(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】データ収集システム、データ収集方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 12/28 20060101AFI20240423BHJP
G08C 15/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H04L12/28 400
G08C15/00 F
(21)【出願番号】P 2020083302
(22)【出願日】2020-05-11
【審査請求日】2023-02-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】福井 洋
【審査官】大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-283697(JP,A)
【文献】特開2003-337989(JP,A)
【文献】特開2013-098926(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/28
G08C 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムであって、
前記制御ユニットの種類を示す種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御するユニット制御部を備え
、
前記ユニット制御部は、複数の制御ユニットの個数情報に基づき、前記複数の制御ユニットのそれぞれの間で前記データを伝送する伝送速度を決定する
データ収集システム。
【請求項2】
前記ユニット制御部は、前記種類情報が同じ前記制御ユニットに対して、共通の制御を行う
請求項1に記載のデータ収集システム。
【請求項3】
前記データは、脳磁計又は脊磁計の少なくとも一方による検出データである
請求項1
、又は2に記載のデータ収集システム。
【請求項4】
複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムによるデータ収集方法であって、
ユニット制御部により、前記制御ユニットの種類を特定する種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御する工程を行
い、
前記ユニット制御部は、複数の制御ユニットの個数情報に基づき、前記複数の制御ユニットのそれぞれの間で前記データを伝送する伝送速度を決定するデータ収集方法。
【請求項5】
複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムで用いられるプログラムであって、
ユニット制御部により、前記制御ユニットの種類を特定する種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御
し、
前記ユニット制御部は、複数の制御ユニットの個数情報に基づき、前記複数の制御ユニットのそれぞれの間で前記データを伝送する伝送速度を決定する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、データ収集システム、データ収集方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムが知られている。
【0003】
また、このようなシステムとして、デイジーチェーンされたマルチノードネットワークでスレーブノード(制御ユニット)間での通信を行うために、スレーブノードが他のスレーブノードとの間でマスタノードを通過させずに制御信号を直接送受信する構成が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら特許文献1の構成では、制御ユニットを1つずつ特定して制御を行うため、制御に時間がかかる場合がある。
【0005】
本発明は、制御にかかる時間を短縮することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るデータ収集システムは、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムであって、前記制御ユニットの種類を特定する種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御するユニット制御部を備え、前記ユニット制御部は、複数の制御ユニットの個数情報に基づき、前記複数の制御ユニットのそれぞれの間で前記データを伝送する伝送速度を決定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、制御にかかる時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係るデータ収集システムの構成例のブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係るデータ収集システムのID付与動作例の図である。
【
図3】第1実施形態に係るデータ収集システムの制御動作例を示す図である。
【
図4】比較例に係るデータ収集システムの構成のブロック図である。
【
図5】第2実施形態に係るデータ収集システムの構成例のブロック図である。
【
