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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20240417BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20240417BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20240417BHJP
   F21V 29/502 20150101ALI20240417BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20240417BHJP
   F21V 29/67 20150101ALI20240417BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20240417BHJP
   F21Y 113/13 20160101ALN20240417BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21S2/00 377
F21V9/38
F21V7/06 100
F21V29/502 100
F21V29/77
F21V29/67 100
F21Y115:30
F21Y113:13
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019205352
(22)【出願日】2019-11-13
(65)【公開番号】P2021077588
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000226057
【氏名又は名称】日亜化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 和憲
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-012358(JP,A)
【文献】特開2016-115649(JP,A)
【文献】特開2016-001310(JP,A)
【文献】特開2017-227809(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 9/38
F21V 7/00
F21V 29/00
F21Y 115/30
F21Y 113/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹面鏡と、
前記凹面鏡に設けられた1以上の貫通孔と、
少なくとも一部が前記凹面鏡の内部に配置され、周方向に沿って配列された3面以上の平坦領域を側面に有する中空の筒状体と、
前記凹面鏡の内部であって前記平坦領域上に配置された第1波長変換層と、
前記凹面鏡の内部であって前記第1波長変換層が配置された前記平坦領域と異なる前記平坦領域上に配置された第2波長変換層と、
前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第1波長変換層に第1レーザ光を照射する第1レーザ素子と、
前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第2波長変換層に第2レーザ光を照射する第2レーザ素子と、
を備えた照明装置。
【請求項2】
前記貫通孔は前記凹面鏡に複数設けられており、
前記第1レーザ光が通過する前記貫通孔と、前記第2レーザ光が通過する前記貫通孔は異なる請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記凹面鏡の外部に配置され、前記凹面鏡が反射した光が出射する側の反対側から前記筒状体の内部に送風する送風部と、
前記凹面鏡に設けられ、前記送風部が前記筒状体の内部に送風することを許容する開口部と、
をさらに備えた請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記筒状体は第1端部および前記第1端部とは反対側の第2端部を有しており、
前記第1端部は、前記開口部から前記凹面鏡の外部に突出しており、
前記送風部は、前記第1端部から前記第2端部に向かって空気を流通させる請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記筒状体の内面には、複数の凸部が設けられている請求項1~4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記筒状体は、金属材料からなる請求項1~5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記凹面鏡の内部に第3レーザ光を照射する第3レーザ素子と、
前記凹面鏡の内部であって前記第1波長変換層が配置される前記平坦領域及び前記第2波長変換層が配置される前記平坦領域と異なる前記平坦領域に配置され、前記第3レーザ光を拡散して反射する拡散層と、
をさらに備えた請求項1~6のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1波長変換層が放射する光のピーク波長は、前記第2波長変換層が放射する光のピーク波長と異なる請求項1~7のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項9】
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、青色であり、
