(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-19
(45)【発行日】2024-04-30
(54)【発明の名称】風味及び/又は食感調整剤
(51)【国際特許分類】
A23L 27/00 20160101AFI20240422BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20240422BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240422BHJP
A23L 2/00 20060101ALI20240422BHJP
A23C 9/156 20060101ALI20240422BHJP
A23G 1/42 20060101ALI20240422BHJP
A23C 9/123 20060101ALI20240422BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20240422BHJP
A23L 27/50 20160101ALI20240422BHJP
A23L 11/50 20210101ALI20240422BHJP
A23L 11/65 20210101ALI20240422BHJP
A23F 5/14 20060101ALI20240422BHJP
A23L 23/00 20160101ALI20240422BHJP
A23L 35/00 20160101ALI20240422BHJP
A23G 3/36 20060101ALI20240422BHJP
A23L 21/15 20160101ALI20240422BHJP
A23L 7/126 20160101ALI20240422BHJP
A21D 2/00 20060101ALI20240422BHJP
A23L 13/00 20160101ALI20240422BHJP
A23L 17/00 20160101ALI20240422BHJP
A23L 7/109 20160101ALI20240422BHJP
【FI】
A23L27/00 Z
A23L19/00 Z
A23L2/52 101
A23L2/00 B
A23L27/00 D
A23C9/156
A23G1/42
A23C9/123
A23L7/10 F
A23L2/52
A23L27/50 E
A23L11/50 209Z
A23L11/65
A23F5/14
A23L23/00
A23L19/00 D
A23L35/00
A23G3/36
A23L21/15
A23L7/126
A21D2/00
A23L13/00 A
A23L17/00 A
A23L7/109 A
(21)【出願番号】P 2021552084
(86)(22)【出願日】2019-10-18
(86)【国際出願番号】 JP2019041176
(87)【国際公開番号】W WO2021075060
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-03-01
(73)【特許権者】
【識別番号】514057743
【氏名又は名称】株式会社Mizkan Holdings
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山中 若菜
【審査官】堂畑 厚志
(56)【参考文献】
【文献】特許第6533329(JP,B1)
【文献】国際公開第2019/043951(WO,A1)
【文献】特開2016-047042(JP,A)
【文献】特開2016-047041(JP,A)
【文献】特開2004-261174(JP,A)
【文献】特開平02-163068(JP,A)
【文献】特開平01-157367(JP,A)
【文献】特開2010-227055(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0087108(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0128598(KR,A)
【文献】FUKAMI, Hiroyuki et al.,Continuous Ingestion of Acetic Acid Bacteria:Effect on Cognitive Function in Healthy Middle-Aged and Elderly Persons,ANTI-AGING MEDICINE,2009年,6巻, 7号,p. 60-65
【文献】ODA, Takahiro et al.,Effect of Oral Intake of Ceramide-Containing Acetic Acid Bcteria on Skin Barrier Function,ANTI-AGING MEDICINE,2010年,Volume 7, Issue 5,Pages 50-54
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
A21D
A23C
A23C
A23F
A23G
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
培地の除去処理がされた状態のアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)を含有する、風味及び/又は食感調整剤。
【請求項2】
酸味、苦味、甘味、塩味、旨味、辛味、渋味、コク、香り、食感、味しみ、及び味のびからなる群より選択される少なくとも1種の調整用である、請求項1に記載の風味及び/又は食感調整剤。
【請求項3】
食品又は食品添加剤である、請求項1又は2に記載の風味及び/又は食感調整剤。
【請求項4】
培地の除去処理がされた状態のアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)を食品に添加することを含む、食品の風味及び/又は食感を調整する方法。
【請求項5】
前記食品が、調味料
(但し、食酢を除く)、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、野菜摂取用固形食品、調理用油、又は剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記食品が調味液である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記食品が、酢の物、リンゴ系食酢飲料、ごまだれ、ホットミルク、ハイカカオチョコ、ヨーグルト、すし飯、ピクルス、ホットレモネード、ぽん酢、温つゆ(うどんつゆ)、レトルト寄せ鍋つゆ、おむすび調味料、納豆、グレープフルーツジュース、トマトジュース、青汁、豆乳、ココア、アイスコーヒー、梅干、酢豚、マーボー豆腐、パイナップルキャンディ、グミ、ソフトキャンディー(キャラメル)、オレンジゼリー、シリアルバー、クッキー、せんべい、キムチ、牛肉の蒸し物、白身魚フライ、ホットケーキ、うどん、かぼちゃペースト、ヨーグルト系食酢飲料、ベリー系食酢飲料、炭酸飲料(エード)、スムージー、りんご果汁入り飲料、又は美容系飲料である、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記食品が食酢含有食品である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)の含有量(乾燥状態換算)が食品100質量%に対して0.001質量%以上になるように
培地の除去処理がされた状態のアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)を食品に添加することにより食品の風味及び/又は食感を調整することを含む、風味及び/又は食感が調整された食品を製造する方法。
【請求項10】
前記食品が、調味料
(但し、食酢を除く)、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、野菜摂取用固形食品、調理用油、又は剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記食品が、調味料、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、酢含有飲料、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、野菜摂取用固形食品、又は剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
培地の除去処理がされた状態のアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)を含有し、且つアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)の含有量(乾燥状態換算)が食品100質量%に対して0.001質量%以上である、アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)により風味及び/又は食感が調整された食品
(但し、継続的に摂取することで健康な中高年者の認知機能を改善するために用いるアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有サプリメント、及び皮膚バリア機能改善のために用いるセラミドを含むアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有サプリメントを除く)。
【請求項13】
前記食品が、調味料
(但し、食酢を除く)、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、又は野菜摂取用固形食品、調理用油、剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、請求項12に記載の食品
(但し、継続的に摂取することで健康な中高年者の認知機能を改善するために用いるアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有剤型食品、及び皮膚バリア機能改善のために用いるセラミドを含むアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有剤型食品を除く)。
【請求項14】
前記食品が、調味料
(但し、食酢を除く)、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、酢含有飲料、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、
又は野菜摂取用固形食
品である、請求項13に記載の食品。
【請求項15】
前記食品が調味液である、請求項13に記載の食品。
【請求項16】
前記食品が、酢の物、リンゴ系食酢飲料、ごまだれ、ホットミルク、ハイカカオチョコ、ヨーグルト、すし飯、ピクルス、ホットレモネード、ぽん酢、温つゆ(うどんつゆ)、レトルト寄せ鍋つゆ、おむすび調味料、納豆、グレープフルーツジュース、トマトジュース、青汁、豆乳、ココア、アイスコーヒー、梅干、酢豚、マーボー豆腐、パイナップルキャンディ、グミ、ソフトキャンディー(キャラメル)、オレンジゼリー、シリアルバー、クッキー、せんべい、キムチ、牛肉の蒸し物、白身魚フライ、ホットケーキ、うどん、かぼちゃペースト、ヨーグルト系食酢飲料、ベリー系食酢飲料、炭酸飲料(エード)、スムージー、りんご果汁入り飲料、又は美容系飲料である、請求項13に記載の食品。
【請求項17】
前記食品が食酢含有食品である、請求項13に記載の食品。
【請求項18】
培地の除去処理がされた状態のアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)を含有し、且つアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)の含有量(乾燥状態換算)が食品100質量%に対して0.001質量%以上である、食品
(但し、継続的に摂取することで健康な中高年者の認知機能を改善するために用いるアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有サプリメント、及び皮膚バリア機能改善のために用いるセラミドを含むアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)含有サプリメントを除く)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風味及び/又は食感調整剤等に関する。
【背景技術】
【0002】
食酢は様々な食品に幅広く使用されるものであるが、成分中に酢酸を含む関係上、鋭い酸味や酢酸独特の酸臭といった風味を有している。近年、消費者の健康志向の高まりに伴い、食酢を含有する食品が支持を集めているが、強い酸味や酸臭は食品の風味に悪影響を与えることが知られている。ゆえに、食酢を含有する食品においては、食酢独特の酸味や酸臭の緩和という課題がある。また、食酢含有食品に限らず、各種食品においては、原材料独特の風味が悪影響を与えることが知られている。
