(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】3-D NANDアプリケーションでのプラグ充填堆積の装置および方法
(51)【国際特許分類】
H10B 43/27 20230101AFI20240423BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240423BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20240423BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H10B43/27
H01L29/78 371
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020023279
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2023-01-31
(32)【優先日】2019-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519237203
【氏名又は名称】エーエスエム・アイピー・ホールディング・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ボク・ホン・キム
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・コーエン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドロス・デモス
【審査官】小山 満
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第09449987(US,B1)
【文献】米国特許第08470671(US,B1)
【文献】特開2004-207695(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0003076(US,A1)
【文献】特表2018-534765(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0122905(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0236746(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0229472(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0062454(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0364488(US,A1)
【文献】米国特許第09559051(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H10B 43/27
H01L 21/336
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に3-D NANDデバイスを形成する方法であって、
半導体基材上に二重層構造を堆積させることであって、前記二重層構造が酸化物層および窒化物層の交互層を含む、堆積することと、
前記二重層構造内のチャネル穴を第一の化学物質でエッチングすることと、
前記チャネル穴の前記二重層構造の上部、および前記二重層構造の側面にライナーを堆積させることと、
前記チャネル穴にプラグ充填を堆積させることであって、前記プラグ充填が、シリコンゲルマニウムプラグ
を含む、堆積させることと、
前記プラグ充填を研磨することと、
前記プラグ充填を第二の化学物質でエッチングすることと、
前記ライナーを除去することと、を含み、
上記のステップのいずれかが繰り返されて、前記3-D NANDデバイスの所望の高さを形成
し、
前記チャネル穴にプラグ充填を堆積させることが、
前記チャネル穴にプラグ層を堆積するステップと、
前記プラグ層の一部をエッチバックするステップと、
前記プラグ層の前記上部を、ゲルマニウム、シリコン、またはシリコンゲルマニウム合金のうちの少なくとも一つでピンチングするステップと、を含み、
前記プラグ層がシリコンゲルマニウムを含み、
前記上部の前記ピンチングが前記プラグ層の空隙を形成し、前記空隙のサイズは制御可能である、方法。
【請求項2】
前記ライナーが、酸化ゲルマニウム、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、窒化ゲルマニウム(GeN)、または純粋なシリコン(Si)のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記プラグ充填のゲルマニウム含有量が1%
以上100%
未満の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第一の化学物質が、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)