前記第1波長変換層の放射する前記光は、赤色であり、
前記第2波長変換層の放射する前記光は、緑色である請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記凹面鏡の内部に第3レーザ光を照射する第3レーザ素子と、
前記凹面鏡の内部であって前記第1波長変換層が配置される前記平坦領域及び前記第2波長変換層が配置される前記平坦領域と異なる前記平坦領域に配置され、前記第3レーザ光を拡散して反射する拡散層と、
をさらに備え、
前記第1レーザ光及び前記第2レーザ光は、青色であり、
前記第1波長変換層が放射する光は、赤色であり、
前記第2波長変換層が放射する光は、緑色であり、
前記筒状体の側面の形状は、前記筒状体の中心軸が延びる方向から見て11角形であり、
前記第1波長変換層の数と、前記第2波長変換層の数と、前記拡散層の数との比は、3:7:1である請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザ素子から出射したレーザ光によって蛍光体を励起し、蛍光体が放射する光を照明光として利用する照明装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、板状の金属ベースと、発光部と、パラボラミラーと、レーザ素子と、を備える装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-161889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実施形態は、光度の高い照明光を出射できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る照明装置は、凹面鏡と、前記凹面鏡に設けられた1以上の貫通孔と、少なくとも一部が前記凹面鏡の内部に配置され、周方向に沿って配列された複数の平坦領域を側面に有する中空の筒状体と、前記凹面鏡の内部であって前記平坦領域上に配置された第1波長変換層と、前記凹面鏡の内部であって前記第1波長変換層が配置された前記平坦領域と異なる前記平坦領域上に配置された第2波長変換層と、前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第1波長変換層に第1レーザ光を照射する第1レーザ素子と、前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第2波長変換層に第2レーザ光を照射する第2レーザ素子と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
実施形態によれば、光度の高い照明光を出射できる照明装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態に係る照明装置を示す軸方向を含む端面図である。
図2】第1の実施形態に係る照明装置を示す軸直交方向を含む端面図である。
図3】第1の実施形態に係る照明装置の凹面鏡の一部を示す端面図である。
図4】第1の実施形態に係る照明装置の筒状体を示す軸直交方向を含む端面図である。
図5A】第1の実施形態に係る照明装置の第1波長変換層を示す端面図である。
図5B】第1の実施形態に係る照明装置の第2波長変換層を示す端面図である。
図5C】第1の実施形態に係る照明装置の拡散層を示す端面図である。
図6】第1の実施形態の第1の変形例に係る照明装置の筒状体を示す端面図である。
図7】第1の実施形態の第2の変形例に係る照明装置を示す軸方向を含む端面図である。
図8】第2の実施形態に係る照明装置を示す軸直交方向を含む端面図である。
図9】第2の実施形態に係る照明装置の筒状体を示す軸直交方向を含む端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態に係る照明装置は、凹面鏡と、前記凹面鏡に設けられた1以上の貫通孔と、少なくとも一部が前記凹面鏡の内部に配置され、周方向に沿って配列された複数の平坦領域を側面に有する中空の筒状体と、前記凹面鏡の内部であって前記平坦領域上に配置された第1波長変換層と、前記凹面鏡の内部であって前記第1波長変換層が配置された前記平坦領域と異なる前記平坦領域上に配置された第2波長変換層と、前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第1波長変換層に第1レーザ光を照射する第1レーザ素子と、前記凹面鏡の外部に配置され、前記貫通孔を介して前記第2波長変換層に第2レーザ光を照射する第2レーザ素子と、を備える。
以下、各実施形態に係る照明装置の具体的な構成について説明する。
【0010】
<第1の実施形態>
先ず、第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る照明装置を示す軸方向を含む端面図である。
図2は、本実施形態に係る照明装置を示す軸直交方向を含む端面図である。
先ず、本実施形態に係る照明装置1の構成を概略的に説明する。図1及び図2に示すように、照明装置1は、凹面鏡10と、貫通孔21と、筒状体30と、第1波長変換層41と、第2波長変換層42と、第1レーザ素子51と、第2レーザ素子52と、を備える。
【0011】
