(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ラッチ用緩和機構を有するコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/73 20110101AFI20240423BHJP
H01R 13/533 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H01R12/73
H01R13/533 D
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019239011
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-12-22
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フィル ゲン
(72)【発明者】
【氏名】シャン リー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ヴェルギス
(72)【発明者】
【氏名】マニ プラカシュ
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-283976(JP,A)
【文献】特開2010-225466(JP,A)
【文献】米国特許第07985086(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0105448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/73
H01R 13/533
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板用のコネクタハウジングであって、
前記回路基板を収容するコネクタ本体と、
前記コネクタ本体に機械的に結合された緩和機構であって、前記緩和機構は、
2つのピボット点と前記2つのピボット点間に収縮部とを有する溝と、
前記溝にはめ込められるピンを有し、前記回路基板を前記コネクタ本体内に保持するラッチとを備え、
前記収縮部を通りすぎる程に十分な負荷が作用して、前記溝にはめ込められた前記ピンと前記ラッチが前記2つのうちの一方のピボット点から他方のピボット点に並進しない限り、前記ピンは前記一方のピボット点に留まり、
負荷閾値を超える負荷下で、前記コネクタ本体に収容される前記回路基板を維持するように
前記収縮部が構成される、緩和機構と、
を備えるコネクタハウジング。
【請求項2】
前記ラッチは、前記ラッチが第1位置にある場合に前記回路基板を前記コネクタ本体内に保持し、前記ラッチは、前記負荷閾値を超える前記負荷下で前記ラッチが前記第1位置から第2の異なる位置に並進することで、前記コネクタ本体に並進可能で機械的に結合される、
請求項1に記載のコネクタハウジング。
【請求項3】
前記負荷閾値を超える前記負荷下で前記ラッチが並進することを可能とする構造は、
前記コネクタ本体および前記ラッチのうちの一方に設けられて、前記負荷閾値を超える前記負荷下で前記ラッチが前記コネクタ本体に対して並進することを可能とする前記溝
を含む、請求項2に記載のコネクタハウジング。
【請求項4】
前記溝は、
前記ラッチにかかる負荷が、前記負荷閾値より小さいか等しい場合に、前記回路基板を、前記コネクタ本体内に完全に固定された状態で保持する第1ピボット点と、
前記ラッチにかかる前記負荷が前記負荷閾値を超えている場合に、前記回路基板を、前記コネクタ本体内に部分的に固定された状態で保持する第2ピボット点と、
を含む、請求項3に記載のコネクタハウジング。
【請求項5】
前記収縮部は、前記ラッチにかかる前記負荷が前記負荷閾値を超えている場合にのみ前記ラッチが前記第1ピボット点から前記第2ピボット点に並進することを可能とするように構成される、
請求項4に記載のコネクタハウジング。
【請求項6】
前記コネクタ本体は、前記回路基板を収容するスロットを有する、請求項3から5の何れか一項に記載のコネクタハウジング。
【請求項7】
前記溝の長手方向中心線が前記スロットの長手方向中心線と略直交する、請求項6に記載のコネクタハウジング。
【請求項8】
前記回路基板は、メモリカードを含む、請求項6または7に記載のコネクタハウジング。
【請求項9】
前記回路基板は、デュアルインラインメモリモジュールを含む、請求項6から8の何れか一項に記載のコネクタハウジング。
【請求項10】
メモリカード用のコネクタであって、
前記メモリカードを収容する細長スロットを有するコネクタハウジングであって、
前記コネクタハウジングは、前記細長スロットの第1端における対向溝の第1セットであって、前記対向溝の第1セットの長手方向中心線が前記細長スロットの長手方向中心線を横切る、対向溝の第1セットと、
前記第1端の反対側であって、前記細長スロットの第2端における対向溝の第2セットであって、前記対向溝の第2セットの長手方向中心線が前記細長スロットの前記長手方向中心線を横切
る、対向溝の第2セットと、
を有するコネクタハウジングと、
前記メモリカードを前記コネクタの本体内に保持するラッチであって、
前記対向溝の第1セット内に収容される第1ラッチと、
前記対向溝の第2セット内に収容される第2ラッチと、
を備え
、
前記対向溝の第1セットと前記対向溝の第2セットのうちの少なくとも一部が、2つのピボット点と前記2つのピボット点間に収縮部を含み、
前記第1ラッチと前記第2ラッチのうちの少なくとも一部が溝にはめ込まれるピンを有し、
前記収縮部を通りすぎる程に十分な負荷が作用して、前記溝にはめ込められた前記ピンと前記ピンを有するラッチが前記2つのうちの一方のピボット点から他方のピボット点に並進しない限り、前記ピンは前記一方のピボット点に留まり、
負荷閾値を超える負荷下で、前記コネクタハウジングに収容される前記メモリカードを維持するように前記収縮部が構成される、
コネクタ。
【請求項11】
