特許7474427IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

海域施肥材、同海域施肥材の製造方法及び設置方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

しかしながら、従来の生育促進施肥材は、その構成材料が専ら無機肥料であったため持続性に欠けるものであった。その一方で、有機肥料は持続性に優れ、長期的な施肥効果を期待することが可能である。中でも、鶏糞を主原料としつつ十分に腐熟させることで所謂普通肥料として認められるに至った有機肥料は、特殊肥料の如き熟成度合いのやや低い有機肥料に比して周辺海域への環境的な負荷も更に少なく、有用な施肥材料の一つであると言える。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

従来の課題を解決するために、本発明に係る海域施肥材では、(1)12重量部の発酵鶏糞と、2~6重量部の粒状鉄と、1~4重量部の酸化マグネシウムと、後記海域施肥材の水分含量が45~60重量%となる量の水とを含む混合材料(ただし、同混合材料の全体を固化できる量のセメントが含まれたものを除く。)の圧縮成形体よりなり、海水にN/P=10~30、Fe/P=0.001~0.1の割合で溶出可能に構成した・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明に係る海域施肥材によれば、12重量部の発酵鶏糞と、2~6重量部の粒状鉄と、1~4重量部の酸化マグネシウムと、後記海域施肥材の水分含量が45~60重量%となる量の水とを含む混合材料(ただし、同混合材料の全体を固化できる量のセメントが含まれたものを除く。)の圧縮成形体よりなり、海水にN/P=10~30、Fe/P=0.001~0.1の割合で溶出可能に構成したため、持続性に優れた有機肥料であって鶏糞由来のものを主要な構成材料としつつ、植食性二枚貝の餌となる藻類の生育に適した栄養成分の溶出を実現でき、更には二枚貝の成長と生残を効果的に上げることが可能な海域施肥材とすることができる。

また、前記酸化マグネシウムは、前記発酵鶏糞由来のリンの溶出の調整を目的として添加すれば、リンの豊富な鶏糞を原料の一つとしながらも、過剰なリンの溶出を抑制し、藻類の生育に適した栄養成分の溶出比を実現することができる。

また、高さ10~30cm、幅15~30cmの柱状とすれば、海域施肥材に更なる徐放性を付与することができ、持続性により優れた海域施肥材とすることができる。

また、前記発酵鶏糞は、鶏糞と同鶏糞よりも水分含量が低い水分調整材との混合物に対し鶏糞発酵微生物発酵液を添加して水分含量を60±5%に調整した被発酵混合物を調製する工程と、得られた被発酵混合物を堆積させて発酵を助長する工程と、被発酵混合物の温度が70℃以上となった際に、80℃に達する前に切り返しを行い、再び被発酵混合物を堆積させる切り返し工程と、水分含量が35%以下となり、且つ、温度が45℃以上に昇温しなくなるまで前記切り返し工程を繰り返す繰返工程と、繰返工程を経た被発酵混合物を、必要に応じ更なる追加発酵工程に供した上で発酵鶏糞とする発酵鶏糞生成工程と、を経て製造したものであることとすれば、十分に腐熟した発酵鶏糞とすることができ、不完全な発酵に由来する海洋への環境負荷を可及的に抑制することができる。

また、前記鶏糞発酵微生物発酵液は、0.6重量部の乾燥ステビア茎粉末と、0.6重量部の米ぬか粉末と、0.6重量部の乾燥おから粉末と、耐塩性酵母を少なくとも含有する11~13重量部の汽水と、を混合した混合液を所定時間静置する静置工程と、前記静置工程を経た混合液を所定の容器に収容し、収容された混合液に同混合液の収容形状の外表面上のいずれの位置からも10cm以上であり、且つ、外表面上の少なくともいずれかの位置から17cm以下となる弱殺菌領域を形成する容器収容工程と、前記容器収容工程を経て混合液を収容した所定の容器を加熱空間内に配置し、同加熱空間を常温常圧の状態から約2.5気圧で150~160℃の状態にまで45~60分掛けて昇温し、約2.5気圧で150~160℃の状態を1~3分間維持し、その後加熱空間を約2気圧で115~125℃の状態にまで3~5分間掛けて降温設定し、約2気圧で115~125℃の状態を20~40分間維持し、更に加熱空間を常温常圧の状態にまで24~30時間掛けて降温させて、前記混合液中に加熱選抜された微生物を残存させる微生物選抜工程と、少なくとも微生物が液相に移行可能な手段により前記微生物選抜工程を経た混合液を固液分離して微生物含有液を得る固液分離工程と、得られた微生物含有液に糖源を添加して常温常圧で所定時間発酵し、微生物含有液のpHを4.5以下で、且つ、酸化還元電位を-100mV以下とする第1の発酵工程と、第1の発酵工程を経た微生物含有液にステビア茎の熟成液を添加してpHが3.1以下となるまで発酵させて不良発酵防止剤とする第2の発酵工程と、を経て得られた発酵液であることとすれば、鶏糞の発酵をより堅実に行うことができる。

また、本発明に係る海域施肥材の製造方法によれば、12重量部の発酵鶏糞と、2~6重量部の粒状鉄と、1~4重量部の酸化マグネシウムと、後記海域施肥材の水分含量が45~60重量%となる量の水との混合材料(ただし、同混合材料の全体を固化できる量のセメントが含まれたものを除く。)を圧縮成形し海水にN/P=10~30、Fe/P=0.001~0.1の割合で溶出可能としたため、持続性に優れた有機肥料であって鶏糞由来のものを主要な構成材料としつつ、植食性二枚貝の餌となる藻類の生育に適した栄養成分の溶出を実現でき、更には二枚貝の成長と生残を効果的に上げることができる海域施肥材を製造することができる。

また、前記酸化マグネシウムは、前記発酵鶏糞由来のリンの溶出を調整するために添加していることとすれば、リンの豊富な鶏糞を原料の一つとしながらも、過剰なリンの溶出を抑制し、藻類の生育に適した栄養成分の溶出比を実現することができる。

また、本発明に係る海域施肥材の設置方法によれば、上述の海域施肥材又は海域施肥材の製造方法にて製造された海域施肥材の設置方法であって、海域施肥材の高さと同程度の穴を干潟に形成して設置する工程と、形成した穴に海域施肥材を配置したのち、同海域施肥材の上部をわずかの砂で被覆する工程と、を有することとしたため、海域施肥材の設置が容易でありながら、持続性に優れた有機肥料であって鶏糞由来のものを主要な構成材料としつつ、植食性二枚貝の餌となる藻類の生育に適した栄養成分の溶出を実現可能な海域施肥材としての効果を良好に発揮させることができる。

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 粒状鉄の使用量を変化させた場合の溶出比(Fe/P)の違いを示した説明図である。
【図2】 酸化マグネシウムの使用量を変化させた場合の各成分の溶出状況の違いを示した説明図である。
【図3】 フィールド試験の結果を示す説明図である。

代表図 図1本件の代表的な図

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