、臭化水素酸(HBr)、または前述の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の化学物質が
、水酸化アンモニウム、過酸化水素、水、チロキシン5-デヨードナーゼ;硝酸(HNO
3)、(トリメチルシリル)ジメチルヒドラジン(TDMH)、または前述のいずれかの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記プラグ充填を研磨する前記ステップが、化学機械研磨(CMP)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル穴に前記プラグ充填を堆積させる前記ステップが、ドーパントでin-situドーピングすることをさらに含み、前記ドーパントは、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、ホウ素(B)、リン酸(P)、ヒ素(As)、またはアルミニウム(Al)のうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記チャネル穴に前記プラグ層を堆積する前記ステップが、
シリコン前駆体を含み、前記
シリコン前駆体が、シラン、ジシラン、トリシラン、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ネオペンタシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシランまたは前述の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項9】
前記チャネル穴に前記プラグ層を堆積する前記ステップが、ゲルマニウム前駆体の流れを含み、前記ゲルマニウム前駆体が、ゲルマン、ジゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマン、ゲルマニウムアルコキシド、または前述の組み合わせのうちの少なくとも一つを含む、請求項
1に記載の方法。
【請求項10】
3-D NANDデバイスを形成するための装置であって、前記装置が請求項1の方法を実施するように構成されている、装置。
【請求項11】
前記装置が、垂直炉システム、バッチ式反応器システム、または単一ウェハ反応器システムのうち少なくとも一つを備える、請求項
10に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年2月20日に出願され、「APPARATUS AND METHODS FOR PLUG FILL DEPOSITION IN 3-D NAND APPLICATIONs」と題された、米国仮特許出願第62/807,989号の非仮特許出願であり、その優先権および利益を主張し、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は一般に、Not-AND(NAND)デバイスを形成するための装置および方法に関する。より具体的には、本開示は、酸窒化層スタックの一部で作製された3-D NANDデバイス用のプラグ充填の堆積に関する。NANDデバイスを形成するための装置および方法は、低コストおよびより高スループットでデバイス構造の適切な形成を達成するための犠牲材料および製造スキームの使用を含みうる。
【背景技術】
【0003】
NANDデバイスは、例えば、フラッシュメモリなどのアプリケーションで使用可能な論理ゲートである。NANDデバイスの製造は、基材上に配置された層のチャネル穴の形成を含みうる。その後、チャネル穴は犠牲材料で充填され、その後除去されうる。NANDデバイス100のプロセス製造の一例が、
図1A~1Dに図示されている。NANDデバイス100は、基材110、窒化物層120、および酸化物層130を含みうる。窒化物層120および酸化物層130の堆積は、必要に応じてスタックを形成するために繰り返される。
【0004】
図1Aに示すように、NANDデバイス100は、二つの窒化物層120と二つの酸化物層130を交互に含む第一のスタック140を備える。NANDデバイス100はまた、二つの窒化物層120と二つの酸化物層130を交互に含む第二のスタック150を備える。第一のスタック140および第二のスタック150は、窒化物層120と酸化物層130の追加的に交互に含んでもよい。
【0005】
窒化物層120および酸化物層130は、
図1Bに示す通り、チャネル穴を形成するためのエッチングプロセスを受ける。エッチングプロセスは、NF3、CHF、SF6、CF4、およびそれらの混合物などのフッ素系の酸化物または窒化物のドライエッチング化学を含みうる。ドライエッチング化学は、一部の場合に酸素またはオゾンを含みうる。
図1Cは、チャネル穴またはメモリ穴と呼ばれるものを形成するためのドライエッチングプロセス後のライナーを形成するための第一のプロセス、プラグ充填を形成するための第二のプロセス、および第三の研磨プロセスを受けた後のNANDデバイス100を図示したものである。次いで、NANDデバイス100は、ライナー160およびプラグ充填170を備える。ライナー160は、例えば、酸化ケイ素(SiO