前記対向溝の第1セットは、前記対向溝の第1セットの第1端に第1ピボット点を、および、前記対向溝の第1セットの第2端に第2ピボット点を含み、並びに、前記対向溝の第2セットは、前記対向溝の第2セットの第1端に第1ピボット点を、および、前記対向溝の第2セットの第2端に第2ピボット点を含む、請求項10に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記第1ラッチにかかる負荷が前記負荷閾値を超えている場合にのみ前記第1ラッチが前記対向溝の第1セットの前記第1ピボット点と前記第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、前記対向溝の第1セットはその内部に第1収縮部を含み、前記第2ラッチにかかる負荷が前記負荷閾値を超えている場合にのみ前記第2ラッチが前記対向溝の第2セットの前記第1ピボット点と前記第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、前記対向溝の第2セットはその内部に第2収縮部を含む、請求項11に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記第1ラッチおよび前記第2ラッチがそれぞれの前記第2ピボット点に配置される場合に、衝撃負荷下で前記第1ラッチおよび前記第2ラッチそれぞれに対する圧力を緩和するように、前記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの前記第2ピボット点は、前記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの前記第1ピボット点に対して配置される、請求項11または12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの前記長手方向中心線は、前記細長スロットの前記長手方向中心線と略直交する、請求項10から13の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記メモリカードは、デュアルインラインメモリモジュールを含む、請求項10から14の何れか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
回路基板用のコネクタハウジングであって、
前記回路基板を収容する細長スロットを有する第1ハウジング部と、
前記細長スロットの端で前記第1ハウジング部に機械的に結合される第2ハウジング部であって、前記第2ハウジング部は、ラッチを収容する第1溝を有し、前記第1溝の長手方向中心線が、前記細長スロットの長手方向中心線を横切る、第2ハウジング部と、
前記細長スロットの、前記第2ハウジング部と反対側の端で、前記第1ハウジング部に機械的に結合される第3ハウジング部であって、前記第3ハウジング部は、前記ラッチを収容する第2溝を有し、前記第2溝の長手方向中心線が、前記第1溝の前記長手方向中心線に対して位置合わせされ、前記第2溝は前記第1溝に直接対向する、第3ハウジング部と、
を備え、
前記ラッチは、溝にはめ込められるピンを有し、
前記第1溝
と前記第2溝のうちの少なくとも一部が
、2つのピボット点と前記2つのピボット点間の収縮部とを有し、
前記収縮部を通りすぎる程に十分な負荷が作用して、前記収縮部を有する溝にはめ込められた前記ピンと前記ラッチが前記2つのうちの一方のピボット点から他方のピボット点に並進しない限り、前記ピンは前記一方のピボット点に留まり、
負荷閾値を超える負荷下で、前記第1ハウジング部に収容される前記回路基板を維持するように
前記収縮部が構成される、
コネクタハウジング。
【請求項17】
前記第1溝は、前記第1溝の第1端に第1ピボット点を、および、前記第1溝の第2端に第2ピボット点を含み、並びに、前記第2溝は、前記第2溝の第1端に第1ピボット点を、および、前記第2溝の第2端に第2ピボット点を含む、請求項16に記載のコネクタハウジング。
【請求項18】
前記ラッチにかかる負荷が前記負荷閾値を超えている場合にのみ前記ラッチが前記第1溝および前記第2溝のそれぞれの前記第1ピボット点と前記第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、前記第1溝および前記第2溝はその内部に収縮部を含む、請求項17に記載のコネクタハウジング。
【請求項19】
前記ラッチがそれぞれの前記第2ピボット点に配置される場合に衝撃負荷下で前記ラッチに対する圧力を緩和するように、前記第1溝および前記第2溝のそれぞれの前記第2ピボット点は、前記第1溝および前記第2溝のそれぞれの前記第1ピボット点に対して配置される、請求項17または18に記載のコネクタハウジング。
【請求項20】
前記第1溝および前記第2溝のそれぞれの前記長手方向中心線は、前記細長スロットの前記長手方向中心線と略直交する、請求項16から19の何れか一項に記載のコネクタハウジング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、概して回路基板コネクタに関する。より具体的には、実施形態は、ラッチ用緩和機構を有するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
回路基板等の電気的コンポーネント同士は、コネクタにより、互いに機械的および/または電気的に結合され得る。デュアルインラインメモリモジュール(DIMM)等のメモリカードは、当該カードの縁に沿った、電気的接続部の列を有し得る。メモリカードコネクタは、メイン/親基板(例えばマザーボード)にはんだ付けされる複数のピンと、メモリカードの、電気的接続部を有する縁を収容するスロットとを有し得る。挿入/取り外しラッチが、メモリカードのコネクタ内の挿入および保持、さらにメモリカードのコネクタからの取り外しに寄与し得る。
【図面の簡単な説明】
【0003】
以下の明細書および添付の特許請求の範囲を読むことによって、かつ以下の図面を参照することによって、実施形態の様々な利点が当業者に明らかになる。
【0004】
【
図1】は、実施形態に係る、回路基板用コネクタの例を示すブロック図である。
【0005】
【
図2A】実施形態に係るメモリカード用コネクタの一例を示すブロック図である。
【
図2B】実施形態に係るメモリカード用コネクタの一例を示すブロック図である。
【
図2C】実施形態に係るメモリカード用コネクタの一例を示すブロック図である。
【0006】
【
図3A】実施形態に係る、コネクタハウジングの例の上面図である。
【0007】
【0008】
【
図3C】
図3Aの線X-Xに沿ったコネクタハウジングの断面図である。
【0009】
【
図4】実施形態に係る別のコネクタハウジングの例の正面図である。
【0010】
【
図5】実施形態に係る別のコネクタハウジングの例の正面図である。
【0011】
【
図6】実施形態に係る別のコネクタハウジングの例の正面図である。
【0012】
【
図7A】実施形態に係るラッチの例の側面図である。
【0013】
【0014】
【0015】
【
