IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7474266大面積シームレスマスター及びインプリントスタンプの製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】大面積シームレスマスター及びインプリントスタンプの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20240417BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H01L21/30 502D
B29C59/02 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021546685
(86)(22)【出願日】2020-02-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-31
(86)【国際出願番号】 US2020017385
(87)【国際公開番号】W WO2020167617
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-02
(31)【優先権主張番号】62/804,019
(32)【優先日】2019-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】トータドリ, マニヴァンナン
(72)【発明者】
【氏名】カニンガム, ケヴィン ロートン
(72)【発明者】
【氏名】チャーダ, アービンダー
【審査官】菅原 拓路
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0046075(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0054498(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0306275(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/00
B29C 53/00
57/00
59/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シームレスマスターを形成する方法であって、
基板に第1の粘着防止層を堆積させることと、
前記基板上の複数のマスターを整列させることであって、各マスターは、第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、前記複数のマスターの前記第1の表面は、前記第1の粘着防止層と共形である、前記基板上の複数のマスターを整列させることと、
前記複数のマスターの第2の表面をバッキングプレートに接着させることであって、前記第2の表面は前記第1の表面の反対側にあり、前記複数のマスターの隣接するマスターは、前記第1の粘着防止層から前記バッキングプレートまで延在するシームをその間に有する、前記複数のマスターの第2の表面をバッキングプレートに接着させることと、
前記複数のマスターの前記隣接するマスター間の前記シームを充填材料で充填することと、
前記充填材料を硬化させることと、
前記複数のマスターを前記第1の粘着防止層及び前記基板から除去することと
を含む方法。
【請求項2】
前記複数のマスターが前記粘着防止層及び前記基板から除去された後に、前記複数のマスターの前記フィーチャー及び前記第1の表面に第2の粘着防止層を堆積させることと
シームレスなスタンプを形成するために、前記バッキングプレートに接着された前記複数のマスターでスタンプ材料をインプリントすることと
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッキングプレートが、前記バッキングプレートを通って延在する複数のビアを含み、前記複数のビアのうちの少なくとも1つのビアが各シームの上に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
各シームが、前記少なくとも1つのビアを通して前記充填材料で充填される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つのビアが各シームと接触しており、前記複数のマスターのそれぞれの前記第2の表面に垂直前記バッキングプレートを通って延在する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つのビアが各シームと接触しており、前記複数のマスターのそれぞれの前記第2の表面に平行前記バッキングプレートを通って延在する、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
シームレスマスターを形成する方法であって、
複数のマスターをバッキングプレートに接着させることであって、各マスターは第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、前記複数のマスターの各対はそれらの間に前記バッキングプレートまで延在するシームを有し、前記第1の表面の反対側の前記複数のマスターの第2の表面が前記バッキングプレートに接着される、複数のマスターをバッキングプレートに接着させることと、
前記複数のマスターのそれぞれの一部の上であって、前記シームを覆うマスキングフィルムを堆積させることであって、前記一部は、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面である、前記複数のマスターのそれぞれの一部の上であって、前記シームを覆うマスキングフィルムを堆積させることと、
前記複数のマスターの各対の間の前記シームを充填材料で充填することと、
前記充填材料を硬化させることと、
前記マスキングフィルムを除去することと
を含む方法。
【請求項8】
前記マスキングフィルムが除去された後に、前記複数のマスターの前記フィーチャー及び前記第1の表面に粘着防止層を堆積させることと、
シームレスなスタンプを形成するために、前記バッキングプレートに接着された前記複数のマスターでスタンプ材料をインプリントすることと
を更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記複数のマスターのそれぞれの前記一部が、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面全体を含み、前記マスキングフィルムが、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面全体に対して共形であり、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面全体に接触している、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記複数のマスターのそれぞれの前記一部が、前記シームに近接して配置され、前記一部が、前記複数のマスターの各対の隣接するフィーチャーのセットの間に配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記複数のマスターのそれぞれの前記一部が、前記シームに近接して配置され、前記一部が、前記複数のマスターの各対の前記複数のフィーチャーの1又は複数のフィーチャーのセットに配置されている、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
シームレスマスターを形成する方法であって、