【0003】
一方、酢酸菌は、酢酸生成能やセルロース生成能等の代謝性質を有するので、古来、食酢、食用ゲル、各種発酵食品等の各種食品の製造に利用されている。また、酢酸菌は、その安全性から、食品の製造のみならず、食品への添加成分としても利用され得る。例えば、特許文献1には、酢酸菌等の微生物菌体を食品に添加することにより、食品の長期保存中の風味の変質等を抑制する技術が開示されている。しかしながら、酢酸菌により食品の風味や食感を調整できることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、風味及び/又は食感調整剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感調整剤、であれば、上記課題を解決できることを見出した。本発明者はこの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0007】
即ち、本発明は、下記の態様を包含する。
【0008】
項1. 酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感調整剤。
【0009】
項2. 酸味、苦味、甘味、塩味、旨味、辛味、渋味、コク、香り、食感、味しみ、及び味のびからなる群より選択される少なくとも1種の調整用である、項1に記載の風味及び/又は食感調整剤。
【0010】
項3. 食品又は食品添加剤である、項1又は2に記載の風味及び/又は食感調整剤。
【0011】
項4. 酢酸菌を食品に添加することを含む、食品の風味及び/又は食感を調整する方法。
【0012】
項5. 前記食品が、調味料、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、又は野菜摂取用固形食品、調理用油、剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、項4に記載の方法。
【0013】
項6. 酢酸菌を食品に添加することを含む、風味及び/又は食感が調整された食品を製造する方法。
【0014】
項7. 前記食品が、調味料、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、又は野菜摂取用固形食品、調理用油、剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、項6に記載の方法。
【0015】
項8. 酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感が調整された食品。
【0016】
項9. 前記食品が、調味料、食用油、果汁含有飲料、野菜ジュース、炭酸飲料、清涼飲料水、穀物飲料、茶系飲料、乳飲料、コーヒー飲料、粉末飲料、酢含有飲料、酒、デザート、焼菓子、蒸菓子、冷菓、チョコレート菓子、ガム、キャンディー、グミ、クリーム、ジャム、発酵食品、加工食品、調理食品、レトルト食品、シリアル食品、又は野菜摂取用固形食品、調理用油、剤型食品(健康・栄養(補助)食品)である、項8に記載の食品。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、風味及び/又は食感調整剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
【0019】
本明細書中において、「及び/又は」なる表現については、「及び」と「又は」の両方の意を包含する。例えば「A及び/又はB」は、A及びBとA又はBの両方の意を包含し、A単独、B単独、及びAとBの両方の3つを示す。
【0020】
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感調整剤等に関する。以下にこれについて説明する。
【0021】
1.酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感調整剤
酢酸菌は、酢酸菌科(Acetobacteraceae)に属する細菌であって、酢酸を生産可能な細菌である限り、特に制限されない。酢酸菌としては、例えばアセトバクター属(Acetobacter)に属する細菌、グルコノバクター属(Gluconobacter)に属する細菌、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)に属する細菌、コマガタエイバクター属(Komagataeibacter)に属する細菌、アサイア属(Asaia)に属する細菌、アシドモナス属(Acidomonas)に属する細菌、アシディフィラム属に属する細菌(Acidiphilium)、アシディスファエラ属に属する細菌(Acidisphaera)、アシドセラ属に属する細菌(Acidocella)、アシドモナス属に属する細菌(Acidomonas)、アサイア属に属する細菌(Asaia)、ベルナピア属に属する細菌(Belnapia)、クラウロコッカス属に属する細菌(Craurococcus)、コザキア属に属する細菌(Kozakia)、リーヒバクター属に属する細菌(Leahibacter)、ムリコッカス属に属する細菌(Muricoccus)、ネオアサイア属に属する細菌(Neoasaia)、オレオモナス属に属する細菌(Oleomonas)、パラクラウロコッカス属に属する細菌(Paracraurococcus)、ロドピラ属に属する細菌(Rhodopila)、ロゼオコッカス属に属する細菌(Roseococcus)、ルブリテピダ属に属する細菌(Rubritepida)、サッカリバクター属に属する細菌(Saccharibacter)、ステラ属に属する細菌(Stella)、スワミナサニア属に属する細菌(Swaminathania)、テイココッカス属に属する細菌(Teichococcus)、ザヴァルジニア属に属する細菌(Zavarzinia)等が挙げられる。
【0022】
アセトバクター属(Acetobacter)の酢酸菌としては、アセトバクター・ポリオキソゲネス(Acetobacter polyoxogenes)、アセトバクター・トロピカリス(Acetobacter tropicalis)、アセトバクター・インドネシエンシス(Acetobacter indonesiensis)、アセトバクター・シジギイ(Acetobacter syzygii)、アセトバクター・シビノンゲンシス(Acetobacter cibinongensis)、アセトバクター・オリエンタリス(Acetobacter orientalis)、アセトバクター・パスツリアヌス(Acetobacter pasteurianus)、アセトバクター・オルレアネンシス(Acetobacter orleanensis)、アセトバクター・ロバニエンシス(Acetobacter lovaniensis)、アセトバクター・アセチ(Acetobacter aceti)、アセトバクター・ポモラム(Acetobacter pomorum)、アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)などが例示される。
【0023】
グルコノバクター属(Gluconobacter)の酢酸菌としては、グルコノバクター・フラトウリ(Gluconobacter frateurii)、グルコノバクター・セリナス(Gluconobacter cerinus)などが例示される。
【0024】
グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)の酢酸菌としては、グルコンアセトバクター・スウィングシ(Gluconacetobacter swingsii)、グルコンアセトバクター・キシリヌス(Gluconacetobacter xylinus)、グルコンアセトバクター・ジアゾトロフィカス(Gluconacetobacter diazotrophicus)、グルコンアセトバクター・インタメデイウス(Gluconacetobacter intermedius)、グルコンアセトバクター・サッカリ(Gluconacetobacter sacchari)、グルコンアセトバクター・マルタセティ(Gluconacetobacter maltaceti)、グルコンアセトバクター・コンブチャ(Gluconacetobacter kombuchae)、及びグルコンアセトバクター・リックウェフェシエンス(Gluconacetobacter liquefaciens)などが例示される。
【0025】
コマガタエイバクター属(Komagataeibacter)の酢酸菌としては、コマガタエイバクター・ハンゼニイ(Komagataeibacter hansenii)、コマガタエイバクター・ザイリナス(Komagataeibacter xylinus)、コマガタエイバクター・ユーロペウスヨーロッパエウス(Komagataeibacter europaeus)、コマガタエイバクター・オボエディエンス(Komagataeibacter oboediens)などが例示される。
【0026】
アサイア属(Asaia)の酢酸菌としては、アサイア・ボゴレンシス(Asaia bogorensis)、アサイア・シアメンシス(Asaia siamensis)などが例示される。
【0027】
アシドモナス属(Acidomonas)の酢酸菌としては、アシドモナス・メタノリカス(Acidomonas methanolicus)などが例示される。
【0028】
酢酸菌の由来は特に制限されず、酢酸菌として、例えば食酢製造に使用されている酢酸菌、食酢製造現場、自然環境等から単離された酢酸菌、微生物保存機関に保存されている酢酸菌等を使用することができる。
【0029】
酢酸菌としては、好ましくは、アセトバクター属(Acetobacter)に属する細菌、グルコノバクター属(Gluconobacter)に属する細菌、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)に属する細菌、アサイア属(Asaia)に属する細菌、アシドモナス属(Acidomonas)に属する細菌等が挙げられる。菌体臭、風味及び/又は食感調整作用等の観点から、酢酸菌として、より好ましくはアセトバクター属(Acetobacter)に属する細菌、グルコンアセトバクター属(Gluconacetobacter)、コマガタエイバクター属(Komagataeibacter)に属する細菌等が挙げられ、さらに好ましくは、アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)、コマガタエイバクター・キシリヌス(Komagataeibacter xylinus NBRC 15237 )、コマガタエイバクター・ユーロペウス(Komagataeibacter europaeus NBRC 3261)が挙げられ、特に好ましくはアセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)挙げられる。
【0030】
アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)として、好適には、アセトバクター・マローラムNCI1683(Acetobacter malorum NCI1683)株(FERM BP-10595)が挙げられる。アセトバクター・マローラムNCI1683(Acetobacter malorum NCI1683)株(FERM BP-10595)は、ロシアの発酵食品であるスメタナから分離された酢酸菌であり、ユビキノンタイプはQ9であって、16SrRNAの配列が完全に一致することなどから、アセトバクター・マローラム(Acetobacter malorum)(例えば、「インターナショナル ジャーナル・オブ・システマチック・アンド・エボリューショナリー・マイクロバイオロジー(International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology)」、52巻、p.1551-1558、2002年参照)と同定された株であり、独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央第6)に2006年4月7日付けで受託番号FERM BP-10595として寄託された。
【0031】
酢酸菌は、入手したもの(例えば、食酢製造現場で得られた酢酸菌)をそのまま使用することもできるし、培養等の処理を経たものを使用することもできる。酢酸菌の培養方法としては、特に制限されず、例えば公知の方法に従った方法又は準じた方法を採用することができる。例えば、炭素源(例えばグルコース、スクロース等)、窒素源(例えば、ペプトン、発酵菌体分解物等)、無機物等を含有する培地中、例えば25~35℃で、各種培養方法(例えば、静置培養法、振とう培養法、通気攪拌培養法等)により培養することができる。培養後は、そのまま使用することもできるし、集菌した後、必要に応じて後処理(例えば、培地(食酢、培養液等)の除去処理、洗浄処理、乾燥処理、低pH下における高温処理等)してから本発明の風味及び/又は食感調整剤や、食品に使用することもできる。培地の除去処理は、例えば遠心分離等の固液分離により行うことができる。洗浄処理は、例えば、水を添加して固液分離する工程(好ましくは複数回)により行うことができる。また、酢酸菌としては、生菌体を使用することもできるし、死菌体を使用することもできる。
