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特許7475462隣接する導電層のスタックの研磨中のプロファイル制御
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-18
(45)【発行日】2024-04-26
(54)【発明の名称】隣接する導電層のスタックの研磨中のプロファイル制御
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/013 20120101AFI20240419BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20240419BHJP
   B24B 49/10 20060101ALI20240419BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20240419BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20240419BHJP
【FI】
B24B37/013
H01L21/304 622R
B24B49/10
B24B37/10
B24B49/04 Z
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022544299
(86)(22)【出願日】2021-06-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2021036189
(87)【国際公開番号】W WO2021252363
(87)【国際公開日】2021-12-16
【審査請求日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】63/036,392
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュー, クン
(72)【発明者】
【氏名】リー, ハリー キュー.
(72)【発明者】
【氏名】シェリアン, ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】ゲージ, デーヴィッド マクスウェル
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510953(JP,A)
【文献】特表2014-514770(JP,A)
【文献】特表2008-503356(JP,A)
【文献】国際公開第2008/032753(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/046502(WO,A1)
【文献】特表2016-540383(JP,A)
【文献】特開2009-094382(JP,A)
【文献】特表2014-513435(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/00 - 37/34
B24B 49/04
B24B 49/10
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数のプロセッサに、研磨を制御する方法を実行させるための命令で符号化された非一時的コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品であって、該研磨を制御する方法は、
インシトゥ渦電流モニタシステムから、基板の研磨中に前記基板の第1の領域についての特性値の第1のシーケンスを受信することであって、前記特性値の第1のシーケンスは、前記基板上の導電層のスタック内の導電層の厚さと導電性に依存する、特性値の第1のシーケンスを受信することと、
前記特性値の第1のシーケンスから第1の研磨速度を計算することと、
前記第1の研磨速度に基づいて第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することと、
隣接する導電層の導電性と異なる導電性を有する前記スタック内の下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の第1の変化を検出することと、
前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、前記スタック内の前記下位の導電層の露出後に、基板の研磨中に前記基板の第1の領域についての特性値の第2のシーケンスを受信することであって、前記特性値の第2のシーケンスは、前記スタック内の残りの導電層の厚さと導電性に依存する、特性値の第2のシーケンスを受信することと、
前記特性値の第2のシーケンスから第2の研磨速度を計算することと、
前記第2の研磨速度に基づいて、前記第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項2】
前記第1の研磨パラメータについての前記第1の調整値を計算するための前記命令は、前記第1の研磨速度に基づいて前記第1の領域がターゲット値に達する第1の予測時間を計算するための命令を含み、前記第1の研磨パラメータについての前記第2の調整値を計算するための前記命令は、前記第2の研磨速度に基づいて前記第1の領域が前記ターゲット値に達する第2の予測時間を計算するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項3】
前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、研磨中に前記基板の第2の領域についての特性値の第3のシーケンスを受信し、前記特性値の第3のシーケンスから第3の研磨速度を計算し、前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、研磨中に前記基板の前記第2の領域についての特性値の第4のシーケンスの測定を受信し、前記特性値の第4のシーケンスから第4の研磨速度を計算するための命令を含む、請求項2に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項4】
前記第1の研磨パラメータについての前記第1の調整値を計算するための前記命令は、前記第1の研磨速度及び前記第3の研磨速度に基づいて前記第2の領域についての第1の所望の研磨速度を計算し、前記第1の領域及び前記第2の領域を実質的に同時に前記ターゲット値に到達させるための命令を含み、前記第1の研磨パラメータについての前記第2の調整値を計算するための前記命令は、前記第2の研磨速度及び前記第4の研磨速度に基づいて前記第2の領域の第2の所望の研磨速度を計算し、前記第1の領域及び前記第2の領域を実質的に同時に前記ターゲット値に到達させるための命令を含む、請求項3に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項5】
第1の頻度で前記第1の研磨速度の前記変化を検出する前に、前記第1の研磨速度の計算と、前記第1の研磨パラメータについての前記第1の調整値の計算とを繰り返すための命令と、第2の頻度で前記研磨速度の前記変化を検出した後に、前記第2の研磨速度の計算と、前記第1の研磨パラメータについての前記第2の調整値の計算とを繰り返すための命令とを含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項6】
前記第1の頻度が前記第2の頻度とは異なる、請求項5に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項7】
前記第1の研磨パラメータについての前記第1の調整値を計算するための前記命令は、第1のプレストン行列を使用し、第2の研磨パラメータについての前記第2の調整値を計算するための前記命令は、第2のプレストン行列を使用する、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項8】
前記第1のプレストン行列及び前記第2のプレストン行列は、前記第1のプレストン行列及び前記第2のプレストン行列内の同じ行及び列の少なくとも1つの要素について異なる値を含む、請求項7に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項9】
前記研磨速度の前記第1の変化を検出した後に、前記下位の導電層の下の更なる層の露出を示す少なくとも1つの第2の所定基準を満たす前記研磨速度の第2の変化を検出するための命令を含む、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項10】