複数のマスターをバッキングプレートに接着させることであって、各マスターは第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、前記複数のマスターの各対はそれらの間に前記バッキングプレートまで延在するシームを有し、前記第1の表面の反対側の前記複数のマスターの第2の表面が前記バッキングプレートに接着される、複数のマスターをバッキングプレートに接着させることと、
前記複数のマスターの各対の間の前記シームを充填材料で充填することであって、マスターの各対の間の前記シームを充填することは、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面に過剰な充填材料を堆積させることを含む、前記複数のマスターの各対の間の前記シームを充填材料で充填することと、
前記充填材料と前記過剰な充填材料とを硬化させることと、
前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面に配置された前記過剰な充填材料を除去することと
を含む方法。
【請求項13】
前記過剰な充填材料が除去された後に、前記複数のマスターの前記フィーチャー及び前記第1の表面に粘着防止層を堆積させることと、
シームレスなスタンプを形成するために、前記バッキングプレートに接着された前記複数のマスターでスタンプ材料をインプリントすることと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
ブレード、レーザ、又は化学エッチングを使用して、前記過剰な充填材料を除去する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記複数のマスターの各対の間の前記シームを充填材料で充填する前に、前記複数のマスターのそれぞれの前記第1の表面及び前記シームの周辺部に粘着防止層を堆積させることと、
前記過剰な充填材料が除去された後に、前記粘着防止層を除去することと
を更に含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示の実施形態は、概して、パターン複製、インプリントリソグラフィに関し、より具体的には、シームのない大面積インプリントを作成するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]インプリントリソグラフィは、ナノメートルスケールのパターンを製造するために使用可能な接触パターニング法である。一般的に、インプリントリソグラフィは、パターンのテンプレートを作成することから始まる。フォトレジストなどの液体を、パターニングされる基板に堆積させる。次に、パターニングされたテンプレートを液体に押し付けて、パターンを基板にインプリントする。次に、パターニングされた基板を、熱的に、又は紫外線を使用して、基板上のフォトレジストのパターニングを固化することによって硬化させる。
【0003】
[0003]しかし、従来のインプリントリソグラフィの方法と装置にはさまざまな課題がある。例えば、シリコンに基づく従来のインプリントリソグラフィ法は、従来使用されているマスターが大面積ディスプレイをパターニングするのに十分な大きさではないため、ディスプレイデバイスなどの大面積基板(300mmを超える)には適していない。このため、いくつかの従来のインプリント法は、互いに接着された複数のマスターを使用していた。ただし、マスター間と周辺部にシームが形成され、それが基板上のパターンに転写される。シームと周辺部のパターニングされた不規則性は、デバイスの効率を低下させ、さらにはデバイスの故障を引き起こす可能性がある。たとえば、ライトガイドパネル(LGP)の場合、シームがLGPにインプリントされると、LGPから光を導出したりアウトカップルしたりできる表面フィーチャー(特徴)になる。液晶ディスプレイ(LCD)の場合、シームがLCDにインプリントされていると、ディスプレイのシームが視聴者の目に入り得る、又はムラの欠陥が発生し得る。
【0004】
[0004]したがって、大面積基板をインプリントするために使用できる改良されたインプリントリソグラフィの方法及び装置が必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本開示の実施形態は、概して、パターン複製、インプリントリソグラフィに関し、より具体的には、シームのない大面積インプリントを作成するための方法及び装置に関する。本明細書に開示の方法は、概して、シームが、その上に配置された複数のフィーチャーを有するマスターの表面と同一平面になるように、マスターの対の間のシームを充填材料で充填することを含む。
【0006】
[0006]一実施形態では、シームレスマスターを形成する方法は、基板に第1の粘着防止層を堆積させることと、基板上の複数のマスターを整列させることであって、各マスターは、第1の表面と、第1の表面から延在する複数のフィーチャーとを有し、複数のマスターの第1の表面は、第1の粘着防止層と共形である、基板上の複数のマスターを整列させることと、複数のマスターの第2の表面をバッキングプレートに接着させることであって、第2の表面は第1の表面の反対側にある、複数のマスターの第2の表面をバッキングプレートに接着させることとを含む。複数のマスターの隣接するマスターは、第1の粘着防止層からバッキングプレートまで延在するシームをその間に有する。本方法は、複数のマスターの隣接するマスター間のシームを充填材料で充填することと、充填材料を硬化させることと、複数のマスターを第1の粘着防止層及び基板から除去することとを更に含む。
【0007】
[0007]別の実施形態では、シームレスマスターを形成する方法は、複数のマスターをバッキングプレートに接着させることを含み、各マスターは、第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、複数のマスターの各対は、それらの間にシームを有する。第1の表面の反対側の複数のマスターの第2の表面が、バッキングプレートに接着される。本方法は、複数のマスターのそれぞれの一部の上にマスキングフィルムを堆積させることであって、その一部は、複数のマスターのそれぞれの第1の表面に配置されている、複数のマスターのそれぞれの一部の上にマスキングフィルムを堆積させることと、複数のマスターの各対の間のシームを充填材料で充填することと、充填材料を硬化させることと、マスキングフィルムを除去することとを更に含む。
【0008】
[0008]さらに別の実施形態では、シームレスマスターを形成する方法は、複数のマスターをバッキングプレートに接着させることを含み、各マスターは第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、複数のマスターの各対はそれらの間にシームを有する。第1の表面の反対側の複数のマスターの第2の表面が、バッキングプレートに接着される。本方法は、複数のマスターの各対の間のシームを充填材料で充填することをさらに含む。マスターの各対の間のシームを充填することは、複数のマスターのそれぞれの第1の表面に過剰な充填材料を堆積させることを含む。本方法は、充填材料と過剰な充填材料とを硬化させることと、複数のマスターのそれぞれの第1の表面に配置された過剰な充填材料を除去することとをさらに含む。
【0009】