【0032】
酢酸菌としては、1種単独を使用することもできるし、任意の2種以上の組合せを使用することもできる。
【0033】
2.用途
酢酸菌は、風味及び/又は食感調整作用を有しており、風味及び/又は食感調整剤の有効成分として利用することができる。この観点から、本発明は、酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感調整剤に関する。
【0034】
本発明の風味及び/又は食感調整剤は、酢酸菌のみからなるものであってもよいし、該組成物の他に他の成分が含まれるものであってもよい。他の成分としては、食品に配合可能な担体(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、湿潤剤等)や添加剤等が挙げられる。本発明の風味及び/又は食感調整剤の形態としては、特に制限されず、例えば顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬カプセル剤および軟カプセル剤が含まれる)等が挙げられる。本発明の風味及び/又は食感調整剤における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、本発明の風味及び/又は食感調整剤100質量%に対して、例えば0.1~100質量%、1~100質量%、10~100質量%、30~100質量%、50~100質量%、0.1~90質量%、0.1~70質量%、又は0.1~50質量%である。
【0035】
酢酸菌は、風味及び/又は食感調整作用を有しており、食品添加剤として食品等に利用することができる。また、本発明は、その一態様において、酢酸菌を食品に添加することを含む、食品の風味及び/又は食感を調整する(又は調整作用を付与する)方法、酢酸菌を食品に添加することを含む、風味及び/又は食感が調整された(又は調整作用を有する)食品を製造する方法、酢酸菌を含有する、風味及び/又は食感が調整された(又は調整作用が付与された)食品等に関する。
【0036】
調整対象の風味としては、特に制限されず、例えば酸味、苦味、甘味、塩味、旨味、辛味、渋味、コク、香り、食感、味しみ、味のび等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは酸味、苦味、辛味、甘味、塩味等が挙げられる。酢酸菌を使用することにより、酸味、苦味、辛味、甘味等を抑制することができ、また塩味を増強することができる。この観点から、酢酸菌は、好適には、酸味抑制用、苦味抑制用、辛味抑制用、甘味抑制用、塩味増強用等に使用することができる。
【0037】
また、上記風味調整作用のより具体的な例として、又は上記以外の風味調整作用として、例えば味のび、青臭さ(例えば野菜、豆、果物等)の抑制、磯臭さの抑制、酸臭の抑制、米の甘味の増強、米の劣化臭の抑制、ムレ臭(黒酢、りんご酢等の)の抑制、フルーツ・果汁(リンゴ、柑橘類、パイナップル、ぶどう等)のフレッシュな(又はさわやかな)香り又は果汁感の増強、酢ののどへの刺激の抑制、甘味の後引感の抑制、甘味のべたつき感の抑制、甘い香りの増強、濃厚感(クリーミーさ)(例えば乳成分、ごま、野菜ジュース、豆乳等の)の増強、焙煎香(例えばごま、コーヒー等の)の増強、乳臭さの抑制、カカオの苦味の抑制、油分の酸化臭の抑制、スパイスの風味の増強、はちみつの風味の増強、薬品臭さの抑制、肉の臭みの抑制、醤油辛さの抑制、だしの香りの増強、だしの生臭みの抑制、塩味の尖りの抑制、レトルト臭(金属様の臭み)の抑制、米の臭みの抑制、味むらの抑制、納豆臭さの抑制、(濃縮還元に伴うもわっとした)加熱臭の抑制、えぐみ(例えば野菜など)の抑制、コク(例えばココアの)の増強、みその香りの増強、しその香りの増強、味からみの増強、清涼感の増強、芳ばしさの増強、米の旨味の増強、酸味の尖りの抑制、油の焦げ臭の抑制、魚の生臭みの抑制、加熱後の風味の強さの改善、野菜の甘みの増強、ヨーグルトの収斂味の抑制、香りのなじみの増強、ビタミン臭の抑制、炭酸の爽快感の増強、フルーツ・果汁(リンゴ、柑橘類、パイナップル、ぶどう等)のフレッシュな(又はさわやかな)甘みの増強、コラーゲンの臭みの抑制等が挙げられる。
【0038】
食感調整作用としては、特に制限されず、例えばべたつき感(例えば米等の)の抑制、歯ごたえ(例えば野菜などのシャキシャキ感、焼菓子のさくさく(又はパリパリ)した食感等)の増強、肉のやわらかさの向上、菓子生地のやわらかさの向上、麺のこしの増強等が挙げられる。
【0039】
食品添加剤は、酢酸菌のみからなるものであってもよいし、酢酸菌の他に他の成分が含まれるものであってもよい。ここで食品添加剤とは、食品の製造過程において、食品に添加、混和、浸潤その他の方法によって使用されるものである。他の成分としては、食品に配合可能な担体(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、崩壊補助剤、滑沢剤、湿潤剤等)や添加剤等が挙げられる。本発明の食品添加剤の形態としては、特に制限されず、例えば顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤(硬カプセル剤および軟カプセル剤が含まれる)等が挙げられる。
【0040】
本発明が対象とする食品の種類は、特に制限されない。食品としては、例えば
調味料(例えばタレ(ごまだれ等のごま含有調味料、焼肉だれ等)、ドレッシング、調味酢(例えば汎用性調味酢、酢の物用調味酢、すし飯用調味酢、酢漬け(例えばピクルス等)用調味液、甘酢等)、米飯用調味料、醤油、味噌、醤、ぽん酢調味料、だし含有調味料(例えばめんつゆ、鍋つゆ等)、納豆用調味料、漬物用調味料、肉用調味料、食酢、割り下、みりん、ウスターソース、ケチャップ、オイスターソース、サルサ、サンバルソース、チリソース、辛味スパイス含有調味料、チャツネ、マスタード、マヨネーズ、カレー粉、ふりかけ等);
食用油;
果汁含有飲料(例えば柑橘類(みかん、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ、柚子、カボス、スダチ、八朔等)、熱帯果実(パイナップル、バナナ、グァバ、マンゴー、アセロラ、パパイヤ、パッションフルーツ等)、ライチ、イチゴ、リンゴ、桃、ぶどう、ウメ、梨、杏、スモモ、キウイフルーツ、メロン、ブルーベリー、アサイー等のフルーツジュース、エード、ニアウォーター、美容系飲料、スムージー等);
野菜飲料(例えばトマト、ニンジン、かぼちゃ等のジュース、スムージー、青汁等);
炭酸飲料(例えばコーラ、サイダー、エード等);
清涼飲料水(例えばスポーツドリンク、レモネード等のエード、果実風味ドリンク);
穀物飲料(例えば米、豆乳、アーモンドを主原料とする穀物飲料類等);
茶系飲料(例えば紅茶、ウーロン茶、緑茶、黒茶、抹茶、ほうじ茶の他、ブレンド茶(はと麦、大麦、玄米、大豆、とうもろこし等の穀物、柿の葉、びわの葉、クマ笹、アマチャヅル、アシタバ、ドクダミ等の葉、昆布、ベニバナ、しいたけ、レイシ等));
乳飲料(例えば乳等の乳及びその加工品である脱脂粉乳や全脂粉乳、濃縮乳、生クリーム、練乳、バター、脱脂乳、クリームパウダー、加糖粉乳、調製粉乳、ホエイパウダー、バターミルクパウダー等の乳成分を含む飲料);
コーヒー飲料;
粉末飲料(例えばココア、青汁等);
酢含有飲料(例えば、食酢飲料);
酒(例えばビール、発泡酒等のビールテイスト飲料、果実酒、日本酒等の醸造酒、焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ等の蒸留酒、蒸留酒に糖類等の副原料を混合するリキュール等の混成酒、さらにこれら酒類に果汁やフレーバー、炭酸ガス等を加えたカクテル、フィズ、チューハイ等);
デザート(例えばカスタードプリン、ミルクプリン、果汁入りプリン等のプリン類、ゼリー、果汁入りゼリー等のゼリー類、ババロア、ヨーグルト、豆乳グルト、ホットケーキ、ケーキ等);
焼菓子(例えばハードビスケット、クッキー、ケーキ、ホットケーキ、おかき、煎餅等);
蒸菓子(例えば饅頭、蒸し羊羹等);
冷菓(例えば、果汁入りアイスクリーム及びソフトクリーム、アイスキャンディー等);
ガム;
チョコレート菓子(例えばハイカカオチョコレート、ミルクチョコレート、マーブルチョコレート、イチゴチョコレート、ブルーベリーチョコレート、メロンチョコレート等)
キャンディー(例えばボンボン、バターボール、マーブル、キャラメル、ヌガー、グミキャンディー、マシュマロ、果汁入りキャンディー、錠菓等);
グミ(例えば、果汁入りグミ);
シリアル食品;
クリーム;
ジャム(例えばイチゴ、アンズ、リンゴ、オレンジ、ブドウ、イチジク、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、モモ等のジャム);
発酵食品(例えば納豆、キムチ、ヨーグルト等);
加工食品(例えば漬物(例えば梅干等)、魚肉ハム、魚肉ソーセージ、魚肉すり身、蒲鉾、竹輪、はんぺん、薩摩揚げ、伊達巻き、ベーコン、ハム、ソーセージ、焼き豚等);
調理食品(例えば味噌汁、スープ、酢の物、シューマイ、餃子、ハンバーグ、ピラフ、グラタン、カレー、シチュー、おでん、煮物、揚げ物、牛丼等の丼物、パスタ、うどん、ラーメン等の麺類、ホットケーキ、ケーキ等);
レトルト食品;
野菜摂取用固形食品(例えば野菜バー、野菜ペースト等)
調理用油;
剤型(顆粒剤、粉末剤、錠剤、丸剤、カプセル剤等)食品(例えば健康・栄養(補助)食品等)。
【0041】
また、食品には、家庭において喫食可能な状態になるように調理されるもの(例えば、ホットケーキミックス、麺類調製用のミックス粉、各種食材又はその組み合わせ等)も包含される。
【0042】
本発明の食品における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、本発明の食品100質量%に対して、例えば0.001~10質量%である。該含有量は、風味及び/又は食感調整作用等の観点から、例えば0.003~7質量%、好ましくは0.01~5質量%である。
【0043】
酢酸菌を食品に添加する場合、上記含有量となるように添加することが好ましい。酢酸菌を食品に添加するタイミングは、特に制限されない。該タイミングとしては、例えば食品の製造時、食品の製造後、喫食前、喫食中等が挙げられる。酢酸菌を食品に添加した後は、必要に応じて、該組成物の成分が食品中にできるだけ均一に分散されるように、混合することが好ましい。
【0044】
本発明の一態様において、酢酸菌は、以下の食品に利用することが好ましい。
【0045】
2-1.調味酢
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する調味酢(例えば汎用性調味酢、酢の物用調味酢、すし飯用調味酢、酢漬け(例えばピクルス等)用調味液、甘酢等)、該調味酢を含む食品(例えば酢の物、すし飯、酢漬け、酢豚等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0046】
酢酸菌は、調味酢又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:酸味抑制、酸臭の抑制、青臭さ(例えば野菜等)の抑制、磯臭さ(例えば海藻等)の抑制、塩味の増強、べたつき感(例えば米等の)の抑制、米の甘味の増強、米の劣化臭の抑制、歯ごたえ(例えば野菜のシャキシャキ感等)の増強、味しみの増強、スパイスの風味の増強、味絡みの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を調味酢又は調味酢含有食品に添加することを含む、調味酢又は調味酢含有食品の上記風味及び/又は食感調整の(或いは上記風味及び/又は食感調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された(或いは調整作用を有する)調味酢又は調味酢含有食品を製造する方法等に関する。
【0047】
調味酢は、食酢を含み、必要に応じてその他の調味料、香料等を含むものである限り、特に限定されない。食酢としては、特に制限されず、米酢、米黒酢、大麦黒酢等の穀物酢; りんご酢、ぶどう酢等の果実酢; 合成酢等が挙げられる。食酢以外の成分としては、調味酢に使用され得るものであれば特に制限されず、例えばしょうゆ、塩、砂糖等の甘味料、スパイス(例えばローリエ、ブラックペッパー)、片栗粉、ごま油等が挙げられる。
【0048】
