(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-22
(45)【発行日】2024-05-01
(54)【発明の名称】シート化粧料の評価方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/15 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
G01N33/15 Z
(21)【出願番号】P 2020099291
(22)【出願日】2020-06-08
【審査請求日】2023-02-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(73)【特許権者】
【識別番号】503092180
【氏名又は名称】学校法人関西学院
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】清水 真希
(72)【発明者】
【氏名】志水 弘典
(72)【発明者】
【氏名】片山 順一
(72)【発明者】
【氏名】大竹 恵子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 まや
【審査官】倉持 俊輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-095495(JP,A)
【文献】国際公開第2019/235269(WO,A1)
【文献】特開2002-238797(JP,A)
【文献】特開2011-194097(JP,A)
【文献】特開2004-352641(JP,A)
【文献】特開2018-040597(JP,A)
【文献】特開2010-241758(JP,A)
【文献】特開2018-052885(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0061236(KR,A)
【文献】佐藤徳,外1名,日本語版PANASの作成,性格心理学研究,日本,2001年,第9巻,第2号,p138-139
【文献】飛谷謙介,外4名,素肌の質感表現における印象と物理特性の関係性のモデル化,映像情報メディア学会誌,日本,2017年,Vol.71,No.11,ppJ259-J268
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/15
A61K 8/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程を有し、
前記リフレッシュ因子が、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」からなる群から選ばれる少なくとも
5つを評価項目として含
み、
前記リラックス因子が、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」からなる群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含み、
前記活力因子が、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」からなる群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含む、シート化粧料の評価方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記気分因子が、当該気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数(r)が0.400以上である、請求項1に記載の評価方法。
【請求項3】
前記リフレッシュ因子が、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」からなる群から選ばれる
6つ全てを評価項目として含む、請求項1または2に記載の評価方法。
【請求項4】
前記リラックス因子が、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」からなる群から選ばれる少なくとも
3つを評価項目として含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の評価方法。
【請求項5】
前記活力因子が、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」からなる群から選ばれる
3つ全てを評価項目として含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の評価方法。
【請求項6】
リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価するための、評価具であり、
リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子の評価項目を含み、
前記リフレッシュ因子が、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」からなる群から選ばれる少なくとも
5つを評価項目として含
み、
前記リラックス因子が、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」からなる群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含み、
前記活力因子が、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」からなる群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含む、評価具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート化粧料の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体用シート化粧料および顔用シート化粧料などの各種シート化粧料が販売されている(特許文献1および2)。
【0003】