前記少なくとも1つの第1の所定基準と前記少なくとも1つの第2の所定基準とは異なる基準である、請求項9に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記特性値の第1のシーケンスから前記第1の研磨速度を計算するための前記命令は、隣接する前記導電層のスタックからの層の抵抗率に基づく相関曲線を使用する、請求項1に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
1つ又は複数のプロセッサに、研磨を制御する方法を実行させるための命令で符号化された非一時的コンピュータ可読媒体を含む、コンピュータプログラム製品であって、該研磨を制御する方法は、
インシトゥ渦電流モニタシステムから、研磨されている基板についての特性値のシーケンスを受信することと、
前記基板の研磨中に前記特性値のシーケンスから研磨速度を繰り返し計算することと、
研磨されている前記基板上の隣接する導電層のスタック内の下位の導電層の露出までの初期期間について、第1の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと、
隣接する導電層の導電性と異なる導電性を有する前記下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の変化を検出することと、
前記研磨速度の前記変化の検出後の後続期間について、異なる第2の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項13】
前記研磨速度を繰り返し計算するための前記命令は、前記初期期間及び前記後続期間中に、前記隣接する導電層のスタックからの同一層の抵抗率に基づく相関曲線を使用する、請求項12に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
研磨システムであって、
研磨パッドを支持するためのプラテンと、
基板を保持するためのキャリアヘッドと、
前記プラテンと前記キャリアヘッドとの間に相対運動を発生させるモータと、
前記基板の研磨中に前記基板をモニタするためのインシトゥ渦電流モニタシステムと、
コントローラと
を備え、前記コントローラは、
前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、基板の研磨中に前記基板の第1の領域についての特性値の第1のシーケンスを受信することであって、前記特性値の第1のシーケンスは、前記基板上の導電層のスタック内の導電層の厚さと導電性に依存する、特性値の第1のシーケンスを受信することと、
前記特性値の第1のシーケンスから第1の研磨速度を計算することと、
前記第1の研磨速度に基づいて第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することと、
隣接する導電層の導電性と異なる導電性を有する前記スタック内の下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の第1の変化を検出することと、
前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、前記スタック内の前記下位の導電層が露出後に、基板の研磨中に前記基板の前記第1の領域についての特性値の第2のシーケンスを受信することであって、前記特性値の第2のシーケンスは、前記スタック内の残りの導電層の厚さと導電性に依存する、特性値の第2のシーケンスを受信することと、
前記特性値の第2のシーケンスから第2の研磨速度を計算することと、
前記第2の研磨速度に基づいて、前記第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することと
を実行するように構成されている、研磨システム。
【請求項15】
研磨システムであって、
研磨パッドを支持するためのプラテンと、
基板を保持するためのキャリアヘッドと、
前記プラテンと前記キャリアヘッドとの間に相対運動を発生させるモータと、
前記基板の研磨中に前記基板をモニタするためのインシトゥ渦電流モニタシステムと、
コントローラと
を備え、前記コントローラは、
前記インシトゥ渦電流モニタシステムから、研磨されている基板についての特性値のシーケンスを受信することと、
前記基板の研磨中に前記特性値のシーケンスから研磨速度を繰り返し計算することと、
研磨されている前記基板上の隣接する導電層のスタック内の下位の導電層の露出が示されるまでの初期期間について、第1の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと、
隣接する導電層と異なる導電性を有する前記下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の変化を検出することと、
前記研磨速度の前記変化の検出後の後続期間について、異なる第2の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと
を実行するように構成されている、研磨システム。
【請求項16】
研磨を制御する方法であって、
基板上の隣接する導電層のスタックを研磨することであって、前記隣接する導電層のスタックは、外側導電層及び隣接する導電層と異なる導電性を有する下位の導電層を含む、導電層のスタックを研磨することと、
インシトゥ渦電流モニタシステムを用いて、研磨中の前記基板の第1の領域についての特性値の第1のシーケンスを測定することであって、前記特性値は、前記第1の領域において研磨を受ける前記外側導電層の厚さを含む前記スタック内の前記導電層の厚さ及び導電性に依存する、特性値の第1のシーケンスを測定することと、
前記特性値の第1のシーケンスから第1の研磨速度を計算することと、
前記第1の研磨速度に基づいて第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することと、
前記下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の第1の変化を検出することと、
前記研磨速度の前記変化を検出すると、前記インシトゥ渦電流モニタシステムを用いて、研磨中に前記基板の前記第1の領域についての特性値の第2のシーケンスを測定することであって、特性値の前記第2のシーケンスは、研磨を受ける前記下位の導電層の厚さを含む前記スタック内の残りの導電層の厚さ及び導電性に依存する、特性値の第2のシーケンスを測定することと、
前記特性値の第2のシーケンスから第2の研磨速度を計算することと、
前記第2の研磨速度に基づいて、前記第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することと
を含む、方法。
【請求項17】
研磨を制御する方法であって、
基板上の隣接する導電層のスタックを研磨することであって、前記隣接する導電層のスタックは、外側導電層及び隣接する導電層と異なる導電性を有する下位の導電層を含む、隣接する導電層のスタックを研磨することと、
インシトゥ渦電流モニタシステムを用いて、研磨中の前記基板についての特性値のシーケンスを測定することと、
研磨中に、前記特性値のシーケンスから研磨速度を繰り返し計算することと、
前記下位の導電層の露出までの初期期間について、第1の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと、
前記下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす前記研磨速度の変化を検出することと、
前記研磨速度の前記変化の検出後の後続期間について、異なる第2の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨に関し、特に、基板上の隣接する導電層のスタックを研磨する間のインシトゥ(その場)リアルタイムプロファイル制御に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、通常、シリコンウエハ上に導電層、半導電層又は絶縁層を連続的に堆積させ、その後、層を処理することによって、基板(例えば、半導体ウエハ)上に形成される。
【0003】
