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特許7475454レチクル仕切壁を通る保持を有するレチクルポッド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】レチクル仕切壁を通る保持を有するレチクルポッド
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/673 20060101AFI20240419BHJP
   B65D 85/30 20060101ALI20240419BHJP
   B65D 85/48 20060101ALI20240419BHJP
   G03F 1/66 20120101ALI20240419BHJP
【FI】
H01L21/68 T
B65D85/30 500
B65D85/48
G03F1/66
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022540348
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(86)【国際出願番号】 US2020064067
(87)【国際公開番号】W WO2021138012
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-09-13
(31)【優先権主張番号】62/955,619
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ラシュク, ラス ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】ラング, ピアース
(72)【発明者】
【氏名】ティーベン, アンソニー エム.
【審査官】杢 哲次
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3181255(JP,U)
【文献】特開2012-186391(JP,A)
【文献】特表2014-527291(JP,A)
【文献】特開平10-10705(JP,A)
【文献】特開2010-72420(JP,A)
【文献】国際公開第2018/044678(WO,A1)
【文献】特表2009-510525(JP,A)
【文献】特開2018-120201(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0175279(US,A1)
【文献】特開2006-184442(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0041760(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/57030(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/673
B65D 85/30
B65D 85/48
G03F 1/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクルポッドであって、
カバーおよびベースプレートを含む内側部分であって、前記カバーから前記レチクルポッドの下方に延びる、又は前記ベースプレートから前記カバーに向かって延びるレチクル仕切壁を含み、前記レチクル仕切壁が、1つまたは複数の保持特徴を含む、内側部分と、
ポッドドームおよびポッドドアを含む外側部分であって、前記ポッドドームおよび前記ポッドドアのうちの一方が、前記カバーが前記ベースプレートに接合されたときに前記1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つに接触するように構成された、1つまたは複数の作動表面を含み、前記ポッドドームが、前記ポッドドアに接合され、前記接合されたカバーおよびベースプレートが、前記接合されたポッドドームおよびポッドドア内にある、外側部分と
を備え、
前記1つまたは複数の作動表面が前記1つまたは複数の保持特徴に接触したとき、前記保持特徴が前記1つまたは複数の作動表面との接触を介して、レチクルが配置された方向に直線移動又は回転移動し
前記保持特徴の一部分は、前記レチクルが前記接合されたカバーおよびベースプレート内に位置決めされたときに当該保持特徴の一部分前記レチクルの横方向から前記レチクルの上面に接触することが可能であるように配置されるように構成された、
レチクルポッド。
【請求項2】
前記1つまたは複数の保持特徴の各々が、前記レチクル仕切壁の平面に対して0度から90度の範囲内の角度をもつ成分を有する方向に直線的に移動可能である、請求項1に記載のレチクルポッド。
【請求項3】
前記1つまたは複数の保持特徴の各々が、前記レチクル仕切壁の第1の側に位置決めされた第1の端部と、前記レチクル仕切壁の第2の側の第2の端部とを含み、前記レチクル仕切壁の前記第2の側が、前記レチクル仕切壁の前記第1の側の反対側にあり、前記1つまたは複数の保持特徴が、各々、前記レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心として回転可能である、請求項1に記載のレチクルポッド。
【請求項4】
前記1つまたは複数の作動表面の各々が、前記ポッドドアから延びる突起である、請求項3に記載のレチクルポッド。
【請求項5】
レチクルポッド内にレチクルを固定するための1つまたは複数の保持特徴を操作する方法であって、
ベースプレートにカバーを接合することであって、前記カバーおよび前記ベースプレートを含む内側部分が、前記カバーから前記レチクルポッドの下方に延びる、又は前記ベースプレートから前記カバーに向かって延びるレチクル仕切壁を含む、ベースプレートにカバーを接合することと、
ポッドドーム中に接合された前記カバーおよび前記ベースプレートを置くことと、
つまたは複数の作動表面を、前記レチクル仕切壁上に位置決めされた1つまたは複数の保持特徴と接触させること
前記1つまたは複数の保持特徴を、前記1つまたは複数の作動表面との前記接触を介して、前記レチクルが配置された方向に直線移動又は回転移動させることと、