シート化粧料としては、(a)汗、皮脂汚れおよび古い角質等を拭き取ることにより肌(皮膚)のべたつきを抑え、さっぱりとした使用感を与えることを主目的とする皮膚洗浄用シート化粧料、および(b)肌(皮膚)のメイク汚れを拭き取ること、即ちメイク落としを主目的とするメイク落とし用シート化粧料、などが知られている。
【0004】
シート化粧料は、シート基材に液体の化粧料組成物を含侵させて形成された化粧料である。シート化粧料は、汗、皮脂汚れ、古い角質およびメイク等の除去効果はもちろんのこと、使い易さおよび携帯性等にも優れることから、広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-241758
【文献】特開2018-052885
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、シート化粧料の使用者の気分因子を指標とする信頼性の高いシート化粧料の評価方法は知られていない。
【0007】
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的はシート化粧料の使用者の気分因子を指標とする信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程を有する、シート化粧料の評価方法。
(2)少なくとも1つの前記気分因子が、当該気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数(r)が0.400以上である、(1)に記載の評価方法。
(3)前記リフレッシュ因子が、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含む、(1)または(2)に記載の評価方法。
(4)前記リラックス因子が、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含む、(1)~(3)のいずれか1つに記載の評価方法。
(5)前記活力因子が、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含む、(1)~(4)のいずれか1つに記載の評価方法。
(6)リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価するための、評価具。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、シート化粧料の使用者の気分因子を指標とする信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明のシート化粧料の評価具の一例である。
【
図2】本発明のシート化粧料の評価方法を行った結果得られた、Δスコアのグラフである。
【
図3】本発明のシート化粧料の評価方法と同様の方法を、おしぼりを用いて行った結果得られたΔスコアのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A~B」は、「A以上、B以下」を意味する。
【0012】
〔1.本発明のシート化粧料の評価方法〕
本発明のシート化粧料の評価方法は、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程を有する。
【0013】
化粧料を使用することによる効果として、使用者の皮膚状態の改善および皮膚汚れの除去という可視的な効果に加え、当該使用者の気分状態に作用する効果の存在が考えられる。
【0014】
特にシート化粧料は、当該シート化粧料の使用目的および使用シーンから、使用者の気分状態に与える影響が大きいことが予想される。
【0015】
しかしながら、使用者の気分状態は漠然とした指標であり、気分状態を示す項目および因子としても様々なものが考えられる。そのため、従来、使用者の気分因子を指標とした信頼性の高いシート化粧料の評価方法は知られていない。
【0016】
本発明の評価方法は、前記構成を有するため、シート化粧料の使用者の気分因子を指標とするにもかかわらず信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができる、という利点を有する。
【0017】
以下、本発明のシート化粧料の評価方法に含まれる、各構成について順に説明する。
【0018】
[シート化粧料]
シート化粧料は、シート基材に液体の化粧料組成物を含侵させて形成されたシート状の化粧料である。
【0019】
シート基材としては、化粧料組成物を含浸可能なシート状の支持体である限り、特に限定されない。シート基材としては、織布および/または不織布が好ましい。
【0020】
化粧料組成物としては、特に限定されないが、例えば、水、並びに、緩衝剤、pH調整剤、界面活性剤、清涼剤、潤滑剤および/または香料等を含む組成物が挙げられる。
【0021】
[気分因子]
本発明の評価方法において、「気分因子」としては、特に限定されないが、例えば、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子等が挙げられる。「気分因子」は、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの因子を含み、当該群から選ばれる少なくとも2つの因子を含むことが好ましく、当該群から選ばれる3つ全ての因子を含むことが特に好ましい。換言すれば、本発明の評価方法は、少なくとも、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子を指標としてシート化粧料を評価する工程を有する、ことが特に好ましい。当該構成によると、信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができるという利点を有する。
【0022】
気分因子は少なくとも1つ以上の評価項目を含み、少なくとも1つ以上の評価項目から形成される、ともいえる。
【0023】
[リフレッシュ因子]
本発明の評価方法において、「リフレッシュ因子」を形成する評価項目としては、特に限定されないが、例えば、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」等が挙げられる。
【0024】
