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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】成型装置及び成型方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 39/12 20060101AFI20240423BHJP
   B29C 39/24 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B29C39/12
B29C39/24
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020144434
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2022039425
(43)【公開日】2022-03-10
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006035
【氏名又は名称】三菱ケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152146
【弁理士】
【氏名又は名称】伏見 俊介
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(72)【発明者】
【氏名】釋迦郡 真矢
(72)【発明者】
【氏名】奥野 大地
(72)【発明者】
【氏名】中村 覚
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-340453(JP,A)
【文献】特開昭54-7415(JP,A)
【文献】特開2007-54979(JP,A)
【文献】特開平4-166307(JP,A)
【文献】特開平11-66639(JP,A)
【文献】特表平9-500064(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 39/12
B29C 39/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材を保持する第1面を有する第1成形型と、
第2部材を保持するとともに前記第1面に対向する第2面を有する第2成形型と、
前記第2成形型を前記第2面の法線方向に沿って揺動可能に支持するとともに前記第1面に対して前記第2面を接近、離間させるスイング機構と、
前記第1面と前記第2面との対向状態での前記第1面と前記第2面との間隔を一定に保つためのスペーサと、
を備える、成型装置。
【請求項2】
前記スペーサは磁性体であり、
前記第1面及び前記第2面のいずれか一方は、前記スペーサの位置決めを行う磁石を有する、請求項1に記載の成型装置。
【請求項3】
前記スペーサは鋼球である、請求項2に記載の成型装置。
【請求項4】
前記スペーサの硬度は、前記第1成形型及び前記第2成形型の硬度よりも高い、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の成型装置。
【請求項5】
前記スペーサの線膨張係数は、前記第1成形型及び前記第2成形型の線膨張係数よりも小さい、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の成型装置。
【請求項6】
前記第1成形型を保持する台座を備え、
前記台座に対して前記第1成形型が着脱自在に設けられているとともに、前記スイング機構に対して前記第2成形型が着脱自在に設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の成型装置。
【請求項7】
前記台座は、前記第1面と前記第2面との対向状態での前記第1面と前記第2面との離間距離を調整する距離調整機構を有する、請求項6に記載の成型装置。
【請求項8】
第1部材と第2部材との間に樹脂材料層が設けられた積層体を成型する成型方法であって、
前記第1部材の第1樹脂面に前記樹脂材料層となる樹脂を塗布する塗布工程と、
前記塗布工程の後、前記第1樹脂面に対して傾けながら前記第2部材の第2樹脂面を重ね合わせ、前記第1樹脂面と前記第2樹脂面とに前記樹脂を塗り広げる重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ工程の後、前記樹脂を硬化する硬化工程と、
を有し、
前記重ね合わせ工程は、前記第1樹脂面と前記第2樹脂面とを重ね合わせる際に前記第1樹脂面と前記第2樹脂面との間隔を一定にする厚さ調整工程を有する、成型方法。
【請求項9】
前記第1部材を保持する第1成形型、前記第2部材を保持する第2成形型、前記第1成形型を保持する台座、及び前記第2成形型を保持する支持部材を備える成型装置を用いた成型方法であって、
前記重ね合わせ工程と前記硬化工程との間に、前記台座及び前記支持部材から前記第1成形型と前記第2成形型とを一体となって取り外す取り出し工程を有する、請求項8に記載の成型方法。
【請求項10】