x)を含んでもよい。
【0006】
プラグ充填170は、ポリシリコン、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、酸化アルミニウム(AlOx)、炭化金属、炭化タングステン(WC)、ホウ炭化タングステン(WBC)、窒化金属、または上記のいずれかの組み合わせを含みうる。プラグ充填170に使用される材料に応じて、統合に関連することによって不具合が起こるため、コストが増大し、不安定性のリスクが大きくなりうる。プラグ充填170は、スタック140の底部にあるチャネル穴またはメモリ穴を保護するために使用される犠牲材料を含みうる。キャップ(図示せず)はまた、プラグ充填170の上部に随意に配置されてもよい。キャップは、窒化チタン、窒化タングステン、または窒化アルミニウムなどの窒化金属を含みうる。
【0007】
第三の研磨プロセスは、化学機械研磨(CMP)であってもよい。第三の研磨プロセスの後、追加的な酸窒化層スタックを、スタック150、ライナー160、およびプラグ充填170の上部に追加してもよい。
【0008】
しかし、チャネル穴がライナー160とプラグ充填170で充填された後、ライナー160およびプラグ充填170は、犠牲材料としての役割で取り除かれなければならないという点に至る場合がある。プラグ充填170は、水酸化アンモニウム(NH4OH)、過酸化水素(H2O2)、水(H2O)、HNO3、TDMH、または前述の組み合わせのうち、少なくとも一つを使用してウェットエッチングプロセスで除去されうる。プラグ充填170は、例えば、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、または臭化水素酸(HBr)などのハロゲン化物化学物質を使用してドライエッチングによって除去されてもよい。ウェットクリーニングプロセスは、HF混合物に続いて、ライナー(160)を除去することができる。
【0009】
図1Dは、除去が行われた後のNANDデバイス100を図示する。しかし、化学物質は、ライナー160および/またはプラグ充填170の除去に使用される化学物質によって、窒化物層120または酸化物層130のいずれかに残留物180を残すおよび/または損傷190を引き起こす場合がある。残留物180および損傷190は、NANDデバイス100を使用不可能にする場合がある。さらに、ライナー160およびプラグ充填170の除去は、ライナー160およびプラグ充填170を除去する時間が、不必要に長いことを意味する、低速エッチング速度で行うことができる。これは、例えば、再結晶化シリコンまたは(111)配向結晶化のシリコンで形成されるプラグ充填170の結果でありうる。再結晶化シリコンは、追加的スタックを形成するときにアニールプロセスにより生じる場合がある。
【0010】
さらに、起こりうる追加的な問題は、追加的なスタックが第一のスタック140および第二のスタック150の上部に配置されるときのスタックの誤整列である。誤整列は、製造中に異なるスタック、ライナー160、および/またはプラグ充填170に加えられた応力の結果でありうる。
【0011】
結果として、チャネル穴および良好な構造的完全性に、残留物および損傷を最小限に抑えるかまたはなくしながら、低コストおよび高スループットでNANDデバイスを形成するための装置および方法を達成することが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明の概要は、概念の選択を簡略化した形で紹介するように提供する。これらの概念について、以下の本開示の例示的な実施形態の「発明を実施するための形態」において、更に詳細に説明される。この発明の概要は、特許請求される主題の主要な特徴または本質的な特徴を特定することは意図しておらず、特許請求される主題の範囲を限定するために使用することも意図していない。
【0013】
本発明の少なくとも一つの実施形態による方法が開示されており、方法は、基材上に3-D NANDデバイスを形成する方法を含む。さまざまな実施形態では、方法は、半導体基材上に二重層構造を堆積させることであって、二重層構造は酸化物層と窒化物層を交互に含む、堆積させることと、第一の化学物質で二重層構造のチャネル穴をエッチングすることと、チャネル穴で二重層構造の上部および/または二重層構造の側面にライナーを堆積させることと、プラブ充填をチャネル穴に堆積させることとを含んでもよく、プラグ充填は空隙、およびシリコンゲルマニウムプラグまたはグレーデッド(graded)ゲルマニウムプラグ、プラグ充填の研磨、第二の化学物質を有するプラグ充填のエッチング、および/またはライナーの除去から少なくとも一つを含み、上記のステップのうちのいずれかが繰り返されて、所望の高さの3-D NANDデバイスを形成する。
【0014】
本明細書で開示される本発明のこれらおよび他の特徴、態様、ならびに利点は、ある特定の実施形態の図面を参照して以下に記載され、これは例示することを意図しており、本発明を限定することを意図してはいない。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1A~1Dは、従来技術のプロセスを介して形成されたNANDデバイスの断面図である。
