(31)【優先権主張番号】18153057.7
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ シュミット
(72)【発明者】
【氏名】カルステン プリューグ
(72)【発明者】
【氏名】ウーヴェ レンツ
(72)【発明者】
【氏名】ザビーネ シェーン
【審査官】福山 駿
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-527563(JP,A)
【文献】特表2009-503205(JP,A)
【文献】特表2007-508447(JP,A)
【文献】特開2006-193738(JP,A)
【文献】特表2010-530467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09C 3/00-3/12
A61K 8/25
A61K 8/26
A61K 8/19
A61K 8/29
A61Q 1/02
A61Q 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が異なる干渉色を有する、2種または3種の干渉顔料を含む顔料混合物であって、干渉色が赤色、青色、および緑色から選択され、個々の顔料のCIE Lab*色範囲が、
赤色干渉顔料:a≧25およびb≧0
青色干渉顔料:-20≦a≦40およびb≦-50
緑色干渉顔料:a≦-15およびb≧0
と定義される、化粧製剤において使用するための顔料混合物。
【請求項2】
個々の顔料のCIE Lab*色範囲が、
赤色干渉顔料:a≧30およびb≧5
青色干渉顔料:-15≦a≦30およびb≦-60
緑色干渉顔料:a≦-20およびb≧15
と定義されることを特徴とする、請求項1に記載の顔料混合物。
【請求項3】
個々の顔料のCIE Lab*色範囲が、
赤色干渉顔料:a≧35およびb≧5
青色干渉顔料:-10≦a≦20およびb≦-65
緑色干渉顔料:a≦-25およびb≧20
と定義されることを特徴とする、請求項1または2に記載の顔料混合物。
【請求項4】
干渉顔料がフレーク状基材をベースとすることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の顔料混合物。
【請求項5】
フレーク状基材が、天然雲母、合成雲母、タルク、カオリン、ガラスフレーク、SiO2フレーク、Al23フレーク、グラファイトフレーク、Fe23フレーク、BiOCl、TiO2フレーク、窒化物フレーク、酸窒化物フレーク、BNフレーク、パールエッセンス、またはそれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項に記載の顔料混合物。
【請求項6】
フレーク状基材が、天然雲母、合成雲母、ガラスフレーク、SiO2フレーク、Al23フレーク、またはそれらの混合物の群から選択されることを特徴とする、請求項4または5に記載の顔料混合物。
【請求項7】
フレーク状基材が、天然および/または合成雲母であることを特徴とする、請求項から6までのいずれか1項に記載の顔料混合物。
【請求項8】
フレーク状基材が、高屈折干渉層で覆われていることを特徴とする、請求項から7までのいずれか1項に記載の顔料混合物。
【請求項9】
高屈折干渉層がTiO2層であるか、またはTiO2-SiO2-TiO2の配列からなることを特徴とする、請求項に記載の顔料混合物。
【請求項10】
TiO2は、ルチル又はアナターゼ型である、請求項9に記載の顔料混合物。
【請求項11】
干渉顔料がD50<25μmの粒子サイズを有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の顔料混合物。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の顔料混合物を製造する方法であって、2種または3種の干渉顔料が互いに混合されることを特徴とする、方法。
【請求項13】
化粧製剤における、請求項1から11までのいずれか1項に記載の顔料混合物の使用。
【請求項14】
医療用カバー軟膏、コントゥアリングスティック、メーキャップ、ファンデーション、およびコンシーラーにおける、請求項13に記載の顔料混合物の使用。
【請求項15】
請求項1から11までのいずれか1項に記載の顔料混合物を含む化粧製剤。
【請求項16】