前記レチクルが前記接合されたカバーおよびベースプレート内に位置決めされたときに、前記保持特徴の一部分が前記レチクルの横方向から前記レチクルの上面に接触することが可能であるように、当該保持特徴の一部分を配置すること、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月31日に出願された米国仮出願第62/955,619号の利益および優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、レチクルを格納および搬送するためのレチクルポッドに関する。より詳細には、本開示は、収容されたレチクルを保持するための内側ポッドのレチクル仕切壁を通って延びる移動可能な保持用特徴を含むレチクルポッドを対象とする。
【背景技術】
【0003】
レチクルポッドは、レチクルの格納および搬送ならびに処理、とりわけ、フォトリソグラフィデバイスなど、処理ツールへのおよび処理ツールからのレチクルの搬送のために使用される。レチクルポッドは、たとえば、極紫外線(EUV)フォトリソグラフィツールと共に使用するためのEUVポッドを含む。レチクルポッドは、レチクルの移動、ハンドリング、および処理中の、収容されたレチクルの汚染または物理的損傷を低減または防止する。レチクルポッドは、外側ポッドと、外側ポッド内の内側ポッドとを含み得る。内側ポッドは、レチクルを収容するベースプレートおよびカバーを含み得、外側ポッドは、内側ポッドを収容するポッドドアおよびポッドドームを含む。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、収容されたレチクルを保持するための内側ポッドのレチクル仕切壁を通って延びる移動可能な保持用特徴を含むレチクルポッドを対象とする。
【0005】
移動可能な保持用特徴は、レチクルが、レチクルポッド内に固定的に配置され、これにより、ハンドリングまたは輸送中に衝撃を受けにくくなることを可能にする。レチクルポッドの内側ポッドのレチクル仕切壁を通る保持用特徴は、レチクルが、レチクルポッドの最終的な閉鎖より前に固定特徴との干渉なしにポッド内に適切に置かれることと、ポッドが搬送、格納、または処理のために閉じられたときに、固定されることとを可能にする。
【0006】
一実施形態では、レチクルポッドは、カバーおよびベースプレートを含む内側部分を含む。カバーおよびベースプレートのうちの一方は、カバーおよびベースプレートのうちのその一方から延びるレチクル仕切壁を含み、レチクル仕切壁は、1つまたは複数の保持特徴を含む。レチクルポッドは、ポッドドームおよびポッドドアを含む外側部分を含む。ポッドドームおよびポッドドアのうちの一方は、カバーがベースプレートに接合されたときに1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つに接触するように構成された、1つまたは複数の作動表面を含み、ポッドドームは、ポッドドアに接合され、接合されたカバーおよびベースプレートは、接合されたポッドドームおよびポッドドア内にある。1つまたは複数の作動表面が1つまたは複数の保持特徴に接触したとき、保持特徴は、レチクルが、接合されたカバーおよびベースプレート内に位置決めされたときに、保持特徴がレチクルに接触するように配置されるように構成される。
【0007】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、レチクル仕切壁の平面に対して0度から90度の範囲内の角度の成分を有する方向に直線的に移動可能である。
【0008】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、ばねを含む。実施形態では、ばねが静止位置にあるとき、保持特徴は、保持特徴が1つまたは複数の作動表面のうちの1つと接触するときよりも、ベースプレートの中心から遠い位置にある。
【0009】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、レチクル仕切壁の平面に対して0度から90度の範囲内の角度を有する方向に直線的に移動可能である。
【0010】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、湾曲縁部または傾斜縁部に係合するように構成された接触表面を含む。
【0011】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面の各々は、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つの保持特徴の端部に対して摺動するように構成された表面である。
【0012】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面の各々は、ポッドドームから延びる。
【0013】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、レチクル仕切壁の第1の側に位置決めされた第1の端部と、レチクル仕切壁の第2の側の第2の端部とを含み、レチクル仕切壁の第2の側は、レチクル仕切壁の第1の側の反対側にあり、1つまたは複数の保持特徴は、各々、レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心として回転可能である。
【0014】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面の各々は、ポッドドアから延びる突起である。
【0015】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面の各々が、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つと第2の端部において接触したとき、1つまたは複数の保持特徴の各々の第1の端部は、レチクルに接触する。
【0016】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴の各々は、熱可塑性材料を含む。
【0017】
一実施形態では、レチクル仕切壁は、ベースプレートから延びる。
【0018】
一実施形態では、レチクル仕切壁は、カバーから延びる。