ある製造工程は、非平面の表面上に充填層を堆積させ、非平面の表面が露出するまで充填層を平坦化することを含む。例えば、絶縁層のトレンチ又は孔を充填するために、パターニングされた絶縁層上に導電性の充填層を堆積させることができる。次に、絶縁層の隆起パターンが露出するまで、充填層を研磨する。平坦化された後に、絶縁層の隆起パターンの間に残された導電層の部分が、基板上の薄膜回路間の導電経路を提供するビア、プラグ及びラインを形成する。加えて、平坦化は、リソグラフィのために基板表面を平坦化するために使用されてもよい。
【0004】
化学機械研磨(CMP)は、平坦化の1つの容認された方法である。この平坦化方法は、通常、基板がキャリアヘッド上に装着される必要がある。基板の露出面は、回転する研磨パッドに当たるように載置される。キャリアヘッドは、基板上に制御可能な負荷をかけて、基板を研磨パッドに押し当てる。研磨パッドの表面には、砥粒研磨粒子を含むスラリなどの研磨液が供給される。
【0005】
半導体処理の間に、基板又は基板上の層の1つ又は複数の特性を決定することが重要でありうる。例えば、CMPプロセスの間に、導電層の厚さを知ることが重要であり、その結果、プロセスを正しい時間に終了させることができる。基板特性を決定するために、いくつかの方法が使用されうる。例えば、化学機械研磨中に基板のインシトゥモニタリングを行うために、光学センサが使用されうる。代替的には(又は追加的には)、基板上の導電性領域に渦電流を誘導し、導電性領域の局所的な厚さなどのパラメータを決定するために、渦電流感知システムが使用されてもよい。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様によれば、研磨を制御する方法は、基板上の隣接する導電層のスタックを研磨することと、インシトゥ渦電流モニタシステムを用いて、研磨中の基板の第1の領域についての特性値の第1のシーケンスを測定することと、特性値の第1のシーケンスから第1の研磨速度を計算することと、第1の研磨速度に基づいて第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することと、下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす研磨速度の第1の変化を検出することと、研磨速度の変化を検出すると、インシトゥ渦電流システムを用いて、研磨中に基板の第1の領域についての特性値の第2のシーケンスを測定することと、特性値の第2のシーケンスから第2の研磨速度を計算することと、第2の研磨速度に基づいて、第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することとを含む。隣接する導電層のスタックは、外側導電層と、下位の導電層とを含む。第1の特性値は、第1の領域において研磨を受ける外側導電層の厚さを含む、スタック内の導電層の厚さ及び導電性に依存する。特性値の第2のシーケンスは、研磨を受ける下位の導電層の厚さを含む、スタック内に残る導電層の厚さ及び導電性に依存する。
【0007】
別の態様では、研磨を制御する方法は、基板上の隣接する導電層のスタックを研磨することと、インシトゥ渦電流モニタシステムを用いて、研磨中の基板についての特性値のシーケンスを測定することと、研磨中に特性値のシーケンスから研磨速度を繰り返し計算することと、初期期間について、第1の制御アルゴリズムを使用して、現在の研磨速度に基づいて、1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することと、下位の導電層の露出を示す少なくとも1つの第1の所定基準を満たす研磨速度の変化を検出することと、研磨速度の変化の検出後の後続期間について、異なる第2の制御アルゴリズムを使用して、研磨速度に基づいて1つ又は複数の研磨パラメータについての1つ又は複数の調整値を計算することとを含む。
【0008】
別の態様では、研磨を制御する方法は、基板上の隣接する層のスタックを研磨することと、インシトゥモニタシステムを用いて、研磨中の基板についての特性値のシーケンスを測定することと、コントローラ上でプロファイル制御アルゴリズムの複数のインスタンスを実行することとを含む。複数のインスタンスは、制御パラメータについて異なる値を有する第1のインスタンス及び第2のインスタンスを含む。プロファイル制御アルゴリズムの第1のインスタンスは、初期期間中に特性値のシーケンスを受信し、プロファイル制御アルゴリズムの第2のインスタンスは、初期期間及び後続期間中に特性値のシーケンスを受信する。初期期間について、初期期間中に受信された特性値のシーケンスに基づいて、プロファイル制御アルゴリズムの第1のインスタンスを使用して、1つ又は複数の研磨パラメータが制御され、インシトゥモニタシステムからの特性値のシーケンスに基づいて、下層の露出が検出され、下層の露出を検出した後の後続期間について、初期期間及び後続期間中に受信された特性値のシーケンスに基づいて、プロファイル制御アルゴリズムの第2のインスタンスを使用して、1つ又は複数の研磨パラメータが制御される。
【0009】
別の態様では、コンピュータプログラム製品は、これらの方法のいずれかの算出ステップを実行するように動作可能である。別の態様では、研磨システムは、研磨パッドを支持するためのプラテンと、基板を研磨パッドに当てて保持するためのキャリアヘッドと、インシトゥモニタシステムと、これらの方法のいずれかの算出ステップを実行するように構成されたコントローラとを含む。
【0010】
上記の態様のいずれかの実施態様は、以下の特徴のうちの1つ又は複数を含みうる。
【0011】
第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することは、第1の研磨速度に基づいて第1の領域がターゲット値に達する第1の予測時間(projected time)を計算することと、インシトゥ渦電流システムを用いて、研磨中に基板の第2の領域についての特性値の第3のシーケンスを測定することと、特性値の第3のシーケンスから第3の研磨速度を計算することと、第1の研磨速度及び第3の研磨速度に基づいて第2の領域についての第1の所望の研磨速度を計算し、第1の領域及び第2の領域を実質的に同時にターゲット値に到達させることとを含みうる。第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することは、第2の研磨速度に基づいて第1の領域がターゲット値に達する第2の予測時間を計算することと、インシトゥ渦電流システムを用いて、研磨中に基板の第2の領域についての特性値の第4のシーケンスを測定することと、特性値の第4のシーケンスから第4の研磨速度を計算することとを含みうる。第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することは、第2の研磨速度及び第4の研磨速度に基づいて第2の領域についての第2の所望の研磨速度を計算し、第1の領域及び第2の領域を実質的に同時にターゲット値に到達させることとを含む。
【0012】
第1の研磨速度を計算するステップと、第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算するステップは、第1の頻度で研磨速度の変化を検出する前に反復されてもよく、第2の研磨速度を計算するステップと、第1の研磨パラメータについての第2の調整値を計算するステップは、第2の頻度で研磨速度の変化を検出した後に反復されてもよい。第1の頻度は、第2の頻度とは異なる場合がある。
【0013】
第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算するために、第1のプレストン行列(Preston matrix)が使用されてもよく、第2の研磨パラメータについての第2の調整値を計算するために、第2のプレストン行列が使用されてもよい。第1のプレストン行列及び第2のプレストン行列は、第1のプレストン行列及び第2のプレストン行列内の同じ行及び列の少なくとも1つの要素について異なる値を含みうる。
【0014】
研磨速度の第1の変化を検出した後、下位の導電層の下の更なる層の露出を示す少なくとも1つの第2の所定基準を満たす研磨速度の第2の変化が検出されうる。少なくとも1つの第1の所定基準及び少なくとも1つの第2の所定基準は、異なる基準でありうる。第1及び第2の所定基準のうちの1つは、底部出口モードを有するウインドウロジックであり、第1及び第2の所定基準のうちのもう1つは、右側出口モードを有するウインドウロジックであってもよい。
【0015】