顔料混合物に加えて、吸収剤、収れん剤、抗菌物質、酸化防止剤、発汗抑制剤、消泡剤、抗ふけ活性化合物、帯電防止剤、バインダー、生物学的添加物、漂白剤、キレート剤、脱臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、湿潤剤、皮膜形成剤、充填剤、芳香剤、香料、防虫剤、防腐剤、防食剤、化粧油、溶媒、酸化剤、植物構成成分、緩衝物質、還元剤、界面活性剤、噴射ガス、乳白剤、UVフィルターおよびUV吸収剤、変性剤、アロエベラ、アボカド油、コエンザイムQ10、緑茶エキス、粘度調整剤、香水、ならびにビタミンの群から選択される少なくとも1つの構成成分を含むことを特徴とする、請求項15に記載の化粧製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、赤色、緑色、および青色から選択される、少なくとも2種または3種の異なる干渉色の干渉顔料を含む顔料混合物、ならびに塗料、コーティング、印刷用インク、セキュリティ印刷用インク、プラスチック、セラミック材料、ガラスにおける、ならびに顔料調製物および乾燥調製物の製造のための、特に化粧製剤におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
装飾用化粧品において、肌むらおよび/または肌の望まれない色合いを視覚上中和することは、重要な応用分野である。ここでの目的は、肌に、特に顔部分に、自然な外観を減ずることなく均一な外観および個別に望まれる色相を付与することである。
多くの場合、この目的のために古典的な吸収顔料が使用されるが、これらはマスキングによって肌を隠すという不利な点を有する。
WO2007/031970は、補色対を備える干渉顔料を含むスキンケア組成物を記載している。相補的な顔料対を使用すると、色強度が色曲線に沿って非常に狭い範囲で制御できるようになるだけである。しかしながら、肌で使用するために要求される色範囲を網羅するため、WO2007/031970は、2種の相補的な赤色-緑色および青色-黄色対の形で4種の干渉顔料が必要であることをさらに教示している。この手法は、製剤の色を所望の通りに自由に設定することができないという不利な点を有する。特に、補色対の相互色喪失により、特定の肌タイプ用の特定の色および色強度の設定が非常に困難になり、または不可能にすらなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】WO2007/031970
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の目的は、例えば化粧品において、色消失により外観の輝きを損なうことなく肌むらを中和できるように、任意の個別に望まれる色相および任意の色強度を幅広い色相範囲に設定できる少数の顔料を含む系を見出すことである。
驚くことに、特に色の見地から見て適切な赤色、緑色、および青色干渉顔料を使用することによって、要求される干渉色の数を2色または3色に減らすことができ、同時に、達成可能な色相のバンド幅および色強度が従来技術よりも著しく増加し、それらを個別に設定できることを見出した。これにより、化粧製剤を簡単に任意の肌タイプに調和させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
したがって、本発明は、各々が異なる干渉色を有する、2種または3種の干渉顔料を含む顔料混合物であって、干渉色が赤色、青色、および緑色から選択され、CIE L***色空間において、
赤色干渉顔料:a≧25およびb≧0
青色干渉顔料:-20≦a≦40およびb≦-50
緑色干渉顔料:a≦-15およびb≧0
と定義される、顔料混合物に関する。
本発明はさらに塗料、コーティング、好ましくは工業用および自動車用塗料、印刷用インク、セキュリティ印刷用インク、プラスチック、セラミック材料、ガラスにおける、トレーサーとしての、充填剤としての、ならびに特に化粧製剤における、本発明による顔料混合物の使用に関する。本発明による顔料はさらに、例えば顆粒、パーレット(pearlet)、チップ、ペレット、ソーセージ、ブリケットなどの顔料調製物の製造および乾燥調製物の製造にも適している。乾燥調製物は、特に、印刷用インクおよび化粧品において使用される。
【0006】
適切な干渉顔料は、CIE L***色空間における以下の特性により特徴づけられる。
赤色干渉顔料は、CIE L***色空間における以下のaおよびbの値、
a≧25およびb≧0、好ましくはa≧30およびb≧5、特にa≧35およびb≧5
を有する。
青色干渉顔料は、CIE L***色空間における以下のaおよびbの値、
-20≦a≦40およびb≦-50、好ましくは-15≦a≦30およびb≦-60、特に-10≦a≦20およびb<-65
を有する。
緑色干渉顔料は、CIE L***色空間における以下のaおよびbの値、
a≦-15およびb≧0、好ましくはa≦-20およびb≧15、特にa≦-25およびb≧20
を有する。
【0007】
本発明による顔料混合物は、