【0019】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴を操作する方法は、ベースプレートにカバーを接合することであって、カバーおよびベースプレートのうちの一方が、カバーおよびベースプレートのうちのその一方から延びるレチクル仕切壁を含む、ベースプレートにカバーを接合することと、ポッドドーム中に、接合されたカバーおよびベースプレートを置くこととを含む。本方法は、ポッドドームにポッドドアを接合することをさらに含む。ポッドドームにポッドドアを接合することは、1つまたは複数の作動表面を、レチクル仕切壁上に位置決めされた1つまたは複数の保持特徴と接触させることを含む。本方法は、1つまたは複数の作動表面との接触を介して1つまたは複数の保持特徴を移動させることをさらに含む。
【0020】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴を移動させることは、レチクル仕切壁によって画定された空間の内側への1つまたは複数の保持特徴の直線移動を含む。
【0021】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面は、カバー上に位置決めされ、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つの保持特徴の端部に対して摺動するように構成される。
【0022】
一実施形態では、1つまたは複数の保持特徴を移動させることは、レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心とした1つまたは複数の保持特徴の回転移動を含む。
【0023】
一実施形態では、1つまたは複数の作動表面は、ポッドドアから延びる突起である。
【0024】
一実施形態では、レチクル仕切壁は、カバーから延びる。
【0025】
本開示は、添付の図面に関連して様々な例示的な実施形態の以下の説明を考慮することにより、より完全に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態による、レチクルポッドの断面図である。
図2】実施形態による、レチクルポッドの断面図である。
図3】実施形態による、1つまたは複数の保持特徴を操作するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本開示は、様々な変更形態および代替の形態に適用できるが、その詳細は、図面中で例として示されており、詳細に説明される。しかしながら、説明される特定の例示的な実施形態に本開示の態様を限定するものではないことを理解されたい。むしろ、本開示の趣旨および範囲内に入るすべての変更形態、均等物、および代替形態を包含するものとする。
【0028】
以下の発明を実施するための形態は、図面を参照しながら読まれるべきであり、異なる図面中の類似の要素が、同じ番号を付けられている。発明を実施するための形態、および必ずしも一定の縮尺とは限らない図面は、例示的な実施形態を描いており、本開示の範囲を限定するものではない。描かれている例示的な実施形態は、例示的なものであるにすぎない。任意の例示的な実施形態の選択された特徴は、明確に反対に述べられない限り、追加の実施形態の中に組み込まれ得る。
【0029】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、文脈が明らかに別様に規定しない限り、複数の指示対象を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される、「または」という用語は、概して、文脈が明らかに別様に規定しない限り、「および/または(and/or)」を含む意味で採用される。
【0030】
「約」という用語は、概して、(たとえば、同じ機能または結果を有する)記載された値と同等とみなされる数の範囲を指す。多くの事例では、「約」という用語は、最も近い有効数字に丸められた数を含み得る。
【0031】
本開示は、概して、フォトリソグラフィ処理ステップにおいて使用されるレチクルを格納および搬送するためのレチクルポッドに関する。より詳細には、本開示は、収容されたレチクルを保持するための内側ポッドのレチクル仕切壁を通って延びる移動可能な保持用特徴を含むレチクルポッドを対象とする。
【0032】
図1は、実施形態による、レチクルポッド100の断面図を示す。レチクルポッド100は、ベースプレート104およびカバー106を含む、内側部分102を含む。図1中に示されている実施形態では、カバー106は、レチクル仕切壁108を含む。レチクル仕切壁108は、レチクル保持器110を含む。レチクルポッド100は、ポッドドーム114およびポッドドア116を含む、外側部分112をも含む。図1中に示されている実施形態では、ポッドドーム114は、作動表面118を含む。
【0033】
レチクルポッド100は、レチクルを格納し、異なるフォトリソグラフィ処理ステップの間でレチクルを搬送するように構成されたポッドである。レチクルは、たとえば、半導体ウエハのためのフォトリソグラフィマスクである。
【0034】
内側部分102は、レチクルが置かれ得るレチクルポッド100の部品である。内側部分102は、ベースプレート104およびカバー106によって画定された内部空間132を含む。内部空間132は、内部空間132がレチクルを収納することができるようにサイズ決定され得る。内側部分102の構成要素、すなわち、カバー104およびベースプレート106の一方または両方は、アルミニウムまたは別の同様の好適な材料など、金属または合金を含み得る。
【0035】
ベースプレート104は、レチクルポッド100の内側部分102の部品である。レチクルポッド100が組み立てられたとき、ベースプレート104は、ポッドドア116によって支持され得る。ベースプレート104は、レチクルポッド100の内側部分102の下部を形成し得る。ベースプレート104は、レチクルがベースプレート104上で静止し得るように構成され得る。
【0036】