図8A】実施形態に係る別のラッチの例の側面図である。
【0016】
【0017】
【0018】
【
図9A】実施形態に係る別のコネクタハウジングの例の、部分切り欠き正面図である。
【
図9B】実施形態に係る別のコネクタハウジングの例の、部分切り欠き正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本明細書に記載の各種実施形態は、メモリコンポーネント、および/またはメモリコンポーネントに対するインタフェースを備えてもよい。そのようなメモリコンポーネントは、揮発性および/または不揮発性(NV)メモリ(NVM)を含み得る。揮発性メモリは、媒体が記憶するデータの状態の維持に電力を必要とする記憶媒体であってもよい。揮発性メモリの例としては、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの様々なタイプのRAMが挙げられ得るが、それに限定されない。メモリモジュールにおいて使用されてもよい1つの特定のタイプのDRAMは、シンクロナスダイナミックRAM(SDRAM)である。特定の実施形態において、メモリコンポーネントのDRAMは、電子デバイス技術共同評議会(JEDEC)によって公表された、ダブルデータレート(DDR)SDRAMのJESD79F、DDR2 SDRAMのJESD79-2F、DDR3 SDRAMのJESD79-3F、DDR4 SDRAMのJESD79-4A、低電力DDR(LPDDR)のJESD209、LPDDR2のJESD209-2、LPDDR3のJESD209-3、およびLPDDR4のJESD209-4などの規格に準拠してもよい(これらの規格は、www.jedec.orgで参照可能である)。そのような規格(および同様の規格)は、DDR系規格と称されてよく、そのような規格を実装する記憶デバイスの通信インタフェースは、DDR系インタフェースと称されてもよい。
【0020】
NVMは、媒体が記憶するデータの状態の維持に電力を必要としない記憶媒体であってもよい。一実施形態において、メモリデバイスは、NAND技術またはNOR技術に基づくメモリなどのブロックアドレス可能メモリデバイスを含んでよい。メモリデバイスは、3次元(3D)クロスポイントメモリデバイス、または他のバイトアドレス可能なインプレース書き込みの不揮発性メモリデバイスなどの次世代不揮発性デバイスも含んでよい。一実施形態において、メモリデバイスは、カルコゲナイドガラスを使用するメモリデバイス、多閾値のNANDフラッシュメモリ、NORフラッシュメモリ、シングルレベルもしくはマルチレベルの相変化メモリ(PCM)、抵抗変化メモリ、ナノワイヤメモリ、強誘電体トランジスタRAM(FeTRAM)、反強誘電体メモリ、メモリスタ技術を組み込んだ磁気抵抗RAM(MRAM)メモリ、金属酸化物系、酸素空孔系、および、導電性ブリッジRAM(CB-RAM)もしくはスピントランスファトルク(STT)-MRAMを含む抵抗変化メモリ、スピントロニクス磁気接合メモリ型デバイス、磁気トンネリング接合(MTJ)型デバイス、DW(ドメインウォール)およびSOT(スピン軌道トランスファ)型デバイス、サイリスタ型メモリデバイス、または上記のいずれかの組み合わせ、または他のメモリであってよく、またはそれらを含んでよい。メモリデバイスは、ダイそのものを、および/またはパッケージングされたメモリ製品を、指してもよい。特定の実施形態では、不揮発性メモリを備えたメモリコンポーネントは、JEDECが公表した、JESD218、JESD219、JESD220-1、JESD223B、JESD223-1、または、他の適した規格などの1または複数の規格に準拠してもよい(本明細書において引用したJEDEC規格は、jedec.orgで参照可能である)。
【0021】
次に
図1を参照すると、回路基板11用のコネクタハウジング10のある実施形態は、回路基板11を収容するコネクタ本体12と、コネクタハウジング10に対する圧力を緩和し、負荷閾値を超える負荷下で、コネクタ本体12に収容される回路基板11を維持するように、コネクタ本体12に機械的に結合された緩和機構13とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、緩和機構13は、回路基板11をコネクタ本体12内に保持するラッチであって、負荷閾値を超える負荷下でラッチが並進することを可能とする構造によって、コネクタ本体12に機械的に結合される、ラッチを有してもよい。例えば、負荷閾値を超える負荷下でラッチが並進することを可能とする構造は、コネクタ本体12およびラッチのうちの一方に設けられて、負荷閾値を超える負荷下でラッチがコネクタ本体12に対して並進することを可能とする溝を含んでもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、溝は、ラッチにかかる負荷が、負荷閾値より小さいか等しい場合に、回路基板11を、コネクタ本体12内に完全に固定された状態で保持する第1ピボット点と、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合に、回路基板11を、コネクタ本体12内に部分的に固定された状態で保持する第2ピボット点と、を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみラッチが第1ピボット点から第2ピボット点に並進する(例えば、超えていない場合は、負荷閾値未満の負荷下での通常動作において、ラッチが第1ピボット点に留められる)ことを可能とするように構成されたばねをさらに備えてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタ本体12は、回路基板11を収容するスロットを有してもよく、溝の長手方向中心線がスロットの長手方向中心線と略直交してもよい。いくつかの実施形態では、回路基板は、メモリカードまたはデュアルインラインメモリモジュール(DIMM)を含んでもよい。
【0023】
次に
