(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-17
(45)【発行日】2024-04-25
(54)【発明の名称】内側供給フィンガを有する高出力トランジスタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/338 20060101AFI20240418BHJP
H01L 29/812 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/778 20060101ALI20240418BHJP
H01L 21/768 20060101ALI20240418BHJP
H01L 23/522 20060101ALI20240418BHJP
H01L 21/3205 20060101ALI20240418BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/78 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/41 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/423 20060101ALI20240418BHJP
H01L 29/49 20060101ALI20240418BHJP
【FI】
H01L29/80 F
H01L29/80 H
H01L21/90 B
H01L21/88 S
H01L29/78 301X
H01L29/44 Y
H01L29/44 P
H01L29/50 M
H01L29/58 G
H01L29/58 Z
H01L29/50 J
(21)【出願番号】P 2021562816
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2020029442
(87)【国際公開番号】W WO2020219624
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-12-02
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トラン、フランク
(72)【発明者】
【氏名】モクティー、ズラーズミ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ヘドン
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-023074(JP,A)
【文献】国際公開第2012/176399(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0047822(US,A1)
【文献】特表2011-524079(JP,A)
【文献】特開2001-085513(JP,A)
【文献】特開平04-125941(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/338
H01L 21/768
H01L 21/3205
H01L 21/336
H01L 29/41
H01L 29/417
H01L 29/423
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体構造上に延在するゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガであって、各々が、第1の方向に延在する各軸を有し、
前記ゲート・フィンガに結合されているゲート・ボンド・パッドと、
前記ドレイン・フィンガに結合されているドレイン・ボンド・パッドと、
前記ゲート・フィンガに結合されているゲート相互接続部であって、前記ゲート・ボンド・パッドは前記ゲート相互接続部の内側位置において前記ゲート相互接続部に結合されている、ゲート相互接続部と、
を備え、
前記ゲート・ボンド・パッドは前記ゲート・フィンガ上に延在する、及び/又は、前記ドレイン・ボンド・パッドは前記ドレイン・フィンガ上に延在し、
前記ゲート・ボンド・パッドおよび前記ドレイン・ボンド・パッドは、各々、前記第1の方向と交差する第2の方向に延在する各軸を有
し、
前記ゲート相互接続部の前記内側位置は、前記ゲート相互接続部の第1の端部と第2の端部の間の距離の3分の1から3分の2の間にある、トランジスタ・デバイス。
【請求項2】
前記ゲート・ボンド・パッドと前記ドレイン・ボンド・パッドの間のエリア上に配置されている隔離材を更に備える、請求項1に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項3】
前記隔離材は導電性隔離材、磁性隔離材、又は損失性誘電体の隔離材である、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項4】
前記隔離材は複数の第3のボンド・ワイヤを備える、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項5】
前記ゲート・ボンド・パッドに結合されている入力ボンド・ワイヤと、
前記ドレイン・ボンド・パッドに結合されている出力ボンド・ワイヤと、を更に備え、
前記隔離材は物理的に前記入力ボンド・ワイヤと前記出力ボンド・ワイヤの間にある、請求項2に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項6】
前記ゲート・ボンド・パッドは前記ドレイン・フィンガ及び前記ゲート・フィンガ上に延在する、請求項1から5までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項7】
前記ゲート・ボンド・パッドは、多セグメント導電ビアによって前記ゲート相互接続部に結合されている、請求項
1に記載のトランジスタ・デバイス。
【請求項8】
前記ゲート・ボンド・パッドと前記ゲート・フィンガの間にフィールド・プレートを更に備える、請求項1から
7までのいずれか一項に記載のトランジスタ・デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は2019年4月24日に出願された米国特許出願第16/393,280号の優先権を主張し、その内容の全体を参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本明細書に記載する発明概念はマイクロ電子デバイスに関し、より詳細には、単位セル・ベースの構造を有する高出力、高周波数のトランジスタに関する。
【背景技術】
【0003】
無線周波数(500MHz)、Sバンド(3GHz)、及びXバンド(10GHz)などの高周波数で動作しながら高出力に対応できる能力を必要とする電気回路が、近年ますます一般的になりつつある。高出力、高周波数回路の増加に起因して、無線周波数及びマイクロ波周波数で確実に動作できしかも依然としてより高い電力負荷に対応できるトランジスタの需要も、相応に増加している。
【0004】
出力電力の増大を実現するために、ゲート周辺部をより大きくしたトランジスタが開発されている。トランジスタの有効なゲート周辺部を大きくするための1つの技法は、単位セル構成において並列に接続されている複数のトランジスタ・セルを提供することである。例えば、高出力トランジスタは、
図1に示すように、それぞれの細長いソース・コンタクト及びドレイン・コンタクトの間に並列に延在する、複数のゲート・フィンガを含み得る。
【0005】
特に、
図1は、半導体基板20上にゲート・パッド12とドレイン・パッド32とを含む、従来の半導体トランジスタ・デバイス10の金属配置を示す。
図1はデバイスの平面図である(すなわち、デバイスを上方から見下ろしている)。
図1に示すように、従来の半導体トランジスタ・デバイス10では、ゲート・パッド12は、ゲート・バス14によって、第1の方向(例えば
図1に示すY方向)に沿って互いから離間されて第1の方向と交差する第2の方向(例えば
図1に示すX方向)に延在する、複数の平行なゲート・フィンガ16に接続される。ドレイン・パッド32は、ドレイン・バス34を介して、複数のドレイン・コンタクト36に接続される。更に、ソース・コンタクト26はまた、半導体トランジスタ・デバイス10上にも位置付けられ得る。各ゲート・フィンガ16がX方向に沿って、隣り合うソース・コンタクト26及びドレイン・コンタクト36の対の間に延びている。半導体トランジスタ・デバイス10の単位セルがボックス40に示されており、これには隣り合うソース・コンタクト26及びドレイン・コンタクト36の間に延在するゲート・フィンガ16が含まれている。「ゲート長さ」はY方向のゲートの金属被覆の距離を指し、一方「ゲート幅」は、X方向にソース・コンタクト及びドレイン・コンタクト26、36が重なり合う距離である。すなわち、ゲート・フィンガ16の「幅」とは、ゲート・フィンガの16の、隣り合うソース・コンタクト26/ドレイン・コンタクト36と平行に延びる寸法(X方向に沿った距離)を指す。デバイスのゲート周辺部とは、半導体トランジスタ・デバイス10の各ゲート・フィンガ16のゲート幅の合計を指す。
【0006】
単位セルを追加することに加えて、マルチ・セル・トランジスタ・デバイスのゲート周辺部は、ゲート・フィンガの幅を大きく(すなわちX方向により長く)することによって、大きくすることができる。しかしながら、デバイスのゲート・フィンガの幅が大きくなるにつれ、デバイスの高周波数性能に悪影響が及ぶ可能性がある。更に、ゲート・フィンガの幅を大きくすることは通常、ゲート・フィンガが、ゲート・フィンガの金属被覆の電気移動を生じさせる可能性のある大きな電流レベルに対処せねばならないことを意味する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許出願第16/208,821号
【文献】米国特許出願第16/375,398号
【非特許文献】
【0008】
【文献】P.H.Aaen、J.A.Pla、J.Wood、「Modeling and Characterization of RF and Microwave Power FETs」 Cambridge University Press、2007年
【文献】S.C.Cripps、「RF Power Amplifiers for Wireless Communications」、Artech House、2006年
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のいくつかの実施例に従えば、半導体構造上に延在するゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガと、ゲート・フィンガに結合されているゲート・ボンド・パッドと、ドレイン・フィンガに結合されているドレイン・ボンド・パッドと、を含み、ゲート・ボンド・パッドはゲート・フィンガ上に延在する、及び/又は、ドレイン・ボンド・パッドはドレイン・フィンガ上に延在する、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0010】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・ボンド・パッドとドレイン・ボンド・パッドの間のエリア上に配置されている隔離材を更に含む。
【0011】
いくつかの実施例では、隔離材は導電性隔離材、磁性隔離材、又は損失性誘電体の隔離材である。
【0012】
いくつかの実施例では、隔離材は複数の第3のボンド・ワイヤを備える。
【0013】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・ボンド・パッドに結合されている入力ボンド・ワイヤと、ドレイン・ボンド・パッドに結合されている出力ボンド・ワイヤと、を更に含み、隔離材は物理的に入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間にある。
【0014】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッドは、ドレイン・フィンガ及びゲート・フィンガ上に延在する。
【0015】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・フィンガに結合されているゲート相互接続部を更に含み、ゲート・ボンド・パッドは、ゲート相互接続部の内側位置においてゲート相互接続部に結合される。
【0016】
いくつかの実施例では、ゲート相互接続部の内側位置は、ゲート相互接続部の第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1と3分の2との間にある。
【0017】
いくつかの実施例では、ゲート相互接続部の内側位置は、ゲート相互接続部の第1の端部と第2の端部との間の半分の地点にある。
【0018】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッドは、多セグメント導電ビアによってゲート相互接続部に結合される。
【0019】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガは第1の方向に延在し、ゲート・ボンド・パッド及びドレイン・ボンド・パッドは、第1の方向と交差する第2の方向に延在する。
【0020】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・ボンド・パッドとゲート・フィンガの間にフィールド・プレートを更に含む。
【0021】
本発明の更なる実施例に従えば、ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガと、ゲート・フィンガに結合されているゲート相互接続部と、ドレイン・フィンガに結合されているドレイン相互接続部と、ゲート相互接続部の内側位置においてゲート相互接続部に結合されているゲート・ボンド・パッドと、ドレイン相互接続部の内側位置においてドレイン相互接続部に結合されているドレイン・ボンド・パッドと、を含み、ゲート・ボンド・パッドはゲート・フィンガ上に延在する、及び/又は、ドレイン・ボンド・パッドはドレイン・フィンガ上に延在する、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0022】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・ボンド・パッドに結合されている入力ボンド・ワイヤと、ドレイン・ボンド・パッドに結合されている出力ボンド・ワイヤと、物理的に入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間にある隔離材と、を更に含む。
【0023】
いくつかの実施例では、隔離材は、入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間の結合を弱化するように構成されている、導電性隔離材、磁性隔離材、又は損失性誘電体の隔離材である。
【0024】
いくつかの実施例では、隔離材は複数の第3のボンド・ワイヤを備える。
【0025】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッドは、ドレイン・フィンガ及びゲート・フィンガ上に延在する。
【0026】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・ボンド・パッドとゲート・フィンガの間にフィールド・プレートを更に含む。
【0027】
本発明の更なる実施例に従えば、第1の方向に延在するゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガと、入力ボンド・ワイヤが結合されている、第1の方向と交差する第2の方向に延在するゲート・ボンド・パッドと、出力ボンド・ワイヤが結合されている、第2の方向に延在するドレイン・ボンド・パッドと、を含み、ゲート・ボンド・パッドはゲート・フィンガ上に延在する、及び/又は、ドレイン・ボンド・パッドはドレイン・フィンガ上に延在する、トランジスタ・デバイス、が提供される。
【0028】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間に隔離材を更に含む。
【0029】
いくつかの実施例では、隔離材は、入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間で第2の方向に延在する。
【0030】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイスは、ゲート・フィンガに結合されているゲート相互接続部を更に含み、ゲート・ボンド・パッドは、ゲート相互接続部の内側位置においてゲート相互接続部に結合される。
【0031】
添付の図面は、本発明の更なる理解を提供するために収録されており、本願に組み込まれてその一部を構成するもので、本発明の特定の実施例を示している。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】従来のマルチ・セル・トランジスタの金属配置の平面図である。
【
図2A】ゲート・ランナ及びドレイン・ランナを利用するマルチ・セル・トランジスタの実施例を示す平面図である。
【
図3A】従来の横方向拡散金属酸化膜半導体(LDMOS)トランジスタ・デバイスの単位セルの断面図である。
【
図3B】底部ソース端子を利用する従来のLDMOSトランジスタ・デバイスの単位セルの断面図である。
【
図3C】従来の高電子移動度トランジスタ(HEMT)セルの断面図である。
【
図4】ゲート・フィンガの数を増やしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図5A】ゲート・フィンガの幅を大きくしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図6A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガの幅を大きくしたトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図6B】本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図6C】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【
図7】
図6Aの線A-A’に沿って取られた本発明の追加の実施例を示す図である。
【
図8】
図6Aの線A-A’に沿って取られた本発明の追加の実施例を示す図である。
【
図9A】ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガが介在する相互接続部を用いずに内側の場所において供給を受けるトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図9B】本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図9Aの断面図である。
【
図9C】本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図9Aの断面図である。
【
図10】ゲート・マニホールドに結合されているゲート・ボンド・パッド及びドレイン・マニホールドに結合されているドレイン・ボンド・パッドの平面図である。
【
図11】本発明のいくつかの実施例に係る、複数のゲート・ランナが利用されるトランジスタ・デバイスを示す断面図である。
【
図12A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガの幅が大きくされゲート・フィンガ上にゲート・ボンド・パッドが設けられている、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図12B】本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
【
図12C】本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
【
図12D】本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた、ゲート・フィンガがエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図12E】本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた、ゲート・フィンガがエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図12F】本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた、ドレイン・フィンガがエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図12G】本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた、ドレイン・フィンガがエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図13A】入力ボンド・ワイヤと出力ボンド・ワイヤの間の結合の効果を弱化するために隔離材を利用する、本発明に係るパッケージングされたトランジスタ・デバイスの斜視図である。
【
図13B】線E-E’に沿って取られた、
図13Aの実施例で示す隔離材を組み込んだパッケージングされたトランジスタ・デバイスの概略断面図である。
【
図14A】本発明の更なる実施例に係る、隔離材を示す概略断面図である。
【
図14B】本発明の更なる実施例に係る、トランジスタ・ダイがトランジスタ・ダイの頂面上にグランド・パッドを有する実施例を示す図である。
【
図15A】本発明のいくつかの実施例に係る、隔離ボンド・ワイヤを組み込んだ隔離材の構成を示す断面図である。
【
図15B】本発明の更なる実施例に係る、複数の隔離ボンド・ワイヤが1つ又は複数のグランド・パッドに接続されている実施例を示す図である。
【
図16A】本発明の更なる実施例に係る、隔離ボンド・ワイヤを組み込んだ隔離材の構成を示す断面図である。
【
図16B】本発明の更なる実施例に係る、複数の隔離ボンド・ワイヤが1つ又は複数のグランド・パッドに接続されている実施例を示す図である。
【
図17A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガの幅が大きくされゲート・フィンガ上に多セグメント導電ビアを用いてゲート・ボンド・パッドが設けられている、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図17B】本発明のいくつかの実施例に係る、線F-F’に沿って取られた
図17Aの断面図である。
【
図17C】本発明のいくつかの実施例に係る、線G-G’に沿って取られた
図17Aの断面図である。
【
図17D】本発明のいくつかの実施例に係る、線F-F’に沿って取られた、ゲート・フィンガがエッジ供給式である、多セグメント導電ゲート・ビアを組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図17E】本発明のいくつかの実施例に係る、線G-G’に沿って取られた、ゲート・フィンガがエッジ供給式である、多セグメント導電ゲート・ビアを組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図17F】本発明のいくつかの実施例に係る、線F-F’に沿って取られた、ドレイン・フィンガがエッジ供給式である、多セグメント導電ドレイン・ビアを組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図17G】本発明のいくつかの実施例に係る、線G-G’に沿って取られた、ドレイン・フィンガがエッジ供給式である、多セグメント導電ドレイン・ビアを組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図である。