[0009]一実施形態では、シームレススタンプを形成する方法は、複数のマスターをバッキングプレートに接着させることを含み、各マスターは、第1の表面から延在する複数のフィーチャーを有し、複数のマスターの各対は、それらの間にシームを有する。第1の表面の反対側の複数のマスターの第2の表面は、バッキングプレートに接着される。本方法は、各シームの上にシームブロッキングストリップを配置することであって、シームブロッキングストリップは、シームに隣接して配置された複数のマスターの各対の第1の表面と接触している、各シームの上にシームブロッキングストリップを配置することと、複数のマスターのそれぞれの第1の表面と、シームブロッキングストリップの上にスタンプ材料を堆積させることと、スタンプ材料を硬化させることと、シームレススタンプを形成するために、複数のマスターからスタンプ材料を除去することであって、シームレススタンプは、シームブロッキングストリップを含む、複数のマスターからスタンプ材料を除去することとを更に含む。
【0010】
[0010]上述した本開示の特徴を詳細に理解できるように、一部が添付の図面に例示されている実施形態を参照しながら、上記に要約した本開示をより具体的に説明する。しかし、添付の図面は典型的な実施形態を単に示すものであり、したがって、実施形態の範囲を限定するものと見なすべきではなく、他の等しく有効な実施形態も許容しうることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1A-1C】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造方法の様々な段階を示す図である。
図1D-1F】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造方法の様々な段階を示す図である。
図2A-2C】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスターを形成する様々な実施形態を示す図である。
図2D-2F】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスターを形成する様々な実施形態を示す図である。
図2G】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスターを形成する様々な実施形態を示す図である。
図2H】本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造のために形成されたシームレスマスターを示す図である。
図3A-3C】本明細書に開示の実施形態に係る、マスキングフィルムを使用して、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスターを形成する様々な実施形態を示す図である。
図4A-4B】本明細書に開示の実施形態に係る、過剰な充填材料を除去することによって、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスターを形成する様々な実施形態を示す図である。
図5A-5B】本明細書に開示の実施形態に係る、シームレススタンプを形成する様々な実施形態を示す図である。
図5C】本明細書に開示の実施形態に係る、シームレススタンプの一実施形態を示す図である。
図6A】本明細書に開示の実施形態に係る、マスター上のフィーチャーの格子配置を示す図である。
図6B-6E】本明細書に開示の実施形態に係る、様々な形状のマスターを示す図である。
【0012】
[0020]理解を容易にするために、可能な限り、図面に共通の同一要素を示すのに同一の参照番号を使用している。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる詳述なしに他の実施形態に有益に組み込まれ得ると考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0021]本開示の実施形態は、概して、パターン複製、インプリントリソグラフィに関し、より具体的には、シームのない大面積インプリントを作成するための方法及び装置に関する。本明細書に開示の方法は、概して、シームが、その上に配置された複数のフィーチャー(特徴)を有するマスターの表面と同一平面になるように、マスターの対の間のシームを充填材料で充填することを含む。
【0014】
[0022]図1A~1Fは、本明細書に開示の実施形態に係るインプリントスタンプ製造方法の様々な段階を示すものであり、断面図である。本方法は、結合材料104を使用して、複数のマスター102をバッキングプレート106上に接着させることから始まる。図1Aに示す実施形態では、2つのマスター102がバッキングプレート106に接着されている。マスター102は、その上にフィーチャー(特徴)110のパターンを有する。図1Dは、図1Aと同様である。図1Dは、複数のマスター102がその上にフィーチャー190の代替パターンを有する一実施形態を示す図である。図1Dのフィーチャー190の代替パターンは、図1Aのフィーチャー110のパターンの逆である。フィーチャー190の代替パターンは、フィーチャー110のパターンのようにマスター202の表面136の上に延在するのではなく、マスター202の表面136の下に配置される。同じ深さでの配置が示したが、図1Aのフィーチャー110のそれぞれ及び図1Dのフィーチャー190のそれぞれは、異なる深さに配置され得る。
【0015】
[0023]シーム112は、2つのマスター102の間に形成される。図1Aに示すように、シーム112は、充填材料120で充填されている。一般に、充填材料120は、シーム112に完全に平坦な面をもたらすようには、充填されない。代わりに、シーム112が充填材料120で十分に充填されていない場合、シーム112は、点線120Aによって示すように、凹状になる。別の実施形態では、シーム112は、点線120Bによって示すように、充填材料120で過剰に充填され、凸状になる。スタンプ形成又はインプリントプロセスの前に、粘着防止層(図示せず)が、その上にフィーチャー110のパターンを有するマスター102の表面上にコーティング又は堆積され得る。
【0016】
[0024]図1B及び図1Cは、図1Aのマスター102を使用することによって形成されたスタンプ108を示す図である。図1Bは、充填材料120がシーム112に配置されていない図1Aのマスター102を使用することによって形成されたスタンプ108をさらに示す図である。スタンプ108を形成するために、スタンプ材料は、マスター102によって接触され、次いで、UV硬化、加熱硬化、又は熱成形を使用して硬化される。スタンプ108は、マスター102のネガパターンである。したがって、マスター102間のシーム112が充填材料120で十分充填されていない一実施形態では(図1Aの点線120Aによって示す)、スタンプ108は、図1Bに示すように、凹状のシーム112に対応する位置にネガ型フィーチャー126及び凸部114を含む。図1Cは、シーム112が充填材料120で過剰に充填され(図1Aの点線120Bによって示す)、凸状のシーム112に対応する位置にネガ型フィーチャー126及び凸部116を有するスタンプ108をもたらす一実施形態を示す図である。フィーチャー190の代替パターンを有する図1Dのマスター102を使用して形成されたスタンプは、スタンプの表面から延在するネガ型フィーチャー126を有する。
【0017】
[0025]スタンプ材料をマスター102上に分配してスタンプ108を形成することができ、その結果、図1B~1Cに示すような自立型スタンプ108が得られる。あるいは、スタンプ材料160は、基板122上に分配され得、次いで、図1E~1Fに示すように、マスター102によってパターニングされ得る。図1Eは、基板122とスタンプ材料160との間に分配された粘着防止層154を示す図である。スタンプ材料160がマスター102によってパターニングされて硬化されると、基板122及び図1Eの粘着防止層154がスタンプ108から除去され得、自立型スタンプ108が得られる。図1Fは、スタンプ材料160が基板122上に直接分配される一実施形態を示す図である。図1Fの実施形態では、スタンプ材料160は、マスター102によってパターニングされ、硬化され得、基板122は、スタンプ108のハンドルとして機能し得る(すなわち、基板122は、スタンプ108から除去されなくてよい)。