調味酢における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、調味酢100質量%に対して、好ましくは0.01~1又は2質量%である。酢の物用調味酢の場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。すし飯用調味酢の場合、該含有量は、より好ましくは0.1~1質量%、さらに好ましくは0.4~1質量%、特に好ましくは0.4~0.6質量%である。酢漬け(例えばピクルス等)用調味液の場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。甘酢(例えば酢豚用)の場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0049】
2-2.ごま含有調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するごま含有調味料(例えばごまだれ等)、該ごま含有調味料を含む食品(例えば冷しゃぶ等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0050】
酢酸菌は、ごま含有調味料又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味の調整作用:ごまの濃厚感の増強、ごまの焙煎香の増強、酸味の抑制、酸臭の抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をごま含有調味料又はごま含有調味料含有食品に添加することを含む、ごま含有調味料又はごま含有調味料含有食品の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)ごま含有調味料又はごま含有調味料含有食品を製造する方法等に関する。
【0051】
ごま含有調味料は、ごまを含み、必要に応じてその他の調味料、香料等を含むものである限り、特に限定されない。ごまは、特に制限されず、種子形状がそのまま残った状態のもの以外にも、種子形状が一部又は全部壊れた状態のもの(すりごま、練りごま等)も包含する。ごま以外の成分としては、ごま含有調味料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えばしょうゆ、酢、酒、砂糖等の甘味料、からし等が挙げられる。
【0052】
ごま含有調味料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、ごま含有調味料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.1質量%、特に好ましくは0.04~0.06質量%である。
【0053】
2-3.米飯用調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する米飯用調味料(例えばおむすび調味料等)、該米飯用調味料を含む食品(例えばおむすび等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0054】
酢酸菌は、米飯用調味料又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:塩みの増強、米のべたつき感の抑制、米の臭みの抑制、味むらの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を米飯用調味料又は米飯用調味料含有食品に添加することを含む、米飯用調味料又は米飯用調味料含有食品の上記風味及び/又は食感調整の(或いは上記風味及び/又は食感調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された(或いは調整作用を有する)米飯用調味料又は米飯用調味料含有食品を製造する方法等に関する。
【0055】
米飯用調味料は、米飯の調味に使用し得る成分を含むものである限り、特に限定されない。例えば、塩、醤油、みりん、ごま、鰹節、しらす、小松菜、ごま油等が挙げられる。米飯用調味料は、必要に応じて、加熱(例えば炒めること)等により余分な水分が除去されたものであることができる。
【0056】
米飯用調味料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、米飯用調味料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.1質量%、特に好ましくは0.04~0.06質量%である。
【0057】
2-4.味噌
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する味噌、該味噌を含む食品(例えば味噌汁、インスタント味噌汁等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0058】
酢酸菌は、味噌又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味の調整作用:塩味の増強、えぐみの抑制、みその香りの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を味噌又は味噌含有食品に添加することを含む、味噌又は味噌含有食品の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)味噌又は味噌含有食品を製造する方法等に関する。
【0059】
味噌における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、味噌100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.1質量%、特に好ましくは0.04~0.06質量%である。
【0060】
2-5.ぽん酢調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するぽん酢調味料(例えばぽん酢等)、該ぽん酢調味料を含む食品(例えば水炊き、なべ物等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0061】
酢酸菌は、ぽん酢調味料又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味の調整作用:味のび、柑橘類のフレッシュな香りの増強、薬品臭さの抑制、肉の臭みの抑制、醤油辛さの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をぽん酢調味料又はぽん酢調味料含有食品に添加することを含む、ぽん酢調味料又はぽん酢調味料含有食品の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)ぽん酢調味料又はぽん酢調味料含有食品を製造する方法等に関する。
【0062】
ぽん酢調味料は、柑橘類(例えば、レモン、ライム、ダイダイ、ユズ、スダチ、カボス等)の果汁を含み、必要に応じてその他の調味料、香料等を含むものである限り、特に限定されない。柑橘類の果汁以外の成分としては、ぽん酢調味料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば酢、醤油、みりん等が挙げられる。
【0063】
ぽん酢調味料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、ぽん酢調味料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.05~0.2質量%、特に好ましくは0.08~0.15質量%である。
【0064】
2-6.だし含有調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するだし含有調味料(例えばめんつゆ等)、該だし含有調味料を含む食品(例えばうどん、そうめん等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0065】
酢酸菌は、だし含有調味料又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味の調整作用:だしの香りの増強、だしの生臭みの抑制、塩味の尖りの抑制、旨味の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をだし含有調味料又はだし含有調味料含有食品に添加することを含む、だし含有調味料又はだし含有調味料含有食品の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)だし含有調味料又はだし含有調味料含有食品を製造する方法等に関する。
【0066】
だし含有調味料は、だしを含み、必要に応じてその他の調味料、香料等を含むものである限り、特に限定されない。だしとしては、特に制限されず、例えば昆布、鰹節等のだしが挙げられる。だし以外の成分としては、だし含有調味料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば醤油、砂糖等の甘味料、塩等が挙げられる。
【0067】
だし含有調味料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、だし含有調味料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0068】
2-7.納豆用調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する納豆用調味料(例えば納豆だれ等)、納豆、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0069】
酢酸菌は、納豆に対して、好適には次の風味の調整作用:苦味の抑制、納豆臭さの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を納豆用調味料又は納豆に添加することを含む、納豆用調味料又は納豆の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)納豆用調味料又は納豆を製造する方法等に関する。
【0070】
納豆用調味料は、納豆の調味に使用し得る成分を含むものである限り、特に限定されない。例えば塩、醤油、酒、みりん、砂糖等の甘味料、食酢、からし等が挙げられる。
【0071】
納豆における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、納豆100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.1~1質量%、さらに好ましくは0.4~1質量%、特に好ましくは0.4~0.6質量%である。
【0072】
2-8.漬物用調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する漬物用調味料(例えば梅干用調味料等)、漬物(例えば梅干)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0073】
酢酸菌は、漬物に対して、好適には次の風味の調整作用:塩味の尖りの抑制、酸味の抑制、しその香りの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を漬物用調味料又は漬物に添加することを含む、漬物用調味料又は漬物の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)漬物用調味料又は漬物を製造する方法等に関する。
【0074】
漬物用調味料は漬物の調味に使用されるものである限り、特に制限されない。
【0075】
漬物における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、漬物100質量%に対して、好ましくは0.05~5質量%である。該含有量は、より好ましくは0.1~5質量%、さらに好ましくは0.5~2質量%、特に好ましくは0.5~0.7質量%である。
【0076】
2-9.肉用調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する肉用調味料、肉、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。肉用調味料は、肉に添加して使用される。添加のタイミングは、好ましくは肉の加熱(例えば蒸す、焼く、炒める等、好ましくは蒸す)前である。
【0077】
酢酸菌は、肉に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:肉の臭みの抑制、肉の柔らかさの向上等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を肉用調味料又は肉に添加することを含む、肉用調味料又は肉の上記風味及び/又は食感調整の(或いは上記風味及び/又は食感調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された(或いは調整作用を有する)肉用調味料又は肉を製造する方法等に関する。
【0078】
肉用調味料は肉の調味に使用されるものである限り、特に限定されない。
【0079】
肉における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、肉100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0080】