前記厚さ調整工程は、前記第1成形型と前記第2成形型との間にスペーサを配置して行われる、請求項9に記載の成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層体の成型装置及び成型方法に関する。
【背景技術】
【0002】
中間に樹脂材料層がある積層成型体を製造する場合、上下の部材間に樹脂材料層となる樹脂を注入して樹脂を硬化させることで積層成型体を得る成型方法がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第5932045号公報
【文献】特開平5-57736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂材料層の厚みが均一な高精度の積層成型体を得るためには、上下部材の平面度を高精度に調整する必要がある。例えば特許文献1のようにレーザ干渉縞を参照しながら上下部材の平行度を調整する方法がある。
また樹脂を注入する際に気泡が混入し成型時に欠陥とならないよう、特許文献2のようにシール材を用い凹状形成したセルを設けそこに樹脂を入れ、上型を湾曲させながら気泡が入らないように積層する方法がある。
【0005】
しかし特許文献1は上下部材の平面度の具体的な調整方法については明記されてなく、積層成型体にマイクロメートルレベルの高精度な平面度が要求される場合、上下部材の微調整は極めて困難である。成形型毎にマイクロメータ等の調整機構を設けた成型装置が必要となり、熟練の調整作業が必要となるため、作業性が悪く、成型装置が大型化し高価なものとなるため、量産性が低くなってしまう。
また、特許文献2の方式では積層成型体の中間層には樹脂材料層だけでなく不要なシール材が混在してしまい、シール材を設けることができない積層成型体には用いることができない。更に気泡混入防止についても上型を湾曲できない部材には用いることができないという課題があった。
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、従来技術と比較して、高精度の平面度の調整が容易であり、且つ成型時の気泡混入を抑制して作業性も良く、量産性も向上できる成型装置及び成型方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の課題を解決するために、本発明に係る成型装置は、第1部材を保持する第1面を有する第1成形型と、第2部材を保持するとともに前記第1面に対向する第2面を有する第2成形型と、前記第2成形型を前記第2面の法線方向に沿って揺動可能に支持するとともに前記第1面に対して前記第2面を接近、離間させるスイング機構と、前記第1面と前記第2面との対向状態での前記第1面と前記第2面との間隔を一定に保つためのスペーサと、を備える。
【0008】
(2)上記(1)において、前記スペーサは磁性体であり、前記第1面及び前記第2面のいずれか一方は、前記スペーサの位置決めを行う磁石を有してもよい。
【0009】
(3)上記(2)において、前記スペーサは鋼球であってもよい。
【0010】
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つにおいて、前記スペーサの硬度は、前記第1成形型及び前記第2成形型の硬度よりも高くてもよい。
【0011】
(5)上記(1)から(4)のいずれか1つにおいて、前記スペーサの線膨張係数は、前記第1成形型及び前記第2成形型の線膨張係数よりも小さくてもよい。
【0012】
(6)上記(1)から(5)のいずれか1つにおいて、前記第1成形型を保持する台座を備え、前記台座に対して前記第1成形型が着脱自在に設けられているとともに、前記スイング機構に対して前記第2成形型が着脱自在に設けられていてもよい。
【0013】
(7)上記(6)において、前記台座は、前記第1面と前記第2面との対向状態での前記第1面と前記第2面との離間距離を調整する距離調整機構を有してもよい。
【0014】
(8)上記の課題を解決するために、本発明に係る成型方法は、第1部材と第2部材との間に樹脂材料層が設けられた積層体を成型する成型方法であって、前記第1部材の第1樹脂面に前記樹脂材料層となる樹脂を塗布する塗布工程と、前記塗布工程の後、前記第1樹脂面に対して傾けながら前記第2部材の第2樹脂面を重ね合わせ、前記第1樹脂面と前記第2樹脂面とに前記樹脂を塗り広げる重ね合わせ工程と、前記重ね合わせ工程の後、前記樹脂を硬化する硬化工程と、を有し、前記重ね合わせ工程は、前記第1樹脂面と前記第2樹脂面とを重ね合わせる際に前記第1樹脂面と前記第2樹脂面との間隔を一定にする厚さ調整工程を有する。
【0015】
(9)上記(8)において、前記第1部材を保持する第1成形型、前記第2部材を保持する第2成形型、前記第1成形型を保持する台座、及び前記第2成形型を保持する支持部材を備える成型装置を用いた成型方法であって、前記重ね合わせ工程と前記硬化工程との間に、前記台座及び前記支持部材から前記第1成形型と前記第2成形型とを一体となって取り外す取り出し工程を有してもよい。
【0016】
(10)上記(9)において、前記厚さ調整工程は、前記第1成形型と前記第2成形型との間にスペーサを配置して行われてもよい。
【発明の効果】
【0017】