図2Aから2Cを参照すると、メモリカード21用のコネクタ20のある実施形態は、メモリカード21を収容する細長スロット23を有するコネクタハウジング22を含んでもよい。コネクタハウジング22は、細長スロット23の第1端25における対向溝の第1セット24と、細長スロット23の、第1端25の反対側の第2端27における対向溝の第2セット26と、を有する。いくつかの実施形態では、対向溝の第1セット24の長手方向中心線Aが細長スロット23の長手方向中心線Bを横切り、対向溝の第2セット26の長手方向中心線Cが細長スロット23の長手方向中心線Bを横切る。いくつかの実施形態では、第1ラッチ28がコネクタハウジング22の対向溝の第1セット24内に収容されてよく、第2ラッチ29がコネクタハウジング22の対向溝の第2セット26内に収容されてよい。例えば、対向溝の第1セット24および第2セット26のそれぞれの長手方向中心線A、Cは、細長スロット23の長手方向中心線Bと略直交してもよい。例えば、メモリカード21は、DIMMを含んでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、対向溝の第1セット24は、対向溝の第1セット24の第1端に第1ピボット点Dを、および、対向溝の第1セット24の第2端に第2ピボット点Eを含んでよく、並びに、対向溝の第2セット26は、対向溝の第2セット26の第1端に第1ピボット点Fを、および、対向溝の第2セット26の第2端に第2ピボット点Gを含んでよい。例えば、第1ラッチ28にかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみ第1ラッチ28が対向溝の第1セット24の第1ピボット点Dと第2ピボット点Eとの間で並進することを可能とするように、対向溝の第1セット24は第1ばねを含んでよく、第2ラッチ29にかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみ第2ラッチ29が対向溝の第2セット26の第1ピボット点Fと第2ピボット点Gとの間で並進することを可能とするように、対向溝の第2セット26は第2ばねを含んでよい。例えば、第1ラッチ28および第2ラッチ29がそれぞれの第2ピボット点E、Gに配置される場合に、衝撃負荷下で第1ラッチ28および第2ラッチ29それぞれに対する圧力を緩和するように、対向溝の第1セット24および第2セット26のそれぞれの第2ピボット点E、Gは、対向溝の第1セット24および第2セット26のそれぞれの第1ピボット点D、Fに対して配置されてよい。
【0025】
図2Aは、コネクタ20およびメモリカード21の分解図を示す。
図2Bは、それぞれの溝24、26内に収容されたラッチ28、29と、(例えば、ラッチ28、29が第1ピボット点D、Fに配置された状態で)コネクタハウジング22内に完全に固定されたメモリカード21とを示す。通常の負荷状態では、ラッチ28、29は第1ピボット点D、Fを中心に枢動して、メモリカード21を、コネクタハウジング22内に完全に固定された状態で保持してよい。
図2Cは、メモリカード21がコネクタハウジング22内に部分的に固定された状態で、第2ピボット点E、Gに並進したラッチ28、29を示す。衝撃負荷下では、メモリカード21をコネクタハウジング22内に保持したままラッチ28、29に対する圧力を緩和するように、溝24、26は、ラッチ28、29が第2ピボット点E、Gに並進することを可能にし得る。
【0026】
次に
図3Aから
図3Cを参照すると、回路基板用のコネクタハウジング30のある実施形態は、回路基板を収容する細長スロット32を有する第1ハウジング部31と、細長スロット32の端で第1ハウジング部31に機械的に結合される第2ハウジング部33と、を備えてもよい。第2ハウジング部33は、ラッチを収容する第1溝34を有してよく、第1溝34の長手方向中心線Aが、細長スロット32の長手方向中心線Bを横切る。コネクタハウジング30は、細長スロット32の、第2ハウジング部33と反対側の端で、第1ハウジング部31に機械的に結合される第3ハウジング部35をさらに備えてもよい。第3ハウジング部35は、ラッチを収容する第2溝36を有してもよく、第2溝36の長手方向中心線が、第1溝34の長手方向中心線Aに対して位置合わせされ、第2溝36は第1溝34に直接対向する。例えば、第1溝34および第2溝36のそれぞれの長手方向中心線A、Cは、細長スロット32の長手方向中心線Bと略直交してもよい。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1溝34は、第1溝34の第1端に第1ピボット点Dを、および、第1溝34の第2端に第2ピボット点Eを含み、並びに、第2溝36は、第2溝36の第1端に第1ピボット点Fを、および、第2溝36の第2端に第2ピボット点Gを含む。例えば、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみラッチが第1溝34および第2溝36のそれぞれの第1ピボット点(D、F)と第2ピボット点(E、G)との間で並進することを可能とするように、第1溝34および第2溝36はばねを含んでもよい。例えば、ばねは、第1溝34および第2溝36の一方または両方に収縮部を形成することで設けられたばね機構を含み得る。コネクタハウジング30の材料(または例えばラッチ内の嵌合ピンの材料)の弾性または収縮性により、収縮部のばね力が提供されてもよい。いくつかの実施形態では、ラッチがそれぞれの第2ピボット点(E、G)に配置される場合に衝撃負荷下でラッチに対する圧力を緩和するように、第1溝34および第2溝36のそれぞれの第2ピボット点(E、G)は、第1溝34および第2溝36のそれぞれの第1ピボット点(D、F)に対して配置される。いくつかの実施形態では、回路基板は、DIMM等のメモリカードを含んでもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、コネクタハウジング30は、第2ハウジング部33および第3ハウジング部35の反対側の細長スロット32の別の端において第1ハウジング部31に機械的に結合される第4ハウジング部37をさらに備えてもよい。第4ハウジング部37は、第2ラッチを収容する対向溝38a、38bのセットを含んでもよい。対向溝38a、38bのセットの長手方向中心線Hが細長スロット32の長手方向中心線Cを横切り、対向溝38a、38bのセットは、対向溝38a、38bのセットの第1端に第1ピボット点Jを、および対向溝38a、38bのセットの第2端に第2ピボット点Kを含み、並びに、対向溝38a、38bのセットは、第2ラッチにかかる第2負荷が第2負荷閾値を超えている場合にのみ第2ラッチが対向溝38a、38bのセットのそれぞれの第1ピボット点Jと第2ピボット点Kとの間で並進することを可能とするように、第2ばね(例えば、第2収縮部)を含む。
【0029】
次に
図4から6を参照すると、コネクタハウジング40、50、および60のさらなる実施形態は、コネクタハウジング40、50、および60の各端に対向溝の第1セットおよび第2セット(44および46、54および56、64および66)を備える。コネクタハウジング40(