【0018】
[0026]次に、スタンプ108を使用して、基板の上に堆積されて最終製品を形成するフォトレジスト材料をインプリント及びパターニングすることができる。最終製品は、スタンプ108の複数のネガ型フィーチャー126、ならびに過剰充填又は過少充填シーム112に対応する凹部114又は凸部116でパターニングされたフォトレジスト材料を含み得る。本方法は、スタンプレベル及び最終製品レベルの2つの転写インプリントを含むため、最終製品は、マスター102及びシーム112のポジ画像である。
【0019】
[0027]図2A~2Gは、本明細書に開示の実施形態に係る、インプリントスタンプ製造のためのシームレスマスター200を形成する様々な実施形態を示すものであり、断面図である。図2Hは、形成されたシームレスマスター270を示す図である。図2A~2Gに示す方法は、シーム及び周辺部の課題に対するマスターレベルの解決策を提供するものである。図2A~2Gでは、シームレスマスター200を形成する方法は、結合材料204を使用して、複数のマスター202をバッキングプレート206上に接着させることによって開始する。図2A~2Hに示すように、各マスター202の間に配置されたシーム212を有する2つのマスター202が、バッキングプレート206に接着されている。バッキングプレート206は、それぞれ、1又は複数のマスター202がその上に結合されている1又は複数のバッキングプレート206であり得る。
【0020】
[0028]図2A~2Gでは、マスター202は、その上にフィーチャー210のパターンを有し、マスター202は、基板222の表面222Aと同一平面上又は共形(コンフォーマル)である。マスター202は、図1Dに示すように、その上にフィーチャーの代替パターンを有し得る。基板222は、一般に、ガラス、PMMA、及びポリカーボネートを含むがこれらに限定されない任意の適切な基板材料である。基板222の表面222Aは、クランプを可能にするために、溝又はリッジを有するなどのテクスチャーを付けることができる。クランプは、静電、真空、機械、微小電気機械システム(MEMS)、又は方法の組み合わせであり得る。バッキングプレート206又は基板222、あるいは両方の組み合わせが、マスター202の位置合わせに使用され得る。例えば、一実施形態では、複数のマスター202は、マスター202をバッキングプレート206に接着させる前に、基板222に配置される。別の実施形態では、複数のマスター202がバッキングプレート206に接着され、次にマスター202が基板222に配置される。
【0021】
[0029]粘着防止層224は、マスター202のフィーチャー210が粘着防止層224に接触するように、基板222の表面222Aに配置され得る。粘着防止層224は、マスター202が基板222に配置される前に、基板222に堆積され得る。マスター202のフィーチャー210は、フィーチャー210から凹んだマスター202の第1の表面236(すなわち、マスター202のフィーチャー210間の空間)が粘着防止層224と同一平面又は共形になるように、粘着防止層224に配置され得る。フィーチャー210は、基板222の表面222Aと共形であり得、マスター202の第1の表面236は、粘着防止層224と共形である。上記実施形態では、粘着防止層224は、粘着防止層224の厚さがフィーチャー210の長さにほぼ等しいように、約100~200nmの厚さを有し得る。粘着防止層224は、ハロゲン、シランなどを含む化合物など、スティクション防止特性を可能にする任意の適切な材料から構成され得る。
【0022】
[0030]図2Aの実施形態では、結合材料204は、バッキングプレート206を横切って連続している。ポリマーなどの充填材料220は、粘着防止層224からバッキングプレート206まで延在するマスター202間のシーム212に堆積される。充填材料220は、シーム位置212からz方向に注入され得る。充填材料220は、マスター202のバッキングプレート206への結合と同時にシーム212に堆積され得る。フィーチャー210が粘着防止層224に配置されている一実施形態では、充填材料220は、マスター202の第1の表面236と実質的に均一であり得る、又は平面であり得る。粘着防止層224が使用されない一実施形態では、第1の表面236とフィーチャー210との間に配置された過剰な充填材料220が除去され得る。充填材料220及び結合材料204は、同時に硬化させることができる、又は異なる時間に個別に硬化させることができる。
【0023】
[0031]図2Bは、シームレスマスター200を形成する別の実施形態を示す図である。図2Aと同様に、充填材料220は、シーム位置212からz方向に注入され得る。結合材料204は、スクリーン印刷又は精密ディスペンスを使用してバッキングプレート206に適用され得る。このため、結合材料204は、バッキングプレート206を横切って連続している必要はない。充填材料220がマスター202間のシーム212に配置されると、充填材料220は硬化される。充填材料220及び結合材料204は、同時に硬化させることができる、又は異なる時間に個別に硬化させることができる。
【0024】
[0032]図2Cは、ビア234を使用してシームレスマスター200を形成する一実施形態を示す図である。図2Cの実施形態では、バッキングプレート206は、充填材料220をシーム212に注入するために、シーム212の真上に配置され、シーム212に接続されたビア234を含む。ビア234は、バッキングプレート206の上面206Aに平行で、シーム212に垂直に、z軸に沿ってバッキングプレート206を通って延在する。ビア234は、バッキングプレート206の第1の側面から第1の側面の反対側のバッキングプレート206の第2の側面までバッキングプレート206全体を通って延在し得、バッキングプレート206の第1の側面及び第2の側面は、バッキングプレート206の上面206Aに垂直であり、隣接している。
【0025】
[0033]充填材料220は、シーム212を充填するために、z方向にビア234に注入される。充填材料220は、粘着防止層224からビア234まで延在して、シーム212を充填し得る。ビア234は、シーム212が充填された後、過剰な充填材料220を含み得る。充填材料220がマスター202間のシーム212に配置されると、充填材料220が硬化される。充填材料220及び結合材料204は、同時に硬化させることができる、又は異なる時間に個別に硬化させることができる。
【0026】
[0034]図2Dは、一対のビア232、234を使用してシームレスマスター200を形成する別の実施形態を示す図である。図2Dの実施形態では、バッキングプレート206は、充填材料220をシーム212に注入するための一対のビア232、234を含む。バッキングプレート206は、バッキングプレート206を通して充填材料220を注入するために、シーム212の真上に配置された第1のビア232を含み得る。第1のビア232は、バッキングプレート206の上面206Aから、シーム212に接続されるバッキングプレートの底面206Bまで、バッキングプレート206全体を通って延在する。バッキングプレート206の底面206Bは、上面206Aの反対側にあり、結合材料204と接触している。第1のビア232は、バッキングプレート206の上面206Aに垂直で、シーム212に平行に、y軸に沿ってバッキングプレート206を通って延在する。充填材料220は、粘着防止層224から第1のビア232まで延在して、シーム212を充填し得る。
【0027】