上記の成型装置及び成型方法によれば、従来技術と比較して、高精度の平面度の調整が容易であり、且つ成型時の気泡混入を抑制して作業性も良く、量産性も向上できる成型装置及び成型方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態に係る積層体100を側面視で模式的に示した図である。
図2】本実施形態に係る成型装置の斜視図である。
図3】本実施形態に係る成型装置の側面図である。
図4】本実施形態に係る第1成形型の斜視図である。
図5】本実施形態に係る第1成形型と第2成形型とが重ね合わされた状態を示す斜視図である。
図6】本実施形態に係る樹脂の塗布状態を説明する模式図である。
図7】本実施形態に係る厚さ調整工程において、脆性材料板同士を接近させる前の状態を示す模式図である。
図8】本実施形態に係る厚さ調整工程において、脆性材料板同士を接近させた後の状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係る成型装置1について図1から図8に基づいて説明する。
【0020】
(積層体)
まず、成型装置1によって成型される積層体100について説明する。
図1は、積層体100を側面視で模式的に示した図である。
図1に示すように、積層体100は、厚さが一様な矩形板状に形成されている。
積層体100は、例えばホログラム材料である。積層体100は、例えばARグラス(AUGMENTED REALITY)用の導光板として用いられる。
【0021】
積層体100は、樹脂材料層102と、樹脂材料層102の厚さ方向両面に配置された脆性材料板103,104(第1脆性材料板103、第2脆性材料板104)と、からなる。脆性材料板103,104は、厚さが一様な矩形板状に形成されている。脆性材料板103,104は、例えばガラス材によって形成されている。ガラスとしては、例えばソーダ石灰ガラスや無アルカリガラス等が挙げられる。ガラスの金属成分の割合は、例えば30%以上である。脆性材料板103,104の厚さは、例えば0.4mmである。樹脂材料層102は、例えば重合反応又は架橋反応により結合形成される硬化性ウレタン樹脂組成物である。硬化性ウレタン樹脂組成物としては、例えばイソシアネート基を有する化合物と、イソシアネート反応性官能基として分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物等が挙げられる。
イソシアネート反応性官能基として分子内に2つ以上の水酸基を有する化合物の例としては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、テトラメチレングリコール等のジオール類;ビスフェノール類、又はこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ブタントリオール、ペンタントリオール、ヘキサントリオール、デカントリオール等のトリオール類などのこれらの多官能アルコールをポリエチレンオキシ鎖やポリプロピレンオキシ鎖で修飾した化合物;多官能ポリオキシブチレン;多官能ポリカプロラクトン;多官能ポリエステル;多官能ポリカーボネート;多官能ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これらは何れか一種を単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。樹脂材料層102の厚さは、例えば0.5mmである。
このような積層体100は、2枚の脆性材料板103,104の間に樹脂2(図6参照、詳細は後述する)を塗り広げた後、樹脂2を硬化させて樹脂材料層102を形成することにより成型される。以下、積層体100を成型するために用いられる成型装置1について説明する。
【0022】
(成型装置)
図2は、成型装置1の斜視図である。
図3は、成型装置1の側面図である。
図2及び図3に示すように、成型装置1は、2枚の脆性材料板103,104のうち一方の第1脆性材料板103(請求項の第1部材の例示)を保持する第1成形型10と、2枚の脆性材料板103,104のうち他方の第2脆性材料板104(請求項の第2部材の例示)を保持する第2成形型20と、第1成形型10を保持する台座30と、第2成形型20を保持するとともに、第2成形型20を第1成形型10に接近、離間させるスイング機構40と、台座30及びスイング機構40が搭載されたステージ台50と、を備えている。
【0023】
(第1成形型)
図4は、第1成形型10の斜視図である。
図2から図4に示すように、第1成形型10は、直方体のブロック状に形成された金型である。第1成形型10は、第1脆性材料板103を保持する第1面11を有している。
【0024】
第1面11は、研磨されている。第1面11の平面度は、積層体100の成型後の平面度に影響するため、高精度の平面度が必要なほど小さい方が好ましい。第1面11に例えばラップ研磨等を施すことにより、積層体100は、1μm以下の平面度を得ることができる。第1脆性材料板103は、第1面11の中央部に配置される。第1面11のうち第1脆性材料板103が配置される箇所には、吸着溝12が形成されている。
【0025】