・赤色干渉顔料および緑色干渉顔料、または
・赤色干渉顔料および青色干渉顔料、または
・緑色干渉顔料および青色干渉顔料、または
・赤色干渉顔料、青色干渉顔料、および緑色干渉顔料
を含むことができ、干渉顔料はその干渉色でaおよびbの値に対する上記条件を満たさなければならない。
本発明により、赤色、緑色、および/または青色干渉顔料を用いて、金色の色相を達成することが可能になる。したがって金色効果顔料は必要ではないが、さらに特定の所望の色相を達成するのに使用できる。
赤色、緑色、および青色干渉顔料の群からの少なくとも2種の干渉顔料を含む干渉顔料の好ましい混合物は、個々の顔料が以下のCIE L***色範囲
赤色干渉顔料:a≧30およびb≧5、青色干渉顔料:-15≦a≦30およびb<-60、緑色干渉顔料:a≦-20およびb≧15
を満たすものである。
極めて特に好ましい顔料混合物は、以下のCIE L***色範囲
赤色干渉顔料:a≧35およびb≧5、
青色干渉顔料:-10≦a≦20およびb<-65、ならびに/または
緑色干渉顔料:a≦-25およびb≧20
に入る、少なくとも2種の干渉顔料を含む。
【0008】
赤色、緑色、および青色干渉顔料は、所望の色および色強度に応じた任意の比で互いに混合することができる。
赤色、緑色、および/または青色干渉顔料の好ましい混合比(=量比)を以下に示す。
赤色干渉顔料+緑色干渉顔料:7:3以下、好ましくは3:7、特に1:1、
赤色干渉顔料+青色干渉顔料:2:1以上、好ましくは10:1、特に20:1、
青色干渉顔料+緑色干渉顔料:1:2以下、好ましくは1:10、特に1:20、
赤色干渉顔料+緑色干渉顔料+青色干渉顔料:2:2:1以上、好ましくは5:5:1、特に10:10:1。
顔料混合物の赤色/緑色/青色/金色の4色の色強度および色相は、特に2種または3種の干渉顔料の選択された混合比によって設定することができる。
干渉顔料は文献に何度も記載されており、当業者に公知である。特に本発明による顔料混合物に適している干渉顔料は、フレーク状基材をベースとする。干渉顔料用に適切なフレーク状基材は、一方では不透明なフレーク状基材であり、他方では透明なフレーク状基材である。好ましいフレーク状基材はフィロケイ酸塩である。特に適切なのは、天然または合成雲母、タルク、カオリン、フレーク状Fe23、Fe34、Al23、BiOCl、ガラス、SiO2、TiO2、BN、酸窒化物、窒化物、またはグラファイトフレーク、パールエッセンス、合成担持不含フレーク、または他の類似の材料である。本発明による顔料混合物において、異なる基材をベースとする干渉顔料も使用できる。
【0009】
特に好ましい干渉顔料混合物は、
雲母フレーク+SiO2フレーク
雲母フレーク+Al23フレーク
雲母フレーク+ガラスフレーク
雲母フレーク+TiO2フレーク
雲母フレーク+酸窒化物フレーク
雲母フレーク+窒化物フレーク
雲母フレーク+パールエッセンス
雲母フレーク+グラファイトフレーク
雲母フレーク+BiOCl
SiO2フレーク+Al23フレーク
ガラスフレーク+SiO2フレーク
をベースとする。
【0010】
天然雲母フレーク、合成雲母フレーク、コーティングされたおよびコーティングされていないガラスフレーク、Al23フレーク、SiO2フレーク、およびガラスフレークをベースとする干渉顔料が特に好ましい。コーティングされたガラスフレークは、好ましくはSiO2層で被覆されたガラスフレークである。雲母フレークはまた、干渉層で被覆される前に、SiO2またはAl23の薄層(<10nm)で被覆されていてもよい。
干渉顔料は、Al23フレークをベースとする場合、α酸化アルミニウムであることが好ましい。Al23フレークはドープされていてもされていなくてもよい。Al23フレークがドープされている場合、ドーパントは好ましくはTiO2、ZrO2、SiO2、In23、SnO2、およびZnO、ならびにそれらの組み合わせの群から選択される。酸化アルミニウムに対するドーピングの割合は、好ましくは0.01~5質量%である。好ましい実施形態において、酸化アルミニウムフレークは1種のみのドーパント、特にTiO2、ZnO、またはZrO2を含有する。
【0011】
フレーク状基材のサイズは、それ自体は重要ではなく、特定の用途に合わせることができる。一般に、フレーク状基材は、0.05~1.5μmの間、特に0.1~1μmの間の厚さを有する。他の2つの寸法のサイズは通常、1~250μmの間、好ましくは2~200μmの間、特に5~60μmの間である。異なる粒子サイズの基材を用いることも可能である。雲母N(10~60μm)、雲母F(5~20μm)、および/または雲母M(<15μm)の雲母画分の混合物が特に好ましい。NおよびS画分(10~130μm)ならびにFおよびS画分(5~130μm)がさらに好ましい。
