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  • 特許-ワーク移載装置 図1
  • 特許-ワーク移載装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ワーク移載装置
(51)【国際特許分類】
   A22C 21/00 20060101AFI20240416BHJP
   B65G 47/61 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A22C21/00 Z
B65G47/61 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020083678
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021177708
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】豊田 直紀
(72)【発明者】
【氏名】赤羽根 元
(72)【発明者】
【氏名】小泉 陽
【審査官】柳本 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】特許第3483710(JP,B2)
【文献】特開2001-169716(JP,A)
【文献】特開平10-056950(JP,A)
【文献】特開昭51-053385(JP,A)
【文献】米国特許第05453045(US,A)
【文献】国際公開第2015/088340(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 21/00
B65G 47/61
B65G 47/84
B65G 47/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを吊架した状態で、搬送装置によって搬送方向に搬送される、移載元側の第1ハンガと、
移載先側の第2ハンガと、
前記第1ハンガと前記第2ハンガとの間に設けられ、前記第1ハンガから前記第2ハンガに向かって前記搬送方向に直交する方向に沿って直線状に延在する中継路を有する静止部材と、
前記搬送方向に移動中の前記第1ハンガに吊架された前記ワークを、前記搬送方向に直交する前記方向に沿って前記第1ハンガから前記中継路を通って前記第2ハンガに押し込むための押込装置と、
を備える
ワーク移載装置。
【請求項2】
前記静止部材の前記中継路の長さは、前記第1ハンガのスロット長以上である、
請求項1に記載のワーク移載装置。
【請求項3】
前記静止部材の前記中継路の幅は、前記第1ハンガのスロット幅に対して0.8倍以上1.2倍以下である、
請求項1又は2に記載のワーク移載装置。
【請求項4】
前記押込装置は、
前記静止部材の前記中継路を介して前記第2ハンガに前記ワークを押し込むための押込部材と、
前記押込部材を前記中継路より前記第1ハンガ側の後退位置と、前記ワークを前記第2ハンガに向けて押込み可能な前進位置とに往復動させるためのアクチュエータと、
を備える、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のワーク移載装置。
【請求項5】
前記押込装置は、
鉛直方向に沿った基準面内で回転するアームと、
前記アームに設けられ、前記第1ハンガに支持された前記ワークを前記アームの回転動作によって前記第2ハンガに向けて押し込むための押込部材と、
を備え、
前記アームの回転中心から前記押込部材までの距離Rが、前記第1ハンガと前記回転中心との間の鉛直方向の距離Hより小さくなるように構成された、
請求項1乃至3の何れか一項に記載のワーク移載装置。
【請求項6】
前記押込装置は、支軸を中心に回動可能であって、前記静止部材の前記中継路に押し込まれた前記ワークを前記第2ハンガに押し込み可能な中継押込部材を有する中継押込装置を含む、
請求項1乃至5の何れか一項に記載のワーク移載装置。
【請求項7】
前記アームの動作を制御するためのコントローラを備え、
前記コントローラは、
前記静止部材に対応する角度範囲内の停止位置にて前記アームの前記押込部材を停止させ、
前記静止部材から前記第2ハンガに向かう前記ワークの引取動作開始後に前記停止位置からの前記アームの回転を開始するように制御するように構成された、
請求項5に記載のワーク移載装置。
【請求項8】
前記押込装置は、支軸を中心に回動可能であって、前記静止部材の前記中継路に押し込まれた前記ワークを前記第2ハンガに押し込み可能な中継押込部材を有する中継押込装置を含み、
前記コントローラは、前記停止位置から前記アームの回転を開始すると共に、前記中継押込部材によって前記ワークを前記静止部材から前記第2ハンガに押し出すように制御するように構成された、
