(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20240418BHJP
【FI】
G03G15/08 221
(21)【出願番号】P 2020154324
(22)【出願日】2020-09-15
【審査請求日】2023-07-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100117215
【氏名又は名称】北島 有二
(72)【発明者】
【氏名】加藤 博秋
(72)【発明者】
【氏名】河▲崎▼ 明博
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋太郎
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-020662(JP,A)
【文献】特開2009-157135(JP,A)
【文献】特開2015-203810(JP,A)
【文献】特開2016-177109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持して、所定の回転方向に回転する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対して下方の位置で当接又は対向して、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向
して、前記回転方向に対して逆方向に回転する第1回転体と、
前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置であって、前記第1回転体に対して前記回転方向の下流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向するとともに、前記第1回転体に当接して、前記回転方向に対して逆方向に回転する第2回転体と、
を備えたことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記現像剤規制部材は、前記現像剤担持体に当接又は対向する位置から前記回転方向の上流側に向けて下方に傾斜する傾斜面を具備したことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
現像剤を担持して、所定の回転方向に回転する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対して下方の位置で当接又は対向して、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、
前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向する第1回転体と、
前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置であって、前記第1回転体に対して前記回転方向の下流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向するとともに、前記第1回転体に当接して、前記回転方向に対して逆方向に回転する第2回転体と、
を備え、
前記現像剤規制部材は、前記現像剤担持体に当接又は対向する位置から前記回転方向の上流側に向けて下方に傾斜する傾斜面を具備し、
前記傾斜面の傾斜角は、前記現像剤に対する安息角よりも小さな角度であることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記第1回転体は、前記回転方向に対して同方向に回転することを特徴とする
請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
前記第1回転体の周速と前記第2回転体の周速とが異なることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれかに記載の現像装置。
【請求項6】
前記第1回転体の周速と前記第2回転体の周速とのうち少なくとも一方の周速を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1~請求項5のいずれかに記載の現像装置。
【請求項7】
前記第1回転体の周速と前記第2回転体の周速とのうち少なくとも一方の周速と、前記現像剤担持体の周速と、が異なることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれかに記載の現像装置。
【請求項8】
前記第1回転体に印加する電圧と、前記第2回転体に印加する電圧と、が異なることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれかに記載の現像装置。
【請求項9】
前記現像剤担持体に印加する電圧と、前記第1回転体に印加する電圧と、前記第2回転体に印加する電圧と、の少なくとも1つの電圧を調整可能に構成したことを特徴とする請求項1~請求項8のいずれかに記載の現像装置。
【請求項10】
前記第1回転体と前記第2回転体とは、それぞれ、前記現像剤担持体に対して下方の位置に設置されたことを特徴とする請求項1~請求項9のいずれかに記載の現像装置。
【請求項11】
画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるプロセスカートリッジであって、
請求項1~請求項10のいずれかに記載の現像装置と、前記現像剤担持体に当接又は対向する像担持体と、を一体的に備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項12】