【
図18A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッドがゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在し、ドレイン・ボンド・パッドがゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在しない、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図18B】本発明のいくつかの実施例に係る、線H-h’に沿って取られた
図18Aの断面図である。
【
図18C】本発明のいくつかの実施例に係る、線I-I’に沿って取られた
図18Aの断面図である。
【
図19A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に多セグメント導電ビアを用いてゲート・ボンド・パッドが設けられており、ドレイン・ボンド・パッドはゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在しない、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図19B】本発明のいくつかの実施例に係る、線J-J’に沿って取られた
図19Aの断面図である。
【
図19C】本発明のいくつかの実施例に係る、線K-K’に沿って取られた
図19Aの断面図である。
【
図20A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220がゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在せず、ドレイン・ボンド・パッドがゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在する、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図20B】本発明のいくつかの実施例に係る、線L-L’に沿って取られた
図20Aの断面図である。
【
図20C】本発明のいくつかの実施例に係る、線M-M’に沿って取られた
図20Aの断面図である。
【
図21A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッドがゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在せず、ドレイン・ボンド・パッドが多セグメント導電ビアを用いてゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガ上に延在する、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図21B】本発明のいくつかの実施例に係る、線N-N’に沿って取られた
図21Aの断面図である。
【
図21C】本発明のいくつかの実施例に係る、線O-O’に沿って取られた
図21Aの断面図である。
【
図22A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド及びドレイン・ボンド・パッドの両方がセグメント化されている、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図22B】本発明のいくつかの実施例に係る、線P-P’に沿って取られた
図22Aの断面図である。
【
図22C】本発明のいくつかの実施例に係る、線Q-Q’に沿って取られた
図22Aの断面図である。
【
図23A】本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド及びドレイン・ボンド・パッドの両方がセグメント化されておりそれらが多セグメント導電ビアを利用する、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図23B】本発明のいくつかの実施例に係る、線R-R’に沿って取られた
図23Aの断面図である。
【
図23C】本発明のいくつかの実施例に係る、線S-S’に沿って取られた
図23Aの断面図である。
【
図24A】本発明のいくつかの実施例に係る、相互接続部を使用せずにボンド・パッドとゲート/ドレイン・フィンガの間の接続部を提供する、トランジスタ・デバイスの実施例である。
【
図24B】本発明のいくつかの実施例に係る、相互接続部を使用せずにボンド・パッドとゲート/ドレイン・フィンガの間の接続部を提供する、トランジスタ・デバイスの実施例である。
【
図24C】本発明のいくつかの実施例に係る、相互接続部を使用せずにボンド・パッドとゲート/ドレイン・フィンガの間の接続部を提供する、トランジスタ・デバイスの実施例である。
【
図24D】本発明のいくつかの実施例に係る、相互接続部を使用せずにボンド・パッドとゲート/ドレイン・フィンガの間の接続部を提供する、トランジスタ・デバイスの実施例である。
【
図25A】フィールド・プレートを組み込んだ本発明のいくつかの実施例に係るトランジスタ・デバイスを示す平面図である。
【
図25B】本発明のいくつかの実施例に係る、線T-T’に沿って取られた
図25Aの断面図である。
【
図25C】本発明のいくつかの実施例に係る、線U-U’に沿って取られた
図25Aの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本発明概念の実施例について、本発明の実施例を示す添付の図面を参照して、以下でより十分に記載する。ただし本発明概念は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に明記する実施例に限定されるものと解釈するべきではない。そうではなく、これらの実施例は、本開示が周到且つ完全となり、本発明概念の範囲が当業者に十分に伝わるように提供されている。全体を通して、同様の数字は同様の要素を指している。
【0034】
本発明概念の実施例は、大きい有効ゲート幅を有するマルチ・セル・トランジスタ・デバイスを提供する。ゲート信号を、ゲート相互接続部の内側位置、例えばゲート相互接続部の中間点において、ゲート・フィンガに供給することによって、ゲート信号が長いゲート・フィンガの全長にわたって伝播することに起因して生じ得る大きい位相差を、低減及び/又は回避することができる。いくつかの実施例によれば、ゲート相互接続部の上方にゲート・ランナを追加し、導電ビアによってゲート・ランナをゲート相互接続部における内側位置に結合することによって、マルチ・セル・トランジスタ・デバイスのより大きいゲート幅に対処することができる。ゲート相互接続部の内側位置へのゲート・ランナの接続部は、ゲート・フィンガを複数のセグメントへと分割する役割を果たし得る。ゲート信号はこの場合、ゲート相互接続部の内側位置からゲート相互接続部の端部へと移動してゲート・フィンガに提供され得、このとき結果的な伝播したゲート信号には、位相差がほとんど又は全く生じない。
【0035】
ゲート・フィンガをセグメントへと実質上分割し、ゲート信号をゲート・ランナによってゲート・フィンガ・セグメントの各々に分配することによって、従来のデバイスと比較してトランジスタの利得性能が向上し得る。
【0036】
こうして、いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造上で第1の方向に延在する第1の端部及び第2の端部を各々有する複数のゲート相互接続部と、半導体構造上で第1の方向に延在する複数のゲート・ランナと、半導体構造上にあり且つゲート・ランナに接続されているゲート・マニホールドと、を含む、トランジスタ、が提供される。各ゲート相互接続部は、複数の第1の導電ビアによってそれぞれのゲート・フィンガに接続されている。ゲート相互接続部は、ゲート相互接続部のそれぞれの第1の端部及びそれぞれの第2の端部から離れているゲート相互接続部の内側位置において、それぞれの第2の導電ビアによって、それぞれのゲート・ランナに接続されている。半導体構造は、例えば、1つ又は複数の半導体エピタキシャル層を上に成長させた、半導体又は非半導体の基板を備え得る。いくつかの実施例では基板が除去されてもよい。
【0037】
いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上に交互に配置されている複数のソース領域及び複数のドレイン領域と、複数のソース領域及び複数のドレイン領域のうちの隣り合うものの間の第1のレベルにそれぞれ延在する、複数のゲート・フィンガと、半導体構造よりも上方の第1のレベルよりも高い第2のレベルにある、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部と、半導体構造よりも上方の第2のレベルよりも高い第3のレベルにある、前記半導体構造上にある複数のゲート・ランナと、半導体構造上にあり且つゲート・ランナに接続されているゲート・マニホールドと、を含む、トランジスタ、が提供される。ゲート相互接続部の各々は、複数の第1の導電ビアによってそれぞれのゲート・フィンガに接続されている。各ゲート・ランナは第2の導電ビアによってそれぞれのゲート相互接続部に接続されており、この第2の導電ビアは、隣り合うソース領域と重なり合うゲート相互接続部上のそれぞれの第1の内側位置において、それぞれのゲート相互接続部に接続する。
【0038】
いくつかの実施例では、半導体構造と、半導体構造上に延在する複数のゲート・フィンガと、半導体構造上にある複数のゲート相互接続部であって、複数のゲート相互接続部の各々がゲート・フィンガのそれぞれ1つに電気的に結合されており、複数のゲート相互接続部の各ゲート相互接続部は第1の端部及び第2の端部を有する、複数のゲート相互接続部と、半導体構造上にある複数のゲート・ランナと、を含む、トランジスタ、が提供される。各ゲートは、導電ビアによって少なくとも1つのゲート相互接続部に接続されている。導電ビアを介して少なくとも1つのゲート相互接続部の第1の端部において受け取られた電流は、導電ビアを介して少なくとも1つのゲート相互接続部の第2の端部において受け取られた電流との位相差が1度未満である。
【0039】
ここで本発明の実施例について、
図2A~
図11を参照して更に詳細に記載する。
【0040】
「背景技術」の項で検討したように、トランジスタの有効なゲート周辺部を大きくするための1つの技法は、並列に接続されている複数の単位セル・トランジスタを提供することである。そのような複数の単位セル・トランジスタは、高周波数及び/又は高出力に関与する用途で使用され得る。例えば、基地局は、セルの有効範囲にとって必要な高い出力電力を生成するために、信号増幅の最終段においてRF電力増幅器を使用する場合がある。これらRF電力増幅器並びに類似の用途において重要な要素は、増幅機構を実現する単位セル・トランジスタである。
【0041】
図2Aは、ゲート・ランナ及びドレイン・ランナを利用するマルチ・セル・トランジスタの実施例を示す平面図である。
図2Bは、線A-A’に沿って取られた
図2Aの断面図である。
図2Cは、線B-B’に沿って取られた
図2Aの断面図である。
【0042】
最初に
図2Aを参照すると、複数のトランジスタ・セル200を含むトランジスタ・デバイス100が示されている。トランジスタ・セル200の作用領域は、ゲート・フィンガ210と、ドレイン・フィンガ215と、ソース・コンタクト205とを含み得る。増幅中、ドレイン・フィンガ215とソース・コンタクト205との間を電流が流れ、電流の量はゲート・フィンガ210に適用される電圧信号によって調整される。
【0043】
図2Bに示すように、ゲート・フィンガ210を介してトランジスタ・セル200にゲート信号が提供され得る。ゲート・フィンガ210は、トランジスタ・セル200のゲート領域に電気的に結合され得る。同様に、
図2Cに示すように、ドレイン・フィンガ215を介してトランジスタ・セル200にドレイン信号が提供され得る。
【0044】
ゲート・フィンガ210、ドレイン・フィンガ215、及びソース205が、トランジスタの実施例を包含している半導体構造190上に形成され得る。より具体的には、ドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210はそれぞれ、トランジスタ・セル200の半導体実装のドレイン領域、ソース領域、及びゲート領域(例えばチャネル)に結合され得る。
図2Aのドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210が接続され得る半導体ベースのトランジスタ・セル200の、複数の実施例が可能であることが、理解されるであろう。例えば、ドレイン・フィンガ215、ソース・コンタクト205、及びゲート・フィンガ210は、LDMOS及び/又はHEMTトランジスタの実施例に結合され得るが、本発明はこれに限定されない。
【0045】
例えば、
図3Aは線C-C’に沿って取られた
図2Aの断面図であり、トランジスタ・セル200がLDMOSトランジスタ・セルである、
図2Aのトランジスタ・セルの実装形態を示す。LDMOS電界効果トランジスタ(FET)は、半導体構造190に形成されているソース領域105及びドレイン領域115を有する、3端子のトランジスタ・デバイスである。半導体構造190は、半導体基板121上に、(例えばp型導電性の)半導体基板121と、(例えばn型導電性の)ドリフト層123と、を含む。半導体基板は、例えば、サファイア、ダイヤモンド、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、炭化シリコン、GaAs、LGO、ZnO、LAO、InPなどを含む、半導体基板及び非半導体基板を含み得る。LDMOSトランジスタ・セル200は、ソース領域105とドレイン領域115と提供する、ドープされたウェル領域を含み得る。LDMOSトランジスタ・セル200のソース領域105、ドレイン領域115、及びゲート領域110は、LDMOSトランジスタ・セル200の動作用のコンタクトに結合され得る。例えば、ゲート領域110は、
図2Aに示されているゲート・フィンガ210に電気的に結合され得る。同様に、ドレイン領域115は、
図2Aに示されているドレイン・フィンガ215に電気的に結合され得る。
【0046】
ゲート領域110は、絶縁体層129(例えばSiO2)によって導電チャネルから隔離されている。ソース領域105に対して正になる電圧をゲート領域110に印加すると、ソース領域105とドレイン領域115との間に反転層(例えばチャネル)が形成されることによって、ドレイン領域115とソース領域105との間を流れる電流が提供され得る。LDMOS FETは「エンハンスメント・モード」で動作することができるが、これは、印加される正のゲート電圧によってpウェルにまたがるチャネルが強化されるまでは、ドレイン-ソース電流が流れない場合のあることを意味する。
【0047】
図3Aは、LDMOSトランジスタ・セル200のソース領域105の上面にコンタクトが接続されているLDMOSを示しているが、他の実施例が可能であることが理解されよう。例えば、いくつかの実施例では、ソース領域105をLDMOSデバイスの底面上のコンタクトに接続するための、ビア又は他の接続領域が提供され得る。例えば、
図3Bは、底部ソース・コンタクト205を利用する従来のLDMOSトランジスタ・セル200の断面図である。
図3Bに示すように、横方向に拡散させた低抵抗のp+「シンカ(sinker)」127によって、ソース領域105を基板121及びソース・コンタクト205に接続することができる。
図3BのLDMOSデバイスが
図2Aに示すもののような並列トランジスタ構成と共に使用される場合は、デバイスの頂面にはソース・フィンガ及び/又は他のソース・コンタクトは必要ない場合がある。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ210及び/又はドレイン・フィンガ215と同様のソース・フィンガが提供され得る。
【0048】
図3Cは線C-C’に沿って取られた
図2Aの断面図であり、トランジスタ・セル200がHEMTトランジスタ・セルである、
図2Aのトランジスタ・セル200の実装形態を示す。
図3Cに示すように、HEMTトランジスタ・セル200は、例えば4H-SiC又は6H-SiCを含み得る基板122を含む、半導体構造190を含み得る。基板材料として炭化シリコンが使用され得るが、本発明の実施例は、サファイア、ダイヤモンド、窒化アルミニウム、窒化アルミニウムガリウム、窒化ガリウム、シリコン、GaAs、LGO、ZnO、LAO、InPなどの、任意の好適な基板を利用してもよい。基板122上にはエピタキシャル構造が形成される。エピタキシャル構造は、基板122上に形成されているチャネル層124と、チャネル層124上に形成されているバリア層126と、を含み得る。チャネル層124及びバリア層126はIII族窒化物系材料を含んでもよく、バリア層126の材料はチャネル層124の材料よりも大きいバンドギャップを有する。例えば、チャネル層124はGaNを含んでもよく、一方、バリア層126はAlGaNを含んでもよい。チャネル層124及びバリア層126は単一層構造として示されているが、チャネル層124及び/又はバリア層126のいずれか又は両方を多層構造として実装してもよいことが、諒解されるであろう。基板122上に提供されるエピタキシャル構造の一部として、例えばバッファ層、歪み調整層、移行層などといった追加の層も含まれてよいこともまた、諒解されるであろう。
【0049】
バリア層126とチャネル層124との間のバンドギャップの違い、及びバリア層126とチャネル層124との間の境界面における圧電効果に起因して、チャネル層124におけるチャネル層124とバリア層126との間の接合部で、二次元電子ガス(2DEG)が誘起される。2DEGは、ソース・コンタクト・セグメント205及びドレイン・フィンガ215の下方にそれぞれあるデバイスのソース領域とドレイン領域との間の導通を可能にする、高導電性層として機能する。ソース・コンタクト・セグメント205及びドレイン・フィンガ215は、バリア層126上に形成される。バリア層126上には、ドレイン・フィンガ215とソース・コンタクト・セグメント205との間に、ゲート・フィンガ210が形成される。
【0050】
図3A、
図3B、及び
図3CのLDMOSデバイス及びHEMTデバイスは、トランジスタ・セル200の可能な構成の実例として挙げられている。ただし、本明細書に記載する実施例の範囲から逸脱することなく、本発明と共に他のトランジスタ・セル構成を利用してもよいことが理解されよう。例えば、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガを使用して他のトランジスタ・セルと組合せ可能なトランジスタ・セル200の任意の構成が、本明細書に記載する実施例から利益を受ける場合がある。したがって、本発明はHEMT及びLDMOSトランジスタ・セルに限定されない。本明細書で使用する場合、用語「半導体構造」は、
図2Aのゲート・フィンガ210及びドレイン・フィンガ215が接続され得るトランジスタ・セル構成(例えば、
図3A、
図3B、及び
図3Cに示すLDMOS及びHEMTの実例など)を指すように使用されることになる。
【0051】
図2A、
図2B、及び
図2Cを再び参照すると、ゲート・フィンガ210は、複数の第1の導電ゲート・ビア228によって、ゲート・ランナ225に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ225は、半導体構造よりも上方のゲート・フィンガ210よりも高いレベルにあり得る。ゲート・ランナ225は、第2の導電ゲート・ビア227によって、ゲート・パッド221に更に接続され得る。ゲート・パッド221は、ゲート・マニホールド220に更に接続され得る。ゲート・マニホールド220は、複数のトランジスタ・セル200にゲート信号を提供し得る。
【0052】
ドレイン・フィンガ215は、複数の第1の導電ドレイン・ビア238によって、ドレイン・ランナ235に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ235は、半導体構造190よりも上方のドレイン・フィンガ215よりも高いレベルにあり得る。ドレイン・ランナ235は、第2の導電ドレイン・ビア237によって、ドレイン・パッド231に更に接続され得る。ドレイン・パッド231は、ドレイン・マニホールド240に更に接続され得る。ドレイン・マニホールド240は、複数のトランジスタ・セル200にドレイン信号を提供し得る。
【0053】
トランジスタ・デバイス100に提供される所与の固定されたドレイン・バイアス電圧に関して、出力電流の量はトランジスタ・デバイス100の出力電力に影響を与え得る。出力電流は、
図2A~
図2Bに示すゲート・フィンガ幅(W)にゲート・フィンガ210の数を乗算したものである、ゲート周辺部の総計に一部基づく。
【0054】
トランジスタ・デバイス100においてより高い電力を生み出すために、より大きいゲート周辺部が使用され得る。このより高い電力出力は、ゲート・フィンガ210の数を増やすことによって、及び/又は、ゲート・フィンガ210の幅を大きくする(例えば、ゲート・フィンガ210をX方向に延ばす)ことによって、のいずれかで達成され得る。しかしながら、各解決法にはその限界がある。
【0055】
例えば、ゲート・フィンガ210の数を増やすことによって、最終的なトランジスタ・ダイの(例えば
図2AのY方向における)物理的な幅が大きくなる場合がある。物理的なトランジスタ・パッケージ及び/又は半導体処理装置はしたがって、デバイスに含まれ得るゲート・フィンガ210の最大数(又は代替として、デバイスがY方向に延在し得る最大範囲)に制約を課す場合がある。このことは、多数のゲート・フィンガ210を有するトランジスタ・デバイス100の平面図である
図4を参照して見て取ることができる。
図4に見ることができるように、物理的なトランジスタ・パッケージ405のサイズは、トランジスタ・デバイス100が表面に設置される基部410のサイズによって限定され得る。物理的なトランジスタ・パッケージ405はまた、ゲート・リード415及び/又はドレイン・リード420などのパッケージ・リードのサイズによっても影響され得る。
【0056】
同じく
図4に示されているように、トランジスタ・デバイス100においてゲート・フィンガ210を数を増やして使用することのもう1つの潜在的なマイナス面は、ゲート・マニホールド220の長さに沿って生じ得る不均一な信号位相分布である。ゲート・フィンガの数を増やすことが信号位相分布及びデバイス性能に与える影響の大きさは、トランジスタ・デバイスの設計に依存し得る。所与のトランジスタ・デバイス100は、中央部分450と端部部分455とを有し得る。ゲート・マニホールド220の長さが長くなるにつれ、例えばゲート・マニホールド220の(例えばY方向における)長さに沿ってゲート・フィンガ210に伝送される、ゲート信号などの信号において、位相差が生じ得る。いくつかの実施例では、ゲート信号はゲート・リード415から、主にゲート・マニホールド220の中央部分450において受け取られて、ゲート・マニホールド220の端部部分455に分配され得る。伝送長さの違いに起因して、端部部分455におけるゲート信号の位相は、中央部分450における位相と異なっている場合がある。これらの異なる領域において生成されるドレイン電流もしたがってまた、出力部において(例えばドレイン・リード420において)同位相で合計されず、合計出力電流の大きさを、及び結果的にトランジスタ・デバイス100の出力電力を、低下させる場合がある。