請求項7に記載のワーク移載装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ワーク移載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食肉用家畜屠体の解体作業は、人手で行うと重労働となりかつ効率も悪いため、自動化が進められている。また、解体作業の自動化と共に、骨付き腿肉などの骨付き食肉を脱骨機へ投入する作業の自動化も進められている。特許文献1には、ワークを脱骨機に自動投入するオートローディングシステムが開示されている。このシステムは、往復動式アクチュエータにより往復動する押込部材によってワークを脱骨機側に押し出して脱骨機に投入する移載装置を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3483710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された往復動式の移載装置は、押込部材の戻り動作のとき、後続するワークと衝突するおそれがある。押込部材とワークとが衝突すると、ワークの落下などが発生し、円滑な移載作業ができなくなる。また、衝突を回避するためにワークの移載速度を低減するなどの措置を取ると、移載量の減少など移載効率が低下するなどの問題が起る。
【0005】
本開示は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ワークを押し込む押込部材が後続するワークと干渉するおそれがない移載装置を提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係るワーク移載装置は、移載元側の第1ハンガと、移載先側の第2ハンガと、前記第1ハンガと前記第2ハンガとの間に設けられ、前記第1ハンガから前記第2ハンガに向かって移動するワークが通過可能な中継路を有する静止部材と、前記ワークを前記第1ハンガから前記中継路を通って前記第2ハンガに押し込むための押込装置と、を備える。
なお、本明細書において、「ワーク」は被移載物を意味し、ある特定の被移載物に限定されない。また、「搬送方向」とは、第1ハンガによってワークが搬送される方向を言う。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係るワーク移載装置によれば、第1ハンガと第2ハンガとの間に静止部材を備えるため、第1ハンガのスロット長を長くしなくても、上記押込装置を構成する押込部材のハンガ搬送方向長さを短くできると共に、第1ハンガと第2ハンガとの間隔を十分確保できるため、移載中のワークと後続するワークとの衝突を抑制できる。これによって、ワークの移載作業を安定して継続でき、移載効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係るワーク移載装置及びワーク搬送装置の斜視図である。
図2】一実施形態に係るワーク移載装置の正面図である。
図3】一実施形態に係るワーク移載装置の正面図である。
図4】一実施形態に係るワーク移載装置の正面図である。
図5】一実施形態に係るワーク移載装置の正面図である。
図6A】一実施形態に係るワーク移載装置の模式的平面図である。
図6B】一実施形態に係るワーク移載装置の模式的平面図である。
図6C】一実施形態に係るワーク移載装置の模式的正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載され又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一つの構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
【0010】
図1図5は、幾つかの実施形態に係るワーク移載装置10(10A、10B、10C、10D)を示す。図1は、ワーク移載装置10(10A)及び搬送装置40を含む斜視図であり、図2はワーク移載装置10(10A)の正面図である。図3はワーク移載装置10(10B)の正面図であり、図4はワーク移載装置10(10C)の正面図であり、図5はワーク移載装置10(10D)の正面図である。
【0011】
図1図5において、ワーク移載装置10(10A~10D)は、移載元側の第1ハンガ44と、移載先側の第2ハンガ56(56a、56b)とを備え、第1ハンガ44と第2ハンガ56との間に、静止部材28が配置されている。静止部材28には、第1ハンガ44から第2ハンガ56に向かって移動するワークWが通過可能な中継路28aが形成されている。また、ワーク移載装置10は押込装置12(12A、12B、12C)を備え、押込装置12(12A~12C)はワークWを第2ハンガ56側へ押し出す押込部材22(22a、22b、22c)を有している。ワークWは、移載元側の第1ハンガ44から押込部材22によって第2ハンガ56側へ押し出され、中継路28aを通り静止部材28に吊架されながら、移載先側の第2ハンガ56に移載される。
【0012】