本発明の顔料混合物に特に適切な干渉顔料は、表面上を1つまたは複数の干渉層、好ましくは1つまたは複数の金属酸化物でコーティングされた、すなわち完全に覆われたフレーク状基材をベースとする。フレーク状基材をベースとし、TiO2および/またはFe23、または例えば、TiO2、SiO2、Fe23、Cr23、ZrO2、Al23、SnO2の系列から2種以上の酸化物を使用した配列の表面コーティングを有し、配列における少なくとも1つの酸化物が高屈折であり、≧1.8の屈折率を有するべき干渉顔料が特に好ましい。
干渉層がTiO2からなる、またはTiO2を含む場合、二酸化チタンはルチルまたはアナターゼ変形型でありうる。二酸化チタンは好ましくはルチルの形態である。
2~70μm、好ましくは10~60μm、好ましくは4~28μm(F画分)の粒子サイズを有し、基材として天然または合成雲母を含む、赤色、緑色、および青色干渉色を有する干渉顔料が特に好ましい。黄色の色合いの色相を有する赤色および緑色干渉顔料がさらに好ましい。この「黄色の色合い」は、CIE L***色空間におけるbの値に反映され、すなわちbの値は>0でなければならない。各々黄色の色合いを有する、特定の赤色干渉顔料を特定の緑色干渉顔料と混合することにより、異なる色調および色強度の、赤色、緑色、および金色の色相を確立することができる。
【0012】
用途において、好ましくは化粧製剤において、すべての色相を網羅するために、本発明による顔料混合物における干渉顔料の粒子サイズおよび粒子サイズ分布を設定するのがさらに妥当である。
赤色干渉顔料は好ましくは、
10≦12μm、好ましくは<10μm、特に<7μm
50≦25μm、好ましくは<15μm、特に<12μm
90≦45μm、好ましくは<20μm、特に<17μm
の粒子サイズ分布(Malvern、Mastersizer2000によって決定)を有する。
緑色干渉顔料は好ましくは、
10≦12μm、好ましくは<10μm、特に<7μm
50≦25μm、好ましくは<15μm、特に<12μm
90≦45μm、好ましくは<20μm、特に<17μm
の粒子サイズ分布(Malvernによって決定)を有する。
【0013】
青色干渉顔料は好ましくは、
10≦12μm、好ましくは<10μm、特に<7μm
50≦25μm、好ましくは<15μm、特に<12μm
90≦45μm、好ましくは<20μm、特に<17μm
の粒子サイズ分布(Malvernによって決定)を有する。
極めて特に好ましい干渉顔料は、5~30μmの範囲の粒子サイズを有し、D90値は<25μm、D50値<15μmである。D10値は好ましくは<10μmである。
結果をさらに改善するため、化粧製剤に、追加の銀色干渉顔料および/または吸収顔料を加えてもよい。
本発明はまた、本発明による顔料混合物を製造する方法であって、異なる干渉色およびCIE L***色系において定義されたaおよびbの値を有する、2種または3種の干渉顔料が互いに混合されることを特色とする、方法に関する。
定義されたCIE L***色値を有する適切な赤色、緑色、および青色干渉顔料は、フレーク状基材の表面を1つまたは複数の高屈折干渉層、好ましくは金属酸化物層で被覆することにより容易に製造できる。
【0014】
金属酸化物層は好ましくは湿式化学法により適用され、ここでは真珠光沢顔料の製造のために開発された湿式化学コーティング法が使用できる。このタイプの方法は、例えば、US3087828、US3087829、US3553001、DE1467468、DE1959988、DE2009566、DE2214545、DE2215191、DE2244298、DE2313331、DE2522572、DE3137808、DE3137809、DE3151343、DE3151354、DE3151355、DE3211602、DE3235017、DE19618568、EP0659843、または当業者に公知であるさらなる特許文献および他の出版物に記載されている。
SiO2層は、好ましくはDE19618569に記載された方法を使用して適用される。SiO2層は、好ましくはナトリウム水ガラス溶液またはカリウム水ガラス溶液を使用して生成される。
湿式コーティングの場合、基材フレークが水中に懸濁され、1種または複数の加水分解性金属塩が加水分解に適したpHで添加され、このpHは金属酸化物または金属酸化物水和物が二次析出を起こさずに直接フレーク上に析出するように選択される。pHは通常、同時に塩基および/または酸を計量添加することにより一定に維持される。顔料はその後、分離、洗浄、および乾燥され、焼成されてもよく、ここで焼成温度は各々の場合に存在するコーティングに関して最適化できる。一般に、焼成温度は250~1000℃の間、好ましくは350~900℃の間である。所望の場合、顔料は個々のコーティングの適用後に分離、および乾燥することができ、焼成されてもよく、その後さらなる層を析出させるために再び再懸濁してもよい。