図4)は、砂時計形状の溝44、46を有し、溝44、46の各端における各ピボット点間の収縮部を有するばね機構を形成する。コネクタハウジング50(
図5)は、湾曲形状溝54、56を有し、溝54、56の各端における各ピボット点間の収縮部を有するばね機構を形成する。コネクタハウジング60(
図6)は、バーベル形状溝64、66を有し、溝64、66の各端における各ピボット点間の収縮部を有するばね機構を形成する。本明細書および図面から、当業者はその他適切なばね機構の数多くの例に想到可能であろう。当業者はさらに、別の実施形態において、コネクタハウジングにピン構造が設けられ、ラッチに溝構造が設けられ得ることも理解されよう。
【0030】
次に
図7Aから
図7Cを参照すると、本明細書に記載のコネクタハウジングとの使用に適したラッチ70の実施形態は、対向ピンのセット72および74を備えてもよい。ピンはコネクタハウジングの溝内にはめ込まれてよく、ラッチ70およびピン72、74を一方のピボット点から他方のピボット点へと並進させるのに十分な負荷がかからない限り、ピボット点に留まるのに十分な直径であってもよい。例えば、ピン72、74および/または溝の材料は、十分な力の下、ピン72、74を溝内の収縮部間に押し込めるような弾性または収縮性を有してもよい。
【0031】
次に
図8Aから
図8Cを参照すると、本明細書に記載のコネクタハウジングとの使用に適した別のラッチ80の実施形態は、ロッドまたはピン(例えば、図示しないが、金属、プラスチック、またはその他適切な材料製であってもよい)を収容する孔82を有してもよい。ピンはコネクタハウジングの溝内にはめ込んでよく、ラッチ80およびピンを一方のピボット点から他方のピボット点へと並進させるのに十分な負荷がかからない限り、ピボット点に留まるのに十分な直径であってもよい。例えば、ピンおよび/または溝の材料は、十分な力の下、ピンを溝内の収縮部間に押し込めるような弾性または収縮性を有してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態は有利に、DIMM衝撃故障抑制用の緩和機構を有するコネクタラッチを提供してもよい。プラットフォームマザーボード上のメモリ容量増加(例えば、12個のDIMM、24個のDIMM、32個のDIMM、48個のDIMM等)と、DIMMヒートスプレッダ質量増加(例えば、DDR4 DIMMヒートスプレッダの質量30グラム、40グラム、50グラム、60グラム等)により、基板レベルの衝撃テストが故障の生じるタイミングとなり得る(例えば、実際のテストでの故障またはシミュレーションテストでの故障の何れか)。48個のDIMMの一例では、総DIMM質量により、DIMM数が少ない場合と比較して、マザーボードの歪みがかなり大きくなり得る。質量増加は、過剰な基板の歪みによるDIMMコネクタ衝撃故障のリスクを大幅に高め得る。
【0033】
一般的な、衝撃によるDIMMコネクタ故障状態として、ラッチ損傷が挙げられる。DIMMラッチをより頑丈にした設計での、さらなる一般的な衝撃故障状態として、DIMMコネクタはんだジョイントJリードがコネクタハウジングから引き抜かれてしまうことが挙げられる。これらの故障状態はいずれも、大DIMM質量という同一の根本的原因によるものであり得る。さらに、コネクタの数および質量増加により、表面取り付けDIMMコネクタはんだジョイントの衝撃故障リスクが高まる。コンポーネントレベルでは、熱出力増加に伴い、DIMM質量が増加することが予期される。基板レベルでは、メモリ容量増加要求から、DIMM数も増加することが予期される。衝撃によるDIMMコネクタ故障のリスクは今後更に高まり、部品レベルでの解消が極めて有効となる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ばね機構を有するDIMMコネクタクラッチ設計を利用して、衝撃負荷下の故障を有利に抑制し得る。当該機構は、DIMMラッチが衝撃負荷下では伸張し、衝撃負荷後にはDIMMコネクタに再度固定された状態に戻ることを可能とするものである。いくつかの実施形態は、有利に基板をより撓むことができるようにして、DIMMコネクタ損傷の可能性を低減する。いくつかの実施形態はさらに、衝撃テスト後の、より一般的なDIMM飛び出し故障状態も防止し得る。例えば、いくつかの実施形態は、コネクタ本体、ラッチ、および回路基板の間に、協働機構を有してもよい。これは、大きな衝撃がかかった際に、回路基板をコネクタ本体内に維持した状態で、部分的に固定解除可能とすることで、回路基板を容易に完全固定しなおすことを可能とするものである。
【0035】
適切な協働構造の例としては、衝撃負荷下でラッチが並進することを可能とする、多様なスロット/タブ構造、ピン/溝構造、ロッド/チャネル構造等のうちのいずれかが挙げられる。回路基板が衝撃負荷により部分的に固定解除されると、ラッチとコネクタ本体に対する圧力は大幅に軽減され得る(例えば、マザーボードがより大きく撓み、回路基板が完全に固定された状態と比較して、より低い圧力をラッチおよび/またはコネクタ本体に伝達する)。いくつかの実施形態は、有利に、回路基板またはマザーボードのいずれの配線に影響することなく、衝撃負荷下でのDIMMコネクタ損傷の低減または防止、各種システムレベルの耐衝撃手段(例えばダンパー等)によるコストの低減を実現し得る。
【0036】
次に
図9Aから9Bを参照すると、コネクタハウジング90の実施形態は、挿入/取り出しラッチ94を収容するバーベル形状溝92を有してもよい。ラッチ94が設置位置にある状態で、牽引力が衝撃負荷に対する設計閾値を超える場合に、溝92は、ピボットにあるラッチ94が底側(
図9A)から上側(
図9B)に移動することを可能とする。DIMMの挿入および取り出し(例えば、通常の取り付け処理)の場合は、ラッチ94は底ピボット点に沿って回転するのみで、垂直移動はしない。垂直移動は、高衝撃負荷下でのみ生じ、基板の大きな歪みによるラッチ94、Jリード、およびはんだジョイントへの高圧力を軽減する。有利に、ラッチ94は、つながっているため、緩和動作後に外れてしまうことはない。緩和動作は視認可能であるため、ラッチ94が衝撃負荷により引き上げられた場合、容易に元位置に押し戻すことが可能である。
【0037】
[さらなる留意点および例]
【0038】
例1は、回路基板用のコネクタハウジングであって、回路基板を収容するコネクタ本体と、コネクタハウジングに対する圧力を緩和し、負荷閾値を超える負荷下で、コネクタ本体に収容される回路基板を維持するように、コネクタ本体に機械的に結合された緩和機構と、を備えるコネクタハウジングを含む。