一実施形態では、図1に示すように、ワークWが吊架された第1ハンガ44をワーク移載装置10へ向けて矢印a方向へ搬送する搬送装置40が設けられる。第1ハンガ44のスロット45に吊架されたワークWは、押込部材22によって第2ハンガ56側へ押し込まれる移載始点となる位置P図1図5に示す第1ハンガ44(44a)に吊架された位置。以下「第1位置」とも言う。)に搬送される。図6A図6Bに示すように、ワークWを第1位置Pから移載先(後述する第2位置P)に移載させるために必要な押込部材22の搬送方向の必要長さは、ワークWの搬送速度と第1ハンガ44のスロット45を移動するワークWの移動時間との積で決まる。
【0013】
上記実施形態によれば、静止部材28を備えるため、その分第1ハンガ44及び第2ハンガ56の軸長を短縮できる。従って、第1ハンガ44のスロット45を移動するワークWの移動時間を短縮できるため、押込部材22の搬送方向長さを短縮できる。従って、押込部材22と移載中のワークWに後続するワークWfとの干渉を抑制できる。また、静止部材28を備えるため、第1ハンガ44及び第2ハンガ56のスロット長を長くしなくても、第1ハンガ44と第2ハンガ56との間の距離を十分確保できる。そのため、移載中のワークWと後続するワークWfとの衝突を防止できる。これによって、ワークWの移載作業を安定して継続でき、移載効率を向上できる。
【0014】
一実施形態では、静止部材28の中継路28aの長さは、ワークWの移載方向(第1位置Pから後述する第2位置Pに向かう方向。以下、単に「移載方向」又は「押込み方向」とも言う。)で第1ハンガ44のスロット45の長さ以上となるように構成される。このように、中継路28aが十分な長さを有するので、第1ハンガ44のスロット45の長さを十分短くできる。従って、第1ハンガ44のスロット45を移動するワークWの移動時間を短縮できるため、押込部材22の搬送方向長さを短縮でき、これによって、押込部材22と後続するワークWfとの干渉を抑制できる。
【0015】
図6A図6Cは、静止部材28を備えた実施形態、及び静止部材28を備えない比較例における作用効果の違いを説明する図である。図6Aは静止部材28を備えた実施形態の模式的平面図であり、図6Bは、静止部材28を備えない比較例の模式的平面図であり、図6Cは静止部材28を備えた実施形態の模式的正面図である。同図において、第1ハンガ44は矢印a方向(図1参照)に一定速度で移動するものとする。
【0016】
押込み対象のワークWと後続するワークWfとの衝突を防ぐため、ワークWとワークWfとの間にある程度の間隔Iを置く必要がある。図6Aに示す実施形態では、第1ハンガ44と第2ハンガ56(56a、56b)との間に静止部材28を配置することでこれが可能になる。押込部材22(22a、22b、22c)によってワークWを第1位置Pから静止部材28まで押し込む場合、第1ハンガ44は矢印a方向へ一定速度で移動しているため、ワークWは軌跡t1を辿って静止部材28に移動する。静止部材28が存在するため、押込部材22の矢印a方向の軸長は短くてよい。
【0017】
一方、図6Bに示す比較例では、静止部材28を設けないため、間隔Iを確保するために、第1ハンガ44の軸長を長くせざるを得ない。この比較例では、第1位置Pから位置P(第2ハンガ56のスロット57がある位置であって、移載終点となる位置。以下「第2位置」とも言う。)までワークWを押し込む場合、ワークWは軌跡t2を辿る。従って、スロット45の第1位置Pからスロット57の第2位置PまでワークWを押し込むためには、押込部材22の矢印a方向の軸長を長くせざるを得ない。
【0018】
このように、図6Bに示す比較例では、第1ハンガ44の移動方向に軸長が長い押込部材22が矢印a方向へ延在してしまうので、押込部材22が後続するワークWfに衝突するおそれがある。これに対して、図6Aに示す実施形態では、押込部材22の軸長が長くならないので、押込部材22が後続するワークWfと衝突するおそれは少ない。
【0019】
一実施形態では、中継路28aの幅は、第1ハンガ44のスロット45の幅に対して0.8~1.2倍となるように構成されている。従って、第1ハンガ44のスロット45に吊架可能なワークWは、第1ハンガ44から継続して中継路28aにも落下させずに吊架できる。
【0020】
一実施形態では、静止部材28は水平方向に沿って配置された板状体で構成され、中継路28aは、第1位置Pから第2位置Pへ向かう方向に沿って形成されたスリットで構成されている。
【0021】
一実施形態では、図1に示すように、第1ハンガ44を第1位置Pまで搬送する搬送装置(オートローディング)40は、スプロケット46に巻回されたエンドレス状のチェーン42と、チェーン42に設けられた複数の第1ハンガ44と、チェーン42を移動させるためのスプロケット46と、スプロケット46を回転させるためのモータ48と、を備えている。モータ48にはモータ48の回転数を検出して各第1ハンガ44の移動距離を検出可能なエンコーダ50が設けられている。
【0022】