[0035]バッキングプレート206は、充填材料220をシーム212に注入するために、シーム212の真上に配置され、シーム212に接続された第2のビア234をさらに含み得る。第2のビア234は、バッキングプレート206の上面206Aに平行で、シーム212に垂直に、z軸に沿ってバッキングプレート206を通って延在する。第2のビア234は、バッキングプレート206の第1の側面から第1の側面の反対側のバッキングプレート206の第2の側面まで、バッキングプレート206全体を通って延在し得、バッキングプレート206の第1の側面及び第2の側面は、バッキングプレート206の上面206Aに垂直であり、隣接している。
【0028】
[0036]充填材料220は、第1のビア232及び/又は第2のビア234を使用してシーム212に注入され得る。充填材料220は、z方向、y方向、又はz方向とy方向の両方の組み合わせからシーム212に分配され得る。充填材料220は、粘着防止層224から第2のビア234まで、又は第1のビア232まで延在して、シーム212を充填し得る。第1のビア232及び第2のビア234は、第2のビア234が第1のビア232をシーム212に接続させるように、シーム212の真上に重なり得る。第1のビア232及び/又は第2のビア234は、シーム212が充填された後、過剰な充填材料220を含み得る。充填材料220がマスター202間のシーム212に配置されると、充填材料220が硬化される。充填材料220及び結合材料204は、同時に硬化させることができる、又は異なる時間に個別に硬化させることができる。
【0029】
[0037]図2Eは、ビア230A~230Dのアレイを使用してシームレスマスター200を形成するさらに別の実施形態を示す図である。図2Eの実施形態では、バッキングプレート206は、結合材料204及び/又は充填材料220を分配するためのビア230A~230Dのアレイを含む。ビア230A~230Dのそれぞれは、バッキングプレート206の上面206Aに垂直に、シーム212に平行に、y軸に沿ってバッキングプレート206を通って延在する。
【0030】
[0038]ビア230Aは、バッキングプレート206をマスター202に接着させるために、y軸に沿ってバッキングプレート206を通して結合材料204を分配するところを示している。ビア230Aは、結合材料204が分配された後、充填されないままである。言い換えれば、結合材料204は、バッキングプレート206とマスター202との間に配置され、バッキングプレート206内のビア230Aに留まらなくてよい。
【0031】
[0039]図2Eのビア230Bは、マスター202の間に配置されたシーム212に充填材料220を分配するところを示している。ビア230Bは、シーム212の真上に配置され、シーム212に接続されている。充填材料220は、シーム212を充填するために、バッキングプレート206を通して、z方向、y方向、又はz方向とy方向の両方の組み合わせから分配され得る。充填材料220がマスター202間のシーム212に配置されると、充填材料220は硬化される。充填材料220は、粘着防止層224からバッキングプレート206まで延在して、シーム212を充填し得る。一実施形態では、充填材料220は、粘着防止層224からビア230B内に延在して、シーム212を充填し得る。
【0032】
[0040]図2Eのビア230Cは、y軸に沿ってバッキングプレート206を通して結合材料204を分配して、バッキングプレート206をマスター202に接着させるところを示し、その結果、ビア230Cは、過剰な結合材料204で部分的に充填される。結合材料204が、バッキングプレート206とマスター202との間に配置されるようにビア230Cを通して分配された後、ビア230Cは、部分的に充填された過剰な結合材料204を含み得る。
【0033】
[0041]図2Eのビア230Dは、バッキングプレート206をマスター202に接着させるために、y軸に沿ってバッキングプレート206を通して結合材料204を分配し、ビア230Dを結合材料204で完全に充填するところを示す。結合材料204が分配されてバッキングプレート206とマスター202との間に配置されると、ビア230Dは、過剰な結合材料204がバッキングプレート206の上面206Aと平面になるように、過剰な結合材料204で充填される。結合材料204及び充填材料220は、1又は複数のビア230A~230Dのそれぞれを部分的又は完全に充填し得る、又はビア230A~230Dのそれぞれは、充填されないままであり得る。ビア230A~230Dのアレイは、結合材料204及び充填材料220のガス放出に役立ち得る。堆積後、充填材料220及び結合材料204は、同時に硬化され得る、又は異なる時間に個別に硬化され得る。
【0034】
[0042]図2Fは、基板222のビア280を通して充填材料220を分配するところを示している。図2Fの実施形態では、ビア280は、シーム212と同じサイズであり得る、又は隣接する第1のマスター202Aのフィーチャー210Aと第2のマスター202Bのフィーチャー210Bとの間の空間よりも小さいサイズを有し得る。一実施形態では、ビア280は、フィーチャー210A及び210Bにまたがって延在するように、隣接する第1のマスター202Aのフィーチャー210Aと第2のマスター202Bのフィーチャー210Bとの間の空間よりも大きくてもよい。ビア280は、充填材料220で充填されたときに、充填材料220がマスター202の第1の表面236に接触するように形成され得る。充填材料220は、z方向、y方向、又はz方向とy方向の両方の組み合わせでシーム212に分配され得る。結合材料204は、y方向を通して又はz方向を通して分配され得る。充填材料220がシーム212に分配されると、充填材料220は硬化される。次に、フィーチャー210A及び210Bの上に配置された任意の充填材料220などの任意の過剰な充填材料220は、プラズマによって、又は方法の任意の組み合わせによって、化学的、機械的、選択的に除去され得る。
【0035】
[0043]図2Gは、基板222の第1のビア280及び/又はバッキングプレート206の第2のビア282を通して充填材料220を分配することを示す図である。第1のビア280は、図2Fのビア280であり得る。第1のビア280は基板222を通して配置され、第2のビア282はバッキングプレート206を通して配置される。充填材料220は、第1のビア280、第2のビア282、又は第1及び第2のビア280、282の両方の組み合わせを通してシームに分配され得る。充填材料220は、z方向、y方向、又はz方向とy方向の両方の組み合わせでシーム212に分配され得る。結合材料204は、y方向を通して又はz方向を通して分配され得る。充填材料220がシーム212に分配されると、充填材料220は硬化される。次に、フィーチャー210A及び210Bの上に配置された任意の充填材料220などの任意の過剰な充填材料220が、プラズマによって、又は方法の任意の組み合わせによって、化学的、機械的、選択的に除去され得る。
【0036】
[0044]図2Hは、一実施形態に係る、形成されたシームレスマスター270を示す図である。シームレスマスター270は、図2A~2Gで説明した方法及び実施形態のいずれかを使用して形成され得る。例えば、シーム212が充填材料220で充填され、硬化されると、図2A~2Gのマスター202が粘着防止層224及び基板222から分離され、その結果、シームレスマスター270が形成される。粘着防止層(図示せず)は、スタンプ形成プロセスの前に、その上に配置されたフィーチャー210を有するシームレスマスター270の第1の表面236にコーティング又は堆積され得る。図2Hに示すように、形成されたシームレスマスター270は、充填材料220の底面220Aがマスター202の第1の表面236と同一平面又は平面であるように、充填材料220で充填されたシーム212を含む。