請求項1~請求項10のいずれかに記載の現像装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現像剤担持体が設置された現像装置と、それを備えたプロセスカートリッジと、画像形成装置と、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置に設置される現像装置において、像担持体(感光体ドラム)に当接又は対向する現像剤担持体(現像ローラ)や、現像剤担持体の表面に担持された現像剤(トナー)の量を規制する現像剤規制部材(規制ブレード)などで構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
詳しくは、特許文献1における現像装置は、感光体ドラム(像担持体)に当接する現像ローラ(現像剤担持体)や、現像ローラの表面に担持されたトナー(現像剤)の量を規制する規制ブレード(現像剤規制部材)や、規制ブレードに対して回転方向上流側の位置で現像ローラに当接する供給ローラ、などで構成されている。
そして、供給ローラによって現像ローラの表面に供給され担持されたトナーが、規制ブレードの位置で、適量に規制される。そして、現像ローラの表面に適量に担持されたトナーの一部が、感光体ドラムとの対向位置で、感光体ドラムの表面に形成された潜像に供給されて、感光体ドラムの表面に所望のトナー像が形成される。
【0004】
一方、特許文献2には、安定した良好な画像を得ることを目的として、静電潜像の階調の変化1段階当たりトナー1粒子を供給する現像方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の技術は、現像剤担持体の表面に担持される現像剤を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができなかった。そのため、画質が変化する不具合や、非画像部が現像剤で汚れてしまう不具合、などが生じてしまっていた。
【0006】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、現像剤担持体の表面に担持される現像剤を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明における現像装置は、現像剤を担持して、所定の回転方向に回転する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して下方の位置で当接又は対向して、前記現像剤担持体の表面に担持された現像剤の量を規制する現像剤規制部材と、前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向して、前記回転方向に対して逆方向に回転する第1回転体と、前記現像剤規制部材に対して前記回転方向の上流側の位置であって、前記第1回転体に対して前記回転方向の下流側の位置で、前記現像剤担持体に当接又は対向するとともに、前記第1回転体に当接して、前記回転方向に対して逆方向に回転する第2回転体と、を備えたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、現像剤担持体の表面に担持される現像剤を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】この発明の実施の形態における画像形成装置を示す全体構成図である。
【
図4】変形例1としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
【
図5】変形例2としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
【
図6】変形例3としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
【
図7】変形例4としての、現像装置の要部に示す拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図中、同一又は相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0011】
まず、
図1にて、画像形成装置1における全体の構成・動作について説明する。
本実施の形態における画像形成装置1は、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKが中間転写ベルト40に対向するように並設されたタンデム型のカラー画像形成装置である。また、複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21に対向するように現像装置26(
図2参照)が設置されている。
【0012】
図1において、1は画像形成装置としてのカラー複写機の装置本体、2は原稿を原稿読込部3に搬送する原稿搬送部、3は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、4は入力画像情報に基づいたレーザ光L(
図2参照)を発する書込み部(露光部)、を示す。
また、20Y、20M、20C、20BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応したプロセスカートリッジ、40は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、を示す。