【
図2-1】
図2A~2Iは、本発明の少なくとも一つの実施形態によって形成されたNANDデバイスの断面図である。
【
図3】
図3は、本発明の少なくとも一つの実施形態によるプロセスフロー図である。
【
図4】
図4は、本発明の少なくとも一つの実施形態によって形成されたNANDデバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当然のことながら、図内の要素は、単純化および明瞭化のために例示されており、必ずしも実寸に比例して描かれていない。例えば、図内の要素のうちの幾つかの寸法は、本開示の例示された実施形態の理解の向上を助けるために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。
【0017】
いくつかの実施形態および実施例を以下に開示するが、本発明が、具体的に開示する本発明の実施形態および/または用途、並びにその明白な変更および均等物を超えて拡大することは、当業者により理解されるであろう。それ故に、開示される本発明の範囲は、以下に説明される特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0018】
本明細書に示される図は、任意の特定の材料、構造またはデバイスの実際の図であることを意味せず、本開示の実施形態を説明するために使用される、単に理想化された表現にすぎない。
【0019】
三次元(3-D)非AND(NAND)デバイスは、メモリアプリケーションで利用されうる。3-D NANDデバイスは、互いに配置された二重層のスタックを伴いうる。二重層は、例えば、酸化物および窒化物を含みうる。他のスタックに複数の二重層のスタックを配置するとき、層のアライメントおよび応力、ならびに異なる特性が重要になる場合がある。
【0020】
図2Aは、本発明の少なくとも一つの実施形態による3-D NANDデバイス200を図示する。デバイス200は、基材210、窒化物層220、および酸化物層230を含む。基材210は、ケイ素、酸化ケイ素、および/または酸化金属を含んでもよい。窒化物層220は、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウム(SiGeN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸窒化ゲルマニウム(GeON)、またはその組み合わせのうちの少なくとも一つを含んでもよい。酸化物層230は、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化シリコンゲルマニウム(SiGeOx)、酸窒化ゲルマニウム(GeON)、酸窒化シリコン(SiON)、またはその組み合わせのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0021】
次に、デバイス200は、プロセスを通して、ウェットエッチングプロセスまたはドライエッチングプロセスによってチャネル穴またはメモリ穴を形成し、その結果、
図2Bに示されるデバイス200を生じうる。ドライエッチングプロセスは、例えば、NF
3、CHF、SF
6、CF
4、およびそれらの混合物などのフッ素系を用いたハロゲン化物化学物質を利用してもよい。ドライエッチングプロセスは、例えば、遠隔プラズマシステムを含みうる。 ドライエッチング化学は、一部の場合に酸素またはオゾンを含みうる。
【0022】
その後、
図2Cに示すように、ライナー240をデバイス200に追加してもよい。ライナー240は、酸化ゲルマニウム、ゲルマニウム(Ge)、シリコンゲルマニウム(SiGe)、窒化ゲルマニウム(GeN)、または純粋なシリコン(Si)のうちの少なくとも一つを含みうる。ライナー240は、酸化物層230/窒化物層220の二重層スタックの上部および/または側面を覆うことができる。ライナー240はまた、基材210の露出した部分を覆うように延びてもよい。ライナー240は、例えば、原子層堆積(ALD)プロセス、化学蒸着(CVD)プロセス、またはエピタキシャルプロセスを介して堆積されうる。
【0023】
図2Dは、3-Dプラグ充填が発生した後の結果を図示する。デバイス200は、プラグ充填250および空隙260を備える。プラグ充填250は、シリコンゲルマニウム(SiGe)またはグレーデッドゲルマニウムのうちの少なくとも一つを含みうる。SiGeプラグ充填250のゲルマニウムの濃度は、1%~100%の範囲でありうる。ゲルマニウム含有量は、例えば、エッチングプロセスおよび熱安定性の除去速度など、3D NANDの後続プロセスステップで必要とされる望ましい材料特性を得るために調節されうる。
【0024】