各第1ハンガ44のスロット45に挿入されて吊架されたワークWは、チェーン42の矢印a方向の動きによってワーク移載装置10の移載開始位置である第1位置Pまで搬送される。矢印a方向は例えば第1位置Pから第2位置Pへ向かうワークWの押込み方向と直交するように設定される。図1に示すように、第1位置Pは第1ハンガ44(44a)に吊架されたワークWの位置である。第1ハンガ44が第1位置Pまで到達した時、押込部材22によって移載先側へ押し出され、静止部材28の中継路28aを通って移載先側の第2位置Pまで移載される。
【0023】
図1図5に示す実施形態では、ワークWは鶏の骨付きモモ肉であり、ワークWを吊架する第1ハンガ44のスロット45の幅は該骨付きモモ肉の足首部より小さい。そのため、足首部よりモモ肉側のくぼんだ所をスロット45に挿入することで、ワークWを第1ハンガ44に吊架できる。
【0024】
一実施形態では、図1図4に示すように、押込装置12(12A~12C)は、鉛直方向に沿った基準面内で回転軸14を中心に回転するアーム13(13a、13b)を備えている。アーム13には押込部材22(22a、22b)が取り付けられ、押込部材22は、第1ハンガ44に吊架されたワークWをアーム13の回転動作によって第2ハンガ56に向けて押し込む。アーム13の回転中心から押込部材22までの距離Rは、第1ハンガ44と回転中心(回転軸14)との間の鉛直方向の距離Hより小さくなるように構成される。
【0025】
図1図4に示す実施形態は回転するアーム13を用いた回転押込方式であり、回転アーム13を押込み方向(第1位置Pから第2位置Pへ向かう方向。図2中の矢印b方向)のみに回転させ、矢印b方向と逆方向に回転させないため、押込部材22と移載中のワークWに後続するワークWfとの干渉を防止できる。また、静止部材28を備えるため、移載中のワークWと後続するワークWfとの間に十分な間隔を置けるため、両者の衝突を防止できる。また、距離R<距離Hの関係にあるため、アーム13が第1ハンガ44と干渉するおそれがなく、そのため、アーム13は支障なく押込み動作を継続できる。さらに、副次的な効果として、アーム13は戻り動作を伴わないため、往復動式より移載速度を向上できる。従って、ワークWの移載効率を向上できる。
【0026】
ちなみに、特許文献1に開示されたオートローディング装置は、コンベアによるワークの搬送量が脱骨機への投入量を上回るため、その差を吸収すべく、コンベアと脱骨機との間にバッファコンベアを設け、すぐに脱骨機に投入できないワークが脱骨機に投入可能になるまでバッファコンベアに滞留させるようにしている。これに対して、ワーク移載装置10(10A~10C)が脱骨機へのワークWの搬送に適用された場合、回転式アーム13の採用によって、ワークWの移載速度を向上できるため、上記バッファコンベアを必要としない。そのため、搬送装置をコンパクト化できる。
【0027】
アーム13は、回転軸14の周囲に1個又は複数個設けられ、回転軸14に等間隔で取り付けられる。駆動ボックス16の中に回転軸14を駆動するためのモータ18及び減速機20(図2参照)等の駆動装置が収納されている。
【0028】
図1図4に示す例示的な実施形態では、アーム13は、回転軸14から周方向に複数本配置されている。アーム13の回転速度が一定である場合、アームの本数に比例してワークWの単位時間当たりの移載数を増やすことができる。従って、移載効率を向上できる。但し、アーム13が1本しかない場合であっても、本実施形態に適用できる。アーム13の回転速度を増加させれば、移載能力に支障をきたさない。
【0029】
図2及び図3に示すワーク移載装置10(10A、10B)では、移載先側には、回転スロット機52が設けられている。回転スロット機52は、鉛直方向に沿って配置された回転軸54の一端部の周囲に複数の第2ハンガ56(56a)が水平方向に沿って設けられている。回転軸54は駆動部(不図示)に連結され、該駆動部によって回転する。複数の第2ハンガ56(56a)は回転軸54に等角度間隔で取り付けられ、第1ハンガ44と同様に、軸方向にスロットが形成されている。この実施形態では、第2位置Pは第1位置Pに対面する位置にある第2ハンガ56(56a)のスロット形成部位である。第2位置Pにある第2ハンガ56(56a)にワークWが移載されると、回転軸54は各第2ハンガ56(56a)間の角度だけ回転し、次の第2ハンガ56(56a)が第2位置Pに来る。その後、第2位置Pにある第2ハンガ56(56a)に後続するワークWfが吊架される。
【0030】
第2位置PでワークWを受け取った第2ハンガ56(56a)は、第2位置Pから180°回転し、第2位置Pと反対側に回転した位置に設けられた移載先の処理機(例えば脱骨機)に供給される。
【0031】
図4に示すワーク移載装置10(10C)は、移載先側に、回転スロット機52の代わりに、搬送装置40と同一構成の搬送装置70が設けられる。その他の構成はワーク移載装置10(10A、10B)と同一である。搬送装置70は、搬送装置40のチェーン42と同様に、ワーク移載装置10(10C)における移載方向と直交する方向に配置されたチェーン72と、チェーン72に所定間隔で取り付けられ、ワークWが吊架されるスロット(不図示)が形成された複数の第2ハンガ56(56b)とを備えている。チェーン72に取り付けられた複数の第2ハンガ56(56b)のうち第2位置Pにある第2ハンガ56(56b)にワークWが移載され、搬送装置70によってワークWは用途先に搬送される。