2-10.辛味スパイス含有調味料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する辛味スパイス含有調味料(例えば麻婆料理(豆腐、茄子、春雨等)用調味料、キムチ調味液、キムチ料理用調味料等)、該辛味スパイス含有調味料を含む食品(例えば麻婆料理(豆腐、茄子、春雨等)、キムチ、キムチ料理等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0081】
酢酸菌は、辛味スパイス含有調味料又はこれを含む食品に対して、好適には次の風味の調整作用:辛味の抑制、旨味の増強、スパイスの風味の増強、酸味の尖りの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を辛味スパイス含有調味料又は辛味スパイス含有調味料含有食品に添加することを含む、辛味スパイス含有調味料又は辛味スパイス含有調味料含有食品の上記風味調整の(或いは上記風味調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味調整された(或いは調整作用を有する)辛味スパイス含有調味料又は辛味スパイス含有調味料含有食品を製造する方法等に関する。
【0082】
辛味スパイス含有調味料は、辛味スパイスを含み、必要に応じてその他の調味料、香料等を含むものである限り、特に限定されない。辛味スパイスとしては、特に制限されず、例えば唐辛子が挙げられる。辛味スパイス以外の成分としては、辛味スパイス含有調味料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば塩、しょうゆ、味噌、こしょう、酒等が挙げられる。
【0083】
辛味スパイス含有調味料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、辛味スパイス含有調味料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0084】
2-11.果汁含有飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する果汁含有飲料(例えばエード、フルーツジュース、ニアウォーター、美容系飲料等)又はその濃縮物、スムージー、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0085】
酢酸菌は、果汁含有飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:果汁感の増強、はちみつの風味の増強、酸味の抑制、苦味の抑制、果汁のフレッシュな香りの増強、(濃縮還元に伴うもわっとした)加熱臭の抑制、(ビタミンが配合されている場合は)ビタミン臭の抑制、(炭酸水が配合されている場合は)炭酸の爽快感の増強、フルーツ・果汁のさわやかな甘味の増強、(コラーゲンが配合されている場合は)コラーゲンの臭みの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を果汁含有飲料又はその濃縮物に添加することを含む、果汁含有飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された果汁含有飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0086】
果汁含有飲料は、果汁を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。果汁としては、特に制限されず、例えばリンゴ、柑橘類、パイナップル、ぶどう等の果汁が挙げられる。また、水に代えて、炭酸水を使用することもできる。果汁以外の成分としては、果汁含有飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、はちみつ、ビタミンC等のビタミン、コラーゲン、ヒアルロン酸等が挙げられる。
【0087】
果汁含有飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、果汁含有飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~2質量%である。エードの場合、該含有量は、より好ましくは0.01~1質量%、さらに好ましくは0.01~0.5質量%、よりさらに好ましくは0.04~0.1質量%、特に好ましくは0.04~0.06質量%である。フルーツジュースの場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。ニアウォーター及び美容系飲料の場合、該含有量は、より好ましくは0.01~1質量%、さらに好ましくは0.05~0.5質量%、特に好ましくは0.08~0.2質量%である。
【0088】
2-12.野菜ジュース
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する野菜ジュース(例えばトマトジュース、ニンジンジュース等)又はその濃縮物、スムージー、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0089】
酢酸菌は、野菜ジュースに対して、好適には次の風味の調整作用:青臭みの抑制、酸味の抑制、濃厚感の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を野菜ジュース又はその濃縮物に添加することを含む、野菜ジュース又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された野菜ジュース又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0090】
野菜ジュースは、野菜の汁を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。野菜の汁以外の成分としては、野菜ジュースに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、塩等が挙げられる。
【0091】
野菜ジュースにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、野菜ジュース100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0092】
2-13.乳飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する乳飲料(例えば牛乳)又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0093】
酢酸菌は、乳飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:乳臭さの抑制、クリーミーさの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を乳飲料又はその濃縮物に添加することを含む、乳飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された乳飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0094】
乳飲料は、乳成分を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。乳成分としては、特に制限されず、例えば乳そのもの、乳又はその加工品の濃縮物等が挙げられる。乳成分以外の成分としては、乳飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料等が挙げられる。
【0095】
乳飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、乳飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.1質量%、特に好ましくは0.04~0.06質量%である。
【0096】
2-14.豆乳飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する豆乳飲料又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0097】
酢酸菌は、豆乳飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:青臭みの抑制、濃厚感の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を豆乳飲料又はその濃縮物に添加することを含む、豆乳飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された豆乳飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0098】
豆乳飲料は、豆乳成分を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。豆乳成分としては、特に制限されず、例えば豆乳そのもの、豆乳又はその加工品の濃縮物等が挙げられる。豆乳成分以外の成分としては、豆乳飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料等が挙げられる。
【0099】
豆乳飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、豆乳飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0100】
2-15.コーヒー飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するコーヒー飲料(例えばコーヒー等)又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0101】
酢酸菌は、コーヒー飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:苦味の抑制、えぐみの抑制、焙煎香の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をコーヒー飲料又はその濃縮物に添加することを含む、コーヒー飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたコーヒー飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0102】
コーヒー飲料は、コーヒー豆抽出物を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。コーヒー豆抽出物以外の成分としては、コーヒー飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、乳成分等が挙げられる。
【0103】
コーヒー飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、コーヒー飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0104】
2-16.ココア飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するココア飲料(例えばココア等)又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0105】
酢酸菌は、ココア飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:苦味の抑制、コクの増強、甘い香りの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をココア飲料又はその濃縮物に添加することを含む、ココア飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたココア飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0106】
ココア飲料は、ココア粉末を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。ココア粉末以外の成分としては、ココア飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、乳成分等が挙げられる。
【0107】
ココア飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、ココア飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0108】
2-17.青汁飲料