また、61は用紙等のシートPが収納される給紙装置、65は中間転写ベルト40上に形成されたトナー像をシートPに転写する2次転写ローラ、66はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、70は複数のプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKに対応した各現像装置26に各色のトナーを補給するためのトナー容器、を示す。
【0013】
ここで、
図2を参照して、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、それぞれ、像担持体としての感光体ドラム21、帯電装置22、クリーニング装置23、が一体化されたものである。そして、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKは、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。
また、各現像装置26は、各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21にそれぞれ対向するように設置されている。そして、現像装置26は、寿命に達したときに画像形成装置本体1に対して交換される。なお、画像形成装置本体1に対する現像装置26の着脱操作と、画像形成装置本体1に対するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの着脱操作と、はそれぞれ別々に独立しておこなうことができる。
各プロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKにおける感光体ドラム21(像担持体)上では、それぞれ、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される。
【0014】
以下、画像形成装置における、通常のカラー画像形成時の動作について説明する。
まず、原稿は、原稿搬送部2の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部3のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部3で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
そして、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像情報は、書込み部4に送信される。そして、書込み部4からは、各色の画像情報に基づいたレーザ光L(露光光)が、それぞれ、対応するプロセスカートリッジ20Y、20M、20C、20BKの感光体ドラム21(
図2参照)の表面に向けて照射される。
【0015】
一方、4つの感光体ドラム21は、それぞれ、
図1、
図2の時計方向に回転している。そして、まず、感光体ドラム21の表面は、帯電装置22(帯電ローラ)との対向位置で、一様に帯電される(帯電工程である。)。こうして、感光体ドラム21上には、帯電電位が形成される。その後、帯電された感光体ドラム21の表面は、それぞれの書込み部4によるレーザ光Lの照射位置に達して、その位置で画像情報に基づいた静電潜像が形成される(露光工程である。)。
【0016】
イエロー成分に対応したレーザ光は、紙面左側から1番目のプロセスカートリッジ20Yの感光体ドラム21の表面に照射される。このとき、イエロー成分のレーザ光は、高速回転するポリゴンミラーにより、感光体ドラム21の回転軸方向(主走査方向)に走査される。こうして、帯電装置22にて帯電された後の感光体ドラム21上には、イエロー成分に対応した静電潜像が形成される。
同様に、シアン成分のレーザ光は、紙面左から2番目のプロセスカートリッジ20Cの感光体ドラム21の表面に照射されて、シアン成分の静電潜像が形成される。マゼンタ成分に対応したレーザ光は、紙面左から3番目のプロセスカートリッジ20Mの感光体ドラム21の表面に照射されて、マゼンタ成分に対応した静電潜像が形成される。ブラック成分のレーザ光は、紙面左から4番目のプロセスカートリッジ20BKの感光体ドラム21の表面に照射されて、ブラック成分の静電潜像が形成される。
【0017】
その後、各色の静電潜像が形成された感光体ドラム21の表面は、それぞれ、現像装置26との対向位置に達する。そして、各現像装置26から感光体ドラム21上に各色のトナーが供給されて、感光体ドラム21上の潜像が現像される(現像工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、中間転写ベルト40との対向位置に達する。ここで、それぞれの対向位置には、中間転写ベルト40の内周面に当接するように1次転写ローラ24が設置されている。そして、1次転写ローラ24の位置で、中間転写ベルト40上に、感光体ドラム21上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
【0018】
そして、1次転写工程後の感光体ドラム21の表面は、それぞれ、クリーニング装置23との対向位置に達する。そして、クリーニング装置23で、感光体ドラム21上に残存する未転写トナーが回収される(クリーニング工程である。)。
その後、感光体ドラム21の表面は、除電装置の位置で残留電位が除電されて、感光体ドラム21における一連の作像プロセスが終了する。
【0019】