【0032】
図5に示すワーク移載装置10(10D)では、押込装置12(12C)は押込部材22(22c)を備えている。押込部材22(22c)によって静止部材28の中継路28aを介して第2ハンガ56(56a)にワークWを押し込む。押込部材22(22c)は、アクチュエータ76によって、静止部材28より手前であって、中継路28aより第1ハンガ44(44a)側の後退位置と、ワークWを第2ハンガ56(56a)に押込み可能な前進位置とに往復動される。この実施形態は、押込装置12(12C)が往復動式押込装置で構成されているが、静止部材28を備えているため、図6Aに示すように、押込部材22(22b)の搬送方向軸長を短縮できる。そのため、押込部材22(22c)と後続するワークWfとの干渉を防止できる。また、静止部材28を備えているため、移載中のワークWと後続するワークWfとの間隔を十分取れるため、両者の衝突を防止できる。さらに、押込装置12(12C)を往復動式とすることで低コスト化できる。
【0033】
図5に示す例示的実施形態では、アクチュエータ76はエアシリンダで構成され、該エアシリンダのピストンロッド78の先端に押込部材22(22c)が取り付けられている。
【0034】
一実施形態では、図1図5に示すように、押込部材22(22a~22c)は棒状体(例えば、円形断面を有する丸棒)で構成され、該棒状体は搬送装置40の搬送方向(図1中の矢印a方向)に沿って延在する。これによって、移載始点(第1位置P)から移載終点(第2位置P)までの間、押込部材22がワークWに確実に当接してワークWに対して押込力を発揮できる。
【0035】
図1図4に示す実施形態では、押込部材22(22a)はアーム13の回転面内外周側先端部に取り付けられる。これによって、アーム13の回転角度に対する押込部材22の押込距離を最大にすることができる。
【0036】
図1に示すワーク移載装置10(10A)は、複数の第1ハンガ44に鶏の骨付きモモ肉の右脚W(R)及び左脚W(L)が交互に吊架され、アーム13は、回転軸14を共有して同一位相角度で回転する一対のアーム13(13a、13b)で構成される。アーム13(13a)は、右脚W(R)が第1位置Pに来た時押込み方向へ回転して右脚W(R)を第2位置Pに移載し、アーム13(13b)は、左脚W(L)が第1位置Pに来た時押込み方向へ回転して左脚W(L)を第2位置Pに移載するように制御される。右脚W(R)は、皮がなく肉が露出した肉面s1が搬送方向上流側に向けられ、表面が皮で覆われた皮面s2が搬送方向下流側に向けられて搬送されてくる。左脚W(L)はこの逆向きで搬送されてくる。
【0037】
図2に示すように、ワーク移載装置10(10A)は、中継押込装置30を備えている。中継押込装置30は、静止部材28の付近に設けられた支軸32を中心に回動可能な中継押込部材31を有する。中継押込部材31は、支軸32を中心に回動することで、静止部材28の中継路28aに押し込まれたワークWを第2ハンガ56(56a)に押し込むことができる。この実施形態によれば、中継押込装置30を備えるため、押込装置12によって静止部材28の中継路28aに移載されたワークWを確実に第2ハンガ56に移載できる。
【0038】
一実施形態では、中継押込部材31を回動させる駆動部34はエアシリンダで構成される。該エアシリンダのピストンロッド34aが往復動することで、レバー36が支軸32を中心に回動し、中継押込部材31を支軸32を中心に回動させる。これによって、中継押込部材31は、中継路28aに挿入されたワークWに接触しない後退位置と、中継路28aに挿入されたワークWに当接してワークWを第2位置Pまで押込むことができる動作位置とに移動できる。
【0039】
また、一実施形態では、押込部材22は第1位置Pと第2位置Pとを結ぶラインの下方(静止部材28の下方)に配置され、中継押込装置30は第1位置Pと第2位置Pとを結ぶラインの上方に配置される。これによって、押込部材22及び中継押込装置30とも上記ラインに近接して配置できる。
【0040】
なお、図2に示す実施形態では、アーム13を有する回転式押込装置12(12A)を備えたワーク移載装置10(10A)に中継押込装置30を設けているが、図5に示すワーク移載装置10(10D)、即ち、往復動式押込装置12(12C)を備えるワーク移載装置10(10D)に中継押込装置30を設けるようにしてもよい。この場合、ワークWを往復動式押込装置12(12C)で第1位置Pから静止部材28まで移載し、その後、ワークWを中継押込装置30で静止部材28から第2位置Pまで移載する。
【0041】