「リフレッシュ因子」は、「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含むことが好ましく、当該群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる少なくとも3つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる少なくとも4つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる少なくとも5つを評価項目として含むことがさらに好ましく、当該群から選ばれる6つ全てを評価項目として含むことが特に好ましく、当該群から選ばれる6つ全ての評価項目からなることが最も好ましい。当該構成によると、信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができるという利点を有する。
【0025】
[リラックス因子]
本発明の評価方法において、「リラックス因子」を形成する評価項目としては、特に限定されないが、例えば、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」等が挙げられる。
【0026】
「リラックス因子」は、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含むことが好ましく、当該群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる少なくとも3つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる少なくとも4つを評価項目として含むことがさらに好ましく、当該群から選ばれる5つ全てを評価項目として含むことが特に好ましく、当該群から選ばれる5つ全ての評価項目からなることが最も好ましい。当該構成によると、信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができるという利点を有する。
【0027】
[活力因子]
本発明の評価方法において、「活力因子」を形成する評価項目としては、特に限定されないが、例えば、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」等が挙げられる。
【0028】
「活力因子」は、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」からなる群から選ばれる少なくとも1つを評価項目として含むことが好ましく、当該群から選ばれる少なくとも2つを評価項目として含むことがより好ましく、当該群から選ばれる3つ全てを評価項目として含むことがさらに好ましく、当該群から選ばれる3つ全ての評価項目からなることが特に好ましい。当該構成によると、信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができるという利点を有する。
【0029】
[PANAS]
本発明の評価方法における「気分因子」は、日本版PANAS(佐藤徳・安田朝子(2001)、日本語版PANASの作成 性格心理学研究、9、138-139。)の2因子のうちポジティブ感情と正の相関関係を示すことが好ましい。具体的には、気分因子およびポジティブ感情の各々を指標として得られた使用者の気分状態のスコアにおいて、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数(r)が0.400以上であることが好ましく、0.410以上であることがより好ましく、0.430以上であることがより好ましく、0.450以上であることがより好ましく、0.470以上であることがより好ましく、0.500以上であることがより好ましく、0.550以上であることがより好ましく、0.600以上であることがより好ましく、0.700以上であることがさらに好ましく、0.750以上であることが特に好ましい。
【0030】
本発明の評価方法が2つ以上の気分因子を指標として用いる場合、少なくとも1つの気分因子のスコアが日本版PANASのポジティブ感情のスコアと正の相関関係を示すことが好ましく、全ての気分因子のスコアが日本版PANASのポジティブ感情のスコアと正の相関関係を示すことが特に好ましい。
【0031】
(a)リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選択される1つ以上の気分因子において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることが好ましく、(b)当該群から選択される2つ以上の気分因子において、各気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数がそれぞれ0.400以上であることがより好ましく、(c)当該群から選択される3つ全ての気分因子において、各気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数がそれぞれ0.400以上であることがさらに好ましい。
【0032】
本発明の評価方法が、シート化粧料の使用後を含めて複数回実施される場合、(a)少なくともシート化粧料の使用後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることが好ましく、(b)シート化粧料の使用直後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることがより好ましく、(c)シート化粧料の使用直後および使用5分後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることがより好ましく、(d)シート化粧料の使用直後、使用5分後および使用10分後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることがより好ましく、(e)シート化粧料の使用直後、使用5分後、使用10分後および使用20分後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることがさらに好ましく、(f)シート化粧料の使用前、使用直後、使用5分後、使用10分後および使用20分後において、気分因子のスコアと日本版PANASのポジティブ感情のスコアとの間の相関係数が0.400以上であることが特に好ましい。