他方、感光体ドラム21上の各色の画像が重ねて転写された中間転写ベルト40の表面は、図中の矢印方向に走行して、2次転写ローラ65の位置に達する。そして、2次転写ローラ65の位置で、シートP上に中間転写ベルト40上のフルカラーの画像が2次転写される(2次転写工程である。)。
その後、中間転写ベルト40の表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト40上の未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト40上の一連の転写プロセスが完了する。
【0020】
ここで、2次転写ローラ65の位置に搬送されるシートPは、給紙装置61からレジストローラ64等を経由して搬送されるものである。
詳しくは、シートPを収納する給紙装置61から、給紙ローラ62により給送されたシートPが、搬送路を通過した後に、レジストローラ64の位置に導かれる。レジストローラ64の位置に達したシートPは、中間転写ベルト40上のトナー像とタイミングを合わせて、2次転写ローラ65の位置に向けて搬送される。
【0021】
その後、フルカラー画像が転写されたシートPは、定着装置20の位置に導かれる。そして、定着装置20において、定着ローラと加圧ローラとのニップにて、カラー画像がシートP上に定着される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラ69によって装置本体1外に出力画像として排出された後に、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセスが完了する。
【0022】
次に、
図2にて、画像形成装置の作像部について詳述する。
なお、画像形成装置本体1に設置される4つの作像部は、作像プロセスに用いられるトナーの色が異なる以外はほぼ同一構造であるので、プロセスカートリッジや現像装置などの構成部材における符号のアルファベット(Y、M、C、BK)を除して図示する。
【0023】
図2に示すように、プロセスカートリッジ20は、主として、像担持体としての感光体ドラム21と、帯電装置22と、クリーニング装置23と、がケースに一体的に収納されている。
感光体ドラム21は、負帯電性の有機感光体であって、ドラム状導電性支持体上に感光層等を設けたものである。
帯電装置22は、導電性芯金の外周に中抵抗の弾性層を被覆してなる帯電ローラである。そして、この帯電装置22(帯電ローラ)に電源部から所定の電圧が印加されて、これにより対向する感光体ドラム21の表面を一様に帯電する。
クリーニング装置23には、感光体ドラム21に当接するクリーニングブレード25a及びクリーニングローラ25bが設置されている。クリーニングブレード25aは、ウレタンゴム等のゴム材料からなり、感光体ドラム21表面に所定角度かつ所定圧力で当接している。クリーニングローラ25bは、芯金上にブラシ毛が周設されたブラシローラである。
【0024】
図2に示すように、現像装置26は、主として、現像剤担持体としての現像ローラ26aが感光体ドラム21に対して所定の圧接力で接触するように配置されていて、現像ローラ26aと感光体ドラム21との間(現像ニップ)には現像領域が形成される。現像装置26内には、現像剤としてのトナーT(非磁性又は磁性の1成分現像剤である。)が収容されている。そして、現像装置26は、感光体ドラム21上に形成される静電潜像を現像する(トナー像を形成する。)。
【0025】
以下、本実施の形態において特徴的な、現像装置26の構成・動作について詳しく説明する。
図2を参照して、本実施の形態における現像装置26は、接触1成分現像方式の現像装置であって、プロセスカートリッジ20とは別に、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置される。
図2、
図3に示すように、現像装置26は、現像剤担持体としての現像ローラ26a、現像剤規制部材としてのドクターブレード26b、第1回転体としての第1供給ローラ26c、第2回転体としての第2供給ローラ26d、等で構成されている。
【0026】
現像剤担持体としての現像ローラ26aは、その表面に現像剤としてのトナーTを担持して、所定方向(
図2の反時計方向である。)に回転して感光体ドラム21上に形成された静電潜像にトナーTを供給する。本実施の形態において、現像ローラ26a(現像剤担持体)は、感光体ドラム21に当接するように配設されている。
現像ローラ26aとしては、ステンレス鋼等の導電性金属材料で形成された回転軸部(芯金)上に、導電性を有する弾性材料からなるローラ部を具備したものを用いることができる。
【0027】
ドクターブレード26bは、現像ローラ26a(現像剤担持体)に担持されたトナーT(現像剤)の量を規制する現像剤規制部材として機能するものである。本実施の形態において、ドクターブレード26b(現像剤規制部材)は、現像ローラ26a(現像剤担持体)に対して下方の位置で10~100N/m程度の圧力にて当接している。ドクターブレード26bとしては、ステンレス鋼等の金属材料からなる薄い板状部材を用いることができる。
このように、ドクターブレード26bを、現像ローラ26aの上方ではなく、現像ローラ26aの下方に配置することで、ドクターブレード26bの上流側の領域Mにおいて、現像ローラ26a上に担持されたトナーTの自重落下が促進される。すなわち、ドクターブレード26bの上流側の領域Mが、現像剤落下促進部として機能することになる。
なお、本実施の形態では、ドクターブレード26bとして曲げ加工が施されたL字状の板状部材を用いて、2つの平面部のうち一方の平面部を現像ローラ26aに当接するように構成した。これに対して、ドクターブレード26bとして平板状の板状部材を用いて、弓状に弾性変形させて現像ローラ26aに当接するように構成することもできる。