【0037】
[0045]図2Hは、形成されたシームレスマスター270を使用して形成されたシームレススタンプ208をさらに示す図である。形成されたシームレスマスター270は、スタンプ材料をインプリントして、ネガ型フィーチャー226を含むシームレススタンプ208を形成する。充填材料220の底面220Aに対応するシームレススタンプ208の平坦部228は、シームレススタンプ208の第1の表面238と同一平面又は平面である。シームレススタンプ208の第1の表面238は、マスター202の第1の表面236のネガである。ネガ型フィーチャー226は、シームレススタンプ208の第1の表面238の下に約100nm~500nm延在し得る。ネガ型フィーチャーの底部からシームレススタンプ294の第2の表面まで延在するシームレススタンプ208の下層292は、約10nmから約3mmの厚さを有し得る。
【0038】
[0046]シームレススタンプ208は、最終製品にシームを残すことなく、大面積基板などの最終製品をインプリントするために使用され得る。例えば、最終製品を形成するために、シームレススタンプ208を使用して、基板の上に堆積されたフォトレジスト材料をインプリント及びパターニングすることができる。最終製品は、充填されたシーム212に対応する平坦部228とともに、シームレススタンプ208の複数のフィーチャー226でパターニングされたフォトレジスト材料を含み得る。本方法には、スタンプレベルと最終製品レベルの2つの転写インプリントが含まれるため、最終製品はマスター202のポジ型イメージになる。
【0039】
[0047]さらなる実施形態では、本方法は、最終製品の基板をパターニングするためのより少ない又は追加の工程を含む。例えば、一実施形態では、基板上のマスターのネガ型イメージを作成するために、追加の転写インプリント工程が実行される。別の実施形態では、マスターを使用して基板を直接パターニングし、中間転写インプリント工程を排除する。
【0040】
[0048]シームレススタンプ208の材料は、一般に、任意の適切な材料である。一例では、シームレススタンプ208の材料は、ポリジメチルシロキサン材料(PDMS)、又は基板にスピンコーティング又は堆積されたPDMSの他のいずれかの変形である。シームレススタンプ208の材料は、シリコーン、ナノガラス、フォトポリマー、オルモスタンプ(登録商標)、又は材料の組み合わせを含み得る。
【0041】
[0049]図3A~3Cは、本明細書に開示の実施形態に係る、マスキングフィルム340を使用してインプリントスタンプ製造のためのシームレスマスター300を形成する様々な実施形態を示すものであり、断面図である。図3A~3Cに示す方法は、シーム及び周辺部の課題に対するマスターレベルの解決策を提供する。図3A~3Cでは、複数のマスター302(2つを示す)が、結合材料304を使用してバッキングプレート306に結合されている。結合材料304を連続層として示したが、結合材料304は、図2B~2Eに示すように、複数の領域に選択的に適用されるスクリーン印刷又は精密ディスペンスを使用してバッキングプレート306に適用され得る。バッキングプレート306は、1又は複数のバッキングプレート306であり得、それぞれは、その上に結合された1又は複数のマスター302を有する。バッキングプレート306からマスター302の第1の表面336まで延在するシーム312は、隣接するマスター302の間に配置される。マスター302のそれぞれは、その上に配置されたフィーチャー310のパターンを有する。マスター302のそれぞれは、図1Dに示すように、その上にフィーチャーの代替パターンを有し得る。
【0042】
[0050]図3Aの実施形態では、マスキングフィルム340が、マスター302の第1の表面336に適用される。マスキングフィルム340は、マスター302の第1の表面336の大部分又は全体と共形であり、接触するように適用又は堆積される。マスキングフィルム340の共形堆積又は適用は、フィーチャー310(図3Aに図示せず)のそれぞれを完全に又は部分的にカバーし、マスター302の全長に延在し得る。マスキングフィルム340が適用されると、マスター302間のシーム312が、ポリマーなどの充填材料320で充填され、その結果、充填材料320がマスキングフィルム340からバッキングプレート306まで延在し、充填材料320が硬化される。次に、マスキングフィルム340が除去される。
【0043】
[0051]マスキングフィルム340は、ブレード、アブレーション、レーザ、化学エッチング、パターニング、又はこれらの方法の任意の組み合わせを使用して除去され得る。マスキングフィルム340の除去は、熱処理又は紫外線処理の際に行われ得る。マスキングフィルム340は、硬化したPDMSテープ、カプトン(登録商標)などを含み得る。
【0044】
[0052]図3Bの実施形態では、マスキングフィルム340は、マスター302A~302Bのそれぞれの第1の部分342に堆積される。第1の部分342は、シーム312の上に配置され、シーム312を完全に覆い、各マスター302A~302Bの第1の表面336に配置される。第1の部分342は、第1のマスター302Aのフィーチャー310Aの第1のセットと、第2のマスター302Bのフィーチャー310Bの第2のセットとの間に配置されている。フィーチャー310Aの第1のセット及びフィーチャー310Bの第2のセットは、シーム312に隣接して配置され、フィーチャー310Aの第1のセットは、フィーチャー310Bの第2のセットに隣接している。第1の部分342は、マスキングフィルム340がフィーチャー310A~310Bの上方又は上に配置されないように、フィーチャー310A~310Bの間に配置される。マスキングフィルム340が堆積されると、マスター302A~302Bの間のシーム312がマスキングフィルム340からバッキングプレート306まで延在するように充填材料320で充填され、充填材料320が硬化される。次に、マスキングフィルム340が除去される。
【0045】
[0053]図3Cの実施形態では、マスキングフィルム340は、マスター302の第2の部分344に堆積される。第2の部分344は、シーム312の上に配置され、シーム312を完全に覆い、各マスター302の第1の表面336に配置される。第2の部分344は、マスキングフィルム340が各マスター302の1又は複数のフィーチャー310上又は上方に堆積されるように、シーム312に隣接するフィーチャー310の1又は複数を含み得る。図3Cの第2の部分344は、図3Bの第1の部分342よりも大きいが、図3Aの共形堆積よりも小さい。マスキングフィルム340が堆積されると、マスター302間のシーム312がマスキングフィルム340からバッキングプレート306まで延在するように充填材料320で充填され、充填材料320が硬化される。次に、マスキングフィルム340が除去される。
【0046】
[0054]図3A~3Cのマスキングフィルム340の除去に続いて、シーム312を充填する充填材料320がマスター302の第1の表面336と同一平面になり、その結果、図2Hに示すようなシームレスマスター270が形成される。スタンプ形成プロセスの前に、粘着防止層(図示せず)が、その上に配置されたフィーチャー310を有するマスター302の第1の表面336にコーティング又は堆積され得る。次に、形成されたシームレスマスター270を使用してスタンプをインプリントすることができ、その結果、図2Hに示すようなシームレススタンプ208が得られる。シームレススタンプ208は、最終製品にシームを残すことなく、大面積基板などの最終製品をインプリントするために使用され得る。
【0047】