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する青汁飲料又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0109】
酢酸菌は、青汁飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:えぐみの抑制、苦味の抑制、青臭みの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を青汁飲料又はその濃縮物に添加することを含む、青汁飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された青汁飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0110】
青汁飲料は、青汁粉末又はペーストを含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。青汁粉末としては、特に制限されず、例えばケール、大麦葉、小松菜、ヨモギ等の青葉の粉末が挙げられる。青汁ペーストとしては、青汁粉末を含むペースト、青葉抽出物を含むペースト等が挙げられる。青汁粉末及びペースト以外の成分としては、青汁飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、乳成分、果汁等が挙げられる。
【0111】
青汁飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、青汁飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは質量0.1~0.2%である。
【0112】
2-18.酢含有飲料(食酢飲料)
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する酢含有飲料(食酢飲料)又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0113】
酢酸菌は、酢含有飲料に対して、好適には次の風味の調整作用:ムレ臭の抑制、フルーツのフレッシュな香りの増強、酢ののどへの刺激の抑制、スクラロースの甘味の後引感の抑制、(ヨーグルトが配合されている場合は)ヨーグルトの収斂味の抑制、香りのなじみの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を酢含有飲料又はその濃縮物に添加することを含む、酢含有飲料又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された酢含有飲料又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0114】
酢含有飲料は、食酢を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。食酢としては、特に制限されず、米酢、米黒酢、大麦黒酢等の穀物酢; りんご酢、ぶどう酢等の果実酢; 合成酢等が挙げられる。食酢以外の成分としては、酢含有飲料に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば果汁、砂糖等の甘味料、ヨーグルト等が挙げられる。
【0115】
酢含有飲料における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、酢含有飲料100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.01~0.5質量%、さらに好ましくは0.04~0.1質量%である。
【0116】
2-19.デザート・ヨーグルト
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するデザート/ヨーグルト(例えばフルーツゼリー、ヨーグルト等)又はその濃縮物、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0117】
酢酸菌は、デザート/ヨーグルトに対して、好適には次の風味の調整作用:酸味の抑制、濃厚感の増強、甘味のべたつき感の抑制、フレッシュな果汁感の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をデザート/ヨーグルト又はその濃縮物に添加することを含む、デザート/ヨーグルト又はその濃縮物の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたデザート/ヨーグルト又はその濃縮物を製造する方法等に関する。
【0118】
デザート/ヨーグルトは、デザート/ヨーグルトに必須の成分(例えばゼリーであればゼラチン等のゲル化剤、ヨーグルトであれば乳成分)を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。必須成分以外の成分としては、デザート/ヨーグルトに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、果汁等が挙げられる。
【0119】
デザート/ヨーグルトにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、デザート/ヨーグルト100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0120】
2-20.チョコレート菓子
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するチョコレート菓子(例えばチョコレート、チョコレートスナック等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0121】
酢酸菌は、チョコレート菓子に対して、好適には次の風味の調整作用:カカオの苦味の抑制、油分の酸化臭の抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をチョコレート菓子に添加することを含む、チョコレート菓子の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたチョコレート菓子を製造する方法等に関する。
【0122】
チョコレート菓子は、カカオマスを含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。カカオマス以外の成分としては、チョコレート菓子に使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料、粉乳、ココアバター、植物油等が挙げられる。チョコレート菓子中のチョコレートは、ハイカカオ(例えばカカオ50%以上、60%上、70%以上、80%以上)チョコレートであることが好ましい。
【0123】
チョコレート菓子における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、チョコレート菓子100質量%に対して、好ましくは0.05~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.1~1質量%、さらに好ましくは0.4~1質量%、特に好ましくは0.4~0.6質量%である。
【0124】
2-21.キャンディー
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するキャンディー(例えば果汁キャンディー、ラムネ、キャラメル等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0125】
酢酸菌は、キャンディーに対して、好適には次の風味の調整作用:甘味のべたつきの抑制、果汁のフレッシュな香りの増強、清涼感の増強、甘い香り、コクの増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をキャンディーに添加することを含む、キャンディーの上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたキャンディーを製造する方法等に関する。
【0126】
キャンディーは、甘味成分を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。甘味以外の成分としては、キャンディーに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば果汁、クエン酸、乳成分等が挙げられる。
【0127】
キャンディーにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、キャンディー100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。例えば果汁キャンディーの場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。例えばラムネの場合、該含有量は、より好ましくは0.1~1質量%、さらに好ましくは0.4~1質量%、特に好ましくは0.4~0.6質量%である。例えばキャラメルの場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0128】
2-22.グミ
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するグミ(例えば果汁グミ等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0129】
酢酸菌は、グミに対して、好適には次の風味の調整作用:甘味のべたつきの抑制、果汁のフレッシュな果汁感の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をグミに添加することを含む、グミの上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたグミを製造する方法等に関する。
【0130】
グミは、ゼラチン等のゲル化剤を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。ゲル化剤以外の成分としては、グミに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば果汁、砂糖等の甘味料等が挙げられる。
【0131】
グミにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、グミ100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0132】
2-23.レトルト食品
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有するレトルト食品(例えばレトルト鍋つゆ等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0133】
酢酸菌は、レトルト食品に対して、好適には次の風味の調整作用:レトルト臭(金属様の臭)の抑制、加熱後の風味の強さの改善等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌をレトルト食品に添加することを含む、レトルト食品の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整されたレトルト食品を製造する方法等に関する。
【0134】
レトルト食品は、内部にアルミニウム等の金属箔が積層されてなるレトルトパウチ又は缶内に食品が詰められてなるものである限り特に制限されない。内部の食品としては、鍋つゆ、カレー及びライス付きカレー、ハヤシ及びライス付きハヤシ、シチュー、牛丼,中華丼又は親子丼などのどんぶりの素及びライス付きの該どんぶり、おでん、煮物、シューマイ、ミートソース、コンソメやポタージュなどのスープ類などの調理済み食品;ミートソースやホワイトソース等のソースの素、マーボー豆腐の素、釜飯の素等の調味料材料;ハンバーグ、ミートボールなどの食肉加工品;煮付け魚などの水産食品;白飯、赤飯、五目飯、チャーハン、ピラフ、おかゆなどの米飯類等を挙げることができる。
【0135】
レトルト食品における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、レトルト食品100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0136】
2-24.焼菓子類調理用粉末ミックス
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する焼菓子類調理用粉末ミックス(例えばクッキーミックス、ホットケーキミックス、ケーキミックス、せんべい調理用粉末等)、該粉末ミックスを用いて得られる焼菓子、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0137】