図6】第3実施形態に係るデータ収集システムの構成例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して発明を実施するための形態について説明する。各図面において、同一の構成部分には同一符号を付し、重複した説明を適宜省略する。また以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのデータ収集システムを例示するものであって、本発明を以下に示す実施形態に限定するものではない。
【0010】
実施形態では、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムにおいて、制御ユニットの種類を特定する種類情報と、複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報とに基づき、複数の制御ユニットを制御する。同じ種類の制御ユニットに対して共通の制御を行うことで、制御にかかる時間を短縮する。
【0011】
[第1実施形態]
まず、第1実施形態に係るデータ収集システムについて説明する。
【0012】
<データ収集システム100の構成例>
図1は、本実施形態に係るデータ収集システム100の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、データ収集システム100は、複数の制御ユニット2と、収集ユニット3とを備えている。
【0013】
複数の制御ユニット2は、それぞれ集積回路(IC;integrated circuit)等により構成され、1対1で対応して電気的に接続された複数のセンサ1のそれぞれを制御する。また複数の制御ユニット2は、複数のセンサ1のそれぞれによる検出データを、データ伝送路6を介して収集ユニット3に順次送信することができる。
【0014】
データ収集システム100は、センサ1による検出データを制御ユニット2と収集ユニット3を用いて収集可能に構成されている。センサ1による検出データは、「データ」の一例である。
【0015】
センサ1は、脳磁計(Magnetoencephalography; MEG)や脳波計(Electroencephalography; EEG)、脊磁計等の生体情報を検出するためのセンサである。ここで、脳磁計は脳の神経細胞が発生する電気的活動の磁場を計測するセンサであり、脳波計は脳の神経細胞が発生する電気的活動を記録するセンサである。また脊磁計は、脊髄の神経活動により生じる生体磁気を計測するセンサである。
【0016】
センサ1は、AセンサSenAとBセンサSenBの2種類のセンサを含んで構成されている。例えば、AセンサSenAは脳磁計であり、BセンサSenBは脳波計である。センサの種類によって制御方法が異なるため、センサの種類に対応して制御ユニット2も、A制御ユニットUnitAとB制御ユニットUnitBの2種類を含んで構成されている。AセンサSenA及びA制御ユニットUnitAの個数はそれぞれJ個であり、BセンサSenB及びB制御ユニットUnitBの個数はそれぞれK個である。これらの複数の制御ユニット2は、コマンド伝送路5及びデータ伝送路6のそれぞれを介して通信可能に直列接続されている。コマンド伝送路5は、制御ユニット2を制御するための制御コマンド信号を送信するシリアル伝送路である。データ伝送路6は、制御ユニット2を介してセンサ1の検出データを順次送信するシリアル伝送路である。
【0017】
収集ユニット3は、集積回路等により構成され、制御ユニット2の種類を特定する種類情報と、複数の制御ユニット2のそれぞれを特定するユニット特定情報とに基づき、複数の制御ユニットを制御するユニット制御部の一例である。またセンサ1による検出データを、制御ユニット2を介して収集し、収集後の検出データをPC4に送信する。
【0018】
PC4は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、ディスプレイ、及びネットワークI/F(Interface)等を備えるコンピュータである。PC4は、収集された検出データをディスプレイに表示したり、またHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に保存したり、ネットワークI/Fを介して外部サーバ等の外部装置に送信したりすることができる。
【0019】
なお、制御ユニット2及び収集ユニット3の集積回路には、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を使用できる。また制御ユニット2及び収集ユニット3がそれぞれCPUを内蔵し、CPUの命令に基づき制御するように構成することもできる。
【0020】
<データ収集システム100の動作例>
(ID付与動作)
次にデータ収集システム100のID(Identify)付与動作について、
図2を参照して説明する。このID付与動作は、複数の制御ユニットのそれぞれに対し、制御ユニット2を識別するためのID番号を付与する動作である。データ収集システム100は、複数の制御ユニット2のそれぞれが保持している種類情報AttrA及びAttrBを利用してID番号を付与する。
【0021】
この種類情報AttrAは、制御ユニットの種類がA制御ユニットであることを示す情報である。制御ユニット2はJ個のA制御ユニットを含むため、種類情報AttrAに0からJ-1のID番号が設定され、このID番号によりJ個のA制御ユニットのそれぞれを特定できるようになっている。
【0022】
また種類情報AttrBは、制御ユニットの種類がB制御ユニットであることを示す情報である。制御ユニット2はK個のB制御ユニットを含むため、種類情報AttrBに0からK-1のID番号が設定され、このID番号によりK個のB制御ユニットのそれぞれを特定できるようになっている。
【0023】
上記のID番号はユニット特定情報の一例である。