吸着溝12は、格子状に形成されている。吸着溝12は、第1成形型10の側面に設けられた筒状の真空引き部13と連通している。真空引き部13には、不図示の真空ポンプが接続される。これにより、吸着溝12によって第1脆性材料板103が吸着されるように保持される。
【0026】
第1面11のうち第1脆性材料板103が配置される箇所の外側には、3個の位置決め凸部14及び3個の位置決め凹部15が設けられている。これら位置決め凸部14及び位置決め凹部15は、第1成形型10に対する第2成形型20の位置決めを行う役割を有するとともに、第1成形型10に対する第1脆性材料板103の位置決めを行う役割を有する(詳細は後述する)。位置決め凸部14と位置決め凹部15とは、平面視で吸着溝12を囲むように周方向に交互に設けられている。
【0027】
第1面11のうち位置決め凸部14及び位置決め凹部15の外側には、これら位置決め凸部14及び位置決め凹部15の周囲を取り囲むようにかつ、第1脆性材料板103の長手方向と同じ方向に長くなるように矩形枠状に形成されたシート16が配置されている。シート16は、第1面11における位置決め凸部14及び位置決め凹部15よりも面方向外側全体にわたって設けられている。シート16は、例えばポリ4フッ化エチレンを主構成とするシートである。シート16は、第1脆性材料板103に塗布した樹脂2が成型途中に第1脆性材料板103の外側に漏れてしまった場合、第1成形型10から樹脂2の清掃をし易くするためのものである。
【0028】
シート16における2本の長辺には、3つの貫通孔16aが等間隔で形成されている。シート16の一の長辺における3つの貫通孔16aのうち中間の貫通孔16aは、シート16の長手方向中間部に配置されている。各貫通孔16a内には、スペーサ5が1個ずつ配置されている。貫通孔16aによって、スペーサ5は、第1面11上にシート16を介さずに直接配置されている。
【0029】
スペーサ5は、第1面11と後述する第2成形型20の第2面21との対向状態での第1面11と第2面21との間隔を一定に保つための部材である。スペーサ5は、球体状に形成されている。スペーサ5は、磁性体である。スペーサ5は、例えばタングステン製の鋼球である。スペーサ5の直径の精度は、積層体100の成型後の平面度に影響するため、高精度の平面度が必要なほど精度が良い方が好ましい。スペーサ5として、例えばベアリング鋼球で且つ等級が良いものであれば、直径精度±0.1μm程度のものも用いることができる。スペーサ5の硬度は、第1成形型10及び第2成形型20の硬度よりも大きい。スペーサ5の線膨張係数は、第1成形型10及び第2成形型20の線膨張係数よりも小さい。第1面11には、磁石6が埋め込まれている。磁石6は、スペーサ5の下方に設けられている。
【0030】
(第2成形型)
図2及び図3に示すように、第2成形型20は、第1成形型10と同様の構成を備えている。第2成形型20の構成のうち第1成形型10と同様の構成については、同一の名称を付して説明を適宜省略する。
第2成形型20は、第2脆性材料板104を保持する第2面21を有している。第2成形型20の第2面21は、第1成形型10と第2成形型20とを重ね合わせた場合に、第1成形型10の第1面11と対向する。第2面21の平面度は、積層体100の成型後の平面度に影響するため、高精度の平面度が必要なほど小さい方が好ましい。第2面21に例えばラップ研磨等を施すことにより、積層体100は、1μm以下の平面度を得ることができる。
第2面21には、吸着溝12が設けられている。吸着溝12は、第2成形型20の側面に設けられた筒状の真空引き部13と連通している。
第2面21には、第1成形型10の位置決め凹部15と嵌め合わされる位置決め凸部14と、第1成形型10の位置決め凸部14と嵌め合わされる位置決め凹部15と、が設けられている。
【0031】
(台座)
台座30は、第1成形型10が取り付けられる第1ベース部31と、第1ベース部31を昇降可能に支持する昇降機構32(請求項の距離調整機構の例示)と、を有している。
【0032】
第1ベース部31は、ベース板31aと、ベース本体31bと、を有している。ベース板31aは、矩形板状に形成されている。ベース板31aには、第1面11とは反対側の第1成形型10の面が後述する取付機構60を介して取り付けられている。ベース本体31bは、ベース板31aが水平方向に沿うようにベース板31aを下方から支持している。
昇降機構32は、ボルト34によってベース本体31bに締結されている。昇降機構32には、第1ベース部31の昇降を操作する操作部33が設けられている。操作部33は、例えば図示しないピニオン・ラックを介して昇降機構32に連係されている。操作部33を回転させることにより、第1ベース部31が昇降される。
【0033】
(スイング機構)
スイング機構40は、台座30から離間した位置に設けられている。スイング機構40は、第2成形型20を第2面21の法線方向に沿って揺動可能(回転可能)に支持するとともに第1面11に対して第2面21を接近、離間させる部材である。スイング機構40は、第2成形型20が取り付けられるアーム41(請求項の支持部材の例示)と、アーム41を揺動可能に支持する支持台42と、を備えている。