【0057】
トランジスタ・デバイス100内のゲート・フィンガの数を増やすことに加えて、トランジスタ出力電力を大きくするための別の技法は、ゲート・フィンガ幅(W)を大きくすると共に、ソース・コンタクト及びドレイン・フィンガの幅をそれに対応させて大きくすることを含み得る。
図5Aは、ゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト505、及びドレイン・フィンガ515の幅が大きくなっているトランジスタ・デバイス500の実施例を示す平面図である。
図5Bは、線A-A’に沿って取られた
図5Aの断面図である。
図5Cは、線B-B’に沿って取られた
図5Aの断面図である。
【0058】
図5A~
図5Cのトランジスタ・デバイス500は、
図2A~
図2Cのトランジスタ・デバイスと非常に似ている場合がある。ただし、トランジスタ・デバイス500に含まれるゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト505、及びドレイン・フィンガ515の幅は、対応するトランジスタ・デバイス100のゲート・フィンガ210、ソース・コンタクト205、及びドレイン・フィンガ215の幅と比較して、大きくなっている。例えば、トランジスタ・デバイス500のゲート・フィンガ510の幅は、2W(例えば、トランジスタ・デバイス100のゲート・フィンガ210のゲート幅の2倍の幅)であり得る。幅を大きくしたゲート・フィンガ510、ソース・コンタクト、及びドレイン・フィンガ515は半導体構造190に接続されて、トランジスタ・セル590を形成し得る。広くしたゲート・フィンガ510は、本明細書において
図2Bのゲート・パッド221及びゲート・ランナ225に関して検討したものと同様の構造を有する、ゲート・パッド221及びゲート・ランナ525を含み得る。広くしたドレイン・フィンガ515は、本明細書において
図2Cのドレイン・パッド231及びドレイン・ランナ235に関して検討したものと同様の構造を有する、ドレイン・パッド231及びドレイン・ランナ535を含み得る。トランジスタ・デバイス500の他の態様は、
図2A~
図2Cに関して上で検討したトランジスタ・デバイス100と同様であり得る。更に、トランジスタ・デバイス500は、
図3A~
図3Cを参照して上で検討したようトランジスタ・デバイス100と同じ様式で、例えばHEMTトランジスタとして、又は例えばLDMOSトランジスタなどの他のタイプのトランジスタとして構成され得る、半導体構造190を含み得ることが、諒解されるであろう。
【0059】
残念ながら、ゲート・フィンガ510の幅は性能の問題をもたらす。第1の問題はゲート抵抗の増大である。(例えば、P.H.Aaen、J.A.Pla、J.Wood、「Modeling and Characterization of RF and Microwave Power FETs」 Cambridge University Press、2007年を参照)。ゲート・フィンガ510の数を一定のままにしてゲート・フィンガ510の長さを変えると、ゲート・フィンガ510のこの新しい構成のゲート抵抗R
newは
【数1】
によって与えられ、上式で、R
orig及びW
origは、それぞれ元のゲート・フィンガ構成(例えば
図2Aのゲート・フィンガ210)のゲート抵抗及びゲート・フィンガ幅であり、W
newは新しい構成のゲート・フィンガ(例えば
図5Aのゲート・フィンガ510)の幅である。式1から分かるように、ゲート・フィンガ幅をWから2Wへと大きくすると、ゲート抵抗は2倍になる。ゲート抵抗を大きくする結果、増幅器の重要な仕様であるトランジスタ利得が、より低くなる可能性がある。例えば、ゲート・フィンガ長さWを有するトランジスタが出力電力Pを生成する場合、ゲート・フィンガ510の幅を2倍の2Wにすることで、生成される出力電力は2Pよりも小さくなる。この非線形であるスケーリングはまた、電力増幅器の設計者が所与の出力電力要件に合わせて適正なトランジスタ・ダイのサイズを選択するのを困難にする。抵抗が増加すると増幅器の効率も低下する。
【0060】
広い幅を有するゲート・フィンガ510及び/又はドレイン・フィンガ515に関連するもう1つの欠点は、信号においてフィンガの長さ(例えば、ゲート・フィンガ510の領域550から領域560まで及び/又はドレイン・フィンガ515の領域555から領域565まで)に沿って生じる位相差の増大である。この位相差は、ゲート・フィンガ510及び/又はドレイン・フィンガ515に沿った伝送距離に関連する、様々な分散された効果によって引き起こされ得る。これらの位相差は、ドレイン・マニホールド240によって合計された(組み合わされた)後の合計出力電流の大きさを減少させ得る。最終的な結果として、トランジスタ・デバイス500の出力電力が、大きくなった寸法から予想されるよりも低くなる場合がある。入力電力が同じであるので、このことはまた、利得の低下現象の原因となり得る。
【0061】
更に、位相のずれた電流の組合せは、時間領域の出力電流波形形状に影響を与える場合があり、電力増幅器のもう1つの重要な仕様であるトランジスタ効率に影響し得る。(例えば、S.C.Cripps、「RF Power Amplifiers for Wireless Communications」、Artech House、2006年を参照)。不均一な位相現象は
図2A~
図2Cのより短い元のゲート・フィンガ210にも存在し得るが、程度は低い。
【0062】
より高い出力電力が必要となるときにこれらの問題を緩和するために、
図6A、
図6B、及び
図6Cに示すような解決法が提案される。
図6Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ610の幅を大きくしたトランジスタ・デバイス600を示す平面図である。
図6Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
図6Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図6Aの断面図である。
【0063】
図6A、
図6B、及び
図6Cに示すように、本発明のいくつかの実施例は、半導体構造690上に繰り返し配置される複数のトランジスタ・セル700を提供し得る。トランジスタ・セル700は、
図3A~
図3Cに示すもののような半導体構造690(例えば、LDMOS又はHEMTトランジスタ・セル)で形成され得ることが諒解されるであろう。トランジスタ・セル700は、トランジスタ・デバイス600の一部として配置されて、組み合わされた出力信号を提供し得る。例えば、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域のそれぞれは、共有的に接続されて、並列に結合された複数のトランジスタを提供し得る。
【0064】
トランジスタ・セル700は、第1の方向(例えばY方向)に繰り返し配置され得る。それぞれのトランジスタ・セル700のゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域は、第1の方向と交差する第2の方向(例えばX方向)に延在し得る。トランジスタ・セル700の各々の作用領域は、それぞれのゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域が第1の方向(例えばX方向)において重なり合う半導体構造690の領域を含み得る。いくつかの実施例では、隣り合うトランジスタ・セル700のソース領域は、2つの異なるゲート領域のためのソース領域として機能する、共有されたソース領域であり得る。同様に、いくつかの実施例では、隣り合うトランジスタ・セル700のドレイン領域は、2つの異なるゲート領域のためのドレイン領域として機能する、共有されたドレイン領域であり得る。
【0065】
トランジスタ・デバイス600はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)において互いから離間されている、複数のゲート・フィンガ610も含み得る。ゲート・フィンガ610の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2W、又は従来のトランジスタ・デバイスの幅よりも大きい何らかの他の幅を有し得る。いくつかの実施例では、幅2Wは800ミクロンであり得る。
【0066】
ゲート・フィンガ610を、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域(例えばチャネル)のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690上に配設してもよい。複数のゲート・フィンガ610は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つにゲート信号を提供し得る。
【0067】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイス600はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)に配置されている、複数のドレイン・フィンガ615も含み得る。複数のドレイン・フィンガ615の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。複数のドレイン・フィンガ615を、複数のトランジスタ・セル700のドレイン領域のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690上に配設してもよい。ドレイン・フィンガ615は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つにドレイン信号を伝導し得る。
【0068】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイス600はまた、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つのソース領域の各々を、共通のソース信号に接続し得る。いくつかの実施例では、ソース領域用の電気接続は、半導体構造690の背面(例えば、半導体構造690の、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615の反対側の面)上に存在し得る。いくつかの実施例では、複数のソース・フィンガ605もまた、半導体構造690のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615と同じ側に提供され得る。複数のソース・フィンガ605は、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615に関して本明細書で検討したものと同様の構造を有し得る。
【0069】
各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、第2の導電ゲート・ビア627によって、ゲート・ランナ621に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部625よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ゲート・ランナ621は、ゲート・マニホールド620に更に接続され得る。ゲート・マニホールド620は、複数のトランジスタ・セル700にゲート信号を提供し得る。
【0070】
いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621をそれぞれのゲート相互接続部625に接続する各第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625に接続され得る。例えば、ゲート相互接続部625は、互いに反対側にある第1の端部645及び第2の端部646を有し得る。いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、第1の端部645と第2の端部646との間にあるゲート相互接続部625の内側位置629において、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点(例えばこれらの間の半分のところ)にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646との間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0071】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の各々は、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bから構成され得る。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは共線的に延在し得る。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは、第2の導電ゲート・ビア627の両側に配置され得る。例えば、幅2Wを有するゲート・フィンガ610に対して、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bはいずれも幅Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは、
図6Bに示すように、間隙によって物理的に分離され得る。例えば、第1のセグメント610Aと第2のセグメント610Bとの間に、追加の要素(例えば絶縁層)が配設されてもよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施例では、ゲート・フィンガ610が別々の第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bへと分割されない場合があり得ることが、諒解されるであろう。例えば、
図7は、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bが一体に接続されている実施例を示す。
【0072】
上で指摘したように、いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の中間点に位置付けられている内側位置629に位置付けられてもよい。ただし、いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、ゲート相互接続部625の中間点からずらされている内側位置629に位置付けられてもよい。そのような実施例では、第1のセグメント610Aは、第2のセグメント610Bとは異なる長さを有し得る(又はその逆も成り立つ)。例えば、
図8に示すように、第1のセグメント610Aは第1の長さWを有してもよく、第2のセグメント610Bは第1の長さWとは異なる第2の長さW’を有してもよい。
【0073】
各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、それぞれのドレイン・相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。
【0074】
各ドレイン相互接続部635は、それぞれの第2の導電ドレイン・ビア637によって、それぞれのドレイン・ランナ631に接続され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のドレイン相互接続部635よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のゲート・ランナ621と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のゲート・ランナ621とは異なるレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン相互接続部635よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ドレイン・ランナ631は、ドレイン・マニホールド640に接続され得る。ドレイン・マニホールド640は、複数のトランジスタ・セル700にドレイン信号を提供し得る。
【0075】
ゲート・ランナ621の場合のように、いくつかの実施例では、各ドレイン・ランナ631をそれぞれのドレイン相互接続部635に接続する各第2の導電ゲート・ビア637は、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続され得る。ドレイン・ランナ631をドレイン相互接続部635に接続するための様々な可能な態様は、本明細書においてゲート相互接続部625へのゲート・ランナ621の接続に関して検討したものと同様であり、簡潔にするためにその重複する説明は繰り返さない。
【0076】
本明細書に記載する解決法では各ゲート相互接続部625を2つのセグメントへと分けることができ、ゲート・ランナ621からそれぞれのゲート相互接続部625への供給は、例えば各ゲート相互接続部625の概ね中心(例えば中央部分)に位置付けられた第2の導電ゲート・ビア627を通して行うことができ、ゲート・フィンガ610の第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bには対称な供給が行われる。ドレイン側について(例えば、ドレイン相互接続部635及びドレイン・ランナ631について)も、同様の構成を実装することができる。この手法では、元の短いゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガの長さ(例えば、個々の長さがWである別々のセグメント)が維持しながら、所望のより高い出力電力が達成される。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625よりも広く且つ抵抗が低い場合のある、ゲート・ランナ621の使用は、ゲート抵抗を大きく増大させない可能性があり、トランジスタ・デバイス600の出力電力を低下させる可能性のあるトランジスタ・セル700の組み合わされた信号の位相差を、有利に低減し得る。例えば、本発明の実施例では、信号(例えば電流)が第2の導電ゲート・ビア627を介してゲート相互接続部625に伝送されるとき、ゲート相互接続部625の第1の端部645において受け取られた信号と、ゲート相互接続部625の第2の端部646において受け取られた信号との位相差は、1度未満であり得る。いくつかの実施例では、位相差は0.5度未満であり得る。
【0077】
本発明では、従来のデバイスで使用されるような直列構成ではなく並列構成において、トランジスタ・デバイスのフィンガ長さが大きくなる。しかしながら、本発明は、従来のデバイスと実質的に同じか又はより大きいゲート周辺部を達成する。本明細書に記載する実施例ではしたがって、所望のより高い出力電力が得られるが、従来のデバイスの元のより短い個々のゲート・フィンガの長さは維持される。
【0078】
この技法の場合、ゲート・フィンガのゲート抵抗(又はドレイン・フィンガのドレイン抵抗)は直列ではなく並列に追加され、高出力構成において全体的な抵抗を低減し、トランジスタ利得を改善する。
【0079】
この技法はゲート・フィンガの数を2倍にするのと同様の効果を有するが、この結果、ダイ寸法が物理的に過度に広くなり過ぎてパッケージ内に嵌合しないということはない。これによりまた、本明細書において
図4に関して検討した広いトランジスタ・ダイと関連付けられる、位相変動の問題も緩和される。
【0080】
本明細書に記載するこの実施例ではまた、
図5A~
図5Cに関して記載した、大きくしたゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガの長さ(2W)に沿った位相変動を低減させて、
図2A~
図2Cに関して記載したより短いゲート長さ(W)の元の位相差に戻すことができるが、出力電流は増大する(例えば2倍になる)。
【0081】
本明細書に記載する実施例にはゲート相互接続部(例えば、
図6Bのゲート相互接続部625及び
図6Cのドレイン相互接続部635を参照)が組み込まれているが、いくつかの実施例では、ドレイン/ゲート・ランナを内側の場所においてドレイン/ゲート・フィンガに直接接続してもよいことが理解されるであろう。
図9Aは、ゲート・フィンガ及びドレイン・フィンガが介在する相互接続部を用いずに内側の場所において供給を受けるトランジスタ・デバイス900を示す平面図である。
図9Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線A-A’に沿って取られた
図9Aの断面図である。
図9Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線B-B’に沿って取られた
図9Aの断面図である。
図9A~
図9Cの要素のうち、本明細書に記載するものと同様のものは同様の参照番号で表されており、その重複する説明を省略する場合がある。
【0082】
図9A~
図9Cに示すように、介在する相互接続構造を用いずに内側の場所において、ゲート・ランナ621はゲート・フィンガ610に接続され得る、及び/又は、ドレイン・ランナ631はドレイン・フィンガ615に接続され得る。例えば、
図9Bを参照すると、ゲート・ランナ621は、ゲート・フィンガ610を覆うように延在して、導電ゲート・ビア627を介してゲート・フィンガ610の内側位置929に接続し得る。いくつかの実施例では、内側位置929は、ゲート・フィンガ610の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置929は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置929は、ゲート・フィンガ610の中間点からゲート・フィンガ610の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置929は、ゲート・フィンガ610の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0083】
同様に、
図9Cに示すように、ドレイン・ランナ631は、ドレイン・フィンガ615を覆うように延在して、導電ビア637を介してドレイン・フィンガ615の内側位置939に接続し得る。いくつかの実施例では、内側位置939は、ドレイン・フィンガ615の中間点にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置939は、ドレイン・フィンガ615の中間点からドレイン・フィンガ615の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置939は、ドレイン・フィンガ615の中間点からドレイン・フィンガ615の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置939は、ドレイン・フィンガ615の両端部の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0084】
図9Aは、ドレイン・フィンガ615及びゲート・フィンガ610の両方が、対応する相互接続部を用いずにドレイン・ランナ631及びゲート・ランナ621にそれぞれ直接接続されることを示しているが、他の構成が可能であることが理解されよう。例えばいくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば
図6Bに示すように、ゲート相互接続部625の内側位置629を介してゲート・フィンガ610に接続されてもよく、一方、ドレイン・ランナ631は、例えば