酢酸菌は、焼菓子に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:甘味のべたつきの抑制、さくさくした食感の向上、米の旨味の増強、パリパリした食感の向上、甘い香りの増強、生地の柔らかさの向上等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を焼菓子類調理用粉末ミックスに添加することを含む、焼菓子の上記風味及び/又は食感調整の方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された焼菓子を製造する方法等に関する。
【0138】
焼菓子類調理用粉末ミックスは、菓子原料粉末(例えば小麦粉、米粉、片栗粉等)を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。菓子原料粉末以外の成分としては、焼菓子類調理用粉末ミックスに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば砂糖等の甘味料等が挙げられる。
【0139】
焼菓子類調理用粉末ミックスにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、焼菓子類調理用粉末ミックス100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。例えばクッキー、せんべいの場合、該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~1質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0140】
2-25.麺調製用粉末ミックス
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する麺調製用粉末ミックス(例えば等)、該粉末ミックスを用いて得られる(酢酸菌を含む)麺、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0141】
酢酸菌は、麺に対して、好適には次の風味の調整作用:麺のコシの増強、塩味の増強等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を麺調製用粉末ミックスに添加することを含む、麺の上記風味調整の方法に関し、さらに、上記風味調整された麺を製造する方法等に関する。
【0142】
麺調製用粉末ミックスは、麺原料粉末(例えば小麦粉、米粉等)を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。麺原料粉末以外の成分としては、麺調製用粉末ミックスに使用され得るものであれば特に制限されず、例えば塩等が挙げられる。
【0143】
麺調製用粉末ミックスにおける酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、麺調製用粉末ミックス100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0144】
2-26.野菜摂取用固形食品
本発明は、その一態様において、本発明の酢酸菌を含有する野菜摂取用固形食品(例えば野菜バー、野菜ペースト等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。
【0145】
本発明の酢酸菌は、野菜摂取用固形食品に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:甘味のべたつきの抑制、野菜のえぐみ抑制、野菜の青臭み抑制、野菜の甘味向上等の調整作用を発揮することができる。このため、本発明の酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、本発明の酢酸菌を野菜摂取用固形食品に添加することを含む、野菜摂取用固形食品の上記風味及び/又は食感調整の方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された野菜摂取用固形食品を製造する方法等に関する。
【0146】
野菜摂取用固形食品は、野菜(例えば、とうもろこし、ビーツ、かぼちゃ、パプリカ、えんどう豆、枝豆、にんじん、グリンピース、トマト、キャベツ、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、ピーマン、ごぼう、アボカド、オクラ、サツマイモ、ジャガイモ、大根、ナス等)を含み、必要に応じてその他の成分を含むものである限り、特に限定されない。野菜の状態としては、特に制限されず、例えば乾燥状、破砕状(粉末も含む)、ペースト状等が挙げられる。野菜以外の成分としては、特に制限されず、例えば野菜バーの場合であれば、例えばシリアル、ナッツ、果物、香辛料、糖類等が挙げられ、たとえば野菜ペーストの場合であれば、例えば油(サラダ油、オリーブオイル、ごま油、バター他)、調味料、香辛料等が挙げられる。
【0147】
野菜摂取用固形食品における本発明の酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、野菜摂取用固形食品100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【0148】
2-27.調理用油
本発明は、その一態様において、酢酸菌を含有する調理用油、油調理食品(例えばフライ、炒め物等)、及びこれらの調製時に使用するための食品添加剤に関する。調理用油は、魚、肉、野菜等(好ましくは魚、肉等)の加熱(例えば揚げる、焼く、炒める等、好ましくは揚げる)調理に使用される。添加のタイミングは、好ましくは油を用いた魚、肉、野菜等の加熱(例えば揚げる、焼く、炒める等、好ましくは揚げる)調理前である。
【0149】
酢酸菌は、調理用油に対して、好適には次の風味及び/又は食感の調整作用:油の酸化臭の抑制、油の焦げ臭の抑制、魚・肉等の生臭みの抑制等の調整作用を発揮することができる。このため、酢酸菌は、これらの風味及び/又は食感の調整用に使用することができる。この観点から、本発明は、その一態様において、酢酸菌を調理用油又は油調理食品に添加することを含む、調理用油又は油調理食品の上記風味及び/又は食感調整の(或いは上記風味及び/又は食感調整作用を付与する)方法に関し、さらに、上記風味及び/又は食感調整された(或いは調整作用を有する)調理用油又は油調理食品を製造する方法等に関する。
【0150】
調理用油は、魚、肉、野菜等の調味に使用されるものである限り、特に限定されない。
【0151】
調理用油における酢酸菌(乾燥状態換算)の含有量は、調理用油100質量%に対して、好ましくは0.01~1質量%である。該含有量は、より好ましくは0.05~1質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%、特に好ましくは0.1~0.2質量%である。
【実施例】
【0152】
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0153】
試験例1.風味及び食感調整作用評価試験
酢酸菌(アセトバクター・マローラム)を各種食品に一定濃度になるように添加して試験サンプルを調製し、各種風味及び食感を、味や香りに関する判定能力が一定の試験により担保された専門パネラー10名に評価させて下記評価基準に従って評点を付けてもらい、その平均点を算出した。
【0154】
風味又は食感の強度評価基準
5:強く感じる。
4:やや強く感じる。
3:コントロール(酢酸菌無添加品)と同じ。
2:やや弱く感じる。
1:弱く感じる。
【0155】
おいしさの評価基準
5:おいしい。
4:ややおいしい。
3:コントロール(酢酸菌無添加品)と同じ。
2:ややおいしくない。
1:おいしくない。
【0156】
また、以下の評価基準に基づいて食品として総合評価した。
◎:コントロール(酢酸菌無添加品)より明らかに好ましい効果が見られる。
○:コントロール(酢酸菌無添加品)より好ましい効果が見られる。/好ましい効果がある一方で多少ネガがある。
△:コントロール(酢酸菌無添加品)より多少好ましい効果が見られる。/好ましい効果がある一方でネガがある。
×:コントロール(酢酸菌無添加品)に比較し効果が見られない。
【0157】
以下の各試験例中、処方表の数値は重量部である。
【0158】
試験例1-1.酢の物
【0159】
【0160】
きゅうりを薄切りにして塩もみし、わかめを水で戻し軽く絞って、一口大に切った。調味酢に下の表の割合で酢酸菌を添加し、具材とよく混ぜ合わせ、酢の物を調整した。
上記酢の物を10名のパネラーで試食評価した。結果を下の表に示す。
【0161】
【0162】
試験例1-2.りんご系食酢飲料
【0163】
【0164】
処方通り、りんご系食酢飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0165】
【0166】
試験例1-3.ごまだれ
【0167】
【0168】
上記処方に従ってごまだれを調整し、そこに下の表の割合で酢酸菌を添加した。豚バラを適量茹で、レタスと共に、ごまだれをつけて10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0169】
【0170】
試験例1-4.ホットミルク
牛乳(明治 おいしい牛乳)を電子レンジ(600W)で加温したのち、酢酸菌を下記の割合で添加し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0171】
【0172】
試験例1-5.ハイカカオチョコレート
ハイカカオチョコレート(明治チョコレート効果 カカオ72%)を細かく砕き、50℃で湯煎にかけて滑らかに溶解したのち、下記割合で酢酸菌を加えよく混ぜ、テンパリングを行ないながら、30℃付近でコルネで1gずつ絞り出し、再成型し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0173】
【0174】
試験例1-6.ヨーグルト
【0175】
【0176】
無調整牛乳100gにケフィア プロバイオティクスGBN1を0.1gと下記の割合の酢酸菌を加えて、42℃の恒温槽に15時間入れ、その後冷蔵庫で冷却した。上記処方に従って調整したヨーグルトをパネラー10名で試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0177】
【0178】
試験例1-7.すし飯
【0179】
【0180】
米を炊飯器のすし飯の水分量で硬めに炊き、すし酢に下の表の割合で酢酸菌をよく混ぜたものを米に回しかけ、切るようによく混ぜて冷ました。上記処方で作成したすし飯を10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0181】
【0182】
試験例1-8.ピクルス
【0183】
【0184】
きゅうりは4cmの長さで縦に4等分、ニンジンは4cmの長さの短冊、パプリカは5mm幅に切る。上記をジッパー付きの保存袋に入れ、下の表の割合で酢酸菌を添加したピクルス調味液を注ぎ、空気を抜いてジッパーをしめ、30秒もみこんで40分冷蔵保管した。上記処方で作成したピクルスを10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0185】
【0186】
試験例1-9.ホットレモネード
【0187】
【0188】
処方通り、ホットレモネードを調整し、下の表の割合で酢酸菌を添加し、よく攪拌して10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0189】
【0190】
試験例1-10.ぽん酢
【0191】
【0192】
【0193】
鍋に昆布10cmと水を入れ、沸騰直前に昆布を引き上げる。上記材料を食べやすい大きさに切り、鶏モモ肉を鍋に入れて火が通ったら、残りの具材を入れ、柔らかくなるまで煮込む。処方通りぽん酢を調整し、だし原料を入れて一晩冷蔵庫で寝かせる。濾して液部分を分離し、下の表の割合で酢酸菌を添加しよく攪拌して10名のパネラーで水炊きにて試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0194】
【0195】
試験例1-11.温つゆ(うどんつゆ)
【0196】
【0197】
常法に従いかつお昆布だしを抽出し、醤油、砂糖、塩を加えて完全に溶解させた。下の表の割合で酢酸菌を添加しよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0198】
【0199】
試験例1-12.レトルト寄せ鍋つゆ
【0200】
【0201】
常法に従いかつお昆布だしを抽出し、薄口しょうゆ、酒、みりん、塩を加えて加熱し完全に溶解させた。下の表の割合で酢酸菌を添加しよく攪拌しパウチに入れ、120℃で20分間レトルト殺菌した。上記寄せ鍋つゆを、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0202】
【0203】
試験例1-13.おむすび調味料