アーム41は、第2成形型20の長手方向と同一方向に長い矩形板状に形成されている。アーム41には、第2面21とは反対側の第2成形型20の面が取付機構60を介して取り付けられている。すなわち、アーム41は、第2成形型20を保持している。
【0034】
支持台42は、アーム41における長手方向の一端部に接続されるヒンジ(蝶番)43と、ヒンジ43が取り付けられた支持台本体部44と、支持台本体部44上に取り付けられた保持部45と、を備えている。
【0035】
支持台本体部44は、水平方向に沿う天板部44aと、天板部44aを下方から支持する4本の支持脚44bと、を有している。このような支持台本体部44における天板部44aの外周縁部に、ヒンジ43が設けられている。
支持台42は、ヒンジ43にてアーム41の揺動運動(回転運動)を行っている。ヒンジ43は、アーム41を任意の角度に保持するためのダンパー機構を備えてもよい。
保持部45は、支持台本体部44の天板部44aの上面に取り付けられている。保持部45は、天板部44aから鉛直上向き延びる鉛直板45aと、鉛直板45aの上端部から上方に向かって延びる傾斜板45bと、を有している。傾斜板45bは、上方に向かうに従い台座30から離間する方向に延びている。傾斜板45bの上面には、第1成形型10に重ね合わされる前の第2成形型20が保持される。
【0036】
(ステージ台)
ステージ台50は、台座30及びスイング機構40が上面に固定された本体板51と、本体板51を下方から支持する4つの支持脚52と、を有している。
本体板51は平面視で矩形板状に形成されている。本体板51は、水平方向に沿っている。本体板51の上面には、傾き調整機構70が設けられている。
【0037】
(傾き調整機構)
傾き調整機構70は、台座30を挟んでスイング機構40とは反対側に設けられている。傾き調整機構70は、傾き調整本体74と、傾き調整本体74に取り付けられたボルト75と、を有している。
傾き調整本体74は、水平方向に沿う天板部74aと、天板部74aを下方から支持する4本の支持脚74bと、を有している。
ボルト75は、第1成形型10と第2成形型20とを重ね合わせた場合に、上下方向から見てアーム41と重なる位置に設けられている。ボルト75は、軸方向が上下方向に沿うように天板部74aに螺合されている。ボルト75の上端部は、ボルト75の回転によって上下方向に移動する。これにより、第1成形型10と第2成形型20とを重ね合わせる際に、アーム41を下方から押し上げて、第1成形型10に対して第2成形型20を傾けた状態に保持できる。傾き調整機構70は、例えば脆性材料板103,104同士を傾けた状態で積層体100を成型する場合に使用される。
【0038】
(取付機構)
取付機構60は、第1成形型10を台座30の第1ベース部31に対して着脱自在に取り付ける第1取付部61と、第2成形型20をスイング機構40のアーム41に対して着脱自在に取り付ける第2取付部62と、を有している。
第1取付部61は、矩形板状に形成されている。第1取付部61は、第1弾性シート7を介して第1成形型10と一体化されている。第1取付部61は、例えば不図示のボルトによって第1ベース部31に対して着脱自在に取り付けられている。
第2取付部62は、矩形板状に形成されている。第2取付部62は、第2弾性シート8を介して第2成形型20と一体化されている。第2取付部62は、複数のボルト63によってアーム41に対して着脱自在に取り付けられている。
【0039】
図5は、第1成形型10と第2成形型20とが重ね合わされた状態を示す斜視図である。
図5に示すように、第1取付部61及び第2取付部62は、それぞれ台座30及びスイング機構40から取り外された状態において、四隅をボルト64によって締結することにより、一体化される。
【0040】
(成型方法)
以下、成型装置1を用いた積層体100の成型方法について説明する。
積層体100の成型方法は、2枚の脆性材料板103,104を第1成形型10及び第2成形型20にそれぞれ配置する配置工程と、配置工程の後、脆性材料板103,104に樹脂2を塗布する塗布工程と、塗布工程の後、2枚の脆性材料板103,104を重ね合わせる重ね合わせ工程と、重ね合わせ工程の後、2枚の脆性材料板103,104を重ね合わせた状態で、成型装置1から第1成形型10及び第2成形型20を取り外す取り外し工程と、取り外し工程の後、樹脂2を硬化する硬化工程と、を有している。
【0041】
(配置工程)
配置工程では、第1成形型10の第1面11に第1脆性材料板103を配置するとともに、第2成形型20の第2面21に第2脆性材料板104を配置する。この時、第1脆性材料板103を第1成形型10の位置決め凸部14に接するように配置することで、第1脆性材料板103が第1面11上に位置決めされる。第2脆性材料板104を第2成形型20の位置決め凸部14に接するように配置することで、第2脆性材料板104が第2面21上に位置決めされる。その後、第1成形型10の真空引き部13及び第2成形型20の真空引き部13から真空引きを行うことにより、第1脆性材料板103及び第2脆性材料板104がそれぞれ第1成形型10及び第2成形型20に吸着される。これにより、第1脆性材料板103及び第2脆性材料板104がそれぞれ第1成形型10及び第2成形型20に保持される。