【0039】
例2は、例1のコネクタハウジングを含み、緩和機構は、回路基板をコネクタ本体内に保持するラッチであって、負荷閾値を超える負荷下では、ラッチが並進することを可能とする構造によって、コネクタ本体に機械的に結合される、ラッチを有する。
【0040】
例3は、例2のコネクタハウジングを含み、負荷閾値を超える負荷下でラッチが並進することを可能とする構造は、コネクタ本体およびラッチのうちの一方に設けられて、負荷閾値を超える負荷下でラッチがコネクタ本体に対して並進することを可能とする溝を含む。
【0041】
例4は、例3のコネクタハウジングを含み、溝は、ラッチにかかる負荷が、負荷閾値より小さいか等しい場合に、回路基板を、コネクタ内に完全に固定された状態で保持する第1ピボット点と、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合に、回路基板を、コネクタ本体内に部分的に固定された状態で保持する第2ピボット点と、を含む。
【0042】
例5は、例4のコネクタハウジングを含み、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみラッチが第1ピボット点から第2ピボット点に並進することを可能とするように構成されたばねをさらに備える。
【0043】
例6は、例3から5の何れかのコネクタハウジングを含み、コネクタ本体は、回路基板を収容するスロットを有する。
【0044】
例7は、例6のコネクタハウジングを含み、溝の長手方向中心線がスロットの長手方向中心線と略直交する。
【0045】
例8は、例1から7の何れかのコネクタハウジングを含み、回路基板は、メモリカードを含む。
【0046】
例9は、例1から8の何れかのコネクタハウジングを含み、回路基板は、デュアルインラインメモリモジュールを含む。
【0047】
例10は、メモリカード用のコネクタであって、メモリカードを収容する細長スロットを有するコネクタハウジングであって、細長スロットの第1端における対向溝の第1セットであって、対向溝の第1セットの長手方向中心線が細長スロットの長手方向中心線を横切る、対向溝の第1セットと、細長スロットの、第1端の反対側の第2端における対向溝の第2セットであって、対向溝の第2セットの長手方向中心線が細長スロットの長手方向中心線を横切る、対向溝の第2セットと、を有するコネクタハウジングと、コネクタハウジングの対向溝の第1セット内に収容される第1ラッチと、コネクタハウジングの対向溝の第2セット内に収容される第2ラッチと、を備えるコネクタを含む。
【0048】
例11は、例10のコネクタを含み、対向溝の第1セットは、対向溝の第1セットの第1端に第1ピボット点を、および、対向溝の第1セットの第2端に第2ピボット点を含み、並びに、対向溝の第2セットは、対向溝の第2セットの第1端に第1ピボット点を、および、対向溝の第2セットの第2端に第2ピボット点を含む。
【0049】
例12は、例11のコネクタを含み、第1ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみ第1ラッチが対向溝の第1セットの第1ピボット点と第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、対向溝の第1セットは第1ばねを含み、第2ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみ第2ラッチが対向溝の第2セットの第1ピボット点と第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、対向溝の第2セットは第2ばねを含む。
【0050】
例13は、例11または12のコネクタを含み、第1ラッチおよび第2ラッチがそれぞれの第2ピボット点に配置される場合に、衝撃負荷下で第1ラッチおよび第2ラッチそれぞれに対する圧力を緩和するように、対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの第2ピボット点は、対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの第1ピボット点に対して配置される。
【0051】
例14は、例10から13の何れかのコネクタを含み、対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの長手方向中心線は、細長スロットの長手方向中心線と略直交する。
【0052】
例15は、例10から14の何れかのコネクタを含み、メモリカードは、デュアルインラインメモリモジュールを含む。
【0053】
例16は、回路基板用のコネクタハウジングであって、回路基板を収容する細長スロットを有する第1ハウジング部と、細長スロットの端で第1ハウジング部に機械的に結合される第2ハウジング部であって、第2ハウジング部は、ラッチを収容する第1溝を有し、第1溝の長手方向中心線が、細長スロットの長手方向中心線を横切る、第2ハウジング部と、細長スロットの、第2ハウジング部と反対側の端で、第1ハウジング部に機械的に結合される第3ハウジング部であって、第3ハウジング部は、ラッチを収容する第2溝を有し、第2溝の長手方向中心線が、第1溝の長手方向中心線に対して位置合わせされ、第2溝は第1溝に直接対向する、第3ハウジング部と、を備える、コネクタハウジングを含む。
【0054】
例17は、例16のコネクタハウジングを含み、第1溝は、第1溝の第1端に第1ピボット点を、および、第1溝の第2端に第2ピボット点を含み、並びに、第2溝は、第2溝の第1端に第1ピボット点を、および、第2溝の第2端に第2ピボット点を含む。
【0055】
例18は、例17のコネクタハウジングを含み、ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみラッチが第1溝および第2溝のそれぞれの第1ピボット点と第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、第1溝および第2溝はばねを含む。
【0056】
例19は、例17または18のコネクタハウジングを含み、ラッチがそれぞれの第2ピボット点に配置される場合に衝撃負荷下でラッチに対する圧力を緩和するように、第1溝および第2溝のそれぞれの第2ピボット点は、第1溝および第2溝のそれぞれの第1ピボット点に対して配置される。
【0057】