【0204】
【0205】
ごま油をひいて熱したフライパンにみじん切りにした小松菜としらす、鰹節を入れ炒める。醤油、塩、みりんで味を調えてからゴマを加え、カラリとするまで炒め、下の表の割合で酢酸菌を添加しよく混合した、これを用いておむすびを作成し、常温まで冷ましたのち10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0206】
【0207】
試験例1-14.納豆
納豆の豆をよくほぐし、下記の割合で酢酸菌をふりかけてよく混合し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0208】
【0209】
試験例1-15.グレープフルーツジュース
100%グレープフルーツジュース(濃縮還元)に下の表の割合で酢酸菌を添加し、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0210】
【0211】
試験例1-16.トマトジュース
100%トマトジュース(濃縮還元)に下の表の割合で酢酸菌を添加し、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0212】
【0213】
試験例1-17.青汁
ファンケル 冷凍青汁プレミアムを解凍し、下の表の割合で酢酸菌を添加し、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0214】
【0215】
試験例1-18.豆乳
無調整豆乳に、酢酸菌を下記の割合で添加し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0216】
【0217】
試験例1-19.ココア(無糖)
【0218】
【0219】
上記処方に従ってココアを調整し、下の表の割合で酢酸菌を添加し、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0220】
【0221】
試験例1-20.アイスコーヒー
無糖アイスコーヒーに、下の表の割合で酢酸菌を添加し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0222】
【0223】
試験例1-21.みそ汁
【0224】
【0225】
かつおと昆布の合わせだしを常法で取り、下の表の割合で酢酸菌を添加したみそと混合し、上記処方でみそ汁を調整して10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0226】
【0227】
試験例1-22.梅干
しそと塩だけで漬けた市販の梅干しをほぐし、下の表の割合で酢酸菌をよく混ぜ、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0228】
【0229】
試験例1-23.酢豚
【0230】
【0231】
たまねぎは大きめのくしぎりを半分にして一口大にする。にんじん、ピーマンは一口大の乱切りにする。にんじんは電子レンジ(600W)で1分ほど加熱しておく。豚ロース肉は一口大に切り、しょうゆ、酒で下味をつける。◇衣 の材料を混ぜ合わせておく。揚げ油を180℃に熱し、野菜をサッと素揚げする。揚げ油を170℃に熱し、下味をつけた豚ロース肉に衣をたっぷりからめて揚げる。下の表の割合で酢酸菌を添加した◇甘酢 をフライパンにいれ、絶えず混ぜながらとろみがでるまで煮立て、素揚げした野菜と揚げた肉を加えてからませる。上記処方で作成した酢豚を10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0232】
【0233】
試験例1-24.マーボー豆腐
【0234】
【0235】
豆腐を2cm角に切り、沸騰した湯で2分ほどゆでてざるにあげ水けをきる。フライパンにサラダ油を熱し、にんにくを炒めて香りがたったらひき肉を加えパラパラに炒め、◇調味料1 を加えて全体になじむまで炒める。豆腐と、下記の表の割合で酢酸菌を添加した◇調味料2 を加え、2分くらい煮てから塩・こしょうで味を調える。長ねぎを加えてサッと混ぜ、◇水溶き片栗粉 を回し入れてとろみをつけ、最後に穀物酢を回しかけ、すぐに火を止める。上記処方で作成したマーボー豆腐を10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0236】
【0237】
試験例1-25.パイナップルキャンディ
【0238】
【0239】
鍋に水、グラニュー糖、水あめを入れ沸騰させ120℃まであげる。そこにパイナップル果汁と下の表の割合の酢酸菌を加えて火を止め、アルミホイルの上に流して冷ます。冷えたら形を整え、何度か伸ばして重ね空気を入れつやを出す。棒状に形を整え、ハサミで一口大にカットする(約20個分)。上記処方で作成したパイナップル飴を10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0240】
【0241】
試験例1-26.グミ
【0242】
【0243】
ぶどうジュースと砂糖をよく混ぜ、ラップをして600Wで1分加熱し、ゼラチンを入れてよくまぜ、さらに20秒加熱する。下記の表の割合で酢酸菌を添加してよく混ぜ、シリコン型に入れて冷蔵庫で3時間固める。上記処方で作成したグミを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0244】
【0245】
試験例1-27.ソフトキャンディー(キャラメル)
【0246】
【0247】
フライパンにバターを入れ、弱火で溶かし、マシュマロを加えて焦がさないように溶かし、時々火からおろしながら茶色くなるまで混ぜ続ける。茶色くなったら牛乳と下の表の割合の酢酸菌を加え、さらに1-2分弱火で混ぜ、クッキングシートを敷いたバットに均一な厚みで流し、冷蔵庫で冷やし固めて一口大にカットした。上記処方で作成したソフトキャンディーを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0248】
【0249】
試験例1-28.錠菓(ラムネ)
【0250】
【0251】
ブドウ糖とコーンスターチをよく混ぜ、クエン酸、水、レモン果汁を加え、水気がなくなるまでよく混ぜる。さらに重曹と下の表の割合の酢酸菌を加えてよく混ぜ、深型の小さじ2つを合わせ成型し、皿の上に開けてよく乾燥させた。上記処方で作成した錠菓を10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0252】
【0253】
試験例1-29.オレンジゼリー
【0254】
【0255】
100%オレンジジュース50gを耐熱容器に入れ、粉ゼラチンを加えて混ぜ、10分ほど室温でふやかす。上記を電子レンジ(600W)で30秒加熱しゼラチンを完全に溶かしたものに残りのオレンジジュースと砂糖、下の表の割合で酢酸菌を加え、よく混ぜて冷蔵庫で冷やし固めた。上記処方で作成したゼリーを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0256】
【0257】
試験例1-30.シリアルバー
【0258】
【0259】
バターとマシュマロを弱火にかけ、焦がさないように滑らかになるまで溶かす。あらかじめフルーツグラノーラと各野菜パウダー、下の表の割合の酢酸菌を混合したものを加え、固まらないうちに均一に混ぜる。クッキングシートを引いたバットの上に流し、クッキングシートで押さえて厚みを均一にし、冷蔵庫で冷やし固め、一口大にカットする。上記処方で作成したシリアルバーを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0260】
【0261】
試験例1-31.クッキー
【0262】
【0263】
室温に戻したバターを白くなるまで混ぜ、砂糖、卵の順に加えて都度よく混ぜる。小麦粉をふるい入れ、下の表の割合で酢酸菌を加え、ゴムベラでさっくり混ぜ、ラップで包み30分冷蔵する。180℃に予熱したオーブンで3-4mmの厚さに延ばし型抜きした生地を12分程度焼いて冷ます。上記処方で作成したクッキーを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0264】
【0265】
試験例1-32.せんべい
【0266】
【0267】
米粉と片栗粉に下の表の割合で酢酸菌を添加し、水を加えながら耳たぶの軟らかさになるまで混ぜる。生地を15等分し、丸めてから潰し直径4cm位になるようにする。耐熱皿にクッキングシートを敷き、その上に生地を間隔をあけて並べ、500Wの電子レンジで2分加熱する。生地からシートに出た水分をふき取り、ひっくり返して1分加熱する。生地をオーブントースターに入れ、うっすら焼き色がつくまでひっくり返しながら焼く。上記処方で作成したせんべいを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0268】
【0269】
試験例1-33.キムチ
【0270】
【0271】
白菜を一口大に切り、塩でもんでラップをして冷蔵庫で2時間おく。◇漬け込みだれを合わせ、そこに下の表の割合で酢酸菌を添加してよく混ぜる。白菜に漬け込みだれをよく揉みこみ、冷蔵庫で2日置く。上記処方で作成したキムチを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0272】
【0273】
試験例1-34.牛肉の蒸し物
ローストビーフ用の牛肉を5mmの厚さにスライスし、下の表の割合の酢酸菌を少量の塩と混ぜて両面にまんべんなく振りかけた。水を張って強火にかけ、十分蒸気の上がった鍋に皿を入れ、皿に上記の肉を重ならないよう並べ、4分蒸した。上記処方で作成した牛肉の蒸し物を10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0274】
【0275】
試験例1-35.白身魚のフライ
10回揚げ物に使用した食用油に下の表の割合で酢酸菌を添加し、その油で白身魚のフライ(冷凍)を揚げた。上記処方で作成した白身魚のフライを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0276】
【0277】
試験例1-36.ホットケーキ
【0278】
【表61】
卵と牛乳をよく混ぜ、ホットケーキミックスを加え、下の表の割合で酢酸菌を添加し、さっくり粉が残る程度混ぜ合わせて生地を作る。フライパンを中火で熱し生地を流し入れ弱火にし、小さな穴が表面に開いてきたら、ひっくり返して約2分焼く。上記処方で作成したホットケーキを10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0279】
【0280】
試験例1-37.うどん
【0281】
【0282】
製麺機(Philips製 HR2365/01)に小麦粉と下の表の割合の酢酸菌を投入し、こねボタンを押してから水を投入し、うどんをこねる(うどんモードに従う)。上記処方で作成したうどんをゆで水で〆て、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0283】
【0284】
試験例1-38.かぼちゃのペースト
【0285】
【0286】
かぼちゃを大きめにカットし、やわらかくなるまでゆでてミキサーにかける。オリーブオイル、塩、コショウに下の表の割合で酢酸菌を混合し、滑らかになるまでよく混ぜる。上記処方で作成したペーストを食パンに塗り、10人のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0287】
【0288】
試験例1-39.ヨーグルト系食酢飲料
【0289】
【0290】
処方通り、ヨーグルト系食酢飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0291】
【0292】
試験例1-40.ベリー系食酢飲料
【0293】
【0294】
処方通り、ベリー系食酢飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0295】
【0296】
試験例1-41.炭酸飲料(エード)
【0297】
【0298】
処方通り、炭酸飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0299】
【0300】
試験例1-42.スムージー
【0301】
【0302】
りんごは種と芯を除き皮ごと、バナナは皮をむいて一緒にミキサーにかけ、ゆず果汁を加えて、スムージーを調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0303】
【0304】
試験例1-43.りんご果汁入り飲料
【0305】
【0306】
りんごは種と芯を除き皮ごとミキサーにかける。上記処方の通り飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0307】
【0308】
試験例1-44.美容系飲料
【0309】
【0310】
上記処方の通り飲料を調整し、下表の割合の酢酸菌を加えよく攪拌し、10名のパネラーで試食評価した。結果を以下の表に示す。
【0311】