貫通孔21は、凹面鏡10に1以上設けられている。筒状体30は、少なくとも一部が凹面鏡10の内部10aに配置され、周方向に沿って配列された複数の平坦領域31aを側面31に有する。第1波長変換層41は、凹面鏡10の内部10aであって平坦領域31a上に配置されている。第2波長変換層42は、凹面鏡10の内部10aであって第1波長変換層41が配置された平坦領域31aと異なる平坦領域31a上に配置されている。第1レーザ素子51は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して第1波長変換層41に第1レーザ光L1を照射する。第2レーザ素子52は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して第2波長変換層42に第2レーザ光L2を照射する。
【0012】
照明装置1は、例えば、拡散層43と、第3レーザ素子53と、をさらに備える。
第3レーザ素子53は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して凹面鏡10の内部10aに第3レーザ光L3を照射する。拡散層43は、凹面鏡10の内部10aであって第1波長変換層41が配置される平坦領域31a及び第2波長変換層42が配置される平坦領域31aと異なる平坦領域31aに配置され、第3レーザ光L3を拡散して反射する。なお、第1レーザ素子51、第2レーザ素子52および第3レーザ素子53は、凹面鏡10を囲うように設けられたケースやフレーム、ヒートシンクなどに固定されていてもよい。
【0013】
照明装置1は、例えば、送風部60と、カバー部材70と、をさらに備える。
送風部60は、凹面鏡10の外部に配置され、凹面鏡10が反射した光Loが出射する側の反対側から筒状体30の内部30cに送風する。カバー部材70は、透光性を有し、筒状体30の内部30cを照明装置1の外部に繋げつつ、凹面鏡10において光Loが出射する出射口10bを覆う。
【0014】
以下、詳細に説明する。以下では、第1波長変換層41、第2波長変換層42、及び拡散層43を「層41、42、43」ともいう。
【0015】
凹面鏡10は、第1波長変換層41が放射する光Lr、第2波長変換層42が放射する光Lg、及び拡散層43が拡散して反射した光Lbを反射して取り出す。
【0016】
凹面鏡10は、例えば、金属材料からなる。凹面鏡10に用いられる金属材料としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム等の光の反射率が高い金属が挙げられる。ただし、凹面鏡10は、例えば、樹脂材料からなる凹面板の内面に、金属材料からなる反射層を設けることによって形成されていてもよい。
【0017】
凹面鏡10の形状は、概ね、中心軸Cを回転軸とする回転体である。以下、凹面鏡10の中心軸Cが延びる方向において、光Loが出射する側を「出射側X1」といい、光出射側の反対側を「非出射側X2」という。凹面鏡10の表面は、内面11と、出射側X1の端面12と、外面13と、を含む。
【0018】
図3は、本実施形態に係る照明装置の凹面鏡の一部を示す端面図である。
内面11は、非出射側X2に向けて凹となるように湾曲している。例えば、凹面鏡の内面が中心軸Cを中心軸とする放物面である場合、凹面鏡は中心軸C上に焦点Fを有する。以下、中心軸Cを回転軸として回転させた場合に中心軸C上に焦点Fを有する放物面を形成する放物線を、「放物線D」という。内面11は、例えば、焦点Fが第1波長変換層41(又は第2波長変換層42)内に位置するように放物線Dを中心軸Cから距離ΔLだけ中心軸Cと直交する方向にずらし、ずらした放物線Dを中心軸Cを回転軸として回転させることで得られる凹面である。ただし、内面11の形状は、上記に限定されない。例えば、内面11は、中心軸Cを中心軸とする放物面であってもよい。
【0019】
端面12は、内面11の周囲に配置され、内面11と接している。端面12は、例えば、中心軸Cが延びる方向と直交する円環状の平面である。外面13は、端面12の周囲に配置され、端面12と接している。外面13は、例えば、出射側X1に向かうにつれて中心軸Cから離れる曲面である。外面13における各点と内面11との最短距離、すなわち、凹面鏡10の厚さは、略一定であってもよく、一定でなくてもよい。
【0020】
図2に示すように、凹面鏡10には、例えば、複数の貫通孔21が設けられている。凹面鏡10に設けられた貫通孔21の数は、例えば、後述する平坦領域31aの数と同じであり、例えば6個である。6個の貫通孔21は、例えば、周方向において略等間隔に設けられている。各貫通孔21は、例えば、中心軸Cが延びる方向と直交する方向において、各層41、42、43と対向している。
【0021】
ただし、照明装置1が備える貫通孔21の数及び位置は、上記に限定されない。例えば、貫通孔21を周方向に沿って延びた長孔とし、複数のレーザ素子が、1つの貫通孔21を介して、凹面鏡10の内部にレーザ光を照射してもよい。また、各貫通孔21は、透光部材によって覆われていてもよい。
【0022】
図1に示すように、凹面鏡10には、送風部60が筒状体30の内部30cに送風することを許容する開口部22が設けられている。開口部22は、凹面鏡10の非出射側X2に設けられている。開口部22の形状は、筒状体30の外形に対応している。開口部22は、例えば、中心軸Cが延びる方向から見て、中心軸Cを中心とする正六角形である。
【0023】
図4は、本実施形態に係る照明装置の筒状体を示す軸直交方向を含む端面図である。
筒状体30は、例えば、銅等の熱伝導率の高い金属材料やカーボン等からなる。
【0024】
筒状体30の形状は、例えば、多角柱を中空とした形状である。筒状体30の中心軸は、凹面鏡10の中心軸Cに対して平行であることが好ましく、凹面鏡10の中心軸Cと一致することが好ましい。
【0025】