【0028】
第1回転体としての第1供給ローラ26cは、ドクターブレード26b(現像剤規制部材)に対して回転方向(現像ローラ26aの回転方向である。)の上流側の位置で、現像ローラ26aに当接するローラ部材である。
第2回転体としての第2供給ローラ26dは、ドクターブレード26b(現像剤規制部材)に対して回転方向の上流側の位置であって、第1供給ローラ26c(第1回転体)に対して回転方向の下流側の位置で、現像ローラ26aに当接するローラ部材である。また、第2供給ローラ26dは、第1供給ローラ26cに当接して、現像ローラ26aの回転方向に対して逆方向(
図2の時計方向であって、連れ回り方向である。)に回転する。
すなわち、現像ローラ26aの回転方向に沿って、上流側から、第1供給ローラ26c、第2供給ローラ26d、ドクターブレード26bが配置されている。
【0029】
これらの2つの供給ローラ(第1供給ローラ26cと第2供給ローラ26dとである。)は、現像ローラ26aの表面にトナーTを供給するための部材である。そして、本実施の形態では、1つの供給ローラによって現像ローラ26aにトナーTを供給するのではなくて、上流側と下流側とで互いに当接する2つの供給ローラ26c、26dを用いて現像ローラ26aにトナーTを供給しているため、現像ローラ26aの表面に担持されるトナー量(トナー層)が段階的に抑制されながら薄層化されることになる。すなわち、1つの供給ローラによって現像ローラ26aにトナーTを供給する場合に比べて、ドクターブレード26bの位置に達する現像ローラ26a上のトナー量(トナー層)を薄層化することができる。
【0030】
なお、第1、第2供給ローラ26c、26dは、配置される位置が異なる点を除き、ほぼ同様に構成されている。第1、第2供給ローラ26c、26dとしては、芯金上に、導電性を有する発泡ポリウレタン層(電気抵抗値が10
3~10
14Ω程度のものである。)が積層されたものを用いることができる。
また、図示は省略するが、現像ローラ26a、第1供給ローラ26c、第2供給ローラ26dの各軸部にはギアが設置されていて、アイドラギアをも含めたギア列が形成されている。そして、これらのギア列に駆動モータ91(駆動手段)から駆動力が入力されて、現像ローラ26a、第1供給ローラ26c、第2供給ローラ26dがそれぞれ
図2の矢印方向に回転駆動される。
【0031】
このように構成された現像装置26は、通常の現像工程時において、次のように動作する。
まず、現像装置26内に収容されたトナーTは、その一部が第1、第2供給ローラ26c、26dによって現像ローラ26aに供給される。このとき、現像ローラ26a上に担持されるトナーTは、第1、第2供給ローラ26c、26dとの当接部N1、N2で薄層化・均一化・摩擦帯電されることになる。その後、現像ローラ26a上に担持されたトナーは、ドクターブレード26bとの当接部N3で、さらに薄層化・均一化・摩擦帯電されて、感光体ドラム21との対向位置(現像領域)に達する。そして、この位置で、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム21上に形成された静電潜像にトナーが吸着される。こうして、感光体ドラム21上に所望のトナー像が形成されることになる。
なお、本実施の形態における現像装置26において、現像装置26内においてトナーが凝集しないように撹拌するための撹拌部材を設けることもできる。
【0032】
ここで、現像ローラ26aや第1、第2供給ローラ26c、26dやドクターブレード26bには、現像電源90(電源部)から所定の電圧が印加されていて、現像ローラ26a上におけるトナーの静電的な移動が促進されている。なお、本実施の形態では、現像ローラ26aに対して、現像領域において現像ローラ26aと感光体ドラム21との間でトナーが往復運動するように、交番電圧(AC周波数が500~1000Hz程度、ピーク・ツー・ピーク電圧が500~3000V程度、印加時間デューティが30~70%程度の矩形波である。)を印加している。
なお、本実施の形態では、現像ローラ26aに交番電圧を印加するように構成したが、現像ローラ26aに-100~-500V程度の直流電圧を印加するように構成することもできる。
また、第1、第2供給ローラ26c、26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量を適正化するために、第1、第2供給ローラ26c、26dに印加する電圧と、現像ローラ26aに印加する電圧と、に電圧差を設けることもできる。
【0033】
このように、本実施の形態では、2つの供給ローラ26c、26dによって現像ローラ26aにトナーを供給するとともに、ドクターブレード26bを現像ローラ26aの下方に配置している。そのため、現像ローラ26aの表面に担持されるトナーT(ドクターブレード26bとの当接部N3を通過後の現像領域におけるトナーTである。)を、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。したがって、画質が変化する不具合や、非画像部が現像剤で汚れてしまう不具合、などが生じにくくなる。
【0034】
以下、上述した本発明の効果に関連して、補足的に説明する。
一般的に、電子写真方式の1成分現像方式の現像装置で用いられるトナー(トナー粒子)は、幅広い粒径分布を持っている。そのため、従来から、均一なドットのトナー像を形成することが難しく、高画質の画像を形成するための課題となっていた。