ベースプレート104は、1つまたは複数のレチクルコンタクト120を含み得る。実施形態では、レチクルコンタクト120は、レチクルコンタクト120が、レチクルポッド100の内側部分102が組み立てられたとき、カバー106に対向するように、ベースプレート104の内側に固着される。実施形態では、レチクルコンタクト120は、ベースプレート104の中へのレチクルコンタクト120の一部分の挿入など、機械的接続を介して所定の位置に固着される。実施形態では、レチクルコンタクト120は、ベースプレート104中に一体に形成される。実施形態では、ベースプレート104中に形成されたまたはベースプレート104に取り付けられた少なくとも3つのレチクルコンタクト120がある。実施形態では、ベースプレート104中に形成されたまたはベースプレート104に取り付けられた4つのレチクルコンタクト120がある。実施形態では、レチクルコンタクト120は、内側部分102の内部空間132の隅角部に対応するベースプレート上の位置に位置決めされる。レチクルコンタクト120は、レチクル材料と親和性がある材料を含む。親和性がある材料は、レチクル材料と接触しているとき、ほとんどまたは全く粒子生成をもたらさず、レチクルを傷つけることがないかまたはさもなければレチクルに損傷を与えることがない材料を含む。実施形態では、親和性がある材料は、ポリマー材料である。レチクルコンタクト120は、少なくとも、レチクルポッド100が組み立てられたときにレチクルに接触するように構成された接触点において、親和性がある材料を含み得る。実施形態では、レチクルコンタクト120は、全体的に、レチクルに接触するのに好適なポリマー材料で作られる。好適なポリマー材料は、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、または導電性ポリマーを含む。
【0037】
カバー106は、ベースプレート104と接合されるように構成された内側部分102の別の部品である。カバー106は、内側部分102の上部を形成し得る。カバー106は、ベースプレート104と合致しているかまたはベースプレート104と機械的に親和性がある特徴を含み得る。図1中に示されている実施形態では、カバー106は、カバー106の表面から延びるレチクル仕切壁108を含む。
【0038】
図1中に示されている実施形態では、レチクル仕切壁108は、カバー106から延びる。レチクル仕切壁108は、カバー106およびベースプレート104が、内側部分102を形成するために組み立てられたとき、ベースプレート104に対向するカバー106の表面から延びる。レチクル仕切壁108は、レチクルを収納するように構成された内側部分102の内部空間132の周辺を画定し得る。実施形態では、レチクル仕切壁108は、1つまたは複数の貫通穴122を含む。レチクル保持器110は、貫通穴122を通って延び得る。レチクル保持器110は、さらに、ばね、たとえば、金属ばね、弾性ポリマーなどの弾性材料、またはレチクル保持器110へのレチクル仕切壁108の他の同様の好適な弾性接続を介してレチクル仕切壁108に接続され得る。実施形態では、レチクル保持器110およびレチクル仕切壁108の接続は、貫通穴122の中に延びる金属ばねであり得る。
【0039】
レチクル保持器110は、貫通穴122においてレチクル仕切壁108を通って延びる。レチクル保持器110は、直線的に移動可能である。レチクル保持器110の直線運動の範囲の一部分では、レチクル保持器110は、レチクルがレチクルポッド100の内側部分102内に置かれたときに、レチクルに接触し得る。複数のレチクル保持器110が、レチクル仕切壁108に沿って分散させられ得る。実施形態では、レチクル仕切壁108は、正方形を形成し、少なくとも1つのレチクル保持器110が、その正方形の各辺に配設される。実施形態では、レチクル仕切壁108は、正方形を形成し、少なくとも2つのレチクル保持器110が、その正方形の各辺に配設される。実施形態では、レチクル仕切壁108によって画定された形状の各側のレチクル保持器110は、形状の向き合う側にある向かい合うレチクル保持器110であり、したがって、レチクルは、向き合うレチクル保持器110の間で締め付けられる。レチクル保持器110は、レチクルに接触したとき、レチクルポッド100の移動およびハンドリング中など、レチクルポッド100が移動を受けるとき、あるいはレチクルポッド100を落とすかまたはぶつけるなどの衝撃事象中に、レチクルポッド100の内側部分内でのレチクルの移動を制限または防止するように構成される。
【0040】
レチクル保持器110は、レチクル保持器110の一方の側に、レチクル仕切壁108の外側にある接触表面124を含む。接触表面124は、作動表面118に接触するように構成される。接触表面124は、作動表面118の接触が、ベースプレート104およびカバー106によって画定された内部空間132に向かう内側への成分を含む力をレチクル保持器110に加えるように構成される。接触表面124は、接触表面124および作動表面118の両方が、平坦な表面である、または接触表面124が、湾曲作動表面118と合致するように構成された湾曲面を有するなど、作動表面118と相補的な形状を有し得る。接触表面124は、たとえば、レチクル仕切壁108を通るレチクル保持器110の移動方向に関して鋭角Aにある平面を有する平坦な表面であり得る。
【0041】
実施形態では、レチクル保持器110は、レチクルと界面を有するように成形された係合表面126を含む。実施形態では、係合表面126は、レチクルの上面に接触するように構成された平坦な突起を含む。実施形態では、この上面は、ベースプレート104中に含まれるレチクルコンタクト120に接触するレチクルの表面に向かい合う表面である。実施形態では、係合表面126は、レチクルの縁部における斜めのまたは他の形に対応する湾曲面を含む。実施形態では、係合表面126は、貫通穴122を通って延びる部分の断面積よりも大きい断面積を有するセクション128上に設けられる。
【0042】
実施形態では、貫通穴122を通って延びるレチクル保持器110のセクション130は、レチクル保持器110の配向が、レチクル仕切壁108に関して維持されるような、楕円形などの形状あるいはタブなどの1つまたは複数の特徴あるいは方形化セクションを有する少なくとも一部分を含み得る。
【0043】
実施形態では、レチクル保持器110は、ばねによって接触されるべきフランジまたは弾性材料を受けるように構成された溝など、ばねまたは弾性材料にレチクル保持器110を接続するための表面上の1つまたは複数の特徴を含み得る。
【0044】