筒状体30の表面は、側面31(外面)と、内面32と、を含む。側面31の形状は、例えば、中心軸Cが延びる方向から見て中心軸Cを中心とする正六角形である。そのため、側面31は、例えば、周方向に沿って配列された6個の平坦領域31aを有する。
【0026】
各平坦領域31aの形状は、例えば、長方形である。各平坦領域31aは、例えば、中心軸Cと平行である。内面32は、例えば、中心軸Cが延びる方向から見て中心軸Cを中心とする正六角形である。
【0027】
ただし、筒状体30の形状は、上記に限定されない。例えば、筒状体30の側面31が有する平坦領域31aの数は、6個に限定されない。また、周方向において隣り合う平坦領域31aの間は、丸みを帯びていてもよい。また、内面32の形状は、中心軸Cが延びる方向から見て中心軸Cを中心とする円形であってもよく、特に限定されない。
【0028】
図2に示すように、各平坦領域31aは、例えば、中心軸Cと直交する方向において各貫通孔21と対向している。ただし、貫通孔21と各平坦領域31aの相対的な位置関係は、貫通孔21を介して各レーザ光L1、L2、L3を各層41、42、43に照射できる限り、特に限定されない。
【0029】
図1に示すように、筒状体30は、中心軸Cが延びる方向において、非出射側X2の第1端部30a及び出射側X1の第2端部30bを有している。第1端部30a及び第2端部30bは開口している。第1端部30a及び第2端部30bは、筒状体30の内部30cと凹面鏡10の外部とを繋いでいる。具体的には、第1端部30aは、例えば、凹面鏡10の開口部22から凹面鏡10の外部に突出している。第2端部30bは、例えば、カバー部材70の貫通孔71から外部に突出している。
【0030】
ただし、筒状体30の非出射側X2の端面は、凹面鏡10の外面13と面一としてもよい。また、筒状体30の出射側X1の端面は、カバー部材70の外面と面一としてもよい。
【0031】
図4に示すように、照明装置1は、例えば、2個の第1波長変換層41と、2個の第2波長変換層42と、2個の拡散層43と、を備える。各層41、42、43は、相互に異なる平坦領域31aに配置されている。ただし、照明装置1が備える第1波長変換層41の数、第2波長変換層42の数、及び拡散層43の数は、上記に限定されない。
【0032】
図4に示す例では、第1波長変換層41は、周方向において第2波長変換層42及び拡散層43と隣り合っている。第2波長変換層42は、周方向において第1波長変換層41及び拡散層43と隣り合っている。拡散層43は、周方向において第1波長変換層41及び第2波長変換層42と隣り合っている。このように、同じ種類の層は、分散するように配置されている。ただし、各層41、42、43の位置は上記に限定されない。
【0033】
図5Aは、本実施形態に係る照明装置の第1波長変換層を示す端面図である。
第1波長変換層41は、例えば、第1レーザ素子51から出射した第1レーザ光L1の一部を吸収して、赤色の光Lrを放射する。第1波長変換層41は、例えば、反射型の波長変換層である。第1波長変換層41は、透光層41aと、波長変換物質41bと、反射層41cと、を有する。
【0034】
透光層41aは、例えば、透光性を有する樹脂等の有機材料や、ガラス等の無機材料からなる。透光層41a内には、光拡散材料が設けられていてもよい。透光層41aは、レーザ光L1の一部を透過する。この際、レーザ光L1は、透光層41a内の波長変換物質41bや光拡散材料等によって透光層41a内において拡散されてもよい。
【0035】
波長変換物質41bは、例えば、第1レーザ光L1の一部を吸収して赤色の光Lrを放射する蛍光体である。波長変換物質41bは、透光層41a内において分散している。
【0036】
反射層41cは、筒状体30の平坦領域31a上に配置されている。反射層41cは、例えば、白色のセラミックスやアルミニウム等の金属材料等からなる。反射層41cは、波長変換物質41bが放射する光Lrを反射する。また、反射層41cは、透光層41aを介して到達したレーザ光L1を反射してもよい。
【0037】
図5Bは、本実施形態に係る照明装置の第2波長変換層を示す端面図である。
第2波長変換層42は、例えば、第2レーザ素子52から出射した第2レーザ光L2の一部を吸収して、緑色の光Lgを放射する。そのため、第1波長変換層41が放射する光Lrのピーク波長は、第2波長変換層42が放射する光Lgのピーク波長と異なる。
【0038】
第2波長変換層42は、例えば、反射型の波長変換層である。第2波長変換層42は、透光層42aと、波長変換物質42bと、反射層42cと、を有する。
【0039】
透光層42aは、例えば、透光性を有する樹脂等の有機材料や、ガラス等の無機材料からなる。透光層42a内には、光拡散材料が設けられていてもよい。透光層42aは、レーザ光L2の一部を透過する。この際、レーザ光L2は、透光層42a内の波長変換物質42bや光拡散材料等によって透光層42a内において拡散されてもよい。
【0040】
波長変換物質42bは、例えば、第2レーザ光L2の一部を吸収して、緑色の光Lgを放射する蛍光体である。波長変換物質42bは、透光層42a内において分散している。
【0041】
反射層42cは、筒状体30の平坦領域31a上に配置されている。反射層42cは、例えば、白色のセラミックスやアルミニウム等の金属材料等からなる。反射層42cは、波長変換物質42bが放射する光Lgを反射する。また、反射層42cは、透光層42a内において拡散したレーザ光L2の一部を反射してもよい。
【0042】