【0033】
[少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程]
少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程の具体例について説明する。
【0034】
「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」は、特に限定されないが、例えば(i)少なくとも1つの気分因子が含んでいる評価項目に関して使用者の気分状態を評価する工程1と、(ii)当該評価結果を数字またはアルファベットを用いてスコア化する工程2と、(iii)得られた評価項目のスコアを用いて気分因子のスコアを算出する工程3と、(iv)得られた気分因子のスコアに基づき、シート化粧料を評価する工程4と、を有する。
【0035】
工程1において、評価項目に関する使用者の気分状態の評価は、特に限定されないが、2~30段階で行うことが好ましく、3~20段階で行うことがより好ましく、3~10段階で行うことがさらに好ましく、3~7段階で行うことが特に好ましく、5段階で行うことが最も好ましい。評価項目に関する使用者の気分状態の評価を5段階で行う具体例としては、評価項目に関する気分状態について使用者が、「まったく感じない」、「少し感じる」、「中程度に感じる」、「強く感じる」および「非常に強く感じる」の5段階で評価を行う態様が挙げられる。
【0036】
工程1における気分状態の評価の実施方法としては、特に限定されないが、例えば、アンケートまたは問診票に使用者が回答する方法が挙げられる。当該実施方法の具体例としては、紙面に印字されたアンケートまたは問診票に使用者が筆記具で回答する方法、または、電子機器の表示部に表示されたアンケートまたは問診票に使用者が電子機器の入力部を介して回答する方法、等が挙げられる。
【0037】
工程2では、工程1で得られた評価結果を数字または数字またはアルファベットを用いてスコア化すことにより、評価項目のスコアが得られる。上述したように、評価項目に関する使用者の気分状態の評価を5段階で行う場合、スコア化の具体例としては、得られた評価結果について、「まったく感じない」を「1」、「少し感じる」を「2」、「中程度に感じる」を「3」、「強く感じる」を「4」および「非常に強く感じる」を「5」としてスコア化する態様が挙げられる。
【0038】
使用者が複数人存在し、かつ1つの評価項目から構成される1つの気分因子を指標とする場合、各々の使用者について工程1および2に基づき評価項目のスコアを取得した後、得られたスコアの平均値を当該評価項目のスコアとする態様が挙げられる。
【0039】
工程3において、気分因子が1つの評価項目のみを含む(すなわち1つの評価項目のみから形成される)場合、工程2で得られた評価項目のスコアがそのまま気分因子のスコアとなる。工程3において、気分因子が複数の評価項目を含む(すなわち複数の評価項目から形成される)場合、工程1および2により、複数の評価項目の各々のスコアを取得した後、複数の評価項目のスコアの合計値を当該気分因子のスコアとする態様が挙げられる。
【0040】
使用者が1人であり、かつそれぞれ1つの評価項目から構成される複数の気分因子について評価する場合、工程1~3により、複数の気分因子の各々のスコアを取得すればよい。
【0041】
工程4において、気分因子のスコアによるシート化粧料の評価基準は特に限定されず、シート化粧料に対して所望する性能、効果および効能等に依存して適宜設定すればよい。リフレッシュ感に優れるシート化粧料を所望する場合には、リフレッシュ因子のスコアを評価基準として評価工程を実施すればよい。
【0042】
本発明の評価方法は、少なくともシート化粧料の使用後に1回、「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」を有していればよい。本発明の評価方法は、「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」を、(a)シート化粧料の使用後に有することが好ましく、(b)シート化粧料の使用直後に有することが好ましく、(c)シート化粧料の使用前および使用直後に有することがより好ましく、(d)シート化粧料の使用前、使用直後および使用5分後に有することがより好ましく、(e)シート化粧料の使用前、使用直後、使用5分後および使用10分後に有することがさらに好ましく、(f)シート化粧料の使用前、使用直後、使用5分後、使用10分後および使用20分後に有することが特に好ましい。
【0043】
本発明は、例えば以下のような構成も含み得る:
シート化粧料の使用前に、少なくとも1つの気分因子に関する使用者の気分状態をスコア化する第1のスコア化工程と、
前記シート化粧料の使用後に、少なくとも1つの前記気分因子に関する前記使用者の気分状態をスコア化する第2のスコア化工程と、
前記第1のスコア化工程および前記第2のスコア化工程で得られた少なくとも1つの前記気分因子に関するスコアを比較することにより、シート化粧料を評価する評価工程と、を有し、
前記気分因子は、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つである、シート化粧料の評価方法。
【0044】
本発明の評価方法が、シート化粧料の使用前および使用後に「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」を有する場合について説明する。この場合、シート化粧料の使用後の気分因子のスコアからシート化粧料の使用前の気分因子のスコアを引いてΔスコアを算出し、当該Δスコアを用いてシート化粧料を評価できる。当該方法によると、所望する性能、効果および効能を有するシート化粧料を容易に得ることができる。
【0045】