【0042】
(塗布工程)
図6は、樹脂2の塗布状態を説明する模式図である。
図2図3及び図6に示すように、塗布工程では、第1脆性材料板103の第1樹脂面103aに、粘性を有する液体状の樹脂2を塗布する。樹脂2は、例えば平面視で第1脆性材料板103の長手方向に沿う直線部2aと、直線部2aの長手方向両端部に位置し、直線部2aから第1脆性材料板103の長手方向に離間するにつれて脆性材料板103の短手方向に広がる末広がり部2bと、を有する形状となるように塗布することが望ましい。
【0043】
(重ね合わせ工程)
重ね合わせ工程は、ヒンジ43を中心軸としてアーム41を保持部45から台座30に向けて手動で揺動(回動)させる揺動工程と、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとを重ね合わせる際に第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔を一定にする厚さ調整工程と、を有している。
【0044】
(揺動工程)
揺動工程では、第2成形型20がヒンジ43を中心軸として揺動し、第2成形型20が第1成形型10に向かって斜めに接近する。これにより、第1成形型10の第1面11に対して第2成形型20の第2面21は、互いに対向状態となり、第1樹脂面103aに対して傾けながら第2樹脂面104aが重ね合わされる。第1樹脂面103aに第2樹脂面104aを重ね合わせる際、第1成形型10の位置決め凸部14が第2成形型20の位置決め凹部15内に配置され、第2成形型20の位置決め凸部14が第1成形型10の位置決め凹部15内に配置されるようにする。これにより、第1樹脂面103aに対して第2樹脂面104aが位置決めされるので、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとを精度良く重ね合わせることができる。第2樹脂面104aは、第1樹脂面103aに対して斜めに接近するため、樹脂2が第1脆性材料板103における長手方向の一端(末広がり部2b)から他端に押し広げられるように塗り広げられる。末広がり部2bによって、樹脂2が塗拡げられやすくなり、かつ、樹脂2が塗り広げられる際に2枚の脆性材料板103,104間の空気がスムーズに外部に押出される。これにより、樹脂2の内部に気泡が発生することが抑制される。
【0045】
(厚さ調整工程)
図7は、厚さ調整工程において、脆性材料板103,104同士を接近させる前の状態を示す模式図である。
図8は、厚さ調整工程において、脆性材料板103,104同士を接近させた後の状態を示す模式図である。
厚さ調整工程は、昇降機構32の操作部33を手動で回して、第1成形型10を昇降させて行われる。厚さ調整工程は、例えば揺動工程の後に行われる。具体的には、第1成形型10を上昇させることにより、第1面11と対向状態にある第2面21に第1面11を接近させる(図7図8参照)。これにより、2枚の脆性材料板103,104に挟まれた樹脂2が押し潰される。第1面11に設けられたスペーサ5に第2面21が接触したとき、第1成形型10の昇降を停止させる。スペーサ5は、第1面11上にシート16を介さずに直接配置されているので、第1面11と第2面21との間隔を高精度に一定に保つことができる。これにより、第1面11と第2面21との間隔を一定に調整されるので、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔も一定に調整される。このとき、第1弾性シート7及び第2弾性シート8によって、第1成形型10と第2成形型20との間の傾きが吸収される。このため、第1面11と第2面21との間隔がより高精度に一定に維持される。
【0046】
(取り外し工程)
取り外し工程では、第1成形型10を第1取付部61ごと台座30から取り外し、第2成形型20を第2取付部62ごとスイング機構40から取り外す。このとき、第1成形型10と第2成形型20とを一体となって取り外す(図5参照)。その後、第1成形型10と第2成形型20とが重ね合わされた状態を維持するため、ボルト64により、第1成形型10と第2成形型20とを締結固定する。
【0047】
(硬化工程)
硬化工程では、成型装置1から取り外した第1成形型10及び第2成形型20に処理を施し樹脂2を硬化させる。樹脂2を硬化させる処理として、例えば加熱処理や、100℃以下で放置する方法等が挙げられる。樹脂2は、硬化することにより樹脂材料層102に変化する。樹脂材料層102によって2枚の脆性材料板103,104が一体化され、積層体100が成型される。
樹脂2の硬化中に、別の第1成形型10及び第2成形型20を成型装置1に取り付けて、次の積層体100の成型を開始する。
【0048】
(作用効果)
本実施形態の成型装置1は、第2成形型20を第2面21の法線方向に沿って揺動可能に支持するとともに第1面11に対して第2面21を接近、離間させるスイング機構40を備えている。