図2の例では、A制御ユニットはUnitA[0]~[J-1]で表され、B制御ユニットはUnitB[0]~[K-1]で表されている。[ ]で示す括弧内の数字はID番号を表し、例えば[0]はID番号が0、[J-1]はID番号がJ-1であることを表している。
【0024】
A制御ユニットUnitA[0]~[J-1]は収集ユニット3に近いものから順に0,1,2,・・・J-1のID番号が付与され、B制御ユニットUnitB[0]~[K-1]にも収集ユニット3に近いものから順に0,1,2,・・・K-1のID番号が付与される。
【0025】
収集ユニット3は、まず、種類情報AttrAに0が設定され、種類情報AttrBに0が設定されたID付与コマンドを、制御ユニット2のうち最も近くにあるA制御ユニットUnitA[0]に送信する。
【0026】
A制御ユニットUnitA[0]は、受信したID付与コマンド内のAttrAに設定されたID番号0を自身のID番号として認識する。そして、ID番号0に1を加算したID番号1をAttrAに設定し、後段に接続されたB制御ユニットUnitB[0]にID付与コマンドを送信する。この際に、自身とは異なる制御ユニットの種類を示すAttrBには、受信したAttrBの番号0をそのまま設定して送信する。
図2におけるIDSETのAttrA=1、AttrB=0がID付与コマンドに対応する。
【0027】
次にB制御ユニットUnitB[0]は、受信したID付与コマンド内のAttrBに設定されたID番号0を自身のID番号として認識する。そして、番号0に1を加算したID番号1をAttrBに設定し後段に接続されたA制御ユニットUnitA[1]にID付与コマンドを送信する。この際に、自身とは異なる制御ユニットの種類を示すAttrAには、受信したAttrの番号1をそのまま設定して送信する。
図2におけるIDSETのAttrA=1、AttrB=1がID付与コマンドに対応する。
【0028】
以降の制御ユニット2においても、上述したものと同様に、ID付与コマンド内のAttrA又はAttrBに設定された番号の認識と、後段に接続された制御ユニットへのID付与コマンドの送信が行われる。
【0029】
A制御ユニットUnitA[J-1]は、受信したID付与コマンド内のAttrAに設定されたID番号J-1を自身のID番号として認識する。そして、番号J-1に1を加算したID番号JをAttrAに設定し、後段に接続されたB制御ユニットUnitB[K-1]にID付与コマンドを送信する。
図2におけるIDSETのAttrA=J、AttrB=K-1がID付与コマンドに対応する。
【0030】
B制御ユニットUnitB[K-1]は、受信したID付与コマンド内のAttrBに設定されたID番号K-1を自身のID番号として認識する。そして、番号K-1に1を加算したID番号KをAttrBに設定し、後段に接続された収集ユニット3にID付与コマンドを送信する。
図2におけるIDSETのAttrA=J、AttrB=KがID付与コマンドに対応する。
【0031】
収集ユニット3は、終端のB制御ユニットUnitB[K-1]から受信したID付与コマンドから、コマンド伝送路5に接続されたA制御ユニットUnitAの個数としてJ個を、B制御ユニットUnitBの個数としてK個をそれぞれ認識できる。
【0032】
このようにして、収集ユニット3は、複数の種類を含む複数の制御ユニットに対し、センサの種類を特定する種類情報と、制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報を付与できる。
【0033】
(制御動作)
次にデータ収集システム100の制御動作について、
図3を参照して説明する。この制御動作は、制御コマンドを送信して制御ユニット2を制御する動作である。
【0034】
収集ユニット3は、複数の制御ユニット2のうちの制御対象となる制御ユニットを、ID番号で指定して制御コマンドを送信することで、この制御ユニットを制御する。この際に、収集ユニット3は種類情報が同じ制御ユニットに対して共通の制御を行う。具体的には、種類情報が同じである全ての制御ユニットを指定する「ALL」をID番号として指定することで、種類情報が同じ全ての制御ユニットに対して一括して制御コマンドを送信できる。なお、この「ALL」は同じ種類のユニット数の上限以上の任意の値である。
【0035】
図3におけるREGWR(レジスタライト)のAttrA・ALLが制御コマンドに対応する。収集ユニット3は、REGWRのAttrA・ALLを指定した制御コマンドを、制御ユニット2のうち最も近くにあるA制御ユニットUnitA[0]に送信する。
【0036】
A制御ユニットUnitA[0]はA制御ユニットであるため、受信した動作コマンドを自身に対する制御コマンドであると認識してレジスタライト処理を行う。その後、後段に接続されたB制御ユニットUnitB[0]に制御コマンドを送信する。
【0037】
B制御ユニットUnitB[0]はA制御ユニットとは種類が異なるため、受信した動作コマンドを自身に対する制御コマンドではないと認識してレジスタライト処理を行わない。その後、後段に接続されたA制御ユニットUnitA[1]に制御コマンドを送信する。
【0038】
A制御ユニットUnitA[1]はA制御ユニットであるため、受信した動作コマンドを自身に対する制御コマンドであると認識してレジスタライト処理を行う。その後、後段に接続されたB制御ユニットUnitB[1]に制御コマンドを送信する。
【0039】
このように、A制御ユニットUnitA[0]~UnitA[J-1]は、受信した動作コマンドを自身に対する制御コマンドであると認識してレジスタライト処理を行う。種類情報が同じ全ての制御ユニットに対して共通の制御コマンドを送信して、共通の処理を実行させることができる。