【0015】
さらに、コーティングは、例えば真珠光沢顔料の製造のために相応じて使用できるEP0045851およびEP0106235で提案される方法などの、流動床反応器における気相コーティングによっても行われる。
干渉顔料の色相は、コーティング量または得られる層の厚さの選択を変えることにより幅広い範囲で変化させることができる。特定の色相のための微調整は、視覚的または度量衡学的な制御下で所望の色に近づけることにより、純粋な量の選択を超えて達成できる。
光、水、および天候に対する安定性を増加させるために、適用分野に応じて、顔料をポストコーティングまたは後処理にかけることが妥当であることが多い。適切なポストコーティングまたは後処理は、例えば、独国特許第2215191号、DE-A3151354、DE-A3235017、またはDE-A3334598に記載されている方法である。このポストコーティングはさらに、化学的および光化学的安定性を増加させる、または顔料混合物の取り扱い、特に様々な媒体への組み入れを容易にする。使用する媒体との湿潤性、分散性、および/または相溶性を改善するために、Al23もしくはZrO2またはそれらの混合物の機能性コーティングを、顔料表面に適用できる。さらに、例えばEP0090259、EP0634459、WO99/57204、WO96/32446、WO99/57204、US5,759,255、US5,571,851、WO01/92425、またはJ.J. Ponjee, Philips Technical Review, Vol. 44, No. 3, 81 ff.、およびP.H. Harding J.C. Berg, J. Adhesion Sci. Technol. Vol. 11 No. 4, pp. 471-493に記載されているように、例えばシランでの、有機ポストコーティングが可能である。
【0016】
本特許出願におけるコーティングは、フレーク状基材を完全に被覆/覆うことを意味すると理解される。
本発明による顔料混合物は、好ましくは塗料、コーティング、および印刷用インクの分野からの複数の表色系に適合する。複数のバインダー、特に、例えばBASF、Marabu、Proll、Sericol、Hartmann、Gebr. Schmidt、Sicpa、Aarberg、Siegwerk、GSB-Wahl、Follmann、Ruco、またはCoates Screen INKS GmbH社により販売されているような水溶性型が、例えばグラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷、またはオフセットオーバープリントバーニッシング(offset overprint varnishing)用の印刷用インクの調製に適している。印刷用インクは、水系または溶剤系で製造されてもよい。
【0017】
本発明による顔料混合物は特に、例えばマニキュア液、リップスティック、コンパクトパウダー、ジェル、ローション、石鹸、歯磨き粉、ボディローション、乳液、石鹸、シャンプー、BBクリーム、CCクリーム、メーキャップ、ファンデーション、マスカラ、髪、まつげ、および眉毛製品などの、装飾用化粧品およびパーソナルケア用途だけでなく、塗料、工業用コーティングおよびパウダーコーティング、ならびにプラスチックおよびセラミックスにおいても適切である。
装飾用化粧品において、本発明による顔料混合物は、製剤に対して好ましくは0.5~25質量%、特に1~20質量%、極めて特に好ましくは、1~10質量%の濃度で用いられる。パーソナルケア用途用の化粧製剤の場合において、本発明による顔料混合物は、製剤に対して好ましくは0.1~5質量%、極めて特に好ましくは0.5~4質量%の濃度で用いられる。
【0018】
本発明による顔料混合物は、任意の色を任意の肌タイプ用に設定することが可能なため、顔料混合物は特に肌むらの中和に適しており、それゆえ好ましくは医療用カバー軟膏、コントゥアリングスティック、メーキャップ、ファンデーション、またはコンシーラーにおいて使用できる。肌補正剤として使用する化粧製剤は好ましくは、本発明による顔料混合物を、製剤に対して0.5~25質量%、特に1~20質量%の量で含む。
言うまでもなく、様々な用途に対して、本発明による顔料混合物は、例えば、
-例えば鉄フレークまたはアルミニウムフレークをベースとする金属効果顔料、
-吸収顔料、