図9Cに示すように、内側位置939において、ドレイン相互接続部を用いずにドレイン・フィンガ615に接続されてもよい。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、例えば
図6Cに示すように、ドレイン相互接続部635の内側位置639を介してドレイン・フィンガ615に接続されてもよく、一方、ゲート・ランナ621は、例えば
図9Bに示すように、内側位置929において、ゲート相互接続部を用いずにゲート・フィンガ610に接続されてもよい。
【0085】
相互接続部(例えば、ゲート相互接続部及び/又はドレイン相互接続部)の使用によって、トランジスタ・デバイスの固有のフィンガ(例えば、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガ)よりも抵抗の低い層の使用が可能になり得る。例えば、相互接続部は、いくつかの実施例では、金属層で形成され得る、及び/又は、フィンガよりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、フィンガはポリシリコンで作製され得る。いくつかの技術においては、相互接続部として使用される追加の金属層が利用可能でない場合がある。いくつかの実施例では、追加の空間が利用可能である場合に、追加の金属層が使用され得る。例えば、本明細書において検討するように、デバイスのソース領域は、デバイスの頂面ではなく背面を通って、電気的に接続され得る。そのような実施例では、ソース領域への接続部と干渉することなく、ソース領域の表面を覆うように、デバイスのゲート・フィンガへの配線層が延在し得る。
【0086】
図10は、ゲート・マニホールド220に結合されているゲート・ボンド・パッド及びドレイン・マニホールド240に結合されているドレイン・ボンド・パッドの平面図である。
図10に示すように、ゲート・ボンド・パッドは、ゲート・マニホールド220に電気的に結合されるように構成され得る。ゲート・ボンド・パッドは、入力ボンド・ワイヤ1020をゲート・マニホールド220に接続するためのボンディング面として使用され得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、本明細書に記載するトランジスタ・セルにゲート信号を入力するために設けられ得る。同様に、ドレイン・ボンド・パッドは、ドレイン・マニホールド240に電気的に結合されるように構成され得る。ドレイン・ボンド・パッドは、出力ボンド・ワイヤ1040をドレイン・マニホールド240に接続するためのボンディング面として使用され得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、本明細書に記載する様々なトランジスタ・セルのドレイン領域から信号を出力するために設けられ得る。ゲート・マニホールド220とは別個であるものとして示されているが、いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド及びゲート・マニホールド220は単一の要素であってもよい。つまり、いくつかの実施例では、入力ボンド・ワイヤ1020は、ゲート・マニホールド220に直接結合され得る。同様に、いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド及びドレイン・マニホールド240は、出力ボンド・ワイヤ1040をドレイン・ボンド・パッドに直接結合できるような、単一の要素であってもよい。
【0087】
図10に見ることができるように、本明細書に記載するゲート/ドレイン・ランナ及びゲート/ドレイン相互接続部の構成を利用すると、デバイスを通って伝播する信号の位相変位を低減することによって、既存のデバイスの性能を改善することができる。いくつかの実施例では、
図10に示す改善された構成を、製造工程の変更を最小限にしながら、既存のダイと統合することができる。
【0088】
図11は、本発明のいくつかの実施例に係る、複数のゲート・ランナが利用されるトランジスタ・デバイスを示す断面図である。いくつかの実施例では、
図11に示すような分岐形態で追加の導体層(例えばゲート・ランナ)が使用され得る。いくつかの実施例では、分岐は対称であってもよい。導体層の数は、より短いフィンガを使用しながら同じ所望のゲート周辺部を作り出せるように、より多くの分岐が可能になるよう拡張することができる。例えば、
図11に示すように、ゲート・フィンガ1110は、いくつかのゲート・フィンガ・セグメント1110A、1110B、1110C、等へと分離され得る。本明細書において
図6B及び
図7に関して検討するように、ゲート・フィンガ・セグメント1110A、1110B、1110Cは互いから分離されてもよく、又は一体化されてもよい。
【0089】
ゲート・フィンガ1110は、複数の第1の導電ゲート・ビア1128によって、ゲート相互接続部1125に更に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125は、ゲート・フィンガ1110よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ1110よりも大きい寸法を有し得る。ゲート・フィンガ1110は、
図6A~
図6Cの半導体構造690と似た様式で半導体構造1190に接続され得る。
【0090】
ゲート相互接続部1125は、複数の第2の導電ゲート・ビア1127_1によって、第1のゲート・ランナ1121_1に更に接続され得る。第1のゲート・ランナ1121_1は、ゲート相互接続部1125よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ1121_1は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部1125よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125はセグメント化されてもよい。例えば、ゲート相互接続部1125は、互いから物理的に隔離され得る複数の(例えば4つの)セグメントへと分離されてもよい。ゲート相互接続部1125のセグメントの各々は、ゲート相互接続部1125のセグメントの内側位置に設置される複数の第2の導電ゲート・ビア1127_1のうちの1つによって、第1のゲート・ランナ1121_1に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部1125のセグメントの内側位置は、ゲート相互接続部1125のセグメントの中間点であり得る。
【0091】
第1のゲート・ランナ1121_1は、複数の第3の導電ゲート・ビア1127_2によって、第2のゲート・ランナ1121_2に更に接続され得る。第2のゲート・ランナ1121_2は、ゲート・ランナ1121_1よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、第2のゲート・ランナ1121_2は、第1の方向において(例えばY方向において)第1のゲート・ランナ1121_1よりも大きい寸法を有し得る。第2のゲート・ランナ1121_2は、第4の導電ゲート・ビア1127_3によって、第3のゲート・ランナ1121_3に更に接続され得る。第3のゲート・ランナ1121_3は、第2のゲート・ランナ1121_2よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、第3のゲート・ランナ1121_3は、第1の方向において(例えばY方向において)第2のゲート・ランナ1121_2よりも大きい寸法を有し得る。このようにして、ゲート・ランナの3つの層1121_1、1121_2、1121_3を有するデバイスを構築できる。
【0092】
いくつかの実施例では、各ゲート・ランナ層は、その下方にある隣り合う下側の層に、その隣り合う下側の層の内側位置に位置付けられた導電ビアによって接続され得る。例えば、第3のゲート・ランナ1121_3は、第2のゲート・ランナ1121_2のセグメントの内側位置に設置される第4の導電ゲート・ビア1127_3によって、第2のゲート・ランナ1121_2に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置は、第2のゲート・フィンガ1121_2の中間点であってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の中間点からゲート・ランナ層の長さの10パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の中間点からゲート・ランナ層の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置は、ゲート・ランナ層の第1の端部と第2の端部との間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0093】
図11に示すように、積み重ねられたゲート・ランナ層のうちのいくつかはセグメント化されていてもよい。例えば、第1のゲート・ランナ1121_1は、互いから物理的に隔離され得る2つのセグメントへと分けられてもよい。第1のゲート・ランナ1121_1のセグメントの各々は、セグメントの内側位置に設置される複数の第3の導電ゲート・ビア1127_2のうちの1つによって、第2のゲート・ランナ1121_2に接続され得る。いくつかの実施例では、第1のゲート・ランナ1121_1のセグメントの内側位置は、セグメントの中間点である。いくつかの実施例では、第1のゲート・ランナ1121_1は単一の層であってもよい。更に、
図11は3つのゲート・ランナ1121_1、1121_2、及び1121_3を示しているが、本発明の範囲を超えることなくより多くの又はより少ないゲート・ランナ及び/又は層が提供され得ることが理解されよう。
【0094】
図10に示すように、ゲート・ボンド・パッドに接続されている入力ボンド・ワイヤを介して、トランジスタ・セルに入力信号が提供され得る。同様に、トランジスタ・セルから、ドレイン・ボンド・パッドに接続されている出力ボンド・ワイヤを介して、ドレイン信号が出力され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド及び/又はドレイン・ボンド・パッドは、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガ上に設けられてもよい。
【0095】
図12Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ610の幅が大きくされゲート・フィンガ610上にゲート・ボンド・パッド1220が設けられている、トランジスタ・デバイス1200を示す平面図である。
図12Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線C-C’に沿って取られた
図12Aの断面図である。
図12Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線D-D’に沿って取られた
図12Aの断面図である。ゲート・フィンガ610、ドレイン・フィンガ615、及びソース・フィンガ605に関する要素のうちの多くは、
図6A、
図6B、及び
図6Cに示すものと同様である。したがってそのこれ以上の説明は省略する。
【0096】
図12A、
図12B、及び
図12Cに示すように、本発明のいくつかの実施例は、半導体構造690上に繰り返し配置されてトランジスタ・ダイ1215を形成する、複数のトランジスタ・セル700を提供し得る。トランジスタ・セル700は、
図3A~
図3Cに示すもののような半導体構造690(例えば、LDMOS又はHEMTトランジスタ・セル)で形成され得ることが諒解されるであろう。トランジスタ・セル700は、トランジスタ・デバイス1200の一部として配置されて、組み合わされた出力信号を提供し得る。例えば、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域、ドレイン領域、及びソース領域のそれぞれは、共有的に接続されて、並列に結合された複数のトランジスタを提供し得る。
【0097】
トランジスタ・デバイス1200はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)において互いから離間されている、複数のゲート・フィンガ610も含み得る。ゲート・フィンガ610の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2W、又は従来のトランジスタ・デバイスの幅よりも大きい何らかの他の幅を有し得る。いくつかの実施例では、幅2Wは800ミクロンであり得る。
【0098】
ゲート・フィンガ610を、複数のトランジスタ・セル700のゲート領域(例えばチャネル)のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690上に配設してもよい。複数のゲート・フィンガ610は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つにゲート信号を提供し得る。
【0099】
いくつかの実施例では、トランジスタ・デバイス1200はまた、半導体構造690上で第1の方向(例えばY方向)に配置されている、複数のドレイン・フィンガ615も含み得る。複数のドレイン・フィンガ615の各々は、第2の方向(例えばX方向)の幅2Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。複数のドレイン・フィンガ615を、複数のトランジスタ・セル700のドレイン領域のそれぞれと電気的に接触するように、半導体構造690の表面及び/又は中に配設してもよい。ドレイン・フィンガ615は、トランジスタ・セル700のそれぞれ1つのドレイン信号を伝導し得る。
【0100】
複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に、ゲート・ボンド・パッド1220を設けることができる。ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上で、第1の方向(例えば、Y方向)に(例えば、ゲート・フィガ610及び/又はドレイン・フィンガ615と交差するように)延在し得る。ゲート・ボンド・パッド1220に1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020がボンディングされ得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、トランジスタ・セル700のゲートに入力信号(例えば、ゲート信号)を提供し得る。
図12Aにはただ1つの入力ボンド・ワイヤ1020が示されているが、ゲート・ボンド・パッド1220に沿った様々な位置に追加の入力ボンド・ワイヤ1020が存在してもよいことが理解されるであろう。入力ボンド・ワイヤ1020のそれぞれ1つは、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615のうちの1つ又は複数の上にゲート・ボンド・パッド1220まで延在し得る。
【0101】
複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上にドレイン・ボンド・パッド1240が設けられてもよい。ドレイン・ボンド・パッド1240は、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上で、第1の方向(例えば、Y方向)に(例えば、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615と交差するように)延在し得る。ドレイン・ボンド・パッド1240に1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040がボンディングされ得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、トランジスタ・セル700からの出力信号(例えば、ドレイン信号)を提供し得る。
図12Aにはただ1つの出力ボンド・ワイヤ1040が示されているが、ドレイン・ボンド・パッド1240に沿った様々な位置に追加の出力ボンド・ワイヤ1040が存在してもよいことが理解されるであろう。出力ボンド・ワイヤ1040のそれぞれ1つは、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615のうちの1つ又は複数の上に延在して、ドレイン・ボンド・パッド1240にボンディングされ得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。
【0102】
各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、第2の導電ゲート・ビア1227によって、ゲート・ボンド・パッド1220に接続され得る。
【0103】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220をそれぞれのゲート相互接続部625に接続する各第2の導電ゲート・ビア1227は、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625に接続され得る。例えば、ゲート相互接続部625は、互いに反対側にある第1の端部645及び第2の端部646を有し得る。いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、第1の端部645と第2の端部646の間にあるゲート相互接続部625の内側位置629において、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点からずらされていてもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0104】
いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の各々は、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bから構成され得る。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは共線的に延在し得る。例えば、幅2Wを有するゲート・フィンガ610に対して、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bはいずれも幅Wを有し得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bは、
図12Bに示すように、間隙によって物理的に分離され得る。例えば、第1のセグメント610Aと第2のセグメント610Bの間に、追加の要素(例えば本明細書で検討する絶縁及び/又は誘電体層1230)が配設されてもよい。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、他の実施例では、例えば
図7に示すように、ゲート・フィンガ610が別々の第1のセグメント610A及び第2のセグメント610Bへと分割されない場合があり得ることが、諒解されるであろう。
【0105】
各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、それぞれのドレイン相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625とは異なるレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。
【0106】
各ドレイン相互接続部635は、それぞれの第2の導電ドレイン・ビア1237によって、ドレイン・ボンド・パッド1240に接続され得る。ゲート・ボンド・パッド1220の場合のように、いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240をそれぞれのドレイン相互接続部635に接続する第2の導電ドレイン・ビア1237は、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続され得る。ドレイン・ボンド・パッド1240をドレイン相互接続部635に接続するための様々な可能な態様は、本明細書においてゲート相互接続部625へのゲート・ボンド・パッド1220の接続に関して検討したものと同様であり、簡潔にするためにその重複する説明は繰り返さない。
【0107】
ゲート相互接続部625及び/又はドレイン相互接続部635の上面上に誘電体層1230を設けてもよい。誘電体層1230は、ドレイン・ボンド・パッド1240からゲート相互接続部625を、及び/又はゲート・ボンド・パッド1220からドレイン相互接続部635を絶縁するのを補助し得る。第2の導電ゲート・ビア1227は、ゲート・ボンド・パッド1220とゲート相互接続部625の間で誘電体層1230を貫通し得る。第2の導電ドレイン・ビア1237は、ドレイン・ボンド・パッド1240とドレイン相互接続部635の間で誘電体層1230を貫通し得る。誘電体層1230としては、例えば、熱酸化物層、酸化シリコン層、窒化シリコン、酸窒化シリコン、又は高誘電率誘電体層を挙げることができる。
【0108】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610及び/又はゲート相互接続部625上で、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点の近く(例えば、これらの間の半分のところ)に位置付けられてもよい。つまり、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート相互接続部625の中間点の法線方向に延びる仮想垂直線に近接するように配置され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート相互接続部625の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるゲート相互接続部625の長さの10パーセント以内の距離内にあってもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート相互接続部625の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。
【0109】
同様に、いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン・フィンガ615及び/又はドレイン相互接続部635上で、ドレイン相互接続部635の中間点の近く(例えば、その間の半分のところ)に位置付けられてもよい。つまり、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン相互接続部635の中間点の法線方向に延びる仮想垂直線に近接するように配置され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン相互接続部635の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるドレイン相互接続部635の長さの10パーセント以内の距離内にあってもよい。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン相互接続部635の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるドレイン相互接続部635の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240は、200ミクロン未満だけ分離され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240は、100ミクロン未満だけ分離され得る。