例20は、例16から19の何れかのコネクタハウジングを含み、第1溝および第2溝のそれぞれの長手方向中心線は、細長スロットの長手方向中心線と略直交する。
【0058】
例21は、例16から20の何れかのコネクタハウジングを含み、回路基板は、メモリカードを含む。
【0059】
例22は、例16から21の何れかのコネクタハウジングを含み、回路基板は、デュアルインラインメモリモジュールを含む。
【0060】
例23は、例16から22の何れかのコネクタハウジングを含み、第2ハウジング部および第3ハウジング部の反対側の細長スロットの別の端において第1ハウジング部に機械的に結合される第4ハウジング部であって、第2ラッチを収容する対向溝のセットを有する第4ハウジング部をさらに備え、対向溝のセットの長手方向中心線が細長スロットの長手方向中心線を横切り、対向溝のセットは、対向溝のセットの第1端に第1ピボット点を、および対向溝のセットの第2端に第2ピボット点を含み、並びに、対向溝のセットは、第2ラッチにかかる第2負荷が第2負荷閾値を超えている場合にのみ第2ラッチが対向溝のセットのそれぞれの第1ピボット点と第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、第2ばねを含む。
【0061】
例24は、回路基板を収容するスロット手段と、スロット手段内に回路基板を保持するラッチ手段と、回路基板を保持するラッチ手段への衝撃負荷がかかる間、ラッチ手段にかかる圧力を緩和する緩和手段と、を備えるコネクタハウジングを含む。
【0062】
例25は、例24のコネクタを含み、緩和手段は、衝撃負荷がかかる間、ラッチ手段が並進することを可能とする溝手段を備える。
【0063】
例26は、例25のコネクタを含み、溝手段は、ラッチ手段にかかる負荷が、負荷閾値より小さいか等しい場合に、回路基板を、スロット手段内に保持する第1ピボット手段と、ラッチ手段にかかる負荷が負荷閾値を超えている場合に、回路基板を保持する第2ピボット手段と、を含む。
【0064】
例27は、例25または26のコネクタを含み、ラッチ手段にかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみラッチ手段が並進することを可能とするばね手段をさらに備える。
【0065】
例28は、例25から27の何れかのコネクタを含み、溝手段のそれぞれの長手方向中心線は、スロット手段の長手方向中心線と略直交する。
【0066】
例29は、例24から28の何れかのコネクタを含み、回路基板は、メモリカードを含む。
【0067】
例30は、例24から29の何れかのコネクタを含み、回路基板は、デュアルインラインメモリモジュールを含む。
【0068】
実施形態は、あらゆるタイプの半導体集積回路(「IC」)チップとの使用に適用可能である。これらICチップの例としては、限定ではないが、プロセッサ、コントローラ、チップセットコンポーネント、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、メモリチップ、ネットワークチップ、システムオンチップ(SoC)、SSD/NANDコントローラASIC等が含まれる。また、いくつかの図面においては、信号の導体線が線で表されている。この一部は、より多くの成分信号経路を示すように、他と異なっていてもよく、複数の成分信号経路を示すように番号ラベルを有してもよく。かつ/または、主要情報の流れ方向を示すべく1または複数の端部に矢印を有していてもよい。しかしながら、このことは限定的に解釈されるべきではない。むしろ、かかる追加の詳細は、1または複数の例示的な実施形態に関連して使用され、回路の理解をより容易にし得るものである。追加の情報を有するか否かにかかわらず、記載のあらゆる信号線は実際には、移動方向が複数あり得る1または複数の信号を含んでよく、例えば、差動ペアで実装されるデジタル線またはアナログ線、光ファイバ線、および/または、シングルエンド線といったあらゆる好適なタイプの信号方式で実装されてもよい。
【0069】
例示的な大きさ/モデル/値/範囲が与えられている場合があるが、実施形態はそれに限定されるものではない。時間を経て製造技術(例えば、フォトリソグラフィ)が成熟するにつれ、より小型のデバイスが製造され得ることが予期される。また、例示および説明を簡潔にするために、および、実施形態の特定の態様を不明瞭にしないように、ICチップおよび他のコンポーネントへの周知の電源/グラウンド接続は、図中に示されていても、示されていなくてもよい。さらに、実施形態を不明瞭にすることを回避すべく、構成は、ブロック図で示されてよく、また、かかるブロック図構成の実装に関する詳細は、実施形態が実装されるべきプラットフォームに大きく依存することに鑑みれば、すなわち、かかる詳細は、当業者の十分知見の範囲内である。例示的な実施形態を説明するために、具体的な詳細(例えば、回路)が記載される場合、これらの具体的な詳細なしで、またはこれらの具体的な詳細の変形例によって、実施形態が実施され得ることが、当業者には、自明である。従って、詳細な説明は、限定的ではなく、例示的なものとしてみなされるべきである。
【0070】
「結合」という用語は、対象のコンポーネント間の任意のタイプの直接的または間接的関係、を指すために本明細書において使用されてよく、電気的、機械的、流体的、光学的、電磁的、電子機械的、または他の接続に適用されてもよい。また、「第1」、「第2」等の用語は、説明を容易にするためだけに本明細書において使用されてよく、別途記載がない限り、何ら特定の時間的または時系列的な意味を含まない。
【0071】
本願および特許請求の範囲において用いられる「のうちの1または複数」という用語によって結合される項目の列挙は、列挙された用語の任意の組み合わせを意味してもよい。例えば、「A、BおよびCのうちの1または複数」という文言および「A、BまたはCのうちの1または複数」という文言はいずれも、A;B;C;AおよびB;AおよびC;BおよびC;またはA、BおよびCを意味してもよい。
【0072】
当業者ならば、上述の説明から、実施形態の広範な技術が、様々な形態で実装され得ることを理解するであろう。従って、実施形態はこれらの特定の例に関し説明されてきたが、実施形態の真の範囲は、このように限定されるべきではない。図面、明細書、および以下の特許請求の範囲を精査すれば、当業者には他の修正形態が自明なのである。
[考えられる他の項目]
(項目1)回路基板用のコネクタハウジングであって、
上記回路基板を収容するコネクタ本体と、