レチクルポッド100の外側部分112は、内側部分102を囲むように構成される。外側部分112は、ポリマー材料を含むか、または全体的にポリマー材料で作られ得る。外側部分は、ポッドドーム114およびポッドドア116を含む。実施形態では、ポッドドーム114およびポッドドア116は、外側部分112を形成するためにラッチによって互いに固定される。実施形態では、外側部分112は、内側部分102を収納するようにサイズ決定された内部空間134を含み、外側部分112は、ポッドドア116およびポッドドーム114が互いに固定されている間、内側部分102に接触する。外側部分112が組み立てられたときの外側部分112と内側部分102との間の接触は、外側部分112内に内側部分102を固定し得る。この接触は、外側部分112の内部空間134に対向する表面上にあるポッドドーム114およびポッドドア116上の1つまたは複数の突起、くぼみ、または他の同様の特徴によってもたらされ得る。実施形態では、外側部分112の構成要素のうちの少なくとも1つは、作動表面118を含む突起を含む。
【0045】
ポッドドーム114は、レチクルポッド100の外側部分112の部品である。ポッドドーム114は、レチクルポッド100が組み立てられたときにカバー106に接触するように構成された1つまたは複数の特徴を含み得る。ポッドドーム114は、1つまたは複数の作動表面118を含む1つまたは複数の突起をさらに含み得る。ポッドドーム114は、内部空間を含む。内部空間は、レチクルポッド100の内側部分102を収納するようにサイズ決定された第1の内部空間134と、ポッドドア116を収納するように構成されたポッドドーム114の端部にある第2の空間(図示せず)とを含み得る。第2の空間は、リップ部(図示せず)によって画定され得る。第2の空間を取り囲むポッドドーム114の部分は、レチクルポッド100の外側部分112を形成するためにポッドドア116にポッドドーム114を固定するためのラッチの部品を受けるように構成された1つまたは複数のスロットまたは他の開口を含み得る。
【0046】
ポッドドア116は、レチクルポッド100の外側部分112の別の部品である。ポッドドア116は、レチクルポッド100の外側部分112を形成するためにポッドドーム114と組み合わせられるように構成される。ポッドドア116は、ポッドドア116がポッドドーム114の端部を閉じるようにポッドドア116がポッドドーム114の空間に適合するように、サイズ決定され得る。ポッドドア116は、1つまたは複数のラッチによってポッドドーム114に接合され得る。ポッドドア116は、ラッチが、ポッドドーム114に係合していないとき、ポッドドーム114から取外し可能であり得る。
【0047】
図1中に示されている実施形態では、作動表面118は、ポッドドーム114からの突起上に設けられる。作動表面118は、たとえば、レチクル保持器110にそれの接触表面124において接触するように構成された摺動表面であり得る。作動表面118が、接触表面124においてレチクル保持器に接触したとき、レチクル保持器110は、ベースプレート104およびカバー106によって形成されたインテリア空間に関して内側に駆動され得る。実施形態では、作動表面118および接触表面124は、接触表面124に対する作動表面118の摺動が、レチクル保持器110の内側への移動を引き起こすような、向き合うくさびの面である。
【0048】
図2は、実施形態による、レチクルポッド200の断面図を示す。レチクルポッド200は、ベースプレート204およびカバー206を含む、内側部分202を含む。図2中に示されている実施形態では、ベースプレート204は、レチクル仕切壁208を含む。レチクル仕切壁208は、レチクル保持器210を含む。レチクルポッド200は、ポッドドーム214およびポッドドア216を含む、外側部分212をも含む。図2中に示されている実施形態では、ポッドドア216は、作動表面218を含む。
【0049】
レチクルポッド200は、上記で説明されたレチクルポッド100と同様に、とりわけ、たとえば、極紫外線(EUV)を含むフォトリソグラフィなどの処理のための移送、ハンドリング、および処理中にレチクルを格納するように構成されたポッドである。レチクルは、たとえば、半導体ウエハのためのフォトリソグラフィマスクである。
【0050】
内側部分202は、レチクルが置かれ得る、レチクルポッド200の部品である。内側部分202は、ベースプレート204およびカバー206によって画定された内部空間230を含む。内部空間230は、内部空間230がレチクルを収納することができるようにサイズ決定され得る。内側部分202の構成要素、すなわち、カバー204およびベースプレート206のうちの一方または両方は、アルミニウムまたは別の同様の好適な材料など、金属または合金を含み得る。
【0051】
ベースプレート204は、1つまたは複数のレチクルコンタクト220を含み得る。実施形態では、レチクルコンタクト220は、レチクルコンタクト220が、レチクルポッド200の内側部分202が組み立てられたときに、カバー206に対向するように、ベースプレート204の内側に固着される。実施形態では、レチクルコンタクト220は、たとえば、レチクルコンタクト220の一部分が、ベースプレート204中に形成された穴に押し通されるなど、機械的接続によって所定の位置に固着される。実施形態では、レチクルコンタクト220は、ベースプレート204中に一体に形成される。実施形態では、ベースプレート204中に形成されたまたはベースプレート204に取り付けられた少なくとも3つのレチクルコンタクト220がある。実施形態では、ベースプレート204中に形成されたまたはベースプレート204に取り付けられた4つのレチクルコンタクト220がある。実施形態では、レチクルコンタクト220は、内側部分202の内部空間230の隅角部に対応するベースプレート204上の位置に位置決めされる。レチクルコンタクト220は、レチクル材料と親和性がある材料を含む。親和性がある材料は、レチクル材料と接触しているとき、ほとんどまたは全く粒子生成をもたらさず、レチクル材料を傷つけることがないかまたはさもなければレチクル材料に損傷を与えることがない材料を含む。実施形態では、親和性がある材料は、ポリマー材料である。レチクルコンタクト220は、少なくとも、レチクルポッド200が組み立てられたときにレチクルに接触するように構成された接触点において、親和性がある材料を含み得る。実施形態では、レチクルコンタクト220は、全体的に、レチクルに接触するのに好適なポリマー材料で作られる。好適なポリマー材料は、たとえば、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PAEK)、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリアミドイミド(PAI)、または導電性ポリマーを含む。