また、幅広いトナー粒径分布により、トナーの帯電分布も幅広くなって、逆極性トナーが存在してしまう。そのため、従来から、感光体ドラム21上の非画像部(本来、トナーの付着を予定していない領域である。)にトナーが付着してしまう不具合(非画像部の画像汚れ)が生じてしまっていた。
また、トナーの経時劣化(トナーの割れや外添剤の遊離・埋没などによるものである。)や粒径選別による粒径変化によっても、現像ローラ上のトナーの薄層が変化して画質変化や非画像部の画像汚れが発生していた。
これらの不具合を解消するため、現像ローラ上に担持するトナーを、充分に薄く安定した層厚のものに規制することが重要になる。
特に、カラー画像を形成する場合には、モノクロ画像を形成する場合に比べて、複数色のトナーを重ねて画像を形成するため、画質面はもちろんのこと、コスト面からも、各色について現像ローラ上のトナー層の薄層化、安定化が必要になる。
また、クリーニング装置を設置しないクリーナレス方式の作像部を採用する場合には、逆極性トナーの発生を抑えることが画質向上のポイントとなるため、現像ローラ上のトナー層の薄層化、安定化が必要になる。
【0035】
これに対して、本実施の形態における現像装置26は、2つの供給ローラ26c、26dによって現像ローラ26aにトナーを供給するとともに、ドクターブレード26bを現像ローラ26aの下方に配置しているため、現像ローラ26a上のトナー層の薄層化、安定化が充分に可能になる。
詳しくは、現像ローラ26aが第1供給ローラ26cとの当接部N1を通過することで、現像ローラ26aの表面にトナー粒子2層分以上の薄層が形成される。その後、現像ローラ26aが第2供給ローラ26dとの当接部N2を通過することで、トナー薄層化がさらに進められて、現像ローラ26aの表面にトナー粒子2層分を下回る程度の薄層が形成される。その後、現像ローラ26aがドクターブレード26bの位置に達するまでに、先に説明した現像剤落下促進部Mによって現像ローラ26a上のトナーの一部が自重落下して、現像ローラ26aの表面にトナー粒子1.5層分程度の薄層が形成される。そして、最後に、現像ローラ26aがドクターブレード26bとの当接部N3を通過することで、トナー薄層化がさらに進められて、現像ローラ26aの表面にトナー粒子1層分程度の薄層(単層、又は、それに近い層厚のトナー層である。)が形成される。
これにより、トナー粒子径が揃って、逆帯電がなく均一に帯電されたトナーによって現像工程がおこなわれることになる。そのため、上述したような従来の不具合が軽減されることになる。
【0036】
ここで、
図3等に示すように、本実施の形態において、第1供給ローラ26c(第1回転体)と第2供給ローラ26d(第2回転体)とは、それぞれ、現像ローラ26a(現像剤担持体)に対して下方の位置に設置されている。
このように構成することにより、ドクターブレード26bと第2供給ローラ26dとの間のスペースが広くなり過ぎることなく、充分な広さの現像剤落下促進部Mを確保して、上述した現像剤落下促進部Mによる効果を効率的に発揮させることができる。
【0037】
また、
図3等に示すように、本実施の形態において、第1供給ローラ26c(第1回転体)は、現像ローラ26a(回転方向)に対して逆方向(
図3の時計方向であって、第2供給ローラ26dの回転方向に対して同方向である。)に回転するように設定している。
このように構成することにより、第1供給ローラ26cと第2供給ローラ26dとの当接部Rで、第2供給ローラ26dに対して第1供給ローラ26cがカウンタ方向に摺接することになる。そのため、その当接部Rで、第2供給ローラ26dに担持されたトナーTが第1供給ローラ26cによってそぎ落とされやすくなり、第2供給ローラ26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量が安定することになる。
【0038】
ここで、本実施の形態において、第1供給ローラ26c(第1回転体)の周速と、第2供給ローラ26d(第2回転体)の周速と、が異なるように構成することができる。すなわち、第1供給ローラ26cと第2供給ローラ26dとの当接部Rにおいて周速差を設けることができる。
これにより、第1供給ローラ26cによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第2供給ローラ26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第1供給ローラ26cによる第2供給ローラ26d上のトナーそぎ落とし量を、最適化することが可能になる。
【0039】
また、第1供給ローラ26c(第1回転体)の周速と第2供給ローラ26d(第2回転体)の周速とのうち少なくとも一方の周速と、現像ローラ26a(現像剤担持体)の周速と、が異なるように構成することもできる。
このような場合にも、第1供給ローラ26cによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第2供給ローラ26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第1供給ローラ26cによる第2供給ローラ26d上のトナーそぎ落とし量を、最適化することが可能になる。
【0040】
特に、第1供給ローラ26c(第1回転体)の周速と、第2供給ローラ26d(第2回転体)の周速と、のうち少なくとも一方の周速を調整可能に構成することもできる。