第1の研磨速度を計算するステップは、第1の関数を使用して実行され、第2の研磨速度を計算するステップは、異なる第2の関数を使用して実行されうる。第1の関数及び第2の関数は、異なる持続時間の実行ウインドウを使用しうる。第1の研磨パラメータについての第1の調整値を計算することは、第1の調整値を第1の最大変化に制限することを含み、第2の研磨パラメータについての第2の調整値を計算することは、第2の調整値を異なる第2の最大変化に制限することを含みうる。特性値の第1のシーケンスから第1の研磨速度を計算することは、隣接する導電層のスタックからの層の抵抗率に基づく相関曲線を使用しうる。特性値の第2のシーケンスから第2の研磨速度を計算することは、隣接する導電層のスタックからの同一の層の抵抗率に基づく同一の相関曲線を使用しうる。層は、隣接する導電層のスタックからの最後の導電層でありうる。
【0016】
研磨速度を繰り返し計算することは、初期期間及び後続期間中に、隣接する導電層のスタックからの同一層の抵抗率に基づく相関曲線を使用しうる。
【0017】
キャリアヘッドは、複数の独立して制御可能なチャンバを含みうる。第1の研磨パラメータは、チャンバのうちの1つのための圧力であり、1つ又は複数の研磨パラメータは、チャンバのうちの1つ又は複数のための1つ又は複数の圧力を含みうる。
【0018】
特定の実施態様は、以下の利点の1つ又は複数を含むことができる。基板上の隣接する導電層のスタックを研磨するときに、インシトゥリアルタイムプロファイル制御システムを使用することができる。システムは、スタック内の下位の導電層の露出を検出することができ、これをトリガとして使用して、異なる層を考慮するようにプロファイル制御システムの動作を変更する。ウエハ内の研磨均一性を向上させることができる。
【0019】
1つ又は複数の実施態様の詳細が、添付図面及び以下の説明に記載される。他の態様、特徴及び利点は、説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】渦電流モニタシステムを含む化学機械研磨ステーションの部分断面の概略側面図である。
図1B】化学機械研磨ステーションの概略上面図である。
図2】測定された信号に基づいて基板の厚さを決定するための静的公式(static formula)の概略的グラフである。
図3】基板上の導電層のスタックの概略断面図である。
図4A】第1の研磨速度に基づく第1の研磨パラメータについての第1の調整値を示す概略的グラフである。
図4B】下位の導電層の露出を示す研磨速度の変化を検出する概略的グラフである。
図4C】第2の研磨速度に基づく第1の研磨パラメータについての第2の調整値を示す概略的グラフである。
図5A】下位の導電層の露出を検出する実施態様を示すフロー図である。
図5B】下位の導電層の露出を検出する別の実施態様を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
種々の図面における類似の参照記号は、類似の要素を示す。
【0022】
研磨装置は、基板上で研磨されている外層の厚さを検出するために、インシトゥモニタシステム、例えば渦電流モニタシステムを使用することができる。外層の研磨中に、インシトゥモニタシステムは、基板上の層の異なる場所の厚さを決定することができる。厚さ測定値は、研磨終点をトリガするために、及び/又は研磨プロセスの処理パラメータをリアルタイムで調整するために使用することができる。例えば、基板キャリアヘッドは、基板の裏側の圧力を調整して、外層の場所の研磨速度を増減させることができる。研磨速度は、研磨後に層の場所が実質的に同じ厚さになるように調整することができる。CMPシステムは、層の複数の場所の研磨がほぼ同時に完了するように研磨速度を調整することができる。そのようなプロファイル制御は、リアルタイムプロファイル制御(RTPC)と呼ばれることがある。
【0023】
いくつかのデバイスの製造のために、研磨される基板は、異なる組成の複数の導電層のスタックを含むことができる。層の各々は、所与の印加圧力に応じて、異なる導電性、及び/又は異なる研磨速度を有しうる。単一の研磨プロセスで基板上の複数の導電層を連続して研磨する場合、ウエハ内不均一性(WIWNU)は依然として課題となる。しかしながら、インシトゥリアルタイムプロファイル制御システムは、この問題に対処することができる。特に、モニタシステムは、例えば、測定された特性変化の速度の変化を検出することによって、研磨プロセスが外側導電層を除去し、下位の導電層を露出する場合に、研磨移行を検出することができる。これにより、インシトゥリアルタイムプロファイル制御システムの変更をトリガすることができ、改善された研磨均一性がもたらされる。
【0024】
図1A及び図1Bは、研磨装置100の一例を示す。研磨装置100は、回転可能なディスク形状のプラテン120を含み、その上に研磨パッド110が位置する。プラテンは、軸125を中心として回転するように動作可能である。例えば、モータ121は、駆動軸124を回してプラテン120を回転させることができる。研磨パッド110は、外側研磨層112と、より柔らかいバッキング層114とを有する二層研磨パッドでありうる。
【0025】
研磨装置100は、スラリなどの研磨液132を研磨パッド110上に分配するためのポート130を含むことができる。研磨装置は、研磨パッド110を一貫した砥粒研磨状態(consistent abrasive state)に維持するために研磨パッド110を砥粒研磨する(abrade)研磨パッドコンディショナも含むことができる。
【0026】
研磨装置100は、少なくとも1つのキャリアヘッド140を含む。キャリアヘッド140は、基板10を研磨パッド110に当てて保持するように動作可能である。キャリアヘッド140は、研磨パラメータ、例えば、それぞれの基板に関連する圧力の独立した制御を有することができる。
【0027】
特に、キャリアヘッド140は、基板10を可撓性の膜144の下に保持するための保持リング142を含むことができる。キャリアヘッド140はまた、膜によって画定される複数の独立制御可能で加圧可能なチャンバ、例えば3つのチャンバ146a-146cを含んでおり、このチャンバは、可撓性の膜144、ひいては基板10上の関連するゾーンに独立して制御可能な圧力を印加することができる。説明を簡略化するために、図1には3つのチャンバのみを図示したが、1つ若しくは2つのチャンバ、又は4つ以上のチャンバ、例えば、5つのチャンバがあってもよい。
【0028】
キャリアヘッド140は、支持構造150、例えばカルーセル又はトラックから懸架され、キャリアヘッドが軸155の周りを回転できるように、駆動軸152によってキャリアヘッド回転モータ154に連結される。オプションで、キャリアヘッド140は、例えば、カルーセル150又はトラック上のスライダ上で、又はカルーセル自体の回転振動によって、横方向に振動することができる。動作中、プラテンはその中心軸125を中心に回転し、キャリアヘッドはその中心軸155を中心に回転し、研磨パッドの上面にわたって横方向に平行移動する。
【0029】
1つのキャリアヘッド140のみが示されているが、研磨パッド110の表面積を効率的に使用できるように、追加の基板を保持するために、より多くのキャリアヘッドを設けることができる。
【0030】
研磨装置100は、インシトゥモニタシステム160も含む。インシトゥモニタシステム160は、基板上の層の厚さに依存する時間で変動する一連の値を生成する。インシトゥモニタシステム160は、測定値が生成されるセンサヘッドを含み、基板とセンサヘッドとの間の相対運動のため、測定値は、基板上の異なる場所でとられることになる。
【0031】
インシトゥモニタシステム160は、渦電流モニタシステムとすることができる。渦電流モニタシステム160は、基板上の導電層に渦電流を誘導するための駆動システムと、駆動システムによって導電層に誘導された渦電流を検出するためのセンシングシステムとを含む。モニタシステム160は、プラテンと共に回転するように凹部128内に位置決めされたコア162と、コア162の一部の周囲に巻かれた少なくとも1つのコイル164と、配線168によってコイル164に接続された駆動及び感知回路166とを含む。コア162とコイル164の組み合わせで、センサヘッドが提供されうる。いくつかの実施態様では、コア162は、プラテン120の上面の上方に、例えば、研磨パッド110の底部の凹部118内に突出する。
【0032】