プラグ充填250の形状は、3-Dプラグ充填に使用されるプロセスに応じて、空隙260のサイズと同様に異なる場合がある。空隙260を形成する結果として、プラグ充填250は完全に充填されるか、完全に充填されないため、穴の内側で空隙またはピンチオフと呼ばれるものが生じる。空隙またはピンチオフは、プロセスの後半でプラグ充填250の除去中により迅速な除去をもたらし、それによってエッチング化学物質によるデバイス損傷と製造時間を減少させ、スループットを増加させることができる。空隙またはピンチオフは、本発明の特定の実施形態に存在しない場合がある。
【0025】
プラグ充填250および空隙260は、堆積ステップを含むin-situプロセス、ハロゲン化物化学物質を含むエッチバックステップ、およびピンチオフステップを介して形成されうる。堆積ステップは、熱反応、プラズマ反応、プラズマ増強反応または高密度プラズマ(HDP)化学蒸着(CVD)プロセスによって生じうる。堆積ステップには、シラン、ジシラン、トリシラン、クロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、テトラクロロシラン、ネオペンタシラン、メチルシラン、ジメチルシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、または前述の組み合わせなどのシリコン前駆体の流れが含まれうる。堆積ステップは、例えばゲルマン、ジゲルマン、ジクロロゲルマン、トリクロロゲルマン、テトラクロロゲルマン、ゲルマニウムアルコキシド、または前述の組み合わせなどのゲルマニウム前駆体の流れも含みうる。堆積ステップは、例えば、シリル-ゲルマン前駆体などのシリコンおよびゲルマニウムの両方を含む前駆体を流すことも含みうる。堆積ステップは、ゲルマニウムのin-situドーピングを含みうる。in-situドーピングは、Ga、B、P、As、またはAlなどの原子で行うことができる。
【0026】
in-situプロセスは、ピンチオフステップを含んでもよく、ピンチオフステップは、空隙260を形成するために、シリコン、ゲルマニウム、またはそれらの組み合わせの堆積を含む。
【0027】
熱堆積ステップについては、圧力は、10Torr~800Torrの範囲であってもよく、温度は50°C~800°Cの範囲であってもよい。プラズマ増強反応またはHDP CVD堆積ステップについては、圧力は、10mTorr~100Torrの範囲であってもよく、温度は10°C~700°Cの範囲であってもよい。
【0028】
エッチバックステップに関与するハロゲン化物化学物質は、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、臭化水素酸(HBr)、または前述の組み合わせを含みうる。ドライエッチングプロセスは、例えば、遠隔プラズマシステムを含みうる。
【0029】
ゲルマニウム、シリコンまたはSiGeプラグ充填およびピンチオフステップは、厚さを正確に制御するために、減速した堆積速度でSiGe合金を堆積させることを含みうる。このステップはまた、SiGe合金における空隙を作り出すことができる。ゲルマニウムまたはシリコンまたはSiGeプラグ充填およびピンチオフステップは、Maらによって2018年8月6日に出願された、「MULTI-PORT GAS INJECTION SYSTEM AND REACTOR SYSTEM INCLUDING SAME」と題された、米国特許出願第16/055,532号に開示されている装置を使用して達成されてもよく、これは参照により本明細書に援用される。ゲルマニウム、シリコン、SiGeプラグ充填およびピンチオフステップは、Sreeramらによって2018年6月4日に出願された、「GAS DISTRIBUTION SYSTEM AND REACTOR SYSTEM INCLUDING SAME」と題された、米国特許出願第15/997,445号に開示されている装置を使用して代替的に達成されてもよく、これは参照により本明細書に援用される。これらの特許出願に記述された装置は、作成された空隙のサイズの調節を可能にしうる。
【0030】
プラグ充填250の過剰材料は、
図2Eに示すようにCMPプロセスを介して取り除かれてもよい。残留物は、第一のスタック270を形成する。水平面ができたら、ライナー240およびプラグ充填250に追加的なスタックが形成されうる。
【0031】
第二のスタック280が
図2Fに示されている。第一のスタック270のような第二のスタック280は、窒化物層220および酸化物層230の交互配置を含む。窒化物層220は、窒化ケイ素、窒化ゲルマニウム、窒化シリコン、窒化ゲルマニウム、窒化シリコンゲルマニウム(SiGeN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸窒化ゲルマニウム(GeON)、またはその組み合わせのうちの少なくとも一つを含んでもよい。酸化物層230は、酸化ケイ素、酸化ゲルマニウム、酸化シリコンゲルマニウム(SiGeOx)、酸窒化ゲルマニウム(GeON)、酸窒化シリコン(SiON)、またはその組み合わせのうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0032】