この構成によれば、成型装置1は、スイング機構40により第2成形型20を揺動させるだけで、第1面11に対して第2面21を傾けながら対向させることができる。これにより、成型装置1は、第1脆性材料板103に対して第2脆性材料板104を傾けながら重ね合わせることができる。このため、成型装置1は、第1樹脂面103aに樹脂2を塗布した状態で、第1樹脂面103aに第2樹脂面104aを重ね合わせることにより、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとに樹脂2を塗り広げることができる。この場合、樹脂2が第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとによって2枚の脆性材料板103,104間の空気を外部に押出しながら塗り広げられる。これにより、成型装置1は、樹脂2の内部に気泡が混入することを抑制できる。したがって、成型装置1は、積層体100を容易かつ高精度に成型できるので、作業性を向上できる。
成型装置1は、第1面11と第2面21との対向状態での第1面11と第2面21との間隔を一定に保つためのスペーサ5を備えている。
この構成によれば、成型装置1は、スペーサ5によって第1面11と第2面21との間隔を簡素な構造で一定に保つことができる。これにより、成型装置1は、第1面11に保持される第1成形型10と第2面21に保持される第2成形型20との間隔を一定に保つことができる。よって、成型装置1は、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔を一定に保つことができるので、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間に形成される樹脂材料層102の厚さを一定に保つことができる。したがって、成型装置1は、積層体100に対して高精度の平面度の調整を容易に行うことができるので、作業性を向上できる。
成型装置1は、スイング機構40とスペーサ5とから成る簡単な構成によって、上述の作用効果を発揮できる。このため、成形型間の間隔を調整するために例えばマイクロメータ等が実装される場合と比較して、安価に成型装置1を製造できる。このように、成型装置1のコストを抑えられるため、成型装置1の量産性も向上できる。
【0049】
本実施形態の成型装置1では、スペーサ5は磁性体である。第1面11は、スペーサ5の位置決めを行う磁石6を有する。
この構成によれば、スペーサ5を磁石6の下方に配置するだけで、スペーサ5は、磁力によって磁石6の近傍に位置決めされる。これにより、スペーサ5を位置決めするための部材を設ける必要がなくなる。したがって、成型装置1を容易に製造できるので、成型装置1の量産性を向上できる。
【0050】
本実施形態の成型装置1では、スペーサ5は鋼球である。
この構成によれば、スペーサ5は球状に形成されているので、スペーサ5が第1面11及び第2面21に当接する際、スペーサ5は、第1面11及び第2面21に対して点接触する。これにより、成型装置1は、スペーサ5が例えば円柱状やシート状に形成される場合と比較して、スペーサ5と第1面11及び第2面21との接触面積を縮小できる。このため、成型装置1は、スペーサ5の配置によって第1面11と第2面21との間隔が変化してしまうことを抑制できる。したがって、成型装置1は、スペーサ5として厚み精度の優れた鋼球を用いる事で、積層体100に対して高精度の平面度調整を行うことができる。加えて、スペーサ5は、磁石6からの磁力によって位置決めされている。これにより、成型装置1は、使用中にスペーサ5が転がって移動してしまうことを抑制できるので、作業性を向上できる。
【0051】
本実施形態の成型装置1では、スペーサ5の硬度は、第1成形型10及び第2成形型20の硬度よりも高い。
この構成によれば、成型装置1は、スペーサ5が第1成形型10及び第2成形型20に当接した際に、スペーサ5が変形することを抑制できる。これにより、成型装置1は、第1面11と第2面21との対向状態での第1面11と第2面21との間隔をより高精度に一定に保つことができる。
【0052】
本実施形態の成型装置1では、スペーサ5の線膨張係数は、第1成形型10及び第2成形型20の線膨張係数よりも小さい。
この構成によれば、例えば樹脂2を硬化させるために第1成形型10及び第2成形型20を加熱する際、成型装置1は、スペーサ5が第1成形型10及び第2成形型20以上に熱膨張することを抑制できる。これにより、第1成形型10及び第2成形型20を加熱する場合であっても、成型装置1は、第1面11と第2面21との対向状態での第1面11と第2面21との間隔をより高精度に一定に保つことができる。したがって、成型装置1は、積層体100に対して高精度の平面度調整を行うことができる。
【0053】
本実施形態の成型装置1では、台座30に対して第1成形型10が着脱自在に設けられているとともに、スイング機構40に対して第2成形型20が着脱自在に設けられている。
この構成によれば、2枚の脆性材料板103,104によって樹脂2が挟み込まれた状態で、第1成形型10及び第2成形型20を成型装置1から取り外すことができる。これにより、樹脂2を硬化させている間に、別の第1成形型10及び第2成形型20を成型装置1に取り付け、次の積層体100の成型を開始できる。したがって、成型装置1を用いた場合の作業性を向上できる。