【0110】
例えば、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615の長さは360ミクロンであり得る。ゲート・ボンド・パッド1220がゲート・フィンガ610の中間点(例えば、180ミクロン)から20%以内に位置付けられる場合、ゲート・ボンド・パッド1220はゲート・フィンガ610の中間点から36ミクロンであり得る。同様に、ドレイン・ボンド・パッド1240がドレイン・フィンガ615の中間点(例えば、180ミクロン)から20%以内に位置付けられる場合、ドレイン・ボンド・パッド1240はドレイン・フィンガ615の中間点から36ミクロンであり得る。この場合、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240は72ミクロンだけ分離され得る。ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240のこれらの距離及び配置は単なる例であり、本明細書に記載する実施例はこれらに限定されない。
【0111】
隔離材1260は、トランジスタ・デバイスのトランジスタ・ダイ1215の表面上の、ゲート・ボンド・パッド1220とドレイン・ボンド・パッド1240の間のエリア上に設置され得る。
図12Aに示すように、入力ボンド・ワイヤ1020はゲート・ボンド・パッド1220に結合されてもよく、出力ボンド・ワイヤ1040はドレイン・ボンド・パッド1240に結合されてもよい。入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040が近接しているために、隔離材1260がない場合、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に電気的相互接続(例えば、容量性及び/又は磁性結合)が形成され得る。隔離材1260はこの容量性及び/又は磁性結合を弱化及び/又は防止し得る。入力ボンディング・ワイヤと出力ボンディング・ワイヤの間の隔離材の使用は、例えば、2018年12月4日出願のTrangらの「PACKAGED TRANSISTOR DEVICES WITH INPUT-OUTPUT ISOLATION AND METHODS OF FORMING PACKAGED TRANSISTOR DEVICES WITH INPUT-OUTPUT ISOLATION」と題する米国特許出願第16/208,821号で検討されており、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0112】
隔離材1260は、ゲート・ボンド・パッド1220及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240にそれぞれ接続されている、入力ボンド・ワイヤ1020及び/又は出力ボンド・ワイヤ1040と実質的に直交する第1の方向(例えば、Y方向)に延在し得る。
図12A~
図12Cには隔離材1260の例示の形状が含まれているが、それらは単に参考のためであり、具体的な寸法(例えば、高さ、長さ、又は幅)は異なり得る。例えば、
図12B及び
図12Cでは、隔離材1260の高さは隔離材1260の配置を示すことを意図している。いくつかの実施例では、隔離材の高さは、少なくとも入力ボンド・ワイヤ1020及び/又は出力ボンド・ワイヤ1040の一部と同じ高さ(すなわち、トランジスタ・ダイ1215の上方のZ方向における距離)まで延在し得る。
【0113】
いくつかの実施例では、隔離材1260は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組合せを含み得る。例えば、隔離材1260は、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタン・アルミニウム(TiAlN)、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組合せを含み得る。いくつかの実施例では、隔離材1260は、導電材料(例えば、金属又は金属含有物質)でめっき及び/又はコーティングした非導電材料を含み得る。
【0114】
隔離材1260は導電性隔離材であり得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、隔離材1260は、マイクロ波及び/又はRF放射を吸収できる誘電性材料を含み得る。いくつかの実施例では、隔離材1260は、損失性誘電体で形成され得る。損失性誘電体は、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間の結合を形成するものなどの電磁波を、吸収及び/又は低減するように構成され得る。隔離材1260における材料として有用であり得る損失性誘電体としては、0.1よりも大きい損失正接を有する損失性誘電体を挙げることができる。損失正接は、tan δとしても知られる、誘電率の実数部と虚数部の比である。いくつかの実施例では、隔離材1260として使用される損失性誘電体の損失正接は、トランジスタ・デバイス1200の動作周波数に基づき得る。損失性誘電体の実例としては、炭素を含有する誘電体を挙げることができる。
【0115】
いくつかの実施例では、隔離材1260は、例えばフェライト及び/又はニッケルなどの、磁性材料を含み得る。
【0116】
隔離材1260の使用によって、トランジスタ・デバイス1200の効率を低下させる容量性及び/又は磁性結合を生じることなく、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240を互いに比較的密に近接させて設置することが可能になり得る。ゲート・ボンド・パッド1220をトランジスタ・デバイスの中心のより近くに設置することによって、
図6A及び
図6Bに示されているゲート・ランナ621などのゲート・ランナを使用せずに(又はそのより小さいものを使用して)、ゲート・ボンド・パッド1220において提供されるゲート信号とゲート相互接続部625の内側位置629との間の接続を行うことができる。同様に、ドレイン・ボンド・パッド1240をトランジスタ・デバイスの中心のより近くに設置することによって、
図6A及び
図6Cに示されているドレイン・ランナ631などのドレイン・ランナを使用せずに(又はそのより小さいものを使用して)、ドレイン・ボンド・パッド1240から出力されるドレイン信号とドレイン相互接続部635の内側位置639との間の接続を行うことができる。
【0117】
図12Bは、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610の間にゲート・フィンガ610の長さに沿って複数の導電ビア628が接続されている、例示の実施例を示す。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610の間の接続部を、専ら及び/又は主としてゲート・フィンガ610の縁部部分に設けることが有益であり得る。
図12D及び
図12Eは、本発明のいくつかの実施例に係る、それぞれ線C-C’及び線D-D’に沿って取られた、ゲート・フィンガ610がエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図を示す。エッジ供給ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガを使用することの利益については、2019年4月4日出願のTrangらの「IMPROVED DRAIN AND/OR GATE INTERCONNECT AND FINGER STRUCTURE」と題する米国特許出願第16/375,398号で検討されており、その内容の全体が参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は、
図12Dに示すように、(例えば、ゲート・フィンガ610の中央部分に導電ビア628がなく)ゲート・フィンガ610の縁部部分610においてゲート信号を受け取ることができ、一方でドレイン・フィンガ615は、
図12Eに示すように、ゲート・フィンガ615の中央部分に導電ビア638を有して実装されている。このように、いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610はエッジ供給式であり得、ドレイン・フィンガ615は内側供給式であり得る。
図12D及び
図12Eに示されている構成によって、トランジスタ・デバイス1200の効率を更に改善できる。
図12Dの導電ビア628はゲート・フィンガ610の最も外側の縁部にあるものとして示されているが、本発明がこれらに限定されないことが理解されるであろう。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610は両縁部654、656を有してもよく、導電ビアは、ゲート・フィンガ610の両縁部と隣り合っていてもよい、及び/又は、ゲート・フィンガ610の両縁部(例えば、最も外側の縁部)からずらされていてもよい。例えば、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610の間の第1の導電ビア628は、第1の対向する縁部654からずらした第1の位置において、ゲート・フィンガ610に接続することができ、ゲート相互接続部625とゲート・フィンガ610の間の第2の導電ビア628は、ゲート・フィンガ610の第2の対向する縁部656から第2のずれの量だけずらした第2の位置において、ゲート・フィンガ610に接続することができる。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア628を、最も近くにあるゲート・フィンガ610の対向する縁部654、656から(例えばX方向における)ゲート・フィンガの幅の3分の1以内の第1の及び第2のずれの量だけ、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれからずらしてもよい。本明細書で使用する場合、ゲート・フィンガ610の幅(例えば、関連するトランジスタ・セルのゲートの幅)は、ゲート・フィンガ・セグメント610A、610Bの間の間隙を含まない、(例えばX方向における)ゲート・フィンガ610の両縁部654、656の間の距離である。いくつかの実施例では、ゲート・フィンガ610の幅は、第1のゲート・フィンガ・セグメント610Aの幅と第2のゲート・フィンガ・セグメント610Bの幅の合計であり得る。いくつかの実施例では、第1の及び/又は第2の導電ビア628を、最も近くにあるゲート・フィンガ610の対向する縁部654、656から(例えばX方向における)ゲート・フィンガ610の幅の4分の1以内の第1の及び第2のずれの量だけ、ゲート・フィンガ610の両縁部654、656のそれぞれからずらしてもよい。縁部654、656からの第1のずれの量及び第2のずれの量は、互いに異なる値を有し得る(例えば、ずれの量の一方が他方よりも大きくなり得る)ことが、理解されるであろう。いくつかの実施例では、第1の及び第2のずれの量は実質的にゼロであってもよいが、このことは、導電ビア628がゲート・フィンガ610の最も外側の縁部に設置されていることを意味する。
【0118】
図12D及び
図12Eはゲート・フィンガ610がエッジ供給式である実例を示すが、本発明はこれに限定されない。
図12F及び
図12Gは、本発明のいくつかの実施例に係る、それぞれ線C-C’及び線D-D’に沿って取られた、ドレイン・フィンガ615がエッジ供給式である
図12Aの別の例示の実施例の断面図を示す。
図12F及び
図12Gの例示の実施例は
図12D及び
図12Eのものに類似しているが、異なる点として、ドレイン・フィンガ615は、
図12Gに示すように、(例えば、ドレイン・フィンガ615の中央部分に導電ビア638がなく)ドレイン・フィンガ615の縁部部分においてドレイン信号を出力することができ、一方でゲート・フィンガ610は、
図12Fに示すように、ゲート・フィンガ610の中央部分に導電ビア628を有して実装されている。このように、いくつかの実施例では、ドレイン・フィンガ615はエッジ供給式であり得、ゲート・フィンガ610は内側供給式であり得る。
【0119】
図12A~
図12Gに関して記載したように、隔離材1260はいくつかの形態をとることができる。
図13Aは、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間の結合の効果を弱化するために隔離材1260を利用する、本発明に係るパッケージングされたトランジスタ・デバイス1300の斜視図である。
図13Bは、線E-E’に沿って取られた、
図13Aの実施例で示す隔離材1260を組み込んだパッケージングされたトランジスタ・デバイス1300の概略断面図である。
【0120】
図13Aのパッケージングされたトランジスタ・デバイス1300には、
図12A~
図12Gに示されているトランジスタ・ダイ1215を組み込むことができる。
図13Aに示すように、パッケージングされたトランジスタ・デバイス1300は、ボンド・ワイヤ1332を介してコンデンサ1336の第1の端子に結合されている入力リード1314を含んでもよく、コンデンサ1336の第1の端子は、入力ボンド・ワイヤ1020を介してトランジスタ・ダイ1315に結合され得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、トランジスタ・ダイ1215の表面上にあるゲート・ボンド・パッド1220に結合され得る。いくつかの実施例では、ボンド・ワイヤ1332、コンデンサ1336、及び入力ボンド・ワイヤ1020は入力整合回路を形成し得るが、本明細書に記載する実施例はこれに限定されない。いくつかの実施例では、入力ボンド・ワイヤ1020は入力リード1314に直接、又は、これらの間の他の及び/若しくは追加の回路要素を伴って結合され得る。
【0121】
トランジスタ・ダイ1215は更に、出力ボンド・ワイヤ1040を介してコンデンサ1322の第1の端子に、及びボンド・ワイヤ1338を介して出力リード1318に、結合され得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、トランジスタ・ダイ1215の表面上にあるドレイン・ボンド・パッド1240に結合され得る。いくつかの実施例では、ボンド・ワイヤ1338、コンデンサ1322、及び出力ボンド・ワイヤ1040は出力整合回路を形成し得るが、本明細書に記載する実施例はこれに限定されない。いくつかの実施例では、出力ボンド・ワイヤ1040は出力リード1318に直接、又は、これらの間の他の及び/若しくは追加の回路要素を伴って結合され得る。ボンド・ワイヤ1332、入力ボンド・ワイヤ1020、出力ボンド・ワイヤ1040、及び/又はボンド・ワイヤ1338のうちの少なくとも1つは、トランジスタ・ダイ1215の頂面の上方に延在し得る。
【0122】
図13A及び
図13Bを参照すると、本発明の実施例では、トランジスタ・ダイ1215のゲート・ボンド・パッド1220に結合されている入力ボンド・ワイヤ1020と、トランジスタ・ダイ1215のドレイン・ボンド・パッド1240に結合されている出力ボンド・ワイヤ1040と、の間に、隔離材1260が挿入され得る。隔離材1260はトランジスタ・ダイ1215の頂面上に延在してもよく、隔離材1260の少なくとも一部は、物理的に入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に(例えば、トランジスタ・ダイ1215の上方に)あってもよい。本明細書で使用する場合、第1の要素が物理的に第2の要素と第3の要素の間にあるのは、第2の要素の一部から第3の要素の一部への直線が第1の要素と交わるときである。
【0123】
いくつかの実施例では、隔離材1260は、ゲート・ボンド・パッド1220に接続されている入力ボンド・ワイヤ1020及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240に接続されている出力ボンド・ワイヤ1040と実質的に直交する、第1の方向に延在し得る。隔離材1260は、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間の容量性及び/又は磁性結合を弱化し得る。いくつかの実施例では、隔離材1260は、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に電磁シールドを提供するように構成され得る。
【0124】
いくつかの実施例では、隔離材1260は、導電性隔離材1260を形成するために導電材料で構築され得る。導電性隔離材1260は、基準電圧源(例えば、グランド)に結合され得る。例えば、導電性隔離材1260は、接地された導電フランジ、パッケージングされたトランジスタ・デバイス1300の基部上の接地されたパッド、及び/又はグランド信号を提供できるパッケージングされたトランジスタ・デバイス1300の他の要素に結合され得る。
【0125】
いくつかの実施例では、導電性隔離材1260は、パッド、又はトランジスタ・ダイ1215の頂面上に設けられる他の接続要素に結合され得る。パッドは、トランジスタ・ダイ1215の内側接続部を介して、基準信号(例えば、グランド)に接続され得る。いくつかの実施例では、導電性隔離材1260は、グランドに結合されるのとは対照的に電気的に浮いた状態(electrically floating)となるように設けられてもよい。
【0126】
例えば、
図13Bを参照すると、隔離材1260はトランジスタ・ダイ1215上の基部隔離セグメント1320に結合され得る。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1320はボンド・ワイヤであり得る。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1320は、基部及び/又は基板にトランジスタ・ダイ1215の一方側で接続されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の上方でトランジスタ・ダイ1215上に延在してもよく、基部及び/又は基板にトランジスタ・ダイ1215の第2の側で接続されてもよい。基部隔離セグメント1320の少なくとも一方側は、基準信号(例えば、グランド信号)に接続され得る。ただし、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1320は、トランジスタ・ダイ1215の表面上にあるパッドに接続されてもよく、パッドは更に、トランジスタ・ダイ1215の内側接続部及び/又は外側接続部を介して、基準信号(例えば、グランド)に接続される。例えば、いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1320は、同じくグランドに結合され得るトランジスタ・ダイ1215のソース領域に、共通して結合され得る。
【0127】
隔離材1260は導電性隔離材であり得るが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、隔離材1260は、マイクロ波及び/又はRF放射を吸収できる誘電性材料を含み得る。いくつかの実施例では、隔離材1260は、損失性誘電体及び/又は磁性材料で形成され得る。
【0128】
図14Aは、本発明の更なる実施例に係る隔離材1260を示す概略断面図である。
図14Aに示すように、隔離材1260は、1つ又は複数の隔離セグメント1410から構成され得る。いくつかの実施例では、隔離セグメント1410は、トランジスタ・ダイ1215の頂面から離れる方向に(例えば、垂直方向に)延在し得る。いくつかの実施例では、隔離セグメント1410は、トランジスタ・ダイ1215の頂面に対して実質的に垂直な方向に延在し得る。
図14Aに示されている隔離材1260が、
図13Aのパッケージングされたトランジスタ・デバイスと同様の方法で、トランジスタ・ダイ1215上で、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040などのパッケージングされたトランジスタ・デバイスの他の要素に対して配設され得ることが、理解されるであろう。つまり、隔離材1260の隔離セグメント1410は、トランジスタ・ダイ1215の上方で、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に配設され得る。
【0129】
いくつかの実施例では、隔離セグメント1410は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、又は上記の材料の組合せを含み得る。例えば、隔離セグメント1410は、タングステン(W)、窒化タングステン(WN)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、窒化チタン・アルミニウム(TiAlN)、イリジウム(Ir)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、ルテニウム(Ru)、ジルコニウム(Zr)、ロジウム(Rh)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、スズ(Sn)、亜鉛(Zn)、酸化インジウムスズ(ITO)、上記の金属の合金、又は上記の金属の組合せを含み得る。いくつかの実施例では、隔離セグメント1410は、損失性誘電体及び/又は磁性材料を含み得る。
【0130】
いくつかの実施例では、隔離セグメント1410は基部隔離セグメント1420上に形成され得るが、本発明はこれらに限定されない。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420は、基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の一方側で接続されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の上方でトランジスタ・ダイ1215上に延在してもよく、且つ/又は、基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の第2の側で接続されてもよい。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420は、複数のボンド・ワイヤのうちの1つであり得る。
【0131】
図14Aは基部及び/又は基板に接続されている基部隔離セグメント1420を示しているが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、トランジスタ・ダイ1215はその表面上に、(例えば、基板への)トランジスタ・ダイ1215の内側又は外側接続部を介して基準信号(例えば、グランド)に接続されている、パッド及び/又は他の接続要素を有し得る。
図14Bは、トランジスタ・ダイ1215がトランジスタ・ダイ1215の頂面上にグランド・パッド1482を有する実施例を示す。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420は、トランジスタ・ダイ1215の表面上にあるグランド・パッド1482に接続され得る。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420の少なくとも一方端部は、基準信号(例えば、グランド信号)に接続され得る。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420はボンド・ワイヤであり得る。いくつかの実施例では、基部隔離セグメント1420は、トランジスタ・ダイ1215の頂面上に形成された金属製のトレース及び/又はセグメントであり得る。