そのように構成した場合には、環境変化や経時変化などに応じて、第1供給ローラ26cによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第2供給ローラ26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第1供給ローラ26cによる第2供給ローラ26d上のトナーそぎ落とし量を、調整することが可能になる。
なお、このように構成する場合には、上述した駆動モータ91とは別に、周速を調整可能な駆動モータを設置することになる。
【0041】
ここで、本実施の形態において、現像装置26内に収容されるトナーT(現像剤)として、粒径分布において粒径が10%径以下のトナーと90%径以上のトナーとが占める割合が、全体の10%以内となるように設定されている。
このようなトナーTを用いることで、上述した本発明の効果(現像ローラ26a上のトナー層が薄層化、安定化する効果である。)が効率的に発揮されることになる。
【0042】
また、本実施の形態において、書込み部4(
図1、
図2参照)は、感光体ドラム21の表面に単一階調の1ドットの静電潜像を形成するように設定されている。
このように構成することにより、現像ローラ26a上の薄層化、安定化されたトナー層を有効に用いて、高画質のトナー像を形成することができる。すなわち、感光体ドラム21の表面の単一階調の1ドットの静電潜像に対応して、高画質なトナー像を形成することができる。
【0043】
<変形例1>
図4に示すように、変形例1における現像装置26は、第1回転体としての第1供給ローラ26cが、現像ローラ26aの回転方向に対して同方向(
図4の反時計方向である。)に回転するように構成している。
すなわち、変形例1では、現像ローラ26aと第1供給ローラ26cとの当接部N1で、現像ローラ26aに対して第1供給ローラ26cがカウンタ方向に摺接することになる。
このように構成することで、その当接部N1で現像ローラ26aに担持されたトナーTが第1供給ローラ26cによってそぎ落とされやすくなり、第1、第2供給ローラ26c、26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量が安定することになる。
【0044】
<変形例2>
図5に示すように、変形例2における現像装置26は、第1回転体としての第1供給ローラ26cが、現像ローラ26a(現像剤担持体)に対して、微小な隙間をあけて対向するように配置されている。
特に、
図5(A)のものは、第1供給ローラ26cが現像ローラ26aの回転方向に対して逆方向に回転するように構成され、
図5(B)のものは、第1供給ローラ26cが現像ローラ26aの回転方向に対して同方向に回転するように構成されている。
このように、現像ローラ26aに対して第1供給ローラ26cを非接触で対向させることにより、第1、第2供給ローラ26c、26dをそれぞれ所望の電位に設定しやすくなる。したがって、第1供給ローラ26cに印加する電圧と、第2供給ローラ26dに印加する電圧と、が異なるように設定したい場合(特に、現像ローラ26aの印加電圧と、第1供給ローラ26cの印加電圧と、が異なる場合である。)に有用である。そして、第1供給ローラ26cの印加電圧と、第2供給ローラ26dの印加電圧と、を異ならせることで、第1供給ローラ26cによる第2供給ローラ26dへのトナー供給量を調整して、第1、第2供給ローラ26c、26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量を静電気的に適正化することが容易になる。
特に、現像ローラ26aに印加する電圧と、第1供給ローラ26cに印加する電圧と、第2供給ローラ26dに印加する電圧と、の少なくとも1つの電圧を調整可能に構成することもできる。このような場合には、環境変化や経時変化などに応じて、第1供給ローラ26cによる現像ローラ26aへのトナー供給量や、第2供給ローラ26dによる第1供給ローラ26cへのトナー供給量などを、静電気的に調整することが可能になる。なお、このように構成する場合には、上述した現像電源90とは別に、印加電圧を調整可能な電源を設置することになる。
【0045】
<変形例3>
図6に示すように、変形例3における現像装置26は、変形例2のものとは異なり、第2回転体としての第2供給ローラ26dが、現像ローラ26a(現像剤担持体)に対して、微小な隙間をあけて対向するように配置されている。
特に、
図6(A)のものは、第1供給ローラ26cが現像ローラ26aの回転方向に対して逆方向に回転するように構成され、
図6(B)のものは、第1供給ローラ26cが現像ローラ26aの回転方向に対して同方向に回転するように構成されている。
このように、現像ローラ26aに対して第2供給ローラ26dを非接触で対向させることにより、第1、第2供給ローラ26c、26dをそれぞれ所望の電位に設定しやすくなる。したがって、第1供給ローラ26cに印加する電圧と、第2供給ローラ26dに印加する電圧と、が異なるように設定したい場合(特に、現像ローラ26aの印加電圧と、第2供給ローラ26dの印加電圧と、が異なる場合である。)に有用である。そして、第1供給ローラ26cの印加電圧と、第2供給ローラ26dの印加電圧と、を異ならせることで、第1、第2供給ローラ26c、26dによる現像ローラ26aへのトナー供給量を静電気的に適正化することが容易になる。
【0046】
<変形例4>
図7に示すように、変形例4における現像装置26は、ドクターブレード26b(現像剤規制部材)に、現像ローラ26aに当接する位置N3から回転方向の上流側に向けて下方に傾斜する傾斜面26b1が設けられている。