各波長変換層41、42は、例えば、スプレー、印刷、電着、蒸着等の所望の方法で平坦領域31a上に形成できる。各波長変換層41、42は平坦領域31a上に形成されるため、各波長変換層41、42の厚みを均一に形成し易い。
【0043】
図5Cは、本実施形態に係る照明装置の拡散層を示す端面図である。
拡散層43は、例えば、第3レーザ素子53から出射した第3レーザ光L3を透過するとともに拡散する透光層43aと、透光層43aが拡散した光を反射する反射層43bと、を有する。
【0044】
透光層43aは、主に、透光性を有する樹脂等の有機材料や、ガラス等の無機材料からなる。透光層43aの一方又は両方の表面に微細な凹凸を設けたり、透光層43a中に屈折率の異なる光拡散材料(図示省略)を分散させたりすることによって、透光層43aは第3レーザ光L3を拡散させる。
反射層43bは、例えば、白色のセラミックスやアルミニウム等の金属材料等からなる。
【0045】
なお、筒状体30の平坦領域31aが反射性を有している場合、各層41、42、43には反射層41c、42c、43bが設けられていなくてもよい。
【0046】
図2に示すように、照明装置1は、例えば、2個の第1波長変換層41に対応して2個の第1レーザ素子51を備える。また、照明装置1は、例えば、2個の第2波長変換層42に対応して2個の第2レーザ素子52を備える。また、照明装置1は、例えば、2個の拡散層43に対応して2個の第3レーザ素子53を備える。このように、第1レーザ素子51の数と第1波長変換層41の数は、同一であることが好ましい。また、第2レーザ素子52の数と第2波長変換層42の数は、同一であることが好ましい。また、第3レーザ素子53の数と拡散層43の数は、同一であることが好ましい。
【0047】
各レーザ素子51、52、53は、例えば、レーザダイオード(LD:Laser Diode)である。各レーザ光L1、L2、L3は、例えば、青色である。ただし、各レーザ光L1、L2、L3の色は、青色に限定されない。
【0048】
各レーザ素子51、52、53は、凹面鏡10の外部に配置されている。各レーザ素子51、52、53は、例えば、各貫通孔21を介して、各層41、42、43にレーザ光L1、L2、L3を照射する。すなわち、第1レーザ光L1が通過する貫通孔21、第2レーザ光L2が通過する貫通孔21及び第3レーザ光L3が通過する貫通孔21は、相互に異なる。
【0049】
第1レーザ素子51は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、第1波長変換層41と対向している。第2レーザ素子52は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、第2波長変換層42と対向している。第3レーザ素子53は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、拡散層43と対向している。ただし、各レーザ素子51、52、53の位置は、各貫通孔21を介して各層41、42、43にレーザ光L1、L2、L3を照射できる限り、特に限定されない。
【0050】
各レーザ素子51、52、53の光出射側には、例えば、コリメートレンズ54が配置されている。コリメートレンズ54によってコリメートされたレーザ光L1、L2、L3が、各層41、42、43に照射される。
【0051】
なお、第1レーザ素子51の数、第2レーザ素子52の数、及び第3レーザ素子53の数は、上記に限定されない。例えば、1個の第1波長変換層41に対して、複数の第1レーザ素子51が、第1レーザ光L1を照射してもよい。また、例えば、1個の第2波長変換層42に対して、複数の第2レーザ素子52が、第2レーザ光L2を照射してもよい。また、例えば、1個の拡散層43に対して、複数の第3レーザ素子53が、第3レーザ光L3を照射してもよい。
【0052】
図1に示すように、送風部60は、例えば、ファンである。送風部60は、筒状体30の第1端部30aから第2端部30bに向かって空気を流通させる。上述したように、凹面鏡10に設けられた開口部22を介して筒状体30の内部30cは凹面鏡10の外部に繋がっている。これにより、送風部60は筒状体30の内部30cに送風できる。
【0053】
カバー部材70は、凹面鏡10の出射口10bを覆い、凹面鏡10の内部10aに粉塵等が侵入することを抑制する。カバー部材70は、例えば、透光性を有する樹脂等の有機材料や、ガラス等の無機材料からなる。カバー部材70の形状は、例えば、中心軸Cと直交し、中心軸Cを中心とする円板である。
【0054】
カバー部材70は、凹面鏡10の出射側X1の端部に接続されている。カバー部材70の中心には、筒状体30の内部30cと外部を繋ぐ貫通孔71が設けられている。例えば、貫通孔71の外形は筒状体30の外形に対応しており、筒状体30の第2端部30bは貫通孔71から突出している。なお、照明装置1は、カバー部材70を備えなくてもよい。
【0055】
次に、本実施形態に係る照明装置1の動作について説明する。
図2に示すように、第1レーザ素子51は、第1波長変換層41に青色の第1レーザ光L1を照射する。第1波長変換層41は、第1レーザ光L1の一部を吸収し、赤色の光Lrを放射する。この際、第1レーザ光L1の一部も、第1波長変換層41内で拡散されるとともに、凹面鏡10の内面11に向かって反射されてもよい。
【0056】
第2レーザ素子52は、第2波長変換層42に青色の第2レーザ光L2を照射する。これにより、第2波長変換層42は、緑色の光Lgを放射する。この際、第2レーザ光L2の一部も、第2波長変換層42内で拡散されるとともに、凹面鏡10の内面11に向かって反射されてもよい。