【0040】
<データ収集システム100の作用効果>
次にデータ収集システム100の作用効果について説明する。
【0041】
脳磁計や脳波計、脊磁計といった生体計測システムは、生体の複数箇所に配置された複数の脳磁計用センサ等のセンサ群と、センサ群に接続された制御ユニットとからなる組を複数備えて構成される。また生体計測システムは、複数の制御ユニットがそれぞれ複数のセンサから取得した検出データを収集する。収集された検出データはディスプレイに表示したりHDDに保存したりして、検出データの解析に利用される。
【0042】
このような生体計測システムでは、複数の脳磁計用センサと、複数の脳波計用センサ等の複数の種類のセンサを含んで構成される場合があり、脳磁計用センサと脳波計用センサでは制御方法が異なるため、センサの種類に対応して種類の異なる制御ユニットが求められる。
【0043】
同じ種類の複数の制御ユニットにより構成されたデータ収集システムであれば、各制御ユニットに付与したID番号を指定して制御コマンドを送信することでそれぞれを制御できる。しかし、上記の生体計測システムのような複数の種類を含む複数の制御ユニットを備えるシステムでは、ID番号を付与するだけでは制御ユニットの種類を特定できない。
【0044】
ここで、
図4は比較例に係る複数の種類を含む複数の制御ユニットを備えるデータ収集システム100Xの構成を示している。データ収集システム100Xにおける制御ユニット2Xは、A制御ユニットUnitAとB制御ユニットUnitBの2種類の制御ユニットを含んでいる。制御ユニット2Xは全部でN個の制御ユニットで構成されるため、収集ユニット3Xはそれぞれの制御ユニットに0~N-1のID番号を付与する。しかしID番号の情報のみでは、制御ユニットがA制御ユニットであるのか、B制御ユニットであるのかを特定できない。そのため、種類に応じた制御ユニットの制御が困難になったり、制御が複雑になったりする場合がある。
【0045】
また、収集ユニット3Xから制御ユニット2Xの1つずつにID番号を指定して制御コマンドを送信すると、同じ種類の制御ユニットの全てに対して共通の制御を行うような場合に、該当する種類のユニット数分の制御コマンドを送信するため、制御に時間がかかる場合がある。
【0046】
一方、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備えるデータ収集システムとして、デイジーチェーンされたマルチノードネットワークでスレーブノード(制御ユニット)間での通信を行うために、スレーブノードは、データスロットがマスタノードを先ず通過する必要なしに、他のスレーブノードに上流もしくは下流のデータを直接提供し、また他のスレーブノードから上流もしくは下流のデータを直接受信する構成が開示されている。なお、デイジーチェーンとは複数の電気・電子機器を数珠つなぎにすることをいう。
【0047】
しかしこの場合も、スレーブノードの1つずつにID番号を指定して制御コマンドを送信するため、同じ種類の制御ユニットの全てに対して共通の制御を行うような場合に、制御に時間がかかる場合がある。
【0048】
本実施形態では、複数の種類を含む複数の制御ユニット2を備え、複数の制御ユニット2のそれぞれからデータを収集するデータ収集システムにおいて、制御ユニットの種類を特定する種類情報と、複数の制御ユニット2のそれぞれを特定するユニット特定情報とに基づき、複数の制御ユニットを制御する。
【0049】
具体的には、A制御ユニットUnitAを示す種類情報AttrAに0~JのID番号を設定し、またB制御ユニットUnitBを示す種類情報AttrBに0~KのID番号を設定する。そして種類情報AttrA及びAttrBを含むID付与コマンドを複数の制御ユニット2に順次送信することで、複数の制御ユニット2のそれぞれにID番号を付与する。
【0050】
同じ種類の制御ユニットの全てに対して共通の制御を行うような場合には、ID番号として「ALL」を指定することで、同じ種類の制御ユニットの全てに対して一括で制御コマンドを送信する。このようにすることで、制御ユニットの1つずつにID番号を指定する必要がなくなるため、制御にかかる時間を短縮することができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係るデータ収集システム100aについて説明する。
【0052】
図5は、データ収集システム100aの構成の一例を示すブロック図である。
図5に示すように、データ収集システム100aは、収集ユニット3aを備えている。
【0053】
収集ユニット3aは、複数の制御ユニット2の個数情報に基づき、複数の制御ユニット2のそれぞれの間でデータを伝送する伝送速度を決定することができる。
【0054】
収集ユニット3aは、終端のB制御ユニットUnitB[K-1]から受信したID付与コマンドから、コマンド伝送路5に接続されたA制御ユニットUnitAの個数としてJ個を、B制御ユニットUnitBの個数としてK個をそれぞれ認識して、制御ユニット2の個数情報J+Kを取得できる。
【0055】