【0132】
図13A~
図14Bは、隔離材1260として金属壁及び/又は他の垂直方向に延在する構造を使用することを示しているが、本発明から逸脱することなく隔離材1260の他の構成を使用してもよいことが理解されるであろう。例えば、いくつかの実施例では、隔離材1260は、金属メッシュ材などのメッシュ材で形成され得る。いくつかの実施例では、隔離材1260は、個々の隔離ボンド・ワイヤから形成され得る。
図15Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、隔離ボンド・ワイヤ1510を組み込んだ隔離材1260の構成を示す断面図である。
【0133】
図15Aを参照すると、隔離材1260は、基準電圧源(例えば、グランド信号)に接続され得る複数の隔離ボンド・ワイヤ1510から構成され得る。
図15Aに示されている隔離材1260が、
図13Aのパッケージングされたトランジスタ・デバイスと同様の方法で、トランジスタ・ダイ1215上で、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040などのパッケージングされたトランジスタ・デバイスの他の要素に対して配設され得ることが、理解されるであろう。いくつかの実施例では、隔離材1260の隔離ボンド・ワイヤ1510は、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040が延在する方向に直交する第1の方向において、トランジスタ・ダイ1215の第1の側からトランジスタ・ダイ1215の第2の側まで延在し得る。物理的に入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に(例えば、トランジスタ・ダイ1215の上方に)、隔離ボンド・ワイヤ1510のうちの少なくとも1つの一部が配設され得る。
【0134】
いくつかの実施例では、隔離ボンド・ワイヤ1510は、トランジスタ・ダイ1215が上に配置される基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の第1の側で接続されてもよく、トランジスタ・ダイ1215よりも上の高さでトランジスタ・ダイ1215上に延在してもよく、且つ/又は、基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の第2の側で接続されてもよい。いくつかの実施例では、複数の隔離ボンド・ワイヤ1510の個々の1つの一部が互いに(例えば、水平及び/又は垂直方向において)重なり合ってもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0135】
図15Aは基部及び/又は基板に接続されている隔離ボンド・ワイヤ1510を示しているが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、トランジスタ・ダイ1215はその表面上に、(例えば、基板への)トランジスタ・ダイ1215の内側又は外側接続部を介して基準信号(例えば、グランド)に接続されている、パッド及び/又は他の接続要素を有し得る。
図15Bは、本発明の更なる実施例に係る、複数の隔離ボンド・ワイヤ1510が1つ又は複数のグランド・パッド1582に接続されている実施例を示す。いくつかの実施例では、複数の隔離ボンド・ワイヤ1510は、トランジスタ・ダイ1215の表面、例えば頂面又は側面などの上にある、グランド・パッド1582に接続され得る。
【0136】
図16Aは、本発明の更なる実施例に係る、隔離ボンド・ワイヤ1610を組み込んだ隔離材1260の構成を示す断面図である。
図16Aを参照すると、隔離材1260は、基準電圧源(例えば、グランド信号)に接続され得る複数の隔離ボンド・ワイヤ1610から構成され得る。隔離材1260の隔離ボンド・ワイヤ1610は、第1の方向においてトランジスタ・ダイ1215の第1の側からトランジスタ・ダイ1215の第2の側まで延在し得る。いくつかの実施例では、隔離材1260の隔離ボンド・ワイヤ1610は、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040が延在する方向に直交する第1の方向において、トランジスタ・ダイ1215の第1の側からトランジスタ・ダイ1215の第2の側まで延在し得る。入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間に(例えば、トランジスタ・ダイ1215の上方に)、隔離ボンド・ワイヤ1610のうちの少なくとも1つの一部が配設され得る。
【0137】
いくつかの実施例では、隔離ボンド・ワイヤ1610は、トランジスタ・ダイ1215が上に配置される基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の第1の側で接続されてもよく、トランジスタ・ダイ1215よりも上の高さでトランジスタ・ダイ1215上に延在してもよく、且つ/又は、基部及び/若しくは基板にトランジスタ・ダイ1215の第2の側で接続されてもよい。いくつかの実施例では、複数の隔離ボンド・ワイヤ1610のうちの第1のものは、複数の隔離ボンド・ワイヤ1610のうちの第2のものよりも高いレベルに(例えば、トランジスタ・ダイ1215からより遠くに)延在し得る。いくつかの実施例では、複数の隔離ボンド・ワイヤ1610の個々の1つの一部が互いに実質的に平行に延在してもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、隔離ボンド・ワイヤ1610のそれぞれ1つは、垂直方向において重なり合ってもよく、しかし水平方向において重なり合わなくてもよい。
【0138】
図16Aは基部及び/又は基板に接続されている隔離ボンド・ワイヤ1610を示しているが、本発明はこれに限定されない。
図16Bは、複数の隔離ボンド・ワイヤ1610が1つ又は複数のグランド・パッド1682に接続されている実施例を示す。いくつかの実施例では、トランジスタ・ダイ1215はその表面上に、(例えば、基板への)トランジスタ・ダイ1215の内側又は外側接続部を介して基準信号(例えば、グランド)に接続されている、グランド・パッド1682及び/又は他の接続要素を有し得る。いくつかの実施例では、複数の隔離ボンド・ワイヤ1610は、トランジスタ・ダイ1215の表面、例えば頂面又は側面などの上にある、グランド・パッド1682に接続され得る。
【0139】
本明細書で検討するように、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガ上には、これらに結合するために使用されるボンド・ワイヤ間の容量性及び/又は磁性結合の量を低減するために、ゲート・ボンド・パッド及び/又はドレイン・ボンド・パッドが配設され得る。
図12A~
図12Gに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220とゲート相互接続部625の間に導電ビア(例えば、第2の導電ゲート・ビア1227)が直接設けられているとき、第2の導電ゲート・ビア1227がゲート相互接続部625に接続される内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からずらされていてもよい。同様に、ドレイン・ボンド・パッド1240とドレイン相互接続部635の間に導電ビア(例えば、第2の導電ドレイン・ビア1237)が直接設けられているとき、第2の導電ドレイン・ビア1237がドレイン相互接続部635に接続される内側位置639は、ドレイン相互接続部635の中間点からずらされていてもよい。このずれは、いくつかの実施例では、隔離材1260が中に配設される、ゲート・ボンド・パッド1220とドレイン・ボンド・パッド1240間の間隔に起因し得る。
【0140】
いくつかの実施例では、第2の導電ドレイン/ゲート・ビアをそれぞれのゲート/ドレイン相互接続部の中間点のより近くで接続するために、第2の導電ドレイン/ゲート・ビアにずれを設けることが有益であり得る。
図17Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ610の幅が大きくされゲート・フィンガ610上に多セグメント導電ゲート・ビア1720を用いてゲート・ボンド・パッド1220が設けられている、トランジスタ・デバイス1700を示す平面図である。
図17Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線F-F’に沿って取られた
図17Aの断面図である。
図17Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線G-G’に沿って取られた
図17Aの断面図である。ゲート・フィンガ610、ドレイン・フィンガ615、及びソース・フィンガ605に関する要素のうちの多くは、
図6A~
図6C及び
図12A~
図12Cに示すものと同様である。したがってそのこれ以上の説明は省略する。
【0141】
図17A~
図17Cを参照すると、複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上にゲート・ボンド・パッド1220が設けられてもよい。ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上で、第1の方向(例えば、Y方向)に(例えば、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615と交差するように)延在し得る。ゲート・ボンド・パッドに1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020がボンディングされ得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、トランジスタ・セル700のゲートに入力信号(例えば、ゲート信号)を提供し得る。
図17Aにはただ1つの入力ボンド・ワイヤ1020が示されているが、ゲート・ボンド・パッド1220に沿った様々な位置に追加の入力ボンド・ワイヤ1020が存在してもよいことが理解されるであろう。入力ボンド・ワイヤ1020のそれぞれ1つは、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615のうちの1つ又は複数の上にゲート・ボンド・パッド1220まで延在し得る。
【0142】
複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上にドレイン・ボンド・パッド1240が設けられてもよい。ドレイン・ボンド・パッド1240は、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上で、第1の方向(例えば、Y方向)に(例えば、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615と交差するように)延在し得る。ドレイン・ボンド・パッドに1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040がボンディングされ得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、トランジスタ・セル700からの出力信号(例えば、ドレイン信号)を提供し得る。
図17Aにはただ1つの出力ボンド・ワイヤ1040が示されているが、ドレイン・ボンド・パッド1240に沿った様々な位置に追加の出力ボンド・ワイヤ1040が存在してもよいことが理解されるであろう。出力ボンド・ワイヤ1040のそれぞれ1つは、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615のうちの1つ又は複数の上に延在して、ドレイン・ボンド・パッド1240にボンディングされ得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。
【0143】
図17A及び
図17Bを参照すると、各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、多セグメント導電ゲート・ビア1720によって、ゲート・ボンド・パッド1220に接続され得る。
【0144】
多セグメント導電ゲート・ビア1720は、ゲート・ボンド・パッド1220とゲート相互接続部625の間の接続部を提供する、複数のセグメントを含み得る。複数のセグメントは、例えば、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722と、第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724と、第2の垂直ゲート・ビア・セグメント1726と、を含み得る。例えば、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722は、ゲート・ボンド・パッド1220に結合されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の表面の下方で垂直方向に延在し得る。第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724は、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722に結合されてもよく、誘電体層1230内で全体的に第2の方向(例えば、X方向)に、ゲート相互接続部625の中間点の上方の地点まで延在し得る。第2の垂直ゲート・ビア・セグメント1726は、第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724に結合されてもよく、垂直方向に延在して、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625と結合してもよい。
【0145】
用語「水平」及び「垂直」は、そのセグメントが厳密に水平又は垂直方向に延在することは要求しないことが理解されるであろう。むしろ、垂直セグメント(例えば、第1のゲート・ビア垂直セグメント1722及び/又は第2のゲート・ビア垂直セグメント1726)は全体的に、第1の位置から、第1の位置から第3の方向(例えば、Z方向)に離れている第2の位置まで延在し得る。同様に、水平セグメント(例えば、第1のゲート・ビア水平セグメント1722)は全体的に、第1の位置から、第1の位置から第1の及び/又は第2の方向(例えば、Y方向及び/又はX方向)に離れている第2の位置まで延在し得る。
【0146】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220をそれぞれのゲート相互接続部625に接続する各多セグメント導電ゲート・ビア1720は、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625に接続され得る。例えば、ゲート相互接続部625は、互いに反対側にある第1の端部645及び第2の端部646を有し得る。いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア627は、第1の端部645と第2の端部646の間にあるゲート相互接続部625の内側位置629において、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点からずらされていてもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の中間点からゲート相互接続部625の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の間の距離の3分の1から3分の2の間の距離にあってもよい。
【0147】
同様に、
図17Aから
図17Cを参照すると、各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、ドレイン相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。ドレイン相互接続部635は、第2の多セグメント導電ドレイン・ビア1730によって、ドレイン・ボンド・パッド1240に接続され得る。
【0148】
多セグメント導電ドレイン・ビア1730は、ドレイン・ボンド・パッド1240とドレイン相互接続部635の間の接続部を提供する、複数のセグメントを含み得る。複数のセグメントは、例えば、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732と、第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734と、第2の垂直ドレイン・ビア・セグメント1736と、を含み得る。例えば、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732は、ドレイン・ボンド・パッド1240に結合されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の表面の下方で垂直方向に延在し得る。第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734は、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732に結合されてもよく、誘電体層1230内で全体的に第2の方向(例えば、X方向)に、ドレイン相互接続部635の中間点の上方の地点まで延在し得る。第2の垂直ドレイン・ビア・セグメント1736は、第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734に結合されてもよく、垂直方向に延在して、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635と結合してもよい。
【0149】
いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240をそれぞれのドレイン相互接続部635に接続する各多セグメント導電ドレイン・ビア1730は、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続され得る。ドレイン相互接続部635の内側位置639は、本明細書でゲート相互接続部625の内側位置629に関して検討したのと同様に、ドレイン相互接続部の両端部の間に位置付けられてもよい。
【0150】
多セグメント導電ゲート・ビア1720及び多セグメント導電ドレイン・ビア1730は3つのセグメントを有して示されているが、異なる数のセグメントを、本発明から逸脱することなく
図17B及び
図17Cに示すものとは異なる構成で使用してもよいことが理解されるであろう。一般に、多セグメント導電ゲート・ビア1720及び多セグメント導電ドレイン・ビア1730は、相互接続部(例えば、ゲート及び/若しくはドレイン相互接続部)並びに/又はフィンガ(例えば、ゲート及び/若しくはドレイン・フィンガ)の内側位置から、相互接続部及び/又はフィンガ上の内側位置から水平方向にずらされているボンド・パッド(例えば、ゲート・ボンド・パッド1120及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240)へと信号を通信するように構成されている、任意の導電ビアを含むことを意図している。
【0151】
図12D~
図12Gに関して本明細書で検討したように、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615は、エッジ供給式となるように構成され得る。
図17D及び
図17Eは、本発明のいくつかの実施例に係る、それぞれ線F-F’及び線G-G’に沿って取られた、ゲート・フィンガ610がエッジ供給式である、多セグメント導電ゲート・ビア1720を組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図を示す。
図17F及び
図17Gは、本発明のいくつかの実施例に係る、それぞれ線F-F’及び線G-G’に沿って取られた、ドレイン・フィンガ615がエッジ供給式である、多セグメント導電ドレイン・ビア1730を組み込んだ
図17Aの別の例示の実施例の断面図を示す。
【0152】
図17D~
図17Gに示すように、トランジスタ・デバイス1700には、
図12D~
図12Gに関して本明細書で検討したような様式で、エッジ供給ゲート・フィンガ610及び内側供給ドレイン・フィンガ615(
図17D、
図17Eを参照)、又は内側供給ゲート・フィンガ610及びエッジ供給ドレイン・フィンガ615(
図17F、
図17Gを参照)を組み込むことができる。エッジ供給ゲート・フィンガ610又はエッジ供給ドレイン・フィンガ615の使用によって、トランジスタ・デバイス1700の電力効率を改善することができる。
【0153】
図12A~
図17Gは、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240の両方がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在する実施例を示しているが、他の実施例が可能であることが当業者には明らかであろう。
図18Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在し、ドレイン・ボンド・パッド1240がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在しない、トランジスタ・デバイス1800を示す平面図である。
図18Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線H-H’に沿って取られた
図18Aの断面図である。
図18Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線I-I’に沿って取られた
図18Aの断面図である。
図18A~
図18Cの要素には本明細書に記載する要素が組み込まれているが、
図18A~
図18Cの説明では、上記の実施例との相違点に注目する。
【0154】
図18A及び
図18Bを参照すると、トランジスタ・デバイス1800のトランジスタ・セル700のゲートには、ゲート・ボンド・パッド1220が複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に設けられ得るゲート構成を組み込むことができる。ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上に(例えば、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615と交差するように)延在し得る。ゲート・ボンド・パッド1220に1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020がボンディングされ得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、トランジスタ・セル700のゲートに入力信号(例えば、ゲート信号)を提供し得る。
図18Aにはただ1つの入力ボンド・ワイヤ1020が示されているが、ゲート・ボンド・パッド1220に沿った様々な位置に追加の入力ボンド・ワイヤ1020が存在してもよいことが理解されるであろう。入力ボンド・ワイヤ1020のそれぞれ1つは、ゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615のうちの1つ又は複数の上にゲート・ボンド・パッド1220まで延在し得る。