【0057】
第3レーザ素子53は、拡散層43に青色の第3レーザ光L3を照射する。拡散層43は、青色の第3レーザ光L3を拡散して反射する。
【0058】
凹面鏡10の内面11は、第1波長変換層が放射する赤色の光Lr、第2波長変換層42が放射する緑色の光Lg、及び拡散層43が拡散して反射した青色の光Lbを反射する。また、凹面鏡10の内面11は、第1波長変換層41で拡散して反射された第1レーザ光L1及び第2波長変換層42で拡散して反射された第2レーザ光L2を反射してもよい。これによって、凹面鏡10の出射口10bから、中心軸Cに概ね平行な光Loが出射する。光Loは、例えば、光Lrの赤色と、光Lgの緑色と、光Lbの青色との混色により、白色である。
【0059】
この際、各層41、42、43は、レーザ光L1、L2、L3が照射されることによって熱を生成する。各層41、42、43において発生した熱は、筒状体30に伝わる。筒状体30に伝わった熱は、内部30cの空気に伝わる。送風部60が筒状体30の第1端部30aから第2端部30bに向かって空気を流通させているため、加熱された空気は第2端部30bを介して外部に排出され、内部30cには未加熱の空気が供給され続ける。このようにして、筒状体30は内部30cに効率的に熱を放出できる。したがって、各層41、42、43は、筒状体30及び空気を介して、照明装置1の外部に効率的に熱を放出できる。そのため、各層41、42、43の温度が上昇することを抑制できる。
【0060】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態に係る照明装置1は、凹面鏡10と、貫通孔21と、筒状体30と、第1波長変換層41と、第2波長変換層42と、第1レーザ素子51と、第2レーザ素子52と、を備える。貫通孔21は、凹面鏡10に1以上設けられている。筒状体30は、少なくとも一部が凹面鏡10の内部に配置され、周方向に沿って配列された複数の平坦領域31aを側面31に有し、中空である。第1波長変換層41は、凹面鏡10の内部10aであって平坦領域31a上に配置されている。第2波長変換層42は、凹面鏡10の内部10aであって第1波長変換層41が配置された平坦領域31aと異なる平坦領域31a上に配置されている。第1レーザ素子51は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して第1波長変換層41に第1レーザ光L1を照射する。第2レーザ素子52は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して第2波長変換層42に第2レーザ光L2を照射する。
【0061】
このように、各レーザ素子51、52は、各波長変換層41、42にレーザ光L1、L2を照射する。そのため、凹面鏡10の内部10aに設けられた波長変換層が1個である照明装置と比較して、照明装置1は、光度の高い光Loを出射できる。
【0062】
また、第1波長変換層41及び第2波長変換層42は、筒状体30の側面31に配置されている。そのため、各波長変換層41、42は、中実の部材の側面に設けられている場合と比較して、筒状体30の内部30cを介して効率的に放熱できる。その結果、各レーザ素子51、52の出力を高くしたとしても、各波長変換層41、42の温度が上昇することを抑制できる。そのため、各レーザ素子51、52の出力を高くすることで、波長変換層41、42から放射する光Lr、Lgを高輝度にできる。この結果、凹面鏡10から光度の高い光Loを出射できる。
【0063】
また、各波長変換層41、42は、各平坦領域31aに配置されている。そのため、波長変換層41、42を均一に形成し易い。そのため、凹面鏡10から取り出される光Loにおいて、明るさのムラや色ムラが発生することを抑制できる。
【0064】
また、本実施形態においては、貫通孔21は凹面鏡10に複数設けられており、第1レーザ光L1が通過する貫通孔21と、第2レーザ光L2が通過する貫通孔21は異なる。そのため、各貫通孔21の大きさを各レーザ光L1、L2のスポットの大きさに対応させることができる。これにより、例えば凹面鏡10において第1レーザ光L1が通過する部分と第2レーザ光L2が通過する部分とが離隔している場合に、一つの貫通孔を長孔にし、2つのレーザ光L2が同一の貫通孔を通過する形態と比較して、凹面鏡10において貫通孔21が設けられる領域を低減できる。その結果、凹面鏡10において第1レーザ光L1が通過する部分と第2レーザ光L2が通過する部分とが離隔していたとしても、凹面鏡10は、より多くの光Loを取り出すことができる。
【0065】
また、レーザ素子51、52は凹面鏡10の外部に配置されているため、凹面鏡10の内部に配置された波長変換層41、42から離隔している。そのため、波長変換層41、42は、レーザ素子51、52と接している波長変換層と比較して、放熱性に優れる。これによっても、波長変換層41、42を集中して配置することができ、照明装置1の光度を高めることができる。
【0066】
また、本実施形態に係る照明装置1は、送風部60と、開口部22と、を備える。送風部60は、凹面鏡10の外部に配置され、凹面鏡10が反射した光Loが出射する側の反対側から筒状体30の内部30cに送風する。開口部22は、凹面鏡10に設けられ、送風部60が筒状体30の内部30cに送風することを許容する。これにより、各波長変換層41、42は、筒状体30の内部30cを介して、より一層効率的に放熱できる。その結果、各レーザ素子51、52の出力を高出力にできる。
【0067】