シート化粧料の使用前および使用後に「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」を有する場合について説明する。この場合、シート化粧料の使用前に、使用者に何らかの刺激を与えてもよく、使用者が何らかの運動(例えば一定回数のスクワット)を実施してもよい。当該構成によると、以下(1)および(2)利点を有する:(1)複数の使用者によりシート化粧料を評価する場合でも、各使用者のシート化粧料使用前の気分状態を均一に近づけることができるという利点;および(2)複数回のシート化粧料の評価を実施する場合でも、各回の評価におけるシート化粧料使用前の気分状態を均一に近づけることができるという利点。
【0046】
本発明の評価方法は、シート化粧料の使用前に2回以上、「少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価する工程」を有していてもよい。この場合、シート化粧料の使用前の2回の評価の間に、使用者に何らかの刺激を与えてもよく、使用者が何らかの運動(例えば一定回数のスクワット)を実施してもよい。
【0047】
また、上述した日本版PANASの2因子を指標としてシート化粧料を評価する場合、工程1~4における気分因子を日本癌PANASの2因子に置き換えることにより、同様の方法で当該2因子各々のスコアを取得し、シート化粧料を評価することができる。
【0048】
〔2.本発明のシート化粧料の評価具〕
本発明のシート化粧料の評価具は、リフレッシュ因子、リラックス因子および活力因子からなる群から選ばれる少なくとも1つの気分因子を指標としてシート化粧料を評価するための評価具である。
【0049】
シート化粧料の評価具としては、特に限定されず、
図1に示すようなアンケート(問診票)が印字された紙面、あるいは、
図1に示すようなアンケート(問診票)を表示し得る電子機器等による評価装置等が挙げられる。
【0050】
以下では、評価具として、紙面のアンケートを例に挙げて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るシート化粧料の評価具の一例である。具体的に、
図1は、シート化粧料の使用前または使用後に使用者の気分状態を評価してもらうためのアンケートである。
図1の左上には各評価項目に関する使用者の気分状態を問う質問が示されており、
図1の左下には28項目の評価項目が示されており、
図1の右側には各評価項目に対する評価結果がスコアと関連付けて示されている。
【0051】
例えば、シート化粧料の使用前および使用後に、それぞれ少なくとも1回ずつ、使用者は、
図1のアンケートが印字されたアンケート用紙と筆記具とを使用して28項目の評価項目に関する使用者の気分状態を回答する。各評価項目の評価結果とスコアとが既に関連付けられているため、
図1のアンケートが印字されたアンケート用紙の結果から、28項目の評価項目に関する使用者の気分状態をスコア化できる。
【0052】
また、評価装置としては、例えば、前記気分因子を表示する表示部と、被験者が前記気分因子について入力するための入力部と、入力された気分因子を指標としてシート化粧料を評価する評価部と、当該評価結果を出力するための出力部と、を備える構成を挙げることができる。表示部と入力部とが同じ構成であってもよい(例えば、タッチパネル形式のタブレットPCやスマートホンなど)。出力部としては、評価結果を表示する表示部(ディスプレイ)であってもよいし、印字して出力する印刷手段であってもよい。かかる評価装置の構成については、種々の公知の技術を援用し得る。また、評価装置は、いわゆるネットワークに接続可能なものであってもよい。
【0053】
上述した評価装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記評価装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記評価装置をコンピュータにて実現させる評価装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0054】
すなわち、上述した評価装置(特に、評価部)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。後者の場合、評価部は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば少なくとも1つのプロセッサ(制御装置)を備えていると共に、前記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な少なくとも1つの記録媒体を備えている。そして、前記コンピュータにおいて、前記プロセッサが前記プログラムを前記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。前記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。前記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、前記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、前記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して前記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、前記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0055】
上記各項目で記載した内容は、他の項目においても適宜援用できる。本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。したがって、異なる実施形態にそれぞれ開示されている技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0056】
本明細書中に記載された学術文献および特許文献のすべてが、本明細書中において参考文献として援用される。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例のみに限定されるものではない。
〔実験1:気分因子および気分因子に含まれる評価項目の決定〕