[0055]図4A~4Bは、本明細書に開示の実施形態に係る、過剰な充填材料420を除去することによってインプリントスタンプ製造のためのシームレスマスター400を形成する様々な実施形態を示すものであり、断面図である。図4A~4Bに示す方法は、シーム及び周辺部の課題に対するマスターレベルの解決策を提供する。図4A及び図4Bの実施形態では、複数のマスター402(2つを示す)が、結合材料404を使用してバッキングプレート406に結合されている。結合材料404は連続層として示したが、結合材料404は、図2B~2Eに示すように、複数の領域に選択的に適用されるスクリーン印刷又は精密ディスペンスを使用してバッキングプレート406に適用され得る。バッキングプレート406は、1又は複数のバッキングプレート406であり得、それぞれは、その上に結合された1又は複数のマスター402を有する。マスター402のそれぞれは、その上に配置されたフィーチャー410のパターンを有する。マスター402のそれぞれは、図1Dに示すように、その上にフィーチャーの代替パターンを有し得る。バッキングプレート406からマスター402の第1の表面436まで延在するシーム412は、マスター402の各セットの間に配置される。次に、マスター402間のシーム412は、ポリマー又はマスター402を参照してエッチング選択性を有する材料などの充填材料420で充填される。
【0048】
[0056]図4Aでは、過剰な充填材料420が、マスター402の第1の部分452に分配される。第1の部分452は、マスター402の第1の表面436に配置されている。一実施形態では、第1の部分452は、充填材料420がマスター402のすべてのフィーチャー410の上に配置されるように、各マスター402の第1の表面436の全長を含む。別の実施形態では、第1の部分452は、マスター402の全長よりも短いが、それでも、シーム412に隣接して配置された各マスター402の1又は複数のフィーチャー410を含む。充填材料420がシーム412の上に配置されている限り、充填材料420は、各マスター402に均等に配置される必要はない。次に、充填材料420が硬化される。
【0049】
[0057]充填材料420が堆積され硬化されると、マスター402の第1の部分452に配置された過剰な充填材料420が除去され、シーム412に配置された充填材料420がマスター402の第1の表面436と同一平面になる。第1の部分452に配置された過剰な充填材料420は、ブレード、アブレーション、レーザ、化学エッチング、パターニング、熱又は紫外線硬化、又はこれらの方法の任意の組み合わせを使用して除去され得る。充填材料420を堆積させる前に、粘着防止材料450の薄層が、マスター402の第1の表面436及びシーム412内の各マスター402の第2の表面456(すなわち、シーム412の側面又は周辺部)に堆積され得る。粘着防止材料450は、第1の部分452からの過剰な充填剤材料420の放出を容易にする。粘着防止層450は、過剰な充填材料420が第1の部分452から除去されるのと同時に、又は除去された後に除去され得る。粘着防止層450は、ハロゲン、シランなどを含む化合物など、スティクション防止特性を可能にする任意の適切な材料から構成され得る。
【0050】
[0058]図4Bでは、充填材料420は、シーム412の上に配置されたマスター402の第2の部分454に選択的に配置されている。第2の部分454は、マスター402の第1の表面436に配置されている。第2の部分454は、充填材料420がマスター402のいかなるフィーチャー410の上方又は上にも配置されないように、各マスター402の隣接するフィーチャー410の間に配置され得る。第2の部分454は、シーム412に隣接する少なくとも1つのマスター402のフィーチャー410に部分的に配置され得、その結果、充填材料420が、マスター402の少なくとも1つの1又は複数のフィーチャー410の上方又は上に配置される。充填材料420がシーム412の上に配置されている限り、充填材料420は、各マスター402に均等に配置される必要はない。充填材料420は、例えばフィルムを使用すること、又はパターニングすること等によりダムを形成することによって、第2の部分454に選択的に堆積され得る。図4Bの第2の部分454は、図3Bに記載された第1の部分342と同じであり得る。次に、充填材料420が硬化される。
【0051】
[0059]充填材料420が堆積され硬化されると、マスター402の第2の部分454に配置された過剰の充填材料420は、シーム412に配置された充填材料420がマスター402の第1の表面436と同一平面になるように除去される。第2の部分454に配置された過剰な充填材料420は、ブレード、アブレーション、レーザ、化学エッチング、パターニング、又は任意の方法の組み合わせを使用して除去され得る。充填材料420を堆積させる前に、粘着防止材料450の薄層が、マスター402の第1の表面436及びシーム412内の各マスター402の第2の表面456(すなわち、シーム412の側面又は周辺部)に堆積され得る。粘着防止層450は、過剰な充填材料420が第2の部分454から除去されるのと同時に、又は除去された後に除去され得る。粘着防止層450は、過剰な充填材料420が除去された後、マスター402の第1の表面436に再適用され得る。
【0052】
[0060]図4A~4Bの第1の部分452又は第2の部分454からの過剰な充填材料420の除去に続いて、シーム412を充填する充填材料420がマスター402の第1の表面436と同一平面になり、結果として図2Hに示すようなシームレスマスター270が形成される。次に、形成されたシームレスマスター270を使用してスタンプをインプリントすることができ、その結果、図2Hに示すようなシームレススタンプ208が得られる。シームレススタンプ208は、最終製品にシームを残すことなく、大面積基板などの最終製品をインプリントするために使用され得る。
【0053】
[0061]図5A~5Bは、本明細書に開示の実施形態に係る、シームレススタンプを形成する様々な実施形態を示す図である。図5Cは、本明細書に開示の実施形態に係る、形成されたシームレススタンプ500を示すものであり、断面図である。図5A~5Bに示す方法は、シーム及び周辺部の課題に対するマスターレベルの解決策を提供する。図5A~5Bでは、複数のマスター502(2つを示す)が、結合材料504を使用してバッキングプレート506に結合されている。バッキングプレート506は、1又は複数のバッキングプレート506であり得、それぞれが、その上に結合された1又は複数のマスター502を有する。粘着防止層(図示せず)は、その上に配置されたフィーチャー510を有するマスター502の第1の表面536にコーティング又は堆積され得る。バッキングプレート506からマスター502の第1の表面536まで延在するシーム512は、マスター502の各セットの間に配置されている。マスター502のそれぞれは、その上に配置されたフィーチャー510のパターンを有する。マスター502のそれぞれは、図1Dに示すように、その上にフィーチャーの代替パターンを有し得る。
【0054】
[0062]次に、図5Aに示すように、シームブロッキングストリップ562が、マスター502の第1の表面536のシーム512の上に位置づけされている。マスター502の第1の表面536に粘着防止層(図示せず)が堆積される実施形態では、シームブロッキングストリップ562が粘着防止層に堆積される。シームブロッキングストリップ562は、シーム512を覆い、各マスター502の第1の表面536と接触している。シームブロッキングストリップ562は、シーム512の上に配置される前に、事前画定又は予備成形され得る。シームブロッキングストリップ562は、射出成形を使用して形成され得る。シームブロッキングストリップ562は、フィルムを使用することにより又はパターニングすることによりダムを形成することによって、第1の表面536に選択的に位置づけされ得る。シームブロッキングストリップ562は、シーム512の上に選択的に位置づけされ、その結果、シームブロッキングストリップ562は、フィーチャー510を覆わず、シーム512内に配置されない。シームブロッキングストリップ562は、マスター502の第1の表面536と同一平面になるように位置づけされる。