上記コネクタハウジングに対する圧力を緩和し、負荷閾値を超える負荷下で、上記コネクタ本体に収容される上記回路基板を維持するように、上記コネクタ本体に機械的に結合された緩和機構と、を備えるコネクタハウジング。
(項目2)
上記緩和機構は、
上記回路基板を上記コネクタ本体内に保持するラッチであって、上記負荷閾値を超える負荷下では、上記ラッチが並進することを可能とする構造によって、上記コネクタ本体に機械的に結合される、ラッチを備える、項目1に記載のコネクタハウジング。
(項目3)
上記負荷閾値を超える上記負荷下で上記ラッチが並進することを可能とする上記構造は、
上記コネクタ本体および上記ラッチのうちの一方に設けられて、上記負荷閾値を超える上記負荷下で上記ラッチが上記コネクタ本体に対して並進することを可能とする溝
を含む、項目2に記載のコネクタハウジング。
(項目4)
上記溝は、
上記ラッチにかかる負荷が、上記負荷閾値より小さいか等しい場合に、上記回路基板を、上記コネクタ内に完全に固定された状態で保持する第1ピボット点と、
上記ラッチにかかる上記負荷が上記負荷閾値を超えている場合に、上記回路基板を、上記コネクタ本体内に部分的に固定された状態で保持する第2ピボット点と、
を含む、項目3に記載のコネクタハウジング。
(項目5)
上記ラッチにかかる上記負荷が上記負荷閾値を超えている場合にのみ上記ラッチが上記第1ピボット点から上記第2ピボット点に並進することを可能とするように構成されたばねをさらに備える、項目4に記載のコネクタハウジング。
(項目6)
上記コネクタ本体は、上記回路基板を収容するスロットを有する、項目3に記載のコネクタハウジング。
(項目7)
上記溝の長手方向中心線が上記スロットの長手方向中心線と略直交する、項目6に記載のコネクタハウジング。
(項目8)
上記回路基板は、メモリカードを含む、項目6に記載のコネクタハウジング。
(項目9)
上記回路基板は、デュアルインラインメモリモジュールを含む、項目6に記載のコネクタハウジング。
(項目10)
メモリカード用のコネクタであって、
上記メモリカードを収容する細長スロットを有するコネクタハウジングであって、
上記細長スロットの第1端における対向溝の第1セットであって、上記対向溝の第1セットの長手方向中心線が上記細長スロットの長手方向中心線を横切る、対向溝の第1セットと、
上記細長スロットの、上記第1端の反対側の第2端における対向溝の第2セットであって、上記対向溝の第2セットの長手方向中心線が上記細長スロットの上記長手方向中心線を横切る、対向溝の第2セットと、
を有するコネクタハウジングと、
上記コネクタハウジングの上記対向溝の第1セット内に収容される第1ラッチと、
上記コネクタハウジングの上記対向溝の第2セット内に収容される第2ラッチと、
を備えるコネクタ。
(項目11)
上記対向溝の第1セットは、上記対向溝の第1セットの第1端に第1ピボット点を、および、上記対向溝の第1セットの第2端に第2ピボット点を含み、並びに、上記対向溝の第2セットは、上記対向溝の第2セットの第1端に第1ピボット点を、および、上記対向溝の第2セットの第2端に第2ピボット点を含む、項目10に記載のコネクタ。
(項目12)
上記第1ラッチにかかる負荷が負荷閾値を超えている場合にのみ上記第1ラッチが上記対向溝の第1セットの上記第1ピボット点と上記2ピボット点との間で並進することを可能とするように、上記対向溝の第1セットは第1ばねを含み、上記第2ラッチにかかる負荷が上記負荷閾値を超えている場合にのみ上記第2ラッチが上記対向溝の第2セットの上記第1ピボット点と上記第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、上記対向溝の第2セットは第2ばねを含む、項目11に記載のコネクタ。
(項目13)
上記第1ラッチおよび上記第2ラッチがそれぞれの上記第2ピボット点に配置される場合に、衝撃負荷下で上記第1ラッチおよび上記第2ラッチそれぞれに対する圧力を緩和するように、上記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの上記第2ピボット点は、上記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの上記第1ピボット点に対して配置される、項目11に記載のコネクタ。
(項目14)
上記対向溝の第1セットおよび第2セットのそれぞれの上記長手方向中心線は、上記細長スロットの上記長手方向中心線と略直交する、項目10に記載のコネクタ。
(項目15)
上記メモリカードは、デュアルインラインメモリモジュールを含む、項目10に記載のコネクタ。
(項目16)
回路基板用のコネクタハウジングであって、
上記回路基板を収容する細長スロットを有する第1ハウジング部と、
上記細長スロットの端で上記第1ハウジング部に機械的に結合される第2ハウジング部であって、上記第2ハウジング部は、ラッチを収容する第1溝を有し、上記第1溝の長手方向中心線が、上記細長スロットの長手方向中心線を横切る、第2ハウジング部と、
上記細長スロットの、上記第2ハウジング部と反対側の端で、上記第1ハウジング部に機械的に結合される第3ハウジング部であって、上記第3ハウジング部は、上記ラッチを収容する第2溝を有し、上記第2溝の長手方向中心線が、上記第1溝の上記長手方向中心線に対して位置合わせされ、上記第2溝は上記第1溝に直接対向する、第3ハウジング部と、
を備える、
コネクタハウジング。
(項目17)
上記第1溝は、上記第1溝の第1端に第1ピボット点を、および、上記第1溝の第2端に第2ピボット点を含み、並びに、上記第2溝は、上記第2溝の第1端に第1ピボット点を、および、上記第2溝の第2端に第2ピボット点を含む、項目16に記載のコネクタハウジング。
(項目18)
上記ラッチにかかる負荷が)
負荷閾値を超えている場合にのみ上記ラッチが上記第1溝および上記第2溝のそれぞれの上記第1ピボット点と上記第2ピボット点との間で並進することを可能とするように、上記第1溝および上記第2溝はばねを含む、項目17に記載のコネクタハウジング。
(項目19)
上記ラッチがそれぞれの上記第2ピボット点に配置される場合に衝撃負荷下で上記ラッチに対する圧力を緩和するように、上記第1溝および上記第2溝のそれぞれの上記第2ピボット点は、上記第1溝および上記第2溝のそれぞれの上記第1ピボット点に対して配置される、項目17に記載のコネクタハウジング。
(項目20)
上記第1溝および上記第2溝のそれぞれの上記長手方向中心線は、上記細長スロットの上記長手方向中心線と略直交する、項目16に記載のコネクタハウジング。