また、本実施形態において、筒状体30は、金属材料からなる。そのため、筒状体30は、樹脂材料等からなる筒状体と比較して、放熱性に優れる。また、本実施形態においては、波長変換層41、42を冷却する冷媒として空気を用いているため、加熱された空気を筒状体30の第2端部30bから照明装置1の外部に排出することができる。このため、冷媒を回収する機構を設ける必要がない。したがって、専用の冷媒を循環させる場合と比較して、照明装置1の構成を簡略化できる。
【0068】
また、本実施形態に係る照明装置1は、第3レーザ素子53と、拡散層43と、を備える。第3レーザ素子53は、凹面鏡10の外部に配置され、貫通孔21を介して凹面鏡10の内部10aに第3レーザ光L3を照射する。拡散層43は、凹面鏡10の内部10aであって第1波長変換層41が配置される平坦領域31a及び第2波長変換層42が配置される平坦領域31aと異なる平坦領域31aに配置され、第3レーザ光L3を拡散して反射する。このように、第3レーザ光L3を拡散させることで、スペックルノイズを低減できる。
【0069】
また、本実施形態において、第1波長変換層41が放射する光Lrのピーク波長は、第2波長変換層42が放射する光Lgのピーク波長と異なる。そのため、光Lrの色と光Lgの色との混色により、所望の色の光Loを得ることができる。また、点灯させるレーザ素子51、52を切り替えることで、光Loの色調を可変にできる。また、蛍光体を励起させて発光するため、光が拡散し、スペックルノイズを低減できる。
【0070】
<第1の実施形態の第1の変形例>
次に、第1の実施形態の第1の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る照明装置の筒状体を示す端面図である。
本変形例に係る照明装置100は、筒状体130の内面132に、複数の凸部133が設けられている点で、第1の実施形態に係る照明装置1と相違する。なお、以下の説明においては、原則として、第1の実施形態との相違点のみを説明する。以下に説明する事項以外は、第1の実施形態と同様である。
【0071】
複数の凸部133は、周方向に沿って配列されている。各凸部133は、中心軸Cが延びる方向に延びている。各凸部133は、中心軸Cが延びる方向に対して交差する方向に螺旋状に延びていてもよい。なお、図6に示す例では、筒状体130の内面132には、12個の凸部133が設けられている。ただし、凸部133の数は、特に限定されない。このように、筒状体130として、内面溝付管を用いてもよい。
【0072】
以上説明したように、本変形例において、筒状体130の内面132には、複数の凸部133が設けられている。このため、第1の実施形態における筒状体30と比較して、筒状体130の内面132の面積を増加できる。また、筒状体130の内部において空気の流れを乱流にできる。その結果、筒状体130の放熱性をより一層向上できる。
【0073】
<第1の実施形態の第2の変形例>
次に、第1の実施形態の第2の変形例について説明する。
図7は、本変形例に係る照明装置を示す軸方向を含む端面図である。
本変形例に係る照明装置200は、筒状体30の第1端部30aが開口部222から突出していない点、及び送風部260がポンプである点等で、第1の実施形態に係る照明装置1と相違する。
【0074】
筒状体30の第1端部30aは、凹面鏡10の内部10aに位置する。凹面鏡10には、送風部260が筒状体30の内部30cに送風することを許容する開口部222が設けられている。開口部222の形状は、後述する連結管264の外形に対応している。
【0075】
送風部260は、例えば、ポンプ本体261と、ポンプ本体261に設けられ空気を吸入する吸入口262と、吸入した空気を排出する排出口263と、を有する。排出口263には、連結管264が連結されている。
【0076】
連結管264は、凹面鏡10に設けられた開口部222から、凹面鏡の外部に突出している。連結管264において凹面鏡10の外部に位置する端部は、排出口263に連結している。連結管264において凹面鏡10の内部10aに位置する端部は、筒状体30の第1端部30aに連結している。
【0077】
次に、本変形例に係る照明装置200の動作について説明する。
ポンプ本体261は、吸入口262から空気を吸入し、排出口263から吸入した空気を排出する。排出した空気は、連結管264を介して、筒状体30の内部30cに供給される。筒状体30の内部30cに供給された空気は、第1端部30aから第2端部30bに向かって流通する。このように、開口部222から筒状体30の第1端部30aが突出していなくても、送風部260は、筒状体30の第1端部30aから第2端部30bに向かって空気を効率的に流通できる。
【0078】
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。
図8は、本実施形態に係る照明装置を示す軸直交方向を含む端面図である。
本実施形態に係る照明装置300は、第1波長変換層41の数、第2波長変換層42の数、及び拡散層43の数等において、第1実施形態に係る照明装置1と相違する。
【0079】
凹面鏡10には、11個の貫通孔321が設けられている。各貫通孔321は、例えば、周方向に略等間隔に配置されている。
【0080】
図9は、本実施形態に係る照明装置の筒状体を示す軸直交方向を含む端面図である。
筒状体330の表面は、側面331(外面)と、内面332と、を含む。側面331の形状は、例えば、中心軸Cが延びる方向から見て中心軸Cを中心とする11角形である。そのため、側面331は、周方向に沿って配列された11個の平坦領域331aを有する。内面332の形状は、例えば、中心軸Cが延びる方向から見て中心軸Cを中心とする11角形である。