気分因子および気分因子に含まれる評価項目の決定方法について具体的に説明する。シート化粧料としては、シート基材に対して、メントール濃度0.5%およびエタノール濃度50%でありかつ香料を含まない化粧料組成物を含侵させたシート化粧料を使用した。
【0058】
まず、20名の被験者(使用者)にシート化粧料を使用させ、当該被験者にシート化粧料の使用による気分状態を自由に回答させた。得られた回答結果において気分状態に関連する28の用語を抜き出し、評価項目とした。
【0059】
次に、被験者83人にシート化粧料を使用させるとともに、シート化粧料の使用前、使用直後、使用5分後および使用10分後における、28の評価項目に関する使用者の気分状態の変化を1~5の5段階(5件法)で調査した。調査には、
図1に示すようなアンケート(問診票)が印字された紙面を使用した。
【0060】
次に、評価項目毎に、83人のスコアを平均し、各評価項目のスコアとした。得られたスコアを基に探査的因子分析を実施し、3つの気分因子(共通因子)とそれらの気分因子各々に含まれる評価項目(観測変数)を見出した。なお、解析ソフトはHAD(清水、2016)を用い、最小二乗法による因子抽出を行った上、プロマックス回転を行った。
【0061】
探査的因子分析の結果から気分因子および評価項目として、(a)「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」を評価項目として含む「リフレッシュ因子」、(b)「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」を評価項目として含む「リラックス因子」、並びに(c)「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」を評価項目として含む「活力因子」を決定した。
【0062】
因子と項目との関連の強さと換言できる探査的因子分析により得られた、(a)各気分因子、(b)各々の評価項目の各気分因子に対する因子負荷量、(c)各々の評価項目の共通性、および(d)各気分因子の因子寄与の結果を表1に示す。表1において、0.350以上の因子負荷量を太字で表す。ここで、因子負荷量とは各気分因子が各評価項目に影響を及ぼす度合いを示すものであり、各気分因子と各評価項目との関連の強さともいえる。また、共通性は、評価項目(観測変数)を説明している各気分因子に対する因子負荷量の2乗の総和で算出される。共通性とは、抽出された気分因子全体が、各々の評価項目(観測変数)を説明している程度(度合)を示すものである。また、因子寄与は、各気分因子における各々の観測変数の因子負荷量の2乗の総和で算出される。因子寄与とは、各気分因子が各々の評価項目(観測変数)の変動を説明している程度(度合)を示すものである。
【0063】
【0064】
〔実験2:気分因子の妥当性(因子的妥当性)および信頼性(内的整合性(内的一貫信頼性)および再現性)〕
実験1で決定した3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)の各々について、因子的妥当性、内的整合性(内的一貫信頼性)および再現性を確認した。
【0065】
まず、実験1で得られた評価項目ごとのスコアを用い、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」の3因子構造を仮定し、確認的因子分析を行った。解析ソフトはHAD(清水、2016)を用いた。確認的因子分析の結果、CFI(Comparative Fit Index;比較適合指標)=0.91、RMSEA(Root Mean Square Error of Approximation;近似2乗平均誤差平方根)=0.11およびSRMR(Standardized Root Mean Residual;標準化2乗平均残差)=0.08であった。RMSEAおよびSRMRは、モデルの分布と真の分布との乖離を1自由度あたりの量として表現した指標である。確認的因子分析の結果から、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」の因子的妥当性が確認された。
【0066】
次に、実験1で得られた評価項目ごとのスコアを用い、各気分因子についてCronbachのα係数を算出した。その結果、「リフレッシュ因子」はα=0.92、「リラックス因子」はα=0.77および「活力因子」はα=0.94であった。かかる結果より、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」の各気分因子が内的整合性(内的一貫信頼性)を有することが確認された。
【0067】
さらに、実験1で決定した3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)および各気分因子を構成する評価項目の再現性を確認するため、実験1と同じ実験を、約1年後に再度実施した。その結果、再度実施した実験1で得られた調査結果を基に探査的因子分析を実施したところ、1回目と同じく、3つの気分因子、すなわち(a)「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」の評価項目から構成される「リフレッシュ因子」、(b)「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」の評価項目から構成される「リラックス因子」、および(c)「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」の評価項目から構成される「活力因子」が見出された。かかる結果より、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」、並びに各気分因子を構成する評価項目の再現性が確認された。
【0068】
〔実験3:気分因子の基準関連妥当性〕
実験1で決定した3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)と、日本版PANASの2因子(ポジティブ感情およびネガティブ感情)とについて、ピアソンの相関分析を行った。
【0069】