またデータ伝送路6に送信するA制御ユニットUnitAのデータのサイズを0[byte]とし、データ伝送路6に送信するB制御ユニットUnitBのデータのサイズをP[byte]とする。収集ユニット3aは、データ伝送路6に必要な帯域性能を{(0×J)+(P×K)}[byte/sample]×1[sec]の期間当たりのサンプル数[sample/s]で算出し、これを超過して且つ設定可能な範囲で一番低い伝送速度を決定する。ここで、サンプル数とは1秒間に送信する検出データの個数を意味し、例えば10,000[sample/s]、又は40,000 [sample/s]等である。10,000[sample/s]の場合には1秒間に10,000個、40,000 [sample/s]の場合には1秒間に40,000個の検出データが収集ユニット3aに送信される。
【0056】
このようにして、ユニット数に応じてデータ伝送に好適なボーレートを、データ伝送に必要な最小の伝送速度として決定することができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係るデータ収集システム100bについて説明する。
【0058】
図6は、データ収集システム100bの構成の一例を示すブロック図である。
図6に示すように、データ収集システム100bは、複数の制御ユニット2bと、収集ユニット3bとを備えている。複数の制御ユニット2bは、1対1で対応して複数のセンサ1bに接続され、センサ1bによる検出データを取得し、データ伝送路6bを介して収集ユニット3bに順次送信することができる。
【0059】
センサ1bは、J個のAセンサSenA[0]~[J-1]と、K個のBセンサSenB[0]~[K-1]と、L個のCセンサSenC[0]~[L-1]とを含んで構成されている。
【0060】
AセンサSenA[0]~[J-1]は、それぞれ脳や脊髄等の生体磁気データを検出するセンサであり、例えばSQUID(超伝導量子干渉計;Superconducting Quantum Interference Device)センサである。
【0061】
BセンサSenB[0]~[K-1]は、それぞれ脳波電極皿により脳波信号を検出するセンサである。CセンサSenC[0]~[L-1]は、それぞれ電気刺激装置や音声アンプ等の外部機器より供給される信号を検出するセンサである。
【0062】
制御ユニット2bは、A制御ユニットUnitA[0]~[J-1]と、B制御ユニットUnitB[0]~[K-1]と、C制御ユニットUnitC[0]~[L-1]とを含んで構成され、それぞれ対応する種類のセンサを制御する。
【0063】
制御ユニット2bは、センサ1bによる検出データを、データ伝送路6bを通して順次送信する。収集ユニット3bは、制御ユニット2bにより順次送信された検出データを収集して、PC4に送信する。PC4は、受信した検出データをディスプレイに表示したり、HDDに保存したりすることができる。
【0064】
制御ユニットの個数であるJ、K及びLは、目的に応じて適宜選択でき、J、K、又はLの何れか1つが0個であってもよい。
【0065】
このような3種類の制御ユニットを備えるデータ収集システム100bにおいても、第1実施形態で説明したID付与コマンドを用いたID付与や、制御コマンドを用いた制御を行うことができる。
【0066】
以上、好ましい実施形態等について詳説したが、上述した実施形態等に制限されることはなく、特許請求の範囲に記載された範囲を逸脱することなく、上述した実施形態等に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0067】
上述した実施形態では、脳磁計、又は脳波計等の生体情報を検出するセンサによる検出データを収集するシステムを説明したが、これに限定されるものではない。生体情報以外の情報を検出するセンサによる検出データを収集するシステムにも実施形態を適用できる。またセンサによる検出データ以外のデータを収集するシステムにも実施形態を適用可能である。センサによる検出データ以外のデータには、例えば製造機器のログデータ等が挙げられる。
【0068】
センサやデータ取得部の種類も2種類に限定されるものではなく、複数の種類のセンサやデータ取得部をデータ収集システム100に接続してもよい。制御ユニットの種類数は、センサやデータ取得部の種類数に応じて決定される。
【0069】
また実施形態は、データ収集方法を含む。例えばデータ収集方法は、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムによるデータ収集方法であって、前記制御ユニットの種類を特定する種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御する工程を行う。このようなデータ収集方法により、上述したデータ収集システムと同様の効果を得ることができる。
【0070】
また実施形態は、プログラムを含む。例えばプログラムは、複数の種類を含む複数の制御ユニットを備え、前記複数の制御ユニットのそれぞれからデータを収集するデータ収集システムで用いられるプログラムであって、前記制御ユニットの種類を特定する種類情報と、前記複数の制御ユニットのそれぞれを特定するユニット特定情報と、に基づき、前記複数の制御ユニットを制御する処理をコンピュータに実行させる。このようなプログラムにより、上述したデータ収集システムと同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0071】
1 センサ
2 制御ユニット
3 収集ユニット(ユニット制御部の一例)
4 PC
5 コマンド伝送路
6 データ伝送路
100 データ収集システム
AttrA,AttrB 種類情報
SenA Aセンサ
SenB Bセンサ
SenC Cセンサ
UnitA A制御ユニット
UnitB B制御ユニット
UnitC C制御ユニット
J A制御ユニットの個数
K B制御ユニットの個数
L C制御ユニットの個数
【先行技術文献】
【特許文献】
【0072】