チャネル穴は次に、エッチングプロセスを介して第二のスタック280内に形成される。エッチングプロセスは、ドライエッチングまたはウェットエッチングプロセスであってもよい。エッチングプロセスは、フッ化水素酸(HF)、塩酸(HCl)、フッ化水素酸(HF)、または臭化水素酸(HBr)、または前述の組み合わせなどのハロゲン化物化学物質を利用しうる。
図2Gに示すように、ライナー240およびプラグ充填250は、エッチングプロセスの後に残留したままである。
【0033】
次いで、プラグ充填250は、水酸化アンモニウム、過酸化水素、水、チロキシン5-デヨードナーゼ、硝酸(HNO3)、(トリメチルシリル)ジメチルヒドラジン(TDMH)、または上記のいずれかの組み合わせのうちの少なくとも一つの流れを介して、ウェットエッチングプロセスで除去されてもよい。その流れは、その他のシリコンプラグを取り除くよりも速い速度で、プラグ充填250を取り除く。プラグ充填250のエッチング速度は、0.1~10000オングストローム/分、1~1000オングストローム/分、または10~100オングストローム/分の範囲でありうる。
【0034】
プラグ充填250が取り除かれた後、
図2Hはライナー240が残っていることを図示する。次いで、ライナー240は、水酸化アンモニウム、過酸化水素、水、チロキシン5-デヨードナーゼ、硝酸(HNO
3)、(トリメチルシリル)ジメチルヒドラジン(TDMH)、または上記のいずれかの組み合わせのうちの少なくとも一つの流れを介して除去されてもよい。
図2Iに示すように、残留物はデバイス200である。この時点で、デバイス200の製造は完了してもよく、またはステップは、デバイス200の上部に追加的なスタックを形成するために繰り返されてもよい。
【0035】
図3は、本発明の少なくとも一つの実施形態による3-D NANDデバイスを製造するための方法300を図示する。方法300は、ドライエッチングステップ310、ライナー堆積ステップ320、プラグ充填ステップ330、研磨ステップ340、スタック堆積ステップ350、穴エッチングステップ360、および任意のストリップステップ370を含む。穴エッチングステップ360もライナーを取り除く場合、ストリップステップ370は必要でない場合がある。
【0036】
3-D NANDデバイスを形成する方法は、例えば、ALD反応チャンバ、化学蒸着(CVD)チャンバ、エピタキシャル反応チャンバ、バッチ式反応チャンバ、ミニバッチ反応チャンバ、または単一ウェハ反応チャンバ内で行われてもよい。適切な反応チャンバは、これらのプロセスのすべてまたは大部分がin-situプロセスとして発生することを可能にしうる。
【0037】
図4は、本発明の少なくとも一つの実施形態によって作られた3-D NANDデバイス400を図示する。3-D NANDデバイス400は、基材410、酸窒化層スタックセクション420、ソース線430、およびビット線電極セクション440を備える。酸窒化層スタックセクション420はまた、複数のチャネル穴を備えてもよい。
【0038】
示され説明された特定の実施形態は、本発明およびその最良の形態の例示であり、別途態様および実施形態の範囲をいかなるやり方でも限定することを意図しない。実際、簡潔さのために、従来の製造、関連、調製、およびシステムの他の機能的態様を詳細には説明していない場合がある。さらに、様々な図に示される接続線は、様々な要素間の例示的な機能的関係および/または物理的連結を表すことを意図する。多くの代替的もしくは追加の機能的関係、もしくは物理的接続が実際のシステムに存在してもよく、および/または幾つかの実施形態では存在しなくてもよい。
【0039】
本明細書に記載される構成および/または方法は本質的に例示的であり、これらの特定の実施形態または実施例は、数多くの変形が可能であるので、限定的な意味で考えられるべきではないことが理解されるべきである。本明細書に記載される特定のルーチンまたは方法は、任意の数の加工方策のうちの一つまたは複数を表す場合がある。それ故に、例示された様々な動作は、例示される逐次で実施されてもよく、他の逐次で実施されてもよく、または場合によっては省略されてもよい。
【0040】
本開示の主題は、本明細書で開示される様々なプロセス、システム、および構成、ならびに他の特徴、機能、動作および/または特性の、全ての新規かつ自明でない組合せおよび部分的組合せ、ならびにその任意のおよび全ての均等物を含む。
【符号の説明】
【0041】
100 NANDデバイス
120 窒化物層
130 酸化物層
140 第1のスタック
150 第2のスタック
160 ライナー
170 プラグ充填
180 残留物
190 損傷
200 3-D NANDデバイス
210 基材
220 窒化物層
230 酸化物層
240 ライナー
250 プラグ充填
260 空隙
270 第1のスタック
280 第2のスタック
300 3-D NANDデバイスを製造するための方法
310 ドライエッチングステップ
320 ライナー堆積ステップ
330 プラグ充填ステップ
340 研磨ステップ
350 スタック堆積ステップ
360 穴エッチングステップ
370 任意のストリップステップ
400 3-D NANDデバイス
410 基材
420 酸窒化層スタックセクション
430 ソース線
440 ビット線電極セクション