-金属酸化物でコーティングされた合成雲母フレーク、天然雲母フレーク、ガラスフレーク、Al23フレーク、Fe23フレーク、またはSiO2フレークをベースとする多層効果顔料(好ましくは2、3、4、5、または7層を含む)、
-有機染料、
-有機顔料、
-例えば透明および不透明白色、有色、および黒色顔料などの無機顔料
-フレーク状酸化鉄、
-カーボンブラック
との混合物としても有利に用いることができる。
【0019】
本発明による顔料混合物は、商業的に入手可能な顔料および/またはさらに商業的に入手可能な充填剤と任意の比で混合できる。
挙げることができる商業的に入手可能な充填剤は、例えば、天然および合成雲母、ナイロン粉末、純粋または充填剤入りメラミン樹脂、タルク、ガラス、カオリン、アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、亜鉛の酸化物または水酸化物、BiOCl、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭素、窒化ホウ素、およびこれらの物質の物理的または化学的組み合わせである。充填剤の粒子形状に関して制限はない。要件にしたがって、粒子形状は例えば、フレーク状、球状、または針状であってもよい。
本発明による顔料混合物はまた、当然ながら、製剤において任意のタイプの化粧品用原材料および補助剤と組み合わせることができる。これらは、とりわけ、油、脂肪、ロウ、皮膜形成剤、防腐剤、ならびに例えば増粘剤およびレオロジー添加剤などの一般に塗布特性を決定する補助剤、例えばベントナイト、ヘクトライト、二酸化ケイ素、ケイ酸Ca、ゼラチン、高分子量炭水化物、および/または表面活性補助剤などを含む。
【0020】
本発明による顔料混合物を含む製剤は、親油性、親水性、または疎水性型に属することができる。水性相と非水性相が分離した不均質製剤の場合、本発明による顔料混合物は、各場合で2つの相のうち1つのみに存在してもよく、または両方の相にわたって分布してもよい。
製剤のpH値は、1~14の間、好ましくは2~11の間、特に好ましくは4~10の間であってもよい。製剤中の本発明による顔料混合物の濃度にはいかなる制限もない。濃度は、用途に応じて、0.001(洗い流し用製品、例えばシャワージェル)~60%の間とすることできる。本発明による顔料混合物は、さらに、化粧品活性化合物と組み合わせてもよい。適切な活性化合物は、例えば、防虫剤、例えばTiO2、UV A/BC保護フィルター(例えばOMC、B3、MBC)などの無機UVフィルター(カプセル化された形態を含む)、老化防止活性化合物、ビタミンおよびその誘導体(例えばビタミンA、C、Eなど)、セルフタンニング剤(例えば中でもDHA、エリトルロース)、ならびに例えばビサボロール、LPO、エクトイン、エンブリカ(emblica)、アラントイン、バイオフラボノイドおよびそれらの誘導体などのさらなる化粧品活性化合物である。
【0021】
有機UVフィルターは、化粧製剤に対して、一般に0.5~10質量%、好ましくは1~8質量%の量で用いられ、無機UVフィルターは、一般に0.1~30質量%の量で用いられる。
製剤はさらに、例えばアロエベラ、アボカド油、コエンザイムQ10、緑茶エキス、さらに活性化合物複合体などの、さらなる従来の肌保護またはスキンケア活性化合物を含んでもよい。
本発明はまた、本発明による顔料混合物に加えて、吸収剤、収れん剤、抗菌物質、酸化防止剤、発汗抑制剤、消泡剤、抗ふけ活性化合物、帯電防止剤、バインダー、生物学的添加物、漂白剤、キレート剤、脱臭剤、皮膚軟化剤、乳化剤、乳化安定剤、染料、湿潤剤、皮膜形成剤、充填剤、芳香剤、香料、防虫剤、防腐剤、防食剤、化粧油、溶媒、酸化剤、植物構成成分、緩衝物質、還元剤、界面活性剤、噴射ガス、乳白剤、UVフィルターおよびUV吸収剤、変性剤、アロエベラ、アボカド油、コエンザイムQ10、緑茶エキス、粘度調整剤、香水、ならびにビタミンの群から選択される少なくとも1つの構成成分を含む、製剤、特に化粧製剤に関する。
本発明はまた、塗料、コーティング、印刷用インク、セキュリティ印刷用インク、プラスチック、セラミック材料、グレーズ、ガラスにおける、トレーサーとしての、化粧製剤における、ならびに顔料調製物および乾燥調製物の製造のための、本発明による顔料混合物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の例は本発明をより詳細に説明することを意図するが、本発明を限定するものではない。
【実施例
【0023】
個々の干渉顔料のaおよびbの値は、STEAG ETA-Optik分光計を使用して以下のように決定する:ハンドコーター(ギャップ幅500μm)を使用して、黒色コート配色カードに、対象である干渉顔料または顔料混合物を1.65質量パーセント含むニトロセルロースラッカーをコーティングする。