一実施形態では、図2に示すように、アーム13の動作を制御するためのコントローラ80を備える。コントローラ80は、ワークWの押込み方向において静止部材28が配置される範囲に対応する角度範囲θ内の停止位置にて押込部材22(22a、22b)を停止させ、静止部材28から第2ハンガ56(56a)に向かうワークWの引取動作開始後に該停止位置からのアーム13の回転を開始するように制御するように構成される。図2は、角度範囲θ内に位置した押込部材22(22a)が上記停止位置にあることを図示している。このように、ワークWが静止部材28に移載された時にアーム13の回転を一時停止させることで、静止部材28にあるワークWとアーム13との干渉を回避できる。
【0042】
図2に示すように、中継押込装置30を備えた実施形態において、コントローラ80は、上記停止位置からアーム13の回転を開始すると共に、中継押込装置30によってワークWを静止部材28から第2ハンガ56(56a)に押し出すように制御するように構成される。これによって、静止部材28に吊架されたワークWとアーム13との干渉を回避しながら、同時に中継押込装置30によってワークWを静止部材28から第2ハンガ56(56a)へ押し出すことで、静止部材28にあるワークWを確実に第2ハンガ56(56a)に移載できる。
【0043】
一実施形態では、コントローラ80が、アーム13の押込み動作、中継押込装置30の押込み動作及び第2位置P側のワーク受取装置の動作を同時に制御するように構成される。これによって、アーム13、中継押込部材31及び第2位置P側のワーク受取装置の動作タイミングを同期させることが容易になるため、第1位置Pから第2位置Pへの移載を正確に行うことができる。
【0044】
図1図4に示す実施形態では、アーム13の回転中心(回転軸14)は、平面視で第1位置Pと第2位置Pとの間に位置している。これによって、アーム13に取り付けられた押込部材22(22a、22b)は、第1位置Pと第2位置Pとの間で押込部材22によるワークWの押出し方向が水平に近づくので、ワークWの押込み方向と押込部材22の押込み力が作用する方向とが略一致する。これによって、押込部材22の押込み力を効率良くワークWに作用させることができる。そのため、ワークWを安定して第2位置Pへ押し出すことができる。
【0045】
図1図4に示す実施形態では、距離Hに対する距離Rの比は、0.9<R/H<0.98を満たす。これによって、押込部材22(22a、22b)によるワークWの押込み位置を、鉛直面内において第1位置Pにおける第1ハンガ44(44a)の支持位置に近い位置とすることができる。従って、第1ハンガ44によるワーク支持位置を起点として押込部材22の押込力によって発生する該起点回りのモーメントが小さくなる。そのため、押込み時のワークWの揺動を抑制でき、ワークWを安定した姿勢を維持しながら移載できる。
【0046】
図1図4に示す実施形態では、アーム13にワークWの姿勢を制御するためのガイド板24が設けられている。搬送装置40によって搬送されてきたワークWをガイド板24で受け止めることで、第2位置PへのワークWの移載に好適な姿勢に制御できる。これによって、第2位置PへのワークWの移載を確実に行うことができる。ガイド板24はアーム13に取り付けられ、アーム13と共に移動するので、押込部材22との位置関係を考慮することで、押込み対象でない他のワークWのじゃまにならない。そのため、押込み対象であるワークWの姿勢制御を確実に行うことができる。
【0047】
一実施形態では、ガイド板24はアーム13より搬送方向上流側に配置されている。これによって、搬送されてくるワークWをアーム13に当たらずにガイド板24に当接させることができる。
【0048】
一実施形態では、ガイド板24は、搬送装置40によって第1位置Pまで搬送されるワークWの搬送方向に対して交差する方向(例えば、第1位置Pから第2位置Pへ向かうワークWの押込み方向)に延在している。これによって、ワークWの姿勢を押込み方向に好適な方向へ向けることができる。
【0049】
一実施形態では、押込部材22(22a、22b)の少なくとも一部は、ガイド板24に対して搬送方向上流側に突出している。これによって、ガイド板24で受け止めた状態のワークWを押込部材22で第2位置P側へ押し込むことができる。
【0050】
図1図4に示す実施形態では、アーム13(13a)において、ガイド板24に対して押込部材22が配置され側と同じ側に、ガイド部材26が設けられ、ガイド部材26は、少なくとも部分的にガイド部材26に対向するように配置されている。これによって、押込部材22によるワークWの押込み動作時に、ワークWがガイド板24から離れる方向へ回り込むのをガイド部材26によって抑制できる。
【0051】
図1に示す例示的なガイド部材26は、断面が円形の丸棒で構成されている。該丸棒はガイド板24よりアーム13(13a)の回転方向上流側でアーム13(13a)又はガイド板24に取り付けられている。丸棒の先端側はアーム13(13a)の回転方向下流側に曲げ加工され、先端部がガイド板24に対向するように配置される。このように、丸棒がアーム13(13a)の回転方向上流側でガイド板24に当接したワークWを包み込むように配置されているので、ワークWがガイド板24から離れる方向へ回り込むのを効果的に抑制できる。