【0052】
カバー206は、ベースプレート204と接合されるように構成された内側部分202の別の部品である。カバー206は、内側部分202の上部を形成し得る。カバー206は、ベースプレート204と合致しているかまたはベースプレート204と機械的に親和性がある特徴を含み得る。図2中に示されている実施形態では、カバー206は、カバー206の表面から延びるレチクル仕切壁208を含む。
【0053】
図2中に示されている実施形態では、レチクル仕切壁208は、カバー206から延びる。レチクル仕切壁208は、カバー206およびベースプレート204が、内側部分202を形成するために組み立てられることになるとき、ベースプレート204に対向するカバー206の表面234から延びる。代替実施形態では、レチクル仕切壁208は、ベースプレート204からカバー206に向かって延びてもよい。レチクル仕切壁208は、レチクルを収納するように構成された内側部分202の内部空間230の周辺を画定し得る。実施形態では、レチクル仕切壁108は、1つまたは複数の貫通穴222を含む。レチクル保持器210は、貫通穴222を通って延び得る。貫通穴222は、たとえば、断面が円形、正方形、または長方形であり得る。
【0054】
図2中に示されている実施形態では、レチクル保持器210は、レチクル仕切壁208の第1の側の第1の端部224と、第1の側の反対側の、レチクル仕切壁208の第2の側の第2の端部226とを含む。レチクル保持器210は、貫通穴222内に位置決めされたヒンジ228を介してレチクル仕切壁208に取り付けられる。レチクル保持器210は、力が第1の端部224に加えられたとき、レチクル保持器がヒンジ228を中心として回転し、第2の端部226の移動を引き起こすように、十分に堅い。実施形態では、レチクル保持器210は、第2の端部226がレチクルに接触したときに、レチクル保持器210が曲がることができるように、可撓性である。
【0055】
第1の端部224は、ベースプレート204およびカバー206によって画定された内部空間230の外側にある、レチクル仕切壁208の一方の側にある。第1の端部224は、第1の端部224が、内側部分202が外側部分212内に位置決めされたとき、ポッドドーム214またはポッドドア216など、外側部分212の部品上に含まれる特徴と接触し得るように、レチクル仕切壁208から離れる方向に延びる。
【0056】
第2の端部226は、ベースプレート204およびカバー206によって画定された内部空間230の内側にある、レチクル仕切壁208の一方の側にある。レチクル保持器210は、第2の端部226が、ベースプレート204およびカバー206によって画定された内部空間230内に位置決めされたレチクルに接触する位置に第2の端部226が回転させられ得るように構成される。第2の端部226は、ベースプレート204中のレチクルコンタクト220に接触するレチクルの表面の反対側のレチクルの表面上でレチクルに接触するように構成され得る。
【0057】
ヒンジ228は、レチクル仕切壁208にレチクル保持器210を接合するヒンジである。ヒンジ228は、貫通穴222内に位置決めされる。実施形態では、228は、互いの反対側にあるレチクル保持器210からの突起と、突起を受けるように構成された貫通穴222中に形成された対応する穴とを含む。実施形態では、ヒンジ228は、レチクル保持器210の中に延びる貫通穴222の表面からの突起を含む。ヒンジ228は、ヒンジ228を中心とする回転軸が、レチクル仕切壁208と同一面にあるように配向され得る。
【0058】
レチクルポッド200の外側部分212は、内側部分202を囲むように構成される。外側部分212は、ポリマー材料を含むか、または全体的にポリマー材料で作られ得る。外側部分212は、ポッドドーム214およびポッドドア216を含む。実施形態では、ポッドドーム214およびポッドドア216は、外側部分212を形成するためにラッチによって互いに固定される。実施形態では、外側部分212は、内側部分202を収納するようにサイズ決定された内部空間232を含み、外側部分212は、ポッドドア216およびポッドドーム214が互いに固定されている間、内側部分202に接触する。外側部分212が組み立てられたときの外側部分212と内側部分202との間の接触は、外側部分212内に内側部分202を固定し得る。この接触は、外側部分212の内部空間232に対向する表面上にあるポッドドーム214およびポッドドア216上の1つまたは複数の突起、くぼみ、または他の同様の特徴によってもたらされ得る。実施形態では、外側部分212の構成要素のうちの少なくとも1つは、作動表面218を含む突起を含む。
【0059】
ポッドドーム214は、レチクルポッド200の外側部分212の部品である。ポッドドーム214は、レチクルポッド200が組み立てられたときにカバー206に接触するように構成された1つまたは複数の特徴を含み得る。ポッドドーム214は、レチクルポッド200の内側部分202を収納するようにサイズ決定された内部空間232と、ポッドドア216を収納するように構成されたポッドドーム214の端部にある開口(図示せず)とを含み得る。開口は、リップ部(図示せず)によって画定され得る。第2の空間を取り囲むポッドドーム214の部分は、レチクルポッド200の外側部分212を形成するためにポッドドア216にポッドドーム214を固定するためのラッチの部品を受けるように構成された1つまたは複数のスロットまたは他の開口を含み得る。
【0060】
ポッドドア216は、レチクルポッド200の外側部分212の別の部品である。ポッドドア216は、レチクルポッド200の外側部分212を形成するためにポッドドーム214と組み合わせられるように構成される。ポッドドア216は、ポッドドア216がポッドドーム214の端部を閉じるようにポッドドア216がポッドドーム214の空間に適合するように、サイズ決定され得る。ポッドドア216は、1つまたは複数のラッチによってポッドドーム214に接合され得る。ポッドドア216は、ラッチが、ポッドドーム214に係合していないとき、ポッドドーム214から取外し可能であり得る。ポッドドア216は、1つまたは複数の作動表面218を含む1つまたは複数の突起をさらに含み得る。