駆動及び感知回路166は、振動電気信号をコイル164に印加し、発生する渦電流を測定するように構成される。駆動及び感知回路、並びに1つ又は複数のコイルの構成及び位置については、例えば、米国特許第6,924,641号、第7,112,960号及び第8,284,560号、並びに米国特許公開第2011-0189925号及び第2012-0276661号に記載されているように、様々な構成が可能である。駆動及び感知回路166は、プラテン120の同じ凹部128又は異なる部分に配置することができ、又はプラテン120の外側に配置することもでき、回転電気ユニオン129を通してプラテン内の構成要素に結合することもできるだろう。
【0033】
動作において、駆動及び感知回路166は、コイル164を駆動して、振動磁場を生成する。磁場の少なくとも一部は、研磨パッド110を通って基板10内に延びる。導電層が基板10上に存在する場合、振動磁場は、導電層内に渦電流を発生させる。渦電流によって、導電層は、駆動及び感知回路166に結合されるインピーダンス源として作用する。導電層の厚さが変化すると、インピーダンスが変化し、これは駆動及び感知回路166によって検出することができる。
【0034】
代替的に又は追加的に、反射計又は干渉計として機能しうる光学モニタシステムを、凹部128内のプラテン120に固定することができる。両方のシステムが使用される場合、光学モニタシステム及び渦電流モニタシステムは、基板の同じ部分をモニタすることができる。
【0035】
CMP装置100はまた、コア162が基板10の下にあるときを感知するために、光インタラプタのような位置センサ180を含むことができる。例えば、光インタラプタは、キャリアヘッド140の反対側にある固定点に取り付けることができるだろう。フラッグ182は、プラテンの周囲に取り付けられる。フラグ182の取り付け点及び長さは、コア162が基板10の下を掃引する間、センサ180の光信号を中断するように選択される。代替的に又は追加的に、CMP装置は、プラテンの角度位置を決定するためのエンコーダを含むことができる。
【0036】
汎用のプログラマブルデジタルコンピュータなどのコントローラ190は、渦電流モニタシステム160から強度信号を受信する。コントローラ190は、プロセッサ、メモリ、及びI/O装置、並びに出力装置192、例えばモニタ、及び入力装置194(例えばキーボード)を含むことができる。単一の装置として図示されているが、コントローラ190は、複数の装置にわたる複数のプロセッサ、例えば、ネットワーク化された、又は他の方法で分散されたコンピューティングシステムを含むことができる。
【0037】
信号は、渦電流モニタシステム160から回転電気ユニオン129を通してコントローラ190に渡すことができる。あるいは、回路166は、無線信号によってコントローラ190と通信することができるだろう。
【0038】
コア162は、プラテンの回転毎に基板の下を掃引するので、導電層の厚さに関する情報は、インシトゥで、かつ連続的なリアルタイムベースで(プラテン1回転につき1回)蓄積される。コントローラ190は、基板が概してコア162の上にあるときに(位置センサによって決定されるように)、モニタシステムから測定値をサンプリングするようにプログラムすることができる。研磨が進行すると、導電層の厚さが変化し、サンプリングされた信号は時間とともに変化する。時変サンプリングされた信号は、通常、生信号値のシーケンスを含む。装置のオペレータが研磨動作の進行を視覚的にモニタできるようにするために、モニタシステムからの測定値を研磨中に出力装置192上に表示することができる。
【0039】
渦電流モニタシステム160からの信号、例えば生信号値のシーケンスは、特性値、例えば厚さ値の時間ベースのシーケンスに変換することができる。例えば、コントローラ190は、研磨されている層の厚さの推定寸法を生成するために、インシトゥモニタシステム160によって測定された信号を基板10上で研磨されている層の厚さに関連付ける相関曲線を使用することができる。相関曲線203の一例を図2に示す。図2に描かれた座標系では、縦軸は、インシトゥモニタシステム160から受信された信号の値を表し、横軸は、基板10の層の厚さに対する値を表す。所与の信号値に対して、コントローラ190は、対応する厚さ値を生成するために、相関曲線203を使用することができる。相関曲線203は、センサヘッドが信号を取得した時刻又は位置にかかわらず、各信号値に対する厚さ値を予測するという点で、「静的」な公式とみなすことができる。相関曲線203は、多項式関数、又は線形補間と組み合わせたルックアップテーブル(LUT)など、様々な関数で表すことができる。しかしながら、いくつかの実施態様では、信号は、他の測定値、例えば、導電性測定値に変換することができ、又は信号自体を特性値として使用することができるだろう。
【0040】
図1に戻ると、動作中に、CMP装置100は、研磨の進行を測定するために渦電流モニタシステム160及びコントローラ190を使用することができる。特に、渦電流モニタシステム160及びコントローラ190は、外側導電層又は下位の導電層の厚さをモニタし、基板上のターゲット領域内の外側導電層の予測された(projected)厚さがターゲット厚さを満たすときの第1の終点時間を推定し、下位の導電層が露出されたときの研磨移行を検出し、基板上のターゲット領域内の下位の導電層の予測された厚さがターゲット厚さを満たすときの第2の終点時間を推定し、複数の調整時間の時点で制御ゾーン上の研磨圧力/速度を調整し、ターゲットゾーン及び制御ゾーンの両方の厚さを実質的に同時にターゲット厚さにし、及び/又は下にある停止層が露出されたときを決定することができる。検出器ロジックのための可能なプロセス制御、研磨移行検出、及び終点基準は、極小値又は極大値、傾斜(slope)の変化、振幅又は傾斜の閾値、又はこれらの組み合わせを含む。
【0041】
コントローラ190はまた、研磨パッドに供給されるスラリ組成物を制御するために、キャリアヘッド140によって印加される圧力を制御する圧力機構、キャリアヘッド回転速度を制御するためのキャリアヘッド回転モータ154、プラテン回転速度を制御するためのプラテン回転モータ121、又はスラリ分配システム130に接続されうる。加えて、コンピュータ190は、米国特許第6,399,501号で論じられているように、基板下の掃引毎の渦電流モニタシステム160からの測定値を複数のサンプリングゾーンに分割し、各サンプリングゾーンの半径方向の位置を計算し、振幅測定値を半径方向の範囲に分類する(sort)ようにプログラムすることができる。測定値を半径方向の範囲に分類した後に、フィルム厚さに関する情報をリアルタイムで閉ループコントローラに供給して、改善された研磨均一性を提供するために、キャリアヘッドによって適用される研磨圧力プロファイルを周期的に又は連続的に変更することができる。
【0042】
図3は、ウエハ313上の隣接する導電層のスタック302を含む基板10の一例を示す。他の誘電体層、導電層及び/又は半導電層を含むことができる層構造311は、ウエハ313と導電層のスタック302との間に配置することができる。平坦な表面上に堆積された均一な厚さの層として図示されているが、層は、パターニングされた表面上に堆積させることができ、層自体をパターニングさせることができるだろう。
【0043】
スタック302は、少なくとも2つの層、すなわち、外側導電層と、隣接する下位の導電層とを含むことができる。しかしながら、スタックは、3つ、4つ、又はそれ以上の層を含むことができるだろう。例えば、図3において、最外導電層305は、下位の導電層307の上部にあり、下位の導電層307は、別の下位の導電層309の上にある。隣接する層は、異なる組成及び異なる導電性を有する。例えば、外層は銅とすることができ、下層はタンタルライナ層とすることができる。別の例として、外層はルテニウムとすることができ、下層は窒化チタンライナ層とすることができる。別の例として、外層はタングステンとすることができ、下層は窒化チタンライナ層とすることができる。隣接する層は、異なる初期の予備研磨厚さを有することができる。例えば、最外層305は、その下層307と比較して、より薄い、より厚い、又は等しい厚さとすることができる。別のより具体的な例では、外層309は、厚さ200-1000Åとすることができる一方で、下側層311は、厚さ10-100Åとすることができる。
【0044】
スタック内で研磨される最後の導電層、例えば、底部下層309は、以下で更に説明されるように、研磨プロセスにおいてモニタするための基準層として働くことができる。
【0045】
図4A図4B及び図4Cは、基板上の隣接する導電層のスタックを研磨する際に使用するための、インシトゥリアルタイムプロファイル制御のプロセスを示す。図4Aを参照すると、プロセスは、例えば、時間