このように構成することで、現像剤落下促進部Mにて現像ローラ26aから離脱したトナーTが現像装置26の内部に戻りやすくなる。そのため、現像ローラ26aから離脱したトナーTが現像装置26の内部で滞留してしまう不具合を軽減することができる。
なお、ドクターブレード26bの傾斜面26b1の傾斜角θ(傾斜面26b1が、当接部N3の最上流側端部を通る垂線と、上流側になす角である。)は、トナーTに対する安息角よりも小さな角度に設定されている。これにより、現像ローラ26aから離脱して傾斜面26b1上に落下したトナーTは、傾斜面26b1を滑落することになり、傾斜面26b1上にトナーTが堆積してしまう不具合が防止される。
具体的に、変形例4において、傾斜面26b1の傾斜角θは45度以下(好ましくは、30度以下)に設定されている。
このとき、ドクターブレード26bと第2供給ローラ26dとの間にトナーTが第2供給ローラ26dの側に移動するように、所望の電圧差を設けることができる。これにより、傾斜面26b1へのトナーTの体積をより抑制することができる。
さらに、ドクターブレード26bと現像ローラ26aとの間の電圧差を、現像ローラ26aと他の部材(第1、第2供給ローラ26c、26d)との電位差よりも大きく設定することで、現像ローラ26aに対してトナーTの移動をさらに促進することができる。
【0047】
以上説明したように、本実施の形態における現像装置26は、トナーT(現像剤)を担持して所定の回転方向に回転する現像ローラ26a(現像剤担持体)と、現像ローラ26aに対して下方の位置で当接(又は対向)して現像ローラ26aの表面に担持されたトナーTの量を規制するドクターブレード26b(現像剤規制部材)と、が設けられている。また、ドクターブレード26bに対して回転方向上流側の位置で、現像ローラ26aに当接(又は対向)する第1供給ローラ26c(第1回転体)が設置されている。さらに、ドクターブレード26bに対して回転方向上流側の位置であって、第1供給ローラ26cに対して回転方向下流側の位置で、現像ローラ26aに当接(又は対向)するとともに、第1供給ローラ26cに当接して、現像ローラ26aの回転方向に対して逆方向に回転する第2供給ローラ26d(第2回転体)が設置されている。
これにより、現像ローラ26aの表面に担持されるトナーTを、充分に薄く安定した層厚のものに規制することができる。
【0048】
なお、本実施の形態では、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材とせずに、画像形成装置本体1に対して単独で着脱できるユニットとした。これに対して、現像装置26をプロセスカートリッジ20の構成部材の1つとして、画像形成装置本体1に対してプロセスカートリッジとして一体的に着脱されるように構成することもできる。
そして、このような場合にも、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に構成されたユニットと定義する。
【0049】
また、本実施の形態では、感光体ドラム21に対して現像ローラ26aが当接するように構成された接触1成分現像方式の現像装置26に対して、本発明を適用した。これに対して、感光体ドラム21に対して現像ローラ26aが微小な隙間をあけて対向するように構成された非接触1成分現像方式の現像装置に対しても、本発明を適用することができる。
また、本実施の形態では、トナー(外添剤等も含む。)のみからなる1成分現像剤を用いた現像装置26に対して、本発明を適用した。これに対して、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤を用いた現像装置26であって、現像剤担持体に対して現像剤規制部材が隙間をあけて対向するように配置されたものに対しても、本発明を適用することができる。さらには、トナー以外の粒子を現像剤として用いた現像装置に対しても、本発明を適用することができる。ただし、本実施の形態のように、現像剤としてトナー(1成分現像剤)を用いた現像装置26では、現像ローラ26aの表面のトナー層を充分かつ安定的に薄層化することが、画質の向上に大きく寄与するため、本発明の構成が特に有用になる。
そして、それらのような場合にも、本実施の形態のものとほぼ同様の効果を得ることができる。
【0050】
なお、本発明が本実施の形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、各実施の形態の中で示唆した以外にも、各実施の形態は適宜変更され得ることは明らかである。また、前記構成部材の数、位置、形状等は本実施の形態に限定されず、本発明を実施する上で好適な数、位置、形状等にすることができる。
【0051】
なお、本願明細書等において、「現像剤担持体の下方」とは、現像剤担持体の回転中心を通る水平線よりも下方を意味するものと定義する。
また、本願明細書等において、「当接又は対向」の「対向」とは、非接触で対向することを意味するものと定義する。
【符号の説明】
【0052】
1 画像形成装置(画像形成装置本体)、
20、20Y、20M、20C、20BK プロセスカートリッジ、
21 感光体ドラム(像担持体)、
26 現像装置、
26a 現像ローラ(現像剤担持体)、
26b ドクターブレード(現像剤規制部材)、
26b1 傾斜面、
26c 第1供給ローラ(第1回転体)、
26d 第2供給ローラ(第2回転体)、
T トナー(現像剤)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【文献】特開2000-305343号公報
【文献】特開平10-55080号公報