【0061】
図2中に示されている実施形態では、1つまたは複数の作動表面218は、ポッドドア216からの1つまたは複数の突起上に設けられる。作動表面218は、ポッドドア216およびポッドドーム214が、互いに接合または固定されたとき、第1の端部224に接触するように構成される。作動表面218とレチクル保持器210の第1の端部224との間の接触は、第1の端部224を押し、ヒンジ228を中心としてレチクル保持器を回転させる。この回転は、第2の端部226が、レチクルポッド200の内側部分202内に位置決めされたレチクルに接触し得る位置に第2の端部226を移動させる。第2の端部226とレチクルとの間の接触は、第2の端部226の少なくとも一部分と、ベースプレート204中に含まれるレチクルコンタクト220との間でレチクルを締め付けることによってなど、レチクルを固定し得る。実施形態では、作動表面218は、それ自体で作動させられ得、たとえば、ポッドドア216中に含まれるラッチング機構の構成要素によって作用されるなど、作用されることによって、ポッドドア216から外側に突出するように移動させられ得る。
【0062】
図3は、実施形態による、1つまたは複数のレチクルコンタクトを移動させるための方法のフローチャートを示す。方法300は、ベースプレートにカバーを接合すること302と、ポッドドームにポッドドアを接合すること304と、1つまたは複数の作動表面を、レチクル仕切壁上に位置決めされた1つまたは複数の保持特徴と接触させること306と、1つまたは複数の作動表面との接触を介して1つまたは複数の保持特徴を移動させること308とを含む。
【0063】
302において、カバーが、ベースプレートに接合される。カバーは、たとえば、上記で説明されたカバー106またはカバー206であり得る。ベースプレートは、たとえば、上記で説明されたベースプレート104または204であり得る。実施形態では、レチクルが、302においてベースプレートにカバーを接合するより前に、ベースプレート上に置かれる。実施形態では、ベースプレートにカバーを接合することは、レチクル仕切壁108など、レチクル仕切壁が、ベースプレート上で静止するように、ベースプレート上にカバーを置くことを含む。実施形態では、ベースプレートにカバーを接合することは、レチクル仕切壁208など、ベースプレートから延びるレチクル仕切壁上にカバーを置くことを含む。ベースプレートにカバーを接合すること302は、カバーおよびベースプレートが同じ配向にあるように、カバーおよびベースプレートを互いに位置合わせすることを含み得る。配向は、カバーおよびベースプレートのうちの一方または両方上のインターフェーシング特徴の位置合わせであり得る。
【0064】
304において、ポッドドアが、ポッドドームに接合される。ポッドドアは、たとえば、上記で説明されたポッドドア116または216であり得る。ポッドドームは、たとえば、上記で説明されたポッドドーム114または214であり得る。304において、ポッドドアおよびポッドドームは、302において接合されたカバーおよびベースプレートが、ポッドドームおよびポッドドア内に収容されるように、接合され得る。304において、ポッドドアが、ポッドドームに接合された後、ポッドドアおよびポッドドームは、1つまたは複数のラッチを介して互いに固定され得る。304において、ポッドドアおよびポッドドームは、ポッドドアがポッドドームによって画定された空間内にあるようにポッドドアの上にポッドドームを置くことによって、接合され得る。
【0065】
306において、1つまたは複数の作動表面は、レチクル仕切壁上に位置決めされた1つまたは複数の保持特徴と接触させられる。1つまたは複数の作動表面は、ポッドドームまたはポッドドア上に存在し得る。1つまたは複数の作動表面は、ポッドドアおよびポッドドームが304において接合されたとき、306において保持特徴に接触するように構成され得る。1つまたは複数の作動表面は、ポッドドームおよびポッドドアがラッチを介して固定されたとき、306において保持特徴に接触するように構成され得る。作動表面は、たとえば、保持特徴上の摺動表面に接触するように構成された摺動表面であり得る。実施形態では、摺動表面は、ポッドドームからの突起上に含まれる。作動表面は、たとえば、保持特徴がレチクル仕切壁の外側に延びる保持特徴の端部に接触するように構成された接触点であり得る。実施形態では、接触点は、ポッドドアからの突起上にある。
【0066】
308において、1つまたは複数の保持特徴は、1つまたは複数の作動表面との接触を介して移動させられる。実施形態では、作動表面は、レチクル仕切壁によって画定された空間の内側への、たとえば、レチクル保持器110などの保持特徴の直線移動を駆動する。実施形態では、作動表面は、保持特徴がレチクル仕切壁によって画定された空間の内側に移動するような、保持特徴上の対応する摺動表面に接触する摺動表面である。実施形態では、作動表面は、1つまたは複数の保持特徴の回転移動を駆動する。回転移動は、レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心とし得る。回転移動は、保持特徴上のレチクルコンタクトが、ベースプレートに向かう成分を有する方向にレチクルコンタクトが移動させられるように回転させられることを引き起こし得る。実施形態では、保持特徴は、レチクル仕切壁の第1の側の1つの端部と、レチクル仕切壁の反対側の第2の端部と、レチクル仕切壁に保持特徴を接合するヒンジとを含む。作動表面は、保持特徴の1つの端部に対して押圧し、ヒンジを中心とする回転を駆動する。ヒンジを中心とする回転は、第2の端部が、たとえば、ベースプレートに向かって移動させられることを引き起こす。保持特徴が、308において作動表面との接触によって移動させられたとき、保持特徴は、保持特徴がカバーおよびベースプレートによって画定された内部空間内のレチクルに接触する位置にあり得る。レチクルとの1つまたは複数の保持特徴の接触は、レチクルポッド内にレチクルを固定し得る。レチクルの固定は、ベースプレート中に形成されたまたはベースプレートに取り付けられたレチクルコンタクトとの接触をさらに含み得る。
【0067】
態様:
【0068】
態様1~14のうちのいずれかは、態様15~20のうちのいずれかと組み合わせられ得ることを理解されたい。
【0069】
態様1.