で、外側導電層の研磨により開始することができる。
【0046】
研磨プロセスは渦電流モニタシステム160によってモニタされ、上述のように、渦電流モニタシステム160からの信号は、測定の位置に基づいて複数のゾーンに分類する(sorted)ことができる。複数のゾーンは、ターゲットゾーン及び制御ゾーンを含むことができる。ターゲットゾーンは、第1の領域とも称され、制御ゾーンは、第2の領域とも称されうる。インシトゥリアルタイムプロファイル制御方法について、2つ以上の制御ゾーン、例えば、2~10個の制御ゾーンが存在しうる。各ゾーンは、基板の一部分上の下降力を制御するキャリアヘッド内の加圧可能チャンバの1つに対応することができる。したがって、ゾーンの総数は、キャリアヘッド内の制御可能なチャンバの数、例えば、2~11個に等しくすることができる。
【0047】
複数のゾーンの各ゾーンについて、そのゾーンの信号値のシーケンスは、隣接する導電層のスタックの特性値のシーケンスに変換される。特性値は、隣接する導電層のスタックの全体の厚さを表すことができるが、異なる導電層が異なる導電性を有するという事実を補償するものではない。特に、特性値は、図2に示すような静的相関曲線を使用して信号値から計算することができる。静的相関曲線は、基準層の導電性に基づいている。基準層は、研磨されるスタックの最後の層、例えば、基板上の隣接する導電層のスタックの底部層として選択することができる。あるいは、基準層は、研磨されるスタック内の別の層、例えば、第1の層、第2の層などとして選択することができる。しかし、後述するように、同じ抵抗率に対する相関曲線は、現在研磨されている層にかかわらず、基板上の隣接する導電層のスタックの厚さの計算に使用される。
【0048】
インシトゥリアルタイムプロファイル制御アルゴリズムは、改善された研磨均一性を提供するために、1つ又は複数の研磨パラメータ、例えば、キャリアヘッド内の1つ又は複数のチャンバ内の圧力を調整するために、各ゾーンの厚さ測定値のシーケンスを使用することができる。例えば、インシトゥリアルタイムプロファイル制御アルゴリズムは、(そのような調整がない場合よりも)各制御ゾーンを終点時間での所望の厚さに近づけるように構成することができる。
【0049】
特に、各ゾーンについて、関数は、そのゾーンについての特性値のシーケンスに適合する。ここでの例は、外側導電層の研磨中に特性値の各シーケンスに適合する一次線形関数、例えば、線410及び412を示す。しかし、フィッティング関数(fitting function)は線形である必要はなく、例えば、高次多項式又は指数関数であってもよい。
【0050】
図4Aに示されるように、時間軸(横軸)に沿って、3つの時間点がマークされており、それらは、開始時間
、圧力変化時間
、及び第1の終点時間
である。開始時間
は、基板上の隣接する層のスタック上の外側導電層に対する研磨プロセスの正確な開始時間であってもなくてもよい。これは、データがインシトゥモニタシステムから収集され始める時間であってもよく、又は関数のフィッティング(fitting of the function)に使用される第1のデータを表してもよい。圧力変化時間
は、コントローラが、外側導電層を研磨して研磨均一性を改善しようとするときに圧力を調整する時間を表す。図4Aは単一の圧力変化時間
を図示しているが、複数の圧力調整が存在しうる。例えば、圧力調整は、固定頻度で、例えば、2~30回のプラテン回転毎に又は3~30秒毎に行うことができる。
【0051】
フィッティング関数の傾斜、例えば、線410及び412は、圧力変化時間
におけるそれぞれのゾーンに対する現在の研磨速度を提供する。この文脈において、「研磨速度」は、特性値の変化速度を示すものとして理解すべきであり、例えば、厚さ測定値の変化速度として表すことができるが、必ずしもそうである必要はない。外側導電層を研磨する際のターゲットゾーンに対する現在の研磨速度
は、第1の破線416によって示されるように、時間軸に沿ってターゲットゾーンの厚さを予測するために使用することができる。第1の終点時間TE1は、ターゲット領域の予測された厚さが、ターゲット特性値、例えば、ターゲットの厚さ
に達する時間として計算される。同様に、制御ゾーンに対する現在の研磨速度
は、第2の破線418によって示されるように、時間軸に沿って制御ゾーンの厚さを予測するために使用することができる。
【0052】
図1Aのコントローラ190は、第3の研磨速度
に基づいて第1の終点時間
における制御ゾーンの予測された厚さ
を決定することができる。制御ゾーンの予測された厚さが第1の終点時間
において、ターゲットの厚さ
と等しくないと仮定すると、コントローラは、例えば破線414の傾斜によって示される第1の所望の研磨速度
を計算することができ、ターゲットゾーンと制御ゾーンとを実質的に同時にターゲットの厚さにする。圧力変化時間
における制御ゾーンの測定された厚さ
は、図3Aに示されるように、例えば以下の式に従って、所望の研磨速度
を計算するために使用することができる。
コントローラは、現在の第3研磨速度
を第1の所望の研磨速度
に変化させるために、研磨パラメータ、例えば、制御ゾーンに関連するチャンバ内の圧力を調整することができる。制御ゾーンの研磨速度を所望の研磨速度にするための各チャンバ146a、146b及び146c内のチャンバ圧力の調整は、各導電層に関連するプレストン行列を使用して計算することができる。
【0053】
図4Bは、研磨中の下位の導電層の露出を検出する例を示す。移行時間の検出は、時間軸で
としてマークされる。第1の領域の厚さのプロットにおける移行点は、その時点
では420によってマークされる。要すれば、外層と下層との間の導電性の差のために、物理的研磨速度が一定のままであっても、見かけの研磨速度に変化が生じることになる。特に、コントローラは、見かけの研磨速度の変化を検出するように構成することができる。
【0054】
いくつかの実施態様では、図5Aのフロー図500によって示されるように、下位の導電層の露出の検出及び研磨の開始は、インシトゥモニタシステム160を通してターゲット領域における特性値のシーケンスの実行タイムウインドウを取得すること(ステップ502)と、時間ウインドウ内の特性値のシーケンスの第1の部分に基づいて、第1の試し研磨速度
を計算すること(ステップ504)と、時間ウインドウ内の特性値のシーケンスの残りに基づいて、第2の試し研磨速度
を計算すること(ステップ506)と、第2の試し研磨速度
を第1の試し研磨速度
と比較することによって傾斜変化を決定すること(ステップ508)とによって実行されうる。フロー図500に示される方法は、研磨終了前に複数回実施されうる。
【0055】
いくつかの他の実施態様は、図5Bのフロー図510によって示されるように、ターゲットゾーンの研磨速度の偏向点を検出するためのウインドウロジックを含む。この技法では、ウインドウロジックを用いて、時間ウインドウ内の特性値のシーケンスを分析する。この分析は、実行タイムウインドウにおける特性データのシーケンスを取得し(ステップ512)、外層と下層との情報に基づいてウインドウロジックの出口モードを割り当て(ステップ514)、出口モードでウインドウロジックの傾斜変化を決定し(ステップ516)、下位の導電層の露出(又は研磨移行)を決定する(ステップ518)ことによって、実行することができる。外層及び下層の情報は、外層の公称速度
と下層の公称速度
との間の関係でありうる。例えば
の場合、研磨移行において研磨傾斜が増加することになるため、ウインドウロジックにおいて底部出口モードを選択することができ、例えば
の場合、研磨移行において研磨傾斜が減少することになるため、ウインドウロジックにおいて右出口モードを選択することができるように、
及び
の関係を考慮することによって、ウインドウロジックの出口モードを選択することができる。公称速度
及び
は、基板上の各層を独立して研磨する開ループ下でのインシトゥモニタシステムで計算することができる。
【0056】
各層の公称研磨速度
及び
並びにターゲット研磨速度
及び
は、以下のように、キャリアヘッド140に対する予め設定された下向きの力
を通して関連付けられる。
ウインドウロジックは、時間ウインドウ及び高さウインドウのような所定のパラメータを有しうる。ウインドウロジックの所定のパラメータの調整は、領域の研磨プロファイルにおける偏向点を反映するために必要とされうる。ウインドウロジック内のウインドウの数は少なくとも1つ以上である。
【0057】