まず、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」の気分因子ごとに、各気分因子を構成する評価項目のスコアを合計し、各気分因子のスコアを算出した。ここで、実験1において28の評価項目に関する使用者の気分状態の変化とともに、日本版PANASの2因子を構成する16の評価項目(ポジティブ感情;「活気のある」、「誇らしい」、「強気な」、「きっぱりとした」、「気合いの入った」、「わくわくした」、「機敏な」および「熱狂した」の8項目、ネガティブ感情;「びくびくした」、「おびえた」、「うろたえた」、「心配した」、「ぴりぴりした」、「苦悩した」、「恥じた」および「いらだった」の8項目)についてもシート化粧料の使用前、使用直後、使用5分後および使用10分後における使用者の気分状態の変化を調査した。次に、日本版PANASの2因子ごとに、各因子を構成する評価項目のスコアを合計し、各因子のスコアを算出した。
【0070】
次に、「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」の各気分因子のスコアと、日本版PANASの2因子の各因子のスコアとの相関関係を確認するため、シート化粧料の使用直後、使用5分後および使用10分後の時点毎に、ピアソンの相関分析を実施した。シート化粧料の使用直後のピアソンの相関分析の結果を表2に、シート化粧料の使用5分後のピアソンの相関分析の結果を表3に、シート化粧料の使用10分後のピアソンの相関分析の結果を表4に、それぞれ示す。
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
表2~4の結果より、3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)の各々は、どの測定時期においてもPANASのポジティブ感情と正の相関関係が示されており、3つの気分因子の中では特に「活力因子」が、ポジティブ感情と相関係数が高いことがわかる。以上の結果から、3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)の各々は、日本版PANASの因子と妥当な関連が示されており、3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)の基準関連妥当性が認められたといえる。
【0075】
実験1~3より、特定の評価項目により構成される3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)を指標として用いることにより、使用者の気分因子を指標とするにもかかわらず信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供できることがわかる。
【0076】
〔実施例〕
実験1で得られた3つの気分因子(「リフレッシュ因子」、「リラックス因子」および「活力因子」)を指標として用い、本発明のシート化粧料の評価を行った。
【0077】
シート化粧料としては、マンダム株式会社製、ギャツビー アイスデオドラントボディペーパー アイスシトラスを用いた。また、シート化粧料ではない、市販のおしぼり(不織布タイプ)を、対照として使用した。被験者は男性20名であり、27℃の室内環境下で評価方法を実施した。
【0078】
評価方法の具体的な実施態様は下記の通りであった。
(1)下記の4回のタイミングで、14の評価項目(「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」、「さわやかな」、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」、「脱力した」、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」)に関して各使用者の気分状態の評価を実施した。各評価項目について、「まったく感じない」、「少し感じる」、「中程度に感じる」、「強く感じる」および「非常に強く感じる」の5段階で評価を行った。
タイミング(a)入室5分後
タイミング(b)3分間のスクワット後[
図2および3中「運動後」]
タイミング(c)シート化粧料の使用直後[
図2および3中「使用直後」]
タイミング(d)シート化粧料の使用20分後[
図2および3中「使用20分後」]
(2)得られた評価結果について、「まったく感じない」を「1」、「少し感じる」を「2」、「中程度に感じる」を「3」、「強く感じる」を「4」および「非常に強く感じる」を「5」としてスコア化した。
(3)各タイミングにおいて、14の評価項目の各々について被験者20名のスコアの平均値を算出し、各評価項目のスコアとした。
(4)「スッキリした」、「スカッとした」、「清涼感がある」、「快適な」、「リフレッシュした」および「さわやかな」の各評価項目のスコアを合計して「リフレッシュ因子」のスコアとし、「安心した」、「癒された」、「優しい」、「落ち着く」および「脱力した」の各評価項目のスコアを合計して「リラックス因子」のスコアとし、「前向きな」、「明るい」および「やる気がある」の各評価項目のスコアを合計して「活力因子」のスコアとした。
(5)タイミング(b)~(d)の各気分因子のスコアから、タイミング(a)の気分因子のスコアを引いた値を、各気分因子のΔスコアとした。
シート化粧料の結果を
図2に示し、おしぼり(対照)の結果を
図3に示す。
【0079】
図2は、本発明のシート化粧料の評価方法を行った結果得られた、Δスコアのグラフであり、
図3は、本発明のシート化粧料の評価方法と同様の方法を、おしぼりを用いて行った結果得られたΔスコアのグラフである。
図2および
図3において、リフレッシュ因子のΔスコアは実線で示し、リラックス因子のΔスコアは点線で示し、活力因子のΔスコアは破線で示している。
【0080】
図2および3より、本発明のシート化粧料の評価方法が信頼性の高いシート化粧料の評価方法であることがわかるとともに、使用したシート化粧料が、使用後のリフレッシュ感に優れる効果をもたらすことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、シート化粧料の使用者の気分因子を指標とする信頼性の高いシート化粧料の評価方法を提供することができる。そのため、本発明は、使用者の気分状態に作用する効果が大きいシート化粧料の開発に好適に利用することができる。