カバーおよびベースプレートを含む内側部分であって、カバーおよびベースプレートのうちの一方が、カバーおよびベースプレートのうちのその一方から延びるレチクル仕切壁を含み、レチクル仕切壁が、1つまたは複数の保持特徴を含む、内側部分と、
ポッドドームおよびポッドドアを含む外側部分であって、ポッドドームおよびポッドドアのうちの一方が、カバーがベースプレートに接合されたときに1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つに接触するように構成された、1つまたは複数の作動表面を含み、ポッドドームが、ポッドドアに接合され、接合されたカバーおよびベースプレートが、接合されたポッドドームおよびポッドドア内にある、外側部分と
を備え、
1つまたは複数の作動表面が1つまたは複数の保持特徴に接触したとき、保持特徴が、レチクルが接合されたカバーおよびベースプレート内に位置決めされたときに、保持特徴がレチクルに接触することが可能であるように配置されるように構成された、
レチクルポッド。
【0070】
態様2.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、レチクル仕切壁の平面に対して0度から90度の範囲内の角度をもつ成分を有する方向に直線的に移動可能である、態様1に記載のレチクルポッド。
【0071】
態様3.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、ばねを含む、態様2に記載のレチクルポッド。
【0072】
態様4.
ばねが静止位置にあるとき、保持特徴が、保持特徴が1つまたは複数の作動表面のうちの1つと接触するときよりも、ベースプレートの中心から遠い位置にある、態様3に記載のレチクルポッド。
【0073】
態様5.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、レチクル仕切壁の平面に対して0度から90度の範囲内の角度を有する方向に直線的に移動可能である、態様2から4のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0074】
態様6.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、湾曲縁部または傾斜縁部に係合するように構成された接触表面を含む、態様2から5のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0075】
態様7.
1つまたは複数の作動表面の各々が、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つの保持特徴の端部に対して摺動するように構成された表面である、態様2から6のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0076】
態様8.
1つまたは複数の作動表面の各々が、ポッドドームから延びる、態様7に記載のレチクルポッド。
【0077】
態様9.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、レチクル仕切壁の第1の側に位置決めされた第1の端部と、レチクル仕切壁の第2の側の第2の端部とを含み、レチクル仕切壁の第2の側が、レチクル仕切壁の第1の側の反対側にあり、1つまたは複数の保持特徴が、各々、レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心として回転可能である、態様1に記載のレチクルポッド。
【0078】
態様10.
1つまたは複数の作動表面の各々が、ポッドドアから延びる突起である、態様9に記載のレチクルポッド。
【0079】
態様11.
1つまたは複数の作動表面の各々が、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つと第2の端部において接触したとき、1つまたは複数の保持特徴の各々の第1の端部が、レチクルに接触する、態様10に記載のレチクルポッド。
【0080】
態様12.
1つまたは複数の保持特徴の各々が、熱可塑性材料を含む、態様1から11のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0081】
態様13.
レチクル仕切壁が、ベースプレートから延びる、態様1から12のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0082】
態様14.
レチクル仕切壁が、カバーから延びる、態様1から12のいずれか1つに記載のレチクルポッド。
【0083】
態様15.
1つまたは複数の保持特徴を操作する方法であって、
ベースプレートにカバーを接合することであって、カバーおよびベースプレートのうちの一方が、カバーおよびベースプレートのうちのその一方から延びるレチクル仕切壁を含む、ベースプレートにカバーを接合することと、
ポッドドーム中に接合されたカバーおよびベースプレートを置くことと、
ポッドドームにポッドドアを接合することであって、1つまたは複数の作動表面を、レチクル仕切壁上に位置決めされた1つまたは複数の保持特徴と接触させること、および、1つまたは複数の作動表面との接触を介して1つまたは複数の保持特徴を移動させることを含む、ポッドドームにポッドドアを接合することと
を含む、方法。
【0084】
態様16.
1つまたは複数の保持特徴を移動させることが、レチクル仕切壁によって画定された空間の内側への1つまたは複数の保持特徴の直線移動を含む、態様15に記載の方法。
【0085】
態様17.
1つまたは複数の作動表面が、カバー上に位置決めされ、1つまたは複数の保持特徴のうちの少なくとも1つの保持特徴の端部に対して摺動するように構成された、態様16に記載の方法。
【0086】
態様18.
1つまたは複数の保持特徴を移動させることが、レチクル仕切壁の平面と同一面にある軸を中心とした1つまたは複数の保持特徴の回転移動を含む、態様15から17のいずれか1つに記載の方法。
【0087】
態様19.
1つまたは複数の作動表面が、ポッドドアから延びる突起である、態様18に記載の方法。
【0088】
態様20.
レチクル仕切壁が、カバーから延びる、態様15から19のいずれか1つに記載の方法。
【0089】
本出願で開示された例は、あらゆる点で、例示的であり、限定的ではないとみなされるべきである。本開示の範囲は、上記の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって指し示され、特許請求の範囲と同等な意味および範囲内のすべての変更は、特許請求の範囲の中に包含されるものとする。
図1
図2
図3