いずれの移行検出方法も、外層と下層の組成が異なることによる見かけの研磨速度の変化がある限り、外層と下層の物理的研磨速度が等しくなる基板上の隣接する導電層のスタックのために機能することができる。
【0058】
ターゲットゾーンの研磨プロファイルの移行を検出すると、いくつかの実施態様では、第2の制御アルゴリズムが研磨プロセスの制御を開始することができる。いくつかの実施態様では、第2の制御アルゴリズムは、第1の制御アルゴリズムと同じ動作のセットを実行するが、制御変数に異なる値を使用する。第1の制御アルゴリズムと第2の制御アルゴリズムとの間で変更することができる値を有する制御変数の例は、研磨される層の公称研磨速度、研磨制御パラメータを研磨速度に変換するために使用されるプレストン行列(及びその逆)、現在の研磨ステップのためのウインドウロジック、例えば、ウインドウロジックのための出口モード、圧力変化の頻度(pressure change frequency)、圧力更新制限、ノイズ行列、レート推定アルゴリズム、ゾーンオフセット、及びゲインを含む。
【0059】
例えば、プレストン行列は、対角線に沿った値の第1の集合を有する第1の分離された対角行列から、対角線に沿った値の異なる第2の集合を有する第2の分離された対角行列に変化しうる。これは、下層が外層と同じ圧力応答を有しない場合に適切だろう。例えば、下層がより硬い物質である場合、圧力の変化に対する応答性が低くなりうるので、所望の圧力を提供するのに必要とされる圧力変化を考慮するために、プレストン行列においてより大きな値が必要とされうる。別の例として、プレストン行列は、分離された対角行列から非対角結合行列に変化しうる。
【0060】
別の例として、チャンバ圧力に対する調整頻度は、増加又は減少しうる。これは、下層が外層よりも研磨に多少の時間を要する場合に適しているだろう。例えば、下層が外層よりも研磨にかかる時間が少ないと予想される場合、ターゲットゾーンの厚さに確実に一致するように制御ゾーンに対して十分な数の圧力修正があることを保証するために、チャンバ圧力の調整頻度を増加させることができる。
【0061】
別の例として、ウインドウロジックの出口モードは、右側出口モードから底部出口モードに、又はその逆に変化しうる。例えば、追加の下層の露出時の見かけの研磨速度がより高くなる場合、次いでウインドウロジックの出口モードが底部出口モードに変更されうる。追加の下層の露出時の見かけの研磨速度がより低くなる場合、次いでウインドウロジックの出口モードが右側出口モードに変更されうる。
【0062】
圧力更新制限は、各圧力変化におけるキャリアヘッド内の圧力の変化が許容される最大量を指す。コントローラに圧力変化を制限させることにより、研磨速度の過修正及び人為的に誘発される振動を防止することができる。圧力更新制限を変更することは、下層が外層よりも研磨に多少の時間を要する場合に適切だろう。例えば、下層が外層よりも研磨に要する時間が少ないと予想される場合、起こりうる変更の数がより少ないと仮定すると、制御ゾーンがターゲットゾーンの厚さに確実に一致するのに十分なほど圧力が変化することを保証するために、圧力更新制限を増加させることができる。
【0063】
速度推定アルゴリズムは、研磨速度の計算に使用される特定の関数を指す。特に、研磨速度を計算する際に、コントローラは、典型的には、実行ウインドウ、例えば、特定の数の最新の特性値を使用する。実行ウインドウのサイズ、例えば、研磨速度を計算するために使用される最新の特性値の数を変更することは、下層の研磨中に生成される信号が外層の研磨中に生成される信号よりも多かれ少なかれノイズを有している場合には、適切だろう。例えば、下層の研磨中に生成される信号がノイズをより多く含む場合、より長い平均化時間を提供するために、実行ウインドウのサイズを大きくすることができる。
【0064】
いくつかの実施態様では、第2の制御アルゴリズムは、特性値を収集し、ターゲットゾーンの研磨速度を計算し、研磨プロセスが外側導電層内で開始するときと同じ早さで、例えば
で、終点時間を予測し始める。しかしながら、第2の制御アルゴリズムは、第1の制御アルゴリズムとは独立して動作し、コントローラは、研磨移行(例えば、
において)が検出され、更にてスリープ時間
が経過するまで、第1の制御アルゴリズムから第2の制御アルゴリズムに、現在の研磨プロセスの制御を実際には移行しない。スリープ時間
は、1秒の一部又はそれ以上(a fraction of a second or more)でありうる。2つの制御アルゴリズムを同時にかつ独立して実行する方法は、制御アルゴリズムが研磨下にある現在の層に対するターゲット研磨速度を計算するためにある程度の時間を必要とするので、検出される研磨移行時にシームレスな制御移行を確実にすることができる。
【0065】
図4Cは、基板上の下位の導電層上を研磨する場合の多重圧力制御方法を示す。同様に、ここでの例は、下位の導電層の研磨中に特性値の各シーケンスに適合する一次線形関数、例えば、線422及び424を示す。フィッティング関数は、図4Aにおいて先に例示したように、線形である必要はない。
【0066】
図4Cに示されるように、別の圧力変化時間
及び第2の終点時間
が、時間軸に沿ってマークされる。圧力変化時間
は、コントローラが、下位の導電層を研磨して研磨均一性を改善しようとするときに、圧力を調整する時間を表す。図4Cは単一の圧力変化時間
を図示しているが、複数の圧力調整が存在しうる。例えば、圧力調整は、固定頻度で、例えば、2~30回のプラテン回転毎に又は3~30秒毎に行うことができる。
【0067】
フィッティング関数の傾斜、例えば、線422及び424は、圧力変化時間
におけるそれぞれのゾーンに対する現在の研磨速度を提供する。下層を研磨する際のターゲットゾーンに対する現在の研磨速度
は、第1の破線428によって示されるように、時間軸に沿ってターゲットゾーンの厚さを予測するために使用することができる。第2の終点時間
は、ターゲット領域の予測された厚さが、ターゲット特性値、例えば、ターゲットの厚さ
に到達する時間として計算される。同様に、制御ゾーンに対する現在の研磨速度
は、第2の破線430によって示されるように、時間軸に沿って制御ゾーンの厚さを予測するために使用することができる。
【0068】
図4Aで説明したのと同様に、図1Aのコントローラ190は、第4の研磨速度
に基づいて、第2の終点時間
における制御ゾーンの予測された研磨厚さ
を決定することができる。制御ゾーンが第2の終点時間
においてターゲットの厚さ
に等しくないと仮定すると、コントローラは、例えば、黒い破線426の傾斜で示される第2の所望の研磨速度
を計算することができ、ターゲットゾーンと制御ゾーンを実質的に同時にターゲットの厚さにする。圧力変化時間
における制御ゾーンの測定された厚さ
は、図3Cに示されるように、次の式を通して所望の研磨速度
を計算するために使用することができる。
【0069】
コントローラは、研磨パラメータ、例えば、制御ゾーンに関連するチャンバ内の圧力を調整することができ、現在の第4の研磨速度
を第2の所望の研磨速度
に変更する。制御ゾーンの研磨速度を所望の研磨速度にするための各チャンバ146a、146b及び146c内のチャンバ圧力の調整は、各導電層に関連するプレストン行列を使用して計算することができる。
【0070】
本明細書に記載されるコントローラ190及びその機能的動作、例えば、インシトゥリアルタイムプロファイル制御アルゴリズムは、デジタル電子回路、有形に具現化されたコンピュータソフトウェア又はファームウェア、コンピュータハードウェア(本明細書に開示される構造及びそれらの構造的均等物を含む)、又はこれらのうちの1つ又は複数の組合せで実装することができる。本明細書で説明する主題の実施形態は、1つ又は複数のコンピュータプログラム、すなわち、データ処理装置による実行のために、又はデータ処理装置の動作を制御するために、有形の非一時的記憶媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールとして実装することができる。代替的に又は追加的には、プログラム命令は、データ処理装置による実行のために適切な受信装置に送信するための情報を符号化するために生成される、人為的に生成された伝播信号、例えば、コンピュータで生成された電気信号、光信号、又は電磁気信号に符号化することができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶デバイス、コンピュータ可読記憶基板、ランダム又はシリアルアクセスメモリデバイス、又はこれらの1つ又は複数の組み合わせでありうる。