【0052】
図1に示す例示的な実施形態では、右脚W(R)を押込み対象とするアーム13(13a)のみにガイド部材26が設けられている。右脚W(R)は、皮面s2が搬送方向下流側に向いた状態で搬送されてくるため、皮面s2がガイド板24に当接する。弾力性がある皮面s2がガイド板24に当接すると、皮面s2がガイド板24に反発してガイド板24と離れる方向へ回りやすい。そこで、アーム13(13a)にガイド部材26を設けて、ワークWの回転を抑制している。一方、左脚W(L)は、肉面s1が搬送方向下流側に向いた状態で搬送されてくるため、肉面s1がガイド板24に当接する。肉面s1は皮面s2ほど反発力がなく、ガイド板24と離れる方向へ回りにくいため、ガイド部材26を設ける必要がない。
【0053】
図1図4に示す実施形態では、アーム13、アーム13の回転中心(回転軸14)及びモータ18、及び減速機20等を収納する駆動ボックス16が、第1位置Pの下方に配置される。これによって、これら装置類の配置が容易になる。なお、装置構成上容認できる場合は、これら装置類を第1位置Pの上方に設けてもよい。
【0054】
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
【0055】
1)一つの態様に係るワーク移載装置(10(10A、10B、10C、10D))は、移載元側の第1ハンガ(44)と、移載先側の第2ハンガ(56(56a、56b))と、前記第1ハンガと前記第2ハンガとの間に設けられ、前記第1ハンガから前記第2ハンガに向かって移動するワーク(W)が通過可能な中継路(28a)を有する静止部材(28)と、前記ワークを前記第1ハンガから前記中継路を通って前記第2ハンガに押し込むための押込装置(12(12A、12B、12C))と、を備える。
【0056】
移動中の第1ハンガに吊架されるワークを移載する場合、このワークに移載完了まで押込力を持続させるのに必要な押込部材の搬送方向の必要長さは、ワークの移動速度と第1ハンガのスロットを移動するワークの移動時間との積で決まる。上記構成によれば、上記静止部材を備えるため、その分第1ハンガ及び第2ハンガの軸長を短縮できる。従って、第1ハンガのスロットを移動するワークの移動時間を短縮できるため、押込部材の搬送方向長さを短縮できる。従って、押込部材と移載中のワークに後続するワークとの干渉を防止できる。また、静止部材を備えるため、第1ハンガ及び第2ハンガのスロット長を長くしなくても、第1ハンガと第2ハンガとの間の距離を十分確保できる。そのため、移載中のワークと後続するワークとの衝突を防止できる。これによって、ワークの移載作業を安定して継続でき、移載効率を向上できる。
【0057】
2)別な態様に係るワーク移載装置(10)は、1)に記載のワーク移載装置であって、前記静止部材(28)の前記中継路(28a)の長さは、前記第1ハンガ(44)のスロット(45)の長さ以上である。
【0058】
このような構成によれば、静止部材の中継路が十分な長さを有するので、第1ハンガのスロット長を十分短くできる。従って、第1ハンガのスロットを移動するワークの移動時間を短縮できるため、押込部材の搬送方向長さを短縮でき、これによって、該押込部材と後続するワークとの干渉を抑制できる。
【0059】
3)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10)は、1)又は2)に記載のワーク移載装置であって、前記静止部材(28)の前記中継路(28a)の幅は、前記第1ハンガ(44)のスロット(45)の幅に対して0.8倍以上1.2倍以下である。
【0060】
このような構成によれば、静止部材の前記中継路の幅は、前記第1ハンガのスロット幅に対して0.8~1.2倍であるため、第1ハンガのスロットに吊架可能なワークは、静止部材の中継路にも落下させることなく吊架できる。
【0061】
4)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10(10D))は、1)乃至3)の何れかに記載のワーク移載装置であって、前記押込装置(12(12C))は、前記静止部材(28)の前記中継路(28a)を介して前記第2ハンガ(56)に前記ワーク(W)を押し込むための押込部材(22(22b))と、前記押込部材を前記中継路より前記第1ハンガ(44)側の後退位置と、前記ワーク(W)を前記第2ハンガに押込み可能な前進位置とに往復動させるためのアクチュエータ(76)と、を備える。
【0062】
押込装置が上記構成のような往復動式押込装置であっても、上述の静止部材を備えるため、押込部材の搬送方向長さを短縮できる。従って、押込部材と移載中のワークに後続するワークとの干渉を防止できる。また、静止部材を備えるため、移載中のワークと後続するワークWとの間隔を十分取ることができ、そのため、移載中のワークと後続するワークとの衝突を抑制できる。さらに、押込装置を往復動式とすることで低コスト化できる。