【0155】
各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ゲート・ビア628によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。ゲート相互接続部625は、第2の導電ゲート・ビア1227によって、ゲート・ボンド・パッド1220に接続され得る。
【0156】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220をそれぞれのゲート相互接続部625に接続する各第2の導電ゲート・ビア1227は、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625に接続され得る。例えば、ゲート相互接続部625は、互いに反対側にある第1の端部645及び第2の端部646を有し得る。いくつかの実施例では、第2の導電ゲート・ビア1227は、第1の端部645と第2の端部646の間にあるゲート相互接続部625の内側位置629において、ゲート相互接続部625に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置629は、ゲート相互接続部625の第1の端部645と第2の端部646の中間点からずらされていてもよい。第2の導電ゲート・ビア1227は、例えば、
図12A~
図12Gに関して本明細書に記載されているように結合され得る。
【0157】
図18A及び
図18Cを参照すると、トランジスタ・デバイス1800のトランジスタ・セル700には、ドレイン・ボンド・パッド1240が複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在しないドレイン構成を組み込むことができる。ドレイン・ボンド・パッド1240は、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615と隣り合うように、第1の方向(例えば、Y方向)に延在し得る。ドレイン・ボンド・パッド1240に1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040がボンディングされ得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、トランジスタ・セル700からの出力信号(例えば、ドレイン信号)を提供し得る。
図18Aにはただ1つの出力ボンド・ワイヤ1040が示されているが、ドレイン・ボンド・パッド1240に沿った様々な位置に追加の出力ボンド・ワイヤ1040が存在してもよいことが理解されるであろう。
【0158】
各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、それぞれのドレイン相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625と同じレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625とは異なるレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。
【0159】
各ゲート相互接続部635は、ドレイン相互接続部635の内側位置639において、それぞれの第2の導電ドレイン・ビア637によってそれぞれのドレイン・ランナ631に接続され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、半導体構造690よりも上方のドレインイ相互接続部635よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン相互接続部635よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ランナ631は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ドレイン・ランナ631はドレイン・ボンド・パッド1240に接続され得る。ドレイン・ボンド・パッド1240は、複数のトランジスタ・セル700のドレイン信号を提供し得る。
【0160】
図18Aではドレイン・ランナ631はドレイン・ボンド・パッド1240に直接接続されているものとして示されているが、追加の実施例が可能であることが理解されるであろう。例えば、ドレイン・ボンド・パッド1240は、
図6A及び
図6Cのドレイン・マニホールド640などのドレイン・マンドレルに接続されてもよく、ドレイン・マニホールド640はドレイン・ランナ631に接続されてもよい。
【0161】
隔離材1260は、トランジスタ・デバイスのトランジスタ・ダイ1215の表面上の、ゲート・ボンド・パッド1220とドレイン・ボンド・パッド1240の間のエリア上に設置され得る。
図18Aに示すように、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040は前出の実施例よりも大きい距離で分離されているが、それでもやはり、隔離材の使用によって、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間の容量性及び/又は磁性結合の防止及び/又は弱化を補助することができる。隔離材1260は本明細書に記載する構成のいずれで構成されてもよく、その重複する説明は省略する。
【0162】
図18A~
図18Cのゲート構成に関して、ゲート・ボンド・パッド1220をゲート相互接続部625にゲート相互接続部625の内側位置629において接続するために、第2の導電ゲート・ビア1227が利用される。
図18Bに示すように、第2の導電ゲート・ビア1227は、ゲート相互接続部625の中間点からずらされている内側位置629に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部の中間点により近い内側位置629においてゲート相互接続部625に接続するために、多セグメント導電ビアが利用され得る。
【0163】
例えば、
図19A~
図19Cは、
図18A~
図18Cの実施例と類似しているが多セグメント導電ゲート・ビア1720を使用した、本発明の実施例を示す。
図19Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に多セグメント導電ゲート・ビア1720を用いてゲート・ボンド・パッド1220が設けられており、ドレイン・ボンド・パッド1240はゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在しない、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
図19Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線J-J’に沿って取られた
図19Aの断面図である。
図19Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線K-K’に沿って取られた
図19Aの断面図である。
図19A~
図19Cの要素には本明細書に記載する要素が組み込まれているが、
図19A~
図19Cの説明では、上記の実施例との相違点に注目する。
【0164】
図19Bに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220は、多セグメント導電ゲート・ビア1720によって、ゲート相互接続部625に結合され得る。多セグメント導電ゲート・ビア1720は、ゲート・ボンド・パッド1220とゲート相互接続部625の間の接続部を提供する、複数のセグメントを含み得る。複数のセグメントは、例えば、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722と、第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724と、第2の垂直ゲート・ビア・セグメント1726と、を含み得る。例えば、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722は、ゲート・ボンド・パッド1220に結合されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の表面の下方で垂直方向に延在し得る。第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724は、第1の垂直ゲート・ビア・セグメント1722に結合されてもよく、誘電体層1230内で全体的に第2の方向(例えば、X方向)に、ゲート相互接続部625の中間点の上方の地点まで延在し得る。第2の垂直ゲート・ビア・セグメント1726は、第1の水平ゲート・ビア・セグメント1724に結合されてもよく、垂直方向に延在して、ゲート相互接続部625の内側位置629においてゲート相互接続部625と結合してもよい。多セグメント導電ゲート・ビア1720は、本明細書で
図17A~
図17Gに関して検討されている構成と同様であり得る。
【0165】
図19Cに示すように、ドレイン・ボンド・パッド1240は、
図18A及び
図18Cに関して図示及び記載されているものと同様の様式で結合され得る。したがってその重複する説明は省略する。
【0166】
トランジスタ・デバイスはまた、ドレイン・ボンド・パッド1240はゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在するが、ゲート・ボンド・パッド1220はそうではないようにして、結合されてもよい。
図20Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在せず、ドレイン・ボンド・パッド1240がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在する、トランジスタ・デバイス2000を示す平面図である。
図20Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線L-L’に沿って取られた
図20Aの断面図である。
図20Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線M-M’に沿って取られた
図20Aの断面図である。
図20A~
図20Cの要素には本明細書に記載するいくつかの要素が組み込まれているが、
図20A~
図20Cの説明では、上記の実施例との相違点に注目する。
【0167】
図20A及び
図20Bを参照すると、トランジスタ・デバイス2000のトランジスタ・セル700のゲートには、ゲート・ボンド・パッド1220が複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在しないゲート構成を組み込むことができる。ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615と隣り合うように、第1の方向(例えば、Y方向)に延在し得る。ゲート・ボンド・パッド1220に1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020がボンディングされ得る。入力ボンド・ワイヤ1020は、トランジスタ・セル700に入力信号(例えば、ゲート信号)を提供し得る。
図20Aにはただ1つの入力ボンド・ワイヤ1020が示されているが、ゲート・ボンド・パッド1220に沿った様々な位置に追加の入力ボンド・ワイヤ1020が存在してもよいことが理解されるであろう。
【0168】
各ゲート・フィンガ610は、複数の第1の導電ドレイン・ビア628によって、それぞれのゲート相互接続部625に結合され得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、半導体構造690よりも上方のゲート・フィンガ610よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート相互接続部625は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート・フィンガ610よりも大きい寸法を有し得る。
【0169】
各ゲート相互接続部625は、ゲート相互接続部625の内側位置629において、それぞれの第2の導電ゲート・ビア627によってそれぞれのゲート・ランナ621に接続され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、半導体構造690よりも上方のゲート相互接続部625よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、第1の方向において(例えばY方向において)ゲート相互接続部625よりも大きい寸法を有し得る。いくつかの実施例では、ゲート・ランナ621は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。ゲート・ランナ621はゲート・ボンド・パッド1220に接続され得る。ゲート・ボンド・パッド1220は、複数のトランジスタ・セル700にゲート信号を提供し得る。
【0170】
図20Aではゲート・ランナ621はゲート・ボンド・パッド1220に直接接続されているものとして示されているが、追加の実施例が可能であることが理解されるであろう。例えば、ゲート・ボンド・パッド1220は、
図6A及び
図6Bのゲート・マニホールド620などのゲート・マンドレルに接続されてもよく、ゲート・マニホールド620はゲート・ランナ621に接続されてもよい。
【0171】
図20A及び
図20Cを参照すると、トランジスタ・セル700のドレイン構成は、複数のゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に設けられているドレイン・ボンド・パッド1240を含み得る。ドレイン・ボンド・パッド1240は、ゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615と交差するように、第1の方向(例えば、Y方向)に延在し得る。ドレイン・ボンド・パッド1240に1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040がボンディングされ得る。出力ボンド・ワイヤ1040は、トランジスタ・セル700からの出力信号(例えば、ドレイン信号)を提供し得る。
図20Aにはただ1つの出力ボンド・ワイヤ1040が示されているが、ドレイン・ボンド・パッド1240に沿った様々な位置に追加の出力ボンド・ワイヤ1040が存在してもよいことが理解されるであろう。
【0172】
各ドレイン・フィンガ615は、複数の第1の導電ドレイン・ビア638によって、ドレイン相互接続部635に結合され得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、(例えばZ方向において)半導体構造690よりも上方のドレイン・フィンガ615よりも高いレベルにあり得る。いくつかの実施例では、ドレイン相互接続部635は、第1の方向において(例えばY方向において)ドレイン・フィンガ615よりも大きい寸法を有し得る。ドレイン相互接続部635は、第2の導電ドレイン・ビア1237によって、ドレイン・ボンド・パッド1240に接続され得る。
【0173】
いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240をそれぞれのドレイン相互接続部635に接続する各第2の導電ドレイン・ビア1237は、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続され得る。例えば、第2の導電ドレイン・ビア1237は、ドレイン相互接続部635の両端部の間にあるドレイン相互接続部635の内側位置639において、ドレイン相互接続部635に接続され得る。いくつかの実施例では、内側位置639は、ドレイン相互接続部635の中間点からずらされていてもよい。第2の導電ドレイン・ビア1237は、例えば、
図12A~
図12Gに関して本明細書に記載されているように結合され得る。
【0174】
隔離材1260は、トランジスタ・デバイス2000のトランジスタ・ダイ1215の表面上の、ゲート・ボンド・パッド1220とドレイン・ボンド・パッド1240の間のエリア上に設置され得る。
図20Aに示すように、入力ボンド・ワイヤ1020及び出力ボンド・ワイヤ1040は前出の実施例よりも大きい距離で分離されているが、それでもやはり、隔離材の使用によって、入力ボンド・ワイヤ1020と出力ボンド・ワイヤ1040の間の容量性及び/又は磁性結合の防止及び/又は弱化を補助することができる。隔離材1260は本明細書に記載する構成のいずれで構成されてもよく、その重複する説明は省略する。
【0175】
図19A~
図19Cに関して本明細書で検討したのと同様に、
図20A~
図20Cの構成のドレイン・ボンド・パッドを、ドレイン相互接続部635の中間点により近い内側位置639においてドレイン相互接続部635に接続するために、多セグメント導電ビアが利用され得る。
図21Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220がゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在せず、ドレイン・ボンド・パッド1240が多セグメント導電ビア1730を用いてゲート・フィンガ610及びドレイン・フィンガ615上に延在する、トランジスタ・デバイスを示す平面図である。
図21Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線N-N’に沿って取られた
図21Aの断面図である。
図21Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線O-O’に沿って取られた
図21Aの断面図である。
図21A~
図21Cの要素には本明細書に記載するいくつかの要素が組み込まれているが、
図21A~
図21Cの説明では、上記の実施例との相違点に注目する。
【0176】
例えば、
図21A~
図21Cは、
図20A~
図20Cの実施例と類似しているが多セグメント導電ドレイン・ビア1730を使用した、本発明の実施例を示す。
図21Cに示すように、ドレイン・ボンド・パッド1240は、多セグメント導電ドレイン・ビア1730によって、ドレイン相互接続部635に結合され得る。多セグメント導電ドレイン・ビア1730は、ドレイン・ボンド・パッド1240とドレイン相互接続部635の間の接続部を提供する、複数のセグメントを含み得る。複数のセグメントは、例えば、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732と、第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734と、第2の垂直ドレイン・ビア・セグメント1736と、を含み得る。例えば、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732は、ドレイン・ボンド・パッド1240に結合されてもよく、トランジスタ・ダイ1215の表面の下方で垂直方向に延在し得る。第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734は、第1の垂直ドレイン・ビア・セグメント1732に結合されてもよく、誘電体層1230内で全体的に第2の方向(例えば、X方向)に、ドレイン相互接続部635の中間点の上方の地点まで延在し得る。第2の垂直ドレイン・ビア・セグメント1736は、第1の水平ドレイン・ビア・セグメント1734に結合されてもよく、垂直方向に延在して、ドレイン相互接続部635の内側位置639においてドレイン相互接続部635と結合してもよい。多セグメント導電ドレイン・ビア1730は、本明細書で
図17A~
図17Gに関して検討されている構成と同様であり得る。
【0177】
図21Bに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220は、
図18A及び
図18Bに関して図示及び記載されているものと同様の様式で結合され得る。したがってその重複する説明は省略する。
【0178】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240は、個別のゲート・ボンド・パッド・セグメント及び/又はドレイン・ボンド・パッド・セグメントを備えるようにセグメント化され得る。
図22Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240の両方がセグメント化されている、トランジスタ・デバイス2200を示す平面図である。
図22Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線P-P’に沿って取られた
図22Aの断面図である。
図22Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線Q-Q’に沿って取られた
図22Aの断面図である。
図22A~
図22C中の要素のうちの多くは、本明細書に記載されているものと同様である。したがってそのこれ以上の説明は省略する。
【0179】
図22A~
図22Cに示すように、本明細書に記載する前出の実施例は、ゲート・ボンド・パッド1220を複数のゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nへと分散させるように変更されてもよい。個々のゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nの各々は、ゲート・フィンガ610のそれぞれ1つの上に分散され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのうちの少なくとも1つは、ドレイン・フィンガ615上に設置されなくても及び/又は延在しなくてもよい。別の言い方をすれば、ゲート・ボンド・パッド1220のセグメント化は、個々のゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nをゲート・フィンガ610の一部の上には設置するが、ドレイン・フィンガ615の一部の上には設置しないように行うことができる。セグメント化の結果として、ドレイン・フィンガ615とゲート・ボンド・パッド1220の間で生じ得る容量性結合を排除及び/又は弱化することができる。例えば、
図22Cに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220(又はそのセグメント)はドレイン・フィンガ615の上方に存在しない場合がある。
図22Aには単一の入力ボンド・ワイヤ1020だけが示されているが、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つに、1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020が結合され得ることが理解されるであろう。他の点では、
図22Bに示すように、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nとゲート相互接続部625及び/又はゲート・フィンガ610との間の結合は、本明細書に記載されている構成と同様であり得る。例えば、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つは、第2の導電ゲート・ビア1227によってゲート相互接続部625のそれぞれ1つに接続され得る。
【0180】