【0071】
「データ処理装置」という用語は、データ処理ハードウェアを指すものであり、例えばプログラマブルデジタルプロセッサ、デジタルコンピュータ、又は複数のデジタルプロセッサ又はコンピュータを含む、データを処理するためのすべての種類の装置、デバイス、及び機械を網羅する。装置は、特殊用途ロジック回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)でありうる、又はこれらを更に含みうる。装置はオプションで、ハードウェアに加えて、コンピュータプログラムの実行環境を作り出すコード、例えば、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、又はこれらの1つ又は複数の組み合わせからなるコードを含みうる。
【0072】
プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、モジュール、ソフトウェアモジュール、スクリプト、又はコードとも呼ぶことができる、又はそのように説明されるコンピュータプログラムを、コンパイラ型言語、又はインタープリタ型言語、又は宣言型言語、プロシージャ言語を含む任意の形式のプログラミング言語で書くことができ、スタンドアロンプログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、又はコンピュータ環境において使用される適切な他のユニットを含む任意の形態で展開させることができる。コンピュータプログラムは、ファイルシステムのファイルに対応していてよいが、対応している必要はない。プログラムは、他のプログラム又はデータ、例えばマークアップ言語ドキュメントに記憶された1つ又は複数のスクリプトを保持するファイルの一部、対象のプログラム専用の単一ファイル、又は複数の調整されたファイル、例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を記憶するファイルに記憶させることができる。コンピュータプログラムを、1つのサイトに位置する、又は複数のサイトにわたって分散され、データ通信網によって相互接続されている1つのコンピュータ上で、又は複数のコンピュータ上で実行するように展開させることができる。
【0073】
本明細書に記載されるプロセス及びロジックのフローは、入力データに作用して出力を生成することによって機能を実行するための1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラマブルコンピュータによって実行することができる。プロセス及びロジックのフローはまた、特殊用途ロジック回路、例えば、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実行可能であり、装置はまた、特殊用途ロジック回路として実装可能である。1つ又は複数のコンピュータのシステムが特定の動作又は作用を実行するように「構成されている」とは、動作中にシステムに動作又は作用を実行させるソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせがシステムにインストールされていることを意味する。1つ又は複数のコンピュータプログラムが特定の動作又は作用を実行するように構成されているとは、1つ又は複数のプログラムが、データ処理装置によって実行された時に、装置に動作又は作用を実行させる命令を含むことを意味する。
【0074】
コンピュータプログラムの実行に適切なコンピュータは、例えば汎用又は特殊用途マイクロプロセッサ又はこの両方、又は任意の他の種類の中央処理ユニットに基づくものであってよい。一般に、中央処理ユニットは、読み取り専用メモリ、又はランダムアクセスメモリ、又はこの両方から命令及びデータを受信することになる。コンピュータの必須要素は、命令を実施する又は実行する中央処理ユニットと、命令及びデータを記憶する1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータは、データを記憶する1つ又は複数の大容量記憶デバイス、例えば磁気ディスク、光磁気ディスク、又は光ディスクも含む、又はデータの受信、又はデータの送信、又は送受信の両方を行うためにこれらに動作可能に結合されることになる。しかしながら、コンピュータは上記デバイスを有する必要はない。更に、コンピュータは、ほんの数例を挙げると、別のデバイス、例えば、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、モバイルオーディオ又はビデオプレーヤ、ゲームコンソール、全地球測位システム(GPS)受信機、又はポータブル記憶デバイス、例えば、ユニバーサルシリアルバス(USB)フラッシュドライブに埋め込むことができる。
【0075】
コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適しているコンピュータ可読媒体には、半導体メモリデバイス(例えばEPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)、磁気ディスク(例えば、内蔵ハードディスク又は着脱可能なディスク)、光磁気ディスク、並びにCD ROM及びDVD-ROMディスクを例として含む、あらゆる形の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用ロジック回路によって補足すること、又は専用ロジック回路に組み込むことができる。
【0076】
本明細書に記載された様々なシステム及びプロセス、又はこれらの一部の制御を、1つ又は複数の非一時的コンピュータ可読記憶媒体に記憶され、1つ又は複数の処理デバイスにおいて実行可能な命令を含むコンピュータプログラム製品において実行することができる。本明細書に記載されるシステム、又はそれらの一部を、本明細書に記載された動作を実施する実行可能な命令を記憶する1つ又は複数の処理デバイス及びメモリを含みうる装置、方法、又は電子システムとして実行することができる。
【0077】
構成要素、例えば、コントローラ、回路などが、タスクを実行する「ように構成される」と説明又は特許請求される場合、これは、構成要素が、単に、タスクを実行するように変更される、例えば、プログラムされうるということではなく、動作中にタスクを実行する構造(例えば、プロセッサ、及び命令をその中に符号化した非一時的コンピュータ可読媒体、ASICデバイス、ハードウェア回路など)を含むことを示す。構成要素は、特定の構成要素が現在動作していない(例えば、オンでない)場合でさえも、タスクを実行するように構成されていると言うことができる。
【0078】
本発明の多くの実施形態が記載されてきた。それにもかかわらず、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、様々な変更が行われることが理解されるだろう。
【0079】
例えば、モニタシステムは、様々な研磨システムで使用することができる。研磨パッド又はキャリアヘッドのいずれか、又はこれら両方が移動して、研磨面と基板との間の相対運動を提供することができる。研磨パッドは、プラテンに固定された円形(又は他の何らかの形状)のパッド、供給ローラーと巻き取りローラーとの間を延びるテープ、又は連続ベルトでありうる。研磨パッドは、プラテン上に固定し、研磨動作間にプラテン上で漸進的に前進させ、研磨中にプラテン上で連続的に駆動させることができる。パッドが、研磨中にプラテンに固定され、研磨中にプラテンと研磨パッドとの間に流体ベアリングが存在することもある。研磨パッドは、標準的な(例えば、充填剤を含む又は含まないポリウレタンの)粗いパッド、軟質パッド、又は固定砥粒研磨パッドでありうる。上述の議論は、研磨システムに焦点を当てているが、本技術は、渦電流インシトゥモニタシステムを含む、他の種類の基板処理システム、例えば、堆積又はエッチングシステムに適用することができる。
【0080】
加えて、上述の議論は、制御ゾーンを同じ厚さにすることに焦点を当てているが、各ゾーンは、別個のターゲット厚さを有することができる。さらに、ターゲットゾーン及び1つ又は複数の制御ゾーンを有するのではなく、システムは、所定の所望の終点時間を有し、各ゾーンを所望の終点時間でそのターゲット厚さにするように構成されることができるだろう(したがって、各ゾーンは事実上、制御ゾーンである)。
【0081】
したがって、その他の実施形態も下記の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B