【0054】
本実施形態の成型装置1では、台座30は、昇降機構32を有している。
この構成によれば、成型装置1は、昇降機構32によって、第1面11と第2面21との対向状態において、第1面11と第2面21との離間距離を調整できる。これにより、成型装置1は、第1面11に保持される第1脆性材料板103と第2面21に保持される第2脆性材料板104との離間距離を調整できる。よって、成型装置1は、2枚の脆性材料板103,104によって挟み込まれて形成される樹脂材料層102の厚さを調整できる。したがって、成型装置1は、より高精度に積層体100を成型できる。
昇降機構32は、第1成形型10を適宜下降させることができる。これにより、成型装置1は、第2成形型20が第1成形型10に対して斜めに接近する際に、第1成形型10と第2成形型20とが接触してしまうことを防止できる。
【0055】
本実施形態の成型方法は、塗布工程の後、第1樹脂面103aに対して傾けながら第2樹脂面104aを重ね合わせ、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとに樹脂2を塗り広げる重ね合わせ工程を有している。
この構成によれば、樹脂2が第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとによって2枚の脆性材料板103,104間の空気を外部に押出しながら塗り広げられる。これにより、樹脂2の内部に気泡が混入することを抑制できる。したがって、積層体100を容易かつ高精度に成型できるので、作業性を向上できる。
重ね合わせ工程は、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとを重ね合わせる際に第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔を一定にする厚さ調整工程を有している。
この構成によれば、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔を一定にできるので、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間に形成される樹脂材料層102の厚さを一定にできる。したがって、積層体100に対して、高精度の平面度の調整を容易に行うことができるので、作業性を向上できる。
本実施形態の成型方法は、上述した重ね合わせ工程を行うだけで、上述の作用効果を発揮できる。このため、安価に積層体100を成型できる。このように、積層体100の成型コストを抑えられるので、量産性も向上できる。
【0056】
本実施形態の成型方法は、台座30から第1成形型10を取り外すとともにアーム41からを第取り外す取り出し工程を有している。
この構成によれば、2枚の脆性材料板103,104によって樹脂2が挟み込まれた状態で、第1成形型10及び第2成形型20を成型装置1から取り外すことができる。これにより、樹脂2を硬化させている間に、別の第1成形型10及び第2成形型20を成型装置1に取り付け、次の積層体100の成型を開始できる。したがって、成型装置1を用いた場合の作業性を向上できる。
【0057】
本実施形態の成型方法では、厚さ調整工程は、第1成形型10と第2成形型20との間にスペーサ5を配置して行われる。
本実施形態の成型方法は、上述した重ね合わせ工程を行うだけで、上述の作用効果を発揮できる。このため、第1樹脂面103aと第2樹脂面104aとの間隔を調整するために例えばマイクロメータ等を使用する必要がないので、安価に積層体100を成型できる。このように、積層体100の成型コストを抑えられるため、量産性も向上できる。
【0058】
上述の実施形態では、第1成形型10に場合にスペーサ5が設けられている場合について説明したが、これに限られない。スペーサ5は、第2成形型20に設けられてもよい。この場合、磁石6は、第2成形型20の第2面21に設けられる。
【0059】
上述の実施形態では、スペーサ5が球状に形成されている場合について説明したが、これに限られない。スペーサ5は、例えば円柱状やシート状に形成されてもよい。
【0060】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせても構わない。
【0061】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明の成型装置及び成型方法は、安価に作業性及び量産性を向上できる。本発明の成型装置及び成型方法によって得られる積層体は、例えばARグラス用の導光板等、種々の機器に用いられる。
【符号の説明】
【0063】
1 成型装置
2 樹脂
5 スペーサ
6 磁石
10 第1成形型
11 第1面
20 第2成形型
21 第2面
30 台座
32 昇降機構(距離調整機構)
40 スイング機構
41 アーム(支持部材)
100 積層体
102 樹脂材料層
103 第1脆性材料板(第1部材)
103a 第1樹脂面
104 第2脆性材料板(第2部材)
104a 第2樹脂面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8