【0055】
[0063]次に、図5Bに示すように、スタンプ材料560は、シームブロッキングストリップ562、マスター502の第1の表面536、及びフィーチャー510の上に堆積される。シームブロッキングストリップ562及びスタンプ材料560は、同じ材料であり得る、又はシームブロッキングストリップ562は、スタンプ材料560とは異なる材料を含み得る。次に、スタンプ材料560が硬化される。スタンプ材料560を硬化させると、図5Cに示すように、シームブロッキングストリップ562を含むシームレススタンプ500が形成される。シームレススタンプ500は、マスター502のネガパターンである。シームブロッキングストリップ562は、シームレススタンプ500がシーム512のネガパターンを有することを防止する。シームブロッキングストリップ562は、シームレススタンプ500の第1の表面564と同一平面上にある。シームレススタンプ500の第1の表面564は、マスター502の第1の表面536のネガパターンである。シームレススタンプ500は、マスター502のフィーチャー510に対応するネガ型フィーチャー526を含む。
【0056】
[0064]スタンプ材料560は、一般に、UV又は熱硬化性である材料などの任意の適切な材料である。一例では、スタンプ材料560は、ポリジメチルシロキサン材料(PDMS)、又は基板にスピンコーティング又は堆積されたPDMSの他のいずれかの変形である。スタンプ材料560は、シリコーン、ナノガラス、フォトポリマー、Ormostamp(登録商標)、又は材料の組み合わせを含み得る。スタンプ材料560は、粘着防止特性を有する材料から構成され得る。
【0057】
[0065]上記の実施形態では、図2A~4Bの充填材料220、320、420及び図2A~5Bの結合材料204、304、404、504は、一般に、UV又は熱硬化性の任意の材料などの任意の適切な材料である。一例では、充填材料220、320、420及び結合材料204、304、404、504はポリマーである。別の例では、充填材料220、320、420及び結合材料204、304、404、504は、低粘度シリコーン等の、幅が約100μmから約500μmの間隙又はシームを充填し得る低粘度の接着剤である。結合材料204、304、404、504は、充填材料220、320、420と同じ材料を含み得る、又は異なる材料を含み得る。結合材料204、304、404、504は、均質な接着剤又は接着剤の混合物を含み得る。一実施形態では、充填材料220、320、420及び結合材料204、304、404は、粘度及び/又は熱膨張係数(CTE)によって区別される。
【0058】
[0066]図2A~5Bのバッキングプレート206、306、406、506は、一般に、ガラス、溶融シリカ、石英、アルミニウム、又はステンレス鋼を含むがこれらに限定されない任意の適切な基板材料である。図2A~5Bのマスター202、302、402、502は、一般に、ガラス、シリコン、又はIII‐V材料を含むがこれらに限定されない任意の適切な基板材料である。マスター202、302、402、502は、約100μm~3000μmの厚さを有し得、マスター202、302、402、502のフィーチャー210、310、410、510は、約100nm~500nmの長さを有する。図4A~4Bの粘着防止層450は、スタンプ形成/インプリントプロセスの前に、図2A~5Bのマスター202、302、402、502の第1の表面236、336、436、536に堆積又は適用され得る。図2A~5Bのマスター202、302、402、502の第1の表面236、336、436、536に堆積又は適用された粘着防止層は、約1オングストロームから約10nmの厚さを有し得る。
【0059】
[0067]フィーチャー210、310、410、510の深さは、それぞれのマスター202、302、402、502によって変化し得る。フィーチャー210、310、410、510は、線形又は湾曲した格子、円形又は楕円形の穴、メッシュなどのいずれかを含み得る。フィーチャー210、310、410、510の格子配置は、立方体に限定されないが、三角形、六角形、ハニカム状などであり得る。例えば、図6Aは、フィーチャー610が互いに整列していない又はオフセットされた列に配置されている、マスター602上のフィーチャー610の格子配置を示している。マスター202、302、402、502のフィーチャー210、310、410、510の断面は、長方形に限定されず、円筒形、ブレーズド、傾斜などであってよい。フィーチャー210、310、410、510の傾斜は、それぞれのマスター202、302、402、502によって変化し得る。
【0060】
[0068]図2A~5Bのマスター202、302、402、502の断面は、長方形に限定されず、円筒形、傾斜などであり得る。図6Bは、通常のマスター602を示す図である。図6Cは、正方形のマスター602を示す図である。図6Dは、台形マスター602を示す図である。図6Eは、円形マスター602を示す図である。図4A~4Bの粘着防止層450などの粘着防止層は、シームレスなスタンプをもたらすスタンプ又はインプリント材料を分配する前に、マスター202、302、402、502の第1の表面236、336、436、536に適用され得る。図6A~6Eは、図2A~5Bのマスター202、302、402、502の第1の表面236、336、436、536などのフィーチャーがその上に配置されたマスター602の表面から見たときのマスター602を示している。
【0061】
[0069]開示の方法及び装置は、100ナノメートル(nm)以上のディスプレイデバイスなどの大面積基板にナノスケールのフィーチャーをパターニングするために有益に使用され、シーム及び周辺部のパターニングの問題が低減又は排除される。例えば、開示の方法及び装置は、シーム及び周辺部でのパターニングの問題が低減又は排除された、100nmのフィーチャー又は50nmのフィーチャーなどのナノフィーチャーを備えたディスプレイデバイスをインプリントするために使用され得る。開示の方法及び装置は、自動車用途、拡張現実又は仮想現実ヘッドセット、スマートウィンドウを含む他の用途向けの他のディスプレイデバイス及び他の光学要素又はフィルムに加えて、液晶ディスプレイ(LCD)、ライトガイドプレート(LGP)、ライトフィールドプレート(LFP)、及びワイヤグリッド偏光子(WGP)をパターニングするのに有用である。
【0062】
[0070]シーム及び周辺部のパターニングの不規則性を低減又は排除することにより、光学デバイスの機能が全体的に改善される。たとえば、LGPでは、シームと周辺部の不規則性を低減又は排除すると、デバイスからの光の損失が低減する。LCDでは、シームと周辺部の不規則性を低減又は排除すると、ディスプレイからの投影画像の品質が向上し、投影されている画像のパターニングされたシームが視聴者の目に入らなくなる。
【0063】
[0071]前述の内容は本開示の実施形態を対象としているが、以下の特許請求の範囲によって決定されるその基本的な範囲から逸脱することなく、本開示の他のさらなる実施形態を考案することが可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E