乾燥後、上記測定装置を使用して75°の入射角で95°未満で色を測定する。90°は配色カードに対して垂直である。
(例1)
酸化アルミニウムフレークをベースとする高い黄色含量を有する赤色干渉顔料の製造
5~30μmの粒子サイズ(D50=18μm)を有する100gのAl23フレークを、1.6lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。70gの水中の5gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、820gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされたAl23フレークを濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
赤色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:48.55 b:18.37
(例2)
雲母をベースとする高い黄色含量を有する赤色干渉顔料の製造
5~25μmの粒子サイズ(D50=11μm)を有する100gの天然雲母を、2lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。100gの水中の3gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、1100gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされた雲母顔料を濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
赤色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:40.64 b:13.41
【0024】
(例3)
酸化アルミニウムフレークをベースとする青色干渉顔料の製造
5~30μmの粒子サイズ(D50=18μm)を有する100gのAl23フレークを、1.6lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。130gの水中の9.3gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、714gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされたAl23フレークを濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
青色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:2.61 b:-59.75
【0025】
(例4)
雲母をベースとする青色干渉顔料の製造
1~20μmの粒子サイズ(D50=9μm)を有する70gの天然雲母を、1.4lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。210gの水中の15gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、1056gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされた雲母顔料を濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
青色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:12.44 b:-82.11
【0026】
(例5)
酸化アルミニウムフレークをベースとする高い黄色含量を有する緑色干渉顔料の製造
5~30μmの粒子サイズ(D50=18μm)を有する100gのAl23フレークを、1.6lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。100gの水中の5gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、878gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされたAl23フレークを濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
緑色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:-46.81 b:34.62
【0027】
(例6)