同様に、ドレイン・ボンド・パッド1240は、複数の個々のドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nへと分散され得る。個々のドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nの各々は、ドレイン・フィンガ615のそれぞれ1つの上に分散され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのうちの少なくとも1つは、ゲート・フィンガ610上に設置されなくてもよい。例えば、
図22Bに示すように、ドレイン・ボンド・パッド1240(又はそのセグメント)はゲート・フィンガ610の上方に存在しない場合がある。
図22Aには単一の出力ボンド・ワイヤ1040だけが示されているが、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのそれぞれ1つに、1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040が結合され得ることが理解されるであろう。他の点では、
図22Cに示すように、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nとドレイン相互接続部635及び/又はドレイン・フィンガ615との間の結合は、本明細書に記載されている構成と同様であり得る。例えば、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのそれぞれ1つは、第2の導電ドレイン・ビア1237によってドレイン相互接続部635のそれぞれ1つに接続され得る。
【0181】
既に検討した実施例の場合のように、隔離材1260は、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nとドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nとの間のエリア上に設置され得る。隔離材1260には本明細書に記載する実施例のどれを採用してもよい。隔離材1260は、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nとドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nとの間の結合を、更に弱化及び/又は防止し得る。
【0182】
図22A~
図22Cは、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240の両方がセグメント化されている実施例を示しているが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220はセグメント化されてもよいが、ドレイン・ボンド・パッド1240はセグメント化されなくてもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220はセグメント化されなくてもよいが、ドレイン・ボンド・パッド1240はセグメント化されてもよい。当業者には、本明細書に記載されている実施例の他の組合せが、セグメント化されたゲート・ボンド・パッド1220及び/又はセグメント化されたドレイン・ボンド・パッド1240と適合性があるものと理解されるであろう。更に、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_N及びドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nは、
図22A~
図22Cでは実質的に共線的であるものとして示されているが、本明細書に記載する実施例はこれに限定されない。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_N及び/又はドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nは、それぞれゲート・フィンガ610及び/又はドレイン・フィンガ615上に、非直線的な様式で分散されてもよい。
【0183】
例えば、
図23A~
図23Cは、
図22A~
図22Cのセグメント化されたゲート・ボンド・パッド1220及び/又はセグメント化されたドレイン・ボンド・パッド1240が、
図17A~
図17Gに関して本明細書に記載するセグメント化され導電ビアと組み合わされている、トランジスタ・デバイス2300の実施例を示す。
図23Aは、本発明のいくつかの実施例に係る、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240の両方がセグメント化されておりそれらが多セグメント導電ビアを利用する、トランジスタ・デバイス2300を示す平面図である。
図23Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線R-R’に沿って取られた
図23Aの断面図である。
図23Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線S-S’に沿って取られた
図23Aの断面図である。
図23A~
図23C中の要素のうちの多くは、本明細書に記載されているものと同様である。したがってそのこれ以上の説明は省略する。
【0184】
図23A~
図23Cに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220は、複数のゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nへとセグメント化され得る。個々のゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nの各々は、ゲート・フィンガ610のそれぞれ1つの上に分散され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのうちの少なくとも1つは、ドレイン・フィンガ615上に設置されなくてもよい。更に、
図23Aに示されているように、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つは、第1の方向(例えば、Y方向)及び第2の方向(例えば、X方向)の両方において、互いからずらされていてもよい。第1の方向及び第2の方向の両方におけるこのずれによって、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つ同士の間の結合及び/又は電気的相互作用を弱化及び/又は防止することができる。本発明は、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nが第1の方向及び第2の方向の両方にずらされている実施例に限定されない。例えば、いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nは実質的に共線的であり得る。
【0185】
図23Aには単一の入力ボンド・ワイヤ1020だけが示されているが、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つに、1つ又は複数の入力ボンド・ワイヤ1020が結合され得ることが理解されるであろう。他の点では、
図23Bに示すように、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nとゲート相互接続部625及び/又はゲート・フィンガ610との間の結合は、本明細書に記載されている構成と同様であり得る。例えば、ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nのそれぞれ1つは、
図17A~
図17Gに関して本明細書に記載されているものと同様の多セグメント導電ゲート・ビア1720によって、ゲート相互接続部625のそれぞれ1つに接続され得る。
【0186】
同様に、ドレイン・ボンド・パッド1240は、複数の個々のドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nへと分散され得る。個々のドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nの各々は、ドレイン・フィンガ615のそれぞれ1つの上に分散され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのうちの少なくとも1つは、ゲート・フィンガ610上に設置されなくてもよい。ゲート・ボンド・パッド・セグメント1220_1から1220_Nの場合のように、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nは、第1の方向(例えば、Y方向)及び第2の方向(例えば、X方向)の両方において互いからずらされていてもよいが、本発明はこれに限定されない。
【0187】
図23Aには単一の出力ボンド・ワイヤ1040だけが示されているが、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのそれぞれ1つに、1つ又は複数の出力ボンド・ワイヤ1040が結合され得ることが理解されるであろう。他の点では、
図23Cに示すように、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nとドレイン相互接続部635及び/又はドレイン・フィンガ615との間の結合は、本明細書に記載されている構成と同様であり得る。例えば、ドレイン・ボンド・パッド・セグメント1240_1から1240_Nのそれぞれ1つは、
図17A~
図17Gに関して本明細書に記載されているものと同様の多セグメント導電ドレイン・ビア1730によって、ドレイン相互接続部635のそれぞれ1つに接続され得る。
【0188】
当業者には、本明細書に記載するそれぞれの実施例の一部を、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく本明細書に記載する他の実施例と組み合わせてもよいことが認識されるであろう。完全な説明を提供する目的で特定の組合せについて記載してきたが、本明細書に記載されている概念を複数の異なる方法で組み合わせてもよい。ただし、不必要に反復的になることなくそれらの方法を十分に説明するのは困難であろう。例えば、エッジ供給ゲート又はドレイン・フィンガの要素(例えば、
図12D及び
図12Gを参照)を、
図13A~
図16Bに関して記載されている様々なタイプの隔離材1260、及び/又は、ゲート/ドレイン相互接続部とゲート/ドレイン・フィンガの間の様々なタイプの相互接続部と、組み合わせることができる。すなわち、ある実施例を参照して記載されている要素を、他の実施例と組み合わせてもよい。
【0189】
例えば、
図24A~
図24Dは、本発明のいくつかの実施例に係る、相互接続部を使用せずにボンド・パッドとゲート/ドレイン・フィンガの間の接続部を提供する、トランジスタ・デバイスの実施例を示す。
図24A及び
図24Cは、ゲート相互接続部を使用せずにゲート・ボンド・パッド1220とゲート・フィンガ610の内側位置929’の間の接続部を提供するゲート構成を示す。例えば、
図24Aに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220は、
図12Bに関して記載されているものと類似の様式で、第2の導電ゲート・ビア1227を使用して、ゲート・フィンガ610の内側位置929’に接続され得る。同様に、
図24Cに示すように、ゲート・ボンド・パッド1220は、
図17Bに関して記載されているものと類似の様式で、多セグメント導電ゲート・ビア1720を使用して、ゲート・フィンガ610の内側位置929’に接続され得る。
【0190】
いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610上でゲート・フィンガ610の中間点の近くに位置付けられてもよい。つまり、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610の中間点の法線方向に延びる仮想垂直線に近接するように配置され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるゲート・フィンガ610の長さの10パーセント以内の距離内にあってもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220は、ゲート・フィンガ610の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるゲート・フィンガ610の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。
【0191】
図24B及び
図24Dは、ゲート相互接続部を使用せずにドレイン・ボンド・パッド1240とドレイン・フィンガ615の内側位置939’の間の接続部を提供するドレイン構成を示す。例えば、
図24Bに示すように、ドレイン・ボンド・パッド1240は、
図12Cに関して記載されているものと類似の様式で、第2の導電ドレイン・ビア1237を使用して、ドレイン・フィンガ615の内側位置939’に接続され得る。同様に、
図24Dに示すように、ドレイン・ボンド・パッド1240は、
図17Cに関して記載されているものと類似の様式で、多セグメント導電ドレイン・ビア1730を使用して、ドレイン・フィンガ615の内側位置939’に接続され得る。
【0192】
いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン・フィンガ615上でドレイン・フィンガ615の中間点の近くに位置付けられてもよい。つまり、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン・フィンガ615の中間点の法線方向に延びる仮想垂直線に近接するように配置され得る。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン・フィンガ615の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるドレイン・フィンガ615の長さの10パーセント以内の距離内にあってもよい。いくつかの実施例では、ドレイン・ボンド・パッド1240は、ドレイン・フィンガ615の中間点から(例えば、中間点の法線方向の仮想線から)、水平方向におけるドレイン・フィンガ615の長さの20パーセント以内の距離にあってもよい。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240は、200ミクロン未満だけ分離され得る。いくつかの実施例では、ゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240は、100ミクロン未満だけ分離され得る。
【0193】
本明細書に記載する実施例は、ゲート・フィンガ及び/又はドレイン・フィンガの上に延在する、ゲート・ボンド・パッド及び/又はドレイン・ボンド・パッドを有し得る。発明者らが認識しているところでは、このことによって、ボンド・パッドと対応するフィンガとの間でキャパシタンスが発生する可能性が生じ得る。例えば、ドレイン・フィンガの上にあるゲート・ボンド・パッド又はゲート・フィンガの上にあるドレイン・ボンド・パッドは、ゲート-ドレイン間のキャパシタンスC
gdを発生させ得る。発明者らは、フィールド・プレートによってこの追加のキャパシタンスを緩和し得ることを認識している。
図25Aは、フィールド・プレート2510を組み込んだ本発明のいくつかの実施例に係るトランジスタ・デバイス2500を示す平面図である。
図25Bは、本発明のいくつかの実施例に係る、線T-T’に沿って取られた
図25Aの断面図である。
図25Cは、本発明のいくつかの実施例に係る、線U-U’に沿って取られた
図25Aの断面図である。
図25A~
図25C中の要素のうちの多くは、既に記載したものと同様である。したがってそのこれ以上の説明は省略する。
【0194】
図25A及び
図25Bを参照すると、フィールド・プレート2510は、誘電体層1230内でドレイン・ボンド・パッド1240とゲート相互接続部625及び/又はゲート・フィンガ610との間に配設され得る。フィールド・プレート2510は、例えば銅、金、及び/又は複合金属を含む、金属又は他の高導電性材料を含有し得る。フィールド・プレート2510は、ドレイン・ボンド・パッド1240とゲート相互接続部625及び/又はゲート・フィンガ610との間に形成されるキャパシタンスを低減する役割を果たし得る。同様に、
図25A及び
図25Cに示すように、フィールド・プレート2510は、誘電体層1230内でゲート・ボンド・パッド1220とドレイン相互接続部635及び/又はドレイン・フィンガ615との間に配設され得る。
【0195】
いくつかの実施例では、フィールド・プレート2510は基準電圧に接続され得る。例えば、フィールド・プレート2510はグランド電圧に結合され得る。いくつかの実施例では、フィールド・プレート2510は、トランジスタ・デバイス2500のソース・コンタクトへの接続部を介して、グランド電圧に結合され得る。
図25A~
図25Cに示されているフィールド・プレート2510の形状は、例示となることのみを意図している。本発明は、ボンド・パッド(例えば、ゲート・ボンド・パッド1220及び/又はドレイン・ボンド・パッド1240)と、隣り合う相互接続部及び/又はフィンガと、の間に材料が設置される実施例を含むことを意図しており、
図25A~
図25Cに示されている特定の構成に限定されない。更に、フィールド・プレート2510は、
図25A~
図25Cに示されているゲート・ボンド・パッド1220及びドレイン・ボンド・パッド1240、ゲート相互接続部625/ドレイン相互接続部635、並びに/又はゲート・フィンガ610/ドレイン・フィンガ615の特定の構成に限定されない。フィールド・プレート2510は、
図17A~
図21Cに関して検討されたものなど、本明細書に記載する実施例のいずれかにおいて利用され得る。
【0196】
本明細書に記載する発明は、LDMOS、GaN、及び他の高出力RFトランジスタ技術に適用可能であるという意味において、技術的に独立している。LDMOS及びHEMT構造を参照して本発明の実施例が示されているが、本発明概念はそのようなデバイスに限定されない。したがって、本発明の実施例は、複数の単位セルと制御電極とを有する他のトランジスタ・デバイスを含み得る。本発明の実施例は、より広い制御電極が望まれ且つデバイスの単位セルが複数存在する、任意のトランジスタ・デバイスでの使用に好適であり得る。この場合、例えば、本発明の実施例は、MESFET、MMIC、SIT、LDMOS、BJT、pHEMT、等といった、SiC、GaN、GaAs、シリコン、等を使用して製作される様々なタイプのデバイスでの使用に好適であり得る。
【0197】
本明細書において上記の説明及び図面と関連付けて多くの異なる実施例を開示した。これらの実施例のあらゆる組合せ及び下位組合せを逐一記載及び図示すれば、過度に反復的で不明瞭なものになるであろうことが理解されるであろう。したがって、図面を含めた本明細書は、本明細書に記載する実施例の全ての組合せ及び下位組合せの、並びにそれらを製作及び使用する様式及びプロセスの、書面による完全な説明を構成していると解釈されるものであり、あらゆるそのような組合せ又は下位組合せをサポートするものである。
【0198】
第1の、第2の、などの用語が、本明細書において様々な要素を記述するために使用される場合があるが、これらの要素は、それらの用語によって限定されるものではないことが理解されよう。これらの用語は、ある要素を別の要素から区別するためにのみ使用される。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶこともでき、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶこともできる。本明細書で使用する場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された事物のうちの1つ又は複数の、ありとあらゆる組合せを含む。
【0199】
本明細書で用いられる専門用語は、特定の実施例について記載することだけを目的としており、本発明を限定するものとなることを意図していない。本明細書で使用する場合、単数形の「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈上そうでないことが明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。用語「備える(comprises)」、「備えている(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含んでいる(including)」は、本明細書で使用するとき、言及された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが、更に理解されよう。
【0200】
別様に定義されていない限り、本明細書で使用する全ての用語(技術及び/又は科学用語を含む)は、本発明が属する技術の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。本明細書で使用する用語は、本明細書及び関連技術の文脈におけるその意味と矛盾しない意味を有するものとして解釈するべきであり、本明細書において明示的にそうであると定義しない限りは、理想化された又は過度に形式ばった意味に解釈されるものではないことが、更に理解されよう。
【0201】
ある要素、例えば層、領域、又は基板が、別の要素の「上にある」又は「上へと」と言及される場合、その要素はその別の要素上に直接存在する若しくはその別の要素上へと直接延在するか、又は介在要素が存在してもよいことが、理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素「上に直接」存在する又は別の要素「上へと直接」延在すると言及される場合は、介在する要素は存在しない。また、ある要素が別の要素に「接続されている」又は「結合されている」と言及される場合、そのある要素はその別の要素に直接接続若しくは結合され得るか、又は介在する要素が存在してもよいことも、理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素に「直接接続されている」又は「直接結合されている」と言及される場合は、介在する要素は存在しない。
【0202】
本明細書では、図に示すようなある要素、層、又は領域と別の要素、層、又は領域との関係を説明するために、「下方の」又は「上方の」又は「上側の」又は「下側の」又は「水平な」又は「横方向の」又は「垂直な」などのような相対的な用語が使用され得る。これらの用語は、図に描写されている配置の他にもデバイスの様々な配置を包含するように意図されていることが理解されよう。
【0203】
本明細書では、本発明の理想化された実施例(及び中間構造)概略図である断面図を参照して、本発明の実施例が記載されている。図面における層及び領域の厚さは、明確にするために誇張されている場合がある。更に、例えば製造技法及び/又は公差の結果としての、図の形状からの変化が想定される。したがって、本発明の実施例は、本明細書に示す領域の特定の形状に限定されるものではなく、例えば製造の結果生じる、形状の逸脱を含むものと解釈するべきである。
【0204】
図面及び明細書では、本発明の典型的な実施例が開示されており、特定の用語が採用されているものの、それらは単に総称的及び説明的な意味において用いられており、限定を目的とはしておらず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に規定されている。