【0081】
筒状体330は、中心軸Cが延びる方向において、非出射側X2の第1端部及び出射側X1の第2端部(図示省略)を有している。第1端部は、第1実施形態における第1端部30aと同様に、凹面鏡10の開口部22から凹面鏡10の外部に突出している。送風部60は、筒状体330の内部330cに向かって送風する。これによって、第1端部から第2端部に向かって空気が流通する。
【0082】
照明装置300は、例えば、3個の第1波長変換層41と、7個の第2波長変換層42と、1個の拡散層43と、を備える。すなわち、第1波長変換層41の数と、第2波長変換層42の数と、拡散層43の数との比は、3:7:1である。各層41、42、43は、相互に異なる平坦領域331aに配置されている。3個の第1波長変換層41は、なるべく分散するように配置されている。7個の第2波長変換層42は、なるべく分散するように配置されている。
【0083】
図8に示すように、照明装置300は、3個の第1波長変換層41に対応して、3個の第1レーザ素子51を備える。照明装置300は、7個の第2波長変換層42に対応して、7個の第2レーザ素子52を備える。照明装置300は、1個の拡散層43に対応して、1個の第3レーザ素子53を備える。
【0084】
各レーザ素子51、52、53は、例えば、各貫通孔321を介して、各層41、42、43にレーザ光L1、L2、L3を照射する。すなわち、第1レーザ光L1が通過する貫通孔321、第2レーザ光L2が通過する貫通孔321及び第3レーザ光L3が通過する貫通孔321は、相互に異なる。
【0085】
各レーザ素子51、52、53は、凹面鏡10の外部に配置されている。第1レーザ素子51は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、第1波長変換層41と対向している。第2レーザ素子52は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、第2波長変換層42と対向している。第3レーザ素子53は、例えば、中心軸Cと直交する方向において、拡散層43と対向している。ただし、各レーザ素子51、52、53の位置は、各貫通孔21を介して各層41、42、43にレーザ光L1、L2、L3を照射できる限り、特に限定されない。
【0086】
次に、本実施形態に係る照明装置300の効果について説明する。
本実施形態において、第1波長変換層41の数と、第2波長変換層42の数と、拡散層43の数との比は、3:7:1である。そのため、第1の実施形態における筒状体30によって得られる効果に加え、凹面鏡10からホワイトバランスのよい光Loを取り出すことができる。
【0087】
以上、本発明の複数の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【0088】
例えば、第1波長変換層が放射する光のピーク波長は、第2波長変換層が放射する光のピーク波長と同じであってもよい。また、第1レーザ光の色、第2レーザ光の色、及び第3レーザ光の色は、相互に異なっていてもよい。
【0089】
例えば、他の実施形態に係る照明装置は、青色の第1レーザ光を出射する第1レーザ素子と、青色の第2レーザ光を出射する第2レーザ素子と、緑色の第3レーザ光を出射する第3レーザ素子と、青色の第4レーザ光を出射する第4レーザ素子と、第1レーザ光が照射されることによって赤色の光を放射する第1波長変換層と、第2レーザ光が照射されることによって赤色の光を放射する第2波長変換層と、緑色の第3レーザ光を拡散して反射する第1拡散層と、青色の第4レーザ光を拡散して反射する第2拡散層と、を備えていてもよい。このような構成によっても、白色の光を得ることができる。
【0090】
例えば、各波長変換層は、複数の種類の蛍光体を有し、ピーク波長の異なる2種類の蛍光を放射してもよい。例えば、他の実施形態に係る照明装置は、第3レーザ素子及び拡散層を備えていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明は、例えば、サーチライト等の照明装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
1、100、200、300:照明装置
10:凹面鏡
10a:内部
10b:出射口
11:内面
12:端面
13:外面
21:貫通孔
22、222:開口部
30、130、330:筒状体
30a:第1端部
30b:第2端部
30c、330c:内部
31、331:側面
31a、331a:平坦領域
32、132、332:内面
41:第1波長変換層
41a:透光層
41b:波長変換物質
41c:反射層
42:第2波長変換層
42a:透光層
42b:波長変換物質
42c:反射層
43:拡散層
43a:透光層
43b:反射層
51:第1レーザ素子
52:第2レーザ素子
53:第3レーザ素子
54:コリメートレンズ
60、260:送風部
70:カバー部材
71:貫通孔
133:凸部
261:ポンプ本体
262:吸入口
263:排出口
264:連結管
C:中心軸
D:放物線
F:焦点
ΔL:距離
L1:第1レーザ光
L2:第2レーザ光
L3:第3レーザ光
Lr:第1波長変換層が放射する光
Lg:第2波長変換層が放射する光
Lb:拡散層が拡散して反射した光
Lo:照明光
X1:出射側
X2:非出射側
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9