雲母をベースとする高い黄色含量を有する緑色干渉顔料の製造
5~25μmの粒子サイズ(D50=11μm)を有する70gの天然雲母を、1.4lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。70gの水中の2.1gのSnCl4×5H2Oの溶液を、pH=2でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.8まで下げ、1005gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされた雲母顔料を濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で1時間焼成する。
緑色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:-32.89 b:35.18
【0028】
(例7)
ガラスフレークをベースとする高い黄色含量を有する緑色干渉顔料の製造
10~60μmの粒子サイズ(D50=22μm)および450nmの平均の厚さを有する100gのガラスフレークを、1.4lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。次いで、水酸化ナトリウム溶液を用いてpHをpH8まで上げ、38gのナトリウム水ガラス(13%のSiO2)の溶液をこのpHで90分にわたって計り入れる。この添加中、塩酸(18質量%のHCl)を使用してpHを一定に保つ。次いで、pHを45分にわたってpH2まで下げ、70gの水中の5gのSnCl4×5H2Oの溶液を、このpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを2で一定に保つ。次いで、pHを1.6まで下げ、997gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされたガラスフレークを濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を650℃で1時間焼成する。
緑色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:-35.28 b:37.11
【0029】
(例8)
合成雲母をベースとする高い黄色含量を有する赤色干渉顔料の製造
5~40μmの粒子サイズ(D50=17μm)を有する100gの合成雲母を、2lの脱塩水に懸濁し、懸濁液を激しく撹拌しながら75℃に加熱する。次いで、塩酸(18質量%のHCl)を使用してpHをpH2.5に調節する。9gのAlCl3溶液(29質量%のAlCl3)をこのpHで2分にわたって計り入れ、混合物をさらに15分撹拌する。233gのSnCl4溶液(2.1質量%のSnCl4)を、pH=1.7でこの懸濁液にゆっくり計り入れる。32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを1.7で一定に保つ。次いで、塩酸を使用してpHを1.4まで下げ、848gの32%TiCl4溶液をこのpHでゆっくり計り入れる。この添加中、32%水酸化ナトリウム溶液を用いてpHを一定に保つ。所望の色の終点に到達したら、TiCl4溶液の添加を終了する。TiCl4添加の終了後、混合物をさらに1時間撹拌し、次いで、コーティングされた雲母顔料を濾別し、洗浄し、110℃で15時間乾燥する。最後に、顔料を850℃で30分焼成する。
赤色干渉顔料は、以下のaおよびbの値を有する。
a:52.71 b:17.24
【0030】
ペイント例1:
例2による赤色干渉顔料および例6による緑色干渉顔料の混合比1:1の混合物を、配色カードに広げ、測定する。混合物は、強い金色の色相を有する。
配色カードの測定により以下の値が得られる。
a:1.55 b:22.13
【0031】
使用例
例A1:顔用コントゥアリングスティック
【表1】
【0032】
例A2:色素/肝斑を強力に隠すための医療用カバー軟膏
【表2】
【0033】
例A3:UV保護を備え、顔色をきれいにするための顔用メーキャップ
【表3】
【0034】
例A4:色をわずかにきれいにするための肌用エリキシル
【表4】
【0035】
例A5:UV保護を備えるW/Si液体ファンデーション
【表5】
【0036】
例A6:薄いアジア人の肌用のわずかに黄色がかった色相につり合わせるためのフェイスパウダー
【表6】
【0037】
例A7:より濃い肌タイプでわずかに黄色がかった色相につり合わせるためのフェイスパウダー
【表7】
【0038】
例A8:コーカソイドの肌タイプでわずかに赤色がかった色調につり合わせるためのフェイスパウダー
【表8】