【0063】
5)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10(10A~10C))は、1)乃至3)の何れかに記載のワーク移載装置であって、前記押込装置(12(12A、12B))は、鉛直方向に沿った基準面内で回転するアーム(13(13a、13b))と、前記アームに設けられ、前記第1ハンガ(44)に支持されたワーク(W)を前記アームの回転動作によって前記第2ハンガ(56)に向けて押し込むための押込部材(22(22a))と、を備え、前記アームの回転中心(14)から前記押込部材までの距離Rが、前記第1ハンガと前記回転中心との間の鉛直方向の距離Hより小さくなるように構成される。
【0064】
押込装置が上記構成のような回転アームを用いた押込方式の場合、回転アームを押込部材によるワークの押込み方向のみに回転させ、押込み方向と逆方向へ回転させないため、押込部材と後続するワークとの干渉を抑制できると共に、上述の静止部材を備えるため、移載中のワークと後続するワークとの間隔を十分空けることができるため、両者の衝突を防止できる。また、距離R<距離Hの関係にあるため、アームが第1ハンガと干渉するおそれがない。
【0065】
6)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10(10B))は、1)乃至5)の何れかに記載のワーク移載装置であって、前記押込装置(12(12A、12B))は、支軸(32)を中心に回動可能であって、前記静止部材(28)の前記中継路(28a)に押し込まれた前記ワーク(W)を前記第2ハンガ(56)に押し込み可能な中継押込部材(31)を有する中継押込装置(30)を含む。
【0066】
このような構成によれば、上記構成の中継押込装置を備えるため、押込装置によって静止部材に移載されたワークを確実に第2ハンガに移載できる。
【0067】
7)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10(10A))は、5)に記載のワーク移載装置であって、前記アーム(13(13a))の動作を制御するためのコントローラ(80)を備え、前記コントローラは、前記静止部材(28)に対応する角度範囲(θ)内の停止位置にて前記アームの前記押込部材(22(22a)を停止させ、前記静止部材から前記第2ハンガ(56(56a))に向かう前記ワーク(W)の引取動作開始後に前記停止位置からの前記アームの回転を開始するように制御するように構成される。
【0068】
このような構成によれば、ワークが静止部材に移載された時にアームの回転を一時停止させることで、静止部材に吊架された移載中のワークとアームとの干渉を回避できる。
【0069】
8)さらに別な態様に係るワーク移載装置(10(10A))は、7)に記載のワーク移載装置であって、前記押込装置(12)は、支軸(32)を中心に回動可能であって、前記静止部材(28)の前記中継路(28a)に押し込まれた前記ワーク(W)を前記第2ハンガ(56)に押し込み可能な中継押込部材(31)を有する中継押込装置(30)を含み、前記コントローラ(80)は、前記停止位置から前記アーム(13(13a))の回転を開始すると共に、前記中継押込部材(31)によって前記ワークを前記静止部材から前記第2ハンガに押し出すように制御するように構成される。
【0070】
このような構成によれば、コントローラがアームに対して7)に記載の制御を行うことで、静止部材に吊架された移載中のワークとアームとの干渉を回避しながら、同時に上記中継押込装置によってワークを静止部材から第2ハンガへ押し出すことで、静止部材にあるワークを確実かつ速やかに第2ハンガに移載できる。
【符号の説明】
【0071】
10(10A、10B、10C、10D) ワーク移載装置
12(12A、12B、12C) 押込装置
13(13a、13b) アーム
14 回転軸(回転中心)
16 駆動ボックス
18、48 モータ
20 減速機
22(22a、22b、22c) 押込部材
24 ガイド板
26 ガイド部材
28 静止部材
28a 中継路
30 中継押込装置
31 中継押込部材
32 支軸
34 駆動部
34a ピストンロッド
36 レバー
40、70 搬送装置
42、72 チェーン
44 第1ハンガ
45、57 スロット
46 スプロケット
50 エンコーダ
52 回転スロット機
54 回転軸
56(56a、56b) 第2ハンガ
76 アクチュエータ
78 ピストンロッド
80 コントローラ
第1位置
第2位置
W ワーク
W(R) 右脚
W(L) 左脚
s1 肉面
s2 皮面
Wf 後続ワーク
a 搬送方向
b 回転方向